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特表2024-518314水分散性および/または水溶性コア基材を含むスキンクレンジング物品
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  • 特表-水分散性および/または水溶性コア基材を含むスキンクレンジング物品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】水分散性および/または水溶性コア基材を含むスキンクレンジング物品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20240423BHJP
   D04H 1/4309 20120101ALI20240423BHJP
   A45D 44/22 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240423BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A61K8/02
D04H1/4309
A45D44/22 C
A61K8/81
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565250
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 US2022028213
(87)【国際公開番号】W WO2022236151
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】17/737,969
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/185,725
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.POLAROID
(71)【出願人】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ナイト, ジョナサン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ブライドウェル, ヴィクトリア
(72)【発明者】
【氏名】プラテル, ジュリー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ゲッツ, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】スロペク, ライアン
【テーマコード(参考)】
4C083
4L047
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC272
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC682
4C083AC792
4C083AC852
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD332
4C083BB36
4C083CC23
4C083DD12
4C083DD21
4C083EE06
4C083EE09
4L047AA16
4L047AA29
4L047AB02
4L047CC03
(57)【要約】
化粧品または皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するように構成されたスキンクレンジング物品、およびそれを作製する方法が提供される。例えば、スキンクレンジング物品は、樹脂を含むコア基材を含む。コア基材は、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域および第2の活性クレンジング配合物を含有する第2の領域を有する。スキンクレンジング物品は、実質的に乾燥しているか、また固体であり、水分散性または水溶性である。水溶性コア基材が10℃より高い温度を有する水とある期間接触すると、コア基材は、試験方法MSTM-205により分散性または可溶性になって、第1の活性クレンジング配合物および/または第2の活性クレンジング配合物を放出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品または皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するように構成されたスキンクレンジング物品であって、
樹脂を含むコア基材であって、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域、および第2の活性クレンジング配合物を含有する第2の領域を有する、コア基材
を含み、
試験方法MSTM-205によって10℃より高い温度を有する水と所定期間接触させると、前記スキンクレンジング物品は少なくとも水分散性または水溶性となり、前記コア基材は少なくとも分散性または可溶性となって、前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つを放出するように構成された、スキンクレンジング物品。
【請求項2】
水と接触する前、実質的に乾燥しているか、または10重量%未満の湿分または溶媒含有率を含む固体である、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項3】
前記期間が、約30秒から約300秒、約30秒から約600秒、または約30秒から約900秒の範囲である、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項4】
30℃から40℃の温度で、前記コア基材が、MSTM-205により300秒もしくはそれよりも短い分散時間または溶解時間を有する、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項5】
前記コア基材が、前記使用者の皮膚の表面の外形に合わせて実質的に平らであり、形成可能である、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項6】
前記コア基材が、水分散性樹脂または水溶性樹脂の少なくとも1つから選択される前記樹脂を含む複数の繊維を含む少なくとも1つの不織基材を含む、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項7】
前記樹脂がビニルアルコール部分を含むポリマーである、請求項6に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項8】
前記ビニルアルコール部分がポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーまたはこれらの組合せを含む、請求項7に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項9】
前記ポリビニルアルコールコポリマーが酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーである、請求項8に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項10】
前記ポリビニルアルコールコポリマーが陰イオン修飾コポリマーを含む、請求項8に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項11】
前記陰イオン修飾コポリマーが、カルボキシレート、スルホネート、またはこれらの組合せを含む、請求項10に記載のクレンジング物品。
【請求項12】
前記複数の繊維が、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第1のタイプの繊維、および約90%から約99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第2のタイプの繊維を含む、請求項8に記載のクレンジング物品。
【請求項13】
第2のタイプの繊維に対する第1のタイプの繊維の比が、重量で約25:75から約75:25の範囲である、請求項12に記載のクレンジング物品。
【請求項14】
前記第1のタイプの繊維および前記第2のタイプの繊維が一緒に、少なくとも1つの不織シートに混合される、請求項12に記載のクレンジング物品。
【請求項15】
前記少なくとも1つの不織シートが、前記第1のタイプの繊維で作製された第1の不織層、および前記第2のタイプの繊維で作製された第2の不織層を含む、請求項14に記載のクレンジング物品。
【請求項16】
前記複数の繊維が、前記複数の繊維の全重量に対して10%から80%の水溶性繊維を含み、残りは非水溶性繊維である、請求項6に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項17】
前記第1の領域が前記使用者の顔の第1の場所で位置決めすることができ、前記第2の領域が前記使用者の顔の第2の場所で位置決めすることができる、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項18】
前記第1の領域が、前記第2の領域から分離することができる、請求項8に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項19】
前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の各々が、固体、液体、ゲルまたはスラリー形態の少なくとも1つの形態である、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項20】
前記第1の活性クレンジング配合物または前記第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つが、10%未満の湿分含量を有する前記固体形態である、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項21】
前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の各々が、以下:ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、発泡剤、セラミド、グリコール酸、アルファヒドロキシ酸、アミノ酸、活性炭、日焼け止め、鉱物(Zn)、アボベンゾン、抗酸化剤、賦活薬、カフェイン、朝鮮人参、タウリン、レチノール、レチノイン酸、ナイアシンアミド、サリチル酸、乳酸もしくはアゼライン酸、または任意のこれらの組合せの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項22】
前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の各々が、前記コア基材の表面に配置されているか、または前記コア基材のマトリックス中に埋め込まれるかの少なくとも一方である、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項23】
前記コア基材が、活性クレンジング配合物で飽和されているか、活性クレンジング配合物を用いてコーティングされているか、または、活性クレンジング配合物に含浸されているかの少なくとも1つである、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項24】
前記コア基材が、10℃またはそれよりも高い温度で300秒またはそれよりも短い間水と接触すると、ヒドロゲルに変化する、請求項1に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項25】
使用者の皮膚に化粧品または皮膚治療薬を送達するように構成されたフェイシャルマスクであって、
水溶性であり、第1の領域および第2の領域を有する、水溶性樹脂を含む複数の繊維を含む不織基材;
前記第1の領域に含有される第1の活性クレンジング配合物;および
前記第2の領域に含有される第2の活性クレンジング配合物
を含み、
ここで、前記不織基材は、試験方法MSTM-205により、300秒またはそれよりも短い間の10℃より高い温度を有する水との接触で可溶性となり、前記水溶性の不織基材から前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つを放出する、フェイシャルマスク。
【請求項26】
30℃から40℃の温度で、前記不織基材がMSTM-205により300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項27】
前記不織基材が10%未満の湿分含量を有する、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項28】
前記不織基材が、前記使用者の皮膚の表面の外形に合わせて実質的に平らであり、形成可能である、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項29】
前記第1の領域が、前記使用者の顔の第1の場所で位置決めすることができ、前記第2の領域が、前記使用者の顔の第2の場所で位置決めすることができ、前記第1の領域は、前記第2の領域から分離されている、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項30】
前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の各々が、固体、液体、ゲルまたはスラリー形態の少なくとも1つの形態である、請求項25に記載のマスク。
【請求項31】
前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の各々が、以下:ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、発泡剤、セラミド、グリコール酸、アルファヒドロキシ酸、アミノ酸、活性炭、日焼け止め、鉱物(Zn)、アボベンゾン、抗酸化剤、賦活薬、カフェイン、朝鮮人参、タウリン、レチノール、レチノイン酸、ナイアシンアミド、サリチル酸、乳酸もしくはアゼライン酸、または任意のこれらの組合せの1つまたは複数を含む、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項32】
前記複数の繊維が前記第1の活性クレンジング配合物または前記第2の活性クレンジング配合物の1つで飽和される、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項33】
前記第1の活性クレンジング配合物および前記第2の活性クレンジング配合物の各々が、前記複数の繊維の表面に配置されているか、または前記複数の繊維に埋め込まれるかの一方である、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項34】
前記複数の繊維が、以下:ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せの1つまたは複数を含む繊維タイプを含む、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項35】
前記ポリビニルアルコールコポリマーが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有する、請求項34に記載のフェイシャルマスク。
【請求項36】
前記ポリビニルアルコールコポリマーが、約90%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、請求項34に記載のフェイシャルマスク。
【請求項37】
前記ポリビニルアルコールコポリマーが、カルボキシレート、スルホネート、またはこれらの組合せを含む陰イオン修飾コポリマーを含む、請求項34に記載のフェイシャルマスク。
【請求項38】
複数の繊維が第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維を含み、前記第1のタイプの繊維および前記第2のタイプの繊維が、以下の特徴:長さの直径に対する比(L/D)、靭性、形状、剛性、弾性、水中溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、繊維の化学組成、もしくは色、または任意のこれらの組合せの1つまたは複数の差を有する、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項39】
前記第1のタイプの繊維および前記第2のタイプの繊維の各々が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、請求項38に記載のフェイシャルマスク。
【請求項40】
前記第1のタイプの繊維が、75%から89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含み、前記第2のタイプの繊維が、90%から99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む、請求項38に記載のフェイシャルマスク。
【請求項41】
前記第2のタイプの繊維に対する前記第1のタイプの繊維の比が、重量で約25:75から約75:25の範囲である、請求項40に記載のフェイシャルマスク。
【請求項42】
前記第1のタイプの繊維および前記第2のタイプの繊維が、一緒に同じ不織シートに混合されているか、または、異なる不織シートに分離されている、請求項40に記載のフェイシャルマスク。
【請求項43】
前記第1のタイプの繊維または前記第2のタイプの繊維の1つが、非水溶性のポリマー繊維成形材料を含む、請求項38に記載のフェイシャルマスク。
【請求項44】
前記非水溶性のポリマー繊維形成材料が、以下の材料:綿、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、レースバーク、絹、腱、カットグット、ウール、シーシルク、モヘヤ、アンゴラ、カシミヤ、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹、モダール、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、またはこれらの組合せの1つまたは複数を含む、請求項43に記載のフェイシャルマスク。
【請求項45】
前記水溶性の不織基材が1dtexから5dtexの範囲の線形質量密度を有する、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項46】
前記水溶性の不織基材が生分解性である、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項47】
前記複数の繊維が、3cN/dtexから15cN/dtexの範囲の靭性を有し、
10ミクロンから300ミクロンの範囲の平均径を有し、
実質的に均質な平均直径を有し、
および/または10ミリメートル(mm)から100mmの範囲の平均長を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項48】
前記不織基材が30%から90%の多孔度を有する、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項49】
前記水溶性樹脂が、75%から99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む、請求項27に記載のフェイシャルマスク。
【請求項50】
10℃より高い温度を有する水と接触させると、前記不織基材が0.5%から65%の収縮率を示す、請求項25に記載のフェイシャルマスク。
【請求項51】
スキンクレンジング物品を作製する方法であって、
水溶性樹脂を含むコア基材、第1の領域および第2の領域を有する水溶性の不織基材を形成すること;および
前記第1の領域に第1の活性クレンジング配合物を含有させ、前記第2の領域に第2の活性クレンジング配合物を含有させること
を含む方法。
【請求項52】
前記第1の領域に第1の活性クレンジング配合物を含有することが、前記第1の活性クレンジング配合物で前記コア基材の前記第1の領域を飽和させること、前記コア基材の前記第1の領域の表面に前記第1の活性クレンジング配合物を配置すること、前記第1の活性クレンジング配合物を用いて前記コア基材の前記第1の領域の表面をコーティングすること、前記コア基材の前記第1の領域に前記第1の活性クレンジング配合物を埋め込むこと、または前記コア基材の前記第1の領域を前記第1の活性クレンジング配合物に含浸させることの少なくとも1つを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
樹脂を含む前記コア基材を形成することが、前記コア基材をリサイクルして前記樹脂を生成することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記樹脂および前記コア基材が水溶性であり、前記スキンクレンジング物品が水溶性フェイシャルマスクである、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
化粧品または皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するように構成されたスキンクレンジング物品であって、
樹脂、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域を有するコア基材を含み、前記スキンクレンジング物品が実質的に乾燥しているか、または固体であり、少なくとも水分散性または水溶性になるように構成されており、
試験方法MSTM-205により10℃より高い温度を有する水と所定期間接触させると、前記コア基材は少なくとも分散性または可溶性となって、前記第1の活性クレンジング配合物を前記水分散性コア基材から放出するように構成された、スキンクレンジング物品。
【請求項56】
前記温度が40℃より高く、前記期間が30秒から300秒である、請求項55に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項57】
化粧品または皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するように構成されたスキンクレンジング物品であって、
水溶性樹脂または水分散性の樹脂を含む複数の繊維を含む、第1の領域を有する第1の不織基材;
前記第1の領域に含有される第1の活性クレンジング配合物;
水分散性の樹脂または水溶性樹脂の1つを含む複数の繊維を含み、第2の領域を有する、前記第1の不織基材に連結された第2の不織基材;および
前記第2の領域に含有された第2の活性クレンジング配合物
を含み、
前記第1の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い間接触すると、前記第1の不織基材は、MSTM-205により可溶性または分散性になって、前記第1の不織基材から前記第1の活性クレンジング配合物を放出する、スキンクレンジング物品。
【請求項58】
前記第1の不織基材が水溶性であり、前記第2の不織基材が、水分散性の樹脂を含む複数の繊維を含み、前記第2の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い間接触すると、前記第2の不織基材は、MSTM-205により分散性になって、前記第2の不織基材から前記第2の活性クレンジング配合物を放出する、請求項57に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項59】
前記第1の不織が水溶性であり、前記第2の不織基材が、水溶性樹脂を含む複数の繊維を含み、前記第2の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い間接触すると、前記第2の不織基材は、MSTM-205により可溶性になって、前記第2の不織基材から前記第2の活性クレンジング配合物を放出する、請求項57に記載のスキンクレンジング物品。
【請求項60】
前記第1の不織基材および前記第2の不織基材の1つに連結された水溶性または水分散性のフィルムをさらに含む、請求項57に記載のスキンクレンジング物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年5月7日に出願された米国仮出願第63/185,725号に基づく利益を主張し、その出願の全体を参照により本明細書に明白に組み込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に、水分散性または水溶性コア構造を含む水分散性および/または水溶性スキンクレンジング物品に関する。より詳細には、本開示は、活性クレンジング配合物を含有するように構成された水分散性および/または水溶性基材、例えば不織を含む水分散性および/または水溶性スキンクレンジング物品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
フェイシャルマスクは通常、活性スキン剤を付与するために使用者の顔の上に置かれる。紙ベースの基材で作製される従来のフェイシャルマスクは、通常、フェイシャルマスクの剛いまたは柔軟性がない構造のために感触が不快であり、活性スキン剤と使用者の皮膚との間の接触を維持するようには使用者の顔と密着しない。さらに、従来のフェイシャルマスクは使用中に濡れるので、これらの従来のフェイシャルマスクは、使用者の顔に正確に位置決めされたフェイシャルマスクを維持するのに、また、使用者の顔の所定の場所に活性スキン剤を正確に送達するのに必要な構造および一体性を失うことがある。その結果、フェイシャルマスクから、また使用者の眼、鼻孔および/または口に活性スキン剤が移行または移動することがあり、結果として不快または望ましくない影響をもたらし、例えば、腐食性または酸性成分が、使用者の眼、鼻孔および/または口に流れ込んで、皮膚および/または膜の刺激および/または痛みを引き起こしかねない。
【0004】
さらに、従来のフェイシャルマスクは、輸送および/または保管中にフェイシャルマスクの乾燥を維持するために必要とされるプラスチック、箔または複合材料で作製された個々の二次包装に何度も保管される。フェイシャルマスクの表面に連結したまたはフェイシャルマスクを包封する防湿フィルムなどの防湿層が、また、使用前にフェイシャルマスクの湿分含量に加えてフェイシャルマスクの構造および一体性を維持するために必要とされることがある。この二次包装は一般に、環境にやさしくなく、コンポスト可能でなく、リサイクル可能でなく、生分解性ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、当技術分野では、容易に製造可能であり、使用者の顔のそれぞれの場所に並べたフェイシャルマスクの1つまたは複数の領域を、使用者の顔に正確に位置決めされたフェイシャルマスクを維持するためのその構造および一体性を維持する構築物を有するスキンクレンジング物品の必要性が存在する。さらに、当技術分野では、使用者の顔に容易に付与され、容易に取り外されるスキンクレンジング配合物を含有するフェイシャルマスクの必要性が存在する。さらに、当技術分野では、フェイシャルマスクの使用前の輸送および保管中に二次包装に対する必要性を著しく低減するフェイシャルマスクの必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、例示実施形態によるフェイシャルマスクの形で、フェイシャルマスクの1つまたは複数のそれぞれの領域に1種または複数の活性クレンジング配合物を含有する例示水分散性スキンクレンジング物品の模式的平面図である。
【0007】
図2図2は、例示実施形態によって図1に示すように、断面線A-Aに沿って得られた例示の水分散性スキンクレンジング物品の模式的断面図である。
【0008】
図3図3は、例示実施形態による、別の例示の水分散性スキンクレンジング物品の模式的断面図である。
【0009】
図4図4は、例示実施形態による、複数の水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品を保管するのに適切な例示の二次包装の透視図である。
【0010】
図5図5は、例示実施形態による、水分散性スキンクレンジング物品を作製する例示方法を図示する。
【0011】
図6図6は、88%の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第1のタイプの繊維(「F1」)および96%の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第2のタイプの繊維(「F2」)を含む複数の繊維を有する少なくとも1つの不織層またはシートを含むコア基材を含む例示試料の溶解度結果(23℃で)を示す。
【0012】
図7図7は、活性クレンジング配合物を含む図6のコア基材を含む例示試料の溶解度結果(23℃で)を示す。
【0013】
図8図8は、88%の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第1のタイプの繊維(「F1」)および96%の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第2のタイプの繊維(「F2」)を含む複数の繊維を有する少なくとも1つの不織層またはシートを含む例示コア基材の溶解度結果(40℃で)を示す。
【0014】
図9図9は、活性クレンジング配合物を含む図8のコア基材を含む例示試料の溶解度結果(40℃で)を示す。
【0015】
図10図10は、コア基材としての水溶性の不織層またはシートからポリエステルで作製された別個の物体の表面への、活性クレンジング配合物の転写を図示するフーリエ変換赤外分光法(FI-IR)曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本明細書に記述される例示実施形態では、水分散性および/または水溶性スキンクレンジング物品は、1つもしくは複数の水分散性基材および/または1つもしくは複数の水溶性コア基材、例えば1つもしくは複数の水分散性不織基材および/または1つもしくは複数の水溶性不織基材を含み、化粧品および/または1種もしくは複数の皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するための、活性クレンジング配合物、例えば1種もしくは複数の洗浄剤を送達する精密投与を有する。例示実施形態では、水溶性のスキンクレンジング物品は、水溶性樹脂を含む水溶性コア基材を含む。水溶性コア基材は、1種または複数の活性クレンジング配合物、例えば化粧品または皮膚の治療配合物を含有するように構成された1つまたは複数の区域または領域を有する。例えば、水溶性コア基材は、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域、および第1の活性クレンジング配合物と同じでも異なっていてもよい第2の活性クレンジング配合物を含有する第2の領域を有していてもよい。水溶性コア基材が10℃より高い温度を有する、または30℃から40℃の間の温度を有する水と、30秒から300秒(または30秒から600秒または30秒から900秒)の期間接触すると、水溶性コア基材は、可溶性になって、1種または複数の活性クレンジング配合物の少なくとも1つ、例えば第1の活性クレンジング配合物または第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つを放出する。例示実施形態では、水分散性のコア基材は冷水分散性であるか、または、水溶性コア基材は冷水可溶性であり、皮膚の細孔を閉鎖する傾向があり、例えば角質除去プロセス中に皮膚の細孔および皮膚表面を微細化するには有利であり得る。あるいは、水分散性コア基材は、暖水分散性であり、または、水溶性基材は暖水可溶性であり、皮膚の細孔を開放する傾向があり、例えば挫瘡処置プロセス中に細孔および皮膚へ活性クレンジング配合物を送達することに有利であり得る。例示実施形態では、水分散性スキンクレンジング物品は、最初乾燥し、即ち、保管中および使用前には乾燥している。例示実施形態では、水分散性コア基材としてのヒドロゲルへの不織基材の転移は、所望の温度で適切な時間量にわたって、例えば300秒間水と接触する。ある特定の例示実施形態では、水溶性コア基材が使用後に水溶性スキンクレンジング物品の任意の残留成分の除去を容易にするために溶解するにつれて、フィルム層が創出される。ある特定の実施形態では、水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品は、フィルム層、例えば水分散性または水溶性コア基材に連結した水分散性または水溶性のフィルムを含む。水分散性または水溶性のフィルムは、使用者の皮膚への送達用の追加の活性クレンジング配合物を含んでもよく、および/または、使用後に水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品の残留成分の除去を容易にするために使用されてもよい。
【0017】
例示実施形態では、スキンクレンジング物品は、ある期間水と接触すると、少なくとも水分散性または水溶性になるように構成される。本明細書に記述される水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品は、最初、実質的に乾燥した、または固体状態で提供され、水は使用前または使用中にスキンクレンジング物品を活性化するために添加または付与される。水が添加または付与される前に、そのような実質的に乾燥した、または実質的に固体状態のスキンクレンジング物品は、湿分または溶媒を含有しないか、または10重量%未満(5重量%未満などの)湿分または溶媒を含有してもよい。例示実施形態では、「実質的に乾燥した」、「実質的に固体」、「乾燥した」または「固体」という用語は、湿分または溶媒を含有しないか、または10重量%未満(5重量%未満などの)湿分または溶媒を含有するスキンクレンジング物品を指すことができる。
【0018】
