(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】皮膚筋炎を処置する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240423BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240423BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20240423BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20240423BHJP
C07K 16/46 20060101ALN20240423BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P17/00
A61K39/395 D
C12N15/13 ZNA
C07K16/28
C07K16/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570136
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-09
(86)【国際出願番号】 IB2022054500
(87)【国際公開番号】W WO2022238977
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523427180
【氏名又は名称】アディエンネ・ソチエタ・アノニマ
【氏名又は名称原語表記】ADIENNE S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138911
【氏名又は名称】櫻井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ディ ナーロ,アントニオ フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB33
4C085BB34
4C085BB35
4C085BB36
4C085BB37
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA22
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、皮膚筋炎の処置のために抗CD26抗体およびその抗原結合フラグメントを使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における皮膚筋炎を処置する方法であって、対象に治療有効量の抗CD26抗体を投与することを含み、ここで、抗体は16mg/m
2/日の用量で5日間1日1回、続いて週3回計16回投与する方法。
【請求項2】
対象における皮膚筋炎関連サイトカインのレベルを低減する方法であって、対象に治療有効量の抗CD26抗体を投与することを含み、ここで、抗体を16mg/m
2/日の用量で5日間1日1回投与し、続いて週3回計16回投与する方法。
【請求項3】
皮膚筋炎関連サイトカインが腫瘍壊死因子-アルファ(TNFα)、インターロイキン-1β(IL-1β)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-17(IL-17)、インターロイキン-21(IL-21)、インターフェロン-アルファ(IFNα)またはインターフェロン-ガンマ(IFNγ)である、請求項2の方法。
【請求項4】
抗CD26抗体が完全長抗体である、請求項1~3の何れかの方法。
【請求項5】
抗体がモノクローナル、ヒト、ヒト化、キメラ、多価抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項1~4の何れかの方法。
【請求項6】
抗体がIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgDおよびIgEからなる群から選択されるアイソタイプを有する、請求項1~5の何れかの方法。
【請求項7】
抗体がIgG2bアイソタイプを有する、請求項6の方法。
【請求項8】
抗CD26抗体がベゲロマブ、1F7またはCM03である、請求項1~7の何れかの方法。
【請求項9】
抗CD26抗体がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生される、請求項8の方法。
【請求項10】
抗CD26抗体が寄託番号PD 12002として、ジェノバ(イタリア)のCBA-ICLCに寄託されているハイブリドーマ細胞株から産生される、請求項1~9の何れかの方法。
【請求項11】
抗CD26抗体が
(a)配列番号7に示す配列を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号8に示す配列を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号9に示す配列を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号10に示す配列を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号11に示す配列を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号12に示す配列を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む、請求項1~10の何れかの方法。
【請求項12】
抗CD26抗体がそれぞれ配列番号3および5に示す配列を含む重鎖および軽鎖可変領域を含む、請求項1~11の何れかの方法。
【請求項13】
抗CD26抗体がそれぞれ配列番号1および2に示す配列を含む重鎖および軽鎖を含む、請求項1~11の何れかの方法。
【請求項14】
グルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤治療の投与をさらに含む、請求項1~13の何れかの方法。
【請求項15】
免疫抑制剤治療は、メトトレキサート、アザチオプリンまたはミコフェノラートの投与を含む、請求項14の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚筋炎の処置のために抗CD26抗体およびその抗原結合フラグメントを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
皮膚筋炎(DM)は、筋肉および皮膚の炎症性および退行性により特徴づけられるタイプの炎症性筋疾患である。関連する症状および身体所見は、患者が示すものが種々であり得るため、症例毎に広範に異なり得る。筋肉異常は、胴体、上腕、臀部および大腿部の筋肉(近位筋肉)の疼きおよび脱力から始まり得る。筋肉は硬直し、痛み、脆弱となり、最終的に、変性(萎縮)の徴候を示す。罹患個体は、腕を上げるおよび/または階段を上がるなどのある機能実行の困難または発話および嚥下障害を生ずることがあり得る。皮膚筋炎と関連する皮膚異常は、しばしば上眼瞼または頬にかけての独特な赤紫色発疹(ヘリオトロープ発疹)および「蝶」分布での鼻ならびに前頭および頭皮での架橋を含む。他の特徴的発疹は、指関節、肘、膝および/または他の伸筋領域の鱗屑化および赤味(ゴットロン丘疹および徴候);眼周囲の身体組織における体液の異常蓄積(浮腫);および/または他の特性を含む。小児(若年性)皮膚筋炎(JDM)の症状は、成人形態の本障害に付随するものに類似する。しかしながら、発症は通常より突然である。さらに、筋肉および皮膚組織におけるカルシウム沈着物の異常蓄積(石灰化)ならびに消化管の合併症がJDMではより一般的である。
【0003】
皮膚筋炎の処置は、各個体に現れる特定の症状に対するものであり、それ故に患者毎に異なり得る。一般に、皮膚筋炎に付随する筋肉合併症の処置は、グルココルチコイドの使用を必要とする。皮膚筋炎に付随する皮膚所見の処置は、日光回避、日焼け止め剤、局所グルココルチコイド、抗マラリア剤、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチルおよび/または静脈内免疫グロブリン(IVIg)を含む。
【0004】
グルココルチコイド、特にプレドニゾンは、皮膚筋炎処置に広く使用され、高頻度で使用される第一選択である。副腎の外側領域で産生される天然ホルモンに類似するそのような医薬は、しばしば炎症および付随する腫脹の低減に使用され、また免疫応答抑制にも役立つ。
【0005】
高用量グルココルチコイド治療は、特に長期使用後、骨を脆くかつ弱化させる(骨粗鬆症)、骨密度低下;医薬の影響による「上書きされた」筋力低下の増加(すなわち、コルチコステロイド筋疾患);組織腫脹(浮腫);消化性潰瘍;血圧上昇;血糖値上昇:腹部、顔および/または首背面への脂肪沈着を伴う体重増加または他の所見などの有害副作用を生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、当分野において皮膚筋炎の処置方法の改善の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本発明は、対象における皮膚筋炎を処置する方法であって、対象に治療有効量の抗CD26抗体を投与することを含み、ここで、抗体を16mg/m2/日の用量で1日1回5日間投与し、続いて週3回計16回投与する方法に関する。
