(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】逆回復電荷低減回路
(51)【国際特許分類】
H03K 17/16 20060101AFI20240423BHJP
H02M 1/08 20060101ALI20240423BHJP
H03K 17/695 20060101ALN20240423BHJP
【FI】
H03K17/16 H
H02M1/08 A
H03K17/695
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568207
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2022027377
(87)【国際公開番号】W WO2022235608
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523414504
【氏名又は名称】テッガツ ロス
【氏名又は名称原語表記】TEGGATZ ROSS
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】テッガツ ロス
【テーマコード(参考)】
5H740
5J055
【Fターム(参考)】
5H740BA12
5H740BB10
5H740BC01
5H740BC02
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5J055AX25
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5J055FX38
5J055GX01
5J055GX04
(57)【要約】
デバイス内の電流及び電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法が、デバイスを提供するステップであって、デバイスがゲートを有するトランジスタを備える、提供するステップと、ゲートを制御するステップであって、正の電流が流れるときゲートが非ゼロ値までオフにされ、負の電流が流れるときゲートがオンにされる、提供するステップとを含み、負の電流を低減し、デバイス内の電流及び電圧の過渡現象を低減又は解消する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法であって、
前記デバイスを提供するステップであって、前記デバイスがゲートを備えたトランジスタを備える、前記提供するステップと、
前記ゲートを制御するステップであって、正の電流が流れるとき前記ゲートが非ゼロ値までオフにされ、負の電流が流れるとき前記ゲートがオンにされる、前記制御するステップと
を含み、
これによって、前記デバイス内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消する、前記方法。
【請求項2】
前記ゲートの制御を最適化するように、前記トランジスタの閾値電圧、前記デバイスの逆閾値電圧、又はその両方を選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスが窒化ガリウム又は砒化ガリウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、前記デバイスの逆方向ターンオン電圧が前記ボディダイオードの順閾値電圧未満であり、
選択されたバックゲートバイアス電圧を前記バックゲートに印加して逆閾値電圧を下げるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トランジスタが、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
スイッチ内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法であって、
前記スイッチを提供するステップであって、前記スイッチがゲートを備えたトランジスタを備える、前記提供するステップと、
前記スイッチを制御するステップであって、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加されて前記スイッチをオフにし、前記トランジスタに前記順電流が流れるのを防止し、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消する、前記制御するステップと
を含む、前記方法。
【請求項7】
前記スイッチの制御を最適化するように、前記閾値電圧、前記逆閾値電圧、又はその両方を選択するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記トランジスタが窒化ガリウム又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、前記逆ターンオン電圧が前記ボディダイオードの順閾値電圧未満であり、
選択されたバックゲートバイアス電圧を前記バックゲートに印加して前記逆閾値電圧を下げるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記トランジスタが、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
スイッチ内に蓄積された逆回復電荷から電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法であって、
前記スイッチを提供するステップであって、前記スイッチがゲートを備えたトランジスタを有し、前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでいる、前記提供するステップと、
前記スイッチを制御するステップであって、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加され、前記トランジスタに前記順電流が流れないようにし、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、蓄積された逆回復電荷から電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消する、前記制御するステップと
を含む、前記方法。
【請求項12】
前記スイッチの制御を最適化するように、前記閾値電圧、前記逆閾値電圧、又はその両方を選択するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記トランジスタが、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
スイッチであって、
ゲートを有するトランジスタを備え、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加されると、前記トランジスタに前記順電流が流れず、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆方向ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消し、電流及び電圧過渡現象が低減又は解消される、前記スイッチ。
【請求項15】
前記スイッチの制御を最適化するように、前記閾値電圧、前記逆閾値電圧、又はその両方を選択することをさらに含む、請求項14に記載のスイッチ。
【請求項16】
前記トランジスタが窒化ガリウム又は砒化ガリウムを含む、請求項14に記載のスイッチ。
【請求項17】
