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特表2024-518572TAの推定方法、ネットワーク機器、装置及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】TAの推定方法、ネットワーク機器、装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
H04L27/26 114
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570258
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 CN2022125907
(87)【国際公開番号】W WO2023178998
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202210283914.8
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲艷▼
(72)【発明者】
【氏名】李 成▲鋼▼
(57)【要約】
本開示の実施形態は、TAの推定方法、ネットワーク機器、装置及び記憶媒体を提供する。当該方法は、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することであって、ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対するターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものであることと、非整数遅延に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新することと、更新後のピーク電力の位置インデックス値に基づいて、ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対するピーク電力の位置のオフセット量を決定することと、オフセット量に基づいて、ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定することと、を含む。非整数遅延によりピーク電力の位置を調整し、調整後のより精細なピーク電力位置に基づいてTAを推定することにより、TAの推定の精度を向上させることができるだけではなく、データに対するゼロパディング等の方法により相関シーケンス時間領域分解能を向上させる必要がなく、それによって引き起こされる電力ディスパージョン問題を避ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものであることと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定することと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定することと、を含むことを特徴とするタイミングアドバンスTAの推定方法。
【請求項2】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、
前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載のTAの推定方法。
【請求項3】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及び前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項4】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数1】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示し、Nは、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示すことを特徴とする
請求項3に記載のTAの推定方法。
【請求項5】
前記した、前記ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項6】
前記した、前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、前記第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、前記プリセット対応関係テーブルにおける、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、前記プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
前記の、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項5に記載のTAの推定方法。
【請求項7】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項8】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数2】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示すことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項9】
前記した、前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することは、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、前記非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、前記非整数遅延が正数であると決定すること、を含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項10】
前記した、前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
前記ピーク電力の初期位置インデックス値と前記非整数遅延との和に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含むことを特徴とする
請求項1から9のいずれか1項に記載のTAの推定方法。
【請求項11】
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定する前に、前記方法は、
前記ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
前記左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、前記サブピーク電力を決定することと、をさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載のTAの推定方法。
【請求項12】
メモリと、送受信機と、プロセッサと、を含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記送受信機は、前記プロセッサの制御下でデータを送受信するためのものであり、
前記プロセッサは、前記メモリにおけるコンピュータプログラムを読み取り、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものであることと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定することと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するタイミングアドバンスTAの推定値を決定することと、を含む操作を実行するためのものであることを特徴とするネットワーク機器。
【請求項13】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、
前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項12に記載のネットワーク機器。
【請求項14】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及び前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項13に記載のネットワーク機器。
【請求項15】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数3】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示し、Nは、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示すことを特徴とする
請求項14に記載のネットワーク機器。
【請求項16】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項13に記載のネットワーク機器。
【請求項17】
前記した、前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、前記第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、前記プリセット対応関係テーブルにおける、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、前記プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
前記の、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項16に記載のネットワーク機器。
【請求項18】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項13に記載のネットワーク機器。
【請求項19】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数4】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示すことを特徴とする
請求項13に記載のネットワーク機器。
【請求項20】
前記した、前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することは、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、前記非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、前記非整数遅延が正数であると決定すること、を含むことを特徴とする
請求項13に記載のネットワーク機器。
【請求項21】
前記した、前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
前記ピーク電力の初期位置インデックス値と前記非整数遅延との和に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含むことを特徴とする
請求項12から20のいずれか1項に記載のネットワーク機器。
【請求項22】
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定する前に、前記操作は、
前記ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
前記左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、前記サブピーク電力を決定することと、をさらに含むことを特徴とする
請求項12に記載のネットワーク機器。
【請求項23】
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定するために用いられる第1の決定ユニットであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものである第1の決定ユニットと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新するために用いられる更新ユニットと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定するために用いられる第2の決定ユニットと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定するために用いられる第3の決定ユニットと、を含むことを特徴とするタイミングアドバンスTAの推定装置。