【0008】
本発明は、また対象における皮膚筋炎関連サイトカインのレベルを低減する方法であって、対象に治療有効量の抗CD26抗体を投与することを含み、ここで、抗体を16mg/m2/日の用量で1日1回5日間投与し、続いて週3回計16回投与する。
【0009】
ある態様において、皮膚筋炎関連サイトカインは腫瘍壊死因子-アルファ(TNFα)、インターロイキン-1β(IL-1β)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-17(IL-17)、インターロイキン-21(IL-21)、インターフェロン-アルファ(IFNα)またはインターフェロン-ガンマ(IFNγ)である。
【0010】
ある態様において、抗CD26抗体は、完全長抗体である。他の態様において、抗体は、モノクローナル、ヒト、ヒト化、キメラ、多価抗体またはその抗原結合フラグメントである。
【0011】
ある態様において、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgDおよびIgEからなる群から選択されるアイソタイプを有する。他の態様において、抗体はIgG2bアイソタイプを有する。他の態様において、抗CD26抗体はベゲロマブ、1F7またはCM03である。他の態様において、抗CD26抗体は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生される。他の態様において、抗CD26抗体は、寄託番号PD 12002として、ジェノバ(イタリア)のCBA-ICLCに寄託されているハイブリドーマ細胞株から産生される。
【0012】
ある態様において、抗CD26抗体は、
(a)配列番号7に示す配列を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号8に示す配列を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号9に示す配列を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号10に示す配列を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号11に示す配列を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号12に示す配列を含む軽鎖可変領域CDR3
を含む。他の態様において、抗CD26抗体は、それぞれ配列番号3および5に示す配列を含む重鎖および軽鎖可変領域を含む。他の態様において、抗CD26抗体は、それぞれ配列番号1および2に示す配列を含む重鎖および軽鎖を含む。
【0013】
ある態様において、本発明の方法は、さらにグルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤治療を投与することを含む。他の態様において、免疫抑制剤治療は、メトトレキサート、アザチオプリンまたはミコフェノラートの投与を含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な記載
本発明がより容易に理解され得るように、ある用語をまず定義する。本出願で使用する限り、他に明示的指示がされない限り、次の用語の各々は、以下に示す意味を有する。さらなる定義は、本出願を通して示される。
【0015】
定義
「抗体」(Ab)は、抗原に特異的に結合し、ジスルフィド結合で相互接続された少なくとも二個の重(H)鎖および二個の軽(L)鎖を含む糖タンパク質免疫グロブリンを含むが、これらに限定されない。各H鎖は、重鎖可変領域(ここではVHと略す)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3個の定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(ここではVLと略す)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1個の定常ドメイン、CLを含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存された領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域にさらに細分され得る。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端方向で次の順番で配置された3個のCDRおよび4個のFRを含む:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫グロブリンの、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第一成分(C1q)を含む、宿主組織または因子への結合に介在し得る。重鎖はC末端リシンを有しても、有していなくてもよい。ここで他に断らない限り、可変領域のアミノ酸はKabatナンバリングシステムを使用してナンバリングし、定常領域のものはEUシステムを使用してナンバリングする。ある実施態様において、抗体はインタクト抗体である。
【0016】
免疫グロブリンは、IgA、分泌型IgA、IgGおよびIgMを含むが、これらに限定されない一般に知られるアイソタイプの何れに由来してもよい。IgGサブクラスも当分野で周知であり、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含むが、これらに限定されない。「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によりコードされる抗体クラスまたはサブクラス(例えば、IgMまたはIgG1)をいう。用語「抗体」は、例として、モノクローナルおよびポリクローナル抗体;キメラおよびヒト化抗体;ヒトまたは非ヒト抗体;完全合成抗体;および一本鎖抗体を含む。非ヒト抗体は、人間における免疫原性を低減するため、組み換え方法によりヒト化され得る。明示されない限りかつ文脈から他のことが示されない限り、用語「抗体」は、単特異的、二特異的、多価または多特異的抗体および一本鎖抗体を含む。
【0017】
ここで使用する「IgG抗体」は、天然に存在するIgG抗体の構造を有する、すなわち、天然に存在する同じサブクラスのIgG抗体と同じ数の重鎖および軽鎖およびジスルフィド結合を有する。例えば、抗CD26 IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体は、2個の重鎖(HC)および2個の軽鎖(LC)からなり、ここで、2個の重鎖および軽鎖は、それぞれ、天然に存在するIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4抗体と同じ数および位置のジスルフィド架橋により連結される(抗体がジスルフィド結合を修飾するよう変異されていない限り)。
【0018】
「単離抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体をいう(例えば、CD26に特異的に結合する単離抗体は、CD26以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、CD26に特異的に結合する単離抗体は、異なる種からのCD26分子などの他の抗原と交差反応性を有してよい。さらに、単離抗体は他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含み得ない。
【0019】
抗体は、改変されている抗体であり得る(例えば、変異、欠失、置換、非抗体部分へのコンジュゲーションにより)。例えば、抗体は、抗体の性質(例えば、機能的性質)を変える、1以上のバリアントアミノ酸(天然に存在する抗体に比して)を含み得る。例えば、患者における半減期、エフェクター機能および/または抗体に対する免疫応答に影響する、例えば、多数のこのような改変が当分野で知られる。用語抗体はまた少なくとも1個の抗体由来抗原結合部位を含む、人工ポリペプチド構築物も含む。
【0020】
用語「モノクローナル抗体」(「mAb」)は、単一分子組成、すなわち、一次配列が本質的に同一であり、特定のエピトープに単一結合特性および親和性を示す抗体分子の天然に存在しない調製物をいう。mAbは単離抗体の例である。MAbは、ハイブリドーマ、組み換え、トランスジェニックまたは当業者に知られる他の技術により産生され得る
【0021】
「ヒト」抗体(HuMAb)は、フレームワークおよびCDR領域両方がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する、抗体をいう。さらに、抗体が定常領域を含むとき、定常領域もヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロで無作為または部位特異的変異誘発によりまたはインビボで体細胞変異により導入された変異)を含み得る。しかしながら、ここで使用する用語「ヒト抗体」は、マウスなどの他の哺乳動物種の生殖細胞系列由来のCDR配列が、ヒトフレームワーク配列に移植されている、抗体を含むことは意図されない。用語「ヒト」抗体および「完全ヒト」抗体は同義的に使用される。
