(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】医療画像化装置における管電流変調を処理及び視覚化するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A61B6/03 560Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568024
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2022061343
(87)【国際公開番号】W WO2022233704
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ビューロウ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハーダー ティム フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ リシケーシュ ナーラーヤンラーオ
(72)【発明者】
【氏名】ザールバッハ アクセル
(72)【発明者】
【氏名】マルテル クリストファー ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤング スチュワート マシュー
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093BA17
4C093FA18
4C093FA59
4C093FD03
4C093FF28
4C093FF36
4C093FG01
4C093FG14
(57)【要約】
患者に対して画像化スキャンを実行する場合において、スキャンが実行される際にX線管電流が変調される。X線管の電流値及び変調を記録し、アクセスすることができる。アクセスされた値は、患者及び診断装置の問題を特定するためのオーバーレイ及び表示を生成するために処理される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者スキャンにおける管電流変調を視覚化するためのコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法は、
前記患者スキャンの一部に関する1以上のX線管電流値にアクセスするステップであって、該1以上のX線管電流値が前記患者スキャンの前記一部を実行するために使用されたX線管に対応する、ステップと、
前記アクセスされた1以上のX線管電流値を、前記患者スキャンに関連するスカウトスキャンの領域にマッピングするステップと、
前記アクセスされたX線管電流値に基づく変換関数を前記スカウトスキャンの前記領域に適用して、変換されたスカウトスキャンを生成するステップと
を有し、
前記スカウトスキャンの前記領域が、ユーザに表示された場合に、前記スカウトスキャンの隣接する他の領域を対比させる、コンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記変換関数が、前記アクセスされた1以上のX線管電流値に対応する新たなカラーへの前記スカウトスキャンのピクセルのピクセルカラー変換を有する、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記変換関数が、前記新たなカラーの不透明度を変調するための彩度変換関数を更に有する、請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記アクセスされたX線管電流値を正規化するステップを更に有する、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記1以上のX線管電流値が、ダイコム(DICOM)ヘッダファイルのメタデータフィールドに位置する、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
前記患者スキャンに関連する複数の他の患者スキャンに患者情報又はスキャンされた解剖学的構造の1以上に基づいてアクセスするステップであって、前記複数の他の患者スキャンが他のX線管電流値を有する、ステップと、
前記1以上のX線管電流値に対応する他のX線管電流値を識別するステップであって、該対応が前記他のX線管電流値及び前記1以上のX線管電流値が生成された解剖学的領域に基づくものである、ステップと、
前記識別された他のX線管電流値をユーザに表示するステップと
を更に有する、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
1以上の管電流指紋を前記X線管電流値又は前記識別された他のX線管電流値の1以上に基づいて生成するステップであって、各指紋は順次のカラー化線分を有し、各線分は解剖学的領域に対応し、各カラーが前記X線管電流値又は前記識別された他のX線管電流値に基づくものである、ステップと、
前記1以上の管電流指紋をユーザに積層フォーマットで表示するステップであって、各指紋が各々の順次のカラー化線分に従って整列される、ステップと
を更に有する、請求項6に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記解剖学的領域の1つに関する平均X線管電流値を前記識別された他のX線管電流値に基づいて決定するステップと、
前記決定された平均X線管電流値に前記変換関数を適用して、変換された値を得るステップと、
前記変換された値をユーザに前記スカウトスキャンの前記解剖学的領域及び表示される領域のうちの1つに関連して表示するステップと
を更に有する、請求項6に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
患者スキャンにおける管電流変調を視覚化するためのシステムであって、
医療診断画像化装置と前記医療診断画像化装置に通信可能に結合されたディスプレイと、コンピューティング装置とを有し、前記コンピューティング装置は、
前記患者スキャンの一部に関する1以上のX線管電流値にアクセスし、ここで、該1以上のX線管電流値は前記患者スキャンの前記一部を実行するために使用された前記医療診断画像化装置のX線管に対応し、
前記アクセスされた1以上のX線管電流値を、前記患者スキャンに関連するスカウトスキャンの領域にマッピングし、
前記アクセスされたX線管電流値に基づく変換関数を前記スカウトスキャンの前記領域に適用して、変換されたスカウトスキャンを生成し、
前記変換されたスカウトスキャンを前記ディスプレイ上に表示するように構成され、
前記スカウトスキャンの前記領域が、ユーザに表示された場合に、前記スカウトスキャンの隣接する他の領域を対比させる、システム。
【請求項10】
前記変換関数が、前記アクセスされた1以上のX線管電流値に対応する新たなカラーへの前記スカウトスキャンのピクセルのピクセルカラー変換を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記変換関数が、前記新たなカラーの不透明度を変調するための彩度変換関数を更に有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記アクセスされたX線管電流値を更に正規化する、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記1以上のX線管電流値が、ダイコム(DICOM)ヘッダファイルのメタデータフィールド内に位置する、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピューティング装置が、更に、
前記患者スキャンに関連する複数の他の患者スキャンに患者情報又はスキャンされた解剖学的構造の1以上に基づいてアクセスし、ここで、前記複数の他の患者スキャンは他のX線管電流値を有し、
