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特表2024-518517多成分電極および不連続界面層を伴う抵抗変化型メモリ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】多成分電極および不連続界面層を伴う抵抗変化型メモリ装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/00 20230101AFI20240423BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
H10B63/00
H10N70/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569954
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022029008
(87)【国際公開番号】W WO2022241125
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】17/319,057
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/319,068
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/454,914
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522359877
【氏名又は名称】テトラメム、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ミンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ,ニング
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083JA31
5F083JA39
5F083JA44
5F083JA46
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083PR21
5F083PR22
(57)【要約】
本開示は、抵抗変化型メモリ(RRAM)装置に関する。RRAM装置は、第1の電極と、第1の電極の上に作製される第1の界面層と、第1の界面層の上に作製される切り替え酸化物層と、切り替え酸化物層の上に作製される第2の電極を含むことができる。切り替え酸化物層は、遷移金属酸化物を含む。第1の界面層は、遷移金属酸化物より化学的に安定した第1の材料の不連続膜を含む。RRAM装置は、切り替え酸化物層と第2の電極の間に位置決めされる第2の界面層をさらに含むことができる。第2の界面層は、前記遷移金属酸化物より化学的に安定した第2の材料の不連続膜を含む。第2の電極は、合金、第1の金属材料の第1の層および/または第2の金属材料の第2の層を含むことができる複数の電極構成要素を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、
前記第1の電極の上に作製され、第1の材料の第1の不連続膜を包含する第1の界面層と、
前記第1の界面層の上に作製され、少なくとも1つの遷移金属酸化物を包含し、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より前記第1の材料の方が化学的に安定である、切り替え酸化物層と、
前記切り替え酸化物層の上に作製される第2の電極と、
を包含する、抵抗変化型メモリ(RRAM)装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの遷移金属酸化物は、HfOまたはTaOのうち少なくとも1つを包含し、x≦2.0かつy≦2.5である、請求項1に記載のRRAM装置。
【請求項3】
前記第1の材料は、Al、MgO、Y、またはLaのうち少なくとも1つを包含する、請求項1に記載のRRAM装置。
【請求項4】
前記第1の材料の前記第1の不連続膜は、1つ以上の第1の細孔を包含し、
前記切り替え酸化物層は、前記第1の細孔のうち少なくとも1つを通じて前記第1の電極の1つ以上の部分と接触する、請求項1に記載のRRAM装置。
【請求項5】
前記第1の界面層の厚さが、0.2nmと1nmの間である、請求項1に記載のRRAM装置。
【請求項6】
前記第2の電極は、タンタルの合金を包含する、請求項1に記載のRRAM装置。
【請求項7】
前記タンタルの合金は、ハフニウム、モリブデン、タングステン、ニオブ、またはジルコニウムのうち少なくとも1つをさらに包含する、請求項6に記載のRRAM装置。
【請求項8】
前記タンタルの合金は、タンタルを包含する二元合金、タンタルを包含する三元合金、タンタルを包含する四元合金、タンタルを包含する五元合金、タンタルを包含する六元合金、またはタンタルを包含する高次合金のうち少なくとも1つを包含する、請求項7に記載のRRAM装置。
【請求項9】
前記切り替え酸化物層と前記第2の電極の間に位置決めされ、第2の材料の第2の不連続膜を包含し、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より前記第2の材料の方が化学的に安定である、第2の界面層をさらに包含する、請求項1に記載のRRAM装置。
【請求項10】
前記第2の電極は、前記切り替え酸化物層の少なくとも一部と接触する、請求項9に記載のRRAM装置。
【請求項11】
前記第2の材料は、Al、MgO、Y、またはLaのうち少なくとも1つを包含する、請求項10に記載のRRAM装置。
【請求項12】
前記第2の界面層の厚さが、0.2nmと1nmの間である、請求項10に記載のRRAM装置。
【請求項13】
前記第2の電極は、
第1の金属材料を包含する第1の層と、
第2の金属材料を包含する第2の層と、
を包含し、
前記第1の層は、前記切り替え酸化物層の上に作製され、
前記第2の層は、前記第1の金属材料を包含する前記第1の層の上に作製される、請求項1に記載のRRAM装置。
【請求項14】
前記第1の材料は、前記第1の金属材料の酸化物より化学的に安定であり、
前記第1の金属材料の前記酸化物は、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定である、請求項13に記載のRRAM装置。
【請求項15】
前記第2の電極内の前記第1の金属材料は、Ti、Hf、またはZrのうち少なくとも1つを包含する、請求項14に記載のRRAM装置。
【請求項16】
前記第2の電極の前記第2の金属材料は、タンタルを包含する、請求項15に記載のRRAM装置。
【請求項17】
前記第1の金属材料を包含する前記第1の層の厚さが、0.2nmと5nmの間である、請求項13に記載のRRAM装置。
【請求項18】
抵抗変化型メモリ(RRAM)装置を作製するための方法であって、
前記RRAM装置の第1の電極の上に、第1の材料の第1の不連続膜を包含する第1の界面層を作製することと、
前記第1の界面層の上に、少なくとも1つの遷移金属酸化物を包含し、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より前記第1の材料の方が化学的に安定である、切り替え酸化物層を作製することと、
前記切り替え酸化物層の上に、第2の材料の第2の不連続膜を包含し、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より前記第2の材料の方が化学的に安定である、第2の界面層を作製することと、
前記第2の界面層の上に、第2の電極を作製することと、
を包含する方法。
【請求項19】
前記第1の材料の前記第1の不連続膜は、少なくとも1つの細孔を包含し、
前記第1の界面層の上に、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物を包含する前記切り替え酸化物層を作製することは、前記少なくとも1つの細孔を通じて前記第1の電極の上に前記少なくとも1つの遷移金属酸化物を堆積させることを包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記RRAM装置の前記第1の電極の上に、前記第1の材料の前記第1の不連続膜を包含する前記第1の界面層を作製することは、前記第1の電極の上に前記第1の材料を堆積させて前記第1の不連続膜を形成することを包含する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、『Resistive Random-Access Memory Devices with Multi-Component Electrodes(レジスティブ・ランダム・アクセス・メモリ・デバイセズ・ウィズ・マルチ-コンポーネント・エレクトローズ)』と題されて2021年5月12日に出願された米国特許出願第17/319,057号、『Resistive Random-Access Memory Devices with Multi-Component Electrodes(レジスティブ・ランダム・アクセス・メモリ・デバイセズ・ウィズ・マルチ-コンポーネント・エレクトローズ)』と題されて2021年5月12日に出願された米国特許出願第17/319,068、および『Resistive Random-Access Memory Devices with Multi-Component Electrodes and Discontinuous Interface Layers(レジスティブ・ランダム・アクセス・メモリ・デバイセズ・ウィズ・マルチ-コンポーネント・エレクトローズ・アンド・ディスコンティニュアス・インターフェース・レイヤーズ)』と題されて2021年11月15日に出願された米国特許出願第17/454,914号の利益を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示の実装は、概して抵抗変化型メモリ(RRAM)装置に関し、より具体的には、多成分電極および不連続界面膜を伴うRRAM装置に関する。
【背景技術】
【0003】
抵抗変化型メモリ(RRAM)装置は、可調不揮発性抵抗器を伴う2端子受動装置である。RRAM装置の抵抗器は、RRAM装置に対して適切なプログラミング信号を印加することによって高抵抗状態(HRS)と低抵抗状態(LRS)の間において電気的に切り替えることができる。RRAM装置を使用してクロスバー・アレイを形成することができ、それを使用してインメモリ・コンピューティング応用、不揮発性ソリッド・ステート・メモリ、画像処理応用、ニューラル・ネットワーク等を実装することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために本開示を簡単に述べた概要である。この概要は、本開示の広範囲にわたる全体像ではない。それには、開示の鍵となるかまたは重要な要素のいずれも識別することは意図されてなく、また本開示の特定の実装のあらゆる範囲、または請求項のあらゆる範囲を線引きすることも意図されてない。そのただひとつの目的は、後に提示する、より詳細な説明に対する序章として簡単化した形式で本開示のいくつかの概念を提供することである。
【0005】
本開示の1つ以上の態様によれば、抵抗変化型メモリ(RRAM)装置が、第1の電極と、前記第1の電極の上に作製される第1の界面層と、前記第1の界面層の上に作製される切り替え酸化物層と、前記切り替え酸化物層の上に作製される第2の電極を含むことができる。前記第1の界面層は、第1の材料の第1の不連続膜を含むことができる。前記切り替え酸化物層は、少なくとも1つの遷移金属酸化物を含むことができる。いくつかの実施態様において、前記第1の材料が前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定である。
【0006】
いくつかの実施態様において、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物が、HfOまたはTaOのうち少なくとも1つを含み、x≦2.0かつy≦2.5である。
【0007】
