(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】いたずら防止ルアーロックコネクタ及びアダプタ用の弁装置
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20240424BHJP
A61M 39/22 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A61M39/10 120
A61M39/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023553663
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 IL2022050236
(87)【国際公開番号】W WO2022185313
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523335221
【氏名又は名称】エクアシールド メディカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EQUASHIELD MEDICAL LTD.
【住所又は居所原語表記】1 Ktalav Street, Migdal Tefen, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリヘリ マリノ
(72)【発明者】
【氏名】テイバー ラアナン
(72)【発明者】
【氏名】シェム-トヴ エリック
(72)【発明者】
【氏名】ダッハ シュロミ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ03
4C066JJ05
4C066JJ10
(57)【要約】
流体移送デバイスとの接続のためのコネクタは、長手方向軸を有する外側本体と、外側本体内に位置付けられ、当該流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも外部ポートとの連結の開始前に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向のうちの少なくとも一方に回転可能である、ルアーロック接続ポートとを備え、外側本体は、ルアーロック接続ポートが外部ポートと連結された後に、操作者が外側本体を通じてルアーロック接続ポートの外部に指先で直接アクセスすることを防止するように構造化され、ルアーロック接続ポートは、外側本体内に位置付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、長手方向軸を有する外側本体と、
前記外側本体内に位置付けられ、前記流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも前記外部ポートとの連結の開始前に、前記長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向のうちの少なくとも一方に回転可能であるルアーロック接続ポートとを備え、
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートが前記外部ポートと連結された後に、操作者が前記外側本体を通じて前記ルアーロック接続ポートの外部に指先で直接アクセスすることを防止するように構造化され、前記ルアーロック接続ポートは、前記外側本体内に位置付けられる、コネクタ。
【請求項2】
前記ルアーロック接続ポートは、少なくとも前記外部ポートとの連結の開始前に、前記長手方向軸を中心に前記時計回り方向及び前記反時計回り方向の両方に回転可能である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ルアーロック接続ポートは、前記外部ポートとの連結時に、前記長手方向軸を中心に前記時計回り方向及び前記反時計回り方向の両方に回転可能である、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記連結補助機構は、少なくとも前記ルアーロック接続ポートと前記外部ポートとの連結が進行中である間、前記連結可能状態をとるように構成されている、請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記連結補助機構は、前記連結可能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に前記反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項4又は5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記連結補助機構は、前記連結不能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に前記反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項4~6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ルアーロック接続ポートは、前記連結不能状態に関連付けられた第1の位置と前記連結可能状態に関連付けられた第2の位置との間で前記長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成されている、請求項4~7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記ルアーロック接続ポートは、前記連結中に前記外部ポートによって押圧力が加えられると、前記第1の位置から前記第2の位置に自由に変位するように構成されている、請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記連結補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、前記外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備え、前記第2の位置において、前記係止部材は前記拘束部材と係合し、それによって前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を制限する、請求項8又は9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第1の位置において、前記係止部材は、前記拘束部材から脱離する、請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記ルアーロック接続ポートの前記長手方向軸を中心とした少なくとも前記反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、前記ルアーロック接続ポートからの前記外部ポートの解除を可能にするように前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構を更に備える、請求項4~11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、前記側壁は、
少なくとも前記分離可能状態において、前記ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するように前記分離補助機構と共に使用されるように構成されている、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記分離補助機構は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、前記分離補助機構は、前記アクチュエータに押圧力が加えられると、前記分離可能状態をとり、前記押圧力が除去されると、前記分離不能状態をとるように構成されている、請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記分離可能状態において、前記長手方向軸と前記アクチュエータ外面との間の最小距離は、前記長手方向軸と前記開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さい、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記分離可能状態において、前記アクチュエータ外面の少なくとも大部分が、前記開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けられる、請求項14又は15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記アクチュエータは、前記外側本体から延在する第1の部分と、前記第1の部分から延在する第2の部分とを有し、前記第1の部分は、前記外側本体の一部を形成する、請求項14~16のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、レバーを構成する、請求項17に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、前記アクチュエータの内面の一部を構成する第2の係合部とを備え、前記分離可能状態において、前記第1の係合部が前記第2の係合部に係合することにより、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記反時計回り方向への回転が制限される、請求項14~18のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項20】
前記分離不能状態において、前記第1の係合部は、前記第2の係合部から脱離する、請求項19に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記第1の係合部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面上に形成された少なくとも1つの突出部を備え、前記第2の係合部は、前記アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備え、前記分離可能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する、請求項19又は20に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記アクチュエータは、前記少なくとも1つの突出部が前記少なくとも1つの歯に対して半径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成されている、請求項21に記載のコネクタ。
【請求項23】
前記少なくとも1つの突出部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面から前記アクチュエータに向かって延在する突出部側面を有し、前記少なくとも1つの歯は、前記アクチュエータ内面から前記ルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有し、前記分離可能状態において、前記歯側面は前記突出部側面に係合する、請求項21又は22に記載のコネクタ。
【請求項24】
前記分離不能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部から脱離する、請求項21~23のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項25】
前記ルアーロック接続ポートは、前記長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成されている、請求項8に記載の、又は請求項8に従属する場合の請求項9~24のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項26】
前記第3の位置は、前記第1の位置、又は前記第1の位置と前記第2の位置との間のいずれかの位置である、請求項25に記載のコネクタ。
【請求項27】
前記ルアーロック接続ポートは、前記外部ポートを前記ルアーロック接続ポートから分離する間に引張力が加えられると、前記第2の位置から前記第3の位置に自由に変位するように構成されている、請求項25又は26に記載のコネクタ。
【請求項28】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートが前記第3の位置に変位すると、前記分離可能状態をとるように構成されている、請求項25~27のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項29】
前記ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、前記細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートであり、前記雄型ルアーロック接続ポートは、連結時に前記カラーが前記外部ポートと前記外側本体との間に位置決めされるように、前記カラーと前記細長い中央部材との間に前記外部ポートを螺合して受け入れることによって前記外部ポートに連結されるように構成されている、請求項1~28のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項30】
前記カラーは、前記細長い中央部材に平行に延在し、前記カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲である、請求項29に記載のコネクタ。
【請求項31】
前記外側本体は、前記カラーの少なくとも大部分を覆っている、請求項30に記載のコネクタ。
【請求項32】
前記カラー及び前記細長い中央部材は、一体的に形成されている、請求項29~31のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項33】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項1~32のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項34】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項1~33のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項35】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項1~34のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項36】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項1~35のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項37】
医療用流体移送デバイスで使用するために構成されたアダプタであって、前記アダプタは、請求項1~36のいずれか一項に記載のコネクタを備える、アダプタ。
【請求項38】
前記アダプタは、前記アダプタの遠位端に位置付けられた隔壁を備え、前記隔壁を通じてシリンジの少なくとも1つのニードルを受け入れるように構成されている、請求項37に記載のアダプタ。
【請求項39】
前記コネクタは、前記アダプタの近位部を構成する、請求項37又は38に記載のアダプタ。
【請求項40】
流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、前記流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートと、
前記ルアーロック接続ポートの少なくとも一部を覆う外側本体と、前記ルアーロック接続ポートの長手方向軸を中心とした少なくとも反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、前記ルアーロック接続ポートからの前記外部ポートの分離を可能にするように前記ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構とを備える、コネクタ。
【請求項41】
前記外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、前記側壁は、少なくとも前記分離可能状態において、前記ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するように前記分離補助機構と共に使用されるように構成されている、請求項40に記載のコネクタ。
【請求項42】
前記分離補助機構は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、前記分離補助機構は、前記アクチュエータに押圧力が加えられると、前記分離可能状態をとり、前記押圧力が除去されると、前記分離不能状態をとるように構成されている、請求項41に記載のコネクタ。
【請求項43】
前記分離可能状態において、前記長手方向軸と前記アクチュエータ外面との間の最小距離は、前記長手方向軸と前記開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さい、請求項42に記載のコネクタ。
【請求項44】
前記分離可能状態において、前記アクチュエータ外面の少なくとも大部分が、前記開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けられる、請求項42又は43に記載のコネクタ。
【請求項45】
前記アクチュエータは、前記外側本体から延在する第1の部分と、前記第1の部分から延在する第2の部分とを有し、前記第1の部分は、前記外側本体の一部を形成する、請求項42~44のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項46】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、レバーを構成する、請求項42に記載のコネクタ。
【請求項47】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、前記アクチュエータの内面の一部を構成する第2の係合部とを備え、前記分離可能状態において、前記第1の係合部が前記第2の係合部に係合することにより、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記反時計回り方向への回転が制限される、請求項42~46のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項48】
前記分離不能状態において、前記第1の係合部は、前記第2の係合部から離脱する、請求項47に記載のコネクタ。
【請求項49】
前記第1の係合部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面に形成された少なくとも1つの突出部を備え、前記第2の係合部は、前記アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備え、前記分離可能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する、請求項47又は48に記載のコネクタ。
【請求項50】
前記アクチュエータは、前記少なくとも1つの突出部が前記少なくとも1つの歯に対して半径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成されている、請求項49に記載のコネクタ。
【請求項51】
前記少なくとも1つの突出部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面から前記アクチュエータに向かって延在する突出部側面を有し、前記少なくとも1つの歯は、前記アクチュエータ内面から前記ルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有し、前記分離可能状態において、前記歯側面は前記突出部側面に係合する、請求項49又は50に記載のコネクタ。
【請求項52】
前記分離不能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部から脱離する、請求項49~51のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項53】
