(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】自動切断式エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
H01H 37/76 20060101AFI20240423BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240423BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20240423BHJP
【FI】
H01H37/76 G
A24F40/46
A24F40/44
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023565923
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2022067519
(87)【国際公開番号】W WO2023274930
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
【テーマコード(参考)】
4B162
5G502
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AC22
5G502AA02
5G502BB17
5G502EE10
5G502FF10
(57)【要約】
本発明はエアロゾル発生装置用の加熱組立品に関する。加熱組立品は、第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットを備えてもよい。加熱組立品は、第一のはんだスポットを第二のはんだスポットに電気的に接続する接続ストリップをさらに備えてもよい。第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一方は、200℃~300℃の溶融温度を有する軟質はんだスポットとして構成されてもよい。接続ストリップは、バイメタルストリップとして構成されてもよい。本発明は、加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置にさらに関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用の加熱組立品であって、
第一のはんだスポットと、
第二のはんだスポットと、
前記第一のはんだスポットを前記第二のはんだスポットに電気的に接続する接続ストリップと、を備え、
前記第一のはんだスポットおよび前記第二のはんだスポットのうちの一方が、200℃~300℃の溶融温度を有する軟質はんだスポットとして構成され、前記接続ストリップが、バイメタルストリップとして構成される、加熱組立品。
【請求項2】
前記軟質はんだスポットの前記溶融温度が、225℃~275℃、好ましくは約250℃である、請求項1に記載の加熱組立品。
【請求項3】
前記接続ストリップが、前記第一のはんだスポットと前記第二のはんだスポットとの間に自由にスパニングするように配設される、請求項1または2のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項4】
前記接続ストリップが、前記接続ストリップの温度が300℃を超える時に、好ましくは前記接続ストリップの前記温度が275℃を超える時に、最も好ましくは前記接続ストリップの前記温度が250℃を超える時に、前記軟質はんだスポットから離れるように曲がることによって前記軟質はんだスポットから切断されるように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項5】
前記軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットの溶融温度が、600℃~900℃、好ましくは650℃~850℃、最も好ましくは700℃~800℃である、請求項1~4のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項6】
前記バイメタルストリップが、活性層および受動層を含む、請求項1~5のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項7】
前記バイメタルストリップが、Fe-Niの合金の層と、Cu、Ni、Fe-Ni-Cr、Fe-Ni-Mn、およびMn-Ni-Cuのうちの一つの層とを含む、請求項1~6のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項8】
前記バイメタルストリップが、前記加熱組立品の通常の動作温度中にその形状が変化しないように構成される、請求項1~7のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項9】
前記加熱組立品の前記通常の動作温度が、90℃~250℃、好ましくは150℃~245℃、最も好ましくは200℃~240℃である、請求項1~8のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項10】
前記軟質はんだスポットが、Sn
95Pb
5、Pb、Pb
75In
25、およびPb
68Sn
32のうちの一つを含む、好ましくはそれらからなる、請求項1~9のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項11】
前記軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットが、銀を含み、好ましくは銀からなる、請求項1~10のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項12】