いくつかの実施態様において、前記第1の材料が、Al、MgO、Y、またはLaのうち少なくとも1つを含む。
【0008】
いくつかの実施態様において、前記第1の材料の前記第1の不連続膜が1つ以上の第1の細孔を含むことができ、前記切り替え酸化物層は、前記第1の細孔の少なくとも1つを通じて前記第1の電極の少なくとも一部と接触する。
【0009】
いくつかの実施態様において、前記第1の界面層の厚さが0.2nmと1nmの間である。
【0010】
いくつかの実施態様において、前記第2の電極がタンタルの合金を含むことができる。前記タンタルの合金は、さらに、ハフニウム、モリブデン、タングステン、ニオブ、またはジルコニウムのうち少なくとも1つを含むことができる。前記タンタルの合金は、タンタルを含むことができる二元合金、タンタルを含むことができる三元合金、タンタルを含むことができる四元合金、タンタルを含むことができる五元合金、タンタルを含むことができる六元合金、またはタンタルを含むことができる高次合金のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施態様において、さらに前記RRAM装置が、第2の材料の第2の不連続膜を含む第2の界面層を含む。前記第2の材料は、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定である。前記第2の電極は、前記切り替え酸化物層の少なくとも一部と接触する。
【0012】
いくつかの実施態様において、前記第2の材料が、Al、MgO、Y、またはLaのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施態様において、前記第2の界面層の厚さが0.2nmと1nmの間である。
【0014】
いくつかの実施態様において、前記第2の電極が、第1の金属材料を含むことができる第1の層と、第2の金属材料を含む第2の層を含むことができる。前記第1の層は、前記切り替え酸化物層の上に作製される。前記第2の層は、前記第1の層の上に作製される。前記第1の材料は、前記第1の金属材料の酸化物より化学的に安定である。前記第1の金属材料の前記酸化物は、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定である。いくつかの実施態様において、前記第2の電極の前記第1の金属材料が、Ti、Hf、またはZrのうち少なくとも1つを包含する。いくつかの実施態様において、前記第2の電極の前記第2の金属材料がタンタルを含むことができる。
【0015】
いくつかの実施態様において、前記第1の金属材料を含む前記第1の層の厚さが、0.2nmと5nmの間である。
【0016】
本開示の1つ以上の態様は、抵抗変化型メモリ(RRAM)装置を作製するための方法を提供する。前記方法は、前記RRAM装置の第1の電極の上に、第1の材料の第1の不連続膜を含む第1の界面層を作製することを含む。また前記方法は、前記第1の界面層の上に、少なくとも1つの遷移金属酸化物を含む切り替え酸化物層を作製することも含む。前記第1の材料は、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定である。前記方法は、前記切り替え酸化物層の上に、第2の材料の第2の不連続膜を含む第2の界面層を作製することも含み、前記第2の材料は、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定である。また前記方法は、前記第2の界面層の上に第2の電極を作製することも含む。
【0017】
いくつかの実施態様において、前記第1の材料の前記第1の不連続膜は1つ以上の細孔を含むことができる。前記第1の界面層の上に前記切り替え酸化物層を作製することは、前記1つ以上の細孔を通じて前記第1の電極の上に前記少なくとも1つの遷移金属酸化物を堆積させることを含むことができる。前記RRAM装置の前記第1の電極の上に前記第1の界面層を作製することは、前記第1の電極の上に前記第1の材料を堆積させて前記第1の不連続膜を形成することを含むことができる。
【0018】
本開示の1つ以上の態様によれば、RRAM装置が、第1の電極と、前記第1の電極の上に作製される第1の界面層と、前記第1の界面層の上に作製される切り替え酸化物層と、前記切り替え酸化物層の上に作製される第2の界面層と、前記切り替え酸化物層の上に作製される第2の電極を含むことができる。
【0019】
本開示の1つ以上の態様によれば、RRAM装置が、第1の電極と、前記第1の電極の上に作製される切り替え酸化物層と、前記切り替え酸化物層の上に作製される界面層と、前記界面層の上に作製される第2の電極を含むことができる。前記切り替え酸化物層は、少なくとも1つの遷移金属酸化物を含むことができる。前記界面層は、前記少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定した材料の不連続膜を含むことができる。
【0020】
本開示は、以下に与えられている詳細な説明から、また本開示の多様な実施態様の添付図面からより完全に理解されることになるであろう。しかしながら、図面は、むしろ説明および理解のためのものであり、特定の実施態様に対して本開示を限定するものであると解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示のいくつかの実装に従ったクロスバー回路の例を説明する概略図である。
図2】本開示のいくつかの実装に従った一例のクロスポイント装置を説明する概略図である。
図3A】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図3B】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図3C】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図4A】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図4B】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図4C】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図4D】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図4E】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図4F】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図5A】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図5B】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図5C】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図5D】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図6A】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図6B】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図6C】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図6D】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明する。
図7】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の上部電極の断面図を説明する概略図である。
図8】本開示のいくつかの実施態様に従った金属酸化物の化学的安定性を示した一例のエリンガム・ダイアグラムである。
図9】本開示のいくつかの実施態様に従ったタンタルチタン(Ta-Ti)の二元状態図である。
図10】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置を作製するための方法を説明するフローチャートである。
図11】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置を作製するための方法を説明するフローチャートである。
図12】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置を作製するための方法を説明するフローチャートである。
図13】本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の上部電極を作製するための方法を説明するフローチャートである。
図14A】本開示のいくつかの実施態様に従ったタンタルハフニウム(Ta-Hf)の二元状態図である。
図14B】本開示のいくつかの実施態様に従ったタンタルタングステン(Ta-W)の二元状態図である。
図14C】本開示のいくつかの実施態様に従ったタンタルモリブデン(Ta-Mo)の二元状態図である。
図14D】本開示のいくつかの実施態様に従ったタンタルニオブ(Ta-Nb)の二元状態図である。
図14E】本開示のいくつかの実施態様に従ったタンタルジルコニウム(Ta-Zr)の二元状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の態様は、抵抗変化型メモリ(RRAM)装置およびRRAM装置を作製するための方法を提供する。RRAM装置は、可調抵抗器を伴う2端子受動装置である。RRAM装置は、第1の電極、第2の電極、および第1の電極と第2の電極の間に位置決めされる切り替え酸化物層を含むことができる。第1の電極は、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)等の非反応性金属を含むことができる。第2の電極は、タンタル(Ta)等の反応性金属を含むことができる。非反応性金属を含む電極を、ここでは『非反応性電極』と言うこともある。反応性金属を含む電極を、ここでは『反応性電極』と言うこともある。切り替え酸化物層は、酸化ハフニウム(HfO)またはタンタル酸化物(TaO)等の遷移金属酸化物を含むことができる。RRAM装置は、適切な電気的刺激(たとえば、RRAM装置に印加される電圧または電流信号)を受ける前は初期状態または未使用状態にあるとすることができ、初期高抵抗を有することができる。RRAM装置は、形成プロセスを介して未使用状態から低抵抗状態へ、または設定プロセスを介して高抵抗状態(HRS)から低抵抗状態(LRS)へと調整することができる。形成プロセスは、未使用状態から開始する装置のプログラミングと言うことができる。設定プロセスは、高抵抗状態(HRS)から開始する装置のプログラミングと言うことができる。反応性金属電極が切り替え酸化物の上に堆積された後、反応性金属は、切り替え酸化物層から酸素を吸収して切り替え酸化物層内に酸素空格子点を作り出すことが可能であり、酸素イオンは、空格子点メカニズムを通じて切り替え酸化物内へ移動することが可能である。形成プロセスの間において、適切なプログラミング信号(たとえば、電圧または電流信号)をRRAM装置へ印加することができ、それが切り替え酸化物から反応性電極へ移動するべく酸素イオンをドリフトさせることができる。その結果として、切り替え酸化物層を通る(たとえば、反応性電極から非反応性電極への)導電チャンネルまたはフィラメントを形成することができる。その後、RRAM装置にリセット信号(たとえば、電圧信号、電流信号)を印加することによって、RRAM装置を高抵抗状態にリセットすることができる。RRAM装置へのリセット信号の印加は、酸素を移動させて切り替え酸化物層へ戻すことができ、したがって、導電性フィラメントを途中で遮ることができる。RRAM装置は、RRAM装置への適切なプログラミング信号(たとえば、電圧信号、電流信号等)の印加によって高抵抗状態と低抵抗状態の間において電気的に切り替えることができる。クロスバー・アレイ回路において、トランジスタ等のセレクタを介して指定のRRAM装置へプログラミング信号を提供することができる。
