(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】駆動アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B21D 51/26 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B21D51/26 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569908
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 US2022027997
(87)【国際公開番号】W WO2022240668
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコーリー,イアン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】マウラー,ジョセフ ジョン アレン
(72)【発明者】
【氏名】クリステンセン,ステフェン ディー.
(57)【要約】
【解決手段】ネッカーマシン用の駆動アセンブリは、複数の駆動サブモジュールを含んでおり、各サブモジュールは、入力シャフトと、入力シャフトに動作可能に結合された第1及び第2の出力シャフトとを有する。第1のサブモジュールの場合、入力シャフトは、主駆動モータに動作可能に結合されて駆動され、第1の出力シャフトは、ネッカーマシンの第1のモジュールの第1の駆動シャフトを駆動するように構成されている。第2のサブモジュールについて、入力シャフトは、第1のサブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されて駆動され、第1の出力シャフトは、ネッカーマシンの第2のモジュールの第1の駆動シャフトを駆動するように構成されており、第2のモジュールは、少なくとも1つの他のモジュールによって第1のモジュールから離隔されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームアセンブリと複数のモジュールとを有するネッカーマシン用の分散駆動アセンブリであって、
各モジュールは幾つかの駆動シャフトを有しており、各モジュールの幾つかの駆動シャフトは、前記複数の処理モジュールにおけるその他のモジュールの幾つかの駆動シャフトと歯車列を介して相互接続されており、
前記分散駆動アセンブリは、複数の駆動サブモジュールを備えており、
各駆動サブモジュールは、
入力シャフトと、
前記入力シャフトに動作可能に結合された第1の出力シャフトと、
前記入力シャフトに動作可能に結合された第2の出力シャフトと、
を備えており、
前記複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールにおいて、
前記入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合して駆動されるように構成されており、
第1の出力シャフトは、前記複数のモジュールのうちの第1のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動するように構成されており、
前記複数の駆動サブモジュールのうちの第2の駆動サブモジュールにおいて、
前記入力シャフトは、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動され、
第1の出力シャフトは、前記複数のモジュールのうちの第2のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動するように構成されており、第2のモジュールは、少なくとも1つのその他のモジュールによって第1のモジュールから離隔されている、分散駆動アセンブリ。
【請求項2】
延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、前記延長シャフトによって第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合される、請求項1に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項3】
前記延長シャフトは、第2の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトを、第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトから離れた距離に配置するような大きさで構成されており、前記距離は、前記複数の処理モジュールのうちの1つのモジュールの全幅よりも大きい、請求項2に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項4】
前記複数の駆動モジュールは、少なくとも3つの駆動サブモジュールを含んでおり、
前記複数の駆動サブモジュールのうちの第3の駆動サブモジュールにおいて、
前記入力シャフトは、第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動され、
第1の出力シャフトは、前記複数のモジュールのうちの第3のモジュールの複数の駆動シャフトのうちの1本の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動するように構成されている、請求項1に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項5】
各駆動サブモジュールにおいて、第1の出力シャフトは直角ギアボックスを介して入力シャフトに動作可能に結合される、請求項1に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項6】
各駆動サブモジュールについて、第2の出力シャフトは入力シャフトと軸方向に揃えられている、請求項1に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項7】
前記駆動アセンブリモータは、前記複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールの入力シャフトに結合されている、請求項1に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項8】
少なくとも2本の延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、直列に一緒に接続された前記少なくとも2本の延長シャフトによって、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合される、請求項1に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項9】
第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されたワインディング機構を更に備える、請求項1に記載の分散駆動アセンブリ。
【請求項10】
ネッカーマシンであって、
フレームアセンブリと、
各モジュールが幾つかの駆動シャフトを有しており、前記フレームアセンブリに結合された複数のモジュールと、
駆動アセンブリと、
を備えており、
前記駆動アセンブリは、
複数の歯車を備えており、各歯車は、前記複数のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの個々の駆動シャフトに結合されて、各モジュールの幾つかの駆動シャフトを前記複数のモジュールのうちのその他のモジュールの幾つかの駆動シャフトに相互接続する、歯車列と、
