(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】電気器具
(51)【国際特許分類】
H01M 10/46 20060101AFI20240424BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240424BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240424BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
H01M10/46
H01M10/44 P
H02J7/00 301B
H05K5/03 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542486
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 IB2022053628
(87)【国際公開番号】W WO2022219620
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】32021029501.2
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523263164
【氏名又は名称】ジーピー エレクトロニクス(エイチケー) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,イウ チュン ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヤット ミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ユイ ホー
(72)【発明者】
【氏名】ズン,デ チン
【テーマコード(参考)】
4E360
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB22
4E360AB42
4E360BA04
4E360BA08
4E360BB04
4E360BB20
4E360BC05
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA18
4E360EC12
4E360EC13
4E360ED03
4E360ED12
4E360ED28
4E360FA02
4E360FA12
4E360GA46
4E360GA60
4E360GB46
4E360GB95
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA07
5H030DD20
(57)【要約】
第1のハウジング部及び第2のハウジング部と、第1の組の電池接点及び第2の組の電池接点とを備える電気器具であって、第2のハウジング部が第1の相対位置にあるとき、第2の組の電池接点が作動位置にあり、第2のハウジング部が第2の相対位置にあるとき、第2の組の電池接点が非作動位置にある、電気器具。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ハウジングと、前記主ハウジング内に収容された電子回路及び/又は電気回路と、を備える電気器具であって、
-前記主ハウジングは、第1のハウジング部(110)と第2のハウジング部(120)とを備え、前記第2のハウジング部は、前記第1のハウジング部に対して第1の相対位置と第2の相対位置との間で第1の方向に移動可能であり、
-前記第1のハウジング部の内部に収容され、かつ非作動位置と作動位置との間で前記主ハウジングに対して前記第1の方向に移動可能な可動部(134)と、
-前記可動部(134)を前記非作動位置から前記作動位置まで、前記第1の方向と平行な作動方向に移動させるように構成されたくさび機構と、
を備え、
前記第2のハウジング部(120)は、前記第2のハウジング部(120)が前記第2の相対位置から前記第1の相対位置に移動するとき、前記可動部(134)を前記非作動位置から前記作動位置に移動させるように前記くさび機構を動作させるように構成された駆動部(122A,122B)を備える、
器具。
【請求項2】
前記くさび機構は、前記第1のハウジング部及び前記第2のハウジング部に配置されたくさび構成要素を備え、前記第1のハウジング部の前記くさび構成要素及び前記第2のハウジング部の前記くさび構成要素は、前記第1のハウジング部に対する前記第2のハウジング部の前記作動方向に沿った移動が、前記作動方向への前記可動部(134)の移動を引き起こすように、協働するように構成される、
請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記くさび機構は、前記第1のハウジング部の内側にある第1のくさび留め部を備え、前記第1のくさび留め部は、前記第2のハウジング部が前記作動方向に移動するとき、前記作動方向に対してある角度で移動するように構成されたくさび留め部材(138A,138B)を備え、前記角度は、60°、65°、70°、75°、80°、85°、90°、または、前記の値のいずれかの選択によって組み合わされた1つまたは複数の範囲を含む60°~90°の間である、
請求項1または2に記載の器具。
【請求項4】
前記第1のくさび留め部は、第1のくさび留め部材(138A)及び第2のくさび留め部材(138B)を含む複数のくさび留め部材を備え、前記第1のくさび留め部材(138A)及び前記第2のくさび留め部材(138B)は、前記作動位置における前記第2のハウジング部の移動に応答して互いの方へ移動するように構成される、
請求項3に記載の器具。
【請求項5】
前記第1のくさび留め部材(138A)及び前記第2のくさび留め部材(138B)は、前記主ハウジングの長手方向中心軸の周りに鏡面対称に配置され、前記長手方向中心軸は前記作動方向に平行である、
