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特表2024-518503機能化冷却ゾーンを備えたベイプ製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】機能化冷却ゾーンを備えたベイプ製品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20240423BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569843
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2022062819
(87)【国際公開番号】W WO2022238499
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】2105028
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521190440
【氏名又は名称】エスダブリュエム ルクセンブルク
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェルカス、オクサナ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァディ-ランバート、ダイアン
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AA45
4B045AB11
4B045AB16
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生ゾーンと、中空管形状をなし、かつ、繊維質基材を含む紙を含むエアロゾルを冷却するためのゾーンと、任意でろ過ゾーンとを含むベイプ製品であって、該エアロゾルを冷却するゾーンが、植物抽出物及びエアロゾル発生材によって機能が付与されることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベイプ製品(1)であって、
エアロゾル発生ゾーン(2)と、
中空管形状(31a)をなし、かつ繊維質基材を含む紙(311)を含むエアロゾルを冷却するためのゾーン(3)と、
ろ過ゾーン(4)とを含み、
前記中空管形状(31a)の前記紙(311)が、
その乾燥重量の5~40%の植物抽出物、及び、
その乾燥重量の5~30%のエアロゾル発生剤を含み、かつ、
90g/m~200g/mの坪量を有する、ベイプ製品(1)。
【請求項2】
ベイプ製品(1)であって、
エアロゾル発生ゾーン(2)と、
中空管形状(31b)をなし、かつ繊維質基材を含む紙(312)を含むエアロゾルを冷却するためのゾーン(3)と、
ろ過ゾーン(4)とを含み、
前記エアロゾルを冷却するためのゾーンが機能化紙(313)を含み、前記機能化紙(313)が、
その乾燥重量の5%~40%の植物抽出物、及び、
その乾燥重量の15~30%のエアロゾル発生剤を含み、かつ、
35g/m~120g/mの坪量を有する、ベイプ製品(1)。
【請求項3】
前記中空管形状をなし、かつ前記繊維質基材を含む前記紙が80g/m~180g/mの坪量を有する、請求項1に記載のベイプ製品。
【請求項4】
前記繊維質基材を含む前記機能化紙が、15g/m~80g/mの坪量を有する、請求項2に記載のベイプ製品。
【請求項5】
前記冷却するためのゾーンにおける前記繊維質基材を有する前記中空管形状の前記紙の繊維及び/または前記繊維質基材を有する前記機能化紙の繊維が、セルロース繊維、植物繊維、合成繊維、及びそれらの混合物から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のベイプ製品。
【請求項6】
前記中空管形状をなす前記紙または前記機能化紙のエアロゾル発生剤が、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸、二酢酸グリセリル、三酢酸グリセリル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、及びそれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のベイプ製品。
【請求項7】
繊維質基材を含む紙であって、
その乾燥重量の5%~40%の植物抽出物と、
その乾燥重量の5~30%のエアロゾル発生剤とを含み、
100g/m~190g/mの坪量を有する紙。
【請求項8】
繊維質基材を含む機能化紙であって、
その乾燥重量の5%~40%の植物抽出物と、
その乾燥重量の15%~30%のエアロゾル発生剤とを含み、
65g/m~100g/mの坪量を有する機能化紙。
【請求項9】
請求項7に記載の紙を製造するための方法であって、
