(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】バンパビーム
(51)【国際特許分類】
B60R 19/04 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B60R19/04 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561669
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 EP2022056806
(87)【国際公開番号】W WO2022248095
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522143531
【氏名又は名称】オートテック エンジニアリング エス.エレ.
【氏名又は名称原語表記】AUTOTECH ENGINEERING S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムスコス,パル
(72)【発明者】
【氏名】ヘッグストロム,トニー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,ミカエル
(57)【要約】
第1側壁(18)及び第2側壁(28)を含む閉型中空構造体(11)に形成された板金のバンパビーム(10)。板金は、第1長手方向側部(20)及び第2長手方向側部(24)を含む。板金は、第1長手方向側部(20)が、閉型中空構造体(11)の内部に位置する水平部材(22)に形成されるように、及び、第1長手方向側部(20)が中へ延在する凹部(26)を第2側壁(28)が形成するように形成される。第1長手方向側部(20)及び凹部(26)は、衝撃に起因してバンパビーム(10)が変形すると、水平部材(22)のロックを形成するように構成されている。凹部(26)内で、第1長手方向側部(20)は第2側壁(28)に溶接されていない一方で、第2長手方向側部(24)は閉型中空構造体(11)に溶接されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側壁(18)及び第2側壁(28)を含む閉型中空構造体(11)に形成された板金のバンパビーム(10)であって、
前記板金が、第1長手方向側部(20)及び第2長手方向側部(24)を含み、
前記板金は、前記第1長手方向側部(20)が、前記閉型中空構造体(11)の内部に位置する水平部材(22)に形成されるように、及び、前記第1長手方向側部(20)が中へ延在する凹部(26)を前記第2側壁(28)が形成するように形成され、
前記第1長手方向側部(20)及び前記凹部(26)は、衝撃に起因して前記バンパビーム(10)が変形すると、前記水平部材(22)のロックを形成するように構成され、
前記凹部(26)内で、前記第1長手方向側部(20)は前記第2側壁(28)に溶接されておらず、
前記第2長手方向側部(24)は前記閉型中空構造体(11)に溶接されている、バンパビーム。
【請求項2】
請求項1に記載のバンパビーム(10)であって、前記閉型中空構造体(11)が前記第1及び第2側壁(18、28)と共に内部空間(13)を画定し、
前記内部空間(13)内で、前記第1長手方向側部(20)は前記第2側壁(28)に溶接されていない、バンパビーム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のバンパビーム(10)であって、前記第2側壁(28)の壁部分(15)が前記凹部(26)を画定し、
前記凹部(26)及び前記内部空間(13)の1つ以上において、前記第1長手方向側部(20)は前記壁部分(15)に溶接されていない、バンパビーム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記凹部(26)内で、前記第1長手方向側部(20)が前記第2側壁(28)及び壁部分(15)の1つ以上に取付けられていない、バンパビーム。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記内部空間(13)内で、前記第1長手方向側部(20)が前記第2側壁(28)及び壁部分(15)の1つ以上に取付けられていない、バンパビーム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記板金が曲げられて前記水平部材(22)を形成し、
