(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ハロシクロプロパン化プロセス
(51)【国際特許分類】
C07C 41/48 20060101AFI20240423BHJP
C07F 7/18 20060101ALI20240423BHJP
C07C 43/313 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
C07C41/48
C07F7/18 W
C07C43/313
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562651
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 US2022027768
(87)【国際公開番号】W WO2022235863
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【氏名又は名称】吉光 真紀
(72)【発明者】
【氏名】バートン,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カブレラ ベンチュラ,パブロ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】グッド,ステファン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】リー,ファンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンタール,テイ
(72)【発明者】
【氏名】シュイトマン,アブラハム ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フェレメレン,ニコラース エー.
【テーマコード(参考)】
4H006
4H049
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AC21
4H006BE90
4H006GP01
4H049VN01
4H049VP02
4H049VQ20
4H049VR23
4H049VR41
4H049VS20
(57)【要約】
本開示は、節足動物門、軟体動物門、及び線虫動物門の害虫に対して殺虫有用性を有する分子を形成するのに有用なハロシクロプロパン化プロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘキサクロロアセトン及びリチウムtert-ブトキシドの存在下でS1aをハロシクロプロパン化してS1bを生成することを含むプロセス
【化1】
(式中、
(a)R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH
2、NO
2、(C
1~C
4)アルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、(C
1~C
4)ハロアルキル、又は(C
1~C
4)ハロアルコキシであり、
(b)各R
nは、独立して(C
1~C
4)アルキルであり、又は両方のR
n置換基は一体となって、2つの酸素原子間をつなぐ(C
2~C
6)アルキル結合を形成し、並びに
(c)各Xは、独立して、F、Cl、Br、又はIである)。
【請求項2】
ヘキサクロロアセトン及びリチウムtert-ブトキシドの存在下でS2aをハロシクロプロパン化してS2b主生成物を生成することを含むプロセス
【化2】
(式中、
(a)R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH
2、NO
2、(C
1~C
4)アルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、(C
1~C
4)ハロアルキル、又は(C
1~C
4)ハロアルコキシであり、
(b)各Yは、独立して、OH、OSi((C
1~C
4)アルキル)
3、OSi((C
1~C
4)アルキル)
2((C
1~C
4)アルキル-アリール)、OSi((C
1~C
4)アルキル)
2(アリール)、OSi((C
1~C
4)アルキル)(アリール)
2、OC(O)(C
1~C
4)アルキル、OC(O)O(C
1~C
4)アルキル、OC(O)NH(C
1~C
4)アルキル、O(C
1~C
4)アルキル-アリール、O-アリール、テトラヒドロピラニル、又は1,3-ジオキソラニルであり、並びに
(c)各Xは、独立して、F、Cl、Br、又はIである)。
【請求項3】
以下の分子を含む組成物
【化3】
【請求項4】
以下の構造を有する分子
【化4】
【請求項5】
以下の構造を有する分子
【化5】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月7日に提出された米国仮出願第63/185,399号の利益及び優先権を主張する。この仮出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、節足動物門、軟体動物門、及び線虫動物門の害虫に対して殺虫有用性を有する分子を形成するのに有用なハロシクロプロパン化プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ハロシクロプロパン化プロセスは、国際公開第2016/168056号パンフレット、国際公開第2016/168058号パンフレット、国際公開第2016/168059号パンフレット、国際公開第2018/071320号パンフレット、及び国際公開第2018/071327号パンフレットに開示されている。
【0004】
本開示に使用された定義
これらの定義で挙げられた例は、非網羅的である。置換基は、それが結合している特定の分子に関して、化学結合規則及び立体的適合性の制限に従うべきであることを理解されたい。これらの定義は、本開示の目的のためにのみ使用されるものである。
【0005】
「アルコキシ」という用語は、炭素-酸素単結合から更になるアルキルを意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、イソブトキシ、及びtert-ブトキシを意味する。
【0006】
「アルキル」という用語は、炭素及び水素からなる非環式の飽和の分岐又は非分岐の置換基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル及びtert-ブチルを意味する。
【0007】
「アリール」という用語は、水素及び炭素からなる環状の芳香族置換基、例えば、フェニル、ナフチル及びビフェニルを意味する。
【0008】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。
【0009】
「ハロアルコキシ」という用語は、1つ~最大限可能である数の同一の又は異なるハロから更になるアルコキシ、例えば、フルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、クロロメトキシ、トリクロロメトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ及びペンタフルオロエトキシを意味する。
【0010】
「ハロアルキル」という用語は、1つ~最大限可能である数の同一の又は異なるハロから更になるアルキル、例えば、フルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2-ジフルオロプロピル、クロロメチル、トリクロロメチル及び1,1,2,2-テトラフルオロエチルを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
【0012】
スキーム1では:
(a)R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH2、NO2、(C1~C4)アルキル、(C1~C4)アルコキシ、(C1~C4)ハロアルキル、又は(C1~C4)ハロアルコキシであり、
(b)各Rnは、独立して(C1~C4)アルキルであり、又は両方のRn置換基は一体となって、2つの酸素原子間をつなぐ(C2~C6)アルキル結合を形成し、並びに
