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特表2024-518591ロック装置、ロック解除装置、およびロック・ロック解除コンポーネント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ロック装置、ロック解除装置、およびロック・ロック解除コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20240423BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H01R13/629
H05K5/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571127
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 CN2022087478
(87)【国際公開番号】W WO2022242394
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110547270.4
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518098117
【氏名又は名称】菲尼克斯▲亜▼太▲電▼气(南京)有限公司
【住所又は居所原語表記】No.36 Phoenix Road, Jiangning Economic and Technology Development Zone, Nanjing, Jiangsu Province, 211100 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】スン、デガン
【テーマコード(参考)】
4E360
5E021
【Fターム(参考)】
4E360AB12
4E360AB17
4E360AB22
4E360BA04
4E360BB02
4E360BB12
4E360BC03
4E360CA02
4E360EA18
4E360EA21
4E360EC12
4E360EC13
4E360EC14
4E360EC16
4E360ED03
4E360ED12
4E360ED13
4E360ED29
4E360GA46
4E360GA53
4E360GB99
5E021FA09
5E021FB14
5E021FC31
5E021HA07
5E021HB11
5E021HC12
5E021HC35
(57)【要約】
【課題】本発明は、ロック装置、ロック解除装置、およびロック・ロック解除コンポーネントを提供する。
【解決手段】ロック解除装置は、第一のスライド傾斜面を有するロック素子と、第一のモジュールに固定され第一のスライド傾斜面と配合する第二のスライド傾斜面を有するロック配合素子とを含むロック装置をロック解除する。ロック素子とロック配合素子がインターロック可能に構成される。ロック解除装置はロック解除素子とロック解除配合素子を備える。当該ロック解除素子は第一のモジュール側に移動可能に取り付けられることに適し且つ第三の滑動斜面を有するレバーを含む。ロック解除配合素子はロック装置のロック素子に固定し接続され、第三のスライド傾斜面に配合する第四のスライド傾斜面を有する。本願の提供されたロック解除装置は、ロック装置のロック解除操作空間が限られる場合にロック解除を実現できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のスライド傾斜面を有するロック素子と、第一のモジュールに固定され前記第一のスライド傾斜面と配合する第二のスライド傾斜面を有するロック配合素子とを含み、前記ロック素子と前記ロック配合素子とがインターロック可能に構成されたロック装置をロック解除するロック解除装置であって、
前記第一のモジュール側に移動可能に取り付けられることに適し且つ第三のスライド傾斜面を有するレバーを含むロック解除素子と、
前記ロック装置の前記ロック素子に固定し接続され、前記第三のスライド傾斜面に配合する第四のスライド傾斜面を有するロック解除配合素子と、を備え、
前記ロック素子と前記ロック配合素子とのロックが解放されるように、前記レバーが作動方向において作動されることに応答して、前記第三及び第四のスライド傾斜面を互いにスライドさせ、前記第一及び第二のスライド傾斜面を互いにスライドさせるように構成されていることを特徴とするロック解除装置。
【請求項2】
前記ロック素子は、前記第一のモジュールにヒンジ結合されたカバーをさらに備え、
前記レバーは、前記第三のスライド傾斜面とそれぞれ前記レバーの両端に位置する押圧部を有し、
前記カバーは、前記カバーが前記第一のモジュールの周りを反転することに応答して、前記カバーの一端が前記レバーの前記押圧部に圧力を加えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のロック解除装置。
【請求項3】
前記レバーは、前記レバーの末端に位置し押圧特徴部材と前記第三のスライド傾斜面とを含む押圧部を有することを特徴とする請求項1に記載のロック解除装置。
【請求項4】
前記第一のモジュールと前記レバーとの間に取り付けられるように適した第一のバネをさらに備え、
前記レバーが前記作動方向において作動されることに応答して、前記第一のバネは圧縮されまたは引っ張られることを特徴とする請求項2又は3に記載のロック解除装置。
【請求項5】
前記ロック解除配合素子と前記ロック素子とが一体成形されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のロック解除装置。
【請求項6】
前記第一のモジュールは電子モジュールであって、陽型接続端子を有し、
前記ロック素子は、前記電子モジュールの前記陽型接続端子とドッキングするための陰型接続端子を有するベースに移動可能に取り付けられるように適することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のロック解除装置。
【請求項7】
前記ロック素子と前記ベースとの間に取り付けられるように適した第二のバネをさらに備え、
前記レバーが前記作動方向において作動されることに応答して、前記第二のバネは圧縮されまたは引っ張られることを特徴とする請求項6に記載のロック解除装置。
【請求項8】
前記電子モジュールは、前記レバーに対して前記電子モジュールの他側に位置し、前記ベースの配合凹溝の中に突出し延伸されるように適している突起をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のロック解除装置。
