(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】マルチヒンジ付きデバイスに対する負荷測定を行う方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20240423BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568075
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022028025
(87)【国際公開番号】W WO2022236019
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ レベスク
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AD28
2G024BA11
2G024CA11
2G024DA09
2G024EA01
(57)【要約】
例示的なヒンジ付きデバイス可撓性基板試験システムは、試験対象のヒンジ付きデバイスの第1の部分を静止状態に保持するように構成される第1の表面を備える第1のプレートと、試験対象のヒンジ付きデバイスの第2の部分を保持するように構成される第2の表面を備える第2のプレートであって、ヒンジ付きデバイスの第2の部分は、第1の折り曲げ半径を有する第1のヒンジを介して第1の部分に結合される、第2のプレートと、試験対象のヒンジ付きデバイスの第3の部分を保持するように構成される第3の表面を備える第3のプレートであって、ヒンジ付きデバイスの第3の部分は、第2の折り曲げ半径を有する第2のヒンジを介して第1の部分に結合される、第3のプレートと、第2のプレートに結合される第1のカム従動子と、第1のカム従動子を移動させて、第2のプレートを、第1のヒンジの第1のヒンジ旋回軸の回りに回転させるように構成される第1の駆動アームと、第1の駆動アームを回転させるように構成される第1のアクチュエータと、第3のプレートに結合される第2のカム従動子と、第2のカム従動子を移動させて、第3のプレートを、第2のヒンジの第2のヒンジ旋回軸の回りに回転させるように構成される第2の駆動アームと、第2の駆動アームを回転させるように構成される第2のアクチュエータと、第1のアクチュエータが第2のプレートを移動させる間、第1のプレートに対する第1の負荷を測定するとともに、第2のアクチュエータが第3のプレートを移動させる間、第1のプレートに対する第2の負荷を測定するように構成されるロードセルとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ付きデバイス試験システムであって、
試験対象のヒンジ付きデバイスの第1の部分を静止状態に保持するように構成された第1の表面を備える第1のプレートと、
前記試験対象のヒンジ付きデバイスの第2の部分を保持するように構成された第2の表面を備える第2のプレートであって、前記ヒンジ付きデバイスの前記第2の部分は、第1の折り曲げ半径を有する第1のヒンジを介して前記第1の部分に結合されている、第2のプレートと、
前記試験対象のヒンジ付きデバイスの第3の部分を保持するように構成された第3の表面を備える第3のプレートであって、前記ヒンジ付きデバイスの前記第3の部分は、第2の折り曲げ半径を有する第2のヒンジを介して前記第1の部分に結合されている、第3のプレートと、
前記第2のプレートに結合された第1のカム従動子と、
前記第2のプレートを前記第1のヒンジの第1のヒンジ旋回軸の回りに回転させるために前記第1のカム従動子を移動させるように構成された第1の駆動アームと、
前記第1の駆動アームを回転させるように構成された第1のアクチュエータと、
前記第3のプレートに結合された第2のカム従動子と、
前記第3のプレートを前記第2のヒンジの第2のヒンジ旋回軸の回りに回転させるために前記第2のカム従動子を移動させるように構成された第2の駆動アームと、
前記第2の駆動アームを回転させるように構成された第2のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータが前記第2のプレートを移動させる間に前記第1のプレートに対する第1の負荷を測定するとともに、前記第2のアクチュエータが前記第3のプレートを移動させる間に前記第1のプレートに対する第2の負荷を測定するように構成されたロードセルと、
を備える、ヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項2】
前記第1のカム従動子、前記第1の駆動アーム、及び前記第1のアクチュエータは、前記ヒンジ付きデバイスの前記第2の部分を前記ヒンジ付きデバイスの前記第1の部分の第1の側に向かって折り曲げるように構成されており、前記第2のカム従動子、前記第2の駆動アーム、及び前記第2のアクチュエータは、前記ヒンジ付きデバイスの前記第3の部分を前記ヒンジ付きデバイスの前記第1の部分の前記第1の側に向かって折り曲げるように構成されており、前記第2の折り曲げ半径は前記第1の折り曲げ半径よりも大きい、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項3】
更に、撓み部であって、前記第1のプレートを支持するように、かつ、前記ロードセルが負荷を測定するように構成された方向以外の方向における前記第1のプレートの移動を制限するように、かつ、前記試験対象のヒンジ付きデバイスから前記ロードセルへの負荷の伝達を許容するように、構成された撓み部を備える、請求項2に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項4】
前記ロードセルは、前記第1の負荷及び前記第2の負荷を測定するために前記第1のプレートに結合された複数のロードセルのうちの1つである、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項5】
