(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】中継ユーザ機器(UE)無線リソース制御(RRC)接続状態インジケータ
(51)【国際特許分類】
H04W 76/23 20180101AFI20240423BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20240423BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20240423BHJP
【FI】
H04W76/23
H04W88/04
H04W48/16 130
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569864
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 US2022028182
(87)【国際公開番号】W WO2022240697
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067FF02
5K067JJ11
(57)【要約】
中継ユーザ機器(UE)装置は、中継UE装置のRRC接続状態を示す無線リソース制御(RRC)接続状態インジケータをサービング基地局に送信する。RRC接続状態インジケータは、基地局への中継通信を管理するために遠隔UE装置によって使用されてもよい。一例では、基地局と直接通信する遠隔UE装置は、測定レポートを基地局に送信し、測定レポートは、RRC接続(RRC CONN)状態を報告する中継UE装置についての測定のみを含む。基地局は、測定レポートに少なくとも部分的に基づいて、直接通信から間接通信への切り替えを管理する。別の例では、遠隔UE装置は、候補中継UE装置の接続状態に少なくとも部分的に基づいた中継候補優先順位付けを使用して中継再選択を管理する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信部及び受信部を有し、当初通信リンクを介して基地局と通信するように構成されるトランシーバを備え、
前記受信部は、第1の候補中継UE装置から、基地局への前記第1の候補中継UE装置の現在の接続状態を示す第1の無線リソース制御(RRC)接続状態インジケータを受信し、第2の候補中継UE装置から、前記基地局に対する前記第2の候補中継UE装置の現在の接続状態を示す第2のRRC接続状態インジケータを、受信するように構成され、
前記トランシーバは、更に、通信を前記当初通信リンクから、推奨される候補中継UEを通じた中継通信リンクを介して前記基地局と通信する前記中継通信リンクに切り替えるように構成され、前記推奨される候補中継UEは、前記第1のRRC接続状態インジケータ及び前記第2のRRC接続状態インジケータに、少なくとも部分的に基づいて、前記第1の候補中継UE装置及び前記第2の候補中継UE装置から選択される、遠隔ユーザ機器(UE)装置。
【請求項2】
前記RRC状態インジケータのそれぞれは、接続(RRC CONN)、アイドル(RRC IDLE)、又は非アクティブ(RRC INACTIVE)を含む複数のRRC接続状態のうちの1つを示す、請求項1に記載の遠隔UE装置。
【請求項3】
前記当初通信リンクは、前記遠隔UE装置と前記基地局との間の直接通信リンクであり、
前記遠隔UE装置は、直接リンク品質閾値を下回った前記直接通信リンクの品質であることに応答し、RRC CONN状態を示すRRC接続状態インジケータを送信する、接続状態である候補中継UE装置それぞれの中継UE装置識別子に関連付けられたリンク品質測定を含み、他のすべての候補中継UE装置のリンク品質測定を省略した測定レポートを生成する制御部を更に備える、請求項2に記載の遠隔UE装置。
【請求項4】
前記制御部は、直接リンク品質閾値を下回った前記直接通信リンクの品質であり、候補中継UE装置への少なくとも1つのリンクが中継閾値を超えていると判定したことに応答して、測定レポートを生成するように構成される、請求項1に記載の遠隔UE装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記直接通信リンクの前記品質が前記直接リンク品質閾値を下回ったことを判定し、前記遠隔UE装置での測定に基づいて、候補中継UE装置への少なくとも1つのリンクが中継閾値を上回っていると判定するように更に構成される、請求項4に記載の遠隔UE装置。
【請求項6】
前記受信部は、前記測定レポートを生成するための基準を識別する測定レポート設定を前記基地局から受信するように構成され、
前記制御部は、前記測定レポートを生成するための前記基準を満たしている旨の決定に応答して、前記測定レポートを生成するように構成される、請求項4に記載の遠隔UE装置。
【請求項7】
前記受信部は、前記基地局から、前記推奨される候補中継UE装置を識別するRRC再構成メッセージを受信するように更に構成され、
前記制御部は、前記RRC再構成メッセージに応答して、前記推奨される候補中継UE装置を介して前記基地局への前記中継通信リンクを確立するように更に構成される、請求項4に記載の遠隔UE装置。
【請求項8】
前記当初通信リンクは、当初中継UE装置を介した第1中継通信リンクであり、
前記制御部は、前記推奨される候補中継UE装置を選択するように構成される、請求項2に記載の遠隔UE装置。
【請求項9】
前記第1のRRC接続状態通知は、前記第1の候補中継UE装置からの第1のディスカバリメッセージで受信され、前記第2のRRC接続状態通知は、前記第2の候補中継UE装置からの第2のディスカバリメッセージで受信される、請求項2に記載の遠隔UE装置。
【請求項10】
第1の候補中継UE装置の現在の接続状態を示す無線リソース制御(RRC)接続状態インジケータを基地局に送信するように構成された送信部を備え、
前記RRC接続状態インジケータは、サイドリンク通信リンクを介して少なくとも1つの遠隔UE装置に送信される、中継ユーザ機器(UE)装置。
