(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】デジタル表示システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06F 9/52 20060101AFI20240423BHJP
H04L 9/32 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G06F9/52 150Z
H04L9/32 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566677
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022061112
(87)【国際公開番号】W WO2022229226
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501308661
【氏名又は名称】ジセデコ ソシエテ ユーロペアンヌ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルドヴィク・ベルトラン
(57)【要約】
グループ(G)に属しているデジタル表示装置(2)によって協調的な方法でデジタルコンテンツを表示するためのデジタル表示方法であって、デジタルコンテンツはデジタル表示装置の各々によって記憶されたプレイリストにおいて定義され、方法が、コンセンサスアルゴリズムを使用してグループのデジタル表示装置の中からリーダーを選出するステップと、リーダーによってグループのその他のデジタル表示装置へ送信された同期メッセージから、グループのデジタル表示の各装置のプレイリストによって定義された各デジタルコンテンツの表示開始時間を決定するステップと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ(G)に属しているデジタル表示装置(2)によって協調的な方法でデジタルコンテンツを表示するためのデジタル表示方法であって、前記デジタルコンテンツは前記デジタル表示装置(2)の各々によって記憶されたプレイリストにおいて定義され、
前記方法が、
-コンセンサスアルゴリズムを使用して、前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)によって前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の中からリーダーを選出するステップと、
-前記リーダーによって前記グループ(G)のその他のデジタル表示装置(2)へ送信された同期メッセージから、前記グループ(G)のデジタル表示の各装置(2)の前記プレイリストによって定義された各デジタルコンテンツの表示開始時間を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記コンセンサスアルゴリズムが「RAFT」アルゴリズムである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)が、同一の観測者によって同時に見ることが可能である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の前記プレイリストによって定義されたそれぞれの前記デジタルコンテンツの前記表示開始時間が、同一であるか、所定の方法で時間的にオフセットされるか、のどちらか一方である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
デジタル表示装置(2)を備えるデジタル表示システムであって、前記デジタル表示装置(2)の少なくともいくつかはグループに属しており、デジタルコンテンツは前記デジタル表示装置(2)の各々によって記憶されたプレイリストにおいて定義され、
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)が、
-コンセンサスアルゴリズムを使用して、前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の中からリーダーを選出することであって、前記リーダーは前記グループ(G)のその他のデジタル表示装置(2)へ同期メッセージを送信するように適合されている、ことと、
-前記同期メッセージから、前記グループ(G)の各デジタル表示装置(2)の前記プレイリストによって定義された各デジタルコンテンツの表示開始時間を決定することと、
を行うように適合されている、システム。
【請求項6】
前記コンセンサスアルゴリズムが「RAFT」アルゴリズムである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)が、同一の観測者によって同時に見ることが可能である、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の前記プレイリストによって定義されたそれぞれの前記デジタルコンテンツの前記表示開始時間が、同一であるか、所定の方法で時間的にオフセットされるか、のどちらか一方である、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項9】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の間で送信された前記メッセージが、デジタル署名によって認証される、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項10】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の間で送信された前記メッセージがタイムスタンプを有し、前記デジタル署名が前記タイムスタンプを考慮して計算される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の間で送信された前記メッセージがタイムスタンプを有し、
