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特表2024-518354共有データベースを利用する材料試験システムのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】共有データベースを利用する材料試験システムのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/40 20060101AFI20240423BHJP
   G01N 3/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G01N3/40 Z
G01N3/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566875
(86)(22)【出願日】2022-04-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022027160
(87)【国際公開番号】W WO2022232664
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/182,481
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/733,006
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ローランド シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】サンドラ ストローブ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス パッシャー
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061DA12
2G061DA20
2G061EA10
2G061EC10
(57)【要約】
例示のネットワーク化された材料試験システムは、共有データベースを記憶するデータベースシステムであって、共有データベースは材料試験手順及び材料試験結果データを記憶する、データベースシステムと、データベースシステムに通信可能に結合され、第1のタイプの材料試験を行うように構成される第1の材料試験システムと、データベースシステムに通信可能に結合され、第1のタイプの材料試験を行うように構成される第2の材料試験システムとを備え、データベースシステムは、機械可読命令を実行するように構成されるコンピューティングデバイスを備え、機械可読命令は、第1の試験プログラムに従って第1のタイプの材料試験を第1の試料に対して行うために、第1の試験プログラムを第1の材料試験システムに送信することと、第1の試験プログラムの実行に基づいて第1の材料試験システムから受信される第1の試験結果データを共有データベースに記憶することと、第2の試験プログラムに従って第1のタイプの材料試験を第2の試料に対して行うために、第2の試験プログラムを第2の材料試験システムに送信することと、第2の試験プログラムの実行に基づいて第1の材料試験システム又は第2の材料試験システムから受信される第2の試験結果データを共有データベースに記憶することと、第1の試験プログラムと、第1の試験プログラムを実行した第1の材料試験システムと、第2の試験プログラムと、第2の試験プログラムを実行した第2の材料試験システムとに基づいて1つ以上の試験報告を生成することとを、コンピューティングデバイスに行わせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有データベースを記憶するデータベースシステムであって、前記共有データベースは材料試験手順及び材料試験結果データを記憶する、データベースシステムと、
前記データベースシステムに通信可能に結合され、第1のタイプの材料試験を行うように構成される第1の材料試験システムと、
前記データベースシステムに通信可能に結合され、前記第1のタイプの材料試験を行うように構成される第2の材料試験システムと、
を備え、
前記データベースシステムは、機械可読命令を実行するように構成されるコンピューティングデバイスを備え、前記機械可読命令は、
第1の試験プログラムに従って前記第1のタイプの材料試験を第1の試料に対して行うために、前記第1の試験プログラムを前記第1の材料試験システムに送信することと、
前記第1の試験プログラムの実行に基づいて前記第1の材料試験システムから受信される第1の試験結果データを前記共有データベースに記憶することと、
第2の試験プログラムに従って前記第1のタイプの材料試験を第2の試料に対して行うために、前記第2の試験プログラムを前記第2の材料試験システムに送信することと、
前記第2の試験プログラムの実行に基づいて前記第1の材料試験システム又は前記第2の材料試験システムから受信される第2の試験結果データを前記共有データベースに記憶することと、
前記第1の試験プログラムと、前記第1の試験プログラムを実行した前記第1の材料試験システムと、前記第2の試験プログラムと、前記第2の試験プログラムを実行した前記第2の材料試験システムとに基づいて1つ以上の試験報告を生成することと、
を前記コンピューティングデバイスに行わせる、ネットワーク化された材料試験システム。
【請求項2】
前記第1のタイプの材料試験は、硬さ試験を含む、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項3】
前記第1の試験プログラム及び前記第2の試験プログラムは、マルチサンプル材料試験手順の異なる試験ステージである、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項4】
前記第1の試験プログラム及び前記第2の試験プログラムは、同じ材料試験手順の異なるインスタンスである、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項5】
