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特表2024-518370(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の固体形態
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の固体形態
(51)【国際特許分類】
   C07C 219/20 20060101AFI20240423BHJP
   C07B 57/00 20060101ALI20240423BHJP
   C07C 59/245 20060101ALI20240423BHJP
   C07C 59/255 20060101ALI20240423BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20240423BHJP
   A61K 31/216 20060101ALI20240423BHJP
   C07C 213/10 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
C07C219/20 CSP
C07B57/00 360
C07C59/245
C07C59/255
A61P11/04
A61K31/216
C07C213/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567201
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022027573
(87)【国際公開番号】W WO2022235726
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/248,684
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/030571
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520282649
【氏名又は名称】アプニメッド,インコーポレイテッド(デラウェア)
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】モルナー,デニス
【テーマコード(参考)】
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C206AA03
4C206AA04
4C206FA02
4C206KA01
4C206KA15
4C206KA16
4C206KA17
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA20
4C206ZA59
4H006AA01
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB25
4H006AD33
4H006BB14
4H006BB15
4H006BB17
4H006BC33
4H006BJ20
4H006BJ50
4H006BN10
4H006BS70
4H006BT12
4H006BU32
(57)【要約】
結晶性および非晶質形態を含む(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を調製して特徴付ける。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)治療のための(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の使用も開示される。(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩の固体形態も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(R)-オキシブチニンの結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項2】
形態A結晶性塩である、請求項1記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項3】
11.0、14.3、17.5、19.8および22.0°2θ±0.2°2θでのピークからなる群より選択される少なくとも3つのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項2記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項4】
11.0、17.5および22.0°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項3記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項5】
11.0、14.3、17.5、19.8および22.0°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項4記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項6】
11.0、14.3、17.5、18.8、19.8、21.4、22.0、23.3、24.1および33.2°2θ±0.2°2θでのピークからなる群より選択される少なくとも5つのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項7】
11.0、14.3、17.5、18.8、19.8、21.4、22.0、23.3、24.1および33.2°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項6記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項8】
実質的に図1に示されるXRPDパターンを有する、請求項2記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項9】
約108.1℃で融解開始および約109.4℃で吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1~8いずれか記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項10】
実質的に図3に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項9記載の結晶性D-リンゴ酸塩。
【請求項11】
請求項1~10いずれか記載の結晶性D-リンゴ酸塩および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項12】
咽頭気道虚脱に関連する状態の治療を必要とする被験体に、請求項1~10いずれか記載の結晶性D-リンゴ酸塩または請求項11記載の医薬組成物を投与する工程を含む、咽頭気道虚脱に関連する状態を治療する方法。
【請求項13】
咽頭気道虚脱に関連する状態が睡眠時無呼吸またはいびきである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
咽頭気道虚脱に関連する状態が閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
(R)-オキシブチニンの非晶質D-リンゴ酸塩。
【請求項16】
溶媒の存在下でD-リンゴ酸をラセミ体オキシブチニンに添加して、形態Aの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を作製する工程を含む、形態Aの結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を作製する方法。
【請求項17】
溶媒が2-プロパノールである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
酢酸エチルおよびMTBEの存在下でD-リンゴ酸を(R)-オキシブチニン遊離塩基に添加する工程を含む、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aを作製する方法。
【請求項19】
酢酸エチルおよびMTBEが、約1:4の酢酸エチル:MTBEの体積比にある、請求項18記載の方法。
【請求項20】