複数の駆動サブモジュールを備える分散駆動アセンブリと、
を備えており、各駆動サブモジュールは、
入力シャフトと、
前記入力シャフトに動作可能に結合された第1の出力シャフトと、
前記入力シャフトに動作可能に結合された第2の出力シャフトと、を備えており、
前記複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールにおいて、
前記入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合して駆動されるように構成されており、
第1の出力シャフトは、前記複数のモジュールのうちの第1のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動し、
前記複数の駆動サブモジュールのうちの第2の駆動サブモジュールにおいて、
前記入力シャフトは、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動され、
第1の出力シャフトは、前記複数のモジュールのうちの第2のモジュールの複数の駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動し、第2のモジュールは、少なくとも1つのその他のモジュールによって第1のモジュールから離隔されている、ネッカーマシン。
【請求項11】
前記複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールの入力シャフトに結合された主駆動アセンブリモータを更に備える、請求項10に記載のネッカーマシン。
【請求項12】
第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトは、減速ギアボックス及び駆動ハブを介して、第1のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに結合されており、
第2の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトは、別の減速ギアボックス及び別の駆動ハブを介して、第2のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに結合されている、請求項10に記載のネッカーマシン。
【請求項13】
延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、前記延長シャフトによって第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合される、請求項10に記載のネッカーマシン。
【請求項14】
前記延長シャフトは、第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトを、第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトから離れた距離に配置するような大きさで構成されており、前記距離は、前記複数の処理モジュールのうちの1つのモジュールの全幅よりも大きい、請求項13に記載のネッカーマシン。
【請求項15】
前記複数の駆動モジュールは、少なくとも3つの駆動サブモジュールを含んでおり、
前記複数の駆動サブモジュールのうちの第3の駆動サブモジュールについて、
前記入力シャフトは、第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動し、
第1の出力シャフトは、前記複数のモジュールのうちの第3のモジュールの複数の駆動シャフトのうちの1本の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動する、請求項10に記載のネッカーマシン。
【請求項16】
各駆動サブモジュールにおいて、第1の出力シャフトは直角ギアボックスを介して入力シャフトに動作可能に結合される、請求項10に記載のネッカーマシン。
【請求項17】
各駆動サブモジュールにおいて、第2の出力シャフトは入力シャフトと軸方向に揃えられている、請求項10に記載のネッカーマシン。
【請求項18】
少なくとも2本の延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、直列に一緒に接続された前記少なくとも2本の延長シャフトによって、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合される、請求項10に記載のネッカーマシン。
【請求項19】
第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されたワインディング機構を更に備える、請求項10に記載のネッカーマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示及び特許請求の範囲に記載される概念は、駆動アセンブリに関しており、より詳細には、ネッカーマシン用の駆動アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
缶ボディは通常、ボディメーカーで作られる。即ち、ボディメーカーは、限定ではないが円盤又はカップなどのブランクを伸ばされた缶ボディへと成形する。缶ボディは、ベースと付随する側壁とを含む。側壁は、ベースの反対側にある端部で開放している。ボディメーカーは通常、缶ボディを作るために複数のダイを通るようにブランクを移動させるラム/パンチを含む。缶ボディは、限定ではないが、トリミング、洗浄、印刷、フランジング、検査などの更なる処理のためにラム/パンチから排出されてパレットに置かれ、その後、パレットは充填機に送り出される。充填機では、缶はパレットから取り出されて充填され、缶にエンドが配置され、次に、消費者に販売するために、典型的には、様々な数(例えば、6個パック、12個パック、又は他のマルチ缶ケースなど)で再梱包される。
【0003】
缶ボディの中には、ボディメーカーで成形された後、更に、一般に単にネッカーマシンと呼ばれるダイネッキング機械で成形されるものがある。ネッカーマシンは、缶ボディ側壁の一部、即ち、側壁の開放端の断面積を減少させるように構成されている。即ち、缶ボディに缶エンドを結合する前に(更には充填する前に)、缶ボディ側壁の開放端部の直径/半径は、缶ボディ側壁の他の部分の直径/半径に対して小さくされる。ネッカーマシンは、直列に配置された幾つかの処理及び/又は成形モジュールを含む。即ち、処理モジュール及び/又は成形モジュールは互いに隣接して配置され、搬送アセンブリは、隣接する処理モジュール及び/又は成形モジュール間で缶ボディを移動させる。処理モジュール及び/又は成形モジュールを通って移動するにつれて、缶ボディは処理又は成形される。ネッカーマシンの処理モジュール及び/又は成形モジュールの数が多いことは望ましくない。即ち、所望の成形を完了する一方で、処理モジュール及び/又は成形モジュールの数はできるだけ少ないことが望ましい。
【0004】
多数のネッキングモジュールを必要とするようなダイネッキング機械の構成がある。各モジュールの回転位置は、隣接するモジュールと同期して維持されなければならず、これは、典型的には、他のモジュールの全てを効果的に接続/駆動する歯車列の使用を通して達成される。このような歯車列は、典型的には、一方の端部でのみ駆動される。上記の駆動端部における歯車列の歯車荷重は非常に大きいが、歯車列の反対側の端部における荷重は小さい。この結果、歯車列に沿って歯車の摩耗が不均一になって、歯車列の歯車の大部分を非常に大きくする必要があり、これは不必要な追加の費用を招く。
【発明の概要】
【0005】
