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特表2024-518502電気自動車用バッテリーキャリア及びバッテリーキャリア付き電気自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】電気自動車用バッテリーキャリア及びバッテリーキャリア付き電気自動車
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20240423BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01M10/42 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569840
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2022053870
(87)【国際公開番号】W WO2022238026
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】102021112253.8
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523425175
【氏名又は名称】イーワークス モービリティ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】E‐WORKS MOBILITY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アシュカー ドミニク
【テーマコード(参考)】
3D235
5H030
【Fターム(参考)】
3D235AA04
3D235BB17
3D235CC15
3D235DD35
3D235DD36
3D235EE63
3D235FF02
3D235FF12
5H030AA09
5H030AS08
(57)【要約】
【課題】
設置スペースの利用に関して改善され、傾斜したドライブシャフトを備えた商用車に適する追加装備可能なバッテリーキャリア
【解決手段】
車両に追加装備して電気自動車にするためバッテリーキャリアであって、2つの互いに対向する、互いに間隔をあけて配置された脚部と、前記2つの互いに対向する、互いに間隔をあけて配置された脚部を一端で互いに連結する連結部とを有するU字形ベースプレートと、2つの互いに対向し、互いに間隔をあけて配置された脚部と、前記2つの互いに対向し、互いに間隔をあけて配置された脚部を一端で互いに連結する連結部とを有するU字形カバーと、前記U字形バッテリーキャリアの、脚部と連結部とを有する内部空間が形成されるように前記U字形ベースプレートと前記U字形カバーとを互い連結する壁部と、を有するバッテリーキャリア。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に追加装備して電気自動車にするためバッテリーキャリア(1)であって、
2つの互いに対向する、互いに間隔をあけて配置された脚部(11、12)と、前記2つの互いに対向する、互いに間隔をあけて配置された脚部(11、12)を一端で互いに連結する連結部(13)とを有するU字形ベースプレート(10)と、
2つの互いに対向し、互いに間隔をあけて配置された脚部(21、22)と、前記2つの互いに対向し、互いに間隔をあけて配置された脚部(21、22)を一端で互いに連結する連結部(23)とを有するU字形カバー(20)と、
前記U字形バッテリーキャリア(1)の、脚部と連結部とを有する内部空間が形成されるように前記U字形ベースプレート(10)と前記U字形カバー(20)とを互い連結する壁部(30)と、
を有するバッテリーキャリア(1)。
【請求項2】
前記U字形ベースプレート(10)の、前記互いに対向し、互いに間隔をあけて配置された脚部(11、12)が、前記U字形カバー(20)の、前記互いに対向し、互いに間隔をあけて配置された脚部(22、23)よりも短く、前記U字形バッテリーキャリア(1)の前記内部空間の脚部の間に前記U字形ベースプレート(10)の安定化部(15)が設けられ、前記安定化部(15)は、前記U字形バッテリーキャリア(1)の前記内部空間の境界面を形成しないこと特徴とする請求項1に記載のバッテリーキャリア(1)。
【請求項3】
前記安定化部(15)上の互いに対向する前記壁部(30)の間に少なくとも1つの横方向補強部材(16a、16b、16c、16d)が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーキャリア(1)。
【請求項4】