請求項4に記載の器具。
【請求項6】
各くさび留め部材は、前記可動部(134)と当接するくさび留め面を備え、前記くさび留め面は、前記作動方向に対して鋭角の傾斜角を有する傾斜面であり、前記傾斜角は、30°、40°、45°、50°、60°、または前記値のいずれかの選択によって組み合わされた1つまたは複数の範囲を含む30°~60°である、
請求項4または5に記載の器具。
【請求項7】
前記くさび留め部材(138A,138B)の前記くさび留め面は、前記主ハウジングの長手方向中心軸の周りに鏡面対称に配置され、前記可動部(134)は、前記くさび留め部材(138A,138B)に挟まれた状態で係合する、
請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記くさび留め部材(138A,138B)の前記くさび留め面と前記可動部(134)の傾斜面とが摺動可能に当接し、前記くさび留め部材(138A,138B)のくさび留め面と前記可動部の傾斜面とが相補的な傾斜角を有し、前記傾斜角は前記作動方向に対するものである、
請求項6または7に記載の器具。
【請求項9】
前記可動部(134)は、前記作動方向に直交する横方向に延在する本体を備え、前記本体は、第1の側方側上の第1の傾斜面及び第2の側方側上の第2の傾斜面を含む複数の傾斜面を備え、前記可動部(134)の前記第1の傾斜面は、前記第1のくさび留め部材(138A)とくさび留め係合し、前記可動部(134)の前記第2の傾斜面は、前記第2のくさび留め部材(138B)とくさび留め係合する、
請求項4から8のいずれか1項に記載の器具。
【請求項10】
前記くさび機構は、前記第2のハウジング部上に第2のくさび留め部を備え、前記第2のくさび留め部は、第1の長手方向端部と第2の第1の長手方向端部との間で長手方向に延在するくさび留め部材を備え、前記長手方向は前記作動方向に平行であり、前記くさび留め部材は、くさび留め面を画定するために前記第2の長手方向端部から前記第1の長手方向端部に前記作動方向にテーパ状に延びる第1のフランク部を含むウイング部(122A,122B)を備え、前記くさび留め面は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15度、または前記値の組合せによって形成される1つまたは複数の範囲を含む15度以下のくさび留め角を有し、前記くさび留め角は前記作動方向に対するものである、
請求項1から9のいずれか1項に記載の器具。
【請求項11】
前記第1のフランク部は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15cm、または前記値の組合せによって形成された1つまたは複数の範囲を含む、3cm以上の長さを有する、
請求項10に記載の器具。
【請求項12】
前記ウイング部(122A,122B)は、第2のフランク部と、クレスト部と、を備え、前記クレスト部は、前記第2のフランク部、前記クレスト部、及び前記第1のフランク部が前記作動方向に順番に配置されるように前記第1のフランク部と前記第2のフランク部との中間にあり、前記第2のフランク部は、保持面を画定するために前記作動方向とは反対の作動停止方向に延びるテーパ状である、
請求項10又は11に記載の器具。
【請求項13】
前記ウイング部(122A,122B)は、そのくさび留め面が前記第1のハウジング部(110)の内側の対応するくさび留め構成要素とくさび留め係合するように、前記第1のハウジング部(110)内に突出する、
請求項10から12のいずれか1項に記載の器具。
【請求項14】
前記ウイング部(122A,122B)は、前記主ハウジングの長手方向中心軸に向かって内側に突出し、かつ前記くさび留め面を画定する可変幅を有し、前記幅は前記長手方向に直交する横方向に測定される、
請求項10から13のいずれか1項に記載の器具。
【請求項15】
前記第2のくさび留め部は、第1のウイング部(122A)及び第2のウイング部(122B)を備え、前記第1のウイング部(122A)及び前記第2のウイング部(122B)は、前記第1のハウジング部内へ内側に突出し、互いに向かって延びる、
請求項10から14のいずれか1項に記載の器具。
【請求項16】
前記第2のハウジング部は、上部部分と、第1の側方部分及び第2の側方部分を含む複数の側方部分と、を備え、前記上部部分は、長手方向中心軸によって規定される長手方向に沿って延びる中央部分であり、前記第1の側方部分は、前記上部部分の第1の側方部分から下方に延び、前記第2の側方部分は、前記上部部分の第2の側方部分から下方に延び、前記第1のウイング部(122A)は、前記第1の側方部分の下方端部近傍から前記第1のハウジング部(110)内へ内側に突出し、前記第2のウイング部(122B)は、前記第2の側方部分の下方端部近傍から前記第1のハウジング部(110)内へ内側に突出する、
請求項15に記載の器具。
【請求項17】
前記第1のハウジング部(110)は、前記第2のハウジング部(120)が前記作動方向に移動するために前記第1のハウジング部(110)に対して摺動する摺動軌道を規定する軌道部(112)を備え、前記第2のハウジング部(120)は、前記第2のくさび留め部と前記軌道部との協働によって前記第1のハウジング部(110)に取り付けられている、
請求項10から16のいずれか1項に記載の器具。
【請求項18】
前記第1のハウジング部は、電池区画及び回路区画を備え、前記可動部(134)は、前記回路区画の内側に収容され、前記くさび機構は、前記可動部(134)を前記電池区画に向けて移動させるように構成される、
請求項1から17のいずれか1項に記載の器具。
【請求項19】
