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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】精密ロッカーピン型ロードセル
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/00 20060101AFI20240423BHJP
   G01G 21/30 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G01G23/00 Z
G01G21/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571186
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 DE2022000039
(87)【国際公開番号】W WO2022247976
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021002729.9
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】301051264
【氏名又は名称】ホッティンガー・ブリュエル・ウント・ケアー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】シュラハター・ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ホスト・ウルズラ
(72)【発明者】
【氏名】ニートバラ・ダーニエール
(57)【要約】
本発明は、特に工業用計量技術では、プラットフォーム型又はコンテナ型計量器において使用されるいわゆるロッカーピン型ロードセルに関する。ロッカーピン型ロードセルは、平らな底面(3)を有するシリンダ状の凹部(2)が同軸に形成されたベースプレート(1)と、球面状の下面(5)と球状の上面(6)を有するロッカーピンボルト(4)と、直径がロッカーピンボルト(4)の上部の直径よりも大きい円形の凹部(8)と、中央に形成された没入部(9)を有するロッカーピン部品(7)と、弾性的なプラスチックから成る鐘型のカバー(10)と、を有し、
カバー(10)が、上端部で、気密にロッカーピン部品(7)と結合され、下端部で、気密にベースプレート(1)と結合され、
ガス又は空気の容積が、ロッカーピンボルトとロッカーピン部品の、空気又はガスによって包囲された部分の容積の合計よりも大きいとの条件が順守されること、を特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・平らな底面(3)を有するシリンダ状の凹部(2)が同軸に形成されたベースプレート(1)と、
・球面状の下面(5)と球状の上面(6)を有するロッカーピンボルト(4)と、
・直径がロッカーピンボルト(4)の上部の直径よりも大きいシリンダ状の凹部(8)と、中央に形成された没入部(9)を有するロッカーピン部品(7)と、
・弾性的なプラスチックから成る鐘型のカバー(10)と、
を有し、
ロッカーピンボルト(4)が、球面状の下面(5)を介して旋回可能にシリンダ状の凹部(2)内に支承され、球状の上面(6)を介してロッカーピン部品(7)を旋回可能に支持し、
カバー(10)が、上端部で、気密にロッカーピン部品(7)と結合され、下端部で、気密にベースプレート(1)と結合され、これにより、空気又はガスの充填物(11)を含む空間が形成され、
ガス又は空気の容積(11)が、ロッカーピンボルトとロッカーピン部品の、空気又はガスによって包囲された部分の容積の合計よりも大きいとの条件が順守されること、を特徴とするロッカーピン型ロードセル。
【請求項2】
カバー(10)が、抗菌性のプラスチックから成ること、を特徴とする請求項1に記載のロッカーピン型ロードセル。
【請求項3】
カバー(10)が、抗菌性のコーティング(12)を備えること、を特徴とする請求項1に記載のロッカーピン型ロードセル。
【請求項4】
カバー(10)が、少なくとも2つのプラスチック層から成ること、を特徴とする請求項1に記載のロッカーピン型ロードセル。
【請求項5】
空気又はガスの充填物(11)内に、吸湿性の物質(13)が封入されていること、を特徴とする請求項1に記載のロッカーピン型ロードセル。
【請求項6】
ガス充填物(11)が、不活性ガスであること、を特徴とする請求項1に記載のロッカーピン型ロードセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に工業用計量技術では、プラットフォーム型又はコンテナ型計量器において使用されるいわゆるロッカーピン型ロードセルに関する。従来技術から、例えば独国特許第102016118046号明細書、欧州特許第0315846号明細書、米国特許第4815547号明細書又は西独国特許第19625821号明細書に記載されているように、種々の構造形態が知られている。