前記軟質はんだスポットが、前記軟質はんだスポットの前記温度が300℃を超える時に、好ましくは前記軟質はんだスポットの前記温度が275℃を超える時に、最も好ましくは前記軟質はんだスポットの前記温度が250℃を超える時に、前記接続ストリップを溶融および解放するように構成される、請求項1~11のいずれかに記載の加熱組立品。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項14】
液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵部と、前記液体エアロゾル形成基体を前記液体貯蔵部から前記加熱組立品に吸い出すために構成されたウィッキング要素と、をさらに備える、請求項15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
一つ以上の前記第一のはんだスポットが、好ましくは第一の電気接点パッドによって前記ウィッキング要素上にはんだ付けされ、前記第二のはんだスポットが、好ましくは第二の電気接点パッドによって前記ウィッキング要素上にはんだ付けされ、前記第三のはんだスポットが、好ましくは第三の電気接点パッドによって前記ウィッキング要素上にはんだ付けされる、請求項16に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置用の加熱組立品に関する。本発明はさらに、加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは周知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、液体形態で提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内で揮発され得る。発熱体を備える加熱組立品は、エアロゾル形成基体を加熱するために加熱チャンバー内、または加熱チャンバーの周りに配設され得る。
【0003】
発熱体は、抵抗発熱体として構成されてもよい。発熱体は、エアロゾル形成基体を液体貯蔵部から発熱体に向かって吸い出すように構成されたウィッキング要素に隣接して配設されてもよい。液体貯蔵部が枯渇している場合、エアロゾル形成基体はそれ以上発熱体に向かって吸い出されない。もはや芯内に液体基体が存在しない場合に、それにもかかわらず発熱体が動作する場合、過熱が問題となり得る。ウィッキング材料の過熱は、望ましくないベイパーの放出につながる場合がある。
【0004】
過熱防止策を有するエアロゾル発生装置用の加熱組立品を有することが望ましいであろう。過熱に起因する望ましくないベイパーの放出が防止される、エアロゾル発生装置用の加熱組立品を有することが望ましいであろう。安全性が改善されたエアロゾル発生装置用の加熱組立品を有することが望ましいであろう。機械的加熱防止策を有するエアロゾル発生装置用の加熱組立品を有することが望ましいであろう。自動過熱防止策を有するエアロゾル発生装置用の加熱組立品を有することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置のための加熱組立品が提供される。加熱組立品は、第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットを備えてもよい。加熱組立品は、第一のはんだスポットを第二のはんだスポットに電気的に接続する接続ストリップをさらに備えてもよい。第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一方は、200℃~300℃の溶融温度を有する軟質はんだスポットとして構成されてもよい。接続ストリップは、バイメタルストリップとして構成されてもよい。
【0006】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置のための加熱組立品が提供される。加熱組立品は、第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットを備える。加熱組立品は、第一のはんだスポットを第二のはんだスポットに電気的に接続する接続ストリップをさらに備える。第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一方は、200℃~300℃の溶融温度を有する軟質はんだスポットとして構成される。接続ストリップは、バイメタルストリップとして構成される。
【0007】
本発明による加熱組立品は、過熱に対する自動保護策を有する。過熱される場合、軟質はんだスポットは、バイメタルストリップと相乗的に作用して、加熱組立品を切断する。より具体的には、加熱組立品の動作温度が所望の温度を超える場合、軟質はんだスポットは溶融する。軟質はんだスポットの溶融は、軟質はんだスポットを接続している接続ストリップが軟質はんだスポットから解放されることにつながる。同時に、バイメタルストリップとして構成される接続ストリップは、温度上昇に起因して軟質はんだスポットから離れるように曲がる。軟質はんだスポットの溶融は、接続ストリップが離れるように曲がる作用と共に、電気的切断をもたらす。電気的切断により、加熱組立品の機能が無効化され、それによって自動過熱防止策が生成される。
【0008】
「軟質はんだスポット」という用語は、比較的低い溶融温度、例示的には300℃未満の溶融温度を有するはんだスポットを指す。
【0009】
軟質はんだスポットの溶融温度は、225℃~275℃、好ましくは約250℃であってもよい。
【0010】
この溶融温度は、加熱組立品の過熱を防止するために最適化される。この温度は、加熱組立品の動作温度よりもわずかに高くてもよい。軟質はんだスポットは、加熱組立品の動作温度よりも高い溶融温度を有してもよい。