【請求項11】
前記RRC状態インジケータは、接続(RRC CONN)、アイドル(RRC IDLE)、又は非アクティブ(RRC INACTIVE)を含む複数のRRC接続状態のうちの1つを示す、請求項10に記載の中継UE装置。
【請求項12】
前記送信部は、ディスカバリメッセージで前記RRC接続状態インジケータを送信するように構成される、請求項10に記載の中継UE装置。
【請求項13】
前記ディスカバリメッセージは、モデルAディスカバリメッセージ及びモデルBディスカバリメッセージのうちの1つである、請求項11に記載の中継UE装置。
【請求項14】
トランシーバと制御部とを備え、
前記トランシーバは、送信部及び受信部を有し、直接通信リンクを介して遠隔ユーザ機器(UE)装置と通信するように構成され、
前記受信部は、遠隔UE装置における、候補中継UE装置から受信された信号のリンク品質測定を含む遠隔UE装置測定レポートから、基地局との無線リソース制御(RRC)接続状態が接続(RRC CONN)である候補中継UE装置から受信された信号のリンク品質測定のみを含むリンク品質測定を受信するように構成され、
前記制御部は、前記候補中継UE装置のうちの1つをターゲット中継UE装置として識別するように構成され、
前記送信部は、前記遠隔UE装置が前記直接通信リンクから前記ターゲット中継UE装置を介した間接通信リンクに切り替えるためのRRC再構成メッセージを、前記遠隔UE装置に、送信するように更に構成される、基地局。
【請求項15】
前記測定レポートは、前記候補中継UE装置によって送信されたRRC状態インジケータに基づいて生成される、請求項14に記載の基地局。
【請求項16】
前記測定レポートは、前記RRC接続(RRC CONN)状態にない他の候補中継UE装置によって送信された信号の測定を省略することにより、前記他の候補中継UE装置によって送信されたRRC状態インジケータに基づいて生成される、請求項15に記載の基地局。
【請求項17】
RRC状態インジケータは、接続(RRC CONN)、アイドル(RRC IDLE)、又は非アクティブ(RRC INACTIVE)を含む複数のRRC接続状態のうちの1つを示す、請求項16に記載の基地局。
【請求項18】
前記送信部は、前記測定レポートの生成をトリガするための基準を示す測定設定メッセージを前記遠隔UE装置に送信するように更に構成される、請求項17に記載の基地局。
【請求項19】
前記基準は、前記直接通信リンクの直接リンク最小品質閾値を含む、請求項18に記載の基地局。
【請求項20】
前記基準は、PC5リンクの候補中継最小品質閾値を含む、請求項19に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2021年5月10日に出願され、整理番号TPRO00362USとし、「無線リンク障害時のサイドリンクL2中継再選択」と題する、米国仮出願第63/186,574号、及び2021年7月15日出願され、整理番号をTPRO00363USとし、「L2サイドリンク中継下でのサービス継続」と題する、米国仮出願第63/222,303号の優先権を主張する。両米国仮出願は、共に本出願の譲受人に譲渡されており、その全体は参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には中継装置を使用した無線通信リンクの管理に関する。
【0003】
ユーザ機器(UE)装置に無線サービスを提供するいくつかの基地局を採用する多くの無線通信システムは、UE装置が他のUE装置と直接通信できる2以上のUE装置間のサイドリンク通信を可能にする。サイドリンク通信では、UE装置は、基地局を介する代わりにセルラー資源を使用した通信リンクを介してデータ信号を相互に送信する。このような近接サービス(ProSe:Proximity Services)通信は、時に装置・装置間(D2D:device-to-device)としても参照される。更に、1又は複数のUE装置を、UE装置と送信先との間の中継装置として使用することができ、中継装置は、UE装置と送信先との間でデータを転送する。送信先は、通信ネットワークであってもよいし、他のUE装置(送信先UE装置)であってもよい。送信先がネットワークである場合、中継機能は通常、UE・ネットワーク間(U2N:UE-to-Network)中継として参照され、中継UE装置は、遠隔UEと基地局(gNB)又はセルとの間に通信パスを確立する。場合によっては、例えば、UE装置は、基地局のサービスエリア外にある可能性があり、中継UE装置は、そのようなカバレッジ外(OoC:out-of-coverage)UE装置から中継UE装置を介して基地局にルーティングされる通信リンクを提供する。送信先デバイスが別のUE装置(ターゲットUE装置)である場合、中継機能は通常、UE・UE間(U2U:UE-to-UE)中継と呼ばれる。
【発明の開示】
【0004】
中継ユーザ機器(UE)装置は、中継UE装置のRRC接続状態を示す無線リソース制御(RRC)接続状態インジケータをサービング基地局に送信する。RRC接続状態インジケータは、基地局への中継通信を管理するために遠隔UE装置によって使用されてもよい。一例では、基地局と直接通信する遠隔UE装置は、測定レポートを基地局に送信し、測定レポートは、RRC接続(RRC CONN)状態を報告する中継UE装置についての測定のみを含む。基地局は、測定レポートに少なくとも部分的に基づいて、直接通信から間接通信への切り替えを管理する。別の例では、遠隔UE装置は、候補中継UE装置の接続状態に少なくとも部分的に基づいた中継候補優先順位付けを使用して中継再選択を管理する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】候補中継UE装置がRRC接続状態を遠隔UE装置に送信する一例の通信システムのブロック図である。
【0006】
【
図1B】候補中継UE装置が各々、遠隔UE装置によって受信されるRRC接続状態を送信する一例の通信システムのブロック図である。
