(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】フィルムバッグのための注ぎ出し口
(51)【国際特許分類】
B65D 33/38 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B65D33/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565352
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 EP2022063399
(87)【国際公開番号】W WO2022243356
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】102021113115.4
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598045760
【氏名又は名称】ゲオルク メンシェン ゲゼルシャフト ミト ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ノゲ・イ・アルブサ・マルティ
(72)【発明者】
【氏名】アルモル・モルホ・カルロス
(72)【発明者】
【氏名】レーマー・フランク
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064BC18
3E064EA02
3E064HN65
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、フィルムバッグのための注ぎ出し口に関し、この注ぎ出し口が、注ぎ出し通路1を備えており、前記注ぎ出し通路1の通路壁1a、1cが、第1の端部領域2aにおいて、注ぎ出し接続用パイプとして形成されており、且つ、前記通路壁1a、1cが、第2の端部領域2bにおいて、溶接領域3によって囲繞されており、前記溶接領域3が、2つの溶接アーム部3a、3bを有しており、これら溶接アーム部が、前記注ぎ出し通路1の通路軸線1bに対して垂直な反対方向に、それぞれに溶接アーム部端部4a、4bへと延在し、特に、前記第2の端部領域2b内における通路壁1cから離れるように延在し、且つ、それぞれの前記溶接アーム部3a、3bが、複数のリブ要素5a、5b、5cを有しており、これらリブ要素が、前記通路壁1cに結合されており、且つ、前記通路軸線1bの方向において互いに離間されており、且つ、それぞれの前記リブ要素5a、5b、5cが、第1の溶接側6aで、前記通路壁1cと前記溶接アーム部端部4a、4bとの間で延在する第1の縁部領域7aを有しており、且つ、第2の溶接側6bで、前記通路壁1cと前記溶接アーム部端部4a、4bとの間で延在する第2の縁部領域7bを有しており、第1および第2の前記縁部領域7a、7bが、第1および第2の溶接ゾーン7a、7bを形成し、これら溶接ゾーン7a、7bが、前記溶接アーム部端部4a、4bへの方向に収束し、その際、それぞれの前記溶接アーム部3a、3b内において、それぞれに、離間された2つのリブ要素5a、5b/5b、5cの間で、唯一の自由空間8a、8bが形成されており、且つ、それぞれの前記自由空間8a、8bが、両方の前記溶接側6a、6bの内の一方の溶接側において開放しており、且つ、両方の前記溶接側6a、6bの内の他方の溶接側において、溶接面9によって閉鎖されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムバッグのための注ぎ出し口であって、この注ぎ出し口が、注ぎ出し通路(1)を備えており、
a. 前記注ぎ出し通路(1)の通路壁(1a、1c)が、第1の端部領域(2a)において、注ぎ出し接続用パイプとして形成されており、且つ、
b. 前記通路壁(1a、1c)が、第2の端部領域(2b)において、溶接領域(3)によって囲繞されており、
c. 前記溶接領域(3)が、2つの溶接アーム部(3a、3b)を有しており、これら溶接アーム部が、前記注ぎ出し通路(1)の通路軸線(1b)に対して垂直な反対方向に、それぞれに溶接アーム部端部(4a、4b)へと延在し、特に、前記第2の端部領域(2b)内における通路壁(1c)から離れるように延在し、且つ、
d. それぞれの前記溶接アーム部(3a、3b)が、複数のリブ要素(5a、5b、5c)を有しており、これらリブ要素が、前記通路壁(1c)に結合されており、且つ、前記通路軸線(1b)の方向において互いに離間されており、且つ、
e. それぞれの前記リブ要素(5a、5b、5c)が、
第1の溶接側(6a)で、前記通路壁(1c)と前記溶接アーム部端部(4a、4b)との間で延在する第1の縁部領域(7a)を有しており、且つ、
第2の溶接側(6b)で、前記通路壁(1c)と前記溶接アーム部端部(4a、4b)との間で延在する第2の縁部領域(7b)を有しており、
f. 第1および第2の前記縁部領域(7a、7b)が、第1および第2の溶接ゾーン(7a、7b)を形成し、これら溶接ゾーン(7a、7b)が、前記溶接アーム部端部(4a、4b)への方向に収束する、
上記注ぎ出し口において、
g. それぞれの前記溶接アーム部(3a、3b)内において、それぞれに、離間された2つのリブ要素(5a、5b/5b、5c)の間で、唯一の自由空間(8a、8b)が形成されており、且つ、
それぞれの前記自由空間(8a、8b)が、両方の前記溶接側(6a、6b)の内の一方の溶接側において開放しており、且つ、両方の前記溶接側(6a、6b)の内の他方の溶接側において、溶接面(9)によって閉鎖されている、
ことを特徴とする注ぎ出し口。
【請求項2】
それぞれの前記溶接アーム部(3a、3b)は、
少なくとも1つの自由空間(8b)、特に正に唯一の自由空間(8b)を有しており、この自由空間が前記第1の溶接側(6a)において開放し且つ前記第2の溶接側(6b)において閉鎖されており、且つ、
少なくとも1つの自由空間(8a)、特に正に唯一の自由空間(8a)を有しており、この自由空間が前記第1の溶接側(6a)において閉鎖されており且つ前記第2の溶接側(6b)において開放している、
ことを特徴とする請求項1に記載の注ぎ出し口。
【請求項3】
前記通路軸線(1b)の方向において隣接して、特に重なり合って隣接して、位置する自由空間(8a、8b)は、前記第1の溶接側(6a)および前記第2の溶接側(6b)に対して交互に閉鎖されている、または、開放していることを特徴とする請求項1または2に記載の注ぎ出し口。