前記1以上のX線管電流値に対応する他のX線管電流値を識別し、ここで、該対応は前記他のX線管電流値及び前記1以上のX線管電流値が生成された解剖学的領域に基づくものであり、
前記識別された他のX線管電流値をユーザに表示するように構成される、
請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピューティング装置が、更に、
1以上の管電流指紋を前記X線管電流値又は前記識別された他のX線管電流値の1以上に基づいて生成し、ここで、各指紋は順次のカラー化線分を有し、各線分は解剖学的領域に対応し、各カラーは前記X線管電流値又は前記識別された他のX線管電流値に基づくものであり、
前記1以上の管電流指紋をユーザに積層フォーマットで表示するように構成され、ここで、各指紋は各々の順次のカラー化線分に従って整列される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンピューティング装置が、更に、
前記解剖学的領域の1つに関する平均X線管電流値を前記識別された他のX線管電流値に基づいて決定し、
前記決定された平均X線管電流値に前記変換関数を適用して、変換された値を生成し、
前記変換された値をユーザに前記スカウトスキャンの前記解剖学的領域及び表示される領域のうちの1つに関連して表示するように構成される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
1以上のプロセッサにより実行された場合に、該1以上のプロセッサに、
患者スキャンの一部に関する1以上のX線管電流値にアクセスさせ、ここで、該1以上のX線管電流値は前記患者スキャンの前記一部を実行するために使用されたX線管に対応すると共にダイコム(DICOM)ヘッダファイルのメタデータフィールド内に位置し、
前記アクセスされた1以上のX線管電流値を、前記患者スキャンに関連するスカウトスキャンの領域にマッピングさせ、
前記アクセスされたX線管電流値に基づく変換関数を前記スカウトスキャンの前記領域に適用して、変換されたスカウトスキャンを生成させる
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記変換関数は、
前記アクセスされた1以上のX線管電流値に対応する新たなカラーへの前記スカウトスキャンのピクセルのピクセルカラー変換と、
前記新たなカラーの不透明度を変調するための彩度変換関数と
を有し、
前記スカウトスキャンの前記領域が、ユーザに表示された場合に、前記スカウトスキャンの隣接する他の領域を対比させる、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記命令が更に前記1以上のプロセッサに、
前記患者スキャンに関連する複数の他の患者スキャンに患者情報又はスキャンされた解剖学的構造の1以上に基づいてアクセスさせ、ここで、前記複数の他の患者スキャンは他のX線管電流値を有し、
前記1以上のX線管電流値に対応する他のX線管電流値を識別させ、ここで、該対応は前記他のX線管電流値及び前記1以上のX線管電流値が生成された解剖学的領域に基づくものであり、
前記識別された他のX線管電流値をユーザに表示させる、
請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記命令が更に前記1以上のプロセッサに、
1以上の管電流指紋を前記X線管電流値又は前記識別された他のX線管電流値の1以上に基づいて生成させ、ここで、各指紋は順次のカラー化線分を有し、各線分は解剖学的領域に対応し、各カラーは前記X線管電流値又は前記識別された他のX線管電流値に基づくものであり、
前記1以上の管電流指紋をユーザに積層フォーマットで表示させ、ここで、各指紋は各々の順次のカラー化線分に従って整列される、
請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記命令が更に前記1以上のプロセッサに、
前記解剖学的領域の1つに関する平均X線管電流値を前記識別された他のX線管電流値に基づいて決定させ、
前記決定された平均X線管電流値に前記変換関数を適用して、変換された値を生成させ、
前記変換された値をユーザに前記スカウトスキャンの前記解剖学的領域及び表示される領域のうちの1つに関連して表示させる、
請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、医療診断画像化の分野に関し、より具体的には、X線管電流値の処理及び視覚化に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] コンピュータ断層撮影(CT)スキャンは、一般的に、患者に対し医療検査の一環として実行される。典型的なCTスキャンは、患者の周囲の異なる角度からの複数のX線画像を撮影する処理を含む。これらX線画像は結合及び処理されて、スキャンされた患者の断面データを生成する。実際に、複数のX線画像から合成画像が生成される。
【0003】
[0003] しかしながら、CTスキャンを生成することからは、X線画像データに加えて更なる情報も取得でき、このような情報は患者を治療する際に有用であり得る。更に、この更なる情報は、医療実行者のワークフローに摩擦又は非効率をもたらすことを回避するような直観的で容易に理解可能な態様で提示することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、請求項に記載のシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004] 一例において、管電流変調を視覚化するためのコンピュータ実施方法は:患者スキャンの一部に関する1以上のX線管電流値にアクセスするステップであって、1以上のX線管電流値が患者スキャンの一部を実行するために使用されたX線管に対応する、ステップと;アクセスされた1以上のX線管電流値を、患者スキャンに関連するスカウトスキャンの領域にマッピングするステップと;アクセスされたX線管電流値に基づく変換関数をスカウトスキャンの領域に適用して、変換されたスカウトスキャンを生成するステップと;を有し、スカウトスキャンの領域は、ユーザに表示された場合に、スカウトスキャンの隣接する他の領域を対比させる(際立たせる)。
【0006】
[0005] 当該コンピュータ実施方法の幾つかの例において、変換関数は、アクセスされた1以上のX線管電流値に対応する新たなカラーへのスカウトスキャンのピクセルのピクセルカラー変換を含む。
【0007】
[0006] 当該コンピュータ実施方法の幾つかの例において、変換関数は新たなカラーの不透明度を変調するための彩度変換関数を含む。
【0008】
[0007] 当該コンピュータ実施方法の幾つかの例において、アクセスされたX線管電流値は正規化される。
【0009】
[0008] 当該コンピュータ実施方法の幾つかの例において、1以上のX線管電流値はダイコム(DICOM)ヘッダファイルのメタデータフィールド内に配置される。
【0010】
[0009] 当該コンピュータ実施方法の幾つかの例において、該方法は:患者スキャンに関連する複数の他の患者スキャンに患者情報又はスキャンされた解剖学的構造の1以上に基づいてアクセスするステップであって、複数の他の患者スキャンが他のX線管電流値を含む、ステップと;1以上のX線管電流値に対応する他のX線管電流値を識別するステップであって、該対応が他のX線管電流値及び1以上のX線管電流値が生成された解剖学的領域に基づくものである、ステップと;識別された他のX線管電流値をユーザに表示するステップと;を更に含む。
【0011】
