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特表2024-518393再配置可能な組織係合部材並びに関連するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】再配置可能な組織係合部材並びに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/29 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A61B17/29
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568108
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022027444
(87)【国際公開番号】W WO2022235649
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/183,790
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バグリー、ケビン エル.
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、ディーパック クマール
(72)【発明者】
【氏名】ラウト、シュリカント バサン
(72)【発明者】
【氏名】スカッティ、ジェームズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミシュラ、アグリム
(72)【発明者】
【氏名】ボーミック、ナバルン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG24
(57)【要約】
組織係合部材は、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョーと、複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるように移動可能であるアクチュエータと、複数のジョーを閉鎖形態に付勢する付勢要素とを有する。付勢要素は、組織係合部材の一部分を覆って設けられ得る。カム機構は、複数のジョー及び/又はアクチュエータのうちの少なくとも1つと動作可能に関連付けられるように設けられ得る。付勢要素は、複数のジョーを開放形態から閉鎖形態に戻すように、複数のジョー及び/又はアクチュエータのうちの少なくとも1つに動作可能に係合して、カム機構を作動させてもよい。アクチュエータ係合要素を有するマニピュレータは、アクチュエータと動作可能に関連付けられた作動要素と係合するように設けられ得る。アクチュエータ係合要素は、ある範囲の配向で作動要素に動作可能に係合してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共に連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材と、
前記一対のジョー部材に動作可能に連結して、前記閉鎖形態と前記開放形態との間で複数のジョー部材をシフトさせるアクチュエータと、
前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に付勢させるように配置される付勢要素と、
前記アクチュエータ、前記付勢要素又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに動作可能に関連付けられたカム機構と
を備える、組織係合部材。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態から前記開放形態へシフトさせる前記付勢要素の力に抗してシフト可能である、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項3】
前記付勢要素が、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の一部分の周りに配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項4】
前記カム機構が、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上にカム表面と、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の他方の上に位置するカムフォロワとを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項5】
ハウジングをさらに備え、前記複数のジョー部材及び前記アクチュエータが前記ハウジングの一部分の内部に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項6】
前記付勢要素が、前記アクチュエータ、前記ハウジング又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの1つに動作可能に連結して、前記ジョー部材を閉鎖形態に付勢する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項7】
前記複数のジョー部材は、共に連結され、互いに離れるように付勢され、
前記アクチュエータは、前記閉鎖形態に前記複数のジョー部材を保持する位置と、前記複数のジョー部材が前記開放形態に離れるように移動することを可能にする位置との間で移動可能であり、
前記付勢要素は、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に保持する位置に前記アクチュエータを付勢する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項8】
共に連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材と、
前記一対のジョー部材に動作可能に連結して、前記閉鎖形態と前記開放形態との間で複数のジョー部材をシフトさせるアクチュエータと、
前記アクチュエータ又は前記ジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一部分を覆って配置され、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に付勢する付勢要素と
を備える、組織係合部材。
【請求項9】
前記付勢要素が、前記複数のジョー部材の周りに配置される弾性要素である、請求項8に記載される組織係合部材。
【請求項10】
前記付勢要素が、前記アクチュエータの一部分の周りに配置される、請求項8~9のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項11】
前記アクチュエータ、前記付勢要素、又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに動作可能に関連付けられたカム機構をさらに備える、請求項8~10のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項12】
前記カム機構は、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上に位置するカム表面と、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの他方の上に位置するカムフォロワとを備える、請求項8~11のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項13】
前記組織係合部材と動作可能に係合して、複数のジョーを前記閉鎖形態と前記開放形態との間でシフトさせるように前記アクチュエータを移動させるために構成される遠位端を有する組織係合部材マニピュレータと、
前記アクチュエータを移動させるように前記組織係合部材マニピュレータを送達及び操作するために構成されるマニピュレータ配備システムと
をさらに備える請求項8に記載の組織係合部材を備える、組織係合システム。
【請求項14】
作動要素が、前記組織係合部材の近位端に沿って前記アクチュエータの近位端に動作可能に連結され、
作動係合要素が、前記組織係合部材マニピュレータの遠位端に設けられ、前記作動要素に関連する配向の範囲で前記作動要素に係合するようにさらに構成される、請求項13に記載の組織係合システム。
【請求項15】
前記マニピュレータ配備システムが、そこを通って規定されるルーメンを有する可撓性管要素と、シースとを備え、前記組織係合部材マニピュレータは、前記可撓性管要素によって規定されるルーメン内へ近位に移動可能であり、前記組織係合部材の近位端を前記可撓性管要素の遠位端を有するアバットメント内に移動させ、前記シースが前記可撓性管要素の遠位端を覆って及び前記組織係合部材を覆って移動可能であり、前記組織係合部材を前記マニピュレータ配備システムに整列させる、請求項13~14のいずれか一項に記載の組織係合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、組織係合部材並びに関連するシステム及び方法の分野に関する。より詳細には、本開示は、再配置可能な組織係合部材並びに関連するシステム及び方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医師は、切開手術を必要とせずに様々な処置を行うために経管的に挿入された器具を使用する内視鏡処置においてより熟練してきている。しかし、現在利用可能な技術では、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)又は内視鏡的粘膜切除術(EMR)(胃腸管から病変を除去するために使用され得る)等のより複雑な処置を行うことは、困難であり、時間がかかり得る。組織を挟持するためにデバイスを操作することは、デバイス及び関連付けられた医療器具を配置し、配向させ、再配向させるために、処置が複雑及び/又は時間集約的技法を必要とし得る。加えて、非理想的な可視化及び組織張力の欠如もまた、処置を困難かつ時間のかかるものにする。組織により大きな牽引力を発生させる手段を有することは、切断面の視覚化を改善するために望ましい。再配置可能なクリップの使用は、把持された組織に対する処置(例えば、切断)が行われる際に、張力を失ったテザーに再度張力を付与する能力を改善するために重要である。また、再配置可能なクリップは、処置中の調整を可能にし、デバイスの回収を容易にする。しかし、現在の再配置可能なクリップは、コスト、有用性、及びその操作/作動のために必要とされる認知的負荷などの要因に関する課題が存在する。
【0003】
本開示の改善が有用であり得ることは、上記の考慮事項に留意されたい。
【発明の概要】
【0004】
本開示のこの概要は、理解を助けるために与えられ、当業者は、本開示の様々な態様及び特徴の各々が、いくつかの事例において別々に、又は他の事例において本開示の他の態様及び特徴と組み合わせて有利に使用され得ることを理解するであろう。この概要における要素、構成要素などの包含又は非包含のいずれによっても、特許請求される主題の範囲に関する限定を意図するものではない。
【0005】
本開示の様々な原理に従って、組織係合部材は、互いに連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材を含む。一対のジョー部材はまた、閉鎖形態と開放形態との間で複数のジョー部材をシフトさせるために、一対のジョー部材と動作可能に係合されるアクチュエータを含む。一対のジョー部材はまた、複数のジョー部材を閉鎖形態に付勢させるように配置された付勢要素を含む。一対のジョー部材はまた、アクチュエータ、付勢要素、又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つと動作可能に関連付けられたカム機構を含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、アクチュエータは、複数のジョー部材を閉鎖形態から開放形態にシフトさせるように付勢要素の力に抗してシフト可能である。いくつかの実施形態において、付勢要素は、アクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに動作可能に係合する。いくつかの実施形態において、付勢要素は、アクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の一部分の周りに配置される。