前記ルアーロック接続ポートは、第1の位置と第2の位置との間で前記長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成されている、請求項40~52のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項54】
前記ルアーロック接続ポートは、押圧力が加えられると、前記第1の位置から前記第2の位置に変位するように構成されている、請求項53に記載のコネクタ。
【請求項55】
前記ルアーロック接続ポートは、前記長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成されている、請求項53又は54に記載のコネクタ。
【請求項56】
前記第3の位置は、前記第1の位置、又は前記第1の位置と前記第2の位置との間の任意の位置である、請求項55に記載のコネクタ。
【請求項57】
前記ルアーロック接続ポートは、引張力が加えられると、前記第2の位置から前記第3の位置に変位するように構成されている、請求項56に記載のコネクタ。
【請求項58】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートが前記第2の位置に変位すると、前記分離可能状態をとるように構成されている、請求項53~57のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項59】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートが前記第3の位置に変位すると、前記分離可能状態をとるように構成されている、請求項53~57のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項60】
前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備える、請求項40~59のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項61】
前記連結補助機構は、少なくとも前記ルアーロック接続ポートと前記外部ポートとの連結が進行中である間、前記連結可能状態をとるように構成されている、請求項60に記載のコネクタ。
【請求項62】
前記連結補助機構は、連結可能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に前記反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項60又は61に記載のコネクタ。
【請求項63】
前記連結補助機構は、連結不能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項60~62のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項64】
前記連結不能状態は、第1の位置に関連付けられ、前記連結可能状態は、前記第2の位置に関連付けられる、請求項59に従属する場合の請求項60~63のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項65】
前記連結補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、前記外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備え、前記第2の位置において、前記係止部材は前記拘束部材と係合し、それによって前記ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向の回転を制限する、請求項64に記載のコネクタ。
【請求項66】
前記第1の位置において、前記係止部材は、前記拘束部材から脱離する、請求項65に記載のコネクタ。
【請求項67】
前記ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、前記細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートであり、前記雄型ルアーロック接続ポートは、連結時に前記カラーが前記外部ポートと前記外側本体との間に位置決めされるように、前記カラーと前記細長い中央部材との間に前記外部ポートを螺合して受け入れることによって前記外部ポートに連結されるように構成されている、請求項40~66のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項68】
前記カラーは、前記細長い中央部材に平行に延在し、前記カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲である、請求項67に記載のコネクタ。
【請求項69】
前記外側本体は、前記カラーの少なくとも大部分を覆っている、請求項68に記載のコネクタ。
【請求項70】
前記カラー及び前記細長い中央部材は、一体的に形成されている、請求項67~69のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項71】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項40~70のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項72】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項40~71のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項73】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項40~72のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項74】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項40~73のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項75】
医療用流体移送デバイスで使用するために構成されたアダプタであって、請求項40~74のいずれか一項に記載のコネクタを備える、アダプタ。
【請求項76】
前記アダプタは、前記アダプタの遠位端に位置付けられた隔壁を備え、前記隔壁を通じてシリンジの少なくとも1つのニードルを受け入れるように構成されている、請求項75に記載のアダプタ。
【請求項77】
前記コネクタは、前記アダプタの近位部を構成する、請求項75又は76に記載のアダプタ。
【請求項78】
流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、長手方向軸を有する外側本体と、
前記外側本体内に位置付けられ、前記流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも前記外部ポートとの連結の開始前に、前記長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向のうちの少なくとも一方に回転可能であり、前記外側本体が、前記ルアーロック接続ポートの大部分を半径方向に覆っている、ルアーロック接続ポートとを備える、コネクタ。
【請求項79】
空気チャンバ及び液体チャンバを有するシリンジへの接続のために構成されたアダプタであって、
前記液体チャンバに連通するように構成された液体チャネルと、
前記空気チャンバに連通するように構成された空気チャネルと、
前記空気チャネルと流体連通し、前記空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、第1の弁常閉状態とを有する第1の弁とを備える、アダプタ。
【請求項80】
前記第1の弁は、前記空気チャネル内の空気圧が第1の所定の閾値を超えたことに応答して、前記第1の弁開状態に自動的に変位するように構成されている、請求項79に記載のアダプタ。
【請求項81】
前記第1の弁が、前記第1の弁開状態において、前記空気チャネルと流体連通する第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、前記第1の弁常閉状態において、前記第1の弁座部材に係合し、それによって前記第1の弁通路を封止する第1の弁封止部材とを備える、請求項79又は80に記載のアダプタ。
【請求項82】
前記第1の弁開状態において、前記第1の弁封止部材は、前記第1の弁座部材から少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第1の弁通路を封止解除する、請求項81に記載のアダプタ。
【請求項83】
前記第1の弁通路は、前記空気チャネルと前記周囲との間に延在する第1の流路の少なくとも一部を画定し、前記第1の流路は、前記第1の弁常閉状態において前記第1の弁によって選択的に封止可能である、請求項81又は82に記載のアダプタ。
【請求項84】
前記第1の弁は、前記第1の弁常閉状態において、前記第1の流路を封止し、前記第1の弁開状態において、前記第1の流路を封止解除して、前記空気チャネル内の空気が前記周囲に逃げることを可能にする、請求項83に記載のアダプタ。
【請求項85】
前記空気チャネルと流体連通し、空気が周囲から前記空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、第2の弁常閉状態とを有する第2の弁を更に備える、請求項79~84のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項86】
前記第2の弁は、前記空気チャネル内の空気圧が前記第1の所定の閾値よりも小さい第2の所定の閾値を下回ったことに応答して、前記第2の弁開状態に自動的に変位するように構成されている、請求項85に記載のアダプタ。
【請求項87】
前記第2の弁は、前記第2の弁開状態において、前記空気チャネルと流体連通する第2の弁通路を有する第2の弁座部材と、前記第2の弁常閉状態において、前記第2の弁座部材に係合し、それによって前記第2の弁通路を封止する第2の弁封止部材とを備える、請求項85又は86に記載のアダプタ。
【請求項88】
前記第2の弁開状態において、前記第2の弁封止部材は、前記第2の弁座部材から少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第2の弁通路を封止解除する、請求項87に記載のアダプタ。
【請求項89】
前記第2の弁通路は、前記空気チャネルと前記周囲との間に延在する第2の流路の少なくとも一部を画定し、前記第2の流路は、前記第2の弁常閉状態において前記第2の弁によって選択的に封止可能である、請求項87又は88に記載のアダプタ。
【請求項90】
前記第2の弁は、前記第2の弁常閉状態において、前記第2の流路を封止し、前記第2の弁開状態において、前記第2の流路を封止解除して、空気が周囲から前記空気チャネルに入ることを可能にする、請求項89に記載のアダプタ。
【請求項91】
前記第1の弁及び前記第2の弁は、単一の共通弁ハウジング内に位置付けられる、請求項85~90のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項92】
前記第1の弁及び前記第2の弁は、単一の弁装置として一体化される、請求項85~91のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項93】
前記弁装置は、前記空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が周囲から前記空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに前記弁装置を変位させるように構成された単一の一体化された封止部材として構成された前記第1及び第2の封止部材を備える、請求項92に記載のアダプタ。
【請求項94】
前記弁装置は、通常、前記常全閉状態にあり、前記弁装置は、前記弁装置内の空気圧が前記第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、前記第1の弁開状態に自動的に変位し、前記弁装置は、前記弁装置内の空気圧が前記第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、前記第2の弁開状態に自動的に変位する、請求項93に記載のアダプタ。
【請求項95】
前記第1の所定の閾値は、前記第2の所定の閾値よりも大きい、請求項94に記載のアダプタ。
【請求項96】
前記封止部材は、一体である、請求項93~95のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項97】
前記弁装置は、前記第1の弁座部材及び前記第2の弁座部材を更に備え、前記単一の一体化された封止部材は、前記第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、前記第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有する、請求項93~96のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項98】
前記常全閉状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に係合して、それによって前記第1の弁通路を封止し、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に係合して、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第1の弁通路を封止解除し、前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材と係合し、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第2の弁通路を封止解除し、前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材と係合し、それによって前記第1の弁通路を封止する、請求項97に記載のアダプタ。
【請求項99】
前記第1の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第1の弁通路を介して前記弁装置内から前記弁装置の外部に逃げることを可能にし、前記第2の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第2の弁通路を介して前記弁装置の外部から前記弁装置内に入ることを可能にする、請求項98に記載のアダプタ。
【請求項100】
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合する、請求項98又は99に記載のアダプタ。
【請求項101】
前記封止部材の第1の部分及び前記封止部材の第2の部分は、前記封止部材の対向する端部に位置付けられる、請求項93~100のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項102】
前記アダプタは、前記第1の弁及び前記周囲と流体連通する第1の出口を更に備え、前記第1の出口は、外部雌コネクタから前記アダプタを取り外すように動作するレバーボタンをその中に受け入れるように構成されている、請求項79~101のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項103】
前記第1の流路は、前記第1の出口を介して延在する、請求項83に従属する場合の請求項102に記載のアダプタ。
【請求項104】
前記アダプタは、前記第2の弁及び前記周囲と流体連通する第2の出口を更に備え、前記第2の出口は、前記アダプタの近位端を構成するルアーロック接続ポートの外側本体の側壁に形成された開口部である、請求項85~103のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項105】
前記第2の流路は、前記第2の出口を介して延在する、請求項89に従属する場合の請求項104に記載のアダプタ。
【請求項106】
前記第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備え、前記第1の弁座部材は、前記弁座開口部を通って延在する中央部材を備え、前記封止部材は、少なくとも部分的に前記弁座開口部内に、かつ半径方向に前記弁座と前記中央部材との間に位置付けられる、請求項92~101のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項107】
前記封止部材の第1の部分は、前記中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記中央部材と前記封止部材との間に画定された前記第1の弁通路を通過することを可能にし、前記封止部材の第2の部分は、前記弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記弁座と前記封止部材との間に画定された前記第2の弁通路を通過することを可能にする、請求項106に記載のアダプタ。
【請求項108】
前記弁座は、前記空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有し、前記封止部材の第2の部分は前記弁座内面に係合し、前記封止部材は、前記弁座の前記外面に係合するように構成され、それによって、前記封止部材をその位置に保持する固定部材を有する封止部材の第3の部分を更に備える、請求項106又は107に記載のアダプタ。
【請求項109】
前記アダプタは、前記アダプタが前記液体チャネルを通る液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、前記アダプタが前記液体チャネルを通る液体の前記移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間で前記アダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータを更に備える、請求項79~108のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項110】
前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項109に記載のアダプタ。
【請求項111】
前記液体チャネルを通る流体の移動は、前記第1の弁を通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、前記アクチュエータは、前記空気の通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態に前記アダプタを変位させ、それによって前記液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項109又は110に記載のアダプタ。
【請求項112】
前記完全動作状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1の方向及び反対の第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1及び第2の方向のうちの少なくとも1つに液体を移送するように動作可能でない、請求項109~111のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項113】
前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動は、前記第1の弁を通る前記アダプタ内からの空気の排出に依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の排出を防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項112に記載のアダプタ。
【請求項114】
前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動は、前記第1の弁を通る前記アダプタ内への空気の取り込みに依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の取り込みを防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項112又は113に記載のアダプタ。
【請求項115】
前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記液体チャネルを通る液体の移動を直接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項114に記載のアダプタ。
