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▶ シェンツェン ジュフェイ オプトエレクトロニクス カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】回路基板及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240423BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20240423BHJP
   H05K 3/34 20060101ALN20240423BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K1/14 A
H05K3/34 505B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571840
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2022094166
(87)【国際公開番号】W WO2022242754
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202121096883.2
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521083670
【氏名又は名称】シェンツェン ジュフェイ オプトエレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN JUFEI OPTOELECTRONICS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 4, Eling Industrial Zone, Pinghu Street, Longgang District Shenzhen, Guangdong 518111, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黎 明権
(72)【発明者】
【氏名】許 文欽
(72)【発明者】
【氏名】孫 平如
【テーマコード(参考)】
5E319
5E338
5E344
【Fターム(参考)】
5E319BB05
5E319CD29
5E319GG20
5E338AA01
5E338AA02
5E338BB19
5E338BB63
5E338EE60
5E344AA01
5E344BB02
5E344BB06
5E344CC05
5E344CC09
5E344DD08
5E344EE30
(57)【要約】
本願は、回路基板及び電子機器に関する。基板上の金属層は、第1スリットにより、行方向及び列方向に交互に分布し、且つ互いに絶縁された少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割され、第1領域の各行方向の第2スリットは、第1領域における少なくとも一部の金属シートから列方向に延在する第1延在部によって分断され、第2領域の列方向の第2スリットは、第2領域における少なくとも一部の金属シートから行方向に延在する第2延在部によって分断されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基板と、前記基板の表面及び/又は裏面に配置された金属層とを備える回路基板であって、前記金属層は、第1スリットによって分割形成された少なくとも2つの第1領域及び少なくとも2つの第2領域を含む領域アレイを有し、前記第1領域及び前記第2領域は、前記領域アレイの行方向及び列方向の両方にいずれも交互に分布し、互いに絶縁され、
前記第1領域及び前記第2領域の各々には、それぞれ第2スリットによって分割形成された少なくとも2つの互いに絶縁された金属シートを有し、各前記第1領域及び前記第2領域における隣接する2つの前記金属シートに対応するように1つの電子部品と接続するためのパッドが設けられ、前記第1領域及び前記第2領域の各々の前記パッドは、前記基板上に複数の行及び列のアレイで配列されてパッド・アレイを形成し、
各前記第1領域における少なくとも一部の前記金属シートは、前記パッド・アレイの列方向に延在する第1延在部を有し、各前記第1領域における前記パッド・アレイの各行方向において、前記第2スリットが前記第1延在部によって分断され、各前記第2領域における少なくとも一部の前記金属シートは、前記パッド・アレイの行方向に延在する第2延在部を有し、各前記第2領域における前記パッド・アレイの各列方向において、前記第2スリットが前記第2延在部によって分断されている、ことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記第1スリット及び/又は前記第2スリットの延在方向は、前記パッド・アレイの行方向及び列方向と同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1スリットの幅は、前記第2スリットの幅よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1領域及び前記第2領域における前記パッドの数は等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第1スリット及び/又は前記第2スリットは、蛇行して延びている、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1スリット及び前記第2スリットには、ソルダーレジスト層が充填され、前記ソソルダーレジスト層の前記基板に垂直な方向の高さは、前記金属シートの高さよりも低い、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記基板の表面と裏面の両方には、いずれも前記金属層が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項8】
