(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】二次フランジを備えた飛行時間型質量分析計アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01J 49/40 20060101AFI20240423BHJP
H01J 49/24 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H01J49/40
H01J49/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570328
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 US2022028494
(87)【国際公開番号】W WO2022240813
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520435429
【氏名又は名称】インフィコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ウェダー マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォレロ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ソウソウ ニゲル
(57)【要約】
飛行時間型質量分析計アセンブリは、真空チャンバ対向面及び環境対向面を有するフランジを備える。フランジは、真空チャンバ対向面と環境対向面との間に延びる開口部を画定する。複数の積層されたコンポーネントは、フランジの真空チャンバ対向面によって支持される。二次フランジはフランジの開口部内に取り外し可能に固定される。二次フランジは真空チャンバ対向面及び環境対向面を備える。フランジからの二次フランジの取り外しが、フランジの真空チャンバ対向面によって支持された複数の積層されたコンポーネントから支持コンポーネントを取り外すように機能するように支持分析計コンポーネントが二次フランジの真空チャンバ対向面によって支持される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバ内に設置するための飛行時間型質量分析計アセンブリであって、前記飛行時間型質量分析計アセンブリが、
前記真空チャンバの開口部に固定されるように構成されたフランジであって、前記フランジが、真空チャンバ対向面及び環境対向面を含む本体を備え、前記本体が、前記真空チャンバ対向面と前記環境対向面との間に延びるカットアウト部分をさらに画定する、フランジと、
前記フランジの前記真空チャンバ対向面によって支持され、前記真空チャンバ内に配置されるように構成された複数の積層された分析計コンポーネントと、
前記カットアウト部分を閉鎖するために前記カットアウト部分内に取り外し可能に固定されるように構成された二次フランジであって、前記二次フランジが、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備える、二次フランジと、
前記二次フランジの前記真空チャンバ対向面に結合するように構成された支持コンポーネントと
を備え、
前記フランジからの前記二次フランジの取り外しが、前記フランジを前記真空チャンバの開口部に固定したままで、前記真空チャンバから前記支持コンポーネントを取り外すように機能する、飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項2】
前記支持コンポーネントが検出器である、請求項1に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項3】
前記支持コンポーネントがイオン源である、請求項1に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項4】
前記フランジの前記真空チャンバ対向面が第一の平面に沿って延び、前記二次フランジの前記真空チャンバ対向面が第二の平面に沿って延び、前記二次フランジが前記フランジの本体に結合されている場合、前記第一の平面が前記第二の平面とは異なる、請求項1に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項5】
前記二次フランジが、前記二次フランジの周囲に配置された複数のファスナを使用して前記フランジに固定される、請求項1に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項6】
前記複数の積層された分析計コンポーネントの少なくとも1つがイオン源を備える、請求項1に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項7】
前記フランジと前記二次フランジとの間に配置された気密シールをさらに備える、請求項1に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項8】
前記シールが金属から構成される、請求項7に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項9】
前記二次フランジが、前記支持コンポーネントをコントローラに接続するための1つ又は複数の貫通接続部を画定する、請求項1に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項10】
