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特表2024-518618ガイドフランジを伴う壁板締結デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ガイドフランジを伴う壁板締結デバイス
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/06 20060101AFI20240423BHJP
   E04F 19/02 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
E04F19/06 E
E04F19/02 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571600
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022029571
(87)【国際公開番号】W WO2022245780
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/189,575
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/662,694
(32)【優先日】2022-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523433996
【氏名又は名称】トゥルー コーナーズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミネオ, チャールズ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ミネオ, サミュエル ジェイ.
(57)【要約】
壁板締結デバイスは、締結具が壁板を通して通過することなく、第1および第2の壁板を骨組部材に固着する。本デバイスは、骨組部材の周囲に嵌合する両面フレームを形成するために、フレームの継目において縦方向の縁に沿って継合される、第1および第2の骨組パネルを含む。本デバイスは、前部継目において縦方向の縁に沿って継合される、第1および第2の平坦ばねフランジを含む。本デバイスは、壁板の縁を受容するようにサイズ指定される、第1および第2のチャネルを形成するために、前部継目および第2の骨組パネルに対して縦方向に継合される、チャネル分割パネルを含む。本デバイスは、フレームの継目に対して縦方向に継合される、ガイドフランジを含む。第2の壁板の角縁は、ガイドフランジに対して押動され、したがって、角縁は、ガイドフランジに沿って摺動し、それによって、第2の壁板を第2のチャネルの中に誘導し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の壁板を骨組部材に固着するための壁板締結デバイスであって、
前記骨組部材の周囲に嵌合するようにサイズ指定される両面フレームを形成するために、フレームの継目において縦方向の縁に沿って継合される、第1および第2の骨組パネルと、
前部継目を形成するために、縦方向の縁に沿って継合される、第1および第2の平坦ばねフランジと、
それぞれ、前記第1および第2の壁板を受容する、第1および第2のチャネルを形成するために、前記前部継目および前記第2の骨組パネルに対して縦方向に継合される、チャネル分割パネルと、
前記フレームの継目に対して縦方向に継合される、ガイドフランジと
を備え、
前記第1および第2の平坦ばねフランジは、屈曲され、前記第1および第2の壁板が、前記第1および第2のチャネルの中に挿入されるとき、前記第1および第2の壁板を前記第2の骨組パネルに対して押動する、個別の第1および第2の壁板上に、第1および第2の復元力を付与するように構成される、壁板締結デバイス。
【請求項2】
前記ガイドフランジは、平面パネルである、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項3】
前記ガイドフランジは、前記第1の骨組パネルと鋭角を形成する、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項4】
前記鋭角は、80°またはそれを上回る、請求項3に記載の壁板締結デバイス。
【請求項5】
前記第1の骨組パネル、前記第2の骨組パネル、前記ガイドフランジ、前記チャネル分割パネル、前記第1の平坦ばねフランジ、および前記第2の平坦ばねフランジは、同様の厚さを有する、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項6】