前記機械可読命令は、前記第1の材料試験システムからの要求に応答して、前記コンピューティングデバイスに、前記第1の試験プログラムを前記第1の材料試験システムに送信させる、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項6】
前記第1の材料試験システム及び前記第2の材料試験システムは、通信ネットワークを介して前記データベースシステムに結合される、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項7】
前記機械可読命令は、前記コンピューティングデバイスに、前記試験報告を前記共有データベースに記憶させる、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項8】
前記機械可読命令は、前記第1の材料試験システムのステータス、前記第2の材料試験システムのステータス、前記第1の材料試験システムの試験能力、又は前記第1の材料試験システムのキューのうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンピューティングデバイスに前記第1の材料試験システムを選択させる、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項9】
前記第1の材料試験システムは、第2のタイプの材料試験を行うように更に構成される、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【請求項10】
前記第1の材料試験システム及び前記第2の材料試験システムは、前記共有データベースがローカルデータベースであるかのように前記共有データベースを利用するように構成される、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「SYSTEMS AND METHODS FOR MATERIAL TEST SYSTEMS UTILIZING SHARED DATABASES」という名称の2021年4月30日に出願された米国仮特許出願第63/182,481号の利益を主張する。米国仮特許出願第63/182,481号の全体は、引用することにより明示的に本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、測定機器に関し、より詳細には、共有データベースを利用する材料試験システムのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の手法の制限及び不利点が、そのような手法を、図面を参照して本開示の残りの部分において記載されている本方法及びシステムのいくつかの態様と比較すると、当業者には自明となるであろう。
【発明の概要】
【0004】
共有データベースを利用する材料試験システムのシステム及び方法が、図のうちの少なくとも1つによって実質的に示されるとともに図のうちの少なくとも1つに関して実質的に説明され、特許請求の範囲においてより完全に規定されるように開示される。
【0005】
これらの態様及び/又は他の態様は、添付図面に関して行う、例示的な実施形態の以下の説明から明らかになり、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の態様による、共有データベースを利用する複数の材料試験システムを有する一例示のシステムのブロック図である。
図2図1の材料試験システム及び/又は例示の共有データベースシステムを実施するために使用することができる一例示のコンピューティングシステムのブロック図である。
図3】材料試験システムに関連付けられたコンピューティングデバイスを実施して、共有データベースを使用する材料試験システムを動作させるために使用することができる例示の機械可読命令を表すフローチャートである。
図4】共有データベースに関連付けられたコンピューティングデバイスを実施し、複数の材料試験システムを使用してマルチサンプル試験手順の報告を生成するために使用することができる例示の機械可読命令を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0008】
開示されるシステム及び方法は、ネットワークを介して接続される材料試験システム等の複数の材料試験システムによって使用することができる共有データベースを提供する。
【0009】
従来、画像認識テンプレート及び試験プログラムは、このテンプレート又はプログラムが作成された材料試験デバイスにしか記憶されていない。新たなサンプル(又はバッチ)が、従来の材料試験システムを使用する複数システムの実験室に来ると、サンプルは、特定の材料試験システムが所望の試験(複数の場合もある)を進めるために利用可能になるのを待たなければならない。従来の材料試験システムは、材料試験システムが使用中であり、エラーがあり、定期的検証に合格せず、及び/又は故障していることから、新たなサンプル又はバッチに利用可能でない場合がある。
【0010】
従来のシステムとは対照的に、開示されるシステム及び方法によれば、1つの材料試験システムにおいて定義され、記憶された材料試験プログラム又は手順に対して、共有データベースシステム又は中央データベースシステムを介して、他の接続された材料試験システムによるアクセス及び/又は他の接続された材料試験システムとの共有が可能になる。共有データベースを使用すると、各試験機からのテンプレート及びプログラムは、共通の共有データベースに記憶される。その結果、新たなサンプルの試験は、特定のプログラムを有する特定の試験機を待つ必要はなくなる。代わりに、次の利用可能な試験機は、新たなサンプルを試験するのに必要なテンプレート及び/又はプログラムをロードすることができる。したがって、開示されるシステム及び方法は、ボトルネックを削減し、実験室のスループットを増加させ、及び/又は各サンプルの処理時間を削減する。