例示実施形態では、コア基材は樹脂(即ち、ポリマー)を含み、水分散性または水溶性であってもよい。例えば、コア基材は、水分散性樹脂または水溶性樹脂の少なくとも1つから選択される樹脂を含む複数の繊維を含む、少なくとも1つの不織基材を含む。不織基材に加えて、基材はまたフォーム基材またはフィルム基材であってもよい。樹脂は、任意の適切なポリマーであってもよく、または1種もしくは複数のそのようなポリマーを含んでもよい。例えば、例示実施形態では、樹脂はビニルアルコール部分を含むポリマーである。「ビニルアルコール部分を含むポリマー」または「PVOHポリマー」は、ポリビニルアルコール(PVOH)ホモポリマー、ポリビニルアルコール(PVOH)コポリマー、またはこれらの組合せを含む。例えば、ポリビニルアルコールコポリマーは、一部の実施形態では、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーである。そのようなポリビニルアルコールコポリマーは、カルボキシレート、スルホネート、またはこれらの組合せなどの追加の基をさらに含む、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーであってもよい陰イオン修飾コポリマーであってもよい。酢酸ビニル部分またはビニルアルコール部分の少なくとも1つを含むそのようなポリマーは、また追加のポリマーを、例えばブレンドで含んでもよい。例示実施形態では、水分散性スキンクレンジング物品は使用者の皮膚に化粧品または皮膚治療薬を送達するように構成される。水分散性スキンクレンジング物品は、水分散性の樹脂を含む水分散性コア基材を含む。水分散性コア基材は、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域および第2の活性クレンジング配合物を含有する第2の領域を含み、ここで、水分散性コア基材が第1の温度を有する水、例えば10℃の温度を有する水または40℃以下の温度を有する水と接触すると、MSTM-205により、水分散性コア基材は活性化されて、使用者の皮膚に第1の活性クレンジング配合物、および/または第2の活性クレンジング配合物を送達するために水分散性コア基材から第1の活性クレンジング配合物および/または第2の活性クレンジング配合物を放出し、また、水分散性コア基材が第1の温度と等しいかそれより高い第2の温度を有する水、例えば40℃と等しいかまたはそれよりも高い温度を有する水と30秒から300秒(または30秒から600秒または30秒から900秒)の期間接触すると、水分散性コア基材は分散性になる。
【0019】
他の例示実施形態では、水溶性スキンクレンジング物品は使用者の皮膚に化粧品または皮膚治療薬を送達するように構成される。水溶性スキンクレンジング物品は、水溶性樹脂を含む水溶性コア基材を含む。水溶性コア基材は、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域および第2の活性クレンジング配合物を含有する第2の領域を含み、水溶性コア基材が第1の温度を有する水、例えば10℃の温度を有する水、または40℃以下の温度を有する水と接触すると、水溶性コア基材は、MSTM-205により、活性化されて、第1の活性クレンジング配合物および/または第2の活性クレンジング配合物を使用者の皮膚に送達するために、水溶性コア基材から第1の活性クレンジング配合物および/または第2の活性クレンジング配合物を放出し、水溶性コア基材が、第1の温度と等しいかそれより高い第2の温度を有する水、例えば40℃と等しいかそれよりも高い温度を有する水と30秒から300秒(または30秒から600秒または30秒から900秒)の期間接触すると、水溶性コア基材は可溶性になる。
【0020】
水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品は、本明細書では、使用者の顔の皮膚の所望の場所に活性クレンジング配合物を送達、例えば、放出するために、フェイシャルマスクの1つまたは複数の区域または領域に1種または複数の活性クレンジング配合物を含有するように構成されたフェイシャルマスクの形をとる水分散性または水溶性の不織基材として記述されるが、本明細書に記述される水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品は、他の例示実施形態では、活性クレンジング配合物または他のスキンウェルネス配合物を例えば使用者の身体の皮膚の他の場所に送達するのに適切である。さらに、水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品は、以下に限定されないが、例えばワイプ、シート、パッド、小袋またはストリップを含むフェイシャルマスクのそれ以外の形をとってもよい。
【0021】
例示実施形態では、水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品は、水分散性不織基材または水溶性不織基材などの適切な水分散性または水溶性のコア基材で作製された水分散性または水溶性のフェイシャルマスクの形をとる。使用前に、水分散性または水溶性の不織基材は、実質的に平らであるが、使用者の身体の外形に合わせて形成可能であり、例えば使用前または使用中に水で濡れると使用者の顔の皮膚表面の外形に合わせて形成可能である。水分散性または水溶性の不織基材は、使用者の眼、鼻および口とのアライメントとしての開口部をそれぞれ含み、使用者の顔のフェイシャルマスクの適当な位置決めを容易にする。ある特定の実施形態では、例えばしわを処置する第1の活性クレンジング配合物は、例えば使用者の皮膚がそれぞれの眼のまわりおよび/またはそれぞれの眼の下で接触するように使用者の眼に対して位置決めされた、水分散性または水溶性の不織基材の第1の領域上にまたはその内側に含有される。同様に、水分散性または水溶性の不織基材の第2の領域は、例えば、使用者の額および/または使用者の鼻梁の使用者の皮膚と接触するように使用者の額に対して位置決めしてもよく、例えばしわを処置する第1の活性クレンジング配合物および/または例えば挫瘡を処置する第2のクレンジング配合物を含有してもよい。さらに、またはあるいは、水分散性または水溶性の不織基材の第3の領域は、例えば、使用者のほお骨および/またはあごのまわりの使用者の皮膚と接触するように、使用者のほおまたは使用者のあごの1つまたは両方に対して位置決めしてもよく、例えば、挫瘡を処置する第2の活性クレンジング配合物、および/または使用者の皮膚に追加のスキンウェルネス配合物を提供する異なる活性クレンジング配合物を含有していてもよい。例示実施形態では、第1の領域、第2の領域および第3の領域の各々は、フェイシャルマスクの少なくとも一部を形成する。ある特定の実施形態では、第1の領域、第2の領域または第3の領域の1つまたは複数は、使用前または使用中にフェイシャルマスクの他の領域から分離することができる。
【0022】
例示実施形態では、その高い吸湿性のために、水分散性または水溶性のコア基材は使用中にゲル様の配合物として存在して高い水和性および心地良さ、柔らかい効果を与える。さらに、ゲル様の配合物は、使用中に使用者の顔の所望の場所と接触するのに適当な位置に活性クレンジング配合物を維持しつつ、使用者の顔にフェイシャルマスクの構造および適当な位置決めを効果的に維持する。さらに、水溶性コア基材がPVOH樹脂で作製される例示実施形態では、水溶性コア基材の化学作用、とりわけPVOHの存在によって、和らげる効果または利益を、スキンクレンジングプロセスに提供する。
【0023】
例示実施形態では、水溶性コア基材が10℃より高い温度を有するまたは30℃から40℃の間の温度を有する水と接触すると、水溶性コア基材は可溶性になって、活性クレンジング配合物を放出する。例示実施形態では、水溶性コア基材は、水溶性のポリマー、例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)コポリマーおよび/またはデンプン誘導体、例えば、そうでなければ、高度の生物分解活性度を有するかまたは堆肥にし得るまたはリサイクルし得る水分散性ポリマーとのこれらのブレンドを含む。
【0024】
例示実施形態では、水溶性コア基材は、PVOHポリマーなどのPVOH樹脂で作製された水溶性不織基材である。使用の間、水溶性不織基材は、柔らかく心地良い感触を提供しつつ、不織基材の構造および一体性を維持して使用者の顔に正確に位置決めしたフェイシャルマスクを維持することを容易にするゲル様の基材に溶解する。例示実施形態では、PVOHコポリマーの加水分解度、および/または、繊維のストレッチングまたは延伸は、例えば、ゲル様の基材を増強する繊維の膨潤および吸着を達成するために調節することができる。
【0025】
水分散性スキンクレンジング物品は、とりわけ、例示実施形態では、水分散性または水溶性のコア基材は、使用者の皮膚に化粧品または皮膚治療薬を送達するための1種または複数の活性クレンジング配合物を含有するように構成される。例示として、活性クレンジング配合物は、以下に限定されないが、ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、例えば、多糖から作製された界面活性剤、もしくは発泡剤、またはこれらの任意の適切な組合せを含んでもよい。他の適切な活性クレンジング配合物は、セラミド、グリコール酸および他のアルファヒドロキシ酸、アミノ酸、ペプチド、活性炭、化学的および物理的な日焼け止め成分、鉱物(例えば、Zn)、アボベンゾンなど、抗酸化剤、賦活薬、例えばカフェイン、朝鮮人参(ginsing)、タウリンなど、レチノール、レチノイン酸、ナイアシンアミド、サリチル酸、乳酸、および/またはアゼライン酸(aseliaic acid)を含んでもよい。例示実施形態では、活性クレンジング配合物は、水溶性コア基材の1つまたは複数の表面に配置もしくはコーティングされ、または、水溶性コア基材に埋め込まれ、および/または接着される。水溶性コア基材は、単層、例えば、単層の不織コア基材を含んでいてもよく、または複数の層、例えば、蛇行状の配列で折り畳まれて、もしくは、例えば、切断し重ねて水溶性不織コア基材の1つもしくは複数の層、例えば、隣接層間に配置された活性クレンジング配合物を含む層を形成する不織コア基材のシートを含んでいてもよい。
【0026】
例示実施形態では、水溶性コア基材は、活性クレンジング配合物を含有し、適温を有する水と接触させると、水溶性コア基材が0.5%から65%の収縮率を示す。例示実施形態では、コア基材が5℃から10℃もの低い温度を有する水と接触すると、コア基材は分散性となって、即ち、崩壊して活性クレンジング配合物を放出する。例示実施形態では、コア基材が40℃より高い温度を有する水と接触すると、水溶性コア基材は可溶性となって、即ち、溶解して、活性クレンジング配合物を放出する。
【0027】
本明細書で使用される場合および他に指示しない限り、用語「水分散性」は指定温度で水に浸漬すると不織基材、フォーム基材、フィルム、または積層体が、より小さな構成小片へ物理的に解離する任意の不織基材(または不織ウェブ)、フォーム基材、フィルム、または積層体を指す。より小さな小片は肉眼で見えても見えなくてもよく、水中に懸濁し続けても懸濁し続けなくてもよく、究極的に溶解しても溶解しなくてもよい。例示実施形態では、そのような不織基材(または不織ウェブ)、フォーム基材、フィルムまたは積層体は、本明細書に記載されているMSTM-205により決定されるように指定温度で900秒またはそれよりも短い、または特に600秒またはそれよりも短い、またはとりわけ300秒またはそれよりも短い崩壊時間を有する。分散温度が指定されていない例示実施形態では、不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体は、MSTM-205により約100℃またはそれよりも低い温度で300秒またはそれよりも短い時間で崩壊する。崩壊時間は、必要に応じてMSTM-205により、約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約20℃または約10℃の温度で200秒もしくはそれよりも長く、100秒もしくはそれよりも長く、60秒もしくはそれよりも長く、または30秒もしくはそれよりも長くなり得る。分散温度が指定されていない代替例示実施形態では、不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体は、MSTM-205により約100℃またはそれよりも低い温度で300秒またはそれよりも短い時間で崩壊する。崩壊時間は必要に応じて、MSTM-205により、約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約20℃、または約10℃の温度で200秒もしくはそれよりも短くても、100秒もしくはそれよりも短くても、60秒もしくはそれよりも短くても、または30秒もしくはそれよりも短くてもよい。例えば、そのような分散パラメーターは、6ミリメートル(mmまたはミル)(約152ミクロン(μm))の厚さを有する不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体構造の特徴になり得る。本明細書で記述されるように、例示実施形態では、不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体の崩壊時間は、30秒などの最小限度を超えてもよく、その結果、物品、例えばフェイシャルマスクは、使用者の顔に正確に付与することができ、例えば、物品を水と接触させて意図した作業をする、例えば、使用者の皮膚に1種または複数の活性クレンジング配合物を送達する物品の付与の間に適切な時間量があり、所望の付与の利益を提供する。例示実施形態では、不織基材(または不織ウェブ)、フォーム基材、フィルムまたは積層体は、MSTM-205により適切な範囲内、例えば約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約20℃、または約10℃の温度で例えば30秒から900秒の間、30秒から600秒の間、30秒から300秒の間、60秒から900秒の間、60秒から600秒の間、または60秒から300秒の間の崩壊時間を有していてもよい。
【0028】
本明細書で使用される場合および他に指示しない限り、「水溶性」という用語は、本明細書に記載されているMSTM-205により決定されるように、例示実施形態では、指定温度で900秒もしくはそれよりも短い、または特に600秒もしくはそれよりも短い、またはとりわけ300秒もしくはそれよりも短い溶解時間を有する、任意の不織基材(または不織ウェブ)、フォーム基材、フィルムまたは積層体を指す。溶解時間は、本明細書に記述される基材、フィルム、積層体、または物品および/または、所望の付与プロセスに使用される、1種または複数の活性クレンジング配合物に少なくとも部分的に依存し得る。さらに、例示実施形態では、不織基材(または不織ウェブ)、フォーム基材、フィルムまたは積層体は、溶解時間の、MSTM-205により、例えば約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約20℃、または約10℃の温度で、例えば30秒から900秒の間、30秒から600秒の間、30秒から300秒の間、60秒から900秒の間、60秒から600秒の間、または60秒から300秒の間の適切な範囲内の溶解時間を有することができる。例示実施形態では、不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体の溶解時間は、必要に応じて、MSTM-205により、約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約20℃または約10℃の温度で900秒もしくはそれよりも短くても、600秒もしくはそれよりも短くても、200秒もしくはそれよりも短くても、100秒もしくはそれよりも短くても、60秒もしくはそれよりも短くても、または30秒もしくはそれよりも短くてもよい。本明細書において記載されるように、例示実施形態では、不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体の溶解時間は、30秒などの最小限度を超えてもよく、その結果、物品、例えばフェイシャルマスクは、使用者の顔に正確に付与することができ、例えば、物品を水と接触させて意図した作業をする、例えば、使用者の皮膚に1種または複数の活性クレンジング配合物を送達する物品の付与の間に適切な時間量があり、所望の適用の利益を提供する。溶解温度が指定されていない例示実施形態では、水溶性の不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体は、約80℃以下の温度で300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する。例示実施形態では、「水溶性不織基材」または「水溶性不織ウェブ」は、1.5ミル(約38μm)の厚さで、不織基材がMSTM-205により80℃以下の温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解することを意味する。例えば1.5ミル(約38μm)の厚さの水溶性不織基材は、MSTM-205により、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約30℃、約20℃または約10℃の温度で300秒もしくはそれよりも短い、200秒もしくはそれよりも短い、100秒もしくはそれよりも短い、または60秒もしくはそれよりも短い溶解時間を有することができる。
【0029】
本明細書で使用される場合および他に指示しない限り、「冷水可溶性」という用語は、MSTM-205により決定されるように約10℃から約20℃の範囲の温度で300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する任意の水溶性の不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体を指す。例えば、冷水可溶性の不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体の溶解時間は、必要に応じてMSTM-205により約10℃から約20℃の範囲の温度で、200秒もしくはそれよりも短くても、100秒もしくはそれよりも短くても、60秒もしくはそれよりも短くても、または30秒であってもよい。例示実施形態では、「冷水可溶性不織基材」または「冷水可溶性不織ウェブ」は、1.5ミル(約38μm)の厚さで不織基材が、MSTM-205により20℃以下の温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解することを意味する。例えば、1.5ミル(約38μm)の厚さの冷水可溶性不織基材は、MSTM-205により約20℃または約10℃の温度で300秒もしくはそれよりも短い、200秒もしくはそれよりも短い、100秒もしくはそれよりも短い、60秒もしくはそれよりも短い、または30秒もしくはそれよりも短い溶解時間を有することができる。
【0030】
本明細書で使用される場合および他に指示しない限り、「温水可溶性」という用語は、MSTM-205により決定されるように、約20℃より高い温度、例えば、約21℃から約80℃の範囲で300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する任意の水溶性の不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体を指す。例えば、温水可溶性の不織基材、フォーム基材、フィルムまたは積層体の溶解時間、必要に応じてMSTM-205により、約20℃より高い温度で、例えば約21℃から約80℃、約25℃から約80℃、約25℃から約60℃、約30℃から約60℃、約25℃から約45℃、約30℃から約45℃、または約25℃から約43℃、約30℃から約43℃、約25℃から約40℃、または約30℃から約40℃の範囲で200秒もしくはそれよりも短くても、100秒もしくはそれよりも短くても、60秒もしくはそれよりも短くても、または30秒であってもよい。例示実施形態では、「温水可溶性不織基材」または「温水可溶性不織ウェブ」は、1.5ミル(約38μm)の厚さで、不織基材がMSTM-205により約21℃以上の温度で300秒またはそれよりも長い時間で溶解することを意味する。例えば1.5ミル(約38μm)の厚さの水溶性不織基材は、MSTM-205により、約80℃、70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約30℃、約25℃、または約21℃の温度で300秒もしくはそれよりも短い、200秒もしくはそれよりも短い、100秒もしくはそれよりも短い、60秒もしくはそれよりも短い、または30秒の溶解時間を有することができる。例示実施形態では、「温水可溶性不織基材」または「温水可溶性不織ウェブ」などの温水可溶性基材は、その温水可溶性温度より低い温度を有する水と接触すると、安定なままであり、例えば溶解しないが、しかし、例えば30秒から約300秒の間の適切な溶解時間その温水可溶性温度と等しい温度を有する水と接触すると、可溶性になり、例えば溶解する。例えば、例示実施形態では、MSTM-205により、40℃の温度で300秒もしくはそれよりも短い(または600秒もしくはそれよりも短い、または900秒もしくはそれよりも短い)時間、水と接触した温水可溶性不織基材は、可溶性になるが、しかし、温水可溶性不織基材は、40℃未満の温度を有する水と接触すると、または40℃の温度を有する水と300秒間未満接触すると、安定である。
【0031】
本明細書で使用される場合、他に指示しない限り、「不織ウェブ」という用語は、配置構成された(例えば、カーディングプロセス)および互いに結合された繊維を含む、これらの繊維からなる、またはこれらの繊維から本質的になるウェブまたはシートを指す。したがって、用語「不織ウェブ」は不織繊維に基づくウェブの略記と考えることができる。さらに、本明細書において使用される「不織ウェブ」は、例えばそれらの表面に積層されたフィルムを有する不織ウェブまたはシートを含む、不織ウェブまたはシートを含む任意の構造を含む。繊維から不織ウェブを調製する方法は、例えばその全体が参照により本明細書に組み込まれるNonwoven Fabrics Handbook, prepared by Ian Butler, edited by Subhash Batra et al., Printing by Design, 1999に記載されるように、当技術分野で周知である。本明細書で使用される場合、および他に指示されない限り、「フィルム」という用語は、例えば流延または押出しプロセスにより調製された連続フィルムまたはシートを指す。
【0032】
本明細書で使用される「複数の繊維」は、単繊維タイプを含むことができ、または2つもしくはそれよりも多くの種々の繊維タイプを含むことができる。複数の繊維が、2つまたはそれよりも多くの種々の繊維タイプを含む例示実施形態では、各繊維タイプが、一般に任意の量で、例えば複数の繊維の全重量の約0.5重量%から約99.5重量%の量で含めることができる。複数の繊維が単独の繊維タイプからなる例示実施形態では、複数の繊維は第2のまたはそれよりも多くの繊維タイプを実質的に含まない。複数の繊維は、複数の繊維が第2のまたはそれよりも多くの繊維タイプを約0.5重量%未満含む場合、第2のまたはそれよりも多くの繊維タイプを実質的に含まない。一般に、繊維タイプ同士の相違は、繊維長の直径に対する比(L/D)、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(T)、化学組成、色、またはこれらの組合せの差とすることができる。
【0033】
本明細書で使用される場合、「樹脂(複数可)」および「ポリマー(複数可)」という用語は、同義と見なされるべきである。ある特定の実施形態では、樹脂(複数可)およびポリマー(複数可)という用語はそれぞれ、1種または複数の追加のポリマーと必要に応じて組み合わされたポリマーを指すのに、および単一タイプのポリマーを指すのに使用され、例えば樹脂は、1種より多くのポリマーを含むことができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、および他に指示されない限り、「重量%(wt.%)」および「重量%(wt%)」という用語は、文脈に応じて、例えば水溶性フィルム中の残留水分を含む水溶性フィルム全体の、「乾燥」(無水)重量部で特定された要素の組成、または組成物全体の重量部で特定された要素の組成を指すものとする。
【0035】
本明細書で使用される場合および他に指示しない限り、「PHR」(「phr」)という用語は、水溶性不織基材、フォーム基材もしくはフィルム中の、または水溶性不織基材、フォーム基材もしくはフィルムを作製するのに使用される溶液中の水溶性ポリマー樹脂(複数可)100部当たりの特定された要素の組成を指すものとする(他に指定されない限り、PVOHであってもその他のポリマー樹脂であっても)。
【0036】
本明細書で使用される場合および他に指示しない限り、「含んでいる(comprising)」という用語は、様々な構成要素、成分、またはステップが本開示の実施の際に一緒に用いることができることを意味する。したがって、「含んでいる(comprising)」という用語は、より制限的な用語である「~から本質的になる」および「~からなる」という用語を包含する。本発明の組成物は、本明細書に開示される、必要とされるおよび必要に応じた要素のいずれかを、含むことができ、そのようなものから本質的になることができ、またはそのようなものからなることができる。適切に本明細書に例示的に開示される本開示は、本明細書に特に開示されないいかなる要素またはステップも存在しない状態で実施されてもよい。
【0037】
値が先行の「約」の使用によって近似として表現される場合、特定の値が別の実施形態を形成することは理解されよう。本明細書で使用される場合、「約X」(ここで、Xは数値である)は例示実施形態では、包括的な記載値の±10%(例えば、±5%)を指す。
【0038】
水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品、水分散性または水溶性の不織材料、水分散性または水溶性フォーム材料、および水分散性または水溶性フィルム材料、ならびに水分散性または水溶性スキンクレンジング物品、水分散性または水溶性の不織材料、水分散性または水溶性のフォーム材料、および水分散性または水溶性のフィルム材料を作製および使用する関連方法は、他に言及しない限り、以下にさらに記述される追加の必要に応じた要素、特徴およびステップの1つまたは複数の任意の組合せを含む実施形態を含むことが企図される。
【0039】
例示実施形態では、水分散性スキンクレンジング物品は、水溶性樹脂を含む水溶性コア基材を含む。例示実施形態では、水溶性コア基材は、より水溶性の不織コア基材のうちの1つを含む。水溶性コア基材は、水溶性コア基材が10℃より高い温度を有する水、または30℃から40℃の間の温度を有する水と接触すると、水溶性コア基材が可溶性になって、活性クレンジング配合物を放出する活性クレンジング配合物を含有する。例示実施形態では、水溶性コア基材は、10℃で、300秒で分散性になり、20℃で、15秒超300秒未満で溶解可能になり、40℃で、15秒超300秒未満で溶解可能になり、80℃で、300秒未満で溶解可能になる。
【0040】
例示実施形態では、活性クレンジング配合物は、固体、例えば、粉末または複数の顆粒もしくは粒子、ゲル、液体またはスラリー形態の少なくとも1つ、またはこれらの任意の適切な組合せの形をとる。ある特定の実施形態では、水溶性コア基材は活性クレンジング配合物で飽和される。他の実施形態では、活性クレンジング配合物は、水溶性コア基材に埋め込まれ、塗布され、配置され、コーティングおよび/または接着され、例えば、活性クレンジング配合物は水溶性コア基材の表面に配置される。例示実施形態では、水溶性コア基材は、活性クレンジング配合物を用いてコーティングされまたは、活性クレンジング配合物に含浸される少なくとも1つである。例示実施形態では、活性クレンジング配合物は水溶性コア基材中に存在し、例えば、繊維形成組成物、フォーム形成組成物、またはフィルム形成組成物中に存在する。
【0041】
図を、最初に、図1を参照すると、例示実施形態では、水溶性スキンクレンジング物品20は、水溶性不織基材24などの適切な水溶性コア基材で作製された水溶性フェイシャルマスク22の形をとる。スキンクレンジング物品20、フェイシャルマスク22、コア基材、および不織基材24の各々が、図1~4を参照して水溶性として記述されるが、スキンクレンジング物品20、フェイシャルマスク22、コア基材、および不織基材24の各々は、水分散性および/または水溶性材料、例えば、複数の水分散性繊維、複数の水溶性繊維、または水分散性繊維および水溶性繊維のブレンドを含んでもよい。フェイシャルマスク22、例えば、水溶性不織基材24は、使用者の皮膚と接触するように構成された第1の表面26、および反対側の第2の表面28を有する。使用の前または使用の間に、フェイシャルマスク22は、第1の表面26が使用者の顔の皮膚の表面と接触するように使用者の顔に位置決めされる。例示実施形態では、水溶性不織基材24は、実質的に平らであるが、例えば水で濡れると、水溶性不織基材24は、使用者の身体の外形に従うかまたはそれに合わせて形成するのに形成可能に、例えば使用者の顔の皮膚表面の外形に合わせて形成可能になる。他の例示実施形態では、使用者の顔の皮膚表面の外形に、例えば、使用者の眼のまわりに、使用者の額に沿って、および/または使用者のほお骨および/またはあごに沿うように構成されたまたは形成された表面外形を有する水溶性不織基材24は、平らではない。
【0042】
図1に示すように、フェイシャルマスク22、例えば、水溶性不織基材24は、使用者の眼、鼻および口それぞれとのアライメントとして複数の開口部を含み、使用者の顔でのフェイシャルマスクの適当な位置決めを容易にする。例えば、図1に示すように、不織基材24は、使用者の右眼および左眼それぞれとのアライメントとして第1または右眼の開口部30および第2または左眼の開口部32を形成する。さらに、不織基材24は、使用者の鼻とのアライメントとして第3の開口部34、および使用者の口とのアライメントとして第4の開口部36を形成する。例示実施形態では、不織基材24は、1つまたは複数の領域、例えば、第1の領域40、第2の領域42、第3の領域44および第4の領域46などの複数の領域を含む。複数の領域のうちの各領域は、1種または複数の活性クレンジング配合物50を含有するように構成される。
【0043】
例えば、例示実施形態では、例えばしわを処置する第1の活性クレンジング配合物は、第1の領域40上またはその内側に含有され、および/または水溶性不織基材24の第2の領域42上またはその内側に含有され、例えば右眼または左眼それぞれのまわりの使用者の皮膚、および/または眼それぞれの下の使用者の皮膚と接触するように使用者の眼に対して位置決めすることができる。さらに、またはあるいは、水溶性不織基材24の第3の領域44は、例えば、使用者の額、および/または、使用者の鼻梁の使用者の皮膚と接触するように使用者の額に対して位置決めすることができる。例えば、第3の領域44は、例えばしわを処置する第1の活性クレンジング配合物、および/または、例えば挫瘡を処置する第2のクレンジング配合物を含有するように構成される。さらに、またはあるいは、水溶性不織基材24の第4の領域46は、使用者のほおおよび/または使用者のあごの1つまたは両方に対して、例えば、使用者のほお骨および/またはあごのまわりの使用者の皮膚と接触するように位置決めすることができる。第4の領域46は、例えば挫瘡を処置する第2の活性クレンジング配合物、および/または使用者の皮膚に追加のスキンウェルネス配合物を提供する異なる活性クレンジング配合物を含有するように構成される。
【0044】
例示実施形態では、第1の領域40、第2の領域42、第3の領域44および第4の領域46の各々は、水溶性フェイシャルマスク22の少なくとも一部を形成する。例示実施形態では、第1の領域40、第2の領域42、第3の領域44および/または第4の領域46の各々は、使用者の皮膚の所望の場所に活性クレンジング配合物50を効果的に送達する、例えば、それを放出するのに適切な寸法を有する。ある特定の実施形態では、第1の領域40、第2の領域42、第3の領域44または第4の領域46の1つまたは複数は、隣接する区域が重なっていてもよい。さらに、第1の領域40、第2の領域42、第3の領域44または第4の領域46の1つまたは複数は、使用前または使用中に、水溶性フェイシャルマスク22から分離することができる。
【0045】
例示実施形態では、例えば、フェイシャルマスク、ワイプ、シート、パッド、小袋またはストリップなどのスキンクレンジング物品は、使用者の皮膚に化粧品および/または皮膚治療薬を送達するように構成される。スキンクレンジング物品は、水溶性樹脂を含む複数の繊維を含む第1の不織基材を含む。第1の不織基材は、第1の領域に含有される第1の活性クレンジング配合物を含む少なくとも1つの第1の領域を有する。第2の不織基材は第1の不織基材に連結される。第2の不織基材は、水分散性樹脂および/または水溶性樹脂を含む複数の繊維を含む。第2の不織基材は、第2の領域に含有される第2の活性クレンジング配合物を含む少なくとも1つの第2の領域を有する。例示実施形態では、第1の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い時間(例えば30秒から300秒)接触すると、第1の不織基材は、MSTM-205により可溶性になって、第1の不織基材から第1の活性クレンジング配合物を放出する。ある特定の実施形態では、第2の不織基材は、水分散性樹脂を含む複数の繊維を含み、第2の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い時間(例えば、30秒から300秒)接触すると、第2の不織基材は、MSTM-205により分散性になって、第2の不織基材から第2の活性クレンジング配合物を放出する。ある特定の実施形態では、第2の不織基材は、水溶性樹脂を含む複数の繊維を含み、第2の不織基材が、10℃より高い温度を有する水をと300秒またはそれよりも短い時間(例えば、30秒から300秒)接触すると、第2の不織基材は、MSTM-205により可溶性になって、第2の不織基材から第2の活性クレンジング配合物を放出する。例示実施形態では、水溶性フィルム、水分散性フィルム、および/または、生分解性フィルムは、第1の不織基材および/または第2の不織基材に連結され、例えば、積層される。
【0046】