前記基板には、その表面と裏面を貫通するビアがさらに設けられ、前記表面と前記裏面での前記金属層を電気的に接続する、ことを特徴とする請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
前記回路基板は、前記基板が積層されて配置される少なくとも2つの基板を含み、前記基板の各々には、いずれも前記金属層が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項10】
前記回路基板は、2つの前記基板と、2つの前記基板を互いに接着する接着層とを含み、2つの前記基板の前記接着層から離れた側には、いずれも前記金属層が設けられている、ことを特徴とする請求項9に記載の回路基板。
【請求項11】
前記回路基板は、2つの前記基板及び前記接着層を貫通するビアをさらに含み、2つの前記基板上の前記金属層は、前記ビアを介して電気的に接続される、ことを特徴とする請求項10に記載の回路基板。
【請求項12】
隣接する前記第1領域と前記第2領域との間に支持領域を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第1領域及び前記第2領域における前記第2スリットは、前記パッド・アレイの行方向又は列方向に延在する幹スリットと、隣接する前記金属シートの間の前記パッドを分離し、前記幹スリットに接続される枝スリットとを含み、1つの前記幹スリットは、複数の前記枝スリットにそれぞれ接続され、前記第1領域の前記幹スリットは、前記第2領域の前記幹スリットの延在方向に垂直である、ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項14】
請求項1に記載の回路基板と、前記回路基板に設けられ、対応する前記パッドにはんだ付けされた電子部品とを含む、ことを特徴とする電子機器。
【請求項15】
前記電子部品は、LEDチップを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、チップ実装技術の分野に関し、特に、回路基板及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
SMT(Surface Mounted Technology、表面実装技術)は、電子実装業界において最も普及している技術及び工程であり、無リード又はショートリードの表面実装部品(SMC(Surface Mounted Components、表面実装素子)/SMD(Surface Mounted Devices、表面実装部品)と略称する)をPCB(Printed Circuit Board、プリント基板)の表面又は他の基板の表面に実装し、リフローはんだ付け又はディップはんだ付け等の方法ではんだ付けして実装する回路実装接続技術である。電子機器の小型化が進むにつれて、電子機器の製造にSMTが広く用いられるようになった。
【0003】
スチールメッシュは、プリント回路基板上の対応するパッドの位置に正確な量の錫ペーストを転写する目的で、錫ペーストの堆積を補助する主な機能を有する表面実装技術の専用モールドである。従来のプリント基板の構造に対して、通常、その基板の金属層にスリットを設けて、金属層を互いに絶縁された複数の金属シートに分割して相応な配線を形成し、配線上の対応する位置にパッド及び配線を覆うソルダーレジスト層(ソルダーレジスト層にパッドが露出している)を設ける。具体的には、図1に示すように、横方向に延在するスリットC1と、縦方向に延在するスリットC2とを有するプリント基板である。ここで、縦方向に延在するスリットC2が複数の金属シートを縦方向に連続して跨ぎ、縦方向に長いスリットを形成し、プリント回路基板にはんだを印刷する工程において、はんだをスチールメッシュに塗布した後、スチールメッシュ上でナイフを移動させる過程で、縦方向におけるスリットC2を通過する時に、スチールメッシュは、強い支持力がないため、変形して沈み、基板表面に密着し、スチールメッシュの凹みが大きすぎる場合、スチールメッシュの損傷を招きやすく、はんだ付け工程において、スチールメッシュが損傷すると、はんだ塗布の精度が確保できなくなる。
【発明の概要】
【0004】
前記従来技術の不都合に鑑み、本願の目的は、回路基板に錫ペーストを印刷する際のスチールメッシュの凹みを小さくして、スチールメッシュの使用寿命を延ばすことができる回路基板及び電子機器を提供することである。
【0005】
本願は、出願の目的を達成するために、以下の技術的手段を提供する。
【0006】
本願は、少なくとも1つの基板と、前記基板の表面及び/又は裏面に配置された金属層とを備える回路基板であって、前記金属層は、第1スリットによって分割形成された少なくとも2つの第1領域及び少なくとも2つの第2領域を含む領域アレイを有し、前記第1領域及び前記第2領域は、前記領域アレイの行方向及び列方向の両方にいずれも交互に分布し、互いに絶縁され、
前記第1領域及び前記第2領域の各々には、それぞれ第2スリットによって分割形成された少なくとも2つの互いに絶縁された金属シートを有し、各前記第1領域及び前記第2領域における隣接する2つの前記金属シートに対応するように1つの電子部品と接続するためのパッドが設けられ、前記第1領域及び前記第2領域の各々の前記パッドは、前記基板上に複数の行及び列のアレイで配列されてパッド・アレイを形成し、