【0011】
いくつかの部品又はサンプルは、異なるタイプの機器を要する複数の材料試験を必要とする。複数の材料試験システムにおいて試験を行うことを伴うマルチサンプル試験を行う従来の材料試験システムは、報告を生成するために各材料試験システムとのインタラクションを更に必要とする。そのような個々の報告生成は、材料試験システムのスループット及び実験室の全体の生産性を更に低下させるおそれがある。対照的に、開示されるシステム及び方法は、マルチサンプル試験手順の各試験又は各サンプルからの結果を共有データベースに記憶し、共有データベースは、その後、各材料試験システム、各サンプル、及び/又は各試験からの結果を、個々の試験結果又はサンプル結果の全てを含む単一の手順又はジョブに組み合わせることができ、マルチサンプル試験手順の単一の包括的な報告を自動的に作成することができる。
【0012】
更に他の例では、製品サンプルのバッチを試験することが必要な場合がある。各サンプルが、適正なテンプレート及び/又はプログラムを有する特定の材料試験システムにおいて適切な順番を待たなければならない従来の材料試験システムとは対照的に、開示されるシステム及び方法は、同じテンプレート及びプログラムを、サンプル間又は試験システム間で競合することなく同時に使用して複数のサンプルを試験することができる。
【0013】
例示の材料試験システムは、セクショニングデバイス、マウントデバイス、グラインダー/ポリッシャー、硬さ試験機、イメージャー、及び/又は他の任意のタイプの材料試験機器及び/又は分析機器を含むことができる。
【0014】
開示される例示のネットワーク化された材料試験システムは、共有データベースを記憶するデータベースシステムであって、共有データベースは材料試験手順及び材料試験結果データを記憶する、データベースシステムと、データベースシステムに通信可能に結合され、第1のタイプの材料試験を行うように構成される第1の材料試験システムと、データベースシステムに通信可能に結合され、第1のタイプの材料試験を行うように構成される第2の材料試験システムとを備え、データベースシステムは、機械可読命令を実行するように構成されるコンピューティングデバイスを備え、機械可読命令は、第1の試験プログラムに従って第1のタイプの材料試験を第1の試料に対して行うために、第1の試験プログラムを第1の材料試験システムに送信することと、第1の試験プログラムの実行に基づいて第1の材料試験システムから受信される第1の試験結果データを共有データベースに記憶することと、第2の試験プログラムに従って第1のタイプの材料試験を第2の試料に対して行うために、第2の試験プログラムを第2の材料試験システムに送信することと、第2の試験プログラムの実行に基づいて第1の材料試験システム又は第2の材料試験システムから受信される第2の試験結果データを共有データベースに記憶することと、第1の試験プログラムと、第1の試験プログラムを実行した第1の材料試験システムと、第2の試験プログラムと、第2の試験プログラムを実行した第2の材料試験システムとに基づいて1つ以上の試験報告を生成することとをコンピューティングデバイスに行わせる。
【0015】
いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、第1のタイプの材料試験は、硬さ試験である。いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、第1の試験プログラム及び第2の試験プログラムは、マルチサンプル材料試験手順の異なる試験ステージである。いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、第1の試験プログラム及び第2の試験プログラムは、同じ材料試験手順の異なるインスタンスである。
【0016】
いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、機械可読命令は、第1の材料試験システムからの要求に応答して、コンピューティングデバイスに、第1の試験プログラムを第1の材料試験システムに送信させる。いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、第1の材料試験システム及び第2の材料試験システムは、通信ネットワークを介してデータベースシステムに結合される。
【0017】
いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、機械可読命令は、コンピューティングデバイスに、試験報告を共有データベースに記憶させる。いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、機械可読命令は、第1の材料試験システムのステータス、第2の材料試験システムのステータス、第1の材料試験システムの試験能力、又は第1の材料試験システムのキューのうちの少なくとも1つに基づいて、コンピューティングデバイスに第1の材料試験システムを選択させる。いくつかの例示のネットワーク化された材料試験システムでは、第1の材料試験システムは、第2のタイプの材料試験を行うように更に構成される。
【0018】
10.第1の材料試験システム及び第2の材料試験システムは、共有データベースがローカルデータベースであるかのように共有データベースを利用するように構成される、請求項1に記載のネットワーク化された材料試験システム。
【0019】
図1は、共有データベースを利用する複数の材料試験システム102a~102cを有する一例示のシステム100のブロック図を示している。例示のシステム100は、複数の材料試験システム102a~102cを含む。説明を目的として、例示の材料試験システム102a~102cは硬さ試験機である。ただし、任意のタイプ(複数の場合もある)又は組み合わせタイプの材料試験システム102a~102cが、同様のシステムにおいて使用されてもよい。