【0011】
接続ストリップは、第一のはんだスポットと第二のはんだスポットとの間に自由にスパニングするように配設されてもよい。
【0012】
接続ストリップのスパニング配設により、温度が加熱組立品の動作温度を超える場合に、接続ストリップが離れるように曲がる作用が可能になり得る。本明細書に記載の通り、この場合、軟質はんだスポットは溶融し、それによって、軟質はんだスポットに接続された接続ストリップの一部が解放され得る。同時に、接続ストリップは、接続ストリップのバイメタル材料に起因して、軟質はんだスポットから離れるように曲がる。接続ストリップのスパニング配設に起因して、接続ストリップは、その後、軟質はんだスポットから離れるように曲がり、それによって軟質はんだスポットから電気的に切断され得る。その後、接続ストリップは、軟質はんだスポットとして構成されていない他方のはんだスポットのみに接続され得る。この他方のはんだスポットは、切断動作中に接続ストリップがその周りを回転するヒンジとして作用し得る。
【0013】
接続ストリップは、接続ストリップの温度が300℃を超える時に、好ましくは接続ストリップの温度が275℃を超える時に、最も好ましくは接続ストリップの温度が250℃を超える時に、軟質はんだスポットから離れるように曲がることによって軟質はんだスポットから切断されるように構成され得る。
【0014】
軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットの溶融温度は、600℃~900℃、好ましくは650℃~850℃、最も好ましくは700℃~800℃であってもよい。
【0015】
このはんだスポットは、過熱シナリオ中に溶融しないように構成される。このはんだスポットは溶融しておらず、また接続ストリップはしっかりと離れるように曲がり、それによって電気的切断作用を促進する。接続ストリップは、過熱シナリオの場合でさえ、はんだスポットが軟質はんだスポットとして構成されていないことによってしっかりと保持される。
【0016】
バイメタルストリップは、活性層および受動層を含み得る。
【0017】
活性層は、受動層よりも高い熱膨張率を有し得る。活性層は、加熱組立品に面してもよい。受動層は、加熱組立品から離れて面してもよい。
【0018】
バイメタルストリップは、Fe-Niの合金の層と、Cu、Ni、Fe-Ni-Cr、Fe-Ni-Mn、およびMn-Ni-Cuのうちの一つの層とを含んでもよい。
【0019】
バイメタルストリップは、加熱組立品の通常の動作温度中にその形状が変化しないように構成されてもよい。
【0020】
結果として、通常の動作温度中に、第一のはんだスポットと第二のはんだスポットとの間に機械的応力は誘発されない。
【0021】
加熱組立品の通常の動作温度は、90℃~250℃、好ましくは150℃~245℃、最も好ましくは200℃~240℃であってもよい。
【0022】
軟質はんだスポットは、Sn95Pb5、Pb、Pb75In25、およびPb68Sn32のうちの一つを含み得る。
【0023】
軟質はんだスポットは、Sn95Pb5、Pb、Pb75In25、およびPb68Sn32のうちの一つから成ってもよい。
【0024】
軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットは、銀を含んでもよく、好ましくは銀から成ってもよい。
【0025】
軟質はんだスポットは、軟質はんだスポットの温度が300℃を超える時に、好ましくは軟質はんだスポットの温度が275℃を超える時に、最も好ましくは軟質はんだスポットの温度が250℃を超える時に、接続ストリップを溶融および解放するように構成されてもよい。
【0026】
加熱組立品は、第三のはんだスポットと、第三のはんだスポットと第二のはんだスポットの第一のはんだスポットのうちの一つとの間に電気的に接続されて配設された加熱フィラメントとをさらに備えてもよい。
【0027】
加熱組立品の加熱作用は、発熱体によって実現されてもよい。加熱組立品の電気的接続は、発熱体と接続ストリップとの間の直列の接続であってもよい。加熱組立品は、第一の接点および第二の接点を備えてもよい。第一および第二の接点は、エアロゾル発生装置の電源から加熱組立品に電気エネルギーを供給するように構成されてもよい。第一の接点は、第三のはんだスポットに電気的に接続されてもよい。第三のはんだスポットは、第一の接点として構成されてもよい。第二の接点は、第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一つと電気的に接続されてもよい。このはんだスポットは、第二の接点として構成されてもよい。第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの他方は、第三のはんだスポットと第二の接点に接続されたはんだスポットとの間に電気的に配設されてもよい。電気エネルギーは、第一の接点、続いて第三のはんだスポット、続いて加熱フィラメント、続いて第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一方、続いて接続ストリップ、続いて第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの他方を介して、最後に第二の接点を通して加熱組立品を通して供給されてもよい。
【0028】
発熱体は、第三のはんだスポットと、第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一つとを電気的に接続するように配設されてもよい。発熱体は、ウィッキング要素と直接接触していてもよい。発熱体は、ウィッキング要素上に印刷されてもよい。発熱体は、ウィッキング要素内に埋め込まれてもよい。発熱体は、単一のフィラメントであってもよい。発熱体は、S字形状を有してもよい。