a1)繊維質基材を準備するステップと、
b1)改質基材を得るために、植物抽出物及びエアロゾル発生剤を前記繊維質基材に接触させるステップと、
c1)前記紙を得るために、前記改質基材を乾燥させるステップとを含む方法。
【請求項10】
請求項8に記載の機能化紙を製造するための方法であって、
a2)繊維質基材を準備するステップと、
b2)機能化基材を得るために、植物抽出物及びエアロゾル発生剤を前記繊維質基材に接触させるステップと、
c2)前記機能化紙を得るために、前記機能化基材を乾燥させるステップとを含む方法。
【請求項11】
請求項7に記載された紙、または請求項9に記載の方法により得られた紙により中空管を製造する方法であって、
d)前記中空管を得るために、前記紙を成形するステップを含む方法。
【請求項12】
請求項8に記載された機能化紙、または請求項10に記載の方法により得られた機能化紙を含む紙製の中空管を製造するための方法であって、
e)前記機能化紙を含む紙製の前記中空管を準備する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タバコを燃やさずに加熱するためのデバイスの分野の一部をなす、ベイプ製品(vaping article)、特にその冷却ゾーンに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコの燃焼中に有害な成分が生成されることを避けるべく、タバコを燃やさずに加熱するためのデバイスが多く開発されている。その例として、それらのデバイスについて開示した出願である国際特許公開第WO2016/026810号及び国際特許公開第WO2016/207407号を挙げることができる。ユーザがベイプ製品をデバイスに挿入した後、ベイプ製品のタバコ基材は燃焼することなく燃焼温度未満の温度に加熱され、それにより、タバコの芳香(aroma)やニコチンを含むエアロゾルが発生する。タバコの加熱中に生成されるエアロゾルは紙巻タバコ(cigarette)の煙の代替物として、ユーザが吸入することにより、ユーザが知覚的に満足できるような性能を有する。したがってこの性能により、ユーザがタバコの芳香を吸入することができると同時に、煙の有害な成分にさらされることが大幅に減少する。
【0003】
従来、ベイプ製品は、空気流の方向において、タバコ(再構成タバコが好ましい)及び紙巻タバコ用紙(cigarette-type paper)によって囲まれたエアロゾル発生剤を含み、エアロゾルを発生させるためのゾーンと、中空管状の紙を含むエアロゾルを冷却するためのゾーンと、フィルタを含み、かつ、冷却されたエアロゾルをろ過するためのゾーンとを含む。これら3つのゾーンはスリーブ紙によって互いに保持されている。
【0004】
ユーザがこれらの加熱デバイスを採用するには、ユーザの使用感が満足のいくものであることが重要である。従来のタバコスティックによって生成されるエアロゾルの性能は知覚的に満足できるものであるが、さらに改善することが可能である。特に、エアロゾルの量を増加させることにより、エアロゾルによってもたらされる感覚体験をよりよいものにすることは有利になるであろう。
【0005】
これらの加熱デバイスのユーザにタバコの芳香とは異なる香りを提供することも有利となるであろう。
【0006】
したがって、ベイプ製品の冷却ゾーンの機能化によりこのようなニーズを満たすことが可能であることを発見したのは、本発明者らの功績である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の第1の主題は、
エアロゾル発生ゾーンと、
中空管形状をなし、かつ、繊維基材を含む紙を含むエアロゾルを冷却するためのゾーンと、
ろ過ゾーンとを含むべイプ製品であって、
該中空管形状の該紙は、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~30%、より好ましくは12~25%の植物抽出物、及び、
その乾燥重量の5%~30%、好ましくは8%~20%のエアロゾル発生剤を含み、かつ、
90g/m~200g/m、好ましくは100g/m~190g/m、より好ましくは130g/m~180g/mの坪量を有する。
【0008】
本発明のこの第1の主題のベイプ製品の冷却ゾーンは、中空管形状の紙の繊維質基材に植物抽出物及びエアロゾル発生剤を添加することによって直接的に機能が付与される。
【0009】
第2の主題は、
エアロゾル発生ゾーンと、
中空管形状をなす繊維質基材を含む紙を含むエアロゾルを冷却するためのゾーンと、
ろ過ゾーンとを含むべイプ製品であって、
エアロゾルを冷却するためのゾーンは繊維質基材を含む機能化紙を含み、該機能化紙は、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~35%、より好ましくは14%~30%の植物抽出物、及び、