前記第1のアクチュエータは、前記ロードセルが前記第1の負荷を測定する第1の期間中において前記第1の駆動アームを回転させるように構成され、前記第2のアクチュエータは、前記ロードセルが前記第2の負荷を測定する第2の期間中において前記第2の駆動アームを回転させるように構成され、前記第1の期間は前記第2の期間と重なっていない、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項6】
前記第1の駆動アームは、前記第1の駆動アームの第1のアーム旋回軸から半径方向に延びる第1のスロットを備え、前記第1のスロットは、前記第1の駆動アームが回転されるときに前記第1のカム従動子をガイドするように構成されている、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項7】
前記第2の駆動アームは第2のスロットを備え、前記第2の駆動アームの第2のアーム旋回軸は、前記第2のスロットを通って延びる線からオフセットされている、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項8】
前記第2のスロットは、前記第2の駆動アームが回転されるときに前記第2のカム従動子が前記第2のスロットに沿って自由に移動するのを許容するように構成されている、請求項7に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項9】
前記第1のカム従動子、前記第1の駆動アーム、及び前記第1のアクチュエータは、前記ヒンジ付きデバイスの前記第2の部分を前記ヒンジ付きデバイスの前記第1の部分の第1の側に向かって折り曲げるように構成されており、前記第2のカム従動子、前記第2の駆動アーム、及び前記第2のアクチュエータは、前記ヒンジ付きデバイスの前記第3の部分を前記ヒンジ付きデバイスの前記第1の部分の第2の側に向かって折り曲げるように構成されている、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項10】
撓み部であって、前記第1のプレートを支持するように、かつ、前記ロードセルが負荷を測定するように構成された方向以外の方向における前記第1のプレートの移動を制限するように、かつ、前記試験対象のヒンジ付きデバイスから前記ロードセルへの負荷の伝達を許容するように、構成された撓み部を更に備え、前記撓み部は、前記第1の駆動アーム及び前記第2の駆動アームの移動経路に関して前記第1のプレートに対し横方向に位置決めされている、請求項9に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項11】
更に、
前記第2のアクチュエータを前記第2の駆動アームに結合させるように構成されたシャフトと、
前記ヒンジ付きデバイスの前記第3の部分を前記ヒンジ付きデバイスの前記第1の部分の第2の側に向かって折り曲げるための第1の位置に前記シャフトを保持するように、かつ、前記ヒンジ付きデバイスの前記第3の部分を前記ヒンジ付きデバイスの前記第1の部分の第1の側に向かって折り曲げるための第2の位置に前記シャフトを保持するように、構成されたブラケットと、
を更に備え、
前記第1のカム従動子、前記第1の駆動アーム、及び前記第1のアクチュエータは、前記ヒンジ付きデバイスの前記第2の部分を前記ヒンジ付きデバイスの前記第1の部分の前記第1の側に向かって折り曲げるように構成されている、
請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項12】
前記ブラケットにおける前記シャフトの前記第1の位置は、前記第1の部分の前記第1の側にあり、前記ブラケットにおける前記シャフトの前記第2の位置は、前記第1の部分の前記第2の側にある、請求項11に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項13】
更に、第1のヒンジ支持プレートであって、前記第1のプレートとは別個に前記第1のヒンジの第1の側を保持するように構成された第1のヒンジ支持プレートを備える、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項14】
前記第2のプレートは、前記第1のヒンジの前記第2の側を保持するように構成されており、前記第1のヒンジは、前記第1のアクチュエータが前記第2のプレートを移動させるときに前記試験対象のヒンジ付きデバイスの前記第2の部分の折り曲げ経路を制御するようになっている、請求項13に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項15】
前記ヒンジ支持プレート、前記第2のプレート、前記第1のプレート、前記第1の駆動アーム、及び前記第1のカム従動子は、折り曲げ及び展開中に前記ロードセルにかかる力を、前記折り曲げ及び展開中に前記第1のヒンジにより発生された力なしに、前記試験対象のヒンジ付きデバイスの力に制限するように構成されている、請求項13に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【請求項16】
前記ロードセルが前記負荷を測定している間に、前記第1のアクチュエータは、前記第1の駆動アームを回転させるように構成されており、前記第2のアクチュエータは、前記第2の駆動アームを同時に回転させるように構成されている、請求項1に記載のヒンジ付きデバイス試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「METHODS AND APPARATUS TO PERFORM LOAD MEASUREMENTS ON MULTI-HINGED DEVICES」と題する2021年5月6日に出願された米国仮特許出願第63/185,165号の利益を主張する。米国仮特許出願第63/185,165号の全体は、引用することにより明確に本開示の一部をなす。