【請求項24】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、
前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項23に記載のTAの推定装置。
【請求項25】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及び前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項24に記載のTAの推定装置。
【請求項26】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数5】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示し、Nは、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示すことを特徴とする
請求項25に記載のTAの推定装置。
【請求項27】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項24に記載のTAの推定装置。
【請求項28】
前記した、前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、前記第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、前記プリセット対応関係テーブルにおける、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、前記プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
前記の、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項27に記載のTAの推定装置。
【請求項29】
前記した、前記ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項24に記載のTAの推定装置。
【請求項30】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数6】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示すことを特徴とする
請求項24に記載のTAの推定装置。
【請求項31】
前記した、前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することは、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、前記非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、前記非整数遅延が正数であると決定すること、を含むことを特徴とする
請求項24に記載のTAの推定装置。
【請求項32】
前記した、前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
前記ピーク電力の初期位置インデックス値と前記非整数遅延との和に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含むことを特徴とする
請求項23から31のいずれか1項に記載のTAの推定装置。
【請求項33】
前記第1の決定ユニットは、
前記ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
前記左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、前記サブピーク電力を決定することと、をさらに実行するために用いられることを特徴とする
請求項23に記載のTAの推定装置。
【請求項34】
請求項1から11のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが記憶されることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年03月21日に提出された、出願番号が2022102839148であり、発明の名称が「TAの推定方法、ネットワーク機器、装置及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体が参照により本文に組み込まれる。
【0002】
本開示は、無線通信の技術分野に関し、特に、TAの推定方法、ネットワーク機器、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
物理ランダムアクセスチャンネル(PRACH:Physical Random Access Channel)は、端末(ユーザ機器(UE:User Equipment)とも呼ばれる)とネットワーク機器(例えば、基地局)との間の上り同期を行うために用いられ、ランダムアクセス過程において送信される1つ目の上り信号(msg1)である。ネットワーク機器は、受信されたPRACH信号により、端末とネットワーク機器との間の信号伝送遅延を推定し、上り送信タイミングアドバンス(TA:Timing Advance)を計算して端末に送信する。端末はTAを受信した後に、下りタイミングに基づいて得られた上りタイミングを基に、物理上り共有チャンネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)の送信時間をTA早めれば、PUSCHはネットワーク機器に望まれた受信時点で到着することが確保される。同じセル内の全ての端末はいずれもこの過程に従って上り同期を完了し、このように、各端末とネットワーク機器との間の距離がどのように離れていても、その送信される上り信号はほぼ同期してネットワーク機器に到達することができる。ネットワーク機器によって推定されるTAの誤差が比較的に大きい場合、端末がPRACHを送信した後に送信する他の上り信号の復調性能に影響を与える一方で、異なる端末の信号が時間的に同期せず、互いに干渉し合うことをもたらす。従って、TAの推定の正確性は非常に重要である。
【0004】
従来技術において、TAは、相関ピーク位置に基づいてが推定され、推定の精度は、相関シーケンスの時間領域分解能に依存する。現在、相関シーケンス時間領域分解能を向上させるためによく使われる方法は、周波数領域データに対するゼロパディングにより逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)のポイント数を増大させることであるが、時間領域分解能を向上させるとともに相関シーケンスの電力ディスパージョンをもたらし、即ち、相関ピーク電力は左右に隣接するサンプルポイントに分散され、ゼロパディングの数が多くほど、ピーク電力のディスパージョンが酷くなり、ピーク電力と他のサンプルポイント電力との比の値が小さくなり、そして受信信号には通常、ノイズ及び干渉が加えられるため、ピーク位置の選択が間違えられる状況が現れ、TAの推定に大きな誤差が生じる可能性がある。周波数領域データに対するゼロパディングを行わない場合、相関ピーク位置が十分に精細ではなく、同じくTAの推定に大きな誤差が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施形態は、TAの推定の精度を向上させるために、TAの推定方法、ネットワーク機器、装置及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本開示の実施形態は、タイミングアドバンスTAの推定方法を提供し、当該方法は、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものであることと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定することと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定することと、を含む。
【0007】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、
前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することと、を含む。
【0008】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及び前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0009】
オプションとして、前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0010】
【数1】
【0011】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示し、Nは、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示す。
【0012】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0013】
オプションとして、前記した、第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、前記第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、前記プリセット対応関係テーブルにおける、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、前記プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
前記の、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、を含む。
【0014】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0015】
オプションとして、前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0016】
【数2】
【0017】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示す。
【0018】
オプションとして、前記した、非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することは、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、前記非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、前記非整数遅延が正数であると決定すること、を含む。
【0019】
オプションとして、前記した、非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
前記ピーク電力の初期位置インデックス値と前記非整数遅延との和に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含む。
【0020】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定する前に、前記方法は、
前記ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
前記左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、前記サブピーク電力を決定することと、をさらに含む。
【0021】
第2の態様において、本開示の実施形態は、ネットワーク機器をさらに提供し、当該ネットワーク機器は、メモリと、送受信機と、プロセッサと、を含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、
前記送受信機は、前記プロセッサの制御下でデータを送受信するためのものであり、
前記プロセッサは、前記メモリにおけるコンピュータプログラムを読み取り、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものであることと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定することと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するタイミングアドバンスTAの推定値を決定することと、を含む操作を実行するためのものである。