【0029】
本発明は、本明細書に記載の加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置にさらに関する。
【0030】
エアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵部と、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部から加熱組立品に吸い出すために構成されたウィッキング要素とをさらに備えてもよい。
【0031】
加熱組立品の加熱フィラメントは、液体エアロゾル形成基体を加熱および気化するように構成されてもよい。
【0032】
一つ以上の第一のはんだスポットは、好ましくは第一の電気接点パッドによってウィッキング要素上にはんだ付けされてもよく、第二のはんだスポットは、好ましくは第二の電気接点パッドによってウィッキング要素上にはんだ付けされてもよく、第三のはんだスポットは、好ましくは第三の電気接点パッドによってウィッキング要素上にはんだ付けされてもよい。第一の電気接点パッドは、第一の接点として構成されてもよい。第二の電気接点パッドは、第二の接点として構成されてもよい。
【0033】
ウィッキング要素は、細長くてもよい。ウィッキング要素は、プレート形状であってもよい。ウィッキング要素は、長方形であってもよい。加熱フィラメントおよび接続ストリップのうちの一方または両方は、ウィッキング要素に平行に配設されてもよい。第一、第二、および第三のはんだスポットのうちの一つ以上は、ウィッキング要素上に配設されてもよい。第一、第二、および第三のはんだスポットのうちの一つ以上は、電気接点パッドを介してウィッキング要素上に配設されてもよい。第一のはんだスポットは、第一の電気接点パッドを介してウィッキング要素上に配設されてもよい。第二のはんだスポットは、第二の電気接点パッドを介してウィッキング要素上に配設されてもよい。第三のはんだスポットは、第三の電気接点パッドを介してウィッキング要素上に配設されてもよい。
【0034】
エアロゾル発生装置は、ヒーター組立品に電力を供給するための電源と、電源からヒーター組立品への電気エネルギーの供給を制御するためのコントローラとをさらに備えてもよい。
【0035】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は発熱体への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように構成されてもよく、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0036】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一つの実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0037】
電源は、第三のはんだスポットに電気的に接続されてもよい。電源は、第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一つに電気的に接続されてもよい。
【0038】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。この装置は電気加熱式の喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジング、電気回路、電源、加熱チャンバー、発熱体を備えてもよい。
【0039】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる一つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0040】
エアロゾル形成基体は液体形態で提供されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の液体貯蔵部分内に含まれてもよく、その場合、エアロゾル発生物品はカートリッジとして表示されてもよい。
【0041】
ウィッキング要素は、繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。ウィッキング要素は、毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、ウィッキング要素は複数の繊維または糸またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は概して、液体をヒーターに運ぶように整列されてもよい。別の方法として、ウィッキング要素は、海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。ウィッキング要素の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。ウィッキング要素は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系または黒鉛系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、エチレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。セラミックは、ウィッキング要素にとって特に好ましい材料である。ウィッキング要素は、多孔性ウィッキング要素であることが好ましい。ウィッキング要素は異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は、毛細管作用によって液体がウィッキング要素を通して移動されることを可能にする粘性、表面張力、密度、熱伝導率、沸点および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。ウィッキング要素は、エアロゾル形成基体を発熱体に運ぶように構成されてもよい。ウィッキング要素は、発熱体の隙間内に延びてもよい。
