(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】真空ポンプシステム用バルブモジュール
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20240423BHJP
G05D 7/06 20060101ALI20240423BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
F04B49/06 331Z
G05D7/06 B
C23C16/44 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565239
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 GB2022051078
(87)【国際公開番号】W WO2022229642
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ノリントン マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ショー ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ スティーヴン
【テーマコード(参考)】
3H145
4K030
5H307
【Fターム(参考)】
3H145AA01
3H145AA16
3H145AA25
3H145AA38
3H145BA02
3H145BA36
3H145CA02
3H145DA12
3H145EA13
3H145EA34
3H145EA45
4K030EA11
5H307AA02
5H307BB01
5H307CC01
5H307CC07
5H307EE04
5H307ES01
5H307FF12
5H307HH01
5H307JJ01
(57)【要約】
真空ポンプシステム用のバルブモジュール(104)であって、バルブモジュール(104)は、流体を受け入れるための複数の入口(110)と;各々がそれぞれの入口(110)に関連する流体圧力を測定するように構成された複数の圧力センサ(122)と;第1の流体ラインマニホールド(114)と;第2の流体ラインマニホールド(116)と;各々がそれぞれの入口(110)を第1及び第2の流体ラインマニホールド(114、116)の両方に接続する複数の多重分岐導管(112)と;多重分岐導管(112)内に配置された複数のバルブ(124、126)と;センサ(122)及びバルブ(124、126)に接続されたバルブコントローラ(128)と、を備え、バルブコントローラ(128)は、センサ(122)からの圧力測定値に基づいて、多重分岐導管(112)を通る流体流が第1の流体ラインマニホールド(114)のみに導かれるか又は第2の流体ラインマニホールド(116)のみに導かれるように、バルブ(124、126)を制御するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプシステム用のバルブモジュールであって、
各々がポンプ送給される流体を受け入れるように構成されている複数の入口と、
各々が前記複数の入口のそれぞれの1つに関連する流体の圧力を測定するように構成されている複数の圧力センサと、
第1の流体ラインマニホールドと、
第2の流体ラインマニホールドと、
各々がそれぞれの入口を前記第1の流体ラインマニホールド及び前記第2の流体ラインマニホールドの両方に流体的に接続する、複数の多重分岐導管と、
複数のバルブであって、前記複数のバルブのそれぞれの1又は2以上のバルブが、前記複数の多重分岐導管のそれぞれの1つに配置されている、複数のバルブと、
前記複数の圧力センサ及び前記複数のバルブに動作可能に接続されたバルブコントローラと、
を備え、
前記バルブコントローラは、前記複数の圧力センサから受け取った圧力測定値に基づいて、前記複数のバルブを制御するように構成され、それぞれの多重分岐導管に配置された1又は2以上のバルブの各々は、前記多重分岐導管を通る流体流を、第1の流体ラインマニホールドのみ又は第2の流体ラインマニホールドのみのいずれかに選択可能に導くようになっている、バルブモジュール。
【請求項2】
前記多重分岐導管の各々は、第1の分岐及び第2の分岐を備え、前記第1の分岐は、前記第1の流体ラインマニホールドに流体的に接続され、前記第2の分岐は、前記第2の流体ラインマニホールドに流体的に接続され、
それぞれの多重分岐管路に配置された前記1又は2以上のバルブの各々は、前記多重分岐導管の前記第1の分岐に配置された第1のバルブと、前記多重分岐導管の前記第2の分岐に配置された第2のバルブとを含む、
請求項1に記載のバルブモジュール。
【請求項3】
前記複数の圧力センサは、前記複数の入口のうちの第1の入口に関連する流体の圧力を測定するように構成された第1の圧力センサを備え、前記第1の入口は、前記複数の多重分岐導管の第1の多重分岐導管の入口であり、
前記バルブコントローラは、1又は2以上の第1の基準を満たす前記第1の圧力センサから受け取った圧力測定値に応答して、前記第1の多重分岐導管に配置された前記1又は2以上のバルブを制御して、前記第1の多重分岐導管を通る流体流を前記第2の流体ラインマニホールドに導くように構成されている、
請求項1又は2に記載のバルブモジュール。
【請求項4】
前記1又は2以上の第1の基準は、測定された圧力が第1の閾値を超えること、前記測定された圧力が少なくとも第1の期間にわたって前記第1の閾値を超えること、前記測定された圧力の増加率が第2の閾値を超えること、及び前記測定された圧力の増加率が少なくとも第2の期間にわたって前記第2の閾値を超えること、からなる基準のグループから選択される1又は2以上の基準からなる、請求項3に記載のバルブモジュール。
【請求項5】
前記バルブコントローラは、1又は2以上の第2の基準を満たす前記第1の圧力センサから受け取った圧力測定値に応答して、前記第1の多重分岐導管に配置された前記1又は2以上のバルブを制御して、前記第1の多重分岐導管を通る流体流を前記第1の流体ラインマニホールドに導くように構成されている、請求項3又は4に記載のバルブモジュール。
【請求項6】