(R)-オキシブチニンの結晶性L-酒石酸塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての他所参照
本願は、2021年9月27日に出願された米国仮出願63/248,684および2021年5月4日に出願されたPCT出願PCT/US2021/030571に対する優先権を主張し、それらのそれぞれの全内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の固体形態、それと共にその医薬組成物、その調製方法およびその使用を開示する。(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩の固体形態も開示される。
【背景技術】
【0003】
背景
オキシブチニンおよびその誘導体は典型的に、口により摂取されるかまたは皮膚に適用され、気管支拡張薬または過活動膀胱のための治療薬として適用可能である。また、オキシブチニンは、主に抗コリン作動性薬として平滑筋に対するアセチルコリンの作用を阻害すること等により、種々の形態の平滑筋に対して直接の抗痙攣性効果を発揮する。ラセミ体オキシブチニンは、塩酸塩の形態で販売される。オキシブチニンについての化学名は、4-(ジエチルアミノ)ブタ-2-イン-1-イル2-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-2-フェニルアセテートであり、これについての化学構造はIとして以下に提供される:
【化1】
【0004】
オキシブチニンのRエナンチオマーは、閉塞性睡眠時無呼吸などの咽頭気道虚脱に関連する状態の治療についての活性医薬成分としての有用性を有する。WO 2019/152475 A1参照。したがって、(R)-オキシブチニンなどのオキシブチニンの薬学的に有用な形態の必要性がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
以下の図面は例として提供され、特許請求される発明の範囲を限定することを意図しない。
図1図1は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態AについてのXRPDパターンである。
図2図2は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態AについてのFT-ラマンスペクトルである。
図3図3は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態AについてのDSCおよびTGAトレースを示す。
図4図4は、SCXRDにより分析される場合の(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aの構造を示す。
図5図5Aおよび図5Bは、SCXRDにより分析される場合の(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aについての結晶の水素結合スキームおよびパッキングを示す。
図6図6は、(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩についてのXRPDパターンである。
図7図7は、(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩についてのFT-ラマンスペクトルである。
図8図8は、(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩についてのDSCおよびTGAトレースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
I. (R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩
本発明は部分的に、(R)-オキシブチニンの新規の固体形態、例えば新規の塩および新規の結晶性形態に関する。一般的に、薬物としての固体化合物の効力は、それが含む固体の特性により影響を受け得る。以下の実施例セクションに記載されるように、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の結晶性形態が調製されて、特徴付けられた。オキシブチニンD-リンゴ酸塩の(R)エナンチオマーはIIとして以下に提供される:
【化2】
【0007】
(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の非晶質形態も調製した。
【0008】
本明細書に提供される定義は、定義される用語を明確化することを意図するが、それを限定しない。本明細書で使用される用語が具体的に定義されない場合、かかる用語は、不明確とみなされるべきではない。むしろ、用語はそれらの許容される意味において使用される。
【0009】
本明細書で使用する場合、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩は、D-リンゴ酸塩形態をいい、ここで(R)-オキシブチニンとD-リンゴ酸のモル比は、約1、例えば約0.75~約1.25、約0.9~約1.1、約1.0~約1.25または0.75~約1.0である。アッセイされるD-リンゴ酸の量の小さな変化は、限定されることなく、測定変動性ならびに処理および/または単離によるいずれかの試薬の過剰の存在のためであり得る。
【0010】
本明細書で使用する場合、「結晶性(crystalline)」は、高度に規則的な化学構造を有する固体をいう。特に、結晶性遊離塩基または塩形態は、1つ以上の単一の結晶性形態として作製され得る。
【0011】
用語「実質的に結晶性」は、少なくとも特定の重量パーセント結晶性であり得る形態をいう。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%または10%~100%の間の任意のパーセンテージである。いくつかの態様において、実質的に結晶性は、少なくとも70%結晶性である遊離塩基または塩形態をいう。他の態様において、実質的に結晶性は、少なくとも90%結晶性である遊離塩基または塩形態をいう。
【0012】
本明細書で使用する場合、「非晶質」は、非結晶性材料を含む固体材料をいう。ある態様において、材料の非晶質試料は、材料と溶媒の混合物の凍結乾燥により調製され得、ここで該混合物は、均質(例えば溶液)であり得るかまたは不均質(例えばスラリー)であり得る。
【0013】
用語「実質的に有さない」は、不純物および/または結晶性化合物を有さない少なくとも特定の重量パーセントであり得る形態および組成物をいう。特定の重量パーセンテージは、不純物および/または結晶性化合物を有さない60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%であるかまたは60%~100%の間の任意のパーセンテージである。いくつかの態様において、実質的に有さないは、少なくとも70%純粋である遊離塩基または塩形態をいう。他の態様において、実質的に有さないは、少なくとも90%純粋である遊離塩基または塩形態をいう。他の態様において、結晶性化合物を実質的に有さないは、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約1%未満の結晶性化合物を有する組成物をいう。
【0014】
本明細書に開示される多くの態様において、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩は、結晶性構造を有するように開示される。
【0015】
ある態様において、本開示における結晶性構造は、本明細書に開示されるようにXRPDスペクトルにおいて1つ以上の特徴的なピークを有することにより同定され得る。
【0016】
いくつかの態様において、本開示における結晶性構造は、本明細書に開示されるように、示差走査熱量測定において1つ以上の特徴的な吸熱ピークを有する。
【0017】
ある態様において、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の結晶性形態を調製する方法が提供される。さらなる態様には、予想される保存条件下で所定の安定性を有する(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の結晶性形態への変換およびその保存が記載される。
【0018】
本明細書に開示されるある態様は、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を提供する。
【0019】