【0007】
いくつかの実施形態において、カム機構は、アクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上にカム表面を含む。いくつかの実施形態において、カム機構は、アクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の他方の上にカムフォロワをさらに含む。いくつかの実施形態において、付勢要素は、複数のジョー部材を開放形態から閉鎖形態に戻すように、カム機構を作動させるために、アクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方に動作可能に係合する。
【0008】
いくつかの実施形態において、組織係合部材はさらに、ハウジングと、ジョー部材と、ハウジングの一部分内に配置されるアクチュエータとを含む。いくつかの実施形態において、付勢要素は、複数のジョー部材を閉鎖形態に付勢するように、アクチュエータ、又はハウジング、又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの1つに動作可能に係合する。
【0009】
いくつかの実施形態において、複数のジョー部材は、共に連結され、互いから離間するように付勢され、アクチュエータは、複数のジョー部材を閉鎖形態に保持する位置と、複数のジョー部材が開放形態に向かって離れるように移動することを可能にする位置との間で移動可能であり、付勢要素は、複数のジョー部材を閉鎖形態に保持する位置にアクチュエータを付勢する。
【0010】
いくつかの実施形態において、組織係合部材は、アクチュエータに連結された作動要素をさらに含み、作動要素は、複数のジョー部材を閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるように作動要素を移動させるために把持可能である。
【0011】
本開示の様々な原理に従って、組織係合部材は、共に連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材と、閉鎖形態と開放形態との間で複数のジョー部材をシフトするために一対のジョー部材と動作可能に係合するアクチュエータと、複数のジョー部材を閉鎖形態に付勢させるためにアクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一部分を覆って配置される付勢要素とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、付勢要素は、複数のジョー部材の周りに配置される弾性要素である。
いくつかの実施形態において、付勢要素は、アクチュエータの一部分の周りに配置される。
【0013】
いくつかの実施形態において、組織係合部材は、アクチュエータ、付勢要素、又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つと動作可能に関連付けられたカム機構をさらに含む。いくつかの実施形態において、カム機構は、アクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上にカム表面を含む。いくつかの実施形態において、カム機構は、アクチュエータ又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の他方の上にカムフォロワをさらに含む。
【0014】
本開示の様々な原理に従って、組織係合システムは、遠位端及び近位端を有する組織係合部材を含み、組織係合部材は、遠位端に沿った複数のジョーと、近位端に沿ったアクチュエータと、付勢要素とを含み、複数のジョーは、閉鎖形態と開放形態との間でシフト可能であり、アクチュエータは、複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間で移動させるように、複数のジョーと動作可能に係合して、付勢要素は、複数のジョーを閉鎖形態に付勢する。組織係合システムはさらに、組織係合部材と動作可能に係合し、アクチュエータを移動させ、複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるように構成される遠位端を有する組織係合部材マニピュレータと、組織係合部材マニピュレータを送達及び操作して、アクチュエータを移動させるように構成される、マニピュレータ展開システムとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、作動要素は、組織係合部材の近位端に沿ってアクチュエータの近位端と動作可能に連結され、アクチュエータ係合要素は、組織係合部材マニピュレータの遠位端上に設けられ、作動要素に対してある範囲の配向で作動要素と係合するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態において、マニピュレータ展開システムはさらに、それを通って規定されるルーメンを有する可撓性管状要素と、シースとを含み、組織係合部材マニピュレータは、組織係合部材の近位端を可撓性管状要素の遠位端と当接させるように、可撓性管状要素を通って規定されるルーメンの中へ近位に移動可能であり、シースは、マニピュレータ展開システムと整列して組織係合部材を保持するように、可撓性管状要素の遠位端を覆って及び組織係合部材を覆って移動可能である。
【0017】
本開示のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかになり、特許請求される発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。以下の開示は、態様又は実施形態に関して提示されるが、個々の態様は、別々に、又はその実施形態又は任意の他の実施形態の態様及び特徴と組み合わせて特許請求され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として記載され、添付の図面は概略的であり、縮尺通りに示すことを意図していない。添付の図面は、例示のみを目的として提供され、図面中の図に反映される寸法、位置、順序、及び相対的サイズは、変動し得る。例えば、装置は、細部が認識可能であるように拡大され得るが、例えば、送達カテーテル又は内視鏡の作用チャネル内に嵌合することに関連して縮小されることが意図される。各図において、同一又はほとんど同一又は均等である要素には、一般的に、同一の参照番号を付することがあり、また、同様の要素には、一般的に、100ずつ異なる同様の参照番号を付すことがあり、重複する説明は省略する。明確さ及び簡潔さの目的のために、全ての要素が全ての図においてラベル付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、各実施形態の全ての要素が示されるわけでもない。
【0019】
詳細な説明は、以下のように、同様の参照番号が同様の要素を示す添付の図面と併せてより良く理解されるであろう。
図1】本開示の様々な態様に従った組織係合部材及び関連するシステムの実施形態の一例の斜視図を示す。
図2図1のような組織係合部材の斜視図を示す。
図3】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図2のような組織係合部材の立面図を示し、閉鎖形態における組織把持部分を示す。
図4】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図2及び図3のような組織係合部材の立面図を示し、開放形態における組織把持部分を示す。
図5図1に示すようなシステムと共に使用され得る組織係合部材の別の実施形態の斜視図を示す。
図6】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図5のような組織係合部材の立面図を示し、閉鎖形態における組織把持部分を示す。
図7】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図5及び図6のような組織係合部材の立面図を示し、開放形態における組織把持部分を示す。
図8図1に示すようなシステムと共に使用され得る組織係合部材の別の実施形態の斜視図を示す。
図9】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図8のような組織係合部材の立面図を示し、閉鎖形態における組織把持部分を示す。
図10】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図8及び図9のような組織係合部材の立面図を示し、開放形態における組織把持部分を示す。
図11図1に示すようなシステムと共に使用され得る組織係合部材の別の実施形態の斜視図を示す。
図12】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図11のような組織係合部材の立面図を示し、閉鎖形態における組織把持部分を示す。
図13】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図11及び図12のような組織係合部材の斜視図を示し、閉鎖形態における組織把持部分を示す。
図14図1に示すようなシステムと共に使用され得る組織係合部材の別の実施形態の斜視図を示す。
図15図14のような組織係合部材の実施形態の図14の線XV-XVに沿った断面図を示す。
図16】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図14及び図15のような組織係合部材の斜視図を示し、閉鎖形態における組織把持部分を示す。
図17】内部構成要素を明らかにするために外側部分が仮想線で示されている、図14~16のような組織係合部材の斜視図を示し、開放形態における組織把持部分を示す。
図18図1に示すようなシステムとともに使用され得る、図14~17のような組織係合部材の変形例の斜視図を示す。
図19】組織係合部材の閉鎖形態から組織係合部材の開放形態への組織係合部材及び組織係合部材マニピュレータの連続位置を示す。
図20】組織係合部材の閉鎖形態から組織係合部材の開放形態への組織係合部材及び組織係合部材マニピュレータの連続位置を示す。
図21】組織係合部材の閉鎖形態から組織係合部材の開放形態への組織係合部材及び組織係合部材マニピュレータの連続位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を示す図面を参照して読まれるべきである。本開示は、記載される特定の実施形態に限定されず、従って、変動し得ることを理解されたい。本明細書で論ずる全ての装置及びシステム及び方法は、本開示の1つ以上の原理に従って実装される装置及び/又はシステム及び/又は方法の例である。実施形態の各例は説明のために提供され、これらの原理を実施する唯一の方法ではなく、単なる例である。従って、図面における要素又は構造又は特徴への言及は、本開示の実施形態の例への言及として認識されなければならず、本開示を図示された特定の要素、構造又は特徴に限定するものとして理解されるべきではない。開示された原理を実装する方法の他の例は、本開示を読んだ当業者に想起されるであろう。実際に、本主題の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、本開示において様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示又は記載される特徴は、別の実施形態とともに使用されて、さらなる実施形態をもたらすことができる。従って、本主題は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入るような修正及び変形を包含することが意図される。
【0021】
