(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】穿孔された装置及びそれを有するグレージングユニット
(51)【国際特許分類】
G10K 11/16 20060101AFI20240423BHJP
G10K 11/172 20060101ALI20240423BHJP
E04B 1/90 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G10K11/16 120
G10K11/172
E04B1/90 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568114
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 FR2022050871
(87)【国際公開番号】W WO2022234237
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】アホメド アバド
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フィリップ ブール
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ダルザン
【テーマコード(参考)】
2E001
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001DF02
2E001DF04
2E001FA32
2E001HF14
2E001HF15
2E001HF16
5D061AA06
5D061AA16
5D061BB28
5D061BB35
5D061CC04
(57)【要約】
本発明は、少なくとも2個のグレージング壁(7、17、27)を有するグレージングユニット(10、20、30)に関し、それらの間に空洞を形成し、上記空洞が、少なくとも1個のプレート(3、11、23)を有する少なくとも1個の装置を有し、上記プレート(3、11、23)が、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ空洞内に配置されているチャンバー(2、12)を区画している。
本発明はまた、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有するプレート(3、11、23)を有する、グレージングユニット用装置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個のグレージング壁であってそれらの間に空洞を形成している少なくとも2個のグレージング壁(7、17、27)を有するグレージングユニット(10、20、30)であって、前記空洞が、少なくとも1個のプレート(3、11、23)を有する少なくとも1個の装置を有し、前記プレート(3、11、23)が、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されているチャンバー(2、12)を区画しており、吸収性材料が、前記チャンバー(2、12)の内部に存在する、グレージングユニット(10、20、30)。
【請求項2】
前記装置の前記プレート(3、11、23)が、少なくとも3個の穿孔(6、16、26)、好ましくは少なくとも4個の穿孔(6、16、26)を有する、請求項1に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項3】
前記穿孔(6、16、26)が、0.2mm~8mm、好ましくは0.5mm~8mmの直径又は最大寸法を有する、請求項1又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項4】
前記穿孔(6、16、26)の中心が、5mm~200mm、好ましくは10mm~110mmの距離で離隔されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項5】
前記プレート(3、11、23)が、0.1mm~15mm、好ましくは0.2mm~1mmの厚さを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項6】
前記プレート(3、11、23)及び前記チャンバー(2、12)が、低周波数で共振するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項7】
少なくとも2個のプレート(3、11、23)、好ましくは少なくとも3個のプレート(3、11、23)を有し、それぞれの前記プレート(3、11、23)が、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されているチャンバー(2、12)を区画しており、好ましくは少なくとも2個の前記プレート(3、11、23)、より好ましくは少なくとも3個のプレート(3、11、23)の前記穿孔(6、16、26)の周期性が、互いに異なっている、請求項1~6のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項8】
周期的に配置されている複数の穿孔(6,16,26)を有する、前記装置の少なくとも1個のプレート(3,11,23)、及び前記プレート(3,11,23)が区画する前記チャンバー(2,12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10,20,30)。
【請求項9】
前記装置が、さらに以下を有する、請求項8に記載のグレージングユニット(10、20、30):
- 周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されている第2チャンバー(2、12)を区画している、少なくとも1個の第2プレート(3、11、23)であって、前記第2プレート(3、11、23)及び前記第2チャンバー(2、12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも3分の1オクターブ低い周波数で共振するように構成されている、第2プレート(3、11、23);並びに、
- 周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されている第3チャンバー(2、12)を区画している、少なくとも1個の第3プレート(3、11、23)であって、前記第3プレート(3、11、23)及び前記第3チャンバー(2、12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも3分の1オクターブ高い周波数で共振するように構成されている、第3プレート(3、11、23)。
【請求項10】
前記装置が、前記2個のグレージング壁(7)のそれぞれに取り付けられているスペーサー装置であり、少なくとも1個の直線状管状プロファイル(1)を有し、前記プロファイル(1)が、前記チャンバー(2)を画定している、少なくとも上側壁(3)、下側壁(4)、及び2個の側壁(5)を有し、ここで、前記上側壁(3)が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する前記プレートを構成し、前記チャンバー(2)が、好ましくは、前記プロファイル(1)の前記上側壁(3)と前記下側壁(4)との間に、2mm~200mm、好ましくは5mm~50mmの厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10)。
【請求項11】
前記装置が、前記2個のグレージング壁(17)のそれぞれに取り付けられているスペーサー装置であり、少なくとも1個の直線状バー(11)を有し、前記バー(11)が、周期的に配置されている複数の穿孔(16)を有する前記プレートを構成し、前記バー(11)が、前記2個のグレージング壁(17)とともに前記チャンバー(12)を画定しており、前記チャンバー(12)が、前記2個のグレージング壁(17)の間に、前記バー(11)から前記グレージングユニット(20)の縁部まで延在しており、前記チャンバーが、好ましくは、前記バーと前記グレージングユニットの前記縁部との間に、2mm~200mm、好ましくは、5mm~50mmの厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のグレージングユニット(20)。
【請求項12】
前記装置が、直線状ケーシング(21)を有し、前記ケーシング(21)が、前記チャンバーを画定している少なくとも上側壁(23)、下側壁(24)、2個の長手方向側壁(25)、及び2個の短手方向側壁(28)を有し、前記上側壁(23)、又は前記長手方向側壁(25)のうちの1個が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する前記プレートを構成し、前記ケーシング(21)の幅が、前記2個のグレージング壁(27)の間の、同一方向における、前記空洞の厚さよりも小さく、好ましくは、前記ケーシング(21)の長さが、同一方向における、前記空洞の長さよりも小さく、前記ケーシング(21)の前記チャンバーが、好ましくは、周期的に配置されている前記穿孔(26)を有する前記ケーシング(21)の壁と、この壁に対向する壁との間に、2mm~200mm、好ましくは、5mm~50mmの厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のグレージングユニット(30)
【請求項13】
多孔性吸収性材料が、前記チャンバー(2、12)の内部に存在し、好ましくは、ミネラルウール、繊維質織物、ポリマー発泡体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10、20、30)
【請求項14】
前記装置が、前記グレージングユニット(10、20、30)の前記空洞の周縁ゾーン内に配置されている、請求項1~13のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10、20、30)
【請求項15】
建築物のグレージングユニット、例えば建物のファサード、窓、若しくはドアの、グレージングユニット、又は内部のグレージングユニットである、請求項1~14のいずれか1項に記載のグレージングユニット(10、20、30)
【請求項16】
グレージングユニット用スペーサー装置であって、チャンバー(2)を画定している、少なくとも上側壁(3)、下側壁(4)、及び2個の側壁(5)を有する、少なくとも1個の直線状管状プロファイル(1)を有し、前記上側壁(3)は、周期的に配置されている複数の穿孔(6)を有する、グレージングユニット用スペーサー装置。
【請求項17】
グレージングユニット用スペーサー装置であって、周期的に配置されている複数の穿孔(16)を有する、少なくとも1個の直線状バー(11)を有する、グレージングユニット用スペーサー装置。
【請求項18】
グレージングユニット用装置であって、チャンバーを画定している、少なくとも上側壁(23)、下側壁(24)、2個の長手方向側壁(25)、及び2個の短手方向側壁(28)を有する、少なくとも1個の直線状ケーシング(21)を有し、前記上側壁(23)、又は前記長手方向側壁(25)のうちの1個が、周期的に配置されている複数の穿孔(26)を有する、グレージングユニット用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレージングユニット用の穿孔された装置、特にはスペーサー装置、及びそのような装置を有するグレージングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
二重グレージングユニットは、気体、典型的には空気、で充填されている空洞(キャビティ)によって分離されている、2枚のガラスペインからなり、熱遮断性能及び音響遮断性能のために、従来から建物の窓及びファサードにおいて用いられている。
【0003】
しかしながら、このような二重グレージングユニットによって生じる、音の伝達損失は、二重グレージングユニットの共振周波数に対応する「質量/バネ/質量(masse/ressort/masse)」と呼ばれ、かつ低周波数に位置する、周波数周辺の周波数について、減少する。この現象は、質量/バネ/質量効果と呼ばれ、質量/バネ/質量周波数において空気空洞内の圧力が大きく変化することによるものである。
【0004】
さまざまな解決策が、グレージングユニットの音響遮断性能を向上させるために、開発されてきた。
【0005】
米国特許出願公開第2010/0300800号明細書には、アコースティックPVB(ポリビニルブチラール)層によって第2中間ガラスプレートから分離されている第1ガラスプレート、及び標準PVB層又はポリウレタン層によって第3ガラスプレートから分離されている第2ガラスプレートを有する、音響グレージングユニット、特には航空機のコックピット用グレージングユニットが記載されている。
【0006】