例示実施形態では、例えば、フェイシャルマスク、ワイプ、シート、パッド、小袋またはストリップなどのスキンクレンジング物品は、使用者の皮膚に化粧品および/または皮膚治療薬を送達するように構成される。スキンクレンジング物品は、水分散性樹脂を含む複数の繊維を含む第1の不織基材を含む。第1の不織基材は、第1の領域に含有される第1の活性クレンジング配合物を含む少なくとも1つの第1の領域を有する。第2の不織基材は第1の不織基材に連結される。第2の不織基材は、水分散性樹脂および/または水溶性樹脂を含む複数の繊維を含む。第2の不織基材は、第2の領域に含有される第2の活性クレンジング配合物を含む第2の領域を有する。第1の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い時間(例えば、30秒から300秒)接触すると、第1の不織基材は、MSTM-205により分散性になって、第1の不織基材から第1の活性クレンジング配合物を放出する。ある特定の実施形態では、第2の不織基材は、水分散性樹脂を含む複数の繊維を含み、第2の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い時間(例えば、30秒から300秒)接触すると、MSTM-205により第2の不織基材は分散性になって、第2の不織基材から第2の活性クレンジング配合物を放出する。ある特定の実施形態では、第2の不織基材は、水溶性樹脂を含む複数の繊維を含み、第2の不織基材は、10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い時間(例えば、30秒から300秒)接触すると、第2の不織基材は、MSTM-205により、可溶性になって、第2の不織基材から第2の活性クレンジング配合物を放出する。例示実施形態では、水溶性フィルム、水分散性フィルム、および/または、生分解性フィルムは、第1の不織基材、および/または、第2の不織基材に連結され、例えば積層される。
【0047】
さらに図1~3を参照すると、水溶性スキンクレンジング物品20は、水溶性樹脂を含む水溶性不織基材24を含む。例示実施形態では、水溶性不織基材24は、以下に限定されないが、PVOHポリマー繊維または最大90重量%のセルロース型繊維とブレンドされたPVOHポリマー繊維を含む任意の適切な繊維化学を含む。代替実施形態では、不織基材は水分散性繊維で作製される。例示実施形態では、水溶性不織基材24は、10gsm(1平方メートル当たりグラム)から120gsmの坪量、とりわけ15gsmから100gsm、さらにとりわけ30gsmから80gsm、さらにとりわけ30gsmから40gsm;10ミリメートル(mm)から100mmの繊維長;および5ミクロンから100ミクロンの適切な繊維直径を有する。他の例示実施形態では、水溶性不織基材24は、任意の適切な坪量、繊維長および/または繊維直径を有する。例えば、例示実施形態では、繊維直径は、5ミクロン未満であるか、または100ミクロンを超える。水溶性不織基材24の繊維は、以下に限定されないが、カーディングおよびカレンダープロセスまたは水溶性不織繊維の作製の任意の適切なプロセスを含む任意の適切な方法を使用して創出されてもよい。さらに、水溶性不織基材24の繊維は、以下に限定されないが、熱、熱による、化学物質、水、および/または溶液結合方法、または不織繊維結合の当技術分野で公知の任意の適切な結合方法を含む、任意の適切な結合プロセスまたは方法を使用して、一緒に結合される。本明細書に記述されるように、水溶性不織基材24は、任意の適切な数の層もしくはプライ、例えば、1層もしくは1プライから50層もしくは50プライ、またはある特定の実施形態ではより多くを含んでいてもよい。水溶性不織基材24は、多孔質でも非多孔質であってもよく、冷水可溶性、暖水可溶性または温水可溶性であってもよい。水溶性不織基材24は、以下に限定されないが、カーディングされたプロセスを含む不織布製造技術分野で公知の任意の適切な製造プロセスを使用して形成されてもよい。水溶性の基材22の構築物は例えば、折り畳まれた層もしくはプライ、積層された層もしくはプライ、および/または、ロール状層もしくはプライを含んでいてもよい。
【0048】
例示実施形態では、水溶性不織基材24は活性クレンジング配合物50を含有するように構成される。水溶性不織基材24が20℃より高い温度または30℃から40℃の間の温度を有する水と接触すると、水溶性不織基材24は可溶性となって、活性クレンジング配合物50を放出し、使用者の顔の所望の場所に活性クレンジング配合物50を送達する。活性クレンジング配合物50は、固体、例えば、粉末、複数の顆粒もしくは粒子、ゲル、液体もしくはスラリー配合物の形をとってもよく、または例えば固体、ゲル、液体もしくはスラリー配合物の任意の適切な組合せであってもよい。例示実施形態では、活性クレンジング配合物50は、例えば、固相、液相、スラリー相(固体および多重相を含有する液体)、または相の任意の適切な組合せを含む任意の適切な相である。例えば、活性クレンジング配合物50は、細かい粉末粒子または顆粒、ゲル、1種もしくは複数の液体、またはスラリー、または多重相を含んでいてもよい。例示実施形態では、活性クレンジング配合物50は、以下に限定されないが、ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、または発泡剤、洗剤、界面活性剤、乳化剤、キレート試薬、酵素、pH調整剤、ビルダー、構造剤、遊離のフレグランス、カプセル化フレグランス、防腐剤、溶媒、鉱物、および/または、スキンクレンジング配合物、スキンウェルネス配合物、またはパーソナルケア配合物中に含むのに適切な任意の成分の1つまたは複数を含む。例示実施形態では、スキンクレンジング物品20は、質量0.5グラム(g)から250グラム、とりわけ3.0グラムから8.0グラム、さらにとりわけ、精選した成分用に0.1gから3.0gおよび容積1.0ミリリットル(ml)から250mlを有する活性クレンジング配合物50を含む。活性クレンジング配合物50が固相である例示実施形態では、粒子または顆粒は、例えば1ミクロンから100ミクロンのサイズを有していてもよく、または錠剤の形であってもよい。
【0049】
例示実施形態では、活性クレンジング配合物50は、例えば活性クレンジング配合物50で水溶性不織基材24を飽和させることによって、1つまたは複数の表面、例えば、図2に示すように、水溶性不織基材24の第1の表面26および/または第2の表面28への活性クレンジング配合物50の配置することによって、図3に示すように、水溶性不織基材24のマトリックス52中、例えば水溶性不織基材24の1つまたは複数の層に活性クレンジング配合物50を埋め込むことによって、および/または異なる層、例えば水溶性不織基材24の隣接層間に活性クレンジング配合物50を配置すること、例えば活性クレンジング配合物50を用いて、例えば、1つまたは複数の層の1つまたは複数の表面をコーティングすることによって、水溶性不織基材24中、基材24にまたは基材24によって含有される。活性クレンジング配合物50は、例えば水溶性不織基材24の表面に含浸され、吸着され、および/または、接着され、結合されてもよい。
【0050】
図2に示されるような例示実施形態では、スキンクレンジング物品20は、不織シート54の形をとる水溶性不織基材24の1つまたは複数の層、および水溶性不織基材24の第1の表面26および/または反対側の第2の表面28に配置された固相の活性クレンジング配合物50を含む。図3に示されるような例示実施形態では、スキンクレンジング物品20は、水溶性不織基材24のマトリックス52内に埋め込まれた、固相の活性クレンジング配合物50を含有する不織シート54を形成する水溶性不織基材24の1つまたは複数の層を含む。
【0051】
図1~3をさらに参照すると、例示実施形態では、水溶性不織基材24は、図1~3で明示的には示されないが、本明細書に記述される複数の繊維を含む。例示実施形態では、複数の繊維の1つまたは複数の繊維は、活性クレンジング配合物50で飽和されているか、またはそれに含浸されている。活性クレンジング配合物50は、複数の繊維の1つもしくは複数の繊維に、または複数の繊維の1つもしくは複数の隣接した繊維間に埋め込まれてもよく、または、活性クレンジング配合物50は、複数の繊維の1つまたは複数の繊維の表面に配置され、例えばコーティングされてもよい。
【0052】
図4に示すように、厚紙、板紙、コーティングされた紙、障壁紙、再パルプ化可能な包装、再利用可能なプラスチック、または他の紙系材料などの適切な再利用可能材料で作製された持続可能な包装60は、1つまたは複数のフェイシャルマスク22、例えば複数のフェイシャルマスク22を含有または保管するように構成される。使用者は、使用前に、タブ62を開けて、使用のための包装60の内部から1つのフェイシャルマスク22を取り出す。次いで、タブ62は、包装60を閉じて封止する。例示実施形態では、フェイシャルマスクは最初に乾燥した状態で提供され、水は、使用前または使用中にフェイシャルマスクに添加される。
【0053】
例示実施形態では、使用者の皮膚の区域に位置決めすることができる例示の水溶性スキンクレンジング物品20が提供される。例えば、フェイシャルマスク22の形をとる水溶性スキンクレンジング物品20は、使用者の顔の皮膚表面の少なくとも一部と接触するように使用者の顔に位置決めすることができる。例えば、第1の開口部30は使用者の右眼に並べ、右眼のまわりに位置決めされ、第2の開口部32は使用者の左眼に並べ、左眼のまわりに位置決めされる。さらに、第3の開口部34は使用者の鼻に並べ、鼻のまわりに位置決めされ、第4の開口部36は使用者の口に並べ、口のまわりに位置決めされる。使用者の顔に正確に位置決めされたフェイシャルマスク22を用いると、1種または複数の活性クレンジング配合物50を含有するフェイシャルマスク22の第1の領域40、第2の領域42、第3の領域44および第4の領域46などの1つまたは複数の領域、例えば、複数の領域は、使用者の顔の皮膚表面のそれぞれの領域と接触するように正確に位置決めされる。例えば、しわを処置するなどの第1の活性クレンジング配合物は、例えば、水溶性不織基材24の第1の領域40上または内側に含有され、および/または第2の領域42上または内側に含有され、例えば、右眼または左眼それぞれのまわりの使用者の皮膚および/またはそれぞれの眼の下の使用者の皮膚と接触するように、使用者の眼に対して位置決めされる。水溶性不織基材24の第3の領域44は、例えば、使用者の額および/または使用者の鼻梁の使用者の皮膚と接触するように、使用者の額に対して位置決めされる。例えば、第3の領域44は、例えばしわを処置する第1の活性クレンジング配合物、および/または、例えば挫瘡を処置する第2のクレンジング配合物を含有するように構成される。水溶性不織基材24の第4の領域46は、例えば、使用者のほお骨および/またはあごのまわりの使用者の皮膚と接触するように、使用者のほおおよび/または使用者のあごの一方または両方に対して位置決めされる。第4の領域46は、例えば挫瘡を処置する第2の活性クレンジング配合物、および/または、使用者の皮膚に追加のスキンウェルネス配合物を提供する異なる活性クレンジング配合物を含有するように構成される。以下に限定されないが、水和する、湿らせる、増白する、引き締める、および/または、細孔を浄化する効果、または香料もしくは天然香料入りのエッセンシャルオイルもしくは抽出物を含む様々な所望の効果を提供する任意の適切なスキンケア成分は、例示実施形態では、1種または複数の活性クレンジング配合物中に含まれていてもよい。水溶性スキンクレンジング物品20、例えば、フェイシャルマスク22が、20℃より高い温度を有する水、または30℃から40℃の間の温度を有する水と接触したら、水溶性スキンクレンジング物品20は可溶性になって、フェイシャルマスク22の1つまたは複数の領域の1種または複数の活性クレンジング配合物50を放出する。使用後、フェイシャルマスク22の任意の残存する部分も、使用者の顔から除去され廃棄される。あるいは、例示実施形態では、フェイシャルマスク22の残りの部分、および/または、任意の残りの活性スキン配合物50は、使用者が彼または彼女の濡れた手または指を使用して、彼または彼女の皮膚にマッサージすることができる泡を形成する。例示実施形態では、使用者は活性スキン配合物50を全て使用でき、彼または彼女は、あたかも活性スキン配合物50全体量を利用していないかのようには感じない。ある特定の例示実施形態では、複数の領域の2つまたはそれよりも多い領域、例えば、フェイシャルマスク22の第1の領域40、第2の領域42、第3の領域44および/または第4の領域46は、また同一または実質的に同一のクレンジング配合物50を含んでいてもよい。
【0054】
ここで図5を参照すると、例示実施形態では、活性クレンジング配合物を含有するスキンクレンジング物品を作製する例示の方法100は、ステップ102、104および/または106を含む。ステップ102で、水溶性樹脂を含む水溶性コア基材が形成される。例示実施形態では、水溶性不織基材は、第1の活性クレンジング配合物を含有するように構成された第1の領域、および第2の活性クレンジング配合物を含有するように構成された第2の領域を有する。ステップ104で、第1の活性クレンジング配合物は第1の領域に含有される。ステップ106で、第2の活性クレンジング配合物は第2の領域に含有される。水溶性不織基材が20℃より高い温度を有する水と接触すると、水溶性不織基材はMSTM-205により可溶性になって、第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つを放出する。
【0055】
例示実施形態では、水溶性樹脂を含む水溶性コア基材を形成するステップ102は、水溶性不織基材の1つまたは複数の層を形成することを含む。例示実施形態では、水溶性コア基材、例えば、水溶性不織基材は、本明細書に記述されるような1種または複数の活性クレンジング配合物を含有するように構成される。例示実施形態では、活性クレンジング配合物50は、例えば、活性クレンジング配合物50で水溶性不織基材24を飽和させることによって、1つまたは複数の表面、例えば、図2に示すように、水溶性不織基材24の第1の表面28および/または第2の表面30に活性クレンジング配合物50を配置することによって、水溶性不織基材24のマトリックス52中に、例えば図3に示すように水溶性不織基材24の1つまたは複数の層中に活性クレンジング配合物50を埋め込むことによって、および/または、異なる層、例えば水溶性不織基材24の隣接層間に活性クレンジング配合物50を配置することによって、例えば1つまたは複数の層の1つまたは複数の表面を、例えば、活性クレンジング配合物50を用いてコーティングすることによって、水溶性不織基材24中にまたはそれによって含有される。活性クレンジング配合物50は、例えば水溶性不織基材24の表面に吸着され、および/または、接着され、または結合されてもよい。水溶性コア基材が、20℃より高い温度を有する水、または30℃から40℃の間の温度を有する水と接触すると、水溶性コア基材は可溶性になって、活性クレンジング配合物を放出する。
水溶性フィルムおよび繊維形成材料
【0056】
水溶性繊維、水溶性不織基材、水溶性フォーム基材、および水溶性フィルム中で使用される水溶性ポリマーには、限定するものではないが、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、水溶性天然ポリマーであって限定するものではないがグアールガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、およびデンプンを含むもの、水溶性ポリマー誘導体であって限定するものではないが加工デンプン、エトキシル化デンプン、およびヒドロキシプロピル化デンプンを含むもの、前述のコポリマー、および前述のいずれかの組合せが含まれる。他の水溶性ポリマーは、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびその塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、および前述のいずれかの組合せを含むことができる。そのような水溶性ポリマーは、PVOHポリマーであってもその他のであっても、様々な供給元から市販されている。
【0057】
一般に、本明細書に記述される繊維、フォームおよびフィルムはポリビニルアルコールを含む。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルのアルコール分解によって、通常は「加水分解」または「鹸化」と呼ばれるものによって一般に調製される合成ポリマーである。事実上全てのアセテート基がアルコール基に変換されている、完全に加水分解したPVOHは、温水、例えば、約140°F(約60℃)よりも高い温度を有する水のみに溶解する強力に水素結合した高度結晶質ポリマーである。十分な数のアセテート基が、ポリ酢酸ビニルの加水分解後に残される場合、即ちPVOHポリマーが部分的に加水分解する場合、ポリマーは、より弱く水素結合した低度結晶質であり、一般に冷水、例えば約50°F(約10℃)未満の温度を有する水に可溶である。したがって部分加水分解ポリマーは、PVOHコポリマーであるビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーであるが、一般にPVOHと呼ばれる。
【0058】
ある特定の例示実施形態では、そのようなポリマーの適切な例は、以下に限定されないが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、修飾ポリビニルアルコールコポリマー、およびこれらの組合せを含む。例えば、ポリビニルアルコールコポリマーは、ある特定の実施形態では、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーである。例えば一部の実施形態では、修飾ポリビニルアルコールコポリマーは、カルボキシレート、スルホネートまたはこれらの組合せなどの追加の基をさらに含む、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーであってもよい陰イオン修飾コポリマーを含む。したがって、部分的に加水分解されたポリマーは、PVOHコポリマーであるビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーであるが、しかし、普通「ポリビニルアルコール(PVOH)」または「PVOHポリマー」と呼ばれる。簡単には、本明細書で使用される用語「PVOHポリマー」は、ビニルアルコール部分、例えば、50%またはそれよりも大きいビニルアルコール部分を含む、ホモポリマー、コポリマーおよび修飾コポリマーを包含すると理解される。
【0059】
本明細書に記述される繊維、フォームおよび/またはフィルムは、1種または複数のポリビニルアルコール(PVOH)ホモポリマー、1種または複数のポリビニルアルコールコポリマー、1種または複数の修飾ポリビニルアルコールコポリマー、またはそれらの組合せを含むことができる。本明細書で使用される場合、「ホモポリマー」という用語は一般に、単一タイプのモノマー反復単位を有するポリマー(例えば、単一モノマー反復単位からなるまたはそのような単位から本質的になるポリマー鎖)を含む。PVOHの特定の場合では、「「PVOHポリマー」という用語はさらに、加水分解度に応じてビニルアルコールモノマー単位および酢酸ビニルモノマー単位の分布からなるコポリマーを含む(例えば、ポリマー鎖はビニルアルコールおよび酢酸ビニルモノマー単位からなるまたはそのような単位から本質的になる)。100%加水分解の限定的な場合では、PVOHホモポリマーは、ビニルアルコール単位のみ有する真のホモポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の繊維、フォームおよび/またはフィルムはポリビニルアルコールコポリマーを含む。一部の実施形態では、本開示の繊維、フォームおよび/またはフィルムは、冷水可溶性または温水可溶性ポリビニルアルコールコポリマーを含む。
【0060】
明白に他の方法で示されない限り、「加水分解度」という用語は、初期のポリマーの加水分解可能な部分全ての間のうち、加水分解された部分のパーセンテージ(例えばモル百分率)として理解される。例えば、酢酸ビニル部分またはビニルアルコール部分の少なくとも1つを含むポリマーについては、酢酸ビニル部分中のエステル基のヒドロキシル基との部分的な置き換えが、加水分解中に生じ、酢酸ビニル部分はビニルアルコール部分になる。ポリ酢酸ビニルホモポリマーの加水分解度は0と考えられ、一方、ポリビニルアルコールホモポリマーの加水分解度は100%と考えられる。酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーの加水分解度は、酢酸ビニルおよびビニルアルコール部分の合計の間のうち、ビニルアルコール部分のパーセンテージと等しく、0から100%の間にあると考えられる。
【0061】
一部の実施形態では、ポリビニルアルコールポリマーは、修飾ポリビニルアルコール、例えば、コポリマーを含む。修飾ポリビニルアルコールは、コポリマーまたは高級ポリマー(例えば、ターポリマー)であって、1つまたは複数のモノマーを、酢酸ビニル/ビニルアルコール基に加えて含むものを、含むことができる。必要に応じて、修飾は中性であり、例えばエチレン、プロピレン、N-ビニルピロリドン、またはその他の非荷電モノマー種により提供される。必要に応じて、修飾は陽イオン修飾であり、例えば正に帯電したモノマー種によって提供される。必要に応じて、修飾は陰イオン修飾である。したがって一部の実施形態では、ポリビニルアルコールは、陰イオン修飾ポリビニルアルコールを含む。
【0062】
陰イオン修飾ポリビニルアルコールは、陰イオンモノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位、および必要に応じて酢酸ビニルモノマー単位を含む(即ち、完全には加水分解されないとき)、部分的にまたは完全に加水分解したPVOHコポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、修飾PVOHコポリマーは、2つまたはそれよりも多くのタイプの陰イオンモノマー単位を含むことができる。PVOHコポリマーに使用することができる陰イオンモノマー単位の一般的クラスは、スルホン酸ビニルモノマーおよびそのエステル、モノカルボン酸ビニルモノマー、そのエステルおよび無水物、重合性二重結合を有するジカルボン酸モノマー、そのエステルおよび無水物、ならびに前述のいずれかのアルカリ金属塩に対応するビニル重合単位を含む。適切な陰イオンモノマー単位の例には、ビニル酢酸、マレイン酸、モノアルキルマレエート、ジアルキルマレエート、マレイン酸無水物、フマル酸、モノアルキルフマレート、ジアルキルフマレート、イタコン酸、モノアルキルイタコネート、ジアルキルイタコネート、シトラコン酸、モノアルキルシトラコネート、ジアルキルシトラコネート、シトラコン酸無水物、メサコン酸、モノアルキルメサコネート、ジアルキルメサコネート、グルタコン酸、モノアルキルグルタコネート、ジアルキルグルタコネート、アルキルアクリレート、アルキルアルカクリレート、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリル酸2-スルホエチル、前述のアルカリ金属塩(例えば、ナトリム、カリウム、またはその他のアルカリ金属塩)、前述のエステル(例えば、メチル、エチル、またはその他のC~CまたはCアルキルエステル)、および前述の組合せ(例えば、多重タイプの陰イオンモノマーまたは同じ陰イオンモノマーの等価形態)を含む、ビニル陰イオンモノマーに相当するビニル重合単位が含まれる。一部の実施形態では、修飾PVOHコポリマーは、中性、陰イオン性、および陽イオン性モノマー単位から選択される2つまたはそれよりも多くのタイプのモノマー単位を含むことができる。
【0063】
PVOHコポリマー中の1つまたは複数の陰イオンモノマー単位の組込みレベルは、特に限定されない。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の陰イオンモノマー単位が、約1mol%または2mol%から約6mol%または10mol%の範囲の量で、PVOHコポリマー中に存在する(例えば、様々な実施形態において少なくとも1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、または4.0mol%、および/または最大約3.0、4.0、4.5、5.0、6.0、8.0、または10mol%)。
【0064】
ポリビニルアルコールは、溶解度特性の変化に影響を受ける可能性がある。co-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(PVOHコポリマー)のアセテート基は、酸またはアルカリ加水分解のいずれかによって加水分解可能であることが当業者に公知である。加水分解度が上昇するにつれ、PVOHコポリマーから作製されたポリマー組成物は高い機械的強度を有することになるが、低温では溶解度が低減する(例えば、完全溶解のためには温水温度を必要とする)。したがって、アルカリ環境(例えば、洗濯用漂白添加剤から得られる)へのPVOHコポリマーの曝露は、ポリマーを、所与の水性環境(例えば、冷水媒体)に素早く完全に溶解するものから、水性環境にゆっくりかつ/または不完全に溶解するものに変換し、おそらくは溶解しないポリマー残留物をもたらすことができる。
【0065】
本開示の水溶性繊維、フォームおよびフィルムに含まれるPVOHホモポリマーおよびPVOHコポリマー(修飾PVOHコポリマーを含む)の加水分解度(DH)は、約75%から約99.9%の範囲(例えば、約79%から約92%、約75%から約89%、約80%から約90%、約88%から92%、約86.5%から約89%、または約88%、90%、または92%、冷水可溶組成物に関して;約90%から約99.9%、約90%から約99%、約92%から約99%、約95%から約99%、約98%から約99%、約98%から約99.9%、約96%、約98%、約99%、または99%よりも多い)にすることができる。加水分解度が低減するにつれ、ポリマーから作製された繊維、フォーム、またはフィルムは、低減した機械的強度を有するようになるが、約20℃よりも下の温度でより速い溶解度を有するようになる。加水分解度が増大するにつれ、ポリマーから作製される繊維、フォーム、またはフィルムは、機械的により強くなる傾向になり、熱形成性は低下する傾向になる。PVOHの加水分解度は、ポリマーの水溶性が温度依存的であるように選択することができ、したがってポリマーおよび追加の成分から作製されるフィルム、フォーム、または繊維の溶解度も影響を受ける。ある特定の実施形態では、フィルム、フォームおよび/または繊維は冷水可溶性である。他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(例えば、陰イオンモノマーと共重合しないコポリマー)では、10℃未満の温度の水に可溶な冷水可溶繊維、フォーム、またはフィルムは、約75%から約90%、約75%から約89%の範囲の、または約80%から約90%の範囲の、または約85%から約90%の範囲の加水分解度のPVOHを含むことができる。別の実施形態では、繊維、フォーム、またはフィルムは、温水可溶性である。他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(例えば、陰イオンモノマーと共重合しないコポリマー)では、少なくとも約60℃の温度の水に可溶な温水可溶繊維、フォーム、またはフィルムは、少なくとも約98%の加水分解度を持つPVOHを含むことができる。例示実施形態では、複数の繊維の1つまたは複数は、約75%から約99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。例示実施形態では、複数の繊維の1つまたは複数は、約75%から約98%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。例示実施形態では、複数の繊維の1つまたは複数は、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。例示実施形態では、複数の繊維の1つまたは複数は、約90%から約99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。例示実施形態では、水溶性フィルムは、約75%から約99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーまたは修飾PVOHコポリマーを含む。例示実施形態では、水溶性フィルムは、約75%から約98%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーを含む。
【0066】
ポリマーブレンドの加水分解度は、算術加重平均加水分解度(
【数1】
)により特徴付けることもできる。例えば、2種またはそれよりも多くのPVOHポリマーを含むPVOHポリマーに関する
【数2】
は、式
【数3】
により計算され、式中、Wは、それぞれのPVOHポリマーのモル百分率であり、Hは、それぞれの加水分解度である。ポリマーが特定の加水分解度を有する(または持たない)と称されるとき、ポリマーは、指定された位加水分解度を有する単一ポリビニルアルコールポリマー、または指定された平均加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーのブレンドとすることができる。
【0067】
PVOHポリマー(μ)の粘度は、英国規格EN ISO 15023-2:2006 Annex E Brookfield試験法に記載されるように、ULアダプターを持つBrookfield LV型粘度計を使用して、新たに作製された溶液を測定することによって決定される。20℃での4%水性ポリビニルアルコール溶液の粘度について言及することが、国際的慣例である。センチポアズ(cP)を単位として本明細書で指定される全ての粘度は、他に指定されない限り、20℃での4%水性ポリビニルアルコール溶液の粘度を指すと理解されるべきである。同様にポリマーが、他に指定されない限り特定の粘度を有する(または持たない)と記述されるとき、指定された粘度はポリマーの平均粘度であり、対応する分子量分布を固有に有する、即ち重み付き自然対数平均粘度であるものとする。PVOHポリマーの粘度は、PVOHポリマーの重量平均分子量(
【数4】
)に相関し、しばしば粘度が
【数5】
の代用として使用されることが、当技術分野では周知である。
【0068】
例示実施形態では、PVOH樹脂は、約1.0から約50.0cP、約1.0から約40.0cP、または約1.0から約30.0cP、例えば約4cP、8cP、15cP、18cP、23cP、または26cPの粘度を有していてもよい。例示実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約1.0から約40.0cP、または約5cPから約23cP、例えば約1cP、1.5cP、2cP、2.5cP、3cP、3.5cP、4cP、4.5cP、5cP、5.5cP、6cP、6.5cP、7cP、7.5cP、8cP、8.5cP、9cP、9.5cP、10cP、11cP、12cP、13cP、14cP、15cP、17.5cP、18cP、19cP、20cP、21cP、22cP、23cP、24cP、25cP、26cP、27cP、28cP、29cP、30cP、31cP、32cP、33cP、34cP、35cP、または40cPの粘度を有していてもよい。例示実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約21cPから26cPの粘度を有していてもよい。例示実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約5cPから約14cPの粘度を有することができる。例示実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約5cPから約23cPの粘度を有することができる。
【0069】
水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールポリマーであってもそうでなくても、ブレンドすることができる。ポリマーブレンドがポリビニルアルコールポリマーのブレンドを含む場合、PVOHポリマーブレンドは、PVOHコポリマーまたは1つもしくは複数のタイプの陰イオン性モノマー単位を含む修飾PVOHコポリマー(例えば、PVOHター(または高級コ)ポリマー)を含むことができる第1のPVOHポリマー(「第1のPVOHポリマー」)と、PVOHコポリマーまたは1つもしくは複数のタイプの陰イオン性モノマー単位を含むPVOH修飾コポリマー(例えば、PVOHター(または高級コ)ポリマー)を含むことができる第2のPVOHポリマー(「第2のPVOHポリマー」)とを含むことができる。一部の実施形態では、PVOHポリマーブレンドは、第1のPVOHポリマーおよび第2のPVOHポリマー(例えば、2種のポリマーの二元ブレンド)のみを含む。あるいは、またはさらに、PVOHポリマーブレンドまたはそれから作製された繊維、フォームもしくはフィルムは、その他のポリマー(例えば、一般にその他の水溶性ポリマー、特にその他のPVOH系ポリマー、またはその両方)を含まないまたは実質的に含まないと特徴付けることができる。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」は、第1のPVOHポリマーおよび第2のPVOHポリマーが、水溶性繊維、フォームまたはフィルム中の水溶性ポリマーの総量の少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、または少なくとも99重量%を構成することを意味する。他の実施形態では、水溶性繊維、フォームまたはフィルムは、1種または複数の追加の水溶性ポリマーを含むことができる。例えば、PVOHポリマーブレンドは、第3のPVOHポリマー、第4のPVOHポリマー、第5のPVOHポリマーなど(例えば、陰イオン性モノマー単位を持つまたは持たない1種または複数の追加のPVOHコポリマーまたは修飾PVOHコポリマー)を含むことができる。例えば水溶性繊維またはフィルムは、PVOHポリマー以外(例えば、陰イオン性モノマー単位を持つまたは持たない、PVOHコポリマーまたは修飾PVOHコポリマー以外)の、少なくとも第3(または第4、第5など)の水溶性ポリマーを含むことができる。PVOHホモポリマーもまた各ブレンド中に含まれてもよい。
生分解性
【0070】