【0002】
背景
本開示は、包括的には、材料試験に関し、より詳細には、マルチヒンジ付きデバイスに対する負荷測定を行う方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
組立体又は組立体の可動構成要素の信頼性試験は、構成要素の意図した及び/又は意図していない動きを繰り返し行って、定義された最小数の動きサイクルについて構成要素及び/又は組立体が確実に動作することを検証することを伴う場合がある。例えば、可撓性基板の信頼性試験は、デバイスの連続動作について試験し、及び/又は様々な故障モードをモニタリングしながら、1つ以上の方式で基板を繰り返し撓ませることを伴う場合がある。
【発明の概要】
【0004】
概要
マルチヒンジ付きデバイスに対する負荷測定を行う方法及び装置が、特許請求の範囲においてより完全に記載されるように、実質的に、図面のうちの少なくとも1つによって示され、これに関連して説明されるように開示される。
【0005】
図面の簡単な説明
本開示のこれらの特徴、態様、及び利点並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれるとより良好に理解され、図面を通して同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A-1B】本開示の態様に係る、マルチヒンジ付きデバイスであって、ヒンジがデバイスの同じ側に向かって折り曲がる、マルチヒンジ付きデバイスに対し機械的特性試験を行う例示的なヒンジ付きデバイス試験システムを示す図である。
【0007】
【
図2A-2B】本開示の態様に係る、マルチヒンジ付きデバイスであって、ヒンジがデバイスの対向する側に向かって折り曲がる、マルチヒンジ付きデバイスに対し機械的特性試験を行う例示的なヒンジ付きデバイス試験システムを示す図である。
【0008】
【
図3】
図1のヒンジ付きデバイス試験システムの例示的な実施態様のブロック図である。
【0009】
【
図4】マルチヒンジ付きデバイスであって、ヒンジがデバイスの同じ側に向かって折り曲がる、マルチヒンジ付きデバイスに対し負荷測定試験を行うように構成される
図1A及び
図1Bのヒンジ付きデバイス試験システムの例示的な実施態様の斜視図である。
【0010】
【
図5】マルチヒンジ付きデバイスであって、ヒンジがデバイスの対向する側に向かって折り曲がる、マルチヒンジ付きデバイスに対し負荷測定試験を行うように構成される
図1A及び
図1Bのヒンジ付きデバイス試験システムの例示的な実施態様の斜視図である。
【0011】
【
図6A-6C】
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5の駆動アームを実装するために使用することができる例示的な駆動アームの異なる向きの側面図である。
【0012】
【
図7】
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5のヒンジ付きデバイス試験システムを実装するために使用することができる、プレート、支持撓み部、及びロードセルの例示的な構成を示すブロック図である。
【0013】
【0014】
【
図9A-9B】内三つ折り用に構成されるマルチヒンジ付きデバイスの
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5のヒンジ付きデバイス試験システムの駆動アームの例示的な折り曲げ構成を示す図である。
【0015】
【
図10A-10B】外三つ折り用に構成されるマルチヒンジ付きデバイスの
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5のヒンジ付きデバイス試験システムの駆動アームの例示的な折り曲げ構成を示す図である。
【0016】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
可撓性標本は、しばしば、制約機構、例えば単純なヒンジ、二重ヒンジ、楕円機構、及び/又は他の形態の制約を有する組立体及び/又はデバイスを含む。従来の測定システムは、そのような制約機構を伴う可撓性標本と関連する力を特徴付けることが可能ではない。なぜなら、従来の測定システムは、標本に過剰な制約を付けることなくそのような標本を折り曲げることができない(結果として損傷する)、及び/又は、制約機構が生む反応力は、典型的には、可撓性材料標本が生む反応力よりも何桁も大きいからである。
【0018】
開示される例示的なヒンジ付きデバイス試験システムは、ヒンジ付きデバイス試験システム自体によってヒンジ付きデバイスに発生する追加の応力を低減又は最小化しながら、3つ以上のセクションについて複数のヒンジを有するヒンジ付きデバイスの反復的な応力試験及び/又は負荷測定を行う。例えば、いくつかの開示されるヒンジ付きデバイス試験システムにより、標本の制約デバイス(複数の場合もある)(例えば、ヒンジ(複数の場合もある))が標本の厳密な折り曲げ経路を決定することを可能にしながら、システムによって標本を折り曲げることが可能になり、それにより、最終的に意図する標本の使用時と同じ様式で標本を試験する。
【0019】
いくつかの開示されるヒンジ付きデバイス試験システムは、ヒンジ付きモバイル電子デバイス(例えば、スマートフォン)等のヒンジ付きデバイスの反復的折り曲げ(又は曲げ)及び展開を提供する固定具を備える。いくつかの例において、試験システムは、折り曲げ可能な基板にかかる力を測定する間、ヒンジ付きデバイスのヒンジが折り曲げ可能な基板の折り曲げ及び展開経路を制御するように構成される。開示される例は、ヒンジ付きデバイスの側部が共に折り曲げられる又は展開される際に、固定具がヒンジ付きデバイスのヒンジ(複数の場合もある)にかかる追加の力を生じないように、可動部品のガイド等の固定具を構成する。
