(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ゲスト測定システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/107 20060101AFI20240423BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20240423BHJP
A63G 33/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A61B5/107 400
G01B11/02 H
A63G33/00
A61B5/107 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561197
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 US2022023897
(87)【国際公開番号】W WO2022216973
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】サンティッロ ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ヒラパラ コール
(72)【発明者】
【氏名】メロ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン ディオンテ オマール
(72)【発明者】
【氏名】マルソー テイラー
(72)【発明者】
【氏名】ゴスビー カタリナ
【テーマコード(参考)】
2F065
4C038
【Fターム(参考)】
2F065AA22
2F065CC16
2F065FF01
2F065FF09
2F065FF42
2F065GG21
2F065HH05
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ26
4C038HH08
4C038HJ03
4C038VA03
4C038VA04
4C038VB02
4C038VB14
4C038VB18
4C038VC02
4C038VC05
(57)【要約】
ゲスト測定システム(12)が、テーマパーク内の個々のアトラクションのアトラクション測定エリア(20)に関連するコントローラ(14)を含む。ゲスト測定システム(12)は、1又は2以上のセンサ(16)からゲスト特性を示すセンサ信号を受け取るように構成されたコントローラ(14)を含む。コントローラ(14)は、センサ信号に部分的に基づいてゲストの1又は2以上の四肢を検出し、1又は2以上の四肢の個々の四肢の複数のサブ領域を識別し、個々の四肢の識別された複数のサブ領域の寸法を推定し、識別された複数のサブ領域の推定寸法に基づいてゲストの身長計算を生成するように構成されたプロセッサ(204)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲスト測定システムであって、
遊園地内の個々のアトラクションのアトラクション測定エリアにおけるゲスト特性を示すセンサ信号を生成するように構成された1又は2以上のセンサと、
前記1又は2以上のセンサから前記ゲスト特性を示す前記センサ信号を受け取るように構成されたコントローラと、
を備え、前記コントローラは、
前記センサ信号に部分的に基づいてゲストの1又は2以上の四肢を検出し、
前記1又は2以上の四肢の個々の四肢の複数のサブ領域を識別し、
前記1又は2以上の四肢の前記個々の四肢の前記識別された複数のサブ領域の寸法を推定し、
前記識別された複数のサブ領域の前記推定された寸法に基づいてゲスト身長計算を生成する、
ように構成されたプロセッサを含む、
ことを特徴とするゲスト測定システム。
【請求項2】
前記1又は2以上のセンサは、カメラ又は深度センサを含む、
請求項1に記載のゲスト測定システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、右側四肢と同じタイプの対応する左側四肢とを決定することによって前記ゲストの前記1又は2以上の四肢を検出するように構成される、
請求項1に記載のゲスト測定システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記右側四肢の第1の推定寸法の第1の信頼区間と、前記対応する左側四肢の第2の推定寸法の第2の信頼区間とを決定し、
前記第1の信頼区間又は前記第2の信頼区間が閾値を超えていると判定する、
ように構成される、請求項3に記載のゲスト測定システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の信頼区間が前記閾値を超えていて前記第2の信頼区間が前記閾値を超えていないと判定した場合、前記ゲスト身長計算を決定するために前記第1の推定寸法を前記右側四肢のサブ領域に使用し、前記第2の推定寸法を前記対応する左側四肢のサブ領域に使用しないように構成される、
請求項4に記載のゲスト測定システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記1又は2以上の四肢の関節間の長さの長さ寸法を決定するように構成される、
請求項1に記載のゲスト測定システム。
【請求項7】
前記1又は2以上の四肢は脚又は腕を含む、
請求項1に記載のゲスト測定システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記ゲスト身長計算に部分的に基づいて、前記ゲストが前記アトラクションのための資格がある旨の指示を生成するように構成される、
請求項1に記載のゲスト測定システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記ゲスト身長計算に部分的に基づいて前記ゲストの乗り物座席を選択するように構成される、