ポリビニルアルコールポリマーは、好気性、嫌気性、土壌、および堆肥条件下、水および酵素の存在下で分解するので、一般に生分解性である。一般に、ポリビニルアルコールポリマーの加水分解度が約80%まで増大するにつれ、ポリビニルアルコールポリマーの生分解活性は増大する。理論に拘泥するものではないが、80%を超える加水分解度の上昇は、明らかに生分解性に影響を及ぼすものではないと考えられる。さらに、ポリビニルアルコールポリマーのヒドロキシル基の立体規則性は、生分解性活性レベルに大きな影響を及ぼし、ポリマー配列のヒドロキシル基がよりアイソタクチックであるほど、分解活性はより高くなる。理論に拘泥するものではないが、土壌および/または堆肥の生分解では、フィルムに対して不織基材または不織ウェブにより提供されたポリマー表面積の増大に起因して、ポリビニルアルコール繊維から調製された不織基材または不織ウェブが、類似のポリビニルアルコールポリマーから調製された水溶性フィルムに対して、より高い生分解活性レベルを有することになると考えられる。さらに、理論に拘泥するものではないが、ポリビニルアルコールポリマーの重合度は、ポリマーで調製されたフィルム、フォームまたは不織基材もしくは不織ウェブの生分解性にほとんどまたはまったく影響を及ぼさないが、重合温度がポリマーの結晶化度および凝集状態に影響を及ぼす可能性があるので、重合温度はフィルム、フォーム基材または不織基材の生分解性に影響を及ぼし得ると考えられる。結晶化度が低下するにつれ、ポリマー鎖ヒドロキシル基はポリマー構造内でそれほど並ばないようになり、ポリマー鎖は、より不規則になって非晶質凝集体として鎖を蓄積させ、それによって、規則正しいポリマー構造の利用可能性が低下して、生分解活性は、ポリマーが溶解しない土壌および/または堆肥の生分解メカニズムを低下させると予測されるようになる。理論に拘泥するものではないが、ポリビニルアルコールポリマーのヒドロキシル基の立体規則性は生分解性活性レベルに大きな影響を及ぼすので、ヒドロキシル基以外の官能基(例えば、陰イオン性AMPS官能基、カルボキシレート基、またはラクトン基)の置換は、官能基自体も生分解しない限り、同じ加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーに対して生分解性活性レベルを低下させることが予測され、その場合、ポリマーの生分解性は置換により増大する可能性があると考えられる。さらに、置換ポリビニルアルコールの生分解性活性レベルは、対応するホモポリマーまたはコポリマーの場合よりも低くすることができるが、置換ポリビニルアルコールは依然として生分解性を示すことになると考えられる。
【0071】
生分解活性を決定する方法は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChiellini et al., Progress in Polymer Science, Volume 28, Issue 6, 2003, pp. 963-1014に記載されるように、当技術分野で公知である。他の方法および規格は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるECHA’s Annex XV Restriction Report - Microplastics, Version number 1, January 11, 2019に見い出すことができる。適切な規格には、OECD 301B(易生分解)、OECD 301B(強化された生分解)、OECD 302B(固有の生分解)、OECD 311(嫌気性)、およびASTM D5988(土壌)が含まれる。
【0072】
例示実施形態では、本明細書に記述される繊維は、標準的な易生分解または強化された分解のものとすることができる。本明細書で使用される場合、「易生分解」という用語は、ECHA’s Annex XVに記載されるようにOECD 301B試験に従って試験の開始から28日以内に材料(例えば、繊維)が60%の生分解(鉱化)に達した場合に、適合する規格を指す。本明細書で使用される場合、「強化された生分解」という用語は、ECHA’s Annex XVに記載されるようにOECD 301B試験に従って試験の開始から60日以内に材料(例えば、繊維)が60%の生分解に達した場合に、適合する規格を指す。例示実施形態では、繊維は、易生分解の規格を満たす。
活性クレンジング配合物
【0073】
例示実施形態では、水溶性スキンクレンジング物品、とりわけ、水溶性コア基材は、本明細書に記述されるスキンクレンジング配合物またはスキンウェルネス配合物、および/または、1種または複数の補助剤などの1種または複数の活性クレンジング配合物を含有するように構成される。適切な例示は一般に、スキンクレンジング剤、挫瘡トリートメント薬剤、皮膚軟化薬、保湿薬、コンディショナー、しわ取り薬、日焼け止め(SPF)、リンス助剤、特定のpHとなるようにインサイチューでまたは配合物中で中和されたアルファヒドロキシル酸を含む。例示実施形態では、活性クレンジング配合物は、水溶性コア基材の1つまたは複数の表面に配置もしくはコーティングされ、または、水溶性コア基材に埋め込まれおよび/または接着される。水溶性コア基材は、単層、例えば、単層の不織コア基材を含んでいてもよく、または複数の層、例えば、蛇行状の配列で折り畳まれて、もしくは、例えば、重ねて水溶性不織コア基材の隣接層間に配置された活性クレンジング配合物を含む層を形成する不織コア基材のシートを含んでいてもよい。例示として、活性クレンジング配合物は、以下に限定されないが、ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、発泡剤、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、スキンローション、スキントリートメント、ボディオイル、フレグランス、ヘアトリートメント、バスソルト、エッセンシャルオイル、バスボム、酵素、洗剤、界面活性剤、乳化剤、キレート試薬、pH調整剤、ビルダー、構造剤、遊離のフレグランス、カプセル化フレグランス、防腐剤、溶媒、または鉱物、および/またはスキンクレンジング配合物、スキンウェルネス配合物、またはパーソナルケア配合物中に含むのに適切な任意の成分の1つまたは複数を含んでもよい。
補助剤
【0074】
一般に、フィルム形成、フォーム形成および/または繊維形成材料と共に、本開示の繊維、不織基材もしくはウェブ、フォーム基材、および/または水溶性フィルムは、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性化剤、潤滑剤、剥離剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、抗酸化剤、粘着防止剤、消泡剤、ナノ粒子、例えば層状化シリケート型ナノクレー(例えば、ナトリウムモンモリロナイト)、漂白剤(例えば、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、または同様のもの)、嫌悪剤、例えば苦味剤(例えば、デナトニウム塩、例えば安息香酸デナトニウム、デナトニウムサッカライド、および塩化デナトニウム;スクロースオクタアセテート;キニン;フラボノイド、例えばケルセチンおよびナリンゲン;およびカシノイド、例えばカシンおよびブルシン)、および辛味剤(例えば、カプサイシン、ピペリン、アリルイソチオシアネート、およびレシンフェラトキシン)、およびその他の機能性成分などであるがこれらに限定されない補助剤を、これらの意図される目的に適した量で含むことができる。本明細書で使用される場合、および他に指定されない限り、「補助剤」は、二次添加剤、加工剤、および活性剤を含む。そのような特定の補助剤は、水溶性繊維、非水溶性繊維、不織ウェブ、フォームまたは水溶性フィルムでの使用に適したものでの使用に適したものから選択することができる。
【0075】
例示実施形態では、繊維、フォーム、および/またはフィルムは、補助剤を含まなくてもよい。本明細書で使用される場合、および他に指定されない限り、繊維に関して「補助剤を含まない」は、繊維が、繊維の全重量に対して補助剤を約0.01重量%未満、約0.005重量%未満、または約0.001重量%未満含むことを意味する。本明細書で使用される場合、および他に指定されない限り、不織基材またはウェブに関して「補助剤を含まない」は、不織基材またはウェブが、不織基材またはウェブの全重量に対して補助剤を約0.01重量%未満、約0.005重量%未満、または約0.001重量%未満含むことを意味する。例示実施形態では、水溶性繊維は可塑剤を含む。例示実施形態では、水溶性繊維は界面活性剤を含む。例示実施形態では、非水溶性繊維は可塑剤を含む。例示実施形態では、非水溶性繊維は界面活性剤を含む。例示実施形態では、不織基材またはウェブは可塑剤を含む。例示実施形態では、不織基材またはウェブは界面活性剤を含む。
【0076】
可塑剤は、その材料をより柔軟にし、よりフレキシブルにし(ポリマーのガラス転移温度を低下させることによって)、または加工するのをより容易にする、材料(通常は、樹脂またはエラストマー)に添加される液体、固体、または半固体である。ポリマーは、代替として、ポリマーまたはモノマーを化学的に修飾することによって内部を可塑化することができる。さらに、または代替として、ポリマーは、適切な可塑剤の添加によって外部を可塑化することができる。水は、PVOHおよびその他のポリマーであって水溶性ポリマーを含むがこれに限定されないものにとって、非常に効率的な可塑剤であると認識され、しかしながら水の揮発性は、ポリマーフィルムが、低いおよび高い相対湿度を含む様々な周囲条件に対して少なくともいくらかの耐性(堅牢性)を有する必要があるので、その有用性に限りがある。
【0077】
可塑剤には、以下に限定されないが、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、1000MWまでのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ソルビトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPDiol(登録商標))、エタノールアミン、およびこれらの混合物を含めることができる。
【0078】
フィルムに使用される界面活性剤は、当技術分野で周知であり、本開示の繊維、フォーム、フィルム、および/または組成物に適切に使用することができる。必要に応じて界面活性剤が、カーディング中に繊維の分散を助けるために含まれる。必要に応じて界面活性剤は、クレンジング補助剤として含まれる。適切な界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、および両性イオン性のクラスを含むことができる。適切な界面活性剤には、限定するものではないがプロピレングリコール、ジエチレングリコール、モノエタノールアミン、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール、およびアルカノールアミド(非イオン性)、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、および第四級化ポリオキシエチレン化アミン(陽イオン性)、約8から24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルフェート、アルキルポリエトキシレートスルフェート、およびアルキルベンゼンスルホネート(陰イオン性)、およびアミンオキシド、N-アルキルベタイン、およびスルホベタイン(両性イオン性)が含まれる。その他の適切な界面活性剤には、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、グリセリンおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチル酸エステル、ナトリウムアルキルスルフェート、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセリンおよびプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、およびラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸のアセチル化エステル、ミリスチルジメチルアミンオキシド、トリメチルタローアルキルアンモニウムクロリド、第四級アンモニウム化合物、約8から24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルフェート、アルキルポリエトキシレートスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、モノエタノールアミン、ラウリルアルコールエトキシレート、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ナトリウムココイルイセチオネート、ラウリル硫酸ナトリウム、グルコタイン、フェナミド、コーラ脂質、コカミド、例えばコカミドエタノールアミン、エチレンオキシド系界面活性剤、アボカドおよびパームの鹸化油、これらの塩、および前述のいずれかの組合せが含まれる。例示実施形態では、界面活性剤はコカミドを含む。理論に拘泥するものではないが、コカミドは、フォーム形成を助け、パーソナルケア組成物を含む物品の起泡経験を強化することができると考えられる。様々な実施形態では、繊維中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約10重量%、約0.1重量%から約5重量%、約1.0重量%から約2.5重量%、約0.01重量%から約1.5重量%、約0.1重量%から約1重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。
【0079】
例示実施形態では、本開示の不織基材またはウェブ、フォームおよび/またはフィルムは、さらに:角質除去剤(化学的角質除去剤および機械的角質除去剤)、フレグランスおよび/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1種または複数の補助剤などの、補助剤を含むことができる。
【0080】
例示実施形態では、補助剤は、不織ウェブ、フォーム、複数の繊維、および水溶性フィルムの1つまたは複数の中または上に提供される。例示実施形態では、活性クレンジング配合物は、不織ウェブ、複数の繊維、および水溶性フィルムの群の1つまたは複数の上または中に提供される。例示実施形態では、1種または複数の補助剤は、不織ウェブの表面に提供することができる。例示実施形態では、1種または複数の補助剤は、不織ウェブの繊維内に分散させることができる。例示実施形態では、1種または複数の補助剤は、不織ウェブの面に分散させることができる。例示実施形態では、1種または複数の補助剤は、繊維中に分散させることができる。例示実施形態では、1種または複数の補助剤は、繊維上に分散させることができる。例示実施形態では、1種または複数の補助剤は、水溶性フィルムの面に提供することができる。
【0081】
化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料ノマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、タンパク質、ペプチド、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、存在する場合、ポリマー混合物(例えば、繊維形成材料またはフィルム形成材料)の重量に対して少なくとも約1重量%、または約1重量%から約99重量%の範囲の量で提供することができる。例示実施形態では、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および/または化粧剤は、ヒトの皮膚角質除去などの追加の機能性を、繊維および/またはフィルムに提供するのに十分な量で提供することができる。化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、固体(例えば、粉末、顆粒、結晶、薄片、またはリボン)、液体、展膏剤、ペースト、気体などを含む任意の所望の形をとることができ、必要に応じてマイクロカプセルなど、カプセル化することができる。
【0082】
ある特定の実施形態では、不織基材またはウェブ、フォームおよび/またはフィルムは酵素を含むことができる。適切な酵素には、6つの従来の酵素委員会(EC)カテゴリー、即ちEC1のオキシドレダクターゼ(酸化/還元反応を触媒する)、EC2のトランスフェラーゼ(官能基、例えばメチルまたはホスフェート基を移送する)、EC3のヒドロラーゼ(様々な結合の加水分解を触媒する)、EC4のリアーゼ(加水分解および酸化以外を用いることによって様々な結合を切断する)、EC5のイソメラーゼ(分子内の異性化の変化を触媒する)、およびEC6のリガーゼ(共有結合で2個の分子を接合する)のいずれか1つに分類された酵素が含まれる。そのような酵素の例には、EC1のデヒドロゲナーゼおよびオキシダーゼ、EC2のトランサミナーゼおよびキナーゼ、EC3のリパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、およびペプチダーゼ(別名、プロテアーゼまたはタンパク質分解酵素)、EC4のデカルボキシラーゼ、EC5のイソメラーゼオおよびムターゼ、およびEC6のシンテターゼおよびシンターゼが含まれる。各カテゴリーからの適切な酵素は、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,394,092号に記載されている。ある特定の実施形態では、酵素は、ブロメリン(パイナップル抽出物)、パパイン(パパイヤ)、フィシン(イチジク)、アクチニジン(キウイ)、ヒアルロニダーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、チロシナーゼ、アルカリホスファターゼ、またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、酵素は、例えばナノエマルジョン、ナノカプセル、顆粒、またはこれらの組合せの形でカプセル化することができる。
【0083】
本明細書で使用される酵素は、任意の適切な供給源または供給源の組合せ、例えば細菌、真菌、植物、または動物源から得られることが企図される。一実施形態では、2種またはそれよりも多くの酵素の混合物は、少なくとも2種の異なるタイプの供給源から来ることになる。例えば、プロテアーゼおよびリパーゼの混合物は、細菌(プロテアーゼ)および真菌(リパーゼ)源から得ることができる。
【0084】
必要に応じて、本明細書に記述される任意の酵素の種類またはメンバーを含むがこれらに限定されない本明細書で使用される酵素は、アルカリpH条件下、例えば約8から約11の範囲のpHで働くものである。必要に応じて、本明細書に記述される任意の酵素の種類またはメンバーを含むがこれらに限定されない本明細書で使用される酵素は、約5℃から約45℃の範囲の温度で働くものである。
【0085】
例示実施形態では、不織基材またはウェブ、フォーム、および/またはフィルムは、タンパク質および/またはペプチドを含むことができる。適切なタンパク質および/またはペプチドは、限定するものではないがコラーゲンおよび/またはコラーゲンペプチド、またはアミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、ヒスチジン、グリシン、トレオニン、アルギニン、アラニン、チロシン、システイン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、リシン、ヒドロキシプロリン、またはプロリンを含むことができる。
【0086】
例示実施形態では、不織基材またはウェブ、フォームおよび/またはフィルムは、着色剤を含むことができる。適切な着色剤には、指示染料、例えばpH指示薬(例えば、チモールブルー、ブロモチモール、チモールフタレイン、およびチモールフタレイン)、湿分/水指示薬(例えば、ハイドロクロミックインクまたはロイコ染料)、またはサーモクロミックインクを含めることができ、このインクは、温度が上昇および/または下降するときに変色する。適切な着色剤には、限定するものではないがトリフェニルメタン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ペリレン染料、インジゴイド染料、食品・医薬品・化粧品(FD&C)着色剤、有機顔料、無機顔料、またはこれらの組合せが含まれる。着色剤の例には、限定するものではないがFD&C Red #40;Red #3;FD&C Black #3;Black #2;マイカベースの真珠光沢顔料;FD&C Yellow #6;Green #3;Blue #1;Blue #2;二酸化チタン(食品グレード);ブリリアントブラック;およびこれらの組合せが含まれる。適切な着色剤のその他の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,002,789号に見い出すことができる。
【0087】
他の実施形態は、本開示の不織基材もしくはウェブ、フォーム、および/または、フィルム中に、1種または複数のフレグランスを含むことができる。本明細書で使用される場合、「フレグランス」という用語は、香りを生成するのに十分な揮発性のある、任意の付与可能な材料を指す。フレグランスを含む実施形態は、ヒトに心地良い香りであるフレグランス、あるいは代替としてヒト、動物、および/または昆虫に不快な香りであるフレグランスを含むことができる。適切なフレグランスには、限定するものではないが、レモン、リンゴ、サクランボ、ブドウ、西洋ナシ、パイナップル、オレンジ、イチゴ、ラズベリー、ムスクを含むがこれらに限定するものではない果物、および限定するものではないがラベンダー様、バラ様、アイリス様、およびカーネーション様を含む花の香りを含む。必要に応じて、フレグランスは、着香料でもないものである。他のフレグランスには、ローズマリー、タイム、およびセージを含むがこれらに限定されないハーブの香り;ならびにマツ、トウヒ、およびその他の森林の匂いに由来する森林の香りが含まれる。フレグランスは、精油を含むがこれらに限定されない様々な油、またはペパーミント、スペアミント、および同様のものを含むがこれらに限定されない植物材料に由来してもよい。適切な香りの良い油は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,458,754号に見い出すことができる。適切な香りの良い油には、限定するものではないが4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エニル)-2-エン-4-オン、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデカナール、ヘキサン酸2-プロペニルエステル、1-オクテン-3-オール、trans-アネトール、イソブチル(z)-2-メチル-2-ブテノエート、アニスアルデヒドジエチルアセタール、3-メチル-5-プロピル-シクロヘゼン-1-オン、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、trans-4-デセナール、デカナール、2-ペンチルシクロペンタノン、エチルアントラニレート、オイゲノール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタノアール、メチル2-オクチノエート、イソオイゲノール、cis-3-ヘキセニルメチルカーボネート、リナロール、メチル-2-ノニノネート、安息香酸2-ヒドロキシメチルエステル、ノナール、オクタナール、2-ノネンニトリル、4-ノナノリド、9-デセン-1-オール、および10-ウンデセン-1-アールが含まれる。付与可能なフレグランスは、参照によりそれら全ての全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,534,981号、第5,112,688号、第5,145,842号、第6,844,302号、およびPerfumes Cosmetics and Soaps, Second Edition, edited by W. A. Poucher, 1959にも見い出すことができる。これらのフレグランスには、アカシア、キンゴウカン、シプレー、シクラメン、シダ、ガーデニア、サンザシ、ヘリオトロープ、スイカズラ、ヒヤシンス、ジャスミン、ライラック、ユリ、マグノリア、ミモザ、スイセン、切立ての干し草、オレンジの花、ラン、モクセイソウ、スイートピー、トレフル、チューベローズ、バニラ、スミレ、ウォールフラワー、および同様のものまたはこれらの任意の組合せが含まれる。
【0088】
フレグランスは、香料を含むことができる。香料は、ニート香料、カプセル化香料、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。例示実施形態では、香料は、純粋な香料を含む。香料の一部分が、コア-シェルカプセル化にカプセル化されてもよい。別の実施形態では、香料は、コア/シェルカプセル化にカプセル化されなくなる。
【0089】
本明細書で使用される「香料」という用語は、香料原料(PRM)および香料アコードを包含する。本明細書で使用される「香料原料」という用語は、少なくとも約100g/molの分子量を有し、臭い、フレグランス、エッセンス、または匂いを与えるのに有用な化合物を、単独でまたはその他の香料原料と共に指す。本明細書で使用される場合、「香料成分」および「香料原料」という用語は同義である。本明細書で使用される「アコード」という用語は、2種またはそれよりも多くのPRMの混合物を指す。例示実施形態では、香料アコード、香料原料、またはフレグランスのいずれかは、マイクロカプセルにカプセル化することができ、本明細書で使用されるように「香料マイクロカプセル」と呼ぶ。
【0090】
典型的なPRMは、とりわけアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、亜硝酸塩、およびアルケン、例えばテルペンを含む。一般的なPRMのリストは、様々な参考文献、例えば“Perfume and Flavor Chemicals”, Vols. I and II; Steffen Arctander Allured Pub. Co. (1994)、および“Perfumes: Art, Science and Technology”, Miller, P. M. and Lamparsky, D., Blackie Academic and Professional (1994)に見い出すことができる。PRMは、常圧(760mmHg)で測定されるそれらの沸点(B.P.)と、それらのオクタノール/水分配係数(P)によって特徴付けられる。これらの特徴に基づいて、PRMSは、第I象限、第II象限、第III象限、または第IV象限の香料に分類されてもよい。
【0091】
例示実施形態では、不織ウェブ、フォームおよび/またはフィルムは、角質除去剤を含むことができる。例示実施形態では、角質除去剤は、化学的角質除去剤または機械的角質除去剤を含むことができる。本明細書で使用される適切な機械的角質除去剤は、限定するものではないがアプリコットシェル、砂糖、オートミール、塩、シリカ、珪藻土、クレー、水酸化アルミニウム、PVOHマイクロビーズ、軽石、またはこれらの組合せを含む。本明細書に使用される適切な化学的角質除去剤は、限定するものではないがアルファヒドロキシル酸、ベータヒドロキシル酸、酵素、サリチル酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、またはこれらの組合せを含む。
【0092】
ある特定の実施形態では、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せをカプセル化し、制御放出を可能にする。適切なマイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒド、ポリウレタン、尿素ホルムアルデヒド、キトサン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラヒドロフラン、ゼラチン、アラビアガム、デンプン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アラビノガラクタン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリ(酢酸エチレンビニル)、硝酸セルロース、シリコーン、ポリ(ラクチデコ-グリコリド)、パラフィン、カルナウバ、鯨蝋、蜜蝋、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、シェラック、セルロースアセテートフタレート、ゼイン、およびこれらの組合せの1種または複数を含むまたはこれらから作製することができる。実施形態の1つのタイプでは、マイクロカプセルは、少なくとも約0.1ミクロン、または例えば約0.1ミクロンから約200ミクロンの範囲の平均粒度(例えば、Dv50)によって特徴付けられる。代替の実施形態では、マイクロカプセルは、個々の粒子の凝集体を形成することができ、例えば個々の粒子は、少なくとも約0.1ミクロンの、または約0.1ミクロンから約200ミクロンの範囲の平均粒度を有する。
水溶性繊維
【0093】
水溶性繊維は、フィルムまたはフォーム中唯一の樹脂として、または不織、フィルム、フォームまたは不織中に唯一の繊維形成材料として提供された場合、MSTM-205により決定されるように80℃またはそれよりも低い温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解する任意の材料で作製される繊維および/または繊維形成材料を含む。水溶性繊維は、単一の水溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーのブレンドを含むことができる。適切な水溶性ポリマーには、限定するものではないが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、修飾ポリビニルアルコールコポリマー、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、水溶性天然ポリマーであって限定するものではないがグアールガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、およびデンプンを含むもの、水溶性ポリマー誘導体であって限定するものではないが加工デンプン、エトキシル化デンプン、およびヒドロキシプロピル化デンプンを含むもの、前述のコポリマー、および前述のいずれかの組合せが含まれる。さらに他の水溶性繊維は、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびその塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、および前述のいずれかの組合せを含むことができる。例示実施形態では、水溶性繊維は、PVOHコポリマー繊維形成材料、修飾PVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、水溶性繊維は、単独のPVOHホモポリマー繊維形成材料またはPVOHコポリマー繊維形成材料のブレンドを含むことができる。例示実施形態では、水溶性繊維は、温水可溶PVOHホモポリマー繊維形成材料を含むことができる。さらなる実施形態では、水溶性繊維は、粘度が5cPから23cPの範囲にあり、加水分解度が86%から92%の範囲にあるPVOHコポリマー繊維形成材料を含むことができる。
【0094】
例示実施形態では、水溶性繊維は、上述の活性クレンジング配合物および/または補助剤を含むことができる。例示実施形態では、水溶性繊維は、上述の活性クレンジング配合物および/または補助剤を実質的に含まなくてもよい。例示実施形態では、水溶性繊維は上述の可塑剤を含むことができる。水溶性繊維に提供される非水可塑剤の総量は、全繊維重量に対して約1重量%から約45重量%、または約5重量%から約45重量%、または約10重量%から約40重量%、または約20重量%から約30重量%、約1重量%から約4重量%、または約1.5重量%から約3.5重量%、または約2.0重量%から約3.0重量%の範囲、例えば、約1重量%、約2.5重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%または約40重量%であってもよい。例示実施形態では、水溶性繊維はグリセリン、ソルビトールまたはこれらの組合せを含む。例示実施形態では、水溶性繊維はグリセリンを含む。例示実施形態では、水溶性繊維はソルビトールを含む。ある特定の実施形態では、水溶性繊維は、グリセリンを、例えば全繊維重量に対して約10重量%、およびソルビトールを、例えば、全繊維重量に対して約5重量%含むことができる。
【0095】
例示実施形態では、水溶性繊維は、上述の界面活性剤を含むことができる。様々な実施形態では、水溶性繊維中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約2.5重量%、約0.1重量%から約2.5重量%、約1.0重量%から約2.0重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。
【0096】
例示実施形態では、本明細書に開示される活性クレンジング配合物および/または補助剤のうちのいずれも、本開示の繊維に添加することができる。前述の実施形態の改良例では、活性クレンジング配合物および/または補助剤は、繊維の形成前に補助剤が繊維に分散するように繊維形成材料に添加することができる。さらに、および/または代替として、活性クレンジング配合物および/または補助剤は、繊維形成後に繊維の表面に添加する(例えば、繊維に分散される)ことができる。
【0097】
水溶性繊維中に含まれる場合、着色剤は、ポリマー混合物の0.01%から25重量%の量で、例えばポリマー混合物の0.02%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、および24重量%の量で提供することができる。
非水溶性繊維
【0098】
非水溶性繊維は、単独のフィルム形成材料としてフィルム中に提供されたときまたは単独の繊維形成材料として不織ウェブまたはフォーム中に提供されたとき、MSTM-205により決定されるようにフィルム、不織ウェブ、またはフォームが80℃またはそれよりも低い温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解しない、任意の材料で作製された繊維および/または繊維形成材料を含む。非水溶性繊維は、単独の非水溶性ポリマー繊維形成材料または非水溶性ポリマー繊維形成材料のブレンドを含むことができる。適切な非水溶性繊維および/または非水溶性繊維形成材料には、限定するものではないが綿、ポリエステル、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、木質パルプ、フラッフパルプ、アバカ、ビスコース、ポリ乳酸、ポリエステル、ナイロン6、不溶性セルロース、不溶性デンプン、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ繊維、レースバーク、絹、腱、カットグット、羊毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モダール、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、およびこれらの組合せが含まれる。例示実施形態では、非水溶性繊維形成材料および/または非水溶性繊維は:綿、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、レースバーク、絹、腱、カットグット、羊毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹、モダール、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、またはこれらの組合せの群の1種または複数を含む。