【0023】
RRAM装置を適切なサイズ(たとえば、100nm、10nmの臨界寸法、またはより小さい寸法)まで小型化して特定のインメモリ・コンピューティング(IMC)応用(たとえば、高密度RRAM装置および/または低電力消費が求められるIMC応用)を実装することが望ましいと見られる。しかしながら、従来のRRAM装置は、臨界寸法を小型化するときに従来のRRAM装置内に形成されるフィラメントを相応じて小型化することができない。たとえば、小型化されたRRAM装置内に形成されるフィラメントのサイズは、比例関係で小型化することができない。したがって、その種の従来の小型化したRRAM装置の形成、設定、および/または再設定には、比較的高い電流または電圧が依然として求められることがあり得る。このことはまた、セレクタ(たとえば、トランジスタ)および/または小型化されたRRAM装置へ電流または電圧を提供する集積回路の効果的な小型化を妨げることにもなり得る。さらにまた、小型化したRRAM装置は、比較的小さい面積の上部電極を有するとし得る。そのような上部電極は、より大きなRRAM装置のそれと同じ程度の酸素の吸収が可能でないことがある。このことは、装置の故障および/またはRRAM装置の動作の失敗を生じさせるおそれがある。たとえば、装置の故障は、酸素分子の存在による反応性電極と切り替え酸化物の間における層間剥離によって生じる可能性がある。別の例として、外部電圧の下に酸素イオンが切り替え酸化物から上部電極へドリフトし、それがその外部電圧が取り除かれた後に切り替え酸化物へ戻ることが考えられ、その結果、動作が揮発性となり、不揮発性メモリについてはそれが動作故障となる。
【0024】
従来のRRAM装置の上記およびその他の欠陥に取り組むために本開示は、RRAM装置のパフォーマンスを増強し、低電力IMC応用を実装することができる多成分電極構造、多層電極構造、および界面層を伴うRRAM装置を提供する。いくつかの実施態様において、RRAM装置は、下部電極、下部電極の上に作製される第1の界面層、第1の界面層の上に作製される切り替え酸化物層、および切り替え酸化物層の上に作製される上部電極を含むことができる。下部電極は、Ptまたは任意の他の適切な非活性金属を含むことができる。切り替え酸化物層は、HfO、TaO、TiO、NbO、ZrO等の遷移金属酸化物を含むことができる。第1の界面層は、遷移金属酸化物より化学的に安定した第1の材料の不連続膜を含むことができる。第1の材料は、たとえばAl、MgO、Y、La等を含むことができる。第1の界面層の組み込みにより、切り替え酸化物層と第1の電極の間の接触面積を減ずることができ、その結果としてより突発的でない形成プロセスがもたらされ、形成電圧が引き下げられ、リセット電流が引き下げられ、かつその後に続く動作プロセスにおける電圧および/または電流要件が引き下げられる。たとえば、第1の電極および切り替え酸化物は、第1の界面層の存在を伴うことなく、完全に直接接触することができる。第1の電極と切り替え酸化物の間に連続する第1の界面層の存在を伴う場合には、第1の電極が切り替え酸化物と直接接触しない。それとは対照的に、第1の電極と切り替え酸化物の間に不連続な第1の界面層の存在を伴えば、第1の電極と切り替え酸化物の縮小された、またはコントロールされた直接接触が得られる。
【0025】
いくつかの実装において、RRAM装置が、切り替え酸化物層の上に作製される第2の界面層をさらに含むことができる。その種の実装において、その第2の界面層の上に上部電極を作製することができる。第2の界面層は、遷移金属酸化物より化学的に安定した第2の材料の不連続膜を含むことができる。第2の界面層の組み込みは、切り替え酸化物層と上部電極の間における接触面積を減ずることができる。
【0026】
いくつかの実施態様において、上部電極が、1つ以上の多成分電極構造を含むことができる。たとえば、上部電極は、1つの実装において1つ以上のTaの合金を含むことができる。Taの合金は、Taを含有する二元合金、Taを含有する三元合金、Taを含有する四元合金、Taを含有する五元合金、Taを含有する六元合金、および/またはTaを含有する高次合金(たとえば、6より多くの金属元素を含有する合金)とすること、および/またはそれを含むことができる。これらの合金のそれぞれは、TaおよびTa以外の、タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)等の必要とされる熱力学的および/または運動学的基本属性を有する1つ以上の他の金属元素を含むことができる。たとえば、純Ta金属に代えてTaの合金を使用して上部電極を作製することは、形成プロセスの間における切り替え酸化物層内へのTaの移動を低減することができ、かつしたがって切り替え酸化物層内に形成されるフィラメントのサイズを(たとえば、フィラメントの横方向寸法または直径を減ずることによって)減ずることができる。このことは、RRAM装置のフィラメント抵抗を増加することができ、かつ低抵抗状態および高抵抗状態の両方におけるRRAM装置の抵抗を、したがって増加することができ、それがRRAM装置の形成、設定、再設定、および/または調整といったRRAM装置の動作のために要求される電圧および/または電流を、したがって引き下げることができる。多成分電極構造を組み込んだRRAM装置は、動的学習、エッジ処理、推論エンジン加速装置、およびその他のIMC応用の実装に適した動的なメモリスタの動き具合を多次元において呈することができる。
【0027】
別の実装において、上部電極は、異なる金属材料の複数の層を含むことができる。たとえば、上部電極は、チタン(Ti)の層とタンタル(Ta)の層を含むことができる。Tiの層は、Taの層より遙かに薄くすることができる。たとえば、Tiの層の厚さは、約0.2nmと5nmの間とすることができる。Taの層の厚さは、約50nmとすることができる。いくつかの実施態様において、Tiの層の厚さを0.3nmと2nmの間とすることができる。TiおよびTaは、両方ともに、装置の動作の間に酸素を捕獲し、解放することができる。RRAM装置内への薄いTi層の組み込みは、RRAM装置の未使用抵抗を変化させることができ、その結果としてより突発的でない形成プロセスがもたらされ、形成電圧が引き下げられ、リセット電流が引き下げられ、かつその後に続く動作プロセスにおける電圧および/または電流要件が引き下げられる。
【0028】
したがって、本開示は、高いフィラメント抵抗および引き下げられた動作電圧および電流を伴うRRAM装置を作製するための技術を提供する。また、そのRRAM装置は、IMC応用のために望ましい線形性、アナログ的、保持力、および耐久性等の動き具合も呈する。第1の界面層および/または第2の界面層の組み込みは、切り替え酸化物層と下部電極の間における接触、および/または切り替え酸化物層と上部電極の間における接触を低減することができる。この技術は、RRAM装置の効率的な小型化、およびRRAM装置を利用した低消費電力IMC応用を可能にすることができる。
【0029】
図1は、本開示のいくつかの実施態様に従ったクロスバー回路100の例を説明する概略図である。図のように、クロスバー回路100は、n行m列クロスバー・アレイのための1つ以上の行ワイヤ111a、111b、・・・、111i、・・・、111n、および列ワイヤ113a、113b、・・・、113j、・・・、113m等の複数の相互接続導電性ワイヤを含むことができる。クロスバー回路100は、クロスポイント装置120a、120b、・・・、120z等をさらに含むことができる。クロスポイント装置のそれぞれは、行ワイヤおよび列ワイヤと接続することができる。たとえば、クロスポイント装置120ijは、行ワイヤ111iおよび列ワイヤ113jと接続することができる。いくつかの実施態様において、クロスバー回路100は、デジタル・アナログ・コンバータ(DAC、図示せず)、アナログ・デジタル・コンバータ(ADC、図示せず)、スイッチ(図示せず)、および/またはクロスバー・ベースの装置の実装のために任意の他の適した回路構成要素をさらに含むことができる。列ワイヤ113a-mの数と行ワイヤ111a-nの数は、同一で良く、またはそうでなくても良い。
【0030】
行ワイヤ111は、第1の行ワイヤ111a、第2の行ワイヤ111b、・・・、111i、およびn番目の行ワイヤ111nを含むことができる。行ワイヤ111a、・・・、111nのそれぞれは、任意の適切な導電性材料とすること、および/またはそれを含むことができる。いくつかの実施態様において、各行ワイヤ111a-nを金属ワイヤとすることができる。
【0031】
列ワイヤ113は、第1の列ワイヤ113a、第2の列ワイヤ113b、・・・、およびm番目の列ワイヤ113mを含むことができる。列ワイヤ113a-mのそれぞれは、任意の適切な導電性材料とすること、および/またはそれを含むことができる。いくつかの実施態様において、各列ワイヤ113a-mを金属ワイヤとすることができる。
【0032】
各クロスポイント装置120は、メモリスタ、パルス・コード変調(PCM)装置、フローティング・ゲート、スピントロニクス装置、RRAM、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)といった可調抵抗を伴う任意の適切な装置とすること、および/またはそれを含むことができる。いくつかの実施態様において、クロスポイント装置120のうちの1つ以上が、図3A-5Bに関連して記載のとおりRRAM装置を含むことができる。
【0033】
クロスバー回路100は、並列重み付け電圧逓倍および電流加算を行うことができる。たとえば、入力電圧信号をクロスバー回路100の1つ以上の行(たとえば、1つ以上の選択された行)へ印加することができる。入力信号は、クロスバー回路100のそれらの行のクロスポイント装置を通って流れることができる。クロスポイント装置のコンダクタンスは、特定の値(『重み付け』と言うこともある)に調整することができる。オームの法則によって入力電圧にクロスポイントのコンダクタンスを乗じて、クロスポイント装置からの電流が生成する。キルヒホッフの法則によって、各列上の装置を通過する電流の合計が出力信号としての電流を生成し、それを列から読み出すことができる(たとえば、ADCの出力)。オームの法則およびキルヒホッフの電流法則によれば、クロスバー・アレイの入力-出力の関係は、I=VGとして表すことが可能であり、Iは、電流として表される出力信号行列であり;Vは、電圧として表される入力信号行列であり;Gは、クロスポイント装置のコンダクタンス行列を表す。したがって、入力信号はクロスポイント装置のそれぞれにおいて、オームの法則に従ってそれのコンダクタンスによって重み付けされる。重み付けされた電流は、各列ワイヤを介して出力され、キルヒホッフの電流法則に従って累積され得る。このことは、クロスバー・アレイ内において行われる並列逓倍および加算を介したインメモリ・コンピューティング(IMC)を可能にすることができる。
【0034】
図2は、本開示のいくつかの実施態様に従った一例のクロスポイント装置200を説明した概略図である。図のように、クロスポイント装置200は、ビットライン(BL)211、選択ライン(SEL)213、およびワードライン(WL)215を接続することができる。ビットライン211およびワードライン215は、それぞれ、図1に関連して記載のとおり列ワイヤおよび行ワイヤとすることができる。
【0035】