真空チャンバ対向面及び環境対向面を備えるフランジであって、前記フランジが、前記真空チャンバ対向面と前記環境対向面との間に延びる開口部を画定する、フランジと、
前記フランジの前記真空チャンバ対向面によって支持された複数の積層されたコンポーネントと、
前記フランジに取り外し可能に固定され、前記開口部を遮断するように構成された二次フランジであって、前記二次フランジが、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備える、二次フランジと、
前記二次フランジの前記真空チャンバ対向面によって支持されるように構成された支持コンポーネントと
を備える、飛行時間型質量分析計アセンブリであって、
前記フランジからの前記二次フランジの取り外しが、前記フランジの前記真空チャンバ対向面によって支持された前記複数の積層されたコンポーネントから前記支持コンポーネントを取り外すように機能する、飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項11】
前記支持コンポーネントが検出器である、請求項10に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項12】
前記支持コンポーネントがイオン源である、請求項10に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項13】
前記フランジの前記真空チャンバ対向面が第一の平面に沿って延び、前記二次フランジの前記真空チャンバ対向面が第二の平面に沿って延び、前記二次フランジが前記フランジの開口部内に取り外し可能に固定されている場合、前記第一の平面が前記第二の平面とは異なる、請求項10に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項14】
前記二次フランジが、前記二次フランジの周囲に配置された複数のファスナを使用して前記フランジに固定される、請求項10に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項15】
前記複数の積層されたコンポーネントの少なくとも1つがイオン源を備える、請求項10に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項16】
前記フランジと前記二次フランジとの間に配置されたシールをさらに備える、請求項10に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項17】
前記シールが金属から構成される、請求項16に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項18】
前記二次フランジが、前記支持コンポーネントを外部コンポーネントに接続するように構成された1つ又は複数の貫通接続部を画定する、請求項10に記載の飛行時間型質量分析計アセンブリ。
【請求項19】
飛行時間型質量分析計アセンブリを製造する方法であって、前記方法が、
フランジを構造化するステップであって、
真空チャンバ対向面及び環境対向面を備え、
前記真空チャンバ対向面と前記環境対向面との間に延びる開口部を画定し、
前記フランジの前記真空チャンバ対向面上に複数の積層されたコンポーネントを支持する、
ように、前記フランジを構造化するステップと、
二次フランジを構造化するステップであって、
真空チャンバ対向面及び環境対向面を備え、
前記開口部を遮断するために前記フランジに取り外し可能に固定される、
ように、前記二次フランジを構造化するステップと、
支持コンポーネントを構造化するステップであって、
前記複数の積層されたコンポーネントに正確に近接する前記二次フランジの前記真空チャンバ対向面によって支持され、
前記二次フランジを前記フランジから取り外すことによって前記フランジの前記真空チャンバ対向面によって支持された前記複数の積層されたコンポーネントから取り外される、
ように、前記支持コンポーネントを構造化するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月11日に出願され、「TIME-OF-FLIGHT MASS SPECTROMETER DETECTOR」という名称の米国仮特許出願第63/187,054号の利益及び優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
前述の開示は、改良された飛行時間型(TOF)質量分析計に関し、より具体的には、二次フランジを使用して容易に取り外し、及び交換できる少なくとも1つの分析計コンポーネント(spectrometer component)を有する、より小型のTOF質量分析計に関する。
【背景技術】
【0003】
飛行時間型質量分析は、質量対電荷比を決定するためにイオンの飛行時間を使用する質量分析法である。飛行時間型質量分析は、特に検出器及びイオン源であるコンポーネントを備えるTOF質量分析計を使用する。TOF質量分析計のコンポーネントは、検出器がTOF質量分析計の他のコンポーネントに囲まれた検出器を備えた骨格構造に沿って配置されている。骨格は、TOF質量分析計コンポーネントの安全な取り付け点を提供するが、これはTOF質量分析計を非常に長くする。さらに、取り外し及び交換を必要とし得る検出器などのコンポーネントは、TOF質量分析計の大部分を分解せずにアクセスすることが困難である。このような分解は時間がかかり、大幅なダウンタイムを引き起こし、さらに分解及び再組み立ての間に他のコンポーネントを損傷する可能性の増加を引き起こす。