(c)各Xは、独立して、F、Cl、Br、又はIである。
【0013】
一実施形態では、R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH2、NO2、(C1~C4)アルキル、(C1~C4)アルコキシ、(C1~C4)ハロアルキル、又は(C1~C4)ハロアルコキシであり、但し、R2、R3、及びR4の少なくとも1つはHでないという条件である。
【0014】
別の実施形態では、各Xは、独立してCl又はBrである。
【0015】
S1aの別の実施形態では、R
2及びR
4は、CF
3であり、R
1、R
3、及びR
5は、Hであり、各R
nは、C
2H
5である。この分子は、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンであり、以下(「S1a-1」)と呼ぶ。
【化2】
【0016】
スキーム1の反応は、S1aと反応してS1bを生成するハロシクロプロパン化試薬の存在下で行われる。言い換えれば、機能的には、ハロシクロプロパン化試薬は、ジハロカルベンの供給源として機能する。このようなハロシクロプロパン化試薬の例は、四塩化炭(CCl4)、テトラクロロエチレン(Cl2C~CCl2)、クロロホルム(CHCl3)、トリクロロ酢酸の塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、及び4級アンモニウムカチオンを含むがこれらに限定されない金属)、トリクロロ酢酸のアルキルエステル、ヘキサフルオロアセトン((F3C)2CO)、ヘキサクロロアセトン(1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン-2-オンとしても知られる、(Cl3C)2CO)、及びヘキサブロモアアセトン((Br3C)2CO)である。一般に、使用され得る量は、特定の試薬に依存するが、S1aのモル当たり約0.5モル~約100モルの範囲の試薬が使用され得る。例えば、クロロホルムが試薬である場合、約5モル~約100モルの範囲が使用され得るが、場合により、約30モル~約60モルの範囲が使用され得る。別の例として、ヘキサクロロアセトンが試薬である場合、約0.5モル~約100モルの範囲が使用され得るが、場合により、約1モル~約5モルの範囲が使用され得る。ハロシクロプロパン化剤の混合物も使用され得る。
【0017】
スキーム1の反応は、3級アルコキシドのリチウム塩の存在下で行われる。例えば、リチウムtert-ブトキシド(LiOC(CH3)3、リチウム2-メチルプロパン-2-オラートとしても知られている)及びリチウム2-メチル-2-ブトキシド(リチウムtert-アモキシド又はリチウムtert-アミラートとしても知られる)が使用され得る。一般に、S1aのモル当たり約1モル~約20モルの範囲の量が使用され得、約1モル~約15モルも使用され得る。任意に、このようなリチウム塩の混合物が使用され得る。
【0018】
スキーム1の反応は、共溶媒の存在下で行われ得る。このような共溶媒は、例えば、以下の1つ以上から選択され得る:ヘプタン、ヘキサン、トルエン、ジグライム、テトラヒドロフラン(「THF」)、炭酸ジメチル、ジメトキシエタン、エチレングリコールメチルエーテル、tert-ブタノール(「t-BuOH」)、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、メチルtert-ブチルエーテル(「MTBE」)、2-メチルデカン、及びアニソール(メトキシベンゼンとしても知られる)。任意に、このような共溶媒の混合物、例えば、C9~C12イソアルカンの混合物が使用され得る。
【0019】
任意に、スキーム1の反応は、相間移動触媒の存在下で行われ得る。このような相間移動触媒は、例えば、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヘキサクロロホスフェート、塩化N-ベンジルシンコニジウム、臭化(-)-N-ドデシル-N-メチルエフェドリニウム、Aliquat(登録商標)336(塩化トリオクチルメチルアンモニウム)である。任意に、相間移動触媒の混合物が使用され得る。
【0020】
スキーム1の反応は、周囲温度及び周囲圧力で行われ得る。しかしながら、より高い及びより低い温度及び圧力が使用され得る。現在、約0℃~約100℃の温度が使用され得る。しかしながら、使用される試薬によって、他の範囲が使用され得る。例えば、クロロホルムが試薬である場合、約0℃~約60℃の範囲が使用され得、いくつかの状況では、約20℃~約50℃の範囲が使用され得、他の状況では、約25℃~約40℃の範囲が使用され得る。別の例として、ヘキサクロロアセトンが試薬である場合、約0℃~約40℃の範囲が使用され得るが、場合により、約0℃~約25℃の範囲が使用され得る。約10キロパスカル(kPa)~約1000kPaの圧力が使用され得、いくつかの状況では、約50kPa~約150kPaの圧力が使用され得る。
【0021】
【0022】
スキーム2では:
(a)R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH2、NO2、(C1~C4)アルキル、(C1~C4)アルコキシ、(C1~C4)ハロアルキル、又は(C1~C4)ハロアルコキシであり、
(b)各Yは、独立して、OH、OSi((C1~C4)アルキル)3、OSi((C1~C4)アルキル)2((C1~C4)アルキル-アリール)、OSi((C1~C4)アルキル)2(アリール)、OSi((C1~C4)アルキル)(アリール)2、OC(O)(C1~C4)アルキル、OC(O)O(C1~C4)アルキル、OC(O)NH(C1~C4)アルキル、O(C1~C4)アルキル-アリール、O-アリール、テトラヒドロピラニル、又は1,3-ジオキソラニルであり、並びに
(c)各Xは、独立して、F、Cl、Br、又はIである。
【0023】
一実施形態では、R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH2、NO2、(C1~C4)アルキル、(C1~C4)アルコキシ、(C1~C4)ハロアルキル、又は(C1~C4)ハロアルコキシであり、但し、R2、R3、及びR4の少なくとも1つはHでないという条件である。
【0024】
別の実施形態では、Yは、独立してOSi(CH3)3、OSi(CH2CH3)3、OSi(CH(CH3)2)3、OSi(CH3)2フェニル、Oベンジル、O(C(O)NH-tert-ブチル)、OSi(CH3)2-(tert-ブチル)である。
【0025】
別の実施形態では、各Xは、独立してCl又はBrである。
【0026】
S2aの別の実施形態では:R
2及びR
4は、CF
3であり、R
1、R
3、及びR
5は、Hであり、Yは、OSi(CH
3)
2(tert-ブチル)である。この分子は、(5R,6R)-5,6-ビス((E)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)スチリル)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4、7-ジオキサ-3,8-ジシラデカンであり、以下(「S2a-1」)と呼ぶ。
【化4】
【0027】
スキーム2の反応は、S2aをS2b主生成物に変換するハロシクロプロパン化試薬の存在下で行われる。言い換えれば、機能的には、ハロシクロプロパン化試薬は、ジハロカルベンの供給源として機能する。このようなハロシクロプロパン化試薬の例は、四塩化炭(CCl4)、テトラクロロエチレン(Cl2C~CCl2)、クロロホルム(CHCl3)、トリクロロ酢酸の塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、及び4級アンモニウムカチオンを含むがこれらに限定されない金属)、トリクロロ酢酸のアルキルエステル、ヘキサフルオロアセトン((F3C)2CO)、ヘキサクロロアセトン(1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン-2-オンとしても知られる、(Cl3C)2CO)、及びヘキサブロモアアセトン((Br3C)2CO)である。一般に、使用され得る量は特定の試薬に依存するが、S2aのモル当たり約0.5モル~約100モルの範囲の試薬が使用され得る。例えば、クロロホルムが試薬である場合、約5モル~約100モルの範囲が使用され得るが、場合により、約30モル~約60モルの範囲が使用され得る。別の例として、ヘキサクロロアセトンが試薬である場合、約0.5モル~約100モルの範囲が使用され得るが、場合により、約1モル~約5モルの範囲が使用され得る。ハロシクロプロパン化剤の混合物も使用され得る。