請求項1に記載のゲスト測定システム。
【請求項10】
前記センサ信号は、前記アトラクション測定エリア内の身長マーカーの1又は2以上の寸法を示す信号を生成する、
請求項1に記載のゲスト測定システム。
【請求項11】
アトラクション測定エリア内のゲストを測定する方法であって、
1又は2以上のセンサから、身長マーカーからのゲスト距離を示す1又は2以上のセンサ信号を受け取ることと、
前記ゲストが前記身長マーカーからの閾値距離内に存在することを検出したことに応答してゲスト測定を開始することと、
を含み、前記ゲスト測定は、前記1又は2以上のセンサ信号を使用してゲストの四肢を識別することと、前記身長マーカーに基づいて、前記識別された四肢のサブ領域の寸法を推定することと、前記推定された前記サブ領域の寸法を使用してゲスト身長計算を生成することと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記距離が前記身長マーカーからの前記閾値距離を超えていることを検出することと、
前記ゲストが前記閾値内に位置していない旨の指示を出力することと、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記身長マーカーは、前記アトラクション測定エリアの平面の軸に沿って配置され、前記身長マーカーは、既知の高さの物体を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記識別された四肢の前記サブ領域の一部を合計して四肢推定値を生成し、該四肢測定値に基づいて前記ゲスト身長計算を生成することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1又は2以上のセンサはカメラを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ゲスト測定システムであって、
遊園地内の個々のアトラクションのアトラクション測定エリアにおけるゲスト特性を示すセンサ信号を生成するように構成された1又は2以上のセンサと、
前記1又は2以上のセンサから前記ゲスト特性を示す前記センサ信号を受け取るように構成されたコントローラと、
を備え、前記コントローラは、
前記センサ信号に部分的に基づいてゲストの1又は2以上の解剖学的特徴を識別し、
前記識別された1又は2以上の解剖学的特徴の寸法を推定し、
前記推定された寸法に基づいてゲスト身長計算を生成する、
ように構成されたプロセッサを含む、
ことを特徴とするゲスト測定システム。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記識別された1又は2以上の解剖学的特徴の個々の解剖学的特徴の複数のサブ領域を識別する、
ように構成される、請求項16に記載のゲスト測定システム。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記個々の解剖学的特徴の前記識別された複数のサブ領域の寸法を推定する、
ように構成される、請求項18に記載のゲスト測定システム。
【請求項19】
ゲスト測定装置であって、
遊園地内の個々のアトラクションのアトラクション測定エリアにおけるゲスト特性を示すセンサ信号を生成するように構成された1又は2以上のセンサと、
エリア内に光子を放出するように1又は2以上の光検出及び測距センサを作動させるユーザ入力を受け取り、
前記光検出及び測距センサにおいて反射光子を受け取り、
前記反射光子を受け取ったことに基づいてセンサ信号を生成し、
前記センサ信号に部分的に基づいてゲストの1又は2以上の解剖学的特徴を識別し、
前記識別された1又は2以上の解剖学的特徴の寸法を推定し、
前記推定された寸法に基づいてゲスト身長計算を生成する、
ように構成されたコントローラと、
を備えることを特徴とするゲスト測定装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記識別された1又は2以上の解剖学的特徴の個々の解剖学的特徴の複数のサブ領域を識別する、
ように構成される、請求項19に記載のゲスト測定装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、
前記個々の解剖学的特徴の前記識別された複数のサブ領域の寸法を推定する、
ように構成される、請求項20に記載のゲスト測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2021年4月8日に出願された「ゲスト測定システム及び方法(GUEST MEASUREMENT SYSTEMS AND METHODS)」という名称の米国仮特許出願第63/172,442号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献の開示は全体が全ての目的で引用により組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地内のゲストを測定して1又は2以上の身体特性を評価し、及び/又は遊園地のアトラクションに入るための、例えば乗客として娯楽用乗り物に入るための適格性を判定するために利用される方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0003】