【請求項4】
前記溶接アーム部端部(4a、4b)の離間の方向に対して垂直方向の、前記溶接アーム部(3a、3b)を通る1つの断面内において見て、有利には前記通路軸線(1b)に対して間隔をおいて見て、
前記リブ要素(5a、5b、5c)と、1つの自由空間(8a、8b)を閉鎖する前記溶接面(9)とは、蛇行形状の経過を有していることを特徴とする請求項3に記載の注ぎ出し口。
【請求項5】
自由空間(8a、8b)を閉鎖する前記溶接面(9)は、隣接する前記リブ要素(5a、5b、5c)の壁厚と等しいか或いはより小さい壁厚を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項6】
自由空間(8a)は、この自由空間が溶接面(9)によって閉鎖されている前記溶接側(6a)から、この自由空間が開放している前記溶接側(6b)への方向に拡大していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項7】
前記リブ要素(5a、5b、5c)のそれぞれのリブ要素は、横方向平面(10a、10b、10c)の周囲に配置されており、この横方向平面が、前記通路軸線(1b)に対して垂直であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項8】
前記自由空間(8a、8b)へと指向する、リブ要素(5a、5b、5c)の面は、その横方向平面の周囲にリブ要素(5a、5b、5c)が配置されている、該横方向平面(10a、10b、10c)に対して傾斜されていることを特徴とする請求項7に記載の注ぎ出し口。
【請求項9】
前記注ぎ出し通路(1)の第2の端部に対して最も近くに位置するリブ要素(5c)において、
このリブ要素(5c)から離れるように指向する、このリブ要素(5c)の溶接ゾーン/縁部領域(7a、7b)を増大するカラー部(11)が、形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項10】
前記溶接アーム部端部(4a、4b)への方向において、
前記通路軸線(1b)の方向に見た、少なくとも1つのリブ要素(5a、5b、5c)の厚さは、特に前記横方向平面の一方の側だけでまたは両方の側で、増大している、及び/または、
前記通路軸線(1b)の方向に見た、自由空間(8a、8b)の高さが、2つのリブ要素(5a、5b、5c)の間で減少している、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項11】
両方の前記溶接アーム部(3a、3b)内において、前記通路軸線(1b)の方向に見たこれら溶接アーム部の位置に関して、同じに配置されている自由空間(8a)は、同じ溶接側(6a)に向かって閉鎖されているか、または、開放していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項12】
同じに配置されている2つの自由空間(8a)は、
両方の前記溶接アーム部(3a、3b)の間で延在する、前記第2の端部領域(2b)の外套面領域(12)にわたって、溝部(13)によって結合されており、
特に、前記通路軸線(1b)の方向において測定されたこの溝部の高さが、同じ方向における前記自由空間(8a)の高さに相応することを特徴とする請求項11に記載の注ぎ出し口。
【請求項13】
前記溶接領域(3)内において、
前記注ぎ出し通路(1)は、互い平行な、且つ、前記通路軸線(1b)を中心として向かい合って位置する、2つの通路壁(1c)を有しており、
これら通路壁に、両方の前記溶接アーム部(3a、3b)の前記リブ要素(5a、5b、5c)が結合されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項14】
前記注ぎ出し通路(1)は、前記溶接領域(3)内において、互いに平行な、向かい合って位置する2つの前記通路壁領域(1c)の間で、複数の補強リブ(14)を有しており、
これら補強リブが、通路壁内側面から、半径方向に内方へと延在していることを特徴とする請求項13に記載の注ぎ出し口。
【請求項15】
自由空間(8a、8b)を閉鎖する前記溶接面(9)は、
前記リブ要素(5a、5b、5c)の、前記溶接面と隣接する少なくとも1つの縁部領域(7a、7b)に対して、有利には前記溶接面と隣接する両方の前記縁部領域(7a、7b)に対して、
外方へと、突き出して配置されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項16】
突き出している前記溶接面(9)は、
少なくとも領域的に、特に少なくとも、前記第2の端部領域(2b)の前記外套面領域(12)から、前記溶接アーム部端部(4a、4b)に至るまで延在する領域内において、
a. 平坦に形成されている、または、
b. 前記縁部領域(7a、7b)の離間の方向において延びる湾曲を有している、特に外方へと、外へとアーチ状にされた湾曲を有している、
ことを特徴とする請求項15に記載の注ぎ出し口。
【請求項17】
自由空間(8a、8b)を閉鎖する前記溶接面(9)は、
前記リブ要素(5a、5b、5c)の、この溶接面と隣接する少なくとも1つの縁部領域(7a、7b)、有利にはこの溶接面と隣接する両方の前記縁部領域(7a、7b)に対して、面一に配置されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【請求項18】
前記溶接面(9)と前記縁部領域(7a、7b)とは、有利には互いに面一の前記溶接面(9)と前記縁部領域(7a、7b)とは、
少なくとも領域的に、特に少なくとも、前記第2の端部領域(2b)の前記外套面領域(12)から、前記溶接アーム部端部(4a、4b)に至るまで延在する領域内において、
a. 平坦に形成されている、または、
b. 前記通路軸線(1b)に対して垂直方向の平面内において延びる湾曲を有している、
特に外方へと凹状に、または、外方へと凸状に形成されている、
ことを特徴とする請求項15から17のいずれか一つに記載の注ぎ出し口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムバッグのための注ぎ出し口に関し、この注ぎ出し口が、注ぎ出し通路を備えており、