前記安定化部(15)上の互いに対向する前記壁部(30)の間に複数の横方向補強部(16a、16b、16c、16d)が配置され、隣接する前記複数の横方向補強部材(16a、16b、16c、16d)の高さが、前記ベースプレート(10)の前記連結部(15)に向かう方向に増加することを特徴とする請求項3に記載のバッテリーキャリア(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの横方向補強部材(16a、16b)の、底面から離れている方の側に凹部を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のバッテリーキャリア(1)。
【請求項6】
前記バッテリーキャリア(1)は、少なくとも部分的に発泡アルミニウムで作られていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のバッテリーキャリア(1)。
【請求項7】
前記バッテリーキャリア(1)の前記内部空間が水密であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のバッテリーキャリア(1)。
【請求項8】
前記バッテリーキャリア(1)は、車両のフレーム(60)の側部、前方車軸フレーム、重ね板バネ取付部、及び/又は前記フレーム(60)の中央部に取り付けるための取り付け点(62)を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のバッテリーキャリア(1)。
【請求項9】
電気自動車であって、フレーム(60)と、前記電気自動車の一端部に配置されたエンジンと、前記電気自動車の前記エンジンと反対側の他端部に配置された従動車軸(61)と、前記エンジンによって駆動されると、前記従動車軸(61)に駆動力を伝達可能なドライブシャフト(50)とを備えた電気自動車であって、前記ドライブシャフト(50)は、前記エンジンから前記従動車軸(61)に対して上方から下方に向かって斜めに延びており、前記電気自動車は、前記バッテリーキャリア(1)内に配置されたバッテリを介して電力を供給可能な電気駆動装置をさらに備えており、
前記バッテリーキャリア(1)が、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のバッテリキャリア(1)であり、前記ドライブシャフト(50)が、前記バッテリキャリア(1)の前記内部空間の前記脚部の間の領域を少なくとも部分的に横切ることを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気自動車の設計で解決すべき基本的な問題は、電気エネルギーの貯蔵装置、すなわちバッテリーの車両への配置と搭載である。これは、後で改造によって初めて電気自動車に変換される車両に特に当てはまる。ここで、本明細書で使用される意味での「電気自動車」という用語には、ハイブリッド自動車も含まれること、すなわち、純粋に電気を動力とする自動車だけに適用されるものではない。
【背景技術】
【0002】
このような改造は、特に輸送トラックのような商用車の場合、検討に値することが多い。これには、2つの理由がある。第1に、商用車は一般に、従来の自動車よりも大幅に高い積載量を想定して設計されている。したがって、電気駆動用の部品を追加しなくても、許容総重量が車両の無積載重量を数百キログラムしか上回っていない車両に比べて、商用車は、電気駆動用の駆動部品の追加による重量の増加への対応は容易である。第2に、一般的に比較的重い車両部品であるバッテリーは、車両の重心を低く保つために車両の下に配置するのに適している。しかし、商用車、特に輸送トラックは、乗用車よりも地上高が大きいことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 10 2012 220 074 A1
【特許文献2】DE 10 2014 219 224 A1
【特許文献3】DE 10 2018 206 253 A1
【特許文献4】DE 10 2019 204 787 A1
【特許文献5】DE 10 2018 202 191 A1
【特許文献6】DE 10 2015 100 244 A1
【特許文献7】DE 10 2018 100 555 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車を製造し、通常の車両を電気自動車に改造したり、ハイブリッド自動車に改造したりする場合、利用可能な設置スペースをめぐって他の車両部品といつも競合することになる。これは特に、エンジンが車両の一端、例えば前部に配置されているが、このエンジンは、車両の他端で、例えば後部の車軸を駆動するために使用され、さらに、後部の車軸に動力を伝達するためにドライブシャフトが使用される電気自動車に当てはまる。ドライブシャフトの延び方は基本的にあらかじめ決まっており、限られた範囲にしかできない。
【0005】