【0020】
いくつかの例において、ヒンジ付きデバイス試験システムは、デバイスにかかる、ヒンジ付きデバイス試験システムを用いて測定される方向ではない力を制限する並進リンク機構を備える。一例として、並進リンク機構は、ヒンジ付きデバイスの測定される側部(複数の場合もある)にかかる横方向の力を、測定方向の力(例えば、ヒンジ付きデバイスの面に対し垂直な力、折り曲げに対するヒンジの抵抗と関連する力等)に変換することができる。
【0021】
ヒンジ付きデバイス試験システムの開示される例は、複数の動的な部分、すなわち可動部分と、静止した負荷測定部分とを備える。動的な部分の例としては、対応する駆動アームを関節運動させる回転シャフトが挙げられる。駆動アームはそれぞれ、カム従動子(例えば、軸受)が駆動アームに沿って半径方向に自由に移動するスロットを特徴とする。軸受はそれぞれ、共有取り付けプレートに固定され、共有取り付けプレートは、取り付けプレートに取り付けられるヒンジ付きデバイスの部分を動かす。静止した負荷測定部分は、動的側部と同じベースプレートに固定される。静止側部は、ヒンジ付きデバイスの別の部分が取り付けられる静的な静止取り付けプレートを特徴とする。いくつかの例において、静止取り付けプレートは、並列撓み部を用いてベースプレートの上方に懸架される。並列撓み部に加えて、ロードセル(例えば、対応するアダプター構成要素を含む)が静止取り付けプレートをベースプレートに接続する。
【0022】
いくつかの例において、静止側部は、負荷測定経路から結合解除される剛体の取り付け点も備え、ヒンジの力を低減又は抹消するようにヒンジの部分を取り付け点に取り付けることができる。標本の制約機構に剛体の取り付け点を設けることによって、開示される例は、制約機構と関連する反応力が負荷測定から隔離されることから、標本の折り曲げ力の高感度測定が可能である。
【0023】
開示される例示的なヒンジ付きデバイス試験システムは、ヒンジ、二重ヒンジ、及び未考案の機構を含む様々な制約機構に対応するのに十分な多用途性がある。開示される例は、調整をほとんど(例えば、2mmの曲げ、3mmの曲げ等)又は全くしなくても異なる標本サイズに対応することができる。開示される例は、標本を同じ駆動シャフトに接続することによって、複数の標本を一度に試験するように拡張することが可能である。さらに、開示される例示的な試験システムは安価である。
【0024】
いくつかの開示されるヒンジ付きデバイス試験システムは、内三つ折り(例えば、2つの外側セクションがどちらも、中央セクションの同じ側に向かって折り曲がる)及び外三つ折り(例えば、2つの外側セクションが、中央セクションの対向する側に向かって折り曲がる)を含む、異なる折り曲げ方向を有するヒンジ付きデバイスを試験及び/又は測定するように構成又は配置することができる。達成され得る互いに異なる折り曲げ形状に適応するために、固定構成要素、支持構成要素、及び/又は駆動構成要素は、相互の物理的干渉を回避するとともに、デバイスをガイドする運動を提供するように成形及び/又は位置決めすることができる。例えば、いくつかの開示されるヒンジ付き試験デバイスシステムにおいて、1つ以上の駆動アームは、駆動アームによって提供されるスロット又はガイド経路との位置合わせからオフセットされる回転中心又は旋回軸を有することができる。加えて又は代替的に、撓み部及び/又はロードセルは、試験対象のデバイス及び/又は駆動アームの運動経路と干渉することなく、正確な測定を提供するように位置決めすることができる。
【0025】
図1A及び
図1Bは、マルチヒンジ付きデバイス102に対して機械的特性試験を行う例示的なヒンジ付きデバイス試験システム100を示している。例示的なマルチヒンジ付きデバイス102は、ヒンジ付きデバイス102の少なくとも第1の部分106、第2の部分108、及び第3の部分110を少なくとも部分的に折り曲げることを可能にする2つ以上のヒンジ104a、104bを有する電子デバイス又は他のデバイスとすることができる。
図1Aの例において、マルチヒンジ付きデバイス102の第2の部分108及び第3の部分110は、両方の部分108、110が中央部分106の同じ側に向かって折り曲がる内三つ折り構成で折り曲がるように構成される。
【0026】
図1A及び
図1Bのシステム100は、ヒンジ付きデバイス102を反復的に折り曲げ及び展開して、折り曲げ及び展開と関連する力(例えば、抵抗力、スプリング力等)を測定するように構成される。第2の部分108及び第3の部分110の折り曲げ力を別々に測定するために、例示的なシステム100は、部分108を折り曲げながら力を測定し、その後、部分110を測定しながら力を測定するように制御することができる。
図1Aは、マルチヒンジ付きデバイス102と第2の部分108の折り曲げ経路とを示し、
図1Bは、第2の部分108が既に折り曲げ位置にある状態のマルチヒンジ付きデバイス102と第3の部分110の折り曲げ経路とを示している。
【0027】
例示的なシステム100は、第1のプレート112と、第2のプレート114と、第3のプレート116と、第2のプレート114に結合された1つ以上の第1のカム従動子118と、第3のプレート116に結合された1つ以上の第2のカム従動子120と、1つ以上の第1の駆動アーム122と、1つ以上の第2の駆動アーム124と、1つ以上の第1の駆動アーム122を駆動するように構成される第1のアクチュエータ126と、1つ以上の第2の駆動アーム124を駆動するように構成される第2のアクチュエータ128と、1つ以上のロードセル130と、並進リンク機構132とを備える。システム100は、追加の特徴部、例えば、構造支持体又はフレーム、処理回路部、通信及び/又は入力/出力(I/O)回路部、及び/又は他の任意の構成要素を備えることができる。
