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特表2024-518308重水素-炭素材料でエネルギーを発生する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】重水素-炭素材料でエネルギーを発生する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G21B 3/00 20060101AFI20240423BHJP
   C01B 32/16 20170101ALI20240423BHJP
【FI】
G21B3/00 Z
C01B32/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565159
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022025625
(87)【国際公開番号】W WO2022226110
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/176,953
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522145292
【氏名又は名称】デューテリウム エナジェティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス エフ. ロアン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エル. ピーターソン
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146AA11
4G146AA12
4G146AB06
4G146AD40
4G146BA12
4G146BC09
4G146BC25
(57)【要約】
化学蒸着によって基材表面上に三次元結晶ナノ構造炭素の成長を開始できる固体基材の表面に重水素-炭素材料を導入することによってエネルギーを生成する方法および装置が開示される。重水素-炭素材料中の炭素は熱分解し、カーボンナノチューブなどの炭素を含む三次元結晶形状を形成する。重水素は、核閉じ込め融合反応などを通じて、三次元結晶ナノ構造炭素と反応してエネルギーを生成する。この方法で作られるエネルギーを生成するための装置も開示される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを生成する方法であって、
a) 固体基材を提供し、前記固体基材は、化学蒸着によって前記固体基材の表面から炭素を含む複数の三次元結晶形状の成長を開始することができるものであり、
b) 重水素含有炭素分子を前記表面に導入し、前記重水素含有炭素分子中の炭素が前記表面上に炭素を含む少なくとも1つの三次元ナノ構造形状を形成し、前記重水素含有炭素分子からの重水素が反応してエネルギーを生成する、方法。
【請求項2】
前記固体基材が、炭素を含む複数の三次元ナノ構造形状を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記三次元ナノ構造形状が本質的に単層カーボンナノチューブからなる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記三次元ナノ構造形状が本質的に多層カーボンナノチューブからなる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記表面が触媒材料の活性部位のパターンを含み、前記パターン内に結晶三次元ナノ構造形状のアレイが生成される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記重水素含有炭素分子は、本質的に、重水素化アセチレン、重水素化エチレン、または重水素化アルコールからなる群から選択される材料からなる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記重水素含有炭素分子は本質的に水素を含まない、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、キャリアガスを使用して炭素含有分子を前記固体基材の表面に運ぶステップを含み、前記キャリアガスは本質的に水素を含まない、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記キャリアガスが重水素ガスを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記エネルギーが融合反応において生成される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記エネルギーが閉じ込め融合反応において生成される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