前記グループ(G)の別のデジタル表示装置(2)からメッセージを受信する前記グループ(G)の各デジタル表示装置(2)が、
-受信された前記メッセージの前記タイムスタンプと現在の時間の間の差を計算することと、
-前記差が所定のしきい値よりも大きい場合、受信された前記メッセージを考慮しないことと、
を行うように適合されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)の間で送信された前記メッセージが暗号化されていない、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記グループ(G)の前記デジタル表示装置(2)が「UDP」プロトコルに従って互いに通信し、前記同期メッセージが、固有のネットワークレイテンシを除いて、前記グループの前記デジタル表示装置(2)の間で5ミリ秒未満の誤差で同期を可能にする、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項14】
前記グループの前記デジタル表示装置(2)が、前記グループ(G)に属していないデジタル表示装置(2)も備える、デジタル表示装置(2)のセットに属し、
前記システムがさらに、前記グループ(G)に属する前記セットのデジタル表示装置(2)のリストを最新の状態に保つように適合されたセントラルプラットフォーム(central platform)(7)を備え、
前記システムは、前記セットの各デジタル表示装置(2)が、グループに属するかどうかを示している情報の一部をメモリ内に有するように、かつ前記グループ(G)のデジタル表示装置(2)の前記リストをメモリ内に有するように、前記セットの前記デジタル表示装置(2)を前記セントラルプラットフォーム(central platform)(7)で繰り返しアップデートするように適合されている、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項15】
前記セントラルプラットフォーム(central platform)(7)がさらに、前記セットの前記デジタル表示装置(2)に、それらが再生しなければならない前記デジタルコンテンツについて通知するように適合されている、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、デジタル表示システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル表示装置のグループ、一般に同一の観測者によって同時に見ることが可能なデジタル表示装置のグループのデジタル表示装置によって、デジタルコンテンツの協調的な表示を可能にするデジタル表示方法が知られている。これらの既知のデジタル表示方法は、一般に、グループにおいてデジタル表示装置の表示を同期するセントラルサーバー(central server)を利用する。この先行技術の例は、文献EP1649355に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1649355号明細書
【0004】
この先行技術は、デジタル表示装置の良好な接続性に対して高く依存しているという欠点を有するが、このことは必ずしもそうではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書の目的は、特に、グループのデジタル表示装置が優れた接続性を得ないときでも、グループの様々なデジタル表示装置によってデジタルコンテンツの表示の適切な協調を特に保証するために、これらの方法の効率を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本明細書は、グループに属しているデジタル表示装置によって協調的な方法でデジタルコンテンツを表示するためのデジタル表示方法であって、デジタルコンテンツはデジタル表示装置の各々によって記憶されたプレイリストにおいて定義され、
方法が、
-コンセンサスアルゴリズムを使用して、グループのデジタル表示装置によってグループのデジタル表示装置の中からリーダーを選出するステップと、
-リーダーによってグループのその他のデジタル表示装置へ送信された同期メッセージから、グループのデジタル表示の各装置のプレイリストによって定義された各デジタルコンテンツの表示開始時間を決定するステップと、
を含む、方法を提案する。
【0007】
これらの態様のおかげで、提案されたデジタル表示方法は、接続性問題に関して、特に信頼性および回復力がある。
【0008】