【0020】
例示の硬さ試験機102a~102cのそれぞれは、支持フレーム104と、試験モジュール106と、試料ステージ108とを含む。図示した例では、支持フレーム104は、試験モジュール106を支持している。試料ステージ108も、支持フレーム104に取り付けられている。試験対象のワークピース又は試料は、試験を受けるために試料ステージ108上に配置することができる。試料ステージ108は、XY方向にモーター駆動される可動式ステージとすることもできるし、及び/又は、図示したサンプル109等の複数のサンプルの自動切り替えを可能にするように制御することもできる。このために、試料ステージ108は、ステージ108をXY方向に移動させるように構成されるアクチュエータを含むことができる。
【0021】
試験モジュール106は、対物レンズユニット124と、圧子126とを含む。試験モジュール106は、カメラシステム(例えば、試験対象のワークピース又は試料の全体にわたるナビゲーションを提供し、及び/又は正確なインデント位置決めを提供するデジタルカメラ)等の要素を更に含んでもよい。対物レンズユニット124は、試料ステージ108に対して対物レンズユニット124を変更(例えば、回転)させて所望の対物レンズを位置決めすることによって複数の視野を提供する複数の対物レンズを有する。対物レンズユニット124は、ユーザーが手動で移動(例えば、回転)させることもできるし、対物レンズユニット124を操作位置に回転させ、及び/又は試料ステージ108(例えば、Z方向)に対してモジュール106を移動させるように構成されるアクチュエータが移動させることもできる。したがって、アクチュエータは、圧子126を移動させて試験対象のワークピース又は試料と接触させることと、操作中に対物レンズ及びカメラシステムをワークピース又は試料に対して接近移動及び離遠移動させることとを行うように制御することができる。
【0022】
いくつかの他の例では、所望に応じて、ステージ108及び試験モジュール106のいずれか又は双方をアクチュエータによってX方向、Y方向、及び/又はZ方向に移動させるように構成することができる。例えば、いくつかの例では、ステージ108は、Z方向に移動されるように構成される。試験モジュール106は、XY方向に移動されるように構成することができる。いくつかの例では、ステージ108は、静的なスタンドであり、アクチュエータが、試験モジュールをX方向、Y方向、及びZ方向に移動させる。任意の望ましいステージ又はスタンド、及び任意の所望のアクチュエータ(複数の場合もある)を実装して、ステージ/スタンド及び試験モジュールの互いに対する適切な位置決めを達成することができる。システムは、力センサーユニット等の硬さ試験システムに望ましい追加の構成要素も含むことができる。
【0023】
硬さ試験機102a~102c及び/又は外部コンピューティングデバイス(複数の場合もある)116は、制御回路類又はコントローラーを含む。制御回路類又はコントローラーは、硬さ試験機(又は他の材料試験システム)の制御ユニット、アクチュエータ、カメラシステム、力センサー、及び/又は他の任意の構成要素からのデータ又は制御信号を受信及び処理するとともに、これに応答して、硬さ試験システムの構成要素を制御するように動作可能な回路類(例えば、マイクロコントローラー及び非一時的機械可読記憶デバイス等のメモリ)を備える。制御回路類は、システム動作を制御するプロセッサ(複数の場合もある)及び/又は他の論理回路類を含むことができる。例示のプロセッサ(複数の場合もある)は、1つ以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1つ以上の専用マイクロプロセッサ及び/又はASIC等の1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のマイクロコントローラー、及び/又は他の任意のタイプの処理デバイス及び/又は論理デバイスを含むことができる。例えば、コントローラーは、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)を含むことができる。
【0024】
材料試験システム102a~102cは、同じ部屋若しくは実験室、同じ建物内の異なる部屋若しくは実験室、及び/又は異なる建物に配置することができる。特に、材料試験システム102a~102cは、有線接続及び/又は無線接続を介して同じネットワーク112に接続される。ネットワーク112は、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)を含むことができる。例えば、仮想プライベートネットワーク(VPN:virtual private network)又は他のトンネリングを使用して異なるLANをセキュアに結合すること等によって、複数のローカルエリアネットワークをインターネットを介して接続することができる。
【0025】
例示のシステム100は、データベースシステム114と、外部コンピューティングデバイス116とを更に含む。データベースシステム114は、共有データベース118を実装及び記憶する。以下でより詳細に論述するように、共有データベース118は、接続された材料試験システム102a~102cに提供することができ、及び/又は、それらの材料試験システムから受信することができる材料試験手順、試験プログラム、材料試験結果データ、試験画像、テンプレート、及び/又は他のデータを記憶することができる。
【0026】