前記1又は2以上の第2の基準は、前記測定された圧力が第3の閾値以下であること、前記測定された圧力が少なくとも第3の期間にわたって前記第3の閾値以下であること、前記測定された圧力の減少率が第4の閾値を超えること、前記測定された圧力の減少率が少なくとも第4の期間にわたって前記第4の閾値を超えること、予め設定された期間が経過すること、からなる基準のグループから選択される1又は2以上の基準からなる、請求項5に記載のバルブモジュール。
【請求項7】
少なくとも、前記複数の入口、前記第1の流体ラインマニホールド、前記第2の流体ラインマニホールド、前記複数の多重分岐導管、前記複数のバルブ、及び前記バルブコントローラは、単一の統合ユニットとして構成され、フレームに収容されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブモジュール。
【請求項8】
複数のさらなるバルブをさらに備え、前記複数のバルブにおけるバルブの各々について、前記さらなるバルブのそれぞれのペアが、前記バルブの両側に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のバルブモジュール。
【請求項9】
前記さらなるバルブは、手動操作バルブである、請求項8に記載のバルブモジュール。
【請求項10】
前記多重分岐導管の1又は2以上をパージするための及び/又は前記バルブの1又は2以上を作動させるためのガスを受け取るためのガス入口をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のバルブモジュール。
【請求項11】
複数のプロセスチャンバを含む半導体処理ツールと、
請求項1から10のいずれか一項に記載のバルブモジュールであって、前記複数の入口の各入口が、前記複数のプロセスチャンバのそれぞれのプロセスチャンバに流体的に接続されている、バルブモジュールと、
前記第1の流体ラインマニホールド及び前記第2の流体ラインマニホールドに動作的に接続された1又は2以上の真空ポンプと、
を備えるシステム。
【請求項12】
前記プロセスチャンバの1又は2以上に冷却流体を供給するための冷却装置をさらに備え、前記バルブモジュールは、前記冷却装置の上部に配置されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
真空ポンプシステム用のバルブモジュールのための方法であって、バルブモジュールは、
複数の入口の各入口で、それぞれのポンプ送給された流体を受け入れるステップであって、前記各入口は、複数の多重分岐導管のそれぞれの多重分岐導管の入口であり、前記多重分岐導管は、それぞれの入口を、第1の流体ラインマニホールド及び第2の流体ラインマニホールドの両方に流体的に接続する、ステップと、
複数の圧力センサのうちの1又は2以上の圧力センサが、前記ポンプ送給された流体のそれぞれの1つの圧力を測定するステップと、
コントローラが、1又は2以上の測定された圧力に基づいて、複数のバルブのうちの1又は2以上のバルブを制御するステップであって、前記1又は2以上のバルブは、前記複数の多重分岐導管のうちの第1の多重分岐導管に配置される、ステップと、
を含み、
前記1又は2以上のバルブを制御することにより、前記第1の多重分岐導管を通る流体流を、第1の流体ラインマニホールドのみ又は第2の流体ラインマニホールドのみのいずれかに選択的に導く、方法。
【請求項14】
複数の圧力センサのうちの第1の圧力センサが、前記第1の多重分岐導管のポンプ送給流体の圧力を測定するステップと、
前記第1の圧力センサから受け取った圧力測定値が1又は2以上の第1の基準を満たすことに応答して、前記第1の多重分岐導管に配置された1又は2以上のバルブを制御して、前記第1の多重分岐導管を通る流体流を前記第2の流体ラインマニホールドに導き、前記第1の多重分岐導管を通る流体流を前記第1の流体ラインマニホールドへ流れないようにするステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
その後、1又は2以上の第2の基準を満たす前記第1の圧力センサから受け取った圧力測定値に応答して、前記第1の多重分岐導管に配置された前記1又は2以上のバルブを制御して、前記第1の多重分岐導管を通る流体流を前記第2の流体ラインマニホールドへ流れないようにし、その後、前記第1の多重分岐導管を通る流体流を前記第1の流体ラインマニホールドへ導くステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定されるものではないが半導体処理ツールから流体をポンプ送給するための真空システムを含む、真空ポンプシステムで使用するためのバルブモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工場は、集積回路チップを製造する。このようなデバイスの製造では、ウェハは、該ウェハが例えば化学蒸着、物理蒸着、インプラント、エッチング及びリソグラフィプロセスを受けるステーションを含む多数の異なる処理ステーションを通して処理される。これらのプロセスの多くは、ガス状環境の使用を伴い、多くの場合、高真空及び減圧ガス圧の使用を必要とする。
【0003】
真空ポンプは、プロセスチャンバ内でこのような減圧ガス圧を提供し、チャンバの真空排気を提供し、プロセスガスの流れを維持するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
半導体処理ツールのチャンバ内の圧力が作業真空でない場合、例えば、サービス又は保守管理を可能にするためにガスチャンバが大気圧まで排気された後、チャンバ内の所要の減圧ガス圧を確立するために、いわゆる「ポンプダウンイベント」が実行される。ポンプダウンイベントは、チャンバ内の圧力を所要レベルまで低減させるために、チャンバからガスをポンプ送給することを含む。
【0005】
真空及び減圧システムは、共通のマニホールドを介して共通のポンプを使用して半導体処理ツールの複数のガスチャンバから同時にガスをポンプ送給するために使用される場合がある。本発明者らは、このようなシステムにおいて、複数のチャンバが共通のマニホールドに流体的に接続されているため、それらのチャンバの1つに対してポンプダウンイベントを実行すると、それらのチャンバの他のチャンバ内の状態に影響を及ぼす可能性があることに気付いている。例えば、1つのチャンバでポンプダウンイベントを実行すると、同じマニホールドに接続された他のチャンバに非常に望ましくない変動を引き起こす可能性がある。