本開示は、本出願において様々な詳細なレベルで記載されていることが理解されよう。特定の例では、当業者が本開示を理解するのに必要ではない詳細、又は他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものとして理解されるべきである。本明細書で開示及び主張されている全ての装置及び/又は方法は、本開示を踏まえて過度の実験を行うことなく作製及び実行され得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、「近位」は、装置を使用するとき(例えば、装置を患者に導入するとき、又は埋め込み、位置決め、又は送達中)などに、ユーザ(医療専門家又は臨床医又は技術者又はオペレータ又は医師など、そのような用語は、限定する意図なしに本明細書で交換可能に使用され、自動コントローラシステムなどを含む)などに最も近い方向又は位置を示し、「遠位」は、装置を使用するとき(例えば、装置を患者に導入するとき、又は埋め込み、位置決め、又は送達中)などに、ユーザから最も遠い方向又は位置を示す。「長手」は、要素のより長い又はより大きい寸法に沿って延在することを意味する。「中心」は、中心点を少なくとも一般的に2等分することを意味し、「中心軸」は、開口部に関して、開口部の中心点を少なくとも一般的に2等分する線であって、開口部が、例えば、管状要素、チャネル、空洞、又はボアを備えるときに、開口部の長さに沿って長手方向に延在する線を意味する。
【0023】
本開示の様々な原理に従って、組織係合部材は、互いに対して移動可能に連結されて、身体組織と係合、接触、保持、把持などをする第1の組織係合要素及び第2の組織係合要素を有する。便宜上、限定を意図することなく、組織係合要素ではなくジョーについて言及する。本開示の様々な原理に従って形成される組織係合部材のジョーは、複数のジョー部材が互いに接触するか、又は実質的に互いに接触する(例えば、その間に組織が把持される)閉鎖形態と、複数のジョー部材が離間している(例えば、組織がその間に配置されるか、又は複数のジョー部材の間から除去されるか又は解放されることを可能にする)開放形態との間で、互いに対して移動可能である、一対のジョー部材を含んでもよい。本開示の様々な原理に従って形成される組織係合部材はまた、限定する意図なく、クリップ、留め金、締結具、クランプ等として言及されてもよいことが理解されるであろう。本明細書では、簡略化のために、限定することを意図せずに、複数のジョー部材ではなく単に複数のジョーと言及する場合がある。
【0024】
本開示の様々な原理に従って、付勢要素が、組織係合部材の複数のジョーを閉鎖形態に維持するために設けられる。いくつかの実施形態において、付勢要素が静止位置にあるとき、複数のジョーは閉鎖形態にある。静止、中立、付勢されていない、変形されていないなどの用語は、保管された又は保存された位置エネルギーがない状態を示すために、本明細書において互換的に使用され得ることが理解されるであろう。形態及び位置(及びそれらの活用形及び他の文法形態)などの用語は、限定する意図なしに本明細書で互換的に使用され得ることがさらに理解されよう。付勢要素は、別個の要素として(例えば、組織係合部材の複数のジョーとは別個に)形成されてもよい。付勢要素は、ゴムバンド又はばね付勢金属要素の形態であってもよい。
【0025】
付勢要素が静止位置にあるときに付勢要素が複数のジョーを閉鎖形態に維持する実施形態において、付勢要素は、複数のジョーが開放形態にシフトすることを可能にするために、位置エネルギー保存形態などの別の形態又は位置にシフトされなければならない。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、例えば、付勢要素を位置エネルギー保存形態に移動させること等によって、複数のジョーを開放形態に移動させるために設けられ得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、付勢要素の力に抗して複数のジョーを移動させる。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、付勢要素の力に抗して移動する。
【0026】
いくつかの実施形態において、組織係合部材の複数のジョーは、共に枢動可能に連結され、付勢要素が複数のジョーを閉鎖形態に維持する。アクチュエータは、そのような実施形態において、付勢要素の付勢力に抗して複数のジョーを開放形態に移動させ、複数のジョーを開放形態に保持するように設けられ得る。アクチュエータが解放されると、付勢要素は、複数のジョーを閉鎖形態に戻すように配置され、及び/又は構成されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、カム機構は、アクチュエータ、付勢要素、又は複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに関連付けられる。カム機構は、カム表面とカムフォロワとを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カム表面は、アクチュエータ又はジョー部材のいずれか一方(複数のジョー部材の一方又は両方)の上に設けられ、カムフォロワは、アクチュエータ又はジョー部材の他方(複数のジョー部材の一方又は両方)の上に設けられる。複数のジョー部材に対するアクチュエータの移動により、複数のジョー部材を閉鎖形態と開放形態との間で移動させるように、カムフォロワをカム表面に沿って移動させる。
【0028】
いくつかの実施形態において、複数のジョーは、開放形態に向かって付勢され、付勢要素は、複数のジョーを閉鎖形態に維持する。例えば、付勢要素は、組織係合部材の複数のジョーを閉鎖形態に保持するように、アクチュエータをジョー閉鎖位置に付勢してもよい。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、複数のジョーを閉鎖形態に保持するように複数のジョーを覆って配置可能である。アクチュエータは、例えば、付勢要素に対してシフトされること等によって、複数のジョーが開放形態にシフトすることを可能にするようにシフトされてもよい。アクチュエータが解放されると、付勢要素は、アクチュエータをジョー閉鎖位置に戻し、複数のジョーを閉鎖形態にシフトして戻すように配置され、及び/又は構成されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、付勢要素は、組織係合部材の一部分を覆って設けられる。いくつかの実施形態において、付勢要素は、組織係合部材の外面に接触する。いくつかの実施形態において、付勢要素は、組織係合部材の複数のジョーに接触する。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、複数のジョーと動作可能に関連付けられ、複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間で移動させ、付勢要素は、アクチュエータに接触する。いくつかの実施形態において、付勢要素は、組織係合部材の一部分を取り囲む。いくつかの実施形態において、付勢要素は、組織係合部材の複数のジョーを取り囲む。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間で移動させ、付勢要素が、アクチュエータを取り囲むように複数のジョーと動作可能に関連付けられる。いくつかの実施形態において、付勢要素は、複数のジョーのうちの少なくとも1つ、又は組織係合部材のアクチュエータに接触する、及び/又はそれを取り囲む。
【0030】
上述のように、いくつかの実施形態において、アクチュエータが、複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間でシフトするように設けられる。アクチュエータは、複数のジョーが開放形態と閉鎖形態との間で移動するように複数のジョーと連結又は連動してもよく、又は複数のジョーと連動することなく複数のジョーと動作可能に係合してもよい。アクチュエータは、アクチュエータの直線運動が複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるように、複数のジョーに対して配置されてもよい。
【0031】
作動要素は、組織係合部材を開放形態と閉鎖形態との間でシフトさせるように、アクチュエータの動作可能な係合を容易にするために設けられ、配置され、及び構成されてもよい。作動要素は、アクチュエータとの動作可能な係合を容易にするように構成されたアクチュエータ係合要素であってもよい。しかし、作動要素の他の構成は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。本明細書では、作動要素と組織係合部材の少なくとも1つの部分又は構成要素との物理的関係を記載するために、設けられる、関連付けられる、連結される、係合されるなどが参照されてもよく、そのような用語は、別段に示されない限り、限定することを意図せずに、本明細書において互換的に使用される。作動要素は、器具によってアクチュエータ係合要素と動作可能に係合されるように構成される。関連付けられる、連結される、係合される、接触される、結合される、連動されるなどの用語(それらの活用形及び他の文法的形態を含む)は、別段の指示がない限り、限定することを意図せずに、本明細書において互換的に使用され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態において、作動要素は、組織係合部材の複数のジョーによって把持されている組織に対する組織係合部材の向きに関係なく、アクチュエータ係合要素との動作可能な係合を容易にするように構成される。いくつかの実施形態において、アクチュエータ係合要素は、作動要素に対して2つ以上の向きで作動要素に動作可能に係合してもよい。いくつかの実施形態において、作動要素は、アクチュエータ係合要素が作動要素に対する角度位置の範囲内に配置されるときに、アクチュエータ係合要素との動作可能な係合を容易にするように構成される。例えば、作動要素は、アクチュエータ係合要素が作動要素に対して整列された(例えば、理想的に整列された)位置から約90°まで配置されるときに、アクチュエータ係合要素との動作可能な係合を可能にするように構成されてもよい。本開示の様々な原理によれば、組織係合部材マニピュレータは、作動要素に動作可能に係合するように構成されたアクチュエータ係合要素を備えている。
【0032】
本開示の様々な原理に従って、1つ以上の組織係合部材が組織係合システムに設けられる。システムはまた、組織係合部材の複数のジョーを閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるために、組織係合部材のうちの少なくとも1つを作動させるように構成される組織係合部材マニピュレータを含んでもよい。組織係合部材マニピュレータは、組織係合部材の迅速な展開を容易にするために、組織係合部材と動作可能に係合するように事前装填されてもよい。システムはさらに、組織係合部材を展開及び/又は操作するために、組織係合部材マニピュレータを送達及び操作するように構成される展開システムを含んでもよい。
【0033】
ここで、組織係合部材の様々な実施形態が、添付の図面に図示された実施例を参照して記載される。本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、本開示の原理による1つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性が実施形態に関連して含まれ得ることを示す。しかし、そのような言及は、全ての実施形態が特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むこと、又はある実施形態が全ての特徴、構造、及び/又は特性を含むことを必ずしも意味しない。いくつかの実施形態は、1つ以上のそのような特徴、構造、及び/又は特性を、それらの様々な組合せで含むことができる。さらに、本明細書の様々な箇所における「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、必ずしも全てが同じ実施形態を示すわけではなく、必ずしも他の実施形態と相互排他的な別々の又は代替的な実施形態でもない。特定の特徴、構造、及び/又は特性が一実施形態に関連して記載されるとき、そのような特徴、構造、及び/又は特性はまた、明確に反対のことが述べられない限り、明示的に記載されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して使用されてもよいことを理解されたい。さらに、そのような特徴、構造、及び/又は特性は、特徴、構造、及び/又は特性の多数の可能な組合せ及びサブコンビネーションの全てを記載するには煩雑すぎるので、本開示の一部と考えられる代替的実施形態を作成するために、単独で、又は互いに様々な組合せで使用又は提示され得ることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態によって示されてもよいが、他の実施形態によって示されなくてもよい様々な特徴、構造、及び/又は特性が記載される。同様に、いくつかの実施形態の特徴、構造、及び/又は特性又は要件であってもよいが、他の実施形態の特徴、構造、及び/又は特性又は要件でなくてもよい、様々な特徴、構造、及び/又は特性又は要件が記載される。従って、本発明は、本明細書に具体的に記載された実施形態のみに限定されない。