【0028】
スキーム2の反応は、3級アルコキシドのリチウム塩の存在下で行われる。例えば、リチウムtert-ブトキシド((LiOC(CH3)3、リチウム2-メチルプロパン-2-オラートとしても知られる)及びリチウム2-メチル-2-ブトキシド(リチウムtert-アモキシド又はリチウムtert-アミラートとしても知られる)が使用され得る。一般に、S2aのモル当たり約1モル~約20モルの範囲の量が使用され得、約1モル~15モルの量も使用され得る。任意に、このようなリチウム塩の混合物が使用され得る。
【0029】
スキーム2の反応は、共溶媒の存在下で行われ得る。このような共溶媒は、例えば、以下の1つ以上から選択され得る:ヘプタン、ヘキサン、トルエン、ジグライム、テトラヒドロフラン(「THF」)、炭酸ジメチル、ジメトキシエタン、エチレングリコールメチルエーテル、tert-ブタノール(「t-BuOH」)、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、メチルtert-ブチルエーテル(「MTBE」)、2-メチルデカン、及びアニソール(メトキシベンゼンとしても知られる)。任意に、このような共溶媒の混合物、例えば、C9~C12イソアルカンの混合物が使用され得る。
【0030】
任意に、スキーム2の反応は、相間移動触媒の存在下で行われ得る。このような相間移動触媒は、例えば、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヘキサクロロホスフェート、塩化N-ベンジルシンコニジウム、臭化(-)-N-ドデシル-N-メチルエフェドリニウム、Aliquat(登録商標)336(塩化トリオクチルメチルアンモニウム)である。任意に、相間移動触媒の混合物が使用され得る。
【0031】
スキーム2の反応は、周囲温度及び周囲圧力で行われ得る。しかしながら、より高い及びより低い温度及び圧力が使用され得る。現在、約0℃~約100℃の温度が使用され得る。しかしながら、使用される試薬に応じて、他の範囲が使用され得る。例えば、クロロホルムが試薬である場合、約0℃~約60℃の範囲が使用され得、いくつかの状況では、約20℃~約50℃の範囲が使用され得、他の状況では、約25℃~約40℃の範囲が使用され得る。別の例として、ヘキサクロロアセトンが試薬である場合、約0℃~約40℃の範囲が使用され得るが、場合により、約0℃~約25℃の範囲が使用され得る。約10キロパスカル(kPa)~約1000kPaの圧力が使用され得、場合により、約50kPa~約150kPaの圧力が使用され得る。
【実施例】
【0032】
これらの実施例は、例示の目的のためであり、本開示をこれらの実施例に開示される実施形態のみに限定するものと解釈するべきではない。
【0033】
商業的供給源から入手した出発物質、試薬及び溶媒は、更に精製することなく使用した。無水溶媒は、AldrichからSure/Seal(商標)として購入し、そのまま使用した。塩基及び他の試薬は、特に明記しない限り、窒素(N2)で満たされたグローブボックスに保管された。「周囲温度」を使用した例は、温度が約20℃~約24℃の範囲にある気候制御された実験室で行われた。分子にはそれらの既知の名前が付けられ、ChemDraw内の命名プログラムに従って命名される。このようなプログラムが分子に名前を付けることができない場合、このような分子は、従来のIUPAC命名規則を使用して名前が付けられる。特に明記しない限り、1H NMRスペクトルデータは、ppm(δ)単位であり、400及び500MHzで記録され、13C NMRスペクトルデータは、ppm(δ)単位であり、75、100、又は150MHzで記録され、19F NMRスペクトルデータは、ppm(δ)単位であり、471MHzで記録された。
【0034】
実施例1a:trans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの合成
【化5】
磁気撹拌子と温度プローブを備えた250ミリリットル(mL)の三口丸底フラスコに、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(5グラム(g)、14.61ミリモル(ミリモル))を、クロロホルム(47.1mL、584ミリモル)に溶解した。リチウム2-メチルプロパン-2-オラート(11.69g、146ミリモル)を溶液に一度に加えた。混合物を40℃に加熱し、24時間激しく撹拌した。周囲温度まで冷却した後、反応混合物を水(50mL)で2回洗浄し、次いでブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターにより真空下で濃縮して、所望の生成物を含む得られた油状物を得た(生成物への変換率72%)。出発物質と生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル溶離液)によって分離できなかった:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.83(s,1H),7.71(s,2H),4.64(d,J=6.1Hz,1H),3.82-3.55(m,4H),2.94(d,J=8.4Hz,1H),2.35(dd,J=8.5,6.1Hz,1H),1.32(t,J=7.0Hz,3H),1.21(t,J=7.1Hz,3H);
19F NMR(471MHz,CDCl
3)δ -62.87。
【0035】
実施例1b:trans-rac-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)ベンゼンの合成
【化6】
バイアル中で、(E)-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン(200ミリグラム(mg)、0.97ミリモル)をクロロホルム(3.128mL、38.8ミリモル)に溶解した。溶液を、リチウムtert-ブトキシド(776mg、9.70ミリモル、出発物質に対して10当量)を含む別のバイアルに加え、グローブボックス内で秤量した。反応物を40℃に加熱し、24時間激しく撹拌した。周囲温度まで冷却した後、反応混合物を水(2mL)で2回洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターにより真空下で濃縮した。1,4-ジニトロベンゼンを内部標準として使用して、得られた油状物を
1H NMR分光法により分析し、
1H-NMR収率を得た(収率82%):
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.40-7.26(m,5H),4.61(d,J=6.5Hz,1H),3.90-3.53(m,4H),2.84(d,J=8.6Hz,1H),2.31(dd,J=8.6,6.5Hz,1H),1.31(t,J=7.1Hz,3H),1.19(t,J=7.0Hz,3H)。
【0036】
実施例1c:trans-rac-1,3-ジクロロ-5-(2,2-ジクロロ-3-ジエトキシメチル)シクロプロピル)ベンゼンの合成
【化7】
バイアル中で、(E)-1,3-ジクロロ-5-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン(200mg、0.727ミリモル、97重量パーセント(重量%))をクロロホルム(2.345mL、29.1ミリモル)に溶解した。溶液を、リチウムtert-ブトキシド(582mg、7.27ミリモル、出発物質に対して10当量)を含む別のバイアルに加え、グローブボックス内で秤量した。反応混合物を40℃に加熱し、24時間激しく撹拌した。周囲温度まで冷却した後、反応混合物を水(2mL)で2回洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターにより真空下で濃縮した。1,4-ジニトロベンゼンを内部標準として使用して、得られた油状物を