前記回路は、前記電池区画と協働して電池レセプタクルを画定する第1の組の接点端子及び第2の組の端子を備え、前記電池レセプタクルは、電池を解放可能に収容して係合するように構成され、前記電池レセプタクル内の電池は、前記第2のハウジングが前記作動位置に移動すると、前記第1の及び第2の組の接点端子と圧縮接触するようになり、前記第2のハウジングが前記作動位置から前記非作動位置に移動すると、前記第1及び第2の組の接点端子と圧縮接触する電池は回収のために解放される、
請求項18に記載の器具。
【請求項20】
前記回路は、電池を充電するように構成される、
請求項1から19のいずれか1項に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気器具に関し、より詳細には、電池レセプタクル、例えば、電池充電器を備える電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気器具は、異なる動作状態に設定され得る。例えば、電気器具は、作動状態または非作動状態に設定され得る。器具が作動状態にある場合、器具は所定の方法で動作する準備ができている。非作動状態にある場合、器具は所定の方法で動作する準備ができていない。電気器具を非作動状態から作動状態に、及びその逆に構成する改善された機構は有益である。
【0003】
多くの電気器具は、電池を解放可能に収容するように構成された電池レセプタクルを備えており、その結果、工具を用いずに電池を電池レセプタクルに挿入したり、電池レセプタクルから取り外したりすることができる。電気器具は、電源バンク、電池充電器、または電池で動作するように構成されたその他の器具など、蓄電電源であってもよい。
【0004】
電気器具の電池レセプタクルは、電池がより力効率の良い機械装置によって電池レセプタクル内に収容されている間、作動構成と非作動構成との間で動作可能であることが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
主ハウジングと、主ハウジング内に収容される電子回路及び/又は電気回路と、を備える電気器具が開示される。主ハウジングは、第1のハウジング部と第2のハウジング部とを備え、第2のハウジング部は、第1の相対位置と第2の相対位置との間で、第1のハウジング部に対して第1の方向に移動可能である。第1のハウジング部の内部には、可動部が収容されている。可動部は、非作動位置と作動位置との間で、主ハウジングに対して第1の方向に移動可能である。器具は、くさび機構を備えており、このくさび機構は、可動部を非作動位置から作動位置に第1の方向に平行な作動方向に移動させるように構成される。第2のハウジング部は、駆動部を備えており、この駆動部は、第2のハウジング部が第2の相対位置から第1の相対位置に移動するとき、くさび機構を動作させて可動部を非作動位置から作動位置に移動させるように構成される。
【0006】
くさび機構は、第1のハウジング部及び第2のハウジング部に配置されたくさび留め構成要素を備えることができ、第1のハウジング部及び第2のハウジング部上のくさび留め構成要素は、第2のハウジング部が第1のハウジング部に対して作動方向に沿って移動すると、可動部が作動方向へ移動するように、協働するように構成される。
【0007】
主ハウジングは、電池区画を備え、回路は、電池区画と協働して電池レセプタクルを画定する第1の組の接点端子と第2の組の接点端子とを備える。第2のハウジング部は、電池区画を開閉するように動作可能な摺動式屋根として構成されてもよい。第2のハウジング部は、手のひらサイズであってもよく、ユーザが手のひらで握って操作できるように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、添付の図面を参照して例として説明される。
【
図1A】第1の構成における本開示の例示的な電気器具の斜視図である。
【
図2A】第2の構成における本開示の例示的な電気器具の斜視図である。
【
図3B】
図1A及び
図1Bの器具の第1のハウジング部110の上面斜視図であり、複数の電池ユニットが電池レセプタクルの内側に解放可能に収容される。
【
図3C】
図1A及び
図1Bの器具の第1のハウジング部110の側面立面図であり、複数の電池ユニットが電池レセプタクルの内側に解放可能に収容される。
【
図4A】第1のハウジング部110の上側部分を示す上面斜視図である。
【
図4B】第1のハウジング部110の下部部分内に収容された回路及び構成要素を露出させた上面斜視図である。
【
図4C】第1のハウジング部110の下部部分内に収容された回路及び構成要素を露出させた上面立面図である。
【
図4D】上側ハウジング部110A及び移動アセンブリを示す底面立面図である。
【
図4E】上側ハウジング部110A及び移動アセンブリを示す底面斜視図である。
【
図5A】作動位置にあるときの構成要素の相対位置を示す移動アセンブリの斜視図である。
【
図5B】作動位置にあるときの構成要素の相対位置を示す移動アセンブリの上面図である。
【
図6A】定位置にバイアスばねを有する
図5Aの斜視図である。
【
図6B】定位置にバイアスばねを有する
図5Bの上面図である。
【
図7A】
図5Aの移動アセンブリの駆動部材138Bの斜視図である。
【
図7B】
図5Aの移動アセンブリの駆動部材138Bの上面図である。
【
図7C】
図5Aの移動アセンブリの駆動部材138Aの上面図である。
【
図8A】
図5Aの移動アセンブリのドライバ部材134の斜視図である。
【
図8B】
図5Aの移動アセンブリのドライバ部材134の上面図である。
【
図9A】非作動状態の移動アセンブリを示す平面図である。
【
図9B】作動構成における移動アセンブリを示す平面図である。
【
図10A】第2のハウジング部120の底面斜視図である。
【
図10B】第2のハウジング部120の底面立面図である。
【
図10C】第2のハウジング部120の正面図である。
【
図11A】第1の構成における主ハウジングを示す概略図である。
【