【背景技術】
【0002】
ロッカーピン型ロードセルは、計量セルからの横力を遮断する機能を有するので、計量すべき材料の質量によって惹起される力だけが計量セルに作用する。
【0003】
工業用軽量技術では、例えば食品産業における衛生条件に対する特別な要求のような種々の要求がある。ここで、計量器が一体化された生産設備は、頻繁に洗浄及び消毒されなければならない。これは、例えば、圧力下で設備部分に吹き付けられる蒸気又は熱水で実行される。蒸気又は水は、また、消毒剤とも混合されている。生産設備の全ての部品が、容易に洗浄できるように設計されていることが必要である。即ち、洗浄時に到達可能でない間隙又は空洞部が存在してはならないが、それは、その中で、細菌培養が発生することがあり、これは、食品産業では排除されなければならないからである。従って、ロッカーピン型ロードセルも確実に洗浄することができなければならない。従来設計されたロッカーピン型ロードセルは、これらの要件を満足しない。
【0004】
独国特許第102016118046号明細書には、発明者らによれば食品産業での使用に適しているというロッカーピン型ロードセルが記載されている。
【0005】
しかしながら、薬品産業では、無菌性に対する要求は、部分的に更に高くなる。更に、一般にまたより高い要求が配量精度に対して課され、即ち、それぞれの薬学的成分は、部分的に、食品産業におけるよりも高い精度で計量又は配量されなければならない。
【0006】
ロッカーピン型ロードセルは、できるだけ低い摩擦抵抗を得るために、支承部品として点状及び/又は線状の支持体を利用する。接触箇所でいわゆるヘルツ応力の現象が生じること、即ち、接触する部品同士が平らになること、が知られている。この平坦化の大きさは、特に、作用する、部品同士を互いに押し付ける力に依存している。
【0007】
従来の計量技術から、このような支承部品の接触箇所をどのように設計すべきであるか及びこのためにどのような材料が好適であるかが知られている。
【0008】
機械的な精密計量技術では、特に小さい線状、リング状又は点状の接触面を備える部品が必要である。しかしながら、これにより、面圧は、非常に高くなり、接触する材料面は、強く負荷を受けて摩耗する。機械的な精密計量器の場合、いわゆるパンとその中で移動するブレードが交換可能であることが企図されている。この構造的な企図は、産業的な計量器製造で使用されるロッカーピンサポートの場合は実現できない。従って、ロッカーピン型ロードセルの可動性は、特に湿度と場合によっては攻撃的な洗浄剤及び消毒剤が支承面に到達する場合には、時間の経過と共に低下することを考慮されなければならない。更に、相当数の生産設備の場合には停止が望ましくなく、従ってロッカーピン型ロードセルの可動の構成要素が、できるだけ長い寿命を備えるべきであるとの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許第102016118046号明細書
【特許文献2】欧州特許第0315846号明細書
【特許文献3】米国特許第4815547号明細書
【特許文献4】西独国特許第19625821号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の課題は、高湿度時及び攻撃的な洗浄剤及び消毒剤の影響下でも、全寿命にわたってその可動性を維持する、長い寿命を有するロッカーピン型ロードセルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題は、請求項1に記載のロッカーピン型ロードセルによって解決される。
【0012】
ロッカーピン型ロードセルは、平らな底面を有するシリンダ状の凹部が同軸に設けられた、好ましくはステンレス鋼から成るベースプレートと、球面状の下面と球状の上面を有するロッカーピンボルトと、直径がロッカーピンボルトの上部の直径よりも大きいシリンダ状の凹部を有するロッカーピン部品と、を有すること、を特徴とする。このシリンダ状の凹部の底面には、中央に没入部が設けられている。ロッカーピンボルトの球面状の下面は、凹部の平らな底面に載置されている。ロッカーピン部品は、その中央の没入部によってロッカーピンボルトの球状の上面に載置されている。弾性的なプラスチックから成る鐘状のカバーは、上端部で、気密にロッカーピン部品と結合され、下端部で、気密にベースプレートと結合されている。
【0013】