前記第1の骨組パネルは、前記第1の骨組パネルに沿って縦方向に離間される、複数の締結具孔を形成する、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項7】
前記チャネル分割パネルは、前記第2の骨組パネルに対して垂直であり、
前記第1の平坦ばねフランジは、前記第1の壁板が、前記第1のチャネルに存在しないとき、90°未満である、前記チャネル分割パネルとの第1の角度を形成し、
前記第2の平坦ばねフランジは、前記第2の壁板が、前記第2のチャネルに存在しないとき、90°未満である、前記チャネル分割パネルとの第2の角度を形成する、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項8】
前記第1および第2の角度のそれぞれは、85°~88°である、請求項7に記載の壁板締結デバイス。
【請求項9】
前記第1の平坦ばねフランジは、前記第1の壁板が、前記第1のチャネルの中に挿入されるとき、前記チャネル分割パネルと90度の角度を形成し、
前記第2の平坦ばねフランジは、前記第2の壁板が、前記第2のチャネルの中に挿入されるとき、前記チャネル分割パネルと90度の角度を形成し、
前記第1および第2の壁板は、前記個別の第1および第2のチャネルの中に挿入されるとき、同一平面上にある、請求項7に記載の壁板締結デバイス。
【請求項10】
前記チャネル分割パネルは、前記第2の骨組パネルの正中線に対して縦方向に継合される、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項11】
前記第1および第2の平坦ばねフランジのそれぞれの幅は、前記第2の骨組パネルの幅の2分の1未満である、請求項10に記載の壁板締結デバイス。
【請求項12】
プラスチックから形成される、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項13】
前記第1および第2の平坦ばねフランジの一方または両方の外方向対向表面は、テクスチャ加工される、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【請求項14】
前記第1および第2の平坦ばねフランジの一方または両方の外方向対向表面は、平滑である、請求項1に記載の壁板締結デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願)
本願は、そのそれぞれが、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年5月17日に出願された、米国仮特許出願第63/189,575号、および2022年5月10日に出願された、米国特許出願第17/662,694号の優先権を主張する。
【0002】
(背景)
壁板配設の目標は、商業用および住居用用途における、安全であり、構造的に堅固であり、耐久性があり、審美的に満足のいく壁および/または天井表面である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要約)
本発明の実施形態は、縁継合構成において、骨組部材に対して、2つの隣接する壁板パネルを固着するために使用される、壁板締結デバイスを含む。壁板締結デバイスは、壁板の縁または角を、デバイスによって形成される対応するチャネルの中に誘導することによって配設を簡素化する、ガイドフランジを含む。結果として、ガイドフランジは、壁板が位置付けられるために必要とする正確度の程度を低減させる。本低減された正確度は、有利なこととして、配設を加速し、壁板に対する損傷(壁板の縁が、非意図的に、骨組部材に衝打するときに引き起こされ得るもの等)を最小限にする。
【0004】
壁板パネルは、重く、扱いにくく、幾分、可撓性である。結果として、壁板パネルの縁が、それに対して壁板締結デバイスが添着される間柱(図2における間柱206参照)の縁に対して引っ掛かり得るため、壁板パネルを壁板締結デバイスのチャネル(すなわち、図1におけるチャネル110(1)および110(2)参照)の中に挿入することは、困難であり得る。縁が、引っ掛かるとき、壁板パネルを損傷することなく、それをチャネルの中に押動することは、不可能であり得る。本実施形態のガイドフランジは、有利なこととして、配設者が、ガイドフランジに対して、壁板パネルの縁を固結または敷設することを可能にし、したがって、これは、ひいては、間柱上に引っ掛かる、または詰まることなく、チャネルの中に押動されることができる。
【0005】