【請求項9】
第一のスライド傾斜面を有するロック素子と、第一のモジュールに固定され前記第一のスライド傾斜面と配合する第二のスライド傾斜面を有するロック配合素子とを含み、前記ロック素子と前記ロック配合素子とがインターロック可能に構成されたロック装置と
請求項1から8のいずれか一項に記載のロック解除装置と、を備えることを特徴とするロック・ロック解除コンポーネント。
【請求項10】
前記ロック素子は前記第一のスライド傾斜面を含むロック部を有し、前記ロック配合素子は前記第二のスライド傾斜面を含むロック配合部を有し、
前記ロック装置がロック状態にある時に、前記ロック部と前記ロック配合部とは互いに噛み合うようにロックされることを特徴とする請求項9に記載のロック・ロック解除コンポーネント。
【請求項11】
前記ロック素子は複数のロック部を有し、前記ロック配合素子は複数のロック配合部を有し、
前記ロック装置が前記ロック状態にある時に、前記複数のロック部の各々と対応するロック配合部とは互いに噛み合うようにロックされることを特徴とする請求項10に記載のロック・ロック解除コンポーネント。
【請求項12】
前記複数のロック部の各々の寸法は同一に構成され、前記複数のロック配合部の各々の寸法は同一に構成されることを特徴とする請求項11に記載のロック・ロック解除コンポーネント。
【請求項13】
前記複数のロック部のうちの少なくとも一つの高さの寸法は他のロック部と異なるように構成され、前記複数のロック配合部のうちの前記少なくとも一つのロック部に対応するロック配合部の高さの寸法は他のロック配合部と異なるように構成されることを特徴とする請求項11に記載のロック・ロック解除コンポーネント。
【請求項14】
前記第一のモジュールは電子モジュールであり、
前記ロック・ロック解除コンポーネントは、
前記ロック素子が移動可能に取り付けられ、陰型接続端子を有するベースと、
前記ベースの前記陰型接続端子とドッキングするための陽型接続端子を有する電子モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項9から13のいずれか一項に記載のロック・ロック解除コンポーネント。
【請求項15】
複数のロック部を有し、前記複数のロック部の各々が第一のスライド傾斜面を含むロック素子と、
複数のロック配合部を有し、前記複数のロック配合部の各々が前記第一のスライド傾斜面に配合する第二のスライド傾斜面を含むロック配合素子と、を備え、
前記複数のロック部のうちの少なくとも一つの高さの寸法は他のロック部と異なるように構成され、前記複数のロック配合部のうち前記少なくとも一つのロック部に対応するロック配合部の高さの寸法は他のロック配合部と異なるように構成され、
前記複数のロック部の各々と、対応するロック配合部とは、前記ロック配合部が前記ロック部に挿入された時に互いにインターロック可能となり、かつ外力により前記ロック部の第一のスライド傾斜面と前記ロック配合部の第二のスライド傾斜面とを互いにスライドさせた時にロックが解放されることができるように構成されることを特徴とするロック装置。
【請求項16】
各ロック部はさらに第一の噛み合い開口と第一のヘッド部を有し、各ロック配合部は第二の噛み合い開口と第二のヘッド部をさらに有し、
前記ロック装置がロック状態にある時に、各ロック部の前記第一の噛み合い開口は対応するロック配合部の前記第二のヘッド部を収容し、前記第一のヘッド部は対応するロック配合部の前記第二の噛み合い開口に収容されることを特徴とする請求項15に記載のロック装置。
【請求項17】
前記複数のロック部は第一の方向において間隔をあけて配置され、前記外力は前記第一の方向に沿って、又は前記第一の方向に沿った成分を有し、前記複数のロック部と対応するロック配合部との間のロックが解放されるように、前記外力により前記第一及び第二のスライド傾斜面を互いにスライドさせることを特徴とする請求項16に記載のロック装置。
【請求項18】
前記ロック素子は、陰型接続端子を有するベースに移動可能に取り付けられるように適し、
前記ロック配合素子は、前記ベースの前記陰型接続端子とドッキングするための陽型接続端子を有する電子モジュールに固定されることを特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載のロック装置。
【請求項19】
前記複数のロック部の各々と対応するロック配合部とが互いにインターロックされる時に、前記電子モジュールの前記陽型接続端子と前記ベースの前記陰型接続端子とを差し込ませ、且つ、
前記複数のロック部の少なくとも一つと対応するロック配合部とが互いに離脱する時に、前記電子モジュールの前記陽型接続端子と前記ベースの前記陰型接続端子との差込が解除されることを特徴とする請求項18に記載のロック装置。
【請求項20】
請求項15から19のいずれか一項に記載のロック装置と、
前記複数のロック部の各々と対応するロック配合部との間のロックが解放されるように、前記ロック装置のロック素子を第一の方向において作動させるためのロック解除装置と、を備えるロック・ロック解除コンポーネント。
【請求項21】
前記ロック解除装置は、前記ロック素子に設けられ、前記外力により前記ロック素子が前記第一の方向において作動される作動部材を備えることを特徴とする請求項20に記載のロック解除コンポーネント。
【請求項22】
前記ロック解除装置は、請求項1から8のいずれか一項に記載のロック解除装置であることを特徴とする請求項20に記載のロック・ロック解除コンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロック解除装置に関し、特に電子機器間のロックを解除するための装置、及びそのロック解除装置を含むロック・ロック解除コンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
電気的接続の分野では、電子モジュールとベースとの間の電気的接続は通常、電気コネクタによって実現される。例えば、電子モジュールには陽型電気コネクタ(陽型接続端子とも呼ばれる)が設置され、ベースには陰型電気コネクタ(陰型接続端子とも呼ばれる)が設置され、陽型電気コネクタと陰型電気コネクタとの差込によって電子モジュールとベースとの電気的接続が実現される。電子モジュールとベースとの間の安定的な電気的接続を維持するために、一般的な方法として、電子モジュールとベースとの間にロック構造を設置することにより、電子モジュールをベースにしっかりロックさせて、電子モジュールがベースから脱落するのを防ぐ。電子モジュールをベースから取り外してメンテナンスする場合は、引抜き補助機構を利用して電子モジュールをベースから分離する必要がある。
