(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】再感染防止のためのカチオン性ポリマーの使用
(51)【国際特許分類】
C08L 101/02 20060101AFI20240423BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20240423BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20240423BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20240423BHJP
A01N 33/12 20060101ALI20240423BHJP
A01N 61/00 20060101ALI20240423BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240423BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240423BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20240423BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240423BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
C08L101/02
A01P1/00
A01P3/00
A01N25/04 101
A01N33/12 101
A01N61/00 D
A61Q19/10
A61Q5/02
A61K8/06
A61K8/81
A61K8/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564167
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2022060423
(87)【国際公開番号】W WO2022223620
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】202121018489
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー,ヴィドゥラ
(72)【発明者】
【氏名】コカール,ジャスミート・カウル
(72)【発明者】
【氏名】ムケルジー,サヤンディップ
(72)【発明者】
【氏名】ネギ,アジェイ・シン
(72)【発明者】
【氏名】パラニサミー,バラス
(72)【発明者】
【氏名】パタク,サンディップ・バヌダス
【テーマコード(参考)】
4C083
4H011
4J002
【Fターム(参考)】
4C083AB332
4C083AB431
4C083AB432
4C083AB441
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC372
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC852
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD282
4C083BB01
4C083BB12
4C083BB34
4C083DD08
4C083DD21
4C083DD32
4C083EE12
4C083EE29
4H011AA02
4H011BA01
4H011BB04
4H011BB19
4H011BC01
4H011BC03
4H011BC06
4H011BC08
4H011BC19
4H011BC20
4H011DA16
4H011DH02
4H011DH10
4J002AE032
4J002AE052
4J002BG071
4J002BG121
4J002BG131
4J002CM011
4J002EN096
4J002EV256
4J002FD316
4J002GB00
4J002GC00
4J002HA07
(57)【要約】
本発明は、表面が処理された後の長期間にわたって、表面上の微生物再感染、特にウイルスおよび細菌の微生物再感染を防止するために、ポリマーと、それを含む組成物とを用いて表面を処理することに関する。本発明はまた、上記の利点を送達するためのポリマーを含む特定の液体クレンジング組成物、清浄薬、手持ち式スプレー装置およびタオレットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原菌に対する再感染の防止に使用するための、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマー。
【請求項2】
病原菌に対する再感染の防止に使用するための、前記ポリマーの5重量%を超える窒素含有量を有する、請求項1に記載のカチオン性ポリマー。
【請求項3】
3.5meq/gを超える電荷密度を有する、好ましくはPDADMACである、請求項1または2に記載のカチオン性ポリマー。
【請求項4】
病原菌に対する再感染の防止に使用するための、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーを含む水相と、(b)ワセリンまたはワックスから選択される疎水相と、(c)乳化剤とを含む油中水型エマルジョン組成物。
【請求項5】
病原菌に対する再感染の防止に使用するための、アニオン性界面活性剤、好ましくは石鹸をさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物がバーである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
病原菌に対する再感染の防止に使用するための、(a)40~80重量%の石鹸と、(b)10~50重量%の範囲の保水能力を有し、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーによってコーティングされ、ワックスまたはワセリンから選択される疎水性材料によってその上にさらにコーティングされた多孔質粘土粒子を含む複合粒子とを含む石鹸バー組成物。
【請求項8】
病原菌に対する再感染の防止に使用するための、(a)20~90重量%の1つ以上のC
2~C
4一価アルコールと、(b)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーとを含む清浄薬組成物。
【請求項9】
病原菌に対する再感染の防止に使用するための、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)65重量%を超える水とを含む液体クレンジング組成物。
【請求項10】
(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)65重量%を超える水とを含む液体クレンジング組成物。
【請求項11】
前記カチオン性ポリマーが、(a)前記カチオン性ポリマーを含む水相と、(b)ワセリンまたはワックスから選択される疎水相と、(c)乳化剤とを含む油中水型エマルジョンを介して前記組成物に含まれる、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記カチオン性ポリマーが、10~50重量%の範囲の保水能力を有し、前記カチオン性ポリマーによってコーティングされ、ワックスまたはワセリンから選択される疎水性材料によってその上にさらにコーティングされた多孔質粘土粒子を含む複合粒子を介して前記組成物に含まれる、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
(a)2.0を超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)65%を超える水とを含む液体クレンジング組成物を収容するリザーバを備える手持ち式スプレー装置であって、微細エアロゾルの形態の前記組成物のスプレーを生成するように手動で操作可能である手持ち式スプレー装置。
【請求項14】
(i)水不溶性基材、
(ii)(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)50~99重量%の前記濃縮水とを含む、前記基材に含浸された濃縮物
を含むタオレット製品。
【請求項15】
洗浄後最大6時間にわたって表面上の病原菌の再増殖を最小限に抑える方法であって、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーを含む組成物を用いて前記表面を洗浄する工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面が処理された後の長期間にわたって、表面上の微生物再感染、特にウイルスおよび細菌の微生物再感染を防止するために、ポリマーと、それを含む組成物とを用いて表面を処理することに関する。本発明はまた、ポリマーを含む特定の液体クレンジング組成物、装置およびタオレットに関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸器感染は、世界中で最も蔓延している病因の1つであると考えられている。世界的には、急性下部呼吸器感染は、5歳未満の小児では、罹患率および死亡率の重大な原因である。科学的試験により、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)が、そのような感染による、ウイルスによる最も一般的な死因として同定されている。他の顕著なウイルスには、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスAおよびB、アデノウイルス、ならびに起源が新しいコロナウイルスがある。このような感染は毎年数千万件報告されており、主に低中所得家庭の5歳未満の小児の50万を超える死亡数をもたらしている。
【0003】
