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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】延伸性難燃性材料
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/18 20060101AFI20240423BHJP
   A41D 31/00 20190101ALI20240423BHJP
   A41D 31/08 20190101ALI20240423BHJP
   A41D 31/18 20190101ALI20240423BHJP
   A41D 31/102 20190101ALI20240423BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20240423BHJP
   B32B 5/04 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
B32B27/18 B
A41D31/00 502B
A41D31/08
A41D31/18
A41D31/102
A41D13/00 102
B32B5/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568346
(86)(22)【出願日】2022-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2022062046
(87)【国際公開番号】W WO2022233972
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/184,557
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391018178
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ビンマー
(72)【発明者】
【氏名】ベルント ツィシュカ
【テーマコード(参考)】
3B211
4F100
【Fターム(参考)】
3B211AA01
3B211AA05
3B211AB01
3B211AC08
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3B211AC17
3B211AC18
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4F100AJ06D
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100AK01D
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4F100AK18D
4F100AK27D
4F100AK41A
4F100AK41C
4F100AK46A
4F100AK46C
4F100AK48D
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4F100AK51C
4F100AK54C
4F100AK55C
4F100AK56C
4F100AR00C
4F100AT00D
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4F100BA10C
4F100BA10D
4F100CA08B
4F100DC21B
4F100DD12B
4F100DG11A
4F100DG11C
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4F100EJ37C
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4F100JD05
4F100JK07A
4F100JK08
4F100YY00
4F100YY00B
(57)【要約】
本明細書において、弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、バリア層、前記テキスタイル層と前記バリア層との間に位置する中間層を含み、前記中間層は熱反応性材料を含み、前記熱反応性材料はポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μmの膨張を有するラミネートであって、前記ラミネートは、延伸力によって少なくとも10%の量延伸され、延伸力が解放されたときに延伸量の少なくとも80%が回復するように構成されている。バリア層は、5%未満の弾性を有することができ、ラミネート内に波形構造を画定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、
バリア層、及び、
前記テキスタイル層と前記バリア層との間に位置する中間層、
を含む、ラミネートであって、
前記中間層は熱反応性材料を含み、前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μmの膨張を有し、
前記ラミネートは、延伸力によって少なくとも10%の量延伸され、延伸力が解放されると延伸量の少なくとも80%を回復するように構成されている、ラミネート。
【請求項2】
弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、
5%未満の弾性を有し、ラミネート内に波形構造を画定するバリア層、及び、
前記テキスタイル層と前記バリア層との間に熱反応性材料を含む中間層
を含み、
前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは、TMA膨張試験に従って測定して、280℃で少なくとも900μmの膨張を有する、ラミネート。
【請求項3】
前記溶融性材料は可燃性である、請求項1記載のラミネート。
【請求項4】
前記ラミネートは、前記バリア層に構造的支持を提供するバッカー層をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項5】
前記バッカー層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、銅アンモニウムレーヨン(キュプラ)、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項4記載のラミネート。
【請求項6】
前記熱反応性材料は、少なくとも1つの難燃性(FR)添加剤、及び、1000g/モル未満の分子量を有する少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項7】
前記テキスタイル層は10%を超える延伸性、及び、回復性を有する、請求項1~6のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項8】
前記テキスタイル層はエラスタン繊維を含む、請求項1~7のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項9】
前記テキスタイル層はポリアミド及びポリエステルから選択される、請求項1~8のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項10】
前記ラミネートは、DIN 54310で測定して、約5~約25ニュートン(N)の範囲の乾燥剥離強度を有する、請求項1~9のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項11】
前記中間体は、連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用されている、請求項1~10のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項12】
前記中間層は、ドットの不連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用されている、請求項1~10のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項13】
前記ドットは直径が0.8mm~5mmの範囲である、請求項12記載のラミネート。
【請求項14】
前記熱反応性材料は、溶融可能層の表面積の約25%~約100%を覆う、請求項1~13のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項15】
前記バリア層はポリマー膜又はテキスタイルを含む、請求項1~14のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項16】
前記ポリマー膜は、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、ポリスルホン又はポリエーテルエーテルケトンを含む、請求項16記載のラミネート。
【請求項17】
前記フルオロポリマーは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項17記載のラミネート。
【請求項18】
前記ラミネートは、約80~約240グラム/平方メートル(gsm)の範囲の重量を有する、請求項1~17のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項19】
前記ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)によって測定して少なくとも50リットル/msの空気透過率を有する材料を含む、請求項1~18のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項20】
前記ラミネートは、液体水不透過性であり、少なくとも2000g/m/24時間の水蒸気透過率を有する程度まで水蒸気透過性である、請求項1~19のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項記載のラミネートを含む衣料品又は製品。
【請求項22】
前記衣料品は、内側と外側とを有する衣類であり、前記ラミネートは、前記衣類の外側に配置されている、請求項21記載の衣料品。
【請求項23】
前記ラミネートは前記衣類の内側に配置されている、請求項22記載の衣料品。
【請求項24】
前記ラミネートは前記衣類の内側と外側との間に配置されている、請求項22記載の衣料品。
【請求項25】
前記製品はビビーバッグ、テント又はカバーである、請求項22記載の製品。
【請求項26】
ラミネートの製造方法であって、
初期弛緩幅を有する弾性テキスタイルに対して機械方向に延伸力を加えて、前記弾性テキスタイルを延伸させ、前記弾性テキスタイルの幅を前記初期弛緩幅の90パーセント以下に減少させること、
バリア層を提供すること、
熱反応性材料の層を、延伸した弾性テキスタイルもしくはバリア層又はその両方に適用すること、
前記熱反応性材料が前記弾性テキスタイルと前記バリア層との間に位置するように、前記バリア層を前記延伸した弾性テキスタイルに接着させること、
前記弾性テキスタイルが延伸したままである間に前記熱反応性材料を硬化させること、及び、
前記弾性テキスタイルに対する延伸力を低減してラミネートを製造すること、
を含み、
前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μm膨張するように構成されており、
前記延伸力が減少した後に、前記バリア層は波形構造を有する、方法。
【請求項27】
前記方法は、
前記ラミネートの前記弾性テキスタイルに疎水性処理を施すことをさらに含む、請求項27記載の方法。
【請求項28】
前記方法は
前記延伸力なしにオーバーフィードでラミネートを加熱することをさらに含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記熱反応性材料は不連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用される、請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記熱反応性材料は少なくとも1つの難燃性添加剤及び少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物を含む、請求項27~30のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、火傷保護材料に関し、より詳細には、高難燃性添加剤を含む延伸性難燃性ラミネート及びその製造方法に関する。より具体的には、本開示は、防護服及び他の最終用途の形状適合性物品として使用するための、空気不透過性で水蒸気透過性の延伸性火傷保護ラミネートに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
火災に関連した火傷を軽減するために、捜索及び救助などの火炎にさらされる可能性がある危険な環境で働く専門家及び警察専門家にとって防護服が望まれている。このような状況にさらされる作業員のための保護具は、より重傷を負うリスクを軽減し、暴露後に着用者が火災の危険から逃れることを可能にするために、ある程度の強化された保護を提供すべきである。
【0003】
伝統的に、難燃性防護服は、例えばアラミド、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリp-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール(PBO)、モダクリルブレンド、ポリアミン、カーボン、ポリアクリロニトリル(PAN)ならびにそれらのブレンド及び組み合わせなどから作られた不燃性で非溶融性の布帛を含むアンサンブルの最外層(火炎接触層)を含んで作られてきた。これらの布帛は本質的に難燃性であることができるが、幾つかの制限を有しうる。具体的には、これらの布帛は非常に高価で、染色又は捺染が難しく、十分な耐摩耗性を有しないことがある。さらに、これらの布帛は、ナイロン又はポリエステルベースの布帛と比較して、より多くの水を吸収し、触感の快適さが不十分である。
【0004】
難燃性衣類において様々な進歩がなされた。1つの例として、米国特許第10,364,527号明細書(パンセら)は、可燃性で溶融性材料と、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含む熱反応性材料とを含むテキスタイル複合材を記載している。
【0005】
時折フラッシュ火災にさらされ、動きの融通性が不可欠な環境において、柔らかくドレープ性のある感触とともに、軽量で延伸性があり、通気性があり、火傷保護性が強化された衣類が望まれている。形状適合性のある火傷保護衣料品は、着用者の快適さに悪影響を与えることなく、ぴったりとフィットすることができる。難燃性防護服のコストは、防火以外の危険にさらされる多くの用途において重要な考慮事項となっており、そのため、消防隊で使用されるような、典型的な本質的に難燃性のテキスタイルの使用が排除されてきた。
【発明の概要】
【0006】
要旨
火傷保護材料、より具体的には、高難燃性添加剤を含む延伸性難燃性ラミネート及びその製造方法が提供される。
【0007】
1つの態様(「態様1」)によれば、弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、バリア層、及び、前記テキスタイル層と前記バリア層との間に配置され、熱反応性材料を含む中間層を含むラミネートが提供される。熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μmの膨張を有する。ラミネートは、場合により、延伸力によって少なくとも10%の量延伸され、延伸力が解放されると延伸量の少なくとも80%が回復するように構成されている。幾つかの実施形態において、ラミネートは、場合により、延伸力によって少なくとも5%延伸され、延伸力が解放されると延伸量の少なくとも80%が回復するように構成されている。
【0008】
多種多様な弾性テキスタイルをラミネートに利用できるが、ほとんどの用途では、延伸性ラミネート構造が体の動きに対して過度の抵抗を与えるほど硬くなりすぎないことが非常に望ましい。弛緩長さの200%まで伸長するために約0.2kg/cm幅~約0.3kg/cm幅の力を必要とする弾性テキスタイルは、約0.6kg/cm幅未満の力で弛緩長さの200%まで延伸できる延伸性ラミネート構造を製造するのに適していることが判明した。延伸力が加えられたときに10%を超える延伸性を有し、延伸力が解放されたときに延伸量の少なくとも80%が回復する弾性テキスタイルを使用することができる。
【0009】
テキスタイル層は、織物、編物、不織材料又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。テキスタイル層は、織物、編物及び/又は不織テキスタイルのうちの1つ以上を含む多層テキスタイルであることができる。弾性テキスタイルは、織布、不織布又は編布を含むことができる。弾性テキスタイルは、硬質又は非弾性繊維及び弾性繊維を含むことができる。適切な硬質繊維としては、ポリアミド、例えばナイロン、ナイロン6、ナイロン6.6、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エラスタン繊維などの合成繊維、又は綿などの天然繊維が挙げられる。
【0010】
テキスタイル層は、延伸力が加えられたときに10%を超える延伸性を有し、延伸力が解放されたときに延伸量の少なくとも80%が回復するものが使用されうる。
【0011】
テキスタイル層は、ラミネートの吸水性を低下させるのに役立つ疎水性処理が施されてもよい。適切な疎水性処理としては、例えば、フッ素化学処理及び/又はシリコーン系処理を挙げることができる。
【0012】
テキスタイル層は、例えばペルメトリン又はDEETなどの殺虫又は防虫処理が施されてもよい。
【0013】
テキスタイル層は、ラミネートに吸水性又は防汚性を付与するために、親水性又は疎油性処理が施されてもよい。
【0014】