しかしながら、この解決策では、低周波数における音響遮断を改善することはできない。低周波数における音響遮断を改善するために、既存の受動的な解決策は、ガラスプレートの厚さ又はグレージングユニットの空洞の厚さを増加させることである。しかしながら、これによって、嵩張ってしまい、非常に重い構造になってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、グレージングユニットの音響遮断特性、特には低周波数における音響遮断特性を改善することを可能にする一方で、比較的軽量かつコンパクトであるグレージングユニットを得ることを可能にする系を提供することが、現実的に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、まず、少なくとも2個のグレージング壁であって、これらの間に空洞を形成するグレージング壁を有する、グレージングユニットに関し、空洞は、少なくとも1個のプレートを有する少なくとも1個の装置を有し、上記プレートは、周期的に配置されている複数の穿孔を有し、空洞内に配置されているチャンバーを区画している。
【0009】
いくつかの実施形態では、装置のプレートは、少なくとも3個の穿孔、好ましくは少なくとも4個の穿孔を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、穿孔は、0.2mm~8mm、好ましくは0.5mm~8mmの直径又は最大寸法を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、穿孔の中心は、5mm~200mm、好ましくは10mm~110mmの距離で離隔している。
【0012】
いくつかの実施形態では、プレートは、0.1mm~15mm、好ましくは0.2mm~1mmの厚さを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、プレート及びチャンバーは、低周波数で共振するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、プレートは、金属材料、好ましくはアルミニウム及び/若しくはステンレス鋼、並びに/若しくはポリマー材料、好ましくはポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン、アクリロニトリルスチレンアクリレート、スチレン-アクリロニトリルコポリマー、又はそれらの組み合わせでできており、ポリマー材料は、随意にガラス繊維で強化されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、グレージングユニットは、少なくとも2個のプレート、好ましくは少なくとも3個のプレートを有し、それぞれのプレートは、周期的に配置されている複数の穿孔を有し、かつ空洞内に配置されているチャンバーを区画しており、好ましくは、少なくとも2個のプレートの穿孔の周期性、より好ましくは少なくとも3個のプレートの穿孔の周期性は、互いに異なる。
【0016】
いくつかの実施形態では、周期的に配置されている複数の穿孔を有する装置の少なくとも1個のプレート、及びそれが区画しているチャンバーは、グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数で、共振するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、装置は、さらに以下を有する:
- 周期的に配置されている複数の穿孔を有し、かつ空洞内に配置されている第2チャンバーを区画している、少なくとも1個の第2プレートであって、上記第2プレート及び上記第2チャンバーは、グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも、3分の1オクターブ低い周波数で、共振するように構成されている、少なくとも1個の第2プレート;並びに、
- 周期的に配置されている複数の穿孔を有し、かつ空洞内に配置されている第3チャンバーを区画している、少なくとも1個の第3プレートであって、上記第3プレート及び上記第3チャンバーは、グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも、3分の1オクターブ高い周波数で、共振するように構成されている、少なくとも1個の第3プレート。
【0018】
いくつかの実施形態では、装置は、2個のグレージング壁のそれぞれに取り付けられるスペーサー装置であり、チャンバーを画定している、少なくとも上側壁、下側壁、及び2個の側壁を有する、少なくとも1個の直線状管状のプロファイルを有し、上側壁は、周期的に配置されている複数の穿孔を有するプレートを構成する。
【0019】
いくつかの実施形態では、チャンバーのプロファイルは、プロファイルの上側壁と下側壁との間で、2mm~200mm、好ましくは5mm~50mmの厚さを有する。
【0020】
いくつかの実施形態では、装置は、2個のグレージング壁のそれぞれに取り付けられるスペーサー装置であり、少なくとも1個の直線状バーを有し、バーは、周期的に配置されている複数の穿孔を有するプレートを構成し、上記バーは、2個のグレージング壁とともにチャンバーを画定しており、上記チャンバーは、バーからグレージングユニットの縁部まで、2個のグレージング壁の間に延在している。
【0021】
いくつかの実施形態では、チャンバーは、バーとグレージングユニットの縁部との間で、2mm~200mm、好ましくは5mm~50mmの厚さを有する。
【0022】
いくつかの実施形態では、装置は、チャンバーを画定している、少なくとも上側壁、下側壁、2個の長手方向側壁、及び2個の短手方向側壁を有する、直線状ケーシングを有し、上側壁、又は長手方向側壁のうちの1個は、周期的に配置されている複数の穿孔を有するプレートを構成し、上記ケーシングの幅は、2個のグレージング壁間の、同一方向における空洞の厚さよりも小さく、好ましくは、上記ケーシングの長さは、同一方向における空洞の長さよりも小さい。
【0023】
いくつかの実施形態において、ケーシングのチャンバーは、周期的に配置されている穿孔を有するケーシングの壁と、これに対向する壁との間に、2mm~200mm、好ましくは5mm~50mmの厚さを有する。
【0024】
有利には、吸収性材料は、チャンバーの内部に存在する。
【0025】
有利には、吸収性材料は、多孔性吸収性材料及び粒状吸収性材料から、少なくとも選択される。
【0026】
いくつかの実施形態では、多孔性吸収性材料は、チャンバーの内部に存在し、好ましくは、ミネラルウール、織物繊維、ポリマー発泡体、及びそれらの組合せから成る群から選択される。
【0027】
有利には、粒状吸収性材料は、ポリマー材料でできている粒子のスタック及び砂から、少なくとも選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、装置は、グレージングユニットの空洞の周縁ゾーン内に配置される。
【0029】
いくつかの実施形態において、グレージングユニットは、建築物のグレージングユニット、例えば、建物のファサード、窓、若しくはドアの、グレージングユニット、又は内部のグレージングユニットなどである。
【0030】
本発明はまた、チャンバーを画定している、少なくとも上側壁、下側壁、及び2個の側壁を有する、少なくとも1個の直線状管状プロファイルを有する、グレージングユニット用スペーサー装置に関し、ここで、上側壁が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する。
【0031】
本発明はまた、周期的に配置されている複数の穿孔を有する、少なくとも1個の直線状バーを有する、グレージングユニット用のスペーサー装置に関する。
【0032】
本発明はまた、チャンバーを画定している、少なくとも上側壁、下側壁、2個の長手方向側壁、及び2個の短手方向側壁を有する、少なくとも1個の直線状ケーシングを有する、グレージングユニット用装置に関し、ここで、上側壁、又は長手方向側壁のうちの1個が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する。
【0033】
本発明は、本明細書において前に表されたニーズを満たすことを可能にする。より特には、改善された音響遮断、特には低周波数及び中周波数において改善された音響遮断を有し、高周波数においても改善された音響遮断を有し、その一方で比較的軽量かつコンパクトでありうる、グレージングユニットを得ることを可能にする、グレージングユニット用装置を提供する。
【0034】
これは、装置内に、複数の穿孔が周期的に配置されているプレートが存在することによって、達成され、上記プレートが、チャンバーの形成を可能にする。上記チャンバーの存在の、プレート上の穿孔の存在(これらの穿孔は周期的である)との組み合わせは、2個のグレージング壁によって形成される、グレージングユニットの空洞内の、音エネルギーの少なくとも一部を吸収することを可能にする、共振体の生成を可能にし、これは、グレージングユニットを通る音の伝達を低減することを可能にする。特に、共振体は、それらの一つ又は複数の共振周波数に近い周波数に関して、音エネルギーを著しく吸収する。さらに、共振体の存在による、グレージングユニットの気体空洞の特性の変化に関連する物理現象だけでなく、共振体の高調波周波数にも関するエネルギー吸収もまた、共振体の共振周波数より高い周波数において、音響遮断を向上させることも可能にする。
【0035】
ある特定の実施形態によれば、プレート及びその穿孔、並びにチャンバーは、プレート及びチャンバーによって形成される系は、グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数又はそれに近い周波数で共振するような、寸法であってよく、質量/バネ/質量効果を低減することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、その左側に、本発明によるグレージングユニットの例を示し、その右側に、このグレージングユニットの例において存在する、本発明による装置の例のプロファイルの拡大された斜視概略図を示す。
【0037】
【
図2】
図2は、その左側に、本発明によるグレージングユニットの別の例を示し、その右側に、このグレージングユニットの例において存在する、本発明による装置の例のケーシングの拡大された斜視概略図を示す。
【0038】
【
図3】
図3は、その左側に、本発明によるグレージングユニットの別の例を示し、その右側に、このグレージングユニットの例において存在する、本発明による装置の例のバーの拡大された斜視概略図を示す。
【0039】
【
図4】
図4は、装置no.1(曲線A)、装置no.2(曲線B)、及び装置no.3(曲線C)の音響エネルギー吸収係数(Y軸上)を、後述の実施例1において説明するように、音の周波数(X軸上、単位:Hz)の関数として示す。
【0040】
【
図5】
図5は、グレージングユニットno.1(明るいグレーの実線の曲線)、グレージングユニットno.2(暗いグレーの実線の曲線)、及びグレージングユニットno.3(黒い点線の曲線)の音響減衰指数R(Y軸、単位:dB)を、後述の実施例2において説明するように、音の周波数(X軸上、単位:Hz)の関数として示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、以下の開示において、より詳細かつ非限定的な様式で開示される。
【0042】
本発明は、まず、グレージングユニット用装置に関する。
【0043】
グレージングユニットは、少なくとも2個のグレージング壁であって、それらの間の空洞を画定しているものを有する、任意のタイプのグレージングユニットであってよい。本発明の意味において、グレージングユニットの空洞は、上記グレージングユニットの2個のグレージング壁の間の体積であると定義される。
【0044】
本発明による装置は、グレージングユニット用のスペーサー装置であってよい。「スペーサー装置」とは、これが置かれることを意図されるグレージングユニットの、グレージング壁の間の間隔の長さを設定することを可能にする、任意の装置を意味する。
【0045】
代替的には、本発明による装置を、スペーサー装置として用いなくてよい。
【0046】
本発明による装置は、周期的に配置されている複数の穿孔を有する、少なくとも1個のプレート(以下、「穿孔されたプレート」ともいう)を有する。
【0047】
好ましくは、装置のプレートは、金属材料、例えばアルミニウム及び/若しくはステンレス鋼など、並びに/若しくはポリマー材料、例えばポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル、ブタジエンスチレン、アクリロニトリルスチレンアクリレート、スチレン-アクリロニトリルコポリマーなど、又はこれらの組み合わせを含み、又はそれらでできており、随意にガラス繊維で強化されている。
【0048】
プレートは、互いに反対側を向き、かつ穿孔を有する、2個の主面を有し、本明細書では「外側面」(グレージングユニットのグレージング壁の縁部に最も近くなるように意図されている面に相当する)及び「内側面」(グレージングユニットのグレージング壁の間に形成されている空洞の中心に向くように意図されている面に相当する)と呼ばれる。
【0049】
穿孔されたプレートは、その主面の平面(「プレートの主平面」ともいう)におけるプレートの最大の寸法に相当する、長さ、プレートの主平面における、プレートの長さの方向に対して垂直な方向におけるプレートの寸法に相当する、幅、及びプレートの主平面に対して垂直な方向におけるプレートの寸法に相当する(かつ、したがって、その2個の主面の間のプレートの寸法に相当する)、厚さを、定めうる。
【0050】
穿孔されたプレートは、好ましくは長方形かつ平行六面体である(すなわち、それは、一定の長さ、幅、及び厚さを有する)。
【0051】