【0022】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、
前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することと、を含む。
【0023】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及び前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0024】
オプションとして、前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0025】
【数3】
【0026】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示し、Nは、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示す。
【0027】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0028】
オプションとして、前記した、第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、前記第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、前記プリセット対応関係テーブルにおける、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、前記プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
前記の、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、を含む。
【0029】
オプションとして、前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0030】
オプションとして、前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0031】
【数4】
【0032】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示す。
【0033】
オプションとして、前記した、前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することは、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、前記非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、前記非整数遅延が正数であると決定すること、を含む。
【0034】
オプションとして、前記した、前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
前記ピーク電力の初期位置インデックス値と前記非整数遅延との和に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新すること、を含む。
【0035】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定する前に、前記操作は、
前記ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
前記左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、前記サブピーク電力を決定することと、をさらに含む。
【0036】
第3の態様において、本開示の実施形態は、タイミングアドバンスTAの推定装置をさらに提供し、当該装置は、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定するために用いられる第1の決定ユニットであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものである第1の決定ユニットと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新するために用いられる更新ユニットと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定するために用いられる第2の決定ユニットと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定するために用いられる第3の決定ユニットと、を含む。
【0037】
第4の態様において、本開示の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、当該コンピュータ可読記憶媒体は、上述した第1の態様に記載のTAの推定方法のステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが記憶される。
【0038】
第5の態様において、本開示の実施形態は、通信機器をさらに提供し、前記通信機器は、上述した第1の態様に記載のTAの推定方法のステップを通信機器に実行させるためのコンピュータプログラムが記憶される。
【0039】
第6の態様において、本開示の実施形態は、プロセッサ可読記憶媒体をさらに提供し、当該プロセッサ可読記憶媒体は、上述した第1の態様に記載のTAの推定方法のステップをプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムが記憶される。
【0040】
第7の態様において、本開示の実施形態は、チップ製品をさらに提供し、当該チップ製品は、上述した第1の態様に記載のTAの推定方法のステップをチップ製品に実行させるためのコンピュータプログラムが記憶される。
【発明の効果】
【0041】
本開示の実施形態に係るTAの推定方法、ネットワーク機器、装置及び記憶媒体は、ピーク電力及びサブピーク電力に基づいて非整数遅延を決定し、非整数遅延に基づいてピーク電力の位置をさらに調整し、調整後のより精細なピーク電力位置に基づいてTAの推定を行うことにより、TAの推定の精度を向上させることができるだけではなく、データに対するゼロパディング等の方法により相関シーケンス時間領域分解能を向上させる必要がなく、それによって引き起こされる電力ディスパージョン問題を避けることができる。
【0042】
以下、本開示の実施形態又は関連技術における技術案をより明確に説明するために、実施形態又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労働を行わずに、これらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本開示の実施形態に係るTAの推定方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施形態に係るピーク電力比が非整数遅延の絶対値に従って変化するグラフである。
図3】本開示の実施形態に係るネットワーク機器の構造の概略図である。
図4】本開示の実施形態に係るTAの推定装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示の実施形態における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を説明し、3種類の関係が存在し得ることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する場合、A及びBが同時に存在する場合、及びBが単独で存在する場合、の3つの場合を示し得る。文字「/」は、通常、前後の関連対象が「or」関係であることを示す。
【0045】
本開示の実施形態における「複数」という用語は、2つ又は2つ以上を意味し、他の量詞はこれに類似する。
【0046】
以下、本開示の実施形態における図面を参照しながら、本開示の実施形態における技術案を明確且つ完全に説明する。勿論、説明された実施形態は、本開示の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施形態ではない。本開示における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施形態は、本開示の保護の範囲に属する。
【0047】
本開示の各実施形態の技術案をより明確に理解しやすくするために、まず、本開示の各実施形態に関連する一部の技術内容について紹介する。
【0048】
4Gロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)と5Gニューラジオ(NR:New Radio)システムは、いずれも直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)技術を採用し、セル内の異なる端末の信号の間の直交性を確保し、端末間の干渉を回避するために、上りタイミング同期過程が導入され、各端末の上り信号送信タイミングアドバンスTAは、当該端末と基地局との間の信号の片道伝送遅延Tの2倍に等しくなければならず、基地局は各端末から送信されたPRACHにより当該端末のTAを推定する。
【0049】
NRシステムのPRACHは、サイクリックプレフィックCP、Zadoff-Chu(ZC)シーケンス(即ち、preambleシーケンス)、及びガードインターバルGTの三つの部分からなるものであり、PRACHに用いられるZCシーケンスは、良好な自己相関及び相互相関の特性を有するため、シーケンスに関連する方法を採用して、受信したPRACH信号を検出し、TAを推定することができる。
【0050】
以下、TAの推定方法の主なフローを提供する。
Step1において、受信したPRACH時間領域信号からpreambleシーケンスを抽出して、CP及びGT部分を除去する。
【0051】
Step2において、受信したpreambleシーケンスとZCルートシーケンスとを相関させ、相関シーケンスにおける各サンプルポイントの電力を計算する。シーケンス相関は、FFT&IFFTで実現することができ、周波数領域に対するゼロパディングによりIFFTのポイント数を増加させる方法で、相関シーケンスの時間領域分解能を向上させることができる。
【0052】
Step3において、相関シーケンスをいくつかの検出ウィンドウに分割し、各検出ウィンドウ内で電力が最も大きいサンプルポイント(即ち、相関ピーク)をルックアップし、相関ピーク位置が位置する検出ウィンドウの開始位置に対する相関ピーク位置のオフセット量Δposを計算し、ここで、検出ウィンドウの開始位置は、信号伝送遅延が0である時に対応する相関ピーク位置である。
【0053】
Step4において、相関ピーク位置ズレ量Δposを、下記の式に従ってTAに換算する。
【0054】
【数5】
【0055】
ここで、TAfloatは、TAの推定値を示し、ΔfRAは、PRACHサブキャリア間隔を示し、NIFFTは、シーケンス相関過程におけるIFFTポイント数を示し、NIFFT≧LRAであり、LRAは、ZCシーケンス長さを示し、uは、PUSCHのサブキャリア間隔の指数である。
【0056】
基地局が実際に端末に送信したTAは整数であるため、上記の浮動小数点結果TAfloatを丸める必要があり、丸め方としては、切り捨て又は四捨五入であってもよい。
【0057】
相関ピーク位置に基づいてTAを推定し、推定の精度は、相関シーケンスの時間領域分解能、即ち、相関シーケンスの隣接する2つのサンプルポイントの時間間隔
【0058】
【数6】
【0059】
に依存し、Δtが小さいほど、時間領域分解能が高くなる。直接経路が比較的強いチャンネル環境において、マルチパス成分は比較的少なく、信号伝送遅延は基本的に直接経路遅延と等しく、相関シーケンスは通常1つの比較的大きいピークしか持たず、ピーク位置に基づいて算出された信号伝送遅延と直接経路遅延との差分は最大Δt/2である。従って、Δtを小さくし、相関シーケンス時間領域分解能を向上させることで、相関ピーク位置を直接経路遅延に近づけ、TAの推定をより正確にすることができる。
【0060】
