(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】脂質の特定の組み合わせ並びにそれに関連する方法及び使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/22 20060101AFI20240423BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240423BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20240423BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240423BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20240423BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240423BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240423BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240423BHJP
A61P 27/04 20060101ALI20240423BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240423BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240423BHJP
A61K 31/215 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A61K31/22
A61K9/08
A61K9/107
A61K9/10
A61K9/12
A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
A61P27/04
A61P27/02
A61P43/00 121
A61K31/215
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566772
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022061585
(87)【国際公開番号】W WO2022229441
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518073457
【氏名又は名称】ヘルシンギン ユリオピスト
【氏名又は名称原語表記】HELSINGIN YLIOPISTO
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】エクホルム フィリプ
(72)【発明者】
【氏名】ブランド ヘレナ
(72)【発明者】
【氏名】ライタネン ヤン-エリック
(72)【発明者】
【氏名】モイラネン ユッカ
(72)【発明者】
【氏名】パーナネン リク
(72)【発明者】
【氏名】ヴィタジャ テュオモ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA17
4C076AA22
4C076AA24
4C076AA29
4C076AA36
4C076AA51
4C076AA53
4C206AA01
4C206AA02
4C206DB06
4C206DB07
4C206DB49
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA36
4C206MA37
4C206MA42
4C206MA43
4C206MA47
4C206MA54
4C206MA55
4C206MA56
4C206MA57
4C206MA63
4C206MA78
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA33
4C206ZC75
(57)【要約】
本発明は、ライフサイエンス及び医学の分野に関する。具体的には、本発明は、脂質と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の特定の組み合わせを含む組成物、及び当該組成物を調製する方法に関する。更に、本発明は、ドライアイ疾患及び/又はマイボーム腺機能不全の治療における使用のための、並びに眼の不快感の軽減における使用のための、薬剤としての使用のための本発明の組成物に関する。更に、本発明は、ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減する方法に関する。更に、本発明は、水の蒸発を遅延させる非治療的又は治療的方法、及び水の蒸発を防止するための本発明の組成物の使用に関する。
【選択図】
図3D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシ脂肪酸の脂肪酸エステル(FAHFA)又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の組み合わせを含む、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、FAHFA又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の組み合わせからなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、医薬組成物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の蒸発抵抗が、1s/cm超、2s/cm超、又は3s/cm超、5s/cm超、9s/cm超、10s/cm超、13s/cm超、15s/cm超、20s/cm超、25s/cm超、又は30s/cm超であり、好ましくは、前記組成物の前記蒸発抵抗が、20s/cm超である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記FAHFAが、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸(OAHFA)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記FAHFA及び/又はOAHFAが、オレイン酸系脂肪酸エステル、パルミトレイン酸系脂肪酸エステル、ミリストレイン酸系脂肪酸エステル、ラウリン酸系脂肪酸エステル、パウリン酸系脂肪酸エステル、ゴンド酸系脂肪酸エステル、エルカ酸系脂肪酸エステル、ネルボン酸系脂肪酸エステル、リノール酸系脂肪酸エステル、及びリノレン酸系脂肪酸エステルからなる群から選択され、並びに/又は前記FAHFAの構造類似体が、オレイン酸系アルコール、パルミトレイン酸系アルコール、ミリストレイン酸系アルコール、ラウリン酸系アルコール、パウリン酸系アルコール、ゴンド酸系アルコール、エルカ酸系アルコール、ネルボン酸系アルコール、リノール酸系アルコール、及びリノレン酸系アルコールからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記FAHFAが、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)、12-(リノレオイルオキシ)ドデカン酸、20-(リノレオイルオキシ)エイコサン酸、12-(パルミトレオイルオキシ)ドデカン酸、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸、12-(パルミトイルオキシ)ドデカン酸、20-(パルミトイルオキシ)エイコサン酸、12-(ステアロイルオキシ)ドデカン酸、20-(ステアロイルオキシ)エイコサン酸、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)からなる群から選択され、任意選択的に、前記FAHFAが、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記FAHFAが、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記FAHFAが、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸及び18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸からなる群から選択され、任意選択的に、前記FAHFAが、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ワックスエステルが、n-オレイン酸系エステル、イソ分岐状アルキルオレエート、アンテイソ分岐状アルキルオレエート、パルミトレイン酸系エステル、イソ分岐状アルキルパルミトレート、アンテイソ分岐状アルキルパルミトレート、ミリストレイン酸系エステル、イソ分岐状アルキルミリストレート、アンテイソ分岐状アルキルミリストレート、ラウリン酸系エステル、イソ分岐状アルキルラウレート、アンテイソ分岐状アルキルラウレート、パウリン酸系エステル、イソ分岐状アルキルパウリネート、アンテイソ分岐状アルキルパウリネート、ゴンド酸系エステル、イソ分岐状アルキルゴンドエート、アンテイソ系アルキルゴンドエート、エルカ酸系エステル、イソ分岐状アルキルエルシエート、アンテイソ分岐状アルキルエルシエート、ネルボン酸系エステル、イソ分岐状アルキルネルボネート、アンテイソ分岐状ネルボネート、リノール酸系エステル、イソ分岐状アルキルリノレート、アンテイソ分岐状アルキルリノレート、リノレン酸系エステル、イソ分岐状アルキルリノレネート、及びアンテイソ分岐状アルキルリノレネートからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ワックスエステルが、パルミチルオレエート、ステアリルオレエート、アラキジルオレエート(AO)、ベヘニルオレエート(BO)、リグノセリルオレエート、ヘキソコサニルオレエート、24-メチルペンタコサニルオレエート、パルミチルパルミトレート、ステアリルパルミトレート、アラキジルパルミトレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルパルミトレート、24-メチルペンタコサニルパルミトレート、パルミチルリノレート、ステアリルリノレート、アラキジルリノレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレート、24-メチルペンタコサニルリノレート、パルミチルリノレネート、ステアリルリノレネート、アラキジルリノレネート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレネート、及び24-メチルペンタコサニルリノレネートからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ワックスエステルが、ベヘニルオレエート又はアラキジルラウレートであり、任意選択的に、前記ワックスエステルが、ベヘニルオレエートである、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記ワックスエステル若しくはその構造類似体が、生理学的条件で液体状態にあり、及び/又は前記ワックスエステル若しくはその構造類似体が、前記生理学的条件で固体状態にある、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記FAHFA又はその構造類似体の、ワックスエステル及び/又はその構造類似体に対するモル比が、1:1以下、約1:1~1:100、又は1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9又は1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90である、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記FAHFA又はその構造類似体の、ワックスエステル又はその構造類似体に対するモル比が、1:1超、約100:1~1:1、約3:2~5:1、又は90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、又は2:1である、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記FAHFA又はその構造類似体の、前記ワックスエステル又はその構造類似体に対するモル比が、1:1~1:9(FAHFA又はその構造類似体:ワックスエステル又はその構造類似体)である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記FAHFA又はその構造類似体の、前記ワックスエステル又はその構造類似体に対するモル比が、約1:1(FAHFA又はその構造類似体:ワックスエステル又はその構造類似体)である、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記FAHFAが、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸及び18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸からなる群から選択され、前記ワックスエステルが、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記FAHFAが、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸であり、前記ワックスエステルが、ベヘニルオレエートであり、任意選択的に、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸の、ベヘニルオレエートに対する比が、1:1~1:9など、1:1以下である、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記FAHFAが、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸であり、前記ワックスエステルが、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択され、任意選択的に、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸の、ワックスエステルに対する比が、約1:1など、1:1以下である、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記1つ以上の添加剤が、溶媒、希釈剤、担体、緩衝剤、賦形剤、アジュバント、担体媒体、防腐剤、充填剤、安定剤、増粘剤、乳化剤、崩壊剤、潤滑剤、及び結合剤、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
1つ以上の医薬的に許容される賦形剤が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、ポリソルベート80、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、カルボマー980、ヒアルロン酸ナトリウム、及びデキストランからなる群から選択される、眼科的に許容される賦形剤である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、少なくとも0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%の前記FAHFA又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、液体、半固体、若しくは固体の形態であるか、前記組成物が、溶液、エマルジョン、懸濁液、スプレー、粉末、錠剤、ペレット、若しくはカプセルの形態であるか、又は前記組成物が、水中油型エマルジョンである、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
組成物であって、
i.20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸、及び20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸からなる群から選択される、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸と、
ii.ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される、ワックスエステルと、の組み合わせを含み、
前記O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸の、ワックスエステルに対する比が、1:1~1:9(O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸:ワックスエステル)など、1:1以下である、組成物。
【請求項26】
前記O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸が、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸であり、前記ワックスエステルが、ベヘニルオレエートである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸が、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸であり、前記ワックスエステルが、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択され、任意選択的に、前記O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸:ワックスエステルの比が、約1:1である、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
薬剤としての使用のための、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全の治療における使用のため、又は眼の不快感の軽減における使用のための、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法であって、前記方法が、1つ以上のFAHFA又はその構造類似体と、1つ以上のワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、を組み合わせるか、又は混合することを含む、方法。
【請求項31】
前記方法が、前記FAHFA若しくはその構造類似体を前記ワックスエステル若しくはその構造類似体と混合する前に、前記FAHFA若しくはその構造類似体を調製若しくは合成すること、及び/又は前記ワックスエステル若しくはその構造類似体を前記FAHFA若しくはその構造類似体と混合する前に、前記ワックスエステル若しくはその構造類似体を調製若しくは合成することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
水の蒸発を防止する非治療的又は治療的方法であって、前記方法が、蒸発から保護されるべき表面上、又は蒸発から保護されるべき材料に、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物を適用することを含む、方法。
【請求項33】
水の蒸発を防止するための、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項34】
ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減する方法であって、前記方法が、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物を、それを必要とする対象の眼の表面に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライフサイエンス及び医学の分野に関する。より詳細には、本発明は、脂質と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の特定の組み合わせを含む組成物、及び当該組成物を調製する方法に関する。更に、本発明は、ドライアイ疾患及び/又はマイボーム腺機能不全の治療における使用のための、並びに眼の不快感の軽減における使用のための、薬剤としての使用のための本発明の組成物に関する。更に、本発明は、ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減する方法に関する。更に、本発明は、水の蒸発を遅延させる非治療的又は治療的方法、及び水の蒸発を防止するための本発明の組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライアイ疾患(DED)は、世界規模で3億~5億人に影響を及ぼし、米国だけで550億ドルの年間管理コストを伴う深刻な経済的負担となっている。DEDは、医療眼科治療を求める最も一般的な理由であり、重大な公衆衛生上の懸念及びかなりの社会的経済的負担を構成する。DEDの根本的な原因は、涙液膜脂質層(TFLL)組成を変化させ、涙液膜の不安定性をもたらすマイボーム腺の機能不全である。DEDを理解し、改善された治療を提供する点で、かなりの量の研究が投資されてきたが、最も一般的に使用される治療は、依然として眼用潤滑剤及び人工涙液である。これらの治療は、DED症状の軽減に焦点を当てており、涙液膜不安定性欠陥を効率的に標的とすることができないため、多くの場合、十分でない結果を伴う。局所コルチコステロイドなどの他の治療選択肢が、結果として生じる眼表面の炎症を治療するために使用され、これは長期使用において重篤な副作用を伴い、これは、DEDのいくつかの例の慢性的な性質を考慮すると落とし穴である。涙液膜の安定性を回復させることを目的とした新規のDED治療戦略が切実に必要とされている。
【0003】
近年、マイボーム腺機能不全(MGD)及びDEDのより効率的な管理の関心が高まっている(Jones,L.,et al.2017,The Ocular Surface,15,575-628)。マイボーム腺は、眼表面を覆う涙液膜の最外層である涙液膜脂質層(TFLL)を産生する。TFLLは、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸(OAHFA)などのより極性の脂質の存在する量が乏しい、主に超長鎖非極性ワックスエステル(WE)及びコレステリルエステル(CE)からなる特有の生体膜である(Brown,S.,H.,et al.2013,Invest Ophthalmol Vis Sci,54,7417-7423、Lam,S.,M.,et al.2014,J Lipid Res,55,299-306、Rohit,A.,et al.2014,Optometry and Vision Science,91,1384-1390)。MGD及びDEDに関連するTFLL機能不全は、現在、TFLLの蒸発抵抗の部分的な喪失を引き起こし、これは、涙液膜の水層からの涙液の過剰な蒸発及び涙液膜の不安定化をもたらし、ドライアイ及びDEDをもたらすと考えられている(Craig,J.,P.,et al.2017,The Ocular Surface,15,276-283)。
【0004】
DED、MGD、及び眼の不快感の症状を治療及び/又は軽減するための新しい有効かつ特異的な組成物及び方法が明確に必要である。この点で、涙液膜の安定性を回復させることを目的とした新規の治療戦略が求められており、この分野での将来の成功の中心となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水分蒸発を防止するか、又はDED及び/若しくはMGDの症状を治療及び/若しくは軽減するための、単純で、安全で、有効で、低コストの組成物及び方法の欠如を含むが、これらに限定されない従来技術の欠点は、本発明で克服され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的、すなわち、水の蒸発を防止若しくは遅延させるか、涙液膜の安定性を回復させるか、又はDED及び/若しくはMGDを治療するための、単純で、安全で、低コストで、有効な組成物及び方法は、脂質の特定の組み合わせを利用することによって達成される。本発明の組成物は、水の蒸発に対して優れた抑制効果を有する。実際、組成物で達成された蒸発抵抗は、類例のないものである。この顕著な特性は、組成物を利用して、任意の材料及び任意の周囲からの水の蒸発を防止又は遅延させ得ることを意味する。したがって、本発明の組成物の好適な用途には、ヒト、任意の動物、及び水を含む任意の材料、並びに、更に、障害の治療又は人工湖及び貯蔵所などの自然環境における水の蒸発の防止/遅延が含まれるが、これらに限定されない。後者の用途は、地球規模の気候変動による増加する課題を提示している。
【0007】
本発明の組成物は、涙液の表面などの水性表面上によく拡散することができ、単独で効果的な抗蒸発膜を形成することができる。更に、本発明の組成物は、非常に天然であり、天然脂質又はそれらの構造類似体を特定の組み合わせで単独での使用を可能にする。
【0008】
本発明は、ヒドロキシ脂肪酸の脂肪酸エステル(FAHFA)(例えば、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸)又はその構造類似体と、ワックスエステル(又はその構造類似体)と、を含む組み合わせを使用するという考えに基づいている。当該組み合わせは、空気-涙界面で急速に自己組織化し、抗蒸発バリアを形成する。本発明の調整された脂質組成物のマイクロスケール構造及び生物物理学的特性は、先行技術に対する本発明の優位性を明らかにする。生物物理学的特性は、そのような組成物の固有の特性に起因し、周囲の環境に直接関係しない。
【0009】
FAHFA、OAHFA、又はワックスエステル単独と比較した場合、相乗的かつ有意に増強された効果が、本発明の組成物で得られ得る。
【0010】
具体的には、本発明は、ヒドロキシ脂肪酸の脂肪酸エステル(FAHFA)又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の組み合わせを含む、組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、薬剤としての使用のための本発明の組成物に関する。
【0012】
更に、本発明は、ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全の治療における使用のため、又は眼の不快感の軽減における使用のための、本発明の組成物に関する。
【0013】
加えて、本発明は、本発明の組成物を調製する方法であって、方法が、FAHFA又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、を組み合わせるか、又は混合することを含む、方法に関する。
【0014】
更に、本発明は、水の蒸発を防止する非治療的又は治療的方法であって、方法が、本発明の組成物を、表面に適用して、蒸発速度の減少を得るか、又は材料に適用して、蒸発速度の減少を得ることを含む、方法に関する。
【0015】
本発明は、水の蒸発を防止するための本発明の組成物の使用に関する。
【0016】
加えて、本発明は、ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減する方法であって、方法が、本発明の組成物を、それを必要とする対象の眼の表面に投与することを含む、方法に関する。
【0017】
更に、本発明は、ドライアイ疾患若しくはマイボーム腺機能不全の治療又は眼の不快感の軽減のための薬剤の製造における、FAHFA又はその構造類似体、及びワックスエステル又はその構造類似体、及び任意選択的に、1つ以上の添加剤の使用に関する。
【0018】
本発明はまた、新規の分岐状ワックスエステル及びそれらの調製方法に関する。
【0019】
本発明の目的は、独立請求項に記載されるものによって特徴付けられる組成物、使用、及び方法によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示される。
【0020】
本発明の他の目的、詳細及び利点は、以下の図面、詳細な説明、及び実施例から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸(20-OAHFA):アラキジルオレエート(AO)-混合物の表面圧等温線を、対応するブリュースター角顕微鏡画像(
図1C)とともに明らかにする。結果は、面積/分子の関数として示される(挿入図)。
【
図1B】20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸(20-OAHFA):アラキジルオレエート(AO)-混合物の表面電位等温線を、対応するブリュースター角顕微鏡画像(
図1C)とともに明らかにする。結果は、面積/分子の関数として示される(挿入図)。
【
図1C】対応するブリュースター角顕微鏡画像を明らかにする。選択された画像は、次の条件に対応する:(i)20-OAHFA及びAOの混合液体単層、(ii)単層表面上のAOの崩壊、(iii)気体及び液体単層相の共存、並びに(iv)上にAOを有する20-OAHFAによる固体単層ドメインの形成。
【
図1D】加えて、膜の分子組織の概略図を、20-OAHFA分子を橙色(濃い灰色)で、及びAO分子を黄色(薄い灰色)で示す(酸素原子は黒色で示されている)。選択された画像は、次の条件に対応する:(i)20-OAHFA及びAOの混合液体単層、(ii)単層表面上のAOの崩壊、(iii)気体及び液体単層相の共存、並びに(iv)上にAOを有する20-OAHFAによる固体単層ドメインの形成。
【
図2】面積/OAHFAの関数として、20-OAHFA:AO混合物の、秒/センチメートル(s/cm)スケールでの蒸発抵抗を示す。
【
図3A】20-OAHFA:ベヘニルオレエート(BO)-混合物の表面圧等温線を、対応するブリュースター角顕微鏡画像(
図3C)とともに示す。
【
図3B】20-OAHFA:ベヘニルオレエート(BO)-混合物の表面電位等温線を、対応するブリュースター角顕微鏡画像(
図3C)とともに示す。
【
図3C】対応するブリュースター角顕微鏡画像を示す。選択された画像は、以下の条件に対応する:(i、ii)20-OAHFA:BOの混合固体単層ドメインの形成、(iii)単層中に混合されていない過剰BOが固体凝集体として残っている、及び(iv)単層表面上で崩壊した過剰BO凝集体を有する固体混合単層。
【
図3D】圧縮中の20-OAHFA:BO混合膜の分子組織の概略図を、20-OAHFA分子を橙色(濃い灰色)で、及びBO分子を黄色(薄い灰色)で示す(酸素原子は黒色で示されている)。選択された画像は、以下の条件に対応する:(i、ii)20-OAHFA:BOの混合固体単層ドメインの形成、(iii)単層中に混合されていない過剰BOが固体凝集体として残っている、及び(iv)単層表面上で崩壊した過剰BO凝集体を有する固体混合単層。
【
図4】膜組成(20-OAHFAの画分)の関数として、分子当たりの異なる面積での、s/cmスケールでの20-OAHFA:BO混合物の蒸発抵抗を示す。
【
図5】面積/分子の関数として、以下の1:1混合物の、秒/センチメートル(s/cm)スケールでの蒸発抵抗を示す:18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1 OAHFA):ベヘニルベヘノエート(BB)、(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸(29:1/18:1 OAHFA):BO、18:0/18:1-OAHFA:BO、及び18:0/18:1-OAHFA:アラキジルラウレート(AL)。18:0/18:1-OAHFA及びBO、並びに18:0/18:1-OAHFA及びALの組み合わせは、分子当たりの全ての面積で個々の構成要素と比較して蒸発抵抗の改善を示したが、平均分子面積の値は、10Å
2未満であり、器具の再較正なしに決定するには高すぎた。18:0/18:1 OAHFA及びBB、並びに29:1/18:1 OAHFA:BOの組み合わせは、蒸発抵抗の改善を示さなかった。
【発明を実施するための形態】
【0022】
涙液膜は、2つの異なる層、すなわち水層及びTFLLからなり、TFLLは、下にある水層からの水の蒸発に対するバリアとして機能すると考えられている。この蒸発抵抗機能の喪失は、DED症例の大部分で眼の乾燥をもたらし、これは、炎症及び眼表面損傷を更に引き起こす場合がある。
【0023】
本発明において、発明者らは、TFLL FAHFA及びワックスエステル、並びにそれらの構造類似体の広範なライブラリの合成のための合成プロトコルを開発した。このライブラリを使用して、本発明者らは、無傷のTFLLの機能原理に沿った、水性界面上での効果的な拡散と非常に高い蒸発抵抗とを組み合わせた主要脂質種の混合物を特定した。より詳細には、脂質は、眼が開いたときに急速に拡散し、水性涙液膜表面全体を覆う必要があり、脂質によって形成される膜は、それを通る水分子の通過を防止又は遅延させる凝縮構造を有する必要がある。本発明の結果は、生理学的条件下で水性界面上に蒸発抵抗性バリアを形成するFAHFA及びワックスエステルの組成物である。これらの脂質組成物を眼表面上に投与することは、DED及び/又は眼の不快感に対する特有で、非常に有望な治療を表す。更に、生物物理学的特性は、混合物それ自体の固有の特性に由来し、周囲の環境に直接関連しないため、同様に、これらの混合物を使用して、材料及び他の環境、例えば、人工湖及び水貯蔵所からの水の蒸発を防止することができる。後者の課題は、地球規模の気候変動による増加する問題を提示している。
【0024】
本明細書で使用される場合、「生理学的状態」は、当該技術分野におけるその通常の意味をとり、すなわち、当業者がヒト又は動物(例えば、ヒト)などの対象の眼表面で通常期待する状態を示す。誤解を避けるために、ヒト又は動物の眼表面における生理学的条件は、約35℃の温度、約27~31mN/mの表面圧、及び約7.0~7.3のpHであり得る。生理学的条件で(又はその下で)の脂質(すなわち、FAHFA及び/又はワックスエステル)の物理的状態への言及は、特に、約35℃の温度及び大気圧での問題の脂質の物理的状態(すなわち、液体又は固体)を示すと理解され得る。
【0025】
本発明は、i)2つの異なる種類の脂質、例えば、極性脂質及び非極性脂質の組み合わせなどの脂質、並びに任意選択的に、ii)1つ以上の添加剤を含むか、又はそれからなる組成物に関する。一実施形態において、組成物は、i)FAHFA及びその構造類似体からなる群から選択される、極性脂質と、ワックスエステル及びその構造類似体からなる群から選択される、非極性脂質と、の組み合わせ、並びに任意選択的に、ii)1つ以上の添加剤を含むか、又はそれらからなる。一実施形態において、組成物の唯一の脂質は、1つ以上のFAHFA又はその構造類似体(OAHFAなど)及び1つ以上のワックスエステル(すなわち、脂肪酸及び脂肪アルコールのエステル)又はその構造類似体である。
【0026】
本発明は、更に、FAHFA又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の組み合わせを含むか、又はそれからなる組成物に関する。一実施形態において、これらの組成物は、いかなる更なるFAHFA(その構造類似体を含む)又はワックスエステル(その構造類似体を含む)構成要素をも含まない。
【0027】
一実施形態において、組成物の蒸発抵抗は、1s/cm超、2s/cm超、又は3s/cm超である。一実施形態において、蒸発抵抗値は、5s/cm超、9s/cm超、10s/cm超、13s/cm超、15s/cm超、20s/cm超、25s/cm超、又は更に30s/cm超など可能な限り高くすることができる。より具体的には、組成物の蒸発抵抗は、9~13s/cmとして報告されている天然涙液形成脂質層の蒸発抵抗よりも高い。したがって、組成物の蒸発抵抗は、好ましくは、15s/cm超(例えば、15~30s/cmなどの20s/cm超(例えば、15~20s/cm))である。特に、そのような蒸発抵抗値は、約2~約5Å2(例えば、2~3Å2)などの約2~約10Å2の平均平均分子面積で達成される。