本発明による装置が、スペーサー装置である場合、穿孔されたプレートの幅は、好ましくは、スペーサー装置が用いられることを意図されている、グレージングユニットのグレージング壁間の間隔の長さ(すなわち、グレージング壁間の空洞の厚さ)を決定する。プレートは、6~30mm、好ましくは10~20mm、例えば16mm又は20mmの幅を、特には装置がスペーサー装置である実施形態において、有しうる。
【0052】
穿孔されたプレートの厚さは、有利には0.1~15mm、より好ましくは0.2~1mmである。特には、穿孔されたプレートは、0.1~0.2mm、又は0.2~0.4mm、又は0.4~0.6mm、又は0.6~0.8mm、又は0.8~1mm、又は1~1.2mm、又は1.2~1.5mm、又は1.5~2mm、又は2~3mm、又は3~4mm、又は4~5mm、又は5~10mm、又は10~15mmの厚さを有しうる。
【0053】
プレートは、周期的に配置されている複数の穿孔を有する。「複数の穿孔」とは、少なくとも2個の穿孔を意味する。より特には、プレートは、周期的に配置されている、2個、又は3個、又は少なくとも3個、又は4個、又は少なくとも4個、又は5個、又は少なくとも5個、又は6個、又は少なくとも6個、又は7個、又は少なくとも7個、又は8個、又は少なくとも8個、又は9個、又は少なくとも9個、又は10個、又は少なくとも10個の穿孔を有しうる。より多くの穿孔が、プレート内に周期的に配置されているほど、装置が存在するグレージングユニットの音響遮断が、より改善される。特に好ましい態様では、プレートは、周期的に配置されている、少なくとも3個の穿孔、より好ましくは少なくとも4個の穿孔を有する。
【0054】
「周期的に配置されている穿孔」とは、上記穿孔が同一であり、プレート内に一定の間隔で存在する(すなわち、隣接する2個の穿孔の中心間の距離が一定である)ことを意味する。穿孔は、プレートの厚さ全体にわたってできており(それらは、プレートの内側面からその外側面まで延在しており)、上記プレートの両側に位置する空間の間の流体連通を可能にする(すなわち、それらは、一方の空間から他方の空間への、流体の循環、より特には気体の循環を可能にする)。有利には、周期的な穿孔は全て整列し、より好ましくはプレートの長手方向軸に沿って(すなわち、その長さ方向において)整列している。さらにより有利には、穿孔は、プレートの幅の中央に位置する、プレートの長手方向軸に沿って配置されている。
【0055】
穿孔は、任意の適切な形状を有しうる。特定の実施形態では、それらは、円形又は実質的に円形である断面(すなわち、プレートの主平面におけるもの)を有する。
【0056】
有利には、プレートの穿孔は、マイクロ穿孔である。「マイクロ穿孔」とは、直径又は最大寸法(プレートの主平面における)が8mm以下である孔を意味する。好ましくは、穿孔は、0.2~8mm、より好ましくは0.5~8mmの直径又は最大寸法(プレートの主平面における)を有する。いくつかの実施形態では、穿孔の直径又は最大寸法は、0.2~0.5mm、又は0.5~1mm、又は1~2mm、又は2~3mm、又は3~4mm、又は4~5mm、又は5~6mm、又は6~7mm、又は7~8mmでありうる。
【0057】
特に好ましい態様では、周期的な穿孔は、プレートの全長にわたって分布している。代替的には、穿孔は、プレートの長さの一部のみにわたって、例えば、プレートの長さの90%以下、又は80%以下、又は70%以下、又は60%以下、又は50%以下、又は40%以下、又は30%以下、又は20%以下、又は10%以下の長さを有するプレートの一部にわたって、周期的に配置されうる。
【0058】
それぞれの穿孔について、上記穿孔の幾何学的中心を定めうる(以下、単に「中心」という)。2個の隣接する穿孔の中心間の距離は、好ましくは5~200mm、より好ましくは10~110mmである。2個の隣接する周期的な穿孔の中心間の距離は、5~10mm、又は10~20mm、又は20~30mm、又は30~40mm、又は40~50mm、又は50~60mm、又は60~70mm、又は70~80mm、又は80~90mm、又は90~100mm、又は100~110mm、又は110~120mm、又は120~140mm、又は140~160mm、又は160~180mm、又は180~200mmでありうる。
【0059】
有利には、開孔面積比(すなわち、周期的に配置されている全ての穿孔の表面積とプレートの全表面積(穿孔の表面を含む)との比)は、0.01~8%、好ましくは0.05~0.8%である。開孔面積比は、0.01~0.05%、又は0.05~0.1%、又は0.1~0.2%、又は0.2~0.3%、又は0.3~0.4%、又は0.4~0.5%、又は0.5~0.6%、又は0.6~0.7%、又は0.7~0.8%、又は0.8~0.9%、又は0.9~1%、又は1~2%、又は2~3%、又は3~4%、又は4~5%、又は5~6%、又は6~7%、又は7~8%でありうる。
【0060】
穿孔されたプレートは、装置自体又はそれが配置されているグレージングユニットにおいて、チャンバーを画定する。チャンバーは、グレージングユニットの空洞の内部に位置する。
【0061】
チャンバーの厚さは、好ましくは2~200mm、より好ましくは5~50mmである。チャンバーの厚さは、プレートの主平面に対して垂直な方向におけるチャンバーの寸法に相当する。いくつかの実施形態では、チャンバーは、2~5mm、又は5~10mm、又は10~20mm、又は20~30mm、又は30~40mm、又は40~50mm、又は50~60mm、又は60~70mm、又は70~80mm、又は80~90mm、又は90~100mm、又は100~120mm、又は120~140mm、又は140~160mm、又は160~180mm、又は180~200mmの厚さを有する。
【0062】
プレート、その穿孔、及びチャンバーの大きさ及び構成を、プレート及びチャンバーから形成されるアセンブリが共振しようとする、周波数の関数として選択しうる。実際、穿孔されたプレートの共振周波数fと、プレートの厚さ、チャンバーの厚さ、穿孔の間隔、並びに穿孔のサイズ及び分布との関係は、式によって推定されうる:
【0063】
【0064】
ここで、σは、開孔面積比(穿孔の大きさ及びそれらの分布に依存)、Lは、プレートの厚さ(m)であり、Dはチャンバーの厚さ(m)であり、dは、隣接する2個の穿孔の中心間の距離(m)である。
【0065】
有利なことに、プレート及びチャンバーからなる系は、低周波数において共振するように構成される。「低周波数」とは、周波数が300Hz未満である音波を意味する。例えば、プレート及びチャンバーからなる系は、250Hz以下、又は225Hz以下、又は200Hz以下、又は175Hz以下、又は150Hz以下の周波数で共振するように構成されうる。他の実施形態では、プレート及びチャンバーからなる系は、400Hz以下、又は350Hz以下の周波数で共振するように構成されうる。
【0066】
プレートは、好ましくは、周期的に配置されている、単一の列の穿孔を有する。代替的には、それは、プレート内に周期的に配置されている複数の列、例えば少なくとも2列又は少なくとも3列など、の穿孔を有してよく、各列は、他の列とは異なる(例えば、穿孔の寸法及び/又は2個の隣接する穿孔の中心間の距離は、各列において異なりうる)。プレートが、複数の列の周期的な穿孔を有する場合、各列は、プレートの異なる部分において(その長さに沿って)位置する。複数の異なる列の周期的な穿孔の存在は、プレート及びチャンバーからなる系が、複数の周波数で共振することを可能にし、異なる周期的な穿孔の列を有するプレート及びチャンバーのアセンブリの各部分は、異なる共振周波数を有する。
【0067】
チャンバーは、内部に吸収性材料を有しうる。「吸収性」とは、材料が音響的に吸収性であることを意味する。したがって、グレージングユニットによって吸収される波長の範囲を、吸収性材料を有しない同じグレージングユニットによって吸収される波長の範囲に対して、広げうる。好ましくは、吸収性材料は、吸収性材料のないチャンバーによって吸収される波長よりも大きい波長を吸収するのに適している。
【0068】
好ましくは、吸収性材料は、多孔性吸収性材料である。したがって、チャンバー内に入射した音響波は、これが多孔性吸収性材料を伝搬する際に、ビスコ-サーマル効果(visco-thermal effect)によって消散しうる。チャンバー内におけるこのような多孔性吸収性材料の存在は、装置の音響性能を向上させることを可能にしうるし、したがって、これが配置されているグレージングユニットの音響遮断をさらに向上させることを可能にしうる。好ましくは、「多孔性吸収性材料」とは、0.7以上の多孔度、及び/又は5,000~150,000N・s・m-4の空気流れ抵抗を特徴とする材料を意味する。材料の多孔度は、水銀圧入によって、流体飽和法にしたがって多孔度計を用いて測定されうる。空気流れ抵抗は、NF EN ISO 9053-1規格にしたがって測定されうる。好ましくは、多孔性吸収性材料は、開孔を有する材料である。このようにして、多孔性吸収性材料上に入射した音響波は、多孔性吸収性材料を伝搬しうるし、消散しうる。
【0069】
多孔性吸収性材料は、0.75以上、又は0.8以上、又は0.85以上、又は0.9以上、又は0.95以上の多孔度、例えば0.7~0.75、又は0.75~0.8、又は0.8~0.85、又は0.85~0.90、又は0.90~0.95、又は0.95~0.99の多孔度を有しうる。特に好ましい態様では、多孔性吸収性材料は、0.7~0.99、より好ましくは0.9以上の多孔度を有する。多孔性吸収性材料の空気抵抗は、5,000~10,000N・s・m-4、又は10,000~20,000N・s・m-4、又は20,000~40,000N・s・m-4、又は40,000~60,000N・s・m-4、又は60,000~80,000N・s・m-4、又は80,000~100,000N・s・m-4、又は100,000~120,000N・s・m-4、又は120,000~140,000N・s・m-4、又は140,000~150,000N・s・m-4でありうる。好ましくは、多孔性吸収性材料は、20000~100000N・s・m-4である、空気抵抗を有する。
【0070】
多孔性吸収性材料は、有利には、繊維質織物、ミネラルウール、ポリマー発泡体、又はそれらの組み合わせである。繊維質織物は、綿繊維、亜麻繊維、麻繊維、ココナッツ繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、又はそれらの組み合わせでできている織物でありうる。ミネラルウールは、グラスウール、ロックウール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されうる。ポリマー発泡体は、メラニン発泡体、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されうる。
【0071】
好ましくは、吸収性材料は、粒状吸収性材料でありうる。粒状吸収性材料は、砂でありうるし、又はポリマー材料でできている粒子の積み重ねでありうる。このようにして、チャンバー内に入射した音響波は、粒状吸収性材料を伝搬する際に、粒状吸収性材料の粒子の摩擦によって消散しうる。
【0072】
吸収性材料は、好ましくは多孔性であり、チャンバー全体を充填しうる。代替的には、多孔性吸収性材料は、チャンバーの一部においてのみ存在しうるし、例えば、多孔性吸収性材料の体積は、チャンバーの総体積の2~20%、又は20~40%、又は40~60%、又は60~80%、又は80~98%でありうる。
【0073】
代替的には、又は追加的には、チャンバーは、気体を含みうる。気体は、特には、空気及び/若しくはアルゴン、並びに/又はクリプトン及び/若しくはキセノンでありうる。
【0074】
穿孔は、部分的に、又は好ましくは、全体的に、布地によって覆われうる。例えば、布地は、任意の適切な手段によって、プレート上に、例えばプレートの内側面上などに接着されうる。代替的には、又は追加的には、布地を、本明細書で前述したような多孔性吸収性材料上に配置してよく、例えば上記多孔性吸収性材料に接着され、多孔性吸収性材料は、布地が穿孔の全部又は一部、好ましくは全部に接するように、チャンバーの内部に配置される。このようにして、布地は穿孔に接して、一定の抵抗を有するスクリーンを形成する。いかなる理論によって拘束されることを求めていないが、本発明者は、音波がチャンバーを伝搬するために布地を通過する際に、それが布地の存在による抵抗にぶつかり、これによって音響エネルギーの吸収が向上し、したがって、装置を有するグレージングユニットの、低周波数、中周波数、及び高周波数における音響遮断が向上すると、推定している。布地が、チャンバー内に配置されている多孔性吸収性材料に取り付けられている場合、グレージングユニットの音響遮断はさらに向上する。布地は、有利には0.1~3mm、好ましくは0.2~1mmの範囲の厚さを有する。布地は、任意の織られた天然繊維又は合成繊維、例えば綿繊維及び/又は亜麻繊維など、でできていてよい。布地は、好ましくは0.07~0.99、より好ましくは0.5~0.99の多孔度、及び/又は90000~3500000N・s・m-4、より好ましくは300000~3000000N・s・m-4の空気抵抗を有する。空気抵抗及び多孔度は、本明細書に示したように測定されうる。布地は、0.07~0.2、又は0.2~0.4、又は0.4~0.6、又は0.6~0.8、又は0.8~0.99の多孔度を有しうる。布地の空気抵抗は、90000~300000N・s・m-4、又は300000~500000N・s・m-4、又は500000~1000000N・s・m-4、又は1000000~1500000N・s・m-4、又は1500000~2000000N・s・m-4、又は2000000~2500000N・s・m-4、又は2500000~3000000N・s・m-4、又は3000000~3500000N・s・m-4でありうる。