【0034】
以下の説明において、様々な図示された実施形態の間で同様の要素又は構成要素は、一般に、100だけ増加された同じ参照番号で指定され、重複する説明は省略されることが理解されるであろう。同様の説明を有する同様の要素の説明は、簡潔にするために省略される場合があり、1つの要素の説明が別の同様の要素に適用可能なものとして参照される。共通の特徴は共通の参照要素によって識別され、簡潔にするために、共通の特徴の説明は一般的に繰り返されない。明確にするために、同じ参照番号を有する全ての構成要素に番号が付されているわけではない。
【0035】
ここで図面を参照すると、本開示の様々な原理に従って形成された組織係合部材100の実施形態の一例が、組織Tを把持していることを示している。本開示の様々な原理に従って形成された組織係合部材100の実施形態の別の例が図1に示されており、組織係合部材マニピュレータ170によって動作可能に係合されている。図1の図における組織係合部材100は、既知の又はこれまでに知られている様式で、組織係合部材100の間に延在する(及びそれを接合する)テザー160の使用によって、組織に牽引力を付与するために使用されてもよい。テザー160は、牽引バンド、ゴムバンド、伸縮性伸長部材、ワイヤ、コード、ケーブル、ばね、縫合糸、及び/又は任意選択的に伸縮性又は伸長性である任意の他の好適な伸長部材であってもよい。本開示の様々な原理に従って形成された組織係合部材の他の使用は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内であることが理解される。さらに、図1は、本明細書に開示される組織係合部材100の実施形態のうちの1つを図示するが、他の組織係合部材200、300、400、500、500’のうちのいずれも、同様の様式における使用及び操作のために同様の環境で図示され得ることが理解される。
【0036】
図1に示す組織係合部材100は、組織係合部材100の遠位端101に沿って複数の組織係合ジョー110を有する。複数のジョー110は、閉鎖形態(図3に示され、組織Tが複数のジョー110の間に把持された状態で図1に示す)と開放形態(図4に示す)との間で移動可能である。アクチュエータ120(図2~4により詳細に示される)は、複数のジョー110と動作可能に関連付けられ、複数のジョー110を開放形態と閉鎖形態との間で移動させる。図示された実施形態において、付勢要素130は、複数のジョー110を閉鎖形態に維持する。付勢要素130は、輪ゴム、Oリング、又は複数のジョー110と動作可能に関連して、例えばその周りに配置されることが可能な他の弾性要素の形態であってもよい。クレビスの形態などのケーシング又はハウジング140(以下、便宜上、限定を意図せずに、ハウジング)が、複数のジョー110及びアクチュエータ120の周りに配置されてもよい。図示された実施形態において、付勢要素130は、ハウジング140の周りに延在する。ハウジング140は、比較的単純なスタンピングプロセスによって形成されてもよく、組織係合部材100の製造を容易にし、製造コストを低下させる。
【0037】
本開示の様々な原理に従って、作動要素122は、組織係合部材100の近位端103に動作可能に関連付けられ、閉鎖形態と開放形態との間でシフトするように組織係合部材100の作動を促進する。図示された実施形態において、作動要素122は、以下でさらに詳細に議論されるように、組織係合部材マニピュレータ170のアクチュエータ係合要素172によって容易に係合され得るループの形態である。しかし、その容易な係合を可能にする作動要素122の他の構成は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。本開示の様々な原理に従って、作動要素122は、組織係合部材100の長手方向の軸線LAに沿って長手方向に移動することにより、アクチュエータ120を作動させて複数のジョー110を開放形態と閉鎖形態との間でシフトさせることができる。図1に示す組織係合部材100の実施形態の例において、組織係合部材100が動作する様式、及びアクチュエータ120と複数のジョー110とが相互作用する機構は、図2~4を参照してより良く理解される。
【0038】
組織係合部材100の所望の動作特性をもたらす組織係合部材100の要素の配置を明らかにするために、組織係合部材100の実施形態の一例の斜視図が、そのハウジング140を仮想線で図2に示している。
【0039】
組織係合部材100の複数のジョー110は、一対のジョー部材110a、110bを含み、各々は、複数のジョー110の遠位端111に沿った組織係合端部112(機能的に、例えば、組織等の要素が間に把持される端部)を備える。複数のジョー110の複数の組織係合遠位端111は、相互係合歯115を備えるものとして図示されるが、他の構成も本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。シャンク114(限定する意図なしにシャフト又は翼として言及され得る)は、複数のジョー部材110a、110bの近位端113に沿って各組織係合端部112から近位に延在する。ハウジング140の仮想線描写によって見ることができるように、複数のジョー110の複数のシャンク114は、略クレビス形状ハウジング140のプロング又は脚部又はアーム142(以下、便宜上、限定を意図せずにアームと呼ぶ)の間に延在する。複数のジョー110の複数のジョー部材110a、110bは、閉鎖形態と開放形態との間で互いに対して枢動するように、ピボットピン116を中心として枢動可能である。ピボットピン116は、ハウジング140に対して取り付けられた複数のジョー110を維持するために、ハウジング140の遠位端141に対して取り付けられてもよい。ピボットピン116は、複数のジョー部材110a、110bの両方を通って延在してもよく、又は各ジョー部材110a、110bは、ハウジング140のアーム142に向かって取り付けられ、それぞれの外向きに延在するピボットピン116を有してもよいことが理解されるであろう。テザー160は、図1の実施形態に図示するように、例えば、ピボットピン116を介して、及び、任意選択で、ピボットピン116に連結されるか、又はそれとともに形成されるヒンジ又は他の延在部を介して、組織係合部材100に連結されてもよいことに留意されたい。ハウジング140を介した連結などの他の構成は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。
【0040】
アクチュエータ120は、図3及び図4などを参照して以下でさらに詳細に記載されるように、複数のジョー110を閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるために、複数のジョー110と動作可能に関連付けられる。アクチュエータ120は、複数のジョー110の複数のシャンク114に隣接して、ハウジング140の複数のアーム142間に配置される。アクチュエータ120は、少なくとも1つの寸法がハウジング140の直径よりも大きくてもよく、ひいては、ハウジング140内に設けられた窓145を通って延在して、複数のジョー110を作動させるために、アクチュエータ120が近位に摺動することを可能にしてもよい。
【0041】
カム機構150は、アクチュエータ120及び組織係合部材100の複数のジョー110と動作可能に関連付けられる。ハウジング140の仮想線描写によって見ることができるように、図2に示す組織係合部材100の実施形態の例のカム機構150は、アクチュエータ120を、一般的に、複数のハウジングアーム142間にあるハウジング140の窓145内の複数のジョー110の近位端113と関連付ける。カム機構150は、アクチュエータ120の運動が複数のジョー110を図3に示す閉鎖形態と図4に示す開放形態との間でシフトさせるように構成され、かつ、配置される。より詳細には、カム機構150は、カム表面152と、カム表面152に沿って移動するカムフォロワ154とを含む。本明細書では、カムフォロワ154の動きを説明するために、限定する意図なく、移動する、摺動する、延在する、並進する、シフトするなどの様々な用語が互換的に使用され得ることが理解されよう。図示された実施形態において、カム表面152は、複数のジョー部材110a、110bのそれぞれの近位端113に沿ったそれぞれのシャンク114内のスロットの形態であり、カムフォロワ154は、それぞれのスロット内で摺動するように、ジョー部材110a、110bに面するアクチュエータ120のいずれかの側から延在するピンの形態である。カム機構150の逆の構成(複数のシャンク114上の内向きの、アクチュエータに面するピン、及び外向きの、アクチュエータ120のシャンクに面する側上のピンのためのそれぞれのスロットを有する)又は他の構成は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内であることが理解されるであろう。
【0042】
カム機構150の動作は、図3及び図4を参照してより容易に理解することができる。付勢要素130は、複数のジョー110と動作可能に関連付けられ、複数のジョー110と相互作用して、図3に示すように、カム機構150が閉鎖形態にある状態で複数のジョー110を閉鎖形態に保持する。図示した実施形態において、付勢要素130は、複数のシャンク114を取り囲むか、又は包囲するように、複数のジョー110の近位端103に沿って複数のジョー110の複数のシャンク114の周りに配置されて、付勢要素130は複数のジョー110に動作可能に係合する。しかし、付勢要素130の他の位置及び形態は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。上述したように、組織係合部材100は、アクチュエータ120に作用して(アクチュエータ120を複数のジョー110及び/又はカム機構150に対して移動又はシフトさせることによって)、複数のジョー110を閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるように配置及び構成された作動要素122を含む。組織係合部材100の長手方向の軸線LAに沿って、及び(図1のような)展開システム180に沿って一般に長手方向に、長手方向にシフトすることは、例えば経管的な、体内で行うためのより単純な運動の1つと考えられる。
【0043】
図2~4に示す組織係合部材100の実施形態において、作動要素122は、シャフト124を介してアクチュエータ120に連結されている。シャフト124は、作動要素122と連結するように、組織係合部材100の近位端103に向かって、アクチュエータ120からハウジング140の近位端143にある軸方向開口部147を通って近位方向に延在する。作動要素122の連結は、(例えば、金属材料の)ろう接又は溶接、機械的変形及び連結(例えば、圧着)又は(ポリマー材料の)共成形又は他の連結等の任意の既知の又は従来の方法で達成されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも作動要素122及びシャフト124は、単体の単一部品として形成される(例えば、作動要素122は、シャフト124を形成する要素から曲げられるか、又はそれと共成形される)。以下に記載するような他の実施形態において、作動要素及びシャフトは、当技術分野で既知の又はこれまでに知られている任意の所望の方法で互いに連結された別々の要素として形成される。作動要素122を近位方向に(図2に示す位置から図3に示す位置への移動を比較すると分かるように、組織係合部材100の近位端103に向かう方向、かつ遠位端101から離れる方向に)後退させることにより、シャフト124を近位方向に移動させ、その結果、アクチュエータ120が近位方向に移動する。アクチュエータ120が近位に移動することにより、そこから延在するカムフォロワ154は、例えば、図2に示す位置から図3に示す位置まで、複数のジョー110の複数のシャンク114に設けられたカム表面152に沿って移動する。カムフォロワ154がカム表面152に沿って移動するにつれて、複数のジョー110は、付勢要素130の付勢力に抗して(図2に示す)閉位置から(図3に示す)開位置に移動する。
【0044】