データベースシステム114は、材料試験システム102a~102cからデータを受信する。いくつかの例では、材料試験システム102a~102cは、ネットワーク112を介してデータを送信することができる。付加的に又は代替的に、材料試験システム102a~102cは、データベースシステム114と直接通信することができる。データベースシステム114が材料試験システム102a~102cから収集することができる例示のデータは、材料試験システム102a~102cの識別子(例えば、名称、シリアルナンバー、ネットワークアドレス、媒体アクセス制御(MAC:media access control)アドレス等)、材料試験システム102a~102cの動作ステータス(例えば、準備完了、エラー、一時停止、動作中等)、実験室デバイスの現在の動作サイクル情報(例えば、サイクルの開始時刻、停止時刻、残り時間)、エラーコード、タイムスタンプ、デバイス接続ステータス(例えば、データベースシステム114への接続、データベースシステム114からの接続解除)、材料試験システム102a~102cによって実行される動作サイクルのパラメーター、及び/又は材料試験システム102a~102cによって実行される試験サイクルからの試験結果を含む。材料試験システム102a~102cは、材料試験システム102a~102cのうちの特定の1つにおいて生成される試験プログラム、パラメーター、及び/又は他のデータを、材料試験システム102a~102cの他のものによるその後の使用に備えて記憶することができる。
【0027】
付加的に又は代替的に、材料試験システム102a~102cは、データベースシステム114からのデータを要求し受信することができる。例えば、材料試験システム102a~102cは、サンプルの輪郭に基づいてサンプルを識別するテンプレートを要求することができる。付加的に又は代替的に、サンプル又は一部分の識別に基づいて、材料試験システム102a~102cは、パラメーター、パターン、及び/又は他の情報を含む試験プログラムを要求することができる。サンプル又は一部分に応じて、データベースシステム114は、要求されたプログラムがマルチサンプルプログラムの一部分であると判断することができ、マルチサンプルプログラムにおける複数の試験プログラムのうちの1つを選択して、要求側の材料試験システム102a~102cに割り当てることができる。
【0028】
材料試験システム102a~102cは、試験プログラムを受信すると、試験プログラムを記憶し、及び/又は、対応するサンプルに対して実行することができる。材料試験システム102a~102cは、その後、試験結果データを、記憶、報告生成、その後の参照、及び/又は他の任意の目的のためにデータベースシステム114に送信する。例示の試験結果データは、センサー測定値、画像データ、導出された測定値若しくはデータ、識別データ及び/又はタイムスタンプデータ、及び/又は他の任意の情報を含むことができる。いくつかの例では、データベースシステム114において記憶空間を保存するために、材料試験システム102a~102cは、いくつかのデータを送信し、他のデータ(例えば、画像データ、オーディオデータ、ビデオデータ)を材料試験システム102a~102cにローカルに記憶することもできるし、他のデータを、記憶及び/又は必要に応じたその後の取り出しのために、別のシステム(例えば、クラウドストレージ、ネットワークストレージ、ハードドライブ等)に送信することもできる。
【0029】
試験プログラムの例示のパラメーターは、消耗材供給速度、回転速度、印加力、圧力、温度、プロセス名若しくはレシピ名、消耗品、及び/又は他の任意のパラメーターを含むことができる。
【0030】
例示の材料試験システム102a~102cは、データを実質的にリアルタイムで送信し、及び/又は、バッチデータとして頻繁な間隔で及び/又はイベント(例えば、試験又は手順の終了)に応答して送信する。例示の間隔は、送信側の材料試験システム102a~102cのネットワーク接続性に基づく24時間までの任意の間隔を含む。
【0031】
外部コンピューティングデバイス(複数の場合もある)116は、データベースシステム114及び/又は材料試験システム102a~102cにアクセスすることができる。いくつかの例では、材料試験システム102a~102cを対応する外部コンピューティングデバイス116に接続して、材料試験システム102a~102cの制御、試験データ及び/又はプログラムの管理、及び/又は材料試験システム102a~102cのそれ以外の制御を行うことができる。データベースシステム114も、特定の材料試験システム102a~102cに関連付けられていない1つ以上の外部コンピューティングデバイスに通信可能に結合することができる。例示の外部コンピューティングデバイス(複数の場合もある)116は、パーソナルコンピューター、サーバー、スマートフォン、ラップトップコンピューター、ワークステーション、タブレットコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスを含むことができる。いくつかの例では、外部コンピューティングデバイス(複数の場合もある)116は、ネットワーク112を介してデータベースシステム114に通信可能に接続され、ネットワーク112は、1つ以上のLAN、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)、及び/又は他の任意のタイプ(複数の場合もある)のネットワークを含むことができる。
【0032】
図2は、図1のデータベースシステム114及び/又は例示の外部コンピューティングシステム(複数の場合もある)116を実施するために使用することができる一例示のコンピューティングシステム200のブロック図である。例示のコンピューティングシステム200は、パーソナルコンピューター、サーバー、スマートフォン、ラップトップコンピューター、ワークステーション、タブレットコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスを使用して実施することができる。
【0033】