【0028】
本明細書で使用される場合、「蒸発抵抗」は、組成物が水の蒸発を防止する能力を指し、任意選択的に、組成物は、当該蒸発を防止すべき材料又は薬剤の表面上又はその上にある。蒸発抵抗は、r=Δc/Jとして定義され得、式中、Δcは、蒸発を駆動する水蒸気濃度差であり、Jは、J=(dn/dt)/Aとして定義される下の水相からの蒸発流束であり、nは、蒸発する水の量であり、tは、時間であり、Aは、表面の面積である。組成物の蒸発抵抗は、測定方法及び測定の条件と独立して、水性表面の上部上又はその上に存在する脂質膜の特性であり、例えば、本開示の実施例部分の1.2.4章に記載されるか、又はLangmuirら(Langmuir,I. and Schaefer,V.,J.1943,J.Franklin Inst.,Vol.235,119-162)に記載される当業者に既知の任意の方法によって測定され得る。
【0029】
具体的には、組成物の蒸発抵抗は、以下によって決定され得る:
1.組成物の非存在下での水性表面からの蒸発流束を測定する(Jw)、
2.組成物を水性表面に適用し、組成物が存在する表面からの蒸発流束を測定する(Jf)、
3.組成物の蒸発抵抗(rm)を、式rm=Δc(1/Jf-1/Jw)に従って決定する(式中、Δc=蒸発を駆動する水蒸気濃度差)。
【0030】
Δcは、当業者に既知の方法によって決定することができるが、大気圧で30~35℃の水面温度については3.4±0.7・10-5g・cm-3としてもよい。
【0031】
本明細書に記載される場合、蒸発抵抗は、秒/センチメートル(s/cm)の単位で表され得る。これは、Cerretaniらによって開発されたモデルを使用した眼表面における蒸発速度の低下率に関連し得る(Cerretani,C.F.;Ho,N.H.;Radke,C.J.,Water-Evaporation Reduction by Duplex Films:Application to the Human Tear Film,Adv.Colloid Interface Sci.2013,197-198,33-57)。このモデルを使用して、2s/cmの蒸発抵抗は、眼表面での蒸発速度を33~50%低減させ、5s/cmなどの値は、人が静止しているか、又は歩いている場合、60~80%の低減に対応する。
【0032】
一実施形態において、OAHFAなどのFAHFA及びワックスエステルの2脂質組成物は、類例のない高い蒸発抵抗をもたらす。蒸発抵抗は、FAHFAと、本発明の組成物の他の特定の脂質、すなわちワックスエステルとの間の複雑な相互作用の結果である。本開示は、蒸発抵抗を非常に特異的に密に詰め込まれた凝縮脂質構造に関連させることができる。
【0033】
本発明の組成物に好適な1つ以上のFAHFA又はその類似体の炭素鎖長は、変動し得る。一実施形態において、最大炭素長は存在しない。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はその構造類似体の炭素鎖長は、C15~C100、C19~C72、C20~C55、C20~C50、C20~C40、C20~C35、C20~C25、C25~C45、C25~C40、C25~C35又はC25~C30である。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はその構造類似体の炭素鎖長は、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、C50、C51、C52、C53、C54又はC55である。
【0034】
一実施形態において、FAHFA又はその構造類似体は、以下の式(I)を有し、
【化1】
式中、
R
1は、炭素原子、酸素原子又は窒素原子であり、
R
2は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体であり、
R
3は、カルボキシル、ヒドロキシル、アミン、ホスフェート又はシリルエーテルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体である。
【0035】
一実施形態において、式I中、R1は、酸素原子である。式I中のR1が酸素原子である場合、本発明の組成物は、十分に長く安定したままであるが、依然として自然に分解する。
一実施形態において、1つ以上のFAHFAは、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸(OAHFA)を含むか又はそれからなる群から選択される。
【0036】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、オレイン酸系脂肪酸エステル、パルミトレイン酸系脂肪酸エステル、ミリストレイン酸系脂肪酸エステル、ラウリン酸系脂肪酸エステル、パウリン酸系脂肪酸エステル、ゴンド酸系脂肪酸エステル、エルカ酸系脂肪酸エステル、ネルボン酸系脂肪酸エステル、リノール酸系脂肪酸エステル、及びリノレン酸系脂肪酸、並びに/又はそれらの構造類似体を含むか又はそれらからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、オレイン酸系脂肪酸エステル、パルミトレイン酸系脂肪酸エステル、リノール酸系脂肪酸エステル、及びリノレン酸系脂肪酸エステル、並びに/又はそれらの構造類似体を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0037】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、オレイン酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-オレオイルオキシ-ドデカン酸、13-オレオイルオキシ-トリデカン酸、14-オレオイルオキシ-テトラデカン酸、15-オレオイルオキシ-ペンタデカン酸、16-オレオイルオキシ-ヘキサデカン酸、17-オレオイルオキシ-ヘプタデカン酸、18-オレオイルオキシ-オクタデカン酸、19-オレオイルオキシ-ノナデカン酸、20-オレオイルオキシ-エイコサン酸、21-オレオイルオキシ-ヘンエイコサン酸、22-オレオイルオキシ-ドコサン酸、23-オレオイルオキシ-トリコサン酸、24-オレオイルオキシ-テトラコサン酸、25-オレオイルオキシ-ペンタコサン酸、26-オレオイルオキシ-ヘキサコサン酸、27-オレオイルオキシ-ヘプタコサン酸、28-オレオイルオキシ-オクタコサン酸、29-オレオイルオキシ-ノナコサン酸、30-オレオイルオキシ-トリアコンタン酸、31-オレオイルオキシ-ヘントリアコンタン酸、32-オレオイルオキシ-ドトリアコンタン酸、33-オレオイルオキシ-トリトリアコンタン酸、34-オレオイルオキシ-テトラトリアコンタン酸、35-オレオイルオキシ-ペンタトリアコンタン酸、36-オレオイルオキシ-ヘキサトリアコンタン酸、37-オレオイルオキシ-ヘプタトリアコンタン酸、38-オレオイルオキシ-オクタトリアコンタン酸、39-オレオイルオキシ-ノナトリアコンタン酸、及び40-オレオイルオキシ-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0038】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、パルミトレイン酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-パルミトレオイルオキシ-ドデカン酸、13-パルミトレオイルオキシ-トリデカン酸、14-パルミトレオイルオキシ-テトラデカン酸、15-パルミトレオイルオキシ-ペンタデカン酸、16-パルミトレオイルオキシ-ヘキサデカン酸、17-パルミトレオイルオキシ-ヘプタデカン酸、18-パルミトレオイルオキシ-オクタデカン酸、19-パルミトレオイルオキシ-ノナデカン酸、20-パルミトレオイルオキシ-エイコサン酸、21-パルミトレオイルオキシ-ヘンエイコサン酸、22-パルミトレオイルオキシ-ドコサン酸、23-パルミトレオイルオキシ-トリコサン酸、24-パルミトレオイルオキシ-テトラコサン酸、25-パルミトレオイルオキシ-ペンタコサン酸、26-パルミトレオイルオキシ-ヘキサコサン酸、27-パルミトレオイルオキシ-ヘプタコサン酸、28-パルミトレオイルオキシ-オクタコサン酸、29-パルミトレオイルオキシ-ノナコサン酸、30-パルミトレオイルオキシ-トリアコンタン酸、31-パルミトレオイルオキシ-ヘントリアコンタン酸、32-パルミトレオイルオキシ-ドトリアコンタン酸、33-パルミトレオイルオキシ-トリトリアコンタン酸、34-パルミトレオイルオキシ-テトラトリアコンタン酸、35-パルミトレオイルオキシ-ペンタトリアコンタン酸、36-パルミトレオイルオキシ-ヘキサトリアコンタン酸、37-パルミトレオイルオキシ-ヘプタトリアコンタン酸、38-パルミトレオイルオキシ-オクタトリアコンタン酸、39-パルミトレオイルオキシ-ノナトリアコンタン酸、及び40-パルミトレオイルオキシ-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0039】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、ミリストレイン酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-ミリストレオイルオキシ-ドデカン酸、13-ミリストレオイルオキシ-トリデカン酸、14-ミリストレオイルオキシ-テトラデカン酸、15-ミリストレオイルオキシ-ペンタデカン酸、16-ミリストレオイルオキシ-ヘキサデカン酸、17-ミリストレオイルオキシ-ヘプタデカン酸、18-ミリストレオイルオキシ-オクタデカン酸、19-ミリストレオイルオキシ-ノナデカン酸、20-ミリストレオイルオキシ-エイコサン酸、21-ミリストレオイルオキシ-ヘンエイコサン酸、22-ミリストレオイルオキシ-ドコサン酸、23-ミリストレオイルオキシ-トリコサン酸、24-ミリストレオイルオキシ-テトラコサン酸、25-ミリストレオイルオキシ-ペンタコサン酸、26-ミリストレオイルオキシ-ヘキサコサン酸、27-ミリストレオイルオキシ-ヘプタコサン酸、28-ミリストレオイルオキシ-オクタコサン酸、29-ミリストレオイルオキシ-ノナコサン酸、30-ミリストレオイルオキシ-トリアコンタン酸、31-ミリストレオイルオキシ-ヘントリアコンタン酸、32-ミリストレオイルオキシ-ドトリアコンタン酸、33-ミリストレオイルオキシ-トリトリアコンタン酸、34-ミリストレオイルオキシ-テトラトリアコンタン酸、35-ミリストレオイルオキシ-ペンタトリアコンタン酸、36-ミリストレオイルオキシ-ヘキサトリアコンタン酸、37-ミリストレオイルオキシ-ヘプタトリアコンタン酸、38-ミリストレオイルオキシ-オクタトリアコンタン酸、39-ミリストレオイルオキシ-ノナトリアコンタン酸、及び40-ミリストレオイルオキシ-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0040】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、ラウリン酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-ドデカノイルオキシ-ドデカン酸、13-ドデカノイルオキシ-トリデカン酸、14-ドデカノイルオキシ-テトラデカン酸、15-ドデカノイルオキシ-ペンタデカン酸、16-ドデカノイルオキシ-ヘキサデカン酸、17-ドデカノイルオキシ-ヘプタデカン酸、18-ドデカノイルオキシ-オクタデカン酸、19-ドデカノイルオキシ-ノナデカン酸、20-ドデカノイルオキシ-エイコサン酸、21-ドデカノイルオキシ-ヘンエイコサン酸、22-ドデカノイルオキシ-ドコサン酸、23-ドデカノイルオキシ-トリコサン酸、24-ドデカノイルオキシ-テトラコサン酸、25-ドデカノイルオキシ-ペンタコサン酸、26-ドデカノイルオキシ-ヘキサコサン酸、27-ドデカノイルオキシ-ヘプタコサン酸、28-ドデカノイルオキシ-オクタコサン酸、29-ドデカノイルオキシ-ノナコサン酸、30-ドデカノイルオキシ-トリアコンタン酸、31-ドデカノイルオキシ-ヘントリアコンタン酸、32-ドデカノイルオキシ-ドトリアコンタン酸、33-ドデカノイルオキシ-トリトリアコンタン酸、34-ドデカノイルオキシ-テトラトリアコンタン酸、35-ドデカノイルオキシ-ペンタトリアコンタン酸、36-ドデカノイルオキシ-ヘキサトリアコンタン酸、37-ドデカノイルオキシ-ヘプタトリアコンタン酸、38-ドデカノイルオキシ-オクタトリアコンタン酸、39-ドデカノイルオキシ-ノナトリアコンタン酸、及び40-ドデカノイルオキシ-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0041】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、パウリン酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ドデカン酸、13-(エイコス-13-エノイルオキシ)-トリデカン酸、14-(エイコス-13-エノイルオキシ)-テトラデカン酸、15-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ペンタデカン酸、16-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘキサデカン酸、17-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘプタデカン酸、18-(エイコス-13-エノイルオキシ)-オクタデカン酸、19-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ノナデカン酸、20-(エイコス-13-エノイルオキシ)-エイコサン酸、21-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘンエイコサン酸、22-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ドコサン酸、23-(エイコス-13-エノイルオキシ)-トリコサン酸、24-(エイコス-13-エノイルオキシ)-テトラコサン酸、25-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ペンタコサン酸、26-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘキサコサン酸、27-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘプタコサン酸、28-(エイコス-13-エノイルオキシ)-オクタコサン酸、29-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ノナコサン酸、30-(エイコス-13-エノイルオキシ)-トリアコンタン酸、31-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘントリアコンタン酸、32-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ドトリアコンタン酸、33-(エイコス-13-エノイルオキシ)-トリトリアコンタン酸、34-(エイコス-13-エノイルオキシ)-テトラトリアコンタン酸、35-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ペンタトリアコンタン酸、36-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘキサトリアコンタン酸、37-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ヘプタトリアコンタン酸、38-(エイコス-13-エノイルオキシ)-オクタトリアコンタン酸、39-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ノナトリアコンタン酸、及び40-(エイコス-13-エノイルオキシ)-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0042】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、ゴンド酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ドデカン酸、13-(エイコス-11-エノイルオキシ)-トリデカン酸、14-(エイコス-11-エノイルオキシ)-テトラデカン酸、15-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ペンタデカン酸、16-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘキサデカン酸、17-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘプタデカン酸、18-(エイコス-11-エノイルオキシ)-オクタデカン酸、19-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ノナデカン酸、20-(エイコス-11-エノイルオキシ)-エイコサン酸、21-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘンエイコサン酸、22-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ドコサン酸、23-(エイコス-11-エノイルオキシ)-トリコサン酸、24-(エイコス-11-エノイルオキシ)-テトラコサン酸、25-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ペンタコサン酸、26-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘキサコサン酸、27-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘプタコサン酸、28-(エイコス-11-エノイルオキシ)-オクタコサン酸、29-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ノナコサン酸、30-(エイコス-11-エノイルオキシ)-トリアコンタン酸、31-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘントリアコンタン酸、32-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ドトリアコンタン酸、33-(エイコス-11-エノイルオキシ)-トリトリアコンタン酸、34-(エイコス-11-エノイルオキシ)-テトラトリアコンタン酸、35-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ペンタトリアコンタン酸、36-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘキサトリアコンタン酸、37-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ヘプタトリアコンタン酸、38-(エイコス-11-エノイルオキシ)-オクタトリアコンタン酸、39-(エイコス-11-エノイルオキシ)-ノナトリアコンタン酸、及び40-(エイコス-11-エノイルオキシ)-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0043】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、エルカ酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-(エイコス-13-エノイルオキシ)-ドデカン酸、13-(ドコス-13-エノイルオキシ)-トリデカン酸、14-(ドコス-13-エノイルオキシ)-テトラデカン酸、15-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ペンタデカン酸、16-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘキサデカン酸、17-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘプタデカン酸、18-(ドコス-13-エノイルオキシ)-オクタデカン酸、19-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ノナデカン酸、20-(ドコス-13-エノイルオキシ)-エイコサン酸、21-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘンエイコサン酸、22-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ドコサン酸、23-(ドコス-13-エノイルオキシ)-トリコサン酸、24-(ドコス-13-エノイルオキシ)-テトラコサン酸、25-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ペンタコサン酸、26-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘキサコサン酸、27-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘプタコサン酸、28-(ドコス-13-エノイルオキシ)-オクタコサン酸、29-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ノナコサン酸、30-(ドコス-13-エノイルオキシ)-トリアコンタン酸、31-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘントリアコンタン酸、32-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ドトリアコンタン酸、33-(ドコス-13-エノイルオキシ)-トリトリアコンタン酸、34-(ドコス-13-エノイルオキシ)-テトラトリアコンタン酸、35-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ペンタトリアコンタン酸、36-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘキサトリアコンタン酸、37-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ヘプタトリアコンタン酸、38-(ドコス-13-エノイルオキシ)-オクタトリアコンタン酸、39-(ドコス-13-エノイルオキシ)-ノナトリアコンタン酸、及び40-(ドコス-13-エノイルオキシ)-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0044】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、ネルボン酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ドデカン酸、13-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-トリデカン酸、14-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-テトラデカン酸、15-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ペンタデカン酸、16-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘキサデカン酸、17-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘプタデカン酸、18-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-オクタデカン酸、19-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ノナデカン酸、20-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-エイコサン酸、21-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘンエイコサン酸、22-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ドコサン酸、23-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-トリコサン酸、24-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-テトラコサン酸、25-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ペンタコサン酸、26-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘキサコサン酸、27-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘプタコサン酸、28-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-オクタコサン酸、29-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ノナコサン酸、30-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-トリアコンタン酸、31-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘントリアコンタン酸、32-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ドトリアコンタン酸、33-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-トリトリアコンタン酸、34-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-テトラトリアコンタン酸、35-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ペンタトリアコンタン酸、36-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘキサトリアコンタン酸、37-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ヘプタトリアコンタン酸、38-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-オクタトリアコンタン酸、39-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-ノナトリアコンタン酸、及び40-(テトラコス-15-エノイルオキシ)-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0045】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、リノール酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-リノレオイルオキシ-ドデカン酸、13-リノレオイルオキシ-トリデカン酸、14-リノレオイルオキシ-テトラデカン酸、15-リノレオイルオキシ-ペンタデカン酸、16-リノレオイルオキシ-ヘキサデカン酸、17-リノレオイルオキシ-ヘプタデカン酸、18-リノレオイルオキシ-オクタデカン酸、19-リノレオイルオキシ-ノナデカン酸、20-リノレオイルオキシ-エイコサン酸、21-リノレオイルオキシ-ヘンエイコサン酸、22-リノレオイルオキシ-ドコサン酸、23-リノレオイルオキシ-トリコサン酸、24-リノレオイルオキシ-テトラコサン酸、25-リノレオイルオキシ-ペンタコサン酸、26-リノレオイルオキシ-ヘキサコサン酸、27-リノレオイルオキシ-ヘプタコサン酸、28-リノレオイルオキシ-オクタコサン酸、29-リノレオイルオキシ-ノナコサン酸、30-リノレオイルオキシ-トリアコンタン酸、31-リノレオイルオキシ-ヘントリアコンタン酸、32-リノレオイルオキシ-ドトリアコンタン酸、33-リノレオイルオキシ-トリトリアコンタン酸、34-リノレオイルオキシ-テトラトリアコンタン酸、35-リノレオイルオキシ-ペンタトリアコンタン酸、36-リノレオイルオキシ-ヘキサトリアコンタン酸、37-リノレオイルオキシ-ヘプタトリアコンタン酸、38-リノレオイルオキシ-オクタトリアコンタン酸、39-リノレオイルオキシ-ノナトリアコンタン酸、及び40-リノレオイルオキシ-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0046】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、リノレン酸系脂肪酸エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAは、12-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ドデカン酸、13-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-トリデカン酸、14-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-テトラデカン酸、15-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ペンタデカン酸、16-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘキサデカン酸、17-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘプタデカン酸、18-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-オクタデカン酸、19-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ノナデカン酸、20-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-エイコサン酸、21-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘンエイコサン酸、22-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ドコサン酸、23-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-トリコサン酸、24-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-テトラコサン酸、25-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ペンタコサン酸、26-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘキサコサン酸、27-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘプタコサン酸、28-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-オクタコサン酸、29-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ノナコサン酸、30-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-トリアコンタン酸、31-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘントリアコンタン酸、32-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ドトリアコンタン酸、33-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-トリトリアコンタン酸、34-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-テトラトリアコンタン酸、35-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ペンタトリアコンタン酸、36-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘキサトリアコンタン酸、37-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ヘプタトリアコンタン酸、38-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-オクタトリアコンタン酸、39-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-ノナトリアコンタン酸、及び40-(((9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエノイル)オキシ)-テトラコンタン酸を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0047】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、オレイン酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルオレエート、13-ヒドロキシトリデシルオレエート、14-ヒドロキシテトラデシルオレエート、15-ヒドロキシペンタデシルオレエート、16-ヒドロキシヘキサデシルオレエート、17-ヒドロキシヘプタデシルオレエート、18-ヒドロキシオクタデシルオレエート、19-ヒドロキシノナデシルオレエート、20-ヒドロキシエイコシルオレエート、21-ヒドロキシヘンエイコシルオレエート、22-ヒドロキシドコシルオレエート、23-ヒドロキシトリコシルオレエート、24-ヒドロキシテトラコシルオレエート、25-ヒドロキシペンタコシルオレエート、26-ヒドロキシヘキサコシルオレエート、27-ヒドロキシヘプタコシルオレエート、28-ヒドロキシオクタコシルオレエート、29-ヒドロキシノナコシルオレエート、30-ヒドロキシトリアコンチルオレエート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルオレエート、32-ヒドロキシドトリアコンチルオレエート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルオレエート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルオレエート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルオレエート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルオレエート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルオレエート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルオレエート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルオレエート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルオレエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0048】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、パルミトレイン酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルパルミトレート、13-ヒドロキシトリデシルパルミトレート、14-ヒドロキシテトラデシルパルミトレート、15-ヒドロキシペンタデシルパルミトレート、16-ヒドロキシヘキサデシルパルミトレート、17-ヒドロキシヘプタデシルパルミトレート、18-ヒドロキシオクタデシルパルミトレート、19-ヒドロキシノナデシルパルミトレート、20-ヒドロキシエイコシルパルミトレート、21-ヒドロキシヘンエイコシルパルミトレート、22-ヒドロキシドコシルパルミトレート、23-ヒドロキシトリコシルパルミトレート、24-ヒドロキシテトラコシルパルミトレート、25-ヒドロキシペンタコシルパルミトレート、26-ヒドロキシヘキサコシルパルミトレート、27-ヒドロキシヘプタコシルパルミトレート、28-ヒドロキシオクタコシルパルミトレート、29-ヒドロキシノナコシルパルミトレート、30-ヒドロキシトリアコンチルパルミトレート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルパルミトレート、32-ヒドロキシドトリアコンチルパルミトレート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルパルミトレート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルパルミトレート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルパルミトレート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルパルミトレート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルパルミトレート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルパルミトレート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルパルミトレート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルパルミトレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0049】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、ミリストレイン酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルミリストレート、13-ヒドロキシトリデシルミリストレート、14-ヒドロキシテトラデシルミリストレート、15-ヒドロキシペンタデシルミリストレート、16-ヒドロキシヘキサデシルミリストレート、17-ヒドロキシヘプタデシルミリストレート、18-ヒドロキシオクタデシルミリストレート、19-ヒドロキシノナデシルミリストレート、20-ヒドロキシエイコシルミリストレート、21-ヒドロキシヘンエイコシルミリストレート、22-ヒドロキシドコシルミリストレート、23-ヒドロキシトリコシルミリストレート、24-ヒドロキシテトラコシルミリストレート、25-ヒドロキシペンタコシルミリストレート、26-ヒドロキシヘキサコシルミリストレート、27-ヒドロキシヘプタコシルミリストレート、28-ヒドロキシオクタコシルミリストレート、29-ヒドロキシノナコシルミリストレート、30-ヒドロキシトリアコンチルミリストレート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルミリストレート、32-ヒドロキシドトリアコンチルミリストレート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルミリストレート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルミリストレート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルミリストレート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルミリストレート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルミリストレート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルミリストレート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルミリストレート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルミリストレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0050】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、ラウリン酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルラウレート、13-ヒドロキシトリデシルラウレート、14-ヒドロキシテトラデシルラウレート、15-ヒドロキシペンタデシルラウレート、16-ヒドロキシヘキサデシルラウレート、17-ヒドロキシヘプタデシルラウレート、18-ヒドロキシオクタデシルラウレート、19-ヒドロキシノナデシルラウレート、20-ヒドロキシエイコシルラウレート、21-ヒドロキシヘンエイコシルラウレート、22-ヒドロキシドコシルラウレート、23-ヒドロキシトリコシルラウレート、24-ヒドロキシテトラコシルラウレート、25-ヒドロキシペンタコシルラウレート、26-ヒドロキシヘキサコシルラウレート、27-ヒドロキシヘプタコシルラウレート、28-ヒドロキシオクタコシルラウレート、29-ヒドロキシノナコシルラウレート、30-ヒドロキシトリアコンチルラウレート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルラウレート、32-ヒドロキシドトリアコンチルラウレート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルラウレート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルラウレート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルラウレート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルラウレート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルラウレート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルラウレート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルラウレート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルラウレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0051】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、パウリン酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルエイコス-13-エノエート、13-ヒドロキシトリデシルエイコス-13-エノエート、14-ヒドロキシテトラデシルエイコス-13-エノエート、15-ヒドロキシペンタデシルエイコス-13-エノエート、16-ヒドロキシヘキサデシルエイコス-13-エノエート、17-ヒドロキシヘプタデシルエイコス-13-エノエート、18-ヒドロキシオクタデシルエイコス-13-エノエート、19-ヒドロキシノナデシルエイコス-13-エノエート、20-ヒドロキシエイコシルエイコス-13-エノエート、21-ヒドロキシヘンエイコシルエイコス-13-エノエート、22-ヒドロキシドコシルエイコス-13-エノエート、23-ヒドロキシトリコシルエイコス-13-エノエート、24-ヒドロキシテトラコシルエイコス-13-エノエート、25-ヒドロキシペンタコシルエイコス-13-エノエート、26-ヒドロキシヘキサコシルエイコス-13-エノエート、27-ヒドロキシヘプタコシルエイコス-13-エノエート、28-ヒドロキシオクタコシルエイコス-13-エノエート、29-ヒドロキシノナコシルエイコス-13-エノエート、30-ヒドロキシトリアコンチルエイコス-13-エノエート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルエイコス-13-エノエート、32-ヒドロキシドトリアコンチルエイコス-13-エノエート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルエイコス-13-エノエート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルエイコス-13-エノエート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルエイコス-13-エノエート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルエイコス-13-エノエート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルエイコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0052】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、ゴンド酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルエイコス-11-エノエート、13-ヒドロキシトリデシルエイコス-11-エノエート、14-ヒドロキシテトラデシルエイコス-11-エノエート、15-ヒドロキシペンタデシルエイコス-11-エノエート、16-ヒドロキシヘキサデシルエイコス-11-エノエート、17-ヒドロキシヘプタデシルエイコス-11-エノエート、18-ヒドロキシオクタデシルエイコス-11-エノエート、19-ヒドロキシノナデシルエイコス-11-エノエート、20-ヒドロキシエイコシルエイコス-11-エノエート、21-ヒドロキシヘンエイコシルエイコス-11-エノエート、22-ヒドロキシドコシルエイコス-11-エノエート、23-ヒドロキシトリコシルエイコス-11-エノエート、24-ヒドロキシテトラコシルエイコス-11-エノエート、25-ヒドロキシペンタコシルエイコス-11-エノエート、26-ヒドロキシヘキサコシルエイコス-11-エノエート、27-ヒドロキシヘプタコシルエイコス-11-エノエート、28-ヒドロキシオクタコシルエイコス-11-エノエート、29-ヒドロキシノナコシルエイコス-11-エノエート、30-ヒドロキシトリアコンチルエイコス-11-エノエート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルエイコス-11-エノエート、32-ヒドロキシドトリアコンチルエイコス-11-エノエート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルエイコス-11-エノエート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルエイコス-11-エノエート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルエイコス-11-エノエート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルエイコス-11-エノエート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルエイコス-11-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0053】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、エルカ酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択され、一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルドコス-13-エノエート、13-ヒドロキシトリデシルドコス-13-エノエート、14-ヒドロキシテトラデシルドコス-13-エノエート、15-ヒドロキシペンタデシルドコス-13-エノエート、16-ヒドロキシヘキサデシルドコス-13-エノエート、17-ヒドロキシヘプタデシルドコス-13-エノエート、18-ヒドロキシオクタデシルドコス-13-エノエート、19-ヒドロキシノナデシルドコス-13-エノエート、20-ヒドロキシエイコシルドコス-13-エノエート、21-ヒドロキシヘンエイコシルドコス-13-エノエート、22-ヒドロキシドコシルドコス-13-エノエート、23-ヒドロキシトリコシルドコス-13-エノエート、24-ヒドロキシテトラコシルドコス-13-エノエート、25-ヒドロキシペンタコシルドコス-13-エノエート、26-ヒドロキシヘキサコシルドコス-13-エノエート、27-ヒドロキシヘプタコシルドコス-13-エノエート、28-ヒドロキシオクタコシルドコス-13-エノエート、29-ヒドロキシノナコシルドコス-13-エノエート、30-ヒドロキシトリアコンチルドコス-13-エノエート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルドコス-13-エノエート、32-ヒドロキシドトリアコンチルドコス-13-エノエート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルドコス-13-エノエート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルドコス-13-エノエート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルドコス-13-エノエート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルドコス-13-エノエート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルドコス-13-エノエート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルドコス-13-エノエート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルドコス-13-エノエート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルドコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0054】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、ネルボン酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択され、一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルテトラコス-15-エノエート、13-ヒドロキシトリデシルテトラコス-15-エノエート、14-ヒドロキシテトラデシルテトラコス-15-エノエート、15-ヒドロキシペンタデシルテトラコス-15-エノエート、16-ヒドロキシヘキサデシルテトラコス-15-エノエート、17-ヒドロキシヘプタデシルテトラコス-15-エノエート、18-ヒドロキシオクタデシルテトラコス-15-エノエート、19-ヒドロキシノナデシルテトラコス-15-エノエート、20-ヒドロキシエイコシルテトラコス-15-エノエート、21-ヒドロキシヘンエイコシルテトラコス-15-エノエート、22-ヒドロキシドコシルテトラコス-15-エノエート、23-ヒドロキシトリコシルテトラコス-15-エノエート、24-ヒドロキシテトラコシルテトラコス-15-エノエート、25-ヒドロキシペンタコシルテトラコス-15-エノエート、26-ヒドロキシヘキサコシルテトラコス-15-エノエート、27-ヒドロキシヘプタコシルテトラコス-15-エノエート、28-ヒドロキシオクタコシルテトラコス-15-エノエート、29-ヒドロキシノナコシルテトラコス-15-エノエート、30-ヒドロキシトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルテトラコス-15-エノエート、32-ヒドロキシドトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルテトラコス-15-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0055】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、リノール酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、12-ヒドロキシドデシルリノレート、13-ヒドロキシトリデシルリノレート、14-ヒドロキシテトラデシルリノレート、15-ヒドロキシペンタデシルリノレート、16-ヒドロキシヘキサデシルリノレート、17-ヒドロキシヘプタデシルリノレート、18-ヒドロキシオクタデシルリノレート、19-ヒドロキシノナデシルリノレート、20-ヒドロキシエイコシルリノレート、21-ヒドロキシヘンエイコシルリノレート、22-ヒドロキシドコシルリノレート、23-ヒドロキシトリコシルリノレート、24-ヒドロキシテトラコシルリノレート、25-ヒドロキシペンタコシルリノレート、26-ヒドロキシヘキサコシルリノレート、27-ヒドロキシヘプタコシルリノレート、28-ヒドロキシオクタコシルリノレート、29-ヒドロキシノナコシルリノレート、30-ヒドロキシトリアコンチルリノレート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルリノレート、32-ヒドロキシドトリアコンチルリノレート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルリノレート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルリノレート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルリノレート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルリノレート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルリノレート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルリノレート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルリノレート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルリノレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0056】
一実施形態において、1つ以上のFAHFA又はOAHFAの構造類似体は、リノレン酸系アルコールを含むか又はそれからなる群から選択される。12-ヒドロキシドデシルリノレネート、13-ヒドロキシトリデシルリノレネート、14-ヒドロキシテトラデシルリノレネート、15-ヒドロキシペンタデシルリノレネート、16-ヒドロキシヘキサデシルリノレネート、17-ヒドロキシヘプタデシルリノレネート、18-ヒドロキシオクタデシルリノレネート、19-ヒドロキシノナデシルリノレネート、20-ヒドロキシエイコシルリノレネート、21-ヒドロキシヘンエイコシルリノレネート、22-ヒドロキシドコシルリノレネート、23-ヒドロキシトリコシルリノレネート、24-ヒドロキシテトラコシルリノレネート、25-ヒドロキシペンタコシルリノレネート、26-ヒドロキシヘキサコシルリノレネート、27-ヒドロキシヘプタコシルリノレネート、28-ヒドロキシオクタコシルリノレネート、29-ヒドロキシノナコシルリノレネート、30-ヒドロキシトリアコンチルリノレネート、31-ヒドロキシヘントリアコンチルリノレネート、32-ヒドロキシドトリアコンチルリノレネート、33-ヒドロキシトリトリアコンチルリノレネート、34-ヒドロキシテトラトリアコンチルリノレネート、35-ヒドロキシペンタトリアコンチルリノレネート、36-ヒドロキシヘキサトリアコンチルリノレネート、37-ヒドロキシヘプタトリアコンチルリノレネート、38-ヒドロキシオクタトリアコンチルリノレネート、39-ヒドロキシノナトリアコンチルリノレネート、及び40-ヒドロキシテトラコンチルリノレネート。
【0057】
一実施形態において、FAHFAは、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)、12-(リノレオイルオキシ)ドデカン酸、20-(リノレオイルオキシ)エイコサン酸、12-(パルミトレオイルオキシ)ドデカン酸、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸、12-(パルミトイルオキシ)ドデカン酸、20-(パルミトイルオキシ)エイコサン酸、12-(ステアロイルオキシ)ドデカン酸、20-(ステアロイルオキシ)エイコサン酸、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)から選択される。
【0058】
一実施形態において、FAHFAは、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)から選択される。
【0059】
一実施形態において、1つ以上のFAHFAは、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)から選択される。
【0060】
一実施形態において、1つ以上のFAHFAは、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)、12-(リノレオイルオキシ)ドデカン酸、20-(リノレオイルオキシ)エイコサン酸、12-(パルミトレオイルオキシ)ドデカン酸、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸、12-(パルミトイルオキシ)ドデカン酸、20-(パルミトイルオキシ)エイコサン酸、12-(ステアロイルオキシ)ドデカン酸、20-(ステアロイルオキシ)エイコサン酸から選択される。
【0061】
更なる実施形態において、FAHFAは、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸、及び18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)からなる群から選択される。
【0062】
特定の実施形態において、FAHFAは、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸、及び18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)からなる群から選択される。
【0063】
一実施形態において、FAHFAは、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸である。
【0064】
更なる実施形態において、FAHFAは、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸である。
【0065】
更なる実施形態において、FAHFAは、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸である。
【0066】
本発明の組成物に好適な1つ以上のワックスエステル又はその類似体の炭素鎖長は、変動し得る。一実施形態において、最大炭素鎖長は存在しない。一実施形態において、1つ以上のワックスエステル又はその構造類似体の炭素鎖長は、C15~C100、C19~C72、C20~C55、C20~C50、C20~C40、C20~C35、C20~C25、C25~C45、C25~C40、C25~C35又はC25~C30である。一実施形態において、1つ以上のワックスエステル又はその類似体の炭素鎖長は、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、C50、C51、C52、C53、C54又はC55である。
【0067】
一実施形態において、ワックスエステル又はその構造類似体は、以下の式(II)を有し、
【化2】
式中、
R
1は、炭素原子、酸素原子又は窒素原子であり、
R
2は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体であり、
R
3は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体である。
【0068】
一実施形態において、ワックスエステルは、直鎖状ワックスエステルである。一実施形態において、ワックスエステルは、分岐状ワックスエステルである。
【0069】
一実施形態では、1つ以上のワックスエステルのアシル鎖は、以下の脂肪酸:オレイン酸、パルミトレイン酸、ミリストレイン酸、ラウリン酸、パウリン酸、ゴンド酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、及びリノレン酸を含むか又はそれらからなる群から選択され、1つ以上のワックスエステルのアルコキシ鎖は、直鎖状脂肪アルコール、イソ分岐状脂肪アルコール、及びアンテイソ分岐状脂肪アルコール、並びに/又はその構造類似体を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0070】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、オレイン酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルオレエート、トリデシルオレエート、ミリスチルオレエート、ペンタデシルオレエート、パルミチルオレエート、ヘプタデシルオレエート、ステアリルオレエート、ノナデシルオレエート、アラキジルオレエート(AO)、ヘンエイコシルオレエート、ベヘニルオレエート(BO)、トリコシルオレエート、リグノセリルオレエート、ペンタコシルオレエート、ヘキサコシルオレエート、ヘプタコシルオレエート、オクタコシルオレエート、ノナコシルオレエート、トリアコンチルオレエート、ヘントリアコンチルオレエート、ドトリアコンチルオレエート、トリトリアコンチルオレエート、テトラトリアコンチルオレエート、ペンタトリアコンチルオレエート、ヘキサトリアコンチルオレエート、ヘプタトリアコンチルオレエート、オクタトリアコンチルオレエート、ノナトリアコンチルオレエート、及びテトラコンチルオレエートを含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0071】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルオレエートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルオレエート、12-メチルトリデシルオレエート、13-メチルミリスチルオレエート、14-メチルペンタデシルオレエート、15-メチルパルミチルオレエート、16-メチルヘプタデシルオレエート、17-メチルステアリルオレエート、18-メチルノナデシルオレエート、19-メチルアラキジルオレエート、20-メチルヘンエイコシルオレエート、21-メチルベヘニルオレエート、22-メチルトリコシルオレエート、23-メチルリグノセリルオレエート、24-メチルペンタコシルオレエート、25-メチルヘキサコシルオレエート、26-メチルヘプタコシルオレエート、27-メチルオクタコシルオレエート、28-メチルノナコシルオレエート、29-メチルトリアコンチルオレエート、30-メチルヘントリアコンチルオレエート、31-メチルドトリアコンチルオレエート、32-メチルトリトリアコンチルオレエート、33-メチルテトラトリアコンチルオレエート、34-メチルペンタトリアコンチルオレエート、35-メチルヘキサトリアコンチルオレエート、36-メチルヘプタトリアコンチルオレエート、37-メチルオクタトリアコンチルオレエート、38-メチルノナトリアコンチルオレエート、39-メチルテトラコンチルオレエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0072】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルオレエートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルオレエート、11-メチルトリデシルオレエート、12-メチルミリスチルオレエート、13-メチルペンタデシルオレエート、14-メチルパルミチルオレエート、15-メチルヘプタデシルオレエート、16-メチルステアリルオレエート、17-メチルノナデシルオレエート、18-メチルアラキジルオレエート、19-メチルヘンエイコシルオレエート、20-メチルベヘニルオレエート、21-メチルトリコシルオレエート、22-メチルリグノセリルオレエート、23-メチルペンタコシルオレエート、24-メチルヘキサコシルオレエート、25-メチルヘプタコシルオレエート、26-メチルオクタコシルオレエート、27-メチルノナコシルオレエート、28-メチルトリアコンチルオレエート、29-メチルヘントリアコンチルオレエート、30-メチルドトリアコンチルオレエート、31-メチルトリトリアコンチルオレエート、32-メチルテトラトリアコンチルオレエート、33-メチルペンタトリアコンチルオレエート、34-メチルヘキサトリアコンチルオレエート、35-メチルヘプタトリアコンチルオレエート、36-メチルオクタトリアコンチルオレエート、37-メチルノナトリアコンチルオレエート、及び38-メチルテトラコンチルオレエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0073】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、パルミトレイン酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルパルミトレート、トリデシルパルミトレート、ミリスチルパルミトレート、ペンタデシルパルミトレート、パルミチルパルミトレート、ヘプタデシルパルミトレート、ステアリルパルミトレート、ノナデシルパルミトレート、アラキジルパルミトレート、ヘンエイコシルパルミトレート、ベヘニルパルミトレート、トリコシルパルミトレート、リグノセリルパルミトレート、ペンタコシルパルミトレート、ヘキサコシルパルミトレート、ヘプタコシルパルミトレート、オクタコシルパルミトレート、ノナコシルパルミトレート、トリアコンチルパルミトレート、ヘントリアコンチルパルミトレート、ドトリアコンチルパルミトレート、トリトリアコンチルパルミトレート、テトラトリアコンチルパルミトレート、ペンタトリアコンチルパルミトレート、ヘキサトリアコンチルパルミトレート、ヘプタトリアコンチルパルミトレート、オクタトリアコンチルパルミトレート、ノナトリアコンチルパルミトレート、テトラコンチルパルミトレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0074】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルパルミトレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルパルミトレート、12-メチルトリデシルパルミトレート、13-メチルミリスチルパルミトレート、14-メチルペンタデシルパルミトレート、15-メチルパルミチルパルミトレート、16-メチルヘプタデシルパルミトレート、17-メチルステアリルパルミトレート、18-メチルノナデシルパルミトレート、19-メチルアラキジルパルミトレート、20-メチルヘンエイコシルパルミトレート、21-メチルベヘニルパルミトレート、22-メチルトリコシルパルミトレート、23-メチルリグノセリルパルミトレート、24-メチルペンタコシルパルミトレート、25-メチルヘキサコシルパルミトレート、26-メチルヘプタコシルパルミトレート、27-メチルオクタコシルパルミトレート、28-メチルノナコシルパルミトレート、29-メチルトリアコンチルパルミトレート、30-メチルヘントリアコンチルパルミトレート、31-メチルドトリアコンチルパルミトレート、32-メチルトリトリアコンチルパルミトレート、33-メチルテトラトリアコンチルパルミトレート、34-メチルペンタトリアコンチルパルミトレート、35-メチルヘキサトリアコンチルパルミトレート、36-メチルヘプタトリアコンチルパルミトレート、37-メチルオクタトリアコンチルパルミトレート、38-メチルノナトリアコンチルパルミトレート、及び39-メチルテトラコンチルパルミトレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0075】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルパルミトレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルパルミトレート、11-メチルトリデシルパルミトレート、12-メチルミリスチルパルミトレート、13-メチルペンタデシルパルミトレート、14-メチルパルミチルパルミトレート、15-メチルヘプタデシルパルミトレート、16-メチルステアリルパルミトレート、17-メチルノナデシルパルミトレート、18-メチルアラキジルパルミトレート、19-メチルヘンエイコシルパルミトレート、20-メチルベヘニルパルミトレート、21-メチルトリコシルパルミトレート、22-メチルリグノセリルパルミトレート、23-メチルペンタコシルパルミトレート、24-メチルヘキサコシルパルミトレート、25-メチルヘプタコシルパルミトレート、26-メチルオクタコシルパルミトレート、27-メチルノナコシルパルミトレート、28-メチルトリアコンチルパルミトレート、29-メチルヘントリアコンチルパルミトレート、30-メチルドトリアコンチルパルミトレート、31-メチルトリトリアコンチルパルミトレート、32-メチルテトラトリアコンチルパルミトレート、33-メチルペンタトリアコンチルパルミトレート、34-メチルヘキサトリアコンチルパルミトレート、35-メチルヘプタトリアコンチルパルミトレート、36-メチルオクタトリアコンチルパルミトレート、37-メチルノナトリアコンチルパルミトレート、及び38-メチルテトラコンチルパルミトレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0076】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ミリストレイン酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルミリストレート、トリデシルミリストレート、ミリスチルミリストレート、ペンタデシルミリストレート、パルミチルミリストレート、ヘプタデシルミリストレート、ステアリルミリストレート、ノナデシルミリストレート、アラキジルミリストレート、ヘンエイコシルミリストレート、ベヘニルミリストレート、トリコシルミリストレート、リグノセリルミリストレート、ペンタコシルミリストレート、ヘキサコシルミリストレート、ヘプタコシルミリストレート、オクタコシルミリストレート、ノナコシルミリストレート、トリアコンチルミリストレート、ヘントリアコンチルミリストレート、ドトリアコンチルミリストレート、トリトリアコンチルミリストレート、テトラトリアコンチルミリストレート、ペンタトリアコンチルミリストレート、ヘキサトリアコンチルミリストレート、ヘプタトリアコンチルミリストレート、オクタトリアコンチルミリストレート、ノナトリアコンチルミリストレート、テトラコンチルミリストレート、11-メチルラウリルミリストレート、12-メチルトリデシルミリストレート、13-メチルミリスチルミリストレート、14-メチルペンタデシルミリストレート、15-メチルパルミチルミリストレート、16-メチルヘプタデシルミリストレート、及び17-メチルステアリルミリストレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0077】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルミリストレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、18-メチルノナデシルミリストレート、19-メチルアラキジルミリストレート、20-メチルヘンエイコシルミリストレート、21-メチルベヘニルミリストレート、22-メチルトリコシルミリストレート、23-メチルリグノセリルミリストレート、24-メチルペンタコシルミリストレート、25-メチルヘキサコシルミリストレート、26-メチルヘプタコシルミリストレート、27-メチルオクタコシルミリストレート、28-メチルノナコシルミリストレート、29-メチルトリアコンチルミリストレート、30-メチルヘントリアコンチルミリストレート、31-メチルドトリアコンチルミリストレート、32-メチルトリトリアコンチルミリストレート、33-メチルテトラトリアコンチルミリストレート、34-メチルペンタトリアコンチルミリストレート、35-メチルヘキサトリアコンチルミリストレート、36-メチルヘプタトリアコンチルミリストレート、37-メチルオクタトリアコンチルミリストレート、38-メチルノナトリアコンチルミリストレート、及び39-メチルテトラコンチルミリストレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0078】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルミリストレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルミリストレート、11-メチルトリデシルミリストレート、12-メチルミリスチルミリストレート、13-メチルペンタデシルミリストレート、14-メチルパルミチルミリストレート、15-メチルヘプタデシルミリストレート、16-メチルステアリルミリストレート、17-メチルノナデシルミリストレート、18-メチルアラキジルミリストレート、19-メチルヘンエイコシルミリストレート、20-メチルベヘニルミリストレート、21-メチルトリコシルミリストレート、22-メチルリグノセリルミリストレート、23-メチルペンタコシルミリストレート、24-メチルヘキサコシルミリストレート、25-メチルヘプタコシルミリストレート、26-メチルオクタコシルミリストレート、27-メチルノナコシルミリストレート、28-メチルトリアコンチルミリストレート、29-メチルヘントリアコンチルミリストレート、30-メチルドトリアコンチルミリストレート、31-メチルトリトリアコンチルミリストレート、32-メチルテトラトリアコンチルミリストレート、33-メチルペンタトリアコンチルミリストレート、34-メチルヘキサトリアコンチルミリストレート、35-メチルヘプタトリアコンチルミリストレート、36-メチルオクタトリアコンチルミリストレート、37-メチルノナトリアコンチルミリストレート、及び38-メチルテトラコンチルミリストレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0079】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリン酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルラウレート、トリデシルラウレート、ミリスチルラウレート、ペンタデシルラウレート、パルミチルラウレート、ヘプタデシルラウレート、ステアリルラウレート、ノナデシルラウレート、アラキジルラウレート、ヘンエイコシルラウレート、ベヘニルラウレート、トリコシルラウレート、リグノセリルラウレート、ペンタコシルラウレート、ヘキサコシルラウレート、ヘプタコシルラウレート、オクタコシルラウレート、ノナコシルラウレート、トリアコンチルラウレート、ヘントリアコンチルラウレート、ドトリアコンチルラウレート、トリトリアコンチルラウレート、テトラトリアコンチルラウレート、ペンタトリアコンチルラウレート、ヘキサトリアコンチルラウレート、ヘプタトリアコンチルラウレート、オクタトリアコンチルラウレート、ノナトリアコンチルラウレート、及びテトラコンチルラウレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0080】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルラウレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルラウレート、12-メチルトリデシルラウレート、13-メチルミリスチルラウレート、14-メチルペンタデシルラウレート、15-メチルパルミチルラウレート、16-メチルヘプタデシルラウレート、17-メチルステアリルラウレート、18-メチルノナデシルラウレート、19-メチルアラキジルラウレート、20-メチルヘンエイコシルラウレート、21-メチルベヘニルラウレート、22-メチルトリコシルラウレート、23-メチルリグノセリルラウレート、24-メチルペンタコシルラウレート、25-メチルヘキサコシルラウレート、26-メチルヘプタコシルラウレート、27-メチルオクタコシルラウレート、28-メチルノナコシルラウレート、29-メチルトリアコンチルラウレート、30-メチルヘントリアコンチルラウレート、31-メチルドトリアコンチルラウレート、32-メチルトリトリアコンチルラウレート、33-メチルテトラトリアコンチルラウレート、34-メチルペンタトリアコンチルラウレート、35-メチルヘキサトリアコンチルラウレート、36-メチルヘプタトリアコンチルラウレート、37-メチルオクタトリアコンチルラウレート、38-メチルノナトリアコンチルラウレート、及び39-メチルテトラコンチルラウレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0081】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルラウレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルラウレート、11-メチルトリデシルラウレート、12-メチルミリスチルラウレート、13-メチルペンタデシルラウレート、14-メチルパルミチルラウレート、15-メチルヘプタデシルラウレート、16-メチルステアリルラウレート、17-メチルノナデシルラウレート、18-メチルアラキジルラウレート、19-メチルヘンエイコシルラウレート、20-メチルベヘニルラウレート、21-メチルトリコシルラウレート、22-メチルリグノセリルラウレート、23-メチルペンタコシルラウレート、24-メチルヘキサコシルラウレート、25-メチルヘプタコシルラウレート、26-メチルオクタコシルラウレート、27-メチルノナコシルラウレート、28-メチルトリアコンチルラウレート、29-メチルヘントリアコンチルラウレート、30-メチルドトリアコンチルラウレート、31-メチルトリトリアコンチルラウレート、32-メチルテトラトリアコンチルラウレート、33-メチルペンタトリアコンチルラウレート、34-メチルヘキサトリアコンチルラウレート、35-メチルヘプタトリアコンチルラウレート、36-メチルオクタトリアコンチルラウレート、37-メチルノナトリアコンチルラウレート、及び38-メチルテトラコンチルラウレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0082】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、パウリン酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルエイコス-13-エノエート、トリデシルエイコス-13-エノエート、ミリスチルエイコス-13-エノエート、ペンタデシルエイコス-13-エノエート、パルミチルエイコス-13-エノエート、ヘプタデシルエイコス-13-エノエート、ステアリルエイコス-13-エノエート、ノナデシルエイコス-13-エノエート、アラキジルエイコス-13-エノエート、ヘンエイコシルエイコス-13-エノエート、ベヘニルエイコス-13-エノエート、トリコシルエイコス-13-エノエート、リグノセリルエイコス-13-エノエート、ペンタコシルエイコス-13-エノエート、ヘキサコシルエイコス-13-エノエート、ヘプタコシルエイコス-13-エノエート、オクタコシルエイコス-13-エノエート、ノナコシルエイコス-13-エノエート、トリアコンチルエイコス-13-エノエート、ヘントリアコンチルエイコス-13-エノエート、ドトリアコンチルエイコス-13-エノエート、トリトリアコンチルエイコス-13-エノエート、テトラトリアコンチルエイコス-13-エノエート、ペンタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、ヘキサトリアコンチルエイコス-13-エノエート、ヘプタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、オクタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、ノナトリアコンチルエイコス-13-エノエート、及びテトラコンチルエイコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0083】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルパウリネートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルエイコス-13-エノエート、12-メチルトリデシルエイコス-13-エノエート、13-メチルミリスチルエイコス-13-エノエート、14-メチルペンタデシルエイコス-13-エノエート、15-メチルパルミチルエイコス-13-エノエート、16-メチルヘプタデシルエイコス-13-エノエート、17-メチルステアリルエイコス-13-エノエート、18-メチルノナデシルエイコス-13-エノエート、19-メチルアラキジルエイコス-13-エノエート、20-メチルヘンエイコシルエイコス-13-エノエート、21-メチルベヘニルエイコス-13-エノエート、22-メチルトリコシルエイコス-13-エノエート、23-メチルリグノセリルエイコス-13-エノエート、24-メチルペンタコシルエイコス-13-エノエート、25-メチルヘキサコシルエイコス-13-エノエート、26-メチルヘプタコシルエイコス-13-エノエート、27-メチルオクタコシルエイコス-13-エノエート、28-メチルノナコシルエイコス-13-エノエート、29-メチルトリアコンチルエイコス-13-エノエート、30-メチルヘントリアコンチルエイコス-13-エノエート、31-メチルドトリアコンチルエイコス-13-エノエート、32-メチルトリトリアコンチルエイコス-13-エノエート、33-メチルテトラトリアコンチルエイコス-13-エノエート、34-メチルペンタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、35-メチルヘキサトリアコンチルエイコス-13-エノエート、36-メチルヘプタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、37-メチルオクタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、38-メチルノナトリアコンチルエイコス-13-エノエート、及び39-メチルテトラコンチルエイコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0084】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルパウリネートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルエイコス-13-エノエート、11-メチルトリデシルエイコス-13-エノエート、12-メチルミリスチルエイコス-13-エノエート、13-メチルペンタデシルエイコス-13-エノエート、14-メチルパルミチルエイコス-13-エノエート、15-メチルヘプタデシルエイコス-13-エノエート、16-メチルステアリルエイコス-13-エノエート、17-メチルノナデシルエイコス-13-エノエート、18-メチルアラキジルエイコス-13-エノエート、19-メチルヘンエイコシルエイコス-13-エノエート、20-メチルベヘニルエイコス-13-エノエート、21-メチルトリコシルエイコス-13-エノエート、22-メチルリグノセリルエイコス-13-エノエート、23-メチルペンタコシルエイコス-13-エノエート、24-メチルヘキサコシルエイコス-13-エノエート、25-メチルヘプタコシルエイコス-13-エノエート、26-メチルオクタコシルエイコス-13-エノエート、27-メチルノナコシルエイコス-13-エノエート、28-メチルトリアコンチルエイコス-13-エノエート、29-メチルヘントリアコンチルエイコス-13-エノエート、30-メチルドトリアコンチルエイコス-13-エノエート、31-メチルトリトリアコンチルエイコス-13-エノエート、32-メチルテトラトリアコンチルエイコス-13-エノエート、33-メチルペンタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、34-メチルヘキサトリアコンチルエイコス-13-エノエート、35-メチルヘプタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、36-メチルオクタトリアコンチルエイコス-13-エノエート、37-メチルノナトリアコンチルエイコス-13-エノエート、及び38-メチルテトラコンチルエイコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0085】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ゴンド酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルエイコス-11-エノエート、トリデシルエイコス-11-エノエート、ミリスチルエイコス-11-エノエート、ペンタデシルエイコス-11-エノエート、パルミチルエイコス-11-エノエート、ヘプタデシルエイコス-11-エノエート、ステアリルエイコス-11-エノエート、ノナデシルエイコス-11-エノエート、アラキジルエイコス-11-エノエート、ヘンエイコシルエイコス-11-エノエート、ベヘニルエイコス-11-エノエート、トリコシルエイコス-11-エノエート、リグノセリルエイコス-11-エノエート、ペンタコシルエイコス-11-エノエート、ヘキサコシルエイコス-11-エノエート、ヘプタコシルエイコス-11-エノエート、オクタコシルエイコス-11-エノエート、ノナコシルエイコス-11-エノエート、トリアコンチルエイコス-11-エノエート、ヘントリアコンチルエイコス-11-エノエート、ドトリアコンチルエイコス-11-エノエート、トリトリアコンチルエイコス-11-エノエート、テトラトリアコンチルエイコス-11-エノエート、ペンタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、ヘキサトリアコンチルエイコス-11-エノエート、ヘプタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、オクタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、ノナトリアコンチルエイコス-11-エノエート、及びテトラコンチルエイコス-11-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0086】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルゴンドエートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルエイコス-11-エノエート、12-メチルトリデシルエイコス-11-エノエート、13-メチルミリスチルエイコス-11-エノエート、14-メチルペンタデシルエイコス-11-エノエート、15-メチルパルミチルエイコス-11-エノエート、16-メチルヘプタデシルエイコス-11-エノエート、17-メチルステアリルエイコス-11-エノエート、18-メチルノナデシルエイコス-11-エノエート、19-メチルアラキジルエイコス-11-エノエート、20-メチルヘンエイコシルエイコス-11-エノエート、21-メチルベヘニルエイコス-11-エノエート、22-メチルトリコシルエイコス-11-エノエート、23-メチルリグノセリルエイコス-11-エノエート、24-メチルペンタコシルエイコス-11-エノエート、25-メチルヘキサコシルエイコス-11-エノエート、26-メチルヘプタコシルエイコス-11-エノエート、27-メチルオクタコシルエイコス-11-エノエート、28-メチルノナコシルエイコス-11-エノエート、29-メチルトリアコンチルエイコス-11-エノエート、30-メチルヘントリアコンチルエイコス-11-エノエート、31-メチルドトリアコンチルエイコス-11-エノエート、32-メチルトリトリアコンチルエイコス-11-エノエート、33-メチルテトラトリアコンチルエイコス-11-エノエート、34-メチルペンタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、35-メチルヘキサトリアコンチルエイコス-11-エノエート、36-メチルヘプタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、37-メチルオクタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、38-メチルノナトリアコンチルエイコス-11-エノエート、及び39-メチルテトラコンチルエイコス-11-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0087】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルゴンドエートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルエイコス-11-エノエート、11-メチルトリデシルエイコス-11-エノエート、12-メチルミリスチルエイコス-11-エノエート、13-メチルペンタデシルエイコス-11-エノエート、14-メチルパルミチルエイコス-11-エノエート、15-メチルヘプタデシルエイコス-11-エノエート、16-メチルステアリルエイコス-11-エノエート、17-メチルノナデシルエイコス-11-エノエート、18-メチルアラキジルエイコス-11-エノエート、19-メチルヘンエイコシルエイコス-11-エノエート、20-メチルベヘニルエイコス-11-エノエート、21-メチルトリコシルエイコス-11-エノエート、22-メチルリグノセリルエイコス-11-エノエート、23-メチルペンタコシルエイコス-11-エノエート、24-メチルヘキサコシルエイコス-11-エノエート、25-メチルヘプタコシルエイコス-11-エノエート、26-メチルオクタコシルエイコス-11-エノエート、27-メチルノナコシルエイコス-11-エノエート、28-メチルトリアコンチルエイコス-11-エノエート、29-メチルヘントリアコンチルエイコス-11-エノエート、30-メチルドトリアコンチルエイコス-11-エノエート、31-メチルトリトリアコンチルエイコス-11-エノエート、32-メチルテトラトリアコンチルエイコス-11-エノエート、33-メチルペンタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、34-メチルヘキサトリアコンチルエイコス-11-エノエート、35-メチルヘプタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、36-メチルオクタトリアコンチルエイコス-11-エノエート、37-メチルノナトリアコンチルエイコス-11-エノエート、及び38-メチルテトラコンチルエイコス-11-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0088】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、エルカ酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルドコス-13-エノエート、トリデシルドコス-13-エノエート、ミリスチルドコス-13-エノエート、ペンタデシルドコス-13-エノエート、パルミチルドコス-13-エノエート、ヘプタデシルドコス-13-エノエート、ステアリルドコス-13-エノエート、ノナデシルドコス-13-エノエート、アラキジルドコス-13-エノエート、ヘンエイコシルドコス-13-エノエート、ベヘニルドコス-13-エノエート、トリコシルドコス-13-エノエート、リグノセリルドコス-13-エノエート、ペンタコシルドコス-13-エノエート、ヘキサコシルドコス-13-エノエート、ヘプタコシルドコス-13-エノエート、オクタコシルドコス-13-エノエート、ノナコシルドコス-13-エノエート、トリアコンチルドコス-13-エノエート、ヘントリアコンチルドコス-13-エノエート、ドトリアコンチルドコス-13-エノエート、トリトリアコンチルドコス-13-エノエート、テトラトリアコンチルドコス-13-エノエート、ペンタトリアコンチルドコス-13-エノエート、ヘキサトリアコンチルドコス-13-エノエート、ヘプタトリアコンチルドコス-13-エノエート、オクタトリアコンチルドコス-13-エノエート、ノナトリアコンチルドコス-13-エノエート、及びテトラコンチルドコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0089】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルエルシエートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルドコス-13-エノエート、12-メチルトリデシルドコス-13-エノエート、13-メチルミリスチルドコス-13-エノエート、14-メチルペンタデシルドコス-13-エノエート、15-メチルパルミチルドコス-13-エノエート、16-メチルヘプタデシルドコス-13-エノエート、17-メチルステアリルドコス-13-エノエート、18-メチルノナデシルドコス-13-エノエート、19-メチルアラキジルドコス-13-エノエート、20-メチルヘンエイコシルドコス-13-エノエート、21-メチルベヘニルドコス-13-エノエート、22-メチルトリコシルドコス-13-エノエート、23-メチルリグノセリルドコス-13-エノエート、24-メチルペンタコシルドコス-13-エノエート、25-メチルヘキサコシルドコス-13-エノエート、26-メチルヘプタコシルドコス-13-エノエート、27-メチルオクタコシルドコス-13-エノエート、28-メチルノナコシルドコス-13-エノエート、29-メチルトリアコンチルドコス-13-エノエート、30-メチルヘントリアコンチルドコス-13-エノエート、31-メチルドトリアコンチルドコス-13-エノエート、32-メチルトリトリアコンチルドコス-13-エノエート、33-メチルテトラトリアコンチルドコス-13-エノエート、34-メチルペンタトリアコンチルドコス-13-エノエート、35-メチルヘキサトリアコンチルドコス-13-エノエート、36-メチルヘプタトリアコンチルドコス-13-エノエート、37-メチルオクタトリアコンチルドコス-13-エノエート、38-メチルノナトリアコンチルドコス-13-エノエート、及び39-メチルテトラコンチルドコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0090】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルエルシエートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルドコス-13-エノエート、11-メチルトリデシルドコス-13-エノエート、12-メチルミリスチルドコス-13-エノエート、13-メチルペンタデシルドコス-13-エノエート、14-メチルパルミチルドコス-13-エノエート、15-メチルヘプタデシルドコス-13-エノエート、16-メチルステアリルドコス-13-エノエート、17-メチルノナデシルドコス-13-エノエート、18-メチルアラキジルドコス-13-エノエート、19-メチルヘンエイコシルドコス-13-エノエート、20-メチルベヘニルドコス-13-エノエート、21-メチルトリコシルドコス-13-エノエート、22-メチルリグノセリルドコス-13-エノエート、23-メチルペンタコシルドコス-13-エノエート、24-メチルヘキサコシルドコス-13-エノエート、25-メチルヘプタコシルドコス-13-エノエート、26-メチルオクタコシルドコス-13-エノエート、27-メチルノナコシルドコス-13-エノエート、28-メチルトリアコンチルドコス-13-エノエート、29-メチルヘントリアコンチルドコス-13-エノエート、30-メチルドトリアコンチルドコス-13-エノエート、31-メチルトリトリアコンチルドコス-13-エノエート、32-メチルテトラトリアコンチルドコス-13-エノエート、33-メチルペンタトリアコンチルドコス-13-エノエート、34-メチルヘキサトリアコンチルドコス-13-エノエート、35-メチルヘプタトリアコンチルドコス-13-エノエート、36-メチルオクタトリアコンチルドコス-13-エノエート、37-メチルノナトリアコンチルドコス-13-エノエート、及び38-メチルテトラコンチルドコス-13-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0091】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ネルボン酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルテトラコス-15-エノエート、トリデシルテトラコス-15-エノエート、ミリスチルテトラコス-15-エノエート、ペンタデシルテトラコス-15-エノエート、パルミチルテトラコス-15-エノエート、ヘプタデシルテトラコス-15-エノエート、ステアリルテトラコス-15-エノエート、ノナデシルテトラコス-15-エノエート、アラキジルテトラコス-15-エノエート、ヘンエイコシルテトラコス-15-エノエート、ベヘニルテトラコス-15-エノエート、トリコシルテトラコス-15-エノエート、リグノセリルテトラコス-15-エノエート、ペンタコシルテトラコス-15-エノエート、ヘキサコシルテトラコス-15-エノエート、ヘプタコシルテトラコス-15-エノエート、オクタコシルテトラコス-15-エノエート、ノナコシルテトラコス-15-エノエート、トリアコンチルテトラコス-15-エノエート、ヘントリアコンチルテトラコス-15-エノエート、ドトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、トリトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、テトラトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、ペンタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、ヘキサトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、ヘプタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、オクタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、ノナトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、及びテトラコンチルテトラコス-15-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0092】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルネルボネートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルテトラコス-15-エノエート、12-メチルトリデシルテトラコス-15-エノエート、13-メチルミリスチルテトラコス-15-エノエート、14-メチルペンタデシルテトラコス-15-エノエート、15-メチルパルミチルテトラコス-15-エノエート、16-メチルヘプタデシルテトラコス-15-エノエート、17-メチルステアリルテトラコス-15-エノエート、18-メチルノナデシルテトラコス-15-エノエート、19-メチルアラキジルテトラコス-15-エノエート、20-メチルヘンエイコシルテトラコス-15-エノエート、21-メチルベヘニルテトラコス-15-エノエート、22-メチルトリコシルテトラコス-15-エノエート、23-メチルリグノセリルテトラコス-15-エノエート、24-メチルペンタコシルテトラコス-15-エノエート、25-メチルヘキサコシルテトラコス-15-エノエート、26-メチルヘプタコシルテトラコス-15-エノエート、27-メチルオクタコシルテトラコス-15-エノエート、28-メチルノナコシルテトラコス-15-エノエート、29-メチルトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、30-メチルヘントリアコンチルテトラコス-15-エノエート、31-メチルドトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、32-メチルトリトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、33-メチルテトラトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、34-メチルペンタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、35-メチルヘキサトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、36-メチルヘプタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、37-メチルオクタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、38-メチルノナトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、及び39-メチルテトラコンチルテトラコス-15-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0093】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルネルボネートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルテトラコス-15-エノエート、11-メチルトリデシルテトラコス-15-エノエート、12-メチルミリスチルテトラコス-15-エノエート、13-メチルペンタデシルテトラコス-15-エノエート、14-メチルパルミチルテトラコス-15-エノエート、15-メチルヘプタデシルテトラコス-15-エノエート、16-メチルステアリルテトラコス-15-エノエート、17-メチルノナデシルテトラコス-15-エノエート、18-メチルアラキジルテトラコス-15-エノエート、19-メチルヘンエイコシルテトラコス-15-エノエート、20-メチルベヘニルテトラコス-15-エノエート、21-メチルトリコシルテトラコス-15-エノエート、22-メチルリグノセリルテトラコス-15-エノエート、23-メチルペンタコシルテトラコス-15-エノエート、24-メチルヘキサコシルテトラコス-15-エノエート、25-メチルヘプタコシルテトラコス-15-エノエート、26-メチルオクタコシルテトラコス-15-エノエート、27-メチルノナコシルテトラコス-15-エノエート、28-メチルトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、29-メチルヘントリアコンチルテトラコス-15-エノエート、30-メチルドトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、31-メチルトリトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、32-メチルテトラトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、33-メチルペンタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、34-メチルヘキサトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、35-メチルヘプタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、36-メチルオクタトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、37-メチルノナトリアコンチルテトラコス-15-エノエート、及び38-メチルテトラコンチルテトラコス-15-エノエートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0094】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、リノール酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルリノレート、トリデシルリノレート、ミリスチルリノレート、ペンタデシルリノレート、パルミチルリノレート、ヘプタデシルリノレート、ステアリルリノレート、ノナデシルリノレート、アラキジルリノレート、ヘンエイコシルリノレート、ベヘニルリノレート、トリコシルリノレート、リグノセリルリノレート、ペンタコシルリノレート、ヘキサコシルリノレート、ヘプタコシルリノレート、オクタコシルリノレート、ノナコシルリノレート、トリアコンチルリノレート、ヘントリアコンチルリノレート、ドトリアコンチルリノレート、トリトリアコンチルリノレート、テトラトリアコンチルリノレート、ペンタトリアコンチルリノレート、ヘキサトリアコンチルリノレート、ヘプタトリアコンチルリノレート、オクタトリアコンチルリノレート、ノナトリアコンチルリノレート、及びテトラコンチルリノレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0095】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルリノレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルリノレート、12-メチルトリデシルリノレート、13-メチルミリスチルリノレート、14-メチルペンタデシルリノレート、15-メチルパルミチルリノレート、16-メチルヘプタデシルリノレート、17-メチルステアリルリノレート、18-メチルノナデシルリノレート、19-メチルアラキジルリノレート、20-メチルヘンエイコシルリノレート、21-メチルベヘニルリノレート、22-メチルトリコシルリノレート、23-メチルリグノセリルリノレート、24-メチルペンタコシルリノレート、25-メチルヘキサコシルリノレート、26-メチルヘプタコシルリノレート、27-メチルオクタコシルリノレート、28-メチルノナコシルリノレート、29-メチルトリアコンチルリノレート、30-メチルヘントリアコンチルリノレート、31-メチルドトリアコンチルリノレート、32-メチルトリトリアコンチルリノレート、33-メチルテトラトリアコンチルリノレート、34-メチルペンタトリアコンチルリノレート、35-メチルヘキサトリアコンチルリノレート、36-メチルヘプタトリアコンチルリノレート、37-メチルオクタトリアコンチルリノレート、38-メチルノナトリアコンチルリノレート、及び39-メチルテトラコンチルリノレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0096】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルリノレートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルリノレート、11-メチルトリデシルリノレート、12-メチルミリスチルリノレート、13-メチルペンタデシルリノレート、14-メチルパルミチルリノレート、15-メチルヘプタデシルリノレート、16-メチルステアリルリノレート、17-メチルノナデシルリノレート、18-メチルアラキジルリノレート、19-メチルヘンエイコシルリノレート、20-メチルベヘニルリノレート、21-メチルトリコシルリノレート、22-メチルリグノセリルリノレート、23-メチルペンタコシルリノレート、24-メチルヘキサコシルリノレート、25-メチルヘプタコシルリノレート、26-メチルオクタコシルリノレート、27-メチルノナコシルリノレート、28-メチルトリアコンチルリノレート、29-メチルヘントリアコンチルリノレート、30-メチルドトリアコンチルリノレート、31-メチルトリトリアコンチルリノレート、32-メチルテトラトリアコンチルリノレート、33-メチルペンタトリアコンチルリノレート、34-メチルヘキサトリアコンチルリノレート、35-メチルヘプタトリアコンチルリノレート、36-メチルオクタトリアコンチルリノレート、37-メチルノナトリアコンチルリノレート、及び38-メチルテトラコンチルリノレートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0097】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、リノレン酸系エステルを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、ラウリルリノレネート、トリデシルリノレネート、ミリスチルリノレネート、ペンタデシルリノレネート、パルミチルリノレネート、ヘプタデシルリノレネート、ステアリルリノレネート、ノナデシルリノレネート、アラキジルリノレネート、ヘンエイコシルリノレネート、ベヘニルリノレネート、トリコシルリノレネート、リグノセリルリノレネート、ペンタコシルリノレネート、ヘキサコシルリノレネート、ヘプタコシルリノレネート、オクタコシルリノレネート、ノナコシルリノレネート、トリアコンチルリノレネート、ヘントリアコンチルリノレネート、ドトリアコンチルリノレネート、トリトリアコンチルリノレネート、テトラトリアコンチルリノレネート、ペンタトリアコンチルリノレネート、ヘキサトリアコンチルリノレネート、ヘプタトリアコンチルリノレネート、オクタトリアコンチルリノレネート、ノナトリアコンチルリノレネート、及びテトラコンチルリノレネートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0098】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、イソ分岐状アルキルリノレネートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、11-メチルラウリルリノレネート、12-メチルトリデシルリノレネート、13-メチルミリスチルリノレネート、14-メチルペンタデシルリノレネート、15-メチルパルミチルリノレネート、16-メチルヘプタデシルリノレネート、17-メチルステアリルリノレネート、18-メチルノナデシルリノレネート、19-メチルアラキジルリノレネート、20-メチルヘンエイコシルリノレネート、21-メチルベヘニルリノレネート、22-メチルトリコシルリノレネート、23-メチルリグノセリルリノレネート、24-メチルペンタコシルリノレネート、25-メチルヘキサコシルリノレネート、26-メチルヘプタコシルリノレネート、27-メチルオクタコシルリノレネート、28-メチルノナコシルリノレネート、29-メチルトリアコンチルリノレネート、30-メチルヘントリアコンチルリノレネート、31-メチルドトリアコンチルリノレネート、32-メチルトリトリアコンチルリノレネート、33-メチルテトラトリアコンチルリノレネート、34-メチルペンタトリアコンチルリノレネート、35-メチルヘキサトリアコンチルリノレネート、36-メチルヘプタトリアコンチルリノレネート、37-メチルオクタトリアコンチルリノレネート、38-メチルノナトリアコンチルリノレネート、及び39-メチルテトラコンチルリノレネートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0099】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、アンテイソ分岐状アルキルリノレネートを含むか又はそれからなる群から選択される。一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、10-メチルラウリルリノレネート、11-メチルトリデシルリノレネート、12-メチルミリスチルリノレネート、13-メチルペンタデシルリノレネート、14-メチルパルミチルリノレネート、15-メチルヘプタデシルリノレネート、16-メチルステアリルリノレネート、17-メチルノナデシルリノレネート、18-メチルアラキジルリノレネート、19-メチルヘンエイコシルリノレネート、20-メチルベヘニルリノレネート、21-メチルトリコシルリノレネート、22-メチルリグノセリルリノレネート、23-メチルペンタコシルリノレネート、24-メチルヘキサコシルリノレネート、25-メチルヘプタコシルリノレネート、26-メチルオクタコシルリノレネート、27-メチルノナコシルリノレネート、28-メチルトリアコンチルリノレネート、29-メチルヘントリアコンチルリノレネート、30-メチルドトリアコンチルリノレネート、31-メチルトリトリアコンチルリノレネート、32-メチルテトラトリアコンチルリノレネート、33-メチルペンタトリアコンチルリノレネート、34-メチルヘキサトリアコンチルリノレネート、35-メチルヘプタトリアコンチルリノレネート、36-メチルオクタトリアコンチルリノレネート、37-メチルノナトリアコンチルリノレネート、及び38-メチルテトラコンチルリノレネートを含むか又はそれからなる群から選択される。
【0100】
一実施形態において、1つ以上のワックスエステルは、パルミチルオレエート、ステアリルオレエート、アラキジルオレエート(AO)、ベヘニルオレエート(BO)、リグノセリルオレエート、ヘキソコサニルオレエート、24-メチルペンタコサニルオレエート、パルミチルパルミトレート、ステアリルパルミトレート、アラキジルパルミトレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルパルミトレート、24-メチルペンタコサニルパルミトレート、パルミチルリノレート、ステアリルリノレート、アラキジルリノレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレート、24-メチルペンタコサニルリノレート、パルミチルリノレネート、ステアリルリノレネート、アラキジルリノレネート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレネート、及び24-メチルペンタコサニルリノレネートから選択される。
【0101】
特定の実施形態において、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。
【0102】
より具体的には、ワックスエステルは、ベヘニルオレエートである。
【0103】
代替の実施形態において、ワックスエステルは、アラキジルラウレートである。
【0104】
本明細書で使用される場合、基又は基の一部としての「アルキル」は、直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を指す。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
本明細書で使用される場合、基又は基の一部としての「アルケニル」は、直鎖状又は分岐状であり得、かつ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する、脂肪族炭化水素基を指す。例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、及びノネニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
本明細書で使用される場合、基又は基の一部としての「アルキニル」は、直鎖状又は分岐状であり得、かつ炭素-炭素三重結合を含有する、脂肪族炭化水素基を指す。例示的なアルキニル基としては、エチニル及びプロピニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
ジアステレオ異性体、エナンチオマー、互変異性体、及び幾何異性体を含む異性体形態は、本開示に提示される化合物の範囲内に含まれる。また、溶媒和、非溶媒和、水和、非水和、荷電、及び中性の形態も、当該化合物の範囲に含まれる。
【0108】
本明細書で使用される場合、「構造類似体」は、本開示に記載される化合物と同様の構造を有するが、他の原子、基、又は下部構造で置き換えられている1つ以上の原子、官能基、又は下部構造などのある特定の構成要素に関して異なる化合物を指す。一実施形態において、構造類似体は、等電子類似体及び/又は機能的類似体である。
【0109】
本開示の実施例で使用される特定のFAHFA(又はその構造類似体)又はワックスエステル(又はその構造類似体)の生物物理学的特性は、全体として、それぞれ、脂質クラスのFAHFA(OAHFAを含む)又はワックスエステルを代表するものである。
【0110】
本発明の一実施形態において、組成物の1つ以上のワックスエステル(例えば、アラキジルオレエート、AO)は、生理学的条件で液体状態にあり、及び/又は組成物の1つ以上のワックスエステル(例えば、ベヘニルオレエート、BO)は、生理学的条件で固体状態にある。非常に具体的な実施形態において、組成物のワックスエステルのうちの1つ以上、又は全てのワックスエステルは、生理学的条件で固体状態にある。一実施形態において、組成物の1つ以上、又は全てのワックスエステルの融点は、眼表面の温度を下回るか、等しいか、又は上回る。本発明の組成物は、任意の量のFAHFA(又はその構造類似体)及びワックスエステル(又はその構造類似体)を含み得る。
【0111】
一実施形態において、組成物中、1つ以上のFAHFA及び/又はその構造類似体の、1つ以上のワックスエステル及び/又はその構造類似体に対するモル比は、1:1以下、約1:1~1:100、又は1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9又は1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90である。一実施形態において、1つ以上のFAHFA及び/又はその構造類似体の、1つ以上のワックスエステル及び/又はその構造類似体に対するモル比は、1:1超、約100:1~1:1、約3:2~5:1、又は90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、又は2:1である。
【0112】
本明細書に記載される場合、FAHFA及びワックスエステルのある特定の組み合わせは、水性表面(特に、眼表面を含む)でのそれらの蒸発抵抗の点で非常に有利な特性を有する。特に、ワックスエステルの量がFAHFAの量と同等以上である、FAHFA(20-OAHFA及び18:1/18:0-OAHFAを含む)及びワックスエステル(BO及びALを含む)の混合物は、個々の構成要素単独よりもかなり高い蒸発抵抗値、並びに健康な対象における涙液形成脂質層を達成することが示されている((9-13s/cm)(Iwata,S.,et al.1969,Invest Ophthalmol Vis Sci,8,613-619、Peng,C.,et al.2014,Ind Eng Cham Res,53,18130-18139))。
【0113】
したがって、特定の実施形態において、ワックスエステル(又はその構造類似体)の量は、FAHFA(又はその構造類似体)の量と同等以上であり、すなわち、組成物中のFAHFA又はその構造類似体(例えば、FAHFA)の、ワックスエステル又はその構造類似体(例えば、ワックスエステル)に対する比は、1:1以下(FAHFA:ワックスエステル)(例えば、1:1~1:3など、1:1~1:9(例えば、約1:1))である。
【0114】
更なる特定の実施形態において、FAHFA又はその構造類似体(例えば、FAHFA)の、ワックスエステル又はその構造類似体(例えば、ワックスエステル)に対する比は、約1:1である。
【0115】
一実施形態において、組成物は、少なくとも0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、若しくは50%w/v若しくは重量%のFAHFA及び/若しくはその構造類似体、並びに/又はワックスエステル及び/若しくはその構造類似体を含む。一実施形態において、組成物は、少なくとも0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、若しくは50%w/v若しくは重量%の脂質を含む。本明細書で使用される場合、%w/v(すなわち、体積当たりの重量%)は、溶液の質量濃度を指す。本明細書で使用される場合、重量%(すなわち、溶液の質量当たりの溶質の質量%)は、溶液の重量パーセントを指す。
【0116】
一実施形態において、組成物は、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び/又は29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)から選択される、1つ以上のFAHFAと、パルミチルオレエート、ステアリルオレエート、アラキジルオレエート(AO)、ベヘニルオレエート(BO)、リグノセリルオレエート、ヘキソコサニルオレエート、24-メチルペンタコサニルオレエート、パルミチルパルミトレート、ステアリルパルミトレート、アラキジルパルミトレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルパルミトレート、24-メチルペンタコサニルパルミトレート、パルミチルリノレート、ステアリルリノレート、アラキジルリノレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレート、24-メチルペンタコサニルリノレート、パルミチルリノレネート、ステアリルリノレネート、アラキジルリノレネート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレネート、及び24-メチルペンタコサニルリノレネートから選択される、1つ以上のワックスエステルと、を含むか、又はそれらからなる。一実施形態において、組成物は、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)から選択される1つ以上のFAHFAと、アラキジルオレエート、ベヘニルオレエート、ヘキソコサニルオレエート、及び24-メチルペンタコサニルオレエートから選択される1つ以上のワックスエステルと、を含むか、又はそれらからなる。
【0117】
特定の実施形態において、組成物中のFAHFAは、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸、及び20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸からなる群から選択され、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。そのような組成物において、FAHFAの、ワックスエステルに対する比は、1:1以下、好ましくは1:1~1:9(FAHFA:ワックスエステル)(例えば、1:1~1:3、例えば、約1:1)である。特定の実施形態において、そのような組成物は、いかなる他のFAHFA又はワックスエステル構成要素をも含まない。
【0118】
更なる特定の実施形態において、FAHFAは、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸及び18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸からなる群から選択され、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。そのような組成物において、FAHFAの、ワックスエステルに対する比は、1:1以下、好ましくは1:1~1:9(FAHFA:ワックスエステル)(例えば、1:1~1:3、例えば、約1:1)である。特定の実施形態において、そのような組成物は、いかなる他のFAHFA又はワックスエステル構成要素をも含まない。
【0119】
より特定の実施形態において、FAHFAは、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸であり、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。更により特定の実施形態において、FAHFAは、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸であり、ワックスエステルは、ベヘニルオレエートである。そのような組成物において、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸の、ワックスエステルに対する比は、1:1以下、好ましくは1:1~1:9(FAHFA:ワックスエステル)(例えば、1:1~1:3(例えば、1:1))である。特定の実施形態において、そのような組成物はまた、いかなる他のFAHFA又はワックスエステル構成要素をも含まない。
【0120】
更なる特定の実施形態において、FAHFAは、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸であり、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。そのような組成物において、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸の、ワックスエステルに対する比は、1:1以下、好ましくは1:1~1:9(FAHFA:ワックスエステル)(例えば、1:1~1:3(好ましくは、約1:1))である。特定の実施形態において、そのような組成物はまた、いかなる他のFAHFA又はワックスエステル構成要素をも含まない。
【0121】
更なる特定の実施形態において、FAHFAは、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸であり、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。そのような組成物において、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸の、ワックスエステルに対する比は、1:1(FAHFA:ワックスエステル)以下、好ましくは、約1:1である。特定の実施形態において、そのような組成物はまた、いかなる他のFAHFA又はワックスエステル構成要素をも含まない。
【0122】
本発明の一実施形態において、FAHFA(若しくはその構造類似体)及びワックスエステル(若しくはその構造類似体)は、組み合わせとして同時に標的へ若しくは目的の標的上に適用若しくは投与される別個の事前組成物であり得るか、又はFAHFA(若しくはその構造類似体)及びワックスエステル(若しくはその構造類似体)は、例えば、すぐに使用することができる組成物若しくは使用前に補完される組成物であり得る、単一の組成物中に含まれ得る。例えば、希釈剤又は任意の他の添加剤を、組成物に、その使用前に添加することができる。
【0123】
本発明の組成物はまた、FAHFA(又はその構造類似体)及びワックスエステル(又はその構造類似体)以外の任意の他の脂質又は生物学的若しくは治療的に有効な薬剤を含み得る。しかしながら、一実施形態において、組成物は、FAHFA(又はその構造類似体)及びワックスエステル(又はその構造類似体)以外の他の脂質又は生物学的若しくは治療的に有効な薬剤を含まない。本明細書で使用される場合、「生物学的又は治療的に有効な薬剤」は、目的の標的において生物学的又は治療的な効果を引き起こす任意の薬剤を指す。蒸発抵抗の増加、微生物の減少、及び症状の軽減が、当該効果のほんの一部の例である。
【0124】
本発明の組成物は、任意選択的に、1つ以上の添加剤及び/又は対応する生成物に通常見られる任意の構成要素を含む。当該1つ以上の添加剤は、例えば、溶媒、希釈剤、担体、緩衝剤、賦形剤、アジュバント、担体媒体、防腐剤、充填剤、安定剤、増粘剤、乳化剤、崩壊剤、潤滑剤、及び結合剤、並びにそれらの任意の組み合わせを含むか若しくはそれらからなる群から選択され得、かつ/又は1つ以上の添加剤は、例えば、医薬的に許容される溶媒、希釈剤、担体、緩衝剤、賦形剤、アジュバント、担体媒体、防腐剤、充填剤、安定剤、増粘剤、乳化剤、崩壊剤、潤滑剤、及び結合剤、並びにそれらの任意の組み合わせを含むか若しくはそれらからなる群から選択され得る。一実施形態において、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、ポリソルベート80、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、カルボマー980、ヒアルロン酸ナトリウム、及びデキストランからなる群から選択される、眼科的に許容される賦形剤である。
【0125】
一実施形態において、組成物は、以下のうちの1つ以上を含む:pH調整剤(例えば、NaOH及び/又はHCl)、緩衝剤(例えば、ホスフェート及び/又はボレート)、等張性調整剤(例えば、NaCl、トレハロース)、増粘賦形剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、カルボマー、及び/又はヒアルロン酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、安定剤(例えば、ポリソルベート及び/又はグリセリン)、油相(例えば、ワセリン、パラフィン、ヒマシ油、及び/又は鉱物油)、水。
【0126】
一実施形態において、組成物は、0.1~5%w/vの1つ以上のFAHFA及び/又はその構造類似体、0.1~10%w/vの1つ以上のワックスエステル及び/又はその構造類似体、0~2%w/vのMiglyol812、1~8%w/vのTween20、0.25~4%w/vのKolliphor(登録商標)EL、0.25~5%w/vのSpan80、1~3%w/vのグリセリン、及び97.3~76%w/vの超純水からなる。
【0127】
本発明の特定の態様において、以下の組み合わせを含む(又は本質的にそれからなるか又はそれらからなる)組成物が提供される:
i.20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸、及び20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸からなる群から選択される、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸、並びに
ii.ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される、ワックスエステル、
任意選択的に、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸の、ワックスエステルに対する比が、1:1~1:9(O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸対ワックスエステル)など、少なくとも1:1(例えば、1:1~1:3(例えば、1:1))である。
【0128】
本発明のこの態様の特定の実施形態において、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸は、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸であり、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。より具体的には、ワックスエステルは、ベヘニルオレエートである。
【0129】
本発明のこの態様の更なる実施形態において、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸は、18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸であり、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。そのような組成物において、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸:ワックスエステルの比は、好ましくは約1:1である。
【0130】
本発明のこの態様の更なる実施形態において、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸は、20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸であり、ワックスエステルは、ベヘニルオレエート及びアラキジルラウレートからなる群から選択される。そのような組成物において、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸:ワックスエステルの比は、好ましくは約1:1である。
【0131】
本発明のこの態様の特定の実施形態において、組成物は、任意の更なるO-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸又はワックスエステル構成要素を含まない。
【0132】
本発明の組成物は、任意選択的に投与に好適な、液体、半固体、又は固体の形態などの任意の形態であり得る。製剤は、溶液、エマルジョン、懸濁液、スプレー、粉末、錠剤、ペレット、及びカプセルを含むか、又はそれからなる群から選択され得る。一実施形態において、組成物は、水中油型エマルジョンである。FAHFA(又はその構造類似体)及びワックスエステル(又はその構造類似体)が別個の事前組成物中にある場合、各組成物の製剤は、上記の製剤のリストから独立して選択され得る。
【0133】
本発明の組成物は、医薬組成物などの任意の種類の組成物であり得る。一実施形態において、本発明の組成物は、点眼剤、眼用ローション、液体、半固形又は固形の眼製剤、又は粉末(例えば、点眼剤又はローション、例えば、凍結乾燥して粉末にしたもの)である。点眼剤は、例えば、滅菌の水性又は油性溶液、エマルジョン、又は懸濁液であり得る。滅菌眼製剤は、眼球上及び/又は結膜への投与、又は結膜嚢への挿入のために意図され得る。半固体眼製剤は、例えば、滅菌の軟膏、クリーム、又はゲルであり得る。
【0134】
一実施形態において、本発明の組成物は、均一又は不均一な両親媒性組成物である。
【0135】
本発明はまた、本発明の組成物を調製する方法に関し、当該方法は、FAHFA又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、を組み合わせるか、又は混合することを含む。
【0136】
組み合わせは、当業者に既知の任意の方法によって、例えば、乾燥形態のFAHFAとワックスエステルとを組み合わせ、任意選択的に、その後、例えば、1つ以上の添加剤で組み合わせを希釈することによって行われ得る。混合は、例えば、撹拌器、ミキサー、ボルテックス、及び撹拌を含むがこれらに限定されない任意の方法又は道具で行われ得る。例えば、本発明の組成物は、製造時点から組み合わせられるか、又は混合され得、任意選択的に、使用前に任意の希釈又は更なる処理を必要としない。一実施形態において、希釈剤又は添加剤、FAHFA若しくはその構造類似体、及び/又はワックスエステル若しくはその構造類似体は、製造時点から、及び保管中、分離されている。例えば、一実施形態において、脂質は、組成物の使用の直前まで流体接触しない。
【0137】
本発明の組成物は、当技術分野で既知の任意の従来のプロセスによって生成され得る。
【0138】
一実施形態において、本発明の組成物を調製する方法は、例えば、FAHFA若しくはその構造類似体をワックスエステル若しくはその構造類似体と混合する前に、FAHFA若しくはその構造類似体を調製若しくは合成すること、及び/又は例えば、ワックスエステル若しくはその構造類似体をFAHFA若しくはその構造類似体と混合する前に、ワックスエステル若しくはその構造類似体を調製若しくは合成することを更に含む。
【0139】
FAHFA若しくはその構造類似体及び/又はワックスエステル若しくはその構造類似体は、当該技術分野で既知の任意の従来のプロセスによって生成され得る。一実施形態において、FAHFA又はその構造類似体は、以下の実施例に記載される方法によって、又は例えば、Bland,H.,C.ら(2019,Langmuir,Vol.35,3545-3552)、Viitaja,T.ら(2021,J.Org.Chem.,86,4965-4976)、又はHancock,S.,E.,(2018,J.Lipid Res.,59,1510-1518)において以前報告された方法によって、合成されるか、又は合成されている。一実施形態において、ワックスエステル又はその構造類似体は、以下の実施例に記載される方法又は典型的なエステル化プロトコルによって合成されるか、又は合成されている。
【0140】
組成物の治療的及び非治療的使用
本発明は、水の蒸発を防止する非治療的方法に関する。本発明によれば、組成物は、蒸発から保護されるべき表面上、又は蒸発から保護されるべき材料に適用され得る。水の蒸発から保護されるべき好適な表面には、水貯蔵所、人工湖、貯水、水道、運河、及び給水池が含まれるが、これらに限定されない。蒸発から保護されるべき好適な材料には、膜及びフィルターが含まれるが、これらに限定されない。組成物を表面上又は材料に適用するための量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0141】
また、本発明は、薬剤としての使用のための、ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全の治療における使用のための、又は眼の不快感の軽減における使用のための、本発明の組成物に関する。本発明は、水の蒸発を防止又は遅延させる治療的方法、並びにドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減する方法に更に関する。
【0142】
本明細書で使用される場合、「ドライアイ疾患」は、ドライアイを有する状態を指す。当該状態は、涙が眼に十分な潤滑を提供することができない場合に生じ得る。例えば、十分な量の涙が産生されない場合、又は産生された涙が質の低いものである場合、ドライアイが生じる場合がある。一実施形態において、ドライアイ疾患は、アレルギー性結膜炎、感染性角結膜炎、又は感染性角結膜炎後のアレルギー性結膜炎から選択され得る。本明細書で使用される場合、「マイボーム腺機能不全」とは、マイボーム腺が涙に十分な油分を分泌しない状態、又はそれらが分泌する油分が質の低いのものである状態を指す。本明細書で使用される場合、「眼の不快感」は、眼に安楽が欠如している状態、例えば、一方又は両方の眼に以下のうちの1つ以上が存在する状態を指す:刺すような痛み、刺激、痛み(soreness)、乾燥、かゆみ、かさかさ(scratchiness)、うずき、痛み(pain)、重さ、圧痛、疲労感、光感受性、風に対する感受性、分泌物、流涙、散水、排出、粘液、痂皮形成、熱、暖かさ、冷たさ、赤み、ヒリヒリ感、まばたき。
【0143】
本発明によれば、組成物は、蒸発から保護されるべき表面上に適用され得るか、又は対象の眼の表面など、それを必要とする対象に投与され得る。
【0144】
組成物の治療的投与のための量及びレジメンは、眼疾患又は障害を治療する臨床分野の当業者によって容易に決定され得る。概して、本発明の組成物の投薬量は、年齢、性別、他の可能な治療、問題の障害、及び症状の重症度などの複数の要因に応じて変化する。組成物の治療有効量は、当該技術分野で認識されている用量漸増及び用量反応アッセイを使用して経験的に決定され得る。本発明の組成物は、例えば、0.001~0.5mlの用量で投与され得る。例えば、点眼剤の使用は、当業者に周知であり、様々な投薬量の指示が利用可能である。療法の進行又は患者の副作用を監視することは、最適な投薬レジメンのための追加のガイダンスを提供することができる。
【0145】
本発明の一実施形態において、対象は、ヒト、小児、青年、又は成人である。また、ペット、家畜、又は生産動物などの任意の動物又は哺乳動物が、本発明の対象であり得る。対象は、ドライアイ疾患及び/又はマイボーム腺機能不全の治療若しくは予防、又は眼の不快感の軽減を必要とする。
【0146】
本明細書で使用される場合、「治療」又は「治療すること」という用語は、完全な治癒だけでなく、問題の障害に関連する障害又は症状の改善、遅延、又は軽減を含む目的のために、組成物を対象に投与することを指す。組成物の治療有効量は、ドライアイ疾患、マイボーム腺機能不全、又は眼の不快感などの障害の有害な影響が最小限でも改善される量を指す。有害な影響には、ドライアイ、眼の刺激、眼の赤み、眼の分泌物、容易に疲労した眼、及びぼやけた視界などの視覚障害が含まれ得るが、これらに限定されない。治療有効量は、有害な影響の少なくとも一部を低減、遅延、又は停止するのに有効な量を含み得る。本発明の組成物の効果は、短期的又は長期的な効果のいずれかであり得る。
【0147】
対象を本発明の治療に好適であると分類する前に、臨床医は、例えば、対象の任意の症状を研究するか、又は任意の疾患マーカーをアッセイし得る。正常から逸脱した結果に基づいて、臨床医は、対象に対する本発明の治療を提案してもよい。一実施形態において、本発明の組成物が投与されるべき対象は、ドライアイ疾患及び/又はマイボーム腺機能不全と診断されている。