各前記第1領域における少なくとも一部の前記金属シートは、前記パッド・アレイの列方向に延在する第1延在部を有し、各前記第1領域における前記パッド・アレイの各行方向において、前記第2スリットが前記第1延在部によって分断され、各前記第2領域における少なくとも一部の前記金属シートは、前記パッド・アレイの行方向に延在する第2延在部を有し、各前記第2領域における前記パッド・アレイの各列方向において、前記第2スリットが前記第2延在部によって分断されている、回路基板を提供する。
【0007】
同一の発明概念に基づき、本願は、上述したような回路基板と、前記回路基板に設けられ、対応する前記パッドにはんだ付けされた電子部品とを含む、電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本願により提供される回路基板は、各前記第1領域における少なくとも一部の前記金属シートが、前記パッド・アレイの列方向に延在する第1延在部を有し、各前記第1領域における前記パッド・アレイの各行方向において、前記第2スリットが前記第1延在部によって分断され、各前記第2領域における少なくとも一部の前記金属シートが、前記パッド・アレイの行方向に延在する第2延在部を有し、各前記第2領域における前記パッド・アレイの各列方向において、前記第2スリットが前記第2延在部によって分断されている。
【0009】
基板上の金属層を、第1スリットにより、行方向及び列方向に交互に配置され、互いに絶縁された少なくとも2つの第1領域及び第2領域に分割して領域アレイを形成し、各第1領域及び第2領域における金属層を、第2スリットにより、互いに絶縁された少なくとも2つの金属シートに分割し、且つ隣接する2つの金属シートに1つの電子部品と接続するためのパッドを対応するように設けて、回路基板の配線を形成し、配線の形成が簡単且つ効率的であり、
また、各第1領域及び第2領域におけるパッドは、パッド・アレイを形成するために基板上に複数の行及び列のアレイで配置され、各第1領域における金属シートの少なくとも一部は、パッド・アレイの列方向に延在する第1延在部を有し、各第1領域における前記パッド・アレイの各行方向において、第2スリットは、各行方向において、スチールメッシュを支持する支持点を形成するように第1延在部によって分断され、各第2領域における金属シートの少なくとも一部は、パッド・アレイの行方向に延在する第2延在部を有し、各第2領域における前記パッド・アレイの各列方向において、第2スリットは、各列方向において、スチールメッシュを支持する支持点を形成するように第2延在部によって中断され、このようにして、パッド・アレイの各行方向及び各列方向の両方における十分な支持点が確保され、それによって、第2スリットの位置におけるスチールメッシュの変形の程度が、はんだ印刷中に、可能な限り低減され、例えば、第2スリットの位置におけるスチールメッシュの凹みの程度が可能な限り低減され、スチールメッシュの耐用年数が延長され、はんだコーティングの精度が向上し、スチールメッシュの損失及びコストが低減され、また、本願は、第2スリットの分布に精巧な改良を行うだけで、他の部品又は工程を追加する必要がなく、製作が簡単で、汎用性が良く、且つコストが低い。
【0010】
本願は、前記回路基板を用いた電子機器を提供する。当該回路基板上の第2スリットの分布は、はんだ印刷中の第2スリットの位置でのスチールメッシュの変形の程度を低減することができ、それにより、第2スリットの位置での過度の凹みの程度によるスチールメッシュの損傷を可能な限り回避し、さらにスチールメッシュを用いて印刷されたはんだの精度を保証し、回路基板及び電子機器の信頼性及び歩留まりを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願の実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下では、実施形態又は従来技術の説明に使用される図面を簡単に紹介するが、無論、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとっては、創造的労働を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を更に得ることができる。
図1】従来のプリント基板の構成図である。
図2】本願の実施例により提供される回路基板の表面の上面図1である。
図3】本願の実施例により提供される回路基板の概略断面図1である。
図4】本願の実施例により提供される回路基板の概略断面図2である。
図5】本願の実施例により提供される回路基板の概略断面図3である。
図6】本願の実施例により提供される回路基板の表面の上面図2である。
図7】本願の実施例により提供される回路基板の表面の上面図3である。
図8】本願の実施例により提供される回路基板に設けられたLEDチップの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願を容易に理解するために、関連図面を参照しながら本願についてより全面的に記述する。図面は本願の好適な実施形態を示している。しかし、本願は本明細書で記述される実施形態に限定されず、様々な形態で実現できる。逆に、これらの実施形態を提供する目的は、本願により開示された内容についてより全面的に理解するためである。
【0013】
別途で定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者が通常で理解するものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を記述するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。