前記注ぎ出し通路の通路壁が、第1の端部領域において、注ぎ出し接続用パイプとして形成されており、且つ、
前記通路壁が、第2の端部領域において、溶接領域によって囲繞されており、
前記溶接領域が、2つの溶接アーム部を有しており、これら溶接アーム部が、前記注ぎ出し通路の通路軸線に対して垂直な反対方向に、それぞれに溶接アーム部端部へと延在し、特に、前記第2の端部領域内における通路壁から離れるように延在し、且つ、
それぞれの前記溶接アーム部が、複数のリブ要素を有しており、これらリブ要素が、前記第2の端部領域の前記通路壁に結合されており、且つ、前記通路軸線の方向において互いに離間されており、且つ、
それぞれの前記リブ要素が、
第1の溶接側で、前記通路壁と前記溶接アーム部端部との間で延在する第1の縁部領域を有しており、且つ、
第2の溶接側で、前記通路壁と前記溶接アーム部端部との間で延在する第2の縁部領域を有しており、
第1および第2の前記縁部領域が、第1および第2の溶接ゾーンを形成する。
その際、これら溶接ゾーンは、前記溶接アーム部端部への方向に収束する。
【背景技術】
【0002】
可能な実施態様において、縁部領域/溶接ゾーンが、少なくとも部分的に直線的に延在することは可能である。そのような場合において、第1の縁部領域と第2の縁部領域との直線的に延在する領域は、これら自身の間で鋭角を成している。
【0003】
そのような注ぎ出し口は、従来技術において、例えば本願の同じ出願人の特許文献1から公知である。注ぎ出し口は、フィルムバッグの2つのフィルム層の間で溶接して固定されることのために意図されており、このフィルムバッグが、例えば食料品、特に流動性の食料品を収容する。
両方の溶接アーム部内における、溶接ゾーンを形成する縁部領域の収束する形状によって、溶接領域は、1つの形態を有しており、この形態が、通路軸線から、溶接アーム部端部への方向において先細りになっており、特に、この形態が、しばしば、同様にシャトル形状的(schiffchenfoermig)とも称され、その際、この先細りが、通路軸線に対して垂直方向の1つの平面内において生じる。
【0004】
向かい合って位置する2つの溶接側から溶接エネルギーをフィルムバッグのそれぞれのフィルム層を通って溶接ゾーンへと処置する、溶接ジョーを用いて、溶接ゾーンとそれぞれのフィルム層との間の溶接は、両方の溶接側のそれぞれの溶接側で行われる。
【0005】
この溶接は、例えば、熱的または誘導的に、または、超音波を用いて、並びに、他の適当な溶接方法を用いて行われ得る。
【0006】
溶接側は、これに伴って、溶接領域における互いに向かい合って位置する2つの側である。これら溶接側は、1つの平面の両側で位置しており、この平面が、通路軸線と両方の溶接アーム部端部とを含んでいる。
その際、通路軸線は、注ぎ出し通路の長手延在軸線であり、この注ぎ出し通路が注ぎ出し口を通って通じている。
【0007】
この平面は、同様に正面とも称され、且つ、この平面が、フィルムバッグ、特に充填されていないフィルムバッグの、フィルム層に対して平行に位置する平面に相応する。
この正面に対して、観察者は、事実上、フィルムバッグの正面からの観察の際に、注意を向ける。
【0008】
直立しているフィルムバッグにおける使用の状態で、注ぎ出し接続用パイプとしての端部領域の機能において、上側の端部領域を形成する一方の端部領域において、
典型的に、除去可能な閉鎖部材、例えばキャップが配置されており、このキャップが、有利には、ねじ結合によってこの注ぎ出し接続用パイプに固定されているか、もしくは、固定可能であり、且つ、除去可能である。
【0009】
溶接領域を形成する第2の端部領域は、言及された使用の状態で、注ぎ出し口の下側の端部領域である。注ぎ出し接続用パイプと溶接領域との間に、従来技術において、および、同様に本発明においても、通路壁の周囲に、半径方向に突出するカラー部が配置されていることは可能である。
このカラー部は、キャップのための当接部として利用され、及び/または、いわゆるオリジナル性の機能的な構造要素を備えており、このオリジナル性でもって、キャップが既に一度開放されたかどうか、または、少なくとも、このキャップがオリジナルに閉鎖された位置から移動されたかどうかが表示され得る。
【0010】
リブ要素は、有利には、平らな要素として形成されている。
特に、このことのもとで、ある厚さ量だけ離間された2つの面を有している要素が理解され、その際、この厚さが、自体有利には、厚さ方向において向かい合って位置する両方の面の断面寸法よりも小さい。
そのような面要素の厚さは、至る所で同じであることは可能であり、このことは、しかしながら、本発明のために必須ではない。この厚さが、同様に局部的に異なっていることも可能である。
【0011】
リブ要素は、これらリブ要素の縁部領域でもって、冒頭に述べられた溶接ゾーンを形成し、これら溶接ゾーンが、フィルムバッグの上側の縁部に対して平行に延びており、
従って、溶接の後、このフィルムバッグが、このフィルムバッグの上側の縁部において、溶接された溶接領域に沿って、直線形状の複数の固定部および密閉部を有することを保障する。
【0012】
溶接の間じゅう、リブ要素は、リブ平面に対して平行に作用する力に曝される。リブ要素が、この力の作用のもとで、膨らみによって後退されることを防止するために、従来の公知技術において、通常、これらリブ要素を、全てのリブ要素を結合する壁によって安定化することが意図されており、その際、この壁が、前記平面もしくは正面の周囲に配置されている。
上記のことによって、壁は、リブ要素に対して中央で且つ垂直に延びており、このことによって、隣接するそれぞれに2つのリブ要素の間で2つの自由空間が与えられ、これら自由空間が、分離壁の両側で形成されている。
【0013】
そのような注ぎ出し口は、市場において、広く普及しており、容易に、有利な射出成形方法において製造可能であり、容易に溶接可能であり、少しの材料使用を必要とするが、しかしながら、基本的に、直線形状の溶接ゾーンが、過度に強い応力の際に、機能不全となる可能性があり、且つ、従って、非密閉の状態となる可能性があることの欠点を有している。
確かに、同様に解決策も公知であり、これら解決策が、極めて大きな溶接面を、特に溶接領域の(通路軸線方向において見て)全高さにわたって提供するが、これら解決策は、しかしながら、明確に多くの材料を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2017 009 693A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この背景から、本発明の課題は、冒頭に記載された様式の注ぎ出し口を提供することであり、