【0006】
本発明の態様は、このような欠点を低減又は除去するような方法で、半導体処理ツールの複数のチャンバからの流体を制御するためのバルブモジュールを提供する。
【0007】
第1の態様では、真空ポンプシステム用のバルブモジュールが提供される。バルブモジュールは、各々がポンプ送給される流体を受け入れるように構成されている複数の入口と;各々が複数の入口のそれぞれの1つに関連する流体の圧力を測定するように構成されている複数の圧力センサと;第1の流体ラインマニホールドと;第2の流体ラインマニホールドと;各々がそれぞれの入口を第1の流体ラインマニホールド及び第2の流体ラインマニホールドの両方に流体的に接続する、複数の多重分岐導管と;複数のバルブであって、複数のバルブのそれぞれの1又は2以上のバルブが複数の多重分岐導管のそれぞれの1つに配置されている、複数のバルブと;複数の圧力センサ及び複数のバルブに動作可能に接続されたバルブコントローラと、を備え、バルブコントローラは、複数の圧力センサから受け取った圧力測定値に基づいて、複数のバルブを制御するように構成され、多重分岐導管のそれぞれに配置された1又は2以上のバルブの各々は、多重分岐導管を通る流体流を、第1の流体ラインマニホールドのみ又は第2の流体ラインマニホールドのみのいずれかに選択可能に導くようになっている。
【0008】
多重分岐導管の各々は、第1の分岐及び第2の分岐を備えることができ、第1の分岐は、第1の流体ラインマニホールドに流体的に接続され、第2の分岐は、第2の流体ラインマニホールドに流体的に接続される。多重分岐管路のそれぞれに配置された1又は2以上のバルブの各々は、多重分岐導管の第1の分岐に配置された第1のバルブと、多重分岐導管の第2の分岐に配置された第2のバルブとを含むことができる。
【0009】
複数の圧力センサは、複数の入口のうちの第1の入口に関連する流体の圧力を測定するように構成された第1の圧力センサを備えることができ、第1の入口は、複数の多重分岐導管の第1の多重分岐導管の入口である。バルブコントローラは、1又は2以上の第1の基準を満たす第1の圧力センサから受け取った圧力測定値に応答して、第1の多重分岐導管に配置された1又は2以上のバルブを制御して、第1の多重分岐導管を通る流体流を第2の流体ラインマニホールドに導くように構成することができる。1又は2以上の第1の基準は、測定された圧力が第1の閾値を超えること、測定された圧力が少なくとも第1の期間にわたって第1の閾値を超えること、測定された圧力の増加率が第2の閾値を超えること、及び測定された圧力の増加率が少なくとも第2の期間にわたって前記第2の閾値を超えること、からなる基準のグループから選択される1又は2以上の基準からなることができる。バルブコントローラは、1又は2以上の第2の基準を満たす第1の圧力センサから受け取った圧力測定値に応答して、第1の多重分岐導管に配置された1又は2以上のバルブを制御して、第1の多重分岐導管を通る流体流を第1の流体ラインマニホールドに導くように構成することができる。1又は2以上の第2の基準は、測定された圧力が第3の閾値以下であること、測定された圧力が少なくとも第3の期間にわたって第3の閾値以下であること、測定された圧力の減少率が第4の閾値を超えること、測定された圧力の減少率が少なくとも第4の期間にわたって第4の閾値を超えること、予め設定された期間が経過すること、からなる基準のグループから選択される1又は2以上の基準からなることができる。
【0010】
少なくとも、複数の入口、第1の流体ラインマニホールド、第2の流体ラインマニホールド、複数の多重分岐導管、複数のバルブ、及びバルブコントローラは、単一の統合ユニットとして構成して、フレームに収容することができる。
【0011】
バルブモジュールは、複数のさらなるバルブをさらに備えることができ、複数のバルブにおけるバルブの各々について、さらなるバルブのそれぞれのペアが、バルブの両側に配置されている。さらなるバルブは、手動操作バルブとすることができる。
【0012】
バルブモジュールは、多重分岐導管の1又は2以上をパージするための及び/又はバルブの1又は2以上を作動させるためのガスを受け取るためのガス入口をさらに備えることができる。
【0013】
さらなる態様では、システムが提供され、このシステムは、複数のプロセスチャンバを含む半導体処理ツールと、上記の態様のバルブモジュールであって、複数の入口の各入口が、複数のプロセスチャンバのそれぞれのプロセスチャンバに流体的に接続されている、バルブモジュールと、第1の流体ラインマニホールド及び第2の流体ラインマニホールドに動作的に接続された1又は2以上の真空ポンプと、を備える。
【0014】
システムは、プロセスチャンバの1又は2以上に冷却流体を供給するための冷却装置をさらに備え、バルブモジュールは、冷却装置の上部に配置されている。
【0015】
さらなる態様では、真空ポンプシステム用のバルブモジュールのための方法が提供され、バルブモジュールは、複数の入口の各入口で、それぞれのポンプ送給された流体を受け入れるステップであって、各入口は、複数の多重分岐導管のそれぞれの多重分岐導管の入口であり、多重分岐導管は、それぞれの入口を、第1の流体ラインマニホールド及び第2の流体ラインマニホールドの両方に流体的に接続する、ステップと;複数の圧力センサのうちの1又は2以上の圧力センサが、ポンプ送給された流体のそれぞれの1つの圧力を測定するステップと;コントローラが、1又は2以上の測定された圧力に基づいて、複数のバルブのうちの1又は2以上のバルブを制御するステップであって、1又は2以上のバルブは、複数の多重分岐導管のうちの第1の多重分岐導管に配置される、ステップと;を含み、1又は2以上のバルブを制御することにより、第1の多重分岐導管を通る流体流を、第1の流体ラインマニホールドのみ又は第2の流体ラインマニホールドのみのいずれかに選択的に導くようになっている。
【0016】