【0022】
「ヒト化抗体」は、非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分または全てが、ヒト免疫グロブリン由来の対応するアミノ酸で置き換えられている、抗体をいう。ヒト化形態の抗体のある実施態様において、CDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分または全てはヒト免疫グロブリンからのアミノ酸で置き換えられており、一方、1以上のCDR領域内のアミノ酸の一部、大部分または全ては変化しない。アミノ酸の小さな富化、欠失、挿入、置換または修飾は、抗体が特定の抗原に結合する能力をなくさない限り、許容される。「ヒト化」抗体は、元の抗体に類似する抗原特異性を保持する。
【0023】
「キメラ抗体」は、可変領域がマウス抗体由来であり、定常領域がヒト抗体由来である抗体などの、可変領域がある種に由来し、定常領域が他の種に由来する、抗体をいう。
【0024】
「抗抗原」抗体は、該抗原に特異的に結合する抗体をいう。例えば、抗CD26抗体はCD26に特異的に結合する。
【0025】
抗体の「抗原結合部分」(「抗原結合フラグメント」とも称する)は、抗体全体により結合される抗原に特異的に結合する能力を保持する、抗体の1以上のフラグメントをいう。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体のフラグメントまたは部分により実施され得ることが示されている。抗体、例えば、ここに記載する抗CD26抗体の「抗原結合部分」または「抗原結合フラグメント」なる用語に包含される結合フラグメントの例は
(1)Fabフラグメント(パパイン切断由来フラグメント)またはVL、VH、LCおよびCH1ドメインからなる類似単価フラグメント;
(2)F(ab’)2フラグメント(ペプシン切断由来フラグメント)またはヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2個のFabフラグメントを含む類似二価フラグメント;
(3)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;
(4)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、
(5)VHドメインからなる単一ドメイン抗体(dAb)フラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544-46);
(6)ヒンジにより連結された2個のVHドメインからなる二単一ドメイン抗体(デュアル-親和性再ターゲティング抗体(DART));
(7)デュアル可変ドメイン免疫グロブリン;
(8)単離相補性決定領域(CDR);および
(9)所望により合成リンカーで接続されていてよい2以上の単離CDRの組み合わせ。さらに、Fvフラグメントの2個のドメイン、VLおよびVHは別々の遺伝子によりコードされるが、組み換え方法を使用して、単価分子を形成するようVLおよびVH領域が対合された単一タンパク質鎖として製造されることを可能とする合成リンカーにより、接続され得る(一本鎖Fv(scFv)として既知;Bird et al. (1988) Science 242:423-426; and Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883参照)。そのような一本鎖抗体は、抗体の「抗原結合部分」または「抗原結合フラグメント」なる用語に包含されることも意図される。これらの抗体フラグメントは、当業者に知られる慣用の技術を使用して得て、フラグメントをインタクト抗体と同じ方法でその有用性についてスクリーニングする。抗原結合部分は、組み換えDNA技術またはインタクト免疫グロブリンの酵素もしくは化学切断により産生され得る。ある実施態様において、抗体は抗原結合フラグメントである。
【0026】
用語「CD26」は、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)をいう。用語CD26およびDPP4は、ここでは相互交換可能に使用する。用語「CD26」は、バリアント、アイソフォーム、ホモログ、オルソログおよびパラログを含む。例えば、ヒトCD26タンパク質に特異的な抗体は、ある場合、ヒト以外の種からのCD26タンパク質と交差反応し得る。他の実施態様において、ヒトCD26タンパク質に特異的な抗体は、ヒトCD26タンパク質に完全に特異的であってよく、種または他のタイプの交差反応性を示さなくてよく、または全ての他の種ではなく、ある他の種と交差反応してよい(例えば、サルCD26と交差反応するが、マウスCD26とはしない)。用語「ヒトCD26」は、GenBank Accession No. AH005372.3を有するヒトCD26の完全アミノ酸配列などのヒト配列CD26をいう。ヒトCD26配列は、例えば、保存的変異または非保存的領域における変異を有することにより、GenBank Accession No. AH005372.3のヒトCD26と異なってよく、CD26はGenBank Accession No. AH005372.3のヒトCD26と実質的に同じ生物学的機能を有する。
【0027】
特定のヒトCD26配列は、一般にGenBank Accession No. AH005372.3のヒトCD26とアミノ酸配列が少なくとも90%同一であり、他の種(例えば、マウス)のCD26アミノ酸配列と比較したとき、アミノ酸配列がヒトとして同定されるアミノ酸残基を含む。ある場合、ヒトCD26は、GenBank Accession No. AH005372.3のCD26とアミノ酸配列が少なくとも95%または少なくとも96%、97%、98%または99%同一であり得る。ある実施態様において、ヒトCD26配列は、GenBank Accession No. AH005372.3のCD26配列と10を超えるアミノ酸差異を示さない。ある実施態様において、ヒトCD26は、GenBank Accession No. AH005372.3のCD26配列と、5を超えるまたは4、3、2または1を超えるアミノ酸差異を示さない可能性がある。
【0028】
ここに示すポリペプチド配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、最大パーセント配列同一性を達成するためにかつあらゆる保存的置換を配列同一性部分として考慮せずに、配列を整列し、必要であれば、ギャップ導入後、ここに示す特定のポリペプチド配列(例えば配列表における配列識別子により特徴づけられる特定のポリペプチド配列)のアミノ酸残基と同一である、比較する興味ある候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性決定のために実施される配列アラインメントは、例えば、引用により本明細書に包含するEP1241179B1において、特に、ここに使用する定義および可能な保存的置換に関連する表1を含む、9ページ35行~10頁40行を含み、記載されているとおり、当分野で既知の方法により実施され得る。例えば、当業者は、公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用できる。配列同一性を決定するためのコンピュータープログラム方法は、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアを含むが、これらに限定されない。ある実施態様によると、使用するソフトウェアアラインメントプログラムはBLASTであり得る。当業者は、比較対象の配列の完全長にわたり最大アラインメントを達成するのに必要な何らかのアルゴリズムを含む、測定アラインメントのための適切なパラメータを決定できる。ある実施態様によると、%同一性値は、WU-BLAST-2コンピュータープログラムを使用して作成できる(引用により本明細書に包含するAltschul et al., 1996, Methods in Enzymology 266:460-480)。ある実施態様によると、WU-BLAST-2コンピュータープログラムを実施するとき、次のパラメータが使用される:WU-BLAST-2検索パラメータの大部分は、デフォルト値に設定される。調整可能パラメータを次の値に設定した:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11およびスコアリングマトリクス=BLOSUM62。BLAST-2で使用される動的値であるHSP SおよびHSP S2パラメータは、目的の配列の組成および配列が検索されるデータベースの組成により、プログラム自体によって確立される。しかしながら、感受性を高めるために、値を調節できる。%配列同一性値は、(a)比較されるここに示す特定のアミノ酸配列(例えば配列表における配列識別子により特徴づけられる特定のポリペプチド配列)と比較する興味ある候補アミノ酸配列の間のマッチする同一アミノ酸残基数、例えばWU-BLAST-2で決定されたマッチする同一アミノ酸残基数を、(b)比較されるここに示すポリペプチド配列(例えば配列表において配列番号により特徴づけられる特定のポリペプチド配列)のアミノ酸残基の総数で除すことにより、決定され得る。