この注ぎ出し口が、更に、射出成形方法において容易に製造可能であり、特に容易に離型可能であり、且つ、この注ぎ出し口が、増大されない材料経費、または、ただ二義的に増大される材料経費において、溶接領域における溶接のために利用可能な面の増大を、特に溶接工程における作用する力に対する提供された溶接面の同時に十分な安定性において、提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に従い、この課題は、
それぞれの前記溶接アーム部内において、それぞれに、離間された2つのリブ要素の間で、唯一の自由空間が形成されており、且つ、
それぞれの前記自由空間が、両方の前記溶接側の内の一方の溶接側において開放しており、特に外方へと開放しており、
且つ、両方の前記溶接側の内の他方の溶接側において、溶接面によって閉鎖されている、
ことによって解決される。
【発明の効果】
【0017】
特にそれぞれのこれら溶接アーム部が、間隔を有して隣接して配置された少なくとも3つのリブ要素を有している場合、通路延在方向において見て、そのような実施形態は、それぞれの溶接アーム部内において隣接する、特に隣接して重なり合って位置する少なくとも2つの自由空間を有している。
有利な実施態様が、
それぞれの溶接アーム部が正に3つのリブ要素を有しており且つこのことによって正に2つの自由空間がそれぞれの溶接アーム部内において与えられる、
ことを意図することは可能である。
【0018】
先に記載された従来技術においてとは異なって、先に記載されたリブ要素に対して中央の安定化壁は、省略される。上記の代わりに、隣接する2つのリブ要素の安定化は、通路延在方向において少なくとも基本的に重なり合って位置する、これらリブ要素の溶接ゾーン、即ちこれらリブ要素の縁部領域が、溶接面によって結合されていることによって達成される。
そのような溶接面は、これに伴って、自由空間を囲繞する両方のリブ要素の溶接ゾーンの間で延在し、且つ、安定化機能に対して付加的に、総じて溶接のために使用される面積を増大する。
このことは、溶接に、従来の線状結合に比して、増大された耐負荷能力を、リブ要素の同時に保証される安定性において付与する。
【0019】
本発明の重要な利点は、従来技術に比して、有利には、この目的のために、より多くの、または少なくとも著しく多くはない合成物質材料が、射出成形プロセス内において使用される必要があること無しに、全溶接面の増大が与えられることにある。
【0020】
本発明に従う実施態様は、構造的に、
冒頭に記載された、当初に既存の壁部が、従来の溶接ゾーンの間の中央から、部分的に、第1の溶接側への方向に、および、部分的に第2の溶接側への方向に移動され、且つ、移動された壁領域が、その後、それぞれに1つの溶接面を形成する、
というように解釈され得る。
【0021】
有利な実施態様において、それぞれの前記溶接アーム部が、
少なくとも1つの自由空間、特に正に唯一の自由空間を有しており、この自由空間が前記第1の溶接側において開放し且つ前記第2の溶接側において閉鎖されており、且つ、
少なくとも1つの自由空間、特に正に唯一の自由空間を有しており、この自由空間が前記第1の溶接側において閉鎖されており且つ前記第2の溶接側において開放している、
ことは意図されている。
【0022】
有利には、このことによって、1つの実施態様が与えられ、この実施態様において、溶接領域が、第1の溶接側において、第2の溶接側に対して同一にではなく形成されており、このことが、従来技術に対して重要な相違を具現する。第1の側での、自由空間を閉鎖する少なくとも1つの、有利には正に1つの溶接面は、有利には、この有利な実施態様において、高さにおいて、他方の溶接側での、少なくとも1つの、有利には正に唯一の溶接面に対して、(通路延在方向に見て)位置ずれして配置されている。
類似して、そのような位置ずれは、同様に、上述の溶接側における、自由空間の少なくとも1つの開口部において与えられ、特に、この溶接側にわたって自由空間が外方へと開放している。そのような開口部は、後に、使用において、溶接領域においてこの開口部の周囲に固定されているフィルム層によって覆われる。
【0023】
この実施態様は、射出成形における、同様に良好な離型可能性も保証する。何故ならば、射出成形工具における自由空間を規定する成形突出部が、前述された正面に対して垂直の方向において、射出成形鋳型の開放および閉鎖し際に移動され得るからである。
【0024】
本発明が、
両方の溶接アーム部が、これら溶接アーム部のそれぞれの幾何学的形状において、特に即ち開放する自由空間と閉鎖された自由空間の相対的な配置において、互いに1つのおよび同じ溶接側で同じにもしくは同一に形成されている、特に即ちただ異なる溶接側だけで相違している、
ことを意図することは可能である。
【0025】
リブ要素とこれらリブ要素の間で形成される自由空間との数に依存せずに、本発明が、有利には、
前記通路軸線の方向において隣接して、特に重なり合って隣接して、位置する自由空間は、前記第1の溶接側および前記第2の溶接側に対して交互に閉鎖されている、または、開放している、
ことを意図することは可能である。
【0026】
有利には、このことによって、前記溶接アーム部端部の離間の方向に対して垂直方向の、前記溶接アーム部を通る1つの断面内において見て、
前記リブ要素と、1つの自由空間を閉鎖する前記溶接面とが、蛇行形状の経過を有していることは与えられる。
溶接アーム部端部の離間の方向に対して垂直方向の断面は、その際、有利には、通路軸線に対して間隔をおいて位置しており、特に、従って、この断面が注ぎ出し通路に外側に位置している。このことによって、増大された溶接面を有する、総じて極めて安定的な構造が与えられる。
【0027】
一方の溶接側、または、選択的に他方の溶接側において、リブ要素の間の自由空間を閉鎖する溶接面は、この溶接面の外方へと指向する、その面が即ち溶接されるべきフィルム層と接触する該面が、溶接ゾーンを形成するリブ要素の縁部領域に対して面一に位置するように配置されている。
このことによって、溶接と、両側でこの溶接面と隣接する縁部領域の溶接ゾーンとが、共に作用する面へと統合されることは保証され、この面が溶接のために使用される。