クロスポイント装置200は、RRAM装置201およびトランジスタ203を含むことができる。トランジスタは、3端子装置であり、それぞれゲート(G)、ソース(S)、およびドレイン(D)としてマークすることができる。トランジスタ203は、RRAM装置201と直列に接続することができる。図2に示されているとおり、RRAM装置201の第1の電極をトランジスタ203のドレインに接続することができる。RRAM装置201の第2の電極は、ビットライン211に接続することができる。トランジスタ203のソースは、ワードライン215に接続することができる。トランジスタ203のゲートは、選択ライン213に接続することができる。RRAM装置201は、以下において下記の図3A-7に関連して記載のとおり1つ以上のRRAM装置を含むことができる。クロスポイント装置200は、1トランジスタ-1抵抗(1T1R)構成と呼ばれることもある。トランジスタ203は、プログラミングの間、RRAM装置201に対するセレクタとしてはもとより、電流コンプライアンスを設定できる電流コントローラとしても働くことができる。トランジスタ203のゲート電圧は、プログラミングの間にクロスポイント装置200に対する電流コンプライアンスを設定することが可能であり、かつクロスポイント装置200のコンダクタンスおよびアナログ的動き具合を、したがってコントロールすることが可能である。たとえば、クロスポイント装置200を高抵抗状態から低抵抗状態に設定するとき、ビットライン(BL)211を介して設定信号(たとえば、電圧信号、電流信号)を提供することができる。選択ライン(SEL)213を介して選択電圧またはゲート電圧とも呼ばれる別の電圧をトランジスタのゲートに印加し、ゲートを開き、かつ電流コンプライアンスを設定することが可能であり、一方、ワードライン(WL)215は接地に設定することができる。クロスポイント装置200を低抵抗状態から高抵抗状態へリセットするときには、選択ライン213を介してトランジスタ203のゲートにゲート電圧を印加し、トランジスタのゲートを開くことができる。一方、ワードライン215を介してRRAM装置201へリセット信号を送ることができ、一方、ビットライン211は接地に設定することができる。
【0036】
図3A、3B、および3Cは、本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の例の断面図を説明している。RRAM装置300a、300b、および300cは、それぞれ、初期状態、低抵抗状態、および高抵抗状態にあるRRAM装置と対応させることができる。
【0037】
図3Aに示されているとおり、RRAM装置300aは、基板310、第1の電極320、切り替え酸化物層330、および第2の電極340を含むことができる。さらにRRAM装置300aは、インメモリ・コンピューティング応用を実装するための1つ以上の他の構成要素を含むことができる。
【0038】
基板310は、シリコン(Si)、二酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)といったRRAM装置のための基板として働くことができる任意の適切な材料の層を1つ以上含むことができる。いくつかの実施態様において、基板310が、ダイオード、トランジスタ、相互接続、集積回路等を含むことができる。いくつかの実施態様において、基板が、個別にコントロール可能とし得る1つ以上の電気回路(たとえば、電気回路のアレイ)を含む駆動回路を含むことができる。いくつかの実施態様において、駆動回路が、1つ以上の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)ドライバを含むことができる。
【0039】
第1の電極320は、電子導電性であり、かつ切り替え酸化物に対して非反応性である任意の適切な材料であるとすること、および/またはそれを含むことができる。たとえば、第1の電極320は、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等を含むことができる。
【0040】
切り替え酸化物層330は、二元酸化物、三元酸化物、および高次酸化物の形でTaO、HfO、TiO、NbOx、ZrOx等の遷移金属酸化物を1つ以上含むことができる。いくつかの実施態様において、第1の電極320の非反応性材料の化学的安定性が、切り替え酸化物層330の遷移金属酸化物のそれより高いとすることができる。
【0041】
第2の電極340は、任意の適切な、電子導電性であり、かつ切り替え酸化物に対して反応性の金属材料を含むことができる。たとえば、第2の電極340の金属材料は、Ta、Hf、Ti、TiN、TaN等を含むことができる。第2の電極340は、切り替え酸化物に対して反応性とすることができ、かつ適切な酸素可溶性を有して切り替え酸化物層330からいくらかの酸素を吸着し、切り替え酸化物層330内に酸素空格子点を作り出すことができる。言い換えると、第2の電極340の反応性金属材料は、適切な酸素可溶性、および/または酸素移動度を有することができる。いくつかの実施態様において、第2の電極340が、切り替え酸化物層330内に酸素空格子点を作り出すことが可能(たとえば、酸素をスキャベンジ(除去)することによって)であるだけでなく、セルのプログラミングの間における切り替え酸化物層330に対する酸素リザーバまたはソースとしても機能することができる。
【0042】
RRAM装置300aは、それが作製された後に初期抵抗(ここでは『未使用抵抗』と言うこともある)を有し得る。RRAM装置300aの初期抵抗は、変化させることができ、またRRAM装置300aは、形成プロセスを介して低抵抗状態へ切り替えることができる。たとえば、RRAM装置300aへ適切な電圧または電流を印加することができる。RRAM装置300aへの電圧の印加は、第2の電極の金属材料による切り替え酸化物層330からの酸素の吸収を誘導し、切り替え酸化物層330内に酸素空格子点を作り出すことができる。その結果として、酸素空格子点が豊富な導電チャンネル(たとえば、フィラメント)を切り替え酸化物層330内に形成することができる。たとえば、図3Bで説明するように、導電チャンネル335aを切り替え酸化物層330内に形成することができる。図のように、導電チャンネル335aを、第2の電極340から第1の電極320まで、切り替え酸化物層330を横切って形成することができる。RRAM装置300bは、高抵抗状態にリセットすることができる。たとえば、リセットプロセスの間にリセット信号(たとえば、電圧信号または電流信号)をRRAM装置300bへ印加することができる。いくつかの実施態様において、セット信号およびリセット信号が逆極性を、すなわち、それぞれ、正の信号および負の信号を有することができる。リセット信号の印加は、切り替え酸化物層330へ酸素が戻るドリフトを生じさせて、1つ以上の酸素空格子点と再結合させることができる。たとえば、図3Cに示されるとおり、リセットプロセスの間に切り替え酸化物層330内に途中で遮られた導電チャンネル335bを形成することができる。図のように、導電チャンネルは、途中で遮られた導電チャンネル335bと第1の電極320の間の酸化物のギャップを用いて遮ることができる。導電チャンネル335bの横方向寸法は、導電チャンネル335aのそれより小さくすることができる。いくつかの実施態様において、導電チャンネル335bが、第1の電極320および第2の電極340を連続的に接続しない。RRAM装置300a-cは、RRAM装置へ適切なプログラミング信号(たとえば、電圧信号、電流信号等)を印加することによって、高抵抗状態と低抵抗状態の間を電気的に切り替えることができる。
【0043】
図4A-4Fは、本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の構造の例400a、400b、400c、400d、400e、および400fの断面図を説明した概略図である。
【0044】
図4Aで説明するように、第1の電極420を基板410の上に作製することができる。第1の電極420および基板410は、図3A、3B、および3Cに関連して記載のとおり第1の電極320および基板310に、それぞれ対応させることができる。
【0045】
図4Bで説明するように、界面層422を第1の電極420の上に作製することができる。界面層422(ここでは、『第1の界面層』と言うこともある)は、不連続膜422aとすること、および/またはそれを含むことができる。たとえば、不連続膜422aは、1つ以上の細孔424を含むことができる。細孔424(ここでは、『第1の細孔』と言うこともある)は、任意の適切なサイズおよび/または寸法を有することができ、かつ界面層422上にランダムに分散配置することができる。図4Bには特定数の細孔が説明されているが、これは単なる例証に過ぎない。不連続膜422aは、任意の適切な数の細孔を含むことができる。いくつかの実施態様において、界面層422および/または不連続膜422aの厚さを、約0.2nmと約0.5nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、不連続膜422aを、0.5nm以下の厚さを有するAl膜とすることができる。いくつかの実施態様において、不連続膜422aを、1nm未満の厚さを有するAl膜であるとすること、および/またはそれを含むことができる。
【0046】
図4Cで説明するように、切り替え酸化物層430を界面層422の上に作製することができる。切り替え酸化物層430は、TaO、HfO、TiO、NbOx、ZrOx等の1つ以上の遷移金属酸化物を二元酸化物、三元酸化物、および高次酸化物の形で含むことができ、xは、完全(または、最終的な)酸化物と比較したときに酸素欠乏であることを示すために使用することができ、xの値は、HfOについてのx≦2.0(これにおいて完全酸化物は、HfO)、またTaOについてのx≦2.5(これにおいて完全酸化物は、Ta)というように、完全酸化物の化学量論における酸素対金属原子比から変化させることができる。一例として、切り替え酸化物層430は、Taを含むことができる。その他の例としては、切り替え酸化物層430がHfOを含むことができる。
【0047】
いくつかの実施態様において、切り替え酸化物層430を作製する間に、1つ以上の細孔424を通して第1の電極420上に遷移金属酸化物の1つ以上の部分を配置することができる。したがって、切り替え酸化物層430は、第1の電極420の1つ以上の部分と接触することができる。
【0048】
いくつかの実施態様において、界面層422が、切り替え酸化物層430内の遷移金属酸化物より化学的に安定した第1の材料を含有することができる。その結果として、当該第1の材料は、切り替え酸化物層430の遷移金属酸化物と反応することができない。第1の材料は、1価の金属元素を含むことができる。一例として、切り替え酸化物層の切り替え酸化物は、HfOまたはTaO(これにおいて、x≦2.0、y≦2.5)のうち少なくとも1つというように1つ以上の遷移金属酸化物であるとすること、および/またはそれを含むことができ、第1の材料は、Al、MgO、Y、La等を含むことができる。
【0049】
図8を参照するが、切り替え酸化物層430内の遷移金属酸化物より化学的に安定した材料は、エリンガム・ダイアグラムを使用して識別することができる。図に示すように、エリンガム・ダイアグラム800は、酸化反応についてのギブズ自由エネルギ変化を温度の関数としてプロットする。材料の化学的安定性は、材料のギブズ形成エネルギ値に基づいて決定することができる。図8の垂直軸上に示されているギブズ自由エネルギは、酸化物(1モルの酸素を含有する)の形成の自由エネルギを表し、水平軸は、ケルビン温度を表す。図のように、それらの酸化物の相対的な安定性は、Taから、TiO、HfO、Alの順に増加する。Alは、室温においてHfOより安定である。注意する必要があるが、Al金属は933K(660°C)において溶融し、液体Alは固体Alより高いエントロピを有する。Al2O3は、より高い温度においてHfO2より安定でなくなる。エリンガム・ダイアグラムにおいて、界面層422の材料の曲線が、切り替え酸化物層430の遷移金属酸化物に対応する曲線より下となり得る。一例として、いくつかの実施態様において、Alを第1の材料として使用することができ、切り替え酸化物層430内の遷移金属酸化物はHfOまたはTaを含有する。設定プロセスおよびリ設定プロセスの間に、Alを含有する第1の材料がHfOまたはTaを含有する遷移金属酸化物と反応することはない。
【0050】