【0075】
有利には、チャンバーの内部は、気体、及び/又は本明細書に前述したような1個以上の多孔性吸収性材料からなり、これは、随意に本明細書に前述したような布地で覆われている。
【0076】
図1を参照すると、第1変形例によれば、本発明による装置は、少なくとも1個の直線状管状プロファイル1を有する。「管状プロファイル」とは、中空プロファイル、すなわち空洞又はチャンバー2を有するプロファイルを意味する。「直線状プロファイル」とは、プロファイルがその長さの方向において真っ直ぐであることを意味する(したがって、プロファイルの長手方向軸を定める)。この変形例によれば、装置は有利にはスペーサー装置である。
【0077】
管状プロファイル1は、プロファイルのチャンバー2を画定する、少なくとも上側壁3、下側壁4、及び2個の側壁5を有する。本明細書中では、「上側」及び「下側」という用語は、
図1の右側に示されているプロファイル1の向きを指すのに用いられている。しかしながら、プロファイル1は、もちろん、任意のありうる向き、例えば、プロファイルの長手方向軸が垂直になる向き、又は上側壁が下側壁の下にある向きなど(
図1の左側に示すように)、を有しうる。
【0078】
上側壁3は、周期的に配置されている複数の穿孔6を有する。したがって、本発明によるプロファイル1は、本明細書中では「穿孔された(直線状)(管状)プロファイル」とも呼ばれる。穿孔6は、上側壁の厚さ全体にわたってできており、プロファイルのチャンバー2を、プロファイルの外部の環境と流体連通する状態に置く(すなわち、それらは、プロファイルのチャンバー2から外部の環境に向かって、流体、より特には気体の循環を可能にし、逆もまた同様である)。
【0079】
この第1変形例では、プロファイルの上側壁3は、本明細書で前述した装置の周期的に配置されている複数の穿孔を有するプレートに対応し、プロファイルのチャンバー2は、本明細書で前述したプレートによって区画されているチャンバーに対応する。したがって、穿孔されたプレートに関して、かつ穿孔されたプレートによって区画されているチャンバーに関して、本明細書で説明されることは全て、それぞれプロファイル1の上側壁3及びプロファイルのチャンバー2に適用される。
【0080】
この変形例では、プロファイル1内部のチャンバーの厚さは、プロファイル1の上側壁3と下側壁4との間の距離である。
【0081】
プロファイルの上側壁3及び下側壁4は、2個の側壁5によって接続されうる(2個の側壁5の各々は、上側壁3の長手方向の縁部を下側壁4の長手方向の縁部に接続している)。他の実施形態では、上側壁3及び下側壁4は、任意の数の壁によって互いに接続されうる。
【0082】
有利には、上側壁3の主平面及び下側壁4の主平面は、互いに平行であり、さらにより有利には、それらは2個の側壁5の主平面に対して垂直である。
【0083】
好ましくは、直線状プロファイル1は、穿孔されたプレートに関して本明細書で前述したような材料を含むか、又はその材料でできている。
【0084】
好ましくは、下側壁4及び/又は2個の側壁5の各々は、長方形の平行六面体形状を有する。
【0085】
有利には、プロファイル1の上側壁3の長さは、装置が置かれることが意図されているグレージングユニット10のグレージング壁7の間の空洞の長さと、同じ方向において等しい。
【0086】
図2を参照すると、第2変形例によれば、本発明による装置は、少なくとも1個の直線状バー11を有する。「バー」とは、長方形の平行六面体形状の立体を意味する。バーは、周期的に配置されている複数の穿孔16を有する。したがって、本発明によるバー11は、本明細書中では「穿孔された(直線状)バー」とも呼ばれる。この第2変形例によれば、装置は有利にはスペーサー装置である。
【0087】
この第2変形例では、バー11は、装置の周期的に配置されている複数の穿孔を有するプレートに相当する。したがって、本明細書中で穿孔されたプレートに関連して説明されていることは全て、穿孔されたバーに適用される。
【0088】
それが、グレージングユニット20内(グレージングユニットの2個のグレージング壁17の間)に置かれる場合、本発明による穿孔されたバーは、グレージング壁の間にチャンバー12を画定する。このチャンバー12は、穿孔されたバー11からグレージング壁17の縁部の1個まで延在している。この縁部は、有利には、グレージング壁17の縁部であり、好ましくは、穿孔された直線状バー11に平行であり、穿孔された直線状バー11に最も近い。
【0089】
この第2変形例では、穿孔されたバーからグレージング壁の縁部まで延在している、グレージング壁の間に形成されるチャンバー12は、本明細書で前述したプレートによって区画されているチャンバーに対応する。したがって、穿孔されたプレートによって区画されているチャンバーに関連して本明細書中で説明されていることは全て、穿孔されたバーからグレージング壁の縁部まで延在している、グレージング壁の間に形成されるチャンバー12に適用される。
【0090】
この変形例では、チャンバー12の厚さは、穿孔されたバー11とグレージング壁17の縁部との間のチャンバーの寸法に対応する。
【0091】
有利には、バー11の長さは、それが置かれることが意図されているグレージングユニット20のグレージング壁17の間の空洞の長さと、同じ方向において等しい。
【0092】
図3を参照すると、第3変形例によれば、本発明による装置は、少なくとも1個の直線状ケーシング21を有する。「ケーシング」とは、中空の閉じた構造であること、すなわち空洞又はチャンバーを有することを意味する。
【0093】
ケーシングは、ケーシングのチャンバーを画定している、少なくとも上側壁23、下側壁24、2個の長手方向側壁25(好ましくは互いに対向している)、及び2個の短手方向側壁28(好ましくは互いに対向している)を有する。「長手方向側壁」とは、直線状ケーシングの長手方向軸に平行な側壁を意味し、「短手方向側壁」とは、直線状ケーシングの長手方向軸に垂直な側壁を意味する。本明細書中では、「上側」及び「下側」という用語は、
図3の右側に示されているケーシング21の向きを指すのに用いられている。もちろん、ケーシングは、例えば
図3の左側に示されているように、任意の他のありうる向きを有しうる。ケーシングの上側壁23は、グレージングユニット30のグレージング壁27の間に形成される空洞の中心に向くように意図されている壁に相当し、下側壁24は、グレージングユニット30のグレージング壁27の縁部に最も近くなるように意図されているケーシング11の壁に相当し、長手方向側壁25は、グレージング壁27に平行になるように意図されており、短手方向側壁28は、グレージング壁27に垂直になるように意図されている。
【0094】
ケーシングの上側壁23及び下側壁24は、2個の長手方向側壁25によって接続されうる(2個の長手方向側壁25の各々は、上側壁23の長手方向縁部を下側壁24の長手方向縁部に接続している)。他の好ましさの程度が低い実施形態では、上側壁23及び下側壁24は、任意の数の長手方向壁25によって互いに接続されうる。ケーシングの上側壁23及び下側壁24は、好ましくは、2個の短手方向側壁28によって互いに接続される(2個の短手方向側壁28の各々は、上側壁23の短手方向縁部を下側壁24の短手方向縁部に接続している)。
【0095】
有利には、上側壁23の主平面と下側壁24の主平面とは、互いに平行である。好ましくは、長手方向側壁25の主平面は、互いに平行である。好ましくは、短手方向側壁28の主平面は、互いに平行である。さらにより有利には、上側壁23及び下側壁34の主平面は、2個の長手方向側壁25の主平面及び2個の短手方向側壁28の主平面に対して垂直である。特に好ましい態様において、本発明によるケーシング21は、平行六面体形状を有し、さらに好ましくは長方形の平行六面体形状を有する。
【0096】
ケーシング21の壁の各々は、独立して、長方形の平行六面体形状を有してよく、好ましくは、ケーシング21の壁の各々は、長方形の平行六面体形状を有する。
【0097】
この第3変形例では、ケーシング21は、ケーシングの上側壁23の主平面における、直線状ケーシングの長手方向軸に沿った、ケーシング21の寸法に相当する長さ、及び直線状ケーシングの長手方向軸に対して垂直な方向において、ケーシング21の大きさに一致する幅を、定めうる。特に好ましい態様では、ケーシング21の幅は、それが配置されることが意図されているグレージングユニット30のグレージング壁27間の(同じ方向における)空洞の厚さよりも小さい。したがって、この変形例では、装置は好ましくはスペーサー装置ではない。好ましくは、長手方向側壁25の少なくとも1個(一方のみ又は両方)は、ケーシングがグレージングユニット30内に配置されるとき、グレージング壁27と接触しない。
【0098】
ケーシング21の幅は、グレージングユニットのグレージング壁間の空洞の厚さの1~99%、例えばグレージング壁27の間の空洞の厚さの1~10%、又は10~20%、又は20~30%、又は30~40%、又は40~50%、又は50~60%、又は60~70%、又は70~80%、又は80~90%、又は90~99%でありうる。ケーシング21の幅は、5mm以上かつグレージング壁27の間の空洞の厚さ未満であってよく、例えば、ケーシング21の幅は、5mm~29mm、又は5mm~19mm、又は5mm~15mmでありうる。
【0099】
ケーシング21の長さは、これが配置されることが意図されているグレージングユニット30のグレージング壁27の間の、同じ方向における、空洞の長さ以下であってよく、又はこの長さと等しくてよい。好ましくは、それは、同一方向における空洞の長さ未満である。ケーシング21の長さは、グレージング壁27の間の、空洞の長さの1~100%、例えば空洞の厚さの1~10%、又は10~20%、又は20~30%、又は30~40%、又は40~50%、又は50~60%、又は60~70%、又は70~80%、又は80~90%、又は90~95%、又は95~100%でありうる。特定の実施形態では、ケーシング21の長さは、5cm以上かつグレージング壁27の間の(ケーシング21の長さと同じ方向における)空洞の長さ以下でありうる。
【0100】
上側壁23、又は長手方向側壁25のうちの1個(ケーシングがグレージングユニット内に置かれているとき、グレージングユニット30のグレージング壁27と接触しないように意図されている)は、周期的に配置されている複数の穿孔26を有する。したがって、本発明によるケーシング21は、本明細書中では「穿孔された(直線状)ケーシング」とも呼ばれる。穿孔26は、壁の厚さ全体にわたってできており、ケーシング21のチャンバーを、ケーシング21の外部の環境と流体連通する状態に置く。
【0101】
この第3変形例では、周期的な穿孔26を有するケーシング21の壁は、本明細書で前述した装置の周期的に配置されている複数の穿孔を有するプレートに対応し、ケーシング21のチャンバーは、本明細書で前述したプレートによって区画されているチャンバーに対応する。したがって、本明細書で穿孔されたプレートに関連して、かつ穿孔されたプレートによって区画されているチャンバーに関連して説明されていることは全て、それぞれ、ケーシング21の穿孔された壁、及びケーシングのチャンバーに適用される。
【0102】
この変形例では、ケーシング21の内部のチャンバーの厚さは、周期的な穿孔を有するケーシングの壁(上側壁23、又は長手方向側壁25の1個)と、この壁に対向する壁との間の距離である。
【0103】
好ましくは、ケーシング21は、穿孔されたプレートに関連して本明細書で前述したような材料を含むか、又はその材料でできている。
【0104】
本発明による装置は、一度に、本明細書で前述したいくつかの変形例に従ってよい。したがって、本発明による装置は、同時に、1個以上の穿孔されたプロファイル1及び1個以上の穿孔されたバー11を有してよく、同時に、1個以上の穿孔されたプロファイル1及び1個以上の穿孔されたケーシング21を有してよく、同時に、1個以上の穿孔されたバー11及び1個以上の穿孔されたケーシング21を有してよく、又は同時に、1個以上の穿孔されたプロファイル1、1個以上の穿孔されたバー11、及び1個以上の穿孔されたケーシング21を有してよい。
【0105】
本発明による装置は、単一の穿孔されたプレートを有しうる。特に、本発明による装置は、その上側壁3内に穿孔6を有する単一の直線状管状プロファイル1、又は単一の穿孔された直線状バー11、又は単一の穿孔された直線状ケーシング21を有しうる。しかしながら、好ましくは、装置は、複数の穿孔されたプレートを有する。より特には、それは、有利には、周期的に配置されている穿孔6を有する上側壁3を、各々が有する、複数の直線状管状プロファイル1、及び/又は周期的に配置されている穿孔16を有する、複数の直線状バー11、及び/又は壁のうちの1個に周期的に配置されている穿孔26を有する、複数の直線状ケーシング21を有する。装置が、複数の穿孔されたプレート、例えば複数の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/又は穿孔された直線状バー11、及び/又は穿孔ケーシング21を有する場合、上記穿孔されたプレート、穿孔された直線状管状プロファイル、穿孔された直線状バー、及び穿孔された直線状ケーシングは、各々独立して、本明細書で前述したようにありうる。