ウイルス感染以外に、細菌感染もまた、世界中の罹患率および死亡率の大きな割合を占めている。皮膚上に見られる細菌は、常在細菌と一過性細菌との2つの群に分けることができる。常在細菌は、皮膚の表面および最外層に恒久的なミクロコロニーとして確立され、他のさらに有害な細菌および真菌のコロニー形成を防止するのに重要な役割を果たすグラム陽性菌である。一過性細菌は、皮膚の正常な常在細菌叢の一部ではないが、空中の汚染物質が皮膚についた際に、または汚染物質が皮膚と物理的に接触した際に堆積し得る細菌である。一過性細菌はまた、グラム陽性サブクラスとグラム陰性サブクラスとに典型的に分けられる。グラム陽性菌には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)およびボツリヌス菌(Clostridium botulinum)などの病原体が含まれる。グラム陰性菌には、サルモネラ(Salmonella)、大腸菌(Escherichia coli)、クレブシエラ(Klebsiella)、ヘモフィルス(Haemophilus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス(Proteus)および志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)などの病原体が含まれる。グラム陰性菌は、一般にグラム陰性菌が局所抗細菌活性物質の影響を受けにくくなる追加的な保護細胞膜によってグラム陽性菌と区別される。
【0004】
研究では、上記のようなウイルスおよび細菌が、感染した手による接触を介して、さらには携帯電話を含む無生物表面を介しても伝播し得ることが示されている。結果として、手指衛生は、そのような病原菌を死滅させ、それによって、呼吸器感染だけでなく消化管疾患のリスクも低下させる一般的に推奨される方法である。手指衛生には、石鹸および流水を使用して手を洗浄することが含まれ、これにより、手の汚れが落ちるだけでなく、細菌およびウイルスを含む病原菌が洗い流され、死滅する。あるいは、手からウイルスおよび細菌を除去する別の有効な手段として、水をほとんど含有しないアルコール系手指清浄薬を手に擦り付けてもよい。そのような方法は、病原菌を瞬間的に死滅させるのに非常に良好であるが、表面が洗浄された後の最大数時間にわたって、表面に侵入し得る病原菌からの長期持続性の洗浄後保護を提供しない。病原菌からの長期持続性の保護は、表面にリーブオン組成物を塗布する追加の工程を必要とする。
【0005】
したがって、病原菌を死滅させるだけでなく、洗浄作用後に長時間にわたって効果的な死滅を確実にするのに十分な量の活性物質を皮膚上に堆積させる抗微生物活性物質を含むクレンジング組成物は、消費者によって大いに望まれている。
【0006】
本発明者らは、そのような活性物質を探索する際に、本質的にカチオン性であり、細菌およびウイルスのような病原菌を死滅させるだけでなく、そのような処理後数時間にわたって再感染を防止することを確実にする特定の高い電荷密度を有する特定のクラスのポリマーに遭遇した。ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム-6としても知られているPDADMAC)は、第四級アンモニウム化合物のクラスに属するジアリルジメチルアンモニウムクロリドのカチオン性ホモポリマーであり、本発明者らが本発明により有効であることを見出したそのようなポリマーの一例である。
【0007】
カチオン性ポリマー化合物は、抗微生物効果を有することが知られている。これらの天然構造または合成構造内の主な正に帯電した部分は、第四級アンモニウム基である。
【0008】
米国特許第2014/0294749号明細書(Medivators Inc)は、抗微生物組成物、抗微生物組成物を調製する方法、抗微生物組成物を使用する方法、および/または塩化アンモニウムカチオン種を使用して抗微生物活性を発揮する抗微生物組成物を含むキットを開示している。
【0009】
細菌および酵母に対するQAC(第四級アンモニウム化合物)の作用機序は十分に確立されている。動物ウイルスに対するカチオン性薬剤の作用機序は、ごく最近になって調査された。本発明者らの知る限りでは、そのような高電荷密度カチオン性ポリマーは、長期持続性の衛生上の利点と長期の病原菌保護とを提供する、ウイルスおよび細菌のような微生物による再感染の防止については知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第2014/0294749号明細書
【発明の概要】
【0011】
したがって、本発明の目的は、表面からの病原菌による再感染の防止、またはそのような再感染を少なくとも最小限に抑えることを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、ウォッシュオフ、すなわち、クレンジング組成物からのそのような利点を提供することである。
【0013】
本発明は、病原菌に対する再感染防止のための、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーの使用に関する。
【0014】
そのような再感染が防止される、本発明による病原菌は、好ましくは、ウイルスおよび細菌である。
【0015】
本発明の別の態様は、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)65%を超える水とを含む液体クレンジング組成物に関する。本発明の別の態様は、洗浄後最大6時間にわたって表面上の病原菌の再増殖を最小限に抑える方法であって、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーを含む組成物を用いて表面を洗浄する工程を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これらおよび他の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。疑義を避けるために、本発明の一態様の任意の特徴が、本発明の他の任意の態様において利用されてもよい。用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された工程または選択肢は網羅的である必要はない。以下の説明に示される実施例は、本発明を明確にすることを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図していないことに留意されたい。同様に、すべてのパーセンテージは、他に指示がない限り、重量/重量%であり、「wt%」と省略され得る。操作および比較例、または他に明示されている場合を除いて、材料の量、または反応条件、材料および/または使用の物理的特性を示す本明細書および特許請求の範囲中のすべての数字が、用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。「xからy」の形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。特定の特徴について複数の好ましい範囲が「xからy」の形式で記載されている場合、異なる端点を組み合わせるすべての範囲も企図されることが理解されよう。
【0017】
本発明は、任意のタイプの表面上のウイルスおよび細菌による再感染を防止するために使用され得る。表面は、無生物であっても生物であってもよい。無生物表面には、家庭内または屋外の表面が含まれる。家庭であっても屋外であっても、無生物表面は、軟質表面または硬質表面として一般に分類される。軟質表面には、人が着用する衣服、室内装飾品、またはベッドシート、枕のような寝室もしくは居間内のもの、もしくはカーテン、ソファなどのような居間内のものが含まれる。硬質表面には、家庭内、または建物の共用領域の外側の金属、木材、磁器、プラスチック、ガラスのものが含まれる。レストラン、バーおよびパブ、公園、バス停、駅ならびに飛行機ターミナルのような公共エリアもまた、ウイルスおよび細菌のような病原菌が適切な条件で存在し、増殖し得る多くの硬質表面および軟質表面を有する。
【0018】
生物表面には、植物、およびヒトを含む動物のような生存生物の外表面が含まれる。ほとんどの生物表面上の栄養素および水の豊富な利用可能性のために、そのような表面上では、病原菌が存在し、増殖することができる。本発明は、任意のタイプの表面、好ましくは生物表面上のウイルス再感染を防止するために使用される。本発明は、人体の局所表面上の再感染防止に特に有用である。局所表面は、頭皮および毛髪を含む身体の任意の外部の皮膚を含む。局所表面はまた、口腔内の表面を含む。本発明は、人体の外部皮膚表面上に使用するのに特に有用である。本発明は、リーブオン組成物またはウォッシュオフ組成物を通して使用され得る。リーブオン組成物とは、人体の外表面に塗布され、その人が通常数時間後または1日後にシャワーを浴びるかまたは入浴するまでその上に留まることができる組成物を好ましくは意味する。ウォッシュオフ組成物とは、組成物が、例えば、石鹸組成物、ボディウォッシュ、洗顔料、シャンプーまたはヘアコンディショニング組成物を用いて、かなりの量の汚れおよび油が身体の表面から洗い落とされ、身体を清潔に保つように多量の水によって身体の外表面を洗浄するために使用されることを好ましくは意味する。そのようなウォッシュオフ組成物は、ウォッシュオフ作用を可能にする十分な量の界面活性剤を一般に含有する。本発明は、ウォッシュオフ組成物による送達に特に適している。
【0019】
本発明で使用するためのカチオン性ポリマーは、2.0meq/gを超える電荷密度を有する。ポリマーの電荷密度は、以下の手順を使用して測定され得る:
この手順は、滴定法の使用を伴う。正のコロイドイオンは、負のコロイドイオンによって直接滴定される。力価溶液の規定度は、1リットルの溶液中のポリマーの解離性基の当量の数によって定義され、これは、公知の標準試薬を使用するコロイド滴定によって、または化学分析による電解質基の直接的もしくは間接的な推定によって決定され得る。力価溶液の濃度は、0.001N~0.0001Nで十分である。コロイド滴定の終点は、指標物質の色の変化によって一般に決定されるが、変色反応性が多かれ少なかれ不確定である場合には、反応物質の突発性の沈殿の助けを借りて決定される。ブランク滴定が行われなければならない。滴定媒体のpHは、HCl溶液またはNaOH溶液の添加によって制御される。同じpH値で2つの力価間の差をとり、そこから試験材料の単位グラム当たりのグラム当量または当量数を計算することができる。