テーマパーク又は遊園地はますます人気が高まってきている。より洗練された独創的な乗り物アトラクションは、このようなパークの人気及び成功を高める上で役立ってきた。アトラクションの中には、身長閾値を上回る乗客に身長を制限しているものもある。例えば、テーマパーク乗り物アトラクションは、ジェットコースター型車両などの乗り物車両、又は乗り物経路に沿って移動するその他の車両を伴うことができる。乗り物の身長制限は、各座席の拘束具に適合できる特定の身長範囲内の乗客に乗り物を制限するものである。乗り物に入る前に乗客を測定して、乗客が身長制限に収まるかどうかを判定することができる。例えば、乗客は、自分の身長を壁に書かれた線と手動で比較することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ本主題の可能な形態の概要を示すものにすぎない。実際には、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0005】
1つの実施形態によれば、ゲスト測定システムが、テーマパーク内の個々のアトラクションのアトラクション測定エリアにおけるゲスト特性を示すセンサ信号を生成するように構成された1又は2以上のセンサを含む。ゲスト測定システムは、1又は2以上のセンサからゲスト特性を示すセンサ信号を受け取るように構成されたコントローラを含む。コントローラは、センサ信号に部分的に基づいてゲストの1又は2以上の四肢を検出するように構成されたプロセッサを含む。プロセッサは、1又は2以上の四肢の個々の四肢の複数のサブ領域を識別し、1又は2以上の四肢の個々の四肢の識別された複数のサブ領域の寸法を推定し、識別された複数のサブ領域の推定された寸法に基づいてゲストの身長計算を生成するように構成される。
【0006】
ある実施形態によれば、アトラクション測定エリア内のゲストを測定する方法が、1又は2以上のセンサから、身長マーカーからのゲストの距離を示す1又は2以上のセンサ信号を受け取ることを含む。ゲストが身長マーカーからの閾値距離内に存在することを検出したことに応答してゲスト測定が開始される。ゲスト測定は、1又は2以上のセンサ信号を使用してゲストの四肢を識別することと、身長マーカーに基づいて、識別された四肢のサブ領域の寸法を推定することと、サブ領域の推定寸法を使用してゲスト身長計算を生成することと、を含む。
【0007】
1つの実施形態によれば、ゲスト測定システムが、テーマパーク内の個々のアトラクションのアトラクション測定エリアにおけるゲストの特性を示すセンサ信号を生成するように構成された1又は2以上のセンサと、1又は2以上のセンサからゲスト特性を示すセンサ信号を受け取るように構成されたコントローラとを含む。コントローラは、センサ信号に部分的に基づいてゲストの1又は2以上の解剖学的特徴を識別し、識別された1又は2以上の解剖学的特徴の寸法を推定し、推定された寸法に基づいてゲスト身長計算を生成するように構成されたプロセッサを含む。
【0008】
1つの実施形態によれば、ゲスト測定装置が、遊園地内の個々のアトラクションのアトラクション測定エリアにおけるゲスト特性を示すセンサ信号を生成するように構成された1又は2以上のセンサを含む。装置は、エリア内に光子を放出するように1又は2以上の光検出及び測距センサを作動させるユーザ入力を受け取り、光検出及び測距センサにおいて反射光子を受け取り、反射光子を受け取ったことに基づいてセンサ信号を生成し、センサ信号に部分的に基づいてゲストの1又は2以上の解剖学的特徴を識別し、識別された1又は2以上の解剖学的特徴の寸法を推定し、推定された寸法に基づいてゲスト身長計算を生成するように構成されたコントローラを含む。
【0009】
全体を通じて同じ要素を同じ記号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態による、遊園地のアトラクション測定エリアの概略図である。
【
図2】本実施形態による、ゲスト測定システムの使用方法のフロー図である。
【
図3】本実施形態による、ゲスト測定システムのブロック図である。
【
図4】本実施形態による、ゲスト測定システムを利用する遊園地のアトラクション測定エリアの概略図である。
【
図5】本実施形態による、ゲスト測定システムの身長計算ロジックの一部として利用される、ゲストの様々な四肢の複数のサブ領域の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態は、1又は2以上のゲスト特性を測定し、これをさらに使用して身長制限のあるアトラクションに入るゲストの適格性を判定する、アトラクション測定技術を容易にするものである。これらの測定技術は、立った姿勢、座った姿勢、うつむいた姿勢又はかがみ込んだ姿勢などの様々な姿勢でのゲストの測定を可能にする。さらに、これらの測定技術は、アトラクション適格性要件に関連するユーザ測定エラー又は混乱を低減する。
【0012】
図1に、アトラクションのゲスト測定エリア20においてゲスト測定データを生成する1又は2以上のセンサ16に結合されたコントローラ14を含むゲスト測定システム例12を示す。1又は2以上のセンサ16(例えば、深度センサ)は、エリア20の周囲に配置される。1又は2以上のセンサ16は、互いに同じ位置に配置することも、或いは測定エリア20内の分散した位置に離れて配置することもできる。1又は2以上のセンサは、深度センサ、色センサ及び近接センサなどを含むことができる。
【0013】