a) 固体基材を提供し、前記固体基材は、その表面から少なくとも1つのカーボンナノチューブの成長を開始することができるものであり、
b) 前記表面に少なくとも1つのデュテロカーボンを導入し、前記デュテロカーボン中の炭素は、前記表面上に少なくとも単一のカーボンナノチューブを形成し、前記デュテロカーボン中の重水素は、前記少なくとも1つのカーボンナノチューブと反応してエネルギーを生成する、方法。
【請求項13】
前記カーボンナノチューブが本質的に多層カーボンナノチューブからなる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記デュテロカーボンとともに重水素ガスを導入するステップをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記重水素化炭素が、アセチレン、エチレン、またはアルコールの構造を有する炭素を含まない分子からなる群から選択される材料から本質的になる、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記カーボンナノチューブが本質的に単層カーボンナノチューブからなる、請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記表面が触媒材料の活性部位のパターンを含み、前記パターン内にカーボンナノチューブのアレイが生成される、請求項12記載の方法。
【請求項18】
化学蒸着によりエネルギー生成シート材料を形成するための装置であって、
a) 重水素化炭化水素およびデュテロカーボンからなる群から選択される少なくとも1つのガス状または蒸気状の材料の供給源、
b) 制御された温度、流量および圧力で重水素化炭化水素材料またはデュテロカーボン材料を供給するためのシステム、
c) 前記重水素化炭化水素材料またはデュテロカーボン材料を受け入れるための容器、
d) 前記容器内の堆積位置、
e) 第1の表面上に少なくとも1つの炭素堆積触媒を有し前記容器内の前記堆積位置にある固体基材であって、前記基材はその第1の表面上に少なくとも1つの三次元ナノ構造炭素形状の核生成を開始することができる触媒を含む、固体基材、
f) 前記蒸気状の材料を前記第1の表面に導入するためのシステムであって、前記材料が前記触媒と反応し、前記第1の触媒上に複数の三次元ナノ構造炭素形状を形成し、前記蒸気状の材料中の重水素が前記複数の三次元ナノ構造炭素形状と反応してエネルギーを生成する、システム、
f) 前記基材を前記堆積位置から取り出すための装置、
g) 前記基材を蓄積するために前記容器と流路連通する装置、および
h) エネルギーを生成する重水素および三次元ナノ構造炭素形状をその上に有する前記基材の特定量を前記装置から取り出すための装置、を含む装置。
【請求項19】
前記容器と流体連通する重水素ガス源をさらに含む、請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記容器に重水素化炭化水素材料またはデュテロカーボン材料を供給するためのキャリアガスを含み、前記重水素ガスが前記キャリアガスを含む、請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記固体基材が連続した金属箔を含む、請求項18記載の装置。
【請求項22】
前記固体基材が前記容器に連続的に導入される別個の部品を含む、請求項18記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、カーボンナノチューブなどの炭素を含む三次元結晶形状と、重水素含有炭素分子を使用して、エネルギーを生成する方法に関する。本開示はまた、この方法によって作られるエネルギーを生成するための装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
環境への影響とエネルギー生産コストにより、効率的でクリーンで手頃な価格のエネルギーに対する長年のニーズが生まれている。現在使用されているすべてのエネルギー生成方法には重大な欠点がある。
【0003】
天然ガスや重油などの炭化水素の燃焼および石炭の燃焼は、世界のほとんどのエネルギー生産の基礎をなしている。これらの燃料は比較的安価なエネルギーを生成するが、そのような燃料を発見、抽出、精製、流通させるには多大なコストがかかる。また、高価な燃焼ガス処理を行わなければ、それらの燃焼により有害な副産物や温室効果ガスが生成される。このような燃料の採掘は、環境に重大な影響を与える可能性があり、燃料の採掘が完了した後は、費用のかかる現場修復が必要になることもある。
【0004】
太陽エネルギーは将来性があるが、電気を経済的に生産するには多額の政府補助金が必要であり、また太陽電池アレイの製造、立地、設置のコストが莫大である。エネルギー生産を最大化するために設置場所には主に晴天が必要であり、そのような場所では夜間に大量のエネルギーを生産できない。さらに、半導体パネルには明確な耐用年数があり、環境に配慮した廃棄またはリサイクルの手段はまだ開発中である。
【0005】