本方法は、複数の圧力センサのうちの第1の圧力センサが、第1の多重分岐導管のポンプ送給流体の圧力を測定するステップと;第1の圧力センサから受け取った圧力測定値が1又は2以上の第1の基準を満たすことに応答して、第1の多重分岐導管に配置された1又は2以上のバルブを制御して、第1の多重分岐導管を通る流体流を第2の流体ラインマニホールドに導き、第1の多重分岐導管を通る流体流を第1の流体ラインマニホールドへ流れないようにするステップと;をさらに含むことができる。本方法は、その後、1又は2以上の第2の基準を満たす第1の圧力センサから受け取った圧力測定値に応答して、第1の多重分岐導管に配置された1又は2以上のバルブを制御して、第1の多重分岐導管を通る流体流を第2の流体ラインマニホールドへ流れないようにし、その後、第1の多重分岐導管を通る流体流を第1の流体ラインマニホールドへ導くステップをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】半導体製造設備の概略図である(縮尺通りではない)。
【
図2】半導体製造設備のバルブモジュールの斜視図を示す概略図である(縮尺通りではない)。
【
図3】半導体製造設備におけるガスのポンプ送給プロセスの特定のステップを示すプロセスフローチャートである。
【
図4】2つのバルブモジュールが複数の冷却装置の上部に取り付けられているシステムを示す概略図である(縮尺通りではない)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、実施形態による半導体製造設備100の概略図である(縮尺通りではない)。
【0019】
半導体製造設備100は、半導体処理ツール102、バルブモジュール104、及び複数の真空ポンプ106を備える。
【0020】
半導体処理ツール102は、半導体ウェハがそれぞれのプロセスを受ける複数のプロセスチャンバ108を備える。このようなプロセスの例としては、限定されるものではないが、化学蒸着、物理蒸着、インプラント、エッチング及びリソグラフィプロセスが挙げられる。
【0021】
複数の真空ポンプ106は、バルブモジュール104を介して半導体処理ツール102のプロセスチャンバ108から外に流体(すなわちプロセスガス)をポンプ送給するように構成されている。
【0022】
バルブモジュール104は、複数の入口110、複数の多重分岐導管112、第1の流体ラインマニホールド114、及び第2の流体ラインマニホールド116を備える。
【0023】
入口110の各々は、それぞれのプロセスチャンバ108に流体連通しており、プロセスチャンバ108からポンプ送給された流体を受け取ることができるようになっている。
【0024】
各多重分岐導管112は、それぞれの入口110を、第1の流体ラインマニホールド114及び第2の流体ラインマニホールド116の両方に流体的に接続する。より詳細には、この実施形態では、多重分岐導管112は、それぞれの第1の分岐118及び第2の分岐120を備える分岐導管である。各多重分岐導管112の第1の分岐118は、それぞれの入口110を第1の流体ラインマニホールド114に流体的に接続する。各多重分岐導管112の第2の分岐120は、それぞれの入口110を第2の流体ラインマニホールド116に流体的に接続する。
【0025】
バルブモジュール104は、複数の圧力センサ122をさらに備える。各圧力センサ122は、それぞれの入口110に、又は入口110で又はその近接でそれぞれの多重分岐導管112に動作可能に結合されている。
【0026】
各圧力センサ122は、それぞれのプロセスチャンバ108に関連する圧力を測定するように構成されている。詳細には、各圧力センサ122は、それぞれのプロセスチャンバ108から外にポンプ送給されるプロセスガスの圧力を測定するように構成されている。圧力センサ122は、プロセスチャンバ108の出口のできるだけ近くに配置されることが好ましい。
【0027】
バルブモジュール104は、複数のゲートバルブ、より具体的には複数の第1のゲートバルブ124及び複数の第2のゲートバルブ126をさらに備える。この実施形態では、第1のゲートバルブ124及び第2のゲートバルブ126は気体圧バルブである。
【0028】
第1のゲートバルブ124の各々は、第1の分岐118のそれぞれの1つの上に配置され、そこを通る流体の流れを制御するように構成されている。
【0029】
第2のゲートバルブ126の各々は、第2の分岐120のそれぞれの1つの上に配置され、そこを通る流体の流れを制御するように構成されている。
【0030】
バルブモジュール104は、バルブコントローラ128をさらに備える。
【0031】
バルブコントローラ128は、有線又は無線接続(図示せず)を介して、複数の圧力センサ122のそれぞれに動作可能に接続され、複数の圧力センサ122によって取得された圧力測定値は、バルブコントローラ128によって受け取ることができるようになっている。
【0032】
バルブコントローラ128はさらに、それぞれの気体ライン(図示せず)を介して、第1のゲートバルブ124の各々及び第2のゲートバルブ126の各々に動作可能に接続される。
【0033】
図3を参照して以下により詳細に説明するように、バルブコントローラ128は、圧力センサ122から受け取った圧力測定値に基づいて、第1及び第2のゲートバルブ124、126の動作を制御するように構成されている。バルブコントローラ128は、気体ラインを介して気体流体を伝達することによって、第1及び第2のゲートバルブ124、126の動作を制御するように構成されている。
【0034】
バルブモジュール104は、複数の手動バルブ(すなわち、人間のオペレータによって手動で操作されるように構成されたバルブ)、より具体的には、複数の第1の手動バルブ130、複数の第2の手動バルブ132、及び複数の第3の手動バルブ134をさらに備える。
【0035】
この実施形態では、各第1の手動バルブ130は、多重分岐導管112の圧力センサ122と、多重分岐導管112が分岐する点との間のそれぞれの多重分岐導管112上に配置される。
【0036】
この実施形態では、各第2の手動バルブ132は、多重分岐導管112の第1のゲートバルブ124と第1の流体ラインマニホールド114との間の多重分岐導管112のそれぞれの第1の分岐118上に配置される。
【0037】
この実施形態では、各第3の手動バルブ134は、多重分岐導管112の第2のゲートバルブ126と第2の流体ラインマニホールド116との間の多重分岐導管112のそれぞれの第2の分岐120上に配置される。