【0014】
以下、本願の実施形態における図面を参照しながら、本願の実施形態における技術的解決手段を明瞭且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本願の一部の実施形態に過ぎず、全ての実施形態ではない。当業者が本願における実施形態に基づいて創造的な労働を行うことなく得た他の実施形態の全ても、本願の保護範囲に属する。
【0015】
本実施例により提供される回路基板の模式図は図2及び図3を参照し、図2は回路基板の表面の上面図であり、図3図2における隣接する2つの金属シート部分を含む概略断面図である。本実施例は、基板10と基板10に設けられた金属層20とを含む回路基板を提供し、図2及び図3は、基板の表面に金属層が設けられていることを示しているが、当然ながら、基板10の裏面に金属層20が設けられてもよく、又は基板10の表面及び裏面に共に金属層20が設けられてもよいことが理解されるべきであり、理解を容易にするために、以下では、基板10の表面に金属層20が設けられていることを例に説明する。本実施例における基板10は、絶縁性基板であり、基板10の材料は、回路基板の応用シーンに応じて決定されてもよい。例えば、基板10は、回路基板の折り曲げが必要な場合、エポキシ樹脂等の可撓性材料を選択してもよく、その放熱性が良く、薄型で、折り曲げ、折り畳み、巻回が可能であり、三次元空間内で任意に移動、伸縮が可能であるので、三次元空間の立体回路基板を形成することができる。基板10は、回路基板に一定の支持作用が要求される場合には、一定の機械的強度を有するようにセラミック基板等の剛性材料を選択して支持することができる。
【0016】
本実施例における金属層20は、銅箔又はアルミ箔等の導電性を有する導電層であってもよく、金属層20にはスリット21が設けられている。ここで、スリット21は、金属層20を少なくとも2つの第1領域221と少なくとも2つの第2領域222に分割する第1スリット211を含み、第1スリット211は、金属層20の表面と裏面を貫通している(すなわち、第1スリット211の底部は、基板10の表面であり、なお、図2において、第1スリットは具体的に示されておらず、図2において符号211で示されているのは第1スリットが設けられている位置の例である)。形成された少なくとも2つの第1領域221及び少なくとも2つの第2領域222は、金属層20の領域アレイを構成しており、図2に示すように、第1領域221及び第2領域222は、領域アレイの行方向(図2のX方向、以下、横方向ともいう)と列方向(図2のY方向、以下、縦方向ともいう)の両方において、いずれも交互に分布し、互いに絶縁されている。例えば図2では、領域アレイは、2*2のアレイであり、領域アレイの1行目には、第1領域221と第2領域222が順次設けられ、領域アレイの2行目には、第2領域222と第1領域221が順次設けられ、領域アレイの1列目には、第1領域221と第2領域222が順次設けられ、領域アレイの2列目には、第2領域222と第1領域221が順次設けられ、且つ隣接する第1領域221と第2領域222との間は、第1スリット21により分割されて互いに絶縁されている。理解すべきこととして、図2に示される領域アレイは、理解を容易にするための一例に過ぎず、実際の応用において、N*Mのアレイに設定されてもよく、ここで、N及びMは2以上であり、N及びMの値は等しくても等しくなくてもよい。
【0017】
図2に示すように、本実施例において、スリット21は、第1領域221及び第2領域222の各々において、金属層20を少なくとも2つの金属シート22に分断する第2スリット212をさらに含み、第2スリット212も金属層20の表面と裏面を貫通しており(すなわち、第2スリット212の底部は基板10の表面であり、図2の符号212は第2スリットの平面構造の一例を示している)、隣接する金属シート22同士を互いに絶縁している。各第1領域221及び第2領域222における隣接する2つの金属シート22が第2スリット212の両側に位置するように、それぞれに対応して1つのパッド23を設け、例えば、隣接する2つの金属シート22の縁部又は縁部に近い領域にそれぞれに対応して1つのパッド23を設けることができ、この対応する2つのパッド23は、それぞれ、正極パッドと負極パッドであってよく、同一の電子部品の正極リードと負極リードとを接続するために用いられる。図2に示すように、本実施例において、第1領域221及び第2領域222の各々のパッド23は、基板10において複数行列のパッド・アレイに組み合わせられる。図2に示す例では、第1領域221及び第2領域222の各々に形成されるパッド23のアレイは、12*8のアレイ、すなわち12行8列である。理解すべきこととして、図2に示すパッド・アレイも理解を容易にするための一例に過ぎず、実際の応用において、パッド・アレイはn*mのアレイに設定されてもよく、ここで、nとmは2以上であり、n及びmの値は等しくても等しくなくてもよい。
【0018】
図2に示すように、本実施例において、各第1領域221における金属シート22の少なくとも一部は、パッド・アレイの列方向に延在する第1延在部A1を有し、各第1領域221におけるパッド・アレイの各行方向において、第2スリット212は、各第1延在部A1によって分断され、それによって、各行方向において、当該第1延在部A1は、スチールメッシュを支持するための支持点を形成し、各第2領域222における金属シート22の少なくとも一部は、パッド・アレイの行方向に延在する第2延在部A2を有し、各第2領域222におけるパッド・アレイの各列方向において、第2スリット212は、各第2延在部A2によって分断され、それによって、各列方向において、当該第2延在部A2は、スチールメッシュを支持するための支持点を形成し、このようにして、パッド・アレイの各行方向及び各列方向の両方において、スチールメッシュの十分な支持点によるスチールメッシュの支持を保証し、それによって、第2スリット212の位置での印刷はんだの間のスチールメッシュの変形の程度が可能な限り低減され、スチールメッシュの使用寿命が延長され、はんだコーティングの精度が向上し、スチールメッシュの損失及びコストが低減され、図2に示す例では、第2スリット212の分布を巧みに調整するだけで、他の部品又は工程を追加する必要がなく、製作が簡単で、汎用性が良く、且つコストが低い。