本明細書に開示されるある態様は、形態Aの結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を提供する。
【0020】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)は、11.0、14.3、17.5、19.8および22.0°2θ±0.2°2θでのピークからなる群より選択される少なくとも3つのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0021】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)は、11.0、17.5および22.0°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを有する。
【0022】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)は、11.0、14.3、17.5、19.8および22.0°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを有する。
【0023】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)は、11.0、14.3、17.5、18.8、19.8、21.4、22.0、23.3、24.1および33.2°2θ±0.2°2θでのピークからなる群より選択される少なくとも5、6、7、8または9個のピークを含むXRPDパターンを有する。
【0024】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)は、11.0、14.3、17.5、18.8、19.8、21.4、22.0、23.3、24.1および33.2°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを有する。
【0025】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)は、実質的に図1に示されるXRPDパターンを有する。
【0026】
本明細書に開示されるある態様は、実質的に図2に示されるFT-ラマンスペクトルを有する結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)を提供する。
【0027】
本明細書に開示されるある態様は、約108.1℃で融解開始および/または約109.4℃で吸熱ピークを示す示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)を提供する。
【0028】
本明細書に開示されるある態様は、実質的に図3に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)を提供する。
【0029】
本明細書に開示されるある態様は、以下の単位セルパラメーター:
【表1】
を有する結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)を提供する。
【0030】
本明細書に開示されるある態様は、(R)-オキシブチニンを含む組成物を提供し、ここで(R)-オキシブチニンの総量の少なくとも5% w/w、少なくとも10% w/w、少なくとも25% w/w、少なくとも50% w/w、少なくとも75% w/w、少なくとも80% w/w、少なくとも90% w/w、少なくとも95% w/w、少なくとも98% w/w、少なくとも99% w/wまたは少なくとも99.9% w/wは(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aである。
【0031】
本明細書に開示されるある態様は、その特定の態様のいずれかにおける(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aおよび1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0032】
本明細書に開示されるある態様は、非晶質(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を提供する。
【0033】
本明細書に開示されるある態様は、マトリックスに分散される(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の1つ以上の結晶性および/または非晶質形態を提供する。
【0034】
1つ以上の結晶性および/または非晶質形態で約0.1~約25mg、約0.1~約15mg、約0.1~約10mg、約1~約25mg、約1~約20mg、約1~約15mg、約1~約10mg、約1~約5mg、約2~約25mg、約2~約20mg、約2~約15mg、約2~約10mg、約2~約5mg、約5~約25mg、約5~約20mg、約5~約15mgまたは約5~約10mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を含む(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の剤型を含むある態様が開示され、任意にここで該1つ以上の結晶性および/または非晶質形態は、固体または液体マトリックスに分散される。
【0035】
(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩
(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩の固体形態も本明細書に開示される。いくつかの態様において、(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩は結晶性固体である。
【0036】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩は、実質的に図6に示されるXRPDパターンを有する。
【0037】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩は、実質的に図7に示されるFT-ラマンスペクトルを有する。
【0038】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩は、約92℃で吸熱(例えば大きな吸熱)を示す示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する。
【0039】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩は、実質的に図8に示されるDSCサーモグラムを有する。
【0040】
II. (R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の医薬組成物
(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の1つ以上の形態および生理学的に許容され得る担体(薬学的に許容され得る担体または溶液または希釈剤とも称される)を含む医薬組成物が本明細書において提供される。かかる担体および溶液は、本発明の方法に使用される化合物の薬学的に許容され得る塩および溶媒和物、ならびにかかる化合物の2つ以上を含む混合物、化合物の薬学的に許容され得る塩および化合物の薬学的に許容され得る溶媒和物を含む。かかる組成物は、参照により本明細書に援用されるRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th edition, ed. Alfonso R. Gennaro, Mack Publishing Company, Eaton, Pa. (1985)に記載されるものなどの許容され得る薬学的手順に従って調製される。
【0041】
用語「薬学的に許容され得る担体」は、それが投与される被験体においてアレルギー反応または他の都合の悪い効果を引き起こさず、製剤中の他の成分と適合性である担体をいう。薬学的に許容され得る担体としては、例えば意図される投与形態に関して適切に選択され、従来の薬学的実施と一致する医薬希釈剤、賦形剤または担体が挙げられる。例えば、固体の担体/希釈剤としては、限定されないが、ゴム、デンプン(例えばトウモロコシデンプン、予めゼラチン化されたデンプン)、糖(例えばラクトース、マンニトール、スクロース、デキストロース)、セルロース材料(例えば微結晶セルロース)、アクリレート(例えばポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルクまたはそれらの混合物が挙げられる。薬学的に許容され得る担体はさらに、治療剤の保存寿命または有効性を高める湿潤または乳化剤、保存剤または緩衝剤などの少量の補助物質を含み得る。