DE 10 2012 220 074 A1(特許文献1)に開示されているように、電気自動車のベースプレートの下にバッテリーを備えたバッテリーユニットを配置するものが知られており、このバッテリーユニットには、カルダンシャフトを収容するための凹部が設けられている。しかしこの配置は、商用車によく見られる斜めに延びるカルダンシャフトには適さない。
【0006】
DE 10 2014 219 224 A1(特許文献2)に開示されているように、バッテリーを備えた2つのバッテリーユニットがドライブシャフトに対向する両側に配置され、連結ユニットで互いに連結されているものが知られている。しかし、これでは貴重な設置スペースを無駄にしてしまう。
【0007】
ハイブリッド車及び/又は電気自動車におけるバッテリーセルの配置のためのさらなる構造は、例えば、DE 10 2018 206 253 A1(特許文献3)、DE 10 2019 204 787 A1(特許文献4)、DE 10 2018 202 191 A1(特許文献5)、DE 10 2015 100 244 A1(特許文献6)、DE 10 2018 100 555 A1(特許文献7)に開示されている。
【0008】
したがって、本発明の課題は、特に設置スペースの利用に関して改善され、特に傾斜したドライブシャフトを備えた商用車に適した、追加装備可能なバッテリーキャリア及びそのようなバッテリーキャリアを備えた電気自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を備えたバッテリーキャリアと、請求項9の特徴を備えた電気自動車によって解決される。本発明の有利なさらなる実施形態は、従属請求項の主題である。
【0010】
本発明によるバッテリーキャリアは、特に車両に追加装備して電気自動車に改造するのに適している。バッテリーキャリアは、バッテリーキャリアが意図された通りに設置されたときに道路に面するU字形ベースプレートと、好ましくは同様にプレートとして構成されるU字形カバーの両方を有する。U字型カバーはベースプレートと対向し、好ましくは平行に配置される。ベースプレートとカバープレートは、基本的にいくつかの部品から構成することができるが、好ましくはそれぞれ単一部品として構成される。また、ベースプレートとカバーは、好ましくは、U字の開いた側が同じ方向を向くように互いに配置される。
【0011】
これらの部品のU字形状からわかるように、これらの部品はそれぞれ、2つの対向し、互いに間隔をあけた脚部と、これら2つの対向し、それぞれから間隔をあけた脚部を一端で結合する連結部とを有する。その際、連結部分は、通常の「U」の字のように必ずしも湾曲している必要はなく、例えば典型的なU字型の特徴で知られているように、直線状でも構わない。
【0012】
特に、ベースプレートとカバーの全長、およびベースプレートとカバーの全幅は、好ましくは同一である。
【0013】
さらに、バッテリーキャリアは、∪字型ベースプレートと∪字型カバーとを互いに連結する壁部を有し、それにより、脚部と連結部とを有する∪字型のバッテリーキャリアの内部空間が形成される。壁部は、好ましくはベースプレートとカバーの両方に垂直に配置される。その結果、バッテリーキャリアボックス(バッテリーキャリアの箱)の内部空間には、バッテリーや関連する電子機器、センサーが保護された形で配置され、適切に設計されていれば、車両全体を安定させ、事故時の乗員の安全性を向上させることができる。
【0014】
このバッテリーキャリア又はバッテリーキャリアボックスの特別な特徴は、ベースプレートとカバーのU字形状により、片側にスロットがあることである。このスロットは、バッテリーキャリアを取り付けたときに、都合よく従動車軸に面し、傾斜したドライブシャフトの一部が、車両が歪んだり、リバウンドしているときでも、自由に延びることができるようになっている。
【0015】
特に、本発明によるバッテリーキャリアでは、ベースプレートにより、路面の方向にバッテリーキャリアの閉鎖が提供され、走行時に走行気流によって生じる車体下部の空気抵抗が最小限に抑えられ、走行挙動が安定する。ベースプレートはまた、バッテリーモジュールとドライブシャフトの一部を下からの損傷から保護する。
【0016】
さらに、バッテリーキャリアの形状は、その重心を前方、つまりバッテリーキャリア装着時にエンジン側に移動させるが、後輪の車軸荷重を過度に増加させないように構成されており、高い積載量の荷重を後輪の車軸にかけることができる。
【0017】
この効果は、以下に述べるような素材の巧みな選択によって、好ましくはさらに高めることができる。
【0018】
本発明の好ましいさらなる展開によれば、ベースプレートの対向する、互いに間隔をあけて配置された脚部が、カバーの対向する、互いに間隔をあけて配置された脚部よりも短くなるように構成される。これにより、U字形ベースプレートの安定化部がU字形バッテリーキャリアの内部空間の脚部の間に存在し、この安定化部は、U字形バッテリーキャリアの内部空間の境界面を形成しない。従って、ベースプレートとカバーが同じ長さであれば、ベースプレートの連結部の長さはカバーの連結部の長さよりも大きくなる。