【0019】
本実施例のいくつかの例では、第1スリット211及び第2スリット212の少なくとも一方は、金属層20をエッチングすることによって形成されてもよいが、これに限定されず、エッチング工程は、単純で成熟し、効率及び歩留まりが高い。
【0020】
本実施例のいくつかの例では、各第1領域221及び第2領域222における隣接する2つの金属シート22の縁に対応する位置にそれぞれ形成されたパッド23は、X方向に対称に配置されることによって、複数の行及び列に配列されることができる。しかし、理解すべきこととして、本実施例において、隣接する2つの金属シート22上に対応して配置されるパッド23は、対称的に配置されることに限定されず、必要に応じて非対称的な形態をとることもできる。本実施例では、各第1領域221及び第2領域222に含まれるパッド23の数は等しい。もちろん、理解すべきこととして、各第1領域221及び第2領域222に含まれるパッド23の数が異なるようにしてもよい。
【0021】
本実施例では、同一の列方向Yにおいて、第2領域222における第2スリット212が行方向上の第2延在部A2に沿って第2領域222の金属シート22によって分断されているため、同一の列方向Yにおける1本の第2スリット212の長さD2は、同一の列方向Yにおける第1領域221における1本の第2スリット212の長さD1よりも短くなっている(ここで、D1とD2は、図2に示すように、図2において、第1領域221における列方向に沿って延在する第2スリット212は、複数の金属シート22に跨っている)。第1領域221の第2スリット212の長さD1と第2領域222の第2スリット212の長さD2とが異なる構成(すなわち、各列方向において、第2領域222における第2スリット212は、第2領域222における金属シート22によって、行方向の第2延在部A2に沿って分断されており、第1領域221における第2スリット212が複数の金属シート22に跨っている)を同一の列方向Yに配置することにより、スチールメッシュを用いてはんだを印刷する際に、各第2延在部A2を支持点として、スチールメッシュの列方向の同一直線方向上の支持強度が増加する。同様に、同一の行方向Xにおいて、第1領域221における第2スリット212が列方向上の第1延在部A1に沿って第1領域221における金属シート22によって分断されているため、第2領域222における1本の第2スリット212の同一の行方向Xにおける長さD4よりも、同一の行方向Xにおける1本の第2スリット212の同一の行方向Xにおける長さD3の方が短い(ここで、D3とD4は、図2に示すように、図2において、第2領域222の行方向に延在する第2スリット212は、複数の金属シート22に跨っている)。第1領域221の第2スリット212の長さD3と第2領域222の第2スリット212の長さD4とが異なる構成(すなわち、各行方向において第1領域221における第2スリット212は、列方向の第1延在部A1に沿って第1領域221における金属シート22によって分断されているが、第2領域222における第2スリット212は複数の金属シート22に跨って形成されている)を同一の行方向Xに配置することにより、スチールメッシュを用いてはんだを印刷する際に、各第1延在部A1を支持点として、スチールメッシュの行方向の同一直線方向上の支持強度が増加することによって、行方向及び列方向の両方において、はんだを印刷する際のスチールメッシュの凹みを小さくして、スチールメッシュの使用寿命を延ばすことができる。
【0022】
理解できるように、他の実施例において、第1領域221の第2スリット212の長さD1は、第2領域222の第2スリット212の長さD2よりも短くてもよく、第1領域221の第2スリット212の長さD3は、第2領域222の第2スリット212の長さD4よりも長くてもよい。例えば、図2に対して、図2に示す第1領域221及び第2領域222を交互に配置する順番を入れ替えた図6に示す。
【0023】
理解できるように、本実施例における行方向と列方向は、図2に示す回路基板を回転させて図7を得た場合のように、図2の行が図7の列になり、図2の列が図7の行になるような相対的な2つの概念である。すなわち、他の実施例において、図2の列方向を図7の行方向に回転変換すると、図7において、同一の行方向Xにおける第1領域221の第2スリット212の長さD5(図2のD1に対応)は、第2領域222の第2スリット212の長さD6(図2のD2に対応)よりも長く、同一の列方向Yにおける第1領域221の第2スリット212の長さD7(図2のD3に対応)は、第2領域222の第2スリット212の長さD8(図2のD4に対応)よりも短い。
【0024】
本実施例では、図2及び図3を参照すると、同一の列方向Yにおいて、第2領域222における第2スリット212は、行方向に延在する第2延在部A2に沿って第2領域222における金属シート22によって分断されているため、第1領域221における列方向Yに延在する第2スリット212の数は、第2領域222における列方向Yに延在する第2スリット212の数よりも少ない。図2に示す例では、同一の列方向Y(左から右方向1列目を例にとる)において、第1領域221における第2スリット212(図2のK1で示す参照)の数は1であり、第2領域222における第2スリット212(図2のK2,K3,K4で示す参照)の数は3である。