【0020】
例えば、0.017%キトサン塩酸塩溶液(A)5mlを小型三角フラスコ(または大型試験管)に入れ、適切な量の塩酸または水酸化ナトリウムを添加して(0.001~1N、0.1~1ml)、滴定媒体を酸性またはアルカリ性にする。次いで、0.1%トルイジンブルー1滴を指示薬として添加する。数秒振盪した後、指示薬の青色が赤紫色に変わるまで、0.000541Nのカリウム塩のポリビニル硫酸(P.V.S K)溶液をセミミクロビュレットまたはマイクロビュレットから滴定的に添加する。同時に、反応錯体の凝集または沈殿が急激に現れる。各滴定の最後に、各反応媒体の水素イオン濃度を調査する。正確な試験のためにはガラス電極装置を使用してpHを測定することが望ましいが、試験紙を使用することが実用上便利である。本発明では、市販の試験紙を一般に使用し、その精度は約pH0.1~0.3である。ブランク滴定として、キトサン塩酸塩溶液の代わりに5mlの蒸留水を使用した。他の手順は上記と同じである。同じpHで両滴定間の差をとる。キトサン塩酸塩の単位重量当たりの負のポリマーイオン(P.V.S.-K)結合容量は、以下の式から計算される:
【0021】
【0022】
式中、Δは、同じpH値での試験の力価と対照の力価との間の差である。各力価の変動は、慎重に操作すれば、0.03ml未満である。
【0023】
本発明の利点を送達するために使用され得るポリマーには、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDADMAC)、ポリN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド(PDMAPMA)、ポリ[2(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート](PDMAEMA)、ポリエチレンイミン(PEI)、キトサン、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-7またはポリクオタニウム-37、好ましくはPDADMACが含まれる。上記の材料の電荷密度は、以下の通りである:
PDADMACについては6.2meq/g、PDMAPMAについては5.6meq/g、PDMAEMAについては4.2meq/g、PEIについては4.05meq/g、キトサンについては3.7meq/g、ポリクオタニウム-16については3.3meq/g、ポリクオタニウム-7については3.1meq/g、およびポリクオタニウム-37については2.3meq/g。
【0024】
本発明で使用するための好ましいPDADMAC分子量は、2,00,000~20,00,000、好ましくは4,00,000~6,00,000の範囲である。これは、10,000~20,000mPa.sの範囲の粘度を有する高電荷密度カチオン性ポリマーである。該ポリマーは、Lubrizol Inc.から商品名Merquat-100(INCI:ポリクオタニウム-6またはPQ-6)の下に入手可能である。
【0025】
本発明は、2.0meq/gを超える、好ましくは3.0meq/gを超える、さらになお好ましくは3.5meq/gを超える電荷密度を有する選択カチオン性ポリマーを含むクレンジング組成物を用いて表面を洗浄してしばらく、ウイルスおよび細菌による再感染に対する保護を提供するのに特に有用である。好ましくは、カチオン性ポリマーは、最大8meq/g、好ましくは最大7meq/gの電荷密度を有する。再感染防止は、クレンジング工程後6時間もの間、場合によっては9時間もの間、特定の他の場合ではクレンジング工程後最大12時間もの間、有効であると考えられる。したがって、本発明は、長期持続性の衛生上の利点、または長期にわたる病原菌保護を提供する。
【0026】
本発明で使用されるカチオン性ポリマーは、好ましくは、その繰り返し単位の一部として少なくとも1つの窒素原子を有するホモポリマー/コポリマーである。窒素は、5%を超える%窒素を含むように存在する。好ましくは、窒素は、カチオン性ポリマーの5~40重量%、さらに好ましくは6~35重量%、最も好ましくは6~20重量%の範囲で存在する。
【0027】
窒素の重量パーセントは、以下の式を使用して計算される:
Nの重量%=(繰り返し単位内のNの重量/繰り返し単位の総分子量)*100
したがって、窒素の重量パーセントは、ポリマーの重合度/分子量によって変化しない。
【0028】
本発明で使用されるカチオン性ポリマーの重量パーセント窒素は以下である:
PQ-6(8.7%)、PQ-37(7.2%)およびPQ-16(16%)。本発明で特許請求される範囲外のカチオン性ポリマーには、PQ-10(1.5~2.2%N)およびPQ-67(1.3%N)が含まれる。
【0029】
パーソナルケアへの適用
本発明の利点は、石鹸バーまたは液体ハンドウォッシュ組成物(一般に石鹸を含む)、液体/ゲルボディウォッシュまたはシャンプー組成物(一般に合成界面活性剤を含む)のような用途のために生成された任意のクレンジング組成物を介して、身体、頭皮または毛髪の局所表面に送達され得る。石鹸、および石鹸を含む洗浄組成物中の合成界面活性剤は、本質的にアニオン性である。本発明は、任意のそのようなウォッシュオフ組成物を通してカチオン性ポリマーを送達することによって有効になり得るが、消費者が組成物を使用するそのような時間までカチオン性ポリマーがアニオン性界面活性剤から分離されたままである、そのようなアニオン性界面活性剤含有組成物からカチオン性ポリマーが送達されることが特に好ましい。これは、2つの材料が電荷中和と反応して沈殿をもたらし、アニオン性部分およびカチオン性部分の両方を無効にする可能性があるため、必要である。ウォッシュオフ組成物中にカプセル化されたカチオン性ポリマーを維持する任意のカプセル化技術が効果的であり得る。カチオン性ポリマーをカプセル化する特に効果的な方法は、油中水型エマルジョンを介してカチオン性ポリマーを送達することによるものである。
【0030】
したがって、本発明の好ましい態様は、病原菌に対する再感染防止のための、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーを含む水相と、(b)ワセリンまたはワックスから選択される疎水相と、(c)乳化剤とを含む油中水型エマルジョン組成物の使用に関する。好ましくは、使用は、非治療的または美容的である。
【0031】
電荷密度基準を満たすカチオン性ポリマーは、エマルジョン組成物の5~50重量%、さらに好ましくは10~40重量%で油中水型エマルジョン組成物に含まれることが好ましい。疎水相は、ワセリンまたはワックス、好ましくはワセリンから選択される。疎水相はまた、脂肪酸、トリグリセリドまたはシリコーンなどの比較的少量の他の疎水性材料を含んでもよい。
【0032】
黄色ワセリンとして知られているワセリンは、25以上の炭素鎖長を有する、石油から得られる半固体炭化水素の精製混合物である。黄色ワセリンは、優れた保湿性を有し、37℃を少し下回る程度から数度上回る程度の範囲の融点を有する。黄色ワセリンは、無色または淡黄色(高度に蒸留されていない場合)であり、半透明であり、純粋な場合は味および匂いがない。黄色ワセリンは、水に不溶性である。本発明で使用するための好ましいワセリンは、45~75℃の範囲のスリップ融点を有するものである。疎水相は、油中水型エマルジョン組成物の20~60重量%、さらに好ましくは20~50重量%で好ましくは含まれる。
【0033】
本明細書で使用される「ワックス」は、長いアルキル鎖を特徴的に含む有機化合物のクラスを指す。典型的には、ワックスは、約25℃で可塑性(可鍛性)である。本明細書で使用される「ワックスエステル」は、ワックスに含まれるエステルを意味する。ワックスは、40℃~200℃、さらに好ましくは50℃~120℃の融点を好ましくは有する。
【0034】
本発明で使用するためのワックスは、化粧用組成物に使用するのに好ましくは適している。ワックスは、天然ワックスおよび/または合成ワックスであってよい。そのようなワックスは、炭化水素ワックスおよびエステルワックスから選択されることが多いが、ワックスは、ワックスエステルを含むことが好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、ワックスは、蜜蝋、米ぬかワックス、モンタンワックス、鯨蝋、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、サトウキビワックス、昆虫ワックスまたはそれらの混合物を含む。さらに好ましくは、ワックスは、蜜蝋、米ぬかワックス、モンタンワックス、カルナウバワックスまたはそれらの混合物を含む。さらになお好ましくは、ワックスは蜜蝋である。
【0035】
油中の水を乳化し、安定な状態に保つのに使用するための乳化剤は、好ましくは、非イオン性界面活性剤である。本発明のエマルジョン組成物に使用するための好ましい界面活性剤は、10未満、好ましくは2~7のHLB値を有する。
【0036】
HLBは、0~20の任意の範囲の結果を与えるグリフィン法を使用して計算され、ここで、HLB=20×Mh/Mであり、式中、Mhは、分子の親水性部分の分子質量であり、Mは、分子全体の分子質量である。様々な非イオン性界面活性剤の典型的な値を以下に示す:
・<10の値:脂溶性(水不溶性)
・>10の値:水溶性
・4~8の値は、消泡剤を示す
・7~11の値は、W/O(油中水型)乳化剤を示す
・12~16の値は、水中油型エマルジョンを示す
・11~14の値は、湿潤剤を示す
・12~15の値は、洗剤に典型的である
・16~20の値は、可溶化剤またはヒドロトロープを示す。
【0037】