【請求項116】
前記アクチュエータは、前記アダプタの前記完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、前記アダプタの前記少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有する、請求項109~115のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項117】
前記アクチュエータは、外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態と前記第2のアクチュエータ状態との間で変位可能である、請求項116に記載のアダプタ。
【請求項118】
前記アクチュエータは、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成されている、請求項117に記載のアダプタ。
【請求項119】
前記アクチュエータは、通常は前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に構成され、前記外力が加えられると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位し、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの前記一方に自動的に戻るように構成されている、請求項117に記載のアダプタ。
【請求項120】
前記アクチュエータは、通常は前記第2のアクチュエータ状態に構成され、前記外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態に変位し、前記外力が除去されると、前記第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成されている、請求項119に記載のアダプタ。
【請求項121】
前記第2のアクチュエータ状態において、前記アクチュエータは、前記封止部材の第3の部分に係合し、前記中央部材と前記封止部材との間からの空気の通過を防止するように構成され、それによって、前記弁装置の状態にかかわらず、前記弁装置からの空気の排出を不能にする、請求項101に従属する場合の請求項116~120のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項122】
弁装置であって、
空気が前記弁装置内から周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が前記周囲から前記弁装置内に入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに前記弁装置を変位させるように構成された封止部材を備える、弁装置。
【請求項123】
前記弁装置は、通常、前記常全閉状態にあり、前記封止部材は、前記弁装置を、前記弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、前記第1の弁開状態に自動的に変位させ、前記弁装置内の空気圧が第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、前記第2の弁開状態に自動的に変位させる、請求項122に記載の弁装置。
【請求項124】
前記第1の所定の閾値は、前記第2の所定の閾値よりも大きい、請求項123に記載の弁装置。
【請求項125】
前記弁装置が、第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、第2の弁通路を少なくとも部分的に画定する第2の弁座部材とを更に備え、前記封止部材が、前記第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、前記第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有する、請求項122~124のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項126】
前記常全閉状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に係合して、それによって前記第1の弁通路を封止し、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に係合して、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第1の弁通路を封止解除し、前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材と係合し、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第2の弁通路を封止解除し、前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材と係合し、それによって前記第1の弁通路を封止する、請求項125に記載の弁装置。
【請求項127】
前記第1の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第1の弁通路を介して前記弁装置内から前記弁装置の外部に逃げることを可能にし、前記第2の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第2の弁通路を介して前記弁装置の外部から前記弁装置内に入ることを可能にする、請求項126に記載の弁装置。
【請求項128】
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合する、請求項126又は127に記載のアダプタ。
【請求項129】
前記封止部材の第1の部分及び前記封止部材の第2の部分は、前記封止部材の対向する端部に位置付けられる、請求項125~128のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項130】
前記封止部材は、前記封止部材の第1の部分を構成する第1の端部と第2の端部とを有する中央部を含み、弾性スカート部は、前記第2の端部の周囲から延在し、前記スカート部は、前記第2の端部に近位の第1のリムと前記第2の端部から遠位の第2のリムとの間に画定される、請求項122~129のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項131】
前記第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備え、前記第1の弁座部材は、前記弁座開口部を通って延在する中央部材を備え、前記封止部材は、少なくとも部分的に前記弁座開口部内に、かつ半径方向に前記弁座と前記中央部材との間に位置付けられる、請求項122~127のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項132】
前記封止部材の第1の部分は、前記中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記中央部材と前記封止部材との間に画定された前記第1の弁通路を通過することを可能にし、前記封止部材の第2の部分は、前記弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記弁座と前記封止部材との間に画定された前記第2の弁通路を通過することを可能にする、請求項131に記載の弁装置。
【請求項133】
前記弁座は、前記空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有し、前記封止部材の第2の部分は前記弁座内面に係合し、前記封止部材は、前記弁座の前記外面に係合するように構成され、それによって前記封止部材をその位置に保持するフランジを有する封止部材の第3の部分を更に備える、請求項131又は132に記載の弁装置。
【請求項134】
前記封止部材は、一体である、請求項122~133のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項135】
前記弁装置は、前記弁装置を通る前記空気の流れを制御するように構成されたアクチュエータを更に備える、請求項122~134のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項136】
前記アクチュエータは、外力が加えられると、前記常全閉状態から前記第1の弁開状態及び前記第2の弁開状態のうちの少なくとも一方に前記弁装置を変位させるように構成されている、請求項135に記載の弁装置。
【請求項137】
前記アクチュエータは、前記弁装置の状態にかかわらず、前記弁装置を通る空気の流れを選択的に防止するように構成されている、請求項135又は136に記載の弁装置。
【請求項138】
アダプタであって、
液体の移動を容易にするように構成された液体チャネルと、
前記アダプタが前記液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、前記アダプタが前記液体の移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間で前記アダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータとを備える、アダプタ。
【請求項139】
前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項138に記載のアダプタ。
【請求項140】
前記アダプタは、空気の通過を容易にするように構成された空気チャネルを更に備え、前記液体チャネルを通る流体の移動は、前記空気チャネルを通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、前記アクチュエータは、空気の前記通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態に前記アダプタを変位させ、液体チャネルを通る液体の移動を少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項138又は139に記載のアダプタ。
【請求項141】
前記完全動作状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1の方向及び第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1及び第2の方向のうちの少なくとも1つに液体を移送するように動作可能でない、請求項138~140のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項142】
前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動は、前記空気チャネルを通る前記アダプタ内からの空気の排出に依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の排出を防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項141に記載のアダプタ。
【請求項143】
前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動は、前記アダプタ内への空気の取り込みに依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の取り込みを防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項141又は142に記載のアダプタ。
【請求項144】
前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記液体チャネルを直接通る液体の移動を少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項138に記載のアダプタ。
【請求項145】
前記アクチュエータは、前記アダプタの前記完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、前記アダプタの前記少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有する、請求項138~144のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項146】
前記アクチュエータは、外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態と前記第2のアクチュエータ状態との間で変位可能である、請求項145に記載のアダプタ。
【請求項147】
前記アクチュエータは、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成されている、請求項146に記載のアダプタ。
【請求項148】
前記アクチュエータは、通常は前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に構成され、前記外力が加えられると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位し、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの前記一方に自動的に戻るように構成されている、請求項146に記載のアダプタ。
【請求項149】
前記アクチュエータは、通常は前記第2のアクチュエータ状態に構成され、前記外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態に変位し、前記外力が除去されると、前記第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成されている、請求項148に記載のアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、こぼれ防止流体移送システム内のアダプタと共に使用するためのいたずら防止ルアーロックコネクタ、及びアダプタ内の所望の空気圧を維持するための弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体移送システムにおいて、特に危険な流体の移送が含まれる場合、環境への流体の曝露は非常に望ましくなく、場合によっては致命的な事故につながることさえある。したがって、そのようなシステムで使用される流体移送デバイス、アダプタ、コネクタ、弁などの装置は、完全にこぼれを防止され、汚染されない必要がある。特定の実施例では、いくつかのデバイス間の接続は、接続が偶発的又はいたずらに切断できないように、それと同時に、適切な注意及び適切な技術を用いて操作者によって切断できるように、行われる必要がある。
【0003】
更に、特定の用途において、空気圧は、流体の移送中にシステム内で上昇及び/又は下降し続ける。そのような空気圧は、制御されずに増加又は減少した場合、任意の装置又はシステム全体の機能不全につながる可能性がある。
【0004】
したがって、上述した問題の少なくともいくつかを解決する流体移送デバイスが必要であり、望まれている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の主題の第1の態様によれば、流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、
長手方向軸を有する外側本体と、
外側本体内に位置付けられ、当該流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも外部ポートとの連結の開始前に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向のうちの少なくとも一方に回転可能であるルアーロック接続ポートとを備え、
外側本体は、ルアーロック接続ポートが外部ポートと連結された後に、操作者が外側本体を通じてルアーロック接続ポートの外部に指先で直接アクセスすることを防止するように構造化され、ルアーロック接続ポートは、外側本体内に位置付けられる、コネクタが提供される。
【0006】
流体移送デバイスは、医療システム、例えば、危険な薬物を1つの容器から別の容器へ安全に移送することが必要とされる薬物混合システムで使用される一般に既知なルアーロック接続装置とすることができる。いくつかの実施例では、流体移送デバイスは、容器間の流体の移送を容易にする任意の接続デバイスであり得る。
【0007】
上述のコネクタは、直接又は別の対応するアダプタを介して容器と流体移送デバイスとの間の接続を容易にするように構成されたアダプタと一体化することができる。いくつかの実施例では、容器はシリンジとすることができ、アダプタは、直接又は標準的なシリンジアダプタを介したシリンジと、通常の雌ルアーロック接続デバイスとの間の接続を容易にすることができる。いくつかの実施例では、アダプタは、シリンジアダプタの雌コネクタとの安全な接続のために、標準的な雌ルアーロックポートのドッキングポートへの変換を容易にする。
【0008】
外側本体は、流体移送デバイスに向かって位置付けられる近位端と、使用中に容器に向かって位置付けられる遠位端とを有する略円筒形の中空本体とすることができる。ルアーロック接続ポートは、流体移送デバイスの外部ポートを受け入れるように、外側本体内の近位端に位置付けることができる。特定の用途において、外部ポートは、標準的な雌ルアーロックポートである。ルアーロック接続ポートは、外側本体と共通の長手方向軸を有するように、かつルアーロック接続ポートがその軸を中心に回転することができるように、外側本体内に位置付けることができる。
【0009】
ルアーロック接続ポートは、それに連結される外部ポートに形成された対応するねじ山を受け入れるためのねじ山を含むことができる。外部ポートがルアーロック接続ポートと接触して螺合すると、連結が開始される。外部ポートがルアーロック接続ポートと螺合されるように回転されているとき、連結は進行中である。連結の開始前、ルアーロック接続ポートは外側本体内で回転可能であるため、したがって、連結が行われるとき、ルアーロック接続ポートの少なくとも螺合方向(一般的な用途では時計回りとすることができる)への回転は、少なくとも連結が進行中である間防止される必要がある。外部ポートがルアーロック接続ポートと完全に螺合されると、連結が完了する。ルアーロック接続ポートは、連結が完了した後、長手方向軸を中心に回転することができる。
【0010】
外側本体は、ルアーロック接続ポート内に位置付けられて外部ポートに連結されたときに、ルアーロック接続ポートに容易にアクセスできないように、又は少なくとも指先でアクセスできないように、ルアーロック接続ポートを概ね覆う。いくつかの実施例では、外側本体の側壁は、1つ以上の開口部を有してもよく、各開口部は、子供の指先のサイズよりも小さく、したがって、特に、医療用薬剤送達システムにおいて使用されるとき、子供は、指先でルアーロック接続ポートにアクセスすることができない。子供がルアーロック接続ポートにアクセスできないことは、子供がルアーロック接続ポートの回転を防止できないように確保し、それによってルアーロック接続ポートの外部ポートからの意図しない分離を防止する。約3~10歳の子供の指先の平均直径は、約10~12mmである。したがって、いくつかの実施例では、1つ又は複数の開口部の各々の少なくとも1つの寸法は、10mm未満とすることができる。したがって、コネクタは、いたずら防止コネクタとして構成される。
【0011】
ルアーロック接続ポートは、少なくとも外部ポートとの連結の開始前に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向の両方に回転可能とすることができる。
【0012】
ルアーロック接続ポートは、外部ポートとの連結時に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向の両方に回転可能であり得る。
【0013】
いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポートは、外部ポートとの連結時に、長手方向軸を中心に少なくとも反時計回り方向に回転可能であり得る。
【0014】
本出願の全体を理解するために、時計回り及び反時計回り方向は、外部ポートの方向からルアーロック接続ポートに向かって見たものとして理解されるべきである。
【0015】
コネクタは、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備えることができる。