【0003】
しかし、一般的にはベースに非常に多くの電子モジュールが差し込まれており、ベースの小型化が要求されているため、電子モジュールの周囲の空間が非常に限られ、電子モジュールとベースとの間のロック解除を実現するように引抜き補助機構は狭い空間内で発揮することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の提出する技術案は、従来技術における電子モジュールの周囲のロック解除操作空間が限られることによるロック解除が困難であるという問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、第一のスライド傾斜面を有するロック素子と、第一のモジュールに固定され前記第一のスライド傾斜面と配合する第二のスライド傾斜面を有するロック配合素子とを含み、前記ロック素子と前記ロック配合素子とがインターロック可能に構成されたロック装置をロック解除するロック解除装置であって、前記第一のモジュール側に移動可能に取り付けられることに適し且つ第三のスライド傾斜面を有するレバーを含むロック解除素子と、前記ロック装置の前記ロック素子に固定し接続され、前記第三のスライド傾斜面に配合する第四のスライド傾斜面を有するロック解除配合素子と、を備え、前記ロック素子と前記ロック配合素子との間のロックが解放されるように、前記レバーが作動方向において作動されることに応答して、前記第三及び第四のスライド傾斜面を互いにスライドさせ、前記第一及び第二のスライド傾斜面を互いにスライドさせるように構成されていることを特徴とするロック解除装置が提供されている。
【0006】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記ロック素子は、前記第一のモジュールにヒンジ結合されたカバーをさらに備え、前記レバーは、前記第三のスライド傾斜面とそれぞれ前記レバーの両端に位置する押圧部を有し、前記カバーは、前記カバーが前記第一のモジュールの周りを反転することに応答して、前記カバーの一端が前記レバーの前記押圧部に圧力を加えるように構成されている。
【0007】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記レバーは、前記レバーの末端に位置し押圧特徴部材と前記第三のスライド傾斜面とを含む押圧部を有する。
【0008】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記第一のモジュールと前記レバーとの間に取り付けられるように適した第一のバネをさらに備え、前記レバーが前記作動方向において作動されることに応答して、前記第一のバネは圧縮されまたは引っ張られる。
【0009】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記ロック解除配合素子と前記ロック素子とが一体成形されている。
【0010】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記第一のモジュールは電子モジュールであって、陽型接続端子を有し、前記ロック素子は、前記電子モジュールの前記陽型接続端子とドッキングするため陰型接続端子を有するベースに移動可能に取り付けられるように適する。
【0011】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記ロック素子と前記ベースとの間に取り付けられるように適した第二のバネをさらに備え、前記レバーが作動方向において作動されることに応答して、前記第二のバネは圧縮されまたは引っ張られる。
【0012】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記電子モジュールは、前記レバーに対して前記電子モジュールの他側に位置し、前記ベースの配合凹溝の中に突出し延伸されるように適している突起をさらに備える。
【0013】
本発明の別の態様では、第一のスライド傾斜面を有するロック素子と、第一のモジュールに固定され前記第一のスライド傾斜面と配合する第二のスライド傾斜面を有するロック配合素子とを含み、前記ロック素子と前記ロック配合素子とがインターロック可能に構成されたロック装置と、上述のいずれか一項に記載のロック解除装置と、を備えることを特徴とするロック・ロック解除コンポーネントが提供されている。
【0014】
本発明の別の態様の少なくとも一実施例では、前記ロック素子は前記第一のスライド傾斜面を含むロック部を有し、前記ロック配合素子は前記第二のスライド傾斜面を含むロック配合部を有し、前記ロック装置がロック状態にある時に、前記ロック部と前記ロック配合部とは互いに噛み合うようにロックされる。
【0015】
本発明の別の態様の少なくとも一実施例では、前記ロック素子は複数のロック部を有し、前記ロック配合素子は複数のロック配合部を有し、前記ロック装置が前記ロック状態にある時に、前記複数のロック部の各々と対応するロック配合部とは互いに噛み合うようにロックされる。
【0016】
本発明の別の態様の少なくとも一実施例では、前記複数のロック部の各々の寸法は同一に構成され、前記複数のロック配合部の各々の寸法は同一に構成される。
【0017】
本発明の別の態様の少なくとも一実施例では、前記複数のロック部のうちの少なくとも一つの高さの寸法は他のロック部と異なるように構成され、前記複数のロック配合部のうちの前記少なくとも一つのロック部に対応するロック配合部の高さの寸法は他のロック配合部と異なるように構成される。
【0018】
本発明の別の態様の少なくとも一実施例では、前記第一のモジュールは電子モジュールであり、前記ロック・ロック解除コンポーネントは、前記ロック素子が移動可能に取り付けられ、陰型接続端子を有するベースと、前記ベースの前記陰型接続端子とドッキングするための陽型接続端子を有する電子モジュールをさらに備える。
【0019】