1H NMR分光法により分析し、
1H-NMR収率を得た(収率71%):
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.31(t,J=1.9Hz,1H),7.16-7.14(m,2H),4.59(d,J=6.1Hz,1H),3.80-3.47(m,4H),2.77(d,J=8.5Hz,1H),2.25(dd,J=8.5,6.2Hz,1H),1.30(t,J=7.1Hz,3H),1.20(t,J=7.0Hz,3H)。
【0037】
実施例2a:trans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの合成
【化8】
窒素注入口及び磁気撹拌子を備えた一口50mL丸底フラスコに、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.00g、14.61ミリモル、1当量)を加えた。ヘキサクロロアセトン(19.34g、13.43mL、73.0ミリモル、5当量)をフラスコに加えた。リチウムtert-ブトキシド(3.51g、43.8ミリモル、3当量)を23℃で一度に加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、23℃で24時間撹拌した。ヘプタン(20mL)を加えた。混合物を水(10mL)で3回洗浄した。ヘプタン層を濃縮した。シリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン中0~50%酢酸エチル)による精製により、表題化合物を黄色固体として得た(5.28g、収率85%):
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.83(s,1H),7.71(d,J=1.6Hz,2H),4.64(d,J=6.1Hz,1H),3.81-3.67(m,3H),3.66-3.57(m,1H),2.93(d,J=8.5Hz,1H),2.35(dd,J=8.5,6.0Hz,1H),1.32(t,J=7.1Hz,3H),1.21(t,J=7.1Hz,3H);
19F NMR(471MHz,CDCl
3)δ -62.89。
【0038】
実施例2b:rac-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)ベンゼンの合成
【化9】
バイアル中で、(E)-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン(0.200g、0.970ミリモル)をヘキサクロロアセトン(0.738mL、4.85ミリモル、出発物質に対して5当量)に溶解した。この溶液を、リチウムtert-ブトキシド(0.233g、2.91ミリモル、出発物質に対して3当量)を含む別のバイアルに加え、グローブボックス内で秤量した。反応混合物を23℃で24時間激しく撹拌した。1,3,5-トリメトキシベンゼンを反応混合物に加え、内部標準として使用して
1H NMR分光法により収率を計算した(収率91%)。
【0039】
実施例2c:trans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの合成
【化10】
バイアル中で、(E)-1,3-ジクロロ-5-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン(200mg、0.727ミリモル、97重量%)をヘキサクロロアセトン(0.553mL、3.63ミリモル)に溶解した。溶液を、リチウムtert-ブトキシド(175mg、2.18ミリモル、出発物質に対して3当量)を含む別のバイアルに加え、グローブボックス内で秤量した。反応混合物を23℃で24時間激しく撹拌した。1,3,5-トリメトキシベンゼンを反応混合物に加え、内部標準として使用して
1H NMR分光法により収率を計算した(収率98%):
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.31(t,J=1.9Hz,1H),7.16-7.14(m,2H),4.59(d,J=6.2Hz,1H),3.81-3.56(m,4H),2.77(d,J=8.5Hz,1H),2.25(dd,J=8.5,6.2Hz,1H),1.30(t,J=7.0Hz,3H),1.20(t,J=7.1Hz,3H)。
【0040】
実施例2d:trans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジイソプロポキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンの合成
【化11】
バイアル中で、(E)-1-(3,3-ジイソプロポキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(200mg、0.540ミリモル、90重量%)を、ヘキサクロロアセトン(0.411mL、2.70ミリモル)に溶解した。溶液を、リチウムtert-ブトキシド(130mg、1.62ミリモル、出発物質に対して3当量)を含む別のバイアルに加え、グローブボックス内で秤量した。反応物を23℃で24時間激しく撹拌した。1,3,5-トリメトキシベンゼンを反応混合物に加え、内部標準として使用して
1H NMR分光法により収率を計算した(収率71%):
1H NMR(500MHz,CDCl
3)δ 7.83(s,1H),7.73(s,2H),4.68(d,J=6.5Hz,1H),4.12-4.07(m,1H),4.00-3.94(m,1H),2.85(d,J=8.5Hz,1H),2.34(dd,J=8.5,6.4Hz,1H),1.31(d,J=6.2Hz,3H),1.28(d,J=4.9Hz,3H),1.19(d,J=6.4Hz,3H),1.14(d,J=6.1Hz,3H);
19F NMR(471MHz,CDCl
3)δ -62.89。
【0041】
実施例3a:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応で使用された塩基の比較
【化12】
次の一般的な手順が使用された。グローブボックス内のシンチレーションバイアルに、塩基(5.84ミリモル、10当量)を秤量した。別のバイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.20g、0.584ミリモル、1当量)とクロロホルム(1.885mL、23.37ミリモル、40当量)を混合し、次いでシリンジを介して23℃で塩基に加えた。混合物を23℃で24時間撹拌した。1,4-ジニトロベンゼンを反応混合物に加え、内部標準として使用して
1H NMR分光法により収率を計算した。結果を以下の表に報告する。
【0042】
【0043】
実施例3b:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応で使用された塩基の比較
【化13】
グローブボックス内のシンチレーションバイアルに塩基(1.753、3当量)を秤量した。別のバイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.20g、0.584ミリモル、1当量)とヘキサクロロアセトン(0.445mL、2.92ミリモル、5当量)を混合し、次いでシリンジを介して23℃で固体塩基に加えた。混合物を23℃で24時間撹拌した。1,3,5-トリメトキシベンゼンを反応混合物に加え、内部標準として使用して
1H NMR分光法により収率を計算した。結果を以下の表に報告する。
【0044】
【0045】
実施例4a:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応で使用された塩基の量の比較
【化14】
バイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(200mg、0.584ミリモル)をクロロホルム(1.9mL、23.37ミリモル)に溶解した。リチウムtert-ブトキシド(5~15当量)を溶液に一度に加えた。混合物を40℃に加熱し、24時間激しく撹拌した。周囲温度まで冷却した後、反応混合物を水(2mL)で2回洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターにより真空下で濃縮した。内部標準として1,4-ジニトロベンゼンを使用して、得られた油状物を