前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、選択されたバックゲートバイアス電圧が前記バックゲートに印加されると、前記逆閾値電圧が低下し、前記ボディダイオードに前記逆電流が流れなくなり、逆回復電荷が前記ボディダイオードに蓄積されず、前記逆ターンオン電圧が前記ボディダイオードの順閾値電圧未満である、請求項14に記載のスイッチ。
【請求項18】
前記トランジスタが、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている、請求項17に記載のスイッチ。
【請求項19】
スイッチであって、
ゲートを有するトランジスタを備え、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加されると、前記トランジスタに前記順電流が流れず、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆方向ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消し、電流及び電圧の過渡現象が低減又は解消される、前記スイッチ
を備える、電力コンバータ。
【請求項20】
スイッチであって、
ゲートを有するトランジスタを備え、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加されると、前記トランジスタに前記順電流が流れず、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆方向ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消し、電流及び電圧の過渡現象が低減又は解消される、前記スイッチ
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年5月3日に出願された米国仮出願第63/183,286号に対する優先権を主張するものであり、これのそれぞれの内容を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
適用なし。
【0003】
本発明は、一般に電力スイッチング用途に関する。詳細には、本発明は、電力スイッチング用途における電流及び電圧過渡現象並びに電流及び電圧過渡現象の悪影響を低減又は解消することに関する。
【背景技術】
【0004】
逆回復電荷は、あらゆる電力スイッチング用途、例えば、モータ制御、ソレノイド制御、又は電力管理における課題である。逆回復電荷は、電力スイッチング用途におけるスイッチのボディダイオードが順バイアスされているとき、ボディダイオードの接合部に蓄積される。この電荷は、順バイアス電流が増加するにつれて増加する。理想的には、順バイアスされたダイオードが突然逆バイアスになると、逆バイアスには電流が流れなくなる。しかしながら、逆回復電荷が蓄積され、順バイアスされたダイオードが突然逆バイアスになると、逆電流が流れ、これは、順バイアスで動作しているときに蓄積された電荷の関数となる。この逆回復電荷によって引き起こされる電流及び電圧過渡現象は、電力スイッチング用途において多くの問題を引き起こす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、本発明は、デバイス内の電流又は電圧過渡現象を低減又は解消するための方法を含み、これは、デバイスを提供するステップであって、デバイスがゲートを備えたトランジスタを備える、提供するステップと、ゲートを制御するステップであって、正の電流が流れるときゲートが非ゼロ値までオフにされ、負の電流が流れるときゲートがオンにされる、制御するステップとを含み、これによって、デバイス内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消する。一態様において、方法は、ゲートの制御を最適化するように、トランジスタの閾値電圧、デバイスの逆閾値電圧、又はその両方を選択するステップをさらに含む。別の一態様において、デバイスは窒化ガリウム又は砒化ガリウムを含む。別の一態様において、トランジスタはボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、デバイスの逆方向ターンオン電圧がボディダイオードの順閾値電圧未満であり、選択されたバックゲートバイアス電圧をバックゲートに印加して逆閾値電圧を下げるステップをさらに含む。別の一態様において、トランジスタは、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている。
【0006】
別の一実施形態において、本発明は、スイッチ内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法を含み、これは、スイッチを提供するステップであって、スイッチがゲートを備えたトランジスタを備える、提供するステップと、スイッチを制御するステップであって、順電流が流れるとき、(1)スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きくトランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)ゲートにターンオフ電圧が印加されてスイッチをオフにし、トランジスタに順電流が流れるのを防止し、逆電流が流れるとき、(1)トランジスタの逆ターンオン電圧がトランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)ゲートにターンオン電圧が印加されてスイッチをオンにし、トランジスタに負の電流を流し、これによって電流又は電圧過渡現象を低減又は解消する、制御するステップと、を含む。一態様において、方法は、スイッチの制御を最適化するように、閾値電圧、逆閾値電圧、又はその両方を選択するステップをさらに含む。別の一態様において、トランジスタは窒化ガリウム又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている。別の一態様において、トランジスタはボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、逆ターンオン電圧はボディダイオードの順閾値電圧未満であり、選択されたバックゲートバイアス電圧をバックゲートに印加して逆閾値電圧を下げるステップをさらに含む。別の一態様において、トランジスタは、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムを含む。
【0007】
別の一実施形態において、本発明は、スイッチ内に電流又は電圧過渡現象を低減又は解消するための方法を含み、これは、スイッチを提供するステップであって、スイッチがゲートを備えたトランジスタを有する、提供するステップと、スイッチを制御するステップであって、順電流が流れるとき、(1)スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きくトランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)ゲートにターンオフ電圧が印加されてスイッチをオフにし、トランジスタに順電流が流れるのを防止し、逆電流が流れるとき、(1)トランジスタの逆ターンオン電圧がトランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)ゲートにターンオン電圧が印加されてスイッチをオンにし、トランジスタに負の電流を流し、これによって電流又は電圧過渡現象を低減又は解消する、制御するステップと、を含む。一態様において、この方法は、スイッチの制御を最適化するように、閾値電圧、逆閾値電圧、又はその両方を選択するステップをさらに含む。別の一態様において、トランジスタは窒化ガリウム又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている。別の一態様において、トランジスタはボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、逆ターンオン電圧はボディダイオードの順閾値電圧未満であり、選択されたバックゲートバイアス電圧をバックゲートに印加して逆閾値電圧を下げるステップをさらに含む。別の一態様において、トランジスタは、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムを含む。