図11B】中間構成における主ハウジングを示す概略図である。
【
図11C】第2の構成における主ハウジングを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の器具は、主ハウジングと、主ハウジング内に配置された回路と、を備える。回路は、電気回路及び/又は電子回路を含んでもよい。回路は、電気的、電子的、及び/又は機械的構成要素を含み得る構成要素を備える。電子的構成要素は、個別の及び/又は集積回路構成要素を含んでもよい。回路は、移動アセンブリと協働する1つまたは複数のスイッチによって、または移動アセンブリのみによって作動可能であってもよい。本明細書のスイッチは、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、または半導体電子スイッチであってもよい。
【0010】
移動アセンブリは、器具を作動または作動停止にするように構成された作動機構の一部である。器具が作動されると、器具はその動作状態にあり、回路またはその選択された部分はその指定された機能を実行する。器具が非作動または作動停止である場合、器具はその非動作状態にあり、回路またはその選択された部分はその指定された機能を実行しないであろう。
【0011】
移動アセンブリは、移動アセンブリが第1の状態にあるとき、器具はその非作動状態にあり器具は作動されず、移動アセンブリが第2の状態にあるとき、器具はその作動状態にあり器具は作動されるように構成される。
【0012】
移動アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で、主ハウジングに対して移動可能な可動部材を備える。移動アセンブリが第1の状態にある場合、可動部材は作動位置である第1の位置にある。移動アセンブリが第2の状態にある場合、可動部材は非作動位置である第2の位置にある。
【0013】
移動アセンブリまたは可動部材は、移動アセンブリの機械的動作によって器具を作動状態にするように構成され得る。例えば、移動アセンブリは、一組の回路構成要素を動作位置に移動させて器具を作動させ、一組の回路構成要素を動作位置から離して器具を作動停止するように構成され得る。
【0014】
移動アセンブリまたは可動部材は、非機械的動作によって器具を作動状態にするように構成され得る。例えば、器具は、主ハウジングに対する移動アセンブリ又は可動部材の位置を検出及び決定するように構成された感知及び決定回路を備えることができる。例えば、移動アセンブリ又は可動部材が作動位置に対応する相対位置にあるとき、感知及び決定回路は、器具を作動状態にするために作動信号を生成することができる。一方、移動アセンブリ又は可動部材が作動位置から外れているか又は停止位置にあるとき、感知及び決定回路は、作動停止信号を生成することができ、結果として、器具は作動停止される。感知及び決定回路は、移動アセンブリ又は可動部材の位置を検出するための一組の光学センサを備えることができる。一組の光学センサは、可動部材が第1の位置、第2の位置、または第1の位置と第2の位置との間の中間位置にあるかどうかの決定を容易にするように構成され得る。もちろん、一般性を損なうことなく、機械的作動と非機械的作動とを組み合わせて配置することができる。
【0015】
主ハウジングは、第1のハウジング部と第2のハウジング部とを備えており、第2のハウジング部は、作動位置に対応する第1の相対位置と非作動位置に対応する第2の相対位置との間で、第1のハウジング部に対して移動可能である。第1のハウジング部と第2のハウジング部との間の相対移動は、第1のハウジング部と第2のハウジング部の機械的構造によって決定される所定の経路に沿っている。
【0016】
所定の経路に沿った第1のハウジング部と第2のハウジング部との間の相対移動により、器具が作動状態になるように又は作動状態から解除されるように、移動アセンブリは、第1のハウジング部及び第2のハウジング部に配置された機械部品及び/又は機械的構成要素を含んでもよい。
【0017】
器具は、可動部材を非作動位置から作動位置へと作動方向に移動させるように構成されたくさび装置を備える。くさび装置は、移動アセンブリの一部であり、作動位置にある間に作動方向に係合力を加えるように構成される。係合力は、可動部材を非作動位置から作動位置に動かすのに必要な作動力よりも著しく大きい。本明細書において著しく大きいという用語は、少なくとも50%より大きいことを意味し、75%、100%、150%、200%またはそれ以上であり得る。
【0018】
くさび装置は、くさび留め機構を備えており、このくさび留め機構は、ユーザが上流端で主ハウジングに小さな力を加えることができ、それによって可動部材を作動位置に移動させる一方で、下流端の作動位置にある可動部材は、作動力よりも著しく大きい係合力を作動方向に及ぼすことができるように、高い機械的利点を与えるように構成される。
【0019】
第1のハウジング部及び第2のハウジング部は、作動方向に平行な軸方向に沿って互いに対して移動可能である。軸方向は、主ハウジングの主軸によって規定され、軸方向は、第2のハウジング部に対する第1のハウジング部の移動方向、または第1のハウジング部に対する第2のハウジング部の移動方向を規定する。移動方向及び作動方向が同じ又は平行であるときにくさび留め機構のくさび留め動作を容易にするために、くさび留め機構の一部である可動部材は、作動方向又は移動方向に対してある角度で移動するように構成され、その角度は90度以下である。
【0020】
図1A、
図1B、
図2A、
図2B、
図3A、
図3B、
図3C、
図4A、
図4B及び
図4Cを参照すると、例示的な器具100は、協働して主ハウジングを画定する第1のハウジング部110及び第2のハウジング部120を備える。主ハウジングは、主軸A-A´と呼ばれる基準軸を有する。主軸は、主ハウジングの長手方向中心軸でもある。第1のハウジング部110及び第2のハウジング部120は、主軸と平行な移動軸によって規定される移動方向に沿って相対移動可能である。