前記第2長手方向側部(24)が、前記水平部材(22)を形成する前記曲げの領域のすぐ下で終わっている、バンパビーム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記バンパビーム(10)が車両の本体(100)に取付けられる際、前記水平部材(22)及び前記第1長手方向側部(20)の1つ以上が、少なくとも前記車両の前記本体(100)に向かう方向を指すように構成される、バンパビーム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記バンパビーム(10)が車両の本体(100)に取付けられる際、前記凹部(26)が、前記車両の前記本体(100)から離れる方向に開放するように構成される、バンパビーム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のバンパビームであって、前記バンパビーム(10)が車両の本体(100)に取付けられる際、前記水平部材(22)及び前記第1長手方向側部(20)の1つ以上が、少なくとも前記車両の前記本体(100)に向かう方向において前記凹部(26)内へ延在するように構成されている、バンパビーム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記閉型中空構造体(11)が外側(17)及び内側(19)を有し、
前記外側(17)が、前記水平部材(22)から離れる方を向き、
前記第2長手方向側部(24)が、前記閉型中空構造体(11)の前記外側(17)に溶接されている、バンパビーム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記第1長手方向側部(20)が長手方向縁部(21)を有し、
少なくとも衝撃に起因した任意の変形の前に、前記凹部(26)内で、前記第1長手方向側部(20)の前記長手方向縁部(21)と前記第2側壁(28)との間に間隙又は間隔(30)がある、バンパビーム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記第1長手方向側部(20)が長手方向縁部(21)を有し、
前記バンパビーム(10)が作製される際、前記水平部材(22)が、前記第1長手方向側部(20)の前記長手方向縁部(21)と前記凹部(26)との間の間隙又は間隔(30)を空けて延在する、バンパビーム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のバンパビーム(10)であって、前記間隙又は間隔(30)が、数ミリメートルの間にあり前記凹部(26)の深さとの間である、バンパビーム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記第2長手方向側部(24)が前記水平部材(22)の領域内で終わっている、バンパビーム。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記閉型中空構造体(11)がロール成形により形成されている、バンパビーム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記凹部(26)が前記水平部材(22)に向かって開放している、バンパビーム。
【請求項17】
請求項2~16のいずれか1項に記載のバンパビーム(10)であって、前記凹部(26)が前記内部空間(13)へ開放している、バンパビーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用バンパビームとして使用されるべきバンパビームに関する。
【背景技術】
【0002】
ロール成形というのは、断面に見て特定の形状を獲得するように要素を形成するための従来の方法である。これらのロール成形要素の多くはビーム及び長尺構造体であり、ビーム及び長尺構造体は、様々な構造体において、例えば道路沿いのガードレール及び車両のバンパとして使用される。一般に、車両用バンパビームは、断面に見て閉型の形に丸められることがある。多くの国において、これらのビームがどの種類の衝撃及びどの程度の衝撃への対処を想定されるかに関する規制があることから、衝突力に対処するために、従来の色々な解決策が発展してきた。
【0003】
本発明の発明者らは、従来のバンパビームにおける欠点を見出した。例えば、従来のバンパビームの中には、十分に軽い重量を有していながら十分に強力であるとはいえない又は耐性があるとはいえないものがある。
【0004】
本発明の実施形態の目的は、従来の解決策の欠点及び課題を軽減又は解決する解決策を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的及び更なる目的は、独立請求項の主題により解決される。従属請求項には、本発明の更なる有利な実施形態を見出すことができる。
【0006】
本発明の第1態様によれば、上述の目的及びその他の目的は、第1側壁及び第2側壁を含む閉型中空構造体に形成された板金のバンパビームであって、
板金が、第1長手方向側部及び第2長手方向側部を含み、
板金は、第1長手方向側部が、閉型中空構造体の内部に位置する水平部材に形成されるように、及び、い第1長手方向側部が中へ延在する凹部を第2側壁が形成するように形成され、
第1長手方向側部及び凹部は、衝撃に起因してバンパビームが変形すると、水平部材のロックを形成するように構成され、
凹部内で、第1長手方向側部が第2側壁に非溶接であり、
第2長手方向側部が閉型中空構造体に溶接される、バンパビームでもって達成される。