付勢要素130は、複数のジョー部材110a、110bのそれぞれのシャンク114に対して定位置に保持されてもよく、複数のジョー部材110a、110bに閉鎖力を加えて、複数のジョー110を閉鎖形態に戻してもよい。図2及び図3に示す組織係合部材100の実施形態の例では、複数のシャンク114及びカム機構150に対して付勢要素130を定位置に保持するために、複数のジョー部材110a、110bの複数のシャンク114のうちの少なくとも1つに溝及び/又は複数の肩部118が設けられている。しかし、他の形態も本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。近位方向の力が作動要素122に加えられなくなると(例えば、作動要素122が解放されると)、付勢要素130の付勢力は、閉鎖形態に戻るように複数のジョー110に加えられ、カムフォロワ154が、アクチュエータ120を近位方向に(例えば、図3の位置から図2の位置に)移動させるようにカム表面152に沿って移動する。
【0045】
図2~4に示す組織係合部材100の実施形態の例は、カム機構150、複数のジョー110、及び組織係合部材100のアクチュエータ120とは別々に形成され、複数のジョー110の外部の周り又は周囲に設けられる付勢要素130を有するが、カム機構及び/又は複数のジョー及び/又は組織係合部材のアクチュエータと併せて使用される付勢要素の他の構成及び位置及び場所は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。さらに、組織係合部材の複数のジョーをアクチュエータに連結して、複数のジョーを開放形態と閉鎖形態との間で移動させるための他の機構は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。様々な代替の実施形態が、以下でさらに詳細に記載するように、図5~18に示される。
【0046】
組織係合部材200の実施形態の代替例が図5~7に示されており、カム機構250及び付勢要素230の構成は、図2~4の組織係合部材100に図示するカム機構150及び付勢要素130の構成とは異なる。簡潔さ及び便宜のために、そして限定を意図することなく、図2~4に図示する組織係合部材100におけるような、図5~7に図示する組織係合部材200における共通の機能を有する共通の要素は、100だけ値が異なる同様の参照番号で示され、類似の要素及び動作の上記の説明が参照されることが理解される。
【0047】
一般に、図3~5の組織係合部材200のカム機構250は、両方のカム機構がカム表面及びカムフォロワを含むという点で、図3~5の組織係合部材200のカム機構150と同様であると考えることができる。しかし、組織係合部材200における複数のジョー及びアクチュエータに対するそのようなカム機構要素の位置は、組織係合部材100におけるそのような要素の位置とは逆である。図7を参照して理解され得るように、カム機構250のカム表面252は、アクチュエータ220に形成されたスロットの形態である。カムフォロワ254は、図5に部分的に示され、図6及び図7に仮想線で示すように、複数のジョー210の複数のシャンク214からアクチュエータ220に向かって内向きに延在するピンの形態である。
【0048】
図2~4に示す組織係合部材100の実施形態と同様に、付勢要素230は、複数のジョー210の開閉を容易にするために図5~7に示す組織係合部材200の例のカム機構250と共に使用される。しかし、対照的に、付勢要素230は、(図2~4に示す組織係合部材100の付勢要素130のように)複数のジョー210と動作可能に係合する代わりに、アクチュエータ220と動作可能に係合する。さらに、付勢要素230は、ハウジング240からカム機構250に向かって延在するように、ハウジング240と動作可能に係合してもよい(例えば、その一部として搭載されるか、又は形成されてもよい)。図5~7に示す実施形態の例では、付勢要素230は、ハウジング240の近位端243から組織係合部材200の遠位端201に向かって遠位方向に延在する。付勢要素230の近位端233は、ハウジング240の近位端243に連結されてもよく、又はそれと一体的に形成されてもよい。ばねアーム232は、以下でさらに詳細に記載されるように、アクチュエータ220と相互作用するために付勢要素230の遠位端231に沿って形成されてもよい。従って、図3~5に示す組織係合部材100のハウジング240は、図2~4に示す組織係合部材100のハウジング140とはいくらか異なることが理解されよう。
【0049】
上述した相違点以外の、図5~7に示す組織係合部材200の実施形態の例の他の要素は、図2~4に示す組織係合部材100の実施形態の例の対応する要素と同様である。さらに、これらの組織係合部材の動作は、閉鎖形態と開放形態との間でシフトするための組織係合部材の作動が、医療器具によって容易に把持可能である作動要素を一般に長手方向に引っ張ることによって達成され得るという点で類似している。特に、作動要素222を近位方向に、長手方向の軸線LAに沿って長手方向に(組織係合部材200の近位端203に向かう方向、かつ遠位端201から離れる方向に)移動させるために、(以下でさらに詳細に記載するように、図1及び図19~21に示すような)医療器具を使用することができる。作動要素222は、シャフト224を通ってアクチュエータ220に連結される。任意選択的に、シャフト延在部226(例えば、ワイヤ226の形態)は、(ろう接、溶接、圧着、共成形、シャフト延在部226にシャフト224内の通路を通過させることなどによる、任意の既知の又はこれまでに知られている方法で)作動要素222をシャフト224と連結してもよい。いくつかの実施形態において、作動要素222及びシャフト延在部226は、共通要素(例えば、作動要素222を形成する近位ループを有するワイヤ)から形成される。シャフト224(及び/又は、設けられている場合にはシャフト延在部226)は、ハウジング240の近位端243にある軸方向開口部247を通って近位に延在して、作動要素222と連結される。作動要素222及びシャフト224を近位にシフトすることにより、アクチュエータ220の近位移動を引き起こす。アクチュエータ220が近位に移動することにより、(複数のジョー210の複数の近位端213に沿って複数のシャンク214上にある)複数のカムフォロワ254は、(アクチュエータ220内に形成される)カム表面252に沿って移動し、複数のジョー部材210a、210bをピボットピン216の周りで互いに対して枢動させ、複数の組織係合端部212をシフトさせて、閉鎖形態(図6)から開放形態(図7)に移動させる。また、アクチュエータ220が、複数のジョー210を作動させるために、近位に移動すると、アクチュエータ220は、付勢要素230に対して近位に移動する。アクチュエータ220の近位端223に面するアクチュエータ220上の肩部228は、付勢要素230を付勢形態にシフトさせるために付勢要素230と係合してもよく、付勢形態では、ばねアーム232は、図7に示すように、位置エネルギーを保存する開放形態に付勢される。従って、作動要素222が解放されると、付勢要素230に保存された位置エネルギーによって、ばねアーム232が保存した位置エネルギーを解放し、アクチュエータ220を遠位にシフトさせて、複数の組織係合端部212を閉鎖形態(例えば、図1又は図6に示すように、複数のジョー110の遠位端211が、その間に組織を係合又は保持するように配置されている)に戻す。
【0050】
図8~10に示す組織係合部材300の別の例では、図5~7に示す組織係合部材200のカム機構250と同様のカム機構350が、それと相互作用する付勢要素330の変形例とともに提供され得る。図5~7に示す組織係合部材300の付勢要素330は、アクチュエータ320及びハウジング340と動作可能に係合するが(アクチュエータ220及びハウジング240と動作可能に係合する組織係合部材200の付勢要素230と同様)、付勢要素330は、ハウジング340とは別々に形成される。より具体的には、付勢要素330は、例えば、ハウジング340内の窓345において、ハウジング340とアクチュエータ320との間に配置される。図示する実施形態において、付勢要素330は、アクチュエータ320から近位に(組織係合部材300の近位端303に向かって)延在するシャフト324の周りに配置され、コイルばねの形態であってもよい。
【0051】
図8~10に示す組織係合部材300の実施形態の例は、図5~7に示す組織係合部材200が作動されるのと同様の方法で、その複数のジョー310を閉鎖形態と開放形態との間でシフトさせるように作動される。作動要素322は、組織係合部材300の長手方向の軸線LAに沿って近位方向に(組織係合部材300の近位端303に向かう方向、かつ遠位端301から離れる方向に)シフトされてもよい。作動要素322は、アクチュエータ320から近位に延在するシャフト324を通ってアクチュエータ320に連結される。任意選択的に、シャフト延在部326(例えば、図5~7の実施形態のようにワイヤ326の形態)は、シャフト324と作動要素322とを連結するために、ハウジング340の近位端343の軸方向開口部347を通って延在する。作動要素322及びシャフト324(及び任意選択のシャフト延在部326)を近位にシフトすることにより、アクチュエータ320の近位への移動を引き起こす。アクチュエータ320が近位に移動することにより、(複数のジョー310の複数の近位端313に沿った複数のシャンク314上の)カムフォロワ354は、(アクチュエータ320に形成された)カム表面352に沿って移動して、複数のジョー部材310a、310bをピボットピン316の周りで互いに対して枢動させ、複数の組織係合端部312をシフトさせて、閉鎖形態(図8及び図9)から離れて開放形態(図10)に移動させる。また、アクチュエータ320が近位方向に移動することにより、アクチュエータ320は付勢要素330を圧縮し、図10に示すように、その中に位置エネルギーを保存する。より具体的には、図8に示すように、付勢要素330の遠位端331は、組織係合部材300の近位端303に向かって面するアクチュエータ320に沿った肩部328に当接し、付勢要素330の近位端333は、アクチュエータ320が近位にシフトされることにより、組織係合部材300の遠位端301に向かって面するハウジング340上の肩部348に当接する。作動要素322が解放されることにより、付勢要素330に保存された位置エネルギーは、付勢要素330を(図9のような)その非圧縮形態に戻し、アクチュエータ320を遠位にシフトさせて、複数の組織係合端部312を閉鎖形態に戻す(例えば、図1又は図9に示すように、複数のジョー310の複数の遠位端311が、それらの間に組織を係合又は保持するように配置される)。
【0052】
図5~7及び図8~10のそれぞれの組織係合部材200、300と同様の要素を有する組織係合部材と共に使用され得る付勢要素430に対するさらに別の変更が、図11~13の組織係合部材400の例に示される。(図5~7及び図8~10の組織係合部材200、300におけるように)アクチュエータ420と動作可能に係合される代わりに、図11~13に示す組織係合部材400の付勢要素430は、組織係合部材400の複数のジョー410と動作可能に係合される。図示する付勢要素430は、図2~4に示す組織係合部材100の付勢要素130と同様であってもよく、他の要素は、それぞれ、図5~7及び図8~10の組織係合部材200、300の要素と同様である。簡潔さ及び便宜のために、そして限定を意図することなく、図5~7及び図8~10にそれぞれ示す組織係合部材200、300におけるような、図11~13に示す組織係合部材400における共通の機能を有する共通の要素は、100だけ値が異なる同じ参照番号で示され、同様の要素及び動作の上記の説明が参照される。
【0053】
上述したように、図11~13に示す組織係合部材400の付勢要素430は、図2~4に示す組織係合部材100の付勢要素130と同様に、複数のジョー410を閉鎖形態に保持するように、組織係合部材400の複数のジョー410と動作可能に係合する。しかし、(図2~4の組織係合部材100におけるように)複数のジョーシャンク及び/又はハウジングと動作可能に係合される代わりに、付勢要素430は、複数のジョー410の複数の組織係合端部412と動作可能に係合される。より具体的には、付勢要素430は、図11及び図12に示すように、付勢力を加えて複数のジョー410を閉鎖形態に保持するために、複数のジョー410の複数の組織係合端部412の周りに(例えば、複数のジョー410を包囲するように)配置されてもよい。図11~13に示す組織係合部材400の実施形態の例では、付勢要素430を複数のジョー410に対して定位置に保持するために、複数のジョー部材410a、410bの複数の組織係合端部412のうちの少なくとも1つに溝及び/又は複数の肩部418が設けられている。しかし、他の形態も本開示の範囲及び技術的思想の範囲内である。