その乾燥重量の15%~30%のエアロゾル発生剤を含み、かつ、
35g/m~120g/m、好ましくは55g/m~110g/m、より好ましくは65g/m~100g/mの坪量を有する。
【0010】
本発明のこの第2の主題のベイプ製品の冷却ゾーンは、該冷却ゾーンにおいて、繊維質基材、植物抽出物、及びエアロゾル発生剤を含む機能化紙を添加することにより、間接的に機能が付与される。
【0011】
冷却ゾーンに機能が付与されていないベイプ製品と比較すると、冷却ゾーンに機能が付与されている本発明によるペイプ製品は、直接的または間接的にエアロゾルを形成し、それにより、知覚的満足感を与える性能が有利に改善される。特に、エアロゾルの量、味、及び感覚体験は、より満足のいくものとなる。
【0012】
さらに、冷却ゾーンが直接的または間接的に機能が付与されている本発明によるベイプ製品は、芳香が用いられる植物抽出物に依存するエアロゾルを有利に形成することができる。
【0013】
発明の第3の主題は、繊維質基材を含む紙であって、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~30%、より好ましくは12%~25%の植物抽出物と、
その乾燥重量の5%~30%、好ましくは8%~20%のエアロゾル発生剤とを含み、かつ、
100g/m~190g/m、好ましくは130g/m~180g/mの坪量を有する。
【0014】
本発明の第4の主題は、繊維質基材を含む機能化紙であって、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~35%、より好ましくは25%~30%の植物抽出物と、
その乾燥重量の15%~30%のエアロゾル発生剤とを含み、かつ、
65g/m~100g/mの坪量を有する。
【0015】
本発明の第5の主題は、上記で定義した本発明の第3の主題に係る紙を製造する方法であって、該方法は、
a1)繊維質基材を準備するステップと、
b1)改質基材を得るために、植物抽出物及びエアロゾル発生剤を紙に接触させるステップと、
c1)該紙を得るために、改質基材を乾燥させるステップとを含む。
【0016】
本発明の第6の主題は、上記で定義した本発明の第4の主題に係る機能化紙の製造方法であって、該方法は、
a2)繊維質基材を準備するステップと、
b2)機能化基材を得るために、植物抽出物及びエアロゾル発生剤を該繊維質基材に接触させるステップと、
c2)機能化紙を得るために、機能化基材を乾燥させるステップとを含む。
【0017】
本発明の第7の主題は、上記で定義した本発明の第3の主題に係る、または上記で定義した本発明の第5の主題に係る方法によって得られる、紙製の中空管を製造するための方法であって、該方法は、
d)中空管を得るために、紙を成形するステップを含む。
【0018】
本発明の第8の主題は、上記で定義した本発明の第4の主題に係る、または、上記で定義した本発明の第6の主題に係る方法によって得られた機能化紙が挿入された紙製の中空管を製造する方法であって、該方法は、
e)機能化紙を含む紙製の中空管を準備するステップを含む。
【0019】
第1の主題によれば、本発明は、
エアロゾル発生ゾーンと、
中空管形状をなし、かつ繊維質基材を含む紙を含むエアロゾルを冷却するためのゾーンと、
ろ過ゾーンとを含むベイプ製品であって、
該中空管形状の該紙が、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~30%、より好ましくは12%~25%の植物抽出物、及び、
その乾燥重量の5%~30%、好ましくは8%~20%のエアロゾル発生剤を含み、かつ、
90g/m~200g/m、好ましくは100g/m~190g/m、より好ましくは130g/m~180g/mの坪量を有する。
【0020】
本発明のこの第1の主題のベイプ製品が備える冷却するためのゾーン(本出願では「冷却ゾーン」とも呼ぶ)は、植物抽出物及びエアロゾル発生剤を中空管形状の紙の繊維質基材への添加によって直接機能が付与される。
【0021】
第2の主題によれば、本発明は、
エアロゾル発生ゾーンと、
中空管形状をなす繊維基材を含む紙を含むエアロゾルを冷却するためのゾーンと、
ろ過ゾーンとを含むベイプ製品であって、
エアロゾルを冷却するためのゾーンが繊維質基材を含む機能化紙を含み、該機能化紙は、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~35%、より好ましくは14%~30%の植物抽出物、及び、
その乾燥重量の15%~30%のエアロゾル発生剤を含み、かつ、
35g/m~120g/m、好ましくは55g/m~110g/m、より好ましくは65g/m~100g/mの坪量を有する。
【0022】
本発明のこの第2の主題のベイプ製品の冷却ゾーンは、繊維質基材、植物抽出物、及びエアロゾル発生剤を含む機能化紙をその冷却ゾーンに添加することによって間接的に機能が付与される。