図4Dに示されているとおり、第2の電極440を切り替え酸化物層430の上に作製することができる。いくつかの実施態様において、第2の電極440は、図7に関連して記載のとおり、1つ以上の上部電極700を含むことができる。いくつかの実施態様において、切り替え酸化物層430の上に作製された第2の電極440が、1つ以上の合金を含むことができる。それらの合金のそれぞれは、2つ以上の金属元素を含有することができる。それらの合金のそれぞれは、二元合金(たとえば、2つの金属元素を含有する合金)、三元合金(たとえば、3つの金属元素を含有する合金)、四元合金(たとえば、4つの金属元素を含有する合金)、五元合金(たとえば、5つの金属元素を含有する合金)、六元合金(たとえば、6つの金属元素を含有する合金)、および/または高次合金(たとえば、6つを超える金属元素を含有する合金)を含むことができる。いくつかの実施態様において、第2の電極440が、第1の金属元素および1つ以上の第2の金属元素を含有する1つ以上の合金を含むことができる。第2の金属元素のそれぞれは、切り替え酸化物層内の遷移金属酸化物に対する反応性が第1の金属元素より低いこともあり、またはそれより高いこともある。いくつかの実施態様において、第1の金属元素をTaとすることができる。第2の金属元素は、W、Hf、Mo、Nb、Zr等のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施態様において、第2の電極340内の合金内の第2の金属元素に対する第1の金属元素の比を約50原子パーセントとすることができる。いくつかの実施態様において、当該合金内の第2の金属元素に対する第1の金属元素の適切な比を、全体の組成範囲から最適化することができる。形成プロセスの間において、第2の金属元素が、切り替え酸化物層内に第1の金属元素より少ない酸素空格子点を作り出すことができる。したがって、その合金を含有する第2の電極を包含するRRAM装置内に形成されるフィラメントの横方向サイズを、第1の金属のみから作られた第2の電極を包含するRRAM装置内に形成されるフィラメントのそれより小さくすることができる。RRAM装置内の第2の電極440内におけるTaを含有する合金の実装は、結果としてより突発的でない形成プロセスをもたらし、形成電圧を引き下げ、リセット電流を引き下げ、かつその後に続く動作プロセスにおける電圧および/または電流要件を引き下げることができる。
【0051】
一例として、第2の電極440は、Taを含有する1つ以上の合金(『Ta合金』と言うこともある)を含むことができる。Ta合金のそれぞれは、Taおよび1つ以上の他の金属元素(たとえば、Hf、W、Mo、Nb、Zr等)を含むことができる。一例として、第2の電極440は、Taを含有する1つ以上の二元合金を含むことができる。Taを含有する二元合金の例には、Ta-Hf合金、Ta-W合金、Ta-Mo合金、Ta-Nb合金、Ta-Zr合金等が含まれる。別の例として、第2の電極440は、Taを含有する1つ以上の三元合金を含むことができる。Taを含有する三元合金の例には、Ta-Hf-Mo合金、Ta-Hf-Nb合金、Ta-Hf-W合金、Ta-Hf-Zr合金、Ta-Mo-Nb合金、Ta-Mo-W合金、Ta-Mo-Zr合金、Ta-Nb-W合金、Ta-Nb-Zr合金、Ta-W-Zr合金等が含まれる。さらに別の例として、第2の電極440は、Taを含有する1つ以上の四元合金を含むことができる。Taを含有する四元合金の例には、Ta-Hf-Mo-Nb合金、Ta-Hf-Mo-W合金、Ta-Hf-Mo-Zr合金、Ta-Hf-Nb-W合金、Ta-Hf-Nb-Zr合金、Ta-Mo-Nb-W合金、Ta-Mo-Nb-Zr合金、Ta-Nb-W-Zr合金等が含まれる。さらなる例として、第2の電極440は、Taを含有する1つ以上の五元合金を含むことができる。Taを含有する五元合金の例には、Ta-Hf-Mo-Nb-W合金、Ta-Mo-Nb-W-Zr合金、Ta-Hf-Nb-W-Zr合金、Ta-Hf-Mo-W-Zr合金、Ta-Hf-Mo-Nb-Zr合金等が含まれる。さらに別の例として、第2の電極440は、Ta-Hf-Mo-Nb-W-Zr合金等の、Taを含有する六元合金を含むことができる。さらなる例として、第2の電極440は、Taを含有する高次合金を含むことができる。いくつかの実施態様において、高次合金が、さらにバナジウム(V)を含有することができる。
【0052】
いくつかの実施態様において、第2の電極440は複数の合金を含むことができる。それらの合金のそれぞれは、Taおよび1つ以上の他の金属元素(たとえば、Hf、W、Mo、Nb、Zr等)を含有するTa合金とすることができる。当該Ta合金は、二元合金、三元合金、四元合金、五元合金、六元合金、高次合金等とすること、および/またはそれを含むことができる。一例として、第2の電極440は、Taを含有する第1の合金、Taを含有する第2の合金、Taを含有する第3の合金、Taを含有する第4の合金、Taを含有する第5の合金、およびTaを含有する第6の合金のうちの2つ以上を含むことができる。いくつかの実施態様において、Taを含有する第1の合金、Taを含有する第2の合金、Taを含有する第3の合金、Taを含有する第4の合金、Taを含有する第5の合金、およびTaを含有する第6の合金を、それぞれ、二元合金、三元合金、四元合金、五元合金、六元合金、および高次合金等とすることができる。
【0053】
いくつかの実施態様において、第2の電極440内の複数の合金は、それと同数の金属元素の組み合わせに対応することができる。たとえば、Taを含有する第1の合金およびTaを含有する第2の合金は、それぞれ、Taを含有する第1の二元合金(たとえば、Ta-W合金)およびTaを含有する第2の二元合金(たとえば、Ta-Mo合金)を含むことができる。別の例として、Taを含有する第1の合金およびTaを含有する第2の合金が、それぞれ、Taを含有する第1の三元合金(たとえば、Ta-Hf-Mo合金)およびTaを含有する第2の三元合金(たとえば、Ta-Hf-Nb合金)を含むことができる。さらなる例として、第2の電極440は、複数の合金系を含むことができる。当該合金系のそれぞれは、多様な組成を伴う特定の金属元素の混合物を含有する合金を含有することができる。たとえば、二元系は、多様な組成を伴う2つの金属元素(たとえば、TaおよびHf)の二元合金を1つ以上含むことができる。当該二元合金のそれぞれは、特定の組成を伴う2つの金属元素の組み合わせとすることができる。別の例として、三元系は、多様な組成を伴う3つの金属元素(たとえば、Ta、Hf、およびW)の三元合金を1つ以上含むことができる。当該三元合金のそれぞれは、特定の組成を伴う3つの金属元素の組み合わせとすることができる。いくつかの実施態様において、第2の電極440が、1つ以上の合金系を含有するTa合金系を含むことができる。いくつかの実施態様において、当該Ta合金系が、2つ以上の合金系を含むことができる。たとえば、当該Ta合金系は、Ta、Hf、W、Mo、Nb、およびZrのうちの1つ以上の合金を含有する六元系を含有することができる。さらに当該Ta合金系は、Ta合金を含有する1つ以上の二元系、三元系、四元系、および/または五元系を含むことができる。二元系は、Ta-Hf合金系、Ta-W合金系、Ta-Mo合金系、Ta-Nb合金系、および/またはTa-Zr合金系のうちの1つ以上を含むことができる。三元系は、Ta-Hf-Mo合金系、Ta-Hf-Nb合金系、Ta-Hf-W合金系、Ta-Hf-Zr合金系、Ta-Mo-Nb合金系、Ta-Mo-W合金系、Ta-Mo-Zr合金系、Ta-Nb-W合金系、Ta-Nb-Zr合金系、および/またはTa-W-Zr合金系のうちの1つ以上を含むことができる。四元系は、Ta-Hf-Mo-Nb合金系、Ta-Hf-Mo-W合金系、Ta-Hf-Mo-Zr合金系、Ta-Hf-Nb-W合金系、Ta-Hf-Nb-Zr合金系、Ta-Mo-Nb-W合金系、Ta-Mo-Nb-Zr合金系、Ta-Nb-W-Zr合金系のうちの1つ以上を含むことができる。五元系は、Ta-Hf-Mo-Nb-W合金系、Ta-Mo-Nb-W-Zr合金系、Ta-Hf-Nb-W-Zr合金系、Ta-Hf-Mo-W-Zr合金系、および/またはTa-Hf-Mo-Nb-Zr合金系のうちの1つ以上を含むことができる。第2の電極440内に含有される合金系のそれぞれは、一意的な熱力学的および運動学的特性を有することができ、かつ電極の構成要素として考えることができる。したがって、第2の電極440は、コンピューティングおよび学習のための多様な時定数を伴う豊富なダイナミクスを導くことができる複数の状態変数を提供するための複数の電極構成要素を含むことができる。たとえば、各電極構成要素は、切り替え酸化物に対する異なる反応性または酸素との親和力を有することができる。各電極要素は、異なる拡散性(たとえば、自己拡散、相互拡散、拡散時定数等)を有することができる。複数の構成要素を伴う第2の電極440は、IMC応用のための複数の動的動き具合を提供することができる。したがって、多成分の第2の電極を組み込んだRRAM装置は、動的なメモリスタの動き具合を多次元において呈することができる。
【0054】
図4Eおよび4Fは、RRAM装置400dの低抵抗状態および高抵抗状態にそれぞれを対応させることができる半導体装置400eおよび400fを説明している。不連続膜422aの組み込みは、切り替え酸化物層430と第1の電極420の間における接触面積を低減することができる。図4Eで説明するように、導電チャンネル435a(たとえば、フィラメント)を第2の電極440から界面層422および切り替え酸化物層430を通して第1の電極420まで形成することができる。図4Fで説明するように、リセットプロセスの間に切り替え酸化物層430内に途中で遮られた導電チャンネル435bを形成することができる。図3Bおよび3Cと比較すると、導電チャンネル435aおよび途中で遮られた導電チャンネル435bの横方向サイズは、それぞれ、335aおよび335bのそれより小さくすることができる。したがって、不連続膜422aを伴ったRRAM装置内に形成されるフィラメントの横方向サイズを、第1の電極と切り替え酸化物層の間に形成される多孔性かつ/または不連続な膜を伴わないRRAM装置内に形成されるフィラメントのそれより小さくすることができる。RRAM装置内への不連続膜422aの組み込みは、結果としてより突発的でない形成プロセスをもたらし、形成電圧を引き下げ、リセット電流を引き下げ、かつその後に続く動作プロセスにおける電圧および/または電流要件を引き下げることができる。
【0055】
いくつかの実施態様において、RRAM装置が、第1の電極と第2の電極の間に作製される複数の界面層を含むことができる。それらの界面層のそれぞれは、図4Bに関連して記載のとおり不連続膜を含むことができる。たとえば、図5Aで説明するように、半導体装置500aを、半導体構造400cの上に界面層532(『第2の界面層』と言うこともある)を図4Cに関連して記載のとおり作製することによって作製することができる。いくつかの実施態様において、第2の界面層532は、第2の材料の不連続膜532aを含むことができる。第2の材料は、切り替え酸化物層430内の少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定であるとすることができる。一例として、第2の材料は、Al、MgO、Y、La等を含むことができる。第2の材料は、第1の材料と同じとすること、または同じでないとすることができる。
【0056】
不連続膜532aは、1つ以上の細孔534(『1つ以上の第2の細孔』と言うこともある)を含むことができる。細孔534は、任意の適切なサイズおよび/または寸法を有することができる。複数の細孔534が有しているサイズおよび/または寸法は、同一とすること、または同一でないとすることができる。いくつかの実施態様において、第2の界面層532および/または第2の不連続膜532aは、第2の不連続膜532a上にランダムに分散配置された複数の細孔534を含むことができる。不連続膜532aは、任意の適切な数の細孔を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施態様において、第2の界面層532および/または第2の不連続膜の厚さ(『第2の厚さ』と言うこともある)を約0.2nmと約0.5nmの間とすることができる。別の例として、第2の界面層532は、0.5nm以下の厚さを有する不連続Al膜を含むことができる。いくつかの実施態様において、第2の界面層532は、1nm未満の厚さを有する不連続Al膜を含むことができる。第2の界面層532の第2の厚さは、第1の界面層422の第1の厚さと同じとすること、または同じでないとすることができる。
【0058】