開示された概念の実施形態は、誘発された荷重を分散させて、歯車列を全体にわたってより均一に摩耗させることで、既知の構成を改善する解決策を提供する。開示された概念の一態様として、フレームアセンブリ及び複数のモジュールを有するネッカーマシン用の分散駆動アセンブリが提供される。各モジュールは、幾つかの駆動シャフトを有し、各モジュールの幾つかの駆動シャフトは、歯車列を介して、複数の処理モジュールのうちのその他のモジュールの幾つかの駆動シャフトと相互接続される。分散駆動アセンブリは、複数の駆動サブモジュールを備えており、各駆動サブモジュールは、入力シャフトと、入力シャフトに動作可能に結合された第1の出力シャフトと、入力シャフトに動作可能に結合された第2の出力シャフトと、を備えており、複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールにおいて、入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合して駆動されるように構成されており、第1の出力シャフトは、複数のモジュールのうちの第1のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動するように構成されており、複数の駆動サブモジュールのうちの第2の駆動サブモジュールにおいて、入力シャフトは、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動され、第1の出力シャフトは、複数のモジュールのうちの第2のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動するように構成されており、第2のモジュールは、少なくとも1つのその他のモジュールによって第1のモジュールから離隔されている。
【0006】
分散駆動アセンブリは、延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、延長シャフトによって第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されてよい。延長シャフトは、第2の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトを、第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトから離れた距離に配置するような大きさで構成されており、当該距離は、複数の処理モジュールのうちの1つのモジュールの全幅よりも大きくてよい。
【0007】
複数の駆動モジュールは、少なくとも3つの駆動サブモジュールを含んでよく、複数の駆動サブモジュールのうちの第3の駆動サブモジュールにおいて、入力シャフトは、第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動されてよく、第1の出力シャフトは、複数のモジュールのうちの第3のモジュールの複数の駆動シャフトのうちの1本の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動するように構成されてよい。
【0008】
各駆動サブモジュールにおいて、第1の出力シャフトは直角ギアボックスを介して入力シャフトに動作可能に結合されてよい。
【0009】
各駆動サブモジュールについて、第2の出力シャフトは入力シャフトと軸方向に揃えられてよい。
【0010】
駆動アセンブリモータは、複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールの入力シャフトに結合されてよい。
【0011】
分散駆動アセンブリは、少なくとも2本の延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、直列に一緒に接続された少なくとも2本の延長シャフトによって、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されてよい。
【0012】
分散駆動アセンブリは、第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されたワインディング機構を更に備えてよい。
【0013】
開示される概念の別の態様として、ネッカーマシンは、フレームアセンブリと、各モジュールが幾つかの駆動シャフトを有しており、フレームアセンブリに結合された複数のモジュールと、駆動アセンブリと、を備えており、駆動アセンブリは、複数の歯車を備えており、各歯車は、複数のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの個々の駆動シャフトに結合されて、各モジュールの幾つかの駆動シャフトを複数のモジュールのうちのその他のモジュールの幾つかの駆動シャフトに相互接続する、歯車列と、複数の駆動サブモジュールを備える分散駆動アセンブリと、を備えており、各駆動サブモジュールは、入力シャフトと、入力シャフトに動作可能に結合された第1の出力シャフトと、入力シャフトに動作可能に結合された第2の出力シャフトと、を備えており、複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールにおいて、入力シャフトは、主駆動アセンブリモータに動作可能に結合して駆動されるように構成されており、第1の出力シャフトは、複数のモジュールのうちの第1のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動し、複数の駆動サブモジュールのうちの第2の駆動サブモジュールにおいて、入力シャフトは、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動され、第1の出力シャフトは、複数のモジュールのうちの第2のモジュールの複数の駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動し、第2のモジュールは、少なくとも1つのその他のモジュールによって第1のモジュールから離隔されている。
【0014】
ネッカーマシンは、複数の駆動サブモジュールのうちの第1の駆動サブモジュールの入力シャフトに結合された主駆動アセンブリモータを更に備えてよい。
【0015】
第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトは、減速ギアボックス及び駆動ハブを介して、第1のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに結合されてよく、第2の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトは、別の減速ギアボックス及び別の駆動ハブを介して、第2のモジュールの幾つかの駆動シャフトのうちの関連する第1の駆動シャフトに結合されてよい。
【0016】
ネッカーマシンは、延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、延長シャフトによって第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されてよい。延長シャフトは、第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトを、第1の駆動サブモジュールの第1の出力シャフトから離れた距離に配置するような大きさで構成されており、距離は、複数の処理モジュールのうちの1つのモジュールの全幅よりも大きくてよい。
【0017】