風力タービン技術には、同様に立地や資本コストに制約があり、この技術が実現できるのは特定の場所だけであり、また多額の政府補助金がある場合だけである。風力タービンのエネルギー出力は、ソーラーパネル技術と同様、天候に左右される。
【0006】
核分裂炉は、安価な電力を供給する上で現在は重要な役割を果たしているが、重大な欠点がある。これらは危険なレベルの放射線を放出しており、原子炉を環境的に安全にするために大規模な遮蔽が必要である。放射線は原子炉の構成要素を本質的に放射性化し、その特性を劣化させる。さらに、放射性汚染物質を伴う水蒸気爆発や燃料メルトダウンが起こる可能性があるため、大幅な安全対策と高価なシステム制御が必要になる。加えて、使用済み核燃料は数千年にわたって危険な放射能を放出し、その処分と貯蔵はまだ解決されていない問題である。これらの欠点は、商用エネルギー源としての核分裂発電炉の将来を大きく制限する。
【0007】
核融合炉は、危険な核廃棄物を出さず、大きな可能性がある。現在の融合炉は、重水素および/または三重水素(トリチウム)をレーザーまたは磁場のいずれかで閉じ込め、極めて高い圧力を発生させるために閉じ込める必要がある非常に高温のプラズマを生成することで、融合反応を誘発する。磁場やレーザーエネルギーでプラズマを閉じ込めることは、非常に難しいことがわかっている。実験用融合炉はいくつか存在するが、これらは複雑で大規模で高価であり、融合反応を引き起こすために消費する以上のエネルギーを生成するものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
危険な副産物を生成することなく、経済的で安全な代替エネルギー源が求められている。本開示は、現在および将来のエネルギー需要を満たし、環境に優しい方法で商業的に価値のあるエネルギーを生成する方法について記述するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、三次元ナノ構造炭素材料が化学蒸着によって重水素化炭化水素またはデュテロカーボン(deuterocarbon)から形成される、エネルギーを生成するための方法である。重水素化された三次元ナノ構造炭素材料は、融合反応を誘発する。
【0010】
本発明の別の実施形態は、固体基材の表面から複数のカーボンナノチューブの成長を開始できる固体基材を提供することを含む、エネルギーを生成するための方法である。重水素化炭化水素またはデュテロカーボンは、化学蒸着プロセスにおいて当該表面に導入される。重水素化炭化水素またはデュテロカーボンの炭素は当該表面にカーボンナノチューブを形成し、重水素が融合反応で反応してエネルギーを生成する。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態は、化学蒸着によってエネルギー生成シート材料を形成するための装置である。この装置は、少なくとも1つのガス状または蒸気状の重水素炭素材料の供給源、およびこの重水素材料を受け入れる容器に制御された温度、流量および圧力で重水素材料を供給するシステムを含む。上記容器内の堆積位置に固体基材が配置され、この基材は第1の表面上に少なくとも1つの炭素堆積触媒を有する。上記基材は、第1の表面上で少なくとも1つの三次元ナノ構造炭素形状の成長を開始することができる。この装置は、容器および基材の第1の表面に重水素炭素材料を導入するためのシステムをさらに含むことができる。炭化水素は、第1の表面上に少なくとも1つ、好ましくは複数の三次元ナノ構造炭素形状を形成する。重水素は三次元ナノ構造炭素形状と反応してエネルギーを生成する。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態は、触媒が堆積され化学蒸着システムに導入される基材として金属の連続した箔を含む装置である。さらに別の実施形態では、その上に触媒が堆積された基材の別個の「クーポン」がシステム内に搬送される。
【0013】
装置のさらに別の実施形態は、金属箔を堆積位置から取り出すための機器と、金属箔を蓄積するために容器と流体連通する機器と、エネルギーを生成する重水素および三次元ナノ構造炭素形状をその上に有する箔の特定量を装置から取り出すための機器とを含む。
【0014】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】三次元ナノ構造炭素形状の一種である、単層カーボンナノチューブの概略図である。図1において、球は炭素原子を表し、球を結ぶ要素は化学結合を表す。
図2】単一の堆積部位およびそこから成長する単一のカーボンナノチューブを有する堆積基材の表面の概略図である。
図3A】触媒作用を及ぼしその部位でのみ三次元ナノ構造炭素形状のアレイを生成する活性な堆積部位のパターンが描かれいくつかの堆積基材の概略図である。
図3B】触媒作用を及ぼしその部位でのみ三次元ナノ構造炭素形状のアレイを生成する活性な堆積部位のパターンが描かれいくつかの堆積基材の概略図である。
図3C】触媒作用を及ぼしその部位でのみ三次元ナノ構造炭素形状のアレイを生成する活性な堆積部位のパターンが描かれいくつかの堆積基材の概略図である。