本発明の油中水型エマルジョン組成物に使用するのに適した乳化剤は、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエートまたはそれらの組合せから選択される。ソルビタンモノステアレートは、商標名SPAN-60の下に販売されており、ソルビタンモノオレエートは、商標名SPAN-80の下に販売されている。これらの乳化剤の両方を使用してエマルジョンを調製することが好ましい。乳化剤は、エマルジョン組成物の2~10重量%、好ましくは2~8重量%で含まれる。
【0038】
水または水相は、油中水型エマルジョン中で分散相を形成する。これは、エマルジョンの40~60重量%、好ましくは40~55重量%で存在することが好ましい。
【0039】
油中水型乳化剤は、水/水相へのカチオン性ポリマーの最大限の包含を確実にするために、以下のプロセスを使用して好ましくは調製される。工程は、(a)乳化剤を20~95℃の範囲の温度で疎水相と混合すること、続いて、(b)20~95℃の温度に維持された水中の水溶性皮膚有益剤の溶液/分散液を工程(a)の混合物に混合することを含む。工程(a)および工程(b)の両方の好ましい温度は、70~85℃の範囲である。
【0040】
本発明の別の態様は、病原菌に対する再感染防止のために、上記の油中水型エマルジョン組成物を含み、アニオン性界面活性剤、好ましくは石鹸をさらに含むクレンジング組成物の使用に関する。好ましくは、使用は、非治療的または美容的である。
【0041】
本明細書で使用される「クレンジング組成物」とは、哺乳動物、特にヒトの皮膚、毛髪および/または頭皮への局所塗布のための組成物を含むことを意味する。そのような組成物は、一般に水で希釈した後、数秒から最大数分の期間にわたって身体の所望の局所表面に一般に塗布される。この塗布期間の後、組成物は、一般に、水によって洗い流されるか、または拭き取られる。そのような組成物には、外観、臭気制御または一般的な美観も改善するために人体に塗布される任意の製品が含まれる。本発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、フォーム、スクラブ、ゲル、シャンプー、コンディショナー、ハンドウォッシュ、洗顔料またはボディウォッシュ製品の形態であり得る。
【0042】
クレンジング組成物は、任意の形式であってよいが、好ましくは石鹸バーである。
【0043】
化粧品的に許容可能な基剤は、アニオン性界面活性剤に加えて水を含む。特に好ましいアニオン性界面活性剤は石鹸である。油中水型エマルジョン組成物は、クレンジング組成物の1~20重量%、好ましくは2~10重量%で含まれることが好ましい。
【0044】
したがって、実際には、カチオン性ポリマーは、本発明によるクレンジングに使用するための任意の組成物中に、クレンジング組成物の0.05~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、さらに好ましくは0.1~2重量%で含まれる。洗浄は、動物またはヒトの局所表面に特に有効である。
【0045】
本発明のクレンジング組成物を調製するための石鹸は、好ましくは、C8~C24石鹸、さらに好ましくはC10~C20石鹸、最も好ましくはC12~C18石鹸である。石鹸のカチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムであり得る。好ましくは、石鹸のカチオンは、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムから選択される。さらに好ましくは、石鹸のカチオンはナトリウムまたはカリウムである。例えば、落花生、大豆、獣脂、パーム、パーム核などの他の好適な油/脂肪に由来する脂肪酸もまた、他の所望の割合で使用され得る。
【0046】
アニオン性界面活性剤を含む化粧品的に許容可能な基剤は、クレンジング組成物中に存在する油中水型エマルジョン以外の組成物の残部を形成する。したがって、化粧品的に許容可能な基剤は、クレンジング組成物の80~99重量%を一般に形成する。
【0047】
アニオン性界面活性剤、例えば、石鹸は、存在する場合、クレンジング組成物の1~90重量%、好ましくは10~85重量%、さらに好ましくは25~75重量%の量で存在することが好ましい。クレンジング組成物は、好ましくは、固体形態または半固体形態、最も好ましくは固体形態である。好ましい固体組成物は、石鹸バーの形状である。
【0048】
他のアニオン性界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、第一級アルキルサルフェート、第二級アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネートまたはエトキシル化アルキルサルフェートから好ましくは選択される。クレンジング組成物に対して好ましい、石鹸以外のアニオン性界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、好ましくは天然源もしくは合成源のいずれかに由来する、1~3個のエチレンオキシド基を有するもの、および/またはスルホン酸である。ナトリウムラウリルエーテルサルフェートが特に好ましい。アルキルポリグルコシド、好ましくはC6~C16の炭素鎖長を有するものも組成物中に存在し得る。
【0049】
好ましいクレンジング組成物は、香料、顔料、防腐剤、軟化剤、日焼け止め剤、ゲル化剤および増粘剤などの他の公知の成分を含み得る。これらの成分の選択は、組成物の形態に大きく依存する。
【0050】
水が好ましい担体である。水は、存在する場合、好ましくは組成物の少なくとも1重量%、さらに好ましくは少なくとも2重量%、さらになお好ましくは少なくとも5重量%で存在する。水が担体である場合、好ましいクレンジング組成物は、10~50重量%、さらに好ましくは12~40重量%、さらになお好ましくは12~25重量%の水を含む。
【0051】
本発明のクレンジング組成物は、保湿バーまたは保湿液体組成物を介して送達されてもよい。脂肪アシルイセチオネート(例えば、ココイルイセチオネート)を含む保湿バー組成物が特に好ましい。
【0052】
脂肪アシルイセチオネート(例えば、ココイルイセチオネート)界面活性剤「製品」は、アニオン性アシルイセチオネート界面活性剤と脂肪酸/脂肪酸石鹸との混合物として定義される。それらは、よく泡立ち、皮膚に対して穏やかであり、良好な軟化特性を有するため、パーソナルケアスキンクレンジング製品またはパーソナルケアヘアクレンジング製品、特にパーソナルケア製品では非常に望ましい。典型的には、脂肪酸イセチオネート界面活性剤製品は、脂肪酸のエステル化によって、またはC8~C20の炭素鎖長を有する脂肪酸クロリドとイセチオネートとの反応によって生成される。脂肪アシルイセチオネートを含有する典型的な界面活性剤製品は、約40~95重量%の酸イセチオネートと、典型的には5%未満のイセチオネート塩に加えて、5~50重量%、典型的には10~40重量%の遊離脂肪酸と、微量(2重量%未満)の他の添加剤とを含有する。脂肪酸石鹸は、5~15重量%の範囲で含まれてもよい。ベタインのような他の界面活性剤が、1~5重量%で含まれてもよい。水は、組成物の2~8重量%で一般に含まれる。
【0053】
本発明の別の態様は、病原菌に対する再感染防止のための、(a)40~80重量%の石鹸と、(b)10~50重量%の範囲の保水能力を有し、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーによってコーティングされ、ワックスまたはワセリンから選択される疎水性材料によってその上にさらにコーティングされた多孔質粘土粒子を含む複合粒子とを含む石鹸バー組成物の使用に関する。好ましくは、使用は、非治療的または美容的である。
【0054】
本発明のこの態様では、油中水型エマルジョン組成物に使用するための本明細書中上記に開示されるワックスまたはワセリンが使用されてもよい。石鹸自体のような石鹸バーの他の成分は、好ましくは、本明細書中上記に開示されたものである。
【0055】
石鹸組成物が複合粒子を含む本発明のこの態様では、カチオン性ポリマーは、多孔質粘土粒子に含まれるおよび/または多孔質粘土粒子上にコーティングされる。粘土は、好ましくはスメクタイトクラスの粘土である。好ましい粘土は、カオリン、ベントナイトまたはチャイナクレーである。粘土は、細かく粉砕された天然岩または土壌材料である。物理的性質および化学的性質に基づいて、これらの粘土は、多くの粘土鉱物群にさらに分類される。例えば、カオリナイトの構造は、八面体アルミナシートと交互になった四面体シリカシートである。構造単位内の電荷は平衡している。カオリナイト基に共通する分子式は、Al2Si2O5(OH)4である。
【0056】
ベントナイトは、水と揺変性ゲルを形成する能力と、大量の水を吸収するのに伴って体積がその乾燥バルクの12~15倍も増加する能力と、高いカチオン交換容量とを有する。これらのカチオンは、それらのゆるい結合のために交換可能であり、破壊された結合(交換容量の約20%)とともに、モンモリロナイトにかなり高い(約100meq/100g)カチオン交換容量を与え、これは粒径の影響をほとんど受けない。これらの粘土は、English India Clays(EICL)、Clariant、Ashapura Minehem Ltd.、Shree Ram Mineralsなどの会社から調達することができる。カチオン性ポリマーが組み込まれた/コーティングされた多孔質粘土粒子は、次いで、ワックスまたはワセリン、好ましくはワセリンから選択される疎水性材料によってさらにコーティングされる。疎水性材料は、複合粒子の0.1~10重量%で含まれる。複合粒子は、石鹸バー組成物の1~25重量%、好ましくは2~10重量%で含まれる。
【0057】
本発明のさらに別の態様は、病原菌に対する再感染防止のための、(a)20~90重量%の1つ以上のC2~C4一価アルコールと、(b)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーとを含む清浄薬組成物の使用に関する。好ましくは、使用は、非治療的または美容的である。
【0058】