複数の駆動モジュールは、少なくとも3つの駆動サブモジュールを含んでおり、複数の駆動サブモジュールのうちの第3の駆動サブモジュールについて、入力シャフトは、第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合して駆動し、第1の出力シャフトは、複数のモジュールのうちの第3のモジュールの複数の駆動シャフトのうちの1本の駆動シャフトに動作可能に結合して駆動してよい。
【0018】
各駆動サブモジュールにおいて、第1の出力シャフトは直角ギアボックスを介して入力シャフトに動作可能に結合されてよい。
【0019】
各駆動サブモジュールにおいて、第2の出力シャフトは入力シャフトと軸方向に揃えられてよい。
【0020】
ネッカーマシンは、少なくとも2本の延長シャフトを更に備えており、第2の駆動サブモジュールの入力シャフトは、直列に一緒に接続された少なくとも2本の延長シャフトによって、第1の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されてよい。
【0021】
ネッカーマシンは、第2の駆動サブモジュールの第2の出力シャフトに動作可能に結合されたワインディング機構を更に備えてよい。
【0022】
開示される概念のこれらの及び他の目的、特徴、及び特質、構造の関連要素の動作及び作用に関する方法、並びに部品と製造の経済性との組合せは、添付の図面を参照して以下の説明と添付の特許請求の範囲とを考慮することで、より明らかになるであろう。添付の図面は全て本明細書の一部を構成し、添付の図面において、同じ符号は、種々の図面における対応する部品を示す。しかしながら、図面は、例示及び説明のみを目的としており、開示される概念の制限を規定するものとして意図されないことは、明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
開示される概念の完全な理解は、添付の図面と併せて読むことで、例示的な幾つかの実施形態に関する以下の説明から得ることができる。
【0024】
【
図1】
図1は、開示される概念の例示的な実施形態によるネッカーマシンの処理側の斜視図である。
【
図2】
図1のネッカーマシンの処理側の別の斜視図である。
【
図3】
図1及び
図2のネッカーマシンの処理側の側面図である。
【
図4】
図1乃至3のネッカーマシンの駆動側の一部の概要を示す側面図である。
【
図5】
図5は、缶ボディの概要を示す断面図である。
【
図6】
図6は、開示される概念の別の例示的な実施形態に基づくネッカーマシンの駆動側の一部の概要を示す斜視図である。
【
図7】
図6のネッカーマシンの分散駆動アセンブリの一部の詳細を示す図である。
【
図8】
図6のネッカーマシンの分散駆動アセンブリの一部の詳細を示す図である。
【
図9】
図9は、開示される概念の更に別の例示的な実施形態に基づくネッカーマシンの駆動側の一部の概要を示す斜視図である。
【0025】
図面において、説明される部分に関係しない部分は、簡略化された形で示されているか、省略されていることは理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面に示されており、以下の説明に記載されている具体的な要素は単に、開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されることは理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特徴は、開示される概念の範囲に関する限定とみなされるべきではない。
【0027】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、請求項に明示されない限り請求項を限定するものではない。
【0028】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0029】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように形成された、サイズ決めされた、配置された、結合された、及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「動くように構成された」部材は、別の要素に可動に結合されており、その部材を動かす要素を含んでいるか、或いは、当該部材は、別のやり方で別の要素又はアセンブリに応答して動くように構成されている。よって、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく構造を述べている。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように意図及び設計されることを意味する。よって、特定された動詞を単に実行できるだけで、特定された動詞を実行するように意図及び設計されていない要素は、「[動詞]するように構成され」ていない。
【0030】
本明細書では、「関連する」は、要素が同じアセンブリの一部である、及び/又は共に動作する、又は何らかの方法で相互に作用することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップとを有する。全ての要素が自動車の部品と結合されているが、各ハブキャップは特定のタイヤと「関連する」と理解される。
【0031】
本明細書では、「カップリングアセンブリ」は、2つの又は2つを超えるカップリング又はカップリング要素を含む。カップリング又はカップリングアセンブリの構成要素は概ね、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。よって、「カップリングアセンブリ」の構成要素は、以下の説明で同時に記載されないことがある。
【0032】
本明細書では、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、カップリングアセンブリの1又は複数の構成要素である。つまり、カップリングアセンブリは、互いに結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。カップリングアセンブリの構成要素は、相互に適合可能であると理解される。例えば、カップリングアセンブリでは、一方のカップリング構成要素がスナップソケットである場合には、他方のカップリング構成要素はスナッププラグであって、一方のカップリング構成要素がボルトである場合には、他方のカップリング構成要素はナット又はねじ穴である。更に、要素の通路は、「カップリング」又は「カップリング構成要素」の一部である。例えば、2枚の木製のボードが、それらの通路を通って延びるナット及びボルトによって結合されているアセンブリにおいて、ナット、ボルト、及び2つの通路は夫々「カップリング」又は「カップリング構成要素」である。
【0033】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。よって、例えば、ボルトは「締結具」であるが、さねはぎ(tongue-and-groove)継ぎは「締結具」ではない。つまり、さねはぎ要素は、結合されている要素の一部であって、別個の構成要素ではない。