【0007】
【
図1C】遠隔UE装置が、受信した候補中継UE装置のRRC接続状態に基づいて測定レポートを送信する一例のシステムのブロック図である。
【0008】
【
図1D】遠隔UE装置が中継接続を介して基地局に接続され、候補中継UE装置のRRC接続状態に、少なくとも部分的に基づいて、候補中継優先リストを保守する一例のシステムのブロック図である。
【0009】
【0010】
【
図3】各UE装置として使用するのに適したUE装置の一例のブロック図である。
【0011】
【
図4】遠隔UE装置がRRC接続された候補中継UE装置の測定レポートを送信する場合における、直接から間接への切り替えのための中継リンク管理の一例のメッセージ図である。
【0012】
【
図5】遠隔UE装置が候補中継UE装置の接続状態に基づいて推奨中継リストを保守する場合における、中継リンク管理の一例のメッセージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述のように、中継UE装置は、遠隔UE装置と、別のUE装置(送信先UE装置)又はネットワークであるかもしれない送信先との間の接続を提供する。送信先がネットワークである場合、中継はネットワークの基地局(gNB)によって提供されるセルへの接続を提供する。遠隔UE装置とターゲットUE装置との間の中継接続は、UE・UE間(U2U:UE to UE)中継接続と呼ばれることがある。遠隔UE装置と基地局(gNB)の間の中継接続は、UE・ネットワーク間(U2N)への中継接続と呼ばれることもある。場合によっては、最終的な送信先は基地局を経由したターゲットUE装置になる。中継が基地局(gNB)を接続する従来のシステムでは、中継UE装置が中継として機能するには特定の基準を満たす必要がある。例えば、中継UE装置は、U2N中継機能に利用できるように、カバレッジ内にあり、十分な品質の基地局へのセルラー(Uu)通信リンクを持っている必要がある。
【0014】
サイドリンク中継機能は、カバレッジ外(OoC)にある遠隔UEが中継UE装置を介してgNB又は基地局に接続することを許容する。UE・ネットワーク間(U2N)中継では、中継UEがセルのカバレッジ内にあり、gNBに接続されている必要がある。遠隔UE装置から基地局(gNB)への中継接続は、遠隔UE装置と中継UE装置との間のPC5リンク(サイドリンク)と、中継UE装置とgNBとの間のUuリンクとを含む。
【0015】
場合によっては、遠隔UE装置は、中継UE装置を介して通信することなく基地局(gNB)と直接通信し、そして基地局は、遠隔UE装置への通信リンクを直接リンクから中継UE装置を介した間接リンクに切り替えるべきと決定する。間接リンクへの切り替えを行う場合、基地局は、RRC接続状態(RRC CONN)にある中継UE装置によって提供される間接中継リンクに切り替えることが有利かもしれない。例えば、RRCアイドル状態(RRC IDLE)又はRRC非アクティブ状態(RRC INACTIVE)である中継UE装置を介した中継接続に切り替えるのと比較して、RRC CONNである中継UE装置を介した中継接続に切り替える場合、遅延を最小化できる。ここでのいくつかの例では、遠隔UE装置は、RRC CONN状態を報告する候補中継UE装置のみの測定を含む測定レポートを提供する。したがって、基地局は、RRC CONNの候補中継UE装置のみを評価し、推奨される中継UE装置を選択し、その推奨される中継UE装置を識別するRRC再構成メッセージを遠隔UE装置に送信する。
【0016】
他の状況では、基地局との新しい中継通信リンクを確立するための中継再選択を実行する決定がなされたとき、遠隔UE装置は、中継UE装置を介して基地局(gNB)と間接通信している。遠隔UE装置は、候補中継装置の接続状態に、少なくとも部分的に基づいて、候補中継優先リストを保守する。RRC CONN状態にある候補中継UE装置は、RRC INACTIVE状態にある候補中継UE装置よりも高い優先順位が与えられる。RRC IDLE状態にある候補中継UE装置は、最も低い優先度を有する。優先順位付けは追加の要因に基づいて行われる場合がある。例えば、優先順位付けは、候補中継UE装置から受信されたディスカバリ信号の、測定されたサイドリンクディスカバリ参照信号受信電力(SD-RSRP:Sidelink Discovery Reference Signal Received Power)レベルに基づいていてもよい。したがって、優先順位付けは、RRC接続状態、SD-RSRPレベル、及び他の基準の組み合わせに基づいて行うことができる。他の場合では、遠隔UE装置がすでに中継UE装置にPC5-RRC接続されている場合、サイドリンク参照信号受信電力(SL-RSRP:Sidelink Reference Signal Received Power)レベルが使用されてもよい。
【0017】
ここで説明される技術は、様々なタイプのシステム及び通信仕様に適用され得るが、この例の装置は、3GPP New Radio(NR)V2X通信仕様の少なくとも1つの改訂に従って動作する。したがって、ここで説明する技術は、サイドリンク又はD2Dが採用される他の通信仕様に適用され得るが、通信仕様の将来の1又は複数の改訂で採用される可能性がある。より具体的には、この技術は、3GPP NR仕様書の現在及び将来のリリースに適用される可能性がある。例えば、この技術は3GPP NR(Rel-17)にも適用され得る。
【0018】