【0028】
第1のプレート112は、ヒンジ付きデバイス102の第1の部分106が取り付けられる又は固定される第1の表面134を有し、第1の表面134に対して静止状態に保持される。第2のプレート114は、ヒンジ付きデバイス102の第2の部分108が取り付けられる又は固定される第2の表面136を有し、第2の表面136に対して静止状態に保持される。第3のプレート116は、ヒンジ付きデバイス102の第3の部分108が取り付けられる又は固定される第3の表面138を有し、第3の表面138に対して静止状態に保持される。プレート112、114、116の隣り合うものは、ヒンジ104a、104bによって橋架されるそれぞれの間隙によって分離される。
【0029】
図1Aに示すように、第1の駆動アーム(複数の場合もある)122は、対応するカム従動子(複数の場合もある)118を動かして、第2のプレート114を、ヒンジ付きデバイス102のヒンジ104aの旋回軸の回りに回転させる。アクチュエータ126は、駆動アーム(複数の場合もある)122を回転させて、第2のプレート114が、ヒンジ付きデバイス102の第2の部分108を第1の位置(実線で示す)から、折り曲げ位置(破線で示す)における第1の部分106に向かって動かすようにする。駆動アーム(複数の場合もある)122は、システム100が、第2のプレート114又は駆動アーム(複数の場合もある)122の重量によってヒンジ付きデバイス102の第1の部分106にかかる力を制限又は抹消するように、駆動アーム(複数の場合もある)122によって画定されるスロット(複数の場合もある)に沿ったカム従動子(複数の場合もある)118の運動を可能にし、これにより、ヒンジ付きデバイス102の第1の部分106にかかる測定される力は、ヒンジ104aの作動によって完全に決定されるようになっている。
【0030】
いくつかの例において、アクチュエータ126は、駆動アーム(複数の場合もある)122に取り付けられ、駆動アーム(複数の場合もある)122の旋回軸(pivot)の回りに駆動アーム(複数の場合もある)122を回転させるモータとすることができる。加えて又は代替的に、駆動アーム(複数の場合もある)122は、手動で作動させることができる。
【0031】
図1Bに示すように、第2の部分108が折り曲げ位置にあるとき、第2の駆動アーム(複数の場合もある)124は、対応するカム従動子(複数の場合もある)120を動かして、第3のプレート116を、ヒンジ付きデバイス102のヒンジ104bの旋回軸の回りに回転させる。アクチュエータ128は、第2の駆動アーム(複数の場合もある)124を回転させて、第3のプレート116が、ヒンジ付きデバイス102の第3の部分110を第1の位置(実線で示す)から、折り曲げ位置(破線で示す)における第1の部分106に向かって動かすようにする。駆動アーム(複数の場合もある)124は、システム100が、第3のプレート116又は駆動アーム(複数の場合もある)124の重量によってヒンジ付きデバイス102の第1の部分106にかかる力を制限又は抹消するように、駆動アーム(複数の場合もある)124によって画定されるスロット(複数の場合もある)に沿ったカム従動子(複数の場合もある)120の運動を可能にし、これにより、ヒンジ付きデバイス102の第1の部分106にかかる測定される力は、ヒンジ104bの作動によって完全に決定されるようになっている。
【0032】
いくつかの例において、アクチュエータ128は、駆動アーム(複数の場合もある)124に取り付けられ、駆動アーム(複数の場合もある)124の旋回軸の回りに駆動アーム(複数の場合もある)124を回転させるモータとすることができる。
【0033】
ロードセル130は、アクチュエータ126が第2のプレート114を動かしている間、及びアクチュエータ128が第3のプレート116を動かしている間、第1のプレート112に対する負荷を測定する。特に、ロードセル130は、第1のプレート112に対しヒンジ付きデバイス102の第1の部分106によって加えられる負荷を測定することによって、ヒンジ付きデバイス102が折り曲げられる際のヒンジ付きデバイス102に対する応力(例えば、折り曲げ力)を測定する。
【0034】
並進リンク機構132は、ロードセル130が第1のプレート112によって負荷をかけられる方向以外の方向における第1のプレート112の動きを制限する。例えば、ロードセル130が、第1の表面134の平面に対し垂直な方向における負荷を測定するように構成される場合、並進リンク機構132は、負荷が第1のプレート112からロードセル130に伝達されることを可能にしながら、第1の表面134の平面に対し平行な方向における第1のプレート112の動きを制限する。例示的な並進リンク機構132は、ロードセル130に対し固定されたフレームに結合された1つ以上の4バーリンク機構を含むことができる。いくつかの他の例において、並進リンク機構132は、1つ以上の撓み部を備える。いくつかの例において、並進リンク機構132は、ロードセル130の過負荷を阻止するように、ロードセル130に向かう方向において更に制限される。例えば、停止点は、この停止点を越えてロードセル130に向かう4バーリンク機構(複数の場合もある)及び第1のプレート112の動きを阻止するように、フレームに取り付けることができる。
【0035】
動作時に、例示的なロードセル130は、試験測定値から予荷重を減算するために、ヒンジ付きデバイス102を第1のプレート112、第2のプレート112、及び第3のプレート114に固定した後にバイアス又はオフセットすることができる。例えば、ロードセル130にかかる予荷重は、第1のプレート112の重量、並進リンク機構132の重量、及び/又は第1のプレート112におけるヒンジ付きデバイス102の第1の部分106及び/又はヒンジ104a、104bの重量に起因して生じる場合がある。ロードセル130にかかる予荷重を求めることによって、ロードセル130は、折り曲げ及び展開中にヒンジ付きデバイス102にかかる応力を測定するように較正又はオフセットすることができる。