本発明の一態様では、複数のロック部を有し、前記複数のロック部の各々が第一のスライド傾斜面を含むロック素子と、複数のロック配合部を有し、前記複数のロック配合部の各々が前記第一のスライド傾斜面に配合する第二のスライド傾斜面を含むロック配合素子と、を備え、前記複数のロック部のうちの少なくとも一つの高さの寸法は他のロック部と異なるように構成され、前記複数のロック配合部のうち前記少なくとも一つのロック部に対応するロック配合部の高さの寸法は他のロック配合部と異なるように構成され、前記複数のロック部の各々と、対応するロック配合部とは、前記ロック配合部が前記ロック部に挿入された時に互いにインターロック可能となり、かつ外力により前記ロック部の第一のスライド傾斜面と前記ロック配合部の第二のスライド傾斜面とを互いにスライドさせた時に、ロックが解放されることができるように構成されることを特徴とするロック装置が提供されている。
【0020】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、各ロック部はさらに第一の噛み合い開口と第一のヘッド部を有し、各ロック配合部は第二の噛み合い開口と第二のヘッド部をさらに有し、前記ロック装置がロック状態にある時に、各ロック部の前記第一の噛み合い開口は対応するロック配合部の前記第二のヘッド部を収容し、前記第一のヘッド部は対応するロック配合部の前記第二の噛み合い開口に収容される。
【0021】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記複数のロック部は第一の方向において間隔をあけて配置され、前記外力は前記第一の方向に沿って、又は前記第一の方向に沿った成分を有し、前記複数のロック部と対応するロック配合部との間のロックが解放されるように、前記外力により前記第一及び第二のスライド傾斜面を互いにスライドさせる。
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記ロック素子は、陰型接続端子を有するベースに移動可能に取り付けられるように適し、前記ロック配合素子は、前記ベースの前記陰型接続端子とドッキングするための陽型接続端子を有する電子モジュールに固定される。
【0022】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記複数のロック部の各々と対応するロック配合部とが互いにインターロックされる時に、前記電子モジュールの前記陽型接続端子と前記ベースの前記陰型接続端子とを差し込ませ、且つ、前記複数のロック部の少なくとも一つのロック部と対応するロック配合部とが互いに離脱する時に、前記電子モジュールの前記陽型接続端子と前記ベースの前記陰型接続端子との間の差込が解除される。
【0023】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、上述のいずれか一項に記載のロック装置と、前記複数のロック部の各々と対応するロック配合部との間のロックが解放されるように、前記ロック装置のロック素子を第一の方向において作動させるためのロック解除装置と、を備える。
【0024】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記ロック解除装置は、前記ロック素子に設けられ、前記外力により前記ロック素子が前記第一の方向において作動される作動部材を備える。
【0025】
本発明の一態様の少なくとも一実施例では、前記ロック解除装置は上述のいずれか一項に記載のロック解除装置である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の提出する技術案は、従来技術と比較して、少なくとも以下の一つまたは複数の利点を有することができる:
(1)電子モジュールのトップ部にゆとりのある操作空間を利用し、力変換により電子モジュールとベースとの間のロック解除が実現されること、および
(2)多段のロックとロック解除を設計し、電子モジュールとベースとの間に様々な位置関係と電気的接続関係の組み合わせを実現する可能とすることで、ロック解除過程における様々な操作ニーズを満たすこと。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の各実施例の上記及びその他の利点及び特徴をさらに明らかにするために、添付図面を参照して本発明の各実施例のより具体的な説明を提示する。これらの図面は本発明の典型的な実施例のみを描いているので、本発明に要求される保護範囲の制限とはみなされないことを理解すべきである
図1】本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントの爆発図を示す。
図2A】本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおける電子モジュールがロック状態にある概略図を示す。
図2B】本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおけるカバーが開蓋状態にあり、電子モジュールがロック解除状態にある概略図を示す。
図2C】本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおけるカバーが閉蓋状態にあり、電子モジュールがロック解除状態にある概略図を示す。
図3A】本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおける電子モジュールがロック状態にある概略図を示す。
図3B】本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおけるカバーが開蓋状態にあり、電子モジュールが一段のロック解除状態にある概略図を示す。
図3C】本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおけるカバーが閉蓋状態にあり、電子モジュールが一段のロック解除状態にある概略図を示す。
図3D】本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおけるカバーが開蓋状態にあり、電子モジュールが一段のロック解除状態にある概略図を示す。
図3E】本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントにおけるカバーが閉蓋状態にあり、電子モジュールが二段のロック解除状態にある概略図を示す。