【0016】
連結補助機構は、外側本体内でのルアーロック接続ポートの少なくとも螺合方向(一般的な用途では時計回りとすることができる)への回転を選択的に防止することができるものとして当業者に理解される任意の構造を含むことができる。特定の実施例では、螺合方向が反時計回りである場合、連結補助機構は、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートの回転を少なくとも反時計回り方向に制限するように構成することができる。いくつかの実施例では、連結補助機構は、コネクタの外部にあるか、又は外側本体内に形成されたボタン、キー、レバーなどを含むことができ、外側本体内のルアーロック接続ポートの回転を防止するように操作することができる。いくつかの実施例では、連結補助機構は、少なくとも1対の突出部及びキャッチャーを含むことができ、一方はルアーロック接続ポートに形成され、他方は外側本体に形成されるか、又は外側本体を通じて動作可能であり、突出部及びキャッチャーは、外側本体内でのルアーロック接続ポートの回転を防止するように互いに係合することができる。連結補助機構は、通常は連結不能状態のままであるように構成することができ、連結が行われるときに連結可能状態を達成するように、操作者によって作動させることができる。
【0017】
連結補助機構は、少なくともルアーロック接続ポートと外部ポートとの連結が進行中である間、連結可能状態をとるように構成することができる。
【0018】
連結補助機構は、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成することができる。更に、連結補助機構は、連結不能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向及び/又は時計回り方向に回転することを可能にするように構成することができる。
【0019】
ルアーロック接続ポートは、連結不能状態に関連付けられた第1の位置と連結可能状態に関連付けられた第2の位置との間で長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成することができる。いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポート、外側本体、及び連結補助機構、並びにそれらの互いに対する位置決めは、ルアーロック接続ポート及び外側本体が互いに対して特定の位置にあるときにのみ、連結補助機構を連結可能状態に変位させることができるように構成することができる。特定の位置は、ルアーロック接続ポートが長手方向軸に沿って外側本体内のどの範囲にあるかによって画定され得る。
【0020】
一実施例によれば、ルアーロック接続ポートは、外部ポートによる押圧力、すなわち、連結中に操作者によって流体移送デバイスに加えられる押圧力が加えられると、第1の位置から第2の位置に自由に変位するように構成することができる。第1の位置は、外側本体内のルアーロック接続ポートの通常位置とすることができ、この通常位置において、ルアーロック接続ポートは、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向に自由に回転することができる。第1の位置にあるとき、ルアーロック接続ポートは、第1の範囲で外側本体の近位端から離間される。第2の位置において、ルアーロック接続ポートは、第1の範囲よりも大きい第2の範囲で外側本体の近位端から離間される。ルアーロック接続ポートが第2の位置にあるとき、連結補助機構は、自動的に連結可能状態になるか、又は連結可能状態になるように作動することができ、それに応答して、ルアーロック接続ポートの時計回り方向への回転が制限される。しかし、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートの反時計回り方向への回転は、制限されてもされなくてもよい。
【0021】
連結補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備えることができ、第2の位置において、係止部材は拘束部材と係合し、それによってルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向の回転を制限することができる。第1の位置において、係止部材は拘束部材から脱離することができる。いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポートは、長手方向軸に略平行に延在する少なくとも1つの側壁と、長手方向軸に略垂直に延在する後壁とを有することができる。ルアーロック接続ポートの側壁及び後壁は、外側本体に面するそれぞれの外面と、反対側の内面とを有することができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁に対応する少なくとも1つの側壁と、ルアーロック接続ポートの後壁に対応する後壁とを有することができる。外側本体の側壁及び後壁は、ルアーロック接続ポートに面するそれぞれの内面と、反対側の内面とを有することができる。一実施例によれば、ルアーロック接続ポートの後壁の外面は、少なくとも1つの係止部材を有することができ、外側本体の後壁の内面は、対応する拘束部材を有することができ、両方が連結補助機構を構成する。ルアーロック接続ポートが第1の位置にあるとき、係止部材は拘束部材から離れており、ルアーロック接続ポートは、少なくとも時計回り方向に回転することができる。ルアーロック接続ポートが、例えば連結の開始時に(操作者によって押されるとき)外部ポートによって外側本体内で更に押されると、係止部材が拘束部材に係合して拘束され、それによって連結補助機構を連結可能状態に移行させる。係止部材と拘束部材との係合は、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する。
【0022】
別の実施例によれば、係止部材は、ルアーロック接続ポートの側壁の外面に形成することができる。拘束部材は、外側本体にボタン、キー、レバーなどの形態で形成することができる、又は外側本体の側壁の開口部を通じて操作されて係止部材に係合してルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向の回転を制限する外部部材とすることができる。
【0023】
コネクタは、ルアーロック接続ポートの長手方向軸を中心とした少なくとも反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、ルアーロック接続ポートからの外部ポートの分離を可能にするようにルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構とを更に備えることができる。
【0024】
分離補助機構は、外側本体内でのルアーロック接続ポートの少なくとも螺合解除の方向、一般的な用途では反時計回りであり得る方向への回転を選択的に防止することができるものとして当業者に理解されるような任意の構造を含むことができる。特定の実施例では、螺合解除の方向が時計回りである場合、分離補助機構は、分離可能状態において、ルアーロック接続ポートの回転を少なくとも時計回り方向に制限するように構成することができる。いくつかの実施例では、分離補助機構は、コネクタの外部にあるか、又は外側本体内に形成されたボタン、キー、レバーなどを含むことができ、外側本体内のルアーロック接続ポートの回転を防止するように操作することができる。いくつかの実施例では、分離補助機構は、少なくとも1対の突出部及びキャッチャーを含むことができ、一方はルアーロック接続ポートに形成され、他方は外側本体に形成されるか、又は外側本体を通じて動作可能であり、突出部及びキャッチャーは、外側本体内でのルアーロック接続ポートの回転を防止するように互いに係合することができる。分離補助機構は、分離不能状態に構成することができ、分離が行われるときに分離可能状態を達成するように、操作者によって(例えば、押圧力によって)作動させることができる。
【0025】
分離補助機構は、少なくとも外部ポートからのルアーロック接続ポートの分離が進行中である間、分離可能状態をとるように構成することができる。
【0026】
外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、側壁は、少なくとも分離可能状態において、ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するために分離補助機構と共に使用されるように構成することができる。いくつかの実施例では、分離補助機構は、コネクタの外部にあるボタン、アクチュエータ、キー、レバーなどを含み、外側本体の側壁に形成された開口部を介してルアーロック接続ポートの側壁にアクセスするために使用されて、ルアーロック接続ポートを把持して回転を制限し、それによってルアーロック接続ポートからの外部ポートの螺合解除を容易にすることができる。
【0027】
分離補助機構は、開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備えることができ、アクチュエータは、ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、分離補助機構は、アクチュエータに押圧力が加えられると、分離可能状態をとり、力が除去されると、分離不能状態をとるように構成されている。いくつかの実施例では、アクチュエータは、外側本体の側壁の開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたボタンとすることができる。外部ポートをルアーロック接続ポートから分離しようとするとき、操作者はボタンを押圧することができ、ボタンの内面がルアーロック接続ポートの外面に係合し、それによってルアーロック接続ポートの回転を制限する。分離補助機構が、外側本体に固定されたアクチュエータ、ボタン、又はレバーなどを備える場合、対応する開口部は、側壁上の他の開口部よりも大きくすることができるが、アクチュエータ、ボタン、又はレバーなどは、ルアーロック接続ポートへの指先による直接アクセスを可能にするのに十分な空間を開口部の周りに残さないように、開口部内に位置付けることができる。分離補助機構が外部非固定要素としてアクチュエータ、ボタン、又はレバーなどを備える場合、ルアーロック接続ポートへの指先による直接アクセスを可能にするほど十分な大きさの開口部はなくすことができる。
【0028】
分離可能状態において、長手方向軸とアクチュエータ外面との間の最小距離は、長手方向軸と開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さい。分離可能状態において、アクチュエータ外面の少なくとも大部分は、開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けられる。いくつかの実施例では、アクチュエータは、アクチュエータの外面、すなわちルアーロック接続ポートから離れて面するアクチュエータの表面が、開口部のリムよりもルアーロック接続ポートに向かって更に内側になるように開口部内に沈み込んだ少なくともいくつかの部分を有するように、開口部内に位置付けることができる。したがって、アクチュエータは、外部ポートをルアーロック接続ポートから分離することを容易にするためのボタンであると操作者が通常想定しない隠れたボタンであるように構成することができる。
【0029】
アクチュエータは、外側本体から延在する第1の部分と、第1の部分から延在する第2の部分とを有することができ、第1の部分は、外側本体の一部を形成する。第1の部分及び第2の部分は、レバーを構成することができる。いくつかの実施例では、アクチュエータは、レバーの形態であり得る。アクチュエータは、外側本体の延長部である第1の部分と、第1の部分の連続部である第2の部分とを有することができる。
【0030】
分離補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、アクチュエータの内面の一部を構成する第2の係合部とを備えることができ、分離可能状態において、第1の係合部が第2の係合部に係合することにより、ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限することができる。分離不能状態において、第1の係合部は、第2の係合部から脱離することができる。第1の係合部は、ルアーロック接続ポートの外面に形成された少なくとも1つの突出部を備えることができ、第2の係合部は、アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備えることができ、分離可能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限することができる。分離不能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部から脱離することができる。
【0031】
いくつかの実施例では、突出部及び歯は、位置を切り替えることができる、すなわち、歯は、アクチュエータ内面に形成することができ、突出部は、ルアーロック接続ポートの外面に形成することができる。
【0032】
アクチュエータは、少なくとも1つの突出部が少なくとも1つの歯に対して半径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成することができる。少なくとも1つの突出部は、ルアーロック接続ポートの外面からアクチュエータに向かって延在する突出部側面を有することができ、少なくとも1つの歯は、アクチュエータ内面からルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有することができ、分離可能状態において、歯側面は突出部側面に係合する。
【0033】
ルアーロック接続ポートは、長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成することができる。第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置とすることができ、特定の実施例では、第1の位置とすることができる。いくつかの実施例では、第1の位置は、外側本体内のルアーロック接続ポートの通常位置とすることができ、ルアーロック接続ポートは、外側本体の近位端から外側本体内の第1の範囲である。第2の位置では、ルアーロック接続ポートは、外側本体の近位端から外側本体内で第1の範囲よりも大きい第2の範囲にあり得る。
【0034】
ルアーロック接続ポートは、ルアーロック接続ポートから外部ポートを分離する間に引張力が加えられると、第2の位置から第3の位置に自由に変位するように構成することができる。いくつかの実施例では、分離が行われるとき、流体移送デバイスは、コネクタから離れる方向に引っ張られ、それによって、ルアーロック接続ポートを第3の位置に引っ張ることができる。第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置とすることができ、特定の実施例では、第1の位置とすることができる。
【0035】
分離補助機構は、ルアーロック接続ポートが第3の位置に変位すると、分離可能状態をとるように構成することができる。いくつかの実施例では、分離補助機構は、ルアーロック接続ポートが第2の位置に変位すると、分離可能状態をとるように構成することができる。いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポート、外側本体、及び分離補助機構、並びにそれらの互いに対する位置決めは、分離補助機構が、ルアーロック接続ポートが第3の位置にあるときにのみ、自動的に分離可能状態に変位するか、又は操作者によって分離可能状態に変位させることができるように構成することができる。第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置とすることができ、特定の実施例では、第1の位置とすることができる。
【0036】
したがって、外部ポートをルアーロック接続ポートから分離するために、ルアーロック接続ポートは、上述のように第1の通常位置であり得る第3の位置に動かす必要があり得、歯は、歯及び突出部が半径方向に位置合わせされないように、すなわち、互いの上/下にないように突出部に対して位置付けられ、次いで、分離補助機構は、分離可能状態に変位され、それによって、ルアーロック接続ポートの反時計回り方向への回転を制限する。そのような状態において、外部ポートを反時計回りに回転させることができ、ルアーロック接続ポートから分離することができる。
【0037】
いくつかの実施例では、連結補助機構及び分離補助機構は、連結並びに分離を簡易化するように構成された同じ機構であり得る。例えば、機構は、作動時に、ルアーロック接続ポートの回転を時計回り方向及び反時計回り方向の一方及び両方に制限するように構成することができる。
【0038】
ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートとすることができ、雄型ルアーロック接続ポートは、連結時にカラーが外部ポートと外側本体との間に位置付けられ、外側本体が外側からカラーの少なくとも大部分を覆うように、カラーと細長い中央部材との間に外部ポートを螺合して受け入れることによって外部ポートに連結されるように構成することができる。いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポートは、対応する雌コネクタに挿入される、雄部材を構成する細長い中央部材を有する雄ポートであり得る。中央部材は、カラーによって少なくとも半径方向に取り囲むことができる。カラーは、細長い中央部材に面する内面にねじ山を含むことができる。ねじ山は、外部ポートの外面に形成された対応するねじ山を受け入れるように構成することができる。
【0039】
カラーは、細長い中央部材に平行に延在することができ、カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲であることができる。外側本体は、カラーの少なくとも大部分を覆うことができる。スカート部材及び細長い中央部材は、一体的に形成することができる。
【0040】
外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆うことができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆うことができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆うことができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆うことができる。
【0041】
本開示の主題の第2の態様によれば、医療用流体移送デバイスで使用するように構成されたアダプタであって、本開示の主題の第1の態様による上述のコネクタを備えるアダプタが提供される。
【0042】
アダプタは、遠位端に位置付けられる隔壁を備える、その隔壁を通ってシリンジの少なくとも1本のニードルを受け入れるように構成することができる。
【0043】
コネクタは、アダプタの近位部を構成することができる。
【0044】
本開示の主題の第3の態様によれば、流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、
当該流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートと、
ルアーロック接続ポートの少なくとも一部を覆う外側本体と、ルアーロック接続ポートの長手方向軸を中心とした少なくとも反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、ルアーロック接続ポートからの外部ポートの分離を可能にするようにルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構とを備える、コネクタが提供される。
【0045】
流体移送デバイスは、医療システム、例えば、危険な薬物を1つの容器から別の容器へ安全に移送することが必要とされる薬物混合システムで使用される一般に既知なルアーロック接続装置とすることができる。いくつかの実施例では、流体移送デバイスは、容器間の流体の移送を容易にする任意の接続デバイスであり得る。
【0046】
上述のコネクタは、直接的に又は対応するアダプタを介して容器と流体移送デバイスとの間の接続を容易にするように構成されたアダプタと一体化することができる。いくつかの実施例では、容器はシリンジとすることができ、アダプタは、直接又は標準的なシリンジアダプタを介したシリンジと、通常の雌ルアーロック接続デバイスとの間の接続を容易にすることができる。いくつかの実施例では、アダプタは、シリンジアダプタの雌コネクタとの安全な接続のために、標準的な雌ルアーロックポートのドッキングポートへの変換を容易にする。