本明細書で使用される用語「一価アルコール」は、1個のヒドロキシル基を含有するアルコールを指す。清浄薬組成物は、30~80重量%、さらに好ましくは40~75重量%、最も好ましくは55~70重量%のC2~C4一価アルコールを好ましくは含む。清浄薬組成物の好ましい実施形態では、一価アルコールは、エタノール、イソプロピルアルコールおよびそれらの組合せから選択され、さらに、清浄薬組成物は、エタノールとイソプロピルアルコールとの組合せを含む。好ましくは、清浄薬組成物は、30~80重量%、さらに好ましくは40~70重量%、最も好ましくは50~68重量%のエタノールを含有する。好ましい実施形態では、清浄薬組成物は、2~15重量%の1つ以上のポリオールを含む。本明細書で使用される用語「ポリオール」は、複数のヒドロキシル基を含有するアルコールを指す。さらに好ましい実施形態では、清浄薬組成物は、3~10重量%の1つ以上のポリオールを含む。
【0059】
清浄薬組成物中の好ましいポリオールは、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールおよびそれらの組合せから選択される。清浄薬組成物中のさらになお好ましいポリオールは、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの組合せである。プロピレングリコール、グリセロール、ブチレングリコールおよびそれらの組合せが最も好ましい。さらに最も好ましいのはプロピレングリコールである。清浄薬組成物は、10~40重量%の水を好ましくは含む。さらに好ましくは、組成物は、12~35重量%の水、最も好ましくは25~30重量%の水を含む。
【0060】
本発明のさらに別の態様は、病原菌に対する再感染防止のための、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)65重量%を超える水とを含む液体クレンジング組成物の使用に関する。
【0061】
本発明はまた、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)70重量%を超える水とを含む液体クレンジング組成物に関する。最も好ましくは、液体クレンジング組成物は、80重量%を超える水を有する。
【0062】
本発明の液体クレンジング組成物は、パーソナルクレンジングに一般に使用される。本発明の液体クレンジング組成物は、低濃度の界面活性剤を含み、皮膚に対して穏やかな、毛髪、頭皮、身体、手または顔のような局所表面を洗浄するための組成物であることが好ましい。好ましくは、使用は、非治療的または美容的である。界面活性剤は、液体クレンジング組成物の4~18重量%、好ましくは6~12重量%で一般に含まれる。
【0063】
本発明によるカチオン性ポリマーは、本発明の液体クレンジング組成物にそのまま含まれてもよい。したがって、カチオン性ポリマーは、液体クレンジング組成物に、クレンジング組成物の0.05~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、さらに好ましくは0.1~2重量%で好ましくは含まれる。
【0064】
本発明の液体クレンジング組成物に含めるための界面活性剤は、好ましくは、アニオン性タイプ、非イオン性タイプ、カチオン性タイプまたは両性タイプのものであり得る。界面活性剤がアニオン性クラスのものである場合、カチオン性ポリマーは、カチオン性電荷が組成物中に存在するアニオン性電荷によって中和されないことを確実にするために好ましくはカプセル化される。これを確実にするために、カチオン性ポリマーは、油中水型エマルジョン組成物によって、または本明細書中上記に開示された複合粒子によって液体クレンジング組成物に含まれてもよい。
【0065】
したがって、本発明の好ましい態様は、カチオン性ポリマーが、(a)カチオン性ポリマーを含む水相と、(b)ワセリンまたはワックスから選択される疎水相と、(c)乳化剤とを含む油中水型エマルジョンを介して組成物に含まれる液体クレンジング組成物に関する。
【0066】
さらに、本発明の別の好ましい態様は、カチオン性ポリマーが、10~50重量%の範囲の保水能力を有し、カチオン性ポリマーによってコーティングされ、ワックスまたはワセリンから選択される疎水性材料によってその上にさらにコーティングされた多孔質粘土粒子を含む複合粒子を介して組成物に含まれる液体クレンジング組成物に関する。
【0067】
本発明の液体クレンジング組成物に含めるのに有用な界面活性剤は、ナトリウムラウリルエーテルサルフェート(SLES)である。本発明で使用するためのSLESは、一般に、1~3個のエトキシレート(EO)基を有することが好ましい。SLESは、組成物の3~8重量%で好ましくは含まれる。
【0068】
本発明に含まれ得る他の界面活性剤は、ココアミドモノエタノールアミン(CMEA)である。CMEAは、組成物の1~3重量%で好ましくは含まれる。本発明の液体クレンジング組成物の好ましい一態様は、界面活性剤がナトリウムラウリルエーテルサルフェート(SLES)とココアミドモノエタノールアミン(CMEA)との混合物を含む態様に関する。
【0069】
本発明の液体クレンジング組成物に含めるための別の有用な界面活性剤は、両性界面活性剤、好ましくはベタイン界面活性剤、さらに好ましくはアルキルアミドプロピルベタイン界面活性剤、例えば、コカミドプロピルベタインである。好ましい実施形態では、組成物は、0.1~5重量%、好ましくは0.5~4重量%、さらに好ましくは1~3重量%のベタイン界面活性剤を含む。
【0070】
本発明の液体クレンジング組成物に含めるための非イオン性クラスの界面活性剤は、好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルクラス(Tween界面活性剤として販売されている))、脂肪アルコールエトキシレート(Brij界面活性剤として販売されている)、アルキルフェノールエトキシレート(Triton界面活性剤として販売されている)、脂肪酸エトキシレート(Myrj界面活性剤として販売されている)およびアルキルポリグルコシド(Plantacare界面活性剤として販売されている)のものである。
【0071】
本発明の液体クレンジング組成物に含まれ得るカチオン性クラスの界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)またはドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(DTAC)である。
【0072】
水は、本発明の液体クレンジング組成物中の好ましい担体である。このような組成物では、水は、65~95重量%で一般に存在する。
【0073】
電解質が、本発明の液体クレンジング組成物に含まれることが好ましい。本発明の組成物に含めるための好ましい電解質は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはそれらの組合せ、好ましくは塩化ナトリウムである。電解質は、組成物の0.1~3重量%、さらに好ましくは0.1~2.0重量%で含まれることが好ましい。
【0074】
好ましい液体クレンジング組成物は、香料、顔料、防腐剤、軟化剤、日焼け止め剤、乳化剤、ゲル化剤および増粘剤などの他の公知の成分を含み得る。
【0075】
無生物表面への塗布
電荷密度基準を満たすカチオン性ポリマーの使用に関する本発明は、無生物表面の洗浄に使用するための製品にも使用され得る。そのような製品は、繊維製品、食器類、硬質表面、ならびに硬質表面洗浄剤および/または床および浴室洗浄剤(例えば、便器洗浄器)を含む、布地およびホームケアの分野の任意の他の表面を処理するための洗浄効果を有する組成物を指す「洗剤組成物」として知られている。一実施形態では、本発明の洗剤組成物は、液体、粉末、ペースト、ゲル、単位用量、パウチまたは錠剤の形態であり得る洗濯洗剤組成物である。用語「洗濯洗剤組成物」は、布地から汚れを除去するか、または布地からの汚れの除去を助けるために使用され得る組成物を指す。洗濯洗剤組成物は、布地用の万能または「強力」洗浄剤、および漂白剤、すすぎ助剤、添加剤または前処理タイプなどの洗浄助剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「洗濯物」は、布地表面、例えば、ニット表面、織表面および不織表面を含む。
【0076】
布地または硬質無生物表面を洗浄するための洗剤組成物が以下に記載される様々な形態。
【0077】
固体洗剤組成物とは、粉末、粒子、凝塊物、フレーク、顆粒、ペレット、錠剤、ロゼンジ、パック、ブリケット、レンガ、固体ブロック、単位用量または別の固体形態などの固体の形態の洗浄組成物を指す。固体洗濯洗剤組成物は、噴霧乾燥法もしくは押出法によって、またはブレンダ内での成分の乾式混合によって調製され得る。
【0078】
バーは、「成形」固体組成物とも呼ばれる、固体洗剤組成物の1つの好ましい形態である。それらは、明確で再現性のある外観を有するように、鋳型から形成されるか、または押し出される。固体成形洗剤製品は、好ましくは、バーもしくはケーキであるか、または洗濯用途の場合には錠剤であってよく、手動洗浄での使用および/もしくは自動洗濯機を用いた使用に適している。固体成形洗濯洗剤組成物を形成するプロセスは周知である。これらは、石鹸系組成物、もしくは直鎖アルキルベンゼンスルホネートのような非石鹸界面活性剤に基づく組成物、またはこれら2つの組合せであり得る。
【0079】
液体洗剤組成物とは、家庭、またはオフィス、工場、店舗などの施設の場所での布地ならびに床、トイレ、家具および他の固体表面の洗浄に有用な組成物を指す。このような液体洗剤組成物は、通常プラスチック製のボトルで販売されており、室温で注ぐことができるまたは絞ることができるような粘度である。
【0080】
洗剤組成物は、界面活性剤、ヒドロトロープ、ビルダー、コビルダー、キレーターまたはキレート剤、漂白系または漂白成分、ポリマー、布地色調剤、布地コンディショナー、泡ブースター、泡立ち抑制剤、分散剤、色素移動阻害剤、蛍光増白剤、香料、蛍光増白剤、殺菌剤、殺真菌剤、土壌懸濁剤、土壌放出ポリマー、再付着防止剤、酵素、酵素阻害剤または酵素安定剤、酵素活性化剤、酸化防止剤および可溶化剤のような成分を通常含有する。洗剤組成物は、任意のタイプの洗剤成分のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0081】