【0028】
有利には、
自由空間を閉鎖する前記溶接面が、隣接する前記リブ要素の壁厚と等しいか或いはより小さい、特にリブ要素の最も厚い位置におけるこのリブ要素の壁厚よりも少なくとも小さい壁厚を有している、
ことが意図されていることは可能である。同様に、このことは、溶接可能性を阻害すること無しに、材料削減のために寄与する。
【0029】
有利には、自由空間は、これに伴って、例えば、これら溶接側の内の一方の溶接側における、リブ要素の縁部領域によって上側および下側で周囲を境界されている開口部から、正面に対して垂直の方向において、溶接アーム部内へと、向かい合って位置する溶接側の溶接面の内側面に至るまで延在する。
それぞれの溶接アーム部端部において、開口部が、通路軸線方向において延在する肉厚部によって周囲を境界されていることは可能であり、この肉厚部が、内側で、向かい合って位置する溶接面において配置されている。
【0030】
有利には、一方の溶接側のそれぞれの溶接アーム部内において、リブ要素の溶接ゾーンと、自由空間を閉鎖する少なくとも1つの溶接面と、特に同様に、前記の肉厚部とは、1つの溶接平面の同じ平面内において位置しており、この溶接平面内において溶接が行われる。
この平面が、通路軸線に対して平行であるか、または、同様に平行ではないことは可能である。可能な、平行でない実施態様において、溶接平面が、下方へと通路軸線から離れる、または、この通路軸線に接近することは可能である。
【0031】
本発明が、溶接の際にフィルム層と接触する面領域が、特にそれぞれの使用される溶接方法に応じて、異なる表面実施態様を有することは可能である。これら接触する面は、有利には、少なくとも、縁部領域もしくは溶接ゾーン、自由空間を閉鎖する溶接面、および、外套面領域の表面であり、この外套面領域が、通路軸線を囲繞しており、且つ、溶接アーム部の表面領域を結合している。
【0032】
有利には導電性の溶接エネルギー導入において、これら接触する表面が、例えば、平滑に、特に立体成形無しに形成されていることは可能である。
【0033】
これら接触する表面が、他の実施態様において、特に立体成形でもって、有利には超音波溶接において有利には例えば突出部のような立体成形により溶融のための初期点を提供する、そのような立体成形でもって、粗く形成されていることも可能である。
【0034】
立体成形が、例えば、所定の寸法範囲、特に0.02~0.05mm内において、隆起して、接触する表面の上で配置されていることは可能である。
【0035】
特に有利には、自由空間が、この自由空間が溶接面によって閉鎖されている前記溶接側から、この自由空間が開放している前記溶接側への方向に、特に高さ方向に、即ちリブ要素の離間の方向に拡大している、
ことが意図されていることは可能である。
溶接アーム部端部の離間の方向における自由空間の拡大は、有利には、既に、溶接アーム部が、溶接アーム部端部への方向において先細りになることによって存在する。このことによって、製造された注ぎ出し口と、射出成形鋳型における、自由空間を規定する成形突出部との間の、特に容易な離型可能性は達成される。
【0036】
有利な実施態様が、
前記リブ要素のそれぞれのリブ要素は、横方向平面の周囲に配置されており、この横方向平面が、前記通路軸線に対して垂直である、
ことを意図することは可能である。
横方向平面と、冒頭で述べられた正面とは、有利には互いに垂直である。異なるリブ要素の横方向平面は、これに伴って、互いに離間されている。
【0037】
有利には、この実施態様において、更に、
前記自由空間へと指向する、リブ要素の面が、その横方向平面の周囲にリブ要素が配置されている、該横方向平面に対して傾斜されている、
ことは意図されている。
このことによって、この自由空間の開放する側への方向における自由空間の先に言及された拡大は達成され得、且つ、離型可能性が容易化され得る。
【0038】
更に有利な実施態様が、
前記注ぎ出し通路の第2の端部に対して最も近くに位置するリブ要素において、
このリブ要素から離れるように指向する、このリブ要素の溶接ゾーン/縁部領域を増大するカラー部が形成されている、
ことを意図することは可能である。
最も下側のリブ要素が、下方へと、如何なる更に別の隣接するリブ要素も有していないので、このリブ要素の溶接ゾーンは、このリブ要素の縁部領域の厚さに制限されている。
【0039】
附設して形成されたカラー部は、溶接ゾーンと面一に下方へと延在する。有利には、リブ要素の溶接ゾーンは、少なくとも、基本的に、カラー部の高さだけ増大され、特に、即ち、リブ要素が、縁部において下方へと肉厚にされる。
このことは、その位置が使用においてフィルム層と溶接領域との間の最も大きな移動が存在する、精確に該位置における、溶接領域とフィルム層との間の溶接結合の改善された耐負荷能力を誘起する。
【0040】
カラー部が、弾性的に可撓性の領域を形成することは可能であり、この領域が、溶接の際の、この領域内におけるフィルムの伸展を防止可能である。
【0041】
カラー部が、このカラー部の下側の、外方へと指向する縁部において、面取り部を有しているか、または、ある半径でもって、丸くされて構成されている場合、特に有利である。
同様にこの面取り部が、フィルムにストレスを与えないようにすることは可能である。
【0042】
有利には、同様に、
前記溶接アーム部端部への方向において、
前記通路軸線の方向に見た、少なくとも1つのリブ要素、有利には全てのリブ要素、の厚さが、特に前記横方向平面の一方の側だけでまたは両方の側で、増大している、及び/または、
前記通路軸線の方向に見た、自由空間の高さが、2つのリブ要素の間で減少している、
ことが意図されていることも可能である。
【0043】
このことによって、効果的に作用する溶接面が、溶接アーム部端部への方向において増大することは達成される。
更に、溶接アーム部端部の領域内における、正面に対して垂直の方向における、溶接面の投射において見て、両方の溶接側において位置ずれされて、向かい合って位置する溶接面の、増大されたオーバーラップが与えられる。このことから、溶接アーム部端部において、溶接の改善された耐負荷能力が結果として生じる。
【0044】
有利には、両方の前記溶接アーム部内において、前記通路軸線の方向に見た、この通路軸線に対するこれら溶接アーム部の位置に関して、同じに配置されている自由空間は、同じ溶接側に向かって閉鎖されているか、もしくは、開放している。