【0034】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という表現は、リンクが発生する限り、それらの部品が、直接的、又は間接的に、即ち、1つ以上の中間部品又は構成要素を介して、共に結合される又は動作することを意味する。本明細書では、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触して結合されることを意味する。本明細書では、「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、互いに対して一定の向きを維持しながら移動するように結合されることを意味する。本明細書では、「調節可能に固定される」は、2つの構成要素が互いに一定の全体的な向き又は位置を維持しながら1つのものとして移動するように結合し、限られた範囲又は1つの軸を中心に動くことができることを意味する。例えば、ドアノブはドアに対して「調節可能に固定」されており、ドアノブは回転可能であるが、通常、ドアノブはドアに対して1つの位置に固定される。更に、リトラクタブルペンのカートリッジ(ペン先及びインクタンク)は、ハウジングに対して「調節可能に固定」されており、カートリッジは収納位置と伸長位置の間を移動するが、ハウジングに対する姿勢は概ね維持される。従って、2つの要素が結合されると、これらの要素の全ての部分が結合される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合される、例えば、軸体の第1の端部が第1のホイールに結合されるというような記載は、第1の要素の特定の部分が、第1の要素の他の部分に比べて第2の要素により近く配置されることを意味する。更に、重力によってのみ別の物体上の適所に載置されている物体は、上側の物体がそれ以外の方法でほぼ適所に保持されない限り、下側の物体に「結合」されていない。つまり、例えば、テーブル上の本はテーブルに結合されていないが、テーブルに糊付けされた本はテーブルに結合されている。
【0035】
本明細書では、「着脱可能に結合される」又は「一時的に結合される」という表現は、ある構成要素が別の構成要素に実質的に一時的に結合されることを意味する。つまり、2つの構成要素は、構成要素どうしの結合又は分離が容易であり、構成要素にダメージを及ぼさないように結合される。例えば、限られた数の、容易にアクセス可能な締結具、即ち、アクセスが難しくない締結具によって相互に固定された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ており、溶接された、又はアクセスが困難な締結具によって結合された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ていない。「アクセスが困難な締結具」は、締結具へのアクセス前に1又は複数の他の構成要素を取り外す必要がある締結具のことであり、「他の構成要素」は、限定はされないが、例えばドアなどのアクセス手段ではない。
【0036】
本明細書では、「動作可能に結合される」は、第1の位置と第2の位置の間で、又は第1の配置と第2の配置の間で移動可能な複数の要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/配置から他方の位置/配置に動き、第2の要素も両者の位置/配置間で動くように結合されることを意味する。なお、逆が成り立たないように、第1の要素が別の要素に「動作可能に結合され」てもよい。
【0037】
本明細書では、2つの又は2つを超える部品又は構成要素が相互に「係合する」という表現は、それらの要素が、直接的に、或いは、1又は複数の中間要素若しくは構成要素を介して相互に力を及ぼすこと、又は付勢することを意味する。更に、移動する部品について、本明細書では、移動する部品は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合し」てよく、及び/又は、一旦記載された位置に至ると別の要素に「係合し」てよい。故に、「要素Aは、要素の第1の位置に移動すると、要素Bに係合する」と、「要素Aは、要素の第1の位置にあると、要素Bに係合する」とは等価の表現であり、この表現は、要素Aは、要素の第1の位置に移動する間に要素Bに係合する、及び/又は要素の第1の位置にある間、要素Bに係合することを意味すると理解される。
【0038】
本明細書では、「作動的に係合する」は、「係合し、移動する」ことを意味する。つまり、「作動的に係合する」は、可動な又は回転可能な第2の構成要素を動かすように構成された第1の構成要素について使用される場合、第1の構成要素が、第2の構成要素を動かすために十分な力を加えることを意味する。例えば、ねじ回しは、ねじと接触させて配置できる。力がねじ回しに加えられないと、ねじ回しは、単にねじに「一時的に結合される」だけである。軸方向の力がねじ回しに加えられると、ねじ回しがねじに押しつけられて、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がねじ回しに加えられると、ねじ回しは、ねじに「作動的に係合し」て、ねじを回転させる。更に、電子部品の場合、「作動的に係合する」とは、ある部品が制御信号又は電流によって別の部品を制御することを意味する。
【0039】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が相互に類似したサイズと形状を有し、最小摩擦量で結合できることを示す。故に、部材に「対応する」開口は、その部材が最小摩擦量で開口を通過できるように、部材よりも僅かに大きいサイズを有する。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」嵌まる場合には変更される。かかる状況では、構成要素間の寸法差が更に小さくなることで、摩擦量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から作られている場合、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてよい。表面、形状、及び線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又は線はほぼ同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。
【0040】
本明細書では、「一体」という文言は、単一の片又はユニットとして作製されている構成要素を意味する。つまり、別個に作製された後に互いにユニットとして結合された複数の片を含む構成要素は、「一体型」構成要素又は「一体型」構造体ではない。
【0041】
本明細書では、「幾つか」という用語は、1又はそれを超える整数(即ち、複数)を意味する。即ち、例えば、「幾つかの要素」という語句は、1つの要素又は複数の要素を意味する。「幾つかの[x]」は、単一の[x]を含むことに特に留意のこと。
【0042】
本明細書では、「[x]が第1の位置と第2の位置との間を移動する」、又は「[y]が、第1の位置と第2の位置との間で[x]を移動させるように構成される」という表現において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が複数の位置の間で移動する要素又はアセンブリである場合、「その」という代名詞は、「[x]」、即ち、「その」という代名詞の後に言及される要素又はアセンブリを意味する。
【0043】
本明細書では、円状体又は円柱体の「径方向側面/面」は、その中心又は中心を通る高さ線の周りに延びる、或いは、その中心又は中心を通る高さ線を囲む側面/面である。本明細書では、円状体又は円柱体の「軸方向側面/面」は、円柱の中心を通る高さ線にほぼ垂直に延びる平面内に延びる面である。つまり、一般的には、円柱状スープ缶の場合、「径方向側面/面」は略円状側壁であり、「軸方向側面/面」はスープ缶の頂部と底部である。更に、本明細書では、「径方向に延びる」は、半径方向に延びる、又は、半径方向線に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「径方向に延びる」線は、円又は円柱の中心から径方向側面/面へ向けて延びる。更に、本明細書では、「軸方向に延びる」は、軸方向に延びる、又は、軸線に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「軸方向に延びる」線は、円柱の底部から円柱の頂部へ向かって、円柱の長手方向中心軸と略平行に延びる。