デジタル表示方法の様々な実施形態においては、以下の態様のうちの一つおよび/または他方は、場合により(単独またはそれらのすべての相互の組み合わせで、場合により前述の態様とは独立して)さらに使用されることができる。
【0009】
-コンセンサスアルゴリズムが「RAFT」アルゴリズムである。
【0010】
-グループのデジタル表示装置が、同一の観測者によって同時に見ることが可能である。
【0011】
-グループのデジタル表示装置のプレイリストによって定義されたそれぞれのデジタルコンテンツの表示開始時間が、同一であるか、所定の方法で時間的にオフセットされるか、のどちらか一方である。
【0012】
-グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージが、デジタル署名によって認証される。
【0013】
-グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージがタイムスタンプを有し、デジタル署名がタイムスタンプを考慮して計算される。
【0014】
-グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージがタイムスタンプを有し、グループの別のデジタル表示装置からメッセージを受信するグループの各デジタル表示装置が、受信されたメッセージのタイムスタンプと現在の時間の間の差を計算し、差が所定のしきい値よりも大きい場合、受信されたメッセージを考慮しない。
【0015】
-グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージが暗号化されておらず、このことは、リアルタイム演算が、セキュリティ侵害を全く引き起こすことなく、優れた同期を得られることを可能にすることに貢献し、セキュリティは、タイムスタンプによって強化される場合もある電子署名によって保証される。
【0016】
-グループのデジタル表示装置が「UDP」プロトコルに従って互いに通信し、同期メッセージが、固有のネットワークレイテンシを除いて、グループのデジタル表示装置の間で1ミリ秒未満の誤差で同期を可能にする。
【0017】
-グループのデジタル表示装置が、グループに属していないデジタル表示装置も備えるデジタル表示装置のセットに属し、
方法がさらに、
セントラルプラットフォーム(central platform)によって、グループに属するセットのデジタル表示装置のリストをアップデートし続けるステップと、
セットの各デジタル表示装置が、グループに属するかどうかを示している情報の一部をメモリ内に有するように、かつグループの各デジタル表示装置が、グループのデジタル表示装置のリストをメモリ内に有するように、セットのデジタル表示装置をセントラルプラットフォームで繰り返しアップデートするステップと、
を備える。
【0018】
-方法はさらに、セットのデジタル表示装置に、セントラルプラットフォームを介して、それらが再生しなければならないデジタルコンテンツについて通知するステップを備える。
【0019】
-方法がさらに、
-表示キャンペーンに従ってプラットフォームによって、プレイリストを生成するステップであって、各プレイリストが、連続するタイムスロットの間にデジタルコンテンツを表示するために、デジタル表示装置の一つまたはいくつかに必要な情報を備える、ステップと、
-各デジタル表示装置が、セントラルプラットフォームによってそのために生成されたアップデートされたプレイリストをメモリ内に有するように、セットのデジタル表示装置をセントラルプラットフォームで繰り返しアップデートするステップと、
を備える。
【0020】
さらに、本明細書はまた、
デジタル表示装置を備えるデジタル表示システムであって、デジタル表示装置の少なくともいくつかはグループに属しており、デジタルコンテンツはデジタル表示装置の各々によって記憶されたプレイリストにおいて定義され、
グループのデジタル表示装置が、
-コンセンサスアルゴリズムを使用して、グループのデジタル表示装置の中からリーダーを選出することであって、リーダーはグループのその他のデジタル表示装置へ同期メッセージを送信するように適合されている、ことと、
-同期メッセージから、グループのデジタル表示の各装置のプレイリストによって定義された各デジタルコンテンツの表示開始時間を決定することと、
を行うように適合されている、システムにも関連している。
【0021】
デジタル表示システムの様々な実施形態においては、以下の態様のうちの一つおよび/または他方は、場合により(単独またはそれらのすべての相互の組み合わせで、場合により前述の態様とは独立して)さらに使用されることができる。
【0022】
コンセンサスアルゴリズムが「RAFT」アルゴリズムである。
【0023】
グループのデジタル表示装置が、同一の観測者によって同時に見ることが可能である。
【0024】
グループのデジタル表示装置のプレイリストによって定義されたそれぞれのデジタルコンテンツの表示開始時間が、同一であるか、所定の方法で時間的にオフセットされるか、のどちらか一方である。
【0025】
グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージが、デジタル署名によって認証される。
【0026】
グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージがタイムスタンプを有し、デジタル署名がタイムスタンプを考慮して計算される