1H NMR分光法により分析し、
1H NMR収率を得た。結果を以下の表に報告する。
【0046】
【0047】
実施例4b:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応で使用された塩基の量の比較
【化15】
グローブボックス内のシンチレーションバイアルに、リチウムtert-ブトキシドを秤量した。別のバイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.20g、0.584ミリモル、1当量)とヘキサクロロアセトン(0.445mL、2.92ミリモル、5当量)を混合し、次いでシリンジを介して固体塩基に23℃で加えた。混合物を23℃で24時間撹拌した。1,3,5-トリメトキシベンゼンを反応混合物に加え、内部標準として使用して、
1H NMR分光法により収率を計算した。結果を以下の表に報告する。
【0048】
【0049】
実施例5a:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応で使用された塩基と温度の比較
【化16】
バイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.25g、0.730ミリモル)をクロロホルム(2.356mL、29.2ミリモル)に溶解した。混合物を指定の温度に設定し、塩基(6~10当量)を加えた。混合物を18時間撹拌した。変換率は、
1H NMR分光法により分析した。
【0050】
【0051】
実施例5b:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応に使用された塩基の比較
【化17】
バイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.20g、0.584ミリモル)を、23℃でヘキサクロロアセトン(0.356mL、2.337ミリモル、4当量)に溶解した。塩基(1.5~3当量)を加えた。混合物を24時間撹拌した。変換率は、
1H NMR分光法により分析した。
【0052】
【0053】
実施例6a:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応で使用された共溶媒と塩基の比較
【化18】
バイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.25g、0.730ミリモル)をクロロホルム(2.356mL、29.2ミリモル)に溶解した。混合物を指定の温度に設定し、塩基(6~10当量)を固体として、又は指定の共溶媒との懸濁液として加えた。混合物を18時間撹拌した。変換率は、
1H NMR分光法により分析した。
【0054】
【0055】
実施例6b:(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからtrans-rac-1-(2,2-ジクロロ-3-(ジエトキシメチル)シクロプロピル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを形成する反応で使用された共溶媒の比較
【化19】
バイアル中で、(E)-1-(3,3-ジエトキシプロパ-1-エン-1-イル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.20g、0.584ミリモル)を、ヘキサクロロアセトン(0.445mL、2.92ミリモル、5当量)及び指定の共溶媒に溶解した。混合物を指定の温度に設定し、リチウムtert-ブトキシド(0.234g、2.92ミリモル)を加えた。混合物を18時間撹拌した。変換率は、
1H NMR分光法により分析した。
【0056】
【0057】
実施例7:(5R,6R)-5,6-ビス((1R,3R)-3-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-2,2-ジクロロシクロプロピル)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカンの合成
【化20】
バイアル中で、(5R,6R)-5,6-ビス((E)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)スチリル)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4、7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン(0.25g、0.326ミリモル)をヘキサクロロアセトン(0.495mL、3.26ミリモル)と混合した。リチウム2-メチルプロパン-2-オラート(0.130g、1.630ミリモル)を一度に加えた。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。18時間後、
1H NMR分光法による分析では、出発物質から所望の生成物への>99%の変換率を示し、ジアステレオ選択性比(dr)は約5.5:1であり所望の生成物が有利であった。反応を水で急冷し、有機層を分離し、乾燥させ、濃縮して油状物を得た。単離された収率は得られなかった。
【0058】
実施例8:(5R,6R)-5,6-ビス((1R,3R)-3-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-2,2-ジクロロシクロプロピル)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカンの合成
【化21】
バイアル中で、(5R,6R)-5,6-ビス((E)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)スチリル)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4、7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン(0.25g、0.326ミリモル)及びリチウム2-メチルプロパン-2-オレート(0.391g、4.89ミリモル)を加えた。固体に、クロロホルム(1.841mL、22.82ミリモル)を加えた。混合物を40℃に加熱し、18時間撹拌して、大量のモノシクロプロパン化材料を有する所望の生成物を得た。追加の5当量のリチウム2-メチルプロパン-2-オラートを加え(0.13g)、混合物を更に1日撹拌した。40時間後、
1H NMR分析では、約15%のアルケンモノシクロプロパン化種及び約85%の所望の生成物への変換率を示した(drは決定されなかった)。反応を水で急冷し、有機層を分離し、乾燥させ、濃縮して油状物を得た。単離された収量は得られなかった。
【0059】
実施例M1:(5R,6R)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-5,6-ジビニル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカンの合成
【化22】
メカニカルスターラー、凝縮器、窒素注入口及び温度プローブを備えた四口反応器中で、(3R,4R)-ヘキサ-1,5-ジエン-3,4-ジオール(60g、526ミリモル)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、394mL)(DMFをアセトニトリルに置き換えることができたこと、又はアセトニトリルとDMFの混合物を使用することができたことに注意されたい)中で撹拌した。混合物を0~5℃に冷却した。イミダゾール(140g、2050ミリモル)を加えた。ヘプタン(131mL)におけるtert-ブチルクロロジメチルシラン(158g、1051ミリモル、2当量)の溶液を添加漏斗を介して加えた(温度<5℃)。この混合物を周囲温度に加温し、20分間撹拌した。メタノール(15.95mL、394ミリモル、0.75当量)を周囲温度で撹拌しながら加えた。1時間後、混合物にヘプタン(1.5L)を入れ、10~15分間激しく撹拌した。撹拌を停止し、層を分離した。ヘプタン部分(上層)を収集し、アセトニトリル(2×100mL)で洗浄/分配した。ヘプタン部分を濃縮して、表題化合物を無色の油状物として得、これを更に操作することなく使用した(178g、収率95%、純度96%):