【0008】
別の一実施形態において、本発明は、スイッチを備え、スイッチはゲートを有するトランジスタを有し、順電流が流れるとき、(1)スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きくトランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)ゲートにターンオフ電圧が印加されると、トランジスタに順電流が流れず、逆電流が流れるとき、(1)トランジスタの逆方向ターンオン電圧がトランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)ゲートにターンオン電圧が印加されてスイッチをオンにし、トランジスタに負の電流を流し、これによって電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消し、電流及び電圧の過渡現象が低減又は解消される。一態様において、スイッチは、スイッチの制御を最適化するように、閾値電圧、逆閾値電圧、又は両方を選択することをさらに含む。別の一態様において、トランジスタは窒化ガリウム又は砒化ガリウムを含む。別の一態様において、トランジスタはボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、選択されたバックゲートバイアス電圧がバックゲートに印加されると、逆閾値電圧は低下し、ボディダイオードに逆電流が流れなくなり、逆回復電荷がボディダイオードに蓄積されず、逆ターンオン電圧はボディダイオードの順閾値電圧より小さい。別の一態様において、トランジスタは、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている。
【0009】
別の一実施形態において、本発明は、電力コンバータを備え、電力コンバータはゲートを含むトランジスタを有するスイッチを備え、順電流が存在するとき、(1)スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きくトランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)ゲートにターンオフ電圧が印加されると、トランジスタに順電流が流れず、逆電流が存在するとき、(1)トランジスタの逆ターンオン電圧がトランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)ゲートにターンオン電圧が印加されてスイッチをオンにし、トランジスタに負の電流を流し、これによって電流又は電圧過渡現象を低減又は解消し、電流及び電圧過渡現象が低減又は解消される。
【0010】
別の一実施形態において、本発明は、キットを備え、キットはゲートを含むトランジスタを有するスイッチを備え、順電流が流れるとき、(1)スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きくトランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)ゲートにターンオフ電圧が印加されると、トランジスタに順電流が流れず、逆電流が流れるとき、(1)トランジスタの逆ターンオン電圧がトランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)ゲートにターンオン電圧が印加されてスイッチをオンにし、トランジスタに負の電流を流し、これによって電流又は電圧過渡現象を低減又は解消し、電流及び電圧過渡現象が低減又は解消される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の特徴及び利点のより完全な理解のため、ここで本発明の詳細な説明を添付の図とともに参照する。
【
図1A】ダイオード並びにダイオードにおける電圧及び電流の経時的挙動を示す図である。
【
図1B】異なる遷移時間での
図1Bのダイオードにおける電流の経時的挙動を示す図である。
【
図2A】先行技術の電力スイッチング回路を示す図である。
【
図2B】
図2Aに示す先行技術の電力スイッチング用途における電圧及び電流の経時的挙動を示す図である。
【
図3A】寄生インダクタンスを備えた
図2Aの先行技術の電力スイッチング回路を示す図である。
【
図3B】
図3Aに示すような先行技術の電力スイッチング用途における電圧及び電流の経時的挙動を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態、電力スイッチング用途のロースイッチを示す図である。
【
図5】逆バイアスモードにおける
図4のロースイッチを示す図である。
【
図6】
図5のロースイッチの抵抗駆動を示す図である。
【
図7A】本発明の一実施形態、ドライバ段を備えた電力スイッチング回路及び時間遅延回路を備えた並列クランピングデバイスを示す図である。
【
図7B】
図7Aの電力スイッチング回路における電圧の経時的挙動を示す図である。
【
図8A】本発明の一実施形態、ドライバ段を備えた電力スイッチング用途、並列クランピング回路、及びフィードバックモニタリングを示す図である。
【
図8B】
図8Aの電力スイッチング回路における電圧の経時的挙動を示す図である。
【
図9A】本発明の一実施形態、ワイドバンドギャップロースイッチを示す図である。
【
図9B】
図9Aのスイッチにおける及び先行技術のスイッチにおける電圧の経時的挙動の比較を示す図である。
【
図10】4端子スイッチ及びボディダイオードを備えた3端子スイッチの等価性を示す図である。
【
図11A】本発明の一実施形態、4端子スイッチを示す図である。
【
図11B】
図11Aの4端子スイッチにおける電圧の経時的挙動の1つの類型を示す図である。
【
図11C】
図11Aの4端子スイッチにおける電圧の経時的挙動の別の1つの類型を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願のシステムの例示的な実施形態を以下に説明する。明確にするために、実際の実装のすべての特徴が本明細書で説明されるわけではない。いかなるこのような実際の実施形態の開発においても、実装ごとに異なる、システム関連及びビジネス関連の制約との準拠のような、開発者の固有の目標を達成するため、多数の実装固有の決定を行わなければならないことがもちろん理解されるであろう。また、このような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それでも本開示の恩恵を受ける当業者にとっては日常的な作業であろうことが理解されるであろう。
【0013】