図4】本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネントの爆発図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体的な実施例及び図面に基づいてさらに説明し、以下の説明では本発明を十分に理解するためにより詳細に説明するが、本発明は明らかにこの説明とは異なる複数の他の方法で実施することができ、当業者は本発明の内包に背くことなく実際の応用状況に従って類似の普及、演繹を行うことができ、したがって、この具体的な実施例の内容によって本発明の保護範囲を制限するべきではない。
【0029】
本願は、本願の実施例を説明するために特定の語句を使用する。例えば、「一つの実施例」、「他の実施例」、および/または「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも一つの実施例に関連する特徴、構造、または特徴を意味する。したがって、本明細書において異なる位置で二回以上言及される「一つの実施例」または「他の実施例」または「いくつかの実施例」は、必ずしも同じ実施例を指すものではないことを強調し、留意すべきである。さらに、本願の一つまたは複数の実施例のある特徴、構造、または特徴を適切に組み合わせてもよい。
【0030】
なお、本願に開示された表現を簡略化して、一つ以上の実施例の理解を容易にするために、本願の実施例の前述の説明において、複数の特徴が一つの実施例、図面、またはその説明に統合されることがある。しかし、この開示方法は、本願の対象に必要な特徴が請求項に記載の特徴よりも多いことを意味するものではない。実際には、実施例の特徴は、上述した単一の実施例のすべての特徴よりも少ない。
【0031】
本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1の爆発図を示す図1を参照する。図1に示すように、ロック・ロック解除コンポーネント1は、電子モジュール10とベース30を備え、電子モジュール10の底部に陽型接続端子11を有することができ、ベース30に陰型接続端子31が設置されることができ、電子モジュール10とベース30とは、陽型接続端子11と陰型接続端子31との差込により電気的接続が実現されることができる。
【0032】
図1を参照すると、ロック・ロック解除コンポーネント1は、互いにインターロック可能に構成されたロック素子21とロック配合素子22(ロック素子21とロック配合素子22とを「ロック装置」と合わせて呼ぶことができる)とをさらに含む。ロック素子21は、ベース30に取り付けられるのに適してもよい。さらに、ロック素子21とベース30との間にバネ40が取り付けられることもできる。いくつかの実施例では、バネ40の一端(例えば、図1に示すバネ40の左端)がロック素子21に固定または非固定で支持され、他端(例えば、図1に示すバネ40の右端)がベース30に固定または非固定で支持されることにより、ロック素子21がベース30に対して右に移動することに応答してバネ40が圧縮される。ほかのいくつかの実施例では、バネ40の一端(例えば、図1に示すバネ40の右端)がロック素子21に固定されることができ、他端(例えば、図1に示すバネ40の左端)がベース30に固定されることができることにより、ロック素子21がベース30に対して右に移動することに応答して、バネ40が引っ張られる。ロック配合素子22は、電子モジュール10に固定されることができる。ロック素子21とロック配合素子22との間のインターロックにより、電子モジュール10をベース30にしっかりロックさせることができる。
【0033】
図1を参照すると、ロック素子21は複数のロック部23を含み、各ロック部23は噛み合い開口23a、ヘッド部23b及びスライド傾斜面23cを有することができる。ロック配合素子22は複数のロック配合部24を含み、各ロック配合部24は噛み合い開口24a、ヘッド部24b及びスライド傾斜面24cを有することができる。いくつかの実施例では、ロック部23の噛み合い開口23aは、ロック部23により形成された開口のうち対応するロック配合部24のヘッド部24bを収容するための一部の開口であってもよく、ロック配合部24の噛み合い開口24aは、対応するロック部23のヘッド部23bを収容するための凹部であってもよい。ロック状態では、ロック部23とロック配合部24とが互いに噛み合うようにロックされ、例えば、ロック配合部24の噛み合い開口24aにはロック部23のヘッド部23bを収容でき、ロック配合部24のヘッド部24bがロック部23の噛み合い開口23a内に収容されることができる。ロック部23とロック配合部24との間のロックが解放される時に、ロック部23のヘッド部23bはロック配合部24の噛み合い開口24a内に位置しなくなってもよい。他の実施例では、ロック素子21は一つのロック部23のみ含むことができ、ロック配合素子22は一つのロック配合部24のみ含むことができる。
【0034】
図1を参照すると、ロック・ロック解除コンポーネント1は、ロック装置をロック解除するためのロック解除装置50をさらに含む。図1に示すように、ロック解除装置50は、ロック解除素子51とロック解除配合素子52とを含む。ロック解除素子51は、カバー53と、上端に押圧部55aを有し且つ下端にスライド傾斜面55bを有するレバー55とを含むことができる。いくつかの実施例では、カバー53は電子モジュール10の上方にヒンジ結合されることができ、レバー55は電子モジュール10の片側に取り付けられることができる。カバー53が電子モジュール10の周りを反転すると、レバー55が垂直に下向きに移動するように、カバー53の一端はレバー55の上側の押圧部55aに圧力をかけることができる。さらに、レバー55と電子モジュール10との間にバネ60が取り付けられることもできる。いくつかの実施例では、バネ60の一端(例えば、図1に示すバネ60の上端)がレバー55に固定または非固定で支持され、他端(例えば、図1に示すバネ60の下端)が電子モジュール10に固定または非固定で支持されることにより、レバー55が電子モジュール10に対して下向きに移動することに応答してバネ60が圧縮される。ほかのいくつかの実施例では、バネ30の一端(例えば、図1に示すバネ60の上端)が電子モジュール10に固定されることができ、他端(例えば、図1に示すバネ60の下端)がレバー55に固定されることができることにより、レバー55が電子モジュール10に対して下向きに移動することに応答して、バネ60が引っ張られる。図1を参照すると、ロック解除配合素子52とロック素子21とは一体成形されることができ、ロック解除配合素子52の上端にはレバー55の下端のスライド傾斜面55bと配合するスライド傾斜面(図示せず)を有する。
【0035】