図3D】触媒作用を及ぼしその部位でのみ三次元ナノ構造炭素形状のアレイを生成する活性な堆積部位のパターンが描かれいくつかの堆積基材の概略図である。
図4】堆積チャンバの内部から堆積後の基材を取り出すためのシステムを含む化学蒸着装置の概略上面図である。
図5】基材供給システムおよび堆積チャンバの内部から堆積後の基材を取り出すためのシステムを含む、図4の化学蒸着装置の概略側面図である。
図6】本発明の実施形態を使用して電気エネルギーを発生する装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
公開された米国特許出願第13/986,086号および欧州特許第2656350 A1号はいずれも、カーボンナノチューブなどの三次元ナノ構造炭素を重水素と組み合わせることでエネルギーを生成する方法を開示する。それには、そのような組み合わせにより、エネルギー、ヘリウムが生成され、有害な副生成物が生成されない核閉じ込め融合反応が生じることを開示されている。このようなプロセスでは、三次元グラフェン材料(カーボンナノチューブなど)が重水素ガス(D)や重水(DO)などの重水素源にさらされる。三次元ナノ構造炭素材料の電子環境が遮蔽となり、重水素または重陽子(重水素原子核)原子が隣接する重水素原子または重陽子の自然なクーロン斥力に打ち勝ち、核融合反応が生じる。生じるこの融合反応は、2D+2D→4He+23.8MeVであると考えられるが、他の既知の融合反応である可能性もあるし、三次元ナノ構造炭素形状と重水素との独特な相互作用によって引き起こされる未知の融合反応である可能性もある。
【0017】
三次元ナノ構造炭素材料を作る好ましい方法は、化学蒸着(CVD)によるものである。CVDプロセスでは、炭化水素が加熱された固体基材上に化学的に堆積され、そこで熱分解されて三次元ナノ構造炭素材料を形成する。
【0018】
三次元ナノ構造炭素を生成する化学蒸着は、そのような材料を形成するための好ましいプロセスである。Mubarak などによる「An Overview on Methods for the Production of Carbon Nanotubes」、Journal of Industrial and Engineering Chemistry、20 (2014) 1186-1197、およびMitriなどによる「Production of Carbon Nanotubes using CVD - Study of the Operating Parameters」、Reviews on Advanced Materials Science、10 (2005) 314- 319の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
三次元結晶ナノ構造炭素材料がその形状が管状で、単層のみを有する場合、得られる炭素構造は単層カーボンナノチューブ(SWCNT)と呼ばれる。カーボンナノチューブは複数の層を持つこともでき、そのような材料は多層カーボンナノチューブと呼ばれる。非管状の三次元グラフェン材料も形成でき、それらは一般に多層グラファイト、バッキーボール、カーボンオニオン、カーボンナノホーンと呼ばれる。
【0020】
生成される三次元グラフェン材料の種類を決定する4つの主要なプロセスパラメータは、炭化水素源、触媒、CVDチャンバ内の雰囲気、およびプロセス温度である。
【0021】
従来の化学蒸着プロセスにおける炭化水素源は通常、気体または液体であるが、十分に低い温度で昇華する場合には固体炭化水素も使用できる。液体が炭化水素源である場合、その蒸気はキャリアガスと混合され、CVD装置に導入される。炭素源は通常、炭化水素材料、メタン、エチレン、アセチレンなどの気体、またはさまざまな種類のアルコールなどの液体である。キャリアガスは、炭素雲を反応器に導入するために使用される。不活性キャリアガスと水素の混合物が還元剤として使用されることがある。
【0022】
触媒は通常、金属粒子である。触媒は2つの点でプロセスに重要である。第1に、金属粒子は三次元結晶グラフェン構造の成長のための核生成部位として機能し、管状の場合は粒子の大きさが構造の大きさ(直径)を決定する。第2に、触媒は低温で炭化水素の分解を促進する。鉄、コバルト、ニッケルなどの金属が触媒としてよく使用される。
【0023】
キャリアガスの機能は、炭化水素をシステムに運ぶことである。化学蒸着チャンバへのその流量は、炭素の核生成および成長のプロセスに直接影響する。キャリアガスの流量が低い場合、反応器を通過して触媒上に堆積する前駆体蒸気が十分にないため、カーボンナノチューブはほとんど形成されない。流量が低すぎると、前駆体の重合が起こる可能性がある。流量が高すぎると、触媒上に堆積させる炭素源を提供するための炭化水素が十分に分解されずに、キャリアガスと大部分の前駆体が反応器から搬出される。キャリアガスの最適な流量は、未反応の炭化水素の処理量を最小限に抑えながら、炭素源の完全な分解、炭素の核生成、核生成部位への堆積に必要な時間を提供する流量である。