[0010] 当該コンピュータ実施方法の幾つかの例において、該方法は:1以上の管電流指紋をX線管電流値又は識別された他のX線管電流値の1以上に基づいて生成するステップであって、各指紋は順次のカラー化線分を含み、各線分は解剖学的領域に対応し、各カラーがX線管電流値又は識別された他のX線管電流値に基づくものである、ステップと;1以上の管電流指紋をユーザに積層フォーマットで表示するステップであって、各指紋が各々の順次のカラー化線分に従って整列される、ステップと;を更に含む。
【0012】
[0011] 当該コンピュータ実施方法の幾つかの例において、該方法は:解剖学的領域の1つに関する平均X線管電流値を識別された他のX線管電流値に基づいて決定するステップと;決定された平均X線管電流値に変換関数を適用して、変換された値を得るステップと;変換された値をユーザにスカウトスキャンの解剖学的領域及び表示される領域のうちの1つに関連して表示するステップと;を更に含む。
【0013】
[0012] 一例において、患者スキャンにおける管電流変調を視覚化するためのシステムは:医療診断画像化装置;医療診断画像化装置に通信可能に結合されたディスプレイ;及びコンピューティング装置;を有し、該コンピューティング装置は:患者スキャンの一部に関する1以上のX線管電流値にアクセスし、ここで、該1以上のX線管電流値は患者スキャンの一部を実行するために使用された医療診断画像化装置のX線管に対応し;アクセスされた1以上のX線管電流値を、患者スキャンに関連するスカウトスキャンの領域にマッピングし;アクセスされたX線管電流値に基づく変換関数をスカウトスキャンの領域に適用して、変換されたスカウトスキャンを生成し;及び変換されたスカウトスキャンをディスプレイ上に表示する;ように構成され、スカウトスキャンの領域は、ユーザに表示された場合に、スカウトスキャンの隣接する他の領域を対比させる。
【0014】
[0013] 当該システムの幾つかの例において、変換関数は、アクセスされた1以上のX線管電流値に対応する新たなカラーへのスカウトスキャンのピクセルのピクセルカラー変換を含む。
【0015】
[0014] 当該システムの幾つかの例において、変換関数は、新たなカラーの不透明度を変調するための彩度変換関数を含む。
【0016】
[0015] 当該システムの幾つかの例において、コンピューティング装置は、更に、アクセスされたX線管電流値を正規化するように構成される。
【0017】
[0016] 当該システムの幾つかの例において、1以上のX線管電流値はダイコム(DICOM)ヘッダファイルのメタデータフィールド内に配置される。
【0018】
[0017] 当該システムの幾つかの例において、コンピューティング装置は、更に:患者スキャンに関連する複数の他の患者スキャンに患者情報又はスキャンされた解剖学的構造の1以上に基づいてアクセスし、ここで、複数の他の患者スキャンは他のX線管電流値を含み;1以上のX線管電流値に対応する他のX線管電流値を識別し、ここで、該対応は他のX線管電流値及び1以上のX線管電流値が生成された解剖学的領域に基づくものであり;識別された他のX線管電流値をユーザに表示する;ように構成される。
【0019】
[0018] 当該システムの幾つかの例において、コンピューティング装置は、更に:1以上の管電流指紋をX線管電流値又は識別された他のX線管電流値の1以上に基づいて生成し、ここで、各指紋は順次のカラー化線分を含み、各線分は解剖学的領域に対応し、各カラーはX線管電流値又は識別された他のX線管電流値に基づくものであり;及び1以上の管電流指紋をユーザに積層フォーマットで表示するように構成され、ここで、各指紋は各々の順次のカラー化線分に従って整列される。
【0020】
[0019] 当該システムの幾つかの例において、コンピューティング装置は、更に:解剖学的領域の1つに関する平均X線管電流値を識別された他のX線管電流値に基づいて決定し;決定された平均X線管電流値に変換関数を適用して、変換された値を生成し;及び変換された値をユーザにスカウトスキャンの解剖学的領域及び表示される領域のうちの1つに関連して表示する;ように構成される。
【0021】
[0020] 一例において、非一時的コンピュータ可読媒体は、1以上のプロセッサにより実行された場合に、該1以上のプロセッサに:患者スキャンの一部に関する1以上のX線管電流値にアクセスさせ、ここで、該1以上のX線管電流値は患者スキャンの一部を実行するために使用されたX線管に対応すると共にダイコム(DICOM)ヘッダファイルのメタデータフィールド内に位置し;アクセスされた1以上のX線管電流値を、患者スキャンに関連するスカウトスキャンの領域にマッピングさせ;及びアクセスされたX線管電流値に基づく変換関数をスカウトスキャンの領域に適用して、変換されたスカウトスキャンを生成させる;命令を記憶し、上記変換関数は:アクセスされた1以上のX線管電流値に対応する新たなカラーへのスカウトスキャンのピクセルのピクセルカラー変換;及び新たなカラーの不透明度を変調するための彩度変換関数;を含み、スカウトスキャンの領域は、ユーザに表示された場合に、スカウトスキャンの隣接する他の領域を対比させる。
【0022】
[0021] 当該非一時的コンピュータ可読媒体の幾つかの例において、上記命令は更に1以上のプロセッサに:患者スキャンに関連する複数の他の患者スキャンに患者情報又はスキャンされた解剖学的構造の1以上に基づいてアクセスさせ、ここで、複数の他の患者スキャンは他のX線管電流値を含み;1以上のX線管電流値に対応する他のX線管電流値を識別させ、ここで、該対応は他のX線管電流値及び1以上のX線管電流値が生成された解剖学的領域に基づくものであり;識別された他のX線管電流値をユーザに表示させる。
【0023】
[0022] 当該非一時的コンピュータ可読媒体の幾つかの例において、上記命令は更に1以上のプロセッサに:1以上の管電流指紋をX線管電流値又は識別された他のX線管電流値の1以上に基づいて生成させ、ここで、各指紋は順次のカラー化線分を含み、各線分は解剖学的領域に対応し、各カラーはX線管電流値又は識別された他のX線管電流値に基づくものであり;1以上の管電流指紋をユーザに積層フォーマットで表示させ、ここで、各指紋は各々の順次のカラー化線分に従って整列される。
【0024】
[0023] 当該非一時的コンピュータ可読媒体の幾つかの例において、上記命令は更に1以上のプロセッサに:解剖学的領域の1つに関する平均X線管電流値を識別された他のX線管電流値に基づいて決定させ;決定された平均X線管電流値に変換関数を適用して、変換された値を生成させ;及び変換された値をユーザにスカウトスキャンの解剖学的領域及び表示される領域のうちの1つに関連して表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[0024]
図1は、本技術の幾つかの実施形態による、コンピュータシステムの一例を示すシステム図である。
【
図2A】[0025]
図2Aは、本技術の幾つかの実施形態による、管電流変調オーバーレイシステムの一例を示すシステム図である。
【
図2B】[0026]
図2Bは、本技術の幾つかの実施形態による、管電流変調ビューを生成する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図2C】[0027]
図2Cは、本技術の幾つかの実施形態による、管電流値統計エンジンの一例を示すシステム図である。
【
図2D】[0028]
図2Dは、本技術の幾つかの実施形態による、コンテキスト管電流変調ビューを生成する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3A】[0029]
図3Aは、本技術の幾つかの実施形態による、管電流変調オーバーレイの例示的ビューである。
【
図3B】[0030]
図3Bは、本技術の幾つかの実施形態による、管電流変調オーバーレイの例示的ビューである。
【