【0027】
-グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージがタイムスタンプを有し、グループの別のデジタル表示装置からメッセージを受信するグループの各デジタル表示装置が、
――受信されたメッセージのタイムスタンプと現在の時間の間の差を計算することと、
――差が所定のしきい値よりも大きい場合、受信されたメッセージを考慮しないことと、
を行うように適合されている。
【0028】
グループのデジタル表示装置の間で送信されたメッセージが暗号化されておらず、このことは、リアルタイム演算が、セキュリティ侵害を全く引き起こすことなく、優れた同期を得られることを可能にすることに貢献し、セキュリティは、タイムスタンプによって強化される場合もある電子署名によって保証される。
【0029】
グループのデジタル表示装置が「UDP」プロトコルに従って互いに通信し、同期メッセージが、固有のネットワークレイテンシを除いて、グループのデジタル表示装置の間で1ミリ秒未満の誤差で同期を可能にする。
【0030】
-グループのデジタル表示装置が、グループに属していないデジタル表示装置も備えるデジタル表示装置のセットに属し、システムがさらに、グループに属するセットのデジタル表示装置のリストを最新の状態に保つように適合されたセントラルプラットフォーム(central platform)を備え、システムは、セットの各デジタル表示装置が、グループに属するかどうかを示している情報の一部をメモリ内に有するように、かつグループのデジタル表示装置のリストをメモリ内に有するように、セットのデジタル表示装置をセントラルプラットフォームで繰り返しアップデートするように適合されている。
【0031】
-セントラルプラットフォームがまた、セットのデジタル表示装置に、それらが再生しなければならないデジタルコンテンツを通知するようにも適合されている。
【0032】
プラットフォームは、表示キャンペーンに従ってプレイリストを生成するように適合され、各プレイリストが、連続するタイムスロットの間にデジタルコンテンツを表示するために、デジタル表示装置の一つまたはいくつかに必要な情報を備え、システムは、各デジタル表示装置が、セントラルプラットフォームによってそのために生成されたアップデートされたプレイリストをメモリ内に有するように、セットのデジタル表示装置をセントラルプラットフォームで繰り返しアップデートするように適合されている。
【0033】
デジタル表示方法およびデジタル表示システムの他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、非限的な例として与えられる、それらの実施形態の一つの以下の説明から現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】実施形態に従ってデジタル表示システムを示している概略図である。
【
図2】
図1のシステムのデジタル表示装置を示している概略図である。
【
図3】
図2のデジタル表示装置に属している同期モジュールを示している概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
様々な図において、同じ参照符号は同一または類似の要素を示す。
【0036】
図1はデジタル表示装置2のセットを備えるデジタル表示システム1を示している。
デジタル表示装置は多数、場合により数千であってもよく、場合により広い地域にわたって配置されて(distributed)もよい。
特定のデジタル表示装置2は、デジタル表示装置2のグループGを形成し、それらの表示は協調されなくてはならない。システム1はいくつかのグループGを有することができる。
【0037】
同一のグループGのデジタル表示装置2は一般に、同一の観測者によって同時に見ることが可能である。
【0038】
図2に示されているように、各デジタル表示装置2(DISP)は、デジタル画面4を制御するマイクロコンピュータなどのような制御装置3(CTRL)を含む。
【0039】
制御装置3はデジタルコンテンツプレイヤー5(PL)(制御装置3によって実行されるソフトウェアモジュール)を実行し、また同期ソフトウェアモジュール6(SYNC)も実行する。
【0040】
図1に表されているように、デジタル表示システム1はまた、上述のデジタル表示装置2と共通のセントラルプラットフォーム7(PL SERV)も備える。プレイリストを生成するためのプラットフォーム7は、一つのサーバーまたはいくつかのサーバー上で実行されることができるソフトウェアパッケージである。
【0041】
セントラルプラットフォーム7は、デジタル表示装置2に、それらが再生しなければならないデジタルコンテンツであって、デジタル表示装置2によってそれぞれ記憶されたプレイリストにおいて定義された、コンテンツを通知するように適合されている。ここで考慮されている例においては、セントラルプラットフォーム7はプレイリストを生成することができ、かつそれらをデジタル表示装置2へ送信することができるが、デジタル表示装置2がセントラルプラットフォーム7から受信された情報に基づいてプレイリスト自身を決定することも可能であろう。
【0042】