【0019】
ベースプレートとカバーの異なる∪字形状は、好ましくは、ベースプレートとカバーになる2枚の同じ形状のプレートに、∪字の2本の脚部の間に異なる長さで、両プレートの同じエッジ領域から始まる隙間を導入することによって作られる。
【0020】
この安定化部は、その上を延びるドライブシャフトの部分を保護し、また、バッテリーキャリアの2つの脚部の互いに対する支持特性を向上させ、これによりバッテリーキャリアの脚部の先端の領域で横方向の力が加わった場合の衝突挙動が改善される。
【0021】
この効果は、少なくとも1つの横方向補強部材の配置によってさらに高められる。もちろん、この横方向補強部材は、ドライブシャフトが自由に延びることを損なわない程度にしか、上方、すなわち車両フロア方向に延びない。対向する壁部間の安定化部に複数の横方向補強部材が配置され、隣接する横方向補強部材の高さがバッテリーキャリアの内部空間の連結部の方向に向かって増加している。ドライブシャフトが傾斜して延びることを考慮して横方向補強部材の厚さをさらに最適化することができる。
【0022】
少なくとも1つの横方向補強部材が、底面から離れた側に凹部を備えているため、横方向補強部材にもかかわらずドライブシャフトの延びが損なわれることはない。
【0023】
こうして、選択された幾何学的構成の結果として、バッテリーキャリアが形態安定性を有するコンパクトなユニットであり、このユニットが、車両の下とドライブシャフト周辺の空きスペースによって提供される限られた設置スペースを最適に利用し、最大数のバッテリーモジュールと、必要に応じて制御および監視用電子機器を収容することができることが保証される。
【0024】
発泡アルミニウムは、バッテリーキャリアを少なくとも部分的に製造する材料として特に有利である。特に、バッテリーキャリアの少なくともベースプレート、理想的にはバッテリーキャリア全体が、この機械的に非常に弾力性のある軽量な材料で作られていることが望ましい。また、この素材は錆びにくく、不燃性で、防火規格DIN EN 45545-2を満たし、耐火クラスE30、DIN EN 13501-2、DIN EN 1363-1を達成している。この材料は、有毒ガスを発生させることなく溶接できるため、万一損傷しても簡単に修復できる。また、技術監査協会によるEMCテストに合格する際に有利な電磁シールド性も備えており、振動を効果的に低減する。
【0025】
好ましくは、カバー、ベースプレート及び壁部は、バッテリーキャリアの内部空間が水密になるように接続され、密閉される。これは、具体的には、例えば、壁部をカバーとベースプレートに溶接又は接着し、その際、好ましくは、壁部は、カバー又はベースプレートの溝にはめ込まれることによって達成することができる。
【0026】
バッテリーキャリアが、車両のフレーム側部、前方車軸フレーム、重ね板バネ取付部、及び/又はフレーム中央部に設置するための取り付け点を備えている場合、バッテリーキャリアは、さらに非常に簡単かつコスト効率よく追加装備又は設置することができる。
【0027】
本発明による電気自動車は、車両フレームと、電気自動車の一方の端部に配置されたエンジンと、電気自動車のエンジンとは反対側の端部に配置された従動車軸と、エンジンによって駆動され、駆動力を従動車軸に伝達するドライブシャフトとを有する。ここで、「自動車の端部」という用語は、フロント・エンジンを備えた従来の自動車ではエンジンが前方の端部に配置され、リア・エンジンを備えた従来の自動車ではエンジンが後方の端部に配置されるという意味で使用されている。ここで、「端部」という言葉は、ここでは終点や境界線としてではなく、端部の領域として理解される。
【0028】
ドライブシャフトは、エンジンから従動車軸まで上から下へ、つまりエンジンから道路に向かって斜めに延びている。電気自動車はまた、バッテリーキャリアに配置されたバッテリーにより電力を供給できる電気駆動装置を備えている。バッテリーキャリアが本発明によるバッテリーキャリアであり、ドライブシャフトが少なくとも部分的にバッテリーキャリアの内部空間の脚部の間の領域を横切ることが、本発明にとって本質的である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、設置スペースの利用に関して改善され、傾斜したドライブシャフトを備えた商用車に適する追加装備可能なバッテリーキャリアを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】バッテリーキャリアの一実施形態を示す図である。
図2図1に示すバッテリーキャリアを取り付けた電気自動車のフレームを下から見た図である。
図3図1に示すバッテリーキャリアを取り付けた電気自動車のフレームを上から見た図である。