【0025】
本実施例では、図2に示すように、第1領域221及び第2領域222における第2スリット212は、行方向X又は列方向Yに直線状に延在する複数の幹スリットと、隣接する金属シート22の間のパッド23を分離して幹スリットに接続する複数の枝スリットとを含み、1つの幹スリットは、少なくとも2つの枝スリットにそれぞれ接続されている。第1領域221における幹スリットは、第2領域222における幹スリットの延在方向と平行ではない。具体的には、図2に示すように、第1領域221は、列方向Yに延在する6本の幹スリットZ11、Z12、Z13、Z14、Z15、Z16を有し、各幹スリットの片側に、いずれも3本の枝スリットが接続され、例えば、Z16という幹スリットに接続された3本の枝スリットは、それぞれx11、x12、x13であり、各枝スリットの少なくとも一部は、幹スリットに垂直であり、第2領域222には、行方向Xに延在する4本の幹スリット、それぞれZ21、Z22、Z23、Z24があり、各幹スリットの片側に、いずれも3本の枝スリットが接続されており、例えば、Z24という幹スリットに接続された3本の枝スリットは、それぞれX21、X22、X23であり、各枝スリットは、幹スリットに平行な部分と幹スリットに垂直な部分を有し、幹スリットに平行な部分と幹スリットに垂直な部分の接続箇所に屈曲角が形成されている。図2から分かるように、第1領域221における幹スリットは、第2領域222における幹スリットの延在方向に対して垂直であり、第1領域221と第2領域222との間の幹スリットの延在方向により多くの支持点があり、回路基板上に錫ペーストを印刷する際のスチールメッシュの凹みの程度を小さくし、スチールメッシュの使用寿命を延ばすことができる。
【0026】
本実施例では、例えば、図2に示すように、隣接する第1領域221と第2領域222との間に支持領域24を有し、ナイフがスチールメッシュ上で移動する際に、隣接する第1領域221と第2領域222との間の領域を通過するときに、基板10を鉛直方向に下方へ向けた力がスチールメッシュに加えられると、支持領域24は、隣接する第1領域221と第2領域222との間の領域においてスチールメッシュが凹み変形する程度を小さくするように、スチールメッシュを支持することができ、スチールメッシュの損傷をより防止し、スチールメッシュの実用寿命をより延ばすことができる。
【0027】
本実施例では、第1スリット211は、単一の第1領域221に対して、第1領域221の縁に位置し、第2スリット212は、第1領域221の内部に位置し、第1スリット211と第2スリット212は、第1領域221を囲むように互いに接続されている。第1スリット211は、第1領域221を、第1領域221の外側の外部回路から隔離し、第2スリット212は、第1領域221における隣接する2つの金属シートを隔離する。第1スリット211は、単一の第2領域222に対して、第2領域222の縁に位置し、第2スリット212は、第2領域222の内部に位置し、第1スリット211と第2スリット212は、第2領域222を囲むように互いに接続されている。第1スリット211は、第2領域222を、第2領域222の外側の外部回路から隔離し、第2スリット212は、第2領域222における隣接する2つの金属シートを隔離する。
【0028】
本実施例では、第1領域221及び第2領域222内に位置する第2スリット212の幅は、その両側のパッド23にはんだ付けされる電子デバイスのピンの間隔及び金属シート22のサイズに応じて決定することができ、第1領域221及び第2領域222の縁に位置する第1スリット211の幅は、実際の需要(例えば、回路基板上の電圧、電流など)に応じて設定することができる。本実施例では、第1スリット211の幅は、第2スリット212の幅より小さく、第1領域221及び第2領域222の縁に第1スリット211を設けることにより、第1領域221及び第2領域222における配線を第1領域221及び第2領域222の外部回路から隔離することができ、第1領域221及び第2領域222の内部に第2スリット212を設けることにより、隣接する金属シートの間を隔離して所望の回路を形成することができるとともに、回路の需要に合わせて第1スリット211及び第2スリット212の向き及び幅等を合理的に設計し、それによって金属層20の支持作用を最大化してスチールメッシュの凹み程度を更に低減する目的を達成することができる。
【0029】
本実施例のいくつかの例では、図2に示す第1スリット211及び第2スリット212の少なくとも一方の延在方向は、パッド・アレイの行方向及び列方向と同一であり、図2に示すX方向及びY方向と同一であると理解されてもよい。図2に示す例では、第2スリット212は、蛇行して延びており、例えば第2スリット212は、行方向X及び列方向Yに蛇行して延びており、延在経路の角部において直角をなしている(もちろん、丸角部又は他の種類の角部に代えてもよい)。第2スリット212を行方向X及び列方向Yに蛇行させて、複数の金属シート22又は複数の金属シート22の組み合わせが矩形を構成するようにすることで、パッケージング時の電子部品のレイアウト設計が容易となる。
【0030】
理解できるように、他の実施例では、第2スリット212は、異なる形状又はサイズの電子部品に適用できるように、金属層20を円形、台形、菱形、三角形等の他の形状の金属シートに分割するために、他の方向に蛇行して延びてもよい。
【0031】