【0024】
混合物中の反応物の濃度は流量計により測定される。一般に、化学蒸着装置内の動作温度は930~2,200°F(500°C~1200°C)の範囲である。
【0025】
一般に、1,100~1,650°F(600~900°C)の範囲の低いプロセス温度では多層カーボンナノチューブ(MWCNT)が生成され、1,650°F(900°C)を超える高い温度では主に単層カーボンナノチューブ(SWCNT)が生成される。
【0026】
本開示で使用される以下の用語または語句は、以下に概説する意味を有する。
【0027】
「グラフェン」という用語は、sp2結合した炭素原子がハニカム結晶格子に密に詰まった1原子厚のシートと定義される。
【0028】
用語「ナノチューブ」は、一般に1~60nmの範囲の平均直径と、0.1μm~250mmの範囲の平均長さを有する管状の分子構造を指す。
【0029】
用語「カーボンナノチューブ」またはその任意のバージョンは、六角形の格子(グラフェンシート)に配置された炭素原子から主に構成され、それ自体が閉じて継ぎ目のない円筒状チューブの壁を形成する管状の分子構造を指す。これらの管状シートは、単独で存在するもの(単層)、または多数の同心の管状シートとして存在するもの(多層)がある。
【0030】
用語「核融合」は、2つ以上の原子核が結合、つまり「融合」して、より重い単一の原子核を形成するプロセスのことである。これには大量のエネルギーの放出が伴う。
【0031】
用語「閉じ込め融合」は、重水素原子または重陽子間のクーロン斥力が減少または打ち消されるように、結晶材料内に重水素が閉じ込められることによって生じる、局所的な核融合現象として定義される。
【0032】
用語「ナノ閉じ込め核融合」および「ナノ・閉じ込め核融合」はどちらも、重水素原子または重陽子間のクーロン斥力が減少または打ち消されるように三次元ナノ構造炭素結晶材料内に重水素を閉じ込めることによって生じる、局所な核融合現象として定義される。
【0033】
用語「結晶材料」は、原子構造に周期性を有する固体材料として定義される。
【0034】
用語「ナノ構造」および「ナノスケール」は、100nm以下の寸法を少なくとも1つ持つ構成要素を有する構造または材料を指す。
【0035】
語句「ナノ構造材料」は、その構成要素が100ナノメートル以下の少なくとも1つの特徴的な長さスケールを有する配列を有する材料を指す。語句「特徴的な長さスケール」とは、構造内に生成された細孔の特徴的な直径、ファイバー間の隙間距離、または後続のファイバー交差間の距離などの配列内のパターンの大きさの尺度を指すが、これらに限定されない。この測定は、材料内の長さスケールを特徴付けるマルチスケール情報を与える主成分分析やスペクトル分析などの応用数学の手法によって行うこともできる。
【0036】
用語「デュテロカーボン(deuterocarbon)」は、炭化水素分子中の水素原子が占めるはずの分子内のすべての部位に重水素原子が配置された炭化水素の分子構造を有する分子として定義される。
【0037】
用語「重水素化炭化水素」は、炭化水素分子の少なくとも1つの水素原子が重水素原子で置換された炭化水素分子として定義される。
【0038】
用語「重水素炭素材料」は、炭化水素分子の少なくとも1つの水素原子が重水素原子で置換された炭化水素分子の構造を有する材料として定義される。
【0039】
本明細書で使用される「から選ばれた」または「から選択された」という語句は、個々の成分の選択または2つ(またはそれ以上)の成分の組み合わせを指す。
【0040】
本発明は、化学蒸着プロセスにおいてナノ構造カーボンナノチューブなどの三次元ナノ構造炭素を重水素と結合させることでエネルギーを生成する方法および装置である。三次元結晶ナノ構造炭素は、好ましくは単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、またはそれらの混合物である。重水素の供給源は、融合反応を引き起こす三次元グラフェン材料内の重水素とすることができる。理論に束縛されるものではないが、重陽子を形成するには重水素から電子を奪う必要があると考えられる。別の実施形態では、D2ガスが化学蒸着チャンバに導入され得る。同様に、重水素ガスが使用される場合、重陽子を形成するためにD2は重水素原子に解離され、電子が取り除かれなければならないと考えられる。
【0041】
三次元グラフェン材料の電子環境への重陽子の導入を妨げる可能性のある障壁は他にもある。1つは、カーボンナノチューブなどの三次元グラフェン材料が水素に引き寄せられることである。重水素の導入前に三次元グラフェン材料を前処理するために使用されるプロセスに水素が含まれる場合、重水素と反応する部位が水素によって占有され、融合反応が阻害される可能性がある。
【0042】