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.28-5.60(m,2H),5.26-5.04(m,4H),4.17-4.06(m,2H),0.91(s,18H),0.07(s,6H).0.05(s,6H)。
【0060】
実施例M2:(5R,6R)-5,6-ビス((E)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)スチリル)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカンの合成
【化23】
反応は、メカニカルスターラー、温度プローブ、窒素注入口及びバッフルを備えた四口1Lジャケット付き反応器にて窒素下で行った。1-ブロモ-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(115g、394ミリモル)及び(5R,6R)-2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-5,6-ジビニル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン(50g、146ミリモル)をDMF(365mL)中で撹拌した。炭酸カリウム(38.3g、277ミリモル)、酢酸ナトリウム(15.56g、190ミリモル)及びジアセトキシパラジウム(1.31g、5.84ミリモル、4モル%)を加えた。混合物を内部温度66℃まで加熱した。24時間後、加熱を止めた。反応物が温かい間に、アセトニトリル(500mL)及びヘプタン(1L)を撹拌しながら加えた。周囲温度まで冷却したら、撹拌を停止し、層を分離した。DMF部分(下層)を固体塩とともに反応器から排出した。ヘプタン部分(上層)を収集した。底層をヘプタン(500mL)で逆抽出した。ヘプタン層を組み合わせ、アセトニトリル(2×200mL)で洗浄し、濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(99.3g、収率84%):
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.70(s,6H),6.62(dd,J=16.0,1.1Hz,2H),6.43(ddd,J=16.0,3.3,1.2Hz,2H),4.66-4.21(m,2H),0.98(s,18H),0.15(s,6H),0.12(s,6H);
19F NMR(376MHz,CDCl
3)δ -63.09。
【0061】
結果として、上記を考慮して、以下の追加的な非網羅的な開示の詳細(d)が提供される。
【0062】
スキーム1に関連する更なる詳細
1d.ハロシクロプロパン化試薬及び3級アルコキシドのリチウム塩の存在下で、S1aをハロシクロプロパン化してS1bを生成することを含むプロセス
【化24】
(式中、
(a)R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH
2、NO
2、(C
1~C
4)アルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、(C
1~C
4)ハロアルキル、又は(C
1~C
4)ハロアルコキシであり、
(b)各R
nは、独立して(C
1~C
4)アルキルであり、又は両方のR
n置換基は一体となって、2つの酸素原子間をつなぐ(C
2~C
6)アルキル結合を形成し、並びに
(c)各Xは、独立して、F、Cl、Br、又はIである)。
【0063】
2d.R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH2、NO2、(C1~C4)アルキル、(C1~C4)アルコキシ、(C1~C4)ハロアルキル、又は(C1~C4)ハロアルコキシであり、但し、R2、R3、及びR4の少なくとも1つはHでないという条件である、前述の詳細に記載のプロセス。
【0064】
3d.各Rnは、独立して(C1~C4)アルキルである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0065】
4d.各Xは、独立してCl又はBrである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0066】
5d.各Xは、Clである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0067】
6d.S1aは、R2を有し、R4は、CF3であり、R1、R3、及びR5はHであり、各Rnは、C2H5である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0068】
7d.前述のハロシクロプロパン化試薬は、四塩化炭(CCl4)、テトラクロロエチレン(Cl2C~CCl2)、クロロホルム(CHCl3)、トリクロロ酢酸の塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、及び4級アンモニウムカチオンを含むがこれらに限定されない金属)、トリクロロ酢酸のアルキルエステル、ヘキサフルオロアセトン((F3C)2CO)、ヘキサクロロアセトン(1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン-2-オンとしても知られる、(Cl3C)2CO)、ヘキサブロモアアセトン((Br3C)2CO)、及び前述のハロシクロプロパン化試薬の混合物である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0069】
8d.前述のハロシクロプロパン化試薬は、ヘキサクロロアセトンである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0070】
9d.ハロシクロプロパン化中に存在するハロシクロプロパン化試薬の量は、S1aのモル当たり約0.5モル~約100モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0071】
10d.前述のハロシクロプロパン化剤は、クロロホルムであり、ハロシクロプロパン化中に存在するクロロホルムの量は、S1aのモル当たり約5モル~約100モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0072】
11d.前述のハロシクロプロパン化剤は、クロロホルムであり、ハロシクロプロパン化中に存在するクロロホルムの量は、S1aのモル当たり約30モル~約60モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0073】
12d.前述のハロシクロプロパン化剤は、ヘキサクロロアセトンであり、ハロシクロプロパン化中に存在するヘキサクロロアセトンの量は、S1aのモル当たり約0.5モル~約100モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0074】
13d.前述のハロシクロプロパン化剤は、ヘキサクロロアセトンであり、ハロシクロプロパン化中に存在するヘキサクロロアセトンの量は、S1aのモル当たり約1モル~約5モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0075】
14d.前述のハロシクロプロパン化剤は、ヘキサクロロアセトンとクロロホルムの混合物であり、クロロホルムは、ヘキサクロロアセトンのモル量よりも少ないモル量である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0076】