【0023】
本出願の目的上、「ベイプ製品」という用語は、タバコ及び/または蒸気の吸引を意図した他の植物を含む物品を意味する。ベイプ製品は、タバコ及び/または植物を燃やすことなく加熱するための装置に挿入した後、ユーザにエアロゾルを供給することを可能にすることを意図している。例えば、ベイプ製品はタバコスティックであってもよい。
【0024】
通常、エアロゾル発生ゾーンは、エアロゾル発生基材の周りに巻かれた紙巻タバコ型の紙のシートを含んでいてもよい。従来において、発生基材は、再構成された植物のシート及びエアロゾル発生剤、特に再構成タバコやグリセリンのシートを含む。
【0025】
通常、ろ過ゾーンは、フィルタ要素を形成するために、フィルタの周りに巻かれたプラグラップを含んでいてもよい。
【0026】
空気流の方向において、冷却ゾーンは、エアロゾル発生ゾーンとろ過ゾーンとの間、またはろ過ゾーンの後に配置してもよい。
【0027】
通常、冷却ゾーンの中空管形状の紙は、中空管内にハニカム構造を含んでもよい。このハニカム構造は、クレープ加工されたポリ乳酸(PLA)製であってもよく、そうでなくてもよい。
【0028】
有利なことに、本発明のスティックの冷却ゾーンの直接的または間接的な機能化により、生成されるエアロゾルの味やユーザの感覚体験を増幅することやよりよいものにすることが可能となる。
【0029】
冷却ゾーンは、直接的、間接的、または直接的及び間接的に機能が付与されてもよい。例えば、冷却ゾーンは、植物抽出物によって直接的に機能が付与されてもよく、また他の植物抽出物を含む機能化紙によって間接的に機能が付与されてもよく、またその逆も同様である。
【0030】
冷却ゾーンを間接的に機能化する場合、機能化紙を冷却ゾーンの中空管に含めてもよく、すなわち、この中空管の内側に追加してもよい。通常、機能化紙を冷却ゾーンの中空管に挿入することも、冷却ゾーンの中空管の形状で紙に貼り付けることも、冷却ゾーンの中空管の形状で紙に積層することも可能である。
【0031】
本出願の目的上、「繊維質基材」という用語は、繊維を含む基材を意味し、通常、基材は製紙プロセスによって得られる。
【0032】
中空管形状の紙の繊維質基材は、80g/m~180g/m、好ましくは90g/m~150g/m、より好ましくは100g/m~120g/mの坪量を有していてもよい。
【0033】
有利なことに、これらの範囲内の坪量により、植物抽出物及びエアロゾル発生剤の含有量を調整することによって、本発明の第1の主題のベイプ製品の中空管形状の紙を得ることが可能となる。
【0034】
さらに、中空管は容易に得ることができ、これらの坪量の数値によって満足のいく機械的特性、特に剛性を有していてもよい。
【0035】
機能化紙の繊維質基材は、15g/m~80g/m、好ましくは30g/m~70g/m、より好ましくは35g/m~60g/mの坪量を有していてもよい。
【0036】
有利なことに、これらの範囲内の坪量により、植物抽出物及びエアロゾル発生剤の含有量を調整することによって、本発明の第2の主題のベイプ製品の機能化紙を得ることが可能となる。
【0037】
中空管形状の紙の基材及び機能化紙の基材の坪量を測定するために、以下の方法を用いてもよい。まず、テンプレート(寸法:100cm×100cm)を用いて、1mのサンプルを切り出す。次いで、サンプルを4つ折りにした後ホットプレート上に配置して乾燥させることにより、エアロゾル発生剤を除去せずに水分を測定する。次いで、乾燥させたサンプルの重量を測定して、繊維質基材の坪量を測定する。
【0038】
通常、中空管形状の紙の繊維基材の繊維及び/または機能化紙の繊維基材の繊維は、セルロース繊維、植物繊維、合成繊維、並びにそれらの混合物から選択してもよく、好ましくは、セルロース繊維、植物繊維、並びにそれらの混合物、より好ましくはセルロース繊維から選択してもよい。
【0039】
ある状況下では、セルロース繊維は、繊維基材の乾燥物の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらに好ましくは少なくとも90重量%を占めていてもよい。
【0040】
ある実施形態では、繊維質基材の繊維はセルロース繊維である。
【0041】
セルロース繊維は、木材パルプのような化学的、機械的、または熱機械的調理プロセスによって得られる繊維、または例えば亜麻や麻などの一年生植物から得られる繊維である。これらのセルロース系植物繊維の混合物を使用してもよい。
【0042】
有利なことに、これらのセルロース繊維は、中空管形状の紙及び機能化紙の機械的強度特性を向上させることができる。
【0043】
通常、植物繊維は、植物抽出物の抽出後に得られる。植物繊維はエアロゾルに所望の知覚的満足感を与える性能を付与することが可能となる。