【0007】
第1態様によるバンパビームの利点とは、改良型のバンパビームが提供されることである。第1態様によるバンパビームの利点とは、革新的なバンパビームを有する改良型の車両用衝撃保護が提供されることである。第1態様によるバンパビームの利点とは、激突時の外部物体による貫通を防止又は阻止するためにバンパビームの剛性及び補強を維持又は改良しつつ、衝撃を又は衝撃エネルギーを吸収するためのバンパビームの有利な変形が提供されることである。第1態様によるバンパビームの利点とは、例えば激突時の衝撃のエネルギーの効率的なエネルギー吸収が提供されることである。第1態様によるバンパビームの利点とは、例えば、従来の解決策と比較してバンパビームを、より制御された、及び、より予測されたやり方で変形できるという理由で、激突時におけるバンパビームの性能が改良されるということである。
【0008】
第1態様によるバンパビームの利点とは、バンパビームの剛性及び補強を維持又は改良していながら、バンパビームの重量を、従って費用を低減できることである。第1態様によるバンパビームの利点とは、過度な溶接の必要なく、及び/又は、第1長手方向側部を溶接する必要なく、変形時に水平部材がバンパビームへの補強効果を有することになるということである。溶接が少なくなれば、バンパビームの重量が低減する。溶接が少なくなれば、バンパビームの製造が促進される。凹部により、衝撃時に水平部材がロックされ、衝撃時に水平部材が中空構造体の内面に沿って摺動することが防止される。
【0009】
第1態様によるバンパビームの有利な実施形態によれば、閉型中空構造体は第1及び第2側壁と共に内部空間を規定し、内部空間内で、第1長手方向側部は第2側壁に非溶接である。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0010】
第1態様によるバンパビームの更なる有利な実施形態によれば、第2側壁の壁部分が凹部を規定し、凹部及び内部空間の1つ以上において、第1長手方向側部は壁部分に非溶接である。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0011】
第1態様によるバンパビームの別の有利な実施形態によれば、凹部内で、第1長手方向側部は第2側壁及び壁部分の1つ以上に取付けられない。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0012】
第1態様によるバンパビームの更に別の有利な実施形態によれば、内部空間内で、第1長手方向側部は第2側壁及び壁部分の1つ以上に取付けられない。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0013】
第1態様によるバンパビームの、なお別の有利な実施形態によれば、板金は曲げられて水平部材を形成し、第2長手方向側部は、水平部材を形成する曲げの領域のすぐ下で終わっている。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0014】
第1態様によるバンパビームの有利な実施形態によれば、バンパビームが車両の本体に取付けられる際、水平部材及び第1長手方向側部の1つ以上は、少なくとも車両の本体に向かう方向を指すように構成される。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。車両の本体は、主要フレーム又はシャーシを含んでもよい。一方で、代わりの実施形態において、水平部材及び第1長手方向側部の1つ以上が、車両の本体から離れる方向を指すように構成されてもよい。
【0015】
第1態様によるバンパビームの更なる有利な実施形態によれば、バンパビームが車両の本体に取付けられる際、凹部は、車両の本体から離れる方向に開放するように構成される。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。一方で、代わりの実施形態において、凹部は、車両の本体に向かう方向に開放するように構成されてもよい。
【0016】
第1態様によるバンパビームの別の有利な実施形態によれば、バンパビームが車両の本体に取付けられる際、水平部材及び第1長手方向側部の1つ以上は、少なくとも車両の本体に向かう方向において凹部内へ延在するように構成される。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0017】
第1態様によるバンパビームの更に別の有利な実施形態によれば、閉型中空構造体は外側及び内側を有し、外側は水平部材から離れる方を向き、第2長手方向側部は、閉型中空構造体の外側に溶接される。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0018】