【0045】
その際、更に有利には、同じに配置されている2つの自由空間が、
両方の前記溶接アーム部の間で延在する、前記第2の端部領域の外套面領域にわたって、溝部によって結合されていることは可能である。
有利には、前記通路軸線の方向において測定されたこの溝部の高さは、同じ方向における前記自由空間の高さに相応している。
【0046】
本発明が、しかしながら同様に、
この外套面領域が溝部無しに形成されており、特にこの外套面領域が、異なるアーム内における2つの自由空間の高さで湾曲された面経過を有しており、この面経過が、同じ溶接側での両方の溶接アーム部の、自由空間を閉鎖する溶接面の間の面経過に相応する、
ことを意図することも可能である。
【0047】
更に構造的に有利な実施形態は、
前記溶接領域内において、
前記注ぎ出し通路が、互い平行な、且つ、前記通路軸線を中心として向かい合って位置する、2つの平坦な/平らな通路壁を有しており、
これら通路壁に、両方の前記溶接アーム部の前記リブ要素が結合されている、
ことを意図している。
この平坦で平らな形状は、これに伴って、少なくとも通路壁の側で存在し、この通路壁と、リブ要素が隣接している。通路壁の平坦で平らな面は、これに伴って、自由空間内へと指向している。
射出成形の際の離型は、その際、有利には、この面に対して平行な方向において行われる。通路壁は有利にはそこで全く同様に形成されているが、通路軸線へと半径方向内側に向かって、この通路壁が同様に平坦とは異なって形成されていることも可能である。
【0048】
前記注ぎ出し通路が、有利には、前記溶接領域内において、互いに平行な、向かい合って位置する2つの前記通路壁領域の間で、複数の補強リブを有しており、
これら補強リブが、通路壁内側面から、半径方向に内方へと延在していることは可能である。平行で平らな通路壁領域の間の通路壁内側面が、特に通路軸線に対して不変の半径でもって、湾曲されて延びることは可能である。
【0049】
先に述べられた全ての実施態様と組み合わせ可能な、更に別の実施形態は、以下で説明される。
【0050】
例えば、自由空間を閉鎖する前記溶接面が、
前記リブ要素の、前記溶接面と隣接する少なくとも1つの縁部領域に対して、有利には前記溶接面と隣接する両方の前記縁部領域に対して、
外方へと、突き出して配置されている、
ことが意図されていることは可能である。
【0051】
有利には、突き出しているそのような前記溶接面は、
少なくとも領域的に、特に少なくとも、前記第2の端部領域の前記外套面領域から、前記溶接アーム部端部に至るまで延在する領域内において、
平坦に形成されている、または、
前記縁部領域の離間の方向において延びる湾曲を有している、特に外方へと、外へとアーチ状にされた湾曲を有している。
有利には、そのような湾曲は、1つの平面内において存在し、この平面が、リブ要素の直線的に延在する縁部領域の延在方向に対して垂直方向に整向されている。
【0052】
そのような突き出している溶接面が、例えば溶接材料貯蔵部を形成することは可能であり、この溶接材料貯蔵部が、溶接の際に、特に縁部領域に至るまで加圧される。
【0053】
1つの実施態様が、
自由空間を閉鎖する前記溶接面が、前記リブ要素の、この溶接面と隣接する少なくとも1つの縁部領域、有利にはこの溶接面と隣接する両方の前記縁部領域に対して、面一に配置されている、
ことを意図することは可能である。
【0054】
面一に配置された、および、縁部領域にわたって突き出た溶接面において、
前記溶接面及び/または前記縁部領域が、
少なくとも、前記第2の端部領域の前記外套面領域から、前記溶接アーム部端部に至るまで延在する領域内において、
平坦に形成されている、または、
前記通路軸線に対して垂直方向の平面内において延びる湾曲を有している、
特に外方へと凹状に、または、外方へと凸状に形成されている、
ことが意図されていることは可能である。
【0055】
有利な実施態様を、図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1から4までは、有利な第1の実施形態を示しており、この有利な第1の実施形態が、後述される相違を除いて、図の他の全ての実施態様と共通の特徴を有しており、これら特徴が、それに加えて、後の図において再度説明されない。
【0057】
これら図は、本発明に従う特徴を、それぞれに異なる眺望において示している。
【発明を実施するための形態】
【0058】
共通の特徴は以下の通りである:即ち、
【0059】
図示されている注ぎ出し口は、注ぎ出し通路1を有しており、この注ぎ出し通路が、通路軸線1bに従う長手延在方向を有しており、且つ、この注ぎ出し通路の通路壁1aが、上側の端部領域2aにおいて、少なくとも、基本的に、円筒形の断面でもって形成されており、且つ、注ぎ出し接続用パイプを形成している。
【0060】
上側の端部領域2a内において、通路壁1aは、外側で、外側ねじ山を担持しており、この外側ねじ山が、ここで図示されてなく且つ相応する内側ねじ山を有する本発明のために二義的なキャップと協働し、従って、注ぎ出し接続用パイプが、選択的に、閉鎖または開放され得る。
注ぎ出し接続用パイプは、その領域がキャップによって覆い可能であり、且つ、その領域から、ここで示されていないフィルムバッグの内容物が取り出され得る該領域である。
【0061】
下側の端部領域2b内において、通路壁1aは、溶接領域3によって囲繞されており、この溶接領域が、2つの溶接アーム部3aを備えている。この領域内において、囲繞された通路壁は、上側の領域内において認識可能である円筒形の形状に相応している必要は無い。
【0062】
溶接領域3は、2つの溶接アーム部3aおよび3bを備えており、これら溶接アーム部が、通路壁/通路軸線の周囲で、直径方向に向かい合って位置するように配置されており、且つ、この通路軸線1b/通路壁1aから離反する方向に離れるように延在している。
溶接アーム部3aおよび3bに、向かい合って位置する2つの側面6aおよび6bにおいて、それぞれにフィルムバッグのフィルム層が溶接され、従って、溶接領域は、これらフィルム層の間で取り囲まれている。
溶接側6aおよび6bは、仮想の正面の両側に位置しており、この仮想の正面が、それ自体で通路軸線1bと両方の溶接アーム部端部4a、4bとを備えている。
この正面は、これに伴って、注ぎ出し口の中央に位置し、且つ、フィルムバッグの示されていないフィルム層に対して平行である。