【0044】
本明細書では、「缶」及び「容器」という用語は、中身(限定ではなく、例えば、液体、食品やその他の適切な物質)を収容するように構成された任意の既知の又は適切な容器を指すためにほぼ置換可能に使用されており、限定ではないが、ビールやソーダ缶などの飲料缶だけでなく食料缶も明確に含む。
【0045】
本明細書では、「[要素、点、又は軸]を中心に配置される」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に延びる」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に[X]度」などの表現における「中心に」は、それを中心に囲う、延びる、又は測定されることを意味する。測定値に関連して又はそれに類似した状況で使用される場合、「約」は、「おおよそ」、即ち、当業者によって理解される、測定値に関する近似的な範囲を意味する。
【0046】
本明細書では、「駆動アセンブリ」は、処理モジュールにおいて前後に延びる回転シャフトに動作可能に結合された要素を意味する。「駆動アセンブリ」は、処理モジュールにおける前後に延びる回転シャフトを含まない。
【0047】
本明細書では、「潤滑システム」は、駆動アセンブリのリンク機構、例えばシャフト及び歯車の外面に潤滑剤を付するシステムを意味する。
【0048】
本明細書では、「延設された」要素は、延出方向に延びる長手方向軸及び/又は長手方向線を本質的に含む。
【0049】
本明細書では、「一般的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「一般的な方法で」を意味する。
【0050】
本明細書では、「実質的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「ほとんど」を意味する。
【0051】
本明細書では、「にて」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して位置及びその近傍を意味する。
【0052】
本明細書に開示される概念に基づく駆動アセンブリが使用され得るネッカーマシン10の例を
図1乃至4に示す。ネッカーマシン10の一般的な要素及び動作の簡単な説明が本明細書で提供されるが、類似したネッカーマシン及びその動作の詳細な説明は、2019年5月9日に出願された米国特許出願第16/407,292号(本願と発明者が共通している)に提供されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示される概念による駆動アセンブリが使用され得るネッカーマシンの他の例は、限定ではないが、例えば、米国特許第8,464,567号、第8,601,843号、第9,095,888号及び第9,308,570号に記載されており、これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
上記の背景技術で既に説明したように、ネッカーマシン10は、
図5に示すように、缶ボディ1の一部の直径を小さくするように構成されている。本明細書では、「ネッキング」とは、缶ボディ1の一部の直径/半径を小さくすることを意味する。即ち、
図5に示すように、缶ボディ1は、上向きに付随する側壁3を有するベース2を含む。缶ボディベース2及び缶ボディ側壁3は、概ね囲まれた空間4を規定する。後述する実施形態では、缶ボディ1は、略円状及び/又は細長い円筒である。これはある例示的な形状であって、缶ボディ1が他の形状を有してよいことは理解される。缶ボディは長手方向軸5を有する。缶ボディの側壁3は第1の端部6及び第2の端部7を有する。缶ボディのベース2は第2の端部7にある。缶ボディの第1の端部6は開放している。缶ボディの第1の端部6は、当初は、缶ボディ側壁3と実質的に同じ半径/直径を有する。ネッカーマシン10での成形工程に続いて、缶ボディの第1の端部6の半径/直径は、缶ボディ側壁3における他の部分の半径/直径よりも小さくなっている。
【0054】
図1乃至3を参照すると、ネッカーマシン10は概して、横に並べられて互いに結合された複数のモジュール(全体が11で示される)を含む。例示のネッカーマシン10は6つのそのようなモジュール11を含んでいるが、所与のネッカーマシンに含まれるモジュール11の数は、一般に、加工/形成される缶ボディの詳細とその最終的な所望の形状とに依存しており、故に、モジュール11の数は、開示された概念の範囲から変化することなく変更されてよいことは理解されるべきである。複数のモジュール11は、ネッカーマシン10の第1の端部に配置されたインフィードモジュール12を含む。インフィードモジュール12は、缶ボディ1を受け入れるためのインフィードアセンブリ13を含む(例えば、
図3参照)。複数のモジュール11はまた、インフィードモジュール12から直列に並んで延びる複数の成形/処理モジュール14を含む。複数のモジュール11は、インフィードモジュール12からネッカーマシンの反対側の端部に配置された排出モジュール15で終了し、複数の処理モジュール14はインフィードモジュール12と排出モジュール15とによって境界を定められる。排出モジュール15は、ネッカーマシン10からネック付き缶を排出するための出口アセンブリ16を含む。以下、処理/成形モジュール14は、用語「処理モジュール14」によって特定されて、一般的な処理モジュール14を指すこととする。各処理モジュール14は、他の全ての処理モジュール14とほぼ同じ全幅W(
図3及び
図4)を有している。従って、ネッカーマシン10が占める長さ/空間は、そこで利用される処理モジュール14の数によって概ね決定されることは理解されるべきである。
【0055】
公知のように、処理モジュール14は、互いに隣接して、且つ、一連の処理モジュールの両端に配置されたインフィードモジュール12及び排出モジュール15と直列に配置される。即ち、ネッカーマシン10によって処理される缶ボディ1の各々は、上流の場所から一連の処理モジュール14を通って同じ順序で移動する。ネッカーマシン10を通る缶ボディ1の移動は、駆動アセンブリ20(
図4)によって駆動される搬送アセンブリ18によって行われる。それらアセンブリは共にネッカーマシン10の一部として含まれている。
【0056】
処理中、缶ボディ1は、経路、以下「作業経路9」(
図3)をたどる。即ち、ネッカーマシン10は、
図3に示すように、「上流」のUS場所から「下流」のDS場所まで缶ボディ1が移動する作業経路9を規定する。本明細書では、「上流」は概して、インフィードモジュール12/インフィードアセンブリ13により近いことを意味し、「下流」は、排出モジュール15/出口アセンブリ16により近いことを意味する。作業経路9を規定する要素に関して、それらの要素の各々は、「上流側」端部及び「下流側端部」を有し、缶ボディは、「上流側」端部から「下流側」端部へと移動する。故に、本明細書では、「上流側」又は「下流側」の要素又はアセンブリとしての、或いは、「上流側」又は「下流側」の場所にあるという要素、アセンブリ、サブアセンブリ等の性質/識別は、固有のものである。更に、本明細書では、「上流側」又は「下流側」の要素又はアセンブリとしての、或いは、「上流側」又は「下流側」の場所にあるという要素、アセンブリ、サブアセンブリ等の性質/識別は、相対的な用語である。
【0057】