【0054】
図11~13に示す組織係合部材400の実施形態の例の作動は、複数のジョー410を閉鎖形態に戻す付勢力の位置を除いて、図5~7及び図8~10に示す組織係合部材200、300の作動と同様である。組織係合部材400の近位端403に沿った作動要素422は、組織係合部材400の長手方向の軸線LAに沿って近位方向に(組織係合部材400の近位端403に向かう方向かつ遠位端401から離れる方向に)シフトされて、複数のジョー410と動作可能に関連付けられたアクチュエータ420をシフトさせて、複数のジョー410を(図11及び図12のような)閉鎖形態と(図13のような)開放形態との間でシフトさせてもよい。作動要素422は、アクチュエータ420から近位に延在するシャフト424を通ってアクチュエータ420に連結される。任意選択的に、シャフト延在部426(例えば、図5~7の実施形態のようにワイヤ426の形態)は、シャフト424と作動要素422とを連結するために、ハウジング440の近位端443の軸方向開口部447を通って近位に延在する。作動要素422を近位にシフトすることにより、アクチュエータ420の近位へのシフトを引き起こす。アクチュエータ420が近位に移動することにより、(複数のジョー410の複数の近位端413に沿った複数のシャンク414上の)複数のカムフォロワ454は、(アクチュエータ420に形成された)カム表面452に沿って移動して、複数のジョー部材410a、410bをピボットピン416の周りで互いに対して枢動させ、複数の組織係合端部412をシフトさせて、閉鎖形態(図11及び図12)から離れて開放形態(図13)に移動させる。複数のジョー410が開くことにより、付勢要素430は伸長されて、図13に示すように、その中に位置エネルギーを保存する。作動要素422が解放されることにより、付勢要素430に保存された位置エネルギーは、付勢要素430を(図12のような)その非圧縮構成に戻し、複数の組織係合端部412を閉鎖形態に移動させる(例えば、図1又は図11又は図12に示すように、複数のジョー410の複数の遠位端411がそれらの間に組織を係合又は保持するように配置される)。
【0055】
本開示の様々な原理に従って形成された組織係合部材500の別の実施形態において、図14~18に示すように、複数のジョー510は、(図14図15図17、及び図18のように)開放形態に自然に付勢されるように構成又は形成されてもよい。アクチュエータ520は、複数のジョー510を(図16のような)閉鎖形態に保持するように、又は複数のジョー510が(図14、15、17、及び18のような)開放形態に拡張することを可能にするようにシフト可能な、保持部材又はフィレットの形態であってもよい。付勢要素530は、アクチュエータ520を付勢して複数のジョー510を閉鎖する構成に戻すように、アクチュエータ120に動作可能に係合するばね開口部532を有する、ばね付勢コレット又はボス又は中実ばね(例えば、円錐形中実ばね)の形態であってもよい。図14に示す組織係合部材500の実施形態の例の詳細は、図14の線XV-XVに沿った図15に示す断面図と、アクチュエータ520を仮想線で示した図16及び図17に示す立面図とを参照することによって理解することができる。
【0056】
図15に示す実施形態において、図示する組織係合部材500の複数のジョー510は、複数のジョー110の遠位端511に隣接するジョー部材510a、510b(複数のジョー510が閉鎖形態にあるとき、その間に組織が把持され得る)を有し、複数のシャンク514は、複数のシャンク514がジョーボールジョイント516によって連結される複数のジョー510の近位端513に向かって近位に延在する。複数のシャンク514は、非拘束時にジョー部材510a、510bを付勢して離間させるように構成されている。アクチュエータ520は、図16に示すように、複数のジョー510を閉鎖形態に保持するように、複数のジョー510に対して、及び付勢要素530に対して配置される。複数のジョー510を開くために、上述の作動要素122、222、322、422と同様であり得る作動要素522(作動要素522に任意選択的に適用可能であるような上述のそのような作動要素の詳細が参照される)が、長手方向の軸線LAに沿って近位方向に(組織係合部材500の近位端503に向かう方向、かつ組織係合部材500の遠位端501から離れる方向に)シフトされる。作動要素522は、アクチュエータ520の近位端523に連結された(かつ付勢要素530の近位端533内の開口部537、及び複数のジョー510のジョーボールジョイント516を通る開口部517を通って延在する)シャフト524を介してアクチュエータ520に連結される。作動要素522及びシャフト524を近位にシフトすることにより、アクチュエータ520を付勢要素530の遠位端531に沿ってばね開口部532に向かって近位にシフトさせ、それにより、アクチュエータ520は、ばね開口部532を、位置エネルギーを保存している拡張緊張形態に付勢する。アクチュエータ520と付勢要素530のばね開口部532との間の相互作用は、組織係合部材500がアクチュエータ520及び付勢要素530と動作可能に関連付けられたカム機構を有すると見なされ得るように、カム作用と見なされ得る。作動要素522が解放されることにより、付勢要素530のばね開口部532に保存された位置エネルギーは、ばね開口部532をその静止形態に戻し、アクチュエータ520を複数のジョー510のシャンク514上で遠位にシフトさせて、図1又は図16に示すように、複数の組織係合端部512を(例えば、複数のジョー510の複数の遠位端511が、その間に組織を係合又は保持するように配置された)閉鎖形態に戻す。
【0057】
図14~17のような組織係合部材500の変形例を図18に示す。図18の変更された組織係合部材500’は、変更された付勢要素530’を有し、ここで、ばね開口部532’は、その遠位端531’に沿って切り込み又はスリット535’を含み、アクチュエータ520及びシャフト524を長手方向の軸線LAに沿って近位に(組織係合部材500の近位端503に向かって、かつ遠位端501から離れるように)シフトする際に、アクチュエータ520をばね開口部532’内に近位に延在することにより、ばね開口部532’の拡張を容易にする。図18に示す組織係合部材500’の残りの要素は、図14~17に示す組織係合部材500の同様にラベル付けされた要素と実質的に同じであり、図18の実施形態に適用可能であるそのような要素の上記の記載が参照されることが理解されるであろう。
【0058】
図1及び図19~20を参照して、本開示の様々な原理に従って形成された組織係合部材の展開を記載する。上記を考慮すると、上述の組織係合部材200、300、400、500、500’のいずれも同様に展開され得ることが理解されるであろう。図1に示す例では、2つ以上の組織係合部材100が、組織係合部材100の間に延在するテザー160によって同様に展開されてもよい。テザー160は、第1の係合された組織係合部材100から離間した組織に第2の展開された組織係合部材100(図2の右側)を係合させる際に、第1の展開された組織係合部材100(図1の左側)によって係合された組織Tに牽引力を加えるように構成された組織牽引要素であってもよい。本開示の様々な原理に従って形成される組織係合部材のための他の使用及び環境は、本開示の範囲及び技術的思想の範囲内であることが理解されるであろう。
【0059】
本開示の態様に従って、組織係合システムは、図1に示すように、1つ以上の組織係合部材100と、複数の組織係合部材100のうちの少なくとも1つを作動させるように構成された組織係合部材マニピュレータ170とを含む。1つ以上の組織係合部材100は、任意選択で、マニピュレータ170とともに(例えば、同一送達デバイス内で)、展開部位に展開されてもよい。任意選択的に、マニピュレータ170は、組織係合部材100を作動させるためにマニピュレータ170を送達する及び操作するように構成されたマニピュレータ展開システム180を用いて展開される。操作という用語及びその活用形は、限定することを意図せずに便宜上使用されており、本明細書では、操作する、移動させる、制御する、作動させる、操縦する、ナビゲートするなどの様々なその活用形を含む用語と互換的に使用され得ることが理解されよう。簡略化のために、組織係合部材100及び/又はマニピュレータ170及び展開システム180が展開される展開システムは図示されていない。典型的には光学/視覚化能力(例えば、内視鏡又は他の導入器)を伴う、様々な可撓性管状要素のうちのいずれか等の任意の既知の又はこれまでに知られている展開システムが使用されてもよく、そのようなシステムの詳細は、本開示の原理にとって重要ではないことを理解されたい。複数の組織係合部材100及びマニピュレータ170及び展開システム180は、別々のシステム(例えば、別々の送達システム)又は共通システム内の別々の複数の作業チャネルを介して、展開部位にナビゲート/展開されてもよい。本開示は、この文脈に限定されない。
【0060】
図1に示すように、マニピュレータ170は、組織係合部材100の作動要素122に係合するように、マニピュレータ展開システム180の遠位端181から外方に延在する。アクチュエータ係合要素172は、マニピュレータ170の遠位端171に沿って設けられ、作動要素122に動作可能に係合し、その結果、マニピュレータ170を近位にシフトすることにより、作動要素122を近位に引っ張り、上述のような様式で開放させるために、組織係合部材100を作動させる。本開示の態様に従って、アクチュエータ係合要素172は、作動要素122に対する角度方向の範囲内で組織係合部材100の作動要素122に動作可能に係合するように構成される。言い換えると、作動要素122及びアクチュエータ係合要素172の構成は、それらの間の動作可能な係合を依然として可能にするように、互いに対する相対位置の範囲を許容する。いくつかの実施形態において、アクチュエータ係合要素172は、作動要素122内の開口部125に挿入されること等によって、作動要素122と係合するフック(例えば、引張ワイヤの遠位端に沿って形成される)の形態である。当業者によって理解され得るように、(一般に、フックの大部分が存在する主面に沿った)フックは、作動要素122(一般に、作動要素122が存在する主面、又はマニピュレータ170のアクチュエータ係合要素172によって把持される作動要素122の少なくとも一部)に対して横向きである(すなわち、平行ではない)ことのみを必要とする。従って、アクチュエータ係合要素172及び作動要素122のある範囲の相対配向は、それらの間の動作可能な係合を可能にし、マニピュレータ170の移動が作動要素122の移動をもたらすことを可能にする。より具体的には、アクチュエータ係合要素が、作動要素122を把持し、作動要素122と係合したままにすることを可能にするように、アクチュエータ係合要素172は、フックが作動要素122に対して実質的に垂直であり、フックの開放側が作動要素122の一部分の上に掛止するように配向された、理想的に位置合わせされた位置から、(約5°など、アクチュエータ係合要素172の厚さによって一般的に決定され得るように)90°から数度小さい程度まで、又は(約5°など、アクチュエータ係合要素172の厚さによって一般的に決定され得るように)270°から数度小さい程度までであり得る。
【0061】
図1に示す展開システム180の実施形態の例では、マニピュレータ170の可撓性伸長要素174は、例えば、制御ハンドル190を介して医療専門家によって展開システム180の近位端183で制御されるように、例えば、可撓性管状要素182内のルーメン185(部分的に仮想線で示す)を通って、可撓性管状要素182に沿って近位に延在する。可撓性管状要素182は、好ましくは、当該技術分野において既知であるか又はこれまでに知られているような、体内通路又は体内管腔を通って(例えば、胃腸系を通って)ナビゲートされることが可能である、カテーテル又はルーメン185をその中に有する他の要素であってもよい。可撓性管状要素182は、当該技術分野で知られているような蛇行経路を通る経管的ナビゲーションを容易にするように、コイル部分(それを通って延在するルーメン185を有する)を含むことができる。シース184は、可撓性管状要素182の長さにわたって延在してもよい。
【0062】