【0047】
外側本体は、流体移送デバイスに向かって位置付けられる近位端と、使用中に容器に向かって位置付けられる遠位端とを有する略円筒形の中空本体とすることができる。ルアーロック接続ポートは、流体移送デバイスの外部ポートを受け入れるように、外側本体内の近位端に位置付けることができる。特定の用途において、外部ポートは、標準的な雌ルアーロックポートである。ルアーロック接続ポートは、外側本体と共通の長手方向軸を有するように、かつルアーロック接続ポートがその軸を中心に回転することができるように、外側本体内に位置付けることができる。ルアーロック接続ポートは、それに連結される外部ポートに形成された対応するねじ山を受け入れるためのねじ山を含むことができる。
【0048】
外側本体は、ルアーロック接続ポート内に位置付けられて外部ポートに連結されたときに、ルアーロック接続ポートに容易にアクセスできないように、又は少なくとも指先でアクセスできないように、ルアーロック接続ポートを概ね覆うことができる。いくつかの実施例では、外側本体の側壁は、1つ以上の開口部を有することができ、各開口部は、子供の指先のサイズよりも小さく、したがって、特に、医療用薬剤送達システムにおいて使用されるとき、子供は、指先でルアーロック接続ポートにアクセスすることができない。子供がルアーロック接続ポートにアクセスできないことは、子供がルアーロック接続ポートの回転を防止できないように確保し、それによってルアーロック接続ポートの外部ポートからの意図しない分離を防止する。約3~10歳の子供の指先の平均直径は、約10~12mmである。したがって、いくつかの実施例では、1つ又は複数の開口部の各々の少なくとも1つの寸法は、10mm未満とすることができる。したがって、コネクタは、いたずら防止コネクタとして構成することができる。
【0049】
ルアーロック接続ポートは、外部ポートに連結された後に外側本体内で回転することができ、したがって、ルアーロック接続ポートを外部ポートから分離するために、螺合解除方向(一般的な用途では反時計回りであり得る)へのルアーロック接続の回転を制限する必要がある。特定の実施例では、螺合解除の方向が時計回りである場合、分離補助機構は、分離可能状態において、ルアーロック接続ポートの回転を少なくとも時計回り方向に制限するように構成することができる。連結補助機構は、外側本体内でのルアーロック接続ポートの少なくとも螺合解除方向への回転を選択的に防止することができるものとして当業者に理解される任意の構造を含むことができる。いくつかの実施例では、分離補助機構は、コネクタの外部にあるか、又は外側本体内に形成されたボタン、キー、レバーなどを含むことができ、外側本体内のルアーロック接続ポートの回転を防止するように操作することができる。いくつかの実施例では、分離補助機構は、少なくとも1対の突出部及びキャッチャーを含むことができ、一方はルアーロック接続ポートに形成され、他方は外側本体に形成されるか、又は外側本体を通じて動作可能であり、突出部及びキャッチャーは、外側本体内でのルアーロック接続ポートの回転を防止するように互いに係合することができる。分離補助機構は、通常は分離不能状態のままであるように構成することができ、分離が行われるときに分離可能状態を達成するように、操作者によって作動させることができる。
【0050】
分離補助機構は、少なくとも外部ポートからのルアーロック接続ポートの分離が進行中である間、分離可能状態をとるように構成することができる。分離は、分離が開始された後であって、かつ外部ポートがルアーロック接続ポートから完全に分離される前の期間中、進行中であると理解されるべきである。
【0051】
外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、側壁は、少なくとも分離可能状態において、ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するように分離補助機構と共に使用されるように構成することができる。いくつかの実施例では、分離補助機構は、コネクタの外部にあるボタン、アクチュエータ、キー、レバーなどを含むことができ、外側本体の側壁に形成された開口部を介してルアーロック接続ポートの側壁にアクセスするために使用されて、ルアーロック接続ポートを把持して回転を制限し、それによってルアーロック接続ポートからの外部ポートの螺合解除を容易にすることができる。
【0052】
分離補助機構は、開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備えることができ、アクチュエータは、ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、分離補助機構は、アクチュエータに押圧力が加えられると、分離可能状態をとり、力が除去されると、分離不能状態をとるように構成されている。いくつかの実施例では、アクチュエータは、外側本体の側壁の開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたボタンとすることができる。外部ポートをルアーロック接続ポートから分離しようとするとき、操作者はボタンを押圧することができ、ボタンの内面がルアーロック接続ポートの外面に係合し、それによってルアーロック接続ポートの回転を制限する。分離補助機構が、外側本体に固定されたアクチュエータ、ボタン、又はレバーなどを備える場合、対応する開口部は、側壁上の他の開口部よりも大きくすることができるが、アクチュエータ、ボタン、又はレバーなどは、ルアーロック接続ポートへの指先による直接アクセスを可能にする空間を開口部の周りに残さないように、開口部内に位置付けることができる。分離補助機構が外部非固定要素としてアクチュエータ、ボタン、又はレバーなどを備える場合、ルアーロック接続ポートへの指先による直接アクセスを可能にするほど十分な大きさの開口部はなくすことができる。
【0053】
分離可能状態において、長手方向軸とアクチュエータ外面との間の最小距離は、長手方向軸と開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さくすることができる。分離可能状態において、アクチュエータ外面の少なくとも大部分は、開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けることができる。いくつかの実施例では、アクチュエータは、アクチュエータの外面、すなわちルアーロック接続ポートから離れて面するアクチュエータの表面が、開口部のリムよりもルアーロック接続ポートに向かって更に内側になるように開口部内に沈み込んだ少なくともいくつかの部分を有するように、開口部内に位置付けることができる。したがって、アクチュエータは、外部ポートをルアーロック接続ポートから分離することを容易にするためのボタンであると操作者が通常想定しない隠れたボタンであるように構成することができる。
【0054】
アクチュエータは、外側本体から延在する第1の部分と、第1の部分から延在する第2の部分とを有することができ、第1の部分は、外側本体の一部を形成することができる。第1の部分及び第2の部分は、レバーを構成することができる。いくつかの実施例では、アクチュエータは、レバーの形態であり得る。アクチュエータは、外側本体の延長部である第1の部分と、第1の部分の連続部である第2の部分とを有することができる。
【0055】
分離補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、アクチュエータの内面の一部を構成する第2の係合部とを備えることができ、分離可能状態において、第1の係合部が第2の係合部に係合することにより、ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限することができる。分離不能状態において、第1の係合部は、第2の係合部から脱離することができる。第1の係合部は、ルアーロック接続ポートの外面に形成された少なくとも1つの突出部を備えることができ、第2の係合部は、アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備えることができ、分離可能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限することができる。分離不能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部から脱離することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、突出部及び歯は、位置を切り替えることができる、すなわち、歯は、アクチュエータ内面に形成することができ、突出部は、ルアーロック接続ポートの外面に形成することができる。
【0057】
アクチュエータは、少なくとも1つの突出部が少なくとも1つの歯に対して半径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成することができる。少なくとも1つの突出部は、ルアーロック接続ポートの外面からアクチュエータに向かって延在する突出部側面を有することができ、少なくとも1つの歯は、アクチュエータ内面からルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有することができ、分離可能状態において、歯側面は突出部側面に係合する。
【0058】
ルアーロック接続ポートは、第1の位置と第2の位置との間で長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成することができる。いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポート、外側本体、及び分離補助機構、並びにそれらの互いに対する位置決めは、ルアーロック接続ポート及び外側本体が互いに対して特定の位置にあるときにのみ分離補助機構を分離可能状態に変位させることができるように構成することができる。特定の位置は、ルアーロック接続ポートが長手方向軸に沿って外側本体内のどの範囲にあるかによって画定され得る。
【0059】
一実施例によれば、ルアーロック接続ポートは、分離中に操作者によって押圧力が流体移送デバイスに加えられると、第1の位置から第2の位置に変位するように構成することができる。第1の位置は、外側本体内のルアーロック接続ポートの通常位置とすることができ、この通常位置において、ルアーロック接続ポートは、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向に自由に回転することができる。第1の位置にあるとき、ルアーロック接続ポートは、外側本体の近位端から外側本体内の第1の範囲にある。第2の位置では、ルアーロック接続ポートは、外側本体の近位端から外側本体内の第1の範囲よりも大きい第2の範囲にあり得る。
【0060】
ルアーロック接続ポートは、長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成することができる。ルアーロック接続ポートは、分離中に操作者によって引張力が流体移送デバイスに加えられると、第2の位置から第3の位置に変位するように構成することができる。第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置とすることができ、特定の実施例では、第1の位置とすることができる。いくつかの実施例では、分離が行われるとき、流体移送デバイスは、コネクタから離れる方向に引っ張られ、それによって、ルアーロック接続ポートを第3の位置に引っ張ることができる。
【0061】
分離補助機構は、いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポートが第2の位置に変位すると、分離可能状態をとるように構成することができる。
【0062】
分離補助機構は、ルアーロック接続ポートが第3の位置に変位すると、分離可能状態をとるように構成することができる。第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置とすることができ、特定の実施例では、第1の位置とすることができる。
【0063】
いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポート、外側本体、及び分離補助機構、並びにそれらの互いに対する位置決めは、ルアーロック接続ポートが第3の位置にあるときのみ、分離補助機構が自動的に変位するか、又は操作者によって分離可能状態に変位され得るように構成することができる。
【0064】
したがって、外部ポートをルアーロック接続ポートから分離するために、ルアーロック接続ポートは、上述のように第1の通常位置であり得る第3の位置に動かす必要があり得、歯は、歯及び突出部が半径方向に位置合わせされないように、すなわち、互いの上/下にないように突出部に対して位置付けられ、次いで、分離補助機構は、分離可能状態に変位され、それによって、ルアーロック接続ポートの反時計回り方向への回転を制限する。そのような状態において、外部ポートを反時計回りに回転させることができ、ルアーロック接続ポートから分離することができる。
【0065】
コネクタは、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備えることができる。連結補助機構は、外側本体内でのルアーロック接続ポートの少なくとも螺合方向(一般的な用途では時計回りとすることができる)への回転を選択的に防止することができるものとして当業者に理解される任意の構造を含むことができる。特定の実施例では、螺合方向が反時計回りである場合、連結補助機構は、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートの回転を少なくとも反時計回り方向に制限するように構成することができる。いくつかの実施例では、連結補助機構は、コネクタの外部にあるか、又は外側本体内に形成されたボタン、キー、レバーなどを含むことができ、外側本体内のルアーロック接続ポートの回転を防止するように操作することができる。いくつかの実施例では、連結補助機構は、少なくとも1対の突出部及びキャッチャーを含むことができ、一方はルアーロック接続ポートに形成され、他方は外側本体に形成されるか、又は外側本体を通じて動作可能であり、突出部及びキャッチャーは、外側本体内でのルアーロック接続ポートの回転を防止するように互いに係合することができる。連結補助機構は、連結不能状態をとるように構成することができ、連結が行われるときに連結可能状態を達成するように操作者によって作動させることができる。
【0066】
外部ポートがルアーロック接続ポートと接触して螺合すると、連結が開始される。外部ポートがルアーロック接続ポートと螺合されるように回転されているとき、連結は進行中である。少なくとも連結の開始前に、ルアーロック接続ポートは外側本体内で回転可能であり、したがって、連結が行われるとき、ルアーロック接続ポートの少なくとも螺合方向(一般的な用途では時計回りとすることができる)への回転は、少なくとも連結が進行中となるまで防止される必要がある。外部ポートがルアーロック接続ポートと完全に螺合されると、連結が完了する。ルアーロック接続ポートは、連結が完了した後、長手方向軸を中心に回転することができる。
【0067】
連結補助機構は、少なくともルアーロック接続ポートと外部ポートとの連結が進行中である間、連結可能状態をとるように構成することができる。
【0068】
連結補助機構は、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成することができる。連結補助機構は、連結不能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成することができる。
【0069】
いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポートは、外部ポートとの連結時に、長手方向軸を中心に少なくとも反時計回り方向に回転可能であり得る。
【0070】
いくつかの実施例では、連結不能状態を第1の位置に関連付けることができ、連結可能状態を第2の位置に関連付けることができる。
【0071】
いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポート、外側本体、及び連結補助機構、並びにそれらの互いに対する位置決めは、ルアーロック接続ポート及び外側本体が互いに対して特定の位置にあるときにのみ、連結補助機構を連結可能状態に変位させることができるように構成することができる。第1の位置は、外側本体内のルアーロック接続ポートの通常位置とすることができ、この通常位置において、ルアーロック接続ポートは、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向に自由に回転することができる。第1の位置にあるとき、ルアーロック接続ポートは、外側本体の近位端から外側本体内の第1の範囲にある。第2の位置において、ルアーロック接続ポートは、外側本体の近位端から、第1の範囲よりも大きい第2の範囲であり得る。ルアーロック接続ポートが第2の位置にあるとき、連結補助機構は、自動的に連結可能状態になるか、又は連結可能状態になるように作動することができ、それに応答して、ルアーロック接続ポートの時計回り方向への回転が制限される。しかし、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートの反時計回り方向への回転は、制限されてもされなくてもよい。
【0072】
連結補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備えることができ、第2の位置において、係止部材は拘束部材と係合し、それによってルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向の回転を制限することができる。通常位置において、係止部材は、拘束部材から脱離することができる。
【0073】
いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポートは、長手方向軸に略平行に延在する少なくとも1つの側壁と、長手方向軸に略垂直に延在する後壁とを有することができる。ルアーロック接続ポートの側壁及び後壁は、外側本体に面するそれぞれの外面と、反対側の内面とを有することができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁に対応する少なくとも1つの側壁と、ルアーロック接続ポートの後壁に対応する後壁とを有することができる。外側本体の側壁及び後壁は、ルアーロック接続ポートに面するそれぞれの内面と、反対側の内面とを有することができる。一実施例によれば、ルアーロック接続ポートの後壁の外面は、少なくとも1つの係止部材を有することができ、外側本体の後壁の内面は、対応する拘束部材を有することができ、両方が連結補助機構を構成する。ルアーロック接続ポートが第1の位置にあるとき、係止部材は拘束部材から離れており、ルアーロック接続ポートは、少なくとも時計回り方向に回転することができる。ルアーロック接続ポートが、例えば連結の開始時に外部ポートによって外側本体内で更に押されると、係止部材が拘束部材に係合して拘束され、それによって連結補助機構を連結可能状態に移行させる。係止部材と拘束部材との係合は、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する。
【0074】
別の実施例によれば、係止部材は、ルアーロック接続ポートの側壁の外面に形成することができる。拘束部材は、外側本体にボタン、キー、レバーなどの形態で形成することができる、又は外側本体の側壁の開口部を通じて操作されて係止部材に係合してルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向の回転を制限する外部部材とすることができる。
【0075】
ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートとすることができ、雄型ルアーロック接続ポートは、連結時にカラーが外部ポートと外側本体との間に位置決めされ、外側本体が外側からカラーの少なくとも大部分を覆うように、カラーと細長い中央部材との間に外部ポートを螺合して受け入れることによって外部ポートに連結されるように構成することができる。いくつかの実施例では、ルアーロック接続ポートは、対応する雌コネクタに挿入される、雄部材を構成する細長い中央部材を有する雄ポートであり得る。中央部材は、カラーによって少なくとも半径方向に取り囲むことができる。カラーは、細長い中央部材に面する内面にねじ山を含むことができる。ねじ山は、外部ポートの外面に形成された対応するねじ山を受け入れるように構成することができる。