【0044】
植物繊維には、繊維状の支持体の形成を可能にする機械的特性を有していない場合がある。有利なことに、セルロース繊維は一般に植物繊維よりも優れた機械的特性を有するため、植物繊維とセルロース繊維とを混合すると繊維状の支持体の形成が可能となる。
【0045】
植物繊維の植物は、タバコ植物、食用植物、香料植物または薬用植物から選択してもよい。
【0046】
通常、食用植物は、ニンニク、コーヒー、ショウガ、甘草、ルイボス、ステビア(Stevia rebaudiana)、茶、カカオの木、カモミール、マテ、スターアニス、ウイキョウ、シトロネラ、及びそれらの混合物、好ましくはスターアニスである。
【0047】
通常、香料植物はラベンダー、バラ、及びそれらの混合物である。
【0048】
通常、薬用植物は、伝統的に使用される薬用植物のリストAの文書(フランス国立医薬品・保険製品安全庁(ANSM)が発行したフランス薬局方2016年1月に示されるもの)、または治療特性を有する化合物を含むことが知られている植物である。通常、ユーカリ、イチョウ、高麗人参、サワーチェリー、ペパーミント、ヤナギ及び赤蔓、並びにそれらの混合物、特にユーカリが薬用植物として挙げられる。
【0049】
ある好ましい実施形態では、繊維は、セルロース繊維、ユーカリ繊維、スターアニス繊維、またはそれらの混合物であってもよい。
【0050】
本出願の意味の範囲内で、「エアロゾル発生剤」という用語は、加熱されたとき、例えば熱風と接触したときにエアロゾルの形成を可能にする化合物を意味する。
【0051】
通常、本発明の第1の主題のベイプ製品の中空管形状の紙、または本発明の第2の主題のベイプ製品の機能化紙のエアロゾル発生剤は、ポリオール、非ポリオールまたはその混合物であってもよい。ポリオールである発生剤は、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、及びそれらの混合物から選択されてもよい。非ポリオールである発生剤は、乳酸、二酢酸グリセリル、三酢酸グリセリル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、及びそれらの混合物から選択されてもよい。
【0052】
ある実施形態によれば、エアロゾル発生剤はグリセリンであり、プロピレングリコール、またはグリセリン及びプロピレングリコールの混合物であるが、グリセリンが好ましい。
【0053】
通常、紙中に含有されるエアロゾル発生剤の重量は、ガスクロマトグラフィによって測定することが可能である。分析対象の1gの紙を5mm×5mmにカットし、次いで、メタノール型抽出溶液に3時間攪拌しながら投入する。上澄み液の一部を炎イオン化検出器付きクロマトグラフに注入し、混合物のグリセリン量を測定する。エアロゾル発生剤の含有量(重量)を、標準曲線を用いて定量化する。当業者であれば、エアロゾル発生剤を抽出するのに必要な抽出溶液の量及び撹拌速度を決定する方法を知っているであろう。
【0054】
本出願の意味の範囲内で、「植物抽出物」という用語は、植物の水溶性生成物のすべてを意味する。有利なことに、植物抽出物は、ニコチン、エアロゾルの知覚的満足感を与える性能及び/または治療の特性を与える化合物を含んでいてもよい。植物抽出物はまた、植物精油であってもよい。
【0055】
本発明のベイプ製品によって形成されるエアロゾルの知覚的満足感を与える性能及び治療の特性は、本発明の第1の主題のベイプ製品の中空管形状の紙は本発明の第2の主題のベイプ製品の機能化紙に含まれる植物抽出物の乾燥物の含有量(重量)に依拠するものであってもよい。
【0056】
植物抽出物の乾燥物の含有量の合計重量は、用いられる植物に依存し、より具体的には、用いられる植物の芳香族化合物または治療の特性を有する化合物の含有量に依存する。
【0057】
通常、植物抽出物は、タバコ植物、食用植物、芳香植物、香料植物、薬用植物、アサ科の植物、またはそれらの混合物から選択されてもよい。
【0058】
通常、本発明で使用される植物抽出物の植物繊維は、植物の様々な部分から由来することがあり、植物の一部は、植物自体の一部または植物の様々な部分の形質転換の結果である。通常、植物の一部は、植物の全体の一部または植物の部分の脱穀または混合及び細断に由来する破片であってもよい。
【0059】
通常、植物の一部は、エアロゾルに知覚的満足感を与える芳香化合物を最も豊富に含む部分から選択してもよい。通常、これらの部分は植物全体や植物の地上に露出した部分、例えば、花のつぼみ、枝の樹皮、茎の樹皮、葉、花、果実及びその花梗、種子、花弁または頭花、または地中に埋まっている部分、例えば球根、根、根皮、根茎、またはそれらの混合物であってもよい。植物の一部はまた、植物の1以上の部分の機械的、化学的、または機械化学的変換の結果であってもよく、例えば、豆の殻剥きプロセスから生じるカカオ豆を保護する殻が挙げられる。