【0148】
任意の従来の方法が、対象への組成物の投与のために使用され得る。投与経路は、組成物の製剤又は形態、障害、患者、及び他の因子に依存する。本発明の一実施形態において、組成物は、眼の表面(眼球上)に、結膜に、結膜嚢に、又は眼瞼を介して投与される。
【0149】
所望の投薬量は、所望の結果を得るために、好適な間隔で1つ以上の用量で投与され得る。本発明の組成物の1回のみの投与で、治療効果を有し得るが、本発明の特定の実施形態は、治療期間中に数回の投与を必要とする。一実施形態において、組成物は、治療期間中に1回又は数回投与される(ものである)。例えば、投与は、例えば、治療期間中、1日に1~10回又は1~5回(1~2回など)行われ得る。治療期間の長さは異なる場合があり、例えば、1週間~12ヶ月、1~10年、又は更にそれ以上続く場合がある。
【0150】
本発明の組成物は、ドライアイ疾患及び/又はマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減するために、単独で、又は1つ以上の他の組成物若しくは治療剤などの薬剤とともに使用され得る。本発明の組成物及び当該他の組成物(複数可)又は薬剤(複数可)の投与は、同時、別個、又は連続的であり得る。本発明の組成物の投与は、手術などの他の形態の療法と組み合わせられ得、いずれかの単独のものよりもより効果的であり得る。一実施形態において、本発明の組成物は、唯一の治療活性剤として利用される。
【0151】
ドライアイ疾患及び/又はマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減するための本発明の有効性は、ラット又はウサギを使用してインビボドライアイモデルで試験され得る。ドライアイ疾患状態は、例えば、塩化ベンザルコニウムでの処置によって最初に誘導され得、次いで、本発明に記載される製剤が、単回又は複数回の用量で投与され得、涙液分解時間を分析すること、並びに効果の徹底的な生物学的顕微鏡的評価を行い、続いてバイタル染色を行うことによって、DEDの進行は監視され得る。実験終了時に、眼が採取され得、免疫組織化学分析によって炎症マーカーは判定され得る。
【0152】
水貯蔵所及び人工湖からの水の蒸発を遅延させるための本発明の有効性は、以下のセクション1.2に記載されている技術を使用するか、又は熱、雨、及び風センサを備えたカスタマイズされた水容器で現場実験を行うことによって、試験され得る。
【0153】
本発明の任意の方法又は使用は、インビボ、エクスビボ、又はインビトロのいずれかで実行され得る。
【0154】
技術が進歩するにつれて、本発明の概念は様々な方法で実施することができることは当業者には明らかであろう。本発明及びその実施形態は、以下に記載される実施例に限定されず、特許請求の範囲内で変化し得る。
【0155】
本発明の更なる特定の実施形態は、以下の付番された段落に定義される。
【0156】
段落1.ヒドロキシ脂肪酸の脂肪酸エステル(FAHFA)又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の組み合わせを含む、組成物。
【0157】
段落2.FAHFA又はその構造類似体と、ワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、の組み合わせからなる、段落1に記載の組成物。
【0158】
段落3.前記組成物が、医薬組成物である、段落1又は段落2のいずれか1つに記載の組成物。
【0159】
段落4.組成物の蒸発抵抗が、1s/cm超、2s/cm超、又は3s/cm超、5s/cm超、9s/cm超、10s/cm超、13s/cm超、15s/cm超、20s/cm超、25s/cm超、又は30s/cm超である、段落1~3のいずれか1つに記載の組成物。
【0160】
段落5.1つ以上のFAHFA又はその構造類似体の炭素鎖長が、C15~C100、C19~C72、C20~C55、C20~C50、C20~C40、C20~C35、C20~C25、C25~C45、C25~C40、C25~C35又はC25~C30であり、任意選択的に、炭素鎖長が、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、C50、C51、C52、C53、C54又はC55である、段落1~4のいずれか1つに記載の組成物。
【0161】
段落6.FAHFA又はその構造類似体が、以下の式(I)を有し、
【化3】
式中、
R
1は、炭素原子、酸素原子又は窒素原子であり、
R
2は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体であり、
R
3は、カルボキシル、ヒドロキシル、アミン、ホスフェート又はシリルエーテルであり、
R
4は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体である、段落1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【0162】
段落7.1つ以上のFAHFAが、O-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪酸(OAHFA)を含むか又はそれからなる群から選択される、段落1~6のいずれか1つに記載の組成物。
【0163】
段落8.1つ以上のFAHFA及び/又はOAHFAが、オレイン酸系脂肪酸エステル、パルミトレイン酸系脂肪酸エステル、ミリストレイン酸系脂肪酸エステル、ラウリン酸系脂肪酸エステル、パウリン酸系脂肪酸エステル、ゴンド酸系脂肪酸エステル、エルカ酸系脂肪酸エステル、ネルボン酸系脂肪酸エステル、リノール酸系脂肪酸エステル、及びリノレン酸系脂肪酸エステルを含むか若しくはそれらからなる群から選択され、並びに/又は1つ以上のFAHFAの構造類似体が、オレイン酸系アルコール、パルミトレイン酸系アルコール、ミリストレイン酸系アルコール、ラウリン酸系アルコール、パウリン酸系アルコール、ゴンド酸系アルコール、エルカ酸系アルコール、ネルボン酸系アルコール、リノール酸系アルコール、及びリノレン酸系アルコールを含むか若しくはそれらからなる群から選択される、段落1~7のいずれか1つに記載の組成物。
【0164】
段落9.FAHFAのうちの1つ以上が、12-OAHFA(12-(オレオイルオキシ)ドデカン酸)、15-OAHFA(15-(オレオイルオキシ)ペンタデカン酸)、20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、22-OAHFA(22-(オレオイルオキシ)ドコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び 29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)を含むか又はそれらからなる群から選択される、段落1~8のいずれか1つに記載の組成物。
【0165】
段落10.1つ以上のワックスエステル又はその構造類似体の炭素鎖長が、C15~C100、C19~C72、C20~C55、C20~C50、C20~C40、C20~C35、C20~C25、C25~C45、C25~C40、C25~C35又はC25~C30であり、任意選択的に、炭素鎖長が、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、C50、C51、C52、C53、C54又はC55である、段落1~9のいずれか1つに記載の組成物。
【0166】
段落11.ワックスエステル又はその構造類似体が、以下の式(II)を有し、
【化4】
式中、
R
1は、炭素原子、酸素原子又は窒素原子であり、
R
2は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体であり、
R
3は、直鎖状又は分岐状C9~C50アルキル、アルケニル若しくはアルキニル鎖、又はそれらの構造類似体である、段落1~10のいずれか1つに記載の組成物。
【0167】
段落12.1つ以上のワックスエステルが、n-オレイン酸系エステル、イソ分岐状アルキルオレエート、アンテイソ分岐状アルキルオレエート、パルミトレイン酸系エステル、イソ分岐状アルキルパルミトレート、アンテイソ分岐状アルキルパルミトレート、ミリストレイン酸系エステル、イソ分岐状アルキルミリストレート、アンテイソ分岐状アルキルミリストレート、ラウリン酸系エステル、イソ分岐状アルキルラウレート、アンテイソ分岐状アルキルラウレート、パウリン酸系エステル、イソ分岐状アルキルパウリネート、アンテイソ分岐状アルキルパウリネート、ゴンド酸系エステル、イソ分岐状アルキルゴンドエート、アンテイソ系アルキルゴンドエート、エルカ酸系エステル、イソ分岐状アルキルエルシエート、アンテイソ分岐状アルキルエルシエート、ネルボン酸系エステル、イソ分岐状アルキルネルボネート、アンテイソ分岐状ネルボネート、リノール酸系エステル、イソ分岐状アルキルリノレート、アンテイソ分岐状アルキルリノレート、リノレン酸系エステル、イソ分岐状アルキルリノレネート、及びアンテイソ分岐状アルキルリノレネートを含むか又はそれらからなる群から選択される、段落1~11のいずれか1つに記載の組成物。
【0168】
段落13.1つ以上のワックスエステルが、パルミチルオレエート、ステアリルオレエート、アラキジルオレエート(AO)、ベヘニルオレエート(BO)、リグノセリルオレエート、ヘキソコサニルオレエート、24-メチルペンタコサニルオレエート、パルミチルパルミトレート、ステアリルパルミトレート、アラキジルパルミトレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルパルミトレート、24-メチルペンタコサニルパルミトレート、パルミチルリノレート、ステアリルリノレート、アラキジルリノレート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレート、24-メチルペンタコサニルリノレート、パルミチルリノレネート、ステアリルリノレネート、アラキジルリノレネート、ベヘニルパルミトレート、リグノセリルリノレネート、及び24-メチルペンタコサニルリノレネートを含むか又はそれらからなる群から選択される、段落1~12のいずれか1つに記載の組成物。
【0169】
段落14.1つ以上のワックスエステル若しくはその構造類似体が、生理学的条件で液体状態にあり、及び/又は1つ以上のワックスエステル若しくはその構造類似体が、生理学的条件で固体状態にある、段落1~13のいずれか1つに記載の組成物。
【0170】
段落15.1つ以上のFAHFA及び/又はその構造類似体の、1つ以上のワックスエステル及び/又はその構造類似体に対するモル比が、1:1以下、約1:1~1:100、又は1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9又は1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90である、段落1~14のいずれか1つに記載の組成物。
【0171】
段落16.1つ以上のFAHFA及び/又はその構造類似体の、1つ以上のワックスエステル又はその構造類似体に対するモル比が、1:1超、約100:1~1:1、約3:2~5:1、又は90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、又は2:1である、段落1~15のいずれか1つに記載の組成物。
【0172】
段落17.1つ以上の添加剤が、溶媒、希釈剤、担体、緩衝剤、賦形剤、アジュバント、担体媒体、防腐剤、充填剤、安定剤、増粘剤、乳化剤、崩壊剤、潤滑剤、及び結合剤、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、段落1~16のいずれか1つに記載の組成物。
【0173】
段落18.1つ以上の医薬的に許容される賦形剤が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、ポリソルベート80、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、カルボマー980、ヒアルロン酸ナトリウム、及びデキストランからなる群から選択される、眼科的に許容される賦形剤である、段落17に記載の組成物。
【0174】
段落19.組成物が、少なくとも0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%のFAHFA、その構造類似体、並びに/又はワックスエステル及び/若しくはその構造類似体を含む、段落1~18のいずれか1つに記載の組成物。
【0175】
段落20.組成物が、液体、半固体、若しくは固体の形態であるか、組成物が、溶液、エマルジョン、懸濁液、スプレー、粉末、錠剤、ペレット、若しくはカプセルの形態であるか、又は組成物が、水中油型エマルジョンである、段落1~19のいずれか1つに記載の組成物。
【0176】
段落21.薬剤としての使用のための、段落1~20のいずれか1つに記載の組成物。
【0177】
段落22.ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全の治療における使用のため、又は眼の不快感の軽減における使用のための、段落1~20のいずれか1つに記載の組成物。
【0178】
段落23.段落1~20のいずれか1つに記載の組成物を調製する方法であって、方法が、1つ以上のFAHFA又はその構造類似体と、1つ以上のワックスエステル又はその構造類似体と、任意選択的に、1つ以上の添加剤と、を組み合わせるか、又は混合することを含む、方法。
【0179】
段落24.方法が、FAHFA若しくはその構造類似体をワックスエステル若しくはその構造類似体と混合する前に、FAHFA若しくはその構造類似体を調製若しくは合成すること、及び/又はワックスエステル若しくはその構造類似体をFAHFA若しくはその構造類似体と混合する前に、ワックスエステル若しくはその構造類似体を調製若しくは合成することを更に含む、段落23に記載の方法。
【0180】
段落25.水の蒸発を防止する非治療的又は治療的方法であって、方法が、蒸発から保護されるべき表面上、又は蒸発から保護されるべき材料に、段落1~20のいずれか1つに記載の組成物を適用することを含む、方法。
【0181】
段落26.水の蒸発を防止するための、段落1~20のいずれか1つに記載の組成物の使用。
【0182】
段落27.ドライアイ疾患及び/若しくはマイボーム腺機能不全を治療するか、又は眼の不快感を軽減する方法であって、方法が、段落1~20のいずれか1つに記載の組成物を、それを必要とする対象の眼の表面に投与することを含む、方法。
【実施例】
【0183】
1.材料及び方法
1.1 脂質の合成
全ての試薬を、商業供給源から購入した。乾燥溶媒が必要とされた場合、乾燥溶媒を、使用前に、VAC真空溶媒精製システムによって精製した。水分感受性又は空気感受性試薬を含有する全ての反応を、アルゴン雰囲気下で行った。加熱を必要とする全ての反応を、油浴を使用して実施した。薄層クロマトグラフィー(TLC)を、シリカゲル60F254(Merck)で予めコーティングされたアルミニウムシート上で実施した。フラッシュクロマトグラフィーを、シリカゲル40を使用して行った。点を、UVで可視化し、続いて1:4のH2SO4/MeOH溶液を噴霧し、加熱した。HRMSを、正モードで動作するESI(エレクトロスプレーイオン化)を備えるBruker Micro Q-TOFを使用して記録した。NMRスペクトルを、500.13MHz(1H)又は499.82MHz(1H)、125.68MHz(13C)及び202.40MHz(31P)で動作するBruker Avance III NMR分光計を用いて記録した。全ての生成物を、1D(1H、13C、及び31P)及び2D技術(DQF-COSY、TOCSY、Ed-HSQC、及びHMBC)と、機器メーカーによって提供されるパルス配列との組み合わせによって特徴付けた。別段明記されない限り、プローブ温度を25℃に保った。化学シフトは、内部標準としてTMS(テトラメチルシラン)又は残留クロロホルムを使用して、δスケール(ppm)で表される。融点分析は、可能な場合は、Buechi B-545融点計(BUECHI Labortechnik AG)を使用して実施された。
【0184】
1.1.1 FAHFAの合成
ここで、FAHFAの合成は、以下のオレイン酸誘導体の合成によって例示される:20-OAHFA(20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸)、20:1-OAHFA((12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸)、及び29:1-OAHFA((21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸)。構造類似体の実質的なライブラリも同様に調製されている。
【0185】
他のFAHFAは、適切な試薬及び反応条件を使用して、市販の出発物質又は従来の合成手順によって入手可能な出発物質から、標準的な技術に従って、本明細書に記載されているものに類似したプロセス及び/又は従来の合成手順によって調製され得る。これに関して、当業者は、とりわけ、“Comprehensive Organic Synthesis”by B.M.Trost and I.Fleming,Pergamon Press,1991、“Comprehensive Organic Functional Group Transformations”by A.R.Katritzky,O.Meth-Cohn and C.W.Rees,Pergamon Press,1995、及び/又は“Comprehensive Organic Transformations”by R.C.Larock,Wiley-VCH,1999及び”March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,”,by Michael B.Smith,John Wiley and Sons Ltd,Eighth Ed.,2020を参照し得る。
【0186】
実施例1.20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸の合成。
20-ヒドロキシイコシルオレエート。オレイン酸(1.2当量)、NaHSO4・H2O(3.5mol%)、及び1,20-エイコサンジオール(0.12g、3.8mmol、1当量)を丸底フラスコに添加した。撹拌混合物を、真空下、油浴で100℃に加熱した。2.5時間後、反応物を室温にし、CHCl3(20ml)で希釈し、飽和NaHCO3(15ml)で洗浄した。有機層を合わせ、ブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン 1:3)によって精製し、濃縮し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.10g、収率48%)。融点59℃。1H NMR(500.13MHz;CDCl3):δ5.38~5.30(m、2H)、4.05(t、2H)、3.66~3.62(m、2H)、2.29(t、2H)、2.03~1.99(m、4H)、1.63~1.54(m、5H)、1.33~1.25(m、50H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz;CDCl3):δ174.2、130.2、129.9、64.6、63.3、34.6、33.0、32.1~27.3、26.1、25.9、25.2、22.8、22.2、14.3ppm。HRMS m/z:[M+H]+ C38H75O3についての計算値597.5716、実測値597.5713。
【0187】
20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸。アルゴン雰囲気下で、THF(15ml)、アセトン(15ml)、及びEtOAc(7.5ml)中の20-ヒドロキシエイコシルオレエート(0.4026g、1当量)の溶液を、0℃に冷却し、Jones試薬(0.770ml、2.2当量)を滴加した。反応混合物を、1時間撹拌し、2-プロパノール(8ml)でクエンチし、セライトのパッドを通して濾過した。次いで、セライトをEt2O(80ml)で洗浄し、収集した濾液をブライン(2×80ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン:AcOH 5:95:0.1)を使用して精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.345g、収率84%)融点62℃。1H NMR(500.13MHz;CDCl3):δ5.38~5.30(m、2H)、4.06(t、2H)、2.35(t、2H)、2.29(t、2H)、2.03~1.99(m、4H)、1.67~1.55(m、6H)、1.30~1.25(m、49H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz;CDCl3):δ177.1、174.2、130.2、129.9、64.6、34.6、33.7~27.3、26.1、25.2、24.9、22.8及び14.3ppm。HRMS m/z:[M+K]+ C38H72O4Kについての計算値631.5068、実測値631.5005。
【0188】
実施例2.(12Z)-20-(オレオイルオキシ)エイコス-12-エン酸。
12-ブロモ-1-ドデカノール。シクロヘキサン(26ml)中の1,12-ドデカンジオール(2g、1当量)を含有する溶液に、HBr(26ml、24当量、H2O中48%溶液)を添加し、二相性系を18時間還流させた。次いで、反応混合物を、室温まで冷却し、有機層を分離した。水相を、CH2Cl2(5×25ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaHCO3水溶液(5×25ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 7:3)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(2g、収率77%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ3.64(t、2H)、3.41(t、2H)、1.85(tt、2H)、1.56(tt、2H)、1.42(tt、2H)及び1.38~1.22(m、14H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ63.2、34.2、33.0、29.7~28.9、28.3及び25.9ppm。HRMS(EI)m/zのC12H25BrONa[M+Na]+についての計算値287.0989、実測値287.1001。
【0189】
12-ブロモ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシドデカン。脱水CH2Cl2(3ml)中の12-ブロモ-1-ドデカノール(0.500g、1.2当量)を含有する溶液に、イミダゾール(0.215g、2当量)を添加した。反応混合物をアルゴン雰囲気下で撹拌し、完全溶解後、TBDSMCl(0.238g、1当量)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、冷飽和NaHCO3水溶液(20ml)に注ぎ、CH2Cl2(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相を、H2O(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗油状物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 97:3)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、無色の濃厚油状物として表題化合物を得た(0.564g、収率94%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ3.60(t、2H)、3.40(t、2H)、1.85(tt、2H)、1.50(tt、2H)、1.42(tt、2H)、1.35~1.22(m、14H)、0.89(s、9H)及び0.04(s、6H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ63.5、34.1、33.0、29.8~28.9、28.3、26.1、26.0、18.5及び-5.1ppm。HRMS(EI)m/zのC18H39BrOSiNa[M+Na]+についての計算値401.1854、実測値401.1852。
【0190】
1-tert-ブチルジメチルシリルオキシドデカン、トリフェニルホスホニウムブロミド。12-ブロモ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシドデカン(2.0g、1当量)及びPPh3(1.39g、1当量)を含有する混合物を、アルゴン雰囲気下、120℃で一晩撹拌し、室温に冷却した。31P NMR分析によりトリフェニルホスホニウムブロミド塩の形成が確認され、濃厚な樹脂状生成物を後続のWittig反応にそのまま使用した。31P NMR(202.4MHz、CDCl3):δ24.4ppm。
【0191】
8-ブロモ-1-オクタナール。8-ブロモ-1-オクタノール(1.01g、1当量)をCH2Cl2(80ml)に溶解し、PCC(1.563g、1.5当量)を添加した。反応混合物を、室温で3時間撹拌し、次いで、Et2O(80ml)を添加し、続いて、セライトを通して濾過を行い、PCCの残留物を除去した。フラスコをEt2O(2×80ml)で洗浄し、合わせた濾液を濃縮前にセライトを通して濾過した。H2O(50ml)及びEt2O(50ml)を、この残渣に添加した。薄緑色の有機相を分離し、水相をCH2Cl2(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を、H2O(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、油状物として表題化合物を得た(収率84%)。粗生成物は、後続のWittig反応にそのまま使用した。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ9.74(t、1H)、3.38(t、2H)、2.41(dt、2H)、1.83(tt、2H)、1.61(tt、2H)、1.42(tt、2H)及び1.35~1.29(m、4H)ppm。
【0192】
(12Z)-20-ブロモ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エン。脱水THF(30ml)及びHMPA(8.9ml)中の1-tert-ブチルジメチルシリルオキシドデカン、トリフェニルホスホニウムブロミド(3.164g、2当量)を含む溶液を、アルゴン雰囲気下で-78℃に冷却した。10分後、NaHMDS(8.2ml、トルエン中0.6M、2当量)をゆっくりと添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。脱水THF(8ml)に溶解した、新たに調製した8-ブロモ-1-オクタナール(0.536g、1.05当量)の溶液を、-78℃でゆっくりと添加し、反応混合物を、24時間にわたって室温に温めた後、リン酸緩衝水溶液(新たに調製した、pH=7.2、80ml)でクエンチした。次いで、Et2O(3×80ml)での抽出を実施し、合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:Et3N 100:0.1→ヘキサン:EtOAc:Et3N 399:1:0.1→98.7:1.3:0.1)によって精製し、更に真空ラインで乾燥させて、濃厚な黄色がかった油状物として表題化合物を得た(0.427g、収率34%)。1H NMR(499.82MHz、CDCl3):δ5.35(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、3.60(t、2H)、3.40(t、2H)、2.02(ddt、2H)、2.01(ddt、2H)、1.85(tt、2H)、1.50(tt、2H)、1.43(tt、2H)、1.38~1.22(m、22H)、0.89(s、9H)及び0.05(s、6H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ130.3、129.9、63.5、34.2、33.1、33.0、29.9~28.8、28.3、27.4~27.3、26.2、26.0、18.6及び-5.1ppm。HRMS(EI)m/zのC26H53BrOSiNa[M+Na]+についての計算値511.2949、実測値511.2995。
【0193】
(12Z)-20-アセトキシ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エン。DMSO(12ml)中に2(0.265g、1当量)を含有する溶液に、KOAc(0.266g、5当量)を添加し、懸濁液を室温で一晩撹拌した。24時間後、追加のKOAc(0.159g、3当量)を添加し、温度を50℃に上昇させた。27時間後、反応混合物を室温にし、H2O(25ml)を添加した。Et2O(3×25ml)での抽出を実施し、合わせた有機相を、ブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:Et3N 98:2:0.1→95.5:0.1)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、黄色がかった油状物として表題化合物を得た(0.169g、収率66%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.35(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、4.05(t、2H)、3.59(t、2H)、2.04(s、3H)、2.01(ddt、2H)、2.00(ddt、2H)、1.62(tt、2H)、1.50(tt、2H)、1.39~1.22(m、24H)、0.89(s、9H)及び0.04(s、6H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ171.4、130.2、129.9、64.8、63.5、33.1、29.9~29.3、28.8、27.4~27.3、26.2、26.0、21.2、18.6及び-5.1ppm。HRMS(EI)m/zのC28H56O3SiNa[M+Na]+についての計算値491.3899、実測値491.3879。
【0194】
(12Z)-20-ヒドロキシ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エン。MeOH(1ml)及びTHF(0.5ml)中の(12Z)-20-アセトキシ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エン(0.022g、1当量)を含有する溶液に、アルゴン雰囲気下で、NaOMe(0.003g、1当量)を添加し、得られた混合物を室温で撹拌した。22時間後、反応物をHCl水溶液(10%溶液、v/v、3滴)及びH2O(15ml)の添加でクエンチした。得られた混合物を、Et2O(3×15ml)で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。真空下で乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.015g、収率78%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.34(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、3.64(t、2H)、3.59(t、2H)、2.01(ddt、2H)、2.00(ddt、2H)、1.57(tt、2H)、1.50(tt、2H)、1.40~1.22(m、24H)、0.89(s、9H)及び0.04(s、6H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ130.2、129.9、63.5、63.3、33.0、32.9、29.9~29.4、27.4~27.3、26.1、26.0~25.9、18.6及び-5.1ppm。HRMS(EI)m/zのC26H54O2SiNa[M+Na]+についての計算値449.3793、実測値449.3832。
【0195】
(12Z)-20-オレオイルオキシ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エン。脱水CH2Cl2(2ml)中の3(0.040g、1当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下で、DMAP(0.012g、1当量)及びEDC・HCl(0.046g、2.5当量)を添加し、得られた混合物を氷浴上で0℃に冷却した。オレイン酸(0.032gを0.5mlの脱水CH2Cl2に溶解した、1.2当量)を添加し、反応混合物を0℃で10分間、次いで、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、20時間後にH2O(2ml)でクエンチし、CH2Cl2(10ml)で希釈した。有機相を分離し、水相をCH2Cl2(2×10ml)で抽出した。合わせた有機相を、H2O(2×15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:Et3N 95:5:0.1)によって精製し、真空下で乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.061g、収率93%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.35(dtt、1H)、5.35(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、4.05(t、2H)、3.60(t、2H)、2.29(t、2H)、2.06~1.96(m、8H)、1.62(tt、2H)、1.61(tt、2H)、1.50(tt、2H,)、1.37~1.23(m、44H)、0.89(s、9H)、0.88(t、3H)及び0.05(s、6H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ174.1、130.2~129.9、64.5、63.5、34.5、33.0、32.1、29.9~29.3、28.8、27.4~27.3、26.1、26.0、25.2、22.8、18.6、14.3及び-5.1ppm。HRMS(EI)m/zのC46H83O3SiNa[M+Na]+についての計算値713.6246、実測値713.6214。
【0196】
(12Z)-20-オレオイルオキシエイコス-12-エノール。アルゴン雰囲気下で、脱水THF(0.5ml)中の(12Z)-20-オレオイルオキシ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エン(0.031g、1当量)を含有する溶液を、氷浴中で0℃に冷却し、TBAF(0.140ml、THF中1M、3当量)を添加した。5分後、氷浴を除去し、反応混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで、H2O(2ml)でクエンチし、EtOAc(3ml)で抽出した。有機相を、H2O(2×5ml)で洗浄し、水相をEtOAc(2×5ml)で再抽出した。合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:Et3N 7:3:0.1)によって精製し、真空下で乾燥させて、表題化合物の白色の固体を得た(0.023g、収率92%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.35(dtt、1H)、5.35(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、4.05(t、2H)、3.64(t、2H)、2.29(t、2H)、2.06~1.96(m、8H)、1.62(tt、2H)、1.61(tt、2H)、1.56(tt、2H)、1.37~1.23(m、44H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ174.2、130.2~129.9、64.5、63.2、34.5、33.0、32.1、29.9~29.3、28.8、27.4~27.3、26.0~25.9、25.2、22.8及び14.3。HRMS(EI)m/zのC38H72O3Na[M+Na]+についての計算値599.5381、実測値599.5342。