カバーの鐘形状は、種々の利点を有する:要件に応じて、異なる弾性及び耐熱性と他の望ましい特性を有する材料を使用することができる。カバーの下に、空気又は特殊ガスを含む自由空間が形成されている。ガス又は空気の容積は、ロッカーピンボルトとロッカーピン部品の、空気又はガスによって包囲された部分の容積の合計よりも大きい。これは、封入されたガスが容易に循環でき、ガスに含まれた水分が全ての箇所で一定のままであり、これにより、特定の箇所での温度変化による水分の凝縮が十分に回避される、もしくは、凝縮した水分が迅速に再び気化することを生じさせる。これは、これにより例えば使用される潤滑剤がその潤滑性をより長く維持するので、有利である。
【0014】
請求項2によれば、カバーが、抗菌性のプラスチックから成り、これは、特に食品産業及び薬品産業での使用時に利点を有する。
【0015】
請求項2の対象に対する選択肢としての請求項3によれば、カバーの外表面だけが、抗菌性のコーティングを備えている。
【0016】
請求項4によれば、カバーが、少なくとも2つの材料層から成る。2つ以上の材料槽は、カバーの柔軟性を高める。カバーは、より柔軟性があり、従って、計量すべき質量から生じる力を歪曲しない。カバーの外層は、抗菌作用を有する材料から成り得る。
【0017】
請求項5によれば、空気又はガスの充填物内に、吸湿性の物質が封入されており、この吸湿性の物質が、ガスの湿度を低く保つ。これにより、潤滑剤の長期の有効性が達成される。
【0018】
請求項6によれば、ガス充填物が、不活性ガスである。これにより、潤滑剤の長期の有効性も達成される。
【0019】
本発明を、以下で概略図により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ロッカーピン型ロードセルの斜視図
図2】ロッカーピン型ロードセルの横断面図
図3】第2の実施形態のロッカーピン型ロードセルの横断面図
図4】第3の実施形態のロッカーピン型ロードセルの横断面図
図5】第4の実施形態のロッカーピン型ロードセルの横断面図
図6】洗浄及び消毒時の取り付けられたロッカーピン型ロードセル
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、ロッカーピン型ロードセルを斜視図で示す。図2は、ロッカーピン型ロードセルを横断面図で示す。ロッカーピン型ロードセルは、平らな底面3を有するシリンダ状の凹部2が上面に設けられたステンレス鋼から成るベースプレート1と、球面状の下面5と球状の上面6を有するロッカーピンボルト4と、直径がロッカーピンボルト4の上部の直径よりも大きいシリンダ状の凹部8と中央に形成された円錐形の没入部9を有するロッカーピン部品7と、を有すること、を特徴とする。ロッカーピンボルト4の下部は、ベースプレート1のシリンダ状の凹部2に収容され、ロッカーピン部品7は、ロッカーピンボルト4の円錐形の上面に載置されている。
【0022】
弾性的なプラスチックから成る鐘状のカバー10は、上端部で、気密にロッカーピン部品7と結合され、下端部で、気密にベースプレート1と結合されている。好ましくは、上端部における結合は、接着結合であるが、必要に応じて、結合は、クランプでもあり得る。ベースプレートとの結合は、好ましくは解離可能で、例えばネジ締めによるクランプである。カバー10の下の空間は、空気又はガス11を充填されている。
【0023】
図3によるロッカーピン型ロードセルの場合、カバー10の外表面だけが、抗菌性のコーティング12を備える。これは、カバーが、特に柔軟なかつ気密性のプラスチックから製造され得るが、それにもかかわらず、抗菌性の作用を備えるとの利点を有する。
【0024】
図4によるロッカーピン型ロードセルは、カバー10が、6つの材料層から成る。この構成は、種々の利点を有する。従って、外側の材料層は、薄いが、攻撃的な洗浄剤に対する耐性を有するように選択することができる。内側の層は、特に軟弾性の材料から成る。個々の層は、互いに結合されていない。
【0025】
図5によるロッカーピン型ロードセルの場合、空気又はガスの充填物11内に、吸湿性の物質13が封入されている。これにより、潤滑剤の長期の有効性が達成される。
【0026】
図6は、設備内に取り付けられたロッカーピン型ロードセルが、蒸気ジェット14によって洗浄される取付け状態を示す。
【符号の説明】
【0027】
1 ベースプレート
2 ベースプレートのシリンダ状の凹部
3 シリンダ状の凹部の平らな底面
4 ロッカーピンボルト
5 ロッカーピンボルトの球面状の下面
6 ロッカーピンボルトの球状の上面
7 ロッカーピン部品
8 ロッカーピン部品内のシリンダ状の凹部
9 ロッカーピン部品内の円錐形の没入部
10 鐘状のカバー
11 空気又はガスの充填物
12 抗菌性のコーティング
13 吸湿性の物質
14 洗浄装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】