上述のように、各処理モジュール14は、同じ幅W(即ち、その上流端と下流端との間の距離)を有し、缶ボディ1が幅Wを概ね横切って移動するにつれて、缶ボディ1は処理及び/又は成形される(若しくは部分的に成形される)。一般に、缶ボディの加工/成形は、各処理モジュール14の回転可能なタレット22で行われる。つまり、用語「タレット22」は、汎用のタレットを特定するものである。各処理モジュール14は、タレット22に関連する回転可能なスターホイール24を含む。用途に応じて、スターホイール24は、開示される概念の範囲から変更されることなく、「非真空式スターホイール」(即ち、スターホイールのポケットに真空を適用するように構成された真空式アセンブリを含まないか、又はそれに関連しないスターホイール)、或いは、代替的に「真空式スターホイール」(即ち、スターホイールポケットに真空を適用するように構成された真空式アセンブリを含むか、又はそれに関連しているスターホイール)であってよい。更に、各処理モジュール14は、典型的には、1つのタレット22と1つのスターホイール24とを含む。
【0058】
搬送アセンブリ18は、隣接する処理モジュール14間にて、インフィードモジュール12から排出モジュール15に向けて缶ボディ1を移動させるように構成されている。搬送アセンブリ18は、複数の回転可能なスターホイール26を含んでおり、各スターホイール26は、個々の処理モジュール14、インフィードモジュール12、又は排出モジュール15の一部である。スターホイール24と同様に、用途に応じて、スターホイール26は、開示される概念の範囲から変更されることなく、「真空」又は「非真空」タイプであってよい。
【0059】
複数の処理モジュール14は、異なるタイプの缶ボディ1をネッキングするように、及び/又は構成が異なる缶ボディをネッキングするように構成されてよいことに留意のこと。従って、複数の処理モジュール14は、特定の用途の必要性に応じてネッカーマシン10に追加される、又は、ネッカーマシン10から取り出されるように構成されている。これを達成するために、ネッカーマシン10は、複数の処理モジュール14が取り外し可能に結合されるフレームアセンブリ30を含んでいる。あるいは、フレームアセンブリ30は、複数の処理モジュール14が互いに一時的に結合されるように構成されるように、複数の処理モジュール14の夫々に組み込まれた要素を含んでいる。フレームアセンブリ30は、上流端部32及び下流端部34を有する。更に、フレームアセンブリ30は、延設される部材、パネル部材(何れも符号なし)、又はそれら両方の組合せを含む。公知のように、互いに結合された又は延設された部材に結合されたパネル部材は、ハウジングを形成する。従って、本明細書で使用する場合、ハウジングは、「フレームアセンブリ30」としても特定される。
【0060】
ネッカーマシン10が作動すると、インフィードアセンブリ13は、個々の缶ボディ1を搬送アセンブリ18に送り、搬送アセンブリ18は、各缶ボディ1を、各処理モジュール14を通って、最上流の処理モジュール14から最下流の処理モジュール14へと順次移動させる。より具体的には、各缶ボディ1は、スターホイール26からスターホイール24、成形工程が行われるタレット22へと移動し、前述のスターホイール24に戻って、下流側の次のスターホイール26へと移動する。概して、各処理モジュール14は、缶ボディ1が複数の処理モジュール14を通って移動するにつれて缶ボディ第1の端部6(
図5)の断面積を徐々に減少させるように缶ボディ1を部分的に成形するように構成されている。それら処理モジュール14は、限定ではないが特定のダイのような、単一の特定の処理モジュール14に固有の幾つかの要素を含んでいる。処理モジュール14のその他の要素、例えばタレット22及びスターホイール24、26は、処理モジュール14の全て又は大半において共通している。このような処理は、缶ボディ1が作業経路9に沿って全ての処理モジュール14を通過し、出口アセンブリ16を介してネッカーマシン10を出るまで継続する。
【0061】
図3を参照すると、例示のネッカーマシン10を通して缶ボディ1を移動させるために、タレット22及びスターホイール24の各々は、個々の処理又は第一駆動シャフト40によって第1の回転速度で時計回り方向に回転する一方で、スターホイール26の各々は、個々の移送又は第二駆動シャフト42によって第2の回転速度で反時計回り方向に回転する。各処理モジュール14の第一駆動シャフト40及び第二駆動シャフト42の各々のこのような回転は、
図4に概略的に示された駆動アセンブリ20によって提供される。この駆動アセンブリは、(本明細書で前述したような)歯車列を利用する駆動アセンブリの欠点に対処し、歯車列を使用する他のネッカーマシンに容易に後付されてよい。
【0062】
図4を参照すると、駆動アセンブリ20は、複数の第一歯車52と複数の第二歯車54とから構成された歯車列50を含む。各第一歯車52(
図4に歯無しで概略的に示す)は、前述の第一駆動シャフト40に結合されたタレット22とは反対側において各第一駆動シャフト40の端部の近くに取り付けられており、各第二歯車54(
図4に歯無しで概略的に示す)は、前述の第二駆動シャフトに結合された真空式スターホイール26とは反対側において各第二駆動シャフト42の端部の近くに取り付けられる。各歯車52、54は、任意の適切な材料で作られてよく、一実施形態では、両方とも鋼で作られる。別の実施例では、潤滑を必要としないように、鋼とポリマー(例えば、ナイロン)から形成された交互歯車が使用される。他の非金属(繊維/複合)歯車材料も、潤滑要件を回避するために、鋼又は金属歯車と共に使用されてよい。各歯車52、54は、特定の用途に対して所望の相対速度で回転するような大きさにされる。第一歯車52と第二歯車54とは、各第一歯車52が2つの第二歯車54の間でのみ噛み合い、同様に各第二歯車54が2つの第一歯車52の間でのみ噛み合うように、互いに噛み合わされる。従って、歯車列50において、全ての第一歯車52は同じ方向(例えば、
図4では反時計回り)に回転する一方で、全ての第二歯車54は第一歯車52とは反対方向(例えば、
図4では時計回り)に回転する。故に、歯車列50は、各処理モジュール14の幾つかの駆動シャフト(例えば、第一駆動シャフト40及び第二駆動シャフト42)を、ネッカーマシン10の他の処理モジュール14の幾つかの駆動シャフトと、インフィードモジュール12及び排出モジュール15における他の被駆動構成要素に相互接続することは理解されるべきである。
【0063】
引き続き
図4を参照すると、駆動アセンブリ20は、歯車列50を駆動する分散駆動アセンブリ58を更に含む。本明細書で先に説明したような、歯車列が単一の端部で駆動される構成とは異なり、分散駆動アセンブリ58は、複数の場所で歯車列50を駆動するので、本明細書の背景技術のセクションで先に説明したような構成よりも、歯車列50の荷重をより良く分散させる。このような分配を達成するために、分散駆動アセンブリ58は、サブフレーム61を介してフレーム30に結合された複数の駆動サブモジュール60(
図4に示す例示的な駆動アセンブリ20には2つが含まれる)と、駆動サブモジュール60の間に配置された複数の延長シャフト62(
図4に示す例示的な駆動アセンブリ20には1つが含まれる)とを含む。各駆動サブモジュール60は、入力シャフト64と、入力シャフト64に動作可能に結合された第1の出力シャフト66と、入力シャフト64に動作可能に結合された第2の出力シャフト68とを含む。このような動作可能な結合は、入力シャフト64が回転すると第1の出力シャフト66と第2の出力シャフト68の両方が回転することを可能にする。
図4に示す例では、第1の出力シャフト66の各々は、直角ギアボックス(符号なし)を介して関連する入力シャフト64に動作可能に結合され、第2の出力シャフト68の各々は、その第2の出力シャフト68と関連する入力シャフト64が軸方向に整列する(即ち、共通軸(符号なし)回りで回転する)ように、その入力シャフト64に(任意の適切な構成を介して)動作可能に結合される。