1つの実施形態では、深度センサが、ゲストの測定値を取得するために、赤外線プロジェクタ、赤外線カメラ及びRGBカメラを含むことができる。1又は2以上のセンサは、互いに同じ位置に配置することも、或いは測定エリア内の特定の位置に離れて配置することもできる。例えば、1又は2以上のセンサは、ゲスト及び周辺エリアの測定値を取り込むために、測定エリア20の天井又は近くの壁に配置することができる。また、ゲストサービス係が1又は2以上のセンサ16を含むハンドヘルド装置を使用して、ゲストの前でハンドヘルド装置を動かして関連データを取得することによって測定値を取得することもできる。1つの実施形態では、1又は2以上のセンサ16を含むハンドヘルド装置が、ハンドヘルドモバイル装置又はタブレットである。センサ16は、光検出及び測距(LiDAR)対応検知システムを含むことができる。LiDAR対応検知システムは、ハンドヘルドモバイル装置又はタブレットと一体化されて、ハンドヘルドモバイル装置又はタブレットがLiDAR対応検知システムにおいて測定を作動させ、LiDAR対応検知システムを使用して測定データを受け取り、LiDAR対応検知システム上で測定データを見ることを可能にすることができる。システムは、ゲストを含むエリア内で光子のバーストを放出し、反射された光信号を装置において受け取る、垂直共振器型面発光レーザー(vertical-cavity surface-emitting laser)、すなわちVCSELを含むことができる。光源に隣接する検出器(例えば、単一光子アバランシェダイオード(SPAD))において受け取られた光子の測定値を使用して、カメラレンズからの物体又は表面の距離を導出することができる。距離の分解能は、VCSELの投影グリッドの配列に基づくことができる。実施形態では、装置が、受信機センサによって検出される一連の赤外線の点を放射するVCSELを含むことができる。LiDAR対応検知システムを使用して検知エリアの深度情報を生成することで、距離決定をより正確なものにすることができる。
【0014】
以下でさらに説明するように、1又は2以上のセンサ16は、ゲスト測定エリアの平面の軸に沿って配置された既知の身長マーカー32、又は測定エリア20内に配置された既知の身長プロップ(height prop)の測定値を校正のために取得することもできる。
【0015】
ゲスト測定システム12は、エリア20又はその内部におけるゲストの自然な移動を可能にし、実施形態ではゲストによる自身の測定値(例えば、身長)の入力又は推定を伴わずにゲストが自動的に測定されるマーカー38を含むことができる。1又は2以上のセンサ16は、
図1に第1のゲスト22a及び第2のゲスト22bとして示す1又は2以上のゲストを表すデータを含む環境データを収集する。環境データはコントローラ14に提供され、コントローラ14は環境データを使用して身長などのゲスト特性を決定する。ゲスト測定システム12は、ゲストがかがみ込んでいる間、或いは車椅子又はベビーカーなどに座っている間にゲストを正確に測定することができる。一例として示すように、第1のゲスト22aは第2のゲスト22bよりも背が高い。しかしながら、第1のゲスト22aはかがみ込んでおり、第2のゲスト22bは風船を持っている。地面からの距離30がアトラクションに乗るための最低身長を表すものとすれば、最低高さでのビームの途絶を測定する光ビームタイプのセンサでは風船がビームを遮るため、誤って第2のゲスト22bの身長を十分に高いものとして示してしまう。さらに、第1のゲスト22aも、誤って身長が十分でないと認識されてしまう。対照的に、本明細書に示すような開示する測定システム12は、第1のゲスト22aを十分な身長であると正しく識別し、第2のゲスト22bを少なくとも最低高さに届いていないと正しく識別する。システム12は、センサ信号を使用して解剖学的特徴を識別し、解剖学的特徴の推定寸法に基づいて身長計算を生成する。実施形態では、システム12が、身長計算を適格とする又はしないことを示す表示36又はその他のインジケータを提供することができる。
【0016】
ある実施形態では、1又は2以上のセンサ16を介して取得された情報を使用して1又は2以上のゲスト特徴が識別される。ゲスト特徴は解剖学的特徴であることができ、例えば各ゲストの四肢が識別される。ゲストの頭、首、胴体、骨盤、腕、膝、すね、足首、足、手、つま先及び指などを識別することができる。これらの四肢の一部は、ゲストの身体の中間軸(medial axis)を越えて対を成す四肢又は対応する四肢(すなわち、右側の四肢と左側の四肢)を有することができると理解されたい。本開示の実施形態は、識別された各解剖学的特徴(例えば、四肢)の複数のサブ領域を識別し、複数のサブ領域の各々の測定値又は寸法を推定することを含む。特定のサブ領域測定値を合計して四肢推定値を取得することにより、ゲストの全高(total height)を推定又は計算することができる。例えば、推定される全脚高(total leg height)は、特定の脚サブ領域の合計に基づくことができる。ある実施形態では、脚高+ゲスト胴体高及び頭部寸法を使用してゲスト身長を決定することができる。別の実施形態では、ゲストの身長が正しく計算されているかどうかを判定するために、ゲストの翼幅(wing span)を使用することができる。例えば、翼幅は、一般に個人の腕を肩の高さで地面と平行に90度持ち上げた時の腕の一端から他端までの長さとして定義することができる。人間の身長は概ね翼幅の長さであるため、翼幅はゲストの推定身長を確認する品質チェックの役割を果たすことができる。
【0017】
特定のサブ領域の高さは、様々な数学的関係及び方程式(例えば、3Dピタゴラスの定理、線形補間)を使用して推定することができる。なお、第1の四肢に関連する信頼度が第2の対応する四肢の信頼度を閾値よりも(例えば、1標準偏差よりも)上回る場合には、第1の四肢の特定のサブ領域の測定値を第2の対応する四肢の代わりに使用することができると理解することができる。本開示の実施形態は、推定される四肢測定値に基づいてゲストの全高計算を生成することを含む。このように、ゲストは、乗り物の利用前に測定されている間、(例えば、車椅子に)座ったままであることができる。
【0018】
これらを踏まえて、
図2は、本技術によるゲスト測定システムの使用方法100のフロー図である。方法100は、乗り物への乗車前に、測定エリア内に配置された1又は2以上のセンサから深度センサ情報などのゲスト特性を示すセンサ信号を受け取ること(ブロック102)を含む。
【0019】