本実施形態は、2つの隣接する壁板に対して、それらの縁の全長に沿って連続的に圧接し、有利なこととして、(例えば、いくつかの建築基準法によって要求されるように)16インチ毎に離れるように配設される締結具を用いて壁板パネルを固着することを教示する、先行技術配設方法と比較して、それらの構造的完全性および剪断力に対する抵抗を増加させる。実際、本実施形態は、いかなる締結具も、壁板パネルを通して通過することを要求せず、それによって、先行技術配設方法を用いて締結した後に可視となる、締結具頭部を被覆する必要性を排除する。さらに、壁板を通して通過する締結具を排除することによって、本実施形態は、有利なこととして、壁板パネルの強度および/または下層骨組部材へのその取付を損なわせ得る、不適切に配設された締結具等、先行技術方法を用いて一般的に生じる、いくつかのタイプの配設誤りを回避する。不適切に配設された締結具の実施例は、誤ったタイプの締結具、それらが壁板パネルに対向する外側壁紙を通り越して貫通する壁板パネルの中にある限度まで駆動される締結具、壁板パネルの縁に沿って所定の距離(例えば、16インチ毎)に配設されない締結具、壁板パネルの縁に過剰に近づいて通過する締結具、および短すぎるため下層骨組部材を十分に貫通することができない締結具を含む。
【0006】
本実施形態はまた、2つの隣接する壁板パネル間の間隙、継合部、または継目を視認可能なほどに被覆し、有利なこととして、継合テープを適用することなく、「処理済継合部」を生成する一方、継合合成物の繰り返される適用、およびそれに続く、各継合合成物適用部の砥粒研磨という時間のかかるステップを回避する。継合テープ、および随意に、継合合成物を完全に除去することにより、本実施形態はさらに、不適正および/または不適切に適用された継合テープおよび/または継合合成物を回避することによって、構造的完全性を改良する。
【0007】
配設誤りの上記実施例は、往々にして、人為的誤り、作業の短縮、および/または壁板配設者(例えば、請負業者、労働者)の不適切な訓練の結果である。したがって、本実施形態は、配設を簡素化することによって、配設を加速し、それによって、誤りの数および壁板配設者に対して必要とされる技能および訓練の量を低減させる。本実施形態はまた、有利なこととして、配設誤りが生じるとき、交換されなければならない材料(すなわち、壁板、継合テープ、継合合成物)を最小限にすることによって、無駄および費用を低減させる。
【0008】
壁板パネルの並列適用において、本実施形態は、有利なこととして、建物内の火災の延焼を食い止め、限定することに役立てることよって、先行技術壁板配設方法と比較して、火災の安全性を改良し得る。より具体的には、壁板締結デバイスは、2つの隣接する壁板パネルによって形成される継合部を、継合部および骨組部材の全長に沿って、下層骨組部材に対して完全にシールし、それによって、空気が、壁板の前面における部屋から、壁板の後方の領域まで流動し得ないように、継合部を通した空気流を完全に遮断することができ、その逆の場合も同じである。壁板パネルにおいて一般的に使用される難燃性材料と併せて、本実施形態は、火災の酸素燃料による拡大を限定し、火災が、部屋間で延焼しないように防止する(または、少なくとも火災の拡大および延焼を遅らせ、それによって、人々が、建物から避難するための貴重な時間を稼ぐ、および/または結果として生じる火災のサイズおよび/または強度を低減させることによって消防士を保護する)。
【0009】
当技術分野において、レベル5仕上げ(すなわち、高級住宅建築において多くの場合使用される、最も高い労力および技能を要求する仕上げのレベル)と称されるものを達成するために、壁板配設者は、配設される壁板パネルおよび壁板パネルを固着する壁板締結デバイスの暴露された部分を覆って、「上塗」を塗布してもよい。上塗は、継合合成物、石膏、または任意の他の承認された上塗仕上げ材料を使用して塗布されてもよい。上塗は、配設される壁板締結デバイスの縁と対応する配設される壁板パネルの可視側との間に形成される、継目を覆って直接塗布されてもよい。上塗は、したがって、任意の継合テープおよび/または先に塗布される継合合成物に対する必要性を伴わずに、継目を隠蔽し、先行技術壁板配設法を用いて、数日かかるものを、1日で達成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ある実施形態における、縁継合構成において壁板を骨組部材に固着する、壁板締結デバイスの断面図である。
【0011】
図2図2は、第1および第2の壁板を壁間柱に固着する、図1の壁板締結デバイスを図示する。
【0012】
図3図3は、ある実施形態における、第2の壁板が図1の壁板締結デバイスを使用して配設され得る方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