図4図1に示すバッテリーキャリアを取り付けた電気自動車のフレームの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施形態例を示す図を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。
【0032】
図1乃至図4に示すバッテリーキャリア1は、特に図2の図でよく分かるように、U字形ベースプレート10を有し、このU字形ベースプレート10は、特に、スロット14によって互いに間隔をあけて配置された2つの対向する脚部11、12と、互いに間隔をあけて配置された2つの対向する脚部11、12をエンジンに面する端部で互いに連結する連結部13とを有する。図2に示すように、好ましくは発泡アルミニウム製のベースプレート10は、一体部品として構成され、意図されたとおりに使用されたとき車道に面する側に滑らかな平面を形成し、空気抵抗にプラスの効果をもたらす。従動車軸61に面する、ドライブシャフト50の端部は、スロット14を通って突出している。ドライブシャフト50と従動車軸61の連結は、例えば、ここでは図示しないディファレンシャルギアを介して行われる。
【0033】
バッテリーキャリア1はまた、図1において明確に認識できるU字形カバー20を有し、このU字形カバーは、スロット24によって互いに間隔をあけて配置される2つの対向する脚部21、22と、互いに間隔をあけて配置された2つの対向する脚部21、22を、エンジンに面する端部において連結する連結部23とを有する。ここに示す例では、カバー20は複数の部品から構成されている。
【0034】
図1及び図4が特によく示すように、U字形ベースプレート10及びU字形カバー20は、U字形カバー20の縁部からベースプレートに対して実質的に垂直に延びる壁部30によって全体的に互いに連結されている。そのため、バッテリーキャリア1は、すべての側が閉じられたU字形を有する(バッテリー)ボックス状に形成され、この(バッテリー)ボックスは、脚部及び連結部を有するU字形バッテリーキャリアの内部空間を有する。従って、この内部空間は、図示しないバッテリー又はバッテリーモジュール、及びオプションとしてそれらの制御および監視用電子機器を収容するために利用可能である。内部空間の底面積および形状は、基本的にカバー20の形状によって予め決められている。そのため、U字形バッテリーキャリアの内部空間の脚部は、カバーの脚部21、22が、U字形バッテリーキャリアのカバーを形成する領域となり、バッテリーキャリアの内部空間の連結部は、連結部23がU字型バッテリーキャリアの内部空間のカバーを形成する領域である。
【0035】
図1から明らかなように、ベースプレート10とカバー20の基本的な幾何学的形状は、この実施形態例では本質的に同一であり、これは特にそれぞれの全長と全幅に当てはまる。これらの形状の本質的な違いは、スロット14と24は同じ幅で、同じエッジ部分から始まっているが、ベースプレート10のスロット14はカバー20のスロット24より短いことである。この結果、ベースプレート10の対向する、互いに間隔をおいて配置された脚部11、12は、カバー20の対向する、互いに間隔をおいて配置された脚部21、22よりも短くなるので、U字形バッテリーキャリアの内部空間の境界面又は壁を形成しない、U字形ベースプレート10の安定化部15が、U字形バッテリーキャリアの内部空間の脚部間に存在する。
【0036】
一方では、この安定化部15は、ドライブシャフト50を下方からの損傷から保護し、他方では、バッテリーキャリヤの脚部を互いに支持し、それによってバッテリーキャリヤの剛性を高くする。後者の効果は、横方向補強部材16a、16b、16c、16dが、互いに対向する脚部の内側面の対向する壁部の間の安定化部15に配置され、隣接する横方向補強部材16a、16b、16c、16dの高さが、バッテリーキャリアの内部空間の連結部の方向に向かって増加するという構成によって、さらに高められる。
【0037】
横方向補強部材16a、16bはそれぞれ、ドライブシャフト50が常に自由に回転できるように、底面から離れる側に凹部を有する。
【0038】
また、図1に示すように、バッテリーキャリア1は、電気自動車のフレーム60の側部、特に前方車軸フレーム、重ね板バネ取付部、及び/又はフレーム60の中央部に取り付けるための多数の取り付け点62を有している。
【符号の説明】
【0039】
1…バッテリーキャリア
10…ベースプレート
11、12…脚部
13…連結部
14…スロット
15…安定化部
16a、16b、16c、16d…横方向補強部材
20…カバー
21、22…脚部
23…連結部
24…スロット
30…壁部
50…ドライブシャフト
60…フレーム
61…車軸
62…取り付け点
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】