【0076】
カラーは、細長い中央部材に平行に延在することができ、カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲であることができる。外側本体は、カラーの少なくとも大部分を覆うことができる。スカート部材及び細長い中央部材は、一体的に形成することができる。
【0077】
外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆うことができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆うことができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆うことができる。外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆うことができる。
【0078】
本開示の主題の第4の態様によれば、医療用流体移送デバイスで使用するように構成されたアダプタであって、本開示の主題の第1の態様による上述のコネクタを備えるアダプタが提供される。
【0079】
アダプタは、遠位端に位置付けられる隔壁を備え、その隔壁を通ってシリンジの少なくとも1本のニードルを受け入れるように構成することができる。
【0080】
コネクタは、アダプタの近位部を構成することができる。
【0081】
本開示の主題の第5の態様によれば、流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、
長手方向軸を有する外側本体と、
外側本体内に位置付けられ、当該流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも外部ポートとの連結の開始前に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向のうちの少なくとも一方に回転可能であり、外側本体が、ルアーロック接続ポートの大部分を半径方向に覆う、ルアーロック接続ポートとを備える、コネクタが提供される。
【0082】
本開示の主題の第6の態様によれば、空気チャンバと液体チャンバとを有するシリンジに接続するために構成されたアダプタであって、
液体チャンバに連通するように構成された液体チャネルと、
空気チャンバに連通するように構成された空気チャネルと、
空気チャネルと流体連通し、空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、第1の弁常閉状態とを有する第1の弁とを備える、アダプタが提供される。
【0083】
いくつかの実施例では、上述のアダプタは、薬物(例えば、有害薬物)の安全な移送が必要とされる薬物送達システムにおいて使用されるように構成することができる。
【0084】
上述のアダプタは、空気チャンバからシリンジの外部に延在する空気ニードルを介する以外の周囲との流体連通から封止される空気チャンバを備えるシリンジ内の過圧の問題を解決するように構成することができる。この問題は、シリンジの誤用及び/又は不適切な使用のために起こり得る。実際、いくつかの実施例では、シリンジの動作は、空気チャンバ内への及び/又は空気チャンバからの空気の吸入及び/又は排出に依存することさえある。例えば、シリンジは、外部容器又は人体に液体を注入するため、並びに外部容器から液体を抽出するために使用されるように構成することができる。過圧は、シリンジの空気チャンバが、空気チャンバ内の空気が排出される容積と流体連通していないときに、外部容器からシリンジ内への液体の抽出中に発生する可能性があり、次いで、シリンジの連続動作のために空気を排出する必要がある。
【0085】
いくつかの実施例では、アダプタは、シリンジと外部容器との間で液体を移送するためにシリンジと外部容器との間の接続を容易にするように構成されたルアーロックアダプタであってもよく、上述したものと同様であってもよく、一般的に既知なルアーロックアダプタであってもよい。いくつかの実施例では、アダプタは、シリンジとIVバッグとの間の接続を容易にしてそれらの間で液体を移送するように構成されたスパイクアダプタとすることができる。スパイクアダプタは、スパイクアダプタが中間デバイスであるときに少なくとも2つの他のデバイス間の流体接続を確立するために、一度に少なくとも2つの他のデバイス間に接続され得る。スパイクアダプタ及びそれらの基本的な機能性は、当該技術分野において一般に公知であり、明確さ及び完全性のために本明細書において簡潔に記載されることに留意されたい。
【0086】
より具体的には、スパイクアダプタは、シリンジとIVバッグとの間で2つの方向に、すなわち、IVバッグからシリンジへ、及びその逆に液体を移送するために使用することができる。例えば、いくつかの医療処置では、シリンジを使用して、IVバッグからある体積の塩水を抽出し、次いで、抽出された体積の塩水をシリンジ(一般に、別のシリンジ)からの薬物と置換することが要求される。単一のスパイクアダプタをシリンジ(複数可)とIVバッグとの間の両方の動作に使用できるようにするために、スパイクアダプタは、特に、使用されるシリンジが、すなわち、空気チャンバからシリンジの外部に延在する空気ニードルを介する以外の周囲との流体連通から封止される空気チャンバを有するシリンジである場合、シリンジの空気チャンバと周囲との間の両方向の空気の流れ、すなわち、空気チャンバからの空気の排出と空気チャンバへの空気の吸入とを促進するように構成される必要がある。上述のアダプタは、液体の移送中にシリンジの空気チャンバ内の空気圧を周囲と直接交換することを容易にするように構成することができる。
【0087】
第1の弁は、空気チャネル内の空気圧が第1の所定の閾値を超えたことに応答して、第1の弁開状態に自動的に変位するように構成することができる。第1の弁は、空気チャネル内の空気圧が第1の所定の閾値を下回ったことに応答して、第1の弁閉状態に自動的に変位するように構成される。
【0088】
第1の弁は、特に、アダプタを通じてIVバッグから塩水を引き出すために使用されるシリンジと関連して動作する。いくつかの医療処置では、危険な薬物を取り扱うために既に使用されているシリンジは、周囲に放出されることが防止されるべき有害な危険な煙霧を空気チャンバ内にいくらか有する可能性があるため、新しい/未使用のシリンジのみがIVバッグから塩水を引き出すために使用されることがプロトコルの一部である必要がある。したがって、第1の弁の動作は、IVバッグから塩水を引き出すために使用されるシリンジの動作に関連付けられているので、第1の弁の動作を制御することによって、シリンジの動作は、本明細書で後述するように制御することができる。
【0089】
第1の弁が、第1の弁開状態において、空気チャネルと流体連通する第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、第1の弁常閉状態において、第1の弁座部材に係合し、それによって第1の弁通路を封止する第1の弁封止部材とを備えることができる。
【0090】
第1の弁開状態において、第1の弁封止部材は、第1の弁座部材から少なくとも部分的に脱離し、それによって第1の弁通路を封止解除することができる。
【0091】
いくつかの実施例では、第1の弁開状態において、第1の弁封止部材は、第1の弁座部材から完全に脱離し、それによって第1の弁通路を封止解除することができる。
【0092】
第1の弁通路は、空気チャネルと周囲との間に延在する第1の流路の少なくとも一部を画定することができ、第1の流路は、第1の弁常閉状態において第1の弁によって選択的に封止可能である。
【0093】
第1の弁は、第1の弁常閉状態において、第1の流路を封止することができ、第1の弁開状態において、第1の流路を封止解除して、空気チャネル内の空気の空気を周囲に逃がすことができる。
【0094】
アダプタは、空気チャネルと流体連通し、空気が周囲から空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、第2の弁常閉状態とを有する、第2の弁を更に備えることができる。
【0095】
第2の弁は、空気チャネル内の空気圧が第1の所定の閾値よりも小さい第2の所定の閾値を下回ったことに応答して、第2の弁開状態に自動的に変位するように構成することができる。第2の弁は、空気チャネル内の空気圧が第2の所定の閾値を超えたことに応答して、第2の弁閉状態に自動的に変位するように構成することができる。
【0096】
第2の弁は、特に、アダプタを通じて薬物をIVバッグに送達するために使用されるシリンジと関連して動作する。
【0097】
第2の弁は、第2の弁開状態において、空気チャネルと流体連通する第2の弁通路を有する第2の弁座部材と、第2の弁常閉状態において、第2の弁座部材に係合し、それによって第2の弁通路を封止する第2の弁封止部材とを備えることができる。
【0098】
第2の弁開状態において、第2の弁封止部材は、第2の弁座部材から少なくとも部分的に脱離し、それによって第2の弁通路を封止解除することができる。
【0099】
いくつかの実施例では、第2の弁開状態において、第2の弁封止部材は、第2の弁座部材から完全に脱離し、それによって第2の弁通路を封止解除することができる。
【0100】
第2の弁通路は、空気チャネルと周囲との間に延在する第2の流路の少なくとも一部を画定し、第2の流路は、第2の弁常閉状態において第2の弁によって選択的に封止可能である。
【0101】
第2の弁は、第2の弁常閉状態において、第2の流路を封止し、第2の弁開状態において、第2の流路を封止解除して、空気が周囲から空気チャネルに入ることを可能にすることができる。
【0102】
第1の弁及び第2の弁は、単一の共通弁ハウジング内に位置付けることができる。いくつかの実施例では、弁ハウジングは、アダプタ内に一体的に形成することができる。他の実施例では、弁ハウジングを別個に形成してアダプタに取り付けることができる。弁ハウジングは、アダプタの一部を構成することができるが、弁ハウジングは、アダプタの1つ以上の部分を含むことができ、そうでなければ、異なる目的のために追加的に構成することができる。換言すれば、第1及び第2の弁は、共通の弁として動作するように互いに協働するようにアダプタ内に位置付けることができ、そのような共通の弁を含むアダプタの部分は、弁ハウジングを構成する。他の実施例では、弁ハウジングはアダプタとは別個であり、アダプタに取り付けることができる。
【0103】
第1の弁及び第2の弁は、単一の弁装置として一体化することができる。弁装置は、空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が周囲から空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに弁装置を変位させるように構成された単一の一体化された封止部材として構成された第1及び第2の封止部材を備えることができる。
【0104】
弁装置は、通常、常全閉状態にあり、弁装置は、弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、第1の弁開状態に自動的に変位し、弁装置は、弁装置内の空気圧が第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、第2の弁開状態に自動的に変位することができる。第1の所定の閾値は、第2の所定の閾値よりも大きくてもよい。弁装置は、弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値及び第2の所定の閾値内にあることに応答して、常全閉状態に自動的に変位することができる。
【0105】
封止部材は、一体であり得る。
【0106】
弁装置は、第1の弁座部材及び第2の弁座部材を更に備え、単一の一体化された封止部材は、第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有することができる。
【0107】
封止部材の第1の部分と第1の弁座部材との協働は、第1の弁として動作し、封止部材の第2の部分と第2の弁座部材との協働は、第2の弁として動作する。
【0108】
常全閉状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に係合して、それによって第1の弁通路を封止し、封止部材の第2の部分が第2の弁座部材に係合して、それによって第2の弁通路を封止し、
第1の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第1の弁通路を封止解除し、第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材と係合し、それによって第2の弁通路を封止し、
第2の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第2の弁通路を封止解除し、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材と係合し、それによって第1の弁通路を封止する。
【0109】
弁装置は、第1の弁開状態において、第1の弁通路を介して弁装置内から弁装置の外部へ空気を逃がすことができ、第2の弁開状態において、第2の弁通路を介して弁装置の外部から弁装置内へ空気を流入させることができる。
【0110】
いくつかの実施例では、弁装置は、弁装置内と周囲との間の空気の交換を容易にするように構成することができる。弁装置は、圧力をある範囲内に維持する必要がある流体移送システムと共に使用することができる。そのようなシステムでは、空気圧は、第1の所定の閾値を下回る場合に周囲から内向きに流れることを可能にし、第2の所定の閾値を上回る場合に周囲へ外向きに流れることを可能にする必要がある。弁装置は、システムと流体連通して、システムと周囲との間で空気圧を交換する弁装置を有するように、そのような流体移送システムと共に使用することができる。
【0111】
本発明の第6の態様の第1の具体例によれば、第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合しており、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合している。
【0112】
封止部材の第1の部分及び封止部材の第2の部分は、封止部材の対向する端部に位置付けることができる。
【0113】
アダプタは、第1の弁及び周囲と流体連通する第1の出口を更に備えることができ、第1の出口は、アダプタを外部雌コネクタから取り外すように動作するレバーボタンをその中に受け入れるように構成することができる。いくつかの実施例では、第1の弁は、周囲と空気チャネルとの間の空気の交換を容易にするために、別の目的のために追加的に構成されたアダプタ内の開口部を利用することができる。
【0114】
第1の流路は、第1の出口を介して延在することができる。
【0115】
アダプタは、第2の弁及び周囲と流体連通する第2の出口を更に備えることができ、第2の出口は、アダプタの近位端を構成するルアーロック接続ポートの外側本体の側壁に形成された開口部とすることができる。
【0116】
第2の流路は、第2の出口を介して延在することができる。
【0117】
いくつかの実施例では、封止部材は、一体であり得る。他の実施例では、第1及び第2の封止部材部分は、別々に形成され、互いに接続することができる。
【0118】
いくつかの実施例では、封止部材は、封止部材の第1の部分を構成する第1の端部と第2の端部とを有する中央部を含むことができ、弾性スカート部は、第2の端部の周囲から延在し、スカート部は、第2の端部に近位の第1のリムと第2の端部から遠位の第2のリムとの間に画定することができる。スカート部は、第2の弁座部材に面する外面と、反対側の内面とを有することができる。常全閉状態において、第2のリムは、第2の弁通路の周りで第2の弁座部材に係合することができる一方で、第1のリムと第2の弁座部材との間に間隙を維持し、中央部の第1の端部は、第1の弁座部材に係合することができる。この状態において、中央部と、スカート部の内面と、弁装置の内壁と、第1の弁座部材と、第2の弁座部材との間に画定された容積が、弁装置内の容積を画定する。弁装置内の第1の所定の閾値を超える空気圧の増加に応答して、スカート部材の内面に加えられる圧力は、中央部材の第2の端部を第2の端部と第2の弁座部材との間の間隙内に圧縮させ、それによって第1の端部を第1の弁座部材から脱離させ、更にそれによって第1の弁通路を封止解除することができる。したがって、増加した空気圧は、第1の弁通路を介して弁装置内から大気に放出することができる。
【0119】
弁装置内の第2の所定の閾値を下回る空気圧の減少に応答して、第2のリムは、第2の弁座部材から脱離し、それによって、第2の弁通路を封止解除することができる。
【0120】
本開示の主題の第6の態様の第2の特定の例によれば、第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備えることができ、第1の弁座部材は、弁座開口部を通って延在する中央部材を備えることができ、封止部材は、少なくとも部分的に弁座開口部内に、かつ弁座と中央部材との間に半径方向に位置付けられる。いくつかの実施例では、中央部材は、弁座開口部を通って軸方向に延在することができる。
【0121】
封止部材の第1の部分は、中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、空気が中央部材と封止部材との間に画定された第1の弁通路を通過することを可能にし、封止部材の第2の部分は、弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、空気が弁座と封止部材との間に画定された第2の弁通路を通過することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、封止部材は、弁座開口部を通って軸方向に延在する長手方向部材を備えることができ、封止部材の第1の部分は、長手方向部材から中央部材に向かって半径方向に延在することができ、封止部材の第2の部分は、長手方向部材から弁座に向かって半径方向に延在することができる。
【0122】
弁座は、空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有することができ、封止部材の第2の部分は弁座内面に係合し、封止部材は、弁座の外面に係合するように構成され、それによって、封止部材をその位置に保持する固定部材を有する封止部材の第3の部分を更に備える。いくつかの実施例では、固定部材は、長手方向部材から弁座に向かって半径方向に延在することができ、弁座の外面に係合する。封止部材の第2の部分、及び弁座に係合する固定部材は、封止部材を弁座に対する位置に保持する。封止部材の第2の部分が弁座から脱離すると、弁座外面に係合する固定部材は、封止部材の軸方向変位を防止する。
【0123】
アダプタは、アダプタが液体チャネルを通る液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、アダプタが液体チャネルを通る液体の移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間でアダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータを更に備えることができる。また、上述したように、アダプタは、二重機能アダプタであってもよく、すなわち、アダプタは、2つの方向への液体の移送を容易にするように構成することができる。アダプタは、外部容器からシリンジ内に液体を引き込むため、並びにシリンジ内から外部容器内に液体を注入するために使用されるように構成することができる。アダプタの完全動作状態は、本明細書では、アダプタが、外部容器から液体を引き出すため、並びに外部容器に液体を注入するために、シリンジと共に使用されることができる状態と称され、2つのシリンジは、一般には異なる。アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態は、本明細書では、アダプタが、外部容器から液体を引き出すこと、又は外部容器内に液体を送達することのうちの少なくとも一方のために、シリンジと共に使用されることができない状態と称されている。本明細書に記載される1つの特定の実施例では、アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態は、本明細書では、アダプタが、外部容器内に液体を送達するためにシリンジと共に使用できるが、外部容器からシリンジ内に液体を引き出すためには使用できない状態として言及されている。