また例えば、図2に示す例では、第1スリット211も蛇行して延びており、第1スリット211は、行方向X及び列方向Yに蛇行して延びており、複数の金属シート22を矩形の第1領域221及び第2領域222に囲んでおり、これによってパッケージング時の電子部品のレイアウト設計が容易となる。理解できるように、他の実施例では、第1スリット211は、第2スリット212の延在経路に従って他の方向に延在して、第2スリット212とともに円形、台形、菱形、三角形等の任意の形状の第1領域221及び第2領域222を形成してもよい。
【0032】
本実施例の他の例では、図3を参照すると、スリット21(すなわち、第1スリット211及び第2スリット212)は、ソルダーレジスト層30で充填され、ソルダーレジスト層30の高さは、基板10に垂直な方向において金属シート22の高さよりも低い。ソルダーレジスト層30は、絶縁とソルダーレジストの役割を有し、例えば、本実施例では、ソルダーレジスト層30の材料は、ソルダーレジストインクであるが、他の実施例では、ソルダーレジスト層30は、ソルダーレジスト、ソルダーレジスト等からなるものであってもよい。また、回路基板実装工程において、電子部品をパッド23に固定するためのパッド23には錫めっきが必要であり、隣接するパッド23間の間隔が狭いので、スリット21内に異なる金属シート22を隔離するソルダーレジスト層30を充填することにより、隣接するパッド23間のはんだブリッジによる電子部品の間の相互影響を防止することができる。また、ソルダーレジスト層30は、リフローはんだ付け工程において、はんだのはみ出しを防止し、回路の短絡を防止する役割も有する。また、ソルダーレジスト層30を設けることで、第1スリット211及び第2スリット212の位置でスチールメッシュが凹んだ場合でも、最も凹んだ部分がソルダーレジスト層30にかかるだけであり、第1スリット211及び第2スリット212にソルダーレジスト層30を設けない構成に比べて、スチールメッシュの凹み程度をさらに小さくすることができ、スチールメッシュの使用寿命を延ばすことができる。
【0033】
本実施例のさらに他の例では、基板の表面及び裏面の両方には、いずれも金属層が設けられ、且つ表面及び裏面の両方に設けられた金属層が図2に示す金属層20である構成であってもよいし、いずれか一方のみが図2に示す金属層20である構成であってもよい。例えば、図4に示すように(図4も、2つの隣接する金属シート部分を含む概略断面図である)、基板10の表面は、第1表面11であり、基板10の裏面は、第2表面12であり、理解すべきこととして、基板10の表面と裏面とは相対的なものである。第1表面11には第1金属層201が設けられ、第2表面12には第2金属層202が設けられ、基板10の反対側の第1表面11及び第2表面12にはそれぞれ回路が設けられ、電子部品が実装され、第1金属層201及び第2金属層202の少なくとも一方の金属層の構成は、図2に示す金属層20と同様である。例えば、第1金属層201及び第2金属層202の金属層の構成を、図2に示す金属層20の構成と同様である場合、回路基板にはんだを印刷する際に、その表面と裏面の両方においてスチールメッシュの凹みを減少する目的を達成することができる。理解できるように、第1金属層201及び第2金属層202の少なくとも一方の金属層の構造が金属層20の構造と同様であるとは、具体的には、第1金属層201のみの構造が本願の実施例により提供される金属層20の構造と同様であること、又は、第2金属層202のみの構造が本願の実施例により提供される金属層20の構造と同様であること、第1金属層201及び第2金属層202の両方の構造が本願の実施例により提供される金属層20の構造と同様であることを含んでもよい。本例では、第1金属層201と第2金属層202との間は、回路接続がなくてもよく、必要に応じて回路接続が行われてもよい。例えば、図4の例を参照すると、基板10は、基板10の第1表面11と第2表面12を貫通するビア13を備え、第1金属層201と第2金属層202は、ビア13によって接続される(すなわち、基板10の表面と裏面の金属層は、ビア13によって電気的に接続される)。理解すべきこととして、ビア13を用いて第1金属層201と第2金属層202上の回路を連通させるには、種々の方式があり得、例えば、無電解メッキと再メッキによりビア13の両面の回路を導通させてもよく、ビア13に導線を貫通させ、導線によりビア13の両面の回路を連通させてもよく、ビア13内に導電物質を充填し、この導電物質が第1金属層201と第2金属層202に同時に接触することにより、導通作用を実現してもよい。ここで、導電性物質には、導電性ペースト、導電性インク、はんだ等が含まれる。基板10にビア13を開設して、第1金属層201と第2金属層202上の回路を連通することによって、回路構成の簡素化、配線の引き回しの回避、省スペース化等を図ることができる。
【0034】
本実施例の他の例では、回路基板は、各々が金属層を有する少なくとも2つの積層基板を含む。すなわち、本例では、回路基板は、少なくとも2つの基板と、基板上に設けられた金属層とを有する多層回路基板構造であってもよい。ここで、理解すべきこととして、本例では、各基板に設けられた金属層は、いずれも図2に示す金属層20の構成であってもよいし、一部の金属層が図2に示す金属層20の構成であってもよいし、一部が他の構成であってもよい。
【0035】
本例では、回路基板が少なくとも2つの基板を積層して備える場合、隣接する基板の間は、接着層によって接着されてもよいが、これに限定されず、接着手段は、簡単且つ信頼性がある。理解すべきこととして、本例では、各基板上の金属層の間は、直接的な電気的接続関係を有しなくてもよく、必要に応じてそのうちの少なくとも一部の基板の間の金属層を電気的に接続してもよく、電気的接続方法は、基板に対応するビアを設けるか、基板の表面又は基板の外に接続線を設けることによって電気的に接続してもよいが、これに限定されない。