【0042】
本明細書に開示される(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の1つ以上の結晶性および/または非晶質形態ならびにその医薬組成物は、単位剤型に調製され得、これは治療を受けている被験体について単位用量として適切な物理的に別個の単位を意味し、それぞれの単位は、任意に適切な医薬担体と関連して、所望の治療効果を生じるように計算される所定量の活性材料を含む。単位剤型は、単一の日用量または複数の日用量(例えば1日当たり約1~4回またはそれ以上)の1つについてのものであり得る。複数の日用量が使用される場合、単位剤型は、それぞれの用量について同じであり得るかまたは異なり得る。ある態様において、化合物は、制御放出について製剤化され得る。
【0043】
本明細書に開示される(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の1つ以上の結晶性および/または非晶質形態ならびにその医薬組成物は、任意の利用可能な従来方法に従って製剤化され得る。製剤中、例えば希釈剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤および必要な場合は安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の一般的に使用される添加剤が使用され得る。経口治療投与の目的で、活性化合物(1つまたは複数)は、賦形剤と一体化され得、丸薬、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤、例えばゼラチンカプセルの形態で使用され得る。経口組成物はまた、流動性担体を使用して調製され得る。薬学的に適合性の結合剤および/またはアジュバント材料は、組成物の一部として含まれ得る。錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、コーティングされた錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤等の剤型は、以下の成分:結合剤、例えば微結晶セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチン;賦形剤、例えばデンプンもしくはラクトース、崩壊剤、例えばアルギン酸、Primogel、クロスポビドンもしくはトウモロコシデンプン;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes;流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリン;または矯味矯臭剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジフレーバー、あるいは同様の性質を有する化合物のいずれかを含み得る。
【0044】
全身投与はまた、例えば皮膚に適用されるパッチゲルまたはローションを使用する経皮手段によってなされ得る。経皮投与について、上皮障壁の浸透に適した浸透剤が製剤中に使用され得る。かかる浸透剤は、当該技術分野で一般的に公知である。例えば、経皮投与について、活性化合物は、当該技術分野で一般的に公知のように軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲルまたはクリームに製剤化され得る。ゲルおよび/またはローションは、個々のサシェ中に、または毎日適用される一定用量ポンプを介して提供され得る;例えばCohn et al., Ther Adv Urol. 2016 Apr; 8(2): 83-90参照。
【0045】
いくつかの態様において、治療化合物は、治療化合物を身体からの迅速な排除に対して保護する担体、例えば埋没物および微小封入送達系などの制御放出製剤と共に調製される。酢酸エチレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性で生体適合性のポリマーが使用され得る。かかる製剤は、標準的な技術を使用して調製され得るか、または例えばAlza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.から商業的に入手し得る。薬学的に許容され得る担体として、リポソーム懸濁物も使用され得る。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載されるように当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0046】
医薬組成物は、本明細書に記載される方法における投与または使用のための指示書と共に、容器、パックまたはディスペンサー中に含まれ得る。
【0047】
本明細書に開示されるいくつかの態様は、約0.1mg、約0.5mg、約0.75mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約4mg、約5mg、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mgまたは約25mgの量の(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aを含む医薬剤型を提供する。ある態様において、医薬剤型中の(R)-オキシブチニンの少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99.5%は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aである。
【0048】
本明細書に開示されるある態様は、錠剤として、約0.1mg、約0.5mg、約0.75mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約4mg、約5mg、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mgまたは約25mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aを含む薬物剤型を提供する。ある態様において、錠剤中の(R)-オキシブチニンの少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99.5%は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aである。
【0049】
本明細書に開示されるある態様は、約0.1mg、約0.5mg、約0.75mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約4mg、約5mg、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mgまたは約25mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aおよび1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、医薬組成物中の(R)-オキシブチニンの少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99.5%は(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aである。
【0050】
本明細書に開示されるある態様は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aまたは他の結晶性もしくは非晶質形態を実質的に有さないその医薬組成物を含む。例えばいくつかの態様において、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aまたはその医薬組成物は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の他の結晶性または非晶質形態に対して、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%の形態Aを含む。