【0038】
従って、この実施形態では、第1及び第2のゲートバルブ124、126の各々は、手動バルブ130-134のそれぞれの対の間に配置されている。詳細には、各第1のゲートバルブ124は、第1の手動バルブ130と第2の手動バルブ132との間に配置されている。また、各第2のゲートバルブ126は、第1の手動バルブ130と第3の手動バルブ134との間に配置されている。
【0039】
この実施形態では、第1の流体ラインマニホールド114は、半導体製造プロセスが行われているプロセスチャンバ108からプロセスガスがポンプ送給されるマニホールドである。第1の流体ラインマニホールド114は、「プロセスガスライン」と見なすことができる。第2の流体ラインマニホールド116は、「ポンプダウンガスライン」と見なすことができる。流体ラインマニホールド114及び116は、ガス流及び真空要件に適したサイズである。
【0040】
ポンプダウンイベントは、大気圧とすることができるプロセスチャンバ108の1又は2以上からガスを排気し、その中の圧力を半導体製造プロセスに適したレベルまで下げるために実行することができる。ポンプダウン中にガスチャンバから排気されるガスは、便宜上、以下ではポンプダウンガスと呼ぶ。この実施形態では、第2の流体ラインマニホールド116は、ポンプダウンガスがプロセスチャンバ108から外にポンプ送給されるマニホールドである。
【0041】
上記の構成を実装し、以下に説明される方法ステップを実行するための、バルブコントローラ128を含む装置は、何らかの適切な装置、例えば1又は2以上のコンピュータ又は他の処理装置又はプロセッサを構成する又は適合させることによって、及び/又は追加のモジュールを提供することによってもたらすことができる。装置は、コンピュータメモリ、コンピュータディスク、ROM、PROMなどの機械可読記憶媒体、又はこれらの任意の組合せ又は他の記憶媒体に記憶された、1又は複数のコンピュータプログラムの形態の命令及びデータを含む、命令を実行し、データを使用するためのコンピュータ、コンピュータのネットワーク、又は1又は2以上のプロセッサを含むことができる。
【0042】
図2は、バルブモジュール104の斜視図を示す概略図であるが、縮尺通りではない。
【0043】
この実施形態では、例えば、少なくとも入口110、多重分岐導管112、第1の流体ラインマニホールド114、第2の流体ラインマニホールド116、ゲートバルブ124、126、バルブコントローラ128、及び手動バルブ130、132、134を含むバルブモジュール104の特定の構成要素は、単一の統合ユニット(以下、「第1の統合ユニット」と呼ぶ)として構成又は配置されている。これらの構成要素は、共通のフレーム200に収容されている。フレーム200は鋼製とすることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、圧力センサ122は、同様に第1の統合ユニットに含まれ、フレーム200に収容することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、圧力センサ122は、第1の統合ユニットから離れている。例えば、圧力センサ122は、第1の統合ユニット、例えば第1の統合ユニットの上部に結合することができる、別個の第2の統合ユニットとして構成又は配置することができる。圧力センサ122を含む第2の統合ユニットは、プロセスチャンバ108と第1の統合ユニットの入口110との間に結合することができる。
【0045】
図3は、半導体製造設備100においてガスをポンプ送給するプロセス300の特定のステップを示すプロセスフローチャートである。
【0046】
図3のフローチャートに示されて以下に説明されるプロセスステップの一部は省略することができ、又はそのようなプロセスステップは、以下に提示され
図3に示されるものとは異なる順序で実行することができることに留意されたい。さらに、全てのプロセスステップは、便宜上及び理解を容易にするために、個別の時間的に連続するステップとして示されているが、それにもかかわらず、プロセスステップのいくつかは、実際には、同時に実行すること、又は少なくとも時間的にある程度重複して実行することができる。
【0047】
ステップs302において、半導体製造プロセスがプロセスチャンバ108内で実行される。これらの半導体製造プロセスは、プロセスガスを発生させる。
【0048】
この実施形態では、この段階で、第1のゲートバルブ124は開いており、第2のゲートバルブ126は閉じている。また、手動バルブ130-134は全て開いている。
【0049】
ステップs304において、第1の流体ラインマニホールド114に接続された真空ポンプ106は、発生したプロセスガスを、バルブモジュール104を介してプロセスチャンバ108から外にポンプ送給する。詳細には、この実施形態では、プロセスガスは、各プロセスチャンバ108から、それに接続された入口110、それに接続された多重分岐導管112の第1の分岐118(その上に配置された第1のゲートバルブ124を通ることを含む)、及び第1の流体ラインマニホールド114を順に通ってポンプ送給される。
【0050】
ステップs306において、圧力センサ122は、プロセスチャンバ108に関連する圧力を測定する。詳細には、各圧力センサ122は、それぞれの入口110を通ってポンプ送給されるプロセスガスの圧力を測定する。この実施形態では、圧力センサ122は、実質的に連続的に圧力を測定する。
【0051】
ステップs308において、圧力センサ122は、測定された圧力値をバルブコントローラ128に送る。バルブコントローラ128は、受け取った測定圧力値を実質的に連続的に処理する。
【0052】
ステップs310において、プロセスチャンバ108の1つ(以下、便宜上「第1のプロセスチャンバ108」と呼ぶ)が、点検、整備、修理、又は保守のために停止される。この実施形態では、第1のプロセスチャンバ108を停止することは、第1のプロセスチャンバ108からのガスのポンプ送給を停止することを含む。この実施形態では、これは、オペレータが、第1のプロセスチャンバ108に関連する入口110の遮断バルブを閉じることによって達成することができる。この実施形態では、第1のプロセスチャンバ108を停止することは、第1のプロセスチャンバ108内の圧力をほぼ大気圧まで上昇させることをさらに含むことができる。これは、第1のプロセスチャンバ108に接続されたバルブを開き、それによって気体が第1のプロセスチャンバ108に流入するのを可能にすることによって達成することができる。