図1は、締結具が壁板を通して通過することなく、縁継合構成において壁板を骨組部材に固着する、壁板締結デバイス100の断面図である。図2は、縁継合構成において、第1の壁板210(1)および第2の壁板210(2)を壁間柱206に固着する、図1の壁板締結デバイス100を図示する。図1および2は、以下の説明を伴って、ともに最適に視認される。
【0014】
壁板締結デバイス100は、縦方向の縁に沿って(すなわち、zに沿って、右手座標系102参照)継合される、第1の平面骨組パネル116と、第2の平面骨組パネル118とを含み、壁間柱206の角の周囲に嵌合する、両面フレーム104を形成する。本明細書では、2つの構成要素は、それらが、任意の介入する構成要素(例えば、別の平面パネル)を伴わずに、相互に直接接続するとき、「継合される」と説明される。第1の骨組パネル116は、フレームの継目122において、第2の骨組パネル118に垂直に継合され、それらの間にフレーム角度137を形成する。図2では、フレーム角度137が、直角(すなわち、90°に等しい)として示されている。しかしながら、フレーム角度137は、両面フレーム104が、壁間柱206の角の周囲に嵌合することを前提として、直角である必要はない。
【0015】
図2に示されるように、第2の骨組パネル118は、壁間柱206の対応する幅に合致する、xに沿った幅を有する。しかしながら、第2の骨組パネル118は、代替として、本明細書の範囲から逸脱することなく、壁間柱206の幅よりも広いまたは狭い幅を有してもよい。また、図2に示されるように、y方向における第1の骨組パネル116の幅は、壁間柱206の奥行よりも狭い。しかしながら、第1の骨組パネル116は、代替として、本明細書の範囲から逸脱することなく、壁間柱206の奥行よりも広いまたは狭い幅を有してもよい。第1の骨組パネル116および第2の骨組パネル118のそれぞれは、孔のない中実かつ一様な平面パネルであってもよい。代替として、第1の骨組パネル116は、それを通して1つ以上の対応する締結具204が、壁板締結デバイス100を壁間柱206に固着するために挿入され得る、1つ以上の締結具孔124を形成してもよい。
【0016】
壁板締結デバイス100はまた、配設の間、第2の壁板210(2)を誘導する、ガイドフランジ120も含む(図3参照)。ガイドフランジ120は、孔のない中実かつ一様な平面パネルであってもよい。ガイドフランジ120の縦方向の縁は、フレームの継目122に継合され、したがって、ガイドフランジ120は、第1の骨組パネル116に対してガイド角度136を形成する。図1および2では、ガイド角度136は、85°として示されている。しかしながら、ガイド角度136は、本明細書の範囲を逸脱することなく、異なる値を有してもよい。具体的には、ガイド角度136は、直角(すなわち、90°に等しい)、鋭角(すなわち、90°未満)、または鈍角(すなわち、90°よりも大きい)であってもよい。
【0017】
壁板締結デバイス100はまた、前部継目128において縦方向の縁に沿って継合される、第1および第2の平坦ばねフランジ112(1)、112(2)も含む。平面チャネル分割パネル114が、前部継目128および第2の骨組パネル118に対して縦方向に継合され、第1および第2のチャネル110(1)、110(2)を形成する。図1および2では、チャネル分割パネル114は、yに沿って第2の骨組パネル118の中間に位置する、第2の骨組パネル118の正中線130に直接接続する。しかしながら、チャネル分割パネル114は、別の場所(すなわち、異なるy座標)において、第2の骨組パネル118に直接接続してもよい。図1および2に示されるように、チャネル分割パネル114は、第2の骨組パネル118と垂直に交差し、第2の骨組パネル118と2つの90°の角度を形成する。しかしながら、チャネル分割パネル114は、代替として、第2の骨組パネル118と交差し、90°ではない2つの相補的な角度を形成してもよい。
【0018】
また、図1および2に示されるように、x方向における第1の平坦ばねフランジ112(1)の幅は、第2の骨組パネル118の幅の2分の1よりも狭い。同様に、x方向における第2の平坦ばねフランジ112(2)の幅は、第2の骨組パネル118の幅の2分の1よりも狭い。しかしながら、平坦ばねフランジ112(1)および112(2)の一方または両方は、本明細書の範囲から逸脱することなく、示されるものとは異なる(例えば、第2の骨組パネル118の幅の2分の1よりも広い)幅を有してもよい。
【0019】