【0051】
III. (R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の使用
いくつかの態様において、咽頭気道虚脱に関連する状態を有する被験体を治療する方法が本明細書において提供され、該方法は、治療を必要とする被験体に、(i)ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)および(ii)(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の有効量を投与する工程を含む。咽頭気道虚脱に関連する状態を治療するための医薬の製造における(i)ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)および(ii)(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の使用も本明細書において提供される。咽頭気道虚脱に関連する状態の治療における使用のための(i)ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)および(ii)(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩またはその医薬組成物も本明細書において提供される。
【0052】
いくつかの態様において、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩は結晶性である。いくつかの態様において、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩は結晶性形態Aである。いくつかの態様において、該方法は、NRIおよび(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)を含む医薬組成物を投与する工程を含む。いくつかの態様において、該状態は、睡眠時無呼吸、例えば閉塞性睡眠時無呼吸である。いくつかの態様において、該状態は、いびき、例えば単純いびきである。いくつかの態様において、NRIは、アトモキセチンまたはその薬学的に許容され得る塩である。いくつかの態様において、NRIは、レボキセチンまたはその薬学的に許容され得る塩である。
【0053】
いくつかの態様において、咽頭気道虚脱に関連する状態を有する被験体を治療する方法が本明細書において提供され、該方法は、治療を必要とする被験体に、(i)アトモキセチンまたはその薬学的に許容され得る塩;および(ii)(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の有効量を投与する工程を含む。いくつかの態様において、該方法は、被験体に、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(例えば形態A)またはその医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含む。
【0054】
いくつかの態様において、咽頭気道虚脱に関連する状態を有する被験体の治療を必要とする被験体に、催眠薬を投与する工程をさらに含む、咽頭気道虚脱に関連する状態を有する被験体を治療する方法が本明細書において提供される。
【0055】
いくつかの態様において、咽頭気道虚脱に関連する状態を有する被験体の治療を必要とする被験体に、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤を投与する工程をさらに含む、咽頭気道虚脱に関連する状態を有する被験体を治療する方法が本明細書において提供される。
【0056】
例示的なノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)としては、選択的NRIアメダリン(UK-3540-1)、アトモキセチン(Strattera)、CP-39,332、ダレダリン(UK-3557-15)、エジボキセチン(LY-2216684)、エスレボキセチン、ロルタラミン(LM-1404)、ニソキセチン(LY-94,939)、レボキセチン(Edronax、Vestra)、タロプラム(Lu 3-010)、タルスプラム(Lu 5-005)、タンダミン(AY-23,946)、ビロキサジン(Vivalan)が挙げられ;非選択的NRIとしては、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シクラジンドール、デシプラミン、デスベンラファキシン、デキスメチルフェニデート(dexmethilphenidate)、ジエチルプロピオン、ドキセピン、デュロキセチン、イミプラミン、レボミルナシプラン、マニファキシン(GW-320,659)、マプロチリン、メチルフェニデート、ミルナシプラン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、プロトリプチリン、ラダファキシン(GW-353,162)、タペンタドール(Nucynta)、テニロキサジン(Lucelan、Metatone)およびベンラファキシンならびにそれらの薬学的に許容され得る塩が挙げられる。
【0057】
いくつかの態様において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤はアトモキセチンまたはその薬学的に許容され得る塩である。他の態様において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤はレボキセチンまたはその薬学的に許容され得る塩である。さらに他の態様において、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤は、アトモキセチンとレボキセチンの組合せまたはその薬学的に許容され得る塩である。
【0058】
オキシブチニンは、抗ムスカリン薬およびムスカリン受容体アンタゴニストであり、(R)および(S)エナンチオマーのラセミ混合物をいう。(R)-オキシブチニンは、(R)エナンチオマーをいう。本明細書に記載される組成物において、(R)-オキシブチニンは、そのエナンチオマーペア(すなわち(S)-オキシブチニン)に対して(R)-オキシブチニンのエナンチオマー過剰である。これらの組成物中の(R)-オキシブチニンのエナンチオマー過剰は、≧80%、≧90%、≧95%、≧98%、≧99%、≧99.5%、≧99.8%または≧99.9%であり得る。
【0059】
カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤は、アセタゾラミド、ジクロロフェンアミド(dichlorophenamide)、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、メタゾラミド、ゾニサミド、エトキスゾラミド(ethoxzolamide)、トピラマート、スルチアムおよびそれら任意の組合せまたはそれらの薬学的に許容され得る塩からなる群より選択され得る。いくつかの態様において、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤はアセタゾラミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。
【0060】
いくつかの態様において、催眠薬、例えばゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、トラゾドン、ザレプロン、ベンゾジアゼピン、ガバペンチン、チアガビン(tiagabine)およびキシレム(xyrem)またはそれらの薬学的に許容され得る塩が、組成物に組み込まれ得る。
【0061】
いくつかの態様において、患者はヒト被験体である。
【0062】