【0063】
特に、
図3および4の断面図は、それぞれの溶接アーム部3a、3bが、それら自体で、複数の、ここで3つのリブ要素5a、5b、5cを備えていることを明瞭に示している。可能な実施態様は、示された3つのリブ要素に限定されていない。特に、同様に、3つのリブ要素よりも多くのリブ要素が設けられていることは可能であり、このことは、この実施態様を、単に、下方へと類似的に延長するだけである。
リブ要素は、有利には、平面状の要素として形成されており、且つ、それぞれに横方向平面10a、10b、10cの周囲に延在しており、これら横方向平面が、通路軸線1bに対して垂直に位置している。リブ要素5a、5b、5c、もしくは、これらリブ要素の横方向平面10a、10b、10cは、通路軸線1bの方向において離間されている。
【0064】
通路軸線1bの方向に相応する高さ方向において、離間された、それぞれに2つのリブ要素5aおよび5b、もしくは、5bおよび5cは、自由空間8aおよび8bを取り囲んでいる。
このそれぞれの自由空間8a、8bは、リブ要素5a、5b、5cの互いに対向する平面の間の間隔領域を占めており、特に、従って、それぞれの自由空間が、それぞれの溶接アーム部3a、3bの内部において位置している。両方の溶接アーム部3a、3b内において、自由空間8a、8bは、通路軸線1bに対して相対的に同じ位置を有している。
【0065】
特に、
図3の断面図は、それぞれのリブ要素5a、5b、5cが、両方の溶接側6a、6bで、それぞれに1つの縁部領域7aもしくは7bを有していることを明瞭に示している。
縁部領域7a、7bは、外側の縁部において、基本的に、(通路軸線1bの方向に見て)リブ要素5a、5b、5cの高さにわたって延在している。この縁部領域7a、7b、特にこの縁部領域の外方へと指向する端面は、溶接ゾーンを形成し、この溶接ゾーンが、単独で、または、増大する面積でもって、フィルム層との溶接のために利用される。
図1の透視図は、その際、縁部領域7a、7b、もしくは、溶接ゾーンが、溶接アーム部端部への方向に収斂することを明瞭に示している。特に、このことによって、溶接領域のシャトルの形のような形態は与えられる。
【0066】
図4は、その際、リブ要素5a、5b、5cが、下側の端部領域2bにおける通路壁1cに対して、1つの部材から成るように結合されていることを明瞭に示している。
【0067】
本発明のために、
それぞれの溶接アーム部3a、3b内において、相互に重なり合って位置する、隣接する両方の自由空間8aおよび8bのそれぞれの自由空間が、ただ、正確に両方の溶接側6a、6bの内の一方の溶接側だけに向かって開放しており、且つ、他方に向かって溶接面9によって閉鎖されており、この溶接面が、相互に重なり合って位置する縁部領域を結合し、且つ、これら縁部領域の溶接ゾーンを増大する、
ことは重要である。
【0068】
図1から4まで内において、上側の自由空間8aが、両方の溶接アーム部3a、3b内において、溶接側6bに向かって開放しており、且つ、溶接側6aに向かって溶接面9によって閉鎖されていることは認識可能である。下側の自由空間8bは、それに反して、反対に、溶接側6aに向かって開放しており、且つ、溶接側6bに向かって溶接面9によって閉鎖されている。
同じ溶接側で、これに伴って、両方の溶接アーム部内における実施態様は、同一である。重なり合って位置する2つの自由空間よりも多くの自由空間において、これら自由空間は、有利には、通路軸線の方向において、交互に、一方の溶接側と他方の溶接側とに向かって閉鎖もしくは開放されている。
【0069】
特に、
図2内における、溶接アーム部端部4bへの眺望は、
上側の自由空間もしくは下側の自由空間を閉鎖する溶接面9、もしくは、それら開口部を通してこれら自由空間が外方へと開口する該開口部が、両方の溶接側で位置ずれさせられている、特に、即ち、両方の自由空間の間の高さの差だけ互い違いに位置ずれされている、
ことを明瞭に示している。
溶接領域3は、即ち、正面に関して鏡対称的では無い。
【0070】
自由空間8a、8bの形成のための成形突出部は、
図2に関しての射出成形の際に、
上側の自由空間8aに関して、溶接側6bから、溶接側6aへの方向において、上側の溶接面9の内側壁に至るまで、注ぎ出し口内へと没入し、且つ、
下側の自由空間8bに関して、溶接側6aから、溶接側6bへの方向において、上側の溶接面9の内側壁に至るまで、注ぎ出し口内へと没入する。
離型は、従って、溶接アーム部端部4a、4bの間隔方向に対して垂直方向に行われ得る。
【0071】
それぞれの自由空間8a、8bは、内側で、溶接面9から、向かい合って位置する開口部に至るまで、不断に一貫しており、且つ、有利にはこの自由空間がこの方向において拡大する。
【0072】
正面に対して垂直方向に見ての、溶接面9の厚さは、その際、有利には、通路軸線1bの方向に見ての、最も厚いリブ要素5a、5b、5cの厚さよりも薄い。
有利には、その際、可能な全ての実施態様において、概念「溶接面」のもとで、溶接のために機能的な表面が理解されるだけではなく、この機能的な表面を有する壁要素も理解される。
【0073】
図3は、溶接面9もしくは自由空間8a、8bの開口部の互い違いの位置ずれによって外方へと生じる、リブ要素5a、5b、5cと溶接面9との連続における、蛇行形状の経過を示している。示された2つの自由空間8a、8bよりも多くの自由空間において、蛇行形状の経過は、更に継続する。
【0074】
図2内において、如何なる壁も中央の正面の周囲に存在しないことは、明確に認識可能である。リブ要素5a、5b、5cの補強は、通路軸線1bの方向において、交互に外側で、溶接ゾーンの増大の効果を有する外側の溶接面9によって行われる。
【0075】
端部領域2aと端部領域2bとの間に、有利には、半径方向に突出している図示されたカラー部が、通路壁1aの周囲に配置されており、このカラー部は、キャップのためのストッパーとして利用され得、且つ、独創性の機能要素を担持する。
【0076】
図1から4までの第1の実施態様に関して、更に、
それぞれに開放的な自由空間が両方の溶接側のそれぞれの溶接側で、即ち、例えば、自由空間8aが溶接側6bで両方の溶接アーム部3a、3bを結合する外套面領域12を越えて、溝部13によって一方が他方の中へ移行することは特有である。
【0077】
有利には、更に、自由空間8a、8bは、開口部の平面内において、外方へと、至る所で同じ高さを有している。