【0021】
例示的な器具100は、内部に器具の回路が収容される回路区画と、電池レセプタクルを含む電池区画とを備える。回路区画及び電池区画は、主軸の軸方向に沿って配置され、当接する。電池レセプタクルは、一組の電池を収容するように構成される。本明細書の一組の電池は、単一の電池ユニットまたは複数の電池ユニットを備えてもよい。各電池ユニットBは、電池パックに配置された単一の電池セルまたは複数の電池セルを含んでもよい。各電池パックは、1つの電池セルまたは単一のパッケージ内にパックされた複数の電池セルを含んでもよい。
【0022】
回路区画及び電池区画は、
図4A~
図4Cに示すように、第1のハウジング部110上に設けられ、第2のハウジング部120は、
図1A、
図1B、
図2A及び
図2Bに示すように、電池区画の閉位置に対応する第1の位置と電池区画の開位置に対応する第2の位置との間で、第1のハウジング部110に対して移動可能な蓋として構成される。第1のハウジング部110と第2のハウジング部120とは摺動係合し、第2のハウジング部120は、第1の位置と第2の位置との間で、第1のハウジング部110に対して摺動方向に摺動可能である。摺動方向は摺動軸Y-Y´によって規定され、摺動軸Y-Y´は主ハウジングの主軸A-A´と平行である。
【0023】
回路区画と電池区画は、当接しており、かつ第1のハウジング部110に設けられる。例示的な第1のハウジング部110は、上側部分110Aである第1のサブ部分と、下側部分110Bである第2のサブ部分とを含む。上側部分110Aと下側部分110Bとは、摺動軸Y-Y´と直交する接続方向に接続される。
【0024】
下側部分110Bは、上側部分110Aに面する底面と、底面を取り囲む下部周壁とを有する底部部分を備える。底部部分と下部周壁は協働して、内部に器具の回路が設置される主区画の下部部分を画定する。
【0025】
上側部分110Aは、下側部分110Bと協働して回路区画を形成する第1の部分と、電池区画を画定する第2の部分とを備える。
【0026】
上側部分110Aの第1の部分は、上部パネルと、上部パネルから下方に垂れ、かつ上部パネルを取り囲む第1の周壁とを備える。
【0027】
上側部分110Aの第2の部分は、底部パネルと、底面を有する底部パネルから上方に延び、かつ底部パネルの底面を取り囲む第2の周壁とを備える。第2の周壁は、回路区画に近位の第1の周壁部分と、回路区画から遠位の第2の周壁部分とを備える。
【0028】
底部パネルと第2の周壁は協働して電池レセプタクルを画定し、上部パネルは、底部パネルと第1及び第2の周壁よりも高く、好ましくは電池レセプタクルによって保持される電池よりも上にある。
【0029】
器具の回路は、電池レセプタクルにある一組の電池ユニットを回路の他の部分と接続するように構成された複数の電池接点端子を備える。複数の電池接点端子は、電池区画と協働して電池レセプタクルを画定し、電池レセプタクル上に適切に配置された一組の電池ユニットと電気的及び機械的に接触するように構成される。電池接点端子は露出した接点端子であり、この端子は、電池が動作状態にあるとき、電池レセプタクルにある一組の電池の端子と解放可能に圧縮接触するように構成される。解放可能な圧縮接触状態にある電池は、工具なしで電池レセプタクルから取り外すことができる。
【0030】
接点端子は、第1の電気極性の第1の組の接点端子と、第1の電気極性とは反対の第2の電気極性の第2の組の接点端子とを含む。ある電気極性の一組の接点端子は、その電気極性の1つの接点端子または複数の接点端子を備えてもよい。
【0031】
複数の接点端子は、電池区画の軸方向の一方の側に、または軸方向の対向する両側に配置されてもよい。接点端子が電池区画の軸方向の対向する両側に配置される場合、接点端子は対になって配置され、各対の接点端子は、軸方向の一方の側に第1の極性の接点端子と、軸方向の他方の側に第2の極性の接点端子と、を備え、結果として、軸方向の一方の側に設けられた第1の極性と軸方向の他方の側に設けられた第2の極性の接点端子は、対象電池ユニットの軸と軸方向に整列されており、対象電池ユニットと良好に電気接触するために必要な軸方向の離隔距離だけ離隔している。
【0032】
例示的な器具100は、電池レセプタクルの第1の軸方向端部に配置された第1の組の接点端子130と、電池レセプタクルの第2の軸方向端部に配置された第2の組の接点端子132とを備える。電池レセプタクルの第1の軸方向端部は回路区画の近位にあり、電池レセプタクルの第2の軸方向端部は回路区画の遠位にある。第1及び第2の組の電池端子は、軸方向に整列した対応する接点端子を有する。電池区画は、電池レセプタクルの第1の軸方向端部に近接する第1の軸方向端部と、電池レセプタクルの第2の軸方向端部に近接する第2の軸方向端部とを有する。
【0033】
第1の組の接点端子130と第2の組の接点端子132は、第1の組の接点端子と第2の組の接点端子との間の軸方向距離を第1の離隔距離と第2の離隔距離との間で変えることができるように、軸方向に相対的に移動可能である。第1の組の接点端子130と第2の組の接点端子132が第1の離隔距離内にある場合、電池レセプタクルに収容された対象電池は、その電池ユニットと接触するように構成された接点端子と電気的に接触しないかまたは接触不良である。第1の組の接点端子130と第2の組の接点端子132とが第2の離隔距離内にある場合、電池レセプタクルに収容された対象電池は、その電池ユニットと接触するように構成された接点端子と電気的に良好に接触する。
【0034】