【0036】
図2A及び
図2Bは、マルチヒンジ付きデバイス202であって、ヒンジ204a、204bがデバイス202の対向する側に向かって折り曲がる、マルチヒンジ付きデバイス202に対し機械的特性試験を行う例示的なヒンジ付きデバイス試験システム200を示している。
図1A及び
図1Bのマルチヒンジ付きデバイス102と同様、例示的なマルチヒンジ付きデバイス202は、第1の部分206と、第1のヒンジ204aを介して第1の部分206に接続される第2の部分208と、第2のヒンジ204bを介して第1の部分に接続される第3の部分210とを備える。しかしながら、例示的な第3の部分210は、第1の部分206の第2の部分208とは反対側に折り曲がるように構成される(例えば、外三つ折り)。
【0037】
図2A及び
図2Bの例示的なシステム200は、第3のプレート116が、デバイス202の第3の部分210の異なる側に接続して、第3の部分210を第1の部分206の第2の部分208とは反対側に向かって折り曲げるように構成されることを除いて、
図1A及び
図1Bの例示的なシステム100と同様である。
【0038】
図2A及び
図2Bの例において、ロードセル130は、第2の部分208を第1の部分206の第1の側に向かって折り曲げるときの第1の方向における負荷を測定し、第3の部分210を第1の部分206の第2の側に向かって折り曲げるときの第2の方向における負荷を測定するように構成することができる。
【0039】
図3は、
図1A、
図1B、
図2A、及び/又は
図2Bのヒンジ付きデバイス試験システム100、200の例示的な実施態様のブロック図である。
図3に示すように、ヒンジ付きデバイス試験システム100は、試験用取り付け具301及びコンピューティングデバイス302を備える。
【0040】
例示的なコンピューティングデバイス302は、汎用コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス、サーバ、オールインワンコンピュータ、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとしてもよい。
図3のコンピューティングデバイス302は、プロセッサ303を備え、プロセッサ303は、汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。いくつかの例において、プロセッサ303は、FPGA、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ303は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ306(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリメモリ308(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス310にローカルに記憶することができる機械可読命令304を実行する。例示的なマスストレージデバイス310は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとしてもよい。バス312は、プロセッサ303、RAM306、ROM308、マスストレージデバイス310、ネットワークインターフェース314、及び/又は入力/出力インターフェース316間の通信を可能にする。
【0041】
例示的なネットワークインターフェース314は、コンピューティングデバイス302を、インターネット等の通信ネットワーク318に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース314は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 802.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0042】
図3の例示的なI/Oインターフェース316は、プロセッサ303に入力を提供する及び/又はプロセッサ303から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス320をプロセッサ303に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース316は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含んでもよい。例示的な伸び計システム10は、I/Oインターフェース316に結合されたディスプレイデバイス324(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示的なI/Oデバイス(複数の場合もある)320は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカ、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含んでもよい。
【0043】
コンピューティングデバイス302は、I/Oインターフェース316及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)320を介して非一時的機械可読媒体322にアクセスすることができる。
図8の機械可読媒体322の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピーディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0044】