【0053】
ステップs312において、人間のオペレータが、第1のプロセスチャンバ108の点検、整備、修理、又は保守作業を行う。
【0054】
点検、整備、修理、又は保守作業の後、第1のプロセスチャンバ108内に低ガス圧環境が再構築され、半導体製造プロセスは、その中で実行できるようになっている。
【0055】
従って、ステップs314において、第1のプロセスチャンバ108に関連する遮断バルブが再び開かれ、それによって、第1のプロセスチャンバ108からガスをポンプ送給することが可能になる。
【0056】
ステップs314における第1のプロセスチャンバ108からのこのガスのポンプ送給は、ポンプダウンイベントである。
【0057】
ステップs316において、バルブコントローラ128は、圧力センサ122から受け取った測定圧力値を処理し、ポンプダウンイベントが起こっていることを決定する。
【0058】
詳細には、この実施形態では、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する測定圧力が第1の閾値を超えること、及び/又は第1のプロセスチャンバ108に関連する測定圧力の計算された増加率が第2の閾値を超えることに応答して、第1のプロセスチャンバ108に関するポンプダウンイベントが起こっていると決定する。
【0059】
第1の閾値は、何らかの適切な閾値とすることができる。第2の閾値は、何らかの適切な閾値とすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する測定された圧力が少なくとも第1の期間にわたって第1の閾値を超えることに応答して、ポンプダウンイベントが第1のプロセスチャンバ108に関して起こっていると決定する。第1の期間は、何らかの適切な期間とすることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する測定された圧力の計算された増加率が少なくとも第2の期間にわたって第2の閾値を超えることに応答して、ポンプダウンイベントが第1のプロセスチャンバ108に関して起こっていると決定する。第2の期間は、何らかの適切な期間とすることができる。
【0062】
ステップs318において、第1のプロセスチャンバ108のポンプダウンイベントの検出に応答して、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する第1のゲートバルブ124を閉じるように制御する。従って、第1のプロセスチャンバ108から第1の流体ラインマニホールド114へのガス流は、阻止又は妨害される。
【0063】
この実施形態では、バルブコントローラ128は、第1のゲートバルブ124を制御するために、第1のゲートバルブ124に気体流体(例えば窒素)を送る。
【0064】
ステップs320において、第1のゲートバルブ124を閉じることに続いて、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する第2のゲートバルブ126を開くように制御する。従って、第1のプロセスチャンバ108から第2の流体ラインマニホールド116へのガス流が許容される。
【0065】
この実施形態では、バルブコントローラ128は、第2のゲートバルブ126を制御するために、第2のゲートバルブ126に気体流体を送る。
【0066】
ステップs322において、第2の流体ラインマニホールド116に接続された真空ポンプ106は、バルブモジュール104を介して第1のプロセスチャンバ108から外にポンプダウンガスをポンプ送給する。詳細には、この実施形態では、ポンプダウンガスは、第1のプロセスチャンバ108から、それに接続された入口110、それに接続された多重分岐導管112の第2の分岐120(その上に配置された開いた第2のゲートバルブ126を通ることを含む)、及び第2の流体ラインマニホールド116を順に介してポンプ送給される。
【0067】
従って、ポンプダウンガスは、結果として内部に低ガス圧又は真空環境を確立するために、第1のプロセスチャンバ108から外にポンプ送給される。
【0068】
ステップs324において、バルブコントローラ128は、圧力センサ122から受け取った測定圧力値を処理し、ポンプダウンイベントが終了したことを決定する。
【0069】
詳細には、この実施形態では、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する測定圧力が第3の閾値以下であること、及び/又は第1のプロセスチャンバ108に関連する測定圧力の計算された減少率が第4の閾値以上であることに応答して、第1のプロセスチャンバ108のポンプダウンイベントが終了したことを決定する。あるいは、ポンプダウンイベントは、予め設定された期間にわたって実行された後に終了する。
【0070】
第3の閾値は、何らかの適切な閾値とすることができる。いくつかの実施形態では、第3の閾値は、第1の閾値以下である。
【0071】
第4の閾値は、何らかの適切な閾値とすることができる。いくつかの実施形態では、第4の閾値は、第2の閾値以下である。
【0072】
いくつかの実施形態では、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する測定圧力が、少なくとも第3の期間にわたって第3の閾値以下であることに応答して、第1のプロセスチャンバ108のポンプダウンイベントが終了したと決定する。第3の期間は、何らかの適切な期間とすることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する測定圧力の計算された減少率が、少なくとも第4の期間にわたって第4の閾値以上であることに応答して、第1のプロセスチャンバ108のポンプダウンイベントが終了したと決定する。第4の期間は、何らかの適切な期間とすることができる。
【0074】