図1Aは、候補中継UE装置12が、遠隔UE装置16にRRC接続状態14を送信する例についての通信システム10のブロック図である。候補中継UE装置12は、基地局(gNB)20のセルカバレッジエリア18内にある。例えば、候補中継UE装置12は、基地局20との3つのRRC接続状態のうちの1つであってもよい。ここで、3つの状態には、RRC接続状態(RRC CONN)、RRCアイドル状態(RRC IDLE)及びRRC非アクティブ状態(RRC INACTIVE)が含まれる。候補中継UE装置12は、基地局20とのRRC接続状態を示すRRC接続状態14を送信する。したがって、例えば、遠隔UE装置16は、セルカバレッジエリア18内又は外にあってもよく、任意のいくつかの通信モード又は遷移状態であってもよい。例えば、遠隔UE装置16は、基地局20に直接接続されてもよいし、1以上の中継UE装置を介して間接的に基地局20に接続されてもよく、あるいは、RRC接続状態14を受信するときに基地局20に接続されなくてもよい。遠隔UE装置16は、基地局とのRRC接続状態、及び/又は中継UE装置12とのRRC接続状態にあるかもしれない。一例では、以下で説明するように、遠隔UE装置16は、候補中継UE装置を介した間接中継通信リンクに切り替える前に、基地局20に直接接続されている間に、RRC接続状態14メッセージを、1又は複数の候補中継UE装置から受信する。以下で説明する別の例では、遠隔UE装置は、候補中継UE装置のRRC接続状態に部分的に基づいて中継再選択を実行する前に、当初の中継UE装置を介して基地局に間接的に接続される。
【0019】
RRC接続状態は、任意の適切なサイドリンク送信を使用して遠隔UE装置に伝達され得る。場合によっては、RRC接続状態はサイドリンクディスカバリ信号の一部として送信され、ディスカバリ信号はモデルAディスカバリ告知メッセージ又はモデルB応答メッセージであってもよい。他の状況では、RRC接続状態はPC5-RRCメッセージで送信される。このような技術は、例えば、PC5接続が遠隔UE装置と確立された後に、中継UE装置のRRC接続状態が変化する場合に有用であるかもしれない。
【0020】
PC5-RRCメッセージが利用され得る別の例では、中継UE装置は、セル18に移動してカバレッジ内になる前のOoCの間、U2U中継として提供される。基地局20との間でRRC CONNを確立した後、中継UE装置は、RRC接続状態14を、中継装置が提供されているすべての送信元UE装置及び送信先UE装置に送信する。次いで、RRC接続状態は、中継再選択を実行する際に送信元UE装置及び送信先UE装置によって利用され得る。例えば、中継UE装置は、送信先UE装置が中継UE装置によってもはや直接到達可能でなくなったときに、送信元UE装置に通知してもよいが、中継UE装置が基地局とRRC CONNであるため、送信元UE装置は、中継UE装置と基地局を介した接続が他のオプションより推奨されることを決定してもよい。そのため、RRC CONN中継を介して接続を確立する方が、RRC CONNでなく、カバレッジ内の中継UE装置を介して中継接続を確立するよりも高速であるため、送信元UE装置は、U2N中継を介して送信先UE装置に到達するために、同じ中継UE装置に留まる。更に、送信元UE装置がすでに元の中継UEにPC5接続されている場合、中継の再選択を実行する過程では、トラフィックデータが再開される前に、PC5リンクとUuリンクの両方で制御メッセージを数回交換する必要がある(例えば、現在の中継UE装置を切り離すためのPC5-Sメッセージ、新しい中継UE装置に向けた直接通信要求メッセージなど)。
【0021】
RRC接続状態を伝達するためにPC5-RRCメッセージが使用され得る第3の例では、中継UE装置は、PC5接続が遠隔UE装置と確立された後であるが、遠隔UE装置が基地局とRRC CONNである前に、gNBによりRRC IDLE又はRRC INACTIVEに解放される。このようなシナリオは、中継UE装置がRRC CONN状態にあることを示すディスカバリ信号を送信する中継UE装置と、gNBが中継UE装置をRRC CONNから解放する前にPC5接続を確立する遠隔UE装置とを含んでもよい。
【0022】
図1Bは、候補中継UE装置101~103がそれぞれ、遠隔UE装置108によって受信されるRRC接続状態104~106を送信する例に関する通信システム100のブロック図である。
図1Bのシステム100は、
図1Aのシステム10の一例である。候補中継UE装置101~103は、基地局(gNB)112のセルカバレッジエリア110内にある。例えば、候補中継UE装置101~103は、基地局100との3つのRRC接続状態のうちの1つにあり得る。ここで、3つの状態には、RRC接続状態(RRC CONN)、RRCアイドル状態(RRC IDLE)、及びRRC非アクティブ状態(RRC INACTIVE)が含まれる。各候補中継UE装置101~103は、基地局20とのRRC接続状況を示すRRC接続状況104~106を送信する。
【0023】
例えば、各RRC接続状態104~106は、サイドリンクディスカバリメッセージで送信される。例えば、第1の候補中継UE装置101は、基地局112に対してRRC IDLE状態にあり、中継UE装置101がRRC IDLEであることを示すRRC接続状態104を送信する。第2の候補中継UE装置102は、基地局112に対してRRC CONN状態にあり、中継UE装置102がRRC CONNにあることを示すRRC接続状態105を送信する。第3の候補中継UE装置103は、基地局112に対してRRC INACTIVE状態にあり、中継UE装置103がRRC INACTIVEであることを示すRRC接続状態106を送信する。
【0024】
ここでの例では、遠隔UE装置108は、3つの候補中継UE装置からRRC接続状態104~106を受信し、状態情報は基地局への接続の通信リンク管理を容易にする。以下で論じられる一例では、候補中継UE装置の受信されたRRC接続状態情報は、遠隔UE装置108と基地局112との間の(中継UE装置なしの)直接通信から(中継UE装置ありの)間接通信への切り替えを容易にする。別の例では、遠隔UE装置は、接続状態に少なくとも部分的に基づいて、中継再選択のための候補中継UE装置に優先順位を付ける。遠隔UE装置が基地局に接続するために増加する遅延に加えて、RRC IDLE又はRRC INACTIVEのいずれかである中継UE装置を(再)選択すると、中継UE装置は引き続き、拒否される可能性のある基地局との独自のRRC接続を確立する必要があることを意味する。そして、遠隔UE装置は、基地局に接続するための別の候補中継UE装置を見つけることが必要となる。
【0025】
図1Cは、遠隔UE装置108が、候補中継UE装置101~103の受信されたRRC接続状態に基づいて測定レポート120を送信する一例のためのシステム100のブロック図である。
図1Cのシナリオは、RRC接続状態情報が測定レポート120を生成するために利用される
図1Bの状況の例である。例えば、各候補中継UE装置のRRC接続状態104~106は、RRC接続状態を提供する候補中継UE装置によって送信されたディスカバリ信号で受信される。遠隔UE装置は、候補中継UE装置101~103から受信した信号の品質を測定する。適切な技術には、候補中継UE装置により送信され、遠隔UE装置で受信されるディスカバリ信号のサイドリンクディスカバリ参照信号受信電力(SD-RSRP:Sidelink Discovery Reference Signal Received Power)レベルを測定することが含まれる。例えば、RRC接続状態を含むディスカバリ信号が測定されるが、状況によっては他のディスカバリ信号で測定が行われるかもしれない。遠隔UE装置は、測定されたSD-RSRPレベル及び候補中継UE装置101~103のRRC接続状態に基づいて測定レポートを生成する。測定レポートは、測定された信号を送信した候補中継UE装置を識別するUE識別子に関連付けられた測定されたSD-RSRPレベルを少なくとも含む。例えば、測定レポートには、候補中継装置と、状態又はRRC接続(RRC CONN)を報告する候補中継UE装置のSD-RSRP測定値のみが含まれる。一例では、測定レポートは、直接通信からターゲット中継UE装置を介した間接通信に切り替えるためのターゲット中継UE装置を選択するために基地局112により使用される。測定報告ではRRC接続された候補中継UE装置のみが識別されるため、基地局により候補中継UE装置から選択されたターゲット中継UE装置はRRC CONNにある。
図1Bを参照して説明したように、第2の候補中継UE装置102は、RRC CONNにある上記例における唯一の候補中継UE装置である。結果として、この例では、第2の候補中継UE装置102が、測定レポート120において識別される唯一の候補中継UE装置である。
【0026】
測定レポートの送信は、gNB112からのメッセージによってトリガされてもよいし、遠隔UE装置108で検出されたイベントによってトリガされてもよい。例えば、遠隔UE装置108は、gNBへの接続の品質及びgNBへの代替接続の品質に関する特定の基準の検出に応答して測定レポートを生成してもよい。例えば、測定を生成するためのトリガは、gNBへのUu接続が第1の閾値を下回り、候補中継UE装置への接続が第2の閾値を上回っているという判定に基づいてもよい。状況によっては、Uu接続を評価せずに、少なくとも1つの候補中継UE装置が閾値より大きいSD-RSRPを有する場合に、測定レポートの生成がトリガされてもよい。
【0027】
図1Dは、遠隔UE装置108が中継接続を介して基地局112に接続され、候補中継UE装置101~103のRRC接続状態に少なくとも部分的に基づいて候補中継優先リスト130を保守する一例に関するシステム100のブロック図である。遠隔UE装置108は、中継の再選択のために候補中継優先リスト130を使用する。状況によっては、候補中継優先リスト130は、中継再選択手順が開始されるときに生成される。他の状況では、候補中継優先リスト130は、中継再選択手順を開始するトリガの前に生成される。
【0028】
例は、遠隔UE装置108がカバレッジ外(OoC)にある当初中継UE装置132を介してサービング基地局(gNB)112に接続された遠隔UE装置108から始まる。したがって、遠隔UE装置108は、基地局112によって提供されるカバレッジセル110の外側にある。他の状況では、遠隔UE装置108は、セル110のカバレッジ内にあるかもしれない。遠隔UE装置108と基地局112との間の中継接続は、遠隔UE装置108及び当初中継UE装置132の間のPC5通信リンク134と、当初中継UE装置132及び基地局(gNB)112の間のUuリンク136とを含む。
【0029】
例えば、RRC接続状態インジケータ104~106は、ディスカバリメッセージの一部として送信され、ディスカバリメッセージはモデルAメッセージ又はモデルB応答メッセージとすることができる。状況によっては、RRC接続状態インジケータの送信は、中継UE装置におけるRRC接続状態の変化に応じて行われる。例えば、RRC接続状態の変化により、RRC接続状態インジケータを含むモデルAディスカバリメッセージの送信がトリガされるかもしれない。RRC接続状態インジケータ104~106は、インジケータを送信する中継UE装置の現在のRRC接続状態を別のUE装置(例えば、遠隔UE装置108)に示す任意の情報又は識別子とすることができる。例えば、RRC接続状態インジケータは、3GPP New Radio(NR)V2X通信仕様の1又は複数の改定版に従って、次の3つのステータス状態の1つを示す:RRC接続(RRC CONN)、RRCアイドル(RRC IDLE)、又はRRC非アクティブ(RRC INACTIVE)。上述した