【0106】
好ましくは、装置が、複数の穿孔されたプレートを有する場合、それらの少なくともいくつかは、互いに異なり、それらは全て、互いに異なっていてよく、かつ/又は上記穿孔されたプレートによって区画されている、少なくとも特定のチャンバーは、互いに異なり、それらは全て、互いに異なっていてよい。特には、装置が、複数の穿孔された直線状管状プロファイル1を有する場合、好ましくは、それらの少なくともいくつかは、互いに異なり、それらは全て、互いに異なりうる。より特には、それらは、異なる周期性を有する穿孔6、すなわち、異なるサイズの穿孔6、及び/又は異なるように配置されている穿孔6(例えば、2個の隣接する穿孔6の中心間の距離が、異なりうる)を、上側壁3内において有しうる。代替的には、又は追加的には、それらは、異なる厚さの上側壁3、及び/又は異なる厚さのチャンバー2を有しうる。装置が、複数の穿孔されたバー11を有する場合、好ましくは、それらの少なくともいくつかは、互いに異なり、それらは全て、互いに異なりうる。特に、それらは、異なる周期性を有する穿孔16、すなわち、異なるサイズの穿孔16、及び/若しくは異なるように配置されている穿孔16(例えば、2個の隣接する穿孔16の中心間の距離が、異なりうる)を有しうるし、かつ/又は異なる厚さを有しうる。代替的には、又は追加的には、上記穿孔されたバーとグレージング壁の縁部との間に画定されている少なくともいくつかのチャンバー12は、互いに異なっていてよく、それらは全て、互いに異なっていてよく、特には、チャンバー12は、異なる厚さを有しうる。装置が、複数の穿孔された直線状ケーシング21を有する場合、好ましくは、それらの少なくともいくつかは、互いに異なり、それらは全て、互いに異なりうる。より特には、それらは、異なる周期性を有する穿孔26、すなわち、異なるサイズの穿孔26、及び/又は異なるように配置されている穿孔26(例えば、2個の隣接する穿孔26の中心間の距離が、異なりうる)を、壁において有しうる。代替的には、又は追加的には、それらは、異なる厚さの穿孔を有する壁、及び/又は異なる厚さのチャンバー12を有しうる。したがって、好ましくは、穿孔されたプレート(特には、穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/又は穿孔された直線状バー11、及び/又は穿孔された直線状ケーシング21)、並びにそれらが区画するチャンバーは、穿孔されたプレートの少なくともいくつか、又はそれらの全てが、それらが区画するチャンバーと、異なる周波数で共振するようになっている。
【0107】
装置は、(本明細書で前述したように)2個若しくは少なくとも2個の穿孔されたプレート(例えば、2個又は少なくとも2個の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/若しくは穿孔された直線状バー11、及び/若しくは穿孔された直線状ケーシング21)、又は3個若しくは少なくとも3個の穿孔されたプレート(例えば、3個若しくは少なくとも3個の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/若しくは穿孔された直線状バー11、及び/若しくは穿孔された直線状ケーシング21)、又は4個若しくは少なくとも4個の穿孔されたプレート(例えば、4個若しくは少なくとも4個の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/若しくは穿孔された直線状バー11、及び/若しくは穿孔された直線状ケーシング21)、又は5個若しくは少なくとも5個の穿孔されたプレート(例えば、5個若しくは少なくとも5個の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/若しくは穿孔された直線状バー11、及び/若しくは穿孔された直線状ケーシング21)を有しうる。好ましくは、穿孔されたプレートのうち少なくとも2個(例えば、穿孔されたプロファイル1、及び/又は穿孔されたバー11、及び/又は穿孔された直線状ケーシング21のうち少なくとも2個)は、異なる周期性を有する穿孔を有し{すなわち、プレート(例えば、プロファイル、又はバー、又はケーシング)の穿孔の周期性は、別のプレート(例えば、別のプロファイル、又は別のバー、又は別のケーシング)の穿孔の周期性と異なる}、より好ましくは、穿孔されたプレートのうち少なくとも3個(例えば、穿孔されたプロファイル1、及び/又は穿孔されたバー11、及び/又は穿孔されたケーシング21のうち少なくとも3個)は、異なる周期性を有する穿孔を有する。
【0108】
特に好ましい態様において、本発明による装置は、3個の穿孔されたプレート、より特には3個の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/若しくは穿孔された直線状バー11、及び/若しくは穿孔された直線状ケーシング21、又は少なくとも3個の穿孔されたプレート、より特には、少なくとも3個の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/若しくは穿孔された直線状バー11、及び/若しくは穿孔された直線状ケーシング21、より好ましくは4個(又は少なくとも4個)の穿孔されたプレート、より特には4個(又は少なくとも4個)の穿孔された直線状管状プロファイル1、及び/若しくは穿孔された直線状バー11、及び/若しくは穿孔された直線状ケーシング21である。より好ましくは、これらのプレートのうちの3個又は少なくとも3個(特には、これらのプロファイル1、及び/若しくはバー11、及び/若しくはケーシング21のうちの3個又は少なくとも3個)は、それらが区画しているチャンバーと、異なる周波数で共振するように構成される。
【0109】
さらにより好ましくは、装置は、少なくとも以下を有する:
- 第1チャンバーを区画している第1穿孔されたプレート(特には、第1穿孔されたプロファイル1、又は第1バー11、又は第1ケーシング21)であって、第1穿孔されたプレート及び第1チャンバーからなる系は、第1周波数で共振するように構成されているもの、
- 第2チャンバーを区画している第2穿孔されたプレート(特には、第2穿孔されたプロファイル1、又は第2バー11、又は第2ケーシング21)であって、第2穿孔されたプレート及び第2チャンバーからなる系は、第1周波数より3分の1オクターブ低いものに相当する第2周波数で共振するように構成されているもの、及び、
- 第3チャンバーを区画している第3穿孔されたプレート(特には、第3穿孔されたプロファイル1、又は第3バー11、又は第3ケーシング21)であって、第3穿孔されたプレート及び第3チャンバーからなる系は、第1周波数より3分の1オクターブ高いものに相当する第3周波数で共振するように構成されているもの。
【0110】
装置は、穿孔されていない1個以上のプレート(例えば、1個以上のプロファイル、好ましくは管状プロファイル、及び直線状プロファイル、及び/若しくはバー、好ましくは直線状バー、及び/若しくはケーシング、好ましくは直線状ケーシング)、並びに/又は非周期的な穿孔を有する1個以上のプレート(例えば、1個以上のプロファイル、好ましくは管状プロファイル、及び直線状プロファイル、及び/若しくはバー、好ましくは直線状バー、及び/若しくはケーシング、好ましくは直線状ケーシング)をさらに有しうる。
【0111】
好ましくは、装置は、それが配置されることが意図されているグレージングユニットのグレージング壁の側面の数と同数のプレート(より特には、プロファイル、及び/又はバー、及び/又はケーシング)を有し、例えば、それは、4個のプレート(より特には、4個のプロファイル、及び/又はバー、及び/又はケーシング)を有する。
【0112】
装置のプレートは、(それらの全部若しくは一部が)接合されていなくてよいし、又は(それらの全部又は一部が)互いに接合されていてよく、好ましくはそれらの末端部において、接合されていてよい。好ましくは、本発明による装置がスペーサー装置である場合、スペーサー装置の全てのプレートは、フレームを形成するように接合される。プレートが接合される場合、それらは、単一ピースを形成しうるし(プレートは、例えばフレームのコーナーを形成するために、例えば1箇所以上において折り畳まれた単一のプレートから生まれる)、又は任意の適切な手段、例えば、ステープル、接着、クリップ、及び/又はインターロッキングなどによって、一緒に組み立てられうる。特に、装置がプロファイルを有する場合、これらは、(それらの全部若しくは一部が)接合されていなくてよいし、又は(それらの全部又は一部が)互いに接合されていてよく、好ましくはそれらの末端部において、接合されていてよい。好ましくは、装置の全てのプロファイルは、フレームを形成するように接合される。プロファイルが接合される場合、それらは、単一ピースを形成しうるし(直線状プロファイルは、例えばフレームのコーナーを形成するために、例えば1箇所以上で折り畳まれた単一のプロファイルから生まれる)、又は任意の適切な手段、例えば、本明細書で前述した手段によって、一緒に組み立てられうる。同様に、装置が直線状バーを有する場合、これは、(それらの全部又は一部が)接合されていなくてよいし、又は(それらの全部又は一部が)互いに接合されていてよく、好ましくはそれらの末端部において、接合されていてよい。好ましくは、装置の全てのバーが、フレームを形成するように接合される。バーが接合される場合、それらは、単一ピースを形成しうるし、又は任意の適切な手段、例えば本明細書で前に示した手段によって、一緒に組み立てられうる。装置がプロファイル及びバーを有する実施形態では、プロファイルの上側壁とバーの上側壁とが接合されていてよいし、又は接合されていなくてよい。装置が直線状ケーシングを有する場合、有利には、それらは接合されていない。
【0113】
装置が複数のプレートを有する場合、それらが区画するチャンバー(例えば、装置のプロファイル1内のチャンバー2、及び/又は直線状バーからグレージングユニットの縁部まで延在している、グレージングユニットのグレージング壁間に形成されているチャンバー12)は、例えばチャンバー間に仕切りが存在することによって、互いに対して閉じていてよく(すなわち、それらが互いに直接的に流体連通の状態にいない)、又は互いに連通してよく、又は一部が互いに対して閉じていてよく、かつ他が互いに連通していてよい。しかしながら、装置のプレートが、穿孔された直線状ケーシング21に属する場合、それらが区画するチャンバー、すなわち上記ケーシングの内部のチャンバーは、互いに対して閉じている(すなわち、それらは互いに直接的に流体連通の状態にいない)。
【0114】
また、本発明は、本明細書に前述したような装置を有するグレージングユニットにも関する。
【0115】
本発明によるグレージングユニットは、少なくとも2個のグレージング壁を有する。有利には、グレージング壁は、互いに平行又は実質的に平行である。
【0116】
いくつかの実施形態において、本発明によるグレージングユニットは、ちょうど2個のグレージング壁(これを「二重グレージングユニット」と呼ぶ)、又はちょうど3個のグレージング壁(これを「三重グレージングユニット」と呼ぶ)、又は少なくとも3個のグレージング壁を有しうる。
【0117】
本発明の意味において、「グレージング壁」とは、少なくとも1個のガラスシート又はグレージングアセンブリを有する(又はそれからなる)任意の構造体を指す。「グレージングアセンブリ」とは、少なくとも1個の層がガラスシートである多層グレージング要素を意味すると理解される。したがって、グレージング壁は、例えば、独立的に単一のガラスシートを有してよく、又は代替的には、グレージングアセンブリ、例えば(以下により詳述するような)1個の積層されたグレージングユニットでできているものを有してよい。
【0118】
ガラスシートは、有機ガラス又はミネラルガラスでできていてよい。それは、強化ガラスでできていてよい。
【0119】
グレージング壁(又はグレージング壁のうちの1個)は、上述のようでありうる少なくとも1個のガラスシートを有する、グレージングアセンブリを有しうる(又はそれから成りうる)。グレージングアセンブリは、好ましくは積層されたガラスユニットである。用語「積層グレージングユニット」とは、少なくとも2個のガラスシートであって、その間に、一般に粘弾性プラスチック材料でできている少なくとも1個の中間フィルムが、挿入されているものを意味すると理解される。粘弾性プラスチック材料でできている中間層フィルムは、粘弾性ポリマー、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、又はエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、好ましくはPVBなどの、1個以上の層を有しうる。中間層フィルムは、標準的なPVB、又は音響用PVB(例えば、単層又は3層の音響用PVBなど)でできていてよい。音響用PVBは、一般に下記の3層からなる:2個の標準的なPVBの外側層、及び外側層より剛性が低くなるように可塑剤が添加された、PVBの内側層である。積層されたグレージングユニットを有するグレージング壁を用いることは、グレージングユニットの音響遮断を向上させることを可能にし、中間層フィルムが、音響的PVBでできている場合、音響遮断はさらに向上する。
【0120】