本明細書において、デバイスが添付の図面に描かれているとき、様々な構成要素間の空間的関係及び構成要素の様々な側面の空間的配向に言及することがある。しかしながら、本願を完全に読んだ後の当業者によって理解されるように、本明細書に記載のデバイス、部材、装置などは、任意の所望の配向に配置することができる。したがって、本明細書に記載のデバイスは任意の所望の方向に配向することができるため、様々な構成要素間の空間的関係を説明する、又はこのような構成要素の側面の空間的配向を説明する「上方」、「下方」、「上部」、「下部」などの用語の使用は、それぞれ、構成要素間の相対的関係又はこのような構成要素の側面の空間的配向を説明するように理解されるべきである。
【0014】
逆回復時間は、モータ制御、ソレノイド制御、又は電力管理にかかわらず、あらゆる電力スイッチング用途における課題である。逆回復電荷は、ダイオードが順バイアスされているとき、その接合部に蓄積される(
図1A)。電荷レベルは、順バイアス電流が増加するにつれて増加する。理想的には、順バイアスされたダイオードが突然逆バイアスになると、逆バイアスには電流が流れなくなる。しかしながら、逆回復電荷が蓄積され、順バイアスされたダイオードが突然逆バイアスになると、逆電流が流れ、これは、順バイアスで動作しているときに蓄積された電荷の関数となる。順バイアスから逆バイアスへの遷移時間が減少すれば、逆回復からの電流ピークは増加することになる(
図1B)。
【0015】
図1Aは、閾値電圧がV
dのダイオード100及び(ダイオード100の上方の矢印によって示されるように)これを流れる順電流を示す。電圧105は、電圧105が順バイアス電圧V
fから逆バイアス電圧V
reverseへ切り替えられるときのダイオード100にわたる電圧の経時的挙動である。理想電流I
d110は、電圧105が順バイアス電圧V
fから逆バイアス電圧V
reverseへ切り替えられるとき、理想ダイオードとしてのダイオード100を流れる電流の経時的挙動であり、電圧105がV
fである間、理想電流I
d110が流れ、電圧105がV
reverseである間、理想電流I
d100が流れない。実際の電流I
d115は、電圧105が順バイアス電圧V
fから逆バイアス電圧V
reverseへ切り替えられるときの現実的な実際のダイオード100を流れる電流の経時的挙動であり、実際の電流I
d115は、電圧105がV
fにある間は流れ、実際の電流I
d115は、電圧105が順バイアス電圧V
fにある間は流れ、V
fからV
reverseへの切り替え後の短期間、減少する振動過渡電流I
d115として流れる間、逆回復電荷Q
rrがダイオード100の接合部に蓄積されるため、ダイオード105が逆バイアス電圧V
reverseに切り替えられると、振動してゼロ電流に減少する。
図1Bに示すように、過渡的な実際の電流I
dのピークは、V
fからV
reverseへの遷移時間が減少するにつれて増加し、点線として示す実際の電流I
d120は、比較的短い遷移時間で比較的高いピークを有し、実線として示す実際の電流I
d125は、比較的長い遷移時間で比較的低いピークを有する。
【0016】
図2Aは、ハイスイッチM1 210及びロースイッチM2 225を含むトーテムポールスイッチ構成を備えた、バックスイッチングレギュレータ用途における、先行技術の電力スイッチング回路200を示す。ハイスイッチM1 220及びロースイッチM2 225は、それぞれボディダイオードを備えた例示的な金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)として示され、この寄生ダイオードは、
図2Aに示すように、ハイスイッチM1 220及びロースイッチM2 225のMOSFETに固有である。より具体的には、電力スイッチング回路200は、入力電源電圧V
p205のための入力、ハイスイッチM1 210、ハイゲート電圧V
gH215のための入力、順電流I
1220、ロースイッチM2 225、ローゲート電圧V
gL235のための電圧源V
dd230、逆電流I
2240、負荷インダクタL
1245、負荷コンデンサC
1250、及び出力電圧V
0255のための出力を含む。
【0017】
代表的な先行技術の電力スイッチング回路200において、効率を向上させるため、電流I
2が負荷インダクタL
1245及び負荷コンデンサC
1250をフリーホイールしているとき、ロースイッチM
2225はオン状態である。出力電圧V
0255が減少すると、ハイスイッチM1 210をオン状態へ切り替えることによって、入力電源電圧V
p205を入力することによって入力電源からより多くのエネルギーを提供しなければならない。ハイスイッチM1 210からロースイッチM2 225への貫通電流を防止するため、ハイスイッチM1 210がオン状態へ切り替えられる前に、ロースイッチM2 225をオフ状態へ切り替えなければならない。ハイスイッチM1 210とロースイッチM2 225の両方がオフ状態にある期間はデッドタイムである。ロースイッチM2 225をオフ状態へ切り替えるため、電圧源V
dd230を0ボルトに遷移させる。ロースイッチM2 225がオフ状態へ切り替えられるときに始まるデッドタイム中、ロースイッチM2 225のボディダイオードの順バイアス接合部に逆回復電荷Q
rrが蓄積される。ハイスイッチM1 210がオン状態へ切り替えられ、デッドタイムが終了すると、逆回復電荷Q
rr及び順電流I
1220がハイスイッチM1 210を流れる。ロースイッチM2 225のボディダイオードに蓄積された逆回復電荷Q
rrのピーク及びdI
rr/dtを最小化するため、
図1Bにおける実際の電流I
d125について示すように、オフ状態からオン状態への遷移時間を増加させることができるが、スイッチング損失の増加及び電力効率の低減という犠牲が伴う。
【0018】
図2Bは、ローゲート電圧V
gL曲線260として示すローゲート電圧V
gL235、ハイゲート電圧V
gH曲線265として示すハイゲート電圧V
gH215、及び電流曲線275として一緒に示す電流I
1220及び電流I
2240の経時的挙動を示す。電流I
1は、ローゲート電圧が0Vに設定され、デッドタイムが始まると流れる。ハイゲート電圧V
gH215がハイスイッチM1 210をオン状態へ切り替えるように設定されると、デッドタイムが終了し、逆回復電荷Q
rrが電流曲線275の過渡部分270として流れる。
【0019】
図3Aは、ハイスイッチM1 210、ロースイッチM2 225、電流I
1220、電流I
2240、寄生インダクタンスL
p1280、寄生インダクタンスL
p2285、寄生インダクタンスL
p3290、及び寄生インダクタンスL
p2285と寄生インダクタンスL
p3290との間の出力スイッチピン電圧V
sw292を備えた代表的な先行技術の電力スイッチング回路200を示す。(1)寄生インダクタンスL
p1280、L
p2285、及びL
p3290の合計L
psumと(2)ロースイッチM2 225のボディダイオードに蓄積された逆回復電荷Q
rrのdI
rr/dtの積が寄生インダクタンス電圧過渡現象に変換される。ハイスイッチM1 210は、この寄生インダクタンス電圧過渡現象のピークに耐えることが可能でなければならないが、ハイスイッチM1 210のブレークダウン電圧が増加するにつれて、(1)オン状態におけるハイスイッチM1 210のドレインソース間抵抗R
dsONと(2)ハイスイッチM1 210の面積の全体の積は増加し、効率をより低く保つため、ハイスイッチM1 210のサイズを増加させなければならない。これらを考慮すると、ハイスイッチM1 210及びロースイッチM2 225のタイプ及びサイズ、寄生を最小化する基板レイアウトの管理、及び代表的な先行技術の電力スイッチング回路200の出力のスイッチング特性においてトレードオフを行うことが要求される。
【0020】
図3Bは、電流I
2曲線295として示す電流I
2240、及び電圧V
ds曲線299として示すハイスイッチM1 210のドレインソース間電圧V