試験用取り付け具301は、コンピューティングデバイス302に結合される。
図3の例において、試験用取り付け具301は、USBポート、Thunderboltポート、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース316を介して、コンピューティングデバイスに結合される。いくつかの例において、試験用取り付け具301は、直接又はネットワーク318を介して、有線又は無線接続(例えば、Ethernet、Wi-Fi等)を介してネットワークインターフェース314及び/又はI/Oインターフェース316に結合される。
【0045】
試験用取り付け具301は、フレーム328と、ロードセル330と、材料固定具336と、制御プロセッサ338とを備える。フレーム328は、試験を行う試験用取り付け具301の他の構成要素に剛体の構造支持体を提供する。ロードセル330は、
図1A、
図1B、
図2A、及び/又は
図2Bのロードセル130を実装することができ、把持部348(例えば、プレート112、114、116)を介してアクチュエータ346によって試験対象の材料(例えば、ヒンジ付きデバイス102)に加えられた力を測定する。
【0046】
アクチュエータ346は、把持部348が試験対象の材料を把持するか又は他の形でアクチュエータ346に結合している間、試験対象の材料に力を加え、及び/又は試験対象の材料の変位を強制する。
【0047】
試験用取り付け具301の構成要素に力及び/又は運動を与えるのに用いることができる例示的なアクチュエータは、電気モータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、中継器及び/又はスイッチを含む。例示的な試験用取り付け具301は、サーボモータ又は直接駆動リニアモータ等のモータを用いるが、他のシステムは、異なるタイプのアクチュエータを用いてもよい。例えば、システムの要件に基づいて、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び/又は任意の他のタイプのアクチュエータを用いてもよい。
【0048】
例示的な把持部336は、試験されている機械的特性及び/又は試験対象の材料に依拠して、プラテン、クランプ及び/又は他のタイプの固定具を含む。把持部336は、手動で構成し、手動入力によって制御し、及び/又は制御プロセッサ338によって自動的に制御することができる。
【0049】
試験システム100は、1つ以上の入力デバイス352を含む1つ以上の制御パネル350を更に備えることができる。入力デバイス352は、オペレータ制御パネル上に位置するボタン、スイッチ及び/又は他の入力デバイスを含むことができる。例えば、入力デバイス352は、把持部348を所望の位置まで押す(jog)(例えば、位置決めする)ようにアクチュエータ342を制御するボタン、把持部348を(例えば、別のアクチュエータを介して)開閉するように制御するスイッチ(例えば、フットスイッチ)、及び/又は、試験用取り付け具301の動作を制御する任意の他の入力デバイスを含んでもよい。
【0050】
例示的な制御プロセッサ338は、コンピューティングデバイス302と通信して、例えばコンピューティングデバイス302から試験パラメータを受信し、及び/又は、測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス302に報告する。例えば、制御プロセッサ338は、コンピューティングデバイス302との通信を可能にする1つ以上の通信又はI/Oインターフェースを備えることができる。制御プロセッサ338は、所与の方向に動き、及び/又はアクチュエータ346の速度を制御するようにアクチュエータ346を制御し、試験対象の材料を把持又は解放するように固定具(複数の場合もある)336を制御し、及び/又は、変位トランスデューサ332、ロードセル330及び/又は他のトランスデューサから測定値を受信することができる。
【0051】
例示的な制御プロセッサ338は、試験標本(例えば、ヒンジ付きデバイス102)が試験用取り付け具301における試験を受ける反復運動試験プロセスを実施するように構成される。例えば、一連の折り曲げ及び展開運動中又はその後のヒンジ付きデバイス102に対する応力を測定するために、制御プロセッサ338は、ロードセル330をモニタリングしてヒンジ付きデバイス102に対する応力を測定しながら、アクチュエータ346を、把持部348(例えば、第1のプレート112、第2のプレート114、及び第3のプレート116)を動かすように制御する。いくつかの例において、制御プロセッサ338は、アクチュエータ346のモータエンコーダをモニタリングして、折り曲げ角を求め、及び/又はパルスあたりの折り曲げの度合いの比を確立する。
【0052】
図4は、マルチヒンジ付きデバイスであって、ヒンジがデバイスの同じ側に向かって折り曲がる、マルチヒンジ付きデバイスに対し負荷測定試験を行うように構成される
図1A及び
図1Bのヒンジ付きデバイス試験システム100の例示的な実施態様の斜視図である。
図4の例において、並進リンク機構132は、ブラケット404に取り付けられる複数の撓み部402を備え、ブラケット404は、撓み部402を所望の高さで支持する。例示的なシステム100は、
図4にはマルチヒンジ付きデバイス102なしで示されている。
【0053】
図5は、マルチヒンジ付きデバイス202であって、ヒンジがデバイスの対向する側に向かって折り曲がる、マルチヒンジ付きデバイス202に対し負荷測定試験を行うように構成される
図2A及び
図2Bのヒンジ付きデバイス試験システム200の例示的な実施態様の斜視図である。