【0124】
アダプタがスパイクアダプタである特定の実施例によれば、アダプタは、IVバッグから塩水を引き出すため、並びにIVバッグ内に薬物を送達するために、シリンジと共に使用することができる。上述したように、プロトコルは、IVバッグから塩水を引き出すために、医師が新しい/未使用のシリンジを使用することを要求することができる。アダプタは、IVバッグから塩水を引き出すために新しいシリンジを使用する必要があることを施術者に気付かせるように、選択的に少なくとも部分的な動作状態に構成することができる。例えば、アダプタは、通常、IVバッグからシリンジへの方向にアダプタを通過する液体の流れが遮断される少なくとも部分的な動作不能状態に構成することができる。したがって、施術者がIVバッグからシリンジ内に塩水を抜き取る目的でアダプタを使用したい場合、アダプタは、施術者がアクチュエータを使用することによって完全動作状態に手動で切り替えられる必要があり、それによって、施術者がその目的のために既に使用されたシリンジを偶発的かつ不注意に使用することを防止し、アダプタが完全動作状態に切り替えられると、新しいシリンジが使用されるべきであることを施術者に気付かせる。
【0125】
いくつかの実施例では、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成することができる。アダプタは、周囲と空気チャネルとの間の空気の通過を制御することによって、間接的に液体チャネルを通る液体の一方向への移動を防止するように構成することができる。液体の流れは、空気チャネルを介したシリンジの空気チャンバからの空気の排出及び空気チャンバへの空気の吸入に依存する。したがって、空気チャネルを通る空気の通過を制御することによって、液体の移送を間接的に制御することができる。
【0126】
液体チャネルを通る流体の移動は、第1の弁を通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、アクチュエータは、空気の通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態にアダプタを変位させ、それによって液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成することができる。
【0127】
完全動作状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1の方向及び反対の第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、少なくとも部分的な動作不能状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1の方向及び第2の方向のうちの少なくとも一方に液体を移送するように動作不能である。
【0128】
液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動は、第1の弁を通るアダプタ内からの空気の排出に依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の排出を防止し、それによって、液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にする。いくつかの実施例では、第1の方向は、IVバッグからシリンジに向かう方向とすることができ、第2の方向は、シリンジからIVバッグに向かう方向とすることができる。
【0129】
液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動は、第1の弁を通るアダプタ内への空気の取り込みに依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の取り込みを防止し、それによって、液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にすることができる。
【0130】
いくつかの実施例では、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、液体チャネルを通る液体の移動を直接的に少なくとも部分的に遮断するように構成することができる。
【0131】
アクチュエータは、アダプタの完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有することができる。例えば、アクチュエータが第1のアクチュエータ状態にあるとき、アダプタは、完全動作状態にあり得、アクチュエータが第2のアクチュエータ状態にあるとき、アダプタは、少なくとも部分的な動作不能状態にあり得る。
【0132】
アクチュエータは、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態と第2のアクチュエータ状態との間で変位可能であり得る。外力は、押圧力、引張力、回転力、又は押圧/引張力と回転力との組み合わせとすることができる。
【0133】
いくつかの実施例では、アクチュエータは、外力が除去されると、第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成することができる。例えば、アクチュエータは、第1又は第2のアクチュエータ状態に選択的に切り替えられ、再び切り替えられるまでその状態を保持するように構成されたスイッチとすることができる。
【0134】
いくつかの実施例では、アクチュエータは、通常は第1及び第2のアクチュエータ状態の一方に構成することができ、外力が加えられると第1及び第2のアクチュエータ状態の他方に変位し、外力が除去されると第1及び第2のアクチュエータ状態の上記一方に自動的に戻るように構成される。例えば、アクチュエータは、通常は第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に留まるように付勢されるように構成された付勢ボタンであり得る。外力が加えられると、ボタンは、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位され、次いで、外力が除去されると、付勢力に起因して、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの通常の一方に戻るように構成することができる。
【0135】
アクチュエータは、通常は第2のアクチュエータ状態に構成することができ、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態に変位し、外力が除去されると、第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成される。特定の実施例では、付勢ボタンとして構成されるアクチュエータは、通常は第2のアクチュエータ状態にあるように、すなわち、アダプタを少なくとも部分的な動作不能状態に維持し、それによって空気チャネル内から周囲への空気の排出を防止するように構成することができる。外力が加えられると、ボタンは、第1のアクチュエータ状態に変位し、それによって、アダプタを完全動作状態に変位させ、空気が空気チャネルから周囲に排出されることを可能にする。当該外力が除去されると、ボタンは第2のアクチュエータ状態に戻り、それによってアダプタを少なくとも部分的な動作不能状態に変位させる。
【0136】
第2のアクチュエータ状態において、アクチュエータは、封止部材の第3の部分に係合し、中央部材と封止部材との間からの空気の通過を防止し、それによって、弁装置の状態にかかわらず、弁装置からの空気の排出を不能にするように構成することができる。特定の実施例では、スイッチとして構成されたアクチュエータは、封止部材の第3の部分を構成する固定部材に係合するように構成することができ、それによって、中央部材と封止部材との間からの空気の通過を遮断し、それによって、弁装置が第1の弁開状態にあるかどうかにかかわらず、アダプタからの空気の排出を不能にする。
【0137】
本開示の主題の第7の態様によれば、弁装置であって、
空気が弁装置内から周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が周囲から弁装置内に入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに弁装置を変位させるように構成された封止部材を備える、弁装置が提供される。
【0138】
弁装置は、通常、常全閉状態にあることができ、封止部材は、弁装置を、弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、第1の弁開状態に自動的に変位させ、弁装置内の空気圧が第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、第2の弁開状態に自動的に変位させる。封止部材は、弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値及び第2の所定の閾値内にあることに応答して、弁装置を常全閉状態に自動的に変位させる。第1の所定の閾値は、第2の所定の閾値よりも大きい。
【0139】
弁装置が、第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、第2の弁通路を少なくとも部分的に画定する第2の弁座部材とを更に備えることができ、封止部材は、第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有する。
【0140】
常全閉状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に係合して、それによって第1の弁通路を封止し、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材に係合して、それによって第2の弁通路を封止し、
第1の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第1の弁通路を封止解除し、第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材と係合し、それによって第2の弁通路を封止し、
第2の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第2の弁通路を封止解除し、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材と係合し、それによって第1の弁通路を封止する。
【0141】
弁装置は、第1の弁開状態において、第1の弁通路を介して弁装置内から弁装置の外部へ空気を逃がすことができ、第2の弁開状態において、第2の弁通路を介して弁装置の外部から弁装置内へ空気を流入させることができる。
【0142】
いくつかの実施例では、弁装置は、弁装置内と周囲との間の空気の交換を容易にするように構成することができる。弁装置は、圧力をある範囲内に維持する必要がある流体移送システムと共に使用することができる。そのようなシステムでは、空気圧は、第1の所定の閾値を下回る場合に周囲から内向きに流れることを可能にし、第2の所定の閾値を上回る場合に周囲へ外向きに流れることを可能にする必要がある。弁装置は、システムと流体連通して、システムと周囲との間で空気圧を交換する弁装置を有するように、そのような流体移送システムと共に使用することができる。
【0143】
本発明の第7の態様の第1の具体例によれば、第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合しており、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合している。
【0144】
封止部材の第1の部分及び封止部材の第2の部分は、封止部材の対向する端部に位置付けることができる。
【0145】
いくつかの実施例では、封止部材は、一体であり得る。他の実施例では、第1及び第2の封止部材部分は、別々に形成され、互いに接続することができる。
【0146】
いくつかの実施例では、封止部材は、封止部材の第1の部分を構成する第1の端部と第2の端部とを有する中央部を含むことができ、弾性スカート部は、第2の端部の周囲から延在し、スカート部は、第2の端部に近位の第1のリムと第2の端部から遠位の第2のリムとの間に画定することができる。スカート部は、第2の弁座部材に面する外面と、反対側の内面とを有することができる。常全閉状態において、第2のリムは、第2の弁通路の周りで第2の弁座部材に係合することができる一方で、第1のリムと第2の弁座部材との間に間隙を維持し、中央部の第1の端部は、第1の弁座部材に係合することができる。この状態において、中央部と、スカート部の内面と、弁装置の内壁と、第1の弁座部材と、第2の弁座部材との間に画定された容積が、弁装置内の容積を画定する。弁装置内の第1の所定の閾値を超える空気圧の増加に応答して、スカート部材の内面に加えられる圧力は、中央部材の第2の端部を第2の端部と第2の弁座部材との間の間隙内に圧縮させ、それによって第1の端部を第1の弁座部材から脱離させ、更にそれによって第1の弁通路を封止解除することができる。したがって、増加した空気圧は、第1の弁通路を介して弁装置内から大気に放出することができる。
【0147】
弁装置内の第2の所定の閾値を下回る空気圧の減少に応答して、第2のリムは、第2の弁座部材から脱離し、それによって、第2の弁通路を封止解除することができる。
【0148】
本開示の主題の第7の態様の第2の特定の例によれば、第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備えることができ、第1の弁座部材は、弁座開口部を通って延在する中央部材を備えることができ、封止部材は、少なくとも部分的に弁座開口部内に、かつ弁座と中央部材との間に半径方向に位置付けられる。いくつかの実施例では、中央部材は、弁座開口部を通って軸方向に延在することができる。
【0149】
封止部材の第1の部分は、中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、空気が中央部材と封止部材との間に画定された第1の弁通路を通過することを可能にし、封止部材の第2の部分は、弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、空気が弁座と封止部材との間に画定された第2の弁通路を通過することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、封止部材は、弁座開口部を通って軸方向に延在する長手方向部材を備えることができ、封止部材の第1の部分は、長手方向部材から中央部材に向かって半径方向に延在することができ、封止部材の第2の部分は、長手方向部材から弁座に向かって半径方向に延在することができる。
【0150】
弁座は、空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有することができ、封止部材の第2の部分は弁座内面に係合し、封止部材は、弁座の外面に係合するように構成され、それによって、封止部材をその位置に保持する固定部材を有する封止部材の第3の部分を更に備える。いくつかの実施例では、固定部材は、長手方向部材から弁座に向かって半径方向に延在することができ、弁座の外面に係合する。封止部材の第2の部分、及び弁座に係合する固定部材は、封止部材を弁座に対する位置に保持する。封止部材の第2の部分が弁座から脱離すると、弁座外面に係合する固定部材は、封止部材の軸方向変位を防止する。
【0151】
いくつかの実施例では、第1の所定の閾値及び/又は第2の所定の閾値は、弁及びそれらの周囲部分の幾何学的形状、設計、又は材料に基づいて得られる。いくつかの実施例では、第1の所定の閾値は、0.3バールの単一の値を有することができ、第2の所定の閾値は、0.03バールの単一の値を有することができる。
【0152】
弁装置は、弁装置を通る空気の流れを制御するように構成されたアクチュエータを更に備えることができる。アクチュエータは、外力が加えられたときに、常全閉状態から第1の弁開状態及び第2の弁開状態の少なくとも一方に弁装置を切り替えるように構成することができる。アクチュエータは、弁装置の状態にかかわらず、弁装置を通る空気の流れを選択的に防止するように構成することができる。第7の態様によるアダプタは、本開示の主題の第6の態様による上述のアダプタの特徴の一部又は全部を含むことができる。
【0153】
本明細書では、第7の態様に関して上述したような弁装置は、空気圧をある範囲内に維持する必要がある任意の流体移送デバイスと共に使用することができることを理解されたい。また、第7の態様に関して上述した弁装置は、二重機能弁とすることができ、本開示の主題の第6の態様に関して上述したアダプタと共に使用することができ、(第6の態様の)第1の弁及び第2の弁は、本開示の主題の第7の態様の二重機能弁装置として実現されるように組み合わせることができ、封止部材の第1の部分と第1の弁座部材との間の協働が第1の弁として働き、封止部材の第2の部分と第2の弁座部材との間の協働が第2の弁として働く。
【0154】
本明細書では、2つの別個の封止部材の代わりに単一の封止部材を製造して組み立てる必要があるという点で、二重機能弁の適用が2つの弁の適用よりも有利であることを理解されたい。更に、単一の弁装置は、アダプタのハウジング内の2つの別個の弁よりも占有する空間が小さい。
【0155】
本開示の主題の第8の態様によれば、アダプタであって
液体の移動を容易にするように構成された液体チャネルと、
アダプタが液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、アダプタが液体の移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間でアダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータとを備える、アダプタが提供される。
【0156】
いくつかの実施例では、少なくとも部分的な動作不能状態において、アダプタは、アダプタを通る別の通路、例えば、アダプタの空気チャネルを通じて周囲と流体連通することができる空気ニードルを介する以外は周囲と流体連通していないシリンジの空気チャンバと連通するアダプタの空気チャネルを遮断することによって、液体チャネルを通る液体の移送を間接的に遮断するように構成することができる。アダプタは、上述のものと同様の二重機能スパイクアダプタとすることができ、2つの方向への液体の移送を容易にするように構成することができる。アダプタは、外部容器からシリンジ内に液体を引き込むため、並びにシリンジ内から外部容器内に液体を注入するために使用されるように構成することができる。アダプタの完全動作状態は、本明細書では、アダプタが、外部容器から液体を引き出すため、並びに外部容器に液体を注入するために、シリンジと共に使用されることができる状態として言及されている。アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態は、本明細書では、アダプタが、外部容器から液体を引き出すこと、又は外部容器内に液体を注入/送達することのうちの少なくとも一方のために、シリンジと共に使用されることができない状態として言及されている。
【0157】
少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータが、液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成される実施例では、アダプタは、空気の通過を容易にするように構成された空気チャネルを更に備えることができ、液体チャネルを通る流体の移動は、空気チャネルを通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、アクチュエータは、空気の通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態にアダプタを変位させ、液体チャネルを通る液体の移動を少なくとも部分的に遮断するように構成されている。アダプタは、周囲とアダプタの空気チャネルとの間の空気の通過を制御することによって、間接的に液体チャネルを通る液体の一方向への移動を防止するように構成することができる。液体の流れは、空気チャネルを介したシリンジの空気チャンバからの空気の排出及び空気チャンバへの空気の吸入に依存する。したがって、空気チャネルを通る空気の通過を制御することによって、液体の移送を間接的に制御することができる。
【0158】