溶融性材料としては、ポリアミド、例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6.6、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エラスタン及びそれらの組み合わせを挙げることができる。溶融性材料は、少なくとも幾つかの脂肪族基を有するポリエステル又はポリアミドを含むことができる。溶融性材料は、脂肪族ジオール、ジアミン及び二酸から生成されうる。
【0015】
溶融性材料は可燃性であってもよく、限定するわけではないが、溶融性材料としては、ナイロン6又はナイロン6,6などのポリアミド、ポリエステル及びポリプロピレンを挙げることができる。
【0016】
バリア層は、ポリマー膜又はテキスタイルを含むことができる。
【0017】
ポリマー膜は、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、ポリスルホン又はポリエーテルエーテルケトンを含むことができる。フルオロポリマーは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことができる。
【0018】
バリア層は、熱安定性フィルム又は熱安定性テキスタイル層であることができる。バリア層は、テキスタイル層と熱安定性テキスタイル層との組み合わせであることができる。
【0019】
バリア層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、銅アンモニウムレーヨン(キュプラ)、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエステルもしくはポリプロピレン繊維又はそれらの組み合わせのうちのいずれか1つ以上であることができる。
【0020】
中間層はテキスタイル層に適用されうる。中間層はバリア層に適用されうる。中間層はテキスタイル層とバリア層の両方に適用されうる。中間層は連続パターンで適用されうる。中間層は不連続パターンで適用されうる。中間層の不連続層は表面被覆率が100%未満であることができる。中間層を不連続層として適用すると、空気透過性、水蒸気透過性及び/又は手触りが向上することができる。
【0021】
中間層の不連続パターンは、任意の適切な形状又は形態を含むことができる。例えば、パターンは、ドット、円、正方形、長方形、三角形、星、ひし形、五角形、六角形、七角形、八角形、多角形、楕円形、ハート、グリッド、ライン、波、ジグザグ線、それらの組み合わせなどのうちの1つ以上を含むことができる。中間層は、不連続なドットパターンでテキスタイル層又はバリア層に適用されうる。
【0022】
中間層の不連続な適用は、限定するわけではないが、ドット、グリッド、ライン及びそれらの組み合わせを含む形態により、100%未満の表面被覆率を提供することができる。本明細書で使用されるときに、「ドット」という用語は、任意の離散的な形状、例えば、円、正方形、長方形、三角形、星、ひし形、五角形、六角形、七角形、八角形、多角形、楕円形、ハート形などのうちの1つ以上の任意の形状を意味する。ラインは、直線形状、波形形状、曲線形状又はそれらの混合形状を有することができる。パターンによっては、ドットとラインが互いに近づき、又は離れて配置されうる。ラインはグリッド状に配置されうる。
【0023】
中間層は、不連続なドットパターンで適用されうる。ドットは、約0.8mm以上から約5mmまでの範囲の直径を有することができる。ドットは、約0.9mm~約4.5mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約4.0mmの範囲の直径を有する。ドットは、約1.0mm~約3.5mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0~約3.0mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.5mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.25mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.2mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.1mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.0mmの範囲の直径を有することができる。
【0024】
不連続な被覆を有する幾つかの実施形態において、不連続パターンの隣接する領域間の平均距離は、衝突する火炎のサイズよりも小さい。不連続な被覆を有する幾つかの実施形態において、不連続パターンの隣接する領域間の平均距離は、10mm未満、又は5mm未満、又は好ましくは3.5mm未満、又は2.5mm以下、又は1.5mm以下、又は0.5mm以下である。例えば、基材上に捺染されたドットパターンにおいて、ドット間の間隔は測定される。不連続パターンの隣接する領域間の平均距離は、用途に応じて、40μmより大きく、又は50μmより大きく、又は100μmより大きく、又は200μmより大きくてよい。200μmより大きく500μmより小さいものと測定された平均ドット間隔は、本明細書に記載される幾つかのラミネートにおいて有用である。
【0025】
ピッチは、例えば、捺染パターンのレイダウンを記述する方法として表面被覆率と組み合わせて使用されうる。一般に、ピッチは、捺染パターンのドット、ライン、グリッドラインなどの隣接する形状間の平均中心間距離として定義される。平均は、例えば、不規則な間隔の捺染パターンを考慮するために使用される。中間層は、中間層の等重量のレイダウンを有する中間層の連続適用と比較して、優れた難燃性能を提供するピッチ及び表面被覆率を有するパターンで不連続に適用されうる。ピッチは、熱反応性組成物の隣接する形状間の中心間距離の平均として定義されうる。例えば、ピッチは、中間層の隣接するドット又はグリッドラインの間の中心間距離の平均として定義されうる。ピッチは、約500μm以上、約600μm以上、約700μm以上、約800μm以上、約900μm以上、約1000μm以上、約1200μm以上、約1500μm以上、約1700μm以上、約1800μm以上、約2000μm以上、約3000μm以上、約4000μm以上、又は約5000μm以上、又は約6000μm以上、又はそれらの間の任意の値であることができる。中間層の好ましいパターンは、約500μm~約6000μmのピッチを有することができる。
【0026】
中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約20%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約80%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約75%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約55%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約40%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約35%の範囲を覆うことができる。
【0027】
中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約30%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約45%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約55%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約65%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約70%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約95%~約100%の範囲を覆うことができる。
【0028】
中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約30%~約70%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約45%~約65%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約50%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約65%~約90%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約70%~約80%の範囲を覆うことができる。
【0029】
中間層が表面積の100%未満である層のこれらの範囲の被覆は、空気透過性、手触り、通気性及び/又はラミネートの重量などのラミネートの特性を改善することができる。例えば、約20%~約95%の堆積で中間層をテキスタイル層及び/又はバリア層に適用すると、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積を100%覆う連続層として中間層が適用されたラミネートと比較して、空気透過性、通気性が向上し、手触りが増し、重量が減少したラミネートを得ることができる。
【0030】
表面積の100%未満の被覆率を達成するための方法は、熱反応性材料を含む中間層をテキスタイル層もしくはバリア層又はその両方の表面上に適用又は捺染することを含むことができる。熱反応性材料の適切な適用、捺染又は堆積方法としては、限定するわけではないが、スクリーン捺染、ロータリースクリーン捺染、グラビア捺染、スプレー又は散布コーティング、又はナイフコーティングが挙げられる。熱反応性材料のスクリーン捺染又はロータリースクリーン捺染では、より高いレイダウン(グラビアロールで達成できるレイダウンと比較したときに)と低い面積被覆率が可能となり、テキスタイルラミネートの比較的高い通気性が可能になる。この方法を使用すると、熱反応性材料が液体、例えば水、溶媒又は分散剤を含む可能性があるため、スクリーンの厚さが増加する可能性がある。しかしながら、捺染後、熱源、例えばオーブン又は加熱ロールを使用して、液体の少なくとも一部を熱反応性材料から除去(すなわち、蒸発)させることができる。加熱中に熱反応性材料から液体が除去されると、熱反応性材料の質量が減少し、その結果、テキスタイルラミネートがより軽くなることができる。熱反応性材料の液体の少なくとも一部が除去されると、熱反応性材料の質量は、液体を除去する前の熱反応性材料の質量と比較したときに、約20%程度、又は約25%程度、又は約30%程度、約35%程度又は約40%程度又は約45%程度減少する可能性がある。
【0031】
ラミネートが火炎及び/又は熱、例えば約280℃以上の温度にさらされると、溶融性材料は溶融し始め、その溶融物は熱反応性材料、特に膨張しているグラファイトと混合することができる。このプロセスにより、溶融性材料と熱反応性材料のチャーが形成されることもある。溶融性材料及び熱反応性材料を熱及び/又は例えば約280℃以上の高温にさらすことによって生じるチャーは、少なくとも溶融性材料及び膨張した膨張性グラファイトを含む不均質な溶融混合物であることができる。本開示によれば、チャーは、溶融性材料及び熱反応性材料を約280℃以上の温度にさらした後に残る炭素質材料を指すことが意図される。約280℃以上の温度では、溶融性材料及びポリマー樹脂の一方又は両方が酸化するか、燃焼プロセスに関与して、チャーの一部となる追加の炭素質材料を形成することもできる。チャーの形成は、チャーの下の層が熱にさらされるのを防ぐのに役立つことができる。
【0032】
熱反応性材料は、膨張すると、膨張グラファイトを含む複数の巻きひげを形成することができる。膨張プロセス中に、熱反応性材料の総体積は、膨張前の同混合物と比較したときに有意に増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約5倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約6倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約7倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約8倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約9倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約10倍増加することができる。
【0033】
ラミネートがテキスタイル層、バリア層、及び、不連続形態のパターンで適用された熱反応性材料を含む中間層を含むときに、熱反応性材料は膨張して巻きひげを形成し、膨張後に緩く充填された巻きひげの間に空隙が生じ、また、膨張した熱反応性材料のパターン間に空間が生じることができる。火炎にさらされると、溶融性材料は溶融し、一般に、熱反応性材料の不連続形態の間の開放領域から遠ざかるように移動することができる。バリア層及び/又はバッカー層は、膨張中に熱反応性材料を支持することができ、テキスタイル層及び/又は溶融性材料の溶融物は、溶融中に膨張している熱反応性材料によって吸収及び保持されることができる。溶融物を吸収し保持することにより、本明細書に記載のラミネートは溶融物の垂れを示さないことができる。溶融物を吸収し保持することにより、本明細書に記載の水平火炎試験によって測定して、本明細書に記載のラミネートは不燃性となることができる。溶融物吸収中に膨張している熱反応性材料をバリア層が支持する場合に、熱安定性バッカー層は、破れて開放されたり又は穴が形成されたりするのを防ぐことができる。膨張時に熱反応性材料の表面積が増加すると、火炎にさらされた際に膨張した熱反応性材料によるテキスタイル層からの溶融物の吸収が可能になることができる。
【0034】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、溶融物の滴下、穴の形成、及び端部への炎又は輝きの広がりを示さないことができる。
【0035】
熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含むことができる。
【0036】
280℃未満の溶融温度又は軟化温度を有するポリマー樹脂は、開示された実施形態での使用に適している。1つの実施形態において、本明細書に記載のポリマー樹脂は、摂氏300度以下、好ましくは摂氏280度以下の熱にさらされると膨張性グラファイトが実質的に膨張できるように十分に流動可能又は変形可能である。熱反応性材料中での使用に適した他のポリマー樹脂により、膨張性グラファイトは、溶融可能な外側テキスタイルの熱分解温度よりも低い温度で十分に膨張することができる。ポリマー樹脂の伸張粘度は、膨張性グラファイトの膨張を可能にするのに十分低く、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトの混合物の膨張後に熱反応性材料の構造的一体性を維持するのに十分に高いことが望ましいことがある。別の実施形態において、200℃で103~108ダイン/cmの貯蔵弾性率及び約0.1~約10のTanδを有するポリマー樹脂が使用される。別の実施形態において、103~106ダイン/cmの貯蔵弾性率を有するポリマー樹脂が使用される。別の実施形態において、103~104ダイン/cmの貯蔵弾性率を有するポリマー樹脂が使用される。幾つかの実施形態での使用に適したポリマー樹脂は、グラファイトの膨張を可能にするのに適した、約300℃以下での弾性率及び伸びを有する。幾つかの実施形態での使用に適したポリマー樹脂はエラストマー性である。幾つかの実施形態での使用に適した他のポリマー樹脂は架橋性であり、例えば、商品名「MOR-MELT」R7001E(Rohm and Haasから)で販売されているような架橋性ポリウレタンである。他の実施形態において、適切なポリマー樹脂は摂氏50度から摂氏250度の間の溶融温度を有する熱可塑性樹脂であり、例えば、商品名「DESMOMELT」VP KA 8702(Bayer Material Science LLCから)で販売されているものである。本明細書に記載の実施形態での使用に適したポリマー樹脂としては、限定するわけではないが、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン及び架橋性ポリウレタンならびにそれらの組み合わせを含むポリマーが挙げられる。他のポリマー樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニルポリマー、ポリオレフィンから選択される1つ以上のポリマーを挙げることができる。他のポリマー樹脂としては、シリコーン又はエポキシを挙げることができる。メラミン、リン及び臭素化化合物、アルミナ三水和物(ATH)などの金属水酸化物、ホウ酸塩及びそれらの組み合わせなどの難燃性材料を、場合により、ポリマー樹脂に取り込むことができる。ポリマー樹脂は水性アクリル樹脂であることができる。
【0037】
ポリマー樹脂は、ポリマー樹脂の総質量に基づいて少なくとも25wt%の水性アクリル樹脂と、酢酸ビニル、スチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、又はそれらのコポリマーもしくはブレンドを含む少なくとも1つのポリマー樹脂とを含むことができる。
【0038】
ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物の幾つかの実施形態において、混合物は、膨張すると、膨張グラファイトを含む複数の巻きひげを形成する。ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物の総表面積は、膨張前の同混合物と比較したときに有意に増加する。1つの実施形態において、混合物の表面積は、膨張後に少なくとも5倍増加する。別の実施形態において、混合物の表面積は、膨張後に少なくとも10倍増加する。さらに、膨張した混合物から巻きひげがしばしば外側に伸びる。ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物が不連続形態で基材上に配置されている場合に、巻きひげは伸びて、不連続ドメイン間の開放領域を少なくとも部分的に満たすことになる。さらなる実施形態において、巻きひげは長尺であり、少なくとも5対1の長さ対幅のアスペクト比を有する。
【0039】
1つの実施形態において、ラミネートが、溶融可能な外側テキスタイル、バリア層、及び、不連続形態のパターンで適用されたポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含む熱反応性材料を含む場合に、熱反応性材料は膨張して、膨張後に緩く充填された巻きひげを形成し、巻きひげの間に空隙が生じ、また膨張したポリマー樹脂-膨張性混合物のパターン間に空間が生じる。火炎にさらされると、溶融可能な外側テキスタイルが溶融して、一般に、熱反応性材料の不連続形態の間の開放領域から遠ざかるように動く。バリア層は膨張中に熱反応性材料を支持し、溶融可能な外側テキスタイルの溶融物は、溶融中に膨張している熱反応性材料によって吸収され保持される。溶融物を吸収し保持することにより、溶融物の垂れを示さず、可燃性を抑えたラミネートを形成することができる。溶融物吸収中にバリア層が膨張している材料を支持する場合に、バリア層は破れて開放されたり又は穴が形成されたりすることから保護されると考えられる。膨張時に熱反応性材料の表面積が増加すると、火炎にさらされた際に膨張した熱反応性材料による溶融可能なテキスタイルからの溶融物の吸収が可能になる。
【0040】
ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物は、膨張性グラファイトの実質的な膨張を引き起こすことなく、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとの緊密なブレンドを提供する方法によって製造されうる。適切な混合方法としては、限定するわけではないが、パドルミキサー、ブレンディング及び他の低剪断混合技術が挙げられる。1つの方法において、ポリマー樹脂と膨張性グラファイト粒子との緊密なブレンドは、ポリマー樹脂の重合前に膨張性グラファイトをモノマー又はプレポリマーと混合することによって達成される。別の方法において、溶解したポリマーと膨張性グラファイトをブレンドすることができ、混合後に溶媒が除去される。別の方法において、膨張性グラファイトは、グラファイトの膨張温度より低く、かつポリマーの溶融温度より高い温度でホットメルトポリマーとブレンドされる。ポリマー樹脂と膨張性グラファイト粒子又は膨張性グラファイトの凝集体の緊密ブレンドを提供する方法において、膨張性グラファイトは、グラファイトの膨張前にポリマー樹脂によってコーティング又はカプセル化される。他の実施形態において、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を基材に適用する前に、緊密ブレンドが達成される。
【0041】
本発明に適した膨張性グラファイトの粒子サイズは、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物が選択された適用方法で適用できるように選択されるべきである。例えば、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物がグラビア捺染技術によって適用される場合に、膨張性グラファイトの粒子サイズは、グラビアセルに適合するのに十分小さくすべきである。
【0042】
膨張性グラファイトは、本明細書に記載のTMA膨張試験によって測定して、約280℃への加熱時に少なくとも約900マイクロメートル膨張することができる。
【0043】
熱反応性材料はFR添加剤を含むことができる。FR添加剤は、窒素系材料及び/又はリン系材料を含んでもよい。少なくとも1つのFR添加剤はメラミンであることができる。少なくとも1つのFR添加剤はポリホスフェートであることができる。少なくとも1つのFR添加剤は、メラミンとポリホスフェートの組み合わせであることができる。少なくとも1つのFR添加剤はポリリン酸メラミンであることができる。
【0044】
膨張性グラファイトと少なくとも1つのFR添加剤との混合物は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約5~約45wt%の膨張性グラファイトと約5~約45wt%のFR添加剤の範囲で熱反応性材料中に存在することができる。
【0045】
熱反応性材料は、約5~約45wt%、又は約5~約40wt%、又は約5~約35wt%、又は約5~約30wt%、又は約5~約25wt%、又は約5~約20wt%、又は約5~約15wt%、又は約5~約10wt%の範囲の膨張性グラファイトを含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約10~約45wt%、又は約10wt%~約40wt%、又は約10wt%~約35wt%、又は約15wt%~約45wt%、又は約15wt%~約40wt%、又は約15wt%~約35wt%の膨張性グラファイトを含むことができる。
【0046】
熱反応性材料は、約5~約45wt%、又は約5~約40wt%、又は約5~約35wt%、又は約5~約30wt%、又は約5~約25wt%、又は約5~約20wt%、又は約5~約15wt%、又は約5~約10wt%の範囲の少なくとも1つのFR添加剤を含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約10~約45wt%の膨張性グラファイト、又は約10wt%~約40wt%、又は約10wt%~約35wt%、又は約15wt%~約45wt%、又は約15wt%~約40wt%、又は約15wt%~約35wt%の少なくとも1つのFR添加剤を含むことができる。
【0047】
熱反応性材料は、アクリルポリマー、膨張性グラファイトと少なくとも1つのFR添加剤との混合物を含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約40~約90wt%の範囲のアクリルポリマーを含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約10~約70wt%の範囲の、膨張性グラファイトとFR添加剤との混合物を含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約40~約80wt%のアクリルポリマーと、約20~約60wt%の範囲の、膨張性グラファイトとFR添加剤との混合物を含むことができる。上記で使用した質量パーセントは、熱反応性材料の総質量から、存在する可能性のある揮発性物質、例えば、乾燥及び硬化プロセス中に蒸発することができる水又は他の有機分子を差し引いたものに基づいている。
【0048】
ラミネートは、延伸力によって少なくとも10%の量だけ延伸され、延伸力が解放されると延伸量の少なくとも80%が回復するように構成されている。ラミネートは機械方向と横断方向の両方に延伸性があることができる。ラミネートは、機械方向と横断方向の両方に、元の長さの少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも40%延伸することができる。荷重下で伸びる能力に加えて、ラミネートはまた、延伸力が解放されたときに両方向に元の長さのほとんどを回復すべきである。幾つかの実施形態において、ラミネートは、延伸量の少なくとも50%、好ましくは65%、最も好ましくは少なくとも80%を回復することができる。
【0049】
ラミネートは、バリア層に構造的支持を提供するバッカー層を含むことができる。バッカー層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、銅アンモニウムレーヨン(キュプラ)、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。
【0050】
熱反応性材料は、1000g/モル未満の分子量を有する少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物を含むことができる。ポリヒドロキシ化合物は、約500g/モル未満、約250g/モル未満、又は約100g/モル未満の分子量を有することができる。ポリヒドロキシ化合物は、例えば、プロパン-1,2,3-トリオールであることができる。
【0051】
ラミネートは、約80~約240グラム/平方メートル(g/m)の範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約80~約200g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約80~約180g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約80~約165g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約80~約150g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約80~約125g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約80~約100g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約80~約90g/mの範囲の重量を有することができる。
【0052】
他の実施形態において、ラミネートの重量は80~430g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~420g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~410g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~400g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~390g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~380g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~370g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~360g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~350g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~340g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~330g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~320g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~310g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~300g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~290g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~280g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~270g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~260g/mの範囲であることができる。他の実施形態において、ラミネートの重量は80~250g/mの範囲であることができる。
【0053】
ラミネートは、約95~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約110~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約125~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約140~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約165~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約180~約240g/mの範囲の重量を有することができる。
【0054】
ラミネートは、約115~約160g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約95~約150g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約165~約190g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約135~約175g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約85~約100g/mの範囲の重量を有することができる。すべての重量測定はDIN EN 12127(1997/12)に従って行われる。
【0055】
ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、少なくとも約50リットル/msの空気透過率を有する材料を含むことができる。ラミネートは、約50リットル/msを超える空気透過率を有する材料を含むことができる。ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、約50リットル/ms~約500リットル/msの空気透過率を有する材料を含むことができる。ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、約75リットル/ms~約500リットル/ms、又は約100リットル/ms~約500リットル/ms、又は約125リットル/ms~約500リットル/ms、又は約150リットル/ms~約500リットル/ms、又は約175リットル/ms~約500リットル/ms、又は約50リットル/ms~約100リットル/ms、又は約75リットル/ms~約100リットル/ms、又は約120リットル/ms~約150リットル/ms、又は約130リットル/ms~約170リットル/ms、又は約140リットル/ms~約180リットル/ms、又は約150リットル/ms~約190リットル/msの空気透過率を有する材料を含むことができる。場合により、ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、約150リットル/msを超える空気透過率を有する材料を含むことができる。空気透過率などの特性は、例えばテキスタイル層、バリア層、中間層、及び場合によりバッカー層の特定の組成に応じて、特定の実施形態では低下する可能性があることが理解される。
【0056】
中間層は、後に水分が除去されるポリマー樹脂を含むため、ラミネートは、約5~約25ニュートン(N)の範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約6~約25Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約25Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約24Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約23Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約22Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約21Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約22Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約23Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約24Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約25Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。乾燥剥離強度の値は、DIN 54310に従って測定される。
【0057】
ラミネートは、液体水不透過性であり、約1000g/m/24時間を超える、又は約2000g/m/24時間を超える、又は約3000g/m/24時間を超える又は約5000g/m/24時間を超える、又は約7000g/m/24時間を超える、又は約9000g/m/24時間を超える、又は約10000g/m/24時間を超える、又はそれ以上である水蒸気透過率(MVTR)を有する程度まで水蒸気透過性である。水蒸気透過率は、本明細書に記載の方法によって測定される。好ましいラミネートは、本明細書に記載の水平火炎試験方法に従って試験したときに、約50秒を超える、約60秒を超える、又はさらには120秒を超える破壊開放時間を有する。
【0058】