いくつかの態様において、該方法は、約20mg~約150mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩、約20mg~約100mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩、約50mg~約100mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩または約75mg~約100mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩の用量を投与する工程を含む。いくつかの態様において、該方法は、約0.1mg~約25mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩、約1mg~約20mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩、約1mg~約10mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩、約1mg~約5mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩または約2.5mg~約7.5mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の用量を投与する工程を含む。他の態様において、該方法は、約0.1mg~約25mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩と組み合わせた約20mg~約150mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩、約1mg~約20mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩と組み合わせた約20mg~約150mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩、約1mg~約10mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩と組み合わせた約20mg~約150mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩、約1mg~約5mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩と組み合わせた約20mg~約150mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩または約2.5mg~約7.5mgの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩と組み合わせた約20mg~約150mgのアトモキセチンもしくはその薬学的に許容され得る塩の用量を投与する工程を含む。
【0063】
有効量は、1以上の投与、適用または用量において投与され得る。組成物は、1日当たり1回以上~1週間当たり1回以上;例えば1日おきに1回投与され得る。いくつかの態様において、組成物は、例えば就寝前に毎日投与される。当業者は、限定されないが、疾患または障害の重症度、以前の治療、一般的な健康状態および/または被験体の年齢、ならびに存在する他の疾患などの特定の要因が、被験体を有効に治療するために必要とされる用量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを理解する。さらに、本明細書に記載される治療化合物の治療有効量を用いた被験体の治療は、単一の治療または一連の治療を含み得る。
【0064】
IV. 結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aの調製および特徴付け
(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aを調製するための方法が本明細書において提供される。いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aは、酢酸エチルおよびメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を有する溶媒(例えば1:4の酢酸エチル:MTBEの体積比)中で(R)-オキシブチニン遊離塩基とD-リンゴ酸(例えば約1.0eq)を合わせることにより調製され得る。次いで得られた混合物から結晶が単離され得る。
【0065】
いくつかの態様において、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aは、溶媒の存在下でD-リンゴ酸をラセミ体オキシブチニンに添加することにより調製され得る。いくつかの態様において、溶媒は2-プロパノールである。いくつかの態様において、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aの種晶が利用される。
【0066】
図1は、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態AについてのXRPDパターンを提供し、対応するピークを以下の表1に提供し、これは、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態A材料が主にまたは排他的に単一の結晶性相で構成されることを示す。(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aは、(R)-オキシブチニンのモノD-リンゴ酸塩である。形態Aは、非溶媒和化結晶である。これは、TGAにより測定する場合に約108℃で鋭い吸熱および150℃まで無視できる重量損失を有する白色結晶性粉末として作製された。
【実施例
【0067】
実施例
装置および方法
A. X線粉末回折(XRPD)
XRPDディフラクトグラムは、NiフィルターしたCu Ka (45kV/40mA)照射および0.03°2θのステップサイズならびにX'celeratorTMRTMS (Real Time Multi-Strip)検出器を使用して、PANalytical X'Pert Pro回折装置で取得した。入射ビーム側の構成:変動性発散スリット(10mm照射長さ)、0.04rad Sollerスリット、固定された散乱防止(anti-scatter)スリット(0.50°)および10mmビームマスク。回折ビーム側の構成:変動性散乱防止スリット(10mmの観察された長さ)および0.04rad Sollerスリット。試料を、0バックグラウンドSiウェーハー上に平らに載せた。
【0068】
B. FT-ラマン分光法
ラマンスペクトルを、1064nm Nd:YVO4励起レーザー、InGaAsおよび液体N2冷却Ge検出器ならびにMicroStageを備えたNicolet NXR9650 (Thermo Scientific)を用いて収集した。全てのスペクトルは、Happ-Genzelアポディゼーション機能および2レベル0充填(zero-filling)を使用して、4cm-1分解能で取得した。
【0069】
C. 示差走査熱量測定(DSC)
DSCは、オートサンプラーおよび冷蔵冷却システムを備えたTA機器Q200またはQ2000示差走査熱量計を用いて、Q2000およびQ200のそれぞれについて40mL/分または50mL/分のN2パージ下で行った。試料のDSCサーモグラムは、しわをつけられた(crimped)Alパン中、10℃/分で得た。DSC分析により記録された発熱および吸熱遷移の温度を開始値として報告する。
【0070】
D. 熱重量分析(TGA)
TGAサーモグラムは、バランスについて40mL/分のN2パージおよびAlパン中の試料について60mL/分下、TA機器Q500熱重量分析機を用いて得られた。試料のTGAサーモグラムは10℃/分で得られた。
【0071】
E. 重量測定蒸気吸着(GVS)
GVS実験は、表面測定システムDVS-Advantage上で行った。実験は25℃で行った。機器はステップモードで操作し、相対湿度は、75% RHで余分な工程を有して0% RHから90% RHまで10% RH増分で増加させ、次いで75% RHで余分な工程を有して90% RHから0% RHまで減少させた。質量平衡基準は、経時的な質量(dm/dt)において0.005%の変化に設定した。15分の最小工程時間および240分の最大工程時間を特定した。
【0072】
実施例1:結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩および種晶の作製
(R)-オキシブチニン遊離塩基は以下の通りに(R)-オキシブチニンHCl塩から調製した。(R)-オキシブチニンHCl塩(506mg、1.28mol)を3.0mLの水(6vol)にRTで溶解した。1当量の水性1M NaOHを添加して(1.28mL)、ガムを得た。水層をガムからデカントして、任意の遊離塩基をヘキサンにより抽出した。ガムをヘキサンに溶解して、水で洗浄した。合わせたヘキサン層を真空で濃縮して、452mgの(R)-オキシブチニン遊離塩基を油状物として得た(98%収率)。
【0073】