ds297の経時的挙動を示す。ハイスイッチM1 210がオン状態へ切り替えられると、デッドタイムが終了し、逆回復電荷Q
rrが電流I
2曲線295の過渡部分296として流れ、ハイスイッチM1 210のドレインソース間電圧V
ds297が増加し、寄生インダクタンス電圧過渡ピーク298を含む。
【0021】
この問題に対する解決策は、蓄積され得る逆回復電荷を解消又は低減することである。逆回復電荷の解消又は低減は、デバイスM2のターンオフ電圧レベルをゲート制御することによって達成される。
図4に示すように、デバイスM2のゲートはVbiasレベルでオフになる。VbiasはM2の閾値電圧(Vt)より低い電圧に設定される。したがって、ドレインに正の電圧が印加された場合、電流IxがドレインからソースへM2を通って流れることはない。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態、電力スイッチング用途のロースイッチM2 400を示す。ロースイッチM2 400はボディダイオードを備えたMOSFETを含む。バイアス電圧V
bias405のための電圧源も示されており、ロースイッチゲート電圧V
gL407のための入力に接続されている。電流I
xも示されている。ロースイッチM2 400は、ロースイッチM2 400のターンオフ電圧レベルをゲート制御することによって、逆回復電荷Q
rrに関連する問題に対する解決策を提示する。ロースイッチM2 400の順閾値電圧V
tより低い電圧にバイアス電圧V
bias405を設定することによって、ロースイッチM2 400のゲートがバイアス電圧V
bias405でオフ状態へ切り替えられる。ロースイッチM2 400のドレインに正の電圧が印加されれば、電流I
x410はゼロになり、すなわち、電流I
x410がロースイッチM2 400のドレインからソースへ流れることはない。
【0023】
図5は、バイアス電圧V
bias405のための電圧源、ロースイッチM2 400のためのゲートソース間電圧V
gs410、逆ソース電圧S
rev415、及び逆ドレイン電圧D
rev420、及び電流I
2425を備えた、ロースイッチM2 400を示す。
図5はまた、負荷インダクタL
1430、負荷コンデンサC
1435、及び出力電圧V
0440のための出力に接続された状態を示す。ロースイッチM2 400が構成要素である電力スイッチングデバイスの再循環モードにおいて、電流I
2は図示のように流れることになり、ロースイッチM2 400において、ソース及びドレインは逆になり、それぞれ逆ドレイン及び逆ソースになる。逆ドレイン電圧D
rev420は、0ボルトで接地されて示されている。ロースイッチM2 400の順モード及び逆モードについて、バックゲートバイアシング、すなわち、ボディダイオードに印加されるバイアス電圧は、順モードにおけるソース電圧及び逆モードについての逆ソース電圧S
rev415に関して異なる電圧にあるため、ロースイッチM2 400の逆閾値電圧V
t-reverseは順閾値電圧V
tより小さくなる。逆ドレイン電圧D
rev420が0ボルトで接地されると、逆ソース電圧S
rev415は負の電圧となる。本明細書に記載するように逆回復電荷Q
rrの蓄積を解消するため、逆ドレイン逆ソース間電圧はボディダイオードの順バイアス電圧より大きくすべきでない。ボディダイオードの順バイアス電圧は通常+0.6Vとすることができる。ボディダイオードが順バイアスされないようにするため、ゲートソース間電圧V
gs410から逆閾値電圧V
t-reverseを引いたものが、ロースイッチM2 400を逆バイアスオン状態へ切り替えるのに十分な大きさでなければならない。
図5は、ボディダイオードの順バイアス電圧が通常の+0.6Vであるときの逆ソース電圧S
rev=-0.6Vについて及び接地された逆ドレイン電圧D
rev=0Vについての代表値を示す。したがって、逆ドレイン逆ソース間電圧D
rev-S
rev=0V-(-0.6V)=+0.6Vである。全体のゲート逆ソース間電圧V
bias-S
rev=V
bias-(-0.6V)=V
bias+0.6Vが逆閾値電圧V
t-reverseより大きいとき、ロースイッチM2 400は逆バイアスオン状態へ切り替えられ、逆回復電荷Q
rrの蓄積が解消される。
【0024】
図6は、ゲートソース間電圧V
gs410が逆バイアスオン状態におけるロースイッチM2 400について抵抗駆動R
dson445を生成することを示す。逆回復電荷Q
rrの蓄積を解消するため、(1)抵抗R
dson445と(2)電流I
2425の積はロースイッチM2 400のボディダイオードの順バイアス電圧V
f447より小さくなければならない。しかしながら、ボディダイオードが順バイアスを行っても、電流I
2の一部のみが逆回復電荷Q
rrに寄与することになり、代表的な先行技術の電力スイッチング回路200のロースイッチM2 225のような、ターンオフ電圧レベルがゲート制御されないロースイッチM2についての逆回復電荷Q
rrの蓄積と比較して、ロースイッチM2 400についての逆回復電荷Q
rrを低減する。
【0025】
この技術を設計に実装することができるいくつかの方法がある。
図7A及び7Bは、Vbias電圧を設定するダイオードD3と直列のドライバ段M3及びM4を示す。加えて、並列クランピングデバイスM5を配置して、ドレイン電圧が上昇し始めたときにゲートソース間電圧をゼロに引き下げることができる。これは、ドレインからゲートへのミラー容量(Cm)がドレイン上のこの電圧過渡中にゲート上へ電荷を注入するとき、M2デバイスがオンに戻るのを軽減するのにも役立つ。
【0026】
図7Aは、本発明の一実施形態、ロースイッチM2 400を含む電力スイッチング回路700を示す。電力スイッチング回路700において、ドライバ段705は、ドライバ段入力電圧V
dd710のための入力、ドライバスイッチM4 715、ドライバスイッチM4 720、及びドライバダイオードD3 725、及びドライバスイッチM3 720とドライバダイオードD3 725の接続部でドライバダイオード電圧V
D3730を含む。ドライバ段705は、ロースイッチゲート電圧V
gL407のためのバイアス電圧V
biasを設定するために使用される。
【0027】
図7Aに示す実施形態において、並列クランピングデバイスM5 735が示されている。並列クランピングデバイスM5 735は、ロースイッチM2 400のドレイン電圧が上昇し始めるとき、ゲートソース間電圧V
gL407を0Vに引き下げるために使用される。この作用は、ロースイッチM2 400のドレインからゲートまでのミラー容量C
m740として知られる寄生容量がドレインでの電圧の上昇中にロースイッチM2 400のゲート上へ電荷を注入するとき、ロースイッチM2 400がオン状態へ切り替わるのを防止するのに役立つ。並列クランピングデバイスM5 735は遅延回路745によってドライバ段705から制御することができる。
【0028】
図7Bは、
図7Aに示す実施形態について電圧曲線755としてロースイッチゲート電圧V
gL407及び電圧曲線760としてハイスイッチゲート電圧V
gH450の経時的挙動を示す。ロースイッチゲート電圧V
gL407はドライバ段入力電圧V
dd710として始まり、次いでロースイッチゲート電圧V
gL407はドライバダイオード電圧V
D3730に変化する。遅延回路745によって導入される時間遅延Δtの後、ロースイッチゲート電圧V
gL407は0Vに変化する。時間遅延Δtの間、ハイスイッチゲート電圧V
gH450は、ハイスイッチM1(
図7Aには図示せず)をオン状態へ切り替えるように変化する。並列クランピングデバイスM5 735はドライバ段705とロースイッチM2 400のドレイン電圧のフィードバックモニタリングの組み合わせによって制御することもできる。