プレイリストを生成するためのセントラルプラットフォーム7は、以下でより詳細に説明されるように、コンテンツリストおよびローディングマニフェストを生成するためのエンジン8(ENG)を実行することができる。
【0043】
各デジタル表示装置2の同期モジュール6はセントラルプラットフォーム7と通信し、かつ必要な場合はインターネット9(INT)上で利用可能な他のリソースと通信する場合もある。代表的な実施形態においては、デジタル表示装置2はセントラルプラットフォーム7および少なくとも一つのプロキシサーバー9(PROX)を介して他のリソースと通信する。
【0044】
この通信はどの広域ネットワーク(WAN)を介しても行うことができる。例えば、多くの場合、この通信は携帯電話ネットワーク(mobile telephone network)(広域帯セルラーネットワーク、例えば3Gまたは4Gタイプ)によって行われることができる。もちろん、他のどんな通信手段でも可能である。
【0045】
エンジン8は進行中の表示キャンペーンに従って、繰り返しおよび/または特定のトリガリングファクト(triggering facts)(プログラミングの変更、コンテンツの変更など)に応じてプレイリストを生成するように適合される。このプレイリストの生成は、様々な表示装置2に関して広告主によって行われた予約に従って、これらの表示キャンペーンのために再生されるべきデジタルコンテンツに従って、かつ利用可能なデジタル表示装置に従って、実行される。
【0046】
各プレイリストはデジタル表示装置2の一つまたはいくつかによって再生されることを意図されている。
【0047】
各プレイリストは、一つまたはいくつかの所定の期間にわたって、逐次再生されるべきデジタルコンテンツ識別子の少なくとも一セットを備えてもよく、これらのデジタルコンテンツは連続するタイムスロットに割り当てられる。これらのタイムスロットは同じ持続時間であってもよいし、そうでなくてもよい。これらのタイムスロットの持続時間Tは、具体的には、5秒から20秒の間、例えば10秒としてもよい。
【0048】
一実施形態によると、プレイリストはデジタルコンテンツをロードするためのアドレス、またはデジタルコンテンツのデジタルフィンガープリント(digital fingerprint)を一つも含まない。したがって、それは小さなデータ量を表すドキュメントである。
【0049】
エンジン8はさらに、各デジタル表示装置のために、ローディングリストにおいて参照されるデジタルコンテンツをロードするための少なくともアドレスを備えるローディングマニフェストを、繰り返しおよび/または特定の生成イベント(プログラム、コンテンツなどの変更)に応じて生成するように適合されている。各ローディングマニフェストはさらに、各デジタルコンテンツについて、プレイリストに含まれる識別子を含んでもよい。
【0050】
各ローディングマニフェストはさらに、ローディングマニフェストにおいて参照される各デジタルコンテンツについての少なくとも一つの参照デジタルフィンガープリントを備えることができる。一例によると、デジタルフィンガープリントは例えば「MD5」タイプのチェックサムであることができる。別の例によると、デジタルフィンガープリントは、「GPG」タイプのデジタル署名であることができる。第三の例によると、ローディングマニフェストはまた、各デジタルコンテンツについて2つの参照デジタルフィンガープリント、具体的には、例えば「MD5」タイプのチェックサム、および例えば「GPG」タイプのより複雑なデジタル署名を備えることができる。
【0051】
エンジン8によるプレイリストおよびローディングマニフェストの生成頻度は、広告主による新しい予約または予約変更の到着速度に従って可変であることができる。この頻度は、予約の一部が自動オンライン入札によって行われることができると知っている場合、数分ごとに1回、あるいはより高い頻度まで上げることができる。特定のプレイリストアップデートは、例えばデジタルコンテンツの再生順序または頻度、あるいはデジタルコンテンツの再生条件に関する変更のとき、ローディングマニフェストを変更することなく実施される。
【0052】
デジタル表示装置2の同期モジュール6は、エンジン8から、それらのプレイリストおよびローディングマニフェストをアップデートするように適合されている。
【0053】
このアップデートは、以下のステップを含んでもよい。
c1)表示装置2の同期モジュール6は、エンジン8がデジタル表示装置2に対応する新しいプレイリストおよび/または新しいローディングマニフェストを有するかどうかを決定するために、所定の間隔で要求を送信することによってエンジン8に質問する。エンジン8に質問するための頻度は、固定(例えば、数分ごと)とすることができ、またはエンジン8から以前にダウンロードされたプレイリストおよび/またはローディングマニフェストによって決定されることができる。例えば、プレイリストについてエンジン8に質問するための頻度は、固定(例えば数分ごと、具体的には5分ごと)とすることができ、ローディングマニフェストについてエンジン8に質問するための頻度はプレイリストに含まれることができる。プレイリストおよびローディングマニフェストはタイムスタンプを付与されることができ、エンジン8がデジタル表示装置2に対応する新しいプレイリストを有するかどうか決定するために、同期モジュール6は、デジタル表示装置2への現在のプレイリストのタイムスタンプを受信するためのエンジン8への要求を送信することができる。このタイムスタンプがデジタル表示装置2によってダウンロードされた最後のプレイリストのタイムスタンプよりも新しい場合、その後エンジン8はデジタル表示装置2に対応する新しいプレイリストを有すると決定される。同じ演算がローディングマニフェストについても適用される。