カーボンナノチューブは疎水性であることが知られているが、三次元ナノ構造炭素の内部または表面に水が存在すると、これらの材料への重陽子の導入が阻害される可能性がある。最近報告された研究(“Quantum Tunneling of Water in Beryl: A New State of the Water Molecule,” 116, Physical Review Letters, 167802 (2016), Alexander I. Kolesnikov et al.)には、カーボンナノチューブは疎水性であるにもかかわらず内部に水が侵入できることが示されている。
【0043】
従来の炭化水素の化学蒸着による三次元ナノ構造炭素材料の形成では、熱分解反応で水と水素が生成される。これらは両方とも三次元ナノ構造炭素上の部位を占有して融合反応を阻害する可能性がある。
【0044】
水、水素または融合反応を阻害するその他の物質が存在しても、融合反応は妨げられない。融合反応は重水素ガス(D)または重水(DO)の導入により起こるが、上述した「汚染物質」は、三次元ナノ構造炭素材料への重陽子の関与率を阻害し、その結果、所定の質量の反応性材料からのエネルギー出力を減少させる可能性があると考えられる。
【0045】
本発明は、別の方法で三次元グラフェン材料を合成することで、上記で汚染と呼ばれる問題を克服する。具体的には、本発明は、合成において重水素化炭化水素またはデュテロカーボンを使用し、その結果、プロセスでは水素も水も生成されない。
【0046】
本発明の一実施形態は、エネルギーを生成する方法である。この実施形態では、1つの表面上で複数の三次元結晶ナノ構造炭素形状の成長を開始することができる固体基材が化学蒸着プロセスで使用され、重水素化された炭素源である炭素源が熱分解され、当該表面上に少なくとも1つの三次元ナノ構造炭素形状が形成される。炭素源は水素を全く含まないデュテロカーボンであることが好ましい。
【0047】
一実施形態では、基材は複数の三次元ナノ構造炭素形状を形成し、これは、図1に示すような単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ内に同心円状の管状ナノチューブが存在するだけで図1のカーボンナノチューブと同様に構成された単層カーボンナノチューブ、またはそれらの組み合わせから本質的に構成され得る。
【0048】
図2は、上面12を備えた基材10の概略図であり、上面上には単一のカーボンナノチューブ14を核生成および成長させた単一の触媒15が配置されている。カーボンナノチューブ14は水素や水なしで形成されたため、重水素がカーボンナノチューブと結合し、重水素と重陽子が融合反応で反応してエネルギーを生成する確率が高くなる。
【0049】
好ましくは、エネルギー出力は、基材10の表面12上の核生成部位の数を制御することで制御される。図3A図3Dに示されたように、表面12は活性部位のパターン(局所的な触媒15の部位によって生成される)を含み、そのパターンで三次元ナノ構造炭素形状のアレイを生成する。パターンの密度は、活性エネルギーを放出するカーボンナノチューブの数、および結果として基材10の各部分で作られた装置のエネルギー出力を決定する。
【0050】
生成される三次元グラフェン材料の種類を決定する4つの主要なプロセスパラメータは、炭素源、触媒、化学蒸着チャンバ内の雰囲気、およびプロセス温度である。
【0051】
この実施形態では、炭素源は重水素含有炭素分子を含む。非限定的な実施形態において、重水素含有炭素分子は、重水素化アセチレン、重水素化エチレン、または重水素化アルコールからなる群から選択される材料から本質的になる。別の実施形態では、重水素含有炭素分子は本質的に水素を含まず、本明細書においてデュテロカーボン(deuterocarbon)と称される。デュテロカーボンは、通常は水素原子が占める分子上の部位に重水素を含むその炭化水素類似物と同じ分子構造を持つ。
【0052】
本実施形態における最初のステップは、化学蒸着によって固体基材の表面から複数の三次元結晶ナノ構造炭素構造体の成長を開始できる固体基材を提供することである。固体基材の組成は重要ではないことが知られており、その表面上の触媒の活性を阻害することなく、化学蒸着の温度およびガス環境に耐えることができればどのような金属でも使用可能である。典型的な金属には鉄および鉄合金が含まれ、これは固体の有機金属メタロセン化合物の形態であってもよい。例えば、有機金属メタロセン化合物である鉄(フェロセン由来)、コバルト、およびニッケルは、金属ナノ粒子を放出し、炭化水素の分解においてより効果的に触媒として機能することができるため、カーボンナノチューブ触媒として広く使用されている。
【0053】
触媒は、いくつかの方法で化学蒸着プロセスに影響を与える。触媒の大きさは、三次元ナノ構造炭素の大きさを決定する。さらに、その組成は重水素炭素材料の分解の温度に影響を与える。触媒粒子は、三次元ナノ構造炭素構造の核生成部位として機能する。これらの機能を実行するには、触媒は高温で炭素の溶解性が高い必要がある。触媒は、その表面において炭素の拡散速度を妨げたり低下させたりしてはならず、化学蒸着プロセスの動作温度で高い融点と低い平衡蒸気圧を持つものでなければならない。通常、鉄、コバルト、およびニッケルが使用される。
【0054】