【0029】
ここに示す核酸配列に関する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、最大パーセント配列同一性を達成するために、配列を整列し、必要であれば、ギャップ導入後、ここに示す特定の核酸配列(例えば配列表における配列識別子により特徴づけられる特定のポリペプチド配列)と同一である、比較する興味ある候補配列におけるヌクレオチドのパーセンテージとして定義される。パーセント核酸配列同一性決定の目的でのアラインメントは、例えば、EP1241179B1に記載の、当業者に知られる方法により実施され得る。例えば、当業者は、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの工程に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用するなど、公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用できる。当業者は、比較対象の配列の完全長にわたり最大アラインメントを達成するのに必要な何らかのアルゴリズムを含む、測定アラインメントのための適切なパラメータを決定できる。好ましい実施態様によると、%同一性値はWU-BLAST-2コンピュータープログラムを使用して、作成できる。好ましい実施態様によると、次のコンピュータープログラムおよびパラメータが使用される:ここで使用する同一性値は、オーバーラップスパンおよびオーバーラップフラクションがそれぞれ1および0.125である、デフォルト値に設定したWU-BLAST-2のBLASTNモジュールにより作成される。%核酸配列同一性値は、(a)比較されるここに示す特定の核酸配列(例えば配列表における配列識別子により特徴づけられる特定の核酸配列)と比較する興味ある比較核酸分子の間のマッチする同一ヌクレオチド数、例えばWU-BLAST-2により決定されたマッチする同一ヌクレオチド数を、(b)比較されるここに示す特定の核酸配列(例えば配列表における配列識別子により特徴づけられる特定の核酸配列)のヌクレオチド残基の総数で除すことにより得られ得る。
【0030】
ここで使用する「患者」は、皮膚筋炎に罹患しているあらゆる患者を含む。用語「対象」および「患者」は、ここでは相互交換可能に使用する。
【0031】
「投与する」は、当業者に知られる種々の方法および送達系の何れかを使用する、治療剤を含む組成物の対象への物理的導入をいう。ここに開示する製剤の投与経路は、例えば、注射または点滴による、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄または他の非経腸投与経路を含む。ここで使用する用語「非経腸投与」は、通常注射により、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内注射および点滴ならびにインビボエレクトロポレーションを含むが、これらに限定されない、経腸および局所投与以外の投与方法を意味する。ある実施態様において、製剤は、非非経腸経路を介して、ある実施態様において、経口で投与される。他の非非経腸経路は、局所、上皮または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、膣、直腸、舌下または局所を含む。投与は、例えば、1回、複数回および/または1以上の長期にわたり、実施もされ得る。
【0032】
対象の「処置」または「治療」は、症状、合併症もしくは状態の進行、進展、重症度または再発または疾患と関連する生化学的指標の回復、軽減、改善、阻止、減速を目的として、対象に実施するあらゆるタイプの介入または過程または活性剤の投与をいう。
【0033】
ここで使用する「有効な処置」は、有益な効果を生ずる、例えば、疾患または障害の症状の少なくとも1個を改善する、処置をいう。有益な効果は、ベースラインからの改善、すなわち、本方法による治療開始前の測定値または観察からの改善の形態をとり得る。
【0034】
用語「有効量」は、所望の生物学的、治療的および/または予防的結果をもたらす、薬剤の量をいう。その結果は、疾患の徴候、症状または原因の1以上の低減、改善、緩和、低減、遅延および/または軽減または生物学的系の何らかの他の所望の改変であり得る。
【0035】
ある例において、「有効量」は、皮膚筋炎の炎症性応答の顕著な減少に影響することが臨床的に証明されている、抗CD26抗体の量である。ここで使用する用語「固定用量」、「一定用量」および「一定固定用量」は、相互交換可能に使用され、患者の体重または体表面積(BSA)と無関係に患者に投与される用量をいう。固定または一定用量は、従って、mg/m2用量としてではなく、むしろ、薬剤(例えば、抗CD26抗体)の絶対量として示される。例えば、60kgのヒトおよび100kgのヒトは、同じ用量の組成物(例えば、100mgの抗CD26抗体)を投与される。
【0036】
ここでいう用語「体表面積に基づく用量」は、患者に投与する用量が、患者の体表面積に基づき計算されることを意味する。例えば、2.0体表面積(BSA)の患者の4mg/m2の抗CD26抗体を必要とするとき、適切な量の抗CD26抗体(すなわち、8mg)を導くことができる。
【0037】
ここで使用する「投与間隔」は、対象に投与されるここに開示する抗CD26抗体を投与する間に経過する時間を意味する。故に、投与間隔は範囲として示され得る。
【0038】
ここで使用する用語「投与頻度」は、ある時間においてここに開示する抗CD26抗体を投与する頻度をいう。投与頻度は、ある時間あたりの投与回数として、例えば、週1回または2週に1回として示され得る。
【0039】
用語「ほぼ週1回」、「ほぼ毎週1回」、「ほぼ2週毎に1回」またはここで使用する何らかの他の類似する投与間隔の用語は、おおよその数値を意味し、「ほぼ週1回」または「ほぼ毎週1回」は、7日±2日毎、すなわち、5日毎から9日毎を含み得る。故に、「週1回」の投与頻度は、5日毎、6日毎、7日毎、8日毎または9日毎であり得る。「ほぼ2週毎に1回」は、14日±3日毎、すなわち、11日毎~17日毎を含み得る。同様の近似が、例えば、約3週、約4週毎、約5種毎、約6週毎および約12週毎に適用される。ある実施態様において、約6週に1回または約12週に1回の投与間隔は、最初の用量を、1週目の任意の曜日に投与し得て、次いで、次の投与をそれぞれ6週目または12週目の任意の曜日に投与し得ることを意味する。他の実施態様において、約6週に1回または約12週に1回の投与間隔は、最初の用量を、1週目の特定の曜日(例えば、月曜日)に投与し、次いで、次の投与をそれぞれ6週目または12週目の同じ曜日(例えば、月曜日)に投与することを意味する。
【0040】
CD26発現に関連する用語「CD26陽性」または「CD26発現陽性」は、典型的に筋肉細胞を含む、試験組織サンプルにおける細胞の割合をいい、その、組織サンプルはCD26を発現するとして評価される。
【0041】
「免疫応答」は、侵襲病原体、病原体に感染した細胞もしくは組織、癌もしくは他の異常細胞または自己免疫または病的炎症の場合、正常ヒト細胞または組織の選択的ターゲティング、結合、損傷、破壊および/または脊椎動物身体からの排除をもたらす、免疫系の細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、樹状細胞および好中球)およびこれら細胞または肝臓により産生される可溶性高分子(抗体、サイトカインおよび補体を含む)の作用をいう。
【0042】
選択肢(例えば、「または」)の使用は、選択肢の一方、両方または任意の組み合わせを意味すると解釈すべきである。ここで使用する単数表現は、任意の引用されるまたは挙げられる成分の「1以上」をいうと解釈すべきである。
【0043】
用語「および/または」は、ここで使用されるとき、2個の特定する性質または成分各々の、他方を伴うまたは伴わない具体的開示として解釈される。故に、ここで「Aおよび/またはB」などの表現において使用する用語「および/または」は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)および「B」(単独)を含むことを意図する。同様に、「A、Bおよび/またはC」などの表現において使用する用語「および/または」は、次の態様の各々を包含することを意図する:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
【0044】
態様が、ここで用語「含む」を用いて記載されるときは常に、用語「からなる」および/または「から本質的になる」で記載される他の点で類似の態様も提供されると理解される。
【0045】