【0004】
これらは、現在使用されているTOF質量分析計の欠点の一部である。
【発明の概要】
【0005】
開示されたTOF質量分析計アセンブリは、真空チャンバに結合されているメインフランジ上に組み立てられた複数のコンポーネントを備える。メインフランジは、TOF質量分析計のコンポーネントの少なくとも1つを支持する二次フランジを受け入れる開口部をさらに画定する。このようにして、メインフランジを真空チャンバから外してTOF質量分析計アセンブリ全体を取り外すことを必要とせずに、少なくとも1つの支持コンポーネントのみを真空チャンバから取り外すことができる。これにより、少なくとも1つの支持コンポーネントの取り外し及び交換が容易かつ迅速になり、その結果、TOF質量分析計アセンブリのダウンタイムが短くなる。また、これにより、TOF質量分析計の残りを真空チャンバ内で汚染物質(例えば塵)及び偶発的損傷から保護したままにすることもできる。さらに、二次フランジにより、真空チャンバ内に残るTOF質量分析計アセンブリの他のコンポーネントに対して、支持コンポーネントを正確に配置することを可能にする。
【0006】
真空チャンバ内に設置するための飛行時間型質量分析計アセンブリの一実施形態は、真空チャンバの開口部に固定されるように構成されたフランジを備える。フランジは、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備える。フランジはまた、真空チャンバ対向面と環境対向面との間に延びるカットアウト部分を画定する。複数のコンポーネントは、フランジの真空チャンバ対向面上に組み立てられ、支持され、真空チャンバ内に配置されるように構成される。二次フランジは、フランジのカットアウト部分を閉鎖するためにフランジに取り外し可能に固定されるように構成される。二次フランジは、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備える。支持コンポーネントは、二次フランジの真空チャンバ対向面に結合される。したがって、フランジからの二次フランジの取り外しは、フランジを真空チャンバの開口部に固定したままで、真空チャンバから支持コンポーネントを取り外すように機能する。
【0007】
一実施形態では、支持コンポーネントは検出器である。一実施形態では、フランジの真空チャンバ対向面は、二次フランジが、フランジのカットアウト部分を閉鎖するようにフランジに取り外し可能に固定されている場合、二次フランジの真空チャンバ対向面の上の平面に沿って延びる。一実施形態では、二次フランジは、二次フランジの周囲に配置された複数のファスナを使用してフランジに固定される。一実施形態では、複数のコンポーネントの少なくとも1つはイオン源を備える。一実施形態では、シールがフランジと二次フランジとの間に配置される。さらなる実施形態では、シールは金属から構成される。別の実施形態では、二次フランジは、支持コンポーネントをコントローラに接続するための1つ又は複数の貫通接続部を画定する。
【0008】
飛行時間型質量分析計のさらなる実施形態は、真空チャンバ対向面及び環境対向面を有するフランジを備える。フランジは、真空チャンバ対向面と環境対向面との間に延びる開口部を画定する。複数の積層されたコンポーネントは、フランジの真空チャンバ対向面によって支持される。二次フランジは、フランジの開口部内に取り外し可能に固定され、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備える。フランジからの二次フランジの取り外しが、フランジの真空チャンバ対向面によって支持される複数の積層されたコンポーネントから支持コンポーネントを取り外すように機能するように、支持コンポーネントは二次フランジの真空チャンバ対向面によって支持されるように構成される。
【0009】
飛行時間型質量分析計を製造する方法の一実施形態が提供される。この方法は、フランジを構造化するステップを含み、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備え、真空チャンバ対向面と環境対向面との間に延びる開口部を画定し、フランジの真空チャンバ対向面上に複数の積層されたコンポーネントを支持するようにする。この方法は、さらに二次フランジを構造化するステップを含み、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備え、フランジの開口部を閉鎖するようにフランジに取り外し可能に固定されるようにする。支持コンポーネントは、フランジからの二次フランジの取り外しが、フランジの真空チャンバ対向面によって支持された複数の積層されたコンポーネントから支持コンポーネントを取り外すように機能するように、支持コンポーネントは二次フランジの真空チャンバ対向面によって支持されるように構造化される。
【0010】