第1の組の接点端子130は一組の可動接点端子であり、この一組の可動接点端子は、作動位置に向かって進み作動位置に入るために、作動方向に移動するように構成される。第1の組の接点端子130が作動位置に移動すると、器具は作動状態になり、レセプタクル内の一組の電池の端子は、電池レセプタクルと解放可能な圧縮係合状態にある。この例では、一組の可動接点端子は、作動位置に向かって作動方向に進むとき、電池区画の第2の軸方向端部及び/又は第2の組の接点端子132に向かって移動する。
【0035】
一組の可動接点端子は、ドライバ部材134を備える移動アセンブリによって作動位置に向かって駆動される。可動部材であるドライバ部材134は、移動アセンブリの前端部材であり、作動位置に向かって進むとき、一組の可動接点端子と同期して移動するように構成される。
【0036】
図8Aにより詳細に示されるように、例示的なドライバ部材134は、第1の側端部と第2の側端部との間で横方向に延びる本体部分を備える。横方向は、主ハウジングの主軸Y-Y´に直交する横軸X-X´によって規定される。主軸Y-Y´は、主ハウジングの長手方向を規定する。ドライバ部材134は、第1の組の端子130と当接しているため、ドライバ部材134が作動位置に向かって進むとき、第1の組の端子130はドライバ部材134と同期して移動する。ドライバ部材134は、電池区画の第2の軸方向端部に面する表面である前向き表面を備えており、第1の組の端子130は前向き表面に取り付けられる。
【0037】
作動位置にある場合、電池レセプタクル内に適切に収容された対象電池ユニットは、それと電気的に接続するように構成された一対の接点端子と圧縮接触する。対象電池が対応する一対の接点端子と圧縮接触している場合、対象電池および対応する一対の接点端子は良好な電気的接触状態にあり、電流は、解放可能な係合により過度に大きい抵抗を受けることなく、対象電池に流入し対象電池から流出することができる。
【0038】
図4C、
図4D、
図4E、
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図7C、
図8A及び
図8Bを参照すると、例示的な移動アセンブリは一対の駆動部材138を備えており、一対の駆動部材138は、ドライバ部材134を作動位置に向かって作動方向に前進させるように動作するよう構成される。一対の駆動部材138は、ドライバ部材134の傾斜第1側面135Aに当接する傾斜面138A1を有する第1の駆動部材138Aと、ドライバ部材134の傾斜第2側面135Bに当接する傾斜面138B1を有する第2の駆動部材138Bと、を備える。第1の駆動部材138Aの傾斜面とドライバ部材134の傾斜第1側面とが摺動係合することにより、傾斜面と傾斜第1側面とが互いに対して摺動可能である。駆動部材138A,138Bの傾斜面は、主ハウジングの主軸に対して30°~60°、例えば、45°の傾斜角を有することができる。
【0039】
駆動部材138A,138B及びドライバ部材134は、駆動部材138A,138Bが互いの方へ、即ち、主ハウジングの長手方向中心軸に向かって移動するとき、ドライバ部材134が押されて作動位置に向かって前方に移動するように配置される。
【0040】
この例では、駆動部材138A,138Bは、互いに向かって横方向に移動するように構成され、それによって、
図9A及び
図9Bに示すように、ドライバ部材134は、横方向と直交する作動方向に沿って移動するように駆動される。このような直交駆動を容易にするために、第1の駆動部材138Aの傾斜面とドライバ部材134の傾斜第1側面とは、相補的な傾斜角度を有する。
【0041】
本例では、駆動部材138A,138Bは、横軸X-X´に沿って互いの方へ移動するように構成されるが、駆動部材138A,138Bは、一般性を損なうことなく互いに向かって移動しながら、横方向に対して鋭角に移動するように構成されてもよい。横方向に対する鋭角は、±5°、±10°以上であってもよいが、±60°未満であろう。
【0042】
図6A及び
図6Bを参照すると、駆動部材138A,138Bは、駆動部材138A,138Bが互いから遠ざかるように構成された戻りバイアスを受けており、ドライバ部材134は、ドライバ部材134が作動位置から遠ざかるように構成された戻りバイアスを受けている。駆動部材138A,138Bに作用する戻りバイアスは、バイアスばね139A,139Bによって与えられ、ドライバ部材134に作用する戻りバイアスは、別のバイアスばね136によって与えられる。バイアスばねは、
図4D及び
図4Eに示すように、主ハウジングに固定されたコイルばねである。
【0043】
したがって、ドライバ部材134を非作動位置から作動位置まで進むように移動させるためには、回路区画の内部に収容されたドライバ部材134及び駆動部材138A,138Bに作用する戻りバイアスに打ち勝つことが必要となるであろう。
【0044】
図1A~
図2Bを参照すると、第2のハウジング部120は、
図1A及び
図1Bに示す第1の相対位置と、
図2A及び
図2Bに示す第2の相対位置との間で、第1のハウジング部110に対して摺動可能に移動可能である。当接中の第1のハウジング部110と第2のハウジング部120との間の相対的な摺動移動を容易にするために、第1のハウジング部110は軌道部112を備え、第2のハウジング部120は、第1のハウジング部110と第2のハウジング部120とが摺動方向に沿って相対的に摺動可能であるように、軌道部112と協働するように構成された取付部分を備える。
【0045】
第1のハウジング部110及び第2のハウジング部120が第1の相対位置にある場合、主ハウジングは作動構成である第1の構成にあり、電池レセプタクルは作動状態である第1の状態にあり、器具は電池ユニット(複数可)が回路に適切に接続された動作状態にある。
【0046】
第1のハウジング部110及び第2のハウジング部120が第2の相対位置にある場合、主ハウジングは非作動構成である第2の構成にあり、電池レセプタクルは非作動状態である第2の状態にあり、器具は電池ユニット(複数可)が回路から電気的に切断された非動作状態にある。