用語「約」または「から本質的になる」は、一部、値または組成がどのように測定または決定されたかに依存する、すなわち、測定系の限界である、当業者により決定される特定の値または組成の許容される誤差範囲内である、値または組成をいう。例えば、「約」または「から本質的になる」は、当分野における実務あたりの1または1を超える標準偏差内を意味し得る。あるいは、「約」または「から本質的になる」は、10%または20%までの範囲(すなわち、±10%または±20%)を意味し得る。例えば、約3mgは、2.7mg~3.3mg(10%について)または2.4mg~3.6mg(20%について)の任意の数字を含み得る。さらに、特に生物学的系または過程に関して、本用語は値の一桁までまたは5倍までを意味し得る。特定の値または組成が明細書および特許請求の範囲で提供されるとき、特に断らない限り、「約」または「から本質的になる」の意味は、その特定の値または組成について許容される誤差範囲の範囲内であると仮定される。
【0046】
ここで記載するあらゆる濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲または整数範囲は、特に断らない限り、、その記載する範囲内のあらゆる整数の値および適切なとき、その分数(例えば整数の1/10および1/100)を含むと解釈される。
【0047】
他に定義されない限り、ここで使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が関連する分野の当業者により共通して理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 5th ed., 2013, Academic Press;およびOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, 2006, Oxford University Pressは、当業者に、本明細書で使用する用語の多くの一般的辞典を提供する。
【0048】
単位、接頭辞および記号は、国際単位系(SI)が認める形態で記される。数値範囲は、同範囲を定義する数値を含む。ここに提供する見出しは、明細書を全体として参照することにより解釈され得る本発明の種々の態様を限定しない。従って、すぐ下に定義する用語は、本明細書を全体として引用して、より完全に定義される。
【0049】
本発明の種々の態様は、次のサブセクションでさらに詳述される。
【0050】
CD26抗体
ある態様において、本発明は、皮膚筋炎の処置において抗CD26抗体を使用する方法に関する。本発明における使用に適する抗ヒトCD26抗体(またはそれ由来のVH/VLドメイン)は、当分野で周知の方法により産生され得る。あるいは、当分野で認識される抗CD26抗体が使用され得る。
【0051】
ある実施態様において、抗CD26抗体は、ブダペスト条約の下、2012年9月11日にジェノバのCentro di Biotecnologie Avanzate (CBA)--Interlab Cell Line Collection (ICLC) (L. go R. Benzi, 10, Genoa, Italy)に寄託PD 12002として寄託されたハイブリドーマ細胞株から産生される。他の実施態様において、本発明の方法で使用される抗CD26抗体は、PD 12002としてジェノバ(イタリア)のCBA-ICLCに寄託されたハイブリドーマ細胞株により産生される抗体と同じエピトープに結合する。
【0052】
ある実施態様において、抗CD26抗体は、記載を引用により本明細書に包含させる米国特許9,376,498および10,208,126に記載の、それぞれ配列番号1および2に示す配列を含む重鎖および軽鎖を含むベゲロマブまたはその抗原結合フラグメントおよびバリアントである。
【0053】
他の実施態様において、抗体は、ベゲロマブの重鎖および軽鎖CDRまたは可変領域を有する。従って、ある実施態様において、抗体は、配列番号3に示す配列を有するベゲロマブのVH領域のCDR1、CDR2およびCDR3ドメインならびに配列番号5に示す配列を有するベゲロマブのVL領域のCDR1、CDR2およびCDR3ドメインを含む。他の実施態様において、抗体は、それぞれ配列番号7、8および9に示す配列を含むCDR1、CDR2およびCDR3ドメインならびにそれぞれ配列番号10、11および12に示す配列を含むCDR1、CDR2およびCDR3ドメインを含む。他の実施態様において、抗体は、それぞれ配列番号3および/または配列番号5に示すアミノ酸配列を含むVHおよび/またはVL領域を含む。他の実施態様において、抗体は、それぞれ配列番号4および/または配列番号6に示す核酸配列によりコードされる重鎖可変(VH)および/または軽鎖可変(VL)領域を含む。他の実施態様において、抗体は、上記抗体とCD26の結合について競合するおよび/または同じエピトープに結合する。他の実施態様において、抗体は、上記抗体と少なくとも約90%可変領域アミノ酸配列同一性(例えば、配列番号3または配列番号5と少なくとも約90%、95%または99%可変領域同一性)を有する。
【0054】
ある実施態様において、抗CD26抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD26への結合についてベゲロマブと交差競合する。他の実施態様において、抗CD26抗体またはその抗原結合部分は、ベゲロマブと同じエピトープに結合する。
【0055】
ある実施態様において、抗CD26抗体は、宿主細胞における発現のためにコドン最適化される。ある実施態様において、抗CD26抗体は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における発現のためにコドン最適化されたベゲロマブである。他の実施態様において、コドン最適化ベゲロマブは、それぞれ配列番号15および16の重鎖および軽鎖を含む。
【0056】
ある実施態様において、抗CD26抗体は、米国特許7,658,923(例えば、1F7);米国特許7,462,698(例えば、CM03)、米国特許8,771,688および欧州特許3348276A1に記載される抗体またはその抗原結合フラグメントである。上に言及した当分野で認識される抗体の何れかとCD26への結合について競合する抗体またはその抗原結合フラグメントも使用され得る。
【0057】
ある実施態様において、抗CD26抗体をCD26発現の決定のために使用する。ある実施態様において、抗CD26抗体を、ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)組織検体におけるCD26と結合する能力について選択する。他の実施態様において、抗CD26抗体は凍結組織におけるCD26に結合できる。さらなる実施態様において、抗CD26抗体はCD26の膜結合、細胞質および/または可溶性形態を区別できる。
【0058】
免疫抑制剤
ある実施態様において、本発明の方法は、皮膚筋炎の処置のために抗CD26抗体と組み合わせた1以上のグルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤の使用に関する。ある実施態様において、免疫抑制剤は、皮膚筋炎の標準処置と考えられる。「免疫抑制剤」は、免疫系の活性を阻害または阻止する化合物である。ある実施態様において、免疫抑制剤はメトトレキサート、アザチオプリンまたはミコフェノラートである。
【0059】
グルココルチコイドは抗炎症剤であり得る。ここで使用する用語グルココルチコイドは、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、ベタメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニドおよびプロピオン酸ブチキソコートを含み得るが、これらに限定されない。
【0060】
ある実施態様において、グルココルチコイドまたは免疫抑制剤は、上記の何れかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体;ならびに上記の2以上の組み合わせを含む。
【0061】
医薬組成物
ヒト患者への投与に適する医薬組成物は、典型的に、例えば、液体担体で非経腸投与用にまたは静脈内投与用の液体溶液または懸濁液への再構成に適するように製剤化される。
【0062】
一般に、このような組成物は、典型的に薬学的に許容される担体を含む。ここで使用する用語「薬学的に許容される」は、政府規制当局により承認されている、または米国薬局方もしくは他の一般的に認識される薬局方に動物、特にヒトにおける使用のために記載されていることを意味する。用語「担体」は、本化合物が共に投与される希釈剤、アジュバント、添加物または媒体をいう。そのような医薬担体は、水およびピーナツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油、グリセロールポリエチレングリコールリシンオレアートなどを含む、石油、動物、植物または合成期限のものを含む、油などの無菌液体であり得る。水または食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液を、特に、注射用溶液(例えば、抗CD26抗体を含む)のための担体として用い得る。非経腸投与用液体組成物は、注射または連続点滴による投与のために製剤化され得る。注射または点滴による投与経路は、静脈内、腹腔内、筋肉内、髄腔内および皮下を含む。ある実施態様において、抗CD26抗体は静脈内投与される。
【0063】
本発明の方法