スプレー装置を使用した塗布
本発明のさらに別の態様は、(a)2.0を超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)80重量%を超える水とを含む液体クレンジング組成物を収容する手動操作式スプレーボトルに関する。
【0082】
さらに別の好ましい態様では、本発明は、(a)2.0を超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)80重量%を超える水とを含むクレンジング組成物を収容するリザーバを備える手持ち式スプレー装置を提供し、上記装置は、微細エアロゾルの形態の上記組成物のスプレーを生成するように手動で操作可能である。
【0083】
装置内の手動操作式スプレーボトルまたはリザーバは、カチオン性ポリマーを含む、本発明の液体クレンジング組成物を収容する。そのような製品では、スプレーボトルは、本発明の利点を提供するために、組成物のスプレーを表面上または空気中に導くために典型的に使用される。そのような製品は、組成物を所望の表面にスプレーするためのトリガー作動式「ガン」型ボトルで利用可能にされ得る。
【0084】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」は、空気中に懸濁した液滴のコロイドを意味する。エアロゾルは、噴射剤を使用して、または噴射剤を用いず生成され得る。スプレーは噴射剤を用いて生成され得るが、噴射剤の存在は環境に悪いと考えられるため、消費者にあまり人気がない可能性があることが多くの場合認識される。あるいは、噴射剤を使用せずに、液体クレンジング組成物として他の希釈剤としての水を含むまたは含まない低沸点アルコール、例えば、エタノールまたはイソプロピルアルコールを使用することによって、スプレーを生成してもよい。
【0085】
スプレー装置は、好適には55~80度の範囲の比較的大きな円錐角を有する微細エアロゾルスプレーを生成するように構成された吐出オリフィスを有するスプレー機構を提供することによって、効果的に使用するように適合されることがさらに好ましい。スプレーは、少なくとも50度、好ましくは少なくとも55度、さらに好ましくは少なくとも60度の円錐角を有することが好ましい。好適には、スプレーは、90度以下、好ましくは85度以下、さらに好ましくは80度以下の円錐角を有する。好適な円錐角は、50~90度、好適には55~80度、好適には60~80度の範囲から選択される。好ましくは、スプレー装置は、好適には20~200μmの範囲の小さい平均液滴サイズを有する微細エアロゾルを生成するように構成されたスプレー機構を提供することによって、さらに効果的に使用するように適合される。装置は、リザーバの長手方向軸に実質的に直交するスプレー方向を有する。好都合には、スプレー機構は、上述の範囲の円錐角および液滴サイズを提供する吐出オリフィスを有するノズルを備えてもよい。有利には、上記吐出オリフィスは、実質的に円形のスプレーパターンで上記微細エアロゾルを生成するように構成されてもよい。
【0086】
液体クレンジング組成物は、生成された微細エアロゾルが微細ミストの形態を好適にとるように、粘度を有する液体の形態で提供される。スプレー機構は、手動操作式ポンプを備えてもよい。ポンプは、容積型ポンプ、自吸式ポンプまたは往復ポンプのうちの1つであってもよい。
【0087】
スプレー機構は、アクチュエータによって操作されることが好ましい。アクチュエータは、プッシュアクチュエータまたはプルアクチュエータであってよい。いくつかの実施形態では、リザーバは、本発明のスプレー装置に使用することが知られているタイプの好適なプラスチック材料から成形されることが想定される。ただし、リザーバは、ガラスもしくは金属から形成されること、または少なくともガラスもしくは金属を含むことも可能である。
【0088】
ポンプは、製品を保持しながらユーザの指によって便利に作動させるために、アクチュエータ、例えば、押しボタンに機械的に接続される。押しボタンは、ポンプの内部ハウジング内に延在し、押しボタンの操作を介して下方に駆動されるとポンプを作動させるプランジャの端部に一般に取り付けられる。ポンプの入口は、ある長さの可撓性配管の形態を一般にとる入口パイプに接続される。入口パイプは、スプレー機構の操作時にリザーバからの液体クレンジング組成物の引き出しを容易にする。
【0089】
スプレー機構はまた、ポンプの出口に流体接続されて吐出端で終端するノズルを備える。小さな吐出オリフィスがノズル内に形成され、スプレー機構の操作時に、出口アパーチャを通して、組成物の微細ミストの形態のエアロゾルをスプレー方向に外側に導くように構成される。
【0090】
組成物の適切に微細なミストの生成を確実にするために、スプレー機構はアトマイザを備えてもよい。アトマイザは、入口チューブを通って引き込まれた一定用量の液体を多数の小さな液滴に分割し、それによって、組成物の所望の微細ミストを生成して製品から吐出するように構成される。アトマイザは、旋回室および/または側方分散室を備えてもよい。
【0091】
本明細書に開示される液体クレンジング組成物のいずれも、スプレー装置のボトルまたはリザーバに使用され得る。
【0092】
タオレット/ワイプを使用した塗布:
本発明のさらに別の態様は、タオレット製品であって、
(i)水不溶性基材、
(ii)(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)50~99重量%の濃縮水とを含む、基材に含浸された濃縮物を含むタオレット製品に関する。
【0093】
「水不溶性基材」とは、基材が水に溶解しないか、または水に浸漬しても容易に分解しないことを意味する。本発明のタオレット製品は、持ち運ぶのに、ならびにクレンジング組成物を用いて洗浄するのが困難な表面上に、および/またはすすぎのための水の利用可能性が乏しいか、もしくは使用に不便な場合に使用するのに便利である。タオレット製品はワイプとしても知られている。
【0094】
多種多様な材料が基材として使用されてもよい。好適な基材の非限定的な例には、不織基材、織基材、水流交絡基材、空気交絡基材などが挙げられる。好ましい実施形態は、経済的であり、様々な材料で容易に入手可能であるため、不織基材を使用する。「不織」とは、布地に織り込まれず、シート、特に組織に形成される繊維から層が構成されることを意味する。
【0095】
不織基材は、天然起源および合成起源の両方の様々な材料から構成され得る。天然とは、材料が植物、動物、昆虫または副産物に由来することを意味する。合成とは、材料が様々な人工材料から、または通常は一般的な合成もしくは天然の織物長繊維のいずれか、もしくはそれらの混合物を含む繊維ウェブである材料から主に得られることを意味する。
【0096】
本発明に有用な天然材料の非限定的な例には、絹繊維、ケラチン繊維およびセルロース系繊維がある。ケラチン繊維の非限定的な例には、ウール繊維、ラクダ毛繊維などを含む群から選択されるものが挙げられる。本発明のタオレット製品に水不溶性基材として使用するのに好ましいセルロース系繊維の非限定的な例には、木材パルプ繊維、綿繊維、麻繊維、ジュート繊維、亜麻繊維およびそれらの混合物を含む群から選択されるものが挙げられる。
【0097】
本発明に有用な合成材料の非限定的な例には、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、モダクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維およびそれらの混合物を含む群から選択されるものが挙げられる。
【0098】
本発明の目的のために、最も好ましいタオレットは、不織基材を含む。基材は、多種多様な形状および形態にすることができる。
【0099】
一般に、基材は、使い捨てタオレットの形態である。有利には、タオレットは、Z字形に折り畳まれる。それらは互いに挟み込まれてもよいが、好ましくは挟み込まれない。有利には、タオレットのサイズは、10~40cm、好ましくは15~30cm、最適には18~24cmの長さの範囲であり得る。タオレットの幅は、8~30cm、好ましくは10~25cm、最適には15~20cmの範囲であり得る。
【0100】
5~100枚、好ましくは10~50枚の範囲の単一のタオレットが、分配パウチ、好ましくは湿気不透過性パウチ内に保管されてもよい。保管中および分配間に、パウチは、分配開口部を覆う接着性ストリップを通常介して再密封可能である。単一のタオレット収容パウチが使用されてもよい。
【0101】
基材に対する濃縮物の量は、重量で約20:1~1:20、好ましくは10:1~約1:10、最適には約2:1~約1:2の範囲であり得る。
【0102】
基材に含浸された濃縮物は、界面活性剤をさらに含んでもよい。液体クレンジング組成物に使用するための、本明細書に開示される界面活性剤が使用されてもよい。濃縮物は、他の活性物質とともに表面に堆積する軟化剤をさらに含んでもよい。これらの軟化剤には、例えば、エステル、炭化水素またはジメチコン油が含まれる。軟化剤の存在は、水の蒸発、または担体が乾燥した活性物質を残すことに起因し得る粘着性を目立たなくする。
【0103】
典型的には、湿潤剤が、本発明のタオレットに含浸された濃縮物に組み込まれる。湿潤剤は通常ポリオールである。代表的なポリオールには、グリセリン、ジグリセリン、ポリアルキレングリコール、さらに好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体を含むアルキレンポリオールおよびそれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,2ブチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、イソプレングリコール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールならびにそれらの混合物が含まれる。最も好ましいのは、Arco Chemical