【0060】
食用植物のうち、例えば、ニンニクの球根、コーヒーチェリー、スターアニスの果実、ショウガの根茎、甘草の根、ルイボス、ステビア・レバウディアナ、または茶の葉を一部として選択してもよい。
【0061】
芳香植物のうち、例えば、クローブの花のつぼみ(クローブ)、バジル、ローレル、セージの葉、ミント、オレガノ、ローズマリー、タイムの葉及び頭花、またはウコンの根茎を一部として選択してもよい。
【0062】
通常、芳香植物の中から、ラベンダーの花や頭花、またはバラの花のつぼみや花弁を選択してもよい。
【0063】
フランス薬局方に収載されている薬用植物のうち、例えば、イチョウの葉、高麗人参の地中にある部分、サワーチェリーの果実の柄(チェリーの茎)、ペパーミントの葉及び頭花、ヤナギの茎皮及び葉、または赤ブドウの葉を選択してもよい。
【0064】
通常、ユーカリは、治療特性を有する化合物を含むことが知られている薬用植物のひとつである。
【0065】
植物抽出物の総乾物含有量(重量)を測定するためには、以下の方法を用いることができる。分析対象の紙シートを、1mm以下の粒子サイズになるように粉砕する。次いで、植物抽出物をすべて抽出するために、紙シートを沸騰した水と45分間混合する。植物抽出物の重量は、分析対象の紙シートのサンプルの乾燥重量と、抽出後の繊維質の残りの部分の乾燥重量との差によって計算される。
【0066】
有利なことに、植物の混合物から得られる植物抽出物は、知覚的満足感を与える特性及び/または治療の特性の幅広いパネルを提供することを可能にする。
【0067】
本発明の第1の主題(冷却ゾーンを直接機能化するもの)のベイプ製品のより具体的な一実施形態によれば、中空管形状の紙は、
セルロース繊維、ユーカリ繊維、スターアニス繊維、またはそれらの混合物を含む繊維質基材、より詳細にはセルロース繊維と、
その乾燥重量の12%~25%のタバコ抽出物、スターアニス抽出物、またはそれらの混合物と、
その乾燥重量の8%~20%のグリセリンとを含み、かつ、
130g/m~180g/mの坪量を有していてもよい。
【0068】
本発明の第2の主題(冷却ゾーンを間接的に機能化するもの)のベイプ製品のより具体的な一実施形態によれば、機能化紙は、
セルロース繊維、ユーカリ繊維、スターアニス繊維、またはそれらの混合物を含む繊維質基材、より詳細にはセルロース繊維と、
その乾燥重量の25%~30%のタバコ抽出物、ユーカリ抽出物またはスターアニス抽出物と、
その乾燥重量の15%~30%のグリセリンとを含み、かつ、
65g/m~100g/mの坪量を有していてもよい。
【0069】
本発明の第3の主題は、繊維質基材を含む紙であって、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~30%、より好ましくは12%~25%の植物抽出物と、
その乾燥重量の5%~30%、好ましくは8%~20%のエアロゾル発生剤とを含み、かつ、
100g/m~190g/m、好ましくは130g/m~180g/mの坪量を有する。
【0070】
本発明の第3の主題に係る紙の繊維質基材、植物抽出物、及びエアロゾル発生剤は、本発明の第1の主題に係るベイプ製品の中空管形状の紙に関して上述した通りである。
【0071】
有利なことに、この紙は、該紙から中空管を形成することが可能となるような特性を有する。この中空管は、ベイプ製品の冷却ゾーンで用いるのに特に適している。さらに、この中空管は、有利なことに、ベイプ製品によって生成されるエアロゾルの味や感覚体験を改善することを可能にする。
【0072】
本発明の第4の主題は、繊維質基材を含む機能化紙であって、
その乾燥重量の5%~40%、好ましくは10%~35%、より好ましくは25%~30%の植物抽出物と、
その乾燥重量の15%~30%のエアロゾル発生剤とを含み、かつ、
65g/m~100g/mの坪量を有する。
【0073】
本発明の第4の主題に係るこの機能化紙の繊維質基材、植物抽出物、及びエアロゾル発生剤は、本発明の第2の主題に係るベイプ用物品の機能化紙に関して上述した通りである。
【0074】
有利なことに、この機能化紙は、一度ベイプ製品の冷却ゾーンに含まれると、ベイプ製品によって生成されるエアロゾルの味や感覚的経験の改善を可能にするような特性を有する。
【0075】
本発明の第3の主題の紙及び本発明の第4の主題の機能化紙は、それらの明確な用途を考慮して、異なる坪量を有する。実際、本発明の第3の主題の紙は、ベイプ製品のエアロゾルを冷却するためのゾーンとして用いるために、中空管形状に成形されることを意図している。本発明の第4の主題の機能化紙は、その一部がベイプ製品の冷却ゾーンの中空管の内側に加えられることを意図している。これらの異なる用途は、異なる特性、特に異なる剛性を必要とするため、したがって異なる坪量を必要とする。
【0076】