【0099】
例示実施形態では、非水溶性繊維は、上述の補助剤を含むことができる。例示実施形態では、非水溶性繊維は、上述の補助剤を実質的に含まなくてもよい。例示実施形態では、非水溶性繊維は、上述の可塑剤を含むことができる。非水溶性繊維中に提供される非水可塑剤の総量は、全繊維重量に対して約1重量%から約45重量%、または約5重量%から約45重量%、または約10重量%から約40重量%、または約20重量%から約30重量%、約1重量%から約4重量%、または約1.5重量%から約3.5重量%、または約2.0重量%から約3.0重量%の範囲、例えば約1重量%、約2.5重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、または約40重量%とすることができる。例示実施形態では、非水溶性繊維は、グリセリン、ソルビトール、またはこれらの組合せを含む。例示実施形態では、非水溶性繊維はグリセリンを含む。例示実施形態では、非水溶性繊維はソルビトールを含む。ある特定の実施形態では、非水溶性繊維は、グリセリンなどの可塑剤を例えば全繊維重量に対して約10重量%、およびソルビトールを例えば全繊維重量に対して約5重量%含むことができる。
【0100】
例示実施形態では、非水溶性繊維は、上述の界面活性剤を含むことができる。様々な実施形態では、水溶性繊維中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約2.5重量%、約0.1重量%から約2.5重量%、約1.0重量%から約2.0重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。
【0101】
例示実施形態では、本明細書に開示される補助剤のいずれかは、本開示の繊維に添加することができる。前述の実施形態の改良例では、繊維形成後に補助剤を繊維の表面に添加することができるように、繊維の形成前に繊維形成材料に添加することができる。前述の実施形態の改良例では、補助剤は、繊維形成後に繊維の表面に添加することができる。
【0102】
非水溶性繊維中に含まれる場合、着色剤は、ポリマー混合物の0.01%から25重量%の量で提供することができ、例えばポリマー混合物の0.02%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、および24重量%で提供することができる。
不織ウェブまたは不織基材
【0103】
本開示の不織ウェブまたは不織基材は、水溶性、非水溶性または少なくとも部分的に非水溶性になることができる。本開示の単一単位用量物品は、少なくとも不織ウェブの一部が、MSTM-205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶となり、または、少なくとも不織ウェブの一部はMSTM-205により20℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではなく、または、不織ウェブはMSTM-205により20℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではなく、または、不織ウェブは、MSTM-205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶となる不織ウェブを含むことができる。ある繊維タイプが、唯一の繊維タイプとして不織中に与えられた場合、その繊維タイプからなる不織ウェブがMSTM-205により所与の温度で可溶性となる(または可溶性でない)、その繊維タイプを複数の繊維中に含むなら、不織ウェブの「少なくとも一部」は所与の温度で可溶性になる(または可溶性でない)ことは理解されよう。
【0104】
本開示の不織ウェブは複数の繊維を含む。不織ウェブは互いに結合された繊維の配置構成を指し、繊維は織られても編まれてもいない。複数の繊維は任意の向きに配置構成することができる。例示実施形態では、複数の繊維はランダムに配置構成される(即ち、配向を持たない)。例示実施形態では、複数の繊維は一方向の向きに配置構成される。例示実施形態では、複数の繊維が二方向の向きに配置構成される。一部の実施形態では、複数の繊維が多方向性であり、不織ウェブの種々の領域で種々の配置構成を有する。
【0105】
任意の所与の不織ウェブ中の複数の繊維は、本明細書に開示される任意の繊維形成材料を含むことができる。不織ウェブは、(1)単繊維形成材料を含む単繊維タイプ、(2)繊維形成材料のブレンドを含む単繊維タイプ、(3)各繊維タイプが単繊維形成材料を含んでいる、繊維タイプのブレンド、(4)各繊維タイプが繊維形成材料のブレンドを含んでいる、繊維タイプのブレンド、または(5)各繊維タイプが単繊維形成材料または繊維形成材料のブレンドを含んでいる、繊維タイプのブレンドを含むことができる。繊維タイプのブレンドを含む例示実施形態では、種々の繊維タイプが、長さの直径に対する比(L/D)、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(T)、繊維形成材料の化学的性質、および色の群の1つまたは複数に差を有することができる。ある特定の実施形態では、複数の繊維は、2つまたはそれよりも多くのタイプの水溶性繊維を含むことができる。例示実施形態では、複数の繊維は、水溶性繊維形成材料の少なくとも1つのタイプを含む少なくとも1つの繊維タイプ、および1種の非水溶性繊維の少なくともタイプを含む少なくとも1つの繊維タイプを含むことができる。例示実施形態では、複数の繊維は、非水溶性繊維形成材料の少なくとも1つのタイプを含む、2つまたはそれよりも多くのタイプを含むことができる。
【0106】
例示実施形態では、不織ウェブは繊維および/またはフィルムとして本明細書に開示される任意の活性クレンジング配合物および/または補助剤をさらに含むことができる。例示実施形態では、活性クレンジング配合物および/または補助剤は、繊維自体に、不織ウェブのカーディング中の不織ウェブに、結合前(例えばカーディング後)に不織ウェブに、結合またはこれらの組合せ後に不織ウェブに添加することができる。カーディング中に繊維に添加される活性クレンジング配合物および/または補助剤は、不織ウェブの全体にわたって分布することができる。カーディング後であるが結合前に、不織ウェブに添加される活性クレンジング配合物および/または補助剤は、不織ウェブの片面または両面に選択的に添加することができる。
【0107】
活性クレンジング配合物および/または補助剤は、不織ウェブの1つまたは複数の面または表面に、またはそれらを含有する物品、例えばパケットに、適切な手段によって付与することができる。例示実施形態では、活性クレンジング配合物および/または補助剤は粉末の形をとる。前述の実施形態の改良例では、1つまたは複数の固定型粉末スプレーガンを使用して、粉末流をウェブに向かって1つまたは1つより多くの方向から方向付け、一方、ウェブは、ベルトコンベヤを用いてコーティングゾーンを経て輸送される。例示実施形態では、ウェブまたはパケットは、空気中の粉末の懸濁体を通して搬送される。例示実施形態では、ウェブは、トラフ様装置内で粉末とタンブル混合される。任意のその他の実施形態と組合せることができる例示実施形態では、粉末とウェブとの間の引き付けを高めるのに静電力が用いられる。このタイプのプロセスは、粉末粒子を負に帯電させ、これらの帯電粒子を、接地したウェブに向けることに基づいてもよい。他の代替の実施形態では、粉末は、粉末に接触している回転ブラシを含むがこれに限定されない二次移送ツールによって、または粉末を容器からウェブに移すことができるパウダー付きグローブによって、ウェブに付与される。さらに別の実施形態では、粉末は、非水性溶媒または担体に粉末を溶解または懸濁し、次いでこれを霧状にしウェブに噴霧することによって、付着される。一実施形態では、溶媒または担体は引き続き蒸発し、活性剤粉末を後に残す。ある特定の実施形態では、粉末は、正確な用量でウェブに付着される。これらの実施形態は、閉鎖システム乾燥潤滑剤施用機械、例えばPekuTECHの粉末アプリケーターPM 700 Dを利用する。このプロセスでは、粉末は、必要に応じてバッチ式にまたは連続的に、施用機械のフィードトラフに供給される。ウェブを、標準回転ドラムパウチ機の出力ベルトから、粉末施用機のコンベヤベルト上に移送し、制御された投薬量の粉末をウェブに付着させる。その後、ウェブは、適切な包装プロセスに搬送することができる。
【0108】
補助剤が液体形態または溶液中にある例示実施形態では、前述のものを繊維内に分散させ、不織ウェブの面または表面に分散させ、またはその組合せを、例えば回転流延、エアロゾル化溶液などの溶液の噴霧、ロールコーティング、フローコーティング、カーテンコーティング、押出し、ナイフコーティング、およびこれらの組合せによって行うことができる。
【0109】
例示実施形態では、活性クレンジング配合物および/または補助剤、例えば化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、不織ウェブ中に存在する場合、少なくとも約1重量%の量、または約1重量%から約99重量%の範囲にあり、追加の機能性を不織ウェブに提供する。化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、固体(例えば、粉末、顆粒、結晶、薄片、またはリボン)、液体、展膏薬、ペースト、気体などを含む任意の所望の形をとることができ、必要に応じてカプセル化することができる。
【0110】
例示実施形態では、不織ウェブは、水溶性フィルムに比べて改善された審美的効果が提供されるように、着色され、顔料が付けられ、および/または染色することができる。不織ウェブで使用される適切な着色剤は、指示染料、例えばpH指示薬(例えば、チモールブルー、ブロモチモール、チモールフタレイン、およびチモールフタレイン)、湿分/水指示薬(例えば、ハイドロクロミックインクまたはロイコ染料)、またはサーモクロミックインクを含むことができ、このインクは、温度が上昇しおよび/または下降したときに変色する。適切な着色剤には、限定するものではないがトリフェニルメタン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ペリレン染料、インジゴ染料、食品・医薬品・化粧品(FD&C)着色剤、有機顔料、無機顔料、またはこれらの組合せが含まれる。着色剤の例には、限定するものではないがFD&C Red #40;Red #3;FD&C Black #3;Black #2;マイカベースの真珠光沢顔料;FD&C Yellow #6;Green #3;Blue #1;Blue #2;二酸化チタン(食品グレード);ブリリアントブラック;およびこれらの組合せが含まれる。
【0111】
例示実施形態では、不織ウェブは、本明細書に開示される界面活性剤のいずれかを含むことができる。例示実施形態では、不織ウェブは:ココイルイセチオン酸ナトリウム、グルコテイン、フェナミド、コーラ脂質、コカミド、例えばコカミドエタノールアミン、エチレンオキシド系界面活性剤、ならびにアボカドおよびパームの鹸化油の群の1つまたは複数を含むことができる。
【0112】
本開示の不織ウェブは、一般に任意の厚さを有することができる。適切な厚さには、限定するものではないが約5ミクロン(μm)から約10,000μm(1cm)、約5μmから約5,000μm、約5μmから約1,000μm、約5μmから約500μm、約200μmから約500μm、約5μmから約200μm、約20μmから約100μm、または約40μmから約90μm、または約50μmから80μm、または約60μmから65μm、例えば50μm、65μm、76μm、または88μmを含めることができる。本開示の不織ウェブは、高ロフトまたは低ロフトとして特徴付けることができる。ロフトは、単位面積当たりの質量に対する厚さの比を指す(即ち、坪量)。高ロフト不織ウェブは、単位面積当たりの質量に対する厚さの高い比によって特徴付けることができる。本明細書で使用される「高ロフト」は、本明細書で定義される坪量と、200μmを超える厚さとを有する本開示の不織ウェブを指す。不織ウェブの厚さは、ASTM D5729-97、ASTM D5736、および/またはISO 9073-2:1995に従い決定することができ、例えば不織ウェブを2Nの負荷に供し、厚さを測定することを含むことができる。高ロフト材料は、当技術分野での公知の方法、例えば、非結合ウェブをそれ自体に折り畳んでロフトおよび坪量を構築するためのクロスラッパーを使用する、クロスラッッピングに従い使用することができる。理論に拘泥するものではないが、フィルムの溶解度がフィルムの厚さに依存する可能性のある水溶性フィルムとは対照的に;不織ウェブの溶解度は、ウェブの厚さに依存するとは考えられない。これに関し、個々の繊維は水溶性フィルムよりも高い表面積を提供するので、不織ウェブの厚さとは無関係に、繊維への水のアプローチ、およびそれによる繊維の溶解を制限するパラメーターは、坪量であると考えられる(即ち、不織中の繊維密度)。
【0113】
一般に、本開示の不織ウェブに関する動的摩擦係数と、静的摩擦係数の動的摩擦係数に対する比は、水溶性フィルムに対する不織ウェブの表面粗さの増大に起因して、水溶性フィルムに関する動的摩擦係数と、静的摩擦係数の動的摩擦係数に対する比とよりも低くなり、不織ウェブに対する表面接触の減少をもたらす。有利には、この表面粗さは、改善された消費者の感触(即ち、ゴム状の手触りの代わりにクロス様の手触り)、改善された審美性(即ち、水溶性フィルムよりも光沢が少ない)、および/または加工設備/金型の表面に沿ってウェブを引き出す必要があり得るものの加工性の容易さを、提供することができる。したがって、例示実施形態では、水溶性繊維および/または非水溶性繊維は、引き摺りをもたらすほど粗くなることなく、得られた不織ウェブに表面粗さが提供されるよう十分に粗い。
【0114】
本開示の不織ウェブの水への溶解度は、一般に、ウェブの調製に使用される繊維(複数可)のタイプの関数ならびにウェブの坪量の関数である。理論に拘泥するものではないが、不織ウェブの溶解度プロファイルは、不織ウェブを調製するのに使用される繊維(複数可)の同じ溶解度プロファイルに従い、繊維の溶解度プロファイルは、一般に、そこから繊維が調製されるポリマー(複数可)の同じ溶解度プロファイルに従うと考えられる。例えば、PVOH繊維を含む不織ウェブでは、PVOHポリマーの加水分解度を、不織ウェブの水への溶解度も影響を受けるように選択することができる。所与の温度で、PVOHポリマーの加水分解度が部分加水分解(88%DH)から完全加水分解(≧98%DH)に増大するにつれ、ポリマーの水溶解度は一般に減少する。したがって例示実施形態では、不織ウェブは冷水可溶性とすることができる。他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマーでは(例えば、陰イオン性モノマーと共重合しない)、10℃未満の温度で水に可溶な冷水可溶ウェブは、加水分解度が約75%から約90%の範囲、または約75%から約89%の範囲、または約80%から約90%の範囲、または約85%から約90%の範囲、または約90%から約99.5%の範囲にあるPVOHの繊維を含むことができる。他の例示実施形態では、不織ウェブが温水可溶性とすることができる。例えば、他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(例えば、陰イオン性モノマーと共重合しない)では、加水分解度が少なくとも約98%であるPVOHの繊維を含むことにより、温水可溶性ウェブは、少なくとも約60℃の温度の水に可溶であるとすることができる。
【0115】
PVOHポリマーの修飾は、一般に、PVOHポリマーの溶解度を増大させる。したがって所与の温度で、修飾PVOHポリマーから調製された不織ウェブまたはフィルムの溶解度は、修飾PVOHコポリマーと同じ加水分解度を有するPVOHコポリマーから調製された不織ウェブまたはフィルムの場合よりも高くなると予測される。これらの傾向に従い、特定の溶解度特性を有する不織ウェブは、ポリマーを繊維内にブレンドすることによっておよび/または不織ウェブ内に繊維をブレンドすることによって設計することができる。さらに、本明細書に記述されるように、不織ウェブは複数の繊維を含み、場合によっては溶解度の異なる2種またはそれよりも多くの繊維タイプを含む場合がある。
【0116】
非水溶性繊維および/または非水溶性繊維形成材料を、不織ウェブの複数の繊維に含めることは、特定の溶解度および/または長期放出特性を有する不織ウェブを設計するのに使用することもできる。理論に拘泥するものではないが、不織ウェブに含まれる非水溶性繊維の重量パーセントが増大するにつれ(不織ウェブの全重量に対して)、不織ウェブの溶解度は一般に低下し、不織ウェブを含むパウチの長期放出特性は一般に増大すると考えられる。水溶性繊維の溶解度温度でまたはそれよりも高い温度で水と接触すると、水溶性繊維および非水溶性繊維を含む不織ウェブは、水溶性繊維が溶解するにつれて分散し始めることになり、それによってウェブ構造が破壊されおよび/または不織ウェブの細孔の孔径が増大する。ウェブ構造の破壊が大きくなるにつれまたは孔径が大きくなるにつれ、活性クレンジング配合物はより速く放出されるようになる。同様に、本開示の不織ウェブにおける活性クレンジング配合物の長期放出は、種々の溶解度特性および/または種々の溶解度温度を有する水溶性繊維のブレンドを使用することによって実現することができる。より速く溶解する繊維が溶解すると、それによってウェブは破壊され、少ない可溶性繊維が、より広い露出した表面積を有するようになり、少ない可溶性繊維の溶解および活性クレンジング配合物の放出が容易になる。不織ウェブが水溶性繊維および非水溶性繊維を含む例示実施形態では、可溶性繊維の非水溶性繊維に対する比は、特に限定されない。水溶性繊維は、複数の繊維の全重量の重量に基づき、約1%から約99%、約20%から約80%、約40%から約90%、約50%から約90%、または約60%から約90%を構成することができ、非水溶性繊維は、繊維の全重量の重量に基づき、約1%から約99%、約20%から約80%、約10%から約60%、約10%から約50%、または約10%から約40%を構成することができる。例示実施形態では、複数の繊維は、繊維の全重量に対して約10%から約80%の水溶性繊維を含み、残りは非水溶性繊維である。
【0117】
例示実施形態では、本明細書に開示される不織ウェブ、複数の繊維、フォーム、水溶性フィルム、またはこれらの組合せは、生分解性ポリマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、複数の繊維は、生分解性である材料を形成する非水溶性繊維を含むことができる。例示実施形態では、複数の繊維は、非水溶性の生分解性繊維である第1の繊維と、MSTM-205に従い約10℃から約20℃の温度の水に可溶であるまたはMSTM-205に従い約30℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではない第2の繊維とを含むことができる。例示実施形態では、不織ウェブは、非水溶性および生分解性である。
【0118】
例示実施形態では、不織ウェブが生分解性である。本明細書で使用される場合、不織ウェブが生分解性であるといわれるときには、不織ウェブの少なくとも50%が生分解性であり、例えば不織ウェブの少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が生分解性である。
【0119】
本明細書に開示される不織ウェブは、第1の繊維タイプおよび第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含むことができ、第1および第2の繊維タイプは、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(T)、化学組成、色、またはこれらの組合せに差がある。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、PVOHホモポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料、修飾PVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのPVOHホモポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第2の繊維タイプは、PVOHホモポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第2の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのPVOHホモポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くの修飾PVOHコポリマー繊維形成材料またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプおよび/または第2の繊維タイプは、非水溶性繊維形成材料である。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、非水溶性ポリマー繊維形成材料を含むことができ、第2の繊維タイプは、不織ウェブの単独の繊維形成材料としてまたはフィルムとして提供されたときに、得られたウェブまたはフィルムがMSTM-205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶であるポリビニルアルコール繊維形成材料を含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプは非水溶性ポリマー繊維形成材料を含むことができ、第2の繊維タイプは、不織ウェブの単独の繊維形成材料としてまたはフィルムとして提供されたときに、得られたウェブまたはフィルムがMSTM-205により20℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではないPVOHホモポリマーまたはコポリマー繊維形成材料を含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くの修飾ポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、またはポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料と修飾ポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料との組合せを含む。例示実施形態では、第2の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くの修飾ポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、またはポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料と修飾ポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料との組合せを含む。
【0120】
本開示の不織ウェブに含まれる複数の繊維は、任意の靭性を有することができる。繊維の靭性は、繊維の粗さに相関する。繊維の靭性が低下するにつれ、繊維の粗さは増大する。本開示の不織ウェブを調製するのに使用される繊維は、約1から約100cN/dtex、または約1から約75cN/dtex、または約1から約50cN/dtex、または約1から約45cN/dtex、または約1から約40cN/dtex、または約1から約35cN/dtex、または約1から約30cN/dtex、または約1から約25cN/dtex、または約1から約20cN/dtex、または約1から約15cN/dtex、または約1から約10cN/dtex、または約3から約8cN/dtex、または約4から約8cN/dtex、または約6から約8cN/dtex、または約4から約7cN/dtex、または約10から約20、または約10から約18、または約10から約16の範囲、または約1cN/dtex、約2cN/dtex、約3cN/dtex、約4cN/dtex、約5cN/dtex、約6cN/dtex、約7cN/dtex、約8cN/dtex、約9cN/dtex、約10cN/dtex、約11cN/dtex、約12cN/dtex、約13cN/dtex、約14cN/dtex、または約15cN/dtexの靭性を有することができる。例示実施形態では、複数の繊維は、約3cN/dtexから約15cN/dtex、または約5cN/dtexから約12cN/dtex、または約5cN/dtexから約10cN/dtexの範囲の靭性を有することができる。
【0121】
不織ウェブの靭性は、ウェブの調製に使用される複数の繊維の靭性と同じにすることができまたは異ならせることができる。理論に拘泥するものではないが、不織ウェブの靭性は不織ウェブの強度に関係し、より高い靭性はより高い強度を不織ウェブに提供すると考えられる。不織ウェブの靭性は、異なる靭性を有する繊維を使用することによって修正することができる。不織ウェブの靭性は、加工により影響を受ける可能性もある。本開示の不織ウェブは、比較的高い靭性を有し、即ち不織ウェブは、物品および/またはパウチを調製するための単独の材料として使用することができる自立型ウェブである。対照的に、メルトブロー、エレクトロスピニング、および/または回転スピニングプロセスにより調製された不織ウェブは、低い靭性を有し得、自立型でもなくまたは物品もしくはパウチを形成するための単独のウェブとして使用することもできないことがある。
【0122】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される繊維は、任意の微細さを有することができる。繊維の微細さは、どのくらい多くの繊維が所与の太さの糸の断面に存在するかに相関する。繊維の微細さは、線形質量密度、単位長さ当たりの繊維質量の比の測定によって測定することができる。線形質量密度の主な物理単位は1texであり、これは1gの重さの繊維の1000mに等しい。単位dtexが使用され、1g/10,000mの繊維を表す。線形質量密度は、不織ウェブの適切な硬さ/手触り、ねじり剛性、光の反射および相互作用、色素および/またはその他の活性剤/添加剤の吸収、製造プロセスでの繊維紡糸の容易さ、および完成物品の均一性を有する不織ウェブを提供するように選択することができる。繊維の線形質量密度が増大するにつれ、そこから得られた不織は、より高い均一性、改善された引張り強さ、伸展性、および光沢を実証する。さらに、理論に拘泥するものではないが、より微細な繊維は、密度に対してより大きい繊維と比較して、より遅い溶解時間をもたらすことになると考えられる。さらに、理論に拘泥するものではないが、繊維タイプのブレンドが使用されるとき、平均線形質量密度は、個々の繊維タイプの加重平均を使用して決定することができる。繊維は、非常に微細(dtex≦1.22)、微細(1.22≦dtex≦1.54)、中程度(1.54≦dtex≦1.93)、僅かに粗い(1.93≦dtex≦2.32)、および粗い(dtex≧2.32)と特徴付けることができる。本開示の不織ウェブは、非常に微細、微細、中程度、僅かに粗い、またはこれらの組合せである繊維を含むことができる。例示実施形態では、不織ウェブは、約1dtexから約5dtex、または約1dtexから約3dtex、または約1.5dtexから約2.5dtexの範囲の平均線形質量密度を有する。例示実施形態では、不織ウェブは繊維のブレンドを含み、第1繊維が1.7dtexの平均線形質量密度を含み、第2の繊維が2.2texの平均線形質量密度を含む。
【0123】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、約10ミクロンから300ミクロンの範囲、例えば少なくとも10ミクロン、少なくとも25ミクロン、少なくとも50ミクロン、少なくとも100ミクロン、または少なくとも125ミクロン、および約300ミクロンまで、約275ミクロンまで、約250ミクロンまで、約225ミクロンまで、または約200ミクロンまでの直径を有する。例示実施形態では、本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、100ミクロン超から約300ミクロンの直径を有することができる。例示実施形態では、本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維の直径は、実質的に均一な直径を有する。例示実施形態では、1つまたは複数の繊維タイプは、約10ミクロンから約300ミクロン、または約50ミクロンから200ミクロン、または約50ミクロンから約100ミクロンの範囲の平均直径を有することができる。
【0124】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、任意の長さのものとすることができる。例示実施形態では、複数の繊維の長さは、約30ミリメートル(mm)から約100mm、約10mmから約60mm、または約30mmから約60mmの範囲、例えば少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、少なくとも約45mm、または少なくとも約50mm、および約100mmまで、約95mmまで、約90mmまで、約80mmまで、約70mmまで、または約60mmまでとすることができる。例示実施形態では、複数の繊維の長さは、約30mm未満、または約0.25mmから約30mm未満の範囲、例えば少なくとも約0.25mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.75mm、少なくとも約1mm、少なくとも約2.5mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7.5mm、または少なくとも約10mm、および約29mmまで、約28mmまで、約27mmまで、約26mmまで、約25mmまで、約20mmまで、または約15mmまでとすることができる。例示実施形態では、繊維は、約30mmから約100mm、または約30mmから約60mmの平均長さを有する。例示実施形態では、不織ウェブは、第1の繊維タイプが約38mmの長さを含み、第2の繊維タイプが約54mmの長さを含む、繊維タイプのブレンドを含む。
【0125】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、任意の長さの直径(L/D)に対する比を有することができる。有利には、本開示の不織ウェブの靭性は、繊維のL/D比と、不織組成物中の様々なL/D比を有する繊維のそれぞれの量を使用して、制御することができる。繊維のL/Dが減少するにつれ、剛性および曲げに対する耐性は増大し、より粗い手触りを提供する。本開示の繊維は、繊維が約0.5から約15、または約0.5から約25、または約1から約5の範囲の低いL/Dを有するとき、それを含む不織ウェブに粗い手触りを与える。そのような低L/D繊維は、不織ウェブ中の繊維の全重量に対して約0から約50重量%の範囲の量で、例えば約0.5重量%から約25重量%、または約1重量%から約15重量%の範囲の量で、不織ウェブ中に提供することができる。不織ウェブ中の低L/D繊維の量が未知である場合、その量は、不織ウェブの顕微鏡写真の目視検査により推定することができる。第1の繊維が、第1のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む繊維形成材料のブレンドを含む例示実施形態では、第1の繊維の少なくとも一部分が、約0.5から約25、または約0.5から約15、または約1から約5のL/D比を有することができる。
【0126】
孔径は、Brunauer-Emmett-Teller理論(BET)、小角X線散乱(SAXS)、および分子吸着を含むがこれらに限定されない高倍率および高次表面分析技法を使用して決定することができる。
【0127】
不織ウェブは、坪量によって特徴付けることができる。不織ウェブの坪量は、不織ウェブの単位面積当たりの質量である。坪量は、当技術分野で公知のように、製造条件を様々にすることによって修正することができる。不織ウェブは、結合の前および後に同じ坪量を有することができる。あるいは、結合方法は、不織ウェブの坪量を変えることができる。例えば、結合が熱および圧力の印加を通して生じる場合、不織の厚さ(したがって、不織の領域)を減少させることができ、それによって坪量が増大する。したがって、本明細書で使用される場合および他に指定しない限り、不織の坪量は、結合の後の不織の坪量を指す。
【0128】
本開示の不織ウェブは、約0.1g/mから約700g/m、約0.5g/mから約600g/m、約1g/mから約500g/m、約1g/mから約400g/m、約1g/mから約300g/m、約1g/mから約200g/m、約1g/mから約100g/m、約30g/mから約100g/m、約20g/mから約100g/m、約20g/mから約80g/m、または約25g/mから約70g/mの範囲にある任意の坪量を有することができる。
【0129】
さらに、繊維組成およびウェブ厚さが一定のままであることを前提として、ウェブの坪量が増大するにつれウェブの溶解速度は低下するが、それはより多くの材料が溶解することになるからである。例えば、所与の温度で、PVOHポリマー(複数可)を含み、例えば40g/mの坪量を有する繊維から調製された水溶性ウェブは、例えば30g/mの坪量を有し、その他の点では同一の水溶性ウェブよりも、遅く溶解すると予測される。したがって坪量は、不織ウェブの溶解度特性を修正するのに使用することもできる。不織ウェブは、約1g/mから約700g/m、約1g/mから約600g/m、約1g/mから約500g/m、約1g/mから約400g/m、約1g/mから約300g/m、約1g/mから約200g/m、約10g/mから約100g/m、約30g/mから約100g/m、約20g/mから約100g/m、約20g/mから約80g/m、約25g/mから約70g/m、または約40g/mから約60g/mの範囲の任意の坪量を有することができる。
【0130】