Companyから MP Diolとして入手可能な2メチル-1,3-プロパンジオールである。ポリオールの量は、濃縮物の約0.5~約95重量%、好ましくは約1~約50重量%、さらに好ましくは約1.5~20重量%、最適には約3~約10重量%の範囲であり得る。
【0104】
濃縮物には、様々な化粧品的に許容可能な担体ビヒクルが通常提供される。通常、担体ビヒクルは水である。担体ビヒクルの量は、約50~約99%の範囲であり得る。担体は、含浸組成物の95%もの高さ、場合によっては97重量%もの高さで存在することが好ましい。
【0105】
潜在的に有害な微生物の増殖から保護するために、濃縮物に防腐剤を望ましく組み込むことができる。好適な従来の防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。最近使用されるようになった他の防腐剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩および様々な第四級アンモニウム化合物が含まれる。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、カプリリルグリコールおよびベンジルアルコールである。防腐剤は、濃縮物の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用されることが好ましい。
【0106】
本発明の方法
本発明はまた、洗浄後最大6時間にわたって表面上の病原菌の再増殖を最小限に抑える方法であって、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーを含む組成物を用いて表面を洗浄する工程を含む方法に関する。表面は、生物表面または無生物表面のいずれかであり得る。方法は、人体の局所表面上の病原菌の再増殖に対して好ましくは有効である。方法は、好ましくは、非治療的用途または美容的用途に使用するためのものである。
【0107】
したがって、本発明は、病原菌に対する再感染防止のための、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーの使用に関する。
【0108】
好ましくは、本発明は、病原菌に対する再感染防止のための、ポリマーの5重量%を超える窒素含有量をさらに有する、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーの使用にさらに関する。
【0109】
好ましくは、本発明は、病原菌に対する再感染防止のための、ポリマーの5重量%を超える窒素含有量をさらに有する、3.5meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーの使用に関する。好ましくは、ポリマーはPDADMACである。
【0110】
本発明はまた、病原菌に対する再感染防止のための、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーを含む水相と、(b)ワセリンまたはワックスから選択される疎水相と、(c)乳化剤とを含む油中水型エマルジョン組成物の使用に関する。好ましくは、油中水型エマルジョン組成物は、アニオン性界面活性剤、好ましくは石鹸をさらに含む。好ましくは、油中水型エマルジョンはバーである。
【0111】
本発明はまた、病原菌に対する再感染防止のための、(a)40~80重量%の石鹸と、(b)10~50重量%の範囲の保水能力を有し、2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーによってコーティングされ、ワックスまたはワセリンから選択される疎水性材料によってその上にさらにコーティングされた多孔質粘土粒子を含む複合粒子とを含む石鹸バー組成物の使用に関する。
【0112】
本発明はまた、病原菌に対する再感染防止のための、(a)20~90重量%の1つ以上のC2~C4一価アルコールと、(b)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーとを含む清浄薬組成物の使用に関する。
【0113】
本発明はまた、病原菌に対する再感染防止のための、(a)2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーと、(b)界面活性剤と、(c)65%を超える水とを含む液体クレンジング組成物の使用に関する。
【0114】
これより、以下の非限定的な例の助けを借りて本発明を説明する。
【0115】
[実施例]
例A~C、1:アデノウイルスに対するVitro-skin上に堆積したPDADMACの抗ウイルス効果
以下に示されるような以下の試料を、その後に示されるようなプロトコルを使用してアデノウイルスに対して試験した:
例A:対照試料
例B:Vitro skin上のアデノウイルス
例C:市販の石鹸バー試料を用いて処理したVitroskin
例1:石鹸バーの1重量%のPDADMACを含有する4重量%の油中水型エマルジョンを含有する石鹸バー試料を用いて処理したVitroskin。
【0116】
油中水型エマルジョン、およびそれを含有する石鹸バーを以下のように調製した:
油中水型エマルジョン(以下の表-1と同様)を最初に調製した。
【0117】
【0118】
エマルジョン作製プロセス:
1.予め秤量した量のワセリンを混合容器に入れ、塊を82℃まで加熱する。
【0119】
2.この塊を連続撹拌下に置き、温度が82℃に安定するまで乳化剤(SMOおよびSMS)を添加する。
【0120】
3.別の容器内のMerquat-100およびDM(脱塩)水の必要量を測定し、連続撹拌下で塊を82℃まで加熱する。混合時のエマルジョン塊の冷却を避けるために、80℃を超える同様の温度で分散した連続相を有することが有用である。
【0121】
4.乳化剤塊を含むワセリン(油相)をSilversonホモジナイザ下に置き、Silversonを2000RPMに設定する。70ml/分の速度で混合容器内にMerquat-100を水(水相)とともに入れ、Silverson速度を5000RPMまで徐々に増加させる。
【0122】
5.混合を20分間継続する
6.乳化後、周囲設定下で塊を30℃まで冷却する。
【0123】
7.LV4スピンドル、6rpmを用いて30℃での粘度を確認する。粘度は、好ましくは125000cpsを超える。
【0124】
8.さらなる使用のために材料を貯蔵ジャーに移す。
【0125】
上記の油中水型エマルジョンを使用して、従来の粉砕および圧出経路によって、表-2に示すような石鹸バーを調製した。
【0126】
【0127】
例A~Cおよび例-1の試料を使用して、以下のプロトコルを使用してアデノウイルスに対する再感染防止効果を試験した:
アデノウイルスの増殖
Hela細胞株(ATCC、カタログ番号CCL-2)を使用して、アデノウイルス(ATCC、カタログ番号VR-5)を増殖させ、力価測定した。5%二酸化炭素(CO2)を含有する組織培養インキュベーター内、37℃で、10%DMEM増殖培地中でHela細胞を培養した。感染中、ウイルス種ストックをウイルス増殖培地(DMEM+2%FCS)で希釈し、T-75フラスコ内で0.1の感染多重度(M.O.I.)でHela細胞のコンフルエントな単層に添加し、37℃で1時間吸着させた。フラスコを10分ごとに揺動させた。1時間後、10mlのウイルス増殖培地を各フラスコに添加した。フラスコを37℃および5%CO2で5日間インキュベートし、単層の90%がウイルス特異的細胞変性効果(CPE)を示した際にウイルスを採取した。培養物を3回凍結解凍し、3000gで10分間4℃で遠心分離して、細胞残屑を除去した。上清のアリコート(300μl)を作製し、-70℃で保存した。
【0128】
ウイルス滴定
96ウェル組織培養プレート(Costar)内、37℃で、Hela細胞(アデノウイルス用)およびMDCK細胞(ATCC、カタログ番号CCL-34)の単層を増殖させた。ウイルス懸濁液の10倍希釈物をウイルス増殖培地中で調製した。96ウェル組織培養プレート内の5つの複製ウェルに、100マイクロリットルの各希釈物を添加した。細胞対照を各プレートに含めた。プレートを37℃でインキュベートし、ウイルス誘導性細胞変性効果を4~5日間にわたって毎日観察した。Spearmen-Karberの式を使用して、TCID50(組織培養感染量)によって、ウイルス力価を計算した。
【0129】
vitro-skin上の洗浄後の石鹸から堆積した活性物質の殺ウイルス活性の決定
5×5cm2切片のVITRO-SKIN(IMS Inc.、カタログ番号N-19_20 Sheets)をペトリ皿に入れた。2mlの滅菌DI水をskin上にピペッティングし、水がvitro-skinの全表面積を覆うまで、蓋をしたペトリ皿を前後運動で穏やかに振盪することによって、VITRO-SKINを洗浄した。次いで、蓋をしたペトリ皿を10分間置く。10分後、水を除去し、鉗子を用いて、湿ったvitro-skinを新しいペトリ皿に移して20分間乾燥させた。乾燥中、ペトリ皿の蓋は半分被さり、半分外れている。
【0130】
乾燥後、skinを以下のように試験生成物/水を用いて処理した。
【0131】
塗布前に、試験生成物(ハーフカット石鹸バー)を10秒間湿らせた。湿ったハーフカットバーを試験領域に対して水平パターンで15秒間擦ることによって、湿ったハーフカットバーをVITRO-SKINに塗布した(ペトリ皿はバイオセーフティフードの表面に載置すべきである)15秒後、ピペットを用いて1mlの水をVITRO-SKINに塗布し、Lスプレッダを使用して広げて、試験領域を水平および垂直パターンで45秒間覆った(これは石鹸の泡立ちにつながる)(ペトリ皿はバイオセーフティフードの表面に載置すべきである)次いで、鉗子を使用してVITRO-SKINを一角から垂直に保持し、20mlの水をskinの下および下方のペトリ皿に注ぐことによってすすいだ。
【0132】
試験生成物/水を塗布した後、蓋を半分被せ、半分外したペトリ皿の蓋の上にskinを置くことによって、VITRO-SKINを乾燥させた。skinを30分間乾燥させた。
【0133】
乾燥後、skinを1%アガロースを含むペトリ皿に移した(処理面を上に向けて)。次いで、試験領域に100μlのウイルス懸濁液を接種した。