本発明の第5の主題は、上記で定義した本発明の第3の主題に係る紙を製造するための方法であって、
a1)繊維質基材を準備するステップと、
b1)改質基材を得るために、植物抽出物及びエアロゾル発生剤を繊維質基材に接触させるステップと、
c1)紙を得るために、改質基材を乾燥させるステップとを含む。
【0077】
本発明の第6の主題は、上記で定義した本発明の第4の主題に係る機能化紙を製造する方法であって、
a2)繊維質基材を準備するステップと、
b2)機能化基材を得るために、植物抽出物及びエアロゾル発生剤を繊維質基材に接触させるステップと、
c2)機能化紙を得るために、機能化基材を乾燥させるステップとを含む。
【0078】
ステップb1)及びb2)は、フレキソ印刷、ブレードコーティング、カーテンコーティングもしくはバーコーティング、含浸、噴霧、好ましくはフレキソ印刷、またはバーコーティングによって実施してもよい。
【0079】
ステップb1)及びb2)の間、植物抽出物及びエアロゾル発生剤は、繊維状支持体と交互に接触させてよく、または繊維状支持体と一緒に接触させるように混合してもよい。
【0080】
乾燥するステップc1)及びc2)は、赤外線ランプ、アメリカンバッテリー乾燥ドラム、トンネル乾燥機、縦型乾燥機、流動層乾燥機及び空気圧乾燥機での熱風乾燥、特にトンネル乾燥機による熱風乾燥によって実施してもよい。
【0081】
ステップc1)及びc2)は、50℃を超える温度、好ましくは70℃を超える温度、より好ましくは80℃を超える温度、さらに好ましくは90℃を超える温度で実施してもよい。当業者であれば、紙の従来の含水率、すなわち4%~10%、好ましくは6%~8%の含水率を有する紙及び機能化紙を得るために、ステップc1)及びc2)の時間を調整する方法を知っているであろう。
【0082】
中空管は、本発明の第3の主題に係る紙を用いて得ることも、本発明の第5の主題に係る方法によって得てもよい。
【0083】
したがって、本発明の第7の主題は、紙製の中空管を製造するための方法であって、上記で定義した本発明の第3の主題に係るものか、または上記で定義した本発明の第5の主題に係る方法によって得られ、該方法は、
d)中空管を得るために紙を成形するステップを含む。
【0084】
ステップd)は、当業者にとって従来の成形ステップである。
【0085】
中空管は穿孔を含んでいてもよい。ベイプ製品の様々なゾーンが組み立てられた後、冷却ゾーンの中空管を穿孔するステップが実施される。
【0086】
通常、これらの穿孔はレーザによって形成することができる。
【0087】
有利なことに、この中空管は、ベイプ製品の冷却ゾーンとして用いるのに適している。有利なことに、この中空管は、ベイプ製品によって生成されるエアロゾルの味や感覚体験についても改善することが可能であるような特性を有する。
【0088】
本発明の第8の主題は、機能化紙を含む紙製の中空管を製造するための方法であって、機能化紙は、上記で定義された本発明の第4の主題に係るものか、または上記で定義された本発明の第6の主題に係る方法によって得られ、前記方法は、
e)機能化紙を含む紙製の中空管を準備するステップを含む。
【0089】
通常、中空管の紙は、本発明の第3の主題の紙、本発明の第4の主題の紙、本発明の第5の主題の方法によって製造された紙、本発明の第6の主題の方法によって製造された紙、または従来からベイプ製品の冷却ゾーンに用いられている紙であってもよい。
【0090】
ベイプ製品の冷却ゾーンに従来から用いられている紙は、木材パルプ、タバコ繊維、麻繊維、亜麻繊維、サイザル麻繊維、カカオ豆を保護している殻の繊維、大麻繊維、稲わら、エスパルト繊維、リヨセル繊維、ビスコース繊維、及びこれらの混合物、好ましくは木材パルプ、麻繊維、亜麻繊維、サイザル麻繊維、リヨセル繊維、ビスコース繊維、及びこれらの混合物、より好ましくは木材パルプから製造することができる。それは、80g/m~180g/m、好ましくは90g/m~150g/m、より好ましくは100g/m~120g/mの坪量を有していてもよい。
【0091】
有利なことに、この中空管は、ベイプ製品の冷却ゾーンとして用いるのに適している。有利なことに、この中空管は、ベイプ製品によって生成されるエアロゾルの味や感覚体験をも改善することが可能であるような特性を有する。
【0092】
ステップe)は、例えば、
機能化紙を紙製の中空管に挿入するステップと、
機能化紙を紙の上に堆積させるステップの後に、機能化紙が紙製の中空管の中に含まれるように、紙製の中空管を形成するステップと、
機能化紙及び紙を接着するステップの後に、機能化紙が紙製の中空管内に含まれるように紙製の中空管を形成するステップと、
機能化紙及び紙を貼り合わせるステップの後に、機能化紙が紙製の中空管内に含まれるように紙製の中空管を形成するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0093】