【0036】
理解を容易にするために、本例では、図5図5に示すように、隣接する2つの金属シート部分を含む断面模式図)に示すような、2つの基板10、ここでは、それぞれ第1基板101及び第2基板102と呼び、第1基板101及び第2基板102が接着層40によって接着されている多層回路基板構造を参照して、理解しやすくするために説明する。第1基板101に第1金属層201とパッド23を設けられ、第1副回路基板を形成し、第2基板102に第2金属層202とパッド23を設けられ、第2副回路基板を形成し、第1金属層201と第2金属層202の少なくとも一方は、図2に示す金属層20の構造である。すなわち、図5に示す回路基板は、2枚の基板10と、2枚の基板10を貼り合わせる接着層40とを含み、2枚の基板10の接着層40から離れた側の面に、いずれも図2に示す金属層が設けられている。図5に示す回路基板は、少なくとも第1基板101、接着層4、第2基板102を貫通するビア13をさらに含み、ビア13は、第1金属層201と第2金属層202とを電気的に接続する。
【0037】
理解すべきこととして、電子機器の多機能化の要求が高い場合には配線層の層数も多く必要となるが、少なくとも2枚の基板10と少なくとも2層の金属層20とからなる回路基板構造を設けることにより、多層配線構造における異なる配線間の伝送信号の干渉を回避することができ、本願により提供される回路基板を多層回路基板に適用することにより、スチールメッシュ印刷工程における製造コストの低減に寄与することができる。また、理解できるように、他の例では、基板10及び金属層20の数は、他の数の組み合わせであってもよく、ここで限定されない。
【0038】
本願の実施例は、電子部品と、前記に示す回路基板とを備える電子機器を提供し、電子部品は、回路基板に設けられ、対応するパッドにはんだ付けされ、例えば、電子部品は、パッド23に直接はんだ付けされてもよい。本実施例における電子部品は、コンデンサ、抵抗及びLEDチップ等の少なくとも1つであり、正極リードと負極リードを有する電子部品であってもよく、パッド23にスチールメッシュを用いて錫ペーストを印刷した後、錫ペーストを用いてはんだ付け(導電性接着剤による固定に代えてもよい)することにより、正極リードと負極リードをパッド23に固定してもよい。本願の実施例により提供される回路基板を使用することによって、回路基板上の第2スリットの分布は、はんだ印刷中に第2スリットの位置でのスチールメッシュの変形の程度を減少させることができるので、第2スリットの位置での過度の凹み程度によるスチールメッシュの損傷を可能な限り回避し、さらにスチールメッシュを用いて印刷されたはんだの精度を保証し、回路基板及び電子機器の信頼性及び歩留まりを向上させ、電子機器の製造コストを削減することができる。
【0039】
本実施例により提供される回路基板は、表示パネルのバックライトとして電子機器の表示パネルに用いられる回路基板である。この応用シーンでは、回路基板上の各第1領域及び第2領域の各パッドにLEDチップをはんだ付けすることができ、各第1領域及び第2領域における全てのLEDチップが直列に接続される。1つの第1領域におけるLEDチップは、1つのLEDチップアレイに組み合わせられ、1つの第2領域におけるLEDチップも、1つのLEDチップアレイに組み合わせられ、各第1領域におけるLEDチップと各第2領域におけるLEDチップは、基板で1つの大きなLEDチップアレイに組み合わせられる。以下では、理解を容易にするために、図2に示す回路基板にLEDチップLをはんだ付けする場合を例に挙げて説明するが、図8に示すように、回路基板上の各第1領域221及び各第2領域222におけるパッド23にLEDチップLがはんだ付けされる。ここで、図8に示すように、第1領域221におけるLEDチップLからなるLEDチップアレイにおいて、右上角のパッドは、正極パッドH+、左下角のパッドは、負極パッドH-であり、当該第1領域221における各LEDチップLは、第1領域221における各金属シート22により直列回路を構成し、当該直列回路の電流の流れは、図8にI1で示す破線を参照されたい。第2領域222におけるLEDチップLからなるLEDチップアレイにおいて、右上角のパッドは、正極パッドH+、左下角のパッドは、負極パッド(図示せず)であり、当該第2領域222における各LEDチップLは、第2領域222における各金属シート22により直列回路を構成し、当該直列回路の電流の流れは、図8のI2に示す破線を参照されたい。
【0040】
図2に示す例では、回路基板上の横方向と縦方向の両方には、交互に配置された少なくとも2つの第1領域221と第2領域222が設けられ、表示パネルを少なくとも2つのサブ領域に分割することができる。したがって、同一の領域内(例えば、ある第1領域221又はある第2領域222内)にあるLEDチップを同時に制御することができ、且つ、同一の領域内にあるLEDチップを全体として、個別に制御することができ、すなわち、ある領域内にあるLEDチップの明暗を個別に制御して表示パネルのあるサブ領域の明暗を調整することができ、部分的な領域調光の効果を実現して、表示パネルの表示効果を向上させることができる。
【0041】
以上で開示したのは、本願の好ましい実施例に過ぎず、もちろん、これらによって本願の権利範囲が限定されるわけではなく、当業者は、上述した実施例の全部又は一部の流れを実現することができ、本願の権利範囲に対する均等な変更によって、本願の権利範囲に属することを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】