本開示の不織ウェブは、単層として使用することができ、その他の不織ウェブと層状化することができ、または水溶性フィルムとの積層体の形をとることができる。一部の実施形態では、不織ウェブは、不織ウェブの単層を含む。一部の実施形態では、不織ウェブは、不織ウェブの2層またはそれよりも多くの層を含む多層不織ウェブである。2層またはそれよりも多くの層は、互いに積層することができる。前述の実施形態の改良例では、2層またはそれよりも多くの層を同じにすることができる(例えば、同じ繊維および坪量から調製することができる)。前述の実施形態の改良例では、2層またはそれよりも多くの層は、異ならせることができる(例えば、異なるタイプの繊維、繊維の化学的性質から調製することができ、および/または異なる坪量を有する)。
【0131】
多層不織ウェブは、個々の層の坪量の合計である坪量を有することができる。したがって多層不織ウェブは、単層として提供される個々の層のいずれかよりも、溶解するのに長時間を要することになる。
水溶性フォーム
【0132】
例示実施形態では、適切な水溶性フォームは、任意の適切な樹脂化学、例えば、コポリマー、無水マレイン酸(MA)修飾PVOHポリマー、マレイン酸モノメチル(MMM)修飾PVOHポリマー、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)修飾PVOH、セルロースおよびセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、タンパク質、カゼイン、大豆、または任意の水分散性または水溶性樹脂を含む。ある特定の実施形態では、水溶性フォーム基材は3ミクロンから3000ミクロンの厚さを有し、以下に限定されないが、流延、押出し、溶融加工、塗工、化学ブロー、機械式空気抱き込み、空気注入、乱流押出プロセスを含むフォーム製造技術分野で公知の任意の適切な製造プロセスを使用して形成することができる。水溶性フォーム基材は多孔質であっても非多孔質であってもよく、冷水可溶性であっても温水可溶性であってもよい。水溶性フォーム基材の構築物は、例えば、折り畳まれた層もしくはプライ、積層された層もしくはプライ、またはロール層もしくはプライを含んでいてもよい。
【0133】
例示実施形態では、水溶性フォーム基材は、本明細書で開示されるように不織ウェブ、繊維および/またはフィルムとして任意の補助剤をさらに含むことができる。補助剤は、水溶性フォーム基材の1つまたは複数の面に、またはそれらを含有する物品、例えば、パケットに、適切な手段によって付与することができる。例示実施形態では、補助剤は粉末の形態である。前述の実施形態の改良例では、1つまたは複数の固定型粉末スプレーガンを使用して、粉末流を水溶性フォーム基材またはパケットに向かって1つまたは1つより多くの方向から方向付け、一方、水溶性フォーム基材またはパケットは、ベルトコンベヤを用いてコーティングゾーンを経て輸送される。例示実施形態では、水溶性フォーム基材またはパケットは、空気中の粉末の懸濁体を通して搬送される。例示実施形態では、水溶性フォーム基材またはパケットは、トラフ様装置内で粉末とタンブル混合される。任意のその他の実施形態と組み合わせることができる例示実施形態では、粉末とパケットまたは水溶性フォーム基材との間の引き付けを高めるのに静電力が用いられる。このタイプのプロセスは、粉末粒子を負に帯電させ、これらの帯電粒子を、接地したパケットまたは水溶性フォーム基材に向けることに基づくことができる。他の代替実施形態では、粉末は、粉末に接触している回転ブラシを含むがこれに限定されない二次移送ツールによって、または粉末を容器から水溶性フォーム基材またはパケットに移すことができるパウダー付きグローブによって、水溶性フォーム基材またはパケットに付与される。さらに別の実施形態では、粉末は、非水性溶媒または担体に粉末を溶解または懸濁し、次いでこれを霧状にし、水溶性フォーム基材またはパケットに噴霧することによって、付着される。一実施形態では、溶媒または担体は引き続き蒸発し、活性剤粉末を後に残す。ある特定の実施形態では、粉末は、正確な用量で水溶性フォーム基材またはパケットに付着される。これらの実施形態は、閉鎖システム乾燥潤滑剤施用機械、例えばPekuTECHの粉末アプリケーターPM 700 Dを利用する。このプロセスでは、粉末は、必要に応じてバッチ式にまたは連続的に、施用機械のフィードトラフに供給される。水溶性フォーム基材またはパケットを、標準回転ドラムパウチ機の出力ベルトから、粉末施用機のコンベヤベルト上に移送し、制御された投薬量の粉末を水溶性フォーム基材またはパケットに付着させる。その後、水溶性フォーム基材またはパケットは、適切な二次包装プロセスに搬送することができる。
【0134】
補助剤が液体形態または溶液中にある例示実施形態では、前述のものを水溶性フォーム基材中に分散させ、水溶性フォーム基材の面上に分散させ、またはその組合せを、例えば回転流延、エアロゾル化溶液などの溶液の噴霧、ロールコーティング、フローコーティング、カーテンコーティング、押出し、ナイフコーティング、およびこれらの組合せによって行うことができる。
【0135】
補助剤、例えば化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、水溶性フォーム基材中に存在する場合、少なくとも約1重量%の量、または約1重量%から約99重量%の範囲にあり、追加の機能性を水溶性フォーム基材に提供する。化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、固体(例えば、粉末、顆粒、結晶、薄片、またはリボン)、液体、展膏薬、ペースト、気体などを含む任意の所望の形をとることができ、必要に応じてカプセル化することができる。
【0136】
例示実施形態では、水溶性フォーム基材は、水溶性フィルムに比べて改善された審美的効果が提供されるように、着色され、顔料が付けられ、および/または染色することができる。水溶性フォーム基材で使用される適切な着色剤は、指示染料、例えばpH指示薬(例えば、チモールブルー、ブロモチモール、チモールフタレイン、およびチモールフタレイン)、湿分/水指示薬(例えば、ハイドロクロミックインクまたはロイコ染料)、またはサーモクロミックインクを含むことができ、このインクは、温度が上昇しおよび/または下降したときに変色する。適切な着色剤には、限定するものではないがトリフェニルメタン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ペリレン染料、インジゴ染料、食品・医薬品・化粧品(FD&C)着色剤、有機顔料、無機顔料、またはこれらの組合せが含まれる。着色剤の例には、限定するものではないがFD&C Red #40;Red #3;FD&C Black #3;Black #2;マイカベースの真珠光沢顔料;FD&C Yellow #6;Green #3;Blue #1;Blue #2;二酸化チタン(食品グレード);ブリリアントブラック;およびこれらの組合せが含まれる。
【0137】
例示実施形態では、水溶性フォーム基材は、本明細書に開示される界面活性剤のいずれかを含むことができる。例示実施形態では、水溶性フォーム基材は:ココイルイセチオン酸ナトリウム、グルコテイン、フェナミド、コーラ脂質、コカミド、例えばコカミドエタノールアミン、エチレンオキシド系界面活性剤、ならびにアボカドおよびパームの鹸化油の群の1つまたは複数を含むことができる。
【0138】
本開示の水溶性フォーム基材は、任意の厚さを有することができる。適切な厚さには、限定するものではないが約5ミクロン(μm)から約10,000μm(1cm)、約3μmから約5,000μm、約5μmから約1,000μm、約5μmから約500μm、約200μmから約500μm、約5μmから約200μm、約20μmから約100μm、または約40μmから約90μm、または約50μmから80μm、または、約60μmから65μm、例えば50μm、65μm、76μmまたは88μmを含めることができる。本開示の水溶性フォーム基材は、高ロフトまたは低ロフトとして特徴付けることができる。ロフトは、単位面積当たりの質量に対する厚さの比を指す(即ち、坪量)。高ロフト水溶性フォーム基材は、単位面積当たりの質量に対する厚さの高い比によって特徴付けることができる。本明細書で使用される「高ロフト」は、本明細書で定義される坪量と、200μmを超える厚さとを有する本開示の水溶性フォーム基材を指す。水溶性フォーム基材の厚さは、ASTM D5729-97、ASTM D5736、および/またはISO 9073-2:1995に従い決定することができ、例えば水溶性フォーム基材を2Nの負荷に供し、厚さを測定することを含むことができる。高ロフト材料は、当技術分野での公知の方法、例えば、非結合ウェブをそれ自体に折り畳んでロフトおよび坪量を構築するためのクロスラッパーを使用する、クロスラッピングに従い使用することができる。
【0139】
本開示の水溶性フォーム基材に関する動的摩擦係数と、静的摩擦係数の動的摩擦係数に対する比は、水溶性フィルムに対する水溶性フォーム基材の表面粗さの増大に起因して、水溶性フィルムに関する動的摩擦係数と、静的摩擦係数の動的摩擦係数に対する比とよりも低くなり、水溶性フォーム基材に対する表面接触の減少をもたらす。有利には、この表面粗さは、改善された消費者の感触(即ち、ゴム状の手触りの代わりにクロス様の手触り)、改善された審美性(即ち、水溶性フィルムよりも光沢が少ない)、および/または加工設備/金型の表面に沿って水溶性フォーム基材を引き出す必要があり得るものの加工性の容易さを、提供することができる。したがって、例示実施形態では、水溶性繊維および/または非水溶性繊維は、引き摺りをもたらすほど粗くなることなく、得られた水溶性フォーム基材に表面粗さが提供されるよう十分に粗くすべきである。
【0140】
本開示の可溶性フォーム基材の水への溶解度は、一般に、水溶性フォーム基材の調製に使用される繊維(複数可)のタイプの関数ならびに水溶性フォーム基材の坪量の関数である。理論に拘泥するものではないが、水溶性フォーム基材の溶解度プロファイルは、水溶性フォーム基材を調製するのに使用される繊維(複数可)の同じ溶解度プロファイルに従い、繊維の溶解度プロファイルは、一般に、そこから繊維が調製されるポリマー(複数可)の同じ溶解度プロファイルに従うと考えられる。例えば、PVOH繊維を含む水溶性フォーム基材では、PVOHポリマーの加水分解度を、水溶性フォーム基材の水への溶解度も影響を受けるように選択することができる。一般に、所与の温度で、PVOHポリマーの加水分解度が部分加水分解(88%DH)から完全加水分解(≧98%DH)に増大するにつれ、ポリマーの水溶解度は一般に減少する。したがって、例示実施形態では、水溶性フォーム基材は冷水可溶性とすることができる。他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマーでは(例えば、陰イオン性モノマーと共重合しない)、10℃未満の温度で水に可溶な冷水可溶ウェブは、加水分解度が約75%から約90%の範囲、または約75%から約89%の範囲、または約80%から約90%の範囲、または約85%から約90%の範囲、または約90%から約99.5%の範囲にあるPVOHの繊維を含むことができる。他の例示実施形態では、水溶性フォーム基材を温水可溶性とすることができる。例えば、他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(例えば、陰イオン性モノマーと共重合しない)では、加水分解度が少なくとも約98%であるPVOHの繊維を含むことにより、温水可溶性フォーム基材は、少なくとも約60℃の温度の水に可溶であるとすることができる。
【0141】
PVOHコポリマーの修飾はPVOHポリマーの溶解度を増大させる。したがって所与の温度で、修飾PVOHコポリマーから調製された水溶性フォーム基材の溶解度は、修飾PVOHコポリマーと同じ加水分解度を有するPVOHコポリマーから調製された水溶性フォーム基材の場合よりも高くなると予測される。これらの傾向に従い、特定の溶解度特性を有する水溶性フォーム基材は、ポリマーを繊維内にブレンドすることによっておよび/または水溶性フォーム基材内に繊維をブレンドすることによって設計することができる。さらに、本明細書に記述されるように、水溶性フォーム基材は複数の繊維を含み、場合によっては溶解度の異なる2種またはそれよりも多くの繊維タイプを含む場合がある。
【0142】
非水溶性繊維および/または非水溶性繊維形成材料を、水溶性フォーム基材の複数の繊維に含めることは、特定の溶解度および/または長期放出特性を有する水溶性フォーム基材を設計するのに使用することもできる。理論に拘泥するものではないが、水溶性フォーム基材に含まれる非水溶性繊維の重量パーセントが増大するにつれ(水溶性フォーム基材の全重量に対して)、水溶性フォーム基材の溶解度は一般に低下し、水溶性フォーム基材を含むパウチの長期放出特性は一般に増大すると考えられる。水溶性繊維の溶解度温度でまたはそれよりも高い温度で水と接触すると、水溶性繊維および非水溶性繊維を含む水溶性フォーム基材は、水溶性繊維が溶解するにつれて分散し始めることになり、それによってフォーム構造が破壊されおよび/または水溶性フォーム基材の細孔の孔径が増大する。フォーム構造の破壊が大きくなるにつれまたは孔径が大きくなるにつれ、水はより速く活性クレンジング配合物に触れることができるようになり、活性クレンジング配合物はより速く放出されるようになる。同様に、本開示の水溶性フォーム基材に含有される活性クレンジング配合物の長期放出は、種々の溶解度特性および/または種々の溶解度温度を有する水溶性繊維のブレンドを使用することによって実現することができる。より速く溶解する繊維が溶解すると、それによってフォームは破壊され、少ない可溶性繊維が、より広い露出した表面積を有するようになり、少ない可溶性繊維の溶解および活性クレンジング配合物の放出が容易になる。フォーム基材が水溶性繊維および非水溶性繊維を含む例示実施形態では、可溶性繊維の非水溶性繊維に対する比は、特に限定されない。水溶性繊維は、複数の繊維の全重量の重量に基づき、約1%から約99%、約20%から約80%、約40%から約90%、約50%から約90%、または約60%から約90%を構成することができ、非水溶性繊維は、繊維の全重量の重量に基づき、約1%から約99%、約20%から約80%、約10%から約60%、約10%から約50%、または約10%から約40%を構成することができる。例示実施形態では、複数の繊維は、繊維の全重量に対して約10%から約80%の水溶性繊維を含み、残りは非水溶性繊維である。
【0143】
例示実施形態では、本明細書に開示される不織ウェブ、複数の繊維、フォーム、水溶性フィルム、またはこれらの組合せは、生分解性ポリマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、複数の繊維は、生分解性である材料を形成する非水溶性繊維を含むことができる。例示実施形態では、複数の繊維は、非水溶性生分解性繊維である第1の繊維と、MSTM-205に従い約10℃から約20℃の温度の水に可溶であるまたはMSTM-205に従い約30℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではない第2の繊維とを含むことができる。例示実施形態では、不織ウェブは、非水溶性および生分解性である。
【0144】
例示実施形態では、水溶性フォーム基材は生分解性である。本明細書で使用される場合、水溶性フォーム基材が生分解性であるといわれるときには、水溶性フォーム基材の少なくとも50%が生分解性であり、例えば水溶性フォーム基材の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が生分解性である。
【0145】
本明細書に開示される水溶性フォーム基材は、第1の繊維タイプおよび第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含むことができ、第1および第2の繊維タイプは、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(T)、化学組成、色、またはこれらの組合せに差がある。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、PVOHホモポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料、修飾PVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのPVOHホモポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くの修飾PVOHコポリマー繊維形成材料またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第2の繊維タイプは、PVOHホモポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料、修飾PVOHコポリマー繊維形成材料またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第2の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのPVOHホモポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くの修飾PVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプおよび/または第2の繊維タイプは、非水溶性繊維形成材料である。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、非水溶性ポリマー繊維形成材料を含むことができ、第2の繊維タイプは、不織ウェブの単独の繊維形成材料としてまたはフィルムとして提供されたときに、得られたウェブまたはフィルムがMSTM-205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶であるポリビニルアルコール繊維形成材料を含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプは非水溶性ポリマー繊維形成材料を含むことができ、第2の繊維タイプは、水溶性フォーム基材の単独の繊維形成材料として提供されたときに、得られた水溶性フォーム基材がMSTM-205により20℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではないPVOHコポリマーまたは修飾コポリマー繊維形成材料を含むことができる。例示実施形態では、第1の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くの修飾PVOHコポリマー繊維形成材料、またはPVOHホモポリマー繊維形成材料とPVOHコポリマー繊維形成材料との組合せを含む。例示実施形態では、第2の繊維タイプは、2種またはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、2種またはそれよりも多くの修飾PVOHコポリマー繊維形成材料、またはPVOHコポリマー繊維形成材料と修飾PVOHコポリマー繊維形成材料との組合せを含む。
【0146】
本開示の水溶性フォーム基材に含まれる複数の繊維は、任意の靭性を有することができる。繊維の靭性は、繊維の粗さに相関する。繊維の靭性が低下するにつれ、繊維の粗さは増大する。本開示の不織ウェブを調製するのに使用される繊維は、約1から約100cN/dtex、または約1から約75cN/dtex、または約1から約50cN/dtex、または約1から約45cN/dtex、または約1から約40cN/dtex、または約1から約35cN/dtex、または約1から約30cN/dtex、または約1から約25cN/dtex、または約1から約20cN/dtex、または約1から約15cN/dtex、または約1から約10cN/dtex、または約3から約8cN/dtex、または約4から約8cN/dtex、または約6から約8cN/dtex、または約4から約7cN/dtex、または約10から約20、または約10から約18、または約10から約16の範囲、または約1cN/dtex、約2cN/dtex、約3cN/dtex、約4cN/dtex、約5cN/dtex、約6cN/dtex、約7cN/dtex、約8cN/dtex、約9cN/dtex、約10cN/dtex、約11cN/dtex、約12cN/dtex、約13cN/dtex、約14cN/dtex、または約15cN/dtexの靭性を有することができる。例示実施形態では、複数の繊維は、約3cN/dtexから約15cN/dtex、または約5cN/dtexから約12cN/dtex、または約5cN/dtexから約10cN/dtexの範囲の靭性を有することができる。
【0147】
水溶性フォーム基材の靭性は、ウェブの調製に使用される複数の繊維の靭性と同じにすることができまたは異ならせることができる。理論に拘泥するものではないが、水溶性フォーム基材の靭性は不織ウェブの強度に関係し、より高い靭性はより高い強度を不織ウェブに提供すると考えられる。水溶性フォーム基材の靭性は、異なる靭性を有する繊維を使用することによって修正することができる。水溶性フォーム基材の靭性は、加工により影響を受ける可能性もある。本開示の水溶性フォーム基材は、比較的高い靭性を有し、即ち水溶性フォーム基材は、物品および/またはパウチを調製するための単独の材料として使用することができる自立型基材である。対照的に、メルトブロー、エレクトロスピニング、および/または回転スピニングプロセスにより調製された水溶性フォーム基材は、低い靭性を有し、自立型でもなくまたは物品もしくはパウチを形成するための単独の基材として使用することもできないことがある。
【0148】
水溶性フォーム基材は、坪量によって特徴付けることができる。水溶性フォーム基材の坪量は、水溶性フォーム基材の単位面積当たりの質量である。坪量は、当技術分野で公知のように、製造条件を様々にすることによって修正することができる。水溶性フォーム基材は、結合の前および後に同じ坪量を有することができる。あるいは、結合方法は、水溶性フォーム基材の坪量を変えることができる。例えば、結合が熱および圧力の印加を通して生じる場合、水溶性フォーム基材の厚さ(したがって、水溶性フォーム基材の領域)を減少させることができ、それによって坪量が増大する。したがって、本明細書で使用される場合および他に指定しない限り、水溶性フォーム基材の坪量は、結合の後の水溶性フォーム基材の坪量を指す。
【0149】
本開示の水溶性フォーム基材は、約0.1g/mから約700g/m、約0.5g/mから約600g/m、約1g/mから約500g/m、約1g/mから約400g/m、約1g/mから約300g/m、約1g/mから約200g/m、約1g/mから約100g/m、約30g/mから約100g/m、約20g/mから約100g/m、約20g/mから約80g/m、または約25g/mから約70g/mの範囲の任意の坪量を有することができる。
【0150】
さらに、繊維組成およびウェブ厚さが一定のままであることを前提として、水溶性フォーム基材の坪量が増大するにつれ水溶性フォーム基材の溶解速度は低下するが、それはより多くの材料が溶解することになるからである。例えば、所与の温度で、PVOHポリマー(複数可)を含み、例えば40g/mの坪量を有する繊維から調製された水溶性フォーム基材は、例えば30g/mの坪量を有し、その他の点では同一の水溶性ウェブよりも、遅く溶解すると予測される。したがって坪量は、水溶性フォーム基材の溶解度特性を修正するのに使用することもできる。水溶性フォーム基材は、約1g/mから約700g/m、約1g/mから約600g/m、約1g/mから約500g/m、約1g/mから約400g/m、約1g/mから約300g/m、約1g/mから約200g/m、約10g/mから約100g/m、約30g/mから約100g/m、約20g/mから約100g/m、約20g/mから約80g/m、約25g/mから約70g/m、または約40g/mから約60g/mの範囲の任意の坪量を有することができる。
【0151】
本開示の水溶性フォーム基材は、単層として使用することができ、その他の水溶性フォーム基材と層状化することができ、または水溶性フィルムとの積層体の形をとることができる。一部の実施形態では、水溶性フォーム基材は単層を含む。一部の実施形態では、水溶性フォーム基材は、2層またはそれよりも多くの層を含む多層水溶性フォーム基材である。2層またはそれよりも多くの層は、互いに積層することができる。前述の実施形態の改良例では、2層またはそれよりも多くの層を同じにすることができる(例えば、同じ繊維および坪量から調製することができる)。前述の実施形態の改良例では、2層またはそれよりも多くの層は、異ならせることができる(例えば、異なるタイプの繊維、繊維の化学的性質から調製することができ、および/または異なる坪量を有する)。
【0152】
多層水溶性フォーム基材は、個々の層の坪量の合計である坪量を有することができる。したがって多層水溶性フォーム基材は、単層として提供される個々の層のいずれかよりも、溶解するのに長時間を要することになる。
水溶性フィルム
【0153】
本明細書に記述される水溶性フィルムは、本明細書に開示される水溶性のポリマーのうちのいずれかを含む。例示実施形態では、本開示の水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂、修飾ポリビニルアルコール樹脂、またはこれらの組合せを含む。例示実施形態では、水溶性フィルムは、PVOHホモポリマー、PVOHコポリマー、陰イオン性修飾を有するPVOHコポリマー、および前述の組合せからなる群から選択されるPVOH樹脂を含む。例示実施形態では、水溶性フィルムは、単一のPVOHポリマーまたはPVOHポリマーのブレンドを含むことができる。例示実施形態では、水溶性フィルムはPVOHコポリマーを含む。例示実施形態では、水溶性フィルムは温水可溶性PVOHコポリマーを含む。不織ウェブが界面活性剤および/または角質除去剤を含む例示実施形態では、水溶性フィルムは、陰イオン性修飾を有するPVOHコポリマーを含むことができる。例示実施形態では、水溶性フィルムは、単独のフィルム形成材料としてフィルム中に提供されるとき、フィルムがMSTM-205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶である、水溶性ポリビニルアルコールコポリマーまたは修飾コポリマーを含むことができる。例示実施形態では、水溶性フィルムは、単独のフィルム形成材料としてフィルム中に提供されたとき、フィルムがMSTM-205により20℃またはそれよりも低い水の温度で水溶性ではない、水溶性ポリビニルアルコールコポリマーまたは修飾コポリマーを含むことができる。
【0154】
水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、水溶性アクリレートコポリマー、ポリエチレンイミン、プルラン、水溶性天然ポリマーであって限定するものではないがグアールガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギナン、およびデンプンを含むもの、水溶性ポリマー加工デンプン、前述のコポリマー、または前述のいずれかの組合せを含むがこれらに限定されないその他のフィルム形成ポリマーを含むことができる。他の水溶性ポリマーは、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、または前述のいずれかの組合せを含むことができる。そのような水溶性ポリマーは、様々な供給元から市販されている。例示実施形態では、水溶性フィルムは、PVOHホモポリマー、PVOHコポリマー、修飾PVOHコポリマー、またはそれらの組合せを含むことができる。例示実施形態では、水溶性フィルムは、単一のPVOHコポリマーまたはPVOHコポリマーのブレンドを含む。さらなる実施形態では、水溶性フィルムは、粘度が5cPから23cPの範囲にあり、加水分解度が86%から92%の範囲にあるPVOHコポリマーを含む。
【0155】
フィルムは、任意の適切な厚さを有することができ、約76ミクロン(μm)のフィルム厚さが典型的であり特に企図される。企図されるその他の値および範囲は、約5μmから約200μmの範囲、または約20μmから約100μmの範囲、または約40μmから約90μmの範囲、または約50μmから80μmの範囲、または約60μmから65μm、例えば65μm、76μm、または88μmの値を含む。
【0156】
例示実施形態では、水溶性フィルムは上述の補助剤を含むことができる。例示実施形態では、水溶性フィルムは、上述の補助剤を実質的に含まなくてもよい。例示実施形態では、水溶性フィルムは上述の可塑剤を含むことができる。水溶性フィルムに提供される非水可塑剤の総量は、全フィルム重量に対して約1重量%から約45重量%、または約5重量%から約45重量%、または約10重量%から約40重量%、または約20重量%から約30重量%、約1重量%から約4重量%、または約1.5重量%から約3.5重量%、または約2.0重量%から約3.0重量%の範囲、例えば約1重量%、約2.5重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、または約40重量%とすることができる。例示実施形態では、水溶性フィルムは、プロピレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、トリメチロールプロパン(TMP)およびポリエチレングリコール(100~1000分子量)の1種または複数を含む。
【0157】
例示実施形態では、水溶性フィルムは上述の界面活性剤を含むことができる。様々な実施形態では、水溶性フィルム中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約2.5重量%、約0.1重量%から約2.5重量%、約1.0重量%から約2.0重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。例示実施形態では、水溶性フィルムは、ポリソルベート80、様々な植物源からのレシチン、およびラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、および同様のものの1種または複数を含む。
【0158】
例示実施形態では、水溶性フィルムの補助剤は、充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/粘着防止剤を含むことができる。適切な充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/粘着防止剤には、限定するものではないが架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶質セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ステアリン酸およびその金属塩、例えばステアリン酸マグネシウムが含まれる。必要に応じて、追加の非加工デンプンまたは加工デンプンは、上述の特定のデンプン成分の1種に加えて水溶性に含めることができ、例えば、約5phrから約30phrの範囲の量で存在するヒドロキシプロピル化デンプン、または約2%よりも高い修飾度を有し、約2.5phrから約30phrの範囲の量で存在する加工デンプン、または約20%から約80%の範囲のアミロース含量を有する非加工デンプン、または約23%から約95%の範囲のアミロース含量を有するヒドロキシプロピル加工デンプンであり、これらはポリビニルアルコールが非修飾ポリビニルアルコールコポリマーまたは陰イオン性修飾ポリビニルアルコールコポリマーを含む場合であり、陰イオン性修飾剤がアクリレートではないことを前提とするものである。好ましい材料は、デンプン、加工デンプン、およびシリカである。一実施形態では、水溶性フィルム中の充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/粘着防止剤の量は、例えば約1重量%から約6重量%、または約1重量%から約4重量%、または約2重量%から約4重量%、または約1phrから約6phr、または約1phrから約4phr、または約2phrから約4phrの範囲にすることができる。例示実施形態では、上述の特定のデンプン成分の1種に加えてデンプンまたは加工デンプンが水溶性フィルム中に含まれるとき、追加のデンプン成分は、フィルム中に含まれる全てのデンプンの全重量に対して約50重量%未満の量で提供されることになる。理論に拘泥するものではないが、上述のデンプン成分を含むことから本開示の水溶性フィルムに提供される任意の利益は、水溶性フィルムに少ない利益をもたらすまたは水溶性フィルムに利益をもたらさない追加のデンプン成分を含むことによる影響を受けないと考えられる。
【0159】
水溶性フィルムはさらに、Karl Fischer滴定により測定したときに少なくとも4重量%、例えば約4重量%から約10重量%の範囲の残留湿分含量を有することができる。
繊維を調製する方法
【0160】
湿式冷却ゲル紡糸
【0161】
例示実施形態では、複数の水溶性繊維は、湿式冷却ゲル紡糸プロセスに従い調製された水溶性繊維を含むことができ、この湿式冷却ゲル紡糸プロセスは:
(a)水溶性ポリマー(または複数のポリマー)を溶液に溶解して、必要に応じて補助剤を含むポリマー混合物を形成するステップ;
(b)ポリマー混合物をスピナレットノズルに通して凝固浴に押し出して、押出しポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出しポリマー混合物を溶媒交換浴に通すステップ;
(d)必要に応じて、押出しポリマー混合物を湿式伸線するステップ;および
(e)押出しポリマー混合物を仕上げて、水溶性繊維を提供するステップ
を含む。
【0162】
水溶性ポリマーが溶解する溶媒は、適切には、水溶性ポリマーが可溶である任意の溶媒とすることができる。例示実施形態では、水溶性ポリマーが溶解する溶媒は、極性非プロトン性溶媒を含む。例示実施形態では、水溶性ポリマーが溶解する溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。
【0163】
凝固浴は、押し出されたポリマー混合物をゲル化するための冷却溶媒を含む。凝固浴は一般に、押し出されたポリマー混合物の凝固を容易にする任意の温度にすることができる。凝固浴は、ポリマーが可溶である溶媒とポリマーが可溶ではない溶媒とを含む混合物とすることができる。ポリマーが可溶ではない溶媒は、一般に一次溶媒であり、ポリマーが可溶ではない溶媒は、混合物の50体積%よりも多くを構成する。
【0164】