ラミネートは、DIN EN 15025A(2017年4月)試験規格に従って試験したときに、約2秒以下の残炎を有することができる。ラミネートは、DIN EN 15025A試験規格に従って試験したときに、約1.5秒以下の残炎を有することができる。ラミネートは、DIN EN 15025A試験規格に従って試験したときに、約1秒以下の残炎を有することができる。ラミネートは、DIN EN 15025A試験規格に従って試験したときに、約0.5秒以下の残炎を有することができる。テキスタイル層の外側が火炎にさらされると、その層内に設けられた溶融性材料が収縮して炎から離れることができる。溶融可能層は、中間層内の熱反応性材料が膨張する間に溶融することができ、熱エネルギー及び溶融テキスタイルを吸収して、溶融可能層が燃えそして着用者に滴り落ちるのを防ぐことができる。溶融性材料の溶融と熱反応性材料の膨張との組み合わせにより、着用者に優れた快適性を提供し、なおも火傷からの保護を提供できる軽量の延伸性ラミネートが可能になることができる。このラミネートは、水平火炎試験で試験したときに、実質的に溶融物滴下挙動を示さない。
【0059】
別の態様(「態様2」)によれば、
弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、
5%未満の弾性を有し、ラミネート内に波形構造を画定するバリア層、及び、
前記テキスタイル層と前記バリア層との間に熱反応性材料を含む中間層、
を含む、ラミネートであって、
前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは、TMA膨張試験に従って測定して、280℃で少なくとも900μmの膨張を有する、ラミネートが提供される。
【0060】
上で詳細に説明したテキスタイル層は、テキスタイル層とバリア層の一方又は両方に適用された中間層によってバリア層に接着されており、2つの層の間の接着力は、ラミネートが延伸力なしに平らな表面上に置かれたときに、バリア層が、波形、束、しわ、アーチ状又はひだ状になるようなものである。幾つかの実施形態において、接着力は、テキスタイル層を形成する材料をそれ自体で同じ量だけ伸ばすのに必要な力よりも小さい力で、ラミネートを少なくとも一方向に少なくとも10%延伸できるようなものである。
【0061】
ラミネートの幾何学的形状は変化せず、バリア層は機械方向では束状又は波形であり、横断方向では実質的に平らである。ラミネートが上述のとおりのバッカー層を含む場合に、バリア層の波形構造がバッカー層の存在によって覆われるため、ラミネートは実質的に平らに見える。
【0062】
5%未満の弾性を有するバリア層は、ポリマー膜又はテキスタイルを含むことができる。ポリマー膜は、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、ポリスルホン又はポリエーテルエーテルケトンを含むことができる。フルオロポリマーは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことができる。バリア層は、熱安定層又はテキスタイル層であることができる。バリア層は、テキスタイル層と熱安定テキスタイル層との組み合わせであってもよい。バリア層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、キュプラ、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエステル又はポリプロピレン繊維又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。
【0063】
別の態様(「態様3」)によれば、前述の例のいずれかのラミネートを含む衣料品又は製品が提供される。
【0064】
1つの実施形態において、衣料品は衣類であることができ、この衣類は内側と外側とを有する。このラミネートは、危険な環境での作業者の衣類に使用されうる。衣類は、通気性、防水性、難燃性、軽量、柔軟性、快適な着用感の1つ以上の特性を備えることができる。
【0065】
ラミネートは衣類の外側に配置されうる。
【0066】
ラミネートは衣類の内側に配置されうる。
【0067】
あるいは、ラミネートは衣類の内側と外側との間に配置されうる。
【0068】
製品には、例えば、ビビーバッグ、テント又はカバーを含むことができる。
【0069】
別の態様(「態様4」)によれば、ラミネートの製造方法であって、
初期弛緩幅を有する弾性テキスタイルに対して機械方向に延伸力を加えて、弾性テキスタイルを延伸させ、弾性テキスタイルの幅を初期弛緩幅の90パーセント以下に減少させること、
バリア層を提供すること、
熱反応性材料の層を、延伸した弾性テキスタイル又はバリア層又はその両方に適用すること、ここで、前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μm膨張するように構成されている、
前記熱反応性材料が前記弾性テキスタイルと前記バリア層との間に位置するように、前記バリア層を前記延伸した弾性テキスタイルに接着すること、
前記弾性テキスタイルが延伸されたままである間に前記熱反応性材料を硬化させること、及び、
前記弾性テキスタイルに対する延伸力を低減して、ラミネートを製造すること、ここで、延伸力が低減した後に、前記バリア層は波形構造を有する、
を含む、ラミネートの製造方法が存在する。
【0070】
適用工程は、熱反応性材料を不連続パターンで適用することを含むことができる。
【0071】
幾つかの実施形態において、この方法は、ラミネートの特性を改善するために弾性テキスタイルに1つ以上の処理を適用することを含むことができる。例えば、弾性テキスタイルは、ラミネートの吸水性を低下させるのに役立つ疎水性処理を施してもよい。適切な疎水性処理としては、例えば、フッ素化学処理及び/又はシリコーン系処理を挙げることができる。弾性テキスタイルは、例えばペルメトリン又はDEETなどの殺虫又は防虫処理が施されていてもよい。他の実施形態において、弾性テキスタイルは、ラミネートに所望の吸水性又は防汚性特性を与えるために、親水性又は疎油性の処理を含んでもよい。このような処理は、ラミネートの形成前に弾性テキスタイルに適用することができ、又はラミネートの形成後に適用することができる。
【0072】
この方法は、延伸張力なしにオーバーフィードでラミネートを加熱することを含むことができる。
【0073】
前述の例は単なる実施例であり、本開示によって別途提供される本発明の概念の範囲を限定したり又は狭めたりするように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に制限的なものではなく、本質的に例示的なものとして考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図面の簡単な説明
添付図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0075】
図1A図1Aは、幾つかの実施形態による、延伸されていないラミネートの断面の概略図である。
【0076】
図1B図1Bは、幾つかの実施形態による、延伸されたラミネートの断面の概略図である。
【0077】
図2図2は、幾つかの実施形態による、延伸性ラミネートを製造する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図したものではない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の専門家がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0079】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。
【0080】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」という用語は、記載された測定値を含む測定値、及び記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む測定値を指すために互換的に使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さな量だけ逸脱している。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置の校正の違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮した性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実装シナリオ、人又は機械による対象物の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解できる。
【0081】
本開示の目的上、「機械方向」という用語は製造の方向を示す。
【0082】
本開示の目的上、「横断方向」という用語は、機械方向に対して垂直な製造面内の方向を示す。本明細書に記載される層の材料は平面状であると考えられ、その長さ(機械方向)と幅(横断方向)によって画定される。
【0083】
本開示の目的上、「弾性」という用語は、一般に、少なくとも一方向に少なくとも10%延伸することができ、延伸力が除去されたときに初期の長さの少なくとも80%を回復することができるテキスタイル又はラミネートを意味する。
【0084】
延伸率は%延伸=(Ls/Lo-1)×100として定義され、回復率は%回復率=([Ls-Lf]/[Ls-Lol]×100)として定義される。
式中、Loは元の長さ、Lsは延伸力が加えられたときの長さ、Lfは延伸力が解放されたときの長さである。
【0085】
本開示の目的上、「難燃性」という用語は、本明細書で使用されるときに、DIN EN 15025A試験規格に供したときに約2秒未満の残炎を示すテキスタイル又はテキスタイルラミネートを指す。
【0086】
本開示の目的上、「可燃性」という用語は、本明細書で使用されるときに、本明細書に提示されるように、テキスタイルに対する水平火炎試験(DIN EN ISO 15025A)に従って試験したときに、2秒を超える残炎を有するテキスタイルを指す。
【0087】
本開示の目的上、「ラミネート」という用語は、本明細書で使用されるときに、接着剤などを介して結合された少なくとも2つの個別の層を指す。
【0088】
本開示の目的上、「溶融性」という用語は、本明細書で使用されるときに、本明細書に示されるように、265℃以下での溶融及び熱安定性試験に従って試験したときに、溶融するテキスタイル又はテキスタイルラミネートを指す。幾つかの実施形態において、溶融性テキスタイルは、本明細書に開示される溶融及び熱安定性試験に従って、285℃以下で溶融する、又は290℃以下で溶融する、又は300℃以下で溶融するものである。代替実施形態において、溶融性テキスタイルは、ナイロン、ナイロン6,6、ナイロン6、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エラスタン、ポリエステルエーテルコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルウレタンコポリマー、ポリエーテルウレタンコポリマー、ポリエステルエーテルウレタンコポリマー、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの組み合わせもしくはコポリマーを含む。
【0089】
本開示の目的上、「不燃性」という用語は、本明細書で使用されるときに、本明細書で提示されているように、テキスタイルに対する水平火炎試験(DIN EN ISO 15025A)に従って試験したときに、残炎が2秒以下であるテキスタイルを指す。
【0090】
本開示の目的上、「テキスタイル」という用語は、本明細書で使用されるときに、繊維、フィラメント、繊維及び/又はフィラメントを含むヤーン、又はそれらの組み合わせから作られた布帛材料を指す。特に、「テキスタイル」という用語は、本明細書で使用されるときに、繊維、フィラメント及び/又はヤーンから作られた、製造されたシート状構造(例えば、編布、織布又は不織布)を指す。
【0091】
本開示の目的上、「空隙」という用語は、本明細書で使用されるときに、膨張グラファイトの巻きひげ間の空の空間/体積を指す。
【0092】
本開示の目的上、「波形構造」という用語は、国際公開第95/32093号明細書に教示されているように、バリア層が波形、束状、しわ、アーチ状又はひだ状の構成を示すことを意味する。
【0093】
溶融可能層、熱反応性材料を含む中間層、及び場合により存在する追加の層を有する開示のラミネートは、防護服として使用することができる。防護服としては、ジャケット、ズボン、シャツ、ベスト、オーバーオール、手袋、ゲートル、フード及び靴などの衣類が挙げられる。
【0094】
閃光火災又は電気アークにさらされる可能性があり、動きの柔軟性が不可欠な環境でユーザーのパフォーマンスを最適化するには、軽量で延伸性があり、通気性があり、火傷防止性が強化された衣類が、柔らかくドレープ性のある感触とともに望まれている。
【0095】
防護服は、特に閃光火災又は電気アークの危険性はあるものの、可能性は低い場合に広く使用するには軽量である必要がある。テキスタイルラミネートの重量を低減するには、保護特性を失ったり又は通気性を低下させたりすることなく、個々の層の重量を低減しなければならない。さらに、一方向又は多方向の延伸性と回復特性は、防護服の製品の用途において非常に重要である。形状適合性のある防護衣料品は、着用者の快適さに悪影響を与えることなく、ぴったりとフィットすることができる。特に、ラミネートを機械方向と横断方向の両方に延伸する能力、及び延伸量を回復する能力により、二次元ラミネートから作製される三次元物品の形状適合特性の改善が可能になる。さらに、延伸特性により、サイズ要件の軽減、設計の融通性の向上、組み立ての容易さなどの他の利点が得られる。手袋又は靴下などの物品において、その物品を構成する布帛材料が十分な延伸性を有している場合にのみ、容易な着脱が可能となる。このような延伸特性が存在しない場合には、そのような物品は、様々な方向に必要な延伸特性を提供するように各々が配向された様々な部品から組み立てる必要がある。
【0096】
重量特性は、熱反応性材料を含む中間層によって有意に影響され、熱反応性材料は、ポリマー樹脂のポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含む。しかしながら、熱反応性材料の量が減ると、ラミネートの強度及び張力下で構造的一体性を維持する能力が制限されうる。
【0097】
幾つかの実施形態による解決策は、材料、特にポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物の種類と量、及び組立技術を適切に選択して、難燃性及び電気アーク保護特性を維持し、良好な空気透過性及び通気性を備えながら、機械方向及び横断方向の一方又は両方で延伸可能である延伸性難燃性ラミネートを形成することである。
【0098】
例えば、1つの実施形態において、ラミネートは、本明細書に記載の水平火炎試験を使用して難燃性について試験したときに、2秒未満の残炎を有し、延伸力によって少なくとも10%の量延伸され、延伸力を解放したときに延伸量の少なくとも80%を回復するように構成されているラミネートは本明細書に記載されている。
【0099】
ラミネートは、機械方向方向と横断方向の両方に同時に容易に延伸することができ、両方向の延伸からの優れた回復性も示す、すなわち、ラミネートは両方向に弾性特性を有する。ラミネートのバリア層は本質的に弾性でなく、又は非弾性であり、実質的に回復特性を有しないことがある。また、バリア層は、一方向又は両方向の延伸特性が比較的劣ることがあり、これを克服しなければならない。したがって、延伸性ラミネートの弾性挙動は、バリア層と組み合わされる材料の特性、又はラミネートを形成するために使用される加工方法に起因する。
【0100】
機械方向又は横断方向のいずれかにおいて、弾性特性は層の材料特性に起因することができる。例えば、布帛層の一部を形成する編布又は織布の一般に一方向又は両方向に配向したエラストマー性ヤーンの存在、又は一般に等方性弾性特性を有するバリア層に起因することができる。ラミネートのバリア層の限られた延伸性又は異方性延伸性を克服するために、バリア層をテキスタイル層に接着する際に、オーバーフィード、アンダーフィード、幅制御などの方法を使用することができる。このような方法については、以下で詳細に説明する。
【0101】
図1A及び図1Bは、延伸していない又は弛緩した状態(1A)及び延伸した状態(1B)における機械方向の延伸性ラミネートの断面を示し、ラミネート2の様々な層をさらに図示する。
【0102】
具体的には、図1Aは、弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層10と、前記テキスタイル層とバリア層30との間に位置する中間層20とを有する未延伸又は弛緩ラミネート2を示し、中間層は熱反応性材料を含み、熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μmの膨張を有し、バリア層30はポリマー膜又はテキスタイルを含む。ポリマー膜は、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、ポリスルホン又はポリエーテルエーテルケトンを含むことができる。フルオロポリマーとしては、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を挙げることができる。
【0103】
場合により、ラミネートは、バリア層に構造的支持を提供するバッカー層を含む。1つの実施形態において、テキスタイル層10とバリア層30は、ドットパターン22で不連続に適用された中間層20によって互いに接着されており、ドットパターンは接着点22とも呼ばれる。テキスタイル層10の外側を火炎にさらしたときに、熱反応性材料の層を備えたラミネートは、本明細書で提供される水平火炎試験及び自己消火試験方法に従って試験したときに、20秒未満の残炎を有する。
【0104】
延伸していない状態又は弛緩した状態において、バリア層30は、波状、束状、波打ち、又はひだ状の外観を呈する。ラミネート2は、延伸力により少なくとも10%の量延伸され、延伸力を解放すると延伸量の少なくとも80%が回復するように構成されている。
【0105】