第1態様によるバンパビームの、なお別の有利な実施形態によれば、第1長手方向側部は長手方向縁部を有し、少なくとも衝撃に起因した任意の変形の前に、凹部内で、第1長手方向側部の長手方向縁部と第2側壁との間に間隙又は間隔がある。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。この実施形態の利点とは、任意の衝撃前に、第1長手方向側部と、凹部を規定する表面との間の任意の接触が回避されていることである。さもなくば、バンパビームが車両に取付けられる際、この接触により、水平部材と凹部の表面との間の振動接触に起因した騒音が生じ得るであろう。この実施形態の利点とは、間隙に起因して、バンパビームに侵入する水が水平部材上に集まることにはならないことから、任意の衝撃前に、腐食問題が回避され得ることである。一方で、代わりの実施形態において、衝撃に起因した任意の変形の前に、凹部内で、第1長手方向側部の長手方向縁部と第2側壁との間に物理的接触があってもよい。
【0019】
第1態様によるバンパビームの有利な実施形態によれば、第1長手方向側部は長手方向縁部を有し、バンパビームが作製される際、水平部材は、第1長手方向側部の長手方向縁部と凹部との間の間隙又は間隔を空けて延在する。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。この実施形態の利点とは、任意の衝撃前に、第1長手方向側部と、凹部を規定する表面との間の任意の接触が回避されることである。さもなくば、バンパビームが車両に取付けられる際、この接触により、水平部材と凹部の表面との間の振動接触に起因した騒音が生じ得るであろう。この実施形態の利点とは、間隙に起因して、バンパビームに侵入する水が水平部材上に集まることにはならないことから、任意の衝撃前に、腐食問題が回避され得ることである。
【0020】
第1態様によるバンパビームの更なる有利な実施形態によれば、間隙又は間隔は、数ミリメートルと凹部の深さとの間である。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0021】
第1態様によるバンパビームの別の有利な実施形態によれば、第2長手方向側部は水平部材の領域内で終わっている。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0022】
第1態様によるバンパビームの更に別の有利な実施形態によれば、閉型中空構造体はロール成形により形成されている。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0023】
第1態様によるバンパビームの、なお別の有利な実施形態によれば、凹部は水平部材に向かって開放している。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0024】
第1態様によるバンパビームの有利な実施形態によれば、凹部は内部空間へ開放している。この実施形態の利点とは、衝撃保護及び/又はバンパビームが更に改良されることである。
【0025】
本発明の別の態様によれば、第1側部及び第2側部を含む、第1及び第2側壁を備えた閉型中空構造体みに形成された、板金プレートから作成されるバンパビームであって、第1側部が、円筒構造体の内部の概ね水平な要素を備えて形成されるように、及び、第2側壁は、第1側部が中へ延在する凹部と共に、衝撃に起因してバンパビームが変形すると、水平要素のロック作用を形成するよう配置されるように、ビームが形成される、バンパビームが提供される。
【0026】
バンパビームの、上述の特徴及び実施形態は、更なる有利な実施形態を提供する種々の可能な仕方で組み合わせられてもよい。
【0027】
本発明によるバンパビームの更なる有利な実施形態、及び本発明の実施形態を用いた更なる利点は、実施形態の詳細な説明から明らかになる。
【0028】
次に、本発明の実施形態を、例示する意図で、実施形態として同封の図面を参照して、より詳細に図説することにする。同様の部品には同様の参照を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1態様によるバンパビームの或る実施形態の概略断面図である。
【
図2】
図1のバンパビームの或る部分の概略拡大図である。
【
図3】衝撃時の
図1のバンパビームの変形を概略的に図説する。
【
図4】衝撃時の
図1のバンパビームの変形を概略的に図説する。
【
図5】衝撃時の
図1のバンパビームの変形を概略的に図説する。
【
図6】衝撃時の
図1のバンパビームの変形を概略的に図説する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1及び