以下、図2A-2Cを参照して、ロック解除装置50によるロック装置に対してのロック解除の過程を例示的に説明する。図2Aは本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1における電子モジュール10がロック状態にある概略図を示す。図2Bは本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1におけるカバー53が開蓋状態にあり、電子モジュール10がロック解除状態にある概略図を示す。図2Cは、本発明の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1におけるカバー53が閉蓋状態にあり、電子モジュール10がロック解除状態にある概略図を示す。
【0036】
図2Aに示すように、電子モジュール10がロック状態にある時に、ロック素子21のロック部23とロック配合素子22のロック配合部24とが互いに噛み合うようにロックされることにより、電子モジュール10がベース30にしっかりロックされる。具体的には、電子モジュール10が挿入方向Iに沿ってベース30に挿入される(このとき、ロック配合部24が挿入方向Iに沿ってロック部23に挿入される)と、ロック部23とロック配合部24とがお互いに噛み合うため、電子モジュール10がベース30から挿入方向Iと反対の方向に沿って取り出されることができず、電子モジュール10がロック状態に保持される。図2Aを参照すると、電子モジュール10がロック状態にある時に、ロック解除素子51のカバー53は電子モジュール10の上方にカバーされることができ、レバー55は初期位置にあることができ、電子モジュール10とレバー55の間に取り付けられたバネ60は初期状態(例えば、自然状態)にあることができ、ロック素子21は初期位置にあることができ、ベース30とロック素子21の間に取り付けられたバネ40は初期状態(例えば、自然状態)にあることができる。
【0037】
図2Bを参照すると、ロック解除の時に、オペレータまたは操作機構(例えば、アーム)は、電子モジュール10の上方にカバーされたカバー53を図2Bに示す矢印Rに沿って反転させ、カバー53の右端がレバー55の上端の押圧部55aに接触して力を加えることで、レバー55を作動方向Aに沿って下向きに移動させることができる。レバー55の作動方向Aに沿った移動により、スライド傾斜面55bとスライド傾斜面52bとを互いにスライドさせる(すなわち、スライド傾斜面55bがスライド傾斜面52bに接触してスライド傾斜面52bに沿って相対的にスライドする)ようになり、レバー55の下端のスライド傾斜面55bがロック解除配合素子52の上端のスライド傾斜面52bに加えられた力は右向きへの分力を有するため、ロック解除配合素子52及びロック素子21を連動方向Lに沿って右向きに移動させる。ロック素子21の連動方向Lに沿った移動により、ロック部23のスライド傾斜面23cとロック配合部25のスライド傾斜面24cとを互いにスライドさせる(すなわち、スライド傾斜面23cがスライド傾斜面24cに接触してスライド傾斜面24cに沿って相対的にスライドする)ようになり、ロック素子21のスライド傾斜面23cがロック配合素子22のスライド傾斜面24cに加えられた力は上向きの分力を有するため、ロック配合素子22及び電子モジュール10を作動方向Aとは反対の方向(すなわち、挿入方向Iとは反対の方向)に沿って上向きに移動させることにより、ロック素子21とロック配合素子22との間のロックが解放される。
【0038】
最終的に、電子モジュール10は、図2B及び図2Cに示すロック解除状態に置かれることができ、電子モジュール10がロック解除状態にある時に、ロック素子21のロック部23とロック配合素子22のロック配合部24とが互いに離脱する。図2B及び図2Cに示すように、ロック部23とロック配合部24とが互いに離脱すると、ロック配合部24の全体はロック部23により形成された開口以外に位置することができる。
【0039】
図2Bを参照すると、カバー53が開くと、電子モジュール10とレバー55との間に取り付けられたバネ60が作動方向Aにおいて圧縮されるようにレバー55が作動され、ベース30とロック素子21との間に取り付けられたバネ40が連動方向Lにおいて圧縮されるようにロック素子21が連動位置にあり、ロック配合部24の底端がロック部23のスライド傾斜面23cのトップ端に当接する。他の実施例では、レバー55が作動されると、電子モジュール10とレバー55との間に取り付けられたバネ60が作動方向Aにおいて引っ張られることができ、ベース30とロック素子21との間に取り付けられたバネ40が連動方向Lにおいて引っ張られることができる。図2Bに示すように、電子モジュール10は、レバー55が取り付けられている側とは反対の側に突起12を有することができ、突起12はベース30における配合凹溝32内に突出し延伸されることができ、配合凹溝32内を上下に移動可能である。配合凹溝32の長さにより突起12のストロークが制限され、これにより電子モジュール10が挿入方向Iとは反対の方向に沿って移動している間にベース30から脱落するのを防ぐことができる。
【0040】
図2Cを参照すると、オペレータや操作機構がカバー53に加えられた力を解放すると、作動方向Aにおいて圧縮されたバネ60は、その復元力によりレバー55を作動方向Aとは反対の方向に沿って初期位置まで上向きに移動させ、レバー55の上向きへの移動によりカバー53が閉蓋状態に押し戻される。一方、連動方向Lにおいて圧縮されたバネ40でも、その復元力によりロック素子21を連動方向Lとは反対の方向に沿って初期位置まで左向きに移動させる。 他の実施例では、オペレータや操作機構がカバー53に加えられた力を解放すると、作動方向Aにおいて引っ張られたバネ60は、その復元力によりレバー55を作動方向Aとは反対の方向に沿って初期位置まで上向きに移動させ、連動方向Lにおいて引っ張られたバネ40でも、その復元力によりロック素子21を連動方向Lとは反対の方向に沿って初期位置まで左向きに移動させる。図2Cに示すように、カバー53が閉蓋状態にある時に、ロック配合部24の底端がロック部23のヘッド部23bのトップ端に当接することができ、ロック配合部24がロック部23内に再び戻してロック部23と互いにインターロックすることを阻止することで、電子モジュール10はロック解除状態に保持されることができ、ベース30に再びしっかりロックされることはない。
【0041】