【0042】
液体貯蔵部分は、任意の適切な形状およびサイズであってもよい。例えば、液体貯蔵部分は、実質的に円筒状であってもよい。液体貯蔵部分の断面は、例えば実質的に円形、楕円形、正方形または長方形であってもよい。
【0043】
液体貯蔵部分はハウジングを備えてもよい。ハウジングは、基部と、基部から延びる一つ以上の側壁とを備えてもよい。基部および一つ以上の側壁は、一体的に形成されてもよい。基部および一つ以上の側壁は、互いに取り付けられている、または固定されている別個の要素であってもよい。ハウジングは剛直なハウジングであってもよい。本明細書で使用される「剛直なハウジング」という用語は、自立型のハウジングを意味するために使用される。液体貯蔵部分の剛直なハウジングは、エアロゾル発生手段に対する機械的な支持を提供しうる。液体貯蔵部分は一つ以上の可撓性の壁を備えうる。可撓性の壁は、液体貯蔵部分に貯蔵された液体エアロゾル形成基体の容積に適合するように構成されうる。液体貯蔵部分のハウジングは、任意の適切な材料を備えうる。液体貯蔵部分は、実質的に流体不透過性の材料を備えうる。液体貯蔵部分のハウジングは、液体貯蔵部分に貯蔵された液体エアロゾル形成基体がハウジングを通してユーザーに見えうるように、透明または半透明の部分を備えうる。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が周囲空気から保護されるように構成されてもよい。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が光から保護されるように構成されてもよい。このことにより、基体の劣化のリスクを減少することができ、高レベルの衛生状態を維持することができる。
【0044】
液体貯蔵部分は、実質的に密封されうる。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分に貯蔵されている液体エアロゾル形成基体が液体貯蔵部分からエアロゾル発生装置に流れるための一つ以上の出口を備えうる。液体貯蔵部分は一つ以上の半開放入口を備えうる。これによって、周囲空気が液体貯蔵部分に入ることを可能にしうる。一つ以上の半開放入口は、周囲空気が液体貯蔵部分に入るのを可能にするために透過性があり、かつ液体貯蔵部分の内側にある空気および液体が液体貯蔵部分から出るのを実質的に妨げる不透過性である、半透過性の膜または一方向弁でもよい。一つ以上の半開放入口は、特定の条件下で空気が液体貯蔵部分に通過して入ることを可能にしうる。液体貯蔵部分は、エアロゾル発生装置の主本体に永久的に配設されてもよい。液体貯蔵部分は、再充填可能としうる。別の方法として、液体貯蔵部分は、交換可能な液体貯蔵部分として構成されうる。液体貯蔵部分は、交換可能なカートリッジの一部であるか、または交換可能なカートリッジとして構成されうる。エアロゾル発生装置は、カートリッジを受容するように構成されうる。初期カートリッジが消費されると、新しいカートリッジがエアロゾル発生装置に取り付けられうる。
【0045】
ウィッキング要素は、液体貯蔵部分から液体エアロゾル形成基体を吸い出すように、液体貯蔵部分と流体連通することが好ましい。ウィッキング要素は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分から発熱体に吸い出すように構成されることが好ましい。
【0046】
エアロゾル発生装置のハウジングの壁には、少なくとも一つの空気吸込み口が提供されてもよい。空気吸込み口は、半開放入口であってもよい。半開放入口は、装置の中へなどの一方向での空気または流体の流れを許容するが、反対方向での空気または流体の流れを少なくとも制限する、好ましくは禁止する入口であってもよい。半開放入口は、周囲空気がエアロゾル発生装置に入ることを可能にすることが好ましい。空気または液体は、半開放入口を通してエアロゾル発生装置から出るのを防止されてもよい。半開放入口は、例えば半透過性の膜であってもよく、空気については一方向でのみ透過性であるが、反対方向では気密かつ液密である。半開放入口はまた、例えば一方向弁であってもよい。半開放入口は、例えばエアロゾル発生装置の最小限の押圧、または弁もしくは膜を通過する空気の量といった特定の条件が満たされる場合にのみ、入口を通して空気が通過できることが好ましい。
【0047】
本開示のいずれかの態様で、発熱体は電気抵抗性材料を含み得る。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可能である。
【0048】
発熱体は、第三のはんだスポットと第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一つとの間に配設される抵抗ヒーターとして構成されることが好ましい。抵抗ヒーターは、ウィッキング要素に隣接して、かつ好ましくはウィッキング要素に平行に配設される。別の方法として、発熱体は例示的に、毛細管ヒーター、メッシュヒーター、または金属プレートヒーターであってもよい。発熱体は、例えば固体またはメッシュの表面を有する平坦なヒーターを含み得る。発熱体は、フィラメントの配列を含み得る。発熱体は、ウィッキング要素の近位表面と直接接触して配設されてもよい。
【0049】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例】
【0050】
実施例A:
エアロゾル発生装置用の加熱組立品であって、
第一のはんだスポットと、
第二のはんだスポットと、