図2を参照して、本発明の第1態様によるバンパビーム10の或る実施形態の態様を概略的に図説する。バンパビーム10は、長尺であると説明されてもよい。バンパビーム10は、例えば長手方向に延在する長手方向延長部を有すると説明されてもよい。バンパビーム10は、車両に取付けられるように、例えば車両の本体100に取付けられるように構成されてもよい。本体100は主要フレーム又はシャーシを含んでもよい。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、バンパビーム10は板金又は板金プレートから作成される。板金は、閉型中空構造体11に形成されている。閉型中空構造体11は、第1側壁18及び第2側壁28を包含する。板金は、第1長手方向側部20及び第2長手方向側部24を包含又は形成する。第1長手方向側部20は、例えば板金が閉型中空構造体11に形成される前は第2長手方向側部24に対向していると説明されてもよい。板金は、第1長手方向側部20が、閉型中空構造体11の内部に位置する水平部材22に形成されるように、及び、第1長手方向側部20が中へ延在する凹部26を第2側壁28が形成するように形成される。バンパビーム10が車両の本体100に取付けられる際は、水平部材22に関する「水平」というのは略水平であると理解されるべきである。水平部材22の延長部は、例えば車両が斜面上に停止している際には、厳密に水平な配向から外れてもよい。幾つかの実施形態において、水平部材22は、水平要素又はウェブと呼ぶことがある。
【0032】
図1及び
図2を参照すると、第1長手方向側部20及び凹部26は、衝撃に起因してバンパビーム10が変形すると、水平部材22のロック又はロック作用を形成するように構成される。凹部26内で、第1長手方向側部20は第2側壁28に非溶接である、即ち溶接されない一方で、第2長手方向側部24は閉型中空構造体11に溶接される。第1長手方向側部20及び凹部26は、衝撃に起因してバンパビーム10が変形すると、水平部材22のロックを形成するよう協動又は相互作用するように構成されると規定又は説明されてもよい。
【0033】
図1及び
図2を参照すると、バンパビーム10は、前側バンパビームとして、即ち車両の本体100の前側に位置決めされるものとして使用されてもよく、あるいは、後ろ側バンパビームとして、即ち車両の本体100の後ろ側端部に位置決めされるものとして使用されてもよい。板金及び/又は閉型中空構造体11は、金属又は金属合金を含む材料、あるいは、金属又は金属合金から成る材料から作成されてもよい。一方で、その他の材料が可能である。閉型中空構造体11は、例えば長手方向に延在する長手方向延長部を有すると説明されてもよい。車両の本体100に取付けられる際、バンパビーム10の又は閉型中空構造体11の長手方向延長部は、車両の本体100の長手方向延長部に対して交差方向である長手方向に延在してもよい。
【0034】
図1及び
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、閉型中空構造体11は第1側壁18及び第2側壁28と共に内部空間13を画定してもよい。内部空間13内で、第1長手方向側部20は第2側壁28に非溶接であってもよい。幾つかの実施形態において、第2側壁28は壁部分15を含んでもよい。第2側壁28の壁部分15は、凹部26を規定又は形成してもよい。凹部26内及び/又は内部空間13内で、第1長手方向側部20は壁部分15に非溶接であってもよい。
【0035】
図1及び
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、凹部26内で、第1長手方向側部20は第2側壁28及び/又は壁部分13に取付けられない。幾つかの実施形態において、内部空間13内で、第1長手方向側部20は第2側壁28及び/又は壁部分13に取付けられない。幾つかの実施形態において、板金は曲げられて水平部材22を形成し、第2長手方向側部24は、水平部材22を形成する曲げの領域のすぐ下で終わっている。
【0036】
図1及び
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、バンパビーム10が車両の本体100に取付けられる際、水平部材22及び/又は第1長手方向側部20は、少なくとも車両の本体100に向かう方向を指すように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、バンパビーム10が車両の本体100に取付けられる際、凹部26は、車両の本体100から離れる方向に開放するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、バンパビーム10が車両の本体100に取付けられる際、水平部材22及び/又は第1長手方向側部20は、少なくとも車両の本体100に向かう方向において凹部26内へ延在するように構成されてもよい。
【0037】
図1及び
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、閉型中空構造体11は外側17及び内側19を有すると説明されてもよい。外側17は、水平部材22から離れる方を向く。第2長手方向側部24は、閉型中空構造体11の外側17に溶接されてもよい。
【0038】