図5Bで説明するように、第2の電極540を第2の界面層532の上に作製して半導体装置500bを作製することができる。したがって、第2の界面層532を切り替え酸化物層430と第2の電極540の間に位置決めすることができる。第2の電極540は、図4D-4Fに関連して記載のとおり、第2の電極440とすること、および/またはそれを含むことができる。いくつかの実施態様において、切り替え酸化物層430を作製する間に、1つ以上の細孔534を通して切り替え酸化物層430の上に第2の電極540の1つ以上の部分を配置することができる。したがって、第2の電極540は、それらの1つ以上の細孔534を通して切り替え酸化物層430の1つ以上の部分と接触することができる。
【0059】
図5Cおよび5Dは、RRAM装置500bの低抵抗状態および高抵抗状態にそれぞれを対応させることができる半導体装置500cおよび500dを説明している。第1の界面層422および第2の界面層532両方の組み込みは、さらに、切り替え酸化物層430と第1の電極420の間における接触面積、および切り替え酸化物層430と第2の電極540の間における接触面積を低減することができる。図5Cで説明するように、導電チャンネル535a(たとえば、フィラメント)を第1の電極420から界面層422、切り替え酸化物層430、および第2の不連続膜532aを通して第2の電極540まで形成することができる。図5Dで説明するように、リセットプロセスの間に切り替え酸化物層430内に途中で遮られた導電チャンネル535bを形成することができる。図3Bおよび3Cと比較すると、導電チャンネル535aおよび途中で遮られた導電チャンネル535bの横方向サイズは、それぞれ、335aおよび335bのそれよりさらに小さくすることができる。したがって、界面層422および第2の界面層532の両方を伴ったRRAM装置内に形成されるフィラメントの横方向サイズがさらに低減され、その結果としてより突発的でない形成プロセス、形成電圧の引き下げ、リセット電流の引き下げ、およびその後に続く動作プロセスにおける電圧および/または電流要件の引き下げをもたらすことができる。
【0060】
いくつかの実施態様において、本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の切り替え酸化物層の上に界面層を作製することができる。たとえば、図6Aに記載のとおり、切り替え酸化物層630を、図4Aに描かれているとおりに半導体装置400aの上に作製することができる。界面層632を切り替え酸化物層630の上に作製して半導体装置600aを作製することができる。切り替え酸化物層630は、図4C-4Fに関連して記載のとおり切り替え酸化物層430とすること、および/またはそれを含むことができる。いくつかの実施態様において、界面層632は第3の材料の不連続膜を含むことができる。第3の材料は、切り替え酸化物層630内の少なくとも1つの遷移金属酸化物より化学的に安定であるとすることができる。一例として、第3の材料は、Al、MgO、Y、La等を含むことができる。
【0061】
不連続膜632aは、1つ以上の細孔634(ここでは『1つ以上の第3の細孔』と言うこともある)を含むことができる。細孔634は、任意の適切なサイズおよび/または寸法を有することができ、かつ界面層632上にランダムに分散配置することができる。いくつかの実施態様において、界面層632の厚さ(『第3の厚さ』と言うこともある)を約0.2nmと約0.5nmの間とすることができる。別の例として、界面層632は、0.5nm以下の厚さを有することができる。さらなる例として、界面層632は、1nm未満の厚さを有することができる。
【0062】
図6Bで説明するように、第2の電極640を界面層632の上に作製して半導体装置600bを作製することができる。したがって、界面層632を切り替え酸化物層630と第2の電極640の間に位置決めすることができる。第2の電極640は、図4D-4Fに関連して記載のとおり、第2の電極440とすること、および/またはそれを含むことができる。いくつかの実施態様において、第2の電極640を作製する間に、1つ以上の細孔634を通して切り替え酸化物層630の上に第2の電極640の1つ以上の部分を配置することができる。したがって、第2の電極640は、切り替え酸化物層630の1つ以上の部分と接触することができる。
【0063】
図6Cおよび6Dは、RRAM装置600bの低抵抗状態および高抵抗状態にそれぞれを対応させることができる半導体装置600cおよび600dを説明している。不連続膜632の組み込みは、切り替え酸化物層630と第2の電極640の間における接触面積を低減することができる。図6Cで説明するように、導電チャンネル635a(たとえば、フィラメント)を第2の電極640から切り替え酸化物層630および不連続膜632を通して第1の電極420まで形成することができる。図6Dで説明するように、リセットプロセスの間に切り替え酸化物層630内に途中で遮られた導電チャンネル635bを形成することができる。図3Bおよび3Cと比較すると、導電チャンネル635aおよび途中で遮られた導電チャンネル635bの横方向サイズは、それぞれ、335aおよび335bのそれより小さくすることができる。したがって、不連続膜632を伴ったRRAM装置内に形成されるフィラメントの横方向サイズを、不連続膜632を伴わないRRAM装置内に形成されるフィラメントのそれより小さくすることができる。RRAM装置内への不連続膜632の組み込みは、結果としてより突発的でない形成プロセスをもたらし、形成電圧を引き下げ、リセット電流を引き下げ、かつその後に続く動作プロセスにおける電圧および/または電流要件を引き下げることができる。
【0064】
図7は、本開示のいくつかの実施態様に従った一例の上部電極700の断面図を説明した概略図である。
【0065】
図のように、上部電極700は、第1の層710および第2の層720を含むことができる。第1の層710は、切り替え酸化物層の遷移金属酸化物から酸素をスキャベンジすることができる第1の金属材料を含むことができる。第2の層720は、切り替え酸化物層の遷移金属酸化物から酸素をスキャベンジすることができる第2の金属材料を含むことができる。第1の金属材料の酸化物は、切り替え酸化物層の遷移金属酸化物より高い化学的安定性を有することができる。その結果として、当該第1の金属材料が、切り替え酸化物層の遷移金属酸化物と反応してそこから酸素をスキャベンジすることができる。第1の金属材料の酸化物は、第1の不連続膜の第1の材料および第2の不連続膜の第2の材料より低い化学的安定性を有することができる。その結果として、第1の金属材料が第1の不連続膜および第2の不連続膜を化学的に還元することはできない。上記のとおり、2以上の元素の相対的な化学的安定性の決定にはエリンガム・ダイアグラムを使用することができる。
【0066】
第1の金属材料および第2の金属材料は、異なる酸素親和力および/または異なる熱力学的および運動学的基本属性を有することができる異なる化学元素を含むことができる。第1の金属材料と第2の金属材料は、非混和性とすることができる。いくつかの実施態様において、第1の金属材料がTiを含むことができる。第2の金属材料は、Taを含むことができる。いくつかの実施態様において、第1の層710をTi金属(たとえば、Ti膜)の層とすること、および/またはそれを含むことができる。第2の層720は、Ta金属(たとえば、Ta膜)の層とすること、および/またはそれを含むことができる。図9のTa-Ti二元状態図に示されているとおり、TaとTiの相は非混和性であり、かつRRAM装置の動作温度(たとえば、室温の前後、室温より低い、または室温より高い温度)の前後に入る300K(27°C)において最小限の相互溶解性を有する。したがって、RRAM装置内へのTiの追加が、この中に記述されている切り替え酸化物内のTaフィラメントの動作メカニズムおよびRRAM装置の切り替えメカニズムに影響を及ぼすことはないとし得る。図7に描かれているRRAM装置は、したがって、アナログ的動き具合、線形性、保持力、および信頼性等において卓越したパフォーマンスを伴うRRAM装置を必要とするIMC応用のために使用することができる。TaとTiの相の間における非混和性および最小限の相互溶解性は、第2の層720と第1の層710の間における熱力学的平衡状態を可能にすることもできる。その結果として、薄いTi膜が、Ta膜との反応を伴うことなく、またはTa膜によって溶解されることなく、設計されたとおりに機能することが可能である。
【0067】
さらにまた、Tiは、Taより高い酸素親和力を有することから、切り替え酸化物から酸素を容易にスキャベンジすることができる。したがって、RRAM装置内への第1の層710の組み込みは、RRAM形成プロセスにおいて必要とされる形成電圧、およびその後に続く動作における電流および電圧要件を引き下げることによって、RRAM装置のパフォーマンスをさらに向上させることができる。たとえば、上記のように図4D-4Fにおける第2の電極440、図5B-5Dにおける第2の電極540、および/または図6B-6Dにおける第2の電極640は、第2の電極700とすること、および/またはそれを含むことができる。形成プロセスの間において、第1の金属材料および第2の金属材料の両方が、切り替え酸化物層330、430、および/または630内に酸素空格子点を生成することができる。図3Bおよび3Cと比較すると、導電チャンネルおよび途中で遮られた導電チャンネルの横方向サイズは、それぞれ、335aおよび335bのそれより小さくすることができる。TiがTaより高い酸素親和力を有することから、上部電極700を含むRRAM装置の未使用抵抗が、上部電極700を含まないRRAM装置のそれより低くなることができ、その結果として、より低い形成電圧、より低いリセット電圧、低いリセット電流等がもたらされる。
【0068】
またTiは、設定プロセスの間、酸素を容易に(酸素が切り替え酸化物から第2の電極へ移動しているとき)貯蔵することもできる。このことは、リセットプロセスの間における第2の電極による酸素の貯蔵を可能にすることができ、したがって、装置の故障(切り替え酸化物と第2の電極の間における酸素分子の存在によって生じる可能性がある)、および/または動作の失敗(リセット電圧が取り除かれた後に酸素が移動して切り替え酸化物へ戻ること、または揮発性のスイッチによって生じる可能性がある)を防止することができる。
【0069】
第1の層710は、第1の層710の第1の金属材料(たとえば、Ti)が、切り替え酸化物層330内における第2の金属材料を包含するフィラメント(たとえば、Taフィラメント)の形成に影響を及ぼすことなく、上に記述されているとおりに機能することができるような適切な厚さまで成長させることができる。いくつかの実施態様において、第1の層710の厚さを約0.2nmと約5nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、第1の層710の厚さを約0.5nmと約2nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、第1の層710の厚さを約1nmとすることができる。いくつかの実施態様において、第1の層710の厚さを1nm未満とすることができる。第2の層720は、第1の層710より厚くすることができる。いくつかの実施態様において、第2の層720の厚さを5nmと300nmの間とすることができる。たとえば、第2の層720の厚さを約10nmと約100nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、第2の層720の厚さを約10nmと約200nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、第2の層720の厚さを約50nmとすることができる。第1の電極の厚さは、概略で5nmと100nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、第1の電極の厚さを約30nmとすることができる。いくつかの実施態様において、RRAM装置400d、500b、および/または600bの寸法(たとえば、臨界寸法)を1μmと1桁のナノメートルの間とすることができる。いくつかの実施態様において、RRAM装置400d、500b、および/または600bの臨界寸法を約0.28μmとすること、またはそれ未満とすること、および/または1μmと1ナノメートルの間とすることができる。いくつかの実施態様において、RRAM装置400d、500b、および/または600bの臨界寸法を1μmと2nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、RRAM装置400d、500b、および/または600bの臨界寸法を1μmと5nmの間とすることができる。いくつかの実施態様において、RRAM装置400d、500b、および/または600bの臨界寸法を1桁のナノスケール(たとえば、約1nmと約9nmの間)とすることができる。