相関シーケンス時間領域分解能を向上させるためによく使われる方法は、周波数領域データに対するゼロパディングによりIFFTポイント数NIFFTを増大することであるが、時間領域分解能を向上させるとともに相関シーケンスの電力ディスパージョンをもたらし、即ち、相関ピーク電力は左右に隣接するサンプルポイントに分散され、ゼロパディングの数が多いほど、ピーク電力のディスパージョンが酷くなり、ピーク電力と他のサンプルポイント電力との比の値が小さくなり、そして受信信号には通常、ノイズ及び干渉が加えられるため、ピーク位置の選択が間違えられる状況が現れ、TAの推定に大きな誤差が生じる可能性がある。
【0061】
周波数領域データに対するゼロパディングをせず、直接LRA点に対する逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)を行う場合、上記した電力ディスパージョン問題が存在しなくなるが、この場合、
【0062】
【数7】
【0063】
が比較的大きく、相関ピーク位置が十分に精細ではなく、推定された信号伝送遅延とリアルの直接経路遅延との偏差が比較的大きい可能性があり、このようにTAの推定誤差も比較的に大きくなる。
【0064】
上記した問題について、本開示の各実施形態は解決手段を提供し、相関ピークと左右に隣接するサブピーク電力との比、及び相関ピークとサブピークとの位置関係に基づいて、正規化総遅延における非整数遅延を正確に算出し、それによりTAを正確に推定する。そして、非整数遅延を正確に得られるため、相関シーケンスの時間領域分解能を向上させなくても、非整数遅延に基づいてより精細な相関ピーク位置を得ることができ、周波数領域データに対するゼロパディング等の方法により相関シーケンスの時間領域分解能を向上させることによって引き起こされる電力ディスパージョン問題を回避する。
【0065】
以下、本開示の各実施形態に係る技術案のアイディアを紹介する。
【0066】
遅延がある場合、ZCシーケンス相関電力の理論式は下記のとおりである。
【0067】
【数8】
【0068】
ここで、Nは、ZCシーケンスの長さであり、n+nは、正規化総遅延、即ち、ZCシーケンスサンプルポイント間の間隔に対する信号遅延の倍数であり、nは非負の整数であって、正規化総遅延における整数倍遅延を示し、nは、-0.5~0.5の間の小数であって、正規化総遅延における非整数遅延を示す。
【0069】
=0である場合、上記の式は、m=nにおいてのみに1つの非ゼロ値があり、mが他の値をとる場合はいずれも0である。n≠0である場合、上記の式は、m=n-1、n又はn+1において最大値が現れ、mが他の値をとる場合|R(m)|も非ゼロ値があり、この場合、ZCシーケンス相関電力のディスパージョンが発生するが、ディスパージョンした電力は主にピークと左右に隣接するサンプルポイントに分布し、ピークから遠いほど、サンプルポイントに分布されたディスパージョンした電力が小さい。以下は、n≠0である場合、m=n-1、n及びn+1における相関電力値である。
【0070】
【数9】
【0071】
【数10】
【0072】
【数11】
【0073】
【数12】
【0074】
である場合、ピーク電力とサブピーク電力との比は、
【0075】
【数13】
【0076】
であり、これにより、非整数遅延
【0077】
【数14】
【0078】
を算出することができ、さらに相関ピーク位置nをn+nに置き替えてTAを計算する。
【0079】
【数15】
【0080】
である場合、ピーク電力とサブピーク電力との比は、
【0081】
【数16】
【0082】
であり、これにより、非整数遅延
【0083】
【数17】
【0084】
を算出することができ、さらに相関ピーク位置nをn+nに置き替えてTAを計算する。
【0085】
上述した2つの状況をまとめて、本開示の各実施形態に係るTAの推定の技術策は、ゼロパディングによりIFFTポイント数を増大して相関シーケンス時間領域分解能を向上させる必要がなく、N点の相関電力データを利用するだけで、相関ピークと左右に隣接するサブピーク電力との比、及び相関ピークとサブピークとの位置関係に基づいて、非整数遅延nを正確に算出し、相関ピーク位置nをn+nに置き替え、より精細な相関ピーク位置を得ることにより、TAを正確に推定することができることが分かる。
【0086】
図1は、本開示の実施形態に係るTAの推定方法のフローチャートであり、当該方法は、ネットワーク機器(例えば基地局)に適用され、図1に示すように、当該方法は、以下のステップ100、ステップ101、ステップ102、及びステップ103を含む。
ステップ100において、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定し、ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対するターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものである。
【0087】
具体的に、ネットワーク機器がいずれかの端末から送信されたPRACHを受信した後、受信されたPRACH時間領域信号からpreambleシーケンスを抽出し、受信されたpreambleシーケンスとZCルートシーケンスとを相関させて相関シーケンスを得、相関シーケンスにおける各サンプルポイントの電力を計算する。相関シーケンスはいくつかの検出ウィンドウに分割され、当該端末に対応するターゲット検出ウィンドウに対して、ネットワーク機器は、当該ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力(即ち、検出ウィンドウの各サンプルポイント電力のうちの最大値)及びサブピーク電力(即ち、検出ウィンドウの各サンプルポイント電力のうちの2番目に大きい値)に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延、即ち、上述したnを決定するすることができる。例えば、ピーク電力とサブピーク電力との比、及びピーク電力とサブピーク電力との相対位置関係に基づいて、上述した数式によりnの値を得ることができる。
【0088】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定する前に、当該方法は、
ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、サブピーク電力を決定することと、をさらに含む。
【0089】
具体的に、上述したように、n=0である場合、ZCシーケンス相関電力には1つの非ゼロ値しか有しておらず、当該非ゼロ値は相関ピークであり、この時、相関ピークの位置に基づいて、相関ピーク位置が位置する検出ウィンドウの開始位置に対する相関ピーク位置のオフセット量Δposを直接計算し、さらにTAの推定値を得ることができるn≠0である場合、ZCシーケンス相関電力のディスパージョンが発生し、即ち、複数の非ゼロ値が現れ、ディスパージョンした電力は、主にピークと左右に隣接するサンプルポイントに分布し、ピークから遠いほど、サンプルポイントに分布されたディスパージョンした電力が小さく、従って、サブピーク電力は通常、ピーク電力の位置に最も近い左又は右のサンプルポイント位置で現れる。
【0090】
本開示の実施形態において、サブピーク電力を決定する時、まず、ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定し、次にこの2つのサンプルポイント位置の電力を比較し、その中のより大きい電力をサブピーク電力としてもよい。例えば、ピーク電力の初期位置はnであり、その左に最も近接するサンプルポイント位置はn-1であり、その右に最も近接するサンプルポイント位置はn+1である場合、n-1位置及びn+1位置にあるサンプルポイント電力をそれぞれ取得し、その後、この2つの位置にあるサンプルポイント電力を比較し、その中のより大きい1つのサンプルポイント電力をサブピーク電力としてもよい。ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を比較するだけで、サブピーク電力を決定することができ、演算量を大幅に低減した。
【0091】
ステップ101において、非整数遅延に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新する。
【0092】
具体的に、nの値を決定した後に、nの値に基づいてピーク電力の位置インデックス値を更新し、それにより、TAを推定するための相関ピーク位置をより精細で正確にする。
【0093】
オプションとして、非整数遅延に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、ピーク電力の初期位置インデックス値と非整数遅延との和に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含んでもよい。例えば、ピーク電力の初期位置インデックス値がnであると仮定すると、非整数遅延nの値を決定した後に、ピーク電力の初期位置インデックス値nにnを加えて、更新後のピーク電力の位置インデックス値とし、即ち、nをn+nに置き替えてTAの推定を行ってもよい。
【0094】
ステップ102において、更新後のピーク電力の位置インデックス値に基づいて、ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対するピーク電力の位置のオフセット量を決定する。
【0095】
具体的に、ピーク電力の位置インデックス値を更新した後に、更新後のピーク電力の位置インデックス値に基づいて、ピーク電力の位置が位置するターゲット検出ウィンドウの開始位置に対するピーク電力の位置のオフセット量を計算してもよい。例えば、ピーク電力の初期位置インデックス値はnであり、更新後のピーク電力の位置インデックス値はn+nであり、ターゲット検出ウィンドウの開始位置のインデックス値はxである場合、n+nとxとの差分を、ピーク電力の位置が位置するターゲット検出ウィンドウの開始位置に対するピーク電力の位置のオフセット量としてもよい。
【0096】
ステップ103において、オフセット量に基づいて、ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定する。
【0097】
具体的に、ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対するピーク電力の位置のオフセット量を決定した後、当該オフセット量に基づいて、当該ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を計算し、その後、推定したTA値を丸めてから当該ターゲット検出ウィンドウに対応する端末に送信してもよい。
【0098】
1つ可能な実現方式において、下記の数式によりターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を計算してよい。
【0099】
【数18】
【0100】
ここで、TAfloatは、ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を示し、Δposは、上記の決定されたオフセット量を示し、NIFFTは、ターゲット検出ウィンドウに対応するシーケンス相関過程におけるIFFTポイント数を示し、ΔfRAは、ターゲット検出ウィンドウに対応するPRACHサブキャリア間隔を示し、uは、ターゲット検出ウィンドウに対応する端末が送信したPUSCHのサブキャリア間隔指数を示す。
【0101】
本開示の実施形態に係るTAの推定方法は、ピーク電力及びサブピーク電力に基づいて非整数遅延を決定し、非整数遅延に基づいてピーク電力の位置をさらに調整し、調整後のより精細なピーク電力位置に基づいてTAの推定を行うことにより、TAの推定の精度を向上させることができるだけではなく、データに対するゼロパディング等の方法により相関シーケンス時間領域分解能を向上させる必要がなく、それによって引き起こされる電力ディスパージョン問題を避けることができる。
【0102】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することと、
非整数遅延の絶対値、及びピーク電力とサブピーク電力との初期位置関係に基づいて、非整数遅延を決定することと、を含む。
【0103】
具体的に、本開示の実施形態において、非整数遅延を決定する時に、まず、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定してもよく、例えば、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力をサブピーク電力で割って第1のピーク電力比を得、当該第1のピーク電力比に基づいて、理論計算、テーブルルックアップ、区分関数近似又は加重平均近似等の複数種の方法により非整数遅延の絶対値を得てもよい。
【0104】
その後、ピーク電力とサブピーク電力との初期位置関係に基づいて非整数遅延の符号を決定し、最終的に非整数遅延の値を得る。