15d.前述の3級アルコキシドのリチウム塩は、リチウムtert-ブトキシド(LiOC(CH3)3、リチウム2-メチルプロパン-2-オレートとしても知られる)又はリチウム2-メチル-2-ブトキシド(リチウムtert-アモキシド又はリチウムtert-アミラートとしても知られる)、又はそれらの混合物である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0077】
16d.前述の3級アルコキシドのリチウム塩は、リチウムtert-ブトキシド(LiOC(CH3)である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0078】
17d.ハロシクロプロパン化中に存在する前述の3級アルコキシドのリチウム塩の量は、S1aのモル当たり約1モル~約20モルの3級アルコキシドのリチウム塩である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0079】
18d.ハロシクロプロパン化中に存在する前述の3級アルコキシドのリチウム塩の量は、S1aのモル当たり約1モル~約15モルの3級アルコキシドのリチウム塩である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0080】
19d.前述のハロシクロプロパン化は、共溶媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0081】
20d.前述のハロシクロプロパン化は、以下の1つ以上から選択される共溶媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス:ヘプタン、ヘキサン、トルエン、ジグライム、テトラヒドロフラン(「THF」)、炭酸ジメチル、ジメトキシエタン、エチレングリコールメチルエーテル、tert-ブタノール(「t-BuOH」)、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、メチルtert-ブチルエーテル(「MTBE」)、2-メチルデカン、アニソール(メトキシベンゼンとしても知られる)、及びC9~C12イソアルカンの混合物。
【0082】
21d.前述のハロシクロプロパン化は、相間移動触媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0083】
22d.前述のハロシクロプロパン化は、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヘキサクロロホスフェート、塩化N-ベンジルシンコニジウム、臭化(-)-N-ドデシル-N-メチルエフェドリニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、及びそれらの混合物から選択される相間移動触媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0084】
23d.前述のハロシクロプロパン化は、周囲温度及び周囲圧力で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0085】
24d.前述のハロシクロプロパン化は、約0℃~約100℃の温度で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0086】
25d.前述のハロシクロプロパン化は、約0℃~約60℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、クロロホルムである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0087】
26d.前述のハロシクロプロパン化は、約20℃~約50℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、クロロホルムである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0088】
27d.前述のハロシクロプロパン化は、約25℃~約40℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、クロロホルムである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0089】
28d.前述のハロシクロプロパン化は、約0℃~約40℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、ヘキサクロロアセトンである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0090】
29d.前述のハロシクロプロパン化は、約20℃~約25℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、ヘキサクロロアセトンである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0091】
30d.前述のハロシクロプロパン化は、約10キロパスカル(kPa)~約1000kPaの圧力、又は約50kPa~約150kPaの圧力で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0092】
スキーム2に関する更なる詳細
1d.ハロシクロプロパン化試薬及び3級アルコキシドのリチウム塩の存在下で、S2aをハロシクロプロパン化してS2b主生成物を生成することを含むプロセス
【化25】
(式中、
(a)R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH
2、NO
2、(C
1~C
4)アルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、(C
1~C
4)ハロアルキル、又は(C
1~C
4)ハロアルコキシであり、
(b)各Yは、独立して、OH、OSi((C
1~C
4)アルキル)
3、OSi((C
1~C
4)アルキル)
2((C
1~C
4)アルキル-アリール)、OSi((C
1~C
4)アルキル)
2(アリール)、OSi((C
1~C
4)アルキル)(アリール)
2、OC(O)(C
1~C
4)アルキル、OC(O)O(C
1~C
4)アルキル、OC(O)NH(C
1~C
4)アルキル、O(C
1~C
4)アルキル-アリール、O-アリール、テトラヒドロピラニル、又は1,3-ジオキソラニルであり、並びに
(c)各Xは、独立して、F、Cl、Br、又はIである)。
【0093】
2d.R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、CN、NH2、NO2、(C1~C4)アルキル、(C1~C4)アルコキシ、(C1~C4)ハロアルキル、又は(C1~C4)ハロアルコキシであり、但し、R2、R3、及びR4の少なくとも1つはHでないという条件である、前述の詳細に記載のプロセス。
【0094】
3d.各Yは、独立してOSi(CH3)3、OSi(CH2CH3)3、OSi(CH(CH3)2)3、OSi(CH3)2フェニル、Oベンジル、O(C(O)NH-tert-ブチル)、OSi(CH3)2-(tert-ブチル)である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0095】
4d.各Yは、OSi(CH3)2-(tert-ブチル)である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0096】
5d.各Xは、独立してCl又はBrである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0097】
6d.各Xは、Clである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0098】
7d.S2a:R2及びR4は、CF3であり、R1、R3、及びR5は、Hであり、Yは、OSi(CH3)2(tert-ブチル)である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0099】