各グレージング壁は、最大の表面積を有するグレージング壁の面に相当する、互いに反対側を向いている2個の主面を含む。有利には、グレージング壁は、独立して、1.6mm以上の厚さ(それらの2個の主面間の厚さ)、例えば1.6~24mm、好ましくは2~12mm、より好ましくは4~10mm、例えば4mm又は6mmの厚さを有する。本発明によるグレージングユニットのグレージング壁は全て、同じ厚さを有していてよいし、又は異なる厚さを有していてよい。グレージング壁の厚さが大きいほど、かつ/又はグレージング壁の密度が大きいほど、音響遮断が大きくなる。さらに、グレージング壁が厚いほど、グレージングユニットの質量/バネ/質量は小さくなる。
【0121】
好ましくは、グレージングユニットの全てのグレージング壁は、同一の高さ及び幅を有する。本発明によるグレージングユニットは、任意のありうる形状を有してよく、好ましくは、四辺形の形状、特には長方形の形状、又は実質的に長方形の形状を有する。代替的には、グレージングユニットは、円形の形状、若しくは実質的に円形の形状、又は楕円形の形状、若しくは実質的に楕円形の形状、又は台形の形状、若しくは実質的に台形の形状を有しうる。
【0122】
グレージング壁は、それらの間に空洞を画定する。空洞を画定しているグレージング壁の各々は、当の空洞に面しているグレージング壁の主面に相当する内側面、及びグレージング壁の第2主面に相当する外側面、すなわち空洞に面している面と反対側のグレージング壁の主面に相当する外側面を有する。
【0123】
有利には、本発明による装置は、グレージングユニットの空洞内、より特にはグレージングユニットの空洞の周縁ゾーン内に配置されている。「空洞の周縁ゾーン」とは、グレージング壁の縁部に隣接する空洞の領域であって、好ましくはその幅(すなわち、グレージング壁の平面内で、グレージング壁の縁部に直交する方向のもの)が、20cm以下、より好ましくは10cm以下、さらに好ましくは5cm以下である領域を意味する。
【0124】
好ましくは、装置がスペーサー装置である場合(特には、それが、1個以上の穿孔されたプロファイル及び/又は穿孔されたバーを有する場合)、スペーサー装置の1個以上の穿孔されたプレートは、それぞれグレージング壁の縁部に平行である(例えば、1個以上の穿孔された直線状プロファイル及び/又は穿孔された直線状バーは、それぞれグレージング壁の縁部に平行である)。装置が、1個以上の穿孔されたケーシングを有する場合、1個以上の穿孔されたケーシングは、好ましくは、グレージング壁のうちの1個の縁部にそれぞれ平行である。
【0125】
特に好ましい態様では、装置は、穿孔されたプレートによって区画されているチャンバーが、プレートの穿孔を介してグレージング壁の間に形成されているグレージングユニットの空洞と流体連通の状態にあるように、グレージングユニットの空洞内に置かれる。したがって、好ましくは、装置が少なくとも1個の穿孔されたプロファイル1を有する場合、それは、1個以上のプロファイル1の上側壁3が、グレージングユニットの空洞の内部に向き、1個以上のプロファイル1の下側壁4が、グレージングユニットの外部及び縁部の方に向くように、グレージングユニットの空洞内に置かれる。したがって、1個以上の穿孔されたプロファイル1のチャンバー2は、上記プロファイル1の上側壁3内に存在する穿孔6を介してグレージングユニットの空洞と流体連通の状態にある(すなわち、流体、好ましくは気体が、グレージングユニットの空洞からプロファイル1のチャンバー2の内部へと循環しうるし、逆もまた同様である)。装置が、少なくとも1個の穿孔されたケーシング21を有する場合、それは、周期的な穿孔26を有する壁がグレージングユニットの空洞の中心に向いているか、又はグレージング壁に接触することなくこれに向いているかの、いずれかとなるようにグレージングユニットの空洞内に置かれる。
【0126】
装置がスペーサー装置である場合、2個のグレージング壁は、スペーサー装置に取り付けられる。
【0127】
より好ましくは、スペーサー装置が、少なくとも1個の穿孔されたプロファイル1を有する場合、2個のグレージング壁は、スペーサー装置の1個以上のプロファイル1の、側壁5に取り付けられ、さらにより好ましくは、それらの内側面は、スペーサー装置の1個以上のプロファイル1の側壁5にそれぞれ取り付けられる。
【0128】
スペーサー装置が、少なくとも1個の穿孔されたバー11を有する場合、2個のグレージング壁は、好ましくは、互いに反対側を向いているバー11の側面に取り付けられる。
【0129】
有利には、グレージング壁は、接着によって、例えば接着剤などによって、例えばポリイソブチレン(PIB)に基づく接着剤などによって、シリコーンマスチックによって、又は両面接着テープによって、スペーサー装置に取り付けられる。
【0130】
密封シールが、存在してもよく、好ましくはスペーサー装置の外側面(すなわち、グレージング壁の縁部に最も近いスペーサー装置の面)上に配置されてもよく、これは、好ましくは、(スペーサー装置が、少なくとも1個の穿孔されたプロファイル1を有する場合)スペーサー装置の1個以上のプロファイル1の、下側壁4の外側面である。より好ましくは、密封シールは、この外側面からグレージング壁の縁部まで延在している。この密封シールは、ポリウレタン、ポリサルファイド、及び/又はシリコーンに基づく、マスチック(「シーラントマスチック」と呼ばれる)でできていてよい。しかしながら、スペーサー装置が、穿孔されたバー11を有する場合、好ましくは、密封シールは、上記バー上に存在しない。
【0131】
スペーサー装置により、グレージング壁間の間隔の長さを設定することが可能になる。この間隔の長さ(すなわち、グレージング壁間の空洞の厚さ)は、6~30mm、好ましくは10~20mm、例えば16mmでありうる。
【0132】
本発明による装置が、スペーサー装置でない場合、例えば、それが1個以上の穿孔されたケーシング21を有する場合、上記装置、特には穿孔されたケーシング21は、スペーサー装置上に置かれうる。より好ましくは、ケーシングの下側壁24を、スペーサー装置上に載せうる。ケーシングの長さが、グレージング壁間の空洞の長さよりも短い場合、ケーシング21は、グレージングユニットの空洞の周縁ゾーン内の任意の位置に配置されうる。
【0133】
好ましくは、グレージングユニットの(グレージング壁間の)空洞は、気体を有する。気体は、空気及び/若しくはアルゴン、並びに/又はクリプトン及び/若しくはキセノンでありうる。空気に加えて、又は空気の代替として、アルゴン、クリプトン又はキセノンを用いることは、グレージングユニットの熱遮断性の向上を可能にする。
【0134】
本発明によるグレージングユニットは、全体的に不透明、全体的に透明、又は部分的に不透明かつ部分的に透明でありうる。好ましくは、グレージングユニットは、少なくとも部分的に透明である。
【0135】
グレージング壁のうちの1個(又は複数)は、その表面の全部又は一部にわたって、その厚みにおいて、着色されうる。グレージング壁のうちの1個(又は複数)は、不透明コーティング、例えば塗料及び/又はエナメルで、全体的に又は部分的に覆われうる。不透明コーティングは、グレージング壁の内側面上、又はその外側面上、又はその両面上に、存在してよく、好ましくは、それは、グレージング壁の内側面を被覆する。いくつかの実施形態では、グレージングユニットのグレージング壁のうちの1個のみが、不透明コーティングで覆われている。このグレージング壁は、有利には、グレージングユニットが建物のファサード又は外部の窓において用いられる場合、グレージングユニットの最も外側のグレージング壁であると意図されるグレージング壁である。
【0136】
いくつかの実施形態では、グレージングユニットのグレージング壁、又はグレージング壁のうち少なくとも1個は、グレージングユニットの熱遮断性を改善するための処理が施されうる。特には、1個以上のグレージング壁は、1個(又は複数)以上の遮断層(絶縁層)、例えば金属及び/又は金属酸化物に基づく遮断層などを、1個以上のそれらの主面上に、好ましくは内側面上に、有しうる。グレージング壁がまた、不透明コーティング(例えば、エナメル及び/又は塗料など)でも覆われている場合、不透明コーティングに適合しうる遮断層が、好ましくは用いられる。代替的には、遮断層及び不透明コーティングを、グレージング壁の異なる面上に配置しうる(例えば、遮断層は、内側面上に、かつ不透明コーティングは、外側面上に、ありうる)。また、代替的には、グレージング壁のうち少なくとも1個が、グレージングアセンブリである場合、遮断層は、グレージングアセンブリの中に、例えばPVB層とガラスシートとの間に、介在しうる。
【0137】
有利には、装置の穿孔されたプレートのうち少なくとも1個、及びそれが区画するチャンバーは、上記穿孔されたプレート及び上記チャンバーからなるアセンブリが、グレージングユニットのいわゆる「質量/バネ/質量」周波数で共振するように、なっている(例えば、上側壁3上に、周期的に配置されている穿孔6を有する、装置のプロファイル1のうち少なくとも1個は、それがグレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように、なっており、かつ/又は周期的に配置されている穿孔16を有するバー11のうち少なくとも1個、及びそれが区画するチャンバー12は、それらがグレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように、なっており、かつ/又は周期的に配置されている穿孔26を有するケーシング21のうち少なくとも1個は、それがグレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように、なっている)。本発明によるグレージングユニット内に、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で、又はそれに近い周波数で、共振するように構成されている、プレート(より特には、プロファイル、及び/又はバー、及び/又はケーシング)並びにチャンバーが存在することは、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数に近い周波数だけでなく、質量/バネ/質量の周波数よりも高い周波数での、音の伝達損失を増加させることを可能にする。
【0138】
グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数fmsmを、次式によって求めうる:
【0139】
【0140】
ここで、ρ0は空気の密度(kg/m3)であり、c0は空気空洞内の音速(m/s)であり、dは2個のグレージング壁間の空気空洞の厚さ(m)であり、ms1及びms2はそれぞれ第1及び第2のグレージング壁の表面積単位あたりの質量(kg/m2)である。
【0141】
好ましくは、装置の穿孔されたプレートのうち少なくとも1個、及びそれが区画するチャンバー(より特には、上側壁3上に周期的に配置されている穿孔6を有する装置のプロファイル1のうち少なくとも1個、並びに/又は周期的に配置されている穿孔16を有する装置のバー11のうち少なくとも1個、及びそれが区画するチャンバー12、並びに/又は周期的に配置されている穿孔26を有する装置のケーシング21のうち少なくとも1個)は、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数よりも3分の1オクターブ低いものに相当する周波数で、又はそれに近い周波数で、共振するように構成されている。これは、この周波数に近い周波数における音の伝達損失を増加させることを可能にする。
【0142】
好ましくは、装置の穿孔されたプレートのうち少なくとも1個、及びそれが区画するチャンバー(より特には、上側壁3上に周期的に配置されている穿孔6を有する装置のプロファイル1のうち少なくとも1個、並びに/又は周期的に配置されている穿孔16を有する装置のバー11のうち少なくとも1個、及びそれが区画するチャンバー12、並びに/又は周期的に配置されている穿孔26を有する装置のケーシング21のうち少なくとも1個)は、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数よりも3分の1オクターブ高いものに相当する周波数で、又はそれに近い周波数で、共振するように構成されている。これは、この周波数に近い周波数における音の伝達損失を増加させることが可能にする。
【0143】
グレージングユニット内に、チャンバーを区画する少なくとも2個の穿孔されたプレート(特には、少なくとも2個の穿孔されたプロファイル1、及び/又は穿孔された直線状バー11、及び/又は穿孔された直線状ケーシング21)を有する装置が存在し、そのうち少なくとも1個のプレートは、それが区画するチャンバーとともに、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように構成されている系を形成し、少なくとも1個の他のプレートは、それが区画するチャンバーとともに、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数より3分の1オクターブ高い周波数、又は低い周波数で共振するように構成されている系を形成し、好ましくは、チャンバーを区画する少なくとも3個の穿孔されたプレート(特には、少なくとも3個の穿孔されたプロファイル1、及び/又は穿孔された直線状バー11、及び/又は穿孔された直線状ケーシング21)を有する装置が存在し、そのうち少なくとも1個のプレートは、それが区画するチャンバーとともに、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように構成されている系を形成し、少なくとも1個の他のプレートは、それが区画するチャンバーとともに、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数より3分の1オクターブ高い周波数で共振するように構成されている系を形成し、少なくとも1個の他のプレートは、それが区画するチャンバーとともに、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数より3分の1オクターブ低い周波数で共振するように構成されている系を形成し、この存在は、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数付近の音伝達損失を平滑化すること、及びグレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数付近のより広い周波数帯域にわたって、グレージングユニットの音遮断性を改善することを、可能にする。