図5に示すように、並進リンク機構132(例えば、撓み部402及びブラケット404)及びロードセル(複数の場合もある)130は、並進リンク機構132及びロードセル(複数の場合もある)130が第2のプレート116の運動経路と干渉しないように、第1のプレート112の側に位置決めされる。第1のプレート112は、第1のプレートを撓み部402及び/又はロードセル(複数の場合もある)130に結合する延長部502を備えることができる。
【0054】
図5の例は、別のブラケット504を介して旋回駆動アーム124の旋回点の位置を変更することによって、
図1A、
図1B、
図2A、及び
図2Bの例示的な試験システム100、200のいずれかを実装することができる。上方位置506を使用することによって、駆動アーム124は、外三つ折りデバイスを試験するように構成される(例えば、システム200)。対照的に、下方位置508を使用することによって、駆動アーム124は、内三つ折りデバイスを試験するように構成される(例えば、システム100)。
図5の例においては、複数のアクチュエータ128及び対応するシャフトが第3のプレート116を駆動するものとして示されているが、所与の構成においては、図示のアクチュエータ128のうちの一方のみが使用される。
【0055】
図5に示すように、駆動アーム510は、アクチュエータ128に結合され、第3のプレート116に取り付けられるカム従動子512を介して第3のプレート116を回転させることができる。駆動アーム510は、第3のプレート116の回転軸を試験対象のデバイスと位置合わせするようにオフセットされる(例えば、L字形状である)。
【0056】
図6A~
図6Cは、
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5の駆動アーム122、124を実装するために使用することができる例示的な駆動アーム602の異なる向きと、カム従動子118、120に取り付けられる第2のプレート114又は第3のプレート116の対応する向きとの側面図を示している。例示的な駆動アーム602は、駆動アーム旋回軸604を有し、プレート114、116は、マルチヒンジ付きデバイス102、202のヒンジ旋回軸によって制御されるプレート旋回軸606を有する。
【0057】
図7は、
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5のヒンジ付きデバイス試験システム100、200を実装するために使用することができる、プレート、支持撓み部、及びロードセルの例示的な構成を示すブロック図である。
図8は、
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5のヒンジ付きデバイス試験システムの例示的な構成の上面図である。
【0058】
図8に示すように、中央プレート112は、撓み部402及び撓み部取り付けブラケット404によって両側において支持されてもよく、撓み部402及び撓み部取り付けブラケット404は、撓み部402を折り曲げプレート114、116の折り曲げ経路の外に位置付けるように、中央プレート112の延長部502(例えば、タブ)に結合される。同様に、
図8の例は、中央プレート112の各側に、折り曲げ中の中央プレート112にかかる力を正確に測定するためにロードセル130を備える。
【0059】
例示的なアクチュエータ126、128は、それぞれのシャフト802、804を介してプレート114、116の片側で駆動アーム122、124を旋回させるように結合することができる。
【0060】
図9A及び
図9Bは、内三つ折り用に構成されるマルチヒンジ付きデバイスの
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5のヒンジ付きデバイス試験システム100の駆動アーム122、124の例示的な折り曲げ構成を示している。
【0061】
図10A及び
図10Bは、外三つ折り用に構成されるマルチヒンジ付きデバイスの
図1A~
図2B、
図4、及び/又は
図5のヒンジ付きデバイス試験システム200の駆動アーム122、124の例示的な折り曲げ構成を示している。
【0062】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本開示で記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本開示で記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本開示で記載したようなプロセスを実施させる。本開示において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0063】
本開示において使用される場合、「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本開示において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本開示において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本開示において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本開示において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本開示において使用される場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路部はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0064】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対し特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
【国際調査報告】