【0070】
1つの実装において、第2の層720を直接第1の層710の上に作製することができる。たとえば、図7に示されているとおり、第2の層720の表面が、第1の層710の表面の1つ以上の部分と直接接触することができる。別の実装において、第1の層710と第2の層720の間に適切な材料の1つ以上の他の層を堆積させることができる。
【0071】
RRAM装置内における第1の層710の組み込みは、RRAM装置の未使用抵抗を引き下げ、形成電圧を引き下げ、かつリセット電流を引き下げ、結果としてより突発的でない形成プロセス、より低いコンダクタンスを伴うフィラメント、およびその後に続く動作プロセスにおけるより低い電流および電圧をもたらすことができる。
【0072】
図4D-4F、5B-5D、および6B-6Dには、RRAM装置400d-f、500b-d、および600b-dの特定の構成要素が示されているが、これは単なる例証に過ぎない。RRAM装置400d-f、500b-d、および600b-dは、IMC応用を実装するための適切な材料の1つ以上の他の層を含むことができる。たとえば、切り替え酸化物層と第2の電極および第1の電極のうちの1つ以上の間に1つ以上の界面層(図示せず)を作製し、界面の安定性および装置の性能を向上させることができる。
【0073】
図10は、本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置を作製するための一例の方法1000を説明したフローチャートである。
【0074】
ブロック1010において、基板の上に第1の電極を作製することができる。第1の電極の作製は、物理蒸着(PVD)技術、化学蒸着(CVD)技術、スパッタリング堆積技術、原子層堆積(ALD)技術、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用してPt、Pd、Ir等の1つ以上の非活性金属の層を1つ以上堆積させることを伴うことができる。いくつかの実施態様において、第1の電極の作製が、1つ以上のPtの層の堆積を伴うことができる。第1の電極は、図3A-6Dに関連して上記に記載のとおり第1の電極320、420とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0075】
ブロック1020において、第1の電極の上に界面層を作製することができる。界面層を作製することは、第1の電極の上に第1の材料を堆積させて第1の材料の第1の不連続膜を形成することを伴うことができる。第1の不連続膜は、1つ以上の第1の細孔を含有することができる。第1の材料は、下記のように切り替え酸化物層内の遷移金属酸化物より化学的に安定であるとすることができる。いくつかの実施態様において、第1の材料が、Al、MgO、Y、La等を含むことができる。界面層は、いくつかの実施態様において図4B-5Dに関連して上記に記載のとおり第1の界面層422とすること、および/またはそれを含むことができる。いくつかの実施態様において、界面層を作製することは、適切な厚さを有する第1の材料の層を堆積させて第1の不連続膜を形成することを伴うことができる。たとえば、第1の界面層を作製することは、第1の材料を約0.2nmと約1nmの間の厚さまで堆積させることを伴うことができる。第1の不連続膜は、PVD、CVD、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用して堆積させることができる。
【0076】
ブロック1030において、界面層の上に切り替え酸化物層を作製することができる。切り替え酸化物層は、1つ以上の遷移金属酸化物を含むことができる。当該遷移金属酸化物は、たとえば、TaO、HfO、TiO、NbO、ZrO等を含むことができる。いくつかの実施態様において、切り替え酸化物層を作製する間に、第1の細孔のうちの1つ以上を通して第1の電極上に遷移金属酸化物の1つ以上の部分を配置することができる。切り替え酸化物層は、PVD、CVD、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用して堆積させることができる。切り替え酸化物層は、図4C-5Dに関連して上記に記載のとおり切り替え酸化物層430とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0077】
ブロック1040において、切り替え酸化物層の上に第2の電極を作製することができる。第2の電極は、1つ以上の合金を含むことができる。当該合金のそれぞれは、第1の金属元素および1つ以上の第2の金属元素を含有することができる。第2の金属元素のそれぞれ、および第1の金属元素は、切り替え酸化物層内の遷移金属酸化物に対して異なる反応性を有することができる。いくつかの実施態様において、第1の金属元素をTaとすることができる。第2の金属元素は、W、Hf、Mo、Nb、Zr等のうちの1つ以上とすることができる。図14A-14Eに示されるように、Taおよび第2の金属元素W、Hf、Mo、Nb、またはZrに関係する二元状態図に基づくと、Ta-W(図14B)、Ta-Mo(図14C)、およびTa-Nb(図14D)は、連続固溶体を形成し、Ta-Hf(図14A)およびTa-Zr(図14E)は、RRAM装置の動作温度において非混和性である。これらすべての二元体において、二元金属間化合物を形成することができない。これらの二元系の中に金属間化合物が存在しないことは、容易に作製およびコントロールができる合金電極を必要とするIMC応用にとって好都合である。たとえば、第2の電極の作製は、第1の金属と第2の金属の同時スパッタリングによる合金の作製を伴うことができる。別の例として、第2の電極の作製は、第1の金属元素(たとえば、純Ta金属)と第2の金属元素(たとえば、純Hf金属)の間に求められる組成のための合金ターゲット(たとえば、Ta-W合金、Ta-Hf合金、Ta-Mo合金、Ta-Nb合金、Ta-Zr合金等)からのスパッタリングを伴うことができる。
【0078】
いくつかの実施態様において、第2の電極の作製は、Ta、Hf、Nb、Mo、W、および/またはZrを含む複数の電極構成要素の作製を伴うことができる。それらの電極構成要素のそれぞれは、Taの二元合金、三元合金、四元合金、五元合金、六元合金、および/または高次合金等とすること、および/またはそれを含むことができる。たとえば、第2の電極の作製は、図4Dに関連して記載のとおり、1つ以上の合金および/または合金系を伴う第2の電極340の作製を伴うことができる。より詳細には、たとえば第2の電極の作製は、Taを含有する第1の合金、Taを含有する第2の合金、Taを含有する第3の合金、Taを含有する第4の合金、Taを含有する第5の合金、およびTaを含有する第6の合金のうちの2つ以上を作製することを伴うことができる。Taを含有する第1の合金、Taを含有する第2の合金、Taを含有する第3の合金、Taを含有する第4の合金、Taを含有する第5の合金、およびTaを含有する第6の合金は、それぞれ、二元合金、三元合金、四元合金、五元合金、六元合金、および高次合金等とすることができる。
【0079】
いくつかの実施態様において、第2の電極の作製は、図7に関連して記載のとおり層710および720等の複数の金属材料の複数の層の作製を伴うことができる。いくつかの実施態様において、図13に関連して記載のとおり1つ以上の動作を行うことによって第2の電極を作製することができる。
【0080】
第2の電極はPVD、CVD、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用して堆積させることができる。第2の電極は、図4D-4Fに関連して上に記述されているとおりの第2の電極440とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0081】
図11は、本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置を作製するための一例の方法1100を説明したフローチャートである。
【0082】
ブロック1110において、基板の上に第1の電極を作製することができる。第1の電極は、図10のブロック1010に関連して記載のとおり1つ以上の動作を行うことによって基板の上に作製することができる。第1の電極は、図3A-6Dに関連して上に記述されているとおりの第1の電極320および/または420とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0083】
ブロック1120において、第1の電極の上に第1の界面層を作製することができる。第1の界面層は、第1の材料の第1の不連続膜の作成を伴うことができる。第1の界面層は、図10のブロック1020に関連して記述されている1つ以上の動作を行うことによって第1の電極の上に作製することができる。第1の界面層は、図4B-5Dに関連して上に記述されているとおりの第1の界面層422とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0084】
ブロック1130において、第1の界面層の上に切り替え酸化物層を作製することができる。切り替え酸化物層は、図10のブロック1030に関連して記載のとおり1つ以上の動作を行うことによって第1の界面層の上に作製することができる。切り替え酸化物層は、図4C-5Dに関連して上に記述されているとおりの切り替え酸化物層430とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0085】
ブロック1140において、切り替え酸化物層の上に第2の界面層を作製することができる。第2の界面層の作製は、切り替え酸化物層の遷移金属酸化物より化学的に安定した第2の材料の第2の不連続膜の作製を伴うことができる。いくつかの実施態様において、第2の材料が、Al、MgO、Y、La等を含むことができる。いくつかの実施態様において、第2の界面層の作製は、第2の材料を適切な厚さ(たとえば、0.2nmと1nmの間の厚さ)まで堆積させて第2の不連続膜を形成することを伴うことができる。当該不連続膜は、PVD、CVD、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用して堆積させることができる。第2の界面層は、図5A-5Dに関連して記載のとおりの第2の界面層532とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0086】
ブロック1150において、第2の界面層の上に第2の電極を作製することができる。第2の電極は、図10のブロック1040に関連して記載のとおり1つ以上の動作を行うことによって第2の界面層の上に作製することができる。いくつかの実施態様において、第2の電極を作製する間に、1つ以上の第2の細孔を通して切り替え酸化物層の上に第2の電極の1つ以上の部分を堆積させることができる。第2の電極は、図5B-5Dに関連して上に記述されているとおりの第2の電極540とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0087】
図12は、本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置を作製するための一例の方法1200を説明したフローチャートである。
【0088】