その他の特徴、詳細及び利点は、添付の図を参照して本説明を読めば明らかになるであろう。
【0094】
図1】ベイプ製品の全体図である。
図2】ベイプ製品の詳細図である。
図3】ベイプ製品の冷却ゾーンの中空管の全体図である。
図4】本発明の第1の主題に係るベイプ製品の冷却ゾーンの中空管の断面図である。
図5】本発明の第2の主題に係るベイプ製品の中空管の断面図である。
図6】本発明の第1の主題に係るベイプ製品の中空管を構成する紙シートの図である。
図7】本発明の第2の主題に係るベイプ製品の中空管を構成する紙シートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
図1は、エアロゾル発生ゾーン2、冷却ゾーン3、及びろ過ゾーン4を含むベイプ製品1を示す。冷却ゾーン3は、特に、ユーザによる吸入中において、この領域を通過するエアロゾルを冷却することを可能にする穿孔32を備える。
【0096】
吸入中のユーザによる呼吸によって穿孔32から空気が吸入され、それにより、周囲の空気がエアロゾルを冷却することを可能にする。
【0097】
通常、ベイプ製品の長さは40mm~90mmである。
【0098】
図2は、ベイプ製品の説明を目的とした図である。当業者であれば、本発明を様々な既存のベイプ製品の設計に適応させる方法を知っているであろう。
【0099】
図2は、ベイプ製品をより詳細に示す図であり、
エアロゾル発生ゾーン2の紙巻タバコ型紙22で囲まれたエアロゾル発生基材21と、
冷却ゾーン3の中空管31と、
紙シート43によって囲まれたフィルタ41、及びろ過ゾーン4の中空管42とが見られる。
【0100】
通常、フィルタ41及び中空管42は酢酸セルロースから作製されてもよい。
【0101】
通常、ベイプ製品のエアロゾル発生ゾーン2の長さは、10mm~45mmであってもよい。
【0102】
通常、ベイプ製品の冷却ゾーン3の中空管31の長さは、18mm~30mmであってもよい。
【0103】
通常、ろ過ゾーン4のフィルタ41の長さは5mm~15mmであってもよい。
【0104】
中空管31、フィルタ41、及び中空管42は、紙シート6で囲まれている。
【0105】
エアロゾル発生ゾーン2、冷却ゾーン3、及びろ過ゾーン4は、ベイプ製品を形成するために、スリーブ紙5のシートによってひとつに組み合わせられる。
【0106】
ベイプ製品1を構成する要素が組み合わせられた後、冷却ゾーン3の中空管31を穿孔し、それにより穿孔32を形成する。
【0107】
図3は、冷却ゾーン3の中空管31の全体を示す図である。
【0108】
図4は、本発明の第1の主題に係る紙シート311を含む中空管31aの垂直断面を示す図である。
【0109】
図5は、本発明の第2の主題による紙シート312で構成された中空管31bの垂直断面を示している。シート状機能化紙313が中空管31bに挿入されている。
【0110】
図6は、本発明の第1の主題に係る中空管を構成する紙シート311を示す図である。
【0111】
図7は、本発明の第2の主題に係る中空管を構成する紙シート312を、シート状機能化紙313によってその内面を覆った状態を示す図である。
【0112】
【0113】
例1:冷却ゾーンの間接的な機能化
【0114】
4つの機能化紙を製造する(実施例1.1~1.4)。
【0115】
例示した各機能化紙について、植物抽出物及びグリセリンの溶液を、バーコーティングによって繊維状基材に塗布する。この溶液は、70%の植物抽出物及び30%のグリセリンを含む。その後、紙を90℃で3分間乾燥させる。
【0116】
植物抽出物及びグリセリンの量は、本明細書に記載の方法に従って測定する。
【0117】
実施例1.1~1.4の機能化紙の特性を以下の表1に示す。植物(タバコ、ユーカリ、スターアニス)抽出物及びグリセリンの量を、紙の乾燥物の重量%で表した。
【0118】
【表1】
【0119】
冷却ゾーンを間接的に機能化するために、例1.1~1.4の各機能化紙をベイプ製品の冷却ゾーンに挿入した。その後、4つのベイプ製品を、感覚分析、特にベイプ製品から発生するエアロゾルの味や量の分析のために特別に訓練されたパネリストのチームによって、官能検査を行った。
【0120】
機能が付与されていない冷却ゾーンを含むベイプ製品と比較して、パネリストは、タバコ抽出物を用いて機能が付与された冷却ゾーンを含むベイプ製品によって生成されたエアロゾルの味や感覚体験が改善されたことを認識した。機能化紙がユーカリ抽出物を含む本発明のベイプ製品から発生するエアロゾルの味は、より新鮮で独特の香りを有する。機能化紙がスターアニス抽出物を含む本発明のベイプ製品によって生成されるエアロゾルの味は、独特の風味を有し、かつよりマイルドである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】