【0029】
図8A及び8Bは、M2のドレイン電圧が上昇し始めると即座にフィードバックを提供する昨今の技術を示しており、これによりCmコンデンサからM2が不用意にオフになることが防止される。
図8Aは、論理ゲート810が並列クランピングデバイスM5 735のゲートを制御する一実施形態を示し、論理ゲート810は入力として(1)ドライバスイッチM3及びM4のゲートでの電圧及び(2)デバイス812の出力を使用する。ロースイッチM2 400のドレイン電圧V
sw805が上昇し始めると、並列クランピングデバイスM5はオン状態へ切り替えられ、ミラー容量C
m740がロースイッチM2 400のゲート上へ電荷を注入するとき、ロースイッチM2 400がオン状態へ切り替わるのが防止される。
図8Aはまた、ドライバ段入力電圧V
dd765、ハイスイッチ770、ハイスイッチゲート電圧V
gH775のための入力、及びハイスイッチドレイン電圧V
D780を示す。
【0030】
図8Bは、電圧曲線815としてロースイッチゲート電圧V
gL407、電圧曲線820としてロースイッチM2 400のドレイン電圧V
sw805、及び電圧曲線825としてハイスイッチゲート電圧V
gH775の経時的挙動を示す。ロースイッチゲート電圧V
L407はドライバ段入力電圧V
dd765で始まり、次いでドライバダイオード電圧V
D3730に変化する。ロースイッチM2 400のドレイン電圧V
sw805は0Vと-0.6Vの代表電圧との間の電圧で始まり、ロースイッチゲート電圧V
gL407がドライバダイオード電圧V
D3730に変化すると、-0.6Vの代表電圧に変化する。次いでハイスイッチゲート電圧V
gH775がハイスイッチ770をオン状態へ切り替えるように変化し、ハイスイッチゲート電圧V
gH775が上昇するにつれて、ロースイッチM2 400のドレイン電圧V
sw805が上昇する。ロースイッチM2 400のドレイン電圧V
sw805が0Vに達すると、並列クランピングデバイスM5はオン状態へ切り替えられる。したがって、ミラー容量C
m740がロースイッチM2 400のゲート上へ電荷を注入するとき、ロースイッチM2 400がオン状態へ切り替わるのが防止される。
【0031】
加えて、
図7A及び8Aに示す実施形態について、ロースイッチゲート電圧V
gL407のためのバイアス電圧V
biasが、ロースイッチM2 400からの電流感知増幅器からのフィードバックによって補償される動的に調整される値である他の技術を使用することができる。これにより逆方向における最大ゲート逆ソース間電圧駆動が可能になる。
【0032】
加えて、低電流ダイオード電圧が監視され、ロースイッチゲート電圧VgL407のためのバイアス電圧Vbiasを調整することができるロースイッチM2 400からのタップオフFETからフィードバックループを達成することができる。加えて、ロースイッチM2 400の閾値電圧Vtを最適化する技術に対して改善を行うことができる。ロースイッチM2 400の閾値電圧Vtを作ることによって、ロースイッチM2 400は逆バイアスモードにおいて単位面積当たりより多くの駆動強度を有することができる。
【0033】
図9Aは、窒化ガリウム(GaN)を含むロースイッチのようなワイドバンドギャップロースイッチが、窒化ガリウム(GaN)を含むロースイッチのような電力スイッチング回路900において使用される本発明の一実施形態を示す。
図9Aは、ロースイッチゲート電圧V
gL910、ロースイッチドレイン電圧V
dL915、及びロースイッチソース電圧V
sL920を備えたワイドバンドギャップロースイッチ、並びにハイスイッチドレイン電圧V
D927及びハイスイッチゲート電圧V
gH930を備えたハイスイッチ925を示す。負荷インダクタL
1935及び負荷コンデンサC
1940を含む負荷905も示されている。動作中、メイクビフォアブレーク955中の時間に電流がロースイッチソース920からロースイッチドレイン915へ流れると、ゲートソース間電圧V
gsAが中間レベル電圧V
mid955に置かれる。この実施形態を使用することによって、ドレインソース間電圧V
dsAの最大負の電圧を最小化することができる。この実施形態の使用により、生成されるノイズの低減が支援される。
【0034】
図9Bは、
図9Aのワイドバンドギャップロースイッチを含む電力スイッチング回路(
図9Bの部分「A」)における及び先行技術の電力スイッチング回路(
図9Bの部分「B」)における電圧の経時的挙動を比較している。部分「B」の先のスイッチの最大ドレインソース間電圧は
図9Aのワイドバンドギャップスイッチの最大ドレインソース間電圧より大きいため、部分「B」の先行技術のスイッチにおける電力損失は、先行技術に対する改良である、
図9Aのワイドバンドギャップスイッチの電力損失より大きい。
【0035】
図10は、典型的なケイ素又は炭化ケイ素のスイッチが実際には4端子デバイスであることを示す。ゲートG1005、ドレインD1010、ソースS1015、及びバックゲートBG1020を有するスイッチ1000において、バックゲート1020はソースS1015につながれている。スイッチ1000は、ゲートG1030、ドレインD1035、ソースS1040、及びボディダイオード1045を有するスイッチ1025と等価である。
【0036】
図11Aは、本発明の一実施形態、ケイ素又は炭化ケイ素を含み、ゲートG1105、ソースS1110、ドレインD1115、バックゲートBG1120、ゲートバイアス電圧V
bias11125のための電圧源、及びバックゲートバイアス電圧V
bias21130のための電圧源を有する4端子スイッチ1100を示す。ゲートバイアス電圧V
bias11125とバックゲートバイアス電圧V
bias21130の両方を、スイッチが逆バイアスモードにあるときに電流がソースS1110からドレインD1115へ流れるとき、スイッチ1100のオン状態抵抗をさらに低減するように調整することができる。これを達成するため、ゲートソース間電圧を中間レベルの電圧に置くことができ、バックゲートバイアス電圧V
bias21130も中間レベルの電圧に置くことができ、これにより閾値電圧が減少し、スイッチが逆バイアスモードにあるとき、ソースS1110からドレインD1115へ電流が流れている状態で駆動力を増大してスイッチ1100の電流を低減する。ゲートバイアス電圧V
bias11125とバックゲートバイアス電圧V
bias21130の任意の組み合わせを使用することができる。
【0037】
図11Bは、ゲートバイアス電圧V
bias11125及びバックゲートバイアス電圧V
bias21130が同時に変化するときのスイッチ1100について、電圧曲線1135として示すゲートバイアス電圧V
bias11125及び電圧曲線1140として示すバックゲートバイアス電圧V
bias21130の経時的挙動を示す。
【0038】
図11Cは、スイッチ1100について、電圧曲線1145として示すゲートバイアス電圧V
bias11125及び電圧曲線1150として示すバックゲートバイアス電圧V
bias21130の経時的挙動を示す。これは、ゲートバイアス電圧V
bias11125が高状態から中間状態へ遷移する前にバックゲートバイアス電圧V
bias21130が電圧バックゲートバイアス電圧V
bias21130へ作動する、
図11Bの別のタイミングの一実施形態である。加えて、ゲートバイアス電圧V
bias11125が中間状態から低状態へ遷移した後、バックゲートバイアス電圧V
bias21130が中間状態から低状態へ遷移する。この条件でゲートバイアス電圧V