【0134】
Lスプレッダを使用して、完全に吸収されるまで(約2分)懸濁液を試験領域に広げた。次いで、ペトリ皿を37℃で6時間(±5分間)インキュベートした。
【0135】
インキュベーション中、ボルテックスし、カラムの先端を除去することによって、マイクロスピンカラムを各試料に対して設定した(S-200、GE Healthcare)。次いで、カラムを4℃、735gで1分間遠心分離した。遠心分離後、カラムを使用するまで4℃に保った。
【0136】
6時間のインキュベーション後、VITRO-SKINを50mlコニカルチューブ内の9mlの中和溶液(D/E中和剤)に入れ、5分間ずっとボルテックスした。中和後、調製したカラムに中和したウイルス100μlを添加し、4℃、735gで2分間遠心分離することによって溶出した。次いで、生存ウイルス量を標準的なTCID50アッセイによって滴定した。
【0137】
TCID50の測定:TCID50を決定するために、培地を含まない、コンフルエントな(>70%)細胞単層を含有するマイクロタイタープレート(96ウェルプレート)の5つのウェルに、各希釈物0.1mlを添加した。プレートを37℃(+/-1℃)、5%CO2で、関連する期間にわたってインキュベートした。細胞変性効果を観察し、Spearman-Karber法を使用してTCID50を計算した。
【0138】
Spearman-Karber法によるTCID50決定:
Spearman-Karber法は、極めて単純であり、他の計算と最も適合する結果を与える。評価の前提条件は、ウイルスが増殖しないものに対する全細胞培養単位の感染に対応する数回の希釈を使用することである。いくつかの試験結果が利用可能な場合、平均および標準偏差のみを計算することができる。
【0139】
式は以下である:
50%終点の負対数=使用した最高ウイルス濃度の負対数-[(各希釈で影響を受ける%の合計/100-0.5)×(希釈の対数)]
【0140】
【0141】
上記の表からのデータを使用して、50%終点を以下のように計算する:
Log10 TCID50
=-4-[{(100+100+66.7+33.3+0)/100}-0.5]×1
=-4-[300/100-0.5]×1
=-4-2.5×1=-6.5
したがって、50%終点は10-6.5であるか、または
Log10 TCID50=6.5である
様々な試料(例A~Cおよび例-1)のアデノウイルスの再感染防止に関するデータを以下の表-3に要約する。
【0142】
【0143】
上記の表-3のデータは、(本発明による)PDADMACを含有する石鹸バーが、カチオン性ポリマーを用いて処理した後6時間にわたって、ウイルスによる感染を阻害することができることを示している。
【0144】
例D~F、2:インフルエンザウイルスに対するVitro-skin上に堆積したPDADMACの抗ウイルス効果
インフルエンザウイルスの増殖が以下に示す通りであったことを除いて、アデノウイルスに対して行ったのと同様の手順を使用して、インフルエンザウイルス(ATCCカタログ番号VR-1469)に対して以下の表-4に示す試料を試験した:
インフルエンザウイルスの増殖
MDCK細胞株を使用して、インフルエンザウイルスを増殖させ、力価測定した。
【0145】
5%二酸化炭素(CO2)を含有する組織培養インキュベーター内、37℃で、増殖培地(DMEM+10%FCS+0.1%PS)中でMDCK細胞を培養した。MDCK細胞のコンフルエント層にウイルスを添加する前に、TPCK処理トリプシンを含有する培地を用いて細胞を洗浄した。感染中、ウイルス種ストックをウイルス増殖培地(維持培地+0.0001%TPCK処理トリプシン)で希釈し、T-75フラスコ内で0.1の感染多重度(M.O.I.)でMDCK細胞のコンフルエントな単層に添加し、37℃で1時間吸着させた。フラスコを10分ごとに揺動させた。1時間後、10mlのウイルス増殖培地を各フラスコに添加した。フラスコを37℃および5%CO2で5日間インキュベートし、単層の90%がウイルス特異的細胞変性効果(CPE)を示した際にウイルスを採取した。培養物を3回凍結解凍し、3000gで10分間4℃で遠心分離して、細胞残屑を除去した。上清のアリコート(300μl)を作製し、-70℃で保存した
データを表-4に要約する。
【0146】
【0147】
表-4のデータは、本発明で特許請求されたカチオン性ポリマーを使用した再感染防止について、インフルエンザウイルスではアデノウイルスと同様の結果を得ることができることを示している。
【0148】
例G、H、3:ポリマーのカチオン性電荷密度の効果:
以下の表-5に示すように、無希釈活性物質に対してポリマーの電荷密度の効果を試験した。使用した手順は前述の手順と同じであったが、使用した試料は表-5に示す濃度で無希釈であった(先の例に記載の石鹸バーを介さず)。
【0149】
【0150】
上記の表のデータは、高電荷密度ポリマーが、本発明の利点を得るために必須であることを示している。
【0151】
例-4:vitro skin上のPDADMACによる洗浄後アデノウイルス不活化の動態
様々な時点にわたってアデノウイルス不活化を測定するために使用したプロトコルは、以下の小見出しの下に先に記載されたプロトコルと同じである:vitro-skin上の洗浄後の石鹸から堆積した活性物質の殺ウイルス活性の決定。唯一の違いは、ウイルスがその後に採取される期間にある。先に示したような単一の時点の代わりに、以下の表-6に示すように、各時点でウイルスの採取を行った。
【0152】
上記のプロトコルを使用して測定した5分~5時間の時間枠にわたるアデノウイルスのlog減少を以下の表-6に要約する:
【0153】
【0154】
上記の表-6のデータは、PDADMACがウイルスを不活化するのに必要な最小時間が5分以内であったことを示している。アデノウイルス力価の1log減少が、vitro-skinに対する(例-1の)PDADMACエマルジョンバーによる洗浄の5分後に観察され、ウイルス力価の2log減少が、PDADMACエマルジョンバーによる洗浄の最小4時間後に観察された。
【0155】
例5~6:本発明による液体クレンジング組成物:
本発明による以下の液体クレンジング組成物(表-7および表-8)は、長期間にわたって、ウイルスに対する再感染防止の所望の利点をもたらす。
【0156】
【0157】
【0158】
例I、J、7~9:清浄薬組成物を介して送達された、アデノウイルスに対するVitro-skin上のPDADMACの抗ウイルス効果:
以下の表-9に示すような清浄薬組成物を調製した。
【0159】
【0160】
以下の表-10に示す組成物を、アデノウイルス(N=2)に対する再感染防止について測定し、Log TCID50力価として表した。
【0161】
3つの異なるPDADMAC濃度を有する固定量の組成物をvitro-skinに塗布し、6時間の区間にわたって乾燥させた。乾燥後、アデノウイルスをvitro-skin上に添加し、5分間の接触時間にわたってインキュベートした。添加後、アデノウイルスを採取し、標的細胞に添加し、細胞変性効果(CPE)のためにインキュベートした。CPEは、Log TCID50力価として表す。データを以下の表-10に要約する。
【0162】
【0163】
上記の表-10のデータは、ウイルスに対する皮膚の再感染防止の利点が、特定のカチオン性ポリマーを含む清浄薬組成物を介して送達され得ることを示している。
【0164】
例K、L、10、11:清浄薬組成物を介して送達された、大腸菌に対するVitro-skin上のPDADMACの使用による再感染防止の形態の抗細菌効果:
上記の表-9に示すような清浄薬組成物を調製した。そこから、0.5%および1.0%のPDADMACで、2つの組成物を調製した。以下の手順を使用して、大腸菌(ATCC 10536)に対する再感染防止について組成物を試験した:
固定量の試験生成物をVITRO-SKIN(登録商標)に添加した。試験生成物の塗布後、ペトリ皿を37±1℃でインキュベートした。未処理のVITRO-SKIN(登録商標)対照を同じ方法で処理した。処理したVITRO-SKIN(登録商標)の3時間(±5分)のインキュベーション期間後、試験領域に細菌懸濁液を接種した。懸濁液を均一に広げ、5分後、VITRO-SKIN(登録商標)を中和剤チューブに無菌的に移した。残留細菌をVITRO-SKIN(登録商標)から除去した。
【0165】
残留細菌を標準的な微生物学的技術によって計数し、Log CFU/cm2として表した。様々な試料に関するデータを表-11に要約する。
【0166】
【0167】
上記の表-11のデータは、皮膚の再感染防止の利点が大腸菌のような細菌に対しても得られること、およびこれが特定のカチオン性ポリマーを含む清浄薬組成物を介して送達され得ることを示している。
【0168】
例M~O、13~14:清浄薬組成物を介して送達された、黄色ブドウ球菌に対するVitro-skin上の様々なカチオン性ポリマーの使用による再感染防止の形態の抗細菌効果:
以下の表-12に示すような清浄薬組成物を調製した。以下の手順を使用して、大腸菌(ATCC 10536)に対する再感染防止について組成物を試験した:
【0169】
【0170】
固定量の試験生成物をVITRO-SKIN(登録商標)に添加した。試験生成物の塗布後、ペトリ皿を37±1℃でインキュベートした。未処理のVITRO-SKIN(登録商標)対照を同じ方法で処理した。処理したVITRO-SKIN(登録商標)の1時間のインキュベーション期間後、試験領域に細菌懸濁液を接種した。懸濁液を均一に広げ、5分後、VITRO-SKIN(登録商標)を中和剤チューブに無菌的に移した。残留細菌をVITRO-SKIN(登録商標)から除去した。
【0171】
残留細菌を標準的な微生物学的技術によって計数し、Log CFU/cm2として表した。様々な試料に関するデータを表-13に要約する。
【0172】
【0173】
上記の表13のデータは、皮膚の再感染防止の利点が黄色ブドウ球菌のような細菌に対しても得られること、およびこれが2.0meq/gを超える電荷密度を有するカチオン性ポリマーを含む組成物を介して送達され得ることを示している。
【国際調査報告】