【0105】
まず非整数遅延の絶対値を決定し、次にピーク電力とサブピーク電力との相対位置関係に基づいて非整数遅延の符号を決定することにより、非整数遅延を決定する方法をより柔軟で多様化にすることができ、それにより、TAの推定の柔軟性を向上させることができ、TAの推定を簡単で迅速に行うことに寄与する。
【0106】
オプションとして、非整数遅延の絶対値、及びピーク電力とサブピーク電力との初期位置関係に基づいて、非整数遅延を決定することは、
サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、非整数遅延が正数であると決定すること、を含む。
【0107】
理解できるように、n≠0である場合、ZCシーケンス相関電力はディスパージョンが発生し、ディスパージョンした電力は主にピークと左右に隣接するサンプルポイントに分布し、ピークから遠いほど、サンプルポイントに分布されたディスパージョンした電力が小さく、従って、サブピーク電力は通常、ピーク電力の位置に最も近い左又は右のサンプルポイント位置で現れる。n<0である場合、サブピーク電力の位置は、ピーク電力の位置の左にあり、n>0である場合、サブピーク電力の位置は、ピーク電力の位置の右にあるため、ピーク電力とサブピーク電力との相対位置関係に基づいてnが正数か負数かを決定することができる。
【0108】
本開示の実施形態において、ピーク電力の初期位置インデックス値とサブピーク電力の初期位置インデックス値とを比較することにより、ピーク電力とサブピーク電力との相対位置関係を決定し、それにより、非整数遅延の正負符号を決定することができる。例えば、サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、サブピーク電力の初期位置がピーク電力の初期位置の左にあることを表し、非整数遅延が負数であると決定することができる。サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、サブピーク電力の初期位置がピーク電力の初期位置の右にあることを表し、非整数遅延が正数であると決定することができる。位置インデックス値によりピーク電力とサブピーク電力との相対位置関係を判断することにより、非整数遅延の符号を正確に決定することができ、且つ実施も簡単である。
【0109】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0110】
具体的に、本開示の実施形態において、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比、及びターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することができる。上述した内容から分かるように、非整数遅延、ピーク電力比及びZCルートシーケンス長さの三者間には一定の関数関係が存在し、従って、三者間の関数関係に基づいて、ピーク電力比及びZCルートシーケンス長さを決定した後に、非整数遅延の絶対値を算出することができ、それにより、理論計算により最も正確な非整数遅延の計算結果を得ることができる。
【0111】
オプションとして、非整数遅延の絶対値は下記の数式により決定されてもよく、
【0112】
【数19】
【0113】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、第1のピーク電力比を示し、Nは、ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示す。
【0114】
具体的に、ピーク電力とサブピーク電力との比peakratioと、非整数遅延の絶対値|n|との間の関数関係の理論式は、それぞれ以下のとおりであり、
【0115】
【数20】
【0116】
【数21】
【0117】
従って、ピーク電力及びサブピーク電力を見つけ、ピーク電力比peakratioを算出した後、まず上記の式に代入して非整数遅延の絶対値|n|を算出し、その後、ピーク電力とサブピーク電力との間の相対位置関係に基づいて、nの正負符号を決定し、さらにnの値を決定することができる。
【0118】
ピーク電力比及びZCルートシーケンス長さを決定した後に、プリセットされた|n|理論計算式に代入し、正確な非整数遅延の計算結果を迅速に得ることができる。
【0119】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0120】
具体的に、本開示の実施形態において、異なるピーク電力比と非整数遅延の絶対値との間の対応関係を予め設定することで、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比を得た後に、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、当該第1のピーク電力比に対応する非整数遅延の絶対値を決定することができる。
【0121】
ピーク電力比と非整数遅延の絶対値との対応関係を予め設定することにより、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比を得た後に、プリセット対応関係に基づいて第1のピーク電力比に対応する非整数遅延の絶対値を迅速に得ることができ、それにより、TAの推定の効率を向上させた。
【0122】
1つ可能な実現方式において、プリセット対応関係は、プリセット対応関係テーブルの形で表現されてもよい。例えば、上述した非整数遅延の絶対値の理論計算式に基づいて、異なるピーク電力比に対応する非整数遅延の絶対値を計算して得ることができ、その後、異なるピーク電力比に対応する非整数遅延の絶対値をテーブルに予め保存する。無論、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係は他の方式で表現されてもよく、ここではそれを限定しない。
【0123】
ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係がプリセット対応関係テーブルの形で表現される場合、ピーク電力とサブピーク電力とのピーク電力比vs非整数遅延の絶対値のテーブルを予め保存することができ、第1のピーク電力比を算出した後に、テーブルルックアップして対応する非整数遅延の絶対値|n|を得て、さらにピーク電力とサブピーク電力との相対位置関係に基づいてnの正負符号を決定する。ここで、テーブルルックアップの方法には複数種あってもよく、例えば、第1のピーク電力比の左右の境界に対応する|n|の平均値をテーブルルックアップで返された値としてもよく、左又は右の境界に対応する|n|の値を直接に返してもよく、他の処理方法であってもよい。
【0124】
以下のテーブル1を例として、ZCルートシーケンスの長さN=839であり、非整数遅延の絶対値の粒度は0.01であり(非整数遅延の推定精度を確保するために、テーブルにおける非整数遅延の絶対値の粒度をより小さく設定することができる)、各非整数遅延の絶対値が1つのピーク電力比に対応し、テーブルには合計で0.5/0.01*2=100個の値がある。ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて得られた第1のピーク電力比が2000であると仮定すると、テーブルルックアップを行うと分かるように、2000が1045.44と2400.99との間に入り、ピーク電力比1045.44に対応する非整数遅延の絶対値は0.03であり、ピーク電力比2400.99に対応する非整数遅延の絶対値は0.02であり、このように、テーブルルックアップを行う時に2000の左右の境界に対応する非整数遅延の絶対値の平均値(即ち、(0.02+0.03)/2=0.025)をテーブルルックアップで返される値としてもよく、左又は右の境界に対応する非整数遅延の絶対値、即ち、0.03又は0.02を直接返してもよい。
【0125】
【表1】
【0126】
オプションとして、第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、プリセット対応関係テーブルにおける、第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することと、を含む。
【0127】
1つ可能な実現方式において、プリセット対応関係テーブルに基づいて非整数遅延の絶対値を決定することは、まずピーク電力比の大きい順に従って、第1のピーク電力比とプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比とを順次比較して、プリセット対応関係テーブルにおける、当該第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定してもよい。ここで、プリセット対応関係において、インデックス値は、非整数遅延の絶対値の小さい順に従って順次増加してもよいし、非整数遅延の絶対値の大きい順に従って順次増加してもよいし、非整数遅延の絶対値との間に他の対応関係を有してもよいし、ここではそれを限定しない。
【0128】
テーブル1を例として、仮にテーブルにおける各グループの非整数遅延の絶対値-ピーク電力比が1つのインデックス値に対応し、且つインデックス値が非整数遅延の絶対値の小さい順に従って順次増加し、例えば、0.01-9800.96がインデックス値1に対応し、0.02-2400.99がインデックス値2に対応し、…、0.50-1.00がインデックス値50に対応する場合、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて得られた第1のピーク電力比が2000であると仮定すると、テーブル1における、当該第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比が1045.44であり、それに対応するインデックス値が3であり、その後、当該インデックス値に基づいて当該第1のピーク電力比に対応する非整数遅延の絶対値を決定することができる。例えば、インデックス値3に対応する非整数遅延の絶対値0.03を当該第1のピーク電力比に対応する非整数遅延の絶対値としてもよいし、インデックス値3に対応する非整数遅延の絶対値とインデックス値2に対応する非整数遅延の絶対値との平均値を求めて当該第1のピーク電力比に対応する非整数遅延の絶対値としてもよいし、他の的処理方法であってもよい。インデックス値により対応する非整数遅延の絶対値を取得することで、テーブルルックアップの効率を効果的に向上させることができる。
【0129】
オプションとして、非整数遅延の絶対値は下記の数式により決定されることができ、
【0130】
【数22】
【0131】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、indexは、第1の電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を示し、Lは、プリセット対応関係テーブルにおける非整数遅延の絶対値の数を示し、table(index-1,1)及びtable(index,1)は、それぞれプリセット対応関係テーブルにおけるインデックス値index-1及びインデックス値indexに対応する非整数遅延の絶対値を示し、当該プリセット対応関係テーブルにおいて、インデックス値は非整数遅延の絶対値の小さい順に従って順次増加する。
【0132】
上記テーブル1を例として、テーブルに保存されているデータをマトリックスtableとして表記し、その次元はL*2であり、Lはテーブル1における非整数遅延の絶対値の数であり、table(index,1)で返されたのはインデックス値indexに対応する非整数遅延の絶対値である。第1のピーク電力比(2000を例とする)を決定した後に、第1のピーク電力比とテーブル1におけるピーク電力比とを1つ目のから比較し始め、テーブル1における、第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比のインデックス値indexを見つけ、インデックス値indexが3であり、そうすると、table(2,1)及びtable(3,1)で返された非整数遅延の絶対値に対して平均値を求め、即ち、(0.02+0.03)/2=0.025となり、それにより、第1のピーク電力比2000に対応する非整数遅延の絶対値0.025を出力することができる。平均値を求める方式により、テーブルルックアップで得られた結果が理論計算値により近いようにすることができる。
【0133】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0134】