bias11125及びバックゲートバイアス電圧V
bias21130の電圧を制御することによって、ゲートバイアス電圧V
bias11125が高状態から中間状態へ及び中間状態からゼロ(0V)を含む低状態へ遷移するとき、ゲートバイアス電圧V
bias11125について閾値電圧の安定したシフトが提供される。バックゲートバイアス電圧V
bias21130を非ゼロ状態に維持することも可能であるため、これは動的に切り替わらなくてもよい。
【0039】
本明細書で教示されるアプローチは、炭化ケイ素用途(SiC)、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムで使用することもできる。バイアス電圧と閾値電圧の任意の組み合わせを、順方向ではオフ状態及び負方向ではオン状態の要件を満たす正又は負の値のいずれかに設定することができる。
【0040】
本明細書で教示されるアプローチは、ハイサイド駆動、ローサイド駆動、ハイ及びローサイド、又は1又は2以上のFETの任意の組み合わせのような、構成の任意の組み合わせで使用することもできる。
【0041】
本明細書で教示されるアプローチは、電力調節、ライン終端用の1又は2以上のスイッチ、DCモータドライバ、誘導モータドライバ、トランスデューサドライバ、ソリッドステートヒューズスイッチ、バッテリ管理、ACからDCへの電力変換、DCからACへの電力変換、又は電力補正のような、電流若しくは電圧のスイッチング又は電流及び電圧のスイッチングの任意の組み合わせで使用することもできる。
【0042】
バイアス電圧と閾値電圧の任意の組み合わせを、順方向ではオフ状態及び負方向ではオン状態の要件を満たす正又は負の値のいずれかに設定することができる。
【0043】
順方向でのオンからオフ状態及び負方向でのオン状態の要件を満たすオン電圧からバイアス電圧への遷移の任意の組み合わせが本発明に含まれる。遷移は、ステップ関数、線形段階的、又は非線形段階的遷移のいずれかとすることもできる。
【0044】
本明細書に記載の特定の実施形態は、本発明の限定としてではなく例示として示されていることが理解されよう。本発明の主な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく様々な実施形態において使用することができる。当業者は、ただの日常的な実験を用いて、本明細書に記載の具体的な手順に対する多数の均等物を認識する、又は確認することができるであろう。このような均等物は、本発明の範囲内にあると見なされ、請求項によってカバーされる。
【0045】
本明細書に記載のすべての刊行物及び特許出願は、本発明が関係する当業者の技能のレベルを示している。すべての刊行物及び特許出願が、各個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれると具体的かつ個々に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
請求項及び/又は明細書において「comprising(含む)」という用語と併せて用いられるときの「a」又は「an」という単語の使用は、「1」を意味することができるが、これは「1又は2以上」、「少なくとも1つ」、及び「1又は1より多い」の意味とも一致する。請求項における「又は」という用語の使用は、本開示は代替物及び「及び/又は」のみに言及する定義を支持しているが、代替物のみを指すように明示的に示され、又はこれらの代替物が相互に排他的でない限り、「及び/又は」を意味するように用いられる。本願を通して、「約」という用語は、ある値が、デバイスについての固有の誤差の変動、その値を決定するために使用される方法、又は研究対象間に存在する変動を含むことを示すために用いられる。
【0047】
本明細書及び請求項において用いられるとき、「comprising」(及び「comprise」及び「comprises」のような、comprisingのあらゆる形態)、「having(有する)」(及び「have」及び「has」のような、havingのあらゆる形態)、「including(含む)」(及び「includes」及び「include」のような、includingのあらゆる形態)又は「containing(含む)」(及び「contains」及び「contain」のような、containingのあらゆる形態)という単語は、包括的すなわちオープンエンドであり、追加の、記載されていない要素又は方法ステップを除外しない。本明細書に提供される構成物及び方法のいずれかの実施形態において、「comprising」は、「consisting essentially of(本質的に~からなる)」又は「consisting of(からなる)」に置き換えることができる。本明細書で用いられるとき、「consisting essentially of」という句には、指定された完全体(integer)又はステップ、並びに特許請求された発明の特徴又は機能に実質的に影響を及ぼさないものが要求される。本明細書で用いられるとき、「consisting(構成する)」という用語は、記載された完全体(integer)(例えば、特徴、要素、特色、特性、方法/プロセスステップ又は限定)又は完全体(integer)(例えば、特徴、要素、特色、特性、方法/プロセスステップ、又は限定)の群のみの存在を示すために用いられる。
【0048】
本明細書で用いられるような「又はこれらの組み合わせ」という用語は、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、又はこれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つを、そして特定の文脈において順序が重要であれば、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABも含むように意図されている。この例で続けると、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB、などのような、1又は2以上の項目又は用語の繰り返しを含む組み合わせが明示的に含まれる。当業者は、他が文脈から明らかでない限り、通常、任意の組み合わせにおける項目又は用語の数に制限がないことを理解するであろう。
【0049】
本明細書で用いられるとき、限定はしないが、「約」、「実質的な」又は「実質的に」のような近似の言葉は、そのように修正されたとき、必ずしも絶対的又は完全ではないと理解される状態であるが、その状態を存在するものとして指定することを保証するのに十分に近いと当業者に見なされるであろう状態を指す。説明が変動し得る程度は、どれくらい大きく変化が起こり、それでも当業者に、修正された特徴を、修正されていない特徴の要求される特色及び能力を依然として有するものとして認識させることができるかに依存することになる。一般に、しかし先行する議論を条件として、「約」のような近似の語によって修正される本明細書の数値は、記載された値から少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12又は15%だけ変動し得る。
【0050】
本明細書に開示及び特許請求されたデバイス及び/又は方法のすべては、本開示に照らして過度の実験なしに作製及び実行することができる。本発明のデバイス及び方法を特定の実施形態の観点において説明してきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の構成物及び/又は方法に、そして方法のステップ又はステップのシーケンスにおいて変形を適用することができることは当業者には明らかであろう。当業者に明らかなすべてのこのような同様の代替例及び修正例は、添付の請求項によって定義されたような本発明の精神、範囲及び概念の範囲内であると見なされる。