図1Bの例に従って、遠隔UE装置108は、候補中継UE装置101~103がRRC接続状態に少なくとも部分的に基づいて中継サービスに対して優先順位付けされる候補中継優先リスト130を保守する。RRC CONN状態にある候補中継UE装置は、RRC INACTIVE状態にある候補中継UE装置よりも高い優先順位が与えられる。RRC IDLE状態にある候補中継UE装置は、最も低い優先度を有する。優先順位付けは追加の要因に基づいて行われてもよい。例えば、優先順位付けは、候補中継UE装置から受信されたディスカバリ信号の測定されたSD-RSRPレベルに基づいていてもよい。したがって、優先順位付けは、接続状態とSD-RSRPレベルと、他の基準との組み合わせに基づいて行うことができる。2つの候補中継UE装置が同じ接続状態を有する場合、より高い測定されたSD-RSRPを有する候補中継UE装置には、より高い優先度が割り当てられる。通常、ネットワーク計画では、セルエッジは-120dBmよりもよいRSRPレベルに対応する。同様に、SD-RSRPの場合も、-120dBmを超えるSD-RSRPレベルで候補中継UE装置を選択することが推奨されるが、レベルがUE装置の感度レベルを超えている限り、より低いレベルでも機能するかもしれない。したがって、もしRRC CONNECTEDにある候補中継UE装置の測定されたSD-RSRPが-120dBm未満である一方、RRC IDLEにある別の候補中継UE装置が-120dBmを超えている場合、遠隔UE装置はRRC IDLEの候補UE装置と接続することを決定してもよい。これは、特に、遠隔UE装置と候補中継UE装置が相対運動している場合にあり得る。
【0030】
図2は、基地局112として使用するのに適した基地局200、及びセルを提供するかUE装置のいずれかにサービスを提供する任意の基地局の一例のブロック図である。基地局200は、制御部204、送信部206、及び受信部208、ならびに他の電子機器、ハードウェア及びコードを含む。基地局200は、ここで説明される機能を実行する、任意の固定、移動、又は携帯機器である。基地局112、200を参照して説明するブロックのさまざまな機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素で実装することができる。2つ以上の機能ブロックは、単一のデバイスに統合されてもよく、任意の単一のデバイスで実行されるように述べられた機能は、複数のデバイスにわたって実装されてもよい。基地局200は、システム展開時に、特定の場所に設置される固定装置又は機器であってもよい。このような機器の例には、固定基地局又は固定トランシーバ局が含まれる。基地局は異なる用語で参照され得るが、3GPP V2X運用の1以上の通信仕様に従って動作する場合、基地局は通常、gNodeB又はgNBとして参照される。場合によっては、基地局200は、特定の場所に一時的に設置される移動可能機器であってもよい。このような機器のいくつかの例には、発電機、ソーラーパネル、及び/又はバッテリーなどの発電機器を含むことのできる移動送受信局が含まれる。このような機器の、より大きくてより重いバージョンは、トレーラーで輸送されるかもしれない。更に他の場合では、基地局106は、特定の場所に固定されていない持ち運び可能な装置であってもよい。
【0031】
制御部204は、ここで説明される機能を実行するためだけでなく、ユーザ機器装置のすべての機能をより効率的にするためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部204の例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるソフトウェアコードを含む。送信部206は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、送信部206は複数の送信部を含んでもよい。受信部208は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。場合によっては、受信部208は複数の受信部を含んでもよい。受信部208及び送信部206は、それぞれアンテナ210を介して信号を受信及び送信する。アンテナ210は、別個の送信アンテナと受信アンテナを含んでいてもよい。場合によっては、アンテナ210は複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでいてもよい。
【0032】
図2の例における送信部206及び受信部208は、変調及び復調を含む無線周波数(RF:radio frequency)処理を実行する。したがって、受信部208は、低雑音増幅器(LNAs:low noise amplifiers)及びフィルタなどの構成を含むことができる。送信部206は、フィルタ及び増幅器を含むことができる。他の構成は、アイソレータ、整合回路、及び他のRF部品を含むことができる。これらの構成は、他の構成と組み合わせて、又は連携して、ユーザ機器装置の機能を実行する。必要な構成は、ユーザ機器装置により必要とされる特定の機能に依存してもよい。
【0033】
送信部206は変調器(不図示)を含み、受信部208は復調器(不図示)を含む。変調器は、ダウンリンク信号の一部として送信される信号を変調し、複数の変調次数のいずれか1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従って、基地局200で受信されたアップリンク信号を復調する。
【0034】
基地局200は、他の基地局とメッセージを送受信するための通信インターフェース212を含む。通信インターフェース212は、他の基地局との通信を可能にするバックホール又はネットワークに接続されていてもよい。場合によっては、基地局間のリンクに少なくともいくつかの無線部分が含まれていてもよい。したがって、通信インターフェース212は、無線通信機能を含むことができ、送信部206及び/又は受信部208のコンポーネントの一部を利用することができる。
【0035】
図3は、UE装置12、16、101~103、108、132のそれぞれとして使用するのに適したUE装置300の一例のブロック図である。いくつかの例では、UE装置300は、携帯電話、トランシーバーモデム、携帯情報端末(PDA)、タブレット、又はスマートフォンなどの任意の無線通信デバイスである。他の例では、UE装置300は、マシンタイプコミュニケーション(MTC)通信デバイス又はモノのインターネット(IOT)デバイスである。したがって、UE装置300は、ここで説明される機能を実行する任意の固定、移動、又は携帯機器である。UE装置300を参照して述べられたブロックの様々な機能及び動作は、任意の数のデバイス、回路、又は要素で実装されることができる。2つ以上の機能ブロックは、単一のデバイスに統合されてもよく、任意の単一のデバイスで実行されるように述べられた機能は、複数のデバイスにわたって実装されてもよい。