飛行時間型質量分析計アセンブリのためのフランジの実施形態は、真空チャンバに結合するように構成された本体を備える。本体は、真空チャンバ対向面及び環境対向面を備える。本体に画定された開口部は、真空チャンバ対向面と環境対向面との間に延び、内側リップを画定する。複数の開口部が本体の周囲に配置されており、それらの各々は、本体を真空チャンバに結合するためのファスナを受け入れるような寸法にされている。二次フランジは、フランジの本体の開口部に少なくとも部分的に嵌合するような寸法にされ、シールが二次フランジとフランジの本体との間に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上記で簡潔に要約した本発明のより特定の説明は、一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することによって得ることができる。しかしながら、添付の図面は本発明の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本発明は他の同様に効果的な実施形態を許容することができるため、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。したがって、本発明の性質及び目的をさらに理解するために、以下の詳細な説明を図面と併せて読んで参照することができる。
【0012】
【
図1】フランジ上に積層された飛行時間型質量分析計アセンブリのコンポーネントの一実施形態の斜視側面図を示す。
【
図3】線A-Aに沿った
図2の実施形態の断面図を概略的に示す。
【0013】
添付の図面は例示を目的としており、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、二次フランジを備えた飛行時間型質量分析計アセンブリの様々な実施形態に関する。本明細書に記載されるバージョンは、本明細書に詳述される特定の発明概念を具体化する例であることが理解されるであろう。この目的のために、他の変形及び修正が当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、添付の図面に関して適切な参照枠を提供するために、本説明全体を通じて特定の用語が使用されている。「上流」、「下流」、「上部」、「下部」、「前方」、「後方」、「内部」、「外部」、「前」、「後」、「上」、「下」、「内側」、「外側」、「第一」、「第二」などの用語は、このように具体的に示されている場合を除いて、これらの概念を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される「約」又は「およそ」という用語は、特許請求された値又は開示された値の80%~125%の範囲を指すことがある。図面に関して、その目的は、二次フランジを備えた飛行時間型質量分析計アセンブリの顕著な特徴を描くことであり、特に縮尺通りに提供されているわけではない。
【0015】
図1を参照すると、フランジ本体111を有するフランジ110上に組み立てられたTOF質量分析計アセンブリ100の一実施形態が示されている。具体的には、複数の分析計コンポーネント120、140、150が、フランジ110の本体111の真空チャンバ対向面112上に組み立てられる。TOF質量分析計アセンブリ100の複数の分析計コンポーネント120、140、150は、フランジ110の真空チャンバ対向面112に積層され、これにより、TOF質量分析計アセンブリ100全体がより小型になり、単一のユニットで真空チャンバ50(
図3を参照のこと)に完全に挿入され、それから取り外しできるようになる。
図1に示されるように、複数の分析計コンポーネント120、140、150のうちの1つ又は複数は互いに結合され得、次にフランジ110の本体111に結合される1つ又は複数の支持体180に結合され得る。示した例では、コンポーネント150及び120はコンポーネント140に結合され、次にコンポーネント140は支持体180によってフランジ110に取り付けられる。このようにして、構造的に安定で小型のTOF質量分析計アセンブリ100を構築することができる。分析計コンポーネント120、130、140、150は当該技術分野で一般に知られており、個別に詳細に説明することはせず、また、開示されたTOF質量分析計アセンブリ100の全体的な動作も詳細に説明していない。一実施形態では、複数の分析計コンポーネントは、イオン源120、転送光学系、グリッド、加速電極、及びドリフト管(各々140の一部として含まれる)、ならびにイオンミラー150を備え得る。
【0016】
1つ又は複数の接続部160は、複数の分析計コンポーネント120、140、150をフランジ110の本体111における貫通接続部170に接続するように構成される。接続部160のうちの1つ又は複数が外部コンポーネント400(
図3を参照のこと)に結合できるように、貫通接続部170は、真空チャンバ対向面112からフランジ110の環境に面する表面114の間に延びる。外部コンポーネント400は、電源、コントローラ、又は貫通接続部170を介してTOF質量分析計アセンブリ100の対応するコンポーネント120、140、150を制御する任意の他のソースもしくは手段を備え得る(
図2及び
図3を参照のこと)。
【0017】
図2は、フランジ110の本体111の真空チャンバ対向面112を示す。フランジ110は、フランジ110の本体111の周囲に配置された複数のファスナ119を使用して真空チャンバ50に結合される。複数の貫通接続部170は、複数のファスナ119から内側又は半径方向内側に配置されて示される。
図2に見ることができるように、貫通接続部170は、接続のタイプに応じて様々なサイズであってもよい。コントローラ及び/又はデータ収集装置(図示せず)に結合することができる別のタイプの貫通接続部172が示される。
【0018】