平坦ばねフランジ112(1)および112(2)ならびにチャネル分割パネル114は、縦方向の縁に沿って継合され、したがって、チャネル分割パネル114は、各平坦ばねフランジ112を用いて、90°未満である公称角度132を形成する。例えば、公称角度132は、85°または88°であってもよい。したがって、平坦ばねフランジ112(1)および112(2)は、壁板210(1)および210(2)が、不在である(すなわち、チャネル110(1)および110(2)の中に挿入されていない)とき、第2の骨組パネル118に対して平行ではない。さらに、y方向におけるチャネル110(1)および110(2)のそれぞれの幅は、チャネル分割パネル114近傍で最大であり、チャネル分割パネル114からの距離が増加するにつれて減少する。yに沿ったチャネル分割パネル114の幅は、(すなわち、図2に示されるように、y方向において)壁板210(1)および210(2)の厚さに合致するように選択されてもよい。図2は、壁板210(1)および210(2)をテーパ状ではないものとして示しているが、壁板210(1)および210(2)の一方または両方が、代替として、テーパ状であってもよい。
【0020】
第1の平坦ばねフランジ112(1)は、公称角度132を増加させるために屈曲され、それによって、第1のチャネル110(1)を開放し、その中への第1の壁板210(1)の挿入を促進し得る。挿入後、第1の平坦ばねフランジ112(1)は、解放され得(すなわち、もはや外力によって能動的に屈曲されず)、本場合では、第1の平坦ばねフランジ112(1)は、第1の壁板210(1)に対して静置されることになり、第1の壁板210(1)を第2の骨組118パネルに対して押動および固着するために十分な大きさの第1の力212(1)を付与する。図2に示されるように、第1の平坦ばねフランジ112(1)は、静置されることになり、約90°の静置角度132’を形成する。第2の平坦ばねフランジ112(2)は、第1の平坦ばねフランジ112(1)と同様に挙動する。静置時、平坦ばねフランジ112(1)および112(2)は、相互に対して同一平面上にあり、第2の骨組パネル118に対して平行であり、それによって、壁板210(1)および210(2)が、相互に同一平面上にあることを確実にする。
【0021】
図2は、対応する平坦ばねフランジ112の(y方向における)中点において印加される各力212を示しているが、これは、力212が、平坦ばねフランジ112が対応する壁板210に物理的に接触するx方向に沿って分散されることを理解されたい。さらに、力212もまた、壁板締結デバイス100の(z方向における)長さに沿って分散される。したがって、各力212は、対応する壁板210の面積にわたって分散され、対応する壁板210上に付与される圧力を結果としてもたらす。同様に、各壁板210は、その対応する力212に起因して、第2の骨組パネル118をある面積にわたって押動し、それによって、第2の骨組パネル118上に圧力を付与する。
【0022】
各平坦ばねフランジ112は、あるばね定数を伴うばねと見なされ得、各力212は、ばね復元力である。ばね定数、したがって、ばね復元力212の大きさは、平坦ばねフランジ112の幾何学形状(例えば、厚さおよび幅)、公称角度132、および壁板締結デバイス100を形成する材料の性質(例えば、ヤング係数)によって判定される。小角近似において、かつ平坦ばねフランジ112がそれらの弾性限界を超えて屈曲されないと仮定すると、ばね復元力212の大きさは、公称角度からのある角度偏差を伴って直線的にスケーリングされる。材料は、PVCプラスチック等のプラスチック、ビニル、またはそれを用いて壁板締結デバイス100が押出成型を介して製造され得る別の材料であってもよい。したがって、所与の材料に関して、ばね復元力212は、平坦ばねフランジ112(1)および112(2)の適切な厚さならびに適切な公称角度132を選定することによって選択され得る。
【0023】
平坦ばねフランジ112(1)および112(2)の厚さの選択は、ばね復元力212(1)および212(2)の大きさと平坦ばねフランジ112(1)および112(2)の外方向対向表面214が壁板210(1)および210(2)に対して突出するy方向における距離との間のトレードオフを導入する。平坦ばねフランジ112(1)および112(2)が、壁板210(1)および210(2)から離れるようにより突出するほど、各平坦ばねフランジ112の遠位縦方向の縁において生じるy方向における「段」のサイズは、より大きくなる。ここで、各平坦ばねフランジ112の遠位縦方向の縁は、前部継目128を形成する縦方向の縁に対向して位置する、縦方向の縁である。各平坦ばねフランジ112の遠位縦方向の縁は、各平坦ばねフランジ112の外方向対向表面214と対応する壁板210との間に、より緩やかな遷移を提供するためにテーパ状であってもよい。
【0024】