【0144】
有利な実施形態において、本発明によるグレージングユニットは、同一のグレージングユニットであるが、装置のプレート内に周期的に配置されている穿孔を有しないものよりも、高い音響遮断性(例えば、音響弱化指数を測定することによって、特には規格ISO10140に従って、決定される)を、200Hz~2000Hz、好ましくは100Hz~5000Hz、さらに好ましくは50Hz~20000Hzの周波数範囲にわたって、示しうる。
【0145】
本発明によるグレージングユニットは、グレージングユニットを用いる、任意の用途において用いられうる。特に、本発明によるグレージングユニットは、建物グレージングユニットでありうる。グレージングユニットは、建物の外部と内部との間のインターフェイスとして機能することを意図されてよく、例えば、ファサードグレージングユニット、ウィンドウグレージングユニット、又はドアグレージングユニットでありうる。代替的には、グレージングユニットは、建物内部に置かれることを意図されうる。
【0146】
本発明は、同様に、本明細書に開示されたようなグレージングユニットの製造方法に関連しており、以下を含む:
- 少なくとも2個のグレージング壁を提供すること;
- 本明細書において前述されたような装置を提供すること;
- 2個のグレージング壁を、それらの間に空洞を形成するように配置すること;及び
- 装置を空洞内に導入すること。
【0147】
特に好ましい態様では、装置は、装置の穿孔されたプレートによって区画されているチャンバーが、装置プレートの穿孔を介してグレージングユニットの空洞と流体連通する状態にいるように、グレージングユニットの空洞内に置かれる。
【0148】
好ましくは、装置がスペーサー装置である場合、製造方法は、2個のグレージング壁をスペーサー装置に取り付ける工程を含む。より好ましくは、スペーサー装置が少なくとも1個の穿孔されたプロファイル1を有する場合、2個のグレージング壁は、周期的に配置されている穿孔6を有するスペーサー装置の1個以上のプロファイル1の、上側壁3が、グレージングユニットのグレージング壁間に形成されている空洞に向くように、スペーサー装置に取り付けられる。
【実施例】
【0149】
以下の実施例は、本発明を非限定的な様式で説明するものである。
【0150】
実施例1-音響吸収率の測定
【0151】
異なる金属装置の音響吸収率を、直径100mmのインピーダンス管(クント管)を用いて測定した。
【0152】
5.65mmの厚さ(上側壁と下側壁との間)であるチャンバー、及び0.35mm超の厚さである壁を有する、5個のアルミニウムプロファイルをそれぞれ有する、3個の装置を、製造した。各装置において、5個のプロファイルは、それらの側面によって互いに取り付けられ、5個のプロファイルは、同じ方向に配置されていた(プロファイルの上側壁は、全て同じ主平面内にある)。
【0153】
3個の装置のうち2個では、穿孔が、各プロファイルの上側壁内に、周期的に(プロファイルの幅の中央を通る、プロファイルの長手方向軸に沿って)あけられ、第3装置は、穿孔無しのままであった。穿孔を除いて、3個の装置は同一である。
【0154】
3個の装置の穿孔は、以下の特徴を有する:
- 装置no.1:直径0.8mmの穿孔であり、隣接する2個の穿孔の中心間の距離は、15mmである;
- 装置no.2:直径1mmの穿孔であり、隣接する2個の穿孔の中心間の距離は、30mmである;
- 装置no.3:穿孔無しである。
【0155】
周波数の関数として、試験された3個の装置それぞれの音響吸収率を、規格ISO 10534-2に従って測定した。
【0156】
【0157】
装置no.1及びno.2は、ある周波数を超えるとより高い音響吸収係数を有する。音エネルギーのより良い吸収は、グレージングユニットでは、より良い音響遮断によって反映される。
【0158】
装置no.1に関する吸収率ピークは、約1200Hzであり、装置no.2に関する吸収率ピークは、約1000Hzであることが観察される。より低い周波数においてプロファイルの吸収率ピークを得るために、チャンバーの厚さを増加させてよい。
【0159】
実施例2-グレージングユニットの音響遮断の測定
【0160】
本発明による第1グレージングユニット(グレージングユニットno.1)を製造した。このグレージングユニットは、非積層非強化モノリシックガラスの2個の長方形グレージング壁を有し、それぞれ以下の寸法を有する:長さ1480mm、幅1230mm、かつ厚さ4mm。2個のグレージング壁は、グレージング壁の周縁ゾーン内でスペーサー装置に固定され、それによって、それらの間に厚さ16mmの空洞を形成している。グレージングユニットの空洞は、空気を含む。スペーサー装置は、フレームを形成している4個のプロファイルからなる。各プロファイルは、長方形断面の管からなり、これは、上側壁、上側壁に対向する下側壁、及び上側壁を下側壁に接続している2個の側壁を有し、この上に、グレージング壁が取り付けられている。各プロファイルは、厚さ15mm(その上側壁とその下側壁との間)かつ幅16mmのチャンバーを有する。プロファイルのうち2個は、1440mmの長さを有し、他の2個のプロファイルは、1165mmの長さを有する。プロファイルは、グラスファイバーを含む複合材料でできており、厚さ1.2mmの壁を有する。各プロファイルの上側壁は、プロファイルの幅の中央を通り、プロファイルの長手方向軸に沿って周期的に整列され、かつ分布している穿孔を有する。穿孔は、4mmの直径を有し、隣接する2個の穿孔の中心間の距離は、80mmである。
【0161】
本発明による第2グレージングユニット(グレージングユニットno.2)を製造した。このグレージングユニットは、隣接する2個の穿孔の中心間の距離が110mmであること、及びプロファイルのチャンバーが、グラスウールラミラであって、IsoverによってDomisol LVという商品名で販売されており、それが位置するプロファイルと同じ長さ(すなわち、プロファイルに応じて1440mm又は1165mm)であり、幅15mmかつ厚さ15mmである、グラスウールラミラを有することを除いて、グレージングユニットno.1と同じである。
【0162】
比較例として、4(16)4タイプの二重グレージングユニット(グレージングユニットno.3)も製造された。この二重グレージングユニットは、プロファイルが穿孔を有しないという点でのみ、グレージングユニットno.1と異なっている。
【0163】
3個のグレージングユニットの音響遮断指数(R)のスペクトルを、ISO 10140規格によって定められる測定プロトコルに従って、周波数の関数として測定した。
【0164】
【0165】
音響指数は、ISO 717-1規格に従って決定される。スペーサー装置のプロファイル内に周期的な穿孔が存在することで、グレージングユニットの音響性能、特にはグレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数付近の周波数だけでなく、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数より大きい周波数に関して、とりわけ200Hz~2000Hzの周波数に関して、音響性能の改善が可能であることがわかりうる。このように、音響指数Rw、RA、及びRA,trの増加が、グレージングユニットno.1及びno.2に関して、比較例のグレージングユニットno.3と比較して、観察された。さらに、スペーサー装置のプロファイル内にミネラルウールが存在することで、グレージングユニットの音響遮断のさらなる向上が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0165
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0165】
音響指数は、ISO 717-1規格に従って決定される。スペーサー装置のプロファイル内に周期的な穿孔が存在することで、グレージングユニットの音響性能、特にはグレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数付近の周波数だけでなく、グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数より大きい周波数に関して、とりわけ200Hz~2000Hzの周波数に関して、音響性能の改善が可能であることがわかりうる。このように、音響指数Rw、RA、及びRA,trの増加が、グレージングユニットno.1及びno.2に関して、比較例のグレージングユニットno.3と比較して、観察された。さらに、スペーサー装置のプロファイル内にミネラルウールが存在することで、グレージングユニットの音響遮断のさらなる向上が可能である。
本開示は、下記の態様を含む。
<態様1>
少なくとも2個のグレージング壁であってそれらの間に空洞を形成している少なくとも2個のグレージング壁(7、17、27)を有するグレージングユニット(10、20、30)であって、前記空洞が、少なくとも1個のプレート(3、11、23)を有する少なくとも1個の装置を有し、前記プレート(3、11、23)が、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されているチャンバー(2、12)を区画しており、吸収性材料が、前記チャンバー(2、12)の内部に存在する、グレージングユニット(10、20、30)。
<態様2>
前記装置の前記プレート(3、11、23)が、少なくとも3個の穿孔(6、16、26)、好ましくは少なくとも4個の穿孔(6、16、26)を有する、態様1に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
<態様3>
前記穿孔(6、16、26)が、0.2mm~8mm、好ましくは0.5mm~8mmの直径又は最大寸法を有する、態様1又は態様2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
<態様4>
前記穿孔(6、16、26)の中心が、5mm~200mm、好ましくは10mm~110mmの距離で離隔されている、態様1~3のいずれかに記載のグレージングユニット(10、20、30)。
<態様5>
前記プレート(3、11、23)が、0.1mm~15mm、好ましくは0.2mm~1mmの厚さを有する、態様1~4のいずれかに記載のグレージングユニット(10、20、30)。
<態様6>
前記プレート(3、11、23)及び前記チャンバー(2、12)が、低周波数で共振するように構成されている、態様1~5のいずれかに記載のグレージングユニット(10、20、30)。
<態様7>
少なくとも2個のプレート(3、11、23)、好ましくは少なくとも3個のプレート(3、11、23)を有し、それぞれの前記プレート(3、11、23)が、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されているチャンバー(2、12)を区画しており、好ましくは少なくとも2個の前記プレート(3、11、23)、より好ましくは少なくとも3個のプレート(3、11、23)の前記穿孔(6、16、26)の周期性が、互いに異なっている、態様1~6のいずれかに記載のグレージングユニット(10、20、30)。
<態様8>
周期的に配置されている複数の穿孔(6,16,26)を有する、前記装置の少なくとも1個のプレート(3,11,23)、及び前記プレート(3,11,23)が区画する前記チャンバー(2,12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように構成されている、態様1~7のいずれかに記載のグレージングユニット(10,20,30)。
<態様9>
前記装置が、さらに以下を有する、態様8に記載のグレージングユニット(10、20、30):
- 周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されている第2チャンバー(2、12)を区画している、少なくとも1個の第2プレート(3、11、23)であって、前記第2プレート(3、11、23)及び前記第2チャンバー(2、12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも3分の1オクターブ低い周波数で共振するように構成されている、第2プレート(3、11、23);並びに、