図1に示す制御ハンドル190の実施形態の例では、マニピュレータ170のアクチュエータ係合要素172を回転させて、作動要素122に対して配置し、作動要素122に動作可能に係合させるように、マニピュレータ170の可撓性伸長要素174に連結された回転ノブ192が使用され得る。
【0063】
図1に示すように)アクチュエータ係合要素172及び作動要素122が動作可能に係合されると、マニピュレータ170は、組織係合部材100のアクチュエータ120を近位に後退させるように、近位に後退させられてもよい。例えば、制御ハンドル190は、マニピュレータ170を遠位又は近位に移動させるために、制御ハンドル190に沿って(展開システム180の近位端183と遠位端181との間の方向に)軸方向に並進可能な並進ノブ194を含んでもよい。図19図20及び図21の描写に対して拡大された組織係合システムを示すが、制御ハンドル190を示さない)に示す実施例では、組織係合部材100は、組織係合部材100のハウジング140の近位端143を、可撓性管状要素182の遠位端181にある遠位部分186と係合させるように、マニピュレータ170によって近位に後退させられる。いくつかの実施形態において、可撓性管状要素182は、(上述したような)コイル要素から形成されるなど、可撓性であり、遠位部分186は、可撓性管状要素182の近位部分よりも可撓性が低い。例えば、遠位部分186は、そこから近位に延在する可撓性管状要素182の部分のばね弾性及び潜在的な軸方向可動性を有さない、ブッシング等の管状要素であってもよい。図19を参照して理解され得るように、マニピュレータ170は、可撓性管状要素182及び遠位部分186のルーメン185内に後退させられ得るが、組織係合部材100は、ルーメン185内に入らない。代わりに、遠位部分186の遠位端は、組織係合部材100のハウジング140の近位端143が展開システム180に向かって近位に移動されるときに当接する肩部188を設けている。このような構成は、組織係合部材100のハウジング140に対するマニピュレータ170の相対的な長手方向の移動を可能にする。
【0064】
図20に示すように、組織係合部材100を展開システム180に対して定位置に保持するために、位置合わせシース184を、組織係合部材100のハウジング140を覆って(例えば、手動で、又は制御ハンドル又は制御ノブなどの関連するコントローラを介して、その近位端で軸方向にシフトさせることによって)遠位方向に延在させることができる。ハウジング140が可撓性管状要素182に対して相対移動しないように保持された状態で、可撓性管状要素182に対してマニピュレータ170を近位に後退することにより、マニピュレータ170が組織係合部材100のハウジング140に対してアクチュエータ120を引っ張ることを可能にする。可撓性伸長要素174(可撓性管状要素182及びシース184を通って延びる仮想線で示す)を近位方向に移動させるように、並進ノブ194を可撓性管状要素182に対して近位方向に移動させることができる。作動要素122及び(アクチュエータ120から近位に延在する)シャフト124は、アクチュエータ120がハウジング140に対して近位に移動することを可能にするように、可撓性管状要素182の管腔185内に嵌合してもよい。上述のように、複数のジョー110を図21に示すような開放形態に移動させるように、(ハウジング140に枢動可能に連結され、ひいては近位へ移動しないようにハウジング140とともに保持される)複数のジョー110に対してアクチュエータ120を近位へシフトさせる。アクチュエータ120上のカムフォロワ154を複数のジョー110のそれぞれのシャンク114上のカム表面152に沿って移動させて、複数のジョー110を開放形態に移動させるアクチュエータ120のシフトのさらなる詳細について上記で参照し、関連する参照番号は、複数のジョー110の作動の上記の記載に関して参照するために図19~21に提供される。
【0065】
本明細書に記載され、図に示す実施形態の様々な構造及び特徴は、いくつかの別々の独立した固有の利点を有することが理解されるであろう。従って、本明細書に記載される様々な構造及び特徴は、本明細書で記載される所望の特性及び/又は利点の少なくともいくつかを達成するために、すべてが存在する必要はない。さらに、本明細書に記載される様々な特徴は、単独で、又は任意の組み合わせで使用されてもよい。一実施形態に関して記載された様々な特徴は、明示的に示すか否かにかかわらず、別の実施形態に適用され得ることが理解されよう。従って、一実施形態を参照して記載される特徴のうちの1つ以上は、本明細書に記載される他の実施形態のいずれかの特徴のうちの1つ以上と組み合わせられることができることを理解されたい。すなわち、本明細書に記載される特徴のうちのいずれかは、ハイブリッド設計を作成するように混合及び整合されることができ、そのようなハイブリッド設計は、本開示の範囲内である。従って、本発明は、本明細書に具体的に記載された実施形態のみに限定されない。上記の説明は、実施形態の例示的な例にすぎず、本開示のより広い態様を限定するものとして意図されない。
【0066】
前述の議論は、広範な用途を有し、例示及び説明の目的で提示されており、本開示を本明細書に開示される1つ以上の形態に限定することを意図していない。本開示の概念、技術的思想、及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に対して様々な追加、修正、及び置換が行われ得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、技術的思想、又は範囲、又は特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、及び他の要素、材料、及び構成要素を用いて具現化され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、又は構成において一緒にグループ化される。しかし、本開示の特定の態様、実施形態、又は構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、又は構成において組み合わされ得ることを理解されたい。本開示は、実施形態に関して提示されるが、本主題の様々な別々の特徴は、本主題又はそのような個々の特徴の所望の特性及び/又は利点のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はないことを理解されたい。本開示は、本開示の原理又は技術的思想又は範囲から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合される、本開示の実施において使用される構造、配置、比率、材料、構成要素などの多くの修正又は変更とともに使用され得ることを、当業者は理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、又は複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の動作は、逆にされてもよく、又は別様に変更されてもよく、要素のサイズ又は寸法は、変更されてもよい。同様に、動作又は作用又は手順が特定の順序で記載されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような特定の順序を必要とすると理解されるべきではなく、又は全ての動作又は作用又は手順が実行されるべきであると理解されるべきではない。さらに、他の実施は、以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行することができ、それでも望ましい結果を達成することができる。従って、現在開示される実施形態は、全ての点で例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、特許請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明、又は本明細書で記載されるか、又は示される特定の実施形態又は構成に限定されない。前述を考慮して、任意の実施形態の個々の特徴が使用されてもよく、別々に、又はその実施形態又は任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて特許請求することができ、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されない。
【0067】
前述の説明及び以下の特許請求の範囲において、以下が理解されるであろう。本明細書で使用される語句「少なくとも1つ」、「1つ以上」、及び「及び/又は」は、動作において接続的及び選言的の両方であるオープンエンド表現である。用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」等は、複数を除外しない。例えば、用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」の実体は、本明細書で使用される場合、その実体の1つ以上を示す。従って、用語「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。全ての方向に関する言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、上部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、反時計回りなど)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、及び/又は関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き、又は使用に関して関連する要素を限定しない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、連結される、接続される、及び接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合の間の中間部材及び要素間の相対移動を含み得る。従って、接続に関する言及は、2つの要素が直接的に接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示しない。識別参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性又は優先度を暗示することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。
【0068】
以下の特許請求の範囲は、参照によりこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別々の実施形態としてそれ自体が独立している。特許請求の範囲において、用語「含む/含んでいる」は、他の要素又は工程の存在を除外しない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、場合によっては有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でない及び/又は有利でないことを暗示しない。加えて、単数の参照は複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確な例として提供されており、特許請求の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共に連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材と、
前記一対のジョー部材に動作可能に連結して、前記閉鎖形態と前記開放形態との間で複数のジョー部材をシフトさせるアクチュエータと、
前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に付勢させるように配置される付勢要素と、
前記アクチュエータ、前記付勢要素又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに動作可能に関連付けられたカム機構と
を備える、組織係合部材。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態から前記開放形態へシフトさせる前記付勢要素の力に抗してシフト可能である、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項3】