方法100は、1又は2以上のセンサから取得された情報に基づいて、1又は2以上の四肢などのゲストの解剖学的特徴を検出すること(ブロック104)を含む。なお、1又は2以上のセンサから取得されるセンサ情報は、本明細書に示す身長計算ロジックとの使用を容易にするために、最初にフィルタ処理し、正規化し、校正し、及び/又は前処理することができると理解されるであろう。このセンサ情報に基づいて、ゲストの頭、首、胴体、骨盤、大腿部、膝、ふくらはぎ、すね、足首、足、つま先、手、手首、指、肘及び前腕などを含むゲストの様々な四肢及び/又は解剖学的特徴の存在及び位置を識別又は検出することができる。ゲストの身体内の解剖学的関節の位置を予測又は観察するためには骨格追跡を使用することができる。これらの位置を使用してデータ構造を作成し、ここから関節間の距離を計算して画面上で可視化することができる。識別された関節間の長さの加算を使用して身長を推定することができる。ある実施形態では、これらの技術を使用して、切断(amputation)などの四肢の違い及び識別された切断の長さを識別することができる。記憶されたアトラクション情報に基づいて、ゲストが乗車できるアトラクションの通知を生成することができる。システムは、深度センサを使用して、3D空間内に実際の座標で個人の骨格構造の画像を作成することができる。複数の深度センサを利用して、収集されたデータを補強できる合成画像を3D空間内に作成することができる。
【0020】
方法100は、個々の四肢の複数のサブ領域を識別することを含む(ブロック106)。例えば、方法100は、特定のサブ領域の1又は2以上の寸法を推定するために様々な数学的方程式及び関係(例えば、幾何学、3Dピタゴラスの定理、線形補間)を使用することができる。なお、四肢の寸法を推定する目的で四肢をサブ領域に分割することもできると理解されるであろう。例えば、ゲストの左ふくらはぎを3つのサブ領域で測定する一方で、ゲストの右ふくらはぎの対応する3つのサブ領域の対応する測定値を測定することができる。以下で
図5を参照しながらさらに説明するように、ゲスト測定システムは、これを行うことにより、使用される測定値がゲストの左ふくらはぎのものであるか、それともゲストの右ふくらはぎのものであるかにかかわらず、特定のサブ領域の最も正確な測定値を使用することによってゲストの全高をより良好に推定することができる。推定寸法は、関節間(例えば、手首から肘まで、肘から肩まで、足首から膝まで、膝から腰まで)の長さ推定、及び/又は長さ軸に平行な面内での幅推定を含むことができる。
【0021】
すなわち、左四肢からのいくつかの測定値と右四肢からのいくつかの測定値とを使用して全体的四肢測定値又は寸法を推定することができる(ブロック108)。各四肢の推定精度を判定することもできる。ゲスト測定システムは、各四肢の各サブ領域の寸法推定の確実性を判定するために、1又は2以上のセンサによって取得された測定値を既知の身長マーカー又は既知の身長プロップの高さなどの校正基準と比較する校正を実行することができる。統計分析を実行して推定値内の異常値を識別することもできる。いくつかの実施形態では、全高計算の精度を高めるために、閾値(例えば、1つの標準偏差、2つの標準偏差)から外れた測定値をサブ領域測定値から除去することができる。
【0022】
方法100は、推定された四肢サブ領域の組み合わせに基づいてゲストの全体的ゲスト身長計算を生成すること(ブロック110)を含む。特定のサブ領域の測定値が複数存在する場合(例えば、左大腿部のサブ領域及び右大腿部のサブ領域)、ゲスト測定システムは、特定のサブ領域のどの測定値の確実性が高いかを判定し、より確実性の高い測定値を使用することができる。四肢の各サブ領域が推定されると、方法は、最終的な身長計算を生成することを含む。本明細書で説明する方法を使用することにより、車椅子、移動補助装置(assisted mobility device)及びベビーカーなどから立ち上がる必要なくゲストを測定して、乗り物に入ることができるかどうかを判定することができる。さらに、本明細書で説明する技術は、移動制限のないゲストにも適用することができると理解されるであろう。
【0023】
図3は、本実施形態によるゲスト測定システム200のブロック図である。ゲスト測定システム200は、コンピュータ装置、サーバ、分散プロセッサ又はクラウドコンピューティング環境内に実装できるコントローラ202を含む。コントローラ202は、プロセッサ204及びメモリ206を含む。プロセッサ204は、1又は2以上の処理装置(処理回路又は計算回路)を含むことができ、メモリ206は、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、又は光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは所望のプログラムコードを機械実行可能命令又はデータ構造の形態で保持又は記憶するために使用できるとともに、プロセッサ204又はその他のプロセッサベースの装置(例えば、モバイル装置)がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。コントローラ202は、1又は2以上のタイプのモデル208(例えば、プロセッサ204が実行できるソフトウェアベースのモデル)を利用することができる。例えば、モデル208は、3Dピタゴラスの定理モデルなどの幾何学ベースのモデルを含むことができる。変数間の関係を発見するために連想法(Association techniques)を使用することもできる。1つの実施形態では、骨格トラッカー216が、ゲストの頭、手、胴体、重心、骨盤/腰、大腿部、膝、すね、足首及び足などの様々な骨格関節及び/又は解剖学的特徴の存在及び/又は位置を確立することができる。
【0024】