図1において、第1の骨組パネル116は、その幅に対して垂直な方向に沿った厚さ134を有する。図1には示されないが、第2の骨組パネル118、チャネル分割パネル114、ガイドフランジ120、ならびに平坦ばねフランジ112(1)および112(2)のそれぞれは、対応する厚さを有する。一実施形態では、第1の骨組パネル116、第2の骨組パネル118、チャネル分割パネル114、ガイドフランジ120、ならびに平坦ばねフランジ112(1)および112(2)のそれぞれは、同様の厚さ(例えば、1mm)を有する。しかしながら、第1の骨組パネル116、第2の骨組パネル118、チャネル分割パネル114、ガイドフランジ120、ならびに平坦ばねフランジ112(1)および112(2)は、代替として、本明細書の範囲を逸脱することなく、異なる厚さを有してもよい。
【0025】
一実施形態では、公称角度132は、87.5°であり、第1の骨組パネル116は、30mmの幅を有し、第2の骨組パネル118は、42mmの幅を有し、平坦ばねフランジ112(1)および112(2)のそれぞれは、15.5mmの幅を有し(したがって、ともに、それらは、図2において、約31mmの幅に跨がり)、ガイドフランジ120は、25mmの幅を有する。さらに、チャネル分割パネル114は、14.5mmの幅を有し、したがって、各チャネル110の幅もまた、14.5mmであり、標準的な1/2インチ乾式壁シートの12.7mm幅よりもわずかに広い。壁板締結デバイス100は、PVC、ビニル、または押出成型され得る別の材料から作製されてもよい。押出成型されるとき、第1の骨組パネル116、第2の骨組パネル118、平坦ばねフランジ112(1)および112(2)、ガイドフランジ120、ならびにチャネル分割パネル114は、単一の一体型製造として、壁板締結デバイス100を形成し得る。
【0026】
第1の骨組パネル116が、複数の締結具孔124を形成するとき、これらの締結具孔124は、縦方向に離間されてもよい。zに沿った壁板締結デバイス100の長さは、壁板210(1)および210(2)の対応する長さと合致するように選択されてもよい。各平坦ばねフランジ112は、孔のない中実かつ一様な平面パネルであってもよい。図1および2に示されるように、外方向対向表面214は、テクスチャ加工または処理され、継合合成物の塗装および/または上塗を受け得る。代替として、外方向対向表面214は、平滑であってもよい。
【0027】
図3は、第2の壁板210(2)が、図1および2の壁板締結デバイス100を使用して配設され得る方法を図示する。図3では、第1の壁板210(1)は、すでに壁板締結デバイス100の第1のチャネル110(1)の中に挿入されており、壁板締結デバイス100は、1つ以上の締結具204を用いて、間柱206に添着される。力302が、第2の平坦ばねフランジ112(2)に印加され、第2のチャネル110(2)を開放し得る一方、矢印304によって示されるように、第2の壁板210(2)は、開放されたチャネル110(2)の中に押動される。第2の壁板210(2)の角が、ガイドフランジ120の外方向対向表面と接触する様子に留意されたい。したがって、第2の壁板210(2)が、押動されるにつれて、これは、ガイドフランジ120に沿って、開放されたチャネル110(2)の中に摺動するであろう。第2の壁板210(2)は、第1の壁板210(1)の平面に対するある配設角度312において保持される。配設角度312は、25~30度であってもよい。しかしながら、配設角度312は、本明細書の範囲から逸脱することなく、別の値を有してもよい。
【0028】
壁板締結デバイス100は、第1の壁板210(1)を通して通過する締結具204を伴わずに、第1の壁板210(1)を間柱206に固着し得るが、第1の壁板210(1)を通して(すなわち、y方向において)通過することによって、第1の壁板210(1)を間柱206に直接固着する、付加的な締結具204を使用することも、有益であり得る。同様の論拠が、第2の壁板210(2)に対しても成り立つ。
【0029】
他の実施形態では、図1-3の壁板締結デバイス100は、制御継合を実装する、1つ以上の可撓性Vばねを含む。そのようなVばねの実施例は、例えば、国際公開番号第WO2020/168301号の図9において見出され得る。他の実施形態では、図1-3の壁板締結デバイス100は、二重間柱を伴う縁継合を実装するようにサイズ指定される。二重間柱搭載の実施例は、国際公開番号第WO2020/168301号の図11および12において見出され得る。
【0030】
(特徴の組み合わせ)
上記に説明される特徴ならびに下記に請求されるものは、本明細書の範囲から逸脱することなく、種々の方法において組み合わせられてもよい。以下の実施例は、いくつかの可能性として考えられる、非限定的な組み合わせを例証する。