ある実施態様において、本発明は、標準的グルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤治療と組み合わせた皮膚筋炎の初期処置としての、抗CD26抗体(例えば、ベゲロマブ)の薬物動態、薬力学、安全性および臨床活性を検討する方法に関する。ある実施態様において、免疫抑制剤治療は、メトトレキサート、アザチオプリンまたはミコフェノラートの投与である。試験は、標準的グルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤治療と組み合わせた皮膚筋炎の初期処置としての抗CD26抗体(例えば、ベゲロマブ)の薬物動態、薬力学、安全性および臨床活性を検討するよう、設計される。
【実施例】
【0064】
全体的試験設計および計画明細
試験設計
これは、皮膚筋炎を有する患者の処置における、標準的ステロイドおよび/または免疫抑制剤治療と組み合わせたベゲロマブの有効性および安全性の評価を目的とする、多施設、無作為化、二重盲検式、プラセボ対照、2期間、クロスオーバー、フェーズII試験である。
【0065】
ベゲロマブまたはプラセボと組み合わせたグルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤治療(アザチオプリン、ミコフェノラート、メトトレキサート)を受ける2アームに20名の患者が登録される。第一処置期間終了時、患者は、疾患状態と無関係に、他方の処置アームにクロスオーバーされる。3カ月の休薬が、2処置期間の間で計画される。
【0066】
これは、2×2クロスオーバー設計治験である。3カ月の休薬が、第一処置の効果を第二処置に持ち越すことを避けるため、各処置期間の間で計画される。
【0067】
全処置期間終了時、3カ月フォローアップが計画される。適格性を確認するためのスクリーニングは、ベースライン来院の前1週間より早く行ってはならない(-7日目~0日目)。
【0068】
処置期間
この試験の実験期は、3カ月休薬期間により各々離された2個の1カ月の処置期間からなる。
【0069】
各処置期間は、ベゲロマブを連日投与する5日間誘導期、続いて、計11回ベゲロマブ投与を週3回実施する維持期(各月曜日、水曜日、金曜日)からなる。それゆえ、各処置期間は16回のベゲロマブ投与(5回誘導および11回維持)からなる。
【0070】
休薬期間が2個の処置期間を分ける。休薬期間の2カ月目および3カ月目の始め(処置開始からM2およびM3)安全性評価および疾患評価を実施する。
【0071】
フォローアップ期間は、実験期間の最後3カ月からなる。月1回来院が計画される。
【0072】
試験目的
治験の主目標は
・ 皮膚筋炎(DM)を有する患者の処置におけるグルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤+プラセボと比較した、グルココルチコイドおよび/または免疫抑制剤治療(メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノラート)へのベゲロマブ追加の有効性の評価
である。
【0073】
治験の副次的目的は
・ プラセボと比較したベゲロマブアームにおける皮膚症状の改善の評価;
・ プラセボと比較した皮膚筋炎を有する患者におけるベゲロマブの複数用量の安全性および忍容性の評価;
・ プラセボと比較してベゲロマブでの処置が皮膚筋炎を有する患者のクオリティ・オブ・ライフを改善できるかの評価;
・ ベゲロマブでの処置がグルココルチコイド/免疫抑制剤治療を減量または安定に維持できるかの評価
である。
【0074】
治験の探索的目的は
・ ベゲロマブでの処置が皮膚筋炎関連サイトカイン/ケモカインレベル(TNFα、IL-1β、IL-6、IL-17、IL-21、IFNγ、IFNα)を減少できるかの評価
である。
【0075】
試験エンドポイント
試験のプライマリーエンドポイントは、各処置期間の31日目の国際筋炎評価臨床研究グループ(IMACS)の総改善スコアにおける平均差異(ベゲロマブ対プラセボ)の評価である。
【0076】
セカンダリーエンドポイントは
・ プラセボと比較してベゲロマブアームにおける各処置期間の31日目にIMACS Definition of Improvement(IMACS DOI)を達成した対象数。
IMACS DOIは
・ 3個のIMACSコア測定値のベースラインからの≧20%の改善かつ
・ ベースラインから≧25%悪化のIMACSコア測定値スコアが2個を超えないかつ
・ 徒手筋力検査(MMT-8)がベースラインから≧25%減少し得ない。
・ プラセボと比較したベゲロマブアームにおける各処置期間31日目およびM2/M6の皮膚皮膚筋炎疾患面積および重症度指数(CDASI)活動スコアのベースラインからの変化。
・ プラセボと比較したベゲロマブアームにおけるM2/M6の国際筋炎評価臨床研究グループ(IMACS)総改善スコアの平均差異。
・ プラセボと比較したベゲロマブアームにおける各処置期間31日目およびM2/M6のHAQ(健康評価問診)またはPGA(患者全般的活動)スコアのベースラインからの変化。
・ グルココルチコイド/免疫抑制剤治療を変更(増加またはテーパリング)した対象数(ベゲロマブ対プラセボ)。
・ 各処置期間15日目および31日目に処置関連有害事象(TRAE)を有する参加者の割合
である。
探索的エンドポイントは(ベゲロマブ対プラセボ):
・ プラセボと比較したベゲロマブアームにおける各処置期間31日目およびM2/M6のDM関連サイトカイン/ケモカインレベル(TNFα、IL-1β、IL-6、IL-17、IL-21、IFNγ、IFNα)のベースラインからの変化
である。
【0077】
試験集団
試験集団は、DMと診断された、性別に関係なく、18歳以上の患者を含む。。
【0078】
インフォームド・コンセント書式に署名し、全編入基準を満たし、除外基準を満たさない患者のみを治験に含める。
編入基準
【0079】
この試験への参加に適格となるために、各患者は次の編入基準全てを満たさなければならない:
・ 何れかの関連試験開始前の書面によるインフォームド・コンセント。
・ 年齢≧18および≦80歳の男性および女性
・ Bohan and Peter基準(1975)またはACR/EULAR基準(Lundberg et al, 2017)に従いDMの疑いまたは確定の診断。
・ 必須ではないが、筋力低下を有する患者は登録の資格がある。活動性筋力低下を有するものは、徒手筋力検査(MMT-8)スコアが150中<142である。
・ CDASIスコア≧5により定義される活動性皮膚疾患。
・ 無作為化前(1日目)≧4週間≦0.5mg/kg メチルプレドニゾロンまたはプレドニゾロンまたは等価物の安定な用量でのDMに対する安定したグルココルチコイド処置。
・ 無作為化前(1日目)≧4週間DMに対する安定な免疫抑制剤処置であって、安定な処置は次のとおり定義される:
・ 経口または皮下メトトレキサート(MTX)で現在処置している患者は、週あたり≦25mgの安定な用量でなければならない。
・ 経口アザチオプリン(AZA)で現在処置している患者は、≦3mg/kg/日の安定な用量でなければならない。
・ 経口ミコフェノラート(MMF)現在処置している患者は、≦3g/日の安定な用量でなければならない。
・ 次の処置を受けている患者は、スクリーニング来院前に投薬が中止できる場合のみ登録できる:
・ リツキシマブ:9カ月(注:リツキシマブを受けている患者は、B細胞数が正常限度内であることが確認されたときのみ適格である)
・ 静脈内免疫グロブリン(IVIG):3カ月
・ 女性対象は次の基準の一つを満たさなければならない:
・ 外科的不妊手術(最初の投与前少なくとも6カ月に完全子宮摘出、卵管結紮および/または両側卵巣摘出または卵管閉塞)または書面により確認された先天性不妊。
・ 閉経後:スクリーニング前少なくとも12カ月生理がないとされ、スクリーニング時閉経後状態を確認するための血清卵胞刺激ホルモン(FSH)測定。
・ 妊娠可能な女性は、試験の経過中(または試験薬物の最後の投与後少なくとも3カ月の何れか長いほう)の妊娠を避けるための適切な避妊手段を取ることに同意しなければならない。避妊の許容される方法は、避妊剤の経口、注射またはインプラントによるホルモン方法、子宮内デバイス(IUD)または子宮内システム(IUS)の設置、避妊のバリア方法:殺精子フォーム/ゲル/フィルム/クリーム/座薬を付加したコンドームまたは封鎖キャップ(ペッサリーまたは子宮頸/円蓋キャップ)を含む。禁欲は、個人の通常のライフスタイルであるときのみ避妊の許容される形態と考えられる。
・ 外科的不妊(精管切除)である男性患者または全試験処置期間および最後の試験薬物投与後3カ月真の禁欲(異性との性交を控える)に同意する意思があるまたはバリア避妊手段を使用する男性患者。患者の相手が代わりに経口避妊剤を使用することも許容される。
・ 女性はスクリーニング時およびベースライン時妊娠試験陰性でなければならず、授乳してはならない。
・ 対象は、試験期間中、このプロトコールに明記されている、試験の条件、クリニックへの滞在およびフォローアップ評価のためのクリニックへの再来に従う意思があり、かつ可能でなければならない。
【0080】
治験製品