第一のはんだスポットを第二のはんだスポットに電気的に接続する接続ストリップと、を備え、
第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一方が、200℃~300℃の溶融温度を有する軟質はんだスポットとして構成され、接続ストリップが、バイメタルストリップとして構成される、加熱組立品。
実施例B:
軟質はんだスポットの溶融温度が、225℃~275℃、好ましくは約250℃である、実施例Aによる加熱組立品。
実施例C:
接続ストリップが、第一のはんだスポットと第二のはんだスポットとの間に自由にスパニングするように配設される、実施例AまたはBのいずれかによる加熱組立品。
実施例D:
接続ストリップが、接続ストリップの温度が300℃を超える時に、好ましくは接続ストリップの温度が275℃を超える時に、最も好ましくは接続ストリップの温度が250℃を超える時に、軟質はんだスポットから離れるように曲がることによって軟質はんだスポットから切断されるように構成される、実施例A~Cのいずれかによる加熱組立品。
実施例E:
軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットの溶融温度が、600℃~900℃、好ましくは650℃~850℃、最も好ましくは700℃~800℃である、実施例A~Dのいずれかによる加熱組立品。
実施例F:
バイメタルストリップが、活性層および受動層を含む、実施例A~Eのいずれかによる加熱組立品。
実施例G:
バイメタルストリップが、Fe-Niの合金の層と、Cu、Ni、Fe-Ni-Cr、Fe-Ni-Mn、およびMn-Ni-Cuのうちの一つの層とを含む、実施例A~Fのいずれかによる加熱組立品。
実施例H:
バイメタルストリップが、加熱組立品の通常の動作温度中にその形状が変化しないように構成される、実施例A~Gのいずれかによる加熱組立品。
実施例I:
加熱組立品の通常の動作温度が、90℃~250℃、好ましくは150℃~245℃、最も好ましくは200℃~240℃である、実施例A~Hのいずれかによる加熱組立品。
実施例J:
軟質はんだスポットが、Sn95Pb5、Pb、Pb75In25、およびPb68Sn32のうちの一つを含む、実施例A~Iのいずれかによる加熱組立品。
実施例K:
軟質はんだスポットが、Sn95Pb5、Pb、Pb75In25、およびPb68Sn32のうちの一つからなる、実施例A~Jのいずれかによる加熱組立品。
軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットが、銀を含み、好ましくは銀からなる、実施例A~Jのいずれかによる加熱組立品。
実施例L:
軟質はんだスポットが、軟質はんだスポットの温度が300℃を超える時に、好ましくは軟質はんだスポットの温度が275℃を超える時に、最も好ましくは軟質はんだスポットの温度が250℃を超える時に、接続ストリップを溶融および解放するように構成される、実施例A~Kのいずれかによる加熱組立品。
実施例M:
第三のはんだスポットと、第三のはんだスポットと第二のはんだスポットの第一のはんだスポットのうちの一つとの間に電気的に接続されて配設された加熱フィラメントとをさらに備える、実施例A~Lのいずれかによる加熱組立品。
実施例N:
実施例A~Mのいずれかによる加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置。
実施例O:
液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵部と、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部から加熱組立品に吸い出すように構成されたウィッキング要素と、をさらに備える、実施例Nによるエアロゾル発生装置。
実施例P:
一つ以上の第一のはんだスポットが、好ましくは第一の電気接点パッドによってウィッキング要素上にはんだ付けされ、第二のはんだスポットが、好ましくは第二の電気接点パッドによってウィッキング要素上にはんだ付けされ、第三のはんだスポットが、好ましくは第三の電気接点パッドによってウィッキング要素上にはんだ付けされる、実施例Oによるエアロゾル発生装置。
実施例Q:
ヒーター組立品に電力を供給するための電源と、電源からヒーター組立品への電気エネルギーの供給を制御するためのコントローラと、をさらに備える、実施例N~Pのうちの一つによるエアロゾル発生装置。
実施例R:
電源が第三のはんだスポットに電気的に接続され、電源が第一のはんだスポットおよび第二のはんだスポットのうちの一つに電気的に接続される、実施例Qによるエアロゾル発生装置。
【0051】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0052】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、加熱組立品を利用するエアロゾル発生装置を示す。
【
図4】
図4は、過熱シナリオにおける加熱組立品の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、エアロゾル発生装置10を示す。エアロゾル発生装置10は、本体12を備える。本体12内に、電池(図示せず)の形態の電源が配設される。さらに、電気回路(図示せず)が本体12内に配設される。電気回路は、電源から加熱組立品14への電気エネルギーの供給を制御するために構成される。
【0055】
図1は、カートリッジ16をさらに示す。カートリッジ16は、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分18を含む。液体エアロゾル形成基体は、加熱組立品14に向かって吸い出される。液体エアロゾル形成基体の吸い出し作用は、以下で論じる