【0051】
さらに、以下の請求項に記載されたようなものを除き、本明細書に示す構造又は設計の詳細に対して限定は意図されない。したがって、上に開示された特定の実施形態を変更又は修正することができることは明らかであり、すべてのこのような変形は本開示の範囲及び精神内にあると見なされる。したがって、本明細書で求められる保護は、以下の請求項に記載されているとおりである。
【0052】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のシステム及び装置に対して修正、追加、又は省略を行うことができる。システム及び装置の構成要素は統合又は分離することができる。また、システム及び装置の動作は、より多い、より少ない、又は他の構成要素によって実行することができる。これらの方法は、より多い、より少ない、又は他のステップを含むことができる。加えて、任意の適切な順序でステップを実行することができる。
【0053】
特許庁、及び本願に関して発行されるいかなる特許のいかなる読者も本明細書に添付の請求項を解釈するのを支援するため、出願人は、添付された請求項のいずれも、米国特許法第112条の段落(f)が本願の出願の日に存在しているため、「のための手段」又は「のためのステップ」という言葉が特定の請求項において明示的に用いられていない限り、これを適用することを意図していないことを特記したい。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法であって、
前記デバイスを提供するステップであって、前記デバイスがゲートを備えたトランジスタを備える、前記提供するステップと、
前記ゲートを制御するステップであって、正の電流が流れるとき前記ゲートが非ゼロ値までオフにされ、負の電流が流れるとき前記ゲートがオンにされる、前記制御するステップと
を含み、
これによって、前記デバイス内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消する、前記方法。
【請求項2】
前記ゲートの制御を最適化するように、前記トランジスタの閾値電圧、前記デバイスの逆閾値電圧、又は両方を選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、前記デバイスの逆方向ターンオン電圧が前記ボディダイオードの順閾値電圧未満であり、
選択されたバックゲートバイアス電圧を前記バックゲートに印加して逆閾値電圧を下げるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
スイッチ内の電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法であって、
前記スイッチを提供するステップであって、前記スイッチがゲートを備えたトランジスタを備える、前記提供するステップと、
前記スイッチを制御するステップであって、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加されて前記スイッチをオフにし、前記トランジスタに前記順電流が流れるのを防止し、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって
前記電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消する、ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項5】
前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、前記逆ターンオン電圧が前記ボディダイオードの順閾値電圧未満であり、
選択されたバックゲートバイアス電圧を前記バックゲートに印加して前記逆閾値電圧を下げるステップをさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
スイッチ内に蓄積された逆回復電荷から電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消するための方法であって、
前記スイッチを提供するステップであって、前記スイッチがゲートを備えたトランジスタを有し、前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでいる、前記提供するステップと、
前記スイッチを制御するステップであって、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加され、前記トランジスタに前記順電流が流れないようにし、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、蓄積された逆回復電荷から
前記電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消する、前記制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記スイッチの制御を最適化するように、前記閾値電圧、前記逆閾値電圧、又はその両方を選択するステップをさらに含む、請求項
4又は6に記載の方法。
【請求項8】
スイッチであって、
ゲートを有するトランジスタを備え、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加されると、前記トランジスタに前記順電流が流れず、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆方向ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消し、
前記電流及び電圧過渡現象が低減又は解消される、前記スイッチ。
【請求項9】
前記スイッチの制御を最適化するように、前記閾値電圧、前記逆閾値電圧、又はその両方
が選択される、請求項
8に記載のスイッチ。
【請求項10】
前記トランジスタが窒化ガリウム又は砒化ガリウムを含む、
請求項1若しくは4に記載の方法、又は請求項
8に記載のスイッチ。
【請求項11】
前記トランジスタがボディダイオード及びバックゲートを組み込んでおり、選択されたバックゲートバイアス電圧が前記バックゲートに印加されると、前記逆閾値電圧が低下し、前記ボディダイオードに前記逆電流が流れなくなり、逆回復電荷が前記ボディダイオードに蓄積されず、前記逆ターンオン電圧が前記ボディダイオードの順閾値電圧未満である、請求項
8に記載のスイッチ。
【請求項12】
前記トランジスタが、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又は砒化ガリウムの中又はその上に形成されている、
請求項3、5若しくは6に記載の方法、又は請求項
11に記載のスイッチ。
【請求項13】
スイッチであって、
ゲートを有するトランジスタを備え、
順電流が流れるとき、(1)前記スイッチのターンオフ電圧が、ゼロより大きく、前記トランジスタの閾値電圧より小さいバイアス電圧であり、(2)前記ゲートに前記ターンオフ電圧が印加されると、前記トランジスタに前記順電流が流れず、
逆電流が流れるとき、(1)前記トランジスタの逆方向ターンオン電圧が前記トランジスタの逆閾値電圧より大きく、(2)前記ゲートにターンオン電圧が印加されて前記スイッチをオンにし、前記トランジスタに負の電流を流し、これによって、電流又は電圧の過渡現象を低減又は解消し、
前記電流及び電圧の過渡現象が低減又は解消される、前記スイッチ
を備える、電力コンバータ。
【国際調査報告】