具体的に、本開示の実施形態において、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数を予め設定してもよく、区分関数は、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関数関係の理論式に対して区分的近似を行うことにより得てもよく、それにより、複雑な計算式を簡単な線形関数に近似することができ、非整数遅延の絶対値を計算する時に演算量を効果的に低減させることができる。
【0135】
1つ可能な実現方式において、まずピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関数関係の理論式に基づいて、異なる非整数遅延の絶対値に対応するピーク電力比を計算してもよく、図2は、本開示の実施形態に係るピーク電力比が非整数遅延の絶対値に従って変化するグラフである。図2に示すように、グラフにおける曲線は、非整数遅延の絶対値を横座標とし、ピークとサブピークとの電力比(即ち、ピーク電力とサブピーク電力とのピーク電力比)を縦座標として描かれた理論的曲線であり、横座標と縦座標とを交換してもよく、即ち、非整数遅延の絶対値を縦座標とし、ピーク電力比を横座標としてもよく、さらに区分関数の複数の折れ線を用いて理論的曲線に近似し、そうすると、区分関数の曲線を得る。区分関数の曲線の各セグメントはいずれも直線セグメントであり、区分関数に対応する各セグメントはいずれも簡単な線形関数である。
【0136】
オプションとして、本開示の実施形態は、区分関数式を提供し、非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定することができる。
【0137】
【数23】
【0138】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、第1のピーク電力比を示す。ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて算出した第1のピーク電力比を上記区分関数式に代入して対応する非整数遅延の絶対値|n|を得ることができ、さらにピーク電力とサブピーク電力との相対位置関係に基づいてnの値を決定することができる。
【0139】
オプションとして、非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定されてもよく、
【0140】
【数24】
【0141】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、第1のピーク電力比を示す。
【0142】
具体的に、本開示の実施形態は、非整数遅延の絶対値を決定する方法を提供し、その本質は、ピーク位置及びサブピーク位置をそれぞれの電力値で加重平均し、平均された後の結果を、更新されたピーク位置としてTAを計算する。以下のように導き出す。
【0143】
ピーク位置をnとし、サブピーク位置をn-1又はn+1とし、ピーク電力及びサブピーク電力をそれぞれPmax及びPsubとすると、更新されたピーク位置は以下のとおりである。
【0144】
【数25】
【0145】
そのため、
【0146】
【数26】
【0147】
このような方法により、演算をさらに簡略化し、計算リソースの消費を低減し、TAの推定の効率を向上させることができる。
【0148】
本開示の各実施形態に係る方法と装置は同一の出願の構想に基づくものであり、方法と装置の課題を解決する原理は類似するため、装置と方法の実施は相互に参照することができ、重複点は説明しない。
【0149】
図3は、本開示の実施形態に係るネットワーク機器の構造の概略図であり、図3に示すように、当該ネットワーク機器は、メモリ320、送受信機310及びプロセッサ300を含み、ここで、プロセッサ300とメモリ320は、物理的に分離して配置されてもよい。
【0150】
メモリ320は、コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、送受信機310は、プロセッサ300の制御下でデータを送受信するために用いられる。
【0151】
具体的に、送受信機310は、プロセッサ300の制御下でデータを受信及び送信するために用いられる。
【0152】
ここで、図3において、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含んでもよく、具体的には、プロセッサ300に代表される1つ又は複数のプロセッサ、及びメモリ320に代表されるメモリの様々な回路は、一体にリンクされている。バスアーキテクチャは、また、例えば周辺デバイス、電圧レギュレーター、電力管理回路などの様々な他の回路を一体にリンクすることができ、これらはすべて当分野でよく知られているものであるため、本明細書ではこれらをさらに説明しない。バスインターフェイスはインターフェイスを提供する。送受信機310は、複数の素子であってもよく、即ち、送信機および受信機を含み、伝送媒体において他の様々なデバイスと通信するためのユニットを提供する。これらの伝送媒体には、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブル等の伝送媒体が含まれる。
【0153】
プロセッサ300は、バスアーキテクチャ及び通常の処理を管理し、メモリ320は、プロセッサ300が操作を実行する際に使用されるデータを記憶することができる。
【0154】
プロセッサ300は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、又は複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)であってもよく、プロセッサは、マルチコアアーキテクチャを採用してもよい。
【0155】
プロセッサ300は、メモリ320に記憶されるコンピュータプログラムを呼び出すことにより、取得された実行可能な命令に従って本開示の実施形態に係るいずれかの前記方法を実行するために用いられ、例えば、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定し、ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対するターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものであり、非整数遅延に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新し、更新後のピーク電力の位置インデックス値に基づいて、ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対するピーク電力の位置のオフセット量を決定し、オフセット量に基づいて、ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定する。
【0156】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することと、
非整数遅延の絶対値、及びピーク電力とサブピーク電力との初期位置関係に基づいて、非整数遅延を決定することと、を含む。
【0157】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0158】
オプションとして、非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0159】
【数27】
【0160】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、第1のピーク電力比を示し、Nは、ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示す。
【0161】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0162】
オプションとして、第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、プリセット対応関係テーブルにおける、第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することと、を含む。
【0163】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0164】
オプションとして、非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0165】
【数28】
【0166】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、第1のピーク電力比を示す。
【0167】
オプションとして、非整数遅延の絶対値、及びピーク電力とサブピーク電力との初期位置関係に基づいて、非整数遅延を決定することは、
サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、非整数遅延が正数であると決定すること、を含む。
【0168】
オプションとして、非整数遅延に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
ピーク電力の初期位置インデックス値と非整数遅延との和に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含む。
【0169】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定する前に、当該方法は、
ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、サブピーク電力を決定することと、をさらに含む。
【0170】
なお、本開示の実施形態に係る上記ネットワーク機器は、上述した方法の実施形態が実現するすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、ここでは、本実施形態における上記の方法の実施形態と同じ部分及び有益效果の詳細は省略する。
【0171】
図4は、本開示の実施形態に係るTAの推定装置の構造の概略図であり、当該装置はネットワーク機器に適用され、図4に示すように、当該装置は、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定するために用いられる第1の決定ユニット400であって、ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対するターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものである第1の決定ユニット400と、
非整数遅延に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新するために用いられる更新ユニット410と、
更新後のピーク電力の位置インデックス値に基づいて、ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対するピーク電力の位置のオフセット量を決定するために用いられる第2の決定ユニット420と、
オフセット量に基づいて、ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定するために用いられる第3の決定ユニット430と、を含む。
【0172】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することと、
非整数遅延の絶対値、及びピーク電力とサブピーク電力との初期位置関係に基づいて、非整数遅延を決定することと、を含む。
【0173】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0174】
オプションとして、非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0175】
【数29】
【0176】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、第1のピーク電力比を示し、Nは、ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示す。
【0177】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0178】
オプションとして、第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、プリセット対応関係テーブルにおける、第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することと、を含む。