以上の図1及び図2A-2Cに示す実施例では、ロック素子21の各ロック部23の寸法は同一に構成されている。例えば、各ロック部23の挿入方向Iに沿った高さの寸法は略等しくてもよい。また、例えば、各ロック部23の連動方向Lに沿った幅の寸法も略等しくてもよい。それに対応して、ロック配合素子22の各ロック配合部24の寸法も同一に構成されている。しかし、他の実施例では、ロック素子21の各ロック部23は異なるように構成されることができる。例えば、各ロック部23の挿入方向Iに沿った高さの寸法は異なってもよい。また、例えば、各ロック部23の連動方向Lに沿った幅の寸法は異なってもよい。それに対応して、ロック配合素子22の各ロック配合部24の寸法も異なるように構成されてもよい。寸法の異なるロック部23および/または同じロック部23は、上述した連動方向L(すなわちロック素子21が作動されることができる方向)に間隔を空けることができる。各ロック部23及び対応する各ロック配合部24の寸法(高さの寸法及び/又は幅の寸法を含む)が異なるように構成されていることにより、複数段のロック解除、例えば2段または2段以上のロック解除を実現することが許容されてもよい。
【0042】
以下、図3A-3Eを参照して、ロック解除装置50による二段のロック装置に対しての二段のロック解除の過程を例示的に説明する。図3Aは本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1における電子モジュール10がロック状態にある概略図を示す。図3Bは、本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1におけるカバー53が開蓋状態にあり、電子モジュール10が一段のロック解除状態にある概略図を示す。図3Cは、本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1におけるカバー53が閉蓋状態にあり、電子モジュール10が一段のロック解除状態にある概略図を示す。図3Dは、本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1におけるカバー53が開蓋状態にあり、電子モジュール10が一段のロック解除状態にある概略図を示す。図3Eは、本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1におけるカバー53が閉蓋状態にあり、電子モジュール10が二段のロック解除状態にある概略図を示す。
【0043】
図3A図3Eに示すように、ロック素子21は、高さの寸法と幅の寸法のいずれも小さい一段のロック部23Aと、高さの寸法と幅の寸法の両方が大きい二段のロック部23Bとを備えている。それに対応して、ロック配合素子22は、高さの寸法と幅の寸法のいずれも小さい一段のロック配合部24Aと、高さの寸法と幅の寸法の両方が大きい二段のロック配合部24Bとを備えている。
【0044】
図3Aを参照すると、電子モジュール10がロック状態にある時に、ロック素子21の一段のロック部23A及び二段のロック部23Bは、それぞれロック配合素子22の一段のロック配合部24A及び二段のロック配合部24Bと互いに噛み合うようにロックされる。ロック・ロック解除コンポーネント1の中の他の部品(例えば、バネ40及び60、カバー53、レバー55、ロック素子21等)の状態は、図2Aについて説明したものと同様であり、ここではこれ以上説明しない。
【0045】
最初に実行される一段のロック解除操作は、図2Bについて説明したロック解除操作と同様であってもよく、ここではこれ以上説明しない。一段のロック解除操作を実行した後、図3Bに示すように、一段のロック部23Aと一段のロック配合部24Aとの間のロックが解放され、一段のロック部23Aと一段のロック配合部24Aとが互いに離脱し、二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bとの間のロックが解放されるが、このとき、二段のロック部23Aと二段のロック配合部24Aとは互いに離脱しておらず、二段のロック配合部24Bのヘッド部は、二段のロック部23Bにより形成された開口に位置したままである。
【0046】
その後、カバー53に加えられた力を解放した後、図3Cに示すように、一段のロック配合部24Aの底端が一段のロック部23Aのヘッド部のトップ端に当接し、二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bが互いに噛み合うようにロックされる。ロック・ロック解除コンポーネント1の中の他の部品(例えば、バネ40及び60、カバー53、レバー55、ロック素子21等)の状態は、図2Cについて説明されたものと同様であり、ここではこれ以上説明しない。さらに、いくつかの実施例では、電子モジュール10が一段のロック解除状態にある時に、電子モジュール10の陽型接続端子とベース30の陰型接続端子との間の差込が解除されることができ、すなわち電子モジュール10はベース30と電気的に接続されなくなる。しかし、二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bは依然として互いに噛み合うようにロックされているため、電子モジュール10はベース30にしっかりロックされたままである。また、図3Cに示すように、カバー53が閉蓋状態にあり、電子モジュール10が一段のロック解除状態にある時に、一段のロック配合部24Aの底端が一段のロック部23Aのヘッド部のトップ端に当接するので、一段のロック配合部24Aが一段のロック部23A内に戻して一段のロック部23Aと再びインターロックすることを防止でき、さらに電子モジュール10の陽型接続端子がベース30の陰型接続端子に差し込まれることを防止することができる。
【0047】