図2の例示のコンピューティングシステム200は、プロセッサ202を備える。例示のプロセッサ202は、任意の製造者からの任意の汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。他のいくつかの例では、プロセッサ202は、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ202は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリーメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示のマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとすることができる。
【0034】
バス212は、プロセッサ202、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0035】
例示のネットワークインターフェース214は、コンピューティングシステム200を、図1の通信ネットワーク112に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 202.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0036】
図2の例示のI/Oインターフェース216は、プロセッサ202に入力を提供する及び/又はプロセッサ202から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ202に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含むことができる。例示のI/Oデバイス(複数の場合もある)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカー、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、ディスプレイデバイス、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。
【0037】
例示のコンピューティングシステム200は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。図2の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピーディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0038】
ネットワークインターフェース(複数の場合もある)214及び/又はI/Oインターフェース(複数の場合もある)216がサポート及び/又は使用することができる、例示の無線インターフェース、プロトコル、及び/又は規格は、Bluetooth(登録商標)(IEEE 202.15)等の無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN:wireless personal area network)プロトコル;近接場通信(NFC:near field communication)規格;WiFi(IEEE 202.11)等の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)プロトコル;2G/2G+(例えば、GSM/GPRS/EDGE及びIS-95又はcdmaOne)及び/又は2G/2G+(例えば、CDMA2000、UMTS、及びHSPA)等のセルラー規格;WiMAX(IEEE 202.16)及びLTE等の4G規格;ウルトラワイドバンド(UWB:Ultra-Wideband);等を含む。ディスプレイデバイス(複数の場合もある)と通信するため等で、ネットワークインターフェース(複数の場合もある)214及び/又はI/Oインターフェース(複数の場合もある)216がサポート及び/又は使用することができる、例示の有線インターフェース、プロトコル、及び/又は規格は、イーサネット(IEEE 202.3)、ファイバー分散データインターフェース(FDDI:Fiber Distributed Data Interface)、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN:Integrated Services Digital Network)、ケーブルテレビジョン及び/又はインターネット(ATSC、DVB-C,DOCSIS)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ベースインターフェース等を含む。
【0039】
プロセッサ202、ネットワークインターフェース(複数の場合もある)214、及び/又はI/Oインターフェース(複数の場合もある)216は、例えば、フィルタリング、増幅、アナログ対デジタル変換及び/又はデジタル対アナログ変換、ベースバンド信号のアップコンバージョン/ダウンコンバージョン、エンコーディング/デコーディング、暗号化/解読、変調/復調、及び/又は、任意の他の適切な信号処理を実施することができる。
【0040】
コンピューティングシステム200は、無線通信のための1つ以上のアンテナ及び/又は有線通信のための1つ以上の有線ポートを使用することができる。アンテナ(複数の場合もある)は、通信するために使用される無線インターフェース及び/又はプロトコルのために必要とされる周波数、電力レベル、ダイバーシティ、及び/又は、他のパラメーターに適する任意のタイプのアンテナ(例えば、指向性アンテナ、全方向性アンテナ、多入力多出力(MIMO:multi-input multi-output)アンテナ等)とすることができる。ポート(複数の場合もある)は、コンピューティングシステム200がサポートする有線インターフェース/プロトコルを介した通信に適する任意のタイプのコネクタを含むことができる。例えば、ポート(複数の場合もある)は、ツイストペアを介したイーサネット(Ethernet over twisted pair)ポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート、受動光ネットワーク(PON:passive optical network)ポート、及び/又は、有線又は光ケーブルにインターフェース接続するための任意の他の適したポートを含むことができる。