約20mgの(R)-オキシブチニン遊離塩基を1.0eqのD-リンゴ酸と合わせた。1:4の比(体積)の酢酸エチル/MTBEを添加した。結晶を作製して単離した。そのため、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩が作製され、結晶をさらなる実験についての種晶として使用した。
【0074】
実施例2:(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aの作製および特徴付け
(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を調製して、その固体形態を分析して特徴付けた。供給された多くの(R)-オキシブチニン遊離塩基を開始材料として使用した。(R)-オキシブチニン遊離塩基(9.52g)を、50℃で2-プロパノール(76mL)に溶解した。1当量のD-リンゴ酸(3.69g)を添加して、溶解が観察されるまで混合物を50℃で5分間撹拌した。溶液を40℃に冷却して、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩結晶を用いて種晶を入れた(seeded)。10分後、熱をオフにして、混合物を20h撹拌しながらRTに冷却した。固体を真空濾過により単離して、30分間風乾した。(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の収率は、白色粉末として83%(10.9g、22.1mmol)であった。形態Aは、非溶媒和化結晶形態である。
【0075】
調製されたバッチの固体状態特性は、以下の分析技術:X線粉末回折(XRPD)、FT-ラマン分光法、示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)により決定した。
【0076】
(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩のXRPDパターンを図1に示し、これは形態Aと示された結晶性材料であった。相対XRPDピーク強度を表1において以下に示す。
【表2】
【0077】
FT-ラマンスペクトルを図2に示す。
【0078】
DSCおよびTGA分析を図3に示す。DSC分析は、108℃で鋭い吸熱を示した(ΔH=106J/g)。TGA分析は、150℃まで無視できる重量損失(<0.1% wt損失)を示し、分解の可能性があるために150℃を超えてさらなる重量損失を示した。GVS分析は、0~90% RHの間に0.1%湿度取込みを示し、これは、形態Aが、非吸湿性の固体であることを示した。GVS試験の後に結晶形態の変化は観察されなかった。プロトンNMRにより一塩が確認された(1.0:1の対イオン:API比の実際の比)。
【0079】
単結晶X線回折(SCXRD)に適した形態Aの大きな結晶を、酢酸エチル中の視覚的溶解性実験から観察し、SCXRD分析に供した。SCXRDデータは、原子結合性が提唱される分子構造と一致し、オキシブチニンおよびリンゴ酸の両方の絶対立体配置がRであることを示した。計算された粉末パターンは、図1のXRPDパターンと一致した。CuKαINCOATEC ImuSマイクロフォーカス源(λ=1.54178Å)を備えたBruker D8 Venture Photon II CPAD回折装置をSCXRDに使用した。温度は100Kであった。SCXRDで分析した構造を図4に示す。分子は、非中心対称性である(キラル)単斜晶系P21構造を示した。キラルC7およびC34原子の両方の絶対立体配置はRであった。~[010]またはb方向に沿って見られるように、(A)水素結合スキームおよび(B)パッキングを含む結晶のパッキングを図5に示す。46、0.5°回折枠から回収される64の反射に基づいて、Difference Vectors法を使用して、単位セルパラメーターを室温で決定した。データ統合の間にパラメーターを精密化して、これは8~1.02Å分解能の間に記録される62の反射に基づく。単位セルパラメーターを以下に提供する。
【表3】
【0080】
実施例3:形態Aの溶解性評価
形態Aの溶解性を12の異なる溶媒中、RTおよび40℃で視覚的に評価した。溶解性データを表2に示す。溶解点または最大体積(1.8mL)に達するまで、小アリコートの溶媒を固定量の固体(約10mg)に投与することにより、溶解性を視覚的に推定した。RTで溶解しない固体を含んだ試料を40℃に1h加熱して、溶解を視覚的に評価した。
【表4】
【0081】
実施例4:結晶形態スクリーン
結晶形態スクリーンは、約144の結晶化実験で構成され、48の溶媒、3つの結晶化モード(スラリー成熟、冷却、蒸発)および5~40℃の温度範囲を含んだ。形態Aを入力形態として利用した。サーモサイクリング(thermocycling)(TC)、冷却(RC)および蒸発(EV)実験から生成物を得た。
【0082】
結晶化モードは以下の通りであった:TC:温度を40~5℃の間で2dの間サイクルしながらAPI懸濁物を撹拌;RC:清澄化されたAPI溶液を40℃から4℃まで冷却し、その後4℃で6dの間保持;EV:RTで4日までの間のAPI溶液からの溶媒のゆっくりした蒸発、その後任意の残存溶液について4hの間、真空で濃縮。
【0083】
結晶形態スクリーンは、1つの結晶形態、形態Aのみを生じた。形態A結晶性固体を、特にサーモサイクリングおよび冷却条件下、多くの溶媒中で作製した。例えば、形態A結晶性固体を、サーモサイクリングおよび冷却条件下、特にアセトニトリル、2-ブタノン、酢酸エチルおよびエタノール中で作製した。非晶質(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を、蒸発条件下、特定の溶媒中で作製した。例えば、非晶質(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を、蒸発条件下、特に水、メタノールおよびジクロロメタン中で作製した。
【0084】
実施例5:ラセミ体オキシブチニンHClからの作製
ラセミ体オキシブチニンHCl塩(100g)を水(600mL)に懸濁した。混合物を、溶解が観察されるまで30℃に加熱した。結晶性オキシブチニン遊離塩基の種晶を添加して、混合物を30℃で保持した。水性水酸化ナトリウム(1.0eqの1M溶液、254mL)を4時間かけて滴下して、ガムの形成を防いだ。塩基添加の間に、自由に流動する白色スラリーが観察され、これは経時的により厚くなった。反応器温度を20℃に設定し、混合物を一晩、19時間撹拌した。濾過により固体を単離し、次いで真空下40℃で、窒素を放出(bleed)しながら20時間乾燥させた。ラセミ体オキシブチニン(遊離塩基)の全体の収率は95%(86.1g)であり、種晶を差し引いた後、93%の収率に調整した。固体は白色粉末であり、結晶性ラセミ体オキシブチニン遊離塩基であると決定された。
【0085】
ラセミ体オキシブチニン遊離塩基(86.1g)を2-プロパノール(400mL)と合わせた。混合物を50℃に加熱して、溶液を得た。R-オキシブチニンのD-リンゴ酸塩の種晶を添加して(0.55g)、次いで固体D-リンゴ酸(24.2g)を30mLの2-プロパノールですすぎ、R-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を作製した。非常に薄いスラリーを50℃で1時間維持し、次いで0.1℃/分で20℃まで冷却し、20℃で約60時間保持した。R-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の収率(約30%)およびキラル純度(約93% R、86% ee)を推定するためにアリコートを採った。収率を増加するために、混合物を0.1℃/分で5℃までゆっくり冷却し、5℃で16時間保持した。第2のアリコートは、同等のキラル純度(約90% R、80% ee)と共にわずかに増加した収率を示した。混合物を濾過した。合わせた固体をさらなるMTBEで洗浄し、1.5時間風乾した。収率は41%(49.1g)であった。
【0086】
R-オキシブチニンD-リンゴ酸塩(44g)をMIBK(メチルイソブチルケトン)(220mL)と合わせた。混合物を40℃まで2時間加熱し、0.1℃/分で5℃まで冷却し、5℃で約12時間保持した。再結晶化生成物のアリコートは97% R、3% S (94% ee)を示し、濾過物は、より多くの量の望ましくないアイソマー(27% R、73% S)を示した。真空濾過により生成物を単離し、1時間風乾した。湿潤ケーク生成物は依然として非常に湿っていた(TGAにより50℃までMIBKの14%損失)。生成物を真空オーブン中、40℃で窒素を放出しながら一晩乾燥させた。再結晶化生成物の収率は93%(40.8g)であった。MIBKの代わりのMTBEの使用も企図される。結晶性生成物をXRPDにより分析して、形態Aであると同定された。