凝固浴を通過した後、押し出されたポリマー混合物ゲルは、1つまたは複数の溶媒交換浴を通過することができる。溶媒交換浴は、水溶性ポリマーが可溶である溶媒を、水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒で置き換えて、押出しポリマー混合物をさらに凝固し、さらに水溶性ポリマーが可溶である溶媒を、さらに容易に蒸発することになる溶媒で置き換え、それによって乾燥時間を短縮するために、設けられる。溶媒交換浴は、水溶性ポリマーが可溶である溶媒ならびに水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒の勾配を有する一連の溶媒交換浴、水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒のみ有する一連の溶媒交換浴、または水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒のみ有する単一の溶媒交換浴を含むことができる。例示実施形態では、少なくとも1つの溶媒交換浴は、水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒から本質的になることができる。
【0165】
完成した繊維を、ステープル繊維、ショートカット繊維、またはパルプと呼ぶこともある。例示実施形態では、仕上げは、押出しポリマー混合物を乾燥することを含む。例示実施形態では、仕上げは、押出しポリマー混合物を切断しまたは捲縮して、個々の繊維を形成することを含む。押出しポリマー混合物の湿式延伸は、実質的に均一な直径を押出しポリマー混合物に提供することができ、したがって繊維はそこから切断される。延伸は、当技術分野で周知のように押出しとは全く異なる。特に「押出し」は、樹脂混合物をスピナレットヘッドに強制的に通して繊維を作製する動作を指し、それに対して延伸は、機械の流れ方向に繊維を機械的に引っ張って、ポリマー鎖の配向および結晶化度を促進させることにより繊維強度および靭性を増大させることを指す。
【0166】
水溶性繊維が湿式冷却ゲル紡糸プロセスから調製される例示実施形態では、水溶性ポリマーは一般に、本明細書に概略的に記述されるように、任意の水溶性ポリマーまたはそのブレンド、例えば2種またはそれよりも多くの種々のポリマーとすることができる。前述の実施形態の改良例では、ポリマー(複数可)は、任意の重合度(DP)、例えば10から10,000,000の範囲、例えば少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、または少なくとも1000、および最大10,000,000、最大5,000,000、最大2,500,00、最大1,000,000、最大900,000、最大750,000、最大500,000、最大250,000、最大100,000、最大90,000、最大75,000、最大50,000、最大25,000、最大12,000、最大10,000、最大5,000、または最大2,500、例えば1000から約50,000、1000から約25,000、1000から約12,000、1000から約5,000、1000から約2,500、約50から約12,000、約50から約10,000、約50から約5,000、約50から約2,500、約50から約1000、約50から約900、約100から約800、約150から約700、約200から約600、または約250から約500の範囲を有することができる。例示実施形態では、DPは、少なくとも1,000である。上述の補助剤は、繊維自体にまたは不織ウェブに、カーディングおよび/または結合プロセス中に添加することができる。
【0167】
熱可塑性繊維紡糸
【0168】
熱可塑性繊維紡糸は、当技術分野で周知である。簡単に言うと、熱可塑性繊維紡糸は:
(a)補助剤を必要に応じて含む繊維形成ポリマーを含むポリマー混合物を調製するステップ;
(b)ポリマー混合物を、スピナレットノズルに通して押し出して、押出しポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出しポリマー混合物を必要に応じて延伸するステップ;および
(d)押出しポリマー混合物を仕上げて、繊維を得るステップ
を含む。
【0169】
熱可塑性繊維紡糸プロセスの完全ステープル繊維は、個々の繊維が形成されるように、乾燥、切断、および/または捲縮によって仕上げることができる。押出しポリマー混合物の延伸は、繊維を機械の流れ方向に機械的に引っ張り、ポリマー鎖の配向および結晶化度を促進させて、繊維強度および靭性を増大させる。熱可塑性繊維紡糸用のポリマー混合物の調製は、(a)繊維形成材料と容易に揮発する溶媒との溶液を調製し、溶液をスピナレットに通して押し出した後、溶液が温風流に接触したときに溶媒を容易に蒸発させて固体繊維が残されるようにすること、または(b)ポリマーを溶融して、高温ポリマーをスピナレットに通して押し出した後に冷風でクエンチ処理することによってポリマーが凝固するようにすることを含むことができる。熱可塑性繊維紡糸法は、少なくとも、(a)熱可塑性繊維紡糸法では、押し出された繊維は、凝固浴の使用ではなく溶媒の蒸発によってまたは冷風での高温固体繊維のクエンチ処理によって凝固し;および(b)湿式冷却ゲル紡糸法では、必要に応じた延伸は、繊維が固体状態ではなくゲル状態にある間に行われる点で、湿式冷却ゲル紡糸法とは明らかに異なる。
【0170】
熱可塑性繊維紡糸プロセスから繊維を調製するための繊維形成材料は、任意の繊維形成ポリマーまたはそのブレンド、例えば2種またはそれよりも多くの種々のポリマーとすることができ、但しポリマーまたはそのブレンドは、容易に揮発する溶媒中の適切な溶解度を有すること、および/またはその分解温度よりも低く、明らかに異なる融点を有することを前提とする。さらに、繊維形成ポリマーのブレンドが繊維の作製に使用されるとき、繊維形成材料は、容易に揮発する溶媒中で類似の溶解度を持たなければならず、および/または2種もしくはそれよりも多くの繊維形成材料が類似の温度で溶融するように類似の熱プロファイルを持たなければならない。対照的に、湿式冷却ゲル紡糸プロセスから繊維を調製するための繊維形成材料は限定されておらず、繊維は、同じ溶媒系に可溶ないずれか2種のまたはそれよりも多くのポリマーのブレンドから調製することができ、溶媒系は、単一の溶媒またはさらに揮発性の溶媒である必要はない。
【0171】
熱可塑性繊維紡糸繊維を調製するための繊維形成ポリマー(複数可)は、例えば10から10,000の範囲、例えば少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、または少なくとも1000、および最大10,000、最大5,000、最大2,500、最大1,000、最大900、最大750、最大500、または最大250の重合度(DP)を有することができる。例示実施形態では、DPが1,000未満である。
【0172】
溶融紡糸
【0173】
溶融紡糸は当技術分野で周知であり、スパンボンドプロセスおよびメルトブロープロセスの両方を指すと理解される。溶融紡糸は、繊維形成に従い不織ウェブを直接調製する連続プロセスである。したがって、溶融紡糸形成繊維は完成されず、任意の一貫した長さに切断される(例えば、ステープル繊維はこれらのプロセスによって調製されない)。さらに、溶融紡糸は延伸ステップを含まず、したがって、得られる溶融紡糸繊維の直径の唯一の制御は、繊維形成材料が押し出される穴のサイズであり、ポリマー鎖はいかなる特定の方向にも配向しない。
【0174】
例示実施形態では、溶融紡糸は:
(a)補助剤を必要に応じて含む繊維形成ポリマーを含むポリマー混合物を調製するステップ;
(b)ポリマー混合物をダイアセンブリ内に押し出して、押出しポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出しポリマー混合物をクエンチ処理するステップ;
(d)クエンチ処理した押出しポリマー混合物をベルト上に堆積して、不織ウェブを形成するステップ;および
(e)不織ウェブを結合するステップ
を含む。
【0175】
スパンボンドプロセスでは、押し出されたポリマー混合物は、溶融ポリマーとしてダイアセンブリ内にポンプ送出され、ダイアセンブリを通過したときに冷風でクエンチ処理される。メルトブロープロセスでは、押出しポリマー混合物は、内部に温風が吹き付けられたダイアセンブリ内にポンプ送出され、ダイアセンブリを出るときにクエンチ処理され、周囲温度の空気に接触するようになる。両方のプロセスでは、繊維がベルトまたはドラム上に連続的に降下するが、これは通常はベルトまたはドラムの下に真空を引き込むことにより容易になったものである。
【0176】
溶融紡糸繊維の直径は、約0.1から約50ミクロンの範囲、例えば少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約2ミクロン、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロン、または少なくとも約20ミクロン、および最大約50ミクロン、最大約40ミクロン、最大約30ミクロン、最大約25ミクロン、最大約20ミクロン、最大約15ミクロン、最大約10ミクロン、約0.1ミクロンから約50ミクロン、約0.1ミクロンから約40ミクロン、約0.1ミクロンから約30ミクロン、約0.1ミクロンから約25ミクロン、約0.1ミクロンから約20ミクロン、約0.1ミクロンから約15ミクロン、約0.1ミクロンから約10ミクロン、約0.1ミクロンから約9ミクロン、約0.1ミクロンから約8ミクロン、約0.1ミクロンから約7ミクロン、約0.1ミクロンから約6ミクロン、約0.1ミクロンから約6ミクロン、約5ミクロンから約35ミクロン、約5ミクロンから約30ミクロン、約7.5ミクロンから約25ミクロン、約10ミクロンから約25ミクロン、または約15ミクロンから約25ミクロンの範囲にある。メルトブロープロセスは、約1~10ミクロンの範囲の平均直径を有するマイクロファイン繊維を提供できるが、メルトブロープロセスは、繊維間直径に非常に大きいばらつきを有すること、例えば100~300%のばらつきを有することが当技術分野では周知である。さらに、スパンボンド繊維は、より大きい平均繊維直径、例えば、約15から約25ミクロンを有することができるが、繊維間で改善された均一性、例えば約10%のばらつきを有することが当技術分野では周知である。
【0177】
熱押出しプロセス(例えば、溶融紡糸、熱可塑性繊維紡糸)用の繊維形成材料は、湿式冷却ゲル紡糸プロセスの場合よりもさらに制限される。例えば、熱押出しプロセス用の重合度は、約200から約500の範囲に限定される。重合度が200よりも低く減少するにつれ、繊維形成材料の粘度も低過ぎるようになり、ダイアセンブリを通して材料をポンプ送出することにより調製された個々の繊維は、ダイアセンブリから出た後に適切な分離を維持しない。同様に、重合度が500よりも高く増大するにつれ、粘度は、高速でプロセスを実行するためダイアセンブリの十分小さい穴を通して材料を効率的にポンプ送出するには高過ぎるようになり、したがってプロセスの効率ならびに繊維および/または不織の均一性が失われる。さらに、繊維形成材料の加熱を必要とするプロセスは、ホモポリマーが一般に必要な熱安定性を持たないので、ポリビニルアルコールホモポリマーに不適切である。
【0178】
湿式冷却ゲル紡糸プロセスは、有利には、水溶性ポリマーのブレンドを含む繊維を提供し、繊維の直径の制御を行い、比較的大きい直径の繊維を提供し、繊維の長さの制御を行い、繊維の靭性の制御を行い、高い靭性の繊維を提供し、大きい重合度を有するポリマーから繊維を提供し、および/または自立型不織ウェブを提供するのに使用することができる繊維を提供するなど、1つまたは複数の利益を提供する。スパンボンド、メルトブロー、エレクトロスピニング、および回転紡糸などの連続プロセスは一般に、水溶性ポリマーのブレンド(例えば、様々なポリマーのメルトインデックスに一致する難しさに起因して)、大きい直径(例えば、50ミクロンよりも大きい)の繊維の形成、繊維の長さの制御、高靭性の繊維の提供、および高い重合度を有するポリマーの使用を可能にしない。さらに、湿式冷却ゲル紡糸プロセスは、有利には、溶融加工可能であるだけのポリマーに限定されず、したがって非常に高い分子量、高い融点、低いメルトフローインデックス、またはこれらの組合せを有する繊維形成材料から作製された繊維を利用可能であり、熱押出しプロセスにより調製された繊維と比較して、より強力な物理的性質および種々の化学的機能性を有する繊維が提供される。さらになお、有利には、湿式冷却ゲル紡糸プロセスは、ポリマーの粘度によって限定されない。対照的に、繊維形成材料の溶融を必要とするプロセスは、粘度が5cPまたはそれよりも小さい繊維形成材料に限定されることが、当技術分野では公知である。このように、粘度が5cPよりも大きいポリビニルアルコールホモポリマーおよびコポリマーを含むポリマーを含む繊維は、湿式冷却ゲル紡糸によってのみ利用可能である。
不織ウェブを調製する方法
【0179】
本開示の不織ウェブは、2つの外面を有するシート様構造であり、この不織ウェブは複数の繊維を含んでいる。本開示の不織ウェブは、当技術分野で任意の公知の方法を使用して、繊維から調製することができる。当技術分野で公知のように、繊維がスパンボンドまたはメルトブローされると、繊維は連続的に横に置かれて不織ウェブを形成し、その後、繊維は結合される。
【0180】
ステープル繊維は、カーディングされまたはエアレイドされおよび結合されて、不織ウェブを提供する。カーディングおよびエアレイドする方法は、当技術分野で周知である。
【0181】
不織ウェブを結合する方法は、当技術分野で周知である。例えば結合は、熱、機械、および/または化学結合を含むことができる。熱結合は、限定するものではないがカレンダー掛け、エンボス加工、エアスルー、および超音波を含むことができる。機械結合は、限定するものではないが水流交絡(スパンレース)、針穿孔、およびステッチ結合を含むことができる。化学結合は、限定するものではないが溶媒結合および樹脂結合を含むことができる。
【0182】
熱結合は、熱および圧力を加えることによって実現され、カーディングプロセスにより生成された孔径、形状、およびアライメントを維持する。熱結合の条件は、当業者により容易に決定することができる。加えられる熱および/または圧力が低過ぎる場合、繊維は独立型ウェブを形成するよう十分結合しなくなり、熱および/または圧力が高過ぎる場合、繊維は一緒に混ざり始めるようになる。繊維の化学的性質は、熱結合用の熱および/または圧力の上限および下限を決定する。理論に拘泥するものではないが、235℃よりも高い温度で、ポリビニルアルコール系繊維は分解すると考えられる。繊維の熱結合のためのエンボス加工方法が公知である。エンボス加工は、片面エンボス加工または両面エンボス加工とすることができる。水溶性繊維のエンボス加工は、秩序円形配列からなる単一エンボス加工ロールおよび平面を持つスチールロールを使用する片面エンボス加工を含む。エンボス加工が増大するにつれ(例えば、表面フィーチャがウェブに与えられるにつれ)、ウェブの表面積が増大する。理論に拘泥するものではないが、ウェブの表面積が増大するにつれ、ウェブの溶解度が増大する。したがって不織ウェブの溶解度特性は、有利には、エンボス加工を通して表面積を変化させることにより、調整することができる。
【0183】
エアスルー結合は、不織ウェブ中の高い熱可塑性含量と、2種の異なる融点の材料とを必要とする。エアスルー結合では、非結合不織ウェブはドラムの周りを循環し、一方、温風はドラムの外側からドラムの中心に向かって流れる。エアスルー結合は、低密度およびより高い坪量(例えば、20から約2000g/mよりも大きい)を有する不織を提供することができる。エアボンドにより結合された不織は、非常に軟らかい。
【0184】
化学結合は、溶媒結合および樹脂結合を含む。特に、化学結合は、溶媒および樹脂(例えば、ラテックス、または繊維の調製から残された廃棄ポリマー)の結合剤溶液を使用してもよい。不織ウェブは、結合剤溶液でコーティングすることができ、熱および圧力を加えて結合剤を硬化し、不織を結合することができる。結合剤溶液は、結合剤溶液の浴に不織を浸漬し、結合剤溶液を不織上に噴霧し、結合剤溶液をウェブ上に押し出し(フォーム結合)、および/または結合剤溶液をプリントまたはグラビアとして付着させることによって、付着させることができる。
【0185】
化学結合は、カーディングされ/溶融紡糸された細孔に対して、より小さい、それほど秩序立っていない細孔をもたらすことができる。理論に拘泥するものではないが、化学結合に使用される樹脂溶液が十分に濃縮されおよび/または十分な圧力が加えられる場合、非多孔質不織ウェブを形成することができると考えられる。化学結合に使用される溶媒は、ウェブ中の既存の繊維の部分可溶化を誘発させて、繊維を一緒に溶着および結合する。したがって、化学結合用の溶媒は、不織の繊維の1種または複数の繊維形成材料を少なくとも部分的に可溶化することができる任意の溶媒とすることができる。例示実施形態では、溶媒は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される。例示実施形態では、溶媒は、水、グリセリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される。例示実施形態では、結合剤溶液は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される溶媒を含み、ポリビニルアルコール、ラテックス、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される樹脂をさらに含む。溶液中に提供された結合剤は、溶着プロセスを支援して、より機械的に堅牢なウェブを提供する。ポリマー溶液の温度は特に限定されず、室温(約23℃)で提供することができる。
【0186】
一部の実施形態では、繊維の第2の層を使用して、不織ウェブを結合することができる。例示実施形態では、不織ウェブ層は、単独で、または不織ウェブ/繊維の追加の層を使用した結合に加え、熱、機械、または化学結合を使用して結合することができる。
フィルムを不織ウェブまたはフォーム基材に積層する方法
【0187】
積層体(例えば、水溶性フィルムおよび不織)を調製する方法は、限定するものではないがカレンダー積層(熱および圧力)または溶融接着を含むことができる。
【0188】
カレンダー積層は、熱および圧力を加えることによって実現される。カレンダー積層の条件は、当業者によって容易に決定することができる。一般に、加えられる熱および/または圧力が低過ぎる場合、繊維は、積層体を形成する水溶性フィルムに十分に結合しなくなり、熱および/または圧力が高過ぎる場合、繊維は、互いにおよびフィルムと溶融し始める。繊維化学およびフィルム化学は、カレンダー積層の熱および/圧力の上限および下限を決定する。理論に拘泥するものではないが、235℃よりも高い温度で、ポリビニルアルコール系繊維は分解すると考えられる。例示実施形態では、オーバーレイ不織および水溶性フィルムに加えられる熱は、約50℃から約200℃、例えば約100℃から約200℃、約110℃から約190℃、約120℃から約180℃、または約130℃から約160℃である。例示実施形態では、オーバーレイ不織および水溶性フィルムに加えられる圧力は、約5psiから約50psi、例えば約10psiから約40psi、約15psiから約30psi、または約20psiから約30psiである。例示実施形態では、オーバーレイ不織および水溶性フィルムに加えられた熱は約150℃であり、加えられた圧力は約25psiである。例示実施形態では、熱および圧力は、約2~4秒間加えられる。繊維および/またはフィルムのカレンダー積層のためのエンボス加工の方法が、企図される。エンボス加工は、片面エンボス加工または両面エンボス加工とすることができる。例えば、水溶性繊維および/または水溶性フィルムのエンボス加工は、秩序円形配列からなる単一のエンボス加工ロールおよび平面を持つスチールロールを使用した片面エンボス加工を含む。エンボス加工が増大するにつれ(例えば、増大した量の表面フィーチャが、ウェブおよび/またはフィルムに与えられる)、積層体の表面積は増大する。理論に拘泥するものではないが、物品の表面積が減少するにつれ、ウェブおよび/またはフィルムの溶解度は現象すると考えられる。したがって不織ウェブおよび/または水溶性フィルムの溶解度特性は、エンボス加工を通して表面積を変化させることにより、有利に調整することができる。理論に拘泥するものではないが、単位用量物品の積層度が増大するにつれ、積層体の表面積は減少し、水溶性フィルムと不織との間の結合は増大し、その結果、溶解度が減少し液体放出時間が増大すると考えられる。
【0189】
溶融接着積層は、接着剤を水溶性フィルムに直接付着させることによって実現され、次いで不織ウェブを、付着された接着剤で水溶性フィルムの最上部に置き、不織ウェブおよび水溶性フィルムの接着のために低温積層に供する。本明細書で使用される場合、「低温積層」という用語は、圧力を必要とするが追加の熱は必要としない積層プロセスを指す。接着剤は、当業者に任意の適切な接着とすることができる。例示実施形態では、接着剤は、Henkel National接着剤である。水溶性フィルムへの直接的な接着剤の付着は、ホットメルト噴霧プロセスなどの当業者に対して任意の適切な方法により付着させることができる。例示実施形態では、溶融接着積層プロセスは、160℃でのホットメルト噴霧プロセス、その後の94N/mmの圧力での低温積層を含むことができる。
【0190】
本開示の積層体は一般に、水溶性フィルムおよび不織ウェブを含む。例示実施形態では、積層体は、約1%から約100%の積層度を有することができ、積層度は、約1%から約90%、または約25%から約75%、または約1%から約50%、または約5%から約25%、または約25%から約100%、または約50%から約100%の範囲とすることができる。本明細書で使用される場合、「積層度」は、不織ウェブに結合された水溶性フィルムの全面積の量を指す。例えば、約25%またはそれよりも低い積層度を有する積層体は、約25%またはそれよりも少ない水溶性フィルムの面積が不織ウェブに結合され、例えば、封止材のみで積層されることを意味する。例えば、約100%の積層度を有する積層体は、水溶性フィルムの面積の約100%が不織ウェブに結合されることを意味する。積層度が約25%またはそれよりも低い例示実施形態では、積層体は、積層が単位用量物品の各封止材で生ずるヒートシールプロセス中に実現することができる。積層体が約25%またはそれよりも低い積層度を有する例示実施形態では、この低い積層度は、内部空隙がありそこでは水溶性フィルムおよび不織ウェブが積層されずに非適合性の化学的性質を有する区画の物理的分離をもたらすと共に単位用量物品の組成の二段階送達システムの機会を提供するので、有利とすることができる。例示実施形態では、積層度が約5%から約25%の範囲にある。例示実施形態では、積層度が約50%から約100%の範囲にある。
溶解および崩壊試験(修正MSTM-205)
【0191】
不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体構造は、当技術分野で公知の方法であるMonoSol試験法205(MSTM 205)に従い、溶解時間および崩壊時間によって特徴付けることができまたはそれらに関して試験することができる。例えば、米国特許第7,022,656号を参照されたい。以下に提示される記述は不織ウェブを指すが、水溶性フィルムまたは積層体構造に等しく適用可能である。
【0192】
装置および方法:
600mLビーカー
磁気撹拌子(LablineモデルNo.1250または均等物)
磁気撹拌棒(5cm)
温度計(0から100℃±1℃)
テンプレート、ステンレス鋼(3.8cm×3.2cm)
タイマー(0~300秒、秒単位で正確)
Polaroid 35mmスライドマウント(または均等物)
MonoSol 35mmスライドマウントホルダー(または均等物)
蒸留水
【0193】
試験がなされる各不織ウェブごとに、3.8cm×3.2cmの試験片である3つの試験片を不織ウェブ試料から切断する。試験片は、ウェブの横方向に沿って均等に間隔を空けて配置されたウェブの領域から切断されるべきである。次いで各試験片を、以下の手順を使用して分析する。
各試験片を、個別の35mmスライドマウントに固定する。
ビーカーに500mLの蒸留水を満たす。温度計で水温を測定し、必要に応じて水を加熱しまたは冷やして、溶解が決定される温度、例えば20℃(約68°F)の温度を維持する。
水柱の高さをマークする。磁気撹拌子をホルダーの基部に置く。ビーカーを磁気撹拌子上に置き、磁気撹拌棒をビーカーに加え、撹拌子を回し、水柱の高さの約5分の1で渦流が生じるまで、撹拌速度を調節する。渦流の深さをマークする。
35mmのスライドマウントを、35mmのスライドマウントホルダーのアリゲータークランプに固定し、スライドマウントの長辺が水面と平行になるようにする。ホルダーの深さ調節機は、降下したときにクランプの端部が水の表面から0.6cm下になるように設定すべきである。スライドマウントの短片の1つは、ビーカーの側面に隣接すべきであり、他方は撹拌棒の中心の直上に直接位置決めされて、不織ウェブの表面が水の流れに直交するようになされる。
1回の動作で、固定されたスライドおよびクランプを水中に落とし、タイマーを始動させる。試料がスライド内で破損したとき、例えば穴ができたとき、破裂が生じる。不織ウェブが裂かれると崩壊が生じ、試料材料がスライド中に残らない。目に見える全ての不織ウェブがスライドマウントから放出されると、スライドは水の中から上昇し、その間、溶解していない不織ウェブの断片に関して溶液をモニターし続ける。溶解は、全ての不織ウェブ断片がもはや見えなくなり、溶液が透明になるときに生じる。低い加水分解度(例えば、約65~88%)を有するポリビニルアルコールポリマーから、繊維が調製された不織試料では、破裂および溶解が同時に起こることがある。破裂と溶解の間の差が5秒またはそれよりも長い場合、溶解時間は、破裂時間と独立して記録される。
【0194】
減粘時間もまた、MSTM-205を使用して決定することができる。他の繊維がそのままの状態であるのに、不織ウェブを構成する繊維の一部が溶解するとき、不織ウェブの減粘が生じる。ウェブの減粘はウェブの崩壊の前に生じる。減粘は、不織ウェブの不透明性の低下、または透過率の増加によって特徴付けられる。不透明から透明へ徐々に変化し、視覚的に観察することができる。MSTM-205の間に、固定されたスライドおよびクランプが水中に降下した後、不織ウェブの不透明性/透過率をモニターする。不透明性/透過率の変化が観察されない時点で(即ち、ウェブがより不透明にもより透明にもならない)、その時間が減粘時間として記録される。
【0195】
結果は、下記を含むべきである:完全な試料の同定;個々のおよび平均の崩壊および溶解時間;ならびに試料が試験される水温。
単繊維溶解度を決定するための方法
【0196】
単繊維の溶解度は、水切れ温度により特徴付けられる。繊維破壊温度は下記のように決定することができる。2mg/dtexの負荷を、固定長100mmの繊維にかける。水温は1.5℃で開始し、次いで1.5℃ずつ、2分ごとに、繊維が破壊されるまで上昇させる。繊維が破壊される温度を、水切れ温度と呼ぶ。
【0197】
単繊維の溶解度は、完全溶解の温度によっても特徴付けることができる。完全溶解の温度は下記の通り決定することができる。固定長が2mmの繊維0.2gを、水100mLに添加する。水温は1.5℃で開始し、次いで1.5℃ずつ、繊維が完全に溶解するまで2分ごとに上昇させる。試料を各温度で撹拌する。繊維が30秒未満で完全に溶解する温度は、完全溶解温度と示される。
直径試験法
【0198】
個別の繊維または不織ウェブ内の繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)または光学顕微鏡および画像解析ソフトウェアを使用することにより決定される。測定のため繊維が適切に拡大されるように、200から10,000倍の倍率が選択される。SEMを使用するとき、試料に金またはパラジウム化合物をスパッタリングして、電子ビームにおける繊維の帯電および振動を回避する。繊維直径を決定するための手動手順は、SEMまたは光学顕微鏡で撮影された画像(モニタースクリーン上)から使用される。マウスおよびカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維の縁部を探索し、次いで繊維の他方の縁部に対してその幅の両端(即ち、その点での繊維方向に直交する)を測定する。スケーリングおよび較正画像解析ツールは、ミクロン単位での実際の読取りを得るためのスケーリングを提供する。不織ウェブ内の繊維では、SEMまたは光学顕微鏡を使用して、不織ウェブの試料全体にわたりいくつかの繊維がランダムに選択される。不織ウェブの少なくとも2つの部分で、材料が切断され、この手法で試験される。完全に、少なくとも100回のそのような測定がなされ、次いで全てのデータを統計分析用に記録する。記録されたデータを使用して、繊維の平均(average)(平均(mean))、繊維の標準偏差、およびメジアン繊維直径を計算する。
引張り強さ、モジュラス、および伸長試験
【0199】
引張り強さ(TS)試験による引張り強さ、モジュラス(MOD)試験によるモジュラス(または引張り応力)、および伸長試験による伸びによって特徴付けられるまたはこれらに関して試験される、不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体構造は、以下の通り分析される。以下に提供される記述は不織ウェブを指すが、水溶性フィルムまたは積層体構造に等しく適用可能である。手順は、ASTM D 882(「薄いプラスチックシート形成の引張り特性に関する標準試験法」)または均等物による10%の伸び率での、引張り強さの決定とモジュラスの決定とを含む。INSTRON引張り試験装置(モデル5544引張り試験機または均等物)を使用して、不織ウェブデータを収集する。寸法安定性および再現性を確実にするためにそれぞれ信頼性ある切断ツールで切断された最小限で3つの試験片を、各測定ごとに機械の流れ方向(MD)(付与可能な場合)で試験した。試験を、23±2.0℃および35±5%の相対湿度の標準的な実験室雰囲気で実行した。引張り強さまたはモジュラスの決定では、不織ウェブの1”幅(2.54cm)の試料が調製される。次いで試料を、INSTRON引張り試験機に移送して、35%の相対湿度環境への曝露を最小限に抑えながら試験を進める。引張り試験機は、500Nの負荷セルを備えたものを製造業者取扱説明書に従い準備し、較正した。正しいグリップおよび面が適合される(モデル番号2702-032の面を有するINSTRONグリップであり、ゴムでコーティングされ、25mm幅であり、またはその均等物である)。試料を引張り試験機内に載置し、分析して、100%モジュラス(即ち、100%のフィルムの伸び率を実現するのに必要な応力)、引張り強さ(即ち、フィルムを破壊するのに必要とされる応力)、および伸び率%(初期試料の長さに対する破断点での試料の長さ)を決定する。一般に、試料の伸び率%が高くなるにつれ、不織ウェブの加工性の特性はより良好になる(例えば、パケットまたはパウチへの形成性が増大する)。
繊維収縮パーセント試験(MSTM)
【0200】
適切な量の担体溶媒と接触したときの繊維の収縮パーセントは、MonoSol標準操作手順の下の繊維収縮パーセント試験に従って決定することができる。
【0201】
装置および材料:
1.繊維試料(およそ3グラム)
2.500mLビーカー
3.冷やした脱イオン水(冷蔵庫に配置)
4.脱イオン水
5.ペーパークリップ
6.ワニクランプ(溶解度スタンド)
7.撹拌プレート
8.タイマー
【0202】
以下のように試料を調製する:
1.絡み合っていない繊維の小さな束を得る。ペーパークリップおよびワニクランプで確実に保持すること。繊維束のおよその重量は0.013グラム(g)から0.015gである。
2.ペーパークリップをとり、ペーパークリップの断面によって繊維の端を引っ張ること。
3.試験される各独自の繊維に各試験温度、23℃および10℃についてN=3の繰り返しを行うこと。
【0203】
装置の設定:
1.それぞれの温度の水400mlを500mlのビーカーに充填すること。試験前および試験中に、温度プローブを用いて水温の点検を確実にすること。
2.定規がクランプと平行にぶら下がるようにワニクランプの最上部に定規をテープで留めること。
3.ビーカーを撹拌プレートに置き、溶解度スタンドを撹拌プレートの隣りに置き、定規をビーカーに浸漬して、次に長さを読むことができるようにする。
【0204】
試験手順:
1.ワニクランプ中紙でクリップした繊維の自由端部を付けること。
2.試験試料が定規の隣りに並べるように、ビーカーの中に試験試料を沈めること。
3.タイマーを始動させて、繊維の初期の長さを記録すること。試験試料繊維長は、ワニ口クリップの末端からペーパークリップの上部までである。
4.2分の後、繊維の最終長さを記録すること。
5.クランプを水から引き上げ、クランプから試料を取り外す。必ずクランプの外側、および各試験間のクランプの内側から徹底的に乾燥すること。
【0205】
収縮パーセントの計算:
収縮した長さ=最初の長さ-最終の長さ [3]
繊維収縮(%)=(収縮した長さ/最初の長さ)×100% [4]
スキンクレンジング物品の使用
【0206】
本開示のスキンクレンジング物品は様々な用途に適している。水分散性または水溶性スキンクレンジング物品に適切な用途は、使用者の皮膚に化粧品および/または皮膚治療薬を送達するための1種または複数の活性クレンジング配合物の送達を含む。例示実施形態では、水溶性コア基材は、1種または複数の活性クレンジング配合物、例えば化粧品または皮膚治療配合物を含有するように構成された1つまたは複数の区域または領域を有する。例えば、水溶性コア基材は、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域、および、第1の活性クレンジング配合物と同じまたは異なる第2の活性クレンジング配合物を含有する第2の領域を有していてもよい。水溶性コア基材が20℃より高い温度を有する、または30℃から40℃の間の温度を有する水と接触すると、水溶性コア基材は可溶性になって、1種または複数の活性クレンジング配合物の少なくとも1つ、例えば第1の活性クレンジング配合物または第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つを放出する。水分散性または水溶性スキンクレンジング物品は、使用者の顔の皮膚の所望の場所に活性クレンジング配合物を送達、例えば、放出するために、フェイシャルマスクの1つまたは複数の区域または領域に1種または複数の活性クレンジング配合物を含有するように構成されたフェイシャルマスクの形をとる水分散性または水溶性の不織基材として本明細書に記述されるが、本明細書に記述される水分散性または水溶性スキンクレンジング物品は、他の例示実施形態では、活性クレンジング配合物または他のスキンウェルネス配合物を、例えば使用者の身体の皮膚の他の場所に送達するのに適切である。さらに、水分散性または水溶性のスキンクレンジング物品は、以下に限定されないが、例えばワイプ、シート、パッド、小袋またはストリップを含むフェイシャルマスクのそれ以外の形をとってもよい。例示実施形態では、活性クレンジング配合物は、以下に限定されないが、ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、または発泡剤、石鹸もしくはクリーナー、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、スキンローション、スキントリートメント、ボディオイル、フレグランス、ヘアトリートメント、バスソルト、エッセンシャルオイル、バスボム、酵素、洗剤、界面活性剤、乳化剤、キレート試薬、pH調整剤、ビルダー、構造剤、遊離のフレグランス、カプセル化フレグランス、防腐剤、溶媒、または鉱物、および/または、スキンクレンジング配合物、スキンウェルネス配合物、またはパーソナルケア配合物中で含むのに適切な任意の成分の1つまたは複数を含んでいてもよい。