図2~4でより詳細に示す通り、ウィッキング要素24によって促進されることが好ましい。加熱組立品14は、本体12とカートリッジ16との間に挟まれる。カートリッジ16が本体12に取り付けられると、加熱組立品14はカートリッジ16と本体12との間にしっかりと保持される。別の方法として、加熱組立品14は、カートリッジ16または本体12に固定されてもよい。カートリッジ16は、交換可能または再充填可能であってもよい。カートリッジ16は、マウスピース20をさらに含み、マウスピース20を通して、エアロゾル発生装置10によって発生したエアロゾルが装置を出て、ユーザーによって吸入され得る。
【0056】
加熱組立品14をマウスピース20と流体接続させることにより、気流チャネル44が配設される。加熱組立品14によって気化されるエアロゾル形成基体は、気流チャネル44を通ってマウスピース20に向かって移動することができる。エアロゾルは、加熱組立品14に、または気流チャネル44内の加熱組立品14の下流に形成されてもよい。
【0057】
周囲空気は、エアロゾル発生装置10内に、空気吸込み口(図示せず)を通って加熱組立品14に向かって引き出されてもよい。空気吸込み口は、本体12内またはカートリッジ16内に配設されてもよい。空気吸込み口は、加熱組立品14と流体接続される。
【0058】
図2は、加熱組立品14をより詳細に示す。加熱組立品14は、発熱体22を備える。発熱体22は、電気抵抗フィラメントとして構成される。電気抵抗フィラメントは、ウィッキング要素24上に印刷されるか、またはその中に埋め込まれる。発熱体22は、抵抗加熱されて液体エアロゾル形成基体を気化するように構成される。気化される液体エアロゾル形成基体は、ウィッキング要素24内に提供される。
【0059】
ウィッキング要素24は、長方形の形状を有する。ウィッキング要素24は、発熱体22に平行に配設される。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置10の液体貯蔵部分18からウィッキング要素24に向かって吸い出される。ウィッキング要素24は、液体貯蔵部分18内の液体エアロゾル形成基体と流体接続される。
【0060】
発熱体22によって気化された液体エアロゾル形成基体は、気流チャネルを通してマウスピース20に向かって引き出される周囲空気に同伴される。
【0061】
発熱体22と直列に接続されて、接続ストリップ26が配設される。接続ストリップ26はバイメタルストリップである。接続ストリップ26は、過熱シナリオの場合に加熱組立品14の電気的接続を自動的に切断することによって、加熱組立品14の過熱を防止するように構成される。
【0062】
接続ストリップ26は、活性層および受動層を有する。活性層は、ウィッキング要素24に面して配設される。受動層は、ウィッキング要素24から離れて面して配設される。接続ストリップ26は、第一のはんだスポット28と第二のはんだスポット30との間に自由にスパニングするように配設される。
【0063】
第一のはんだスポット28は、700℃~800℃の融点を有する。したがって、第一のはんだスポット28は、過熱シナリオであっても溶融しない。
【0064】
第二のはんだスポット30は、約250℃の融点を有する。第二のはんだスポット30は、過熱シナリオにおいて溶融する。
【0065】
過熱シナリオは、特に、液体貯蔵部分18内の液体エアロゾル形成基体が枯渇した場合に起こる。その後、液体エアロゾル形成基体はもはやウィッキング要素24に送達されない。したがって、ウィッキング要素24が乾燥する。乾燥したウィッキング要素24は、ウィッキング要素26が乾燥しているが発熱体22が動作する場合に、200℃~240℃の通常の動作温度にわたって加熱され得る。望ましくないベイパーがウィッキング要素24から放出されることを防止するために、過熱防止策が促進される。
【0066】
過熱防止策は、軟質はんだスポットとして構成される第二のはんだスポット30の溶融によって促進される。さらに、過熱防止策は、接続ストリップ26の曲げ作用によって促進される。温度が約250℃を超える場合、第二のはんだスポット30は溶融する。したがって、接続ストリップ26は、もはや第二のはんだスポット30に機械的または電気的に取り付けられない。接続ストリップ26は、第二のはんだスポット30から離れるように、およびウィッキング要素24から離れるように曲がる。第二のはんだスポット30の溶融に起因する接続ストリップ26の解放は、接続ストリップ26が離れるように曲がることと共に、接続ストリップ26の電気的切断をもたらす。発熱体22は接続ストリップ26と直列に接続されているため、もはや発熱体22にも電気エネルギーが供給されない。加熱が停止する。加熱防止策が達成される。
【0067】
発熱体22は、第二の電気接点パッド32によって第二のはんだスポット30と電気的に接続されている。第二の電気接点パッド32は、ウィッキング要素24上に直接配設される。第二のはんだスポット30は、第二の電気接点パッド32と直接接触している。接続ストリップ26は、第二の電気接点パッド32と接触しておらず、第二のはんだスポット30と接触しているのみである。したがって、過熱シナリオにおいて、接続ストリップ26が解放される一方で、発熱体22は変化しないままである。
【0068】
第一のはんだスポット28は、第一の電気接点パッド34上に配設される。第一の電気接点パッド34は、ウィッキング要素24と直接接触している。第一のはんだスポット28は、第一の電気接点パッド34と直接接触している。第一のはんだスポット28は、電気的接続40を有する本体12の電源と電気的に接触している。発熱体22は、第二の電気接点パッド32と第三の電気接点パッド36との間に配設される。第三のはんだスポット38は、第三の電気接点パッド36と直接接触している。第三の電気接点パッド36は、ウィッキング要素24と直接接触している。第三のはんだスポット38は、電気的接続42を有する本体12の電源と電気的に接続される。