【0041】
RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、及び/又は機械可読媒体222のうちの1つ以上は、データベース224を記憶することもできるし、データベース224を別の方法で含むこともできる。データベース224は、図1の共有データベース118に含めるためにデータベースシステム114に周期的にコピーされるローカルデータベースであってもよい。いくつかの例では、プロセッサ302は、ネットワークインターフェース(複数の場合もある)314を介したデータベースシステム114との通信を通じて、共有データベース118をローカルデータベース224の拡張又は一部として扱う。
【0042】
図3は、材料試験システム102aに関連付けられた外部コンピューティングデバイス116を実施して、共有データベース118を使用する材料試験システム102aを動作させるために使用することができる例示の機械可読命令300を表すフローチャートである。材料試験システム102aに関連付けられた外部コンピューティングデバイス116を実施することができる例示の命令300は、図2のコンピューティングシステム200に関して以下で説明される。
【0043】
ブロック302において、プロセッサ202は、器具(例えば、材料試験システム102a)を初期化する。例えば、プロセッサ202は、試験を行う前に、材料試験システム102aの制御回路類との接続を確立し、較正、診断、及び/又は他の手順を実行する。ブロック304において、プロセッサ202は、共有データベース118(例えば、ネットワークインターフェース(複数の場合もある)214を介してデータベースシステム114)との接続を確立する。例えば、プロセッサ202は、認証の詳細をネットワーク112を介してデータベースシステム114に登録又は提供することができる。
【0044】
ブロック306において、プロセッサ202は、プログラムのロードが(例えば、ユーザーインターフェースを介して)選択されているか否かを判断する。プログラムのロードが選択されている場合には(ブロック306)、ブロック308において、プロセッサ202は、プログラムリストを共有データベース(例えば、データベースシステム114)に要求する。プログラムリストは、全ての利用可能な試験プログラム、1つ以上の特定の基準を満たす試験プログラム、及び/又は他の任意のリストを含むことができる。例示の基準は、材料試験システム102aが行うことができる試験のタイプ、識別されたサンプルに基づく試験、及び/又は他の任意の基準に基づくことができる。
【0045】
ブロック310において、プロセッサは、実行用のプログラムが選択されているか否かを判断する。例えば、オペレーターが、ユーザーインターフェース上に提示されたプログラムリストの中から1つを選択してもよいし、及び/又は、プログラムは、サンプルの輪郭をテンプレートと照合することに基づいて自動的に選択されてもよい。プログラムが選択されている場合には(ブロック310)、ブロック312において、プロセッサ202は、プログラムがローカルデータベース226に記憶されているか否かを判断する。プログラムがローカルデータベースに記憶されていない場合には(ブロック312)、ブロック314において、プロセッサ202は、選択されたプログラム及び/又はパラメーターを共有データベース(例えば、ネットワーク112を介してデータベースシステム114)に要求する。いくつかの例では、ブロック312及び314は、省略することができ、プログラムは、常に、共有データベース118から取り出すことができる。共有データベース118からプログラムを一貫して取り出すことによって、プログラムバージョンにおけるエラー又は不一致を削減することができる。
【0046】
プログラムがローカルデータベースに記憶されている場合(ブロック312)、又は、選択されたプログラムを共有データベース118に要求した後(ブロック314)、ブロック316において、プロセッサ202は、選択されたプログラムに従って試験パラメーターを構成する。
【0047】
試験パラメーターを構成した後(ブロック316)、プログラムのロードが選択されていない場合(ブロック306)、又は、プログラムが選択されていない場合(ブロック310)、ブロック318において、プロセッサ202は、何らかのパラメーター変更が受信されたか否かを判断する。例えば、プロセッサ202は、構成されたプログラムに対するユーザーインターフェースを介した手動の変更を受信することができる。いくつかの例では、共有データベース118からロードされたプログラムに対する変更によって、この変更の通知をメモ記録及び/又は記憶のためにデータベースシステム114に提供することができる。いくつかの例では、プログラムは、プログラムに対するいくつかの変更、又はあらゆる変更を認めないように指定されることもある。パラメーター変更が受信された場合には(ブロック318)、ブロック320において、プロセッサ202は、受信されたパラメーターに従って試験パラメーターを構成する。
【0048】
試験パラメーターを構成した後(ブロック320)、又は、パラメーター変更が受信されていない場合には(ブロック320)、ブロック322において、プロセッサ202は、試験が開始されているか否かを判断する。例えば、試験は、自動的に又は手動で開始することができる。試験が開始されていない場合には(ブロック322)、制御は、ブロック306に戻って、構成を継続する。
【0049】