図4】[0031]
図4は、本技術の幾つかの実施形態による、解剖学的構造の識別を含む管電流変調オーバーレイの例示的なビューである。
【
図5A】[0032]
図5Aは、本技術の幾つかの実施形態による、積層管電流変調表示の例示的なビューである。
【
図5B】[0033]
図5Bは、本技術の幾つかの実施形態による、比較管電流変調表示の例示的ビューである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0034] CTスキャンは、複数のX線画像を互いに同時に又は略同時に撮影することにより生成される。次いで、これらX線画像はコンピュータアルゴリズムを介して断層撮影データを生成するために使用され、スキャンされた患者の断面の合成画像を生成する。多くの例において、X線画像を生成するX線は、患者に対して複数の変化する角度に設定される。それにもかかわらず、通常、X線及びX線画像を生成するためにX線管が使用される。
【0027】
[0035] 標準的なX線管は、電気エネルギーをX線に変換する(例えば、陽極等を介して)。電気エネルギーは電流の形で管に供給され、生成されるX線はX線管に供給される電流に比例する。逆に、管電流は、生成されるX線光子の数(光子束とも呼ばれる)に比例する。しかしながら、信号対雑音比(SNR)は光子束が増加するにつれて増加するが、その相関関係は厳密には比例しない。
【0028】
[0036] 多くのX線スキャナでは、生成されるX線を調整するために電流(すなわち管電流)を変調できる。多くの場合、管電流は、スキャンプロセス全体を通じてSNRに対する一貫した信号を維持するために修正される。特に、異なるボリュームの密な組織(例えば、筋肉、脂肪、骨等)がX線撮影される際に、異なる管電流は異なるSNRをもたらし得る。結果として、管電流は、異なる臓器、身体の部分等をX線撮影することに応じて変調することができる。
【0029】
[0037] 幾つかの例において、管電流変調は自動的に(例えば、CTスキャン過程全体を通してリアルタイムでSNRを監視することに応じて)実行される。例えば、管電流は、結果として生じるX線により透過されるべき組織の量及び密度に基づいて変調できる。患者の肺及び腹部のスキャンは、当該スキャンのうちの肺にわたって進行するz部分を減少させること、及び当該スキャンのうちの腹部領域にわたって進行する同じ部分を増加させることを含み得る。更に、CTスキャンの各断面スライス(例えば、X線画像)に対して適用された管電流を、典型的に生成され、且つ、各断面スライスに関連付けられる対応するダイコム(DICOM)ファイルに保存できる。
【0030】
[0038] 一部のCTスキャナの供給者は、スキャナの設定及び機能の検証のための管電流データを提供している。幾つかの例において、提供された管電流データは、エンドユーザに対しスカウトスキャン画像上に重ねられたグラフとして表示できる。しかしながら、このような表現は、スカウトスキャン画像の一部を妨げ、個々のピクセル又はピクセルのグループのレベルで局所的な管電流値を視覚的に評価することを困難にさせ得る。更に、臓器の位置及び範囲の詳細な推定は、例えば、異なる吸収特性を持つ臓器の重ね合わせ等の種々の要因により決定することが、しばしば、困難である。実際、決定され得る管電流変調に関する表示された情報は、解読者が表示された情報を照合及び分解して解剖学的領域と適用された変調の特徴との間の関係を理解することを必要とし、従って時間が掛かると共に読み取りを医学的に解釈することから注意をそらすことになる。開示されるものは、管電流変調と対応する解剖学的領域との間の関係を決定すると共に、該決定をユーザがスキャンの医学的解釈等の一層関連性のあるタスクに対して注意を集中し続けることを可能にする直観的で効率的な態様で表示するという技術的課題に対する解決策である。
【0031】
[0039] 特に、管電流を決定し、カラーコードに変換することができる。次いで、カラーコードを使用して、グレースケールのスカウトスキャン画像を、管電流値に対応するカラー化バージョン(例えば、RGB)に変換できる。その結果、臨床医は、カラー化されたスカウトスキャン画像を評価することにより、スキャン過程全体を通しておおよその管電流値及び管電流値変調を迅速に決定することができる。視覚的な乱れは軽減され、スカウトスキャン画像の特徴を妨害するようなグラフィックユーザインターフェースを遮るリスクが回避される。
【0032】
[0040] 更に、管電流変調情報は、限定するものではないが、例えば、肺、腹部、骨盤等の特定の解剖学的関心領域に関連付けることができる。幾つかの例において、関連付けられた情報は収集でき、例えば、限定するものではないが、平均管電流、最小管電流、及び/又は最大管電流等の導出される値を、関心領域ごとに計算できる。解剖学的領域の位置及び範囲は、スカウトスキャン及び/又はCT画像に関して当業技術で良く知られた画像セグメンテーションアルゴリズム及び/又は関心領域回帰技術を使用して推定することができる。
【0033】
[0041] 幾つかの場合において、スカウト画像の軸方向範囲は、再構成される3D CT画像(該画像のために、DICOMスライスがスキャナからエクスポートされる)の軸方向範囲と相違し得る。その結果、カラーオーバーレイの範囲が、下にある画像と完全に一致しない場合がある。この差は、CTボリュームの軸方向範囲がスカウト画像の軸方向範囲より小さい場合に正となるか、又はスカウト画像の軸方向範囲がCTボリュームの軸方向範囲より小さい場合に負となり得るかのいずれかであり、従って重なりは、軸方向画像範囲の各端部(例えば、上部及び/又は底部)において相違し得る。
【0034】
[0042] 軸方向範囲の不整合を考慮するために、管電流変調情報は画像の垂直範囲の一部のみにわたって重ねることができる。更に、幾つかの例では、限定するものではないが、水平バー(軸方向範囲に対して)が3D CTスカウト画像の軸方向位置に整列され、管電流変調を表すカラーバーを表示することができる。
【0035】
[0043] カラーコード化された帯(バンド)に加えて又は代えて、収集及び導出された管電流変調値を使用して種々の視覚化及び評価技術を適用し、有益なオーバーレイを生成できる。例えば、表形式、プロット形式及びオーバーレイ形式のグラフィック要素をスキャンの画像に追加することができる。
【0036】
[0044] 解剖学的関心領域に関する管電流変調の統計的特徴の定量的表現(例えば、最小、最大、平均、中央値等)は、ユーザに対し表として(例えば、スキャン出力画像等と一緒の)表示することができる。該表は、例えば、限定するものではないが、現在の患者の値に長期的な又はグローバルな値からの大きな差が検出された場合におけるドリフト警告を識別するために、現在のスキャンと比較するための患者履歴(長期的)又は一層大きな患者集団(グローバル)に関連する情報を含むことができる。統計的プロットは、例えば関心領域ごとの管電流変調を視覚化するために、箱ひげ図の形で提供することができる。上述したカラーオーバーレイ等の追加のオーバーレイを、1つの表示でスキャンを迅速に評価するために前記表形式及び/又は箱ひげ図の表示と組み合わせることができる。幾つかの例において、検査の集合(アンサンブル)は、上記視覚化の1以上を含み得ると共に、複数の検査の容易に比較可能なビューを提供するために解剖学的に位置合わせされ得る。
【0037】
[0045] 本技術の特定の例示的実施形態についての説明が以下に続く。アーキテクチャ、システム、方法及び/又は装置が開示されるが、当業者であれば、これらが一般的理解及び明確化のための例であることを理解するであろう。したがって、より多くの又は少ないステップ、代替アーキテクチャ、及び他の変形等の、開示された実施形態に対する変形も、依然として本開示の趣旨及び範囲内に含まれ得る。
【0038】
[0046]