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、第1長手方向側部20は長手方向縁部21を有すると説明されてもよい。少なくとも衝撃に起因した任意の変形の前に、凹部26内で、第1長手方向側部20の長手方向縁部21と第2側壁28との間に間隙30又は間隔30があってもよい。幾つかの実施形態において、バンパビーム10が作製される際、水平部材22は、第1長手方向側部20の長手方向縁部21と凹部26との間の間隙30又は間隔30を空けて延在してもよい。幾つかの実施形態において、間隙30又は間隔30は、数ミリメートルの間と凹部26の深さとの間であってもよい。
【0039】
図1及び
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、第2長手方向側部24は水平部材22の領域内で終わってもよい。閉型中空構造体11は、ロール成形により形成されてもよい。幾つかの実施形態において、凹部26は、水平部材22に向かって開放している及び/又は内部空間13へ開放していると説明されてもよい。
【0040】
図1及び
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、バンパビーム10は、概ね矩形の上部区域12及び下部区域14が中央区域16により相互接続される、一定の閉型プロフィルを有する。例えば車両の本体100に取付けられる際、中央区域の、1つの側壁18が、概ね平面的かつ垂直にされてもよい。バンパビーム10は、ロール成形された鋼板の第1側部20が曲げられて概ね平面的かつ水平の内側要素22又は部材22又はウェブ22を形成するように、図示するプロフィルへとロール成形されてもよい。鋼板の第2側部24は、第1側部20の曲げエリアのすぐ下で終わってもよく、この曲げエリアに溶接部25により溶接されてもよい。この点に関して、多数の異なる溶接法、例を挙げるだけでも、抵抗溶接、スポット溶接又は連続溶接、アーク溶接、レーザ溶接等を採用してもよい。一方で、第1側部20は、溶接されるのではなく、
図1に図説するように、中央区域の第2側壁28内にある特殊輪郭形の凹部26内へ延在する。第1側部20と凹部26との間の接触に起因した振動及び騒音を回避するために、これらの間に小さい間隙又は間隔30があってもよい。
【0041】
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、間隔30は数ミリメートルであってもよいが、ロール成形等の作製工程に起因して第1側部20の縁部が幾分波状であり得ることが考慮されてもよい。このことは、特にバンパビーム10が、車両前面又は背面の形状に従うように曲げられる場合に生じ得るであろう。一方で、間隔は、例えば
図2の線32で示すように、第2側壁28の内面上の凹部26の出発点次第では、従って凹部26の深度に依存して、大きめにすることができるであろう。このことは、バンパビーム10の内部の腐食の防止に関しても有利なことがある。バンパビーム10の設計は、溶接部が1つのみのロール成形技術により形成されてもよい。ロール成形は、当業者にとって既知である従来の既知の方法に従ってもよい。
【0042】
幾つかの実施形態において、バンパビーム10が衝撃に晒される場合、第1側部20は、凹部26と接触され又は第2側壁28及び/又は第2側壁28の壁部分15と接触され、これによってバンパビーム10の補強として作用することになる。これを
図3~
図6において概略的に図説する。第1側部20及び/又は水平部材22は、特殊輪郭形のバンパビームの残りと共に、エネルギー吸収体として又は衝撃エネルギー吸収体としても作用することになる。
【0043】
図3~
図6を参照すると、特殊輪郭形のバンパビームは、シミュレーションした点衝撃に見られるように圧縮されることになるのであり、
図5又は
図6に見られるように、内側要素22又は部材22は曲げられ得る。有利な特徴として、間隙30又は間隔30は、第1側部20が凹部26内へと侵入して第2側壁28の凹部26により「ロック」される結果、第1側部20が中央区域16の第2側壁28に沿って上方又は下方に摺動することが防止されることが確実になるように、選択されるということがある。このことにより、バンパビーム10の補強材が確実になる。この設計によっても、従来行われていたような、第1側部20を第2側壁28に溶接する必要性が排除される。従って、バンパビーム10の製造は簡素化又は促進され、従って、より迅速に作成され、製造費用が低減される。
図3~
図6を参照すると、例えば移動する車両が、
図3~
図6のバンパビーム10の左にある外部物体にぶつかると、バンパビーム10に影響を与える衝撃又は衝撃エネルギーは、左からバンパビーム10に向かってもたらされている。
【0044】
図面で図説するバンパビーム10が特定のプロフィルを有するとしても、バンパビーム10は、上で説明した補強材を使用しつつ、他の多数のプロフィルを有し得ることが理解されるべきである。
【0045】
本発明は、上で説明した実施形態に限定されるものではない。むしろ、本発明は、添付の独立請求項の範囲内に包含されている異なる全ての実施形態に関し、これらの実施形態を網羅する。
【国際調査報告】