【0087】
そのため、キラル酸、D-リンゴ酸の使用により、ラセミ体オキシブチニンは、結晶性(R)-オキシブチニン塩に変換され得ることが決定された。ラセミ体オキシブチニンからの(R)-オキシブチニン塩の作製について11の他のキラル酸:L-酒石酸、D-酒石酸、L-(+)-乳酸、D-グルクロン酸、D-グルコン酸、L-リンゴ酸、(1R,3S)-(+)-樟脳酸、(S)-(+)-マンデル酸、(1R)-(-)-10-カンファースルホン酸、L-ピログルタミン酸およびD-(-)-キナ酸を試験した。ラセミ体オキシブチニンからの(R)-オキシブチニン塩の作製のためのキラル分解において他の11のキラル酸のいずれも成功しなかった。
【0088】
実施例6:(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩の作製および特徴付け
約20mgの(R)-オキシブチニン遊離塩基を1.0eqのL-酒石酸と合わせた。THF/MTBE溶媒を添加して、イソオクタンを逆溶媒として添加した。3つの結晶化技術を使用して(スラリー成熟、冷却、蒸発)、5~40℃の温度範囲を試みて、結晶形態を作製した。蒸発の後、実験によりガム/非反応キラル酸が生じた。ガム/非反応キラル酸に、(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩の種晶を添加した。これは、結晶性(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩の作製を生じた。
【0089】
XRPDにより(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩は結晶性であり、偏光顕微鏡検査により複屈折プレートと不規則に形作られた粒子の混合物を有した。図6は、(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩についてのXRPDパターンである。図7は、(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩についてのFT-ラマンスペクトルである。DSC分析は、92℃で大きな吸熱を示した(ΔH=54J/g)。TGA分析は、50~100℃で1.4%の小さな重量損失を示し、おそらくトラップされた溶媒であった。図8は、(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩についてのDSCおよびTGAトレースを示す。プロトンNMRにより、微量のMTBEを有する一塩(1.0:1の対イオン:API比の実際の比)が確認された。
【0090】
実施例7:種晶を用いたキラル塩スクリーン結果
(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩または(R)-オキシブチニンL-酒石酸塩の種晶を、表3に列挙される種々の溶媒中、種々のキラル酸と共に(R)-オキシブチニンに導入した。結果を表3に示す。A=非晶質。S=酸と一致する単離された固体。C=複屈折(結晶性)塩のヒット。
【表5】
【0091】
本発明のさらなる態様:
態様E1. (R)-オキシブチニンの結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E2. 形態A結晶性塩である、態様E1の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E3. 11.0、14.3、17.5、19.8および22.0°2θ±0.2°2θでのピークからなる群より選択される少なくとも3つのピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、態様E2の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E4. 11.0、17.5および22.0°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、態様E3の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E5. 11.0、14.3、17.5、19.8および22.0°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、態様E4の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E6. 11.0、14.3、17.5、18.8、19.8、21.4、22.0、23.3、24.1および33.2°2θ±0.2°2θでのピークからなる群より選択される少なくとも5つのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、態様E2の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E7. 11.0、14.3、17.5、18.8、19.8、21.4、22.0、23.3、24.1および33.2°2θ±0.2°2θでのピークを含むXRPDパターンを特徴とする、態様E6の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E8. 実質的に図1に示されるXRPDパターンを有する、態様E2の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E9. 約108.1℃で融解開始および約109.4℃で吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、態様E1~E8いずれかの結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E10. 実質的に図3に示される示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、態様E9の結晶性D-リンゴ酸塩。
態様E11. 態様E1~E10のいずれかの結晶性D-リンゴ酸塩および1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤を含む、医薬組成物。
態様E12. 咽頭気道虚脱に関連する状態の治療を必要とする被験体に、態様E1~E10のいずれかの結晶性D-リンゴ酸塩または態様E11の医薬組成物を投与する工程を含む、咽頭気道虚脱に関連する状態を治療する方法。
態様E13. 咽頭気道虚脱に関連する状態が睡眠時無呼吸またはいびきである、態様E13の方法。
態様E14. 咽頭気道虚脱に関連する状態が閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)である、態様E13の方法。
態様E15. (R)-オキシブチニンの非晶質D-リンゴ酸塩。
態様E16. 溶媒の存在下でD-リンゴ酸をラセミ体オキシブチニンに添加して、形態Aの(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を作製する工程を含む、形態Aの結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩を作製する方法。
態様E17. 溶媒が2-プロパノールである、態様E16の方法。
態様E18. 酢酸エチルおよびMTBEの存在下でD-リンゴ酸を(R)-オキシブチニン遊離塩基に添加する工程を含む、結晶性(R)-オキシブチニンD-リンゴ酸塩形態Aを作製する方法。
態様E19. 酢酸エチルおよびMTBEが約1:4の酢酸エチル:MTBEの体積比にある、請求項態様E18の方法。
態様E20. (R)-オキシブチニンの結晶性L-酒石酸塩。
【0092】
本発明の具体的な態様は、本明細書において詳細に図示および記載されるが、本発明はそれに限定されない。上記詳細な説明は、本発明の例示として提供され、本発明の任意の限定を構成するように解釈されるべきではない。改変は当業者に明白であり、本発明の精神から逸脱しない全ての改変は、添付の特許請求の範囲の範囲と共に含まれることが意図される。
図1
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【国際調査報告】