ステップs326において、第1のプロセスチャンバ108のポンプダウンイベントが終了したことを検出することに応答して、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する第2のゲートバルブ126を閉じるように制御する。従って、第1のプロセスチャンバ108から第2の流体ラインマニホールド116へのガス流は、阻止又は妨害される。
【0075】
ステップs328において、第2のゲートバルブ126を閉じることに続いて、バルブコントローラ128は、第1のプロセスチャンバ108に関連する第1のゲートバルブ124を開くように制御する。従って、第1のプロセスチャンバ108から第1の流体ラインマニホールド114へのガス流が許容される。
【0076】
ステップs330において、半導体製造プロセスは、第1のプロセスチャンバ108内で実行することができる。これらの半導体製造プロセスは、プロセスガスを発生させる。
【0077】
ステップs332において、第1の流体ラインマニホールド114に接続された真空ポンプ106は、発生したプロセスガスを、バルブモジュール104を介して第1のプロセスチャンバ108から外にポンプ送給する。
【0078】
従って、半導体製造設備100においてガスをポンプ送給するプロセス300が提供される。
【0079】
上述のシステム及び方法は、有利には、並列ガスチャンバ内の状態に悪影響を及ぼすポンプダウンイベントを低減又は排除する傾向がある。これは、プロセスガスがポンプ送給されるマニホールドとは異なる別のマニホールドにポンプダウンガスをポンプ送給することによって達成される傾向がある。
【0080】
有利には、ポンプダウンイベント及びポンプダウンイベントの終了は、自動的に検出され、軽減される傾向がある。
【0081】
有利には、上述のバルブモジュールは、半導体処理ツールを真空ポンプに接続する水平マニホールドとインラインで統合することができる。
【0082】
有利には、上述のバルブモジュールは堅牢である傾向がある。真空モジュールは、例えば、半導体製造設備に納品する前にオフサイトで、又は納品時にオンサイトで、完全に組み立てること、漏れを検査すること、事前に試験することができる。これにより、設置プロセスが簡素化され、設置時間が短縮される傾向がある。
【0083】
有利には、上述のバルブモジュールはモジュール式で拡張可能である傾向がある。
【0084】
有利には、バルブモジュールのガス流路の構成要素は、サービス、修理、交換が容易である傾向がある。例えば、各ゲートバルブは、そのゲートバルブの上流側及び下流側の手動バルブを閉じることにより、流体流から隔離することができ、人間のオペレータがゲートバルブのサービス、修理、交換を行うことができる。
【0085】
有利には、システムの状態及び運転状態は、例えばバルブモジュールのヒューマンマシンインターフェースを介して又は遠隔的に、容易に監視できる傾向がある。
【0086】
有利には、システム内の各バルブモジュールは、例えばEtherCAT又はイーサネットのような通信プロトコルを使用して、システムコントローラによって容易に制御できる傾向がある。
【0087】
有利には、上述のバルブモジュールは、複数の取り付け選択肢を可能にする。例えば、バルブモジュールは半導体製造設備の天井から吊り下げることができ、これは床面積を費やさないという利点をもたらす。あるいは、バルブモジュールは、据置フレーム又は他の機器の上に取り付けることもできる。
【0088】
以下では、バルブモジュールが他の機器、具体的には半導体処理ツールのプロセスチャンバの温度を制御するための冷却装置の上に取り付けられる実施形態を説明する。
【0089】
図4は、2つのバルブモジュール104が複数の冷却装置402の上に取り付けられているシステム400を示す概略図である(縮尺通りではない)。冷却装置402は、通常、「チラーラック」又は「チラー」と呼ばれる。
【0090】
システム400は、6つの冷却装置402、2つのバルブモジュール104、電源404、及び気体供給源406を備える。
【0091】
この実施形態では、バルブモジュール104は、
図1及び2を参照して上述したものと実質的に同一とすることができる。各バルブモジュール104は、流体的に接続されたプロセスチャンバ108からそれぞれの複数のポンプ送給された流体流を受け取るように構成されている。
【0092】
各冷却装置402は、それぞれのプロセスチャンバ108に流体的に接続されている。各冷却装置402は、それが接続されているそれぞれのプロセスチャンバ108に冷却流体の流れを供給するように構成されている。冷却流体は、温度を制御するためにプロセスチャンバ108内で使用することができる。
【0093】
この実施形態では、バルブモジュール104及び冷却装置402は、積み重ね構成で配置される。より具体的には、各バルブモジュールは、3つの冷却装置402の上に配置され、これらの冷却装置402自体は、例えば、横並び構成で互いに隣接して配置される。
【0094】
有利には、積み重ね構成は、半導体製造設備内の専有面積の低減をもたらす。
【0095】
さらに、積み重ね構成は、冷却装置402及びバルブモジュール104のプロセスチャンバ108への接続を容易にする傾向がある。例えば、積み重ね構成は、プロセスチャンバ108に対する冷却装置402及び/又はバルブモジュール104のより近い位置決めを可能にする傾向があり、それにより、導管の長さが短くなり、結果として、設置時間が短くなり困難性が低減する。加えて、導管の長さが短いことに起因して、導管からの漏れ又は導管への損傷の可能性が低減する場合がある。
【0096】
この実施形態では、電源404は、冷却装置402及びバルブモジュール104の各々に電気的に接続される。電源404は、冷却装置402及びバルブモジュール104の各々に電力を供給するように構成されている。従って、電源404は共通の電源であると見なすことができる。
【0097】
有利には、冷却装置402及びバルブモジュール104に共通の電源を使用することは、設置を容易にし、占有面積及びケーブル配線の低減を可能にする傾向がある。
【0098】