ブロック1210において、基板の上に第1の電極を作製することができる。第1の電極は、図10のブロック1010に関連して記載のとおり1つ以上の動作を行うことによって基板の上に作製することができる。第1の電極は、図3A-6Dに関連して上に記述されているとおりの第1の電極320とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0089】
ブロック1220において、第1の電極の上に切り替え酸化物層を作製することができる。切り替え酸化物層は、1つ以上の遷移金属酸化物を含むことができる。当該遷移金属酸化物は、たとえば、TaO、HfO、TiO、NbO、ZrO等を含むことができる。切り替え酸化物層は、PVD、CVD、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用して堆積させることができる。切り替え酸化物層は、図6A-6Dに関連して上記に記載のとおり切り替え酸化物層630とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0090】
ブロック1230において、切り替え酸化物層の上に界面層を作製することができる。界面層は、切り替え酸化物層内の遷移金属酸化物より化学的に安定した材料の不連続膜を含むことができる。界面層は、図11のブロック1140に関連して記載のとおり1つ以上の動作を行うことによって切り替え酸化物層の上に作製することができる。界面層は、図6A-6Dに関連して上に記述されているとおりの界面層632とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0091】
ブロック1240において、界面層の上に第2の電極を作製することができる。第2の電極は、図11のブロック1150に関連して記載のとおり1つ以上の動作を行うことによって界面層の上に作製することができる。第2の電極は、図6B-6Dに関連して上に記述されているとおりの第2の電極640とすること、および/またはそれを含むことができる。
【0092】
図13は、本開示のいくつかの実施態様に従ったRRAM装置の上部電極を作製するための一例の方法1300を説明したフローチャートである。
【0093】
ブロック1310において、第1の金属材料を含む第1の層を作製することができる。第1の金属材料は、Ti、Hf、およびZr等の第1の金属元素を含むことができる。第1の金属材料の第1の層は、PVD、CVD、スパッタリング、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用して第1の金属(たとえば、Ti金属)を堆積させることによって作製することができる。第1の金属の第1の層の作製は、約0.2nmと約5nmの間の厚さ、約0.5nmと約2nmの間の厚さといった適切な厚さを有する第1の金属の層の堆積を伴うことができる。
【0094】
ブロック1320において、第2の金属材料を含む第2の層を作製することができる。第2の金属材料は、第1の金属元素とは異なる第2の金属元素を含むことができる。たとえば、第2の金属元素をTaとすることができる。いくつかの実施態様において、第2の金属材料を含む第2の層の作製は、PVD、CVD、スパッタリング、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用する第2の金属(たとえば、Ta金属)の堆積を伴うことができる。第2の金属の第2の層の作製は、第2の金属の層が第1の金属の第1の層より厚いというように適切な厚さを有する第2の金属の層を堆積させることを伴うことができる。いくつかの実施態様において、10nmと100nmの間の厚さを有する第2の金属の層を堆積させることができる。いくつかの実施態様において、第2の金属の第2の層を直接第1の帰属の第1の金属の層の上に堆積させることができる。その種の実施態様において、第1の金属の第1の層の表面が、第2の金属の第2の層の表面の1つ以上の部分と直接接触することができる。
【0095】
いくつかの実施態様において、第2の金属材料を含む第2の層の作製が、1つ以上の合金を含む層の作製を伴うことができる。上に記述されているとおり、当該合金のそれぞれは、第1の金属元素および1つ以上の第2の金属元素を含有することができる。第2の金属元素のそれぞれは、切り替え酸化物層内の遷移金属酸化物に対して第1の金属元素とは異なる反応性を有することができる。いくつかの実施態様において、第1の金属元素をTaとすることができる。第2の金属元素は、W、Hf、Mo、Nb、Zr等のうちの1つ以上とすることができる。Ta合金の第2の層の作製は、PVD、CVD、スパッタリング、ALD、および/または任意の他の適切な堆積技術を利用するTa合金の堆積を伴うことができる。Ta合金の第2の層の作製は、Ta合金の層が第1の金属の第1の層より厚いというように適切な厚さを有するTa合金の層を堆積させることを伴うことができる。いくつかの実施態様において、約5nmと約100nmの間の厚さを有するTa合金の1つ以上の層を堆積させることができる。
【0096】
説明の簡単化のために、この開示の方法は、一連の作用として図示され、かつ記述されている。しかしながら、この開示に従った作用は、多様な順序で、および/または同時に、かつこの中に提示ないしは記述がなされていないそのほかの作用とともに生じることが可能である。さらにまた、例証されている作用の必ずしもすべてが開示されている発明の要旨に従った方法の実装に必要とされないこともある。それに加えて、この分野の当業者は理解し、認識することになるであろうが、この方法は、代替的に状態図またはイベントを介して相互に関係のある一連の状態として表すことが可能である。
【0097】
本明細書で使用されるときの用語『概略』、『約』、および『実質的に』は、平均の2標準偏差内、いくつかの実施態様における目標寸法の±20%内、いくつかの実施態様における目標寸法の±10%内、いくつかの実施態様における目標寸法の±5%内、いくつかの実施態様における目標寸法の±2%内、いくつかの実施態様における目標寸法の±1%内、さらには、いくつかの実施態様における目標寸法の±0.1%内といったこの分野における一般公差の範囲内であることを意味することができる。用語『概略』および『約』は、目標寸法を含むことができる。特に述べられているか、または文脈から自明である場合を除き、この中に記述されているすべての数値は用語『約』によって修飾される。
【0098】
本明細書で使用されるとき、範囲は、当該範囲内のすべての値を含む。たとえば、1から10までの範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10、およびそれらの端数から得られる任意の数、数の組み合わせ、部分範囲を含むことができる。
【0099】
以上の説明には、いくつかの詳細が示されている。しかしながら明らかになろうが、本開示は、これらの具体的な詳細を伴うことなく実施することができる。いくつかの場合において、周知の構造および装置が、開示を不明瞭にすることを回避するために、むしろ詳細にではなくブロック図の形式で示されている。
【0100】
本明細書で使用されるときの用語『第1』、『第2』、『第3』、『第4』等は、異なる要素を区別するラベルとしての意味であり、それらの数字による指定に従った順序的な意味を有する必然性はない。
【0101】
用語『例』または『例示的な』は、本明細書で使用されるとき、例、場合、または例証としの働きを提供することを意味する。この中において『例』または『例示的な』として記述されているあらゆる態様または設計が、ほかの態様または設計より好ましいとして、または有利であるとして解釈される必然性はない。むしろ用語『例』または『例示的な』の使用は、具体的な態様において概念を提示することが意図されている。この出願において使用されるときの用語『または』は、排他的な『または』ではなく、むしろ包括的な『または』を意味することが意図されている。言い換えると、特段の指定がない限り、または文脈から明らかな場合を除き、『Xは、AまたはBを含む』は、任意の自然な包括的な並び替えを意味することが意図されている。すなわち、XがAを含むか;XがBを含むか;またはXがAおよびBの両方を含む;のであれば、これらの場合のいずれの下においても『XがAまたはBを含む』が満たされる。それに加えて、この出願および付随する請求項において使用されるときの『ある』および数量指定のないことは、特段の指定があるか、または単数形式であることの指定が文脈から明らかである場合を除き、概して『1つ以上』を意味するものと解釈されるべきである。この明細書全体を通じて『実装』または『1つの実装』と言及するときは、当該実装に関連して記述されている特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実装に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体を通じて随所に現れる『実装』または『1つの実装』という語句が、すべてが同一の実装を参照している必然性はない。
【0102】
本明細書で使用されるとき、要素または層が別の要素または層の『上に』あるとして参照されている場合には、当該要素または層が当該別の要素または層の直接上にあるとすることもでき、あるいは介在する要素または層が存在しているとすることもできる。それとは対照的に、要素または層が別の要素または層の『直接上に』あるとして参照されている場合には、介在する要素または層が存在しない。
【0103】
以上の説明を読んだ後であれば、本開示の多くの変形および修正がこの分野の当業者に明らかになるであろうことは疑いようがないが、例証のために示され、記述されているあらゆる特定の実施態様が限定として見做されることが、いかなる形においても意図されていないことは理解されるものとする。したがって、多様な実施態様の詳細に対する参照は、請求の範囲の限定を意図してなく、それら自体は、開示として見做されるそれらの特徴のみを列挙しているに過ぎない。
【符号の説明】
【0104】
100 クロスバー回路
111a-n 行ワイヤ
111a、111b、・・・、111i、・・・、111n 行ワイヤ
113a-m 列ワイヤ
113a、113b、・・・、113j、・・・、113m 列ワイヤ
120a、120b、・・・、120z クロスポイント装置
120ij クロスポイント装置
200 クロスポイント装置
201 RRAM装置
203 トランジスタ
211 ビットライン
213 選択ライン
215 ワードライン
300 装置
300a、300b、300c RRAM装置
301 入力
302 ストレージ媒体、ストレージ
303 プロセッサ、プロセッサ・システム
310 基板
320 第1の電極
330 切り替え酸化物層
335a 導電チャンネル
335b 中断された導電チャンネル
340 第2の電極
400a 半導体装置
400c 半導体構造
400d RRAM装置
400e 半導体装置
400f 半導体装置
401 PED流体
410 基板
420 第1の電極
422 界面層、第1の界面層
422a 不連続膜
424 細孔
430 切り替え酸化物層
435a 導電チャンネル
435b 中断された導電チャンネル
440 第2の電極
500a 半導体装置
500b 半導体装置、RRAM装置
500c 半導体装置
500d 半導体装置
532 界面層、第2の界面層
532a 不連続膜、第2の不連続膜
534 細孔
535a 導電チャンネル
535b 中断された導電チャンネル
540 第2の電極
600a 半導体装置
600b 半導体装置、RRAM装置
600c 半導体装置
600d 半導体装置
601 結果の画像
602 結果の画像
630 切り替え酸化物層
632 界面層、不連続膜
632a 不連続膜
634 細孔
635a 導電チャンネル
635b 中断された導電チャンネル
640 第2の電極
700 上部電極、第2の電極
710 第1の層
720 第2の層
800 エリンガム・ダイアグラム
1000 RRAM装置を作製するための一例の方法
1100 RRAM装置を作製するための一例の方法
1200 RRAM装置を作製するための一例の方法
1300 上部電極を作製するための一例の方法
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
【国際調査報告】