その後、二段のロック解除操作を実行する。二段のロック解除操作は、図2Bについて説明したロック解除操作と同様であってもよく、ここではこれ以上説明しない。二段のロック解除操作が実行された後、図3Dに示すように、カバー53は再び開蓋状態に置かれ、一段のロック配合部24Aの底端が一段のロック部23Aのスライド傾斜面のトップ端に当接し、二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bとの間のロックが再び解放される。二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bとの間のロックが解放されるので、いくつかの実施例では、二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bが互いに離脱するようにオペレータまたは操作機構により二段のロック配合部24Bを二段のロック部23Bから引き抜かれて、電子モジュール10を図3Eに示す二段のロック解除状態に置くことが許容されてもよい。別のいくつかの実施例では、二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bとの間のロックが二度解放された後、カバー53を反転させ続けることにより、レバー55をさらに作動方向Aに沿って下向きに移動させ、ロック素子21をさらに連動方向Lに沿って右向きに移動させ、電子モジュール10をロック配合素子22とともにさらに作動方向Aとは反対の方向に沿って上向きに移動させることができることにより、二段のロック部23Bと二段のロック配合部24Bとを互いに離脱させる。いくつかの実施例では、一度のロック解除操作により一段のロック部23A、二段のロック部23Bと一段のロック配合部24A、二段のロック配合部24Bを同時に離脱させることができ、例えば、一段のロック解除操作を実行する際に、一段のロック配合部24Aと二段のロック配合部24Bがそれぞれ一段のロック部23Aと二段のロック部23Bの外に押し出されるように、カバー53を底まで反転させることで、一段のロック部23A、二段のロック部23Bと一段のロック配合部24A、二段のロック配合部24Bとを同時に離脱させる。
【0048】
図3Eに示すように、電子モジュール10が二段のロック解除状態にある時に、一段のロック部23Aと一段のロック配合部24Aとは互いに離脱し、二段のロック部23Aと二段のロック配合部24Aとは互いに離脱する。このとき、電子モジュール10はベース30から引き抜かれることができる。
【0049】
図3A-3Eを参照してロック・ロック解除コンポーネント1の二段のロック解除について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、二段以上のロック解除を実現するために、実際の操作上の必要に応じて二段以上のロック部と対応するロック配合部が構成されることができる。例えば、ロック素子21は、一段のロック部、二段のロック部、三段のロック部などの多段のロック部を備え、一段のロック部の高さの寸法は二段のロック部の高さの寸法より小さく、二段のロック部の高さの寸法はさらに三段のロック部の高さの寸法より小さいように構成されることができる。それに対応して、ロック配合素子22は、一段のロック配合部、二段のロック配合部、三段のロック配合部などの対応する多段のロック配合部を備えるように構成されることができる。
【0050】
以上、ロック解除装置50におけるロック解除素子51は、カバー53とレバー55とを備えるものとして説明したが、本発明のロック解除素子51はこのような構成に限定されない。以下、図4を参照して、他の構成のロック解除素子51について説明する。図4は本発明の他の実施例によるロック・ロック解除コンポーネント1の爆発図を示す。図4に示すように、ロック解除素子51はレバー55を含むがカバー53を含まないことができ、押圧部55aがレバー55の下端または上端に位置することができる。押圧部55aは、レバー55が下向きに移動させるようにオペレータの指や工具により接合されるための押圧特徴部材を有することができる。この押圧特徴部材は、レバー55への押圧操作を容易にすることができれば、図4に示すような凹溝や突起などの任意の形状に形成することができる。いくつかの実施例では、押圧部55aはレバー55の下端に設置され、押圧特徴部材とスライド傾斜面55bとを備える。図4に示すレバー55は、図1を参照し説明したレバー55と同様に、電子モジュール10の片側に取り付けられることができる。図4に示す電子モジュール10の他の部分の構造及び取り付け方法は、図1を参照し説明した構造及び取り付け方法と同様であってもよく、ここではこれ以上説明しない。
【0051】
また、複数段のロック装置(二段のロック装置又は二段以上のロック装置を含む)に対してのロック解除は、上述したロック解除装置50の使用に限定されず、ロック部と対応するロック配合部との間のロックが解放されるように上述した連動方向Lにおいて複数段のロック装置のロック素子を作動させることができれば、他のタイプのロック解除装置を使用してもよい。例えば、オペレータの指や工具により接合されるために複数段のロック装置のロック素子に作動部材が設けられることにより、上記の連動方向Lにおいてロック素子を作動させる。当該作動部材は、ねじ回しなどの工具やオペレータの指により接合されるためにロック素子の一端に形成された環状体や凹溝であってもよい。また、他の実施例では、上記の連動方向Lにおいてロック装置のロック配合素子を作動(例えば、オペレータが手で引っ張る)させることにより、ロック配合素子におけるスライド傾斜面とロック部のスライド傾斜面とを互いにスライドさせて、ロック部とロック配合部との間のロックが解放されるようにしてもよい。
【0052】
また、上述したロック装置及びロック解除装置50は、電気的接続装置において使用されることに限定されるものではなく、しっかりロック及びロック解除を必要とする他のアプリケーションシーンにおいて使用されることもできる。
【0053】
本開示の好ましい実施例に従って本発明を説明したが、これに限定されることは意図されておらず、添付の特許請求の範囲に記載された範囲に限定される。当業者は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に対して種々の変更および変更を行うことができることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0054】
1 ロック・ロック解除コンポーネント
10 電子モジュール
11 陽型接続端子
12 突起
21 ロック素子
22 ロック配合素子
22 ロック部
23A 一段のロック部
23B 二段のロック部
23a 噛み合い開口
23b ヘッド部
23c スライド傾斜面
24 ロック配合部
24A 一段のロック配合部
24B 二段のロック配合部
24a 噛み合い開口
24b ヘッド部
24c スライド傾斜面
30 ベース
31 陰型接続端子
32 配合凹溝
40 バネ
50 ロック解除装置
51 ロック解除素子
52 ロック解除配合素子
52c スライド傾斜面
53 カバー
55 レバー
55a 押圧部
55b スライド傾斜面
60 バネ。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
【国際調査報告】