【0069】
図3は、
図2に示す線A-Aに沿った加熱組立品14の断面図を示す。
図3は、加熱組立品14の通常の動作中の接続ストリップ26の配設を示す。接続ストリップ26は、第一のはんだスポット28および第二のはんだスポット30に電気的に接続される。接続ストリップ26は、第一のはんだスポット28と第二のはんだスポット30との間に自由にスパニングするように配設される。
【0070】
図4は、
図3と同様に線A-Aに沿った加熱組立品14の断面図を示す。
図3とは対照的に、過熱シナリオが
図4に示される。温度が約250℃よりも高いことに起因して、第二のはんだスポット30は溶融する。第二のはんだスポット30の溶融に加えて、接続ストリップ26は、第二のはんだスポット30から、およびウィッキング要素24から離れるように曲がる。これらの二つの出現のため、接続ストリップ26は、もはや第二のはんだスポット30と接続されず、発熱体22の電気的接続が中断される。それ故に、加熱が停止する。過熱が防止される。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用の加熱組立品であって、
第一のはんだスポットと、
第二のはんだスポットと、
前記第一のはんだスポットを前記第二のはんだスポットに電気的に接続する接続ストリップと、を備え、
前記第一のはんだスポットおよび前記第二のはんだスポットのうちの一方が、225℃~275℃の溶融温度を有する軟質はんだスポットとして構成され、前記接続ストリップが、バイメタルストリップとして構成される、加熱組立品。
【請求項2】
前記軟質はんだスポットの前記溶融温度が、約250℃である、請求項1に記載の加熱組立品。
【請求項3】
前記接続ストリップが、前記第一のはんだスポットと前記第二のはんだスポットとの間に自由にスパニングするように配設される、請求項1または2に記載の加熱組立品。
【請求項4】
前記接続ストリップが、前記接続ストリップの温度が275℃を超える時に、最も好ましくは前記接続ストリップの前記温度が250℃を超える時に、前記軟質はんだスポットから離れるように曲がることによって前記軟質はんだスポットから切断されるように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項5】
前記軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットの溶融温度が、600℃~900℃、好ましくは650℃~850℃、最も好ましくは700℃~800℃である、請求項1~4のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項6】
前記バイメタルストリップが、活性層および受動層を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項7】
前記バイメタルストリップが、Fe-Niの合金の層と、Cu、Ni、Fe-Ni-Cr、Fe-Ni-Mn、およびMn-Ni-Cuのうちの一つの層とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項8】
前記バイメタルストリップが、前記加熱組立品の通常の動作温度中にその形状が変化しないように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項9】
前記加熱組立品の前記通常の動作温度が、90℃~250℃、好ましくは150℃~245℃、最も好ましくは200℃~240℃である、請求項1~8のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項10】
前記軟質はんだスポットが、Sn
95Pb
5、Pb、Pb
75In
25、およびPb
68Sn
32のうちの一つを含む、好ましくはそれらからなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項11】
前記軟質はんだスポットではない他方のはんだスポットが、銀を含み、好ましくは銀からなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項12】
前記軟質はんだスポットが、前記軟質はんだスポットの前記温度が275℃を超える時に、最も好ましくは前記軟質はんだスポットの前記温度が250℃を超える時に、前記接続ストリップを溶融および解放するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の加熱組立品。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の加熱組立品を備えるエアロゾル発生装置。
【請求項14】
液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵部と、前記液体エアロゾル形成基体を前記液体貯蔵部から前記加熱組立品に吸い出すために構成されたウィッキング要素と、をさらに備える、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
一つ以上の前記第一のはんだスポットが、好ましくは第一の電気接点パッドによって前記ウィッキング要素上にはんだ付けされ、前記第二のはんだスポットが、好ましくは第二の電気接点パッドによって前記ウィッキング要素上にはんだ付けされ、前記第三のはんだスポットが、好ましくは第三の電気接点パッドによって前記ウィッキング要素上にはんだ付けされる、請求項14に記載のエアロゾル発生装置。
【国際調査報告】