試験が開始されると(ブロック322)、ブロック324において、プロセッサ202は、1つ以上の試験を選択及び構成された試験プログラムに指定されているように行うように材料試験システム102aを制御する。ブロック326において、プロセッサ202は、試験(複数の場合もある)の結果を共有データベース118に送信する。制御は、その後、ブロック306に戻り、その後の試験を構成するか、又は、命令300は、その後、終了してもよい。
【0050】
図4は、共有データベースに関連付けられたコンピューティングデバイスを実施し、複数の材料試験システムを使用してマルチサンプル試験手順の報告を生成するために使用することができる例示の機械可読命令400を表すフローチャートである。例えば、命令は、図1のデータベースシステム114を実施する図2のコンピューティングシステム200によって実行することができる。
【0051】
ブロック402において、プロセッサ202は、マルチサンプル手順に関連付けられたプログラムの要求が材料試験システム102a~102cから受信されたか否かを判断する。例えば、データベースシステム114は、テンプレートをサンプルと照合することに基づく要求、マルチサンプルプログラムの手動による選択に基づく要求、及び/又は試験プログラムの他の任意の要求を受信することができる。マルチサンプル手順は、システム100における材料試験システム102a~102cによって1つ以上の対応するサンプルに対して実行される複数の試験プログラムを含むことができる。マルチサンプル手順の試験プログラムは、共有データベース118に記憶され、材料試験システム102a~102cのうちのいずれか可能なものに提供することができるので、マルチサンプル手順は、特定の材料試験システム102a~102cが所与の試験プログラムを行うのを待たなければならないことに起因する生産性ボトルネックに対してより高い耐性を有する。
【0052】
データベースシステム114は、試験されるサンプルの要件及び/又は定義された手順に基づいて、異なる試験プログラムを異なる材料試験システム102a~102cに提供することができる。いくつかの例では、異なる材料試験システム102a~102cに提供される試験プログラムは、同じマルチサンプル材料試験手順の異なる試験ステージである。いくつかの例では、異なる材料試験システム102a~102cに提供される試験プログラムは、同じ材料試験手順の異なるインスタンスである。
【0053】
マルチサンプル手順に関連付けられたプログラムの要求が受信された場合には(ブロック402)、ブロック404において、プロセッサ202は、要求に応答して提供されるサンプル又はプログラムを決定する。例えば、プロセッサ202は、ユーザーインターフェースに基づいて、サンプルの輪郭に基づく自動検出を介して、要求側のシステムの能力に基づいて、マルチサンプル手順におけるどの試験プログラムが既に実行されたのかに基づいて、及び/又は他の任意の基準に基づいて、プログラムを決定することができる。ブロック406において、プロセッサ202は、共有データベース118に記憶されている決定されたプログラムを要求側の材料試験システム102a~102cに送信する。
【0054】
プログラムを送信した後(ブロック406)、又は、マルチサンプル手順に関連付けられたプログラムの要求が受信されていない場合には(ブロック402)、ブロック408において、プロセッサ202は、マルチサンプル手順に関連付けられたプログラム又はサンプルのデータが材料試験システム102a~102cから受信されたか否かを判断する。例えば、材料試験システム102a~102cは、試験結果又はデータを共有データベース118に記憶するためにデータベースシステム114に提供することができる。マルチサンプル手順に関連付けられたプログラム又はサンプルのデータが受信された場合には(ブロック408)、ブロック410において、プロセッサ202は、データをマルチサンプル手順に関連付けて共有データベース118に記憶する。
【0055】
データを記憶した後(ブロック410)、又は、マルチサンプル手順に関連付けられたプログラム又はサンプルのデータが受信された場合には(ブロック408)、ブロック412において、プロセッサ202は、マルチサンプル手順が完了したか否かを判断する。例えば、プロセッサ202は、マルチサンプル手順において試験される追加の試験プログラム及び/又はサンプルがあるか否かを判断することができる。マルチサンプル手順が完了していない場合には(ブロック412)、制御はブロック402に戻る。
【0056】
マルチサンプル手順が完了すると(ブロック412)、ブロック414において、プロセッサ202は、共有データベース118に記憶されたデータに基づいてマルチサンプル手順報告を生成する。マルチサンプル手順報告は、試験プログラム、結果、試験プログラムのそれぞれを実行して結果を生成した材料試験システム102a~102c、オペレーター、サンプル情報、及び/又は他の任意の所望の情報に基づいて生成することができる。データベースシステム114(又は材料試験システム102a~102cのうちの1つに直接関連付けられていない外部コンピューティングデバイス116)において報告を生成することによって、共有データベース118に記憶されたデータを使用して報告が生成されている間、材料試験システム102a~102cを使用し続けることができる。
【0057】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0058】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路類」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路類は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路類はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0059】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】