モデル208は、ゲストの四肢の各サブ領域の推定を実行するために様々な入力210を受け取ることができる。入力210は、乗り物情報212及び深度データ214を含むことができる。乗り物情報212は、特定の乗り物の制限を含むことができる。例えば、乗り物は、特定の身長又は体重制限を有することができる。また、乗り物座席の中には、乗客のための特定の奥行きにしか対応できないものもあり、従って特定の障害設備(例えば、杖、車椅子など)を使用しているゲストは乗り物に乗ることができない場合があり、さらなる座席(例えば、隣の座席)の使用を必要とする場合があり、或いはゲストに適した特定の座席を乗り物上に必要とする場合がある。
【0025】
深度データ214は、1又は2以上のセンサからのデータを含むことができる。1又は2以上のセンサは、アトラクション測定室の天井又は壁、或いはチームメンバーが操作するハンドヘルド装置内に配置することができる。1又は2以上のセンサは、深度センサ、色センサ及び近接センサなどを含むことができる。1つの実施形態では、深度センサが、ゲストの測定値を取得するために、赤外線プロジェクタ、赤外線カメラ、及びRGBカメラを含むことができる。赤外線プロジェクタ、赤外線カメラ及びRGBカメラは、互いに近接して(例えば、互いに数センチ以内に)、又は互いに同じ位置に配置することができる。理解できるように、赤外線プロジェクタは、赤外線カメラによって検出されたエリア内の近くの物体に赤外線パターンを投影することができる。赤外線カメラ及び/又はRGBカメラは、投影された赤外線パターンを取り込む。その後、これらのカメラは、取り込んだ赤外線パターンのビデオを深度センサプロセッサに送信して、投影された各赤外線パターン(例えば、ドット)の深度を決定する。1つの実施形態では、特定の物体上の投影された赤外線パターンの密度をプロジェクタからの距離に相関させることができる。ある実施形態では、深度センサが、深度データ214を生成するLiDAR検知システムを含むことができる。
【0026】
モデル208の説明に戻ると、モデル208は、特定の識別された四肢の特定のサブ領域の高さ又は長さを推定するために様々な数学的方程式及び関係(例えば、幾何学、3Dピタゴラスの定理、線形補間)を使用する。識別された四肢は、四肢のサイズ及び特定の識別された四肢の確実性などに部分的に基づいて複数のサブ領域に分割することができる。いくつかの四肢は、ゲストの身体を左側と右側とに分ける身体の中間軸の両側に存在することができる。モデル208は、識別された四肢が対を成す四肢(すなわち、身体の左側の左すね及び身体の右側の右すね)である場合には左四肢及び右四肢の両方の長さを推定することができるが、左四肢及び右四肢のサイズが十分に類似しているとみなされる場合には一方の四肢の推定値のみを使用することができる。この事例では、モデル208が、深度データ214に基づいてどちらの推定値の方が正確であるかを判定した後に一方の四肢(すなわち、左すね又は右すね)のみの推定高さを使用することができる。一方で、モデル208は、左四肢及び右四肢が特定の類似度閾値から外れていると判定した場合には、左四肢及び右四肢の両方の高さの推定値を使用することができる。別の実施形態では、モデル208が、類似度閾値にかかわらず、対を成す四肢の両方の高さを推定して使用する。
【0027】
1つの実施形態では、モデル208が、対を成す四肢の対応するサブ領域の高さ又は長さを決定する。例えば、モデル208は、ゲストの左ふくらはぎの第1の領域、第2の領域及び第3の領域の高さ又は長さを決定することができる。モデル208は、ゲストの右ふくらはぎの対応する第1の領域、対応する第2の領域及び対応する第3の領域の高さ又は長さを決定することもできる。次に、モデル208は、領域から提供される深度データ214の確実性に基づいて、左ふくらはぎの第1の領域又は右ふくらはぎの対応する第1の領域のどちらの方が正確であるかを判定する。その後、モデル208は、正確な方の測定値を使用して全高計算の生成に進むことができる。実際には、モデル208は、精度を高めるために、1つの特定の四肢について身体の両側の特定のサブ領域からの測定値を使用することができる。
【0028】
コントローラ202は、各四肢の各サブ領域の推定高さの確実性を判定するために、1又は2以上のセンサによって取得された測定値を既知の身長マーカー又は既知の身長プロップの高さなどの校正基準のものと比較する校正を実行することができる。次に、コントローラ202は、測定された各サブ領域又は四肢の高さの確実性が容認可能であるかどうか(例えば、決定された許容誤差範囲内にあるかどうか)を判定することができる。特定のサブ領域の測定値が複数存在する場合(例えば、左大腿部のサブ領域及び右大腿部のサブ領域)、コントローラ202は、特定のサブ領域のどの測定値の確実性が高いかを判定し、より確実性の高い測定値を使用することができる。
【0029】
次に、モデル208は、特定の領域の有効高さ計算218を出力するために、特定の領域のより正確な測定値を使用することができる。コントローラ202は、特定の各領域の有効高さ計算218を決定すると、全体的有効高さ計算を生成することができる。コントローラ202は、各四肢の各有効高さ推定値を合計することによってゲストの身体全体の全体的有効高さ計算を出力することができる。この最終的な有効高さ計算を使用して、ゲストが自身の補助設備から降りる必要なく座ったまま又はゲストの補助設備(例えば、ゲストの車椅子、移動補助装置、ベビーカー)によって補助された状態でゲストを収容するのに十分な空間を乗り物が有しているかどうかを判定することができる。ある実施形態では、この出力が、推定身長に基づいて特定のアトラクションに乗るための適格性に関する通知を含むことができる。
【0030】
図4は、本実施形態による、