カーボンナノチューブを生成するための従来の化学蒸着プロセスでは、炭化水素源としてメタン、アセチレン、ベンゼン、または一酸化炭素を使用できるが、最も一般的な前駆体はエタノールである。炭化水素源の分子構造はカーボンナノチューブの構造に影響を与えると考えられる。メタン、エチレン、アセチレンなどの直鎖状炭化水素は、熱分解して原子状炭素または直鎖状炭素分子を形成する。これらは一般に、中空カーボンナノチューブを直接生成する。7個以上の炭素原子を持つ炭化水素源は、分岐型カーボンナノチューブを生成する。一般に、900℃以下のプロセス温度では多層カーボンナノチューブが生成され、900℃を超える温度では単層カーボンナノチューブが生成される。
【0055】
キャリアガスは、炭素含有材料を反応器に投入するために使用される。従来の化学蒸着では、キャリアガスは通常は水素またはアルゴンである。このような従来の化学蒸着プロセスでは、水素は還元性雰囲気を提供し、酸素を除去するため、通常は好ましいキャリアガスである。窒素やアンモニアも使用されている。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、キャリアガスは重水素ガスを含む不活性ガスである。別の好ましい実施形態では、本質的に重水素ガスからなるキャリアガスを有する。
【0057】
キャリアガスの流量は、三次元結晶ナノ構造炭素の核生成および成長のプロセスに直接影響を与える。キャリアガスの流量が低すぎると、十分な前駆体蒸気が触媒上に堆積されないため、カーボンナノチューブ(「CNT])がほとんど形成されない。流量が低いと炭素不足によりCNTの生成量が減少し、さらなる反応が前駆体の重合となる可能性がある。流量が高すぎると、キャリアガスおよび大部分の前駆体が反応器から流出し、分解が非常に遅くなるか不完全になる。最適な流量は、炭化水素源の完全な分解に必要な時間を提供する。
【0058】
一般に、三次元ナノ構造炭素の長さは、キャリアガスの流量の増加および三次元ナノ構造炭素の成長を引き起こす範囲内での高い蒸気圧に伴って減少する。
【0059】
反応温度も化学蒸着プロセスに影響を与える。好ましくは、本実施形態のプロセスにおける基材温度は少なくとも1,100°F(600℃)である。一般に、1,100~1,650°F(600~900°C)の範囲の低いプロセス温度では多層カーボンナノチューブ(MWCNT)が生成され、1,650°F(900°C)を超える高温では主に単層カーボンナノチューブ(SWCNT)が生成される。
【0060】
本発明に関連するCVDプロセスパラメータが、従来の化学蒸着プロセスの圧力、キャリアガス流量、炭化水素濃度および流量と異なることは知られておらず、本発明の方法の実施形態を考慮して修正された従来の化学蒸着プロセスを実行することで決定することができる。
【0061】
本発明によれば、化学蒸着によってエネルギー生成シート材料を形成するための装置が提供される。ここで具体化され、図4および図5に概略的に示すように、この装置は、化学蒸着プロセスが行われる堆積チャンバ16を含むことができる。それは、少なくとも1つのガス状または蒸気状の重水素化炭化水素またはデュテロカーボンの供給源20を提供し得るガス源18として図4に示される、ガスの供給源と流体連通している。従来の化学蒸着装置と同様に、この装置は、図4に供給源22として示された酸素の供給源と、キャリアガスの供給源24とを含み得る。実施形態では、制御された温度、流量、および圧力で重水素化炭化水素材料を堆積チャンバ16に供給するための制御システムをさらに含み得る。ここで具体化されているように、主制御システム26は、各ガスの供給源(重水素ガスの供給源20、酸素の供給源22およびキャリアガスの供給源24)と流体連通しており、堆積チャンバ16へのこれらのガスの流量を制御する。
【0062】
本発明によれば、システムは、堆積位置に固体基材を含むことができ、基材は、堆積チャンバ内の第1の表面上に少なくとも1つの炭素堆積触媒を有する。基材上の触媒は、その表面上で少なくとも1つの三次元結晶グラフェン形状の成長を開始できる。ここで具体化され、図3A図3Dに示すように、固体基材10は、その上面12上に、ガス源18からのガスが注入される複数の触媒部位(図3A図3Dに部位15として概略的に示す)を含む。
【0063】
本発明によれば、複数の三次元結晶グラフェン形状が基材表面上の核生成部位に形成される。これらの三次元グラフェン材料は重水素と炭素以外は何も含まないため、それらが反応してエネルギーを生成する。得られたガス状生成物と任意のキャリアガスは出口30において堆積チャンバから排出される。
【0064】
エネルギーを生成するシステムの好ましい実施形態を図5に概略的に示す。好ましくは、この実施形態は、金属箔であることが好ましいコイル状金属基材28を含む基材供給部32を含む。この実施形態では、シール34が、堆積チャンバ16内で実行されている化学蒸着プロセスから基材供給部32を隔離する。この実施形態では、対向する一対のロール36が、堆積チャンバ16内で実行されている化学蒸着プロセス内に箔28を搬送する。この実施形態では、箔28は箔支持体38によって支持され、その後、対向するロール40および40’によって堆積チャンバ16から押し出される。上部のロール40’は、三次元グラフェン材料が堆積される位置で箔の表面と係合しないような表面構成を有してもよい。堆積チャンバ16は、箔28が堆積チャンバから出る間、堆積チャンバ16内にガスを保持するシール42をさらに含み得る。