【0197】
(12Z)-20-オレオイルオキシエイコス-12-エン酸。アセトン(2ml)及びEtOAc(2ml)中の4(0.026g、1当量)を含有する溶液を、氷浴上で0℃に冷却し、Jones試薬(0.050ml、2.2当量)を添加した。得られた混合物を0℃で45分間撹拌した。H2O(5ml)を添加し、次いで、反応混合物をEt2O(3×15ml)で抽出した。合わせた有機相を、ブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(溶出液として(ヘキサン:EtOAc:AcOH 7:3:0.1))によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.024g、収率89%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.35(dtt、1H)、5.35(dtt、1H)、5.34(dtt、1H,)、5.34(dtt、1H)、4.05(t、2H)、2.34(t、2H)、2.29(t、2H)、2.06~1.96(m、8H)、1.63(tt、2H)、1.61(tt、2H)、1.61(tt、2H)、1.37~1.23(m、42H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ179.6、174.2、130.1~129.9、64.6、34.5、34.4、32.0、29.9~29.3、28.8、27.4~27.3、26.1、25.2、24.9、22.8及び14.3。HRMS(EI)m/zのC38H70O4Na[M+Na]+についての計算値613.5174、実測値613.5175。融点:29.5~30.7℃。
【0198】
実施例3.(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸。
1,20-エイコサンジオール。150mlのTHF中のエイコサンジオ酸(0.5101g、1当量)を含有する溶液を、氷浴上で0℃に冷却した。LAH(0.3419g、6.05当量)を少しずつ添加し、混合物を室温にした。反応混合物を、85℃に加熱し、18時間撹拌した。反応物を、氷浴で0℃まで冷却し、ロシェル塩(40ml)を含有する飽和水溶液を添加した。得られた混合物を、1時間撹拌し、セライトパッドを通して濾過した。濾液をDCM(8×30ml)で抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、白色の固体として表題化合物を得た(0.405g、収率87%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ3.64(t、4H、J=6.1Hz)、1.56(q、4H)及び1.38~1.15(m、32H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ63.5、33.2、30.0~29.8及び26.1ppm。HRMS(EI)m/zのC20H42O2Na[M+Na]+についての計算値337.3083、実測値337.3152。
【0199】
20-ブロモエイコサン-1-オール。1,20-エイコサンジオール(0.66g、1当量)、シクロヘキサン(24ml)、及びHBr(9ml、水中48%)を含有する混合物を、82℃で5時間加熱した。反応物をH2O(20ml)でクエンチし、層を分離した。水層を、CH2Cl2(4×20ml)で抽出した。合わせた有機層を、NaHCO3の飽和水溶液(30ml)及びH2O(30ml)で洗浄した。有機相を、分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.42g、収率52%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ3.64(t、2H、J=6.1Hz)、3.40(t、2H、J=6.9Hz)、1.85(m、2H)、1.56(m、2H)及び1.38~1.15(m、32H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ63.5、34.4、33.2、31.9、30.0~28.8、28.5及び26.1ppm。HRMS(EI)m/zのC20H41OBrNa[M+Na]+についての計算値399.2233、実測値399.2185。
【0200】
20-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-エイコサノール。CH2Cl2(20ml)中の20-ブロモエイコサン-1-オール(0.23g、1当量)を含有する溶液に、PPTS(0.03g、0.13当量)及びDHP(0.1ml、2.15当量)を添加した。得られた混合物を、室温で23時間撹拌した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 9:1)によって濃縮精製した後、白色の固体として表題化合物を得た(0.27g、収率97%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ4.57(t、1H)、3.87(m、1H)、3.72(m、1H)、3.50(m、1H)、3.40(t、2H、J=6.89Hz)、3.38(m、1H)、1.84(m、3H)、1.71(m、1H)、1.41(m、2H)1.58(m、4H)及び1.38~1.15(m、32H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ98.8、67.7、62.3、34.0、32.8、30.8、29.8~28.2、26.2、25.5及び19.7ppm。HRMS(EI)m/zのC25H49OBrNa[M+Na]+についての計算値483.2814、実測値483.2736。
【0201】
1-O-tert-ブチルジメチルシリル-ノン-8-イン。CH2Cl2(20ml)中のノン-8-イン-オール(0.5g、1当量)及びイミダゾール(0.567g、2.25当量)を含む溶液を、氷浴中で0℃に冷却した後、TBDMSCl(1.0g、1.8当量)を添加した。混合物を、室温にし、18時間撹拌した。20mlのNH4Clの氷冷飽和水溶液に反応混合物を注ぐことによって反応をクエンチした。水層を分離し、CH2Cl2(4×30ml)で抽出した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン 9:1)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、無色の液体として表題化合物を得た(0.70g、収率78%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ3.58(t、2H、J=6.6Hz)、2.18(dt、2H)、1.93(t、1H、J=2.7Hz)、1.51(m、4H)、1.40(m、2H)、1.31(m、4H)、0.89(s、9H)及び0.05(s、6H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):84.7、68.0、63.2、32.8、28.9、28.7、28.4、26.0、25.7、18.4及び-5.3ppm。HRMS(EI)m/zのC15H30OSi[M+Na]+についての計算値277.1866、実測値277.1924。
【0202】
29-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ノナコス-8-イン-1-オール。THF(3ml)及びHMPA(1ml)中の1-O-tert-ブチルジメチルシリル-ノン-8-イン-1-オール(0.236g、2.53当量)の溶液を、EtOAc/N2浴を使用して-78℃に冷却した。この溶液に、BuLi(0.25ml、2.39当量、THF中2.5M)を滴加し、温度を-40℃に上昇させ、2時間維持した。次いで、反応混合物を、-78℃に冷却し、THF(3ml)中の20-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-エイコサノール(1当量)の溶液を滴加した。得られた混合物を室温にし、TBAI(0.013g、1mol%)を添加し、温度を80℃に上げた。反応物を、NH4Cl(20ml)の飽和水溶液に注ぐことによって、20時間後にクエンチした。水層を、分離し、EtOAc(6×20ml)で抽出した。合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をTHF(10ml)中に溶解し、溶液を、氷浴中で0℃まで冷却した。TBAF(2.5ml、6.83当量、THF中1M)を添加し、反応混合物を室温にし、1時間撹拌した。反応物をH2O(20ml)でクエンチし、水層をCH2Cl2(5×20ml)で抽出した。合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 9:1→4:1)によって精製し、生成物を含有する画分を収集し、濃縮し、真空ライン上で乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.099g、収率52%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ4.57(m、1H)、3.87(m、1H)、3.72(m、1H)、3.64(m、1H)、3.50(m、1H)、3.38(m、1H)、2.13(m、4H)、1.83(m、1H)、1.71(m、1H)及び1.62~1.25(m、51H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):98.8、67.7、63.0、62.3、32.8、30.8~28.8、26.2、25.6、25.5、19.7、18.8及び18.7ppm。HRMS(EI)m/zのC34H64O3Na[M+Na]+についての計算値543.4753、実測値543.4648。
【0203】
(8Z)-29-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ノナコス-8-エン-1-オール。29-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ノナコス-8-イン-1-オール(0.049g、1.0当量)を脱水ベンゼン(15ml)に溶解し、リンドラー触媒(0.025g)及びキノリン(0.11g、9.0当量)を添加した。得られた混合物を反応器内に配置し、空気をH2雰囲気(1気圧)に置き換えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。水素ガスを除去し、反応混合物を、セライトのパッドを通して濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 4:1)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.044g、収率89%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.34(m、2H)、4.57(m、1H)、4.05(t、2H)、3.87(m、1H)、3.72(m、1H)、3.49(m、1H)、3.38(m、1H)、2.28(t、2H)、2.01(m、8H)、1.83(m、1H)、1.71(m、1H)、1.62~1.25(51H)及び0.88(t、3H)ppm。HRMS(EI)m/zのC34H66O3Na[M+Na]+についての計算値545.4910、実測値545.4994。
【0204】
(8Z)-29-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ノナコス-8-エン-1-イルオレエート。(8Z)-29-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ノナコス-8-エン-1-オール(0.044g、1当量)をCH2Cl2(2ml)に溶解し、DMAP(0.012g、1.16当量)及びEDC・HCl(0.037g、2.32当量)を反応混合物に添加し、続いて氷浴上で冷却した。CH2Cl2(2ml)中のオレイン酸(0.055g、2.34当量)を、反応混合物に滴加し、それを、その後室温にし、22時間撹拌した。反応物を、H2O(20ml)の添加によってクエンチし、水層を、単離し、DCM(7×10ml)で抽出した。合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 98:2→1:1)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.050g、収率76%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.34(m、4H)、4.57(dt、1H)、4.05(t、2H、J=6.8Hz)、3.87(m、1H)、3.78(m、1H)、3.49(m、1H)、3.38(m、1H)、2.28(t、2H、J=7.5Hz)、2.01(m、8H)、1.62~1.55(6H)、1.38~1.20(m、62H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ174.0、130.0、129.7、98.8、67.7、64.4、62.3、34.4、31.9、30.8~27.2、26.2、25.9、25.5、25.0、22.7、19.7及び14.1ppm。HRMS(EI)m/zのC52H98O4Na[M+Na]+についての計算値809.7139、実測値809.7246。
【0205】
(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン-1-オール。(8Z)-29-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ノナコス-8-エン-1-イルオレエート(0.050g、1当量)を、MeOH:THF 3:1(4ml)に溶解し、得られた混合物を氷浴上に冷却し、CSA(0.003g、0.23当量)を添加した。反応混合物を、室温にし、18時間撹拌した。反応物をH2O(20ml)の添加によってクエンチし、水層をCH2Cl2(4×20ml)で抽出した。合わせた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 9:1)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.032g、収率72%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.34(m、4H)、4.05(t、2H)、3.64(q、2H)、2.28(2H)、2.05~1.96(m、8H)、1.62~1.55(m、6H)、1.38~1.20(m、62H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ174.2、130.2、130.2、130.0、129.9、64.6、63.3、34.6、33.0、32.1、30.0~29.3、28.9、27.4、27.4、26.1、25.9、25.2及び14.3ppm。HRMS(EI)m/zのC48H90O3Na[M+H]+についての計算値703.6968、実測値703.7028。融点:48.7~49.7℃。
【0206】
(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸。アセトン:EtOAc 1:1(4ml)中の(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン-1-オールを含有する溶液に、Jones試薬(0.05ml、2M)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。反応物を、イソプロパノール(1ml)でクエンチし、セライトで濾過した。EtOAcで注意深く洗浄した後、合わせた有機層を、ブライン(2×30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 9:1)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.02g、収率61%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.34(m、4H)、4.05(t、2H)、2.35(t、2H)、2.29(t、2H)、2.05~1.96(m、8H)、1.67~1.57(m、6H)、1.38~1.20(m、62H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ177.4、174.4、130.2、130.0、129.9、60.6、34.6、33.7、32.1、30.0~29.3、28.8、27.4、27.3、26.1、25.2、24.9、22.9及び14.3ppm。HRMS(EI)m/zのC47H88O4Na[M+Na]+についての計算値739.6581実測値739.6803。融点:53.0~54.0℃。
【0207】
18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA、18-OAHFA)
オレイン酸(1.29g、4.6mmol、0.93当量)、NaHSO4・H2O(0.024g、3.5mol%)及び1,18-オクタデカンジオール(1.40g、4.9mmol、1当量)を丸底フラスコ(100ml)に添加した。撹拌された混合物を、真空下、油浴で100℃に加熱した。2時間後、反応物を室温にし、CHCl3(50ml)で希釈し、飽和NaHCO3(2×50ml)で洗浄した。水相をCHCl3(2×50ml)で再抽出し、有機層を合わせ、ブライン(80ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 19:1→4:1)によって精製し、濃縮し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として18-ヒドロキシオクタデシルオレエートを得た(1.21g、収率45%)。融点 51.9~53.0℃。1H NMR(499.82MHz、CDCl3、25℃):δ5.39~5.30(m、2H)、4.05(t、2H)、3.66~3.60(m、2H)、2.28(t、2H)、2.04~1.97(m、4H)、1.66~1.52(m、6H)、1.38~1.21(m、48H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz;CDCl3):δ174.1、130.1、129.9、64.6、63.3、34.6、33.0、32.1、29.9~29.3、28.8、27.4、27.3、26.1、25.9、25.2、22.8、14.3ppm。
【0208】
THF(15ml)、アセトン(15ml)及びEtOAc(7.5ml)中の18-ヒドロキシオクタデシルオレエート(0.7426g、1.4mmol、1当量)の溶液を、アルゴン雰囲気下で、0℃に冷却し、Jones試薬(1.51ml、3.0mmol、2.3当量)を滴加した。反応混合物を、1.5時間撹拌し、2-プロパノール(10ml)でクエンチし、セライトのパッドを通して濾過した。次いで、セライトをEt2O(100ml)で洗浄し、収集した濾液をブライン(2×100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:AcOH 19:1:0.01→7:3:0.01)を使用して精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.582g、収率78%)。融点 55.8~56.7℃。1H NMR(499.82MHz、CDCl3、25℃):δ5.39~5.29(m、2H)、4.05(t、2H)、2.34(t、2H)、2.29(t、2H)、2.06~1.97(m、4H)、1.67~1.56(m、6H)、1.37~1.21(m、46H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz;CDCl3):δ179.5、174.2、130.1、130.0、64.6、34.6、34.1、32.1、29.9~29.2、28.8、27.4、27.3、26.1、25.2、24.8、22.8及び14.3ppm。HRMS m/zのC36H68O4Na[M+Na]+についての計算値587.5015、実測値587.5030。
【0209】
更なるFAHFA
以下のFAHFAはまた、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸(実施例1)について記載されているものと同様の合成プロセスに従って調製された。
12-(リノレオイルオキシ)ドデカン酸、
20-(リノレオイルオキシ)エイコサン酸、
12-(パルミトレオイルオキシ)ドデカン酸、
20-(パルミトレオイルオキシ)エイコサン酸、
12-(パルミトイルオキシ)ドデカン酸、
20-(パルミトイルオキシ)エイコサン酸
12-(ステアロイルオキシ)ドデカン酸、及び
20-(ステアロイルオキシ)エイコサン酸。
【0210】
上記FAHFAの特性評価データを以下の表に提供する。
【表1-1】
【表1-2】
【0211】
1.1.2 ワックスエステルの合成
ベヘニルオレエート、アラキジルオレエートなどの多数のワックスエステルが市販されており、本発明において使用され得る。ここで、非市販のワックスエステルの合成は、以下のオレイン酸誘導体:ヘキソコサニルオレエート及び24-メチルペンタコサニルオレエートの合成によって例示される。構造類似体の実質的なライブラリも同様に調製されている。
【0212】
他のワックスエステルが、適切な試薬及び反応条件を使用して、利用可能な出発物質又は従来の合成手順によって入手可能な出発物質から、標準的な技術に従って、本明細書に記載されているものに類似したプロセス及び/又は従来の合成手順によって調製され得る。具体的には、そのような化合物は、対応するカルボン酸及びアルコールのフィッシャーエステル化、及び/又は標準的な反応条件下で、対応する酸塩化物又は酸無水物と対応するアルコールとの反応によって調製され得る。そのようなカルボン酸、酸塩化物、酸無水物、及びアルコールは、市販されている場合がある、又は当業者に既知の従来の合成手順に従って調製されてもよい。これに関して、当業者は、とりわけ、“Comprehensive Organic Synthesis”by B.M.Trost and I.Fleming,Pergamon Press,1991、“Comprehensive Organic Functional Group Transformations”by A.R.Katritzky,O.Meth-Cohn and C.W.Rees,Pergamon Press,1995、及び/又は“Comprehensive Organic Transformations”by R.C.Larock,Wiley-VCH,1999及び”March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,”,by Michael B.Smith,John Wiley and Sons Ltd,Eighth Ed.,2020を参照し得る。
【0213】
実施例4.ヘキサコシルオレエート。
ヘキサコシルオレエート。脱水CH2Cl2(2.5ml)及びピリジン(1ml)中の市販の1-ヘキサコサノール(0.03g、1当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下で、DMAP(0.01g、1当量)及びEDC・HCl(0.0380g、2.5当量)を添加した。オレイン酸(0.5mlの脱水CH2Cl2中、0.027g、1.2当量)を滴加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、18.5時間後にH2O(5ml)でクエンチし、CH2Cl2(10ml)で希釈した。有機相を分離し、水層をCH2Cl2(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層を、H2O(2×20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 95:5)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色のワックス状固体として表題化合物を得た(0.047g、収率93%)。融点 47.0~49.0℃。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.35(dtt、1H)、5.33(dtt、1H)、4.05(t、2H)、2.29(t、2H)、2.01(ddt、2H)、2.00(ddt、2H)、1.62(tt、2H)、1.60(tt、2H)、1.38~1.19(m、66H)、0.88(t、3H)及び0.88(t、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ174.1、130.1、129.9、64.5、39.2、34.6、32.1~32.0、29.9~29.7、29.5~29.4、29.3~29.2、28.8、27.4~27.3、26.1、25.2、22.8及び14.3ppm。HRMS(EI)m/zのC44H86O2Na[M+Na]+についての計算値669.6528、実測値669.6693。
【0214】
実施例5.24-メチルペンタコシルオレエート。
1-(2-テトラヒドロピラニルオキシ)-24-メチルペンタコス-20-イン。脱水THF(4ml)及びHMPA(1.5ml)中の4-メチル-1-ペンチン(0.65ml、5当量)を含む溶液を、アルゴン雰囲気下で、-78℃に冷却した。n-BuLi(2.2ml、ヘキサン中2.5M、5当量)をゆっくりと添加し、得られた混合物を、-40℃で2時間撹拌した。次いで、温度を再び-78℃に下げ、脱水THF(5ml)に溶解した20-ブロモ-1-(2-テトラヒドロピラニルオキシ)エイコサン(0.500g、1当量)の溶液をゆっくりと添加し、反応混合物を室温に温めた。TBAI(0.040g、0.1当量)を添加し、反応混合物を、室温で10分間撹拌し、次いで、80℃で一晩還流した。次いで、反応混合物を、NH4Cl(20ml)の飽和溶液でクエンチし、Et2O(5×20ml)で抽出した。合わせた有機相を、H2O(2×20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 98:2→90:10)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、黄色がかった固体として表題化合物を得た(0.445g、収率89%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ4.57(t、1H)、3.92~3.83(m、1H)、3.77~3.68(m、1H)、3.55~3.46(m、1H)、3.42~3.33(m、1H)、2.19~2.11(m、2H)、2.07~2.01(m、2H)、1.88~1.67(m、3H)、1.64~1.43(m、8H)、1.42~1.33(m、4H)、1.32~1.17(m、28H)、0.96(d、3H)及び0.96(d、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ98.9、81.3、79.2、67.9、62.5、30.9、29.9~29.0、28.5、28.2、26.4、25.7、22.1、19.9及び18.9ppm。HRMS(EI)m/zのC31H58O2Na[M+Na]+についての計算値485.4337、実測値485.4325。
【0215】
1-ヒドロキシ-24-メチルペンタコス-20-イン。脱水THF/MeOH(6ml、1:3比)中の1-(2-テトラヒドロピラニルオキシ)-24-メチルペンタコス-20-イン(0.153g、1当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下でCSA(0.008g、0.1当量)を添加し、得られた反応混合物を、室温で一晩撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 100:0→4:1)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.118g、収率95%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ3.64(t、2H)、2.17~2.12(m、2H)、2.06~2.00(m、2H)、1.81~1.70(m、1H)、1.57(tt、2H)、1.48(tt、2H)、1.41~1.20(m、32H)、0.96(d、3H)及び0.96(d、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ81.3、79.2、63.3、32.9、29.8~29.0、28.5、28.2、25.9、22.1及び18.9ppm。HRMS(EI)m/zのC26H50ONa[M+Na]+についての計算値401.3762、実測値401.3760。
【0216】
1-ヒドロキシ-24-メチルペンタコサン。脱水EtOAc(15ml)中の1-ヒドロキシ-24-メチルペンタコス-20-イン(0.110g、1.0当量)の溶液に、Pd/C(10%Pd、0.220g、2質量当量)を添加した。反応混合物を、H2圧力(6bar)下でオートクレーブ中で4時間撹拌し、セライトを通して濾過した。セライトをEtOAc(20ml)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、精製し(ヘキサン:EtOAc 4:1)、真空ラインで乾燥させて、白色の固体として表題化合物を得た(0.093g、収率84%)。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ3.64(t、2H)、1.56(tt、2H)、1.53~1.47(m、1H)、1.39~1.18(m、40H)、1.15(q、2H)、0.86(d、3H)及び0.86(d、3H)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ63.3、39.2、32.9、30.1、29.9~29.6、28.1、27.6、25.9及び22.8ppm。HRMS(EI)m/zのC26H54ONa[M+Na]+についての計算値405.4075、実測値405.4028。
【0217】
24-メチルペンタコシルオレエート。脱水CH2Cl2(2.5ml)及び脱水ピリジン(1ml)中の1-ヒドロキシ-24-メチルペンタコサン(0.035g、1当量)の溶液に、アルゴン雰囲気下で、DMAP(0.012g、1当量)及びEDC・HCl(0.044g、2.5当量)を添加した。オレイン酸(0.5mlの脱水CH2Cl2中、0.031g、1.2当量)を滴加した。得られた混合物を、室温で一晩。反応混合物を、18時間後にH2O(10ml)でクエンチし、CH2Cl2(10ml)で希釈した。有機相を分離し、水層をCH2Cl2(4×10ml)で抽出した。合わせた有機層を、H2O(2×15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 95:5)によって精製し、真空ラインで乾燥させて、白色のワックス状固体として表題化合物を得た(0.057g、収率96%)。融点 36.0~37.5℃。1H NMR(500.13MHz、CDCl3):δ5.36(dtt、1H)、5.34(dtt、1H)、4.05(t、2H)、2.29(t、2H)、2.01(ddt、2H)、2.00(ddt、2H)、1.62(tt、2H)、1.60(tt、2H)、1.56~1.47(m、1H)、1.38~1.19(m、60H)、1.15(q、2H)、0.88(t、3H、オーバーラップ)、0.86(d、3H、オーバーラップ)及び0.86(d、3H、オーバーラップ)ppm。13C NMR(125.68MHz、CDCl3):δ174.1、130.1、129.9、64.6、39.2、34.6、32.1、30.1、29.9~29.3、28.8、28.1、27.6、27.4~27.3、26.1、25.2、22.8及び14.3ppm。HRMS(EI)m/zのC44H87O2[M+H]+についての計算値647.6708、実測値647.6725。
【0218】
1.2 FAHFA及びワックスエステルを含む脂質組成物の表面組織及び蒸発抵抗の特性評価
1.2.1 脂質組成物の材料及び調製
脂質種を上記のように合成するか、又は市販の供給源(例えば、Nu-Check-Prep、Elysian、MN)から得て、最初はそれら自体で研究した。特定の比率で選択された化合物を秤量し、クロロホルム中で更に希釈して、選択された濃度を得ることによって、広範な脂質混合物を調製した。2mM濃度の対応する混合物を、表面電位及び圧力測定に使用し、5mM濃度を本明細書で論じられる蒸発抵抗測定に使用した。
【0219】
実施例6a.アラキジルオレエート(AO)又はベヘニルオレエート(BO)と、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸(20-OAHFA)とを含有する混合物。
20-OAHFAと、AO又はBOのいずれかとからなるいくつかの混合物を上記の方法によって調製した。本明細書では、1:1、1:3、1:6、1:9のモル比を有する4つの異なる20-OAHFA:AOの混合物、及び3:1、2:1、1:1、1:2 1:3、1:9のモル比を有する6つの異なる20-OAHFA:BO混合物に焦点を当てる。
【0220】
実施例6b 18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA)及びベヘニルオレエート(BO)、18:0/18:1-OAHFA及びベヘニルベヘノエート(BB)、18:0/18:1-OAHFA及びアラキジルラウレート(AL)、並びに(29:1/18:1-OAHFA)及びBOの混合物
18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA)及びベヘニルオレエート(BO)、18:0/18:1-OAHFA及びベヘニルベヘノエート(BB)、18:0/18:1-OAHFA及びアラキジルラウレート(AL)、並びに(29:1/18:1-OAHFA)及びBOの1:1混合物を、上記の方法を使用して調製し、クロロホルム中の各混合物の5mMの溶液を、本明細書に記載の蒸発抵抗測定に使用した。
【0221】
1.2.2 製剤の調製
製剤は、FAHFA又はその構造類似体、及びワックスエステル又はその構造類似体を、乳化剤などの適切な添加剤と混合して、安定したエマルジョンを作製することによって調製した。
【0222】
実施例7.20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸(20-OAHFA)及びベヘニルオレエート(BO)を含有する製剤。
0.25重量%の20-OAHFA、0.75重量%のBO、0.8%w/vのMiglyol812、2%w/vのTween20、0.5%w/vのKolliphor(登録商標)EL、0.7%w/vのSpan80、2.2%w/vのグリセリン、及び98.2%w/vの超純水を含有する製剤を、76℃で混合することによって調製した。
【0223】
1.2.3 表面圧、ブリュースター角顕微鏡、及び表面電位