c2)エンジン8がデジタル表示装置2に対応する新しいプレイリストおよび/または新しいローディングマニフェストを有すると決定された場合、(新しいプレイリストおよび/または新しいローディングマニフェストを受信するよう求める要求を送信することによって)同期モジュール6はエンジン8から新しいプレイリストおよび/または新しいローディングマニフェストをロードする。
c3)新しいローディングマニフェストがエンジン8からロードされている場合、デジタル表示装置2の同期モジュール6は、新しいローディングマニフェストにおいて参照される新しいデジタルコンテンツがどれであるかを決定する。この決定は、例えば、新しいローディングマニフェストにおいて参照されるデジタルコンテンツのデジタルフィンガープリントを、デジタル表示装置2のメモリにすでに存在するデジタルコンテンツのデジタルフィンガープリントと比較することによって行われることができる。
c4)その後、デジタル表示装置2の同期モジュール6は、新しいローディングマニフェストにおいて示される各デジタルコンテンツに対応するURLアドレスから、新しいデジタルコンテンツをダウンロードする。一般に、このダウンロードはインターネット9を介して行われることができる。問題のURLアドレスは、プレイリストを生成するためのプラットフォーム7、プレイリストを生成するためのプラットフォーム7のオペレータに固有の別のサーバー、またはインターネット上の別の場所に対応してもよい。
【0054】
各デジタル表示装置2のプレイヤー5は、その現在のプレイリスト(同期モジュール6によってロードされた最後のプレイリスト)に対応するデジタルコンテンツを読むように、かつデジタル表示装置2のデジタル画面4上にこれらのデジタルコンテンツを表示するように適合されている。
【0055】
ステップc1およびc2では、各デジタル表示装置2の同期モジュール6が常に、デジタル表示装置2に固有の同じURLアドレスにその要求を送信する。
【0056】
ステップc1およびc2では、同期モジュール6およびエンジン8が、例えば、「https」プロトコルを使用することによって、暗号化された方法で有利に通信することができる。
【0057】
ステップc4では、デジタル表示装置2の同期モジュール6が、新しいダウンロードされたデジタルコンテンツの計算されたデジタルフィンガープリントを決定することができ、計算されたデジタルフィンガープリントがローディングマニフェスト中に含まれる参照デジタルフィンガープリントに対応するかどうかをチェックすることができ、計算されたデジタルフィンガープリントが参照デジタルフィンガープリントに一致する場合にのみ、アップロードされたデジタルコンテンツを検証することができる。ダウンロードされたデジタルコンテンツが検証されない場合、それは破棄される。アップローディングマニフェストが少なくともいくつかのデジタルコンテンツについて2つ(またはそれ以上)のデジタルフィンガープリントを含む場合、この検証は、逐次または並行して、デジタルコンテンツの異なるデジタルフィンガープリントについて実行されてもよい。
【0058】
ステップc4では、デジタル表示装置2の同期モジュール6は、例えば「http」プロトコルを使用することによって、暗号化されていない方法で新しいデジタルコンテンツをダウンロードすることができる。
【0059】
一実施形態において、ステップc4では、デジタル表示装置2の同期モジュール6は新しいデジタルコンテンツを一つ一つダウンロードすることができる。
【0060】
さらに、セントラルプラットフォーム7は、特にエンジン8によって、グループGに属するシステムのデジタル表示装置2のリストを、例えばマネージャシステムユーザ1によって入力された構成変更に従って、最新の状態に保つように適合されている。
【0061】
エンジン8はさらに、各デジタル表示装置2に、(グループ識別子を送信することによって)それが属する可能性のあるグループG、および同じグループGに属している他のデジタル表示装置を通知するように適合されている。この情報の一部は、プレイリストにおいて、または構成情報において個別に、各デジタル表示装置2の同期モジュール6に送信されることができる。この情報は、前述の説明のように、同期モジュール6のアップデート要求プロセスにおいてどちらの場合も実行されることができる。
【0062】
同じグループGのデジタル表示装置2は、コンセンサスアルゴリズムを使用して、グループGのデジタル表示装置2の中からリーダーを選出するように適合されており、リーダーはグループGのその他のデジタル表示装置2(フォロワー)に同期メッセージを送信するように適合されている。
【0063】
コンセンサスアルゴリズムは「RAFT」アルゴリズムであることができる。
【0064】
コンセンサスアルゴリズムは、各デジタル表示装置2のレベルにおいて、グループGのその他のデジタル表示装置2から最近受信されたメッセージから(例えば過去10~60秒以内に受信されたメッセージから)、グループGのデジタル表示装置2の数を定期的に最新に保つことができる。