この試験において、治験医薬品(IMP)は、ハイブリドーマ細胞株により産生されるCD26に対するマウスモノクローナルIgG2b抗体であるベゲロマブである。
【0081】
ベゲロマブは、i.v.点滴用濃縮溶液として提供される。ベゲロマブに存在する添加物は、ダルベッコリン酸緩衝化食塩水(DPBS)である。組成は、マスター製剤において表1に記載する。
【表1】
【0082】
適合するプラセボは、マウスモノクローナル抗体ベゲロマブ以外試験製品と同一である。
【0083】
16mg/m2の用量レベルを、急性移植片対宿主病(aGvHD)を有する患者におけるADN014試験からのPK/PDモデリングでこの用量レベルが中央区画におけるCD26+Tリンパ球のほぼ最大CD26占拠および血清における可溶性CD26の相当な(70~75%)抑制を提供することが示されたため、この試験について選択した。この用量レベルでの全身暴露は、非臨床的安全性試験におけるNOAEL暴露の約10%である。16mg/m2用量レベルは、aGvHDを有する患者で安全かつ忍容性が良好である。
【0084】
16mg/m2で、ベゲロマブの1日1回投与は1日目から5日目の5~6倍血清蓄積と関連するが、トラフレベルは、隔日での投与がさらなる血清蓄積がない定常状態状況に対応することを示差する。暴露の個体間変動は軽度であり、クリアランスと人口動態または表現型修飾因子の間の明確な相関は観察されていない。ADN014試験からのデータは、占拠がベゲロマブの血清レベルと密接に相関し、比較的速いオンおよびオフ速度を示し、占拠を維持しかつ可溶性CD26レベルを抑制するために少なくとも隔日投与を必要とする。
【0085】
導入期の間、患者は16mg/m2ベゲロマブまたは対応するプラセボを1日1回5日間(1~5日目)投与される。維持期の間、患者は16mg/m2ベゲロマブまたは対応するプラセボを週3回(月曜日、水曜日、金曜日)、さらに11回(8日目、10日目、12日目、15日目、17日目、19日目、22日目、24日目、26日目、29日目、31日目)、計16回投与される。
【0086】
12週間の休薬期間が第一処置期間終了後32日目から続く。休薬期間が終了したら、第一処置期間にベゲロマブに無作為化された患者はプラセボ投与が開始され、第一処置期間にプラセボに無作為化された患者はベゲロマブ16mg/m
2が開始される。第二処置期間中、患者は処置期間1で使用したスキームに従い、16回の割り当てられた処置を継続する。
【表2】
【0087】
見かけは同じであり、活性処置ベゲロマブと区別不可能なプラセボバイアルを治験で使用する。プラセボは、無作為化リストに従い、各患者に2期間投与される。投与、コンプライアンスおよびアカウンタビリティーは、これが二重盲検式治験であるため、活性物質ベゲロマブに適応される手順と同一である。
【0088】
先のおよび同時の治療
先の治療は、スクリーニング前4週間以内に開始され、試験処置の最初の投与前に中止された医薬をいう。同時の医薬は、の最初の投与前に開始され、その後も継続されるかまたは試験処置の最初の投与からフォローアップ来院までのどこかの時点で摂取される医薬をいう。
【0089】
全ての同時の医薬または手順の使用は、許容されるか禁止されている医薬であるかにかかわらず、試験終了(フォローアップ期を含む)まで、電子データ収集システム(EDC)に記録される。
【0090】
試験中、対象の福祉のために必要と考えられるあらゆる同時の医薬を、治験医の裁量で与えてよい。しかしながら、確実に医薬に関する詳細を完全にEDCに記録することは治験医の責任である。最低限の要件は、薬物な、用量、適応症および投与日の記録である。同時の医薬のあらゆる変更もEDCに記録する。
【0091】
許可されない医薬
次の医薬は試験中許可されず(その使用は重大な逸脱であり、そのように記録すべきである)、スクリーニング中の同時の使用は対象の除外となる:
・ DM以外の適応症に対する全身コルチコステロイド治療;局所ステロイドの適用は許可される。
・ DMのためのグルココルチコイド治療(メチルプレドニゾロン、プレドニゾロンまたは等価物)投与量の0.2mg/kgを超える増加は試験中許可されない:何らかの理由で投与量を増加する場合、患者は試験から外れる。
・ ベゲロマブまたは安定な免疫抑制剤治療(メトトレキサート、アザチオプリンおよびミコフェノラート)以外のDM処置のための何らかの薬剤。
・ 免疫抑制剤治療(メトトレキサート、アザチオプリンおよびミコフェノラート)の投与量の試験エントリー時許可された投与量を超える増加は試験中許可されない:何らかの理由で投与量をその閾値を超えて増加する場合、患者は試験から外れる。
・ 登録前4週間および試験参加中の何らかの他の治験製品。
【0092】
許可される医薬
次の医薬は試験中許可される:
・ 0.2mg/kg メチルプレドニゾロン、プレドニゾロンまたは等価物以下の安定な用量でのDMのためのグルココルチコイド処置。この濃度を超えるグルココルチコイド治療の投与量の増加は試験中許可されない。
・ 局所ステロイド治療(皮膚クリーム、吸入ベクロメタゾンおよび他の非吸収性ステロイド)の同時使用または追加は許可される。
・ DMのための安定な免疫抑制剤処置は次のとおりである:
・ 週あたり≦25mgの安定な用量の経口または皮下メトトレキサート。
・ ≦3mg/kg/日の安定な用量の経口アザチオプリン。
・ ≦3gr/日の安定な用量の経口ミコフェノラート。
・ この濃度を超える免疫抑制剤治療の投与量の増加は、試験中許可されない。
【0093】
配列
配列番号1 重鎖定常領域アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
AKTTPPSVYPLAPGCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPESVTVTWNSGSLSSSVHTFPALLQSG
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MKTSKWEKTDSFSCNVRHEGLKNYYLKKTISRSPGK
【0094】
配列番号2 軽鎖定常領域アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
RADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQD
SKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
【0095】
配列番号3 重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
QVQLQQSGAELVKPGASVKLSCKASGYTFRSYDINWVRQRPEQGLEWIGWIFPGDGSTKY
NEKFKGKATLTTDKSSSTAYMQLSRLTSEDSAVYFCARWTVVGPGYFDVWGAGTTVTVSS
【0096】
配列番号4 重鎖可変領域(VH)ヌクレオチド配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
caggtccagctgcagcagtctggagctgaactggtaaagcctggggcttcagtgaagttgtcctgcaaggcttctggctacaccttcagaagttatgatataaactgggtgagacagaggcctgaacagggacttgagtggattggatggatttttcctggagatggtagtactaagtacaatgagaagttcaagggcaaggccacactgactacagacaaatcctccagcacagcctacatgcagctcagcaggctgacatctgaggactctgctgtctatttctgtgcaagatggacggtagtaggcccagggtacttcgatgtctggggcgcagggaccacggtcaccgtctcctca
【0097】
配列番号5 軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTITCSASSSVSYMNWFQQKPGTSPKLWIYSTSNLASGVPAR
FSGSGSGTSYSLTISRMEAEDAATYYCQQRSSYPNTFGGGTKLEIK
【0098】
配列番号6 軽鎖可変領域(VL)ヌクレオチド配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
Caaattgttctcacccagtctccagcaatcatgtctgcatctccaggggagaaggtcaccataacctgcagtgccagctcaagtgtaagttacatgaactggttccagcagaagccaggcacttctcccaaactctggatttatagcacctccaacctggcttctggagtccctgctcgcttcagtggcagtggatctgggacctcttactctctcacaatcagccgaatggaggctgaagatgctgccacttattactgccagcaaaggagtagttacccgaacacgttcggaggggggaccaagctggaaataaaa
【0099】
配列番号7 重鎖CDR1アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