【0078】
更に、この実施形態に関して、最も下側のリブ要素が、下方へと突出するカラー部11を有していることは特有であり、特に、このカラー部が、同様に下方への溶接ゾーンの増大として利用され、及び/または、向上された可撓性に基づいて、この位置におけるフィルムの負荷ストレスを妨げる。そのようなカラー部は、他の実施態様において、同様に省略されることも可能である。
【0079】
上記のことに対して、
図5および6は、その他の点では同じ特徴における、本発明に従う第2の実施態様を示しており、この実施態様において、溝部13が欠如している。外套面領域12は、自由空間の開口部の高さにおいて、溶接面の高さと同じ、湾曲された経過を有しており、これら溶接面が、同じ溶接側で、他方の自由空間を閉鎖している。
【0080】
図7および8は、その他の点では
図1から4までにおいてと同じ特徴における、第3の実施形態を示されており、この実施形態が、しかしながら同様に、溝部13無しで形成されていることは可能であり、この実施形態において、リブ要素5a、5b、5cの厚さ、もしくは、自由空間8a、8bの高さが、溶接アーム部端部4a、4bへの方向において減少することは特有である。
【0081】
ここで、特に、
図8は、この実施態様において、溶接のために効果的に使用される面が、溶接アーム部端部4a、4bへの方向において増大されることを示しており、特に、このことによって、正面に対して垂直方向の投影において、他の実施形態との比較において、両方の溶接側6a、6bで、向かい合って位置する溶接面9の増大されたオーバーラップ部14が与えられる。
【0082】
図9は、カラー部11を有する、先の実施形態のために共通の、注ぎ出し口の下面眺望を示しており、この下面眺望から、下側の端部領域2b内における注ぎ出し通路の通路壁部が、平行に向かい合って位置する、2つの平坦な/平らな壁1cを有しており、これら壁にリブ要素が結合されており、これらリブ要素から、ここで最も下側のリブ要素5cが目視可能であることは明らかである。
【0083】
これら平坦な壁1cの間の通路壁部の領域内において、補強リブ14は、半径方向に内方へと通路軸線1bへと指向している。
【0084】
更に、注ぎ出し通路1が、独創的な機能を有するカラー部の高さである段部1dにおいて、円筒形の内側形状から、平坦な平行な通路壁1cを有する形状に移行することは認識可能である。しかしながら、本発明が、可能な全ての実施態様において、注ぎ出し通路1の示された内側形状に限定されていないことは、コメントされるべきである。
【0085】
図10および11は、1つの実施態様の図を示しており、この実施態様において、先に記載されたカラー部11が設けられていない。この実施態様において、溶接領域3は、下方に向かって、最も下側のリブ要素5cの下側面でもって終端している。
その他の点では、先に記載された全ての他の特徴が、同様にこの実施態様においても、特にここでは示されているように溝部13を有して、しかしながら同様に、または、溝部13無しでも実現されていることは可能である。
【0086】
全ての図は実施態様を示しており、これら実施態様において、
溶接ゾーンとして利用される、リブ要素5a、5bの縁部領域7a、7b、及び/または、互いに面一に配置されている、自由空間8aを閉鎖する溶接面9が、溶接アーム部端部4a、4bへの延在において、少なくとも領域的に、特にそれぞれの溶接アーム部端部4a、4bと湾曲された外套面領域12との間で、直線的に延在している。
【0087】
第2の端部領域2bの両方の壁1cに対する、リブ要素5a、5bの結合部の間の領域内において、溶接ゾーンが、場合によっては自由空間を閉鎖する溶接面9によって増大されて、上記された外方へと凸状に湾曲する外套面領域12を用いて、一方が他方の中へと、有利には連続的に移行する。
【0088】
本発明が、
全ての示された実施態様、並びに、一般的に、全ての可能な示されていない本発明に従う実施態様のために、縁部領域7a、7bが、特に、自由空間を閉鎖する溶接面9をも含めて、特に溶接アーム部端部4a、4bと外方へと凸状に湾曲された外套面領域12との間で、湾曲された経過を有して形成されている、
ことを意図することも可能である。
【0089】
例えば、互いに面一の溶接面9と縁部領域7a、7bとが、少なくとも領域的に、特に少なくとも第2の端部領域2bの外套面領域12から溶接アーム部端部4a、4bに至るまで延在する領域内において、通路軸線1bに対して垂直方向の平面内において延びる湾曲を有することは可能であり、この湾曲が、外方へと、凹状に形成されており、特に、その際、この湾曲が、反対に、外方へと凸状に湾曲された外套面領域12内へと移行する。
【0090】
図12は、注ぎ出し口の下方からの軸線方向の眺望において、カラー部11の無い1つの実施態様における、そのような構成を示している。この構成が、しかしながら、同様にカラー部11を有する実施態様においても意図されていることは可能であり、このことは、同様に、以下の図に関しても言えることである。
【0091】
上記のことに対して、
図13は、注ぎ出し口の下方からの軸線方向の眺望において、1つの実施態様を示しており、この実施態様において、互いに面一の溶接面9と縁部領域7a、7bとが、少なくとも領域的に、特に少なくとも第2の端部領域2bの外套面領域12から、溶接アーム部端部4a、4bに至るまで延在する領域内において、通路軸線1bに対して垂直方向の平面内において延びる湾曲を有しており、この湾曲が、外方へと、凸状に形成されており、特に、その際、この湾曲が、外方へと、凸状に湾曲された外套面領域12内へと移行する。
【0092】
図14および15は、それぞれに1つの実施態様を示しており、この実施態様において、溶接面9が、縁部領域7a、7bに対して、外方へと突き出して配置されている。
【0093】
その際、
図14内において、溶接面9は平坦な表面を有しており、他方、
図15内において、この溶接面9が外方へと湾曲されており、特に外方へと凸状である。この湾曲は、1つの平面内において存在し、この平面が、直線的に延在する縁部領域7a、7bに対して垂直方向に整向されている。
この湾曲は、ここで、縁部領域7a、7bの離間の方向に延びている。
【0094】
図14および15の実施態様が、同様に
図12および13の実施態様とも組み合わせ可能であることは、コメントされるべきである。
【国際調査報告】