ラミネートの幾何学的形状は変化せず、バリア層は機械方向で束状又は波形であり、横断方向で実質的に平らである。ラミネートがバッカー層40を含む幾つかの実施形態において、バリア層の波形構造がバッカー層の存在によって覆われるため、ラミネートは実質的に平らに見える。
【0106】
図1Bに示されるように、機械方向における隣接する接着点22間のバリア層30の長さは、延伸性ラミネート2が弾性回復限界まで延伸されたときの同接着点間の弾性テキスタイル層10の長さと実質的に等しい。不連続接着剤パターン22は、弾性テキスタイル層10を、機械方向に実質的に非弾性であるバリア層30との密接な接触状態に維持する。
【0107】
ラミネートの幾何学的形状の本質的な特徴は変化しないままであり、バリア層は機械方向で束状又は波形であり、横断方向で実質的に平らである。しかしながら、ラミネート2は、波形構造、例えばバリア層30の束ね又はしわが場合によりバッカー層によって覆われることができるため、実質的に平らに見えることができる。
【0108】
材料及び組立技術を適切に選択することにより、延伸性難燃性ラミネートは、様々な価値のある驚くべき結果をもたらす。
【0109】
本開示は、弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、バリア層、前記テキスタイル層と前記バリア層との間に位置する中間層を含むラミネートであって、前記中間層は熱反応性材料を含み、前記熱反応性材料はポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μmの膨張を有し、前記ラミネートは、延伸力によって少なくとも10%の量延伸され、延伸力が解放されたときに延伸量の少なくとも80%が回復するように構成されている、ラミネートに関する。
【0110】
本開示はさらに、弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、5%未満の弾性を有し、ラミネート内に波形構造を画定するバリア層、及び、前記テキスタイル層と前記バリア層との間に熱反応性材料を含む中間層を含むラミネートであって、前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは、TMA膨張試験に従って測定して、280℃で少なくとも900μmの膨張を有する、ラミネートに関する。
【0111】
ラミネートを使用して内側と外側を有する衣類を製造するときに、ラミネートは、ラミネートが衣類の内側に配置されるか、衣類の外側に配置されるか、又は衣類の内側と外側との間に配置されるかにかかわらず、テキスタイル層が衣類の外側領域に面するか又は露出しており、そしてバリア層及び場合によりバッカー層が前記テキスタイル層の反対側に配置される、すなわち着用者に向けられるように配向される。本開示はまた、テキスタイル層が火炎又は電気アークにさらされると、テキスタイル層と熱反応性材料を含む中間層との組み合わせがチャーを形成する実施形態に関する。幾つかの実施形態において、チャーは、テキスタイル層及び熱反応性材料のポリマー材料が燃焼した後に形成される炭素質層を含む。炭素質のチャーは融点が非常に高く、チャーの下にある物質に断熱性を提供する。
【0112】
多種多様な弾性テキスタイルをラミネートに利用できるが、ほとんどの用途では、延伸性ラミネート構造が体の動きに対して過度の抵抗を与えるほど硬くなりすぎないことが非常に望ましい。弛緩長さの200%まで伸長するために約0.2kg/cm幅~約0.3kg/cm幅の力を必要とする弾性テキスタイルは、約0.6kg/cm幅未満の力でその弛緩長さの200%まで延伸できる延伸性ラミネート構造を製造するのに適していることが判明した。
【0113】
適切な弾性テキスタイルとしては、編物テキスタイル、織物テキスタイル又は不織布テキスタイルを挙げることができる。これらのテキスタイルは、一般に、弾性テキスタイルに所望の延伸特性を与えるように編まれた又は織られた、弾性及び非弾性の繊維、フィラメント及び/又はヤーンの両方の組み合わせを含む。典型的な弾性繊維、フィラメント又はヤーンとしては、例えば、エラスタン、ポリエステルエーテルコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルウレタンコポリマー、ポリエーテルウレタンコポリマー、ポリエステルエーテルウレタンコポリマー又はそれらの組み合わせを挙げることができる。典型的な非弾性繊維、フィラメント及び/又はヤーンとしては、例えば、ナイロン、ナイロン6,6、ナイロン6、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの組み合わせもしくはコポリマーが挙げられる。幾つかの実施形態において、繊維、フィラメント及び/又はヤーンは、添加剤、例えば、疎水性添加剤、着色用の染料又は顔料、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0114】
ラミネートは、少量の延伸荷重を加えることで機械方向と横断方向の両方に延伸することができる。これは、ラミネートを特定の方向に一定量だけ伸ばすために単位幅あたりに必要な力である延伸力によって定義される。例えば、10%延伸力は、ラミネートを元の長さの10%延伸するのに必要な単位幅あたりの力である。延伸力は、ラミネートを延伸することができる延伸の容易さの指標である。ラミネートは、本明細書に記載の試験で測定しして、0.15kg/cm幅(0.85Pli)未満の10%延伸力を示す。同様に試験したところ、ラミネートの50%延伸力は、延伸方向に応じて0.08~0.60kg/cm幅(0.45~3.41Pli)の範囲であった。必要な延伸力が低いため、ラミネートは、形状適合性の防護服の製品に使用される布帛材料に望ましい、特に柔らかくドレープ性のある挙動を示す。
【0115】
ラミネートは、その難燃性特性を維持しながら、機械方向と横断方向の両方に同時に延伸することができる。幾つかの実施形態において、ラミネートは、機械方向と横断方向の両方に、元の長さの少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも40%延伸することができる。荷重下で伸びる能力に加えて、ラミネートは、延伸力が解放されたときに両方向に元の長さのほとんどを回復するべきである。幾つかの実施形態において、ラミネートは、延伸量の少なくとも50%、好ましくは65%、最も好ましくは少なくとも80%を回復することができる。
【0116】
テキスタイル層は、織物、編物、不織材料又はそれらの組み合わせを含むことができる。テキスタイル層は、織物、編物及び/又は不織布テキスタイルのうちの1つ以上を含む多層テキスタイルであることができる。弾性テキスタイルは、織布、不織布又は編布を含むことができる。弾性テキスタイルは、硬質又は非エラストマー性繊維及び弾性繊維を含むことができる。テキスタイル層として適したテキスタイルは、例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6.6、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エラスタン、綿又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0117】
幾つかの実施形態において、テキスタイル層は、ラミネートの吸水性を低下させるのに役立つ疎水性処理が施されていてもよい。適切な疎水性処理としては、フッ素化学処理及び/又はシリコーン系処理を挙げることができる。あるいは、他の実施形態において、テキスタイル層は、例えばペルメトリン又はDEETなどの殺虫又は防虫処理が施されていてもよい。テキスタイル層は、ラミネートに吸水性又は防汚性を与えるために、親水性又は疎油性の処理が施されていてもよい。
【0118】
幾つかの実施形態において、テキスタイル層は軽量であることができる。例えば、前述の実施形態のいずれかによるテキスタイル層は、約120グラム/平方メートル(g/m)以下、約110g/m以下、約100g/m以下、約90g/m以下、約80g/m以下、約70g/m以下、60g/m、約50g/m以下、約45g/m以下、約40g/m以下、約35g/m以下、約30g/m以下、約25g/m以下、又は約20g/m以下の重量を有することができる。すべての重量測定は DIN EN 12127 (1997/12)に従って行われる。
【0119】
幾つかの実施形態において、溶融性材料としては、ポリアミド、例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6.6、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エラスタン及びそれらの組み合わせを挙げることができる。溶融性材料としては、少なくとも幾つかの脂肪族基を有するポリエステル又はポリアミドを挙げることができる。溶融性材料は、脂肪族ジオール、ジアミン及び二酸から生成されうる。
【0120】
幾つかの実施形態において、溶融性材料は可燃性であることができ、限定するわけではないが、ナイロン6又はナイロン6,6などのポリアミド、ポリエステル及びポリプロピレンを挙げることができる。幾つかの実施形態において、テキスタイル層は、溶融性で不燃性のテキスタイルを含むことができる。溶融性で不燃性のテキスタイルとしては、例えば、ホスホネート変性ポリエステル(例えば、商品名TREVIRA(登録商標)CS及びAVORA(登録商標)FRとして販売されている材料)が挙げられる。幾つかの溶融性で不燃性のテキスタイルは、従来のラミネート形状に拘束されたときに、テキスタイルが炎から離れるように容易に収縮できず、継続的に燃焼する結果となるため、通常、衣類用途を目的とした耐炎性ラミネートでの使用が意図されていない。しかしながら、テキスタイルラミネートがバッカー層と熱反応性材料を間にさらに含むときに、テキスタイルラミネートは難燃性ラミネート用途に使用できることが判明した。
【0121】
ラミネートはまた、ポリマー膜又はテキスタイルを含むことができるバリア層を含む。幾つかの実施形態において、ポリマー膜は、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、ポリスルホン又はポリエーテルエーテルケトンを含むことができる。フルオロポリマーは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことができる。好ましいポリマー膜材料は、延伸されたミクロ多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。これらの材料は、多数の開いた相互接続した微細な空隙、高い空隙体積、高強度、柔らかく、柔軟で、安定した化学的特性、高い水蒸気透過性、及び良好な汚染制御特性を示す表面を特徴とする。米国特許第3,953,566号及び同第4,187,390号明細書は、そのようなミクロ多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の製造について記載しており、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、バリア層は、2~50グラム/mの重量を有するミクロ多孔質ePTFE膜を含むことができるが、2~30グラム/mの範囲が好ましい。
【0122】
バリア層はまた、熱安定性テキスタイル層であることができる。バリア層は、テキスタイル層と熱安定性テキスタイル層との組み合わせであってもよい。
【0123】
特定の実施形態において、バリア層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、キュプラ、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリエステルもしくはポリプロピレン繊維又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。
【0124】
特定の実施形態において、バリア層は5%未満の弾性を有し、ラミネート内の波形構造によって画定される。
【0125】
中間層はテキスタイル層とバリア層との間に位置する。ラミネートを調製するために、中間層をバリア層、テキスタイル、又はテキスタイル層とバリア層の両方に適用することができる。中間層は連続パターンで適用されうる。中間層は不連続パターンで適用されうる。中間層の不連続層は、ドット、形状、円、正方形、三角形、星、ひし形、五角形、六角形、七角形、八角形、多角形、楕円形、グリッド、ライン、波、ジグザグラインなどのうちの1つ以上を含みうるパターンによる100%未満の表面被覆率を有することができる。中間層を不連続層として適用すると、空気透過性、水蒸気透過性及び/又は手触りが向上することができる。本明細書で使用されるときに、「ドット」という用語は、任意の離散的な形状、例えば、円、正方形、長方形、三角形、ひし形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円形、多角形、星形、ハート形などのうちの1つ以上の任意の形状を意味する。ラインは、直線形状、波形形状、曲線形状又はそれらの混合形状を有することができる。パターンによっては、ドット及びラインは互いに近づき又は広がって配置されうる。ラインはグリッド形状に配置されうる。
【0126】
ドットパターンの不連続な被覆を有する幾つかの実施形態において、ドットは、約0.8mm以上から約5mmまでの範囲の直径を有することができる。ドットは、約0.9mm~約4.5mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約4.0mmの範囲の直径を有する。ドットは、約1.0mm~約3.5mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0~約3.0mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.5mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.25mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.2mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.1mmの範囲の直径を有することができる。ドットは、約1.0mm~約2.0mmの範囲の直径を有することができる。
【0127】
不連続な被覆範囲を有する幾つかの実施形態において、不連続パターンの隣接する領域間の平均距離は、衝突する火炎のサイズよりも小さい。不連続な被覆を有する幾つかの実施形態において、不連続パターンの隣接する領域間の平均距離は、10mm未満、又は5mm未満、又は好ましくは3.5mm未満、又は2.5mm以下、又は1.5mm以下、又は0.5mm以下である。例えば、基材上に捺染されたドットパターンでは、ドット間の間隔が測定される。不連続パターンの隣接する領域間の平均距離は、用途に応じて、40μmより大きく、又は50μmより大きく、又は100μmより大きく、又は200μmより大きくてよい。200μmより大きく500μmより小さいと測定された平均ドット間隔は、本明細書に記載される幾つかのラミネートにおいて有用である。
【0128】
中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約20%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約80%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約75%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約55%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約40%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約35%の範囲を覆うことができる。
【0129】
中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約30%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約45%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約55%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約65%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約70%~約100%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約95%~約100%の範囲を覆うことができる。
【0130】
中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約30%~約70%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約45%~約65%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約25%~約50%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約65%~約90%の範囲を覆うことができる。中間層は、テキスタイル層及び/又はバリア層の表面積の約70%~約80%の範囲を覆うことができる。
【0131】
100%未満の中間層による層の被覆率のこれらの範囲は、空気透過性、手触り、通気性及び/又はテキスタイル重量などのラミネートの特性を改善することができる。例えば、約20%~約95%の堆積で中間層をテキスタイル層及び/又はバリア層に適用すると、中間層がテキスタイル層及び/又はバリア層を100%覆う連続層として適用されるテキスタイルラミネートと比較して、空気透過性、通気性が向上し、手触りが増し、重量が減少したラミネートを得ることができる。
【0132】
幾つかの実施形態において、ラミネートが火炎及び/又は熱、例えば約280℃以上の温度にさらされると、溶融性材料は溶融し始め、その溶融物は熱反応性材料、特に膨張グラファイトを含む材料と混合することができる。このプロセスにより、溶融性材料と熱反応性材料のチャーが形成されうる。溶融性材料及び熱反応性材料を熱及び/又は例えば約280℃以上の高温にさらすことによって生じるチャーは、溶融性材料及び膨張した膨張性グラファイトを含む不均質な溶融混合物であることができる。本開示によれば、チャーとは、溶融性材料及び熱反応性材料を約280℃以上の温度にさらした後に残る炭素質材料を指すことが意図される。約280℃以上の温度では、溶融性材料及びポリマー樹脂の一方又は両方が酸化するか、又は燃焼プロセスに関与して、チャーの一部となる追加の炭素質材料を形成することもある。チャーの形成は、チャーの下の層が熱にさらされるのを防ぐのに役立つことができる。
【0133】
幾つかの実施形態において、熱反応性材料は、膨張すると、膨張グラファイトを含む複数の巻きひげを形成する。膨張プロセス中に、熱反応性材料の総体積は、膨張前の同混合物と比較したときに有意に増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約5倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約6倍に増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約7倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約8倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約9倍増加することができる。熱反応性材料の体積は、膨張後に少なくとも約10倍増加することができる。
【0134】
ラミネートがテキスタイル層、バリア層、及び、図1A中の不連続形態のパターン(例えば、図示されているように)で適用された熱反応性材料を含む中間層を含む実施形態において、熱反応性材料は、膨張して巻きひげを形成し、膨張後に緩く充填され、巻きひげの間に空隙が生じ、また膨張した熱反応性材料のパターン間に空間が生じる。火炎にさらされると、溶融性材料は溶融し、一般に、熱反応性材料の不連続形態の間の開放領域から離れるように動くことができる。バリア層及び/又はバッカー層は、膨張中に熱反応性材料を支持することができ、テキスタイル層及び/又は溶融性材料の溶融物は、溶融中に膨張している熱反応性材料によって吸収及び保持されうる。溶融物を吸収し保持することにより、本明細書に記載のラミネートは溶融物の垂れを示さないことができる。溶融物を吸収し保持することにより、本明細書に記載のラミネートは、本明細書に記載の水平火炎試験によって測定して、不燃性となりうる。バリア層が溶融物吸収中に膨張している熱反応性材料を支持する場合に、熱安定性バッキング層は、破れて開放され又は穴が形成されるのを防ぐことができる。膨張時に熱反応性材料の表面積が増加すると、火炎にさらされた際に膨張した熱反応性材料による、テキスタイル層からの溶融物の吸収が可能になりうる。
【0135】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、溶融物の滴下、穴の形成、及び端部までの火炎又は輝きの広がりを示さないことができる。
【0136】
中間層は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含む熱反応性材料を含む。
【0137】
280℃未満の溶融温度又は軟化温度を有するポリマー樹脂は、開示された実施形態での使用に適している。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のポリマー樹脂は、300℃以下、好ましくは280℃以下の熱にさらされると膨張性グラファイトが実質的に膨張するのに十分な流動性又は変形性を有する。熱反応性材料での使用に適した他のポリマー樹脂により、膨張性グラファイトは、溶融可能な外側テキスタイルの熱分解温度よりも低い温度で十分に膨張することができる。ポリマー樹脂の延伸粘度は、膨張性グラファイトの膨張を可能にするのに十分低く、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトの混合物の膨張後に熱反応性材料の構造的一体性を維持するのに十分に高いことが望ましいことがある。別の実施形態において、200℃で103~108ダイン/cmの貯蔵弾性率と約0.1~約10のTanδを有するポリマー樹脂が使用される。別の実施形態において、103~106ダイン/cmの貯蔵弾性率を有するポリマー樹脂が使用される。別の実施形態において、103~104ダイン/cmの貯蔵弾性率を有するポリマー樹脂が使用される。幾つかの実施形態での使用に適したポリマー樹脂は、グラファイトの膨張を可能にするのに適した、約300℃以下での弾性率及び伸びを有する。幾つかの実施形態での使用に適したポリマー樹脂はエラストマー性である。幾つかの実施形態での使用に適した他のポリマー樹脂は架橋性であり、例えば、商品名「MOR-MELT」R7001E(Rohm and Haasから)で販売されているもののような架橋性ポリウレタンである。他の実施形態において、適切なポリマー樹脂は摂氏50度~摂氏250度の間の溶融温度を有する熱可塑性樹脂であり、例えば、商品名「DESMOMELT」VP KA 8702(Bayer Material Science LLCから)で販売されているものである。本明細書に記載の実施形態での使用に適したポリマー樹脂としては、限定するわけではないが、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、架橋性ポリウレタン及びそれらの組み合わせを含むポリマーが挙げられる。他のポリマー樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニルポリマー、ポリオレフィンから選択される1つ以上のポリマーが挙げられる。他のポリマー樹脂としては、シリコーン又はエポキシを挙げることができる。メラミン、リン及び臭素化化合物、アルミナ三水和物(ATH)などの金属水酸化物、ホウ酸塩及びそれらの組み合わせなどの難燃性材料を場合によりポリマー樹脂に取り込むことができる。
【0138】
幾つかの実施形態において、ポリマー樹脂は水性アクリル樹脂を含む。ポリマー樹脂は、ポリマー樹脂の総質量に基づいて少なくとも25wt%の水性アクリル樹脂と、酢酸ビニル、スチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン又はそれらのコポリマーもしくはブレンドを含む少なくとも1つのポリマー樹脂とを含む。
【0139】
幾つかの実施形態において、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物は、膨張すると、膨張グラファイトを含む複数の巻きひげを形成する。ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物の総表面積は、膨張前の同混合物と比較すると有意に増加する。1つの実施形態において、混合物の表面積は、膨張後に少なくとも5倍増加する。別の実施形態において、混合物の表面積は、膨張後に少なくとも10倍増加する。さらに、巻きひげは、しばしば膨張した混合物から外側に伸びる。ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物が不連続形態で基材上に配置されている場合に、巻きひげは伸びて、不連続ドメイン間の開口領域を少なくとも部分的に満たすことになる。さらなる実施形態において、巻きひげは伸長されて、少なくとも5対1の長さ対幅のアスペクト比を有する。1つの実施形態において、ラミネートが溶融可能な外側テキスタイル、バリア層、及び、不連続形態のパターンで適用されたポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含む熱反応性材料を含み、熱反応性材料は膨張して、膨張後に緩く充填された巻きひげを形成し、巻きひげの間に空隙が生じ、また膨張したポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物のパターン間に空間が生じる。火炎にさらされると、テキスタイル層内の溶融性材料は溶融し、一般に、熱反応性材料の不連続形態の間の開放領域から離れるように動く。バリア層は膨張中に熱反応性材料を支持し、溶融可能な外側テキスタイルの溶融物は、溶融中に膨張している熱反応性材料によって吸収され、保持される。溶融物を吸収及び保持することにより、溶融物の垂れがなく、可燃性を抑えたラミネートを形成することができる。バリア層が溶融吸収中に膨張している材料を支持する場合に、熱安定性テキスタイルバッカーは破れて開き又は穴が形成されることから保護されると考えられている。膨張時に熱反応性材料の表面積が増大することにより、火炎にさらされた際に膨張した熱反応性材料によるテキスタイル層及び/又は溶融性材料からの溶融物の吸収が可能になる。
【0140】
ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物は、膨張性グラファイトの実質的な膨張を引き起こすことなく、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとの緊密なブレンドを提供する方法によって製造されうる。適切な混合方法としては、限定するわけではないが、パドルミキサー、ブレンディング及び他の低剪断混合技術が挙げられる。1つの方法において、ポリマー樹脂と膨張性グラファイト粒子との緊密なブレンドは、膨張性グラファイトをポリマー樹脂の重合前のモノマー又はプレポリマーと混合することによって達成される。別の方法において、膨張性グラファイトを、溶解したポリマーとブレンドすることができ、ここで、溶媒は混合後に除去される。別の方法において、膨張性グラファイトは、グラファイトの膨張温度より低く、かつポリマーの溶融温度より高い温度でホットメルトポリマーとブレンドされる。ポリマー樹脂と膨張性グラファイト粒子又は膨張性グラファイトの凝集体の緊密なブレンドを提供する方法において、膨張性グラファイトは、グラファイトの膨張前にポリマー樹脂によってコーティング又はカプセル化される。他の実施形態において、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を基材に適用する前に、緊密なブレンドが達成される。
【0141】
本発明に適した膨張性グラファイトの粒子サイズは、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物が選択された適用方法で適用できるように選択されるべきである。例えば、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物がグラビア捺染技術によって適用される場合に、膨張性グラファイトの粒子サイズは、グラビアセルに適合するのに十分小さくすべきである。
【0142】
膨張性グラファイトは、本明細書に記載のTMA膨張試験によって測定して、約280℃に加熱すると少なくとも約900マイクロメートル膨張することができる。
【0143】
幾つかの実施形態において、熱反応性材料はFR添加剤を含むことができる。FR添加剤は、窒素系材料及び/又はリン系材料を含むことができる。少なくとも1つのFR添加剤はメラミンであることができる。少なくとも1つのFR添加剤はポリホスフェートであることができる。少なくとも1つのFR添加剤は、メラミンとポリホスフェートの組み合わせであることができる。少なくとも1つのFR添加剤はポリリン酸メラミンであることができる。膨張性グラファイトと少なくとも1つのFR添加剤との混合物は、熱反応性材料の総質量に基づいて、膨張性グラファイトが約5~約45wt%、FR添加剤が約5~約45wt%の範囲で熱反応性材料中に存在しうる。
【0144】
幾つかの実施形態において、熱反応性材料は、約5~約45wt%、又は約5~約40wt%、又は約5~約35wt%、又は 約5~約30wt%、又は約5~約25wt%、又は約5~約20wt%、又は約5~約15wt%、又は約5~約10wt%の範囲で膨張性グラファイトを含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約10~約45wt%の膨張性グラファイト、又は約10wt%~約40wt%、又は約10wt%~約35wt%、又は約15wt%~約45wt%、又は約15wt%~約40wt%、又は約15wt%~約35wt%の膨張性グラファイトを含むことができる。
【0145】
熱反応性材料は、約5~約45wt%、又は約5~約40wt%、又は約5~約35wt%、又は約5~約30wt%、又は約5~約25wt%、又は約5~約20wt%、又は約5~約15wt%、又は約5~約10wt%の範囲の少なくとも1つのFR添加剤を含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、少なくとも1つのFR添加剤を約10~約45wt%、又は約10wt%~約40wt%、又は約10wt%~約35wt%、又は約15wt%~約45wt%、又は約15wt%~約40wt%、又は約15wt%~約35wt%の少なくとも1つのFR添加剤を含むことができる。
【0146】
特定の実施形態において、熱反応性材料は、アクリルポリマー、及び、膨張性グラファイトと少なくとも1つのFR添加剤との混合物を含む。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約40~約90wt%の範囲のアクリルポリマーを含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、膨張性グラファイトとFR添加剤との混合物を約10~約70wt%の範囲で含むことができる。熱反応性材料は、熱反応性材料の総質量に基づいて、約40~約80wt%のアクリルポリマー、及び、約20~約60wt%の膨張性グラファイトとFR添加剤との混合物の範囲で含むことができる。上記で使用した質量パーセントは、熱反応性材料の総質量から、存在する可能性のある揮発性物質、例えば、乾燥及び硬化プロセス中に蒸発することができる水又は他の有機分子を差し引いたものに基づいている。
【0147】
幾つかの実施形態において、熱反応性材料は、1000g/モル未満の分子量を有する少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物を含む。ポリヒドロキシ化合物は、約500g/モル未満、約250g/モル未満、又は約100g/モル未満の分子量を有することができる。ポリヒドロキシ化合物は、例えば、プロパン-1,2,3-トリオールであることができる。
【0148】
特定の実施形態において、熱反応性材料が、後に水が除去される水性アクリル樹脂を含む場合に、ラミネートは、約5~約25ニュートン(N)の範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約6~約25Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約25Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約24Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約23Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約22Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約7~約21Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約22Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約23Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約24Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。ラミネートは、約8~約25Nの範囲の乾燥剥離強度を有することができる。乾燥剥離強度の値は、DIN 54310に従って測定される。
【0149】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、バリア層30に構造的支持を提供するバッカー層40を含む。バッカー層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、銅アンモニウムレーヨン(キュプラ)、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むことができる。
【0150】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、衣料品又は製品に使用され、それには、限定するわけではないが、例えば、ジャケット、ズボン、シャツ、ベスト、オーバーオール、手袋、ゲートル、フード及び靴、ならびにビビーバッグ、テント、カバーなどの衣類が挙げられれる。この衣類は、危険な環境での使用に適していることができ、軽量で柔軟で快適な着用感を持ちながら、通気性と難燃性を備えていることができる。
【0151】
例えば、幾つかの実施形態において、ラミネートは、約80~約240グラム/平方メートル(g/m)の範囲の重量を有する。ラミネートは、約80~約200g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約80~約180g/mの範囲の重量を有する。 ラミネートは、約80~約165g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約80~約150g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約80~約125g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約80~約100g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約80~約90g/mの範囲の重量を有する。