【0036】
UE装置300は、少なくとも制御部302、送信部304、及び受信部306を含む。制御部302は、通信装置の全体の機能を容易にするだけでなく、ここで説明される機能を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部302の例には、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ構成上で実行されるコードを含む。送信部304は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。状況によっては、送信部304は複数の送信部を含んでもよい。受信部306は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。状況によっては、受信部306は複数の受信部を含んでもよい。受信部304及び送信部306は、それぞれ、アンテナ308を介して信号を受信及び送信する。アンテナ308は、別個の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでいてもよい。状況によっては、アンテナ308は複数の送信アンテナと受信アンテナを含んでもよい。
【0037】
図3の例における送信部304及び受信部306は、変調と復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部304は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどのコンポーネントを含んでいてもよい。送信部306は、フィルタ及び増幅器を含んでいてもよい。他のコンポーネントには、アイソレータ、整合回路、及び他のRFコンポーネントが含まれていてもよい。これらのコンポーネントは、他のコンポーネントと組み合わせて、又は連携して、通信装置機能を実行する。必要なコンポーネントは、通信装置に必要な特定の機能によって異なる場合がある。
【0038】
送信部306は変調器(図示せず)を含み、受信部304は復調器(図示せず)を含む。変調器は、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用して、アップリンク信号の一部として送信される信号を変調することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従ってダウンリンク信号を復調する。
【0039】
通信装置300は、制御部302の一部であるメモリに加えてメモリ310を含む。候補中継優先リスト130などの情報は、メモリ310、制御部、又はこれら2つの組み合わせに記憶及び保守されてもよい。
【0040】
図4は、遠隔UE装置108がRRC接続された候補中継UE装置についての測定レポートを送信する、直接から間接への切り替えのための中継リンク管理の一例のメッセージ
図400である。
図4は、3つの候補中継UE装置101~103を示しているが、任意の数の候補中継装置がメッセージングに関与することができる。例は、直接接続402を介して基地局(gNB)108に接続された遠隔UE装置108から始まる。アップリンクデータ及びダウンリンクデータは、直接Uu通信リンク402を介して遠隔UE装置108とgNB112との間で交換される。
【0041】
送信404において、モデルBディスカバリ要求が近くの候補中継UE装置に送信される。状況によっては、モデルBディスカバリ要求が省略されてもよい。したがって、モデルBディスカバリ要求を表す矢印は、送信が必要でない可能性があることを示すために破線で示されている。例えば、モデルAディスカバリメッセージが候補中継UE装置から受信される場合、モデルB要求は必要でないかもしれない。
【0042】
送信406で、ディスカバリメッセージが候補中継UE装置101から送信される。送信408で、ディスカバリメッセージが候補中継UE装置102から送信される。送信410で、ディスカバリメッセージが候補中継UE装置103から送信される。送信406、408、410のディスカバリメッセージは、モデルAディスカバリ告知メッセージであってもよいし、モデルBディスカバリ応答メッセージであってもよい。例えば、ディスカバリメッセージには、ディスカバリメッセージを送信した中継UE装置のRRC接続状態を示すRRC接続状態通知を含む。遠隔UE装置108は、中継再選択手順の一部として、ディスカバリメッセージを受信し、受信した信号及び情報を評価する。例として、遠隔UE装置は、受信したディスカバリメッセージのSD-RSRPレベルを測定し、候補中継UE装置101~103のRRC接続状態を評価する。
【0043】
送信412において、遠隔UE装置は、測定レポートをgNB112に送信し、測定レポートは、RRC接続(RRC CONN)のRRC接続状態を報告する候補中継装置の信号品質測定を含む。上で論じた例によれば、第2の候補中継UE装置102は、その状態をRRC CONNとして報告する。したがって、測定レポートは、第2の候補中継UE装置102についての、ディスカバリ信号408のSD-RSRPレベルなどの信号品質測定を含む。また、測定レポートは、状況によっては、他のgNBの信号品質測定も含んでもよい。
【0044】
イベント414において、gNB112は、遠隔UE装置108との通信を直接接続から中継UE装置を介した間接接続に切り替えるべきと決定する。間接通信に切り替えるというgNB112による決定は、どのイベントが測定報告をトリガしたか、SD-RSRPレベル、RRC接続状態、候補中継UEの輻輳レベルなどの要因の任意の組み合わせに基づいてよい(gNBは、いくつの遠隔UE装置が、特定の候補中継UEにすでに接続されているか知っているかもしれない)。
【0045】