図3のゲスト測定システム200を利用するテーマパークのアトラクション測定エリアの概略的側面図である。図示の実施形態では、乗り物エリア222に隣接する個別密閉室(separate enclosed room)であるアトラクション測定エリア220においてゲスト22を測定することができる。個別密閉室は、測定エリアを取り囲む天井224、床226及び複数の壁228を含むことができる。アトラクション測定エリア220は、内部に1又は2以上のセンサ232を含むことができる。1又は2以上のセンサ232は、画像データを適切に取り込むために、コントローラ202に通信可能に結合されたモータ234を介して移動することができる。これに加えて又は代えて、1又は2以上のセンサ232は、ハンドヘルド装置236(例えば、ワンド、タブレット、又はモバイル装置)内に配置することもできる。パーク従業員238は、ハンドヘルド装置236を使用して、ハンドヘルド装置236がゲスト22の正面に位置する時に画像データ及び/又は深度データ214を取り込むことができる。
【0031】
なお、ゲスト22には、ゲスト22を測定できるように空間240内に移動するように求めることができると理解することができる。空間240は、身長マーカー244から距離242だけ離れることができる。空間240は、空間240の上方に(例えば、天井224に沿って配置されたレール230に沿って、又はパーク従業員が保持するハンドヘルド装置236を介して)配置された1又は2以上のセンサ232を介して容易に見えるエリアであることができる。身長マーカー244は、空間240の距離242だけ後方に配置された、既知の高さを有する特定のマーカー又はプロップであることができる。身長マーカー244は、天井224と床226との間に延びる軸として定義できる軸246に実質的に平行に配置することができる。ゲスト22が適所に存在すると判定されると、身長測定を開始することができる。いくつかの実施形態では、ゲストを身長マーカー244までの閾値距離内に位置付けることで、センサデータを身長マーカー244の既知の測定値又は寸法に校正することができる。校正されると、センサデータを使用して解剖学的特徴の寸法が推定される。
【0032】
実施形態では、センサ232がモバイル装置又はタブレットに収容され、オペレータがモバイル装置又はタブレットのユーザインターフェイスとの相互作用を介してセンサ232を作動させる。
【0033】
なお、ゲスト測定システム200は、車椅子、移動補助装置、ベビーカー及びカートなどに乗っているゲスト22を測定するために、或いはゲスト22の視野を部分的に遮る可能性がある付属品248(例えば、杖、買い物袋、財布)をゲスト22が保持している時には常に使用することができると理解することができる。図示の実施形態では、ゲスト測定システム200を使用して、車椅子に乗ったゲスト22を測定することができる。ゲスト22が車椅子又はベビーカーに乗っている場合には、ゲストの身体の一部が1又は2以上のセンサ232の視野から遮られる可能性があると理解することができる。例えば、車椅子の部品によってゲストの左足の視野が遮られることがある。このような事例では、1又は2以上のセンサ232がゲストの左脚の寸法を適切に取り込むことができない恐れがある。以下でさらに詳細に説明するように、この時、ゲスト測定システム200は、以下に限定するわけではないが、左脚を再測定しようと試みること、他の身体部分測定値に基づいて左脚の測定値を推定すること、右脚の測定値を代用すること、又はこれらの組み合わせを含む1又は2以上の是正措置を取ることができる。なお、ゲスト測定システム200は、以前に取得されたゲスト測定値のデータベースを参照してゲストの測定値を推定することもできると理解することができる。ベビーカー、ショッピングカート及びショッピングバッグなどによってゲストの身体の視野が遮られる場合にも同様の是正措置を取ることができる。
【0034】
コントローラ202は、ディスプレイ250、1又は2以上のセンサ232、身長マーカー244及び/又は近くの乗り物252に通信可能に結合することができる。上述したように、コントローラ202は、ゲストの四肢の各サブ領域の高さを適切に推定するために様々な入力210を受け取ることができる。入力210は、
図3の乗り物情報212及び深度データ214などを含むことができる。乗り物情報212は、数ある中でも、利用可能な座席数、移動補助車両に乗ったゲストを収容できる座席数、どのタイプの移動補助車両が特定の乗り物に適しているかについての制限、身長制限、及び体重制限を含むことができる。深度データ214は、アトラクション測定エリア全体を通じて配置された1又は2以上のセンサ232から受け取ることができる。深度データ214は、1又は2以上の赤外線プロジェクタによって物体(例えば、ゲスト)に投影される赤外線パターンから取得することができる。1又は2以上の赤外線カメラは、投影された光パターンを検出して、パターンが検出された物体に関連する深度を決定することができる。その後、上述したように、識別された四肢の特定のサブ領域の高さを推定するために様々な入力210の両方をモデル208に入力する。ゲストの推定身長は、ゲスト22を乗り物252に収容できるかどうかをパーク従業員に知らせるためにディスプレイ250に出力することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、開示するゲスト測定システム200が、顔認識技術又はその他のゲスト追跡技術を使用して、ゲストを測定された身長に相関させることができる。従って、一日の早い時点でゲストを測定して推定身長をゲストプロファイルにログ記録することができる。ゲスト認識技術を使用すれば、他のアトラクションでも、ゲストプロファイルを使用して、認識されたゲストを推定身長に関連付けて乗り物適格性を判定することができる。このように、測定は1日のうちに1回しか行う必要がない。
【0036】