図1は、本明細書で説明される種々のシステム及び方法を実装できる例示的なコンピューティングシステム(コンピュータシステム)100である。コンピュータシステム100は、バス102を介して通信する1以上のコンピューティング要素を含む。一実装形態において、コンピューティングシステム100は1以上のプロセッサ114を含む。プロセッサ114は、1以上の内部レベルのキャッシュ116及びバスコントローラ又はバスインターフェースを含み得る。プロセッサ114は、具体的には、本明細書で説明する様々な方法を実施することができる。メインメモリ108は、1以上のメモリカード及び制御回路(図示せず)、又は他の形式の取り外し可能なメモリを含むことができ、プロセッサ114上で実行された場合に、本明細書に記載の方法及びシステムを実装するコンピュータ実行可能命令を含む様々なソフトウェアアプリケーションを記憶できる。記憶装置110及び大容量記憶装置112等の他の形式のメモリも含まれ、バス102を介してプロセッサ(又は複数のプロセッサ)114によりアクセス可能である。記憶装置110及び大容量記憶装置112は、各々、本明細書で説明される方法及びシステムのいずれか又は全てを含むことができる。
【0039】
[0047] コンピュータシステム100は通信インターフェース118を更に含むことができ、該通信インターフェースによりコンピュータシステム100はネットワークに接続でき、本明細書に記載の方法及びシステムを実行するのに有用なデータを受信することができ、及び他の装置に情報を送信することができる。コンピュータシステム100は、情報が入力される入力装置106を含むこともできる。入力装置106は、当業者には明らかなように、スキャナ、キーボード及び/又は他の入力装置とすることができる。コンピュータシステム100は、情報を出力できる出力装置104を含むこともできる。出力装置104は、当業者には明らかなように、モニタ、プリンタ、USB及び/又は他の出力装置若しくはポートであり得る。
【0040】
[0048]
図1に示されるシステムは、本開示の態様に従って採用又は構成され得るコンピュータシステム一つの可能性のある例にすぎない。本開示技術をコンピューティングシステム上で実装するためのコンピュータ実行可能命令を記憶する他の非一時的有形コンピュータ可読記憶媒体も利用できることが理解されよう。
【0041】
[0049] 本開示において、開示される方法は装置により読み取り可能な命令のセット又はソフトウェアとして実施できる。更に、開示される方法におけるステップの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの例であると理解される。設計の好みに基づいて、当該方法におけるステップの特定の順序又は階層は、開示された主題の範囲内に留まりながら再配置できると理解される。添付する方法の請求項は、種々のステップの要素をサンプル順で示しており、必ずしも提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0042】
[0050] 記載される開示はコンピュータプログラム製品又はソフトウェアとして提供することができ、該コンピュータプログラム製品又はソフトウェアは、コンピュータシステム(又は他の電子装置)を本開示に従って処理を実行するようにプログラムするために使用され得る命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能な形式の情報(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)を記憶するための任意の機構を含む。該コンピュータ可読記憶媒体は、限定されるものではないが、光記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM等)、フラッシュメモリ、又は電子命令を記憶するのに適した他の種類の媒体を含み得る。
【0043】
[0051]
図2Aは、管電流変調オーバーレイシステム200の一例を示す。管電流変調オーバーレイシステム200は単体システムとして示されているが、これは説明のためのみによるものであり、該管電流変調オーバーレイシステム200は、当業者には明らかなように、モノリシックアーキテクチャ、分離アーキテクチャ、クラウドサービス、及び他の様々な配備構成として配備することができることが分かる。
【0044】
[0052] それにもかかわらず、管電流変調オーバーレイシステム200は、スキャナデータ受信器208、画像検索部206、及びインターフェース214を含む、外部システムと対話するための様々なインターフェースを含む。スキャナデータ受信器208は、医療診断装置から、画像データの形式のスキャナ情報を個々の画像ファイル又はスライスの画像ファイルスタックとして受信する。一例において、当該医療診断装置はCTスキャナであり、スキャナデータ受信器208は該CTスキャナから画像データをDICOMファイルの形式で受信するように構成される。幾つかの例において、スキャナデータ受信器208は各医療診断装置に直接接続される。幾つかの例において、スキャナデータ受信器208は、病院ネットワークを介して送信されるDICOMファイルを傍受するか、そうでなければ受信することができる。
【0045】
[0053] スキャナデータ受信器208は管電流値を管電流モニタ202に供給する。DICOMファイルは、各ファイルヘッダのメタデータに管電流値を含み、例えばパケットパーサ(パケット解析器)で抽出することができる。管電流モニタ202は、スキャナデータ受信器208からの抽出された管電流値を受信及び追跡する。管電流モニタ202は、「スライス位置」、「画像位置」、「画像方位」及び/又は「ピクセル間隔」等の、DICOMヘッダに含まれる追跡値も受信する。例えば、スライス位置は画像面の相対位置として定義され、「(0020,1401)」として記憶される値を含むことができ;画像位置は、患者識別子並びにz、y及びz軸の座標値(例えば、送信された最初のボクセルの中心を左上の基準点として使用した)を含むことができ;画像方位は、患者に対する最初の行及び最初の列の方向余弦を含むことができ;ピクセル間隔は、隣接するピクセル間の物理的距離を提供することができる。一般に、特殊値はミリメートル単位で定義され得る。
【0046】
[0054] スキャナデータ受信器208は、当技術分野で知られているパーサを使用してDICOMファイルを処理し、種々のフィールド及び対応する値を識別することができる。pydicom Pythonパッケージがその一例であるが、DICOMファイルの処理には複数の代替的DICOMパーサも使用できる。
【0047】
[0055] 幾つかの例において、管電流モニタ202は管電流値を指定された範囲に正規化できる。次いで、該正規化された値は、電流/画像マッパ210により、対応するスカウトスキャンカラー値を、管電流を表すように変換するために使用され得る。電流/画像マッパ210は、正規化された管電流値に基づいて、対応するスカウトスキャンにカラースケールを適用する。幾つかの例において、該カラースケールは、インターフェース214を介してユーザにより設定され、ユーザの好み、臨床状況、患者履歴等に合わせてカスタマイズされ得る。任意のカラースケールを使用できるが、本開示では解説目的のみのために青から赤までの範囲のスケールが提供される。他のカラースケールは、緑から赤、緑から黄、黄から赤等の範囲を含み得る。
【0048】
[0056] 画像データプリプロセッサ204は、スキャナデータ受信器208及び/又は画像検索部206から画像データファイルを受信できる。画像検索部206は、画像保管通信システム(PACS)の統合を含み得る。スカウトスキャン等の患者の画像は、画像検索部206から取り込まれて、画像データプリプロセッサ204により準備され得る。幾つかの例において、画像データプリプロセッサ204は、メタデータを追加し又は取り込まれたスカウトスキャンの画像ファイルを修正して、電流/画像マッパ210がカラー変換を適用できるようにする。