イベント416において、遠隔UE装置108及びgNB112は、測定設定及び報告手順を実行する。イベント416を表す線は、gNB112が測定設定及び報告手順から得られるであろう情報をすでに有している場合には手順が必要ないことを示すために破線で示されている。
【0046】
gNB112は、第2の候補中継UE装置及び遠隔UE装置によって提供された測定レポート120に含まれる任意の他の候補中継UE装置から測定レポートを取得した後、中継UE装置(ターゲット中継UE装置)を選択する。例えば、gNB112は、中継接続のための第2の候補UE装置102を選択する。
【0047】
送信418において、gNB112はRRC再構成メッセージを遠隔UE装置に送信する。RRC再構成メッセージは、直接通信リンク402から第2の候補中継UE装置102を介した間接通信リンクへの切り替えを開始する。状況によっては、送信416、418の順序を切り替えることができる。
【0048】
イベント420において、第2の候補中継UE装置102とのPC5接続が確立される。状況によっては、PC5接続がすでに確立されており、イベント420が必要ないこともある。
【0049】
送信422において、遠隔UE装置108は、RRC再構成完了メッセージをgNB112に送信する。遠隔UE装置108とgNB112との間の通信は、第2の候補中継UE装置102を介した中継接続を含む間接通信リンク424を介して継続する。
【0050】
図5は、遠隔UE装置108が候補中継UE装置の接続状態に基づいて推奨中継リストを保守する中継リンク管理の一例のメッセージ
図500である。
図5は、3つの候補中継UE装置101~103を示しているが、任意の数の候補中継装置がメッセージングに関与することができる。この例は、最初の中継UE装置132へのPC5リンク502を含む当初の中継UE装置102を介した中継接続を介して基地局に接続される遠隔UE装置108から始まる。イベント504において、遠隔UE装置108は、推奨候補中継UE装置リストの保守を開始する。イベント504は、中継再選択手順の一部であってもよく、及び/又は無線リンク障害(RLF:radio link failure)などのイベントによってトリガされてもよい。遠隔UE装置108は、候補中継UE装置101~103が、それらのRRC接続状態及び測定されたSD-RSRPレベルに少なくとも部分的に基づいて、中継サービスに関して優先順位付けされる候補中継優先リスト130をメンテナンスする。遠隔UE装置108は、送信508、510、512のディスカバリ手順を使用して、中継UE装置を識別し、優先順位を付ける。状況によっては、遠隔UE装置108は、再選択を実行する前に別のイベントを待つ。他の状況では、他のイベントが遠隔UE装置に実行させるトリガとなる場合がある。例えば、遠隔UE装置108は、RLF通知の受信からの経過時間が時間閾値を超えた場合に、中継再選択を実行することとしてもよい。別の例では、遠隔UE装置108は、当初の中継UE装置132とのPC5リンクが解放されたか、最小品質閾値を下回ったか、又は他の使用不可能状態と判断された場合、中継再選択を実行する。
【0051】
送信506において、モデルBディスカバリ要求が近くの候補中継UE装置に送信される。状況によっては、モデルBディスカバリ要求が省略される場合がある。したがって、モデルBディスカバリ要求を表す矢印は、送信が必要でない可能性があることを示すために破線で示されている。例えば、モデルAディスカバリメッセージが候補中継UE装置から受信される場合、モデルB要求は必要とされない可能性がある。
【0052】
送信508で、ディスカバリメッセージが候補中継UE装置101から送信される。送信510で、ディスカバリメッセージが候補中継UE装置102から送信される。送信512で、ディスカバリメッセージが候補中継UE装置103から送信される。送信508、510、512のディスカバリメッセージは、モデルAディスカバリアナウンスメッセージであってもよいし、モデルBディスカバリ応答メッセージであってもよい。例えば、ディスカバリメッセージには、ディスカバリメッセージを送信する中継UE装置のRRC接続状態を示すRRC接続状態通知が含まれる。遠隔UE装置108は、中継再選択手順の一部として、ディスカバリメッセージを受信し、受信した信号及び情報を評価する。例として、遠隔UE装置は、受信したディスカバリメッセージのSD-RSRPレベルを測定し、候補中継UE装置101~103のRRC接続状態を評価する。
【0053】
イベント514において、遠隔UE装置は、gNB112への中継接続を確立するための推奨される候補中継UE装置を選択する。イベント514は、中継再選択手順の一部であってもよい。状況によっては、遠隔UE装置108は、推奨候補中継UE装置リストを保守し、イベントに応答して、再選択のために最も推奨される中継UE装置を選択する。例えば、RLFが発生し、当初の中継UE装置132を介して接続を再確立できない場合、遠隔UE装置108は、推奨される中継UE装置を介して新しい中継接続を確立すべきであると決定することができる。
【0054】
イベント516では、PC5リンクが、推奨される候補中継UE装置と確立される。例えば、推奨される候補中継UE装置は、第2の候補中継UE装置102である。続いて、中継接続518がgNB112と確立される。
【0055】
送信520において、遠隔UE装置108は、第2の中継UE装置102を介してRRC再確立要求メッセージを送信する。
【0056】
送信522において、PC5-Sメッセージが当初の中継UE装置に送信されて、PC5接続を解放する。
【0057】
明らかに、本発明の他の形態及び修正は、これらの教示を考慮すれば当業者には容易に想起されるであろう。上述の記載は、説明的なものであり、限定的なものではない。本発明は、上述の明細書及び添付の図面と併せて見たとき、すべてのそのような形態及び修正を含む特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
【国際調査報告】