【0179】
オプションとして、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することは、
第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、非整数遅延の絶対値を決定することを含む。
【0180】
オプションとして、非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【0181】
【数30】
【0182】
ここで、|n|は、非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、第1のピーク電力比を示す。
【0183】
オプションとして、非整数遅延の絶対値、及びピーク電力とサブピーク電力との初期位置関係に基づいて、非整数遅延を決定することは、
サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
サブピーク電力の初期位置インデックス値がピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、非整数遅延が正数であると決定すること、を含む。
【0184】
オプションとして、非整数遅延に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
ピーク電力の初期位置インデックス値と非整数遅延との和に基づいて、ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含む。
【0185】
オプションとして、第1の決定ユニット400は、
ピーク電力の初期位置の左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力を決定することと、
左、右に最も近接する2つのサンプルポイント位置の電力のうちの最大値に基づいて、サブピーク電力を決定することと、をさらに実行するために用いられる。
【0186】
なお、本開示の実施形態においてユニットに対する分割は、模式的なものであり、論理的な機能分割に過ぎず、実際の実現では他の分割方式があり得る。また、本開示の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合され得るか、又は各ユニットが単独で物理的に存在するか、又は2つ以上のユニットが1つのユニットに統合され得る。上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形で実現することができ、ソフトウェア機能のユニットの形で実現することもできる。
【0187】
上記の統合されたユニットは、ソフトウェア機能のユニットの形で実現し、独立した製品として販売又は使用される場合、プロセッサ可読記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本開示の技術案は、その本質、又は先行技術に寄与する部分、又は当該技術手段の全て又は一部が、ソフトウェア製品の形で具体化されてもよい。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶されており、本開示の各実施形態に記載の方法のすべて又は一部のステップをコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)又はプロセッサ(processor)に実行させるいくつかの指令を含む。前記記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなどの、プログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
【0188】
なお、本開示の実施形態に係る上記装置は、上述した方法の実施形態が実現するすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、ここでは、本実施形態における上記の方法の実施形態と同じ部分及び有益效果の詳細は省略する。
【0189】
他方、本開示の実施形態は、上記の各実施形態に係るTAの推定方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0190】
なお、本開示の実施形態に係るコンピュータ可読記憶媒体は、上述した方法の実施形態が実現するすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、ここでは、本実施形態における上記の方法の実施形態と同じ部分及び有益效果の詳細は省略する。
【0191】
前記プロセッサ可読記憶媒体は、プロセッサがアクセスできる任意の利用可能な媒体又はデータ記憶デバイスであってもよく、磁気メモリ(例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク(MO)等)、光学メモリ(例えば、CD、DVD、BD、HVD等)、半導体メモリ(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、不揮発性メモリ(NAND FLASH)、ソリッドステートドライブ(SSD))等を含むが、それらに限定されない。
【0192】
本開示の実施形態に係る技術案は、様々なシステム、特に5Gシステムに適用可能である。例えば、適用可能なシステムは、グローバル移動通信(GSM:global system of mobile communication)システム、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)システム、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)システム、ロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)システム、LTE周波数分割複信(FDD:frequency division duplex)システム、LTE時分割複信(TDD:time division duplex)システム、ロングタームエボリューションアドバンスト(LTE-A:long term evolution advanced)システム、ユニバーサル移動システム(UMTS:universal mobile telecommunication system)、ワイマックス(WiMAX:worldwide interoperability for microwave access)システム、5Gニューラジオ(NR:New Radio)システムなどがある。これらの各種のシステムには何れも、端末機器とネットワーク機器が含まれる。システムには、例えば進化パケットシステム(EPS:Evloved Packet System)、5Gシステム(5GS)などのコアネットワーク部分も含まれ得る。
【0193】
本開示の実施形態に係る端末は、ユーザに音声及び/又はデータ接続性を提供するデバイス、無線接続機能を有するハンドヘルドデバイス、又は無線モデムに接続された他の処理装置などであってもよい。異なるシステムでは、端末の名前が異なる場合もあり、例えば、5Gシステムでは、端末はユーザ装置(UE:User Equipment)と呼ぶことができる。無線端末機器は、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)を介して1つ又は複数のコアネットワーク(CN:Core Network)と通信することができ、無線端末機器は、例えば携帯電話(又は「セルラ」電話と呼ぶ)や移動端末機器を有するコンピュータのような移動端末機器であってもよく、例えば、携帯式、ポケット式、ハンドヘルド式、コンピュータ内蔵、又は車載の移動装置であり、これらは、無線アクセスネットワークと言語及び/又はデータを交換する。例えば、パーソナル通信サービス(PCS:Personal Communication Service)電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiated Protocol)電話、無線ローカルループ(WLL:Wireless Local Loop)局、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)などのデバイスが挙げられる。無線端末機器は、システム、利用者ユニット(subscriber unit)、加入者ステーション(subscriber station)、移動局(mobile station)、モバイル(mobile)、リモート局(remote station)、アクセスポイント(access point)、リモート端末機器(remote terminal)、アクセス端末機器(access terminal)、ユーザ端末機器(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、ユーザデバイス(user device)と呼ぶこともでき、本開示の実施形態では限定されない。
【0194】
本開示の実施形態に係るネットワーク機器は、端末にサービスを提供する複数のセルを含むことができる基地局であってもよい。具体的な応用場面に応じて、基地局は、アクセスポイントとも呼ばれてもよく、アクセスネットワークにおいてエアインターフェース上で1つ又は複数のセクタを介して無線端末機器と通信するデバイスであってもよく、又はその他の名前であってもよい。ネットワーク機器は、無線端末機器とアクセスネットワークの残りの部分との間のルータとして、受信したエアフレームとインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)パケットを互いに交換するために使用することができ、ここで、アクセスネットワークの残りの部分はインターネットプロトコル(IP)通信ネットワークを含んでもよい。ネットワーク機器はまた、エアインターフェースの属性管理を調整することができる。例えば、本開示の実施形態に係るネットワーク機器は、グローバル移動通信システム(GSM:Global System for Mobile communications)又は符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)におけるネットワーク機器(BTS:Base Transceiver Station)であってもよく、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wide-band Code Division Multiple Access)におけるネットワーク機器(NodeB)であってもよく、ロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)システムにおける進化型ネットワーク機器(eNB又はe-NodeB:evolutional Node B)、5Gネットワークアーキテクチャ(next generation system)における5G基地局(gNB)であってもよく、ホーム進化基地局(HeNB:Home evolved Node B)、中継ノード(relay node)、ホーム基地局(femto)、ピコ基地局(pico)などであってもよく、本開示の実施形態では限定されない。一部のネットワーク構造において、ネットワーク機器は、集中ユニット(CU:centralized unit)ノードと分布ユニット(DU:distributed unit)ノードとを含んでもよく、集中ユニットと分布ユニットは地理的に分離して配置されてもよい。
【0195】
ネットワーク機器と端末との間は、1つ又は複数のアンテナをそれぞれ用いてマルチ入力マルチ出力(MIMO:Multi Input Multi Output)伝送を行うことができ、MIMO伝送は、シングルユーザMIMO(SU-MIMO:Single User MIMO)又はマルチユーザMIMO(MU-MIMO:Multiple User MIMO)であってもよい。アンテナの組み合わせの形態及び数量によって、MIMO伝送は、2D-MIMO、3D-MIMO、FD-MIMO又はmassive-MIMOであってもよく、ダイバーシティ伝送またはプリコーディング伝送またはビームフォーカシング伝送等であってもよい。
【0196】