【0049】
[0057] 幾つかの例では、追加の値又は代替の値を、画像データプリプロセッサ204により、DICOMヘッダメタデータからの抽出情報又は画像若しくはメタデータの計算された派生情報のいずれか又は両方を介して生成できる。例えば、「被爆」、「線量節約」、及び/又は「 CTDI_vol」をDICOMヘッダメタデータから抽出し、スカウトスキャンに対して値を相関させるために電流/画像マッパ210に供給することができる。被爆は、ミリアンペア(mA)での管電流及び秒単位で供給される対応する暴露時間の積である。線量節約は、最大管電流で取得されるスキャンと比較した、対応する適用された管電流変調により節約された線量の割合である。CTDI_volは体積線量指数であり、CTスキャナの放射線量出力の標準化された尺度である。同様に、画像データプリプロセッサ204は、DICOMファイルの画像コンテンツから「水等価直径」等の値を、例えば、限定するものではないが、画像処理アルゴリズム及び/又はトレーニングされた分類器を使用して計算できる。計算された値は、同様に、スカウトスキャンとの相関のために電流/画像マッパ210に供給され得る。
【0050】
[0058] ビジュアライザ212は、電流/画像マッパ210からのマッピングされた管電流情報を編集し、インターフェース214を介してユーザに表示するグラフィックコンテンツを生成する。ユーザは、閾値、カラースケール、何のデータが視覚化されるか等のビジュアライザ212の特定の視覚化設定を、インターフェース214と対話することにより構成できる。更に、幾つかの例において、ビジュアライザ212は、統計エンジン又はデータベースから様々な統計的情報又は他のグローバルな情報を受信することができ、これについては
図2Cを参照して後に更に説明する。この追加情報は、ビジュアライザ212により準備された視覚要素に統合され、インターフェース214を介してユーザに供給され得る。
【0051】
[0059]
図2Bは、例えば、限定するものではないが、CTスキャンからのマッピングされた管電流値を生成及び視覚化するための方法250を示す。方法250は、記憶された命令を実行する1以上のプロセッサにより、及び/又は
図2Aに示され上述されたもの等のシステム上で実行できる。それにもかかわらず、方法250は説明及び理解を目的として提供されるものであり、該方法250に示されるステップは、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく修正、置換又は追加できることが理解されるであろう。
【0052】
[0060] ステップ252において、管電流値が画像データから抽出される。幾つかの例において、画像データは
図2Aを参照して上述したスキャナデータ受信器208により受信される。管電流値は、CTスキャンの1つのスライス又は画像のX線電流値を含む。画像がDICOMファイルの一部として供給される場合、管電流値は該DICOMファイルのヘッダ部分におけるメタデータから抽出できる。
【0053】
[0061] ステップ254において、上記の抽出された管電流値はスカウトスキャンの対応する座標にマッピングされる。抽出された管電流値のマッピングは、スライス位置、画像位置、画像方位及びピクセル間隔を示すDICOMヘッダファイル内の座標情報を使用して実行できる。スカウトスキャンは、例えば画像検索部206を介してネットワークPACSから取り込むことができる。
【0054】
[0062] スカウトスキャンは、次いで、マルチチャネル画像の各チャネルにコピーされ得る。例えば、RGB画像が使用される場合、スカウトスキャンはRGB画像の3つのチャネルの各々にコピーされる。これにより、スカウトスキャンのRGB画像が各々の原色チャネル(例えば、赤、緑、青、等)に沿ってカラー修飾されることが可能になる。更に、管電流値を正規化することができ、一例において、管電流値は-1から1の範囲に正規化される。
【0055】
[0063] ステップ256では、カラー変換関数がスカウトスキャンにおける各垂直ピクセル列に適用される。幾つかの例において、カラースケールは、インターフェース214を介して、ユーザにより種々のオプションから選択でき、又はユーザにより入力できる。例えば、最小管電流値は「青」にマッピングでき、最大管電流値は「赤」にマッピングできる。正規化された管電流値を使用し、下記のマッピング関数(1)を各垂直ピクセル列に適用して、管電流にカラーマッピングされたスカウトスキャン画像を実現することができる。
カラーマッピング関数(1):
TC_n(z)<0の場合:R(z)=(1+TC_n(z))*R(z);G(z)=(1+TC_n(z))*G(z)
TC_n(z)>0の場合:R(z)=(1-TC_n(z))*R(z);B(z)=(1-TC_n(z))*B(z)
【0056】
[0064] マッピング関数(1)において、TC_n(z)は、スカウトスキャンのz座標にマッピングされ、-1から1の範囲のスパンに正規化された管電流値を表す。R(z)、G(z)及びB(z)は、各々、スカウトスキャンのRGB画像内の対応するz座標における赤、緑及び青チャンネルのピクセル値を表す。事実上、マッピング関数(1)は、対応する正規化された管電流値が0より大きい場合、RGBスカウトスキャン画像の座標における赤及び緑チャネルのクセルを比例的に変更(修正)する。対応する正規化された管電流値が0未満の場合、マッピング関数(1)は、代わりに、各座標におけるピクセルの赤及び青のチャネルを比例的に変更する。このように、結果として得られるRGBスカウトスキャン画像は、対応するCTスキャンにより対応する位置を画像化するための管電流値に密接に結合された及び該電流値を表すスケールに従って色付けされるであろう。
【0057】
[0065] ステップ258では、彩度変換係数がスカウトスキャンにおける各垂直ピクセル列に適用される。その一例が下記のマッピング関数(2)に統合された形で示されている該彩度変換係数は、色飽和が基礎となるスカウトスキャン画像を圧倒し、実効的に特徴構造及び画像テクスチャを判読不能にさせないことを保証する。実際に、彩度変換係数は画像のカラー化を和らげる。
マッピング関数(2):
TC_n(z)<0の場合:R(z)=(1+s*TC_n(z))*R(z);G(z)=(1+s*TC_n(z))*G(z)
TC_n(z)>0の場合:R(z)=(1-s*TC_n(z))*R(z);B(z)=(1-s*TC_n(z))*B(z)
【0058】
[0066] マッピング関数(2)は彩度変換係数を統合するもので、マッピング関数(1)の代わりに使用できる。マッピング関数(2)において、追加の彩度係数はsにより表され、正規化された管電流値に直接適用されて、修正されたRGB値を生成する。一般的に、彩度係数sは値0及び1である。彩度関数が適用されると、その一例が後述の
図3Aに示される、管電流値にマッピングされた3つのカラーチャネルを有する変換されたスカウトスキャン画像が表示され得る。
【0059】
[0067] ステップ260において、変換されたスカウトスキャンは検討するためにユーザに表示される。幾つかの例において、表示される変換されたスカウトスキャンは、スキャンされた患者のカラー化されたビューをユーザに提供する。該カラー化されたビューは、当該スキャンの各解剖学的領域において記録された管電流値に対応すると共に、詳細な管電流情報を依然として提供しながら該スキャンの基礎となる特徴構造を不明瞭にしないように該スカウトスキャン上に重ねられたカラーの帯を含み得る。幾つかの例において、ユーザは、該カラー化されたビューと、