【0031】
(A1)
第1および第2の壁板を骨組部材に固着するための壁板締結デバイスは、骨組部材の周囲に嵌合するようにサイズ指定される両面フレームを形成するために、フレームの継目において縦方向の縁に沿って継合される、第1および第2の骨組パネルを含む。壁板締結デバイスはまた、前部継目を形成するために、縦方向の縁に沿って継合される、第1および第2の平坦ばねフランジも含む。壁板締結デバイスはまた、それぞれ、第1および第2の壁板を受容する、第1および第2のチャネルを形成するために、前部継目および第2の骨組パネルに対して縦方向に継合される、チャネル分割パネルも含む。壁板締結デバイスはまた、フレームの継目に対して縦方向に継合される、ガイドフランジも含む。第1および第2の平坦ばねフランジは、屈曲され、第1および第2の壁板が、第1および第2のチャネルの中に挿入されるとき、第1および第2の壁板を第2の骨組パネルに対して押動する、個別の第1および第2の壁板上に、第1および第2の復元力を付与するように構成される。
【0032】
(A2)
(A1)に記載の壁板締結デバイスにおいて、ガイドフランジは、平面パネルである。
【0033】
(A3)
(A1)および(A2)に記載の壁板締結デバイスのいずれかにおいて、ガイドフランジは、第1の骨組パネルと鋭角を形成する。
【0034】
(A4)
(A3)に記載の壁板締結デバイスにおいて、鋭角は、80°またはそれを上回る。
【0035】
(A5)
(A1)-(A4)に記載の壁板締結デバイスのいずれにおいても、第1の骨組パネル、第2の骨組パネル、ガイドフランジ、チャネル分割パネル、第1の平坦ばねフランジ、および第2の平坦ばねフランジは、同様の厚さを有する。
【0036】
(A6)
(A1)-(A5)に記載の壁板締結デバイスのいずれにおいても、第1の骨組パネルは、第1の骨組パネルに沿って縦方向に離間される、複数の締結具孔を形成する。
【0037】
(A7)
(A1)-(A6)に記載の壁板締結デバイスのいずれにおいても、チャネル分割パネルは、第2の骨組パネルに対して垂直である。第1の平坦ばねフランジは、第1の壁板が、第1のチャネルに存在しないとき、90°未満である、チャネル分割パネルとの第1の角度を形成する。第2の平坦ばねフランジは、第2の壁板が、第2のチャネルに存在しないとき、90°未満である、チャネル分割パネルとの第2の角度を形成する。
【0038】
(A8)
(A6)に記載の壁板締結デバイスにおいて、第1および第2の角度のそれぞれは、85°~88°である。
【0039】
(A9)
(A7)および(A8)に記載の壁板締結デバイスのいずれかにおいて、第1の平坦ばねフランジは、第1の壁板が、第1のチャネルの中に挿入されるとき、チャネル分割パネルと90度の角度を形成する。第2の平坦ばねフランジは、第2の壁板が、第2のチャネルの中に挿入されるとき、チャネル分割パネルと90度の角度を形成する。第1および第2の壁板は、個別の第1および第2のチャネルの中に挿入されるとき、同一平面上にある。
【0040】
(A10)
(A1)-(A9)に記載の壁板締結デバイスのいずれにおいても、チャネル分割パネルは、第2の骨組パネルの正中線に対して縦方向に継合される。
【0041】
(A11)
(A10)に記載の壁板締結デバイスにおいて、第1および第2の平坦ばねフランジのそれぞれの幅は、第2の骨組パネルの幅の2分の1未満である。
【0042】
(A12)
(A1)-(A11)に記載の壁板締結デバイスのいずれにおいても、壁板締結デバイスは、プラスチックから形成される。
【0043】
(A13)
(A1)-(A12)に記載の壁板締結デバイスのいずれにおいても、第1および第2の平坦ばねフランジの一方または両方の外方向対向表面は、テクスチャ加工される。
【0044】
(A14)
(A1)-(A13)に記載の壁板締結デバイスのいずれにおいても、第1および第2の平坦ばねフランジの一方または両方の外方向対向表面は、平滑である。
【0045】
変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の方法およびシステムにおいて行われてもよい。したがって、上記の説明内に含有される、または付随の図面において示される事柄は、限定的な意味ではなく、例証的なものとして解釈されるべきであることに留意されたい。以下の請求項は、本明細書に説明される全ての汎用的かつ具体的な特徴、ならびに言語の問題としてそれらの間に該当すると考えられ得る、本方法およびシステムの範囲の全ての表記を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】