当業者には理解されるように、本開示の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得る。従って、本開示は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施形態を採用することができる。そして、本開示は、コンピュータで利用可能なプログラムコードが含まれている1つ又は複数のコンピュータで利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、光学メモリ等を含むが、それらに限定されない)において実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0197】
本開示は、本開示の実施形態による方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明するものである。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図のフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータ実行可能な命令により実現できることは理解されるべきである。これらのコンピュータ実行可能な命令は、1つのマシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込型プロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサに提供されて、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサにより実行される命令により、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するための装置が生成される。
【0198】
これらのプロセッサ実行可能命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスを特定の方式で作動させることができるプロセッサ可読メモリに記憶されて、当該プロセッサ可読メモリに記憶された命令によって命令手段を含む製品を生成させることもできる。当該命令手段は、フローチャートにおける1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現する。
【0199】
これらのプロセッサ実行可能命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスにロードされて、コンピュータで実現される処理を生成するために、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイスで一連の操作ステップを実行させることもできる。それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイスで実行される命令は、フローチャートにおける1つ又は複数のフロー、及び/又はブロック図における1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0200】
無論、当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示に対して様々な変更及び修正を行うことができる。このように、本開示のこれらの変更及び修正が、本開示の特許請求の範囲及びその均等な技術的範囲内に含まれる場合、本開示は、これらの変更及び修正を含むことも意図する。
【符号の説明】
【0201】
100 ステップ
101 ステップ
102 ステップ
103 ステップ
300 プロセッサ
310 送受信機
320 メモリ
400 第1の決定ユニット
410 更新ユニット
420 第2の決定ユニット
430 第3の決定ユニット
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものであることと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定することと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定することと、を含むことを特徴とするタイミングアドバンスTAの推定方法。
【請求項2】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、
前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載のTAの推定方法。
【請求項3】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及び前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項4】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数1】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示し、Nは、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示すことを特徴とする
請求項3に記載のTAの推定方法。
【請求項5】
前記した、前記ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項6】
前記した、前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、前記第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、前記プリセット対応関係テーブルにおける、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、前記プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
前記の、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項5に記載のTAの推定方法。
【請求項7】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項8】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数2】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示すことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項9】
前記した、前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することは、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、前記非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、前記非整数遅延が正数であると決定すること、を含むことを特徴とする
請求項2に記載のTAの推定方法。
【請求項10】
前記した、前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
前記ピーク電力の初期位置インデックス値と前記非整数遅延との和に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含むことを特徴とする
請求項1から9のいずれか1項に記載のTAの推定方法。
【請求項11】
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定するために用いられる第1の決定ユニットであって、前記ターゲット正規化総遅延は、相関シーケンスサンプルポイント間の間隔に対する前記ターゲット検出ウィンドウに検出された信号の伝送遅延の倍数を特徴付けるためのものである第1の決定ユニットと、
前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新するために用いられる更新ユニットと、
更新後の前記ピーク電力の位置インデックス値に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウの開始位置に対する前記ピーク電力の位置のオフセット量を決定するために用いられる第2の決定ユニットと、
前記オフセット量に基づいて、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するTAの推定値を決定するために用いられる第3の決定ユニットと、を含むことを特徴とするタイミングアドバンスTAの推定装置。
【請求項12】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力及びサブピーク電力に基づいて、ターゲット正規化総遅延における非整数遅延を決定することは、
ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、
前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項11に記載のTAの推定装置。
【請求項13】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及び前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さに基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項12に記載のTAの推定装置。
【請求項14】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数3】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示し、Nは、前記ターゲット検出ウィンドウに対応するZCルートシーケンスの長さを示すことを特徴とする
請求項13に記載のTAの推定装置。
【請求項15】
前記した、ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項12に記載のTAの推定装置。
【請求項16】
前記した、前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
ピーク電力比の大きい順に従って、前記第1のピーク電力比をプリセット対応関係テーブルにおけるピーク電力比と順次比較して、前記プリセット対応関係テーブルにおける、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値を決定することであって、前記プリセット対応関係テーブルは、ピーク電力比と非整数遅延の絶対値とのプリセット対応関係を含むことと、
前記の、前記第1のピーク電力比より小さい1つ目のピーク電力比に対応するインデックス値に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項15に記載のTAの推定装置。
【請求項17】
前記した、前記ターゲット検出ウィンドウ内のピーク電力とサブピーク電力との第1のピーク電力比に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することは、
前記第1のピーク電力比、及びピーク電力比と非整数遅延の絶対値との関連関係を特徴付けるための区分関数に基づいて、前記非整数遅延の絶対値を決定することを含むことを特徴とする
請求項12に記載のTAの推定装置。
【請求項18】
前記非整数遅延の絶対値は、下記の数式により決定され、
【数4】
ここで、|n|は、前記非整数遅延nの絶対値を示し、peakratioは、前記第1のピーク電力比を示すことを特徴とする
請求項12に記載のTAの推定装置。
【請求項19】
前記した、前記非整数遅延の絶対値、及び前記ピーク電力と前記サブピーク電力との初期位置関係に基づいて、前記非整数遅延を決定することは、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より小さい場合、前記非整数遅延が負数であると決定すること、又は、
前記サブピーク電力の初期位置インデックス値が前記ピーク電力の初期位置インデックス値より大きい場合、前記非整数遅延が正数であると決定すること、を含むことを特徴とする
請求項12に記載のTAの推定装置。
【請求項20】
前記した、前記非整数遅延に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することは、
前記ピーク電力の初期位置インデックス値と前記非整数遅延との和に基づいて、前記ピーク電力の位置インデックス値を更新することを含むことを特徴とする
請求項11から19のいずれか1項に記載のTAの推定装置。
【国際調査報告】