図3に示されるような従来のビュー350との間で切り替えることができる。
【0060】
[0068]
図3A及び
図3Bは、各々、上記方法250により生成されるもの等のカラー化ビュー300、及び該カラービュー300が、とりわけ、対応する解剖学的領域にマッピングされた管電流値の非妨害的ビューを提供することにより改善する従来のビュー350を示す。特に、従来のビュー350は、スキャンからの様々な関連値に対応する一連のグラフ線356A~Dがオーバーレイされた2D画像354(例えば、スカウトスキャン)を含む。更に、説明文352が利用可能な表示スペースを消費している。ここで、グラフ線356Aは、当該スキャンの長手軸に沿って、当該グラフがオーバーレイされるスキャンの領域に対応する管電流値を示している。同様に、グラフ線356B~Dは、各々、曝露量、線量節約量及びCT線量指数(CTDI_vol)を表し、当該スキャン上に直接オーバーレイされている。
【0061】
[0069] 対照的に、
図3Aにより示されるカラー化ビュー300は、従来のビュー350を超える本開示の改良点の幾つかを示している。特に、カラー化ビュー300は、CTスキャナにより検査されている患者の縦方向スキャン304を提供するスカウトスキャン画像302を含んでいる。色付き帯(カラーバンド)306A~Dが、当該患者の縦方向スキャン304上に非妨害的にオーバーレイされている。各カラーバンド306A~Dは、例えば前述した方法250等により、管電流値のRGBチャネル値へのマッピングに従って生成される。
【0062】
[0070]
図3Aに示されたように、カラーバンド306A~Dは、青が最小管電流値に対応し、赤が最大管電流値に対応するようにマッピングされる。マッピングされたカラーは線形にスケーリングされる。上述したマッピングは一例であり、他のマッピング及びスケーリングも本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることが理解されるであろう。
【0063】
[0071] ここでは、各カラーバンド306A~Dが解剖学的領域に明確に対応しており、管電流の変調が、全体として、これら領域上に見られ得る。赤のカラーバンド306Aは肺領域の上部において最大管電流値を示し、青のカラーバンド306Bは肺領域の大部分において最小管電流値への急激なシフトを示している。
【0064】
[0072] これと比較して、赤のカラーバンド306C及び306Dは、各々、スキャンが各々肺領域から腹部領域へ、次いで骨盤領域へと進行するにつれて、管電流値が最大値に戻る上昇を示している。この視覚化は、例えば、線量を監視する責任がある医学専門家により、並びにスキャンにおける管電流変調の性能及び機能を評価する際に使用され得る。他の例として、線量が所与の検査タイプに対して予想されるよりも高い場合(例えば、線量警告)、医学専門家は、即座に視覚的チェックを実行して、高線量値が患者の解剖学的構造に関して何処で発生したかを特定することができる。
【0065】
[0073] 幾つかの例において、管電流変調オーバーレイシステム200は、統計エンジン270を用いてオーバーレイ情報を補足し、複数の検査にわたる又は集団レベルの値に対する特定の患者の管電流変調に関連する更なる情報を生成することができる。
図2Cに示される統計エンジン270は、そのような1つの例である。統計エンジン270は、管電流変調オーバーレイシステム200に直接組み込むことができ、又は、幾つかの例では、マイクロサービス等として管電流変調オーバーレイシステム200にアクセス可能にすることができる。考慮される評価に基づいて、異なる視覚化及び評価技術も実装できる。例えば、表形式を表示して、解剖学的関心領域に関する管電流変調の統計的特徴(例えば、最小、最大、平均、中央値等)の定量的表現を提供することができる。関心領域ごとの管電流変調の視覚化を、共に又は代わりに、統計的プロット(例えば、肺等の個々の臓器に関する分布パラメータを視覚化する箱ひげ図)として表示することもできる。更に、スカウトの視覚化を曲線又はカラーコーディングと組み合わせるオーバーレイは、解剖学的構造を考慮に入れた高度な視覚化(例えば、スカウトにおける解剖学的ランドマーク及び領域境界を示す曲線又は解剖学的構造特有の曲線のみの視覚化を可能にする対話的視覚化を提供することにより)を容易にし得る。
【0066】
[0074] 統計エンジン270は、収集器(アグリゲータ)272及び分析エンジン274を含む。アグリゲータ272は、患者履歴(例えば電子医療記録(EMR)等を介して)及び病院PACS(例えばネットワーク化された貯蔵部276としての)にアクセスし、当該患者の以前のスキャン及び/又は他の患者のスキャンのいずれか又は両方を取り込むことができる。次いで、集約された情報を使用して、時系列データ及び集団比較データを生成することができ、これらのデータは、更に後述する
図5A、
図5Bに示されるもの等の追加のオーバーレイとしてユーザに提供され得る。
【0067】
[0075] 統計エンジン270は、より大きな集団に対する又は当該患者の記録されたスキャンの全て若しくは一部に対する解剖学的関心領域に関する管電流変調の統計的特徴(例えば、最小値、最大値、平均値、中央値等)を決定できる。幾つかの例において、統計エンジン270は、更に、スキャンが決定された統計的特徴から大幅に逸脱しているかを自動的に検出し、当該スキャン及び/又はスキャン手順における可能性のある欠陥をチェックするようにユーザに対し警告を発することができる。
【0068】
[0076] 更に、前記ビジュアライザ212は、決定された統計的特徴を使用して、統計プロットの観点から関心領域に関する管電流変調値を表示することができる。例えば、以下で更に説明する
図4に示されるように、箱ひげ図を、肺、骨盤、腹部等の個々の臓器又は領域に関する分布パラメータを視覚化するために使用できる。
【0069】
[0077] ビジュアライザ212は、統計エンジン270により生成されたデータをオーバーレイに統合することができる。例えば、ビジュアライザは、スカウトスキャン画像内の解剖学的ランドマーク及び領域境界を示す曲線又は解剖学的構造特有の曲線のみの視覚化を可能にする対話的視覚化を提供することにより、解剖学的構造を考慮に入れることができる。実際に、管電流変調情報は、ランドマークに基づいて複数の検査にわたり解剖学的に位置合わせでき、したがって解剖学的及び/又は撮像パラメータ(例えば、視野(FOV)等)の変動を補償できる。
【0070】
[0078]
図2Dは、強化された管電流変調視覚化を生成するための方法280の一例を示す。方法280は、記憶された命令を実行する1以上のプロセッサにより、及び/又は
図2Cに示され、前述されたもの等のシステム上で実行することができる。それにもかかわらず、方法280は説明及び理解を目的として提供されたもので、該方法280に示されるステップは本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく修正、置換又は追加できることが理解されるであろう。
【0071】
[0079] ステップ282では、現在の患者スキャンに関連する複数のDICOMファイルがアクセスされる。該DICOMファイルは、同じ患者の以前のスキャンを取得する場合における等のように当該患者に関係するものであり得るか、又は他の患者からの同じ解剖学的領域のスキャンに関するDICOMファイルを取得する場合における等のように当該患者のスキャンに関係するものであり得る。DICOMファイルは、スタック状態で記憶された1以上の画像又はスライスを含むことができ、これらスライスはメタデータフィールドの形式でタグを含み得る。
【0072】