【0065】
図5の実施形態は、化学蒸着プロセスによって三次元グラフェン材料が堆積された金属箔のサイジングをするための、堆積チャンバと流体連通する装置をさらに含み得る。金属箔のサイジングとは、その部分に所望のエネルギー出力を提供する量の活性三次元グラフェン材料をその上に有する個別の部分に金属箔を切断することを意味する。実施形態が基材として連続した金属箔を使用せず、個別の堆積基材を使用する場合、それらの基材の面積が所望のエネルギー出力を決定することになる。
【0066】
ここで具体化され、図4および図5に示したように、システムは基材受取りシステム44を含む。基材受取りシステムは、基材28の両側に対向する一組のロール48および48'を含み得る。この実施形態では、上側のロール48'は、連続した基材28を適切なサイズの個別の部分に切断する突起50を含む。概略的に示された実施形態では、基材を一定の間隔で単に切断して適切なサイズのエネルギー放出クーポン(ここではクーポン52として示される)を作るように構成してもよいが、上側のロール48’が下側のロール48と協働して基材を任意の適切な外形にトリミングするように構成しても良い。
【0067】
図5の実施形態は、システムからクーポンを取り出すための輸送システムをさらに含み得る。ここで具体化されるように、システムは、少なくとも一方が駆動される対向するロールの上を通過する従来型のコンベアベルト54を含む。
【0068】
図4および図5に示された本発明の実施形態では、基材28にコイル状の構成を使用しており、CNT形成に続いて、基材が離散的な部分(ここでは図5のクーポン52として示されている)に切断されるが、基材は、図3A図3Cに示したような離散的なクーポンであることも可能である。そのような実施形態では、そのような各クーポンの堆積チャンバ16への出入りは、層状半導体デバイスが製造される堆積チャンバに個々の基材を導入するために使用されるような標準的な装置によって行うことができる。
【0069】
本発明によれば、システムは少なくとも1つの制御システムを含み得る。ここで具体化され、図4に概略的に示されているように、システムは主制御システム26を含む。この実施形態では、主制御システム26は、堆積チャンバ16内で行われるCVDプロセスに必要なガスを適切な流量、温度、および圧力で供給するために、ガスの供給源18(個別のガスの供給源20、22、および24のそれぞれを含む)内のセンサ(図示せず)と通信する。CVDプロセスおよびプロセス制御の当業者であれば、これらの条件を作り出すためのサブシステムを容易に考案することができる。この実施形態では、主制御システム26はまた、堆積チャンバ16、出口30、およびそれらに関連するセンサと通信し、堆積チャンバ16内の状態を監視および制御する。この実施形態では、主制御システム26は、堆積チャンバへの基材の供給速度を監視および制御できるように、基材供給部32とも通信している。この実施形態では、主制御システム26は、基材受け取りシステム44およびロール36、40、48のような基材搬送システムとも通信している。
【0070】
本発明によれば、システムはエネルギー監視システムを含み得る。ここで具体化され、図4および図5に概略的に示されるように、システムはエネルギー監視システム56を含む。エネルギー監視システム56は、システム内の異なる位置で活性なクーポン52によって放出されるエネルギーの量を測定し、主制御システム26に送信する。ここで具体化されるように、エネルギー監視システム56は、堆積チャンバ16内にエネルギーセンサ58を含む。エネルギー監視システム56はさらに、活性なクーポン52がロール48から出る場所にセンサ60、およびここではコンベアベルト54として示された活性クーポン搬送システムにセンサ62を含み得る。
【0071】
本発明はまた、本明細書に開示される方法に従って作られたエネルギー放出クーポンを使用して有用なエネルギーを供給するための装置を包含する。図6は、そのような装置の概略図である。ここで具体化されているように、活性なクーポン52は、その上に少なくとも1つのエネルギーを放出する三次元結晶グラフェン形状を堆積させている。この装置は放出されたエネルギーを電気に変換する変換器64をさらに含む。要素66は、エネルギー放出クーポンの電気出力を測定するための装置である。
【0072】
本発明の他の実施形態は、本明細書およびこれに開示された本発明の実施例を考慮することにより当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲は特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
【国際調査報告】