GYTFRSYDIN
【0100】
配列番号8 重鎖CDR2アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
WIFPGDGSTKYNEKFK
【0101】
配列番号9 重鎖CDR3アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
WTVVGPGYFDV
【0102】
配列番号10 軽鎖CDR1アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
SASSSVSYMN
【0103】
配列番号11 軽鎖CDR2アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
STSNLAS
【0104】
配列番号12 軽鎖CDR3アミノ酸配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
QQRSSYPNT
【0105】
配列番号13 重鎖定常領域ヌクレオチド配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
gccaaaacaacacccccatcagtctatccactggcccctgggtgtggagatacaactggttcctccgtgactctgggatgcctggtcaagggctacttccctgagtcagtgactgtgacttggaactctg gatccctgtccagcagtgtgcacaccttcccagctctcctgcagtctggactctacactatgagcagctcagtgactgtcccctccagcacctggccaagtcagaccgtcacctgcagcgttgctcaccc agccagcagcaccacggtggacaaaaaacttgagcccagcgggcccatttcaacaatcaacccctgtcctccatgcaaggagtgtcacaaatgcccagctcctaacctcgagggtggaccatccgtcttc atcttccctccaaatatcaaggatgtactcatgatctccctgacacccaaggtcacgtgtgtggtggtggatgtgagcgaggatgacccagacgtccagatcagctggtttgtgaacaacgtggaagtac acacagctcagacacaaacccatagagaggattacaacagtactatccgggtggtcagcaccctccccatccagcaccaggactggatgagtggcaaggagttcaaatgcaaggtcaacaacaaagacct cccatcacccatcgagagaaccatctcaaaaattaaagggctagtcagagctccacaagtatacatcttgccgccaccagcagagcagttgtccaggaaagatgtcagtctcacttgcctggtcgtgggcttcaaccctggagacatcagtgtggagtggaccagcaatgggcatacagaggagaactacaaggacaccgcaccagtcctggactctgacggttcttacttcatatatagcaagctcaatatgaaaacaagcaagtgggagaaaacagattccttctcatgcaacgtgagacacgagggtctgaaaaattactacctgaagaagaccatctcccggtctccgggtaaa
【0106】
配列番号14 軽鎖定常ヌクレオチド配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ)
cgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgcctcagtcgtgtgcttcttgaacaacttctaccccaaagacatcaatgtcaagtggaagattgatggcagtgaacgacaaaatggcgtcctgaacagttggactgatcaggacagcaaagacagcacctacagcatgagcagcaccctcacgttgaccaaggacgagtatgaacgacataacagttatacctgtgaggccactcacaagacatcaacttcacccattgtcaagagcttcaacaggaatgagtgt
【0107】
配列番号15 重鎖ヌクレオチド配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ-CHO最適化)
caagtgcagcttcagcagtccggagccgaactcgtgaagccgggagcttccgtgaagctgagctgcaaggcatcggggtataccttccgctcctacgacatcaactgggtcagacagaggcccgaacagggtctggaatggattggctggatcttccctggcgacggttccaccaagtacaacgagaagttcaagggcaaagccaccctgaccactgacaagtcctcatcgaccgcgtacatgcaattgagccggctgacctccgaggatagcgccgtgtacttctgtgcccggtggactgtcgtgggaccaggctactttgatgtctggggggccggaactaccgtgacggtgtcatcagccaagactacccctccgtccgtgtacccccttgctccgggatgtggagacaccaccggctcgtccgtcactctgggatgcctcgtgaagggatacttccccgaatccgtcaccgtgacctggaacagcggaagcctgtcctcgtccgtgcatactttccctgccctgctgcaatccggcctgtacaccatgagctccagcgtgaccgtgccatcctcgacctggcccagccagaccgtgacttgctcagtggcgcaccctgcctcatccactaccgtggacaagaagctcgagccctccggtccgatttcaaccatcaacccttgcccaccctgcaaagaatgccataagtgtcccgctccgaatctagaaggcggcccatccgtctttatcttccctcccaacattaaggacgtgctgatgattagtctgaccccgaaagtcacttgcgtggtggtggacgtgtccgaagatgacccagacgtgcagatctcatggttcgtgaacaacgtggaggtgcacacggcccagacccagacgcaccgggaggactacaactcgactatccgcgtggtgtccacccttccgatccaacaccaggattggatgtcggggaaggagttcaagtgcaaggtcaacaacaaggatctcccgtcccccattgagaggacaatctctaagatcaagggcctcgtcagagcgcctcaggtctacatcttgcctcctcccgccgaacagttgagccggaaggatgtgtccctgacttgtctggtcgtggggttcaatccgggagacatctccgtggagtggacctcgaacggacacaccgaggaaaactacaaggacactgcaccggtgctggattccgacggctcctatttcatctactcgaagctgaacatgaaaacctcgaaatgggaaaagactgacagcttcagctgcaacgtgcgccacgagggtctgaagaactactacctgaaaaagaccatttcacggtccccggggaaa
【0108】
配列番号16 軽鎖ヌクレオチド配列;抗CD26 mAb(ベゲロマブ-CHO最適化)
Cagatcgtgcttacccaatccccggcgattatgtcagccagccccggagaaaaggtcaccattacttgctcggcatcctcctccgtgtcgtacatgaactggttccagcaaaagcccggcactagcccaaagctgtggatctattccacgtccaacctggcgtcaggagtgcctgcccgcttttcgggttctggcagcgggactagctactccctcaccatctcgagaatggaagctgaggacgccgccacctactactgtcagcagcggtcctcctacccgaacaccttcgggggaggcaccaaactggagatcaaacgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgcctcagtcgtgtgcttcttgaacaacttctaccccaaagacatcaatgtcaagtggaagattgatggcagtgaacgacaaaatggcgtcctgaacagttggactgatcaggacagcaaagacagcacctacagcatgagcagcaccctcacgttgaccaaggacgagtatgaacgacataacagctatacctgtgaggccactcacaagacatcaacttcacccatcgtcaagagcttcaacaggaatgagtgt
【配列表】
【国際調査報告】