[0080] ステップ284では、上記複数のDICOMファイルにわたり対応する管電流値が識別される。一例においては、DICOMファイルのDICOMタグがチェックされ、対応するスキャンが現在の患者のスキャンと同じ解剖学的領域にわたり実行されたことを確認する。スキャンされた解剖学的領域が一致する場合、各管電流値をDICOMタグから取得できる。
【0073】
[0081] 方法280は、当該データの使用に基づいて、ステップ284からステップ288又はステップ286に進み得る。例えば、ユーザが対応する管電流値を視覚的に検討して、一度に多くの値を比較する場合、方法280はステップ286に進み、比較を容易にするために当該データを修正及び/又は正規化する。他の例において、ユーザは数値的な検討をしようとし得、その場合、当該データは修正されていない形で供給でき、方法280はステップ280に直接進み得る。
【0074】
[0082] それにもかかわらず、ステップ286において、対応する管電流値を有する複数のDICOMファイルのマッピング情報は、現在の患者スキャンに基づいて再スケーリングされる。例えば、現在の患者スキャンのスカウト画像の軸方向の範囲は、アクセスされたDICOMスライスの各々の再構成された3D CT画像の軸方向の範囲とは異なり得る。結果として、アクセスされたDICOMスライスのカラーオーバーレイの範囲は、スカウトスキャンのカラーオーバーレイ(前述したような)と完全には一致しない可能性がある。その差は、CTボリュームの軸方向の範囲がスカウト画像に関するものより小さい場合に正となり得るか、又はスカウト画像の軸方向の範囲がCTボリュームのものより小さい場合に負となり得、及び/又は重なりがスカウト画像の軸方向範囲の各端部(例えば、上部又は下部)において相違し得る。したがって、管電流変調情報は、例えば、スカウト画像の軸方向配置に整列された水平バーに適合するように再スケーリングすることができ、更に後述される
図5Aに示されるように、該管電流変調の表現を伴うカラーバーを表示する。
【0075】
[0083] ステップ288では、表示モードが決定される。該表示モードは、前述したインターフェース214等のGUIを介してユーザにより選択され、ユーザ設定により決定され、患者が受けているスキャンに基づいて自動的に決定され、ユーザ及び/又は患者の特徴に基づいて予測され、又は種々の他のメカニズムにより決定され得る。
【0076】
[0084] ステップ290では、視覚化情報が表示モード及び対応する管電流値に従って生成される。該視覚化情報は、ビジュアライザ212により生成することができ、表示モードを変更する、表示結果をフィルタリングする、追加の検索及び/又は比較を実行するためのオプション等の、追加の対話可能なオプションをユーザに提供することができる。例えば、ユーザは、後述される
図4及び
図5A~Bに各々示されたビュー400、500及び550間で切り替えることができる。
【0077】
[0085]
図4は、統計エンジン270からの情報で補足されたカラー化スカウトスキャンの箱ひげ図ビュー400を示す。箱ひげ図ビュー400においては、解剖学的構造の検出情報が視覚化され、上述したように管電流値に基づいてカラー化されたスカウトスキャン上に重ねられる。カラー化された管電流値はスカウトスキャンに隣接して設けられ、ユーザに、例えば該ユーザがカウトスキャン上で異常な又は懸念される管電流値を識別することを支援するための直感的で比較可能な情報を提供する。
【0078】
[0086] 箱ひげ図ビュー400は、カラー化されたスカウトスキャン402を含む。該カラー化されたスカウトスキャン402上にオーバーレイされたものは、解剖学的構造ボックス406A、408A及び410Aである。解剖学的構造ボックス406Aは、骨盤に対応するスカウトスキャン402の領域を示す。解剖学的構造ボックス408Aは、腹部に対応するスカウトスキャン402の領域を示す。解剖学的構造ボックス410Aは、肺に対応するスカウトスキャン402の領域を示す。
【0079】
[0087] 更に、カラー化された平均管電流値バー406B、408B及び410Bが、スカウトスキャン402の下に、解剖学的構造ボックス406A、408A及び410Aと垂直方向に整列して設定されている。カラー化された平均管電流値バー406B、408B及び410Bは、スカウトスキャン402と同じマッピング関数に従ってカラーマッピングされ、複数のDICOMファイルにわたる対応する解剖学的領域の平均管電流を表す。ここで、肺のカラー化された平均管電流値バー410Bは青色である一方、腹部のカラー化された平均管電流値バー408B及び骨盤のカラー化された平均管電流値バー406Bは、各々、明るい赤及び暗い赤である。実際に、ユーザは、スカウトスキャン402のカラーバンドを対応する局部的なカラー化された平均管電流値バーと素早く比較して、当該患者スキャンの管電流値が許容可能な平均範囲内にあるか否かを判定することができる。
【0080】
[0088]
図5Aは複数の検査の積層ビュー500を示し、該ビューは積み重ねられた「指紋」を使用して同一の解剖学的領域に対する複数の検査にわたる管電流値の変化を表示する。各検査の位置合わせは、前述したステップ286に従って実行できる。積層500は、ユーザが外れ値を素早く見つけることを可能にする。
【0081】
[0089] 積層ビュー500は、複数の検査指紋504からなる検査積層部(スタック)502を含む。各検査指紋504は、検査時の各々の管電流値に従ってカラー化され、再スケーリングされた解剖学的区域により特徴付けられる水平方向に分布された線分である。ここで、各検査指紋504は肺区域506A、腹部区域506B及び骨盤区域506Cを含む。検査ID軸504は各検査指紋504に関して関連する識別子を提供する。幾つかの例では、検査ID軸504内の識別子と対話することにより、ユーザは、対応する元の検査ファイルに移動し及び/又はDICOMファイルにアクセスして、積層ビュー500のために修正されていない各情報を見直すことができる。
【0082】
[0090]
図5Bは、現在の患者の現在のスキャンの管電流変調値を他の患者と(例えば、患者間比較)又は現在の患者の以前のスキャンと(例えば、患者内比較)比較するための患者前後関係(コンテキスト)ビュー550を示す。患者コンテキストビュー550は、管電流軸554に位置合わせされた背景スキャン画像552を含む。管電流値線556は、背景スキャン画像552上に重ねられ、管電流軸554との組み合わせで、異なるスキャンに関連する相対管電流値を示す。臓器バー558A~Bは、背景画像スキャン552の下に設定され、肺バー558B及び腹部バー558A等の、管電流値線556の値に関連する特定の領域を示す。
【0083】
[0091] 背景スキャン画像552は、患者コンテキストビュー550で検討される比較に応じて、過去の画像、デフォルトの規範的画像、又は人工的画像であり得る。例えば、異なる患者間で比較する場合、背景スキャン画像552のために図式的解剖構造略図又はファントムスキャンを使用できる。対照的に、患者コンテキストビュー550が同じ患者の複数のスキャンにわたる管電流変調値を比較するために使用されている場合、より以前のスキャン又は特定の画質閾値に最もよく適合する患者スキャン等の、好ましい実際のスキャンが使用され得る。
【0084】
[0092] 本技術を、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに基づいて解説目的で詳細に説明したが、そのような詳細は単に解説目的のためであって、当該技術は開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付請求項の趣旨及び範囲内にある修正及び均等構成をカバーすることを意図していると理解されたい。例えば、本技術は、可能な範囲で、任意の構成の1以上の特徴を任意の他の構成の1以上の特徴と組み合わせることができることを企図していると理解されるべきである。
【国際調査報告】