図4に示す例では、最下流の駆動サブモジュール60(即ち、
図4に示す最も左側のもの)において、入力シャフト64は、フレーム30に結合された単独の主駆動アセンブリモータ70に別のサブフレーム71を介して動作可能に結合され、主駆動アセンブリモータ70によって駆動され、第1の出力シャフト66は、排出モジュール15の第二駆動シャフト42に動作可能に、さもなければ他の方法で直接又は間接的に(例えば、第二歯車54又は他の任意の適切な構成を介して)結合されて第二駆動シャフト42を駆動する。一方、最上流の駆動サブモジュール60(即ち、
図4に示される最も右側のもの)については、入力シャフト64は、(延長シャフト62を介して)前述の下流の駆動サブモジュール60の第2の出力シャフト68に動作可能に結合されており、第2の出力シャフト68によって駆動される。第1の出力シャフト66は、少なくとも1つの他の処理モジュール14によって排出モジュール15から隔てられた(
図4に示される例では、そのような離隔は3つの処理モジュール14による)処理モジュール14の第二駆動シャフト42に動作可能に、さもなければ直接又は間接的に(例えば、任意の適切な機構を介して)結合され、第二駆動シャフト42を駆動する。前述の離隔は、延長シャフト62を使用することによって達成される。延長シャフト62は、長さLを有しており、その長さによって、2つの駆動サブモジュール60の第1の出力シャフト66は、距離D(中心線間で測定される)だけ離隔される。延長シャフト62は、鋼又は他の適切な材料から形成されてよい。例えば、炭素繊維から作られた延長シャフト62を使用して臨界シャフト速度を増加させて、ネッカーマシン10の許容可能な運転速度を増加させることができる。このように、主駆動アセンブリモータ70は、分散駆動アセンブリ58を介して(一箇所ではなく)複数の場所で歯車列50を駆動することで、従来の構成よりも歯車列50への負荷をより良く分散し、故に、従来の構成と比較して、歯車列50に必要な歯車の厚さを減少させることが理解される。
図4に示す例示の実施形態では、排出モジュール15及び最上流の処理モジュール14に結合されているように示されているが、分散駆動アセンブリ58は、開示される概念の範囲を変えることなく、他のモジュール11に結合されてよいことは理解されるべきである。また、歯車列50に関連する第二駆動シャフト42に結合されて駆動するように示されているが、分散駆動アセンブリは、開示される概念の範囲を変えることなく、その代わりに、歯車列50内の他の構成要素(例えば、第一駆動シャフト40、第一駆動シャフト40及び第二駆動シャフト42の組合せ等)に結合されて駆動することができることは理解されるべきである。
【0064】
複数の駆動ポイントから生じる歯車列50のひっかかり(binding)は、多くの方法で回避することができる。ある例示的なアプローチでは、マシンのセットアップ(タイミング)中、
図4に示す最も左側の駆動サブモジュール60が、モジュール15に動作可能に結合される。次に、主駆動アセンブリモータ70は、バックラッシュの全てが歯車列50から除去されるまで、マシン10を非常にゆっくりと駆動することができる。バックラッシュが歯車列50を通じて吸収されると、
図4に示す最も右側の駆動サブモジュール60が処理モジュール14に動作可能に結合される。
【0065】
図4に示すように、最上流の駆動サブモジュール60(即ち、
図4に示す最も右側の駆動サブモジュール60)の第2の出力シャフト68は、ネッカーマシン10を動かすための適切なワインディング(winding)機構69によって利用されてもよい。この機構69は、手で巻くためのクランク、自動ワインディングのための電気モータ、又は開示された概念の範囲を変えることのない他の任意の適切な機構であってもよい。
【0066】
図4に示す例示の分散駆動アセンブリ58は、単一の延長シャフト62を介して接続された2つの駆動サブモジュール60のみを利用するが、ネッカーマシンの駆動アセンブリ50において利用される駆動サブモジュール60及び/又は延長シャフト62の一方又は両方の数は、特定のネッカーマシンにおいて利用される処理モジュール14の数と、及び/又は、特定の機構の他の詳細/要件とに応じて必要であれば変更されてもよいことは理解されるべきである。例えば、
図6乃至8は、3つの駆動サブモジュール60を含む/利用する分散駆動アセンブリ58’を有する駆動アセンブリ20’によって駆動される14個の処理モジュール14(そのうちの幾つかのみに符号が付されている)を含む例示のネッカーマシン10’(及びその部分の詳細図)の概要を部分的に示している。各駆動サブモジュールは、カップリング80によって駆動サブモジュール60の間で直列配置で互いに結合された2本の延長シャフト62(
図6では隠線で概略的に示される)によって結合される。2本の延長シャフト60の間のカップリング80は、ネッカーマシン10’のフレーム30’に結合された適切なサブフレーム81によって支持される。
図6に示す図では、延長シャフト62及びカップリング80は、着脱可能な安全シールド82によって覆われており、安全シールド82は、1又は複数のサブフレーム61及び/又は81に(例えば、任意の適切な機構を介して)選択的に結合された幾つかのセクションに設けられている。
図7及び
図8に最もよく示されているように、このような例示の実施形態では、各駆動サブモジュール60は、減速ギアボックス84及び第二駆動シャフト42の第二歯車52(
図6)に結合された駆動ハブ86を介して、対応する第二駆動シャフト42に結合されている。しかしながら、前述したように、このような特定の構成は例示目的のためにのみ提供されており、分散駆動アセンブリ58’と歯車列50’の間のこのような結合は、開示された概念の範囲を変えることなく、他の任意の適切な構成を介して達成されてよいことは理解されるべきである。
【0067】
別の例として、
図9は、16個の処理モジュール14(そのうちの幾つかのみに符号が付されている)を含むネッカーマシン10”の例を示しており、それら処理モジュール14は、2つの駆動サブモジュール60を含む/利用する分散駆動アセンブリ58”を含む駆動アセンブリによって駆動され、各駆動サブモジュール60は4本の延長シャフト62で結合されている。より具体的には、4本の延長シャフト62は、3つのカップリング80によって駆動サブモジュール60間で直列配置で一緒に結合されており、各カップリング80は隣接する2本の延長シャフト62を結合する。隣接する2本の延長シャフト60の間の各カップリング80は、ネッカーマシン10”のフレーム30”に結合された適切なサブフレーム81によって支持される。
図9に示す例では、駆動サブモジュール60は、排出モジュール15及び12番目の上流側処理モジュールに結合されているが、ここでも、駆動サブモジュール60は、開示された概念の範囲を変えることなく、他のモジュール11に結合されてもよいことが理解されるべきである。
【0068】
上記の実施例から、本明細書に開示された概念の実施例は、単一の駆動モータのみを使用する一方で、歯車列に沿って駆動力を分配することによって従来の構成を改善するネッカーマシンを駆動するための構成を提供することは理解される。歯車列に沿って力をより良く分配することで、(例えば、より薄い、及び/又は代替材料(例えば、ポリマー、複合材料など)から形成される)より強度の低い歯車を歯車列に使用することができるので、信頼性を改善しながら、歯車列のコストを低減することができる。
【0069】
開示された概念の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲の全範囲及びそのあらゆる均等物に与えられるべき開示された概念の範囲を限定するものではない。
【国際調査報告】