図3を参照すると、フランジ110の本体111は、真空チャンバ対向面112と環境対向面114との間に延びるカットアウト部分117又は開口部を画定する。カットアウト部分117は、複数のファスナ119から半径方向内側に配置され、二次フランジ200を受け入れるように構成される。
図2に示されるように二次フランジ200は多角形の形状であるが、二次フランジ200の他の実施形態ではそうでない場合もある。
図3に戻って参照すると、二次フランジ200は、真空チャンバ対向面212及び環境対向面214を有する。リップ216が、二次フランジ200の周囲に画定され、二次フランジ200のリップ216を通して配置される複数の二次フランジファスナ219によってフランジ110に結合される。
【0019】
図3を参照すると、二次フランジ200の真空チャンバ対向面212は、TOF質量分析計アセンブリ100のコンポーネント130を支持するように構成される。一実施形態では、支持コンポーネント130はイオン検出器であるが、他の実施形態では、支持コンポーネントは、TOF質量分析計アセンブリ100の別のコンポーネントであってもよい。支持コンポーネント130は、1つ又は複数のカプラ220を用いて二次フランジ200に直接結合され得る。二次フランジ200の設置により、TOF質量分析計アセンブリ100が適切に機能するように、支持コンポーネント130が複数の分析計コンポーネントの残りに正確に近接して配置されように、フランジ110、二次フランジ200、及び支持コンポーネント130が構成される。シール300が、フランジ110の内面118と二次フランジ200のリップ面218との間(及び複数の二次フランジファスナ219の周囲)に配置される。シール300は、真空チャンバ50に存在する過酷な条件及び化学物質に耐性を持ちながら、フランジ110の内面118と二次フランジ200のリップ面218との間に気密シールを形成する任意の適切な材料であり得る。一実施形態では、シール300は、金属、より特には銅から構成される。
【0020】
二次フランジ200により、支持コンポーネント130を真空チャンバ50から取り外すことができるので、フランジ110を真空チャンバ50から取り外す必要なく、支持コンポーネント130を固定又は交換することができる。支持コンポーネント130が固定又は交換されると、新しいシール300が、リップ面218(又はフランジ110の内面118)に適用され、二次フランジ200はカットアウト部分117に再設置され、複数の二次フランジファスナ219によってフランジ110に固定される。このようにして、フランジ110を真空チャンバ50から外してTOF質量分析計アセンブリ100全体を取り外すことを必要とせずに、支持コンポーネント130のみが真空チャンバ50から取り外される。これにより、支持コンポーネント130の取り外し及び交換が容易かつ迅速に可能になり、その結果、TOF質量分析計アセンブリ100のダウンタイムが短くなる。また、これにより、TOF質量分析計アセンブリ100の残りをチャンバ内で汚染(例えば、塵)及び偶発的損傷から保護したままにすることもできる。
【0021】
図3に示されるように、二次フランジ200の真空チャンバ対向面212は平面Pに沿って延び、フランジ110の真空チャンバ対向面112は平面Qに沿って延びる。示されるように、平面Pは平面Qに沿って延びていない。しかしながら、他の実施形態では、二次フランジ200の真空チャンバ対向面212及びフランジ110の真空チャンバ対向面112は同一平面に沿って延びる。このようにして、様々なサイズの支持コンポーネント130を適合させることができる。一実施形態では、二次フランジ200は、支持コンポーネント130の接続部222(必要な場合)及び対応する貫通部221を備えるように製造され得る。前記実施形態では、支持コンポーネント130の交換は、支持コンポーネントに取り付けられた二次フランジ200を単に取り外すことだけを必要とし、次いで異なる支持コンポーネントに結合された異なる二次フランジ200と交換される。各実施形態では、新しいシール300は、二次フランジ200をフランジ110に取り付ける前に取り付けられる。いくつかの実施形態では、支持コンポーネント130をTOF質量分析計100アセンブリから取り外し、TOF質量分析計100アセンブリに戻して交換することができる容易性及び迅速性をさらに向上させるために、シール300を二次フランジ200のリップ面218に予め取り付けることも可能である。
【0022】
他の実施形態では、TOF質量分析計アセンブリ100の他の特定のコンポーネントの取り外し、及び/又はTOF質量分析計アセンブリ100の特定の領域へのアクセスを可能にする追加のフランジを含めることができる。
【0023】
本発明は、本明細書に記載された態様の組み合わせを含む。「実施形態」などへの言及は、本発明の少なくとも1つの態様に存在する特徴を指す。「一実施形態」又は「特定の態様」などへの個別の言及は、必ずしも同じ態様(複数も含む)を指すわけではない。しかしながら、そのような態様は、特に指示されない限り、又は当業者に容易に明らかでない限り、相互に排他的ではない。「又は」という言葉は、特に明示的に記載されていない限り、本開示では非排他的な意味で使用される。
【0024】
本発明は、その特定の好ましい態様を特に参照して詳細に記載されているが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲内で変形、組み合わせ、及び修正を行うことができることが理解されるであろう。
【国際調査報告】