前記付勢要素が、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の一部分の周りに配置される、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項4】
前記カム機構が、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上にカム表面と、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の他方の上に位置するカムフォロワとを備える、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項5】
ハウジングをさらに備え、前記複数のジョー部材及び前記アクチュエータが前記ハウジングの一部分の内部に配置される、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項6】
前記付勢要素が、前記アクチュエータ、ハウジング又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの1つに動作可能に連結して、前記ジョー部材を閉鎖形態に付勢する、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項7】
前記複数のジョー部材は、共に連結され、互いに離れるように付勢され、
前記アクチュエータは、前記閉鎖形態に前記複数のジョー部材を保持する位置と、前記複数のジョー部材が前記開放形態に離れるように移動することを可能にする位置との間で移動可能であり、
前記付勢要素は、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に保持する位置に前記アクチュエータを付勢する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項8】
共に連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材と、
前記一対のジョー部材に動作可能に連結して、前記閉鎖形態と前記開放形態との間で複数のジョー部材をシフトさせるアクチュエータと、
前記アクチュエータ又は前記ジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一部分を覆って配置され、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に付勢する付勢要素と
を備える、組織係合部材。
【請求項9】
前記付勢要素が、前記複数のジョー部材の周りに配置される弾性要素である、請求項8に記載される組織係合部材。
【請求項10】
前記付勢要素が、前記アクチュエータの一部分の周りに配置される、請求項8に記載の組織係合部材。
【請求項11】
前記アクチュエータ、前記付勢要素、又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに動作可能に関連付けられたカム機構をさらに備える、請求項8に記載の組織係合部材。
【請求項12】
ム機構は、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上に位置するカム表面と、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの他方の上に位置するカムフォロワとを備える、請求項8~11のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項13】
前記組織係合部材と動作可能に係合して、複数のジョーを前記閉鎖形態と前記開放形態との間でシフトさせるように前記アクチュエータを移動させるために構成される遠位端を有する組織係合部材マニピュレータと、
前記アクチュエータを移動させるように前記組織係合部材マニピュレータを送達及び操作するために構成されるマニピュレータ配備システムと
をさらに備える請求項8に記載の組織係合部材を備える、組織係合システム。
【請求項14】
作動要素が、前記組織係合部材の近位端に沿って前記アクチュエータの近位端に動作可能に連結され、
作動係合要素が、前記組織係合部材マニピュレータの遠位端に設けられ、前記作動要素に関連する配向の範囲で前記作動要素に係合するようにさらに構成される、請求項13に記載の組織係合システム。
【請求項15】
前記マニピュレータ配備システムが、そこを通って規定されるルーメンを有する可撓性管要素と、シースとを備え、前記組織係合部材マニピュレータは、前記可撓性管要素によって規定されるルーメン内へ近位に移動可能であり、前記組織係合部材の近位端を前記可撓性管要素の遠位端を有するアバットメント内に移動させ、前記シースが前記可撓性管要素の遠位端を覆って及び前記組織係合部材を覆って移動可能であり、前記組織係合部材を前記マニピュレータ配備システムに整列させる、請求項13又は請求項14に記載の組織係合システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共に連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材と、
前記一対のジョー部材に動作可能に係合して、前記閉鎖形態と前記開放形態との間で複数のジョー部材をシフトさせるアクチュエータと、
前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に付勢させるように配置される付勢要素と、
前記アクチュエータ、前記付勢要素又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに動作可能に関連付けられたカム機構と
を備える、組織係合部材。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態から前記開放形態へシフトさせる前記付勢要素の力に抗してシフト可能である、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項3】
前記付勢要素が、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の一部分の周りに配置される、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項4】
前記カム機構が、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上にカム表面と、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の他方の上に位置するカムフォロワとを備える、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項5】
ハウジングをさらに備え、前記複数のジョー部材及び前記アクチュエータが前記ハウジングの一部分の内部に配置される、請求項1に記載の組織係合部材。
【請求項6】
前記付勢要素が、前記アクチュエータ、前記ハウジング又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの1つに動作可能に係合して、前記複数のジョー部材を閉鎖形態に付勢する、請求項5に記載の組織係合部材。
【請求項7】
前記複数のジョー部材は、共に連結され、互いに離れるように付勢され、
前記アクチュエータは、前記閉鎖形態に前記複数のジョー部材を保持する位置と、前記複数のジョー部材が前記開放形態に離れるように移動することを可能にする位置との間で移動可能であり、
前記付勢要素は、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に保持する位置に前記アクチュエータを付勢する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項8】
共に連結され、閉鎖形態と開放形態との間で移動可能である一対のジョー部材と、
前記一対のジョー部材に動作可能に係合して、前記閉鎖形態と前記開放形態との間で複数のジョー部材をシフトさせるアクチュエータと、
前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一部分を覆って配置され、前記複数のジョー部材を前記閉鎖形態に付勢する付勢要素と
を備える、組織係合部材。
【請求項9】
前記付勢要素が、前記複数のジョー部材の周りに配置される弾性要素である、請求項8に記載される組織係合部材。
【請求項10】
前記付勢要素が、前記アクチュエータの一部分の周りに配置される、請求項8に記載の組織係合部材。
【請求項11】
前記アクチュエータ、前記付勢要素、又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つに動作可能に関連付けられたカム機構をさらに備える、請求項8に記載の組織係合部材。
【請求項12】
カム機構は、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、の一方の上に位置するカム表面と、前記アクチュエータ又は前記複数のジョー部材のうちの少なくとも1つ、のうちの他方の上に位置するカムフォロワとを備える、請求項8~11のいずれか一項に記載の組織係合部材。
【請求項13】
前記組織係合部材と動作可能に係合して、複数のジョーを前記閉鎖形態と前記開放形態との間でシフトさせるように前記アクチュエータを移動させるために構成される遠位端を有する組織係合部材マニピュレータと、
前記アクチュエータを移動させるように前記組織係合部材マニピュレータを送達及び操作するために構成されるマニピュレータ展開システムと
をさらに備える請求項8に記載の組織係合部材を備える、組織係合システム。
【請求項14】
作動要素が、前記組織係合部材の近位端に沿って前記アクチュエータの近位端に動作可能に連結され、
アクチュエータ係合要素が、前記組織係合部材マニピュレータの遠位端に設けられ、前記作動要素に関連する配向の範囲で前記作動要素に係合するようにさらに構成される、請求項13に記載の組織係合システム。
【請求項15】
前記マニピュレータ展開システムが、そこを通って規定されるルーメンを有する可撓性管要素と、シースとを備え、前記組織係合部材マニピュレータは、前記組織係合部材の近位端を前記可撓性管状要素の遠位端に当接させるように前記可撓性管要素によって規定されるルーメン内へ近位に移動可能であり、前記シースが前記可撓性管要素の遠位端を覆って及び前記組織係合部材を覆って移動可能であり、前記組織係合部材を前記マニピュレータ展開システムに整列させて保持する、請求項13又は請求項14に記載の組織係合システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
図20に示すように、組織係合部材100を展開システム180に対して定位置に保持するために、位置合わせシース184を、組織係合部材100のハウジング140を覆って(例えば、手動で、又は制御ハンドル又は制御ノブなどの関連するコントローラを介して、その近位端で軸方向にシフトさせることによって)遠位方向に延在させることができる。ハウジング140が可撓性管状要素182に対して相対移動しないように保持された状態で、可撓性管状要素182に対してマニピュレータ170を近位に後退することにより、マニピュレータ170が組織係合部材100のハウジング140に対してアクチュエータ120を引っ張ることを可能にする。可撓性伸長要素174(可撓性管状要素182及びシース184を通って延びる仮想線で示す)を近位方向に移動させるように、並進ノブ194を可撓性管状要素182に対して近位方向に移動させることができる。作動要素122及び(アクチュエータ120から近位に延在する)シャフト124は、アクチュエータ120がハウジング140に対して近位に移動することを可能にするように、可撓性管状要素182のルーメン185内に嵌合してもよい。上述のように、複数のジョー110を図21に示すような開放形態に移動させるように、(ハウジング140に枢動可能に連結され、ひいては近位へ移動しないようにハウジング140とともに保持される)複数のジョー110に対してアクチュエータ120を近位へシフトさせる。アクチュエータ120上のカムフォロワ154を複数のジョー110のそれぞれのシャンク114上のカム表面152に沿って移動させて、複数のジョー110を開放形態に移動させるアクチュエータ120のシフトのさらなる詳細について上記で参照し、関連する参照番号は、複数のジョー110の作動の上記の記載に関して参照するために図19~21に提供される。
【国際調査報告】