【0047】
この例では、主ハウジングは、第1のハウジング部110と第2のハウジング部120とが、主軸により規定される軸方向と平行な摺動方向に沿って相対的に摺動可能に構成される。主ハウジングが第1の構成にある場合、
図1A及び
図1Bに示すように、電池区画は閉状態である第1の状態にあり、第2のハウジング部120は、電池区画を閉じる屋根を形成する。主ハウジングが第2の構成にある場合、電池区画は開放状態である第2の状態にあり、電池区画は外部アクセスのために開放され、電池ユニットは、
図2A及び
図2Bに示されるように、電池レセプタクルに挿入され得るか、又は電池レセプタクルから取り外され得る。
【0048】
第2のハウジング部120は、上部部分と、上部部分から下方に延びる周辺部分と、周辺部分に形成された取付部分とを有する。上部部分は、主ハウジングが第1の構成にあるとき、電池区画の屋根を形成する上部パネル121を備える。周辺部分は、第1の側方部分と第2の側方部分とを備え、上部部分は、第1の側方部分と第2の側方部分との中間にある。各側方部分は、上部パネルから下方に突出し、軌道部112の下方に延びて軌道部を覆う側壁部分を備える。
【0049】
取付部分は、周辺部分の下方端の近くに形成され、第1のウイング部122A及び第2のウイング部122Bを備える。第1のウイング部122Aは第1の側方部分に形成され、第2のウイング部122Bは第2の側方部分に形成される。各ウイング部122A,122Bは、側方ウイング部であり、軸方向に平行な方向に延在し、第1のハウジング部110の内部に向かって内側に突出して軌道部112と摺動係合するようになる。
【0050】
第2のハウジング部120は第1の長手方向端部124と第2の長手方向端部126とを有し、側方ウイング部は第1の長手方向端部と第2の長手方向端部との間に延在する。主ハウジングが第2の構成にあるとき、第2のハウジング部110の第1の長手方向端部は常に第1のハウジング部110上にあり、第2の長手方向端部は第1のハウジング部110の外側にあるか、または突き出る。
【0051】
側方ウイング部は、長手方向に延在し、鋸歯に特徴的である幅の外形を有する。側方ウイング部の幅は、Z軸に直交する方向に測定した内側に突出する範囲であり、Z軸はX-X´軸及びY-Y´軸の両方に直交する軸である。
【0052】
側方ウイング部は、第1のフランク部(第1の側部)と、第2のフランク部(第2の側部)と、第1のフランク部と第2のフランク部とを相互接続するクレスト部(頂部)と、を備える。
【0053】
第1のフランク部は、クレスト部から第1の長手方向端部にテーパ状に延び、クレスト部から第2の長手方向端部にテーパ状に延びる。
【0054】
側方ウイング部は、移動アセンブリを駆動するための駆動部として構成される。
【0055】
図11Aを参照すると、主ハウジングは第1の構成にあり、移動アセンブリは第1の状態にあり、器具は作動状態にある。
【0056】
図11Bを参照すると、主ハウジングは中間構成にあり、移動アセンブリは中間状態にあり、器具は非作動状態にある。
【0057】
図11Cを参照すると、主ハウジングは第2の構成にあり、移動アセンブリは第2の状態にあり、器具は非作動状態にある。
【0058】
図11Aの第1の構成にある場合、一対の駆動部材138は、第2のハウジング部120の側方ウイング部の第2のフランク部と圧縮係合しており、一対の駆動部材138によって可動部材134に作用する結果として生じる作動力によって、可動部材134は作動位置にある。作動力は、一対の駆動部材138によって、くさび留め面である傾斜面138A1,138B1を介して可動部材134に加えられる。一対の駆動部材138のくさび留め面は、可動部材134の対応するくさび留め面135A,135Bと協働して、作動方向に作動力を発生させる。
【0059】
ユーザが主ハウジングを
図1の第1の構成(
図1A及び
図1Bを含む)から
図2の第2の構成(
図2A及び
図2Bを含む)に変更しようとするとき、ユーザは、第2のハウジング部120を第1のハウジング部110に対して作動停止方向Y´→Yに移動させる必要があり、第2のハウジング部120が第1のハウジング部110上の停止手段によって停止されると、作動停止移動は停止する。第2のハウジング部120が作動停止方向に移動され、それにより、側方ウイング部上のクレスト部が駆動部材138上の保持手段に打ち勝つと、バイアスばねに蓄積された戻りエネルギーにより、ユーザの助けを借りずに、第2のハウジング部120は第2の構成に移動する。第2の構成にある場合、可動部材134及び一対の駆動部材138のバイアスばねに蓄えられたバイアスエネルギーは、解放又は実質的に解放される。
【0060】
第2の構成から第1の構成に変更するために、主ハウジングは
図11Bの中間構成を経る必要がある。中間構成にある場合、第2のハウジング部120の側方ウイング部の第1のフランク部と一対の駆動部材138とが当接する。
【0061】
中間構成から第1の構成に変更する場合、第1のハウジング部110に対して第2のハウジング部120を作動方向へ移動させると、第2のハウジング部120の側方ウイング部上の傾斜面と一対の駆動部材138との間の協働によって、駆動部材138A,138Bは第1のハウジング部110上に形成された所定の軌道に沿って互いの方へ移動する。所定の軌道は、この例では長手方向軸に対して直角であるが、例えば、45度から90度の間の鋭角であってもよい。
【0062】
次いで、駆動部材138A,138Bの互いに向かう移動は、可動部材134上の傾斜面と、可動部材134上の傾斜面と摺動係合する駆動部材138A,138B上の傾斜面との協働により、作動時の作動力に変換される。第2のハウジング部120が非作動位置から作動位置に向かって移動し、第2のフランク部が駆動部材138A,138Bと当接接触する位置に達すると、第2のハウジング部120は、駆動部材138A,138B上に設けられた保持手段と協働してクレスト部によって保持されることになる。第2のハウジング部120を作動位置から移動させるために、ユーザは、保持力に打ち勝つために、第2のハウジング部120を作動方向とは反対の作動停止方向に移動させなければならないことになる。
【0063】
したがって、移動アセンブリは、一組の可動接点端子を非作動位置から作動位置に駆動するように構成された移動用構成要素を備える。移動用構成要素は、第1のハウジング部と第2のハウジング部の両方に配置され、
-側方ウイング部の第1のフランク部によって形成される第2のハウジング部上の第1のくさび留め部と、
-駆動部材138A,138B上に形成された第2のくさび留め部と、
-ドライバ部材134上に形成された任意選択の第3のくさび留め部と、
を備える。
【0064】
くさび留め部は、くさび留め動作によってドライバ部材134を駆動して作動方向に移動させるように協働する。
【0065】
第1のフランク部は、駆動部材138A,138Bを駆動するためのより高い機械的利点を提供するために、主軸に対して小さな傾斜角を有するように構成される。第1のフランク部のくさび留め角を規定する傾斜角は、15度以下であってもよく、例えば、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、または前述の値の組合せによって形成される1つまたは複数の範囲を含む、3度~15度であってもよい。傾斜角が小さいと、1より大きい、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、15、20、25など、または前述の値の組合せによって形成される1つまたは複数の範囲の機械的利点となる。ドライバ部材134が作動距離内で十分な距離を移動して十分な係合張力を提供するために、第1のフランク部は、軸方向に測定した長さが、3cm以上、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15cm、または前述の値の組合せによって形成される1つまたは複数の範囲を有することができる。
【0066】
例示的な器具は、電池充電器として構成され、回路は、電池充電用に構成される。電池ユニットと対応する端子との間の良好な電気的接触を提供するために、電池レセプタクルは、良好な電気的接触を確立するのに十分な係合張力を加えるように構成される。例示的な実施形態では、係合張力は、1.0Kg力以上、例えば、1.6Kg力、1.7Kg力、1.8Kg力などに設定される。係合張力は、一般性を損なうことなく移動アセンブリのくさび留め動作によって提供される。
【0067】
消費者向け製品では、ユーザによる配置や交換が容易なように、標準サイズの電池セルが使用されることが多い。使用済みの電池セルは、充電器の中に入れて充電する。電池レセプタクルは、充電器から電池ユニットに電力が供給される間、電池ユニットを定位置に固定するように構成された電池ホルダである。電池レセプタクルは、電池セルの端子と電気的に接続するために、はんだ付けされたラグと金属製のばねまたはレバーとを備えることが多い。ユーザが電池セルの一方の端部(通常は負の端部)を挿入すると、ばねまたはレバーが押し下げられる。電池セルは電池ホルダ内に摺動しながら入り、電池セルの他方の端部(通常は正の端部)は所定の位置にスナップ留めされる。本機構は、改良された電池レセプタクル及び改良された電池充電器を提供する。
【0068】
例示的な電池レセプタクルは、異なるサイズの電池を収容するように構成される。例えば、例示的な電池レセプタクルは、例示的な複数の4つの電池スロットを備え、各電池スロットには、AAサイズまたはAAAサイズの電池を収容することができる。各電池スロットは、第1のサイズ又は第2のサイズの電池と電気的及び機械的に接触するように構成された端子接点を有する。例えば、電池スロットは、AAサイズの電池と接触するための接点132Aと、AAAサイズの電池と接触するための接点132Bとを有する。作動位置と非作動位置との間の距離は、長手方向に沿って測定されたレセプタクルの長さと比較して非常に短くすることができる。例えば、その距離は、0.5mmから2mmの間であって、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、又は前述の値から選択される1つ又は複数の任意の範囲を含んでもよく、レセプタクルの長さは、AA及び/又はAAA充電器の場合、4.5cmから5.5cmの間であり得る。
【0069】
例示的な電池充電器は電池ユニットを充電するためのものであるが、電池充電器のクランプ器具は、エリアライト、ハンマードリルなどの他の携帯工具に使用されるように適合させてもよい。携帯工具として適合させる場合、電力は電池セルから携帯工具に運ばれる。更に、この例における移動機構は、摺動可能な可動子を備えるが、移動機構は、レバーシステム、例えば、第1のハウジング部に対する第2のハウジング部のヒンジ式移動に応答して第2の組の電池接点を移動させるヒンジ式レバーシステムを備えてもよい。
【0070】
本明細書では、例を参照して本開示を説明してきたが、例は、開示の範囲を限定することを意図したものではなく、また、限定するために使用されるべきではない。例えば、例示的な充電器は、標準的なAAサイズ及びAAAサイズの円筒形電池を収容するように構成されるが、充電器は、18650電池などの他の円筒形電池又は角形電池などの非円筒形電池を収容するためのレセプタクルを有するように構成することができる。電池接点は、電池軸を有し、電池の反対側の軸方向端部に電池端子を有する電池を充電するように構成されるが、電池端子は一般性を損なうことなく一方の軸方向端部のみにあってもよい。電池が一方の軸方向端部に反対極性の端子を有する場合、一組の可動電池接点は反対極性の接点を備えてもよい。
【国際調査報告】