この実施形態では、気体供給源406は、1又は2以上の導管を介して、冷却装置402及びバルブモジュール104の各々に流体的に接続される。気体供給源406は、冷却装置402及びバルブモジュール104の各々に気体流体を供給するように構成されている。従って、気体供給源406は、共通の気体供給源であると見なすことができる。気体流体は、窒素ガス、又はCDA(清浄乾燥気体)を含むが、これらに限定されない何らかの適切なタイプのガスとすることができる。
【0099】
有利には、冷却装置402及びバルブモジュール104に共通の気体供給源406を使用することは、設置を容易にし、占有面積及び気体流体導管の長さの低減をもたらす傾向がある。
【0100】
この実施形態では、バルブモジュール104において、気体供給源406から受け取った気体流体は、バルブモジュール104のバルブを作動させるために使用することができる。より具体的には、バルブモジュール104のバルブコントローラ128は、それぞれの気体ラインを介して、気体流体を、第1のゲートバルブ124の各々及び第2のゲートバルブ126の各々に送り、それによって、第1及び第2のゲートバルブ124、126を作動させるように構成することができる。従って、気体流体は「バルブ制御流体」と見なすことができる。
【0101】
この実施形態では、バルブモジュール104において、気体供給源406から受け取った気体流体は、パージプロセスを実行するために使用して、多重分岐導管112の1又は2以上の部分をパージすることができる。より具体的には、手動オペレータは、多重分岐導管112の各々のそれぞれのパージポートを介して、気体流体を多重分岐導管112の各々の中に送ることができる。気体流体は、多重分岐導管112の少なくとも一部を通して強制的に送り込まれ、それによって多重分岐導管112の少なくとも一部をパージすることができる。気体流体は、第1の流体ラインマニホールド114及び/又は第2の流体ラインマニホールド116を通って多重分岐導管112から出ることができる。従って、気体流体は「パージ流体」と見なすことができる。パージは、典型的には、バルブモジュール104の保守又はサービスの前に、例えば第1のゲートバルブ124及び/又は第2のゲートバルブ126の交換の前に実行することができる。有利には、第1のゲートバルブ124及び/又は第2のゲートバルブ126は、第1の手動バルブ130、第2の手動バルブ132、及び第3の手動バルブ134を閉じることによって、システムの残りの部分から隔離することができる。
【0102】
この実施形態では、バルブモジュール104のパージポートは、多重分岐導管112の1又は2以上の漏れ試験を行うために使用することができる。より具体的には、バルブモジュール104は、パージポートを用いて多重分岐導管112からの漏れを検出するための手段をさらに含むことができ、又は、人間のオペレータは、パージポートに取り付けられた適切な検知機器を用いて漏れの存在を検出することができる。
【0103】
図4に示す実施形態では、6つの冷却装置402及び2つのバルブモジュール104がある。しかしながら、他の実施形態では、システムは、異なる数の冷却装置及び/又は異なる数のバルブモジュールを備えることができる。
【0104】
図4に示す実施形態では、バルブモジュール104の各々は、3つの冷却装置402の上に取り付けられている。しかしながら、他の実施形態では、バルブモジュールの1又は2以上は、異なる数の冷却装置の上に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、1又2以上の冷却装置は、1又は2以上のバルブモジュール又は他の機器の上部に取り付けられる。
【0105】
上記の実施形態では、バルブモジュールは、ポンプ送給されるプロセスガスを経路指定するために半導体製造設備に実装される。しかしながら、他の実施形態では、バルブモジュールは、異なるシステムに実装され、異なるタイプの流体を経路指定するために使用することができる。
【0106】
上記の実施形態では、6つのガスチャンバを含む単一の半導体処理ツールが存在する。しかしながら、他の実施形態では、1又は2以上の半導体処理ツールが存在する。半導体処理ツールの1又は2以上は、6以外の異なる数のガスチャンバを備えることができる。
【0107】
上記の実施形態では、単一のバルブモジュール、又は
図4の実施形態では2つのバルブモジュールのいずれかが存在する。しかしながら、他の実施形態では、異なる数のバルブモジュールが存在することができる。
【0108】
上記の実施形態では、バルブモジュールは、6つの入口及び6つの多重分岐導管を備える。しかしながら、他の実施形態では、バルブモジュールは、6以外の異なる数の入口及び多重分岐導管を備える。
【0109】
上記の実施形態では、各多重分岐導管は、各分岐に1つの2つのゲートバルブを備える。しかしながら、他の実施形態では、多重分岐導管は、2以外の異なる数のゲートバルブを備える。いくつかの実施形態では、多重分岐導管は、多重分岐導管上の選択された分岐に沿って流体流を導くように操作可能な単一のバルブ(例えば、三方バルブ)を備える。いくつかの実施形態では、各分岐に沿って複数のゲートバルブが配置される。いくつかの実施形態では、多重分岐導管は、3以上の分岐を備え、各分岐はそれぞれの1又は2以上のゲートバルブを含むことができる。
【0110】
上記の実施形態では、各多重分岐導管は3つの手動バルブを備える。しかしながら、他の実施形態では、多重分岐導管は、3以外の異なる数の手動バルブを備える。例えば、いくつかの実施形態では、手動バルブは省略することができる。いくつかの実施形態では、多重分岐導管は、何らかの適切な方法で多重分岐導管に沿って配置された4以上の手動バルブを備える。
【符号の説明】
【0111】
100 半導体製造設備
102 処理ツール
104 バルブモジュール
106 真空ポンプ
108 プロセスチャンバ
110 入口
112 多重分岐導管
114 第1の流体ラインマニホールド
116 第2の流体ラインマニホールド
118 第1の分岐
120 第2の分岐
122 圧力センサ
124 第1のゲートバルブ
126 第2のゲートバルブ
128 バルブコントローラ
130 第1の手動バルブ
132 第2の手動バルブ
134 第3の手動バルブ
200 フレーム
300 プロセス
S302-S332 ステップ
400 システム
402 冷却装置
404 電源
406 気体供給源
【国際調査報告】