クロロホルムに溶解した脂質混合物又は製剤を、KSVミニトラウ(Helsinki,Finland)又はPBS緩衝液で満たされたKSV大トラフのいずれかの空気緩衝剤界面上に拡散した。クロロホルムを3分間蒸発させた後、測定を開始した。表面圧は、Wilhelmyプレートを使用して測定し、表面電位は、KSV表面電位センサ(Espoo,Finland)を用いて測定し、ブリュースター角度顕微鏡画像は、KSV NIMAマイクロBAM(Espoo,Finland)機器を使用して取得した。膜を5又は10mm/分の一定の速度で圧縮し、サブ相温度を35±1℃に保った。望ましくない酸化を防ぐために、オゾンなし雰囲気下にてアクリルボックス内で測定を実施した。オゾンなし雰囲気は、乾燥空気を筐体内で76l/分の速度でODS-3Pオゾン破壊ユニット(Ozone solutions、Hull,Iowa)に通過させることによって生成された。
【0224】
1.2.4 蒸発抵抗
蒸発抵抗は、測定方法及び測定条件とは独立して、水性表面の上部上又は上に存在する脂質膜の特性である。それは、r=Δc/Jとして定義され、式中、Δcは、蒸発を駆動する水蒸気濃度差であり、Jは、J=(dn/dt)/Aとして定義される下の水相からの蒸発流束であり、nは、蒸発する水の量であり、tは、時間であり、Aは、表面の面積である。脂質膜の蒸発抵抗は、例えば、脂質層がない水性表面からの蒸発流束Jw、及び脂質膜が存在する水性表面からの蒸発流束Jfを測定することによって決定され得る。脂質膜なしでの総蒸発抵抗rwは、水性表面を覆う空気層中の拡散及び対流などの様々な構成要素で構成され、これは測定設定に依存する。脂質膜が存在する場合の総蒸発抵抗、rfは、脂質膜によって引き起こされる追加の抵抗項rmを有するこれらの同じ構成要素を含有する:rf=rw+rm。脂質膜蒸発抵抗は、測定量の関数として、rm=Δc(1/Jf-1/Jw)として表すことができる。
【0225】
本実施例において、Langmuirらによって最初に開発された方法(Langmuir,I. and Schaefer,V.,J.1943,J.Franklin Inst.,Vol.235,119-162)に従って決定されたが、ただし、ある特定の改変を伴った(Bland et al.,Langmuir,2019,35,3545-3552(Supp.Info.)を参照)。
【0226】
測定は、膜を2~40Å2/分子の範囲の特定の(平均分子面積)Mmaに圧縮し、水性表面の上に約2mmの水透過性膜を備えた調整された乾燥剤カートリッジを配置することによって実施された。市販のシリカゲルを含有する乾燥剤カートリッジ(SP Industries、Warminster,PA)を、膜をMillipore Immobilon-P PVDF膜(450nm孔径、Bedford,MA)に置き換えることによって改変した。乾燥剤カートリッジを5分間、位置に固定し、吸収された水の質量を、重量測定技術によって決定した。筐体内の乾燥空気から吸収された水分を考慮するために、封入されたアクリルボックス内で並行して第2のバックグラウンド測定を実施した。したがって、結果は、水性表面からの水分蒸発の正確な表現である。
【0227】
2.結果
2.1 化学合成
合成全体を通して、生成物を、クロマトグラフィー技術によって精製し、広範なNMR分光技術(例えば、1H、13C、31P、DQF-COSY、Ed-HSQC、TOCSY、及びHMBC)及び高分解能質量分析によって詳細に特性評価され、それによってそれらの構造的同一性及び純度を確保した。我々の徹底した構造特性評価の流れは、Journal of Organic Chemistry(Viitaja,T.et.al.2021,J.Org.Chem.86,4965-4976)で最近強調されており、したがって、これらの態様については本文書では更に述べることはしない。
【0228】
異なる複雑さのFAHFA類似体の合成のための3つの別個の経路は、文献プロトコルから開発及び/又は改変されている(例えば、Bland et.al.Langmuir 2019,35,9,3545-3552、Viitaja et.al.J.Org.Chem.2021,86,4965-4976、Hancock et.al.J.Lipid Res.2018,59,1510-1518、及び本明細書の参考文献などを参照されたい)。オレイン酸誘導体は、TFLL FAHFAにおいて最も豊富なアシル鎖であるため、このセクション全体で説明されているが、リノール酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸を含む異なるアシル鎖を有する誘導体も同様に調製されている。
【0229】
第1の経路は、スキーム1に提示され、非複合体FAHFA類似体の合成のために開発されている。この経路によって、FAHFA類似体の合成は、わずか2つの合成ステップで完了し得る。出発物質の鎖長及び飽和度を調整することができ、エステル化は、広範なカルボン酸で実施され得る。経路は、20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸の合成によって例示されるが、多数の構造類似体も同様に調製されている。
【0230】
1,20-エイコサンジオールを、触媒として触媒量の硫酸水素ナトリウムを用いて、オレイン酸(1.2当量)とのフィッシャーエステル化に供した。無希釈反応条件を用い、真空下、高温で反応を実施した。この戦略は、徹底的な保護脱保護反応の必要性を排除し(Marshall,D.,L.,et.al.2016,Rapid Commun.Mass Spectrom.,30,2351-2359)及び20-ヒドロキシイコシルオレエートを、カラムクロマトグラフィー後に48%の収率で単離し得る。構造類似体について観察された収率は、全て30~50%の範囲にあった。対応するFAHFA、すなわち20-(オレオイルオキシ)エイコサン酸の合成は、標準的なJones酸化プロトコルを用いることによって達成された(Balas,L.et.al.,2016,Org.Biomol.Chem.,14,9012-9020)。抽出及びカラム精製後に得られた単離収率は、この特定の反応並びに実施された他の全てにおいて優れていた(70%定量)。
【0231】
【化5】
スキーム1.FAHFAへの合成経路1の概要。i)オレイン酸(1.2当量)、対応するジオール(1当量)、NaHSO
4・H
2O(3.5mol%)、100℃、0.3mbar、2.5時間、収率40~50%。ii)Jones試薬(2.2当量)、アセトン又はアセトン:EtOAc:THF混合物、0℃又は室温、0.5~2時間、収率70~96%。
【0232】
オレイン酸は、好適な脂肪酸の例としてスキーム1に示されており、TFLL中で最も豊富なアシル鎖である。任意の好適な脂肪酸も、この合成経路に使用され得る。代替的な脂肪酸には、特に、リノール酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が含まれる。
【0233】
複雑性が増大するTFLL脂質の大きなライブラリへのアクセスを提供するために、スキーム2に示される第2の合成経路を開発した。この戦略は、2つの異なる断片:トリフェニルホスホニウムイリド及びアルデヒドを有するZ-選択的Wittigオレフィン化反応を特徴とするブロックアプローチの使用に基づく。この戦略は、アルケンの部位、炭化水素鎖の長さ、及び存在する修飾部位/官能基などを調整するための可能性を提供する。加えて、様々なカルボン酸が、シュテークリヒ(Steglich)型エステル化反応において使用され得、したがって、同様にこの断片の構造的特徴を変化させるための十分な可能性も提供する。ここで、この合成経路は、(12Z)-20-オレオイルオキシエイコス-12-エン酸の合成によって例示される(Viitaja,T.,et.al.2021,J.Org.Chem.,86,4965-4976)。
【0234】
【化6】
スキーム2.FAHFAへの合成経路2の概要。i)1)48%のHBr水溶液、シクロヘキサン、還流、18時間、77%、2)イミダゾール、TBDMSCl、CH
2Cl
2、室温、一晩、94%、ii)1)PPh
3、無希釈、120℃、17時間、定量、2)NaHMDS、脱水THF、HMPA -78℃、1時間、8-ブロモ-オクタナール(又は他の臭素化アルデヒド)、-78℃、室温、24時間、34%、iii)1)KOAc、DMSO、50℃、27時間、66%、2)NaOMe、THF:MeOH(1:2)、22時間、室温、78%、iv)1)オレイン酸、DMAP、EDC・HCl、CH
2Cl
2、室温、一晩、93%、v)1)TBAF、THF、1時間、室温、92%、2)Jones試薬、アセトン:EtOAc(1:1)、0℃、45分、89%。
【0235】
反応は、収率77%で1,12-ドデカンジオールの一臭素化に成功して開始した(Greaves,J.et.al.2017,PNAS,114,E1365-E1374)。遊離ヒドロキシル基を、Cateniらのプロトコルに従って、収率94%でTBDMS-エーテルとして保護した(Cateni,F.et.al.2007,Helv.Chim.Acta.,90,282-290)。この生成物を、無希釈反応条件下で、120℃で、1当量のPPh3と反応させて、対応するトリフェニルホスホニウムブロミド塩を得た。Wittigオレフィン化反応に必要な第2の断片、すなわち一臭素化アルデヒドを、PCCでの8-ブロモ-1-オクタノールの選択的酸化によって得た。これらの粗生成物の両方を、真空ラインで慎重に乾燥させ、改変された文献の手順に従って、後続のZ-選択的Wittig反応に直接使用した(Primdahl,K.G.et.al.,2015,Org.Biomol.Chem.,13,5412-5417)。これにより、(12Z)-20-ブロモ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エンを収率34%で得た。ヒドロキシル基による臭化物の直接置換は困難であることが判明し、以前に報告されたプロトコルに基づいて2ステップのプロトコルが考案された(Lee,J.H.,et.al.2008,KoreanChem.Soc.,29,2491-2495)。臭化物をアセテートアニオンで、収率66%で置換し、得られた化合物をZemplen条件下で脱アセチルして、(12Z)-20-ヒドロキシ-1-tert-ブチルジメチルシリルオキシエイコス-12-エンを収率77%で得た。オレイン酸を用いたシュテークリヒ型エステル化反応は、アシル鎖を設置するためのスムーズなプロトコルであることが見出された。一時的なシリル保護基を、この段階で3当量のTBAFで優れた収率で脱保護し、一級アルコールを酸化して、代表的なFAHFA(12Z)-20-オレオイルオキシエイコス-12-エン酸を収率89%で得た。
【0236】
TFLL FAHFAの追加の構造類似体へのアクセスを提供するために、スキーム3に示される第3の合成経路を開発した。この戦略は、アセチリドアニオンと一臭素化出発物質とのカップリングを特徴とするブロックアプローチの使用に基づいており、2つの異なる断片、すなわち末端アルキンを含有する潜在的に官能化された炭化水素鎖、及びハロゲン化アルキルを含有する潜在的に官能化された炭化水素鎖を必要とする。この合成戦略は、アルキンの取得、アルキンのE又はZ-アルケンのいずれかへの選択的還元、アルキン/アルケンの部位、炭化水素鎖の長さ、及び存在する修飾部位/官能基などを調整するための可能性を提供する。加えて、様々なカルボン酸が、シュテークリヒ型エステル化反応において使用され得、したがって、同様にこの断片の構造的特徴を変化させるための十分な可能性も提供する。ここで、この合成経路は、(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸の合成によって例示される。
【0237】
【化7】
スキーム3.FAHFAへの合成経路3の概要。i)1)48%のHBr水溶液、シクロヘキサン、82℃、5時間、52%、2)DHP、PPTS、CH
2Cl
2、室温、23時間、97%、ii)1)1-O-tert-ブチルジメチルシリル-ノン-8-イン-1-オール(又は類似体化合物)、HMPA、THF、-78℃、2)BuLi、2時間、-40℃、3)一臭素化化合物、-78℃、4)TBAI、室温、5)80℃、20時間、iii)1)TBAF、THF、室温、1時間、52%(2ステップにわたって)、2)リンドラー触媒、キノリン、ベンゼン、H
2(1気圧)、室温、1時間、89%、iv)オレイン酸、DMAP、EDC・HCl、CH
2Cl
2、室温、22時間、76%、v)1)CSA、MeOH/THF、室温、18時間、72%、2)Jones試薬、アセトン/EtOAc、室温、1時間、61%。上記のように一臭素化を行ったが、しかしながら、1,20-エイコサンジオールを出発物質として使用した場合、収率の顕著な低下が観察された(77%から52%)。次いで、遊離ヒドロキシル基を、標準的な反応プロトコルを使用して、収率97%でTHP-エーテルとして保護した。これは、想定される鎖伸長反応(アセチリドアニオンと一級アルキルハライドとの間のカップリング)に必要な断片のうちの1つの合成に成功したことを示した。好適なアルキンを、CH
2Cl
2中のTBDMSCl及びイミダゾールを用いて、TBDMS-エーテルとしてヒドロキシル基を保護することによって、市販のノン-8-イノールから合成した。重要なコンジュゲーションステップを以下とおりに実施した:末端アルキン(2.5当量)を最初にTHF:HMPA(3:1)に溶解し、BuLi(2.4当量)を用いて-78℃でアセチリドアニオンに変換した。次いで、THFに溶解した20-ブロモ-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-エイコサノール(1当量)を添加し、得られた混合物を室温にした。最後に、触媒量のTBAIを添加し、混合物を80℃で一晩加熱した。ワークアップ後、TBDMS-エーテルの直接脱保護をTHF中のTBAFで実施し、それによって2つのステップにわたって収率52%で29-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ノナコス-8-イン-1-オールの単離をもたらされた。アルキンを、リンドラー触媒及び過剰なキノリンを用い、ベンゼンを溶媒として用いて1気圧の水素ガス圧力を使用することによって、オートクレーブ内でZ-アルケンに選択的に還元した。この反応ステップにおいて、89%の高い収率が得られた。以前の文献報告(Hancock,S.E.et.al.2018,J.Lipid Res.,59,1510-1518)との顕著な違いは、発明者らが反応条件を最適化することができたため、(E異性体からの顕著な不純物なしで)純粋なZ-アルケンの単離をもたらしたことである。シュテークリヒ型エステル化反応を、アシル基を設置するために再度用いたが、今回は収率76%であった。次いで、THP-エーテルを、MeOH:THF(3:1)中のCSAで、収率72%で加水分解し、マスクされていないヒドロキシル基を、発明者らが確立したJones酸化プロトコルに供した。それによって、(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸は、収率61%で単離され得る。
【0238】
上記のように、複数のワックスエステルが、市販されており、意図された用途でFAHFAと組み合わせて使用され得る。しかしながら、本発明者らは、同様にTFLL特異的ワックスエステルのための合成プロトコルも開発している。発明者らの知る限り、TFLL特異的分岐状ワックスエステルは以前に合成されていない。ここでは、ワックスエステルの合成のための2つの合成経路が開発されている。第1の経路は、アルコールのアシル化に基づく短くて効率的な経路であり、第2は、更なる修飾の可能性を伴う分岐状ワックスエステルの合成を可能にするより長い経路である。合成に使用される方法は、FAHFAについて上記の方法と同様であり、構造的特徴の同様の変形は、例えば、炭化水素鎖の長さの調整、アルキン/アルケンの位置のシフト、アルケン官能基の立体化学の調整、分子構造の更なる官能化などが可能である。ここでは、合成は、1つの直鎖状ワックスエステル及び1つの分岐状ワックスエステル、すなわち、ヘキソコサニルオレエート及び24-メチルペンタコサニルオレエートの合成によって例示される(スキーム4を参照されたい)。
【0239】
【化8】
スキーム4.非商業用ワックスエステルへの合成経路の概要。i)オレイン酸、DMAP、EDC
.HCl、CH
2Cl
2、室温、一晩、93%(R=H)、ii)1)48%のHBr水溶液、シクロヘキサン、還流、6時間、50~70%、2)DHP、PPTS、CH
2Cl
2、一晩、97%、iii)1)対応するメチル分岐状アルキン、BuLi、-78℃~-40℃、2時間、2)対応する一臭素化THP-エーテル、-78℃~室温、3)TBAI、10分、一晩還流、89%、iv)1)CSA、THF:MeOH(1:3)、室温、一晩、95%、2)Pd/C(10%)、EtOAc、H
2(6bar)、4時間、83%、v)オレイン酸、DMAP、EDC
・HCl、CH
2Cl
2、室温、一晩、96%。
【0240】
ヘキソコサニルオレエートの合成は、上記のシュテークリヒ型エステル化プロトコルによって1ステップで達成された。より詳細には、商業用ヘキサコサノールをオレイン酸で、収率93%でアシル化した。
【0241】
分岐状エステルの合成は、1,20-エイコサンジオール及び一臭素化から始まり、続いてTHP保護を上記のように同様の収率で行った。この断片を、4-メチルペント-1インのアセチリドアニオンと、SN2反応でカップリングした。より詳細には、4-メチルペント-1インを、-78℃で、BuLiで脱プロトン化し、次いで、高温で20-ブロモ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-エイコサノール及びTBAIと反応させた。これにより、収率89%で炭化水素塩基が得られた。MeOH:THF 3:1中のCSAでTHPエーテルの脱保護、続く水素化による三重結合の還元により、分岐状アルコールが全収率79%で得られた。オレイン酸でのアルコールのアシル化により、酸24-メチルペンタコサニルオレエートを収率96%で得た。
【0242】
2.2 機能原理の特性評価
背景
眼表面からの蒸発を効果的に遅延させるために、TFLLは、以下の2つの基準を満たす必要がある:1)脂質は、眼が開いたときに急速に拡散し、水性涙液膜表面全体を覆う必要があり、2)脂質によって形成される膜は、それを通る水分子の通過を防止又は遅延させる凝縮構造を有する必要がある。これらの同じ2つの要件は、アプローチが、重要な涙液膜不安定性欠陥への応答を提供するか、又は人工湖及び水貯蔵所中の水を維持することを意図している場合、水の蒸発を遅延又は防止するために開発された脂質組成物によって満たされる必要がある。したがって、発明者らは、これらの2つの要因、すなわち、1)拡散挙動及び2)蒸発抵抗に対する洞察を提供すること、並びに組成物の観点から基礎となる機能原理及び要件を特性評価することに焦点を当ててきた。
【0243】
発明者らは、以前に、純粋なOAHFA及びワックスエステルの特性について報告している。より詳細には、発明者らは、生理学的温度及び低い表面圧で、純粋なOAHFA(又はO-アシル-ω-ヒドロキシ脂肪アルコールなどのそれらの構造類似体)が、水性表面上に分子が平らに横たわる単層を形成することを示した。(Bland,H.,C.,et al.2019,Langmuir,Vol.35,3545-3552、Schuett,B.,S.et al.2013,Exp Eye Res,Vol.115,57-64)表面圧が増加すると、OAHFA分子は徐々に極性頭部基(OAHFAの場合はカルボン酸)が水相を指す直立方向を採用し、エステル基は水相から離れた。(Bland,H.,C.,et al.2019,Langmuir,Vol.35,3545-3552、Schuett,B.,S.et al.2013,Exp Eye Res,Vol.115,57-64)長鎖OAHFAは更に、最大5s/cmの蒸発抵抗を伴う凝縮単層相への転移を受けた。(Bland,H.,C.,et al.2019,Langmuir,Vol.35,3545-3552)水相の温度がワックスエステルの融点に近いか又はそれ以上であった場合、ワックスエステルはまた、水性表面上に単層を形成するように拡散した。(Rantamaeki,A.,H.et al.2013,Invest Ophthalmol Vis Sci,54,5211-5217、Paananen,R.,O.et.al.2014,Langmuir,30,5897-5902、2019,J.Phys.Chem.Lett.,10,3893-3898)。低温では、ワックスエステルの拡散は観察されない。(Rantamaeki,A.,H.et al.2013,Invest Ophthalmol Vis Sci,54,5211-5217、Paananen,R.,O.et.al.2014,Langmuir,30,5897-5902、2019,J.Phys.Chem.Lett.,10,3893-3898)したがって、ワックスエステルは、蒸発に抵抗する固体膜を形成し得るが、これは、ワックスエステルの融点に近い限界温度範囲に制限される。(Rantamaeki,A.,H.et al.2013,Invest Ophthalmol Vis Sci,54,5211-5217、Paananen,R.,O.et.al.2014,Langmuir,30,5897-5902、2019,J.Phys.Chem.Lett.,10,3893-3898)。要約すると、ワックスエステルが意図された用途に適用され得る限界温度範囲は、それらの実際の使用に厳しい制約を課す。更に、ワックスエステルのみで達成される最大の蒸発抵抗は乏しく(2~3s/cm)、純粋なOAHFAに対する発明者らの研究は、これらがわずかに優れているだけ(約5s/cm)であることを示している。したがって、OAHFAもワックスエステルも、それ自体が最適な特性を示さない。
【0244】
OAHFAとワックスエステルとの混合物
OAHFAとワックスエステルとの混合物は、これまでに広く研究されていない、より複雑な表面挙動を示す。加えて、表面挙動は、利用される個々の構成要素に依存して大きく変化する。例えば、発明者らは、OAHFAとコレステリルエステルとの混合物の使用が、OAHFA単独よりも改善された特性をもたらさないことを以前に示した(Paananen et.al.Ocul.Surf.2020)。したがって、OAHFA/FAHFAとワックスエステルとの混合物は、以下の考察において更に強調されるように、この点で特有である。2つの実施例を本明細書に示し、第1の例は、20-OAHFAとAOとの混合物の使用を含む(
図1を参照されたい)。
【0245】
FAHFA/OAHFAとワックスエステルとの混合物の組織挙動は、表面圧及び表面電位等温線を測定し、ブリュースター角顕微鏡で単層構造を画像化することによって調査した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液を、眼表面のインビトロモデルとして使用し、測定を生理学的温度(35℃)で実施した。このモデルシステムを用いて、表面圧、及び多くの圧縮膨張サイクルにわたって再拡散する単層の能力の両方の観点で、眼表面に存在する状態及び眼のまばたき中に生じる変化を正確にシミュレーションすることが可能である。したがって、研究プロトコルは、意図された用途における組成物の適合性を評価するために必要な必須情報を提供する。研究プロトコルの詳細は、このテーマに関する発明者の以前の出版物に見られ得る(Paananen,Ekholm et.al.in Langmuir 2019,Ocul.Surf.2020,J.Org.Chem.2021)。
【0246】
純粋な形態では、20-OAHFA及びAOの両方は、それぞれ140Å
2/分子及び70Å
2/分子で生じる表面圧リフトオフを伴って拡散すると液体単層を形成する。平均分子面積の差は、表面における分子の異なる配向を反映する。20-OAHFAは、水性表面上に平坦に横たわり、AOは、エステル基のみが界面に向かって弱く配位する配向を採用する(Bland,H.,C.,et al.2019,Langmuir,Vol.35,3545-3552、Paananen,R.,O.et.al.2019,J.Phys.Chem.Lett.,10,3893-3898)。20-OAHFAは、表面圧プラトーから見たような直立分子配向への立体構造変化(
図1D:iv)、及び以前に報告されたような表面電位の減少を伴って、2mN/mの表面圧で固体単層への遷移を受ける(Bland,H.,C.,et al.2019,Langmuir,Vol.35,3545-3552)。対照的に、AO膜は、同様の表面圧で崩壊した。
【0247】
混合膜において、20-OAHFA及びAOは、液体単層相における理想的な混和性であり、これは表面圧リフトオフでの平均分子面積及び表面電位が、2つの構成要素の比率に直接比例したという事実によって示された(
図1A、2B)。膜を圧縮すると、AOは、BAM画像の明るい液滴(
図1C:ii)及び表面圧及び潜在的な等温線のプラトー(
図1A、2B)によって示されるように、低い表面圧(3~5mN/m)で単層の上部上で液滴として崩壊した。単層に残った20-OAHFAは、AOの存在の影響を受けずに、固体単層相(
図1C:iii)を形成し、これは、20-OAHFAの分子当たりの表面圧及び潜在的な等温線を分析することによって推定され得る(
図1A、1B)。AOの存在は、20-OAHFA:AOの混合物の蒸発抵抗に影響を与えなかった(
図2)。それは蒸発抵抗が、20-OAHFAによる固相の適応に完全に依存していることが見出され、純粋な20-OAHFAについて得られた値と一致する3-5s/cmの最大蒸発抵抗が観察されたからである。(Bland,H.,C.,et al.2019,Langmuir,Vol.35,3545-3552)。20-OAHFA:AOの混合物の蒸発抵抗は、
図2の面積/OAHFAの関数として示されている。
【0248】
したがって、20-OAHFAとAOとの混合物は、OAHFA又は構造類似体を単独で使用することに対する追加の利点を提供しない。
【0249】
次の例では、20-OAHFA及びBO混合物の特性に焦点を当てる。AOとBOとの間の唯一の構造上の違いは、アルキル鎖の長さが2炭素原子増加することであり、化学的特性の観点での唯一の逸脱は、BOのわずかに高い融点/沸点である。生物物理学的観点からは、AOは生理学的条件で液体状態であり、BOは固体状態であるため、これは相当なものである。この要因のため、純粋なBOでは水性表面上に拡散せず、代わりに固体凝集体を形成したため、再現性のある等温線を得ることができなかった。これにより、BOはこのセクションの冒頭で考察された重要な基準を満たしていないため、意図された用途にそれ単独では好適ではないことが確認される。
【0250】
とはいえ、最大50mol%のBOを含有するBO及び20-OAHFA混合物は、安定した均質な単層を形成し(
図3C:i)、適切に設計されたFAHFA/OAHFAとワックスエステルとの混合物の協働作用を示す。この場合、20-OAHFAは、BOの拡散及び低い表面圧で混和性液体単層の形成を誘導する。1:1の混合物の圧縮中に、液相から固相への転移(
図3C;ii)が生じ、約20Å
2/分子の平均分子面積で最大40mN/mの表面圧の急激な増加を伴った(
図3A)。先の実施例とは対照的に、BOは、極性脂質層の上部上で崩壊する代わりに、凝縮単層相に統合されることが見出された。より高いBO比(50mol%超)では、一定の割合のBOのみが均質な両親媒性単層に組み込まれたが、残りは、BAM画像から観察されるように、その上部上に固体凝集体を形成した(
図3C;iii)。固体凝集体は、圧縮状態でさえも保持された(
図3C;iv)。50mol%超のBOを含有する混合物において、第2のプラトーが、17~22mN/mでの表面圧等温線において明らかであり、続いて、40Å
2/OAHFAの平均分子面積で急激な増加が明らかであった(
図3A)。これにより、20-OAHFAとBOとの約1:1の混合物が界面に残ったが、BOの残りの部分は、第2のプラトー中にその上部上に固体凝集体を形成したことが証明された。同様の方法で、表面電位等温線の急激な低下は、1:1の混合物について観察された値と一致し、凝縮サブ層が、BO及び20-OAHFAの約1:1の混合物からなることを示した(
図3B)。
【0251】
20-OAHFAとBOとの混合物の迅速かつ統合的な自己組織化及び協調的な拡散挙動は興味深いものであり、これはもはや水性界面に存在する両親媒性OAHFA/FAHFA分子に厳粛に依存しないため、間違いなく単層の重要な蒸発抵抗特性に影響を与えるであろう。20-OAHFA及びBOによって形成された混合凝縮単層相の蒸発抵抗を、2つの構成要素の様々な比率についてセクション1.2.4に記載されている方法を使用して試験した。20-OAHFA単層中へのBOの統合は、純粋な20-OAHFAで観察された3~5s/cmから最大25s/cmへ蒸発抵抗を劇的に改善した(
図4)。本発明者らは、いくつかの20-OAHFA:BO混合物(本明細書に含まれる実施例3:1、2:1、3:2、1:1、1:3、1:9)の蒸発抵抗をスクリーニングした。50mol%未満のBOを含有する混合物では、達成された最大蒸発抵抗は、純粋な20-OAHFAに対してわずかに改善されたに過ぎなかった。対照的に、50mol%以上のBOを含有する混合物は、相当改善された蒸発抵抗を有し、蒸発抵抗の増加が、上記の20-OAHFA及びBOの混合単層の形成によって引き起こされることを示した。20-OAHFA:BOの混合物の蒸発抵抗は、天然TFLL(9~13s/cm)について報告された推定値よりも顕著に高かった(Iwata,S.,et al.1969,Invest Ophthalmol Vis Sci,8,613-619、Peng,C.,et al.2014,Ind Eng Cham Res,53,18130-18139)。発明者らの知る限り、これらの混合物の蒸発抵抗は、科学文献及び特許文献で以前に報告された全ての戦略を上回っている(Barnes,G.T.,2008,Agric.Water.Manage.,95,339-353)。
【0252】
18-(オレオイルオキシ)ステアリン酸(18:0/18:1-OAHFA)及びベヘニルオレエート(BO)、(18:0/18:1-OAHFA:BO1:1)、(21Z)-29-(オレオイルオキシ)ノナコス-21-エン酸(29:1/18:1-OAHFA)及びBO(29:1/18:1-OAHFA:B:O1:1)、18:0/18:1-OAHFA及びベヘニルベヘノエート(BB)、並びに18:0/18:1-OAHFA及びアラキジルラウレート(AL)の1:1の混合物の蒸発抵抗もまた、セクション1.2.4に記載の方法を使用して調査した。測定は、5~35Å
2の分子当たりの面積で行い、各混合物の蒸発抵抗をs/cmで測定した。実験の結果を、
図5に示す。
【0253】
図5から見出すことができるように、18:0/18:1-OAHFA及びBO、並びに18:0/18:1-OAHFA及びALの1:1混合物は、個々の構成要素と比較して改善された蒸発抵抗特性を示し、これらの組み合わせはまた、水性表面で密に詰め込まれた層を形成し、したがって、OAHFA及びワックスエステルの異なる組み合わせによって改善された蒸発抵抗が達成され得ることを示す。特に、これらの組み合わせの両方について、10Å
2の分子当たりの面積で非常に高い蒸発抵抗が観察された。更に高い蒸発抵抗が、分子当たりのより低い面積で観察されたが、正確な値は、利用可能な実験設定では測定可能ではなかった。しかしながら、18:0/18:1のOAHFA及びBBの1:1の混合物、並びに29:1/18:1-OAHFA及びBOの混合物は、OAHFA単独のものよりも改善された蒸発抵抗特性を示さなかった。したがって、OAHFA及びワックスエステルの両方が何であるか、及びそれらが組み合わせてどのように相互作用するかが、蒸発抵抗にとって重要であることが明らかである。更に、18:0/18:1-OAHFAは、生理学的条件下では固体であるBO、及びこれらの条件下では液体であるALと非常に蒸発抵抗の混合物を形成することが示されており、ワックスエステルの融点から効果を容易に予測することができないことを示している。同様に、18-OAHFAの融点と29:1-OAHFAの融点との間の差は、約3℃(56℃対53℃)であるが、29:1-OAHFAとBOとの組み合わせは改善された特性を示さなかったため、OAHFAの融点が、混合物の挙動における主な決定要因であるようには見えない。
【0254】
ここで、発明者らは、FAHFA/OAHFAとワックスエステルとの適切に設計された混合物が周囲条件下で、水性表面で急速に拡散し、形成された凝縮単層が顕著な蒸発抵抗を有することを示す。これらの特有な生物物理学的特性は、適切に設計されたFAHFA/OAHFA及びワックスエステル混合物単独の固有の性質に由来する。したがって、そのような混合物が、水の蒸発速度の増加が課題を示す複数の用途に適用され得ることは明らかである。適用領域は、眼表面疾患の治療から、人工湖及び貯蔵所における水の維持、並びにそれ以上にまでに及ぶ。
【0255】
3.結論
涙液膜は、2つの異なる層、すなわち水層及びTFLLからなる。TFLLが涙液膜を安定させる上で中心的な役割を有することは、広く認められている。長年にわたり、本発明者ら及び他の研究者らによる研究が積み重ねられており、TFLLが、下にある水層からの水の蒸発に対するバリアとして機能することによって涙液膜を安定させることを示唆している(Paananen,R.,O.et.al.2014,Langmuir,30,5897-5902;2019,J.Phys.Chem.Lett.,10,3893-3898;2020,Ocul.Surf.,18,545-553、Craig,J.,P.et.al.1997,Optom.Vis.Sci.,8,613-619、King-Smith,P.E.,et.al.2010,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,51,2418-2423、Dursh,T.,J.et.al.2018,Optom.Vis.Sci.,95:5)。この蒸発抵抗機能の喪失は、DED症例の大部分で眼の乾燥をもたらし、これは、炎症及び眼表面損傷を更に引き起こす場合がある。眼表面からの蒸発を効果的に遅延させるために、TFLLは、以下の2つの基準を満たす必要がある:1)脂質は、眼が開いたときに急速に拡散し、水性涙液膜表面全体を覆う必要があり、2)脂質によって形成される膜は、それを通る水分子の通過を防止又は遅延させる凝縮構造を有する必要がある。TFLLの抗蒸発特性を補充し、重要な涙液膜不安定性欠陥を標的とすることを目的としたDED治療のために、これらの同じ2つの基準が、満たされる必要がある。
【0256】
発明者らは、TFLL FAHFA及びワックスエステル、並びにそれらの構造類似体の広範なライブラリの合成のための合成プロトコルを開発した。このライブラリを使用して、本発明者らは、水性界面上での効果的な拡散と非常に高い蒸発抵抗とを組み合わせた主要脂質種の混合物、すなわち上記の2つの基準を満たす組成物を特定した。重要なことに、本発明者らの中核技術は、ほとんど可変要素のない調整された合成脂質組成物に基づいており、個々の構成要素及び広範囲の構造類似体を生成するために必要な合成ツールが確立された。発明者らは、中核技術の分子レベルの機序を実験的な生物物理学的技術でマッピングすることに努力を注いできた。
【0257】
開発プロセスの結果は、生理学的条件下で水性界面上に蒸発抵抗性バリアを形成するFAHFA及びワックスエステルの中核組成物である。本発明者らは、混合物がそれ自体の純粋な構成要素よりも優れた特性を提供することを示した。記載されている蒸発抵抗は、いかなる他の種類の化合物、混合物、又は生成物について文献に報告されている最高の蒸発抵抗値をも超える(Barnes,G.T.,2008,Agric.Water.Manage.,95,339-353)。この脂質組成物を眼表面上に投与することは、DED及び/又は眼の不快感に対する特有で、非常に有望な治療選択肢を表す。更に、生物物理学的特性は、混合物それ自体の固有の特性に由来し、周囲の環境に直接関連しないため、同様に、これらの混合物を使用して、材料及び他の環境、例えば、人工湖及び水貯蔵所からの水の蒸発を防止することができる。後者の課題は、地球規模の気候変動による増加する課題を提示している。
【国際調査報告】