【0207】
活性クレンジング配合物は、固体、例えば、粉末、または複数の顆粒もしくは粒子、ゲル、液体、またはスラリー配合物の形をとるか、または、例えば、粉末、固体、ゲル、液体もしくはスラリー配合物の任意の適切な組合せであってもよい。
【実施例
【0208】
(実施例1)
使用者の眼、鼻および口としてそれぞれの開口部を有する水溶性フェイシャルマスクは、カーディングおよびカレンダープロセスで作製した水溶性繊維を含む、30gsmから80gsmの坪量を有する水溶性不織基材を含む。水溶性不織基材は、下表1に記述されるように3.8から4.5のpHに調節した活性クレンジング配合物を含むかまたは含有する。
【表1】
【0209】
活性クレンジング配合物を水溶液に用意する。マイヤーロール、スロットダイ、金型、カーテン、グラビア、キスローラー、またはディップコーティング技法などの、当業者に公知の適切な任意のコーティング技法を使用して、水溶液を、水溶性不織基材の少なくとも1つの平らな表面にコーティングする。あるいは、乾燥した固体またはスラリー相で活性クレンジング配合物を供給し、空気式噴霧、ブラストまたはタンブル技法などの固体配合物を供給するための、当業者に公知の任意の適切な塗布技法を使用して水溶性不織基材に塗布することができる。
【0210】
少なくとも1つの表面に塗布する活性クレンジング配合物を含む不織基材は、次いで、ダイ切断技法などの、当業者に公知の任意の適切な切断技法を使用して、フェイシャルマスクの形状へ切断する。次いで、乾燥状態で、即ち、水を含有せず、または実質的に水を含まない、例えば意味のある量の水を含有しないフェイシャルマスクを包装し、例えば図4に示すように、再利用可能な包装に入れる。例示実施形態では、複数のフェイシャルマスク、例えば、10のフェイシャルマスク、25のフェイシャルマスク、50のフェイシャルマスクを、再利用可能な包装に包装する。
【0211】
例示実施形態では、最初は乾燥し安定な状態(即ち、著しく削減された二次包装を必要とする)でフェイシャルマスクを提供し、使用前または使用中にフェイシャルマスクに水を添加する。乾燥した状態でのフェイシャルマスクの提供は、例えば、活性クレンジング配合物の様々な材料または成分、例えば、皮膚刺激薬として規制され得るグリコール酸またはヒアルロン酸ナトリウムの濃度および/またはpHに関する規制および/または製品検査の懸念を支援するか、または有益であることがある。
【0212】
本明細書に記述される実施例1は一般的な例示である。表1の活性クレンジング配合物、およびコア基材の1つの例示としての不織基材は、例証目的のみのために記述される。コア基材および活性クレンジング配合物は、本明細書に記述される、任意の適切な組成物および/または任意の適切な形態を有することができる。例えば、コア基材は、水分散性または水溶性の不織、フォームもしくはフィルム、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。そのようなコア基材は、ビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーなどの1種または複数のPVOHポリマーを含んでいてもよい。例えば、ある特定の実施形態では、コア基材は少なくとも1つの不織ウェブ、シート、または複数の繊維を含む層を含む。複数の繊維は、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第1のタイプの繊維、および約90%から約99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第2のタイプの繊維を含む。第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維は、適切な比、例えば重量で約25:75から約95:5、または約25:75から約75:25の範囲にある。ある特定の実施形態では、第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維は、少なくとも1つの不織シートまたは層中に一緒に混合される。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの不織シートまたは層は、第1のタイプの繊維で作製された第1のタイプの不織シートまたは層および第2のタイプの繊維で作製された第2のタイプの不織シートまたは層を含み、即ち、2つのタイプの繊維は異なる不織シート中にある。
使用する繊維
【0213】
表2に示すように、88%および96%の加水分解度をそれぞれ有する酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーを含む2つのタイプの繊維、繊維1(「F1」)および繊維2(「F2」)を、出発物質として使用した。これらの繊維は均一組成を有し、表2に示す追加の特性を有する。本明細書に記述される実施例では、使用される繊維は2.2dtexの微細さを有していた。実施例では、ビニルアルコール部分を含むポリマーは、「ポリビニルアルコールポリマー」と呼ばれ、そのようなポリマーを含む繊維は、「ポリビニルアルコール繊維」と呼ばれる。微細さdtexおよびdpfの単位は、互いに近く、係数(dtex=dpf/0.9)を使用して変換することができる。
【0214】
【表2】
【0215】
表3に示すように、異なる結合条件下で、不織コア基材を作製するために2つのタイプの繊維を使用した。別個の異なる不織層を作製するために2つのタイプの繊維を使用し、次いで、これを多層不織コア基材を作製するために使用した。「多重層不織コア基材」試料は、異なる繊維組成物で作製された異なるシートを有するものを指す。2つのタイプの繊維を混合して、コア基材として1つの不織層を作製した(「ブレンド不織コア基材」と呼ばれる)。「ブレンド不織コア基材」は、1つのシートに同じ配合物だが異なる繊維を有するコア基材を指す。ブレンド不織の多数の層またはシートもまた使用することができる。カレンダー結合プロセスの前に、最初に結合を増加させるために幾つかの試料に予め針穿孔を施した。
【0216】
【表3】
【0217】
表3の各基材について、未処理の不織および活性クレンジング配合物を用いて処理(装入)した不織(「活性後不織」)を含む2つのタイプの試料を、23℃および40℃でそれぞれ、溶解度について試験した。表4および5は、未処理の試料(基材のみ)および23℃および40℃それぞれで活性後試料の溶解度結果を示す。表5は、またこれらの水溶性基材の引張試験結果を示す。各試料について、多数の試験片を試験した。簡単のために、データの標準偏差値は示さなかった。
【0218】
【表4】
【0219】
【表5】
【0220】
図6は、複数の繊維を有する少なくとも1つの不織層またはシートを含むコア基材の溶解度結果(23℃で水を用いて)を示し、88%の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第1のタイプの繊維(「F1」)および96%の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第2のタイプの繊維(「F2」)を含む。図7は、活性クレンジング配合物を用いて処理した図6のコア基材を含む試料の溶解度結果(23℃で)を示す。23℃で、多重層およびブレンド水溶性不織シートまたは層は、同様の破裂時間を有する。溶解度は、一般により高い加水分解度を有する繊維F2の含有率が増加するとともに減少する。ブレンド不織は、多重層不織よりはるかに速く崩壊する傾向がある。例えば、繊維F2の含有率が50%である場合、多重層不織は繊維F2で作製された均質なウェブを有するが、ブレンド不織はより不均一であり、結果として速く崩壊する。低含水率を有する活性クレンジング配合物を含む不織基材の試料は、そのような曝露の後に著しくより高速の崩壊および溶解度を示す。曝露の後のブレンド不織および多重層不織は同様の崩壊時間を示す。活性クレンジング配合物は、不織基材の構造を緩め得るポリオール担体を含有する。
【0221】
図8および9は、試験温度が40℃であること以外、図6および7に示されるのと同じ試料の溶解度結果を示す。ブレンド不織および多重層不織は同様の破裂および崩壊時間を示す。より高い加水分解度を有する繊維F2の含有率が増加するとともに、溶解度は減少するが、しかし、23℃のデータと比較して、速度はより遅い。40℃では、活性クレンジング配合物への曝露は、不織試料の崩壊および溶解度に大きい影響は与えない。
【0222】
図6~9に示される結果に基づくと、第1のタイプの繊維(F1)および第2のタイプの繊維(F2)は、例示実施形態では、重量で25:75またはそれより高い比、例えば約25:75から約95:5、約25:75から約85:15、または約25:75から約75:25の範囲の比であってもよい。例えば繊維F1のみを使用するか、繊維F1の含有率が高すぎる場合、結果として得られるスキンクレンジング物品を付与する前に、不織基材は速く崩壊しすぎる恐れがある。繊維F2の含有率がより高いと、結果として得られるスキンクレンジング物品は望ましい時間で崩壊または溶解することができ、付与後、皮膚から洗い落とすことができる。
【0223】
図10は、水溶性不織コア基材からポリエステルで作製された別個の物体の表面への、活性クレンジング配合物の転写を図示するFI-IR曲線を示す。PVOHコポリマーで作製された不織基材を約2.5cm×2.5cmの四角に切断し、不織基材上に活性クレンジング配合物の例示として洗剤を注いだ。10分の浸潤後、基材の表面の過剰の洗剤をぬぐい取った。次いで、ポリエステル表面を拭くために不織基材を使用した。各試料表面を走査するために減衰全反射(ATR)FT-IRを使用した。活性洗浄配合物を有する不織試料、ポリエステル表面、および活性配合物を有する不織試料に曝露した後のポリエステル表面から3つのFT-IR曲線を得て、活性洗浄配合物のそれと比較した。ヒドロキシルおよびカルボニル基に対応する、3325cm-1および1600cm-1のピークの強度増加はそれぞれ、水溶性不織試料からポリエステル表面に活性クレンジング配合物が転写することを示した。
【0224】
本開示の例示実施形態は以下の番号付きパラグラフに記述される。これらの例示実施形態は、本質的に例証となるように意図され、限定するようには意図されない。
【0225】
以下のパラグラフは、本開示の態様をさらに記載する。
1. 化粧品または皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するように構成されたスキンクレンジング物品であって、
樹脂を含むコア基材であって、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域、および第2の活性クレンジング配合物を含有する第2の領域を有する、コア基材
を含み、
試験方法MSTM-205によって10℃より高い温度を有する水と所定期間接触させると、スキンクレンジング物品は少なくとも水分散性または水溶性となり、コア基材は少なくとも分散性または可溶性となって、第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つを放出するように構成された、スキンクレンジング物品。
2. 水と接触する前、実質的に乾燥しているか、または10重量%未満の湿分または溶媒含有率を含む固体である、条項1に記載のスキンクレンジング物品。
3. 期間が、約30秒から約300秒、約30秒から約600秒、または約30秒から約900秒の範囲である、条項1または2に記載のスキンクレンジング物品。
4. 30℃から40℃の温度で、コア基材が、MSTM-205により300秒またはそれよりも短い分散時間または溶解時間を有する、条項1~3のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
5. コア基材が、使用者の皮膚の表面の外形に合わせて実質的に平らであり、形成可能である、条項1~4のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
6. コア基材が、水分散性樹脂または水溶性樹脂の少なくとも1つから選択される樹脂を含む複数の繊維を含む少なくとも1つの不織基材を含む、条項1~5のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
7. 樹脂がビニルアルコール部分を含むポリマーである、条項6に記載のスキンクレンジング物品。
8. ビニルアルコール部分がポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマーまたはこれらの組合せを含む、条項7に記載のスキンクレンジング物品。
9. ポリビニルアルコールコポリマーが酢酸ビニルおよびビニルアルコールのコポリマーである、条項8に記載のスキンクレンジング物品。
10. ポリビニルアルコールコポリマーが陰イオン修飾コポリマーを含む、条項8または9に記載のスキンクレンジング物品。
11. 陰イオン修飾コポリマーが、カルボキシレート、スルホネート、またはこれらの組合せを含む、条項10に記載のクレンジング物品。
12. 複数の繊維が、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第1のタイプの繊維、および約90%から約99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む第2のタイプの繊維を含む、条項8~11のいずれかに記載のクレンジング物品。
13. 第2のタイプの繊維に対する第1のタイプの繊維の比が、重量で約25:75から約75:25の範囲である、条項12に記載のクレンジング物品。
14. 第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維が一緒に、少なくとも1つの不織シートに混合される、条項12または13に記載のクレンジング物品。
15. 少なくとも1つの不織シートが、第1のタイプの繊維で作製された第1の不織層、および第2のタイプの繊維で作製された第2の不織層を含む、条項14に記載のクレンジング物品。
16. 複数の繊維が、複数の繊維の全重量に対して10%から80%の水溶性繊維を含み、残りは非水溶性繊維である、条項6~15のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
17. 第1の領域が使用者の顔の第1の場所で位置決めすることができ、第2の領域が使用者の顔の第2の場所で位置決めすることができる、条項1~16のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
18. 第1の領域が、第2の領域から分離することができる、条項8~17のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
19. 第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の各々が、固体、液体、ゲルまたはスラリー形態の少なくとも1つの形態である、条項1~18のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
20. 第1の活性クレンジング配合物または第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つが、10%未満の湿分含量を有する固体形態である、条項1~19のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
21. 第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の各々が、以下:ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、発泡剤、セラミド、グリコール酸、アルファヒドロキシ酸、アミノ酸、活性炭、日焼け止め、鉱物(Zn)、アボベンゾン、抗酸化剤、賦活薬、カフェイン、朝鮮人参、タウリン、レチノール、レチノイン酸、ナイアシンアミド、サリチル酸、乳酸もしくはアゼライン酸、または任意のこれらの組合せの1つまたは複数を含む、条項1~20のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
22. 第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の各々が、コア基材の表面に配置されているか、またはコア基材のマトリックス中に埋め込まれるかの少なくとも一方である、条項1~21のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
23. コア基材が、活性クレンジング配合物で飽和されているか、活性クレンジング配合物を用いてコーティングされているか、または、活性クレンジング配合物に含浸されているかの少なくとも1つである、条項1~22のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
24. コア基材が、10℃またはそれよりも高い温度で300秒またはそれよりも短い間水と接触すると、ヒドロゲルに変化する、条項1~23のいずれかに記載のスキンクレンジング物品。
25. 使用者の皮膚に化粧品または皮膚治療薬を送達するように構成されたフェイシャルマスクであって、
水溶性であり、第1の領域および第2の領域を有する、水溶性樹脂を含む複数の繊維を含む不織基材;
第1の領域に含有される第1の活性クレンジング配合物;および
第2の領域に含有される第2の活性クレンジング配合物
を含み、
ここで、不織基材は、試験方法MSTM-205により、300秒またはそれよりも短い間の10℃より高い温度を有する水との接触で可溶性となり、水溶性の不織基材から第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の少なくとも1つを放出する、フェイシャルマスク。
26. 30℃から40℃の温度で、不織基材がMSTM-205により300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する、条項25に記載のフェイシャルマスク。
27. 不織基材が10%未満の湿分含量を有する、条項25または26に記載のフェイシャルマスク。
28. 不織基材が、使用者の皮膚の表面の外形に合わせて実質的に平らであり、形成可能である、条項25~27のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
29. 第1の領域が、使用者の顔の第1の場所で位置決めすることができ、第2の領域が、使用者の顔の第2の場所で位置決めすることができ、第1の領域は第2の領域から分離されている、条項25~28のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
30. 第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の各々が、固体、液体、ゲルまたはスラリー形態の少なくとも1つの形態である、条項25~29のいずれかに記載のマスク。
31. 第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の各々が、以下:ヒアルロン酸、アロエ、カモミール抽出物、乳酸、クエン酸、加水分解されたコラーゲン、多糖、ペプチド、界面活性剤、発泡剤、セラミド、グリコール酸、アルファヒドロキシ酸、アミノ酸、活性炭、日焼け止め、鉱物(Zn)、アボベンゾン、抗酸化剤、賦活薬、カフェイン、朝鮮人参、タウリン、レチノール、レチノイン酸、ナイアシンアミド、サリチル酸、乳酸もしくはアゼライン酸、または任意のこれらの組合せの1つまたは複数を含む、条項25~30のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
32. 複数の繊維が第1の活性クレンジング配合物または第2の活性クレンジング配合物の1つで飽和される、条項25~31のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
33. 第1の活性クレンジング配合物および第2の活性クレンジング配合物の各々が、複数の繊維の表面に配置されているか、または複数の繊維に埋め込まれるかの一方である、条項25~32のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
34. 複数の繊維が、以下:ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せの1つまたは複数を含む繊維タイプを含む、条項25~33のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
35. ポリビニルアルコールコポリマーが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有する、条項34に記載のフェイシャルマスク。
36. ポリビニルアルコールコポリマーが、約90%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、条項34に記載のフェイシャルマスク。
37. ポリビニルアルコールコポリマーが、カルボキシレート、スルホネート、またはこれらの組合せを含む陰イオン修飾コポリマーを含む、条項34~36のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
38. 複数の繊維が第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維を含み、第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維が、以下の特徴:長さの直径に対する比(L/D)、靭性、形状、剛性、弾性、水中溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、繊維の化学組成、もしくは色、または任意のこれらの組合せの1つまたは複数の差を有する、条項25~37のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
39. 第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維の各々が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、条項38に記載のフェイシャルマスク。
40. 第1のタイプの繊維が、75%から89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含み、第2のタイプの繊維が、90%から99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む、条項38または39に記載のフェイシャルマスク。
41. 第2のタイプの繊維に対する第1のタイプの繊維の比が、重量で約25:75から約75:25の範囲である、条項40に記載のフェイシャルマスク。
42. 第1のタイプの繊維および第2のタイプの繊維が、一緒に同じ不織シートに混合され、または、異なる不織シートに分離される、条項40または41に記載のフェイシャルマスク。
43. 第1のタイプの繊維または第2のタイプの繊維の1つが、非水溶性のポリマー繊維成形材料を含む、条項38~42のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
44. 非水溶性のポリマー繊維形成材料が、以下の材料:綿、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、レースバーク、絹、腱、カットグット、ウール、シーシルク、モヘヤ、アンゴラ、カシミヤ、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹、モダール、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、またはこれらの組合せの1つまたは複数を含む、条項43に記載のフェイシャルマスク。
45. 水溶性の不織基材が1dtexから5dtexの範囲の線形質量密度を有する、条項25~44のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
46. 水溶性の不織基材が生分解性である、条項25~45のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
47. 複数の繊維が、3cN/dtexから15cN/dtexの範囲の靭性を有し、
10ミクロンから300ミクロンの範囲の平均径を有し、
実質的に均質な平均直径を有し、
および/または10ミリメートル(mm)から100mmの範囲の平均長を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、条項25~46のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
48. 不織基材が30%から90%の多孔度を有する、条項25~47のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
49. 水溶性樹脂が、75%から99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールコポリマーを含む、条項27に記載のフェイシャルマスク。
50. 10℃より高い温度を有する水と接触させると、不織基材が0.5%から65%の収縮率を示す、条項25~49のいずれかに記載のフェイシャルマスク。
51. スキンクレンジング物品を作製する方法であって、
水溶性樹脂を含むコア基材、第1の領域および第2の領域を有する水溶性の不織基材を形成すること;および
第1の領域に第1の活性クレンジング配合物を含有させ、第2の領域に第2の活性クレンジング配合物を含有させること
を含む方法。
52. 第1の領域に第1の活性クレンジング配合物を含有することが、第1の活性クレンジング配合物でコア基材の第1の領域を飽和させること、コア基材の第1の領域の表面に第1の活性クレンジング配合物を配置すること、第1の活性クレンジング配合物を用いてコア基材の第1の領域の表面をコーティングすること、コア基材の第1の領域に第1の活性クレンジング配合物を埋め込むこと、またはコア基材の第1の領域を第1の活性クレンジング配合物に含浸させることの少なくとも1つを含む、条項51に記載の方法。
53. 樹脂を含むコア基材を形成することが、コア基材をリサイクルして樹脂を生成することを含む、条項51または52に記載の方法。
54. 樹脂およびコア基材が水溶性であり、スキンクレンジング物品が水溶性フェイシャルマスクである、条項51~53のいずれかに記載の方法。
55. 化粧品または皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するように構成されたスキンクレンジング物品であって、
樹脂、第1の活性クレンジング配合物を含有する第1の領域を有するコア基材を含み、スキンクレンジング物品が実質的に乾燥しているか、または固体であり、少なくとも水分散性または水溶性になるように構成されており、
試験方法MSTM-205により10℃より高い温度を有する水と所定期間接触させると、コア基材は少なくとも分散性または可溶性となって、第1の活性クレンジング配合物を水分散性コア基材から放出するように構成された、スキンクレンジング物品。
56. 温度が40℃より高く、期間が30秒から300秒である、条項55に記載のスキンクレンジング物品。
57. 化粧品または皮膚治療薬を使用者の皮膚に送達するように構成されたスキンクレンジング物品であって、
水溶性樹脂または水分散性の樹脂を含む複数の繊維を含む、第1の領域を有する第1の不織基材;
第1の領域に含有される第1の活性クレンジング配合物;
水分散性の樹脂または水溶性樹脂の1つを含む複数の繊維を含み、第2の領域を有する、第1の不織基材に連結された第2の不織基材;および
第2の領域に含有された第2の活性クレンジング配合物
を含み、
第1の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い間接触すると、第1の不織基材は、MSTM-205により可溶性または分散性になって、第1の不織基材から第1の活性クレンジング配合物を放出する、スキンクレンジング物品。
58. 第1の不織基材が水溶性であり、第2の不織基材が、水分散性の樹脂を含む複数の繊維を含み、第2の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い間接触すると、第2の不織基材は、MSTM-205により分散性になって、第2の不織基材から第2の活性クレンジング配合物を放出する、条項57に記載のスキンクレンジング物品。
59. 第1の不織が水溶性であり、第2の不織基材が、水溶性樹脂を含む複数の繊維を含み、第2の不織基材が10℃より高い温度を有する水と300秒またはそれよりも短い間接触すると、第2の不織基材は、MSTM-205により可溶性になって、第2の不織基材から第2の活性クレンジング配合物を放出する、条項57または58に記載のスキンクレンジング物品。
60. 第1の不織基材および第2の不織基材の1つに連結された水溶性または水分散性のフィルムをさらに含む、条項57~59いずれかに記載のスキンクレンジング物品。
【0226】
本明細書で言及される全てのパーセンテージ、部および比は、繊維組成物、フィルム組成物の全乾燥重量、または場合によっては本開示の包装材料組成物の全重量に対し、他に指示しない限り、行われる全ての測定は約25℃でのものである。液体配合物に関して本明細書で言及される全てのパーセンテージ、部および比は、液体配合物の全重量に対する。列挙される成分に関するそのような全ての重量は、活性レベルに対するものであり、したがって他に指定しない限り、市販の材料に含まれ得る担体または副生成物を含まない。
【0227】
本明細書で述べる全ての範囲は、範囲の全ての可能性ある部分集合と、そのような部分集合の範囲の任意の組合せを含む。既定では、範囲は、他に言及しない限り、記述される端点を含む。ある範囲の値が提供された場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各値、ならびにその他の任意の言及されるまたはその言及される範囲内に介在する値は、本開示に包含させることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、言及される範囲で任意の特に除外される限度に従い、やはり本開示に包含される。言及される範囲がこれら限界の1つまたは両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外した範囲も、本開示の部分であることが企図される。
【0228】
例えば記述される対象のパラメーターとしてまたは記述される対象に関連した範囲の部分として、本明細書に記述される任意の数値に関し、本記述の部分を形成する代替例は、特定の数値を取り囲む機能的に均等な範囲であることが明らかに企図される(例えば、「40ミリメートル(mm)」と開示された寸法では、企図される代替の実施形態は「約40mm」である)。
【0229】
この明細書の全体にわたる「例示実施形態」または「実施形態」への言及は、特定の実施形態に関連して記述される特定の構造、構造または特徴が、特許請求される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれてもよいことを意味し得る。したがって、本明細書の全体にわたる様々な場所での、語句「例示実施形態」または「例示実施形態」の出現は、必ずしも記述される同じ実施形態または任意の特定の1つの実施形態を指すものではない。さらに、記述される特定の構造、構造または特性が1つまたは複数の実施形態では様々な方法で組み合わせられてもよいことは、理解されるはずである。一般には、当然、これらおよび他の問題は使用の特定の文脈と共に様々であってもよい。したがって、記述の特定の文脈またはこれらの用語の使用は、その文脈として引用される推論に関する有用な手引きを提供し得る。
【0230】
主題は構造の特徴および/または方法論的行為に特定の言語で記述されるが、添付された特許請求の範囲中に定義された主題が、記述される特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことは理解されるはずである。むしろ、特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例証となる形態として開示される。
【0231】
当業者は、上記の記述に対して、事実上無制限の数の変形が可能であり、例および随伴する図が実施例の1つまたは複数の例を例証するためのみであることを了解する。
【0232】
特許請求される主題から外れることなく、様々な他の修飾がなされてもよく、同等物が置き換えられてもよいことは、当業者に理解されよう。さらに、本明細書に記述される中心的なコンセプトから外れることなく、多くの修飾が、特許請求される主題の教示に特定の状況を適応させるために行われてもよい。したがって、特許請求される主題は開示される特定の実施形態に限定されず、そのような特許請求される主題がまた、添付された特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内に該当する全ての実施形態を含み得ることが意図される。
【0233】
上記の詳細な記述では、多数の特定の詳細が、特許請求される主題についての完全な理解を提供するために述べられている。しかしながら、当業者には特許請求される主題がこれらの特定の詳細を含まずに実施されてもよいことは理解されよう。他の事例では、当業者に公知である方法、装置またはシステムは、特許請求される主題を不明瞭にしないために詳述されていない。
図1
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【国際調査報告】