8d.前述のハロシクロプロパン化試薬は、四塩化炭(CCl4)、テトラクロロエチレン(Cl2C~CCl2)、クロロホルム(CHCl3)、トリクロロ酢酸の塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、及び4級アンモニウムカチオンを含むがこれらに限定されない金属)、トリクロロ酢酸のアルキルエステル、ヘキサフルオロアセトン((F3C)2CO)、ヘキサクロロアセトン(1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン-2-オンとしても知られる、(Cl3C)2CO)、ヘキサブロモアアセトン((Br3C)2CO)、及び前述のハロシクロプロパン化試薬の混合物である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0100】
9d.前述のハロシクロプロパン化試薬は、ヘキサクロロアセトンである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0101】
10d.ハロシクロプロパン化中に存在するハロシクロプロパン化試薬の量は、S1aのモル当たり約0.5モル~約100モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0102】
11d.前述のハロシクロプロパン化剤は、クロロホルムであり、ハロシクロプロパン化中に存在するクロロホルムの量は、S1aのモル当たり約5モル~約100モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0103】
12d.前述のハロシクロプロパン化剤は、クロロホルムであり、ハロシクロプロパン化中に存在するクロロホルムの量は、S1aのモル当たり約30モル~約60モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0104】
13d.前述のハロシクロプロパン化剤は、ヘキサクロロアセトンであり、ハロシクロプロパン化中に存在するヘキサクロロアセトンの量は、S1aのモル当たり約0.5モル~約100モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0105】
14d.前述のハロシクロプロパン化剤は、ヘキサクロロアセトンであり、ハロシクロプロパン化中に存在するヘキサクロロアセトンの量は、S1aのモル当たり約1モル~約5モルの試薬である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0106】
15d.前述のハロシクロプロパン化剤は、ヘキサクロロアセトンとクロロホルムの混合物であり、クロロホルムは、ヘキサクロロアセトンのモル量よりも少ないモル量である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0107】
16d.前述の3級アルコキシドのリチウム塩は、リチウムtert-ブトキシド(LiOC(CH3)3、リチウム2-メチルプロパン-2-オレートとしても知られる)又はリチウム2-メチル-2-ブトキシド(リチウムtert-アモキシド又はリチウムtert-アミラートとしても知られる)、又はそれらの混合物である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0108】
17d.前述の3級アルコキシドのリチウム塩は、リチウムtert-ブトキシド(LiOC(CH3)である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0109】
18d.ハロシクロプロパン化中に存在する前述の3級アルコキシドのリチウム塩の量は、S1aのモル当たり約1モル~約20モルの3級アルコキシドのリチウム塩である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0110】
19d.ハロシクロプロパン化中に存在する前述の3級アルコキシドのリチウム塩の量は、S1aのモル当たり約1モル~約15モルの3級アルコキシドのリチウム塩である、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0111】
20d.前述のハロシクロプロパン化は、共溶媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0112】
21d.前述のハロシクロプロパン化は、以下の1つ以上から選択される共溶媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス:ヘプタン、ヘキサン、トルエン、ジグライム、テトラヒドロフラン(「THF」)、炭酸ジメチル、ジメトキシエタン、エチレングリコールメチルエーテル、tert-ブタノール(「t-BuOH」)、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、メチルtert-ブチルエーテル(「MTBE」)、2-メチルデカン、アニソール(メトキシベンゼンとしても知られる)、及びC9~C12イソアルカンの混合物。
【0113】
22d.前述のハロシクロプロパン化は、相間移動触媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0114】
23d.前述のハロシクロプロパン化は、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヘキサクロロホスフェート、塩化N-ベンジルシンコニジウム、臭化(-)-N-ドデシル-N-メチルエフェドリニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、及びそれらの混合物から選択される相間移動触媒の存在下で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0115】
24d.前述のハロシクロプロパン化は、周囲温度及び周囲圧力で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0116】
25d.前述のハロシクロプロパン化は、約0℃~約100℃の温度で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0117】
26d.前述のハロシクロプロパン化は、約0℃~約60℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、クロロホルムである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0118】
27d.前述のハロシクロプロパン化は、約20℃~約50℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、クロロホルムである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0119】
28d.前述のハロシクロプロパン化は、約25℃~約40℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、クロロホルムである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0120】
29d.前述のハロシクロプロパン化は、約0℃~約40℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、ヘキサクロロアセトンである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0121】
30d.前述のハロシクロプロパン化は、約20℃~約25℃の温度で行われ、前述のハロシクロプロパン化試薬は、ヘキサクロロアセトンである、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0122】
31d.前述のハロシクロプロパン化は、約10キロパスカル(kPa)~約1000kPaの圧力、又は約50kPa~約150kPaの圧力で行われる、前述の詳細のいずれかに記載のプロセス。
【0123】
分子に関する詳細
1d.以下の分子の1つ以上を含む組成物:
【化26】
【0124】
【0125】
【0126】
詳細の終了
【国際調査報告】