【0152】
幾つかの実施形態において、ラミネートは約95~約240g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約110~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約125~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約140~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約165~約240g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約180~約240g/mの範囲の重量を有することができる。
【0153】
特定の他の実施形態において、ラミネートは、約115~約160g/mの範囲の重量を有することができる。ラミネートは、約95~約150g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約165~約190g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約135~約175g/mの範囲の重量を有する。ラミネートは、約85~約100g/mの範囲の重量を有する。すべての重量測定はDIN EN 12127(1997/12)に従って行われる。
【0154】
さらに、幾つかの実施形態において、ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、少なくとも約50リットル/msの空気透過率を有する材料を含む。他の実施形態において、ラミネートは、約50リットル/msを超える空気透過率を有する材料を含む。他の実施形態において、ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、約50リットル/ms~約500リットル/msの空気透過率を有する材料を含む。他の実施形態において、ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、約75リットル/ms~約500リットル/ms、又は約100リットル/ms~約500リットル/ms、又は約125リットル/ms~約500リットル/ms、又は約150リットル/ms~約500リットル/ms、又は約175リットル/ms~約500リットル/ms、又は約50リットル/ms~約100リットル/ms、又は約75リットル/ms~約100リットル/ms、又は約120リットル/ms~約150リットル/ms、又は約130リットル/ms~約170リットル/ms、又は約140リットル/ms~約180リットル/ms、又は約150リットル/ms~約190リットル/msの空気透過率を有する材料を含む。場合により、他の実施形態において、ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)に従って測定して、約150リットル/msを超える空気透過率を有する材料を含む。空気透過性などの特性は、例えばテキスタイル層、バリア層、中間層及び場合によりバッカー層の特定の組成に応じて、特定の実施形態では低下されうることが理解される。
【0155】
ラミネートは、液体水不透過性であり、約1000g/m/24時間を超える、又は約2000g/m/24時間を超える、又は約3000g/m/24時間を超える、又は約5000g/m/24時間を超える、又は約7000g/m/24時間を超える、又は約9000g/m/24時間を超える、又は約10000g/m/24時間を超える、又はそれ以上である水蒸気透過率(MVTR)を有する程度まで水蒸気透過性である。水蒸気透過率は、本明細書に記載の方法によって測定される。好ましいラミネートは、本明細書に記載の水平火炎試験方法に従って試験したときに、約50秒を超える、約60秒を超える、又はさらには120秒を超える破断開放時間を有する。好ましいラミネートはまた、本明細書に記載の水平火炎試験及び自己消火試験方法に従って試験したときに、20秒未満の残炎を有する。
【0156】
幾つかの実施形態において、ラミネートは、DIN EN 15025A(2017年4月)試験規格に従って試験したときに、約2秒以下、約1.5秒以下、約1秒以下、又は約0.5秒以下の残炎を有する。テキスタイル層の外側が火炎にさらされると、その層内に設けられた溶融性材料が収縮して火炎から離れることができる。溶融可能層は、中間層内の熱反応性材料が膨張している間に溶融し、熱エネルギー及び溶融しているテキスタイルを吸収して、溶融可能層が燃え又は着用者に滴り落ちるのを防ぐことができる。溶融性材料の溶融と熱反応性材料の膨張との組み合わせにより、着用者に優れた快適性を提供し、かつ火傷からの保護を提供できる軽量の延伸性ラミネートを可能にすることができる。このラミネートは、水平火炎試験で試験したときに、実質的に溶融物滴下挙動を示さなかった。
【0157】
図2は、ラミネートの製造方法の1つの実施形態の概略図である。
【0158】
ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含む熱反応性材料の不連続ドットパターンは、バリア層表面の約25~40%の範囲の被覆率を提供するようにグラビアロール16によってバリア層30の一方の表面上に計量され、ラミネート2の中間層20を形成する。別の実施形態において、熱反応性材料は、延伸された弾性テキスタイルに適用される。さらに別の実施形態において、熱反応性材料は、延伸された弾性テキスタイル及びバリア層に適用される。
【0159】
幾つかの実施形態において、中間層は連続パターンで適用される。幾つかの実施形態において、中間層は、任意の適切な形状又は形態の不連続パターンで適用される。例えば、パターンとしては、ドット、形状、円、正方形、三角形、星、ひし形、五角形、六角形のうちの1つ以上を挙げることができる。中間層の不連続層は、表面被覆率が100%未満であることができる。中間層を不連続層として適用すると、ラミネートの空気透過性、水蒸気透過性及び/又は手触りが向上することができる。
【0160】
ドクターナイフ/接着剤リザーバ17及びグラビアロール16は約50℃に加熱される。バリア層は、バリア層30の表面上の接着ドットを除去するのに十分な圧力で、低デュロメータゴムロール18によってグラビアロールに対して最小の張力下で保持される。
【0161】
捺染ニップ19を出ると、中間層20で被覆されたバリア層30はラミネートロール21に運ばれ、そこで弾性布帛10と密接に接触させられ、出口ニップ29の速度を供給ロール23のニップの速度よりも高いことを確保することによって弾性布帛10を延伸状態に保持する。プロセスのこの段階での弾性布帛10の延伸性の制御は、機械方向の最終ラミネートの延伸性がそれに依存するために重要である。
【0162】
典型的に、布帛は、その幅がその初期幅の約50%~90%に減少するように機械方向に延伸される。弾性布帛の伸びが低すぎると、得られるラミネートの延伸特性が低くなり、機械方向の延伸力が大きくなる。しかしながら、弾性布帛の過度の伸びは、機械方向の布帛の非弾性変形につながる可能性があるため、避けなければならない。
【0163】
未硬化中間層20によって作成されたラミネートは、その後に、ロール25の周りに巻き付けられ、ポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含む熱反応性材料を硬化させるのに適した温度まで加熱される。この硬化段階中に、ラミネートは加熱されたロール25に対して張力下に保持され、硬化時間はこのロールの周りの巻き付けの程度及び出口ニップ29における速度によって制御される。出口ニップはゴムロール26によって形成され、周囲温度に維持されながら、加熱されたロール25に対して圧力を加える。この熱ロール中、ロール21とニップ硬化段階との間のラミネートの張力は、ラミネート2のバリア層が29と接触していることが、供給ロール23とニップ27との間の弾性布帛の張力と同じであることが好ましい。
【0164】
ニップ29を出ると、ラミネート2は、ラミネートに張力を加えない状態に維持しながら、ロール28上に巻き取ることによって直ちに弛緩することができる。ラミネートを弛緩した状態で冷却させることは、ラミネートの機械方向の延伸特性を維持する上で重要である。ラミネートが張力下で巻き取られると、弾性布帛の延伸特性が低下するため、ラミネートの延伸特性が悪影響を受ける。
【0165】
図2に記載のプロセスに加えて、延伸性ラミネートは、熱反応性材料の形状及び性質に応じて異なる技術によって製造することもできる。しかしながら、ラミネートが弛緩状態に戻ったときに接着接合が乱されないように、熱反応性材料がバリア層を、延伸された弾性布帛に結合できることが重要である。これは様々な方法で実現できる。好ましいプロセスは、熱反応性材料の熱活性化を使用する。幾つかの実施形態において、熱反応性材料は、熱可塑性接着剤又は熱硬化性接着剤を含む。したがって、代替的に、熱可塑性接着剤の冷却を使用して、そのような接着接合を形成することもできる。別の代替方法は、高グリーン強度の熱硬化性接着剤を使用してそのような接着接合部を作成し、その後に反応させて接着強度を高めることである。
【0166】
幾つかの実施形態において、膨張性グラファイトは、280℃で少なくとも900μm膨張するように構成されている。
【0167】
幾つかの実施形態において、このプロセスは、ラミネートの特性を改善するために弾性テキスタイルに1つ以上の処理を適用することを含む。例えば、弾性テキスタイルは、ラミネートの吸水性を低下させるのに役立つ疎水性処理が施されていることができる。適切な疎水性処理としては、フッ素化学処理及び/又はシリコーン系処理を挙げることができる。弾性テキスタイルは、例えばペルメトリン又はDEETなどの殺虫又は防虫処理が施されていることができる。他の実施形態において、弾性テキスタイルは、ラミネートに所望の吸水性又は防汚性特性を与えるために、親水性又は疎油性の処理を含むことができる。このような処理は、ラミネートの形成前に弾性テキスタイルに施すことができる。あるいは、ラミネートの形成後にそれらを施すこともできる。
【0168】
幾つかの実施形態において、プロセスは、延伸張力なしにオーバーフィードでラミネートを加熱することを含むことができる。
【0169】
幾つかの実施形態において、100%未満の被覆率を達成することは、熱反応性材料を含む中間層をテキスタイル層もしくはバリア層又はその両方の表面上に適用又は捺染することを含む。熱反応性材料の適切な適用、捺染又は堆積方法としては限定するわけではないが、スクリーン捺染、ロータリースクリーン捺染、グラビア捺染、スプレーもしくは散布コーティング、又はナイフコーティングが挙げられる。熱反応性材料のスクリーン捺染又はロータリースクリーン捺染により、より高いレイダウン(グラビアロールで達成できるレイダウンと比較したときに)と低い面積被覆率が可能となり、テキスタイルラミネートの比較的高い通気性が可能になる。この方法を使用すると、熱反応性材料に水分が含まれる可能性があるため、スクリーンの厚さが増加する可能性がある。しかしながら、捺染後に、熱源、例えばオーブン又は加熱ロールを使用して、熱反応性材料から水の少なくとも一部を除去(すなわち、蒸発)させることができる。加熱中に熱反応性材料から水が除去されると、熱反応性材料の質量が低下され、その結果、テキスタイルラミネートがより軽くなることができる。熱反応性材料の水の少なくとも一部が除去されると、熱反応性材料の質量は、水を除去する前の熱反応性材料の質量と比較したときに、約20%程度、又は約25%程度、又は約30%程度、又は約35%程度、又は約40%程度、又は約45%程度減少することができる。
【0170】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。また、本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示のさまざまな態様を説明するために誇張されていることがあり、その点において、図面は限定的なものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0171】
試験方法
特定の方法及び装置を以下に説明するが、当業者によって適切と判断される他の方法又は装置を代替的に利用できることを理解されたい。
【0172】
水平火炎試験
テキスタイル材料サンプルは、DIN EN ISO 15025A(2017年4月)試験規格に従って試験された。サンプルの溶融性テキスタイルを10秒間火炎にさらした。残炎時間は3つのサンプルについて平均された。残炎が2秒を超えるテキスタイルは可燃性であると考えられた。残炎が2秒未満のテキスタイルは不燃性と考えられた。
【0173】
テキスタイル及びテキスタイルラミネートのサンプルを、DIN EN 15025A試験規格に従って難燃性について試験した。サンプルを10秒間火炎にさらした。残炎が2秒を超えるテキスタイル及びテキスタイルラミネートは、難燃性とは考えられなかった。残炎が2秒未満であるテキスタイル及びテキスタイルラミネートは、難燃性であると考えられた。
【0174】
重さ
本明細書に記載のテキスタイルラミネート、溶融可能層及び追加層の重量測定は、DIN EN 12127(1997年12月)に規定されているように実施した。
【0175】
水蒸気透過率(MVTR)
水蒸気透過率(MVTR)を測定するために使用される試験の説明を以下に示す。この手順は、フィルム、コーティング、及びコーティングされた製品の試験に適していることが判っている。
【0176】
口部内径6.5cmの133mlポリプロピレンカップに、酢酸カリウム35質量部と蒸留水15質量部からなる溶液約70mlを入れた。米国特許第4,862,730号明細書(クロスビー)に記載の方法により試験して、約85,000g/m/24時間の最小MVTRを有する延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜をカップの縁にヒートシールして、溶液を含むピンと張った漏れ防止性ミクロ多孔質バリアを作成した。
【0177】
同様の延伸PTFE膜を水浴の表面に取り付けた。温度制御された部屋と水循環浴を利用して、水浴アセンブリを摂氏23度プラス摂氏0.2度に制御した。
【0178】
試験手順を行う前に、試験対象サンプルを摂氏23度の温度及び50パーセントの相対湿度に調整した。ミクロ多孔質ポリマー膜が水浴の表面に取り付けられた延伸ポリテトラフルオロエチレン膜と接触するようにサンプルを配置し、カップアセンブリの導入前に少なくとも15分間平衡化させた。
【0179】
カップアセンブリの重さを1/1000g単位まで計量し、試験サンプルの中心上に逆さまに配置した。
【0180】
水浴内の水と飽和塩水との間の駆動力によって、その拡散方向への拡散によって水流束を提供することより、水の輸送を提供した。サンプルを15分間試験し、その後に、カップアセンブリを取り出し、1/1000g以内で再度計量した。
【0181】
サンプルのMVTRは、カップアセンブリの重量増加から計算され、24時間当たりのサンプル表面積1平方メートル当たりの水のグラム数で表された。
【0182】
空気透過率
本明細書に記載のテキスタイルラミネートの空気透過率は、DIN EN ISO 9237(1995年12月)に規定されているように測定した。
【0183】
乾燥剥離強度
本明細書に記載のテキスタイルラミネートの乾燥剥離強度は、DIN543101980-07に規定されているように測定した。
【0184】
TMA膨張試験
TMA(熱機械分析)を、膨張性グラファイト粒子の膨張を測定するために使用した。膨張は、TA Instruments TMA 2940 機器を使用して試験した。直径約8mm、高さ12mmのセラミック(アルミナ)TGAパンをサンプルの保持に使用した。直径約6mmのマクロ膨張プローブを使用して、パンの底をゼロに設定した。次いで、TMAプローブによって測定して約0.1~0.3mmの深さの膨張性グラファイトのフレーク(約15mg)をパンに入れた。炉を閉じて、初期サンプルの高さを測定した。炉を、10℃/分の昇温速度で約25℃から600℃まで加熱した。TMAプローブの変位を温度に対してプロットした。変位を膨張の尺度として使用した。
【0185】
炉膨張試験
ニッケルるつぼを高温炉内で300℃で2分間加熱した。測定した膨張性グラファイトのサンプル(約0.5グラム)をるつぼに加え、300℃の高温炉に3分間入れた。加熱期間後、るつぼを炉から取り出して放冷し、次いで、膨張したグラファイトをメスシリンダーに移して膨張体積を測定した。膨張体積をサンプルの元の重量で割って、膨張を立方センチメートル/グラムで求めた。
【0186】
DSC吸熱試験
試験は、Tzero(商標)気密パンを使用して、TA instrumentsのQ2000 DSCで行った。各サンプルについて、約3ミリグラムの膨張性グラファイトをパンに入れた。かみそりの刃の角を中央に押し込むことによってパンの通気を行い、長さ約2ミリメートル、幅1ミリメートル未満の通気孔を作成した。DSCは20℃で平衡化された。次に、サンプルを10℃/分で20℃から400℃まで加熱した。吸熱値はDSC曲線から得られた。
【0187】
溶融及び熱安定性試験
この試験を使用してテキスタイル材料の熱安定性を測定した。この試験は、NFPA 1975、2004年版のセクション8.3に記載されているとおりの熱安定性試験に基づいている。試験オーブンは、ISO 17493で指定されているとおりの熱風循環オーブンであった。試験は、ASTM D 751、コーティングされた布帛の標準試験方法に従って、高温での耐ブロッキング性の手順(セクション89~93)を使用して実施されたが、以下の変更を伴った。
寸法100mm×100mm×3mm(4インチ×4インチ×0.12インチ)のホウケイ酸ガラス板を使用した。