【0065】
リーダー選出プロセスは、例えばフォロワーの一つが所定の時間、リーダーからのメッセージを一つも受信しなかったとき、繰り返されることができる。
【0066】
グループGのデジタル表示装置2の間の情報交換は「UDP」プロトコルに従って実施されることができ、リアルタイムまたは準リアルタイム演算を可能にする。従ってグループGのデジタル表示装置2の間の同期レベルは、ミリ秒以下のオーダーとすることができる(グループGのデジタル表示装置2が互いに通信することによる通信ネットワークへの固有レイテンシを除く)。
【0067】
グループGのデジタル表示装置2の間で送信されたメッセージはデジタル署名によって有利に認証されることができる。
【0068】
デジタル署名は例えば「HMAC」タイプ、具体的には「HMAC-SHA-256」であることができる。
【0069】
また、グループGのデジタル表示装置2の間で送信されたメッセージはタイムスタンプを付与されることもでき、デジタル署名はタイムスタンプを考慮して計算される。
【0070】
デジタル署名は、グループGのデジタル表示装置2に共通する秘密署名鍵(secret signature key)から計算されることができる。
【0071】
署名認証はデジタル表示装置2のグループGが、第三者による奪取攻撃(takeover attempts)またはその他悪意のある行為に対してセキュリティ侵害をもたらすことを防止することを可能にする。
【0072】
また、タイムスタンプは追加のセキュリティレベルも提供する。別のデジタル表示装置2からの同期メッセージまたは他のメッセージを受信するグループGのデジタル表示装置2は、受信されたメッセージのタイムスタンプを正確な時間と比較することができ、例えば、2つの時刻の差が所定のしきい値より大きい場合、受信されたメッセージを考慮しなくてもよい。このしきい値は、例えば1ミリ秒から1秒の間とすることができ、例えば1ミリ秒から100ミリ秒の間とすることができる。
【0073】
グループGのデジタル表示装置2の間で送信されたメッセージは、暗号化されなくてもよい。従って、セキュリティ侵害を引き起こすメッセージの暗号化されていない送信なしで、デジタル表示装置2のグループGが、デジタル表示装置2の非常に正確な同期を可能にするリアルタイム演算を有することへの助けがもたらされ、セキュリティは、場合によってはタイムスタンプによって強化される電子署名認証によって保証される。
【0074】
グループGの各デジタル表示装置2の同期メッセージから、グループGの全てのデジタル表示装置2による協調された表示を得るために、グループGの各デジタル表示装置2のプレイリストの各デジタルコンテンツの表示開始時間が定義される。
【0075】
多くの場合、グループGのデジタル表示装置2によるそれぞれのデジタルコンテンツの表示開始時間は同一であるが、移動効果を得るためまたは移動するユーザ(例えば移動する歩道またはエスカレーターに沿って)を追従するために、所定の方法で時間的にオフセットされることもできる。それによって「同期される」デジタルコンテンツは、グループGのすべてのデジタル表示装置2について同一であること、または異なることができる。
【0076】
図3に示されているように、同期モジュール6は、セントラルプラットフォーム7と通信するフロントパート10(FRT、「frontend」)および他のデジタル表示装置2の同期モジュール6と通信するリアパート11(BCK、「backend」)を含んでもよい。
【0077】
フロントパート10は例えば、それぞれHTTP「API」(Application Programming Interface)および「Websocket」APIを実装する、httpサーバー12(HTTP)および「WebSocket」サーバー13(WS)を備えることができる。HTTP APIはバックエンド11の状態を変更するために使用され、一方で「Websocket」APIはイベント、例えばプレイリストアップデートおよびローディングマニフェスト、あるいは優先デジタルコンテンツの放送順序を受信するために使用され、デジタル表示装置2によって現在放送されているデジタルコンテナを中断する。
リアパート11は、
-フロントパート10と通信する内部インターフェース14(INS)と、
-内部インターフェース14と通信するメッセージ配信モジュール15(DISP)と、
-(具体的には上記で説明したように「UDP」プロトコルを使用することによって)具体的にはデジタル表示装置2の同期モジュール6とメッセージ配信モジュール15と通信する外部インターフェース16(OUTS)と、
-コンセンサスアルゴリズムを実装するのに役に立つ「RAFT」モジュール17(LD)と、
を備えてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 デジタル表示システム
2 デジタル表示装置
3 制御装置
4 デジタル画面
5 デジタルコンテンツプレイヤー
6 同期モジュール
7 セントラルプラットフォーム(central platform)
8 エンジン
9 プロキシサーバー
10 フロントパート
11 リアパート
12 httpサーバー
13 サーバー
14 内部インターフェース
15 メッセージ配信モジュール
16 外部インターフェース
17 モジュール
【国際調査報告】