- 周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されている第3チャンバー(2、12)を区画している、少なくとも1個の第3プレート(3、11、23)であって、前記第3プレート(3、11、23)及び前記第3チャンバー(2、12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも3分の1オクターブ高い周波数で共振するように構成されている、第3プレート(3、11、23)。
<態様10>
前記装置が、前記2個のグレージング壁(7)のそれぞれに取り付けられているスペーサー装置であり、少なくとも1個の直線状管状プロファイル(1)を有し、前記プロファイル(1)が、前記チャンバー(2)を画定している、少なくとも上側壁(3)、下側壁(4)、及び2個の側壁(5)を有し、ここで、前記上側壁(3)が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する前記プレートを構成し、前記チャンバー(2)が、好ましくは、前記プロファイル(1)の前記上側壁(3)と前記下側壁(4)との間に、2mm~200mm、好ましくは5mm~50mmの厚さを有する、態様1~9のいずれかに記載のグレージングユニット(10)。
<態様11>
前記装置が、前記2個のグレージング壁(17)のそれぞれに取り付けられているスペーサー装置であり、少なくとも1個の直線状バー(11)を有し、前記バー(11)が、周期的に配置されている複数の穿孔(16)を有する前記プレートを構成し、前記バー(11)が、前記2個のグレージング壁(17)とともに前記チャンバー(12)を画定しており、前記チャンバー(12)が、前記2個のグレージング壁(17)の間に、前記バー(11)から前記グレージングユニット(20)の縁部まで延在しており、前記チャンバーが、好ましくは、前記バーと前記グレージングユニットの前記縁部との間に、2mm~200mm、好ましくは、5mm~50mmの厚さを有する、態様1~9のいずれかに記載のグレージングユニット(20)。
<態様12>
前記装置が、直線状ケーシング(21)を有し、前記ケーシング(21)が、前記チャンバーを画定している少なくとも上側壁(23)、下側壁(24)、2個の長手方向側壁(25)、及び2個の短手方向側壁(28)を有し、前記上側壁(23)、又は前記長手方向側壁(25)のうちの1個が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する前記プレートを構成し、前記ケーシング(21)の幅が、前記2個のグレージング壁(27)の間の、同一方向における、前記空洞の厚さよりも小さく、好ましくは、前記ケーシング(21)の長さが、同一方向における、前記空洞の長さよりも小さく、前記ケーシング(21)の前記チャンバーが、好ましくは、周期的に配置されている前記穿孔(26)を有する前記ケーシング(21)の壁と、この壁に対向する壁との間に、2mm~200mm、好ましくは、5mm~50mmの厚さを有する、態様1~9のいずれかに記載のグレージングユニット(30)
<態様13>
多孔性吸収性材料が、前記チャンバー(2、12)の内部に存在し、好ましくは、ミネラルウール、繊維質織物、ポリマー発泡体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様1~12のいずれかに記載のグレージングユニット(10、20、30)
<態様14>
前記装置が、前記グレージングユニット(10、20、30)の前記空洞の周縁ゾーン内に配置されている、態様1~13のいずれかに記載のグレージングユニット(10、20、30)
<態様15>
建築物のグレージングユニット、例えば建物のファサード、窓、若しくはドアの、グレージングユニット、又は内部のグレージングユニットである、態様1~14のいずれかに記載のグレージングユニット(10、20、30)
<態様16>
グレージングユニット用スペーサー装置であって、チャンバー(2)を画定している、少なくとも上側壁(3)、下側壁(4)、及び2個の側壁(5)を有する、少なくとも1個の直線状管状プロファイル(1)を有し、前記上側壁(3)は、周期的に配置されている複数の穿孔(6)を有する、グレージングユニット用スペーサー装置。
<態様17>
グレージングユニット用スペーサー装置であって、周期的に配置されている複数の穿孔(16)を有する、少なくとも1個の直線状バー(11)を有する、グレージングユニット用スペーサー装置。
<態様18>
グレージングユニット用装置であって、チャンバーを画定している、少なくとも上側壁(23)、下側壁(24)、2個の長手方向側壁(25)、及び2個の短手方向側壁(28)を有する、少なくとも1個の直線状ケーシング(21)を有し、前記上側壁(23)、又は前記長手方向側壁(25)のうちの1個が、周期的に配置されている複数の穿孔(26)を有する、グレージングユニット用装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個のグレージング壁であってそれらの間に空洞を形成している少なくとも2個のグレージング壁(7、17、27)を有するグレージングユニット(10、20、30)であって、前記空洞が、少なくとも1個のプレート(3、11、23)を有する少なくとも1個の装置を有し、前記プレート(3、11、23)が、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されているチャンバー(2、12)を区画しており、吸収性材料が、前記チャンバー(2、12)の内部に存在する、グレージングユニット(10、20、30)。
【請求項2】
前記装置の前記プレート(3、11、23)が、少なくとも3個の穿孔(6、16、26
)を有する、請求項1に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項3】
前記穿孔(6、16、26)が、0.2mm~8m
mの直径又は最大寸法を有する、請求項1又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項4】
前記穿孔(6、16、26)の中心が、5mm~200m
mの距離で離隔されている、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項5】
前記プレート(3、11、23)が、0.1mm~15m
mの厚さを有する、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項6】
前記プレート(3、11、23)及び前記チャンバー(2、12)が、低周波数で共振するように構成されている、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項7】
少なくとも2個のプレート(3、11、23
)を有し、それぞれの前記プレート(3、11、23)が、周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されているチャンバー(2、12)を区画し
ている、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項8】
少なくとも2個の前記プレート(3、11、23)の前記穿孔(6、16、26)の周期性が、互いに異なっている、請求項7に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項9】
周期的に配置されている複数の穿孔(6,16,26)を有する、前記装置の少なくとも1個のプレート(3,11,23)、及び前記プレート(3,11,23)が区画する前記チャンバー(2,12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量の周波数で共振するように構成されている、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10,20,30)。
【請求項10】
前記装置が、さらに以下を有する、請求項
9に記載のグレージングユニット(10、20、30):
- 周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されている第2チャンバー(2、12)を区画している、少なくとも1個の第2プレート(3、11、23)であって、前記第2プレート(3、11、23)及び前記第2チャンバー(2、12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも3分の1オクターブ低い周波数で共振するように構成されている、第2プレート(3、11、23);並びに、
- 周期的に配置されている複数の穿孔(6、16、26)を有し、かつ前記空洞内に配置されている第3チャンバー(2、12)を区画している、少なくとも1個の第3プレート(3、11、23)であって、前記第3プレート(3、11、23)及び前記第3チャンバー(2、12)が、前記グレージングユニットの質量/バネ/質量周波数よりも3分の1オクターブ高い周波数で共振するように構成されている、第3プレート(3、11、23)。
【請求項11】
前記装置が、前記2個のグレージング壁(7)のそれぞれに取り付けられているスペーサー装置であり、少なくとも1個の直線状管状プロファイル(1)を有し、前記プロファイル(1)が、前記チャンバー(2)を画定している、少なくとも上側壁(3)、下側壁(4)、及び2個の側壁(5)を有し、ここで、前記上側壁(3)が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する前記プレートを構成し
ている、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10)。
【請求項12】
前記チャンバー(2)が、前記プロファイル(1)の前記上側壁(3)と前記下側壁(4)との間に、2mm~200mmの厚さを有する、請求項11に記載のグレージングユニット(10)。
【請求項13】
前記装置が、前記2個のグレージング壁(17)のそれぞれに取り付けられているスペーサー装置であり、少なくとも1個の直線状バー(11)を有し、前記バー(11)が、周期的に配置されている複数の穿孔(16)を有する前記プレートを構成し、前記バー(11)が、前記2個のグレージング壁(17)とともに前記チャンバー(12)を画定しており、前記チャンバー(12)が、前記2個のグレージング壁(17)の間に、前記バー(11)から前記グレージングユニット(20)の縁部まで延在し
ている、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(20)。
【請求項14】
前記チャンバーが、前記バーと前記グレージングユニットの前記縁部との間に、2mm~200mmの厚さを有する、請求項13に記載のグレージングユニット(20)。
【請求項15】
前記装置が、直線状ケーシング(21)を有し、前記ケーシング(21)が、前記チャンバーを画定している少なくとも上側壁(23)、下側壁(24)、2個の長手方向側壁(25)、及び2個の短手方向側壁(28)を有し、前記上側壁(23)、又は前記長手方向側壁(25)のうちの1個が、周期的に配置されている複数の穿孔を有する前記プレートを構成し、前記ケーシング(21)の幅が、前記2個のグレージング壁(27)の間の、同一方向における、前記空洞の厚さよりも小さ
い、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(30)。
【請求項16】
前記ケーシング(21)の長さが、同一方向における、前記空洞の長さよりも小さい、請求項15に記載のグレージングユニット(30)。
【請求項17】
前記ケーシング(21)の前記チャンバーが、周期的に配置されている前記穿孔(26)を有する前記ケーシング(21)の壁と、この壁に対向する壁との間に、2mm~200mmの厚さを有する、請求項15に記載のグレージングユニット(30)。
【請求項18】
多孔性吸収性材料が、前記チャンバー(2、12)の内部に存在
する、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項19】
前記装置が、前記グレージングユニット(10、20、30)の前記空洞の周縁ゾーン内に配置されている、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項20】
建築物のグレージングユニット、例えば建物のファサード、窓、若しくはドアの、グレージングユニット、又は内部のグレージングユニットである、請求項1
又は請求項2に記載のグレージングユニット(10、20、30)。
【請求項21】
グレージングユニット用スペーサー装置であって、チャンバー(2)を画定している、少なくとも上側壁(3)、下側壁(4)、及び2個の側壁(5)を有する、少なくとも1個の直線状管状プロファイル(1)を有し、前記上側壁(3)は、周期的に配置されている複数の穿孔(6)を有する、グレージングユニット用スペーサー装置。
【請求項22】
グレージングユニット用スペーサー装置であって、周期的に配置されている複数の穿孔(16)を有する、少なくとも1個の直線状バー(11)を有する、グレージングユニット用スペーサー装置。
【請求項23】
グレージングユニット用装置であって、チャンバーを画定している、少なくとも上側壁(23)、下側壁(24)、2個の長手方向側壁(25)、及び2個の短手方向側壁(28)を有する、少なくとも1個の直線状ケーシング(21)を有し、前記上側壁(23)、又は前記長手方向側壁(25)のうちの1個が、周期的に配置されている複数の穿孔(26)を有する、グレージングユニット用装置。
【国際調査報告】