図5は、本実施形態による、ゲスト測定システムにおいて利用されるゲスト22の様々な四肢の複数のサブ領域260の概略図である。なお、識別された各四肢は、深度情報を収集する目的で様々なサブ領域に分割することができると理解されるであろう。いくつかの実施形態では、対を成す四肢(例えば、左すね及び右すね)をそのサイズに応じて様々な数のサブ領域に分割することができる。例えば、より大きな(例えば、長いすねを有する)ゲストの四肢は4つのサブ領域に分割できるのに対し、平均サイズの(例えば、平均的な長さのすね261を有する)ゲストの四肢は3つのみのサブ領域に分割することができる。いくつかの解剖学的特徴(例えば、胴体、首)は対を成していないが、識別された四肢に様々な数のサブ領域を適用する同じ概念を当てはめることができる。図示の実施形態では、ゲスト22の胴体262が2つのサブ領域に分割されているが、より大きなゲストでは3つ、4つ又は5つ以上のサブ領域にわたって胴体の深度情報を取得することができる。
【0037】
上述したように、
図3のゲスト測定システム200は、
図4の1又は2以上のセンサ232から深度情報を受け取ることができる。ゲスト測定システム200は、
図4のアトラクション測定エリア220内に配置された様々なセンサから所与のサブ領域の複数の深度情報読み取り値を受け取ることができる。例えば、ゲスト測定システム200は、特定のサブ領域260(すなわち、胴体262)について、
図4の空間240の上方の、
図4の隣接する壁224、228に配置された1又は2以上のセンサ232から、及び/又は
図4のハンドヘルド装置236から深度情報を受け取ることができる。なお、ゲスト測定システム200は同じ特定のサブ領域の深度情報を様々なセンサ232から受け取るが、各センサ232からの深度情報はサイロ化されたままである(remain siloed)ことができると理解することができる。このように、単一のセンサ232から受け取られた深度情報が誤っている(例えば、容認可能な不確実性尺度から外れている)ように思われる場合、ゲスト測定システム200は、特定の四肢の長さを推定する際に誤った深度情報を無視することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ゲスト測定システム200が、各サブ領域260の複数の深度情報測定値を受け取ることができる。その後、ゲスト測定システム200は、収集された深度情報のいずれかが特定のサブ領域についての1又は2以上の異常値を含むかどうかを判定することができる。ゲスト測定システム200がいずれかの統計的異常値が存在すると判定した場合、これらの異常値は、特定のサブ領域260の高さの推定に使用される収集された深度情報から除外することができる。ゲスト測定システム200が1又は2以上の異常値が存在すると判定した場合には、1又は2以上の是正措置を実行することができる。1又は2以上の是正措置は、異常値を除外する代わりに、又は異常値を除外することに加えて実行することができる。上述したように、1又は2以上の是正措置は、以下に限定するわけではないが、識別された四肢の特定のサブ領域260を再測定しようと試みること、識別された四肢の特定のサブ領域260の測定値を他の身体部分測定値に基づいて推定すること(例えば、識別された四肢の特定のサブ領域260の測定値をデータベースに基づいて推定すること)、或いは識別された四肢の対を成すサブ領域260の測定値を代用することを含むことができる。
【0039】
例えば、ゲスト測定システム200は、1又は2以上の異常値が識別された場合に1又は2以上のセンサ232を再校正することができると理解することができる。1又は2以上のセンサ232の再校正は、1又は2以上のセンサ232によって取得された測定値を既知の身長マーカー244の高さなどの既知の基準と比較すること、又は別の好適な校正技術を含むことができる。別の非限定的な例では、是正措置が、識別された四肢の特定のサブ領域の測定値を履歴データベースから取得された測定値に基づいて推定することを含むことができる。従って、ゲスト測定システム200は、ゲストの全高及び背丈、ゲストが座っているかそれとも立っているか、特定のモデルの移動補助車両(例えば、車椅子、ベビーカー)、などに部分的に基づいて好適なサブ領域測定値を識別することにより、履歴データベースからの1又は2以上の測定値を代用することができる。
【0040】
別の非限定的な例では、ゲスト測定システム200が、高い品質測定値を有するサブ領域を使用して、低い品質測定値を有するサブ領域を破棄し又は使用しないことができる。従って、ゲスト四肢長の測定又は推定は、異なる対応する四肢からの個々のサブ領域の合計に基づくことができる。1つの例では、左すね及び右大腿が最も品質の高い脚のサブ領域を表す場合、脚の測定がこれらのサブ領域の合計に基づくことができる。品質指標は、未加工センサデータの信頼度に基づくことができる。例えば、右すねのセンサデータが所望の信頼区間(confidence interval)外の異常値として識別された場合、ゲスト測定システム200は、左すねのサブ領域のセンサデータを右すねの対応するサブ領域の代用にすることができる。この場合、ゲスト測定システム200は、ゲスト22の全高計算を生成する際に左すねのサブ領域のデータを無視することができる。
【0041】
本明細書では、本実施形態のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正及び変更を含むものであると理解されたい。さらに、開示した実施形態のいくつかの要素は、互いに組み合わせ、又は入れ換えることもできると理解されたい。
【0042】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0043】
12 ゲスト測定システム
14 コントローラ
16 センサ
20 ゲスト測定エリア
22a 第1のゲスト
22b 第2のゲスト
30 距離
32 センサ
36 表示
38 マーカー
【国際調査報告】