試験温度は摂氏265度、摂氏+3/-0度(華氏510度、華氏+5/-0度)であった。
オーブンからガラス板を取り出した後に、試験片を少なくとも1時間冷却させた。
【0188】
ガラス板にくっついているサンプル面、広げたときにそれ自体にくっついているサンプル面、又は溶融もしくは滴下の証拠を示すサンプル面は、溶融可能であると考えられた。溶融可能面の証拠が欠けているサンプルは熱安定性があると考えられた。
【0189】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態に関しての両方で上記に説明された。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることが明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を包含することが意図されている。
【実施例
【0190】

熱反応性材料の調製#1
【0191】
難燃性ポリウレタン樹脂は、共通の名義の米国特許第4,532,316号明細書に従ってまず樹脂を形成し、リン系難燃性材料を反応器に約20wt%の量で添加することによって調製された。ポリウレタン樹脂が形成された後に、65グラムのポリウレタン樹脂を、24グラムの膨張性グラファイト(TMA膨張試験によって決定して、280℃で900マイクロメートルを超える膨張を有する膨張性グラファイト)及び追加の17グラムの別のリン系難燃性材料と撹拌容器内で80℃で混合した。混合物を冷却し、そのまま使用した。
【0192】
ラミネート#1の調製
【0193】
ラミネート#1は、図2に示すようなラミネート化装置を使用して調製した。熱反応性材料#1を、W.L. Gore and Associates GmbH、ドイツ、ミュンヘンから入手可能な部品番号4410012のePTFEフィルム上にグラビア捺染した。熱反応性材料#1のドットパターンを、50℃に加熱したグラビアロールを使用してePTFEフィルム上で計量供給して、約40%の被覆率及び38~45グラム/平方メートルの接着剤レイダウンを提供した。低デュロメータゴムロールを使用して、ePTFEフィルムを最小限の張力でグラビアロールの表面に保持し、ePTFEフィルムの片面にドットを捺染した。次に、ePTFEフィルムの捺染表面を弾性テキスタイル(129グラム/平方メートルのポリエステルツイル)に結合させ、弾性テキスタイルを機械方向に延伸して、その幅を緩和状態での幅の約70%に縮小させた。次いで、2層ラミネートを180℃に加熱した6インチのクロムロールの周りに巻き付けて、ePTFEフィルム表面をクロムロールと接触させたまま熱反応性材料を硬化させた。ホットクロムロール表面の約65%がラミネートで覆われ、ラミネートはホットクロムロールに対して張力下で保持され、周囲温度で低デュロメータのゴムロールが最小限の張力でクロムロールに押し付けられることによって形成されたニップを通って移動した。ラミネートがニップを出るとすぐに、それを巻き取る前に弛緩した状態で冷却し、堆積させた。
【0194】
ラミネート#1のサンプルは2つの主表面を有し、一方の表面は弾性テキスタイル層であり、第二の表面はePTFE層である。ラミネート♯1のサンプルは機械方向に13%延伸され、延伸力を取り除いた後に、30分以内に元の長さの99%が回復された。
図1A
図1B
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0194
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0194】
ラミネート#1のサンプルは2つの主表面を有し、一方の表面は弾性テキスタイル層であり、第二の表面はePTFE層である。ラミネート♯1のサンプルは機械方向に13%延伸され、延伸力を取り除いた後に、30分以内に元の長さの99%が回復された。
(態様)
(態様1)
弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、
バリア層、及び、
前記テキスタイル層と前記バリア層との間に位置する中間層、
を含む、ラミネートであって、
前記中間層は熱反応性材料を含み、前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μmの膨張を有し、
前記ラミネートは、延伸力によって少なくとも10%の量延伸され、延伸力が解放されると延伸量の少なくとも80%を回復するように構成されている、ラミネート。
(態様2)
弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、
5%未満の弾性を有し、ラミネート内に波形構造を画定するバリア層、及び、
前記テキスタイル層と前記バリア層との間に熱反応性材料を含む中間層
を含み、
前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは、TMA膨張試験に従って測定して、280℃で少なくとも900μmの膨張を有する、ラミネート。
(態様3)
前記溶融性材料は可燃性である、態様1記載のラミネート。
(態様4)
前記ラミネートは、前記バリア層に構造的支持を提供するバッカー層をさらに含む、態様1~3のいずれか1項記載のラミネート。
(態様5)
前記バッカー層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、銅アンモニウムレーヨン(キュプラ)、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、態様4記載のラミネート。
(態様6)
前記熱反応性材料は、少なくとも1つの難燃性(FR)添加剤、及び、1000g/モル未満の分子量を有する少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物をさらに含む、態様1~5のいずれか1項記載のラミネート。
(態様7)
前記テキスタイル層は10%を超える延伸性、及び、回復性を有する、態様1~6のいずれか1項記載のラミネート。
(態様8)
前記テキスタイル層はエラスタン繊維を含む、態様1~7のいずれか1項記載のラミネート。
(態様9)
前記テキスタイル層はポリアミド及びポリエステルから選択される、態様1~8のいずれか1項記載のラミネート。
(態様10)
前記ラミネートは、DIN 54310で測定して、約5~約25ニュートン(N)の範囲の乾燥剥離強度を有する、態様1~9のいずれか1項記載のラミネート。
(態様11)
前記中間体は、連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用されている、態様1~10のいずれか1項記載のラミネート。
(態様12)
前記中間層は、ドットの不連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用されている、態様1~10のいずれか1項記載のラミネート。
(態様13)
前記ドットは直径が0.8mm~5mmの範囲である、態様12記載のラミネート。
(態様14)
前記熱反応性材料は、溶融可能層の表面積の約25%~約100%を覆う、態様1~13のいずれか1項記載のラミネート。
(態様15)
前記バリア層はポリマー膜又はテキスタイルを含む、態様1~14のいずれか1項記載のラミネート。
(態様16)
前記ポリマー膜は、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、ポリスルホン又はポリエーテルエーテルケトンを含む、態様16記載のラミネート。
(態様17)
前記フルオロポリマーは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、態様17記載のラミネート。
(態様18)
前記ラミネートは、約80~約240グラム/平方メートル(gsm)の範囲の重量を有する、態様1~17のいずれか1項記載のラミネート。
(態様19)
前記ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)によって測定して少なくとも50リットル/m sの空気透過率を有する材料を含む、態様1~18のいずれか1項記載のラミネート。
(態様20)
前記ラミネートは、液体水不透過性であり、少なくとも2000g/m /24時間の水蒸気透過率を有する程度まで水蒸気透過性である、態様1~19のいずれか1項記載のラミネート。
(態様21)
態様1~20のいずれか1項記載のラミネートを含む衣料品又は製品。
(態様22)
前記衣料品は、内側と外側とを有する衣類であり、前記ラミネートは、前記衣類の外側に配置されている、態様21記載の衣料品。
(態様23)
前記ラミネートは前記衣類の内側に配置されている、態様22記載の衣料品。
(態様24)
前記ラミネートは前記衣類の内側と外側との間に配置されている、態様22記載の衣料品。
(態様25)
前記製品はビビーバッグ、テント又はカバーである、態様22記載の製品。
(態様26)
ラミネートの製造方法であって、
初期弛緩幅を有する弾性テキスタイルに対して機械方向に延伸力を加えて、前記弾性テキスタイルを延伸させ、前記弾性テキスタイルの幅を前記初期弛緩幅の90パーセント以下に減少させること、
バリア層を提供すること、
熱反応性材料の層を、延伸した弾性テキスタイルもしくはバリア層又はその両方に適用すること、
前記熱反応性材料が前記弾性テキスタイルと前記バリア層との間に位置するように、前記バリア層を前記延伸した弾性テキスタイルに接着させること、
前記弾性テキスタイルが延伸したままである間に前記熱反応性材料を硬化させること、及び、
前記弾性テキスタイルに対する延伸力を低減してラミネートを製造すること、
を含み、
前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μm膨張するように構成されており、
前記延伸力が減少した後に、前記バリア層は波形構造を有する、方法。
(態様27)
前記方法は、
前記ラミネートの前記弾性テキスタイルに疎水性処理を施すことをさらに含む、態様27記載の方法。
(態様28)
前記方法は
前記延伸力なしにオーバーフィードでラミネートを加熱することをさらに含む、態様27記載の方法。
(態様29)
前記熱反応性材料は不連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用される、態様27記載の方法。
(態様30)
前記熱反応性材料は少なくとも1つの難燃性添加剤及び少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物を含む、態様27~30のいずれか1項記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、
バリア層、及び、
前記テキスタイル層と前記バリア層との間に位置する中間層、
を含む、ラミネートであって、
前記中間層は熱反応性材料を含み、前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μmの膨張を有し、
前記ラミネートは、延伸力によって少なくとも10%の量延伸され、延伸力が解放されると延伸量の少なくとも80%を回復するように構成されている、ラミネート。
【請求項2】
弾性であり、溶融性材料を含むテキスタイル層、
5%未満の弾性を有し、ラミネート内に波形構造を画定するバリア層、及び、
前記テキスタイル層と前記バリア層との間に熱反応性材料を含む中間層
を含み、
前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは、TMA膨張試験に従って測定して、280℃で少なくとも900μmの膨張を有する、ラミネート。
【請求項3】
前記溶融性材料は可燃性である、請求項1記載のラミネート。
【請求項4】
前記ラミネートは、前記バリア層に構造的支持を提供するバッカー層をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項5】
前記バッカー層は、アラミド、難燃性綿、綿、亜麻、銅アンモニウムレーヨン(キュプラ)、アセテート、トリアセテート、ウール、ビスコース、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、FRレーヨン、モダクリル、モダクリル/綿ブレンド、ポリアミン、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項4記載のラミネート。
【請求項6】
前記熱反応性材料は、少なくとも1つの難燃性(FR)添加剤、及び、1000g/モル未満の分子量を有する少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物をさらに含む、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項7】
前記テキスタイル層は10%を超える延伸性、及び、回復性を有する、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項8】
前記テキスタイル層はエラスタン繊維を含む、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項9】
前記テキスタイル層はポリアミド及びポリエステルから選択される、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項10】
前記ラミネートは、DIN 54310で測定して、5~25ニュートン(N)の範囲の乾燥剥離強度を有する、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項11】
前記中間は、連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用されている、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項12】
前記中間層は、ドットの不連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用されている、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項13】
前記ドットは直径が0.8mm~5mmの範囲である、請求項12記載のラミネート。
【請求項14】
前記熱反応性材料は、溶融可能層の表面積の25%~100%を覆う、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項15】
前記バリア層はポリマー膜又はテキスタイルを含む、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項16】
前記ポリマー膜は、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、ポリスルホン又はポリエーテルエーテルケトンを含む、請求項15記載のラミネート。
【請求項17】
前記フルオロポリマーは延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項16記載のラミネート。
【請求項18】
前記ラミネートは、8~240グラム/平方メートル(gsm)の範囲の重量を有する、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項19】
前記ラミネートは、DIN ISO 9237(1995)によって測定して少なくとも50リットル/msの空気透過率を有する材料を含む、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項20】
前記ラミネートは、液体水不透過性であり、少なくとも2000g/m/24時間の水蒸気透過率を有する程度まで水蒸気透過性である、請求項1~のいずれか1項記載のラミネート。
【請求項21】
請求項1~のいずれか1項記載のラミネートを含む衣料品又は製品。
【請求項22】
前記衣料品は、内側と外側とを有する衣類であり、前記ラミネートは、前記衣類の外側に配置されている、請求項21記載の衣料品。
【請求項23】
前記ラミネートは前記衣類の内側に配置されている、請求項22記載の衣料品。
【請求項24】
前記ラミネートは前記衣類の内側と外側との間に配置されている、請求項22記載の衣料品。
【請求項25】
前記製品はビビーバッグ、テント又はカバーである、請求項21記載の製品。
【請求項26】
ラミネートの製造方法であって、
初期弛緩幅を有する弾性テキスタイルに対して機械方向に延伸力を加えて、前記弾性テキスタイルを延伸させ、前記弾性テキスタイルの幅を前記初期弛緩幅の90パーセント以下に減少させること、
バリア層を提供すること、
熱反応性材料の層を、延伸した弾性テキスタイルもしくはバリア層又はその両方に適用すること、
前記熱反応性材料が前記弾性テキスタイルと前記バリア層との間に位置するように、前記バリア層を前記延伸した弾性テキスタイルに接着させること、
前記弾性テキスタイルが延伸したままである間に前記熱反応性材料を硬化させること、及び、
前記弾性テキスタイルに対する延伸力を低減してラミネートを製造すること、
を含み、
前記熱反応性材料は、ポリマー樹脂と膨張性グラファイトとのポリマー樹脂-膨張性グラファイト混合物を含み、前記膨張性グラファイトは280℃で少なくとも900μm膨張するように構成されており、
前記延伸力が減少した後に、前記バリア層は波形構造を有する、方法。
【請求項27】
前記方法は、
前記ラミネートの前記弾性テキスタイルに疎水性処理を施すことをさらに含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記方法は
前記延伸力なしにオーバーフィードでラミネートを加熱することをさらに含む、請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記熱反応性材料は不連続パターンで前記テキスタイル層又は前記バリア層に適用される、請求項26記載の方法。
【請求項30】
前記熱反応性材料は少なくとも1つの難燃性添加剤及び少なくとも1つのポリヒドロキシ化合物を含む、請求項2629のいずれか1項記載の方法。
【国際調査報告】