完全動作状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1の方向及び第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、少なくとも部分的な動作不能状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1の方向及び第2の方向のうちの少なくとも一方に液体を移送するように動作不能である。
【0159】
液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動は、空気チャネルを通るアダプタ内からの空気の排出に依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の排出を防止し、それによって、液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にすることができる。
【0160】
液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動は、アダプタ内への空気の取り込みに依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の取り込みを防止し、それによって、液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にすることができる。
【0161】
いくつかの実施例では、第1の方向は、IVバッグからシリンジに向かう方向とすることができ、第2の方向は、シリンジからIVバッグに向かう方向とすることができる。
【0162】
上述したように、両方の動作、すなわち、IVバッグからシリンジへの塩水の引き込み及びシリンジからIVバッグへの薬物の送達のために単一のスパイクアダプタを使用するために、プロトコルの一部として、アダプタを通じてIVバッグから塩水を引き込むために使用される新しい未使用のシリンジが必要とされ得る。アダプタは、IVバッグから塩水を引き出すために新しいシリンジを使用する必要があることを施術者に気付かせるように、少なくとも部分的な動作状態に構成することができる。例えば、上述したように、アダプタは、通常、IVバッグからシリンジへの方向にアダプタを通過する液体の流れが遮断される少なくとも部分的な動作不能状態に構成することができる。したがって、施術者が塩水をIVバッグからシリンジ内に引き込む目的でアダプタを使用したい場合、アダプタは、施術者によってアクチュエータを使用して完全動作状態に手動で切り替える必要があり、それによって、施術者が偶発的にかつ不注意にこの目的のために既に使用されたシリンジを使用することを防止し、アダプタが完全動作状態に切り替えられる際、新しいシリンジが使用されるべきであることを施術者に気付かせることができる。
【0163】
いくつかの実施例では、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、液体チャネルを通る液体の移動を直接的に少なくとも部分的に遮断するように構成することができる。アクチュエータは、少なくとも部分的に液体チャネル内に直接位置付けることができ、そこを通る液体の流れを選択的に遮断することができる。アダプタは、ルアーロックアダプタとすることができ、アクチュエータは、第1及び第2の方向の両方における液体の流れを遮断するように構成することができる。アクチュエータは、液体チャネルと選択的に位置合わせされるように構成され得る流路を含むことができる。流路が液体チャネルと位置合わせされるとき、アダプタは完全動作状態にあり、流路が液体チャネルと位置合わせされないとき、アダプタは少なくとも部分的な動作不能状態にある。
【0164】
アクチュエータは、アダプタの完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有することができる。例えば、アクチュエータが第1のアクチュエータ状態にあるとき、アダプタは、完全動作状態にあり得、アクチュエータが第2のアクチュエータ状態にあるとき、アダプタは、少なくとも部分的な動作不能状態にあり得る。
【0165】
アクチュエータは、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態と第2のアクチュエータ状態との間で変位可能であり得る。外力は、押圧力、引張力、回転力、又は押圧/引張力と回転力との組み合わせとすることができる。
【0166】
いくつかの実施例では、アクチュエータは、外力が除去されると、第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成することができる。例えば、アクチュエータは、第1又は第2のアクチュエータ状態に選択的に切り替えられ、再び切り替えられるまでその状態を保持するように構成されたスイッチとすることができる。
【0167】
いくつかの実施例では、アクチュエータは、通常は第1及び第2のアクチュエータ状態の一方に構成することができ、外力が加えられると第1及び第2のアクチュエータ状態の他方に変位し、外力が除去されると第1及び第2のアクチュエータ状態の上記一方に自動的に戻るように構成される。例えば、アクチュエータは、通常は第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に留まるように付勢されるように構成された付勢ボタンであり得る。外力が加えられると、ボタンは、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位され、次いで、外力が除去されると、付勢力に起因して、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの通常の一方に戻るように構成することができる。
【0168】
アクチュエータは、通常は第2のアクチュエータ状態に構成することができ、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態に変位し、外力が除去されると、第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成される。特定の実施例では、付勢ボタンとして構成されるアクチュエータは、通常は第2のアクチュエータ状態にあるように、すなわち、アダプタを少なくとも部分的な動作不能状態に維持し、それによって空気チャネル内から周囲への空気の排出を防止するように構成することができる。外力が加えられると、ボタンは、第1のアクチュエータ状態に変位し、それによって、アダプタを完全動作状態に変位させ、空気が空気チャネルから周囲に排出されることを可能にする。当該外力が除去されると、ボタンは第2のアクチュエータ状態に戻り、それによってアダプタを少なくとも部分的な動作不能状態に変位させる。
【0169】
実施形態
詳細な説明において、より具体的な説明が提供されるが、以下は、本開示の主題の異なる実施形態の非限定的な例である。なお、実施形態1~36は、本開示の主題の第1の態様に対応すると理解されるべきである。実施形態37~39は、本開示の主題の第2の態様に対応する。実施形態40~74は、本開示の主題の第3の態様に対応する。実施形態75~77は、本開示の主題の第4の態様に対応する。実施形態78は、本開示の主題の第5の態様に対応する。実施形態79~121は、本開示の主題の第6の態様に対応する。実施形態122~137は、本開示の主題の第7の態様に対応する。実施形態138~149は、本開示の主題の第8の態様に対応する。
1.流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、長手方向軸を有する外側本体と、
外側本体内に位置付けられ、当該流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも外部ポートとの連結の開始前に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向のうちの少なくとも一方に回転可能であるルアーロック接続ポートとを備え、
外側本体は、ルアーロック接続ポートが外部ポートと連結された後に、操作者が外側本体を通じてルアーロック接続ポートの外部に指先で直接アクセスすることを防止するように構造化され、ルアーロック接続ポートは、外側本体内に位置付けられる、コネクタ。
2.ルアーロック接続ポートは、少なくとも外部ポートとの連結の開始前に、時計回り方向及び反時計回り方向の両方に長手方向軸を中心に回転可能である、実施形態1に記載のコネクタ。
3.ルアーロック接続ポートは、外部ポートとの連結時に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向の両方に回転可能である、実施形態1又は2に記載のコネクタ。
4.ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備える、実施形態1~3のいずれか一項に記載のコネクタ。
5.連結補助機構は、少なくともルアーロック接続ポートと外部ポートとの連結が進行中である間、連結可能状態をとるように構成されている、実施形態4に記載のコネクタ。
6.連結補助機構は、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、実施形態4又は5に記載のコネクタ。
7.連結補助機構は、連結不能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、実施形態4~6のいずれか1つに記載のコネクタ。
8.ルアーロック接続ポートは、連結不能状態に関連付けられた第1の位置と連結可能状態に関連付けられた第2の位置との間で長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成されている、実施形態4~7のいずれか1つに記載のコネクタ。
9.ルアーロック接続ポートは、連結中に外部ポートによって押圧力が加えられると、第1の位置から第2の位置に自由に変位するように構成されている、実施形態8に記載のコネクタ。
10.連結補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備え、第2の位置において、係止部材は拘束部材と係合し、それによってルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する、実施形態8又は9に記載のコネクタ。
11.第1の位置において、係止部材は、拘束部材から脱離する、実施形態10に記載のコネクタ。
12.ルアーロック接続ポートの長手方向軸を中心とした少なくとも反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、ルアーロック接続ポートからの外部ポートの解除を可能にするようにルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構を更に備える、実施形態4~11のいずれか一項に記載のコネクタ。
13.外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、側壁は、少なくとも当該分離可能状態において、ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するように当該分離補助機構と共に使用されるように構成されている、実施形態12に記載のコネクタ。
14.分離補助機構は、開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備え、アクチュエータは、ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、分離補助機構は、アクチュエータに押圧力が加えられると、分離可能状態をとり、当該力が除去されると、分離不能状態をとるように構成されている、実施形態13に記載のコネクタ。
15.分離可能状態において、長手方向軸とアクチュエータ外面との間の最小距離は、長手方向軸と開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さい、実施形態14に記載のコネクタ。
16.分離可能状態において、アクチュエータ外面の少なくとも大部分は、開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けられる、実施形態14又は15に記載のコネクタ。
17.アクチュエータは、外側本体から延在する第1の部分と、第1の部分から延在する第2の部分とを有し、第1の部分は、外側本体の一部を形成する、実施形態14~16のいずれか1つに記載のコネクタ。
18.第1の部分と第2の部分は、レバーを構成する、実施形態17に記載のコネクタ。
19.分離補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、アクチュエータ内面の一部を構成する第2の係合部とを備え、分離可能状態において、第1の係合部が第2の係合部に係合することにより、ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する、実施形態14~18のいずれか1つに記載のコネクタ。
20.分離不能状態において、第1の係合部は、第2の係合部から脱離する、実施形態19に記載のコネクタ。
21.第1の係合部は、ルアーロック接続ポートの外面に形成された少なくとも1つの突出部を備え、第2の係合部は、アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備え、分離可能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、少なくとも反時計回り方向へのルアーロック接続ポートの回転を制限する、実施形態19又は20に記載のコネクタ。
22.アクチュエータは、少なくとも1つの突出部が少なくとも1つの歯に対して径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成されている、実施形態21に記載のコネクタ。
23.少なくとも1つの突出部は、ルアーロック接続ポートの外面からアクチュエータに向かって延在する突出部側面を有し、少なくとも1つの歯は、アクチュエータ内面からルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有し、分離可能状態において、歯側面は突出部側面に係合する、実施形態21又は22に記載のコネクタ。
24.分離不能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部から脱離する、実施形態21~23のいずれか1つに記載のコネクタ。
25.ルアーロック接続ポートは、長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成されている、実施形態8、又は実施形態8に従属する場合の実施形態9~24のいずれか1つに記載のコネクタ。
26.第3の位置は、第1の位置、又は第1の位置と第2の位置との間のいずれかの位置である、実施形態25に記載のコネクタ。
27.ルアーロック接続ポートは、外部ポートをルアーロック接続ポートから分離する間に引張力が加えられると、第2の位置から第3の位置に自由に変位するように構成されている、実施形態25又は26に記載のコネクタ。
28.分離補助機構は、ルアーロック接続ポートが第3の位置に変位すると、分離可能状態をとるように構成されている、実施形態25~27のいずれか1つに記載のコネクタ。
29.ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートであり、雄型ルアーロック接続ポートは、連結時にカラーが外部ポートと外側本体との間に位置決めされるように、カラーと細長い中央部材との間に外部ポートを螺合して受け入れることによって外部ポートに連結されるように構成されている、先行する実施形態のいずれか一項に記載のコネクタ。
30.カラーは、細長い中央部材に平行に延在し、カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲である、実施形態29によるコネクタ。
31.外側本体は、カラーの少なくとも大部分を覆っている、実施形態30に記載のコネクタ。
32.カラー及び細長い中央部材は、一体的に形成される、実施形態29~31のいずれか一項に記載のコネクタ。
33.外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆う、先行する実施形態のいずれか1つに記載のコネクタ。
34.外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆う、先行する実施形態のいずれか1つに記載のコネクタ。
35.外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆う、先行する実施形態のいずれか1つに記載のコネクタ。
36.外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆う、先行する実施形態のいずれか1つに記載のコネクタ。
37.医療用流体移送デバイスで使用するために構成されたアダプタであって、先行する実施形態のいずれか1つに記載のコネクタを備える、アダプタ。
38.アダプタは、遠位端に位置付けられる隔壁を備え、隔壁を通じてシリンジの少なくとも1つのニードルを受け入れるように構成される、実施形態37によるアダプタ。
39.コネクタは、アダプタの近位部を構成する、実施形態37又は38に記載のアダプタ。
40.流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、当該流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートと、
ルアーロック接続ポートの少なくとも一部を覆う外側本体と、ルアーロック接続ポートの長手方向軸を中心とした少なくとも反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、ルアーロック接続ポートからの外部ポートの分離を可能にするようにルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構とを備える、コネクタ。
41.外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、側壁は、少なくとも当該分離可能状態において、ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するように当該分離補助機構と共に使用されるように構成されている、実施形態40に記載のコネクタ。
42.分離補助機構は、開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備え、アクチュエータは、ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、分離補助機構は、アクチュエータに押圧力が加えられると、分離可能状態をとり、当該力が除去されると、分離不能状態をとるように構成されている、実施形態41に記載のコネクタ。
43.分離可能状態において、長手方向軸とアクチュエータ外面との間の最小距離は、長手方向軸と開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さい、実施形態42に記載のコネクタ。
44.分離可能状態において、アクチュエータ外面の少なくとも大部分は、開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けられる、実施形態42又は43に記載のコネクタ。
45.アクチュエータは、外側本体から延在する第1の部分と、第1の部分から延在する第2の部分とを有し、第1の部分は、外側本体の一部を形成する、実施形態42~44のいずれか1つに記載のコネクタ。
46.第1の部分及び第2の部分は、レバーを構成する、実施形態42に記載のコネクタ。
47.分離補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、アクチュエータ内面の一部を構成する第2の係合部とを備え、分離可能状態において、第1の係合部が第2の係合部に係合することにより、ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する、実施形態42~46のいずれか1つに記載のコネクタ。
48.分離不能状態において、第1の係合部は、第2の係合部から脱離する、実施形態47に記載のコネクタ。
49.第1の係合部は、ルアーロック接続ポートの外面上に形成された少なくとも1つの突出部を備え、第2の係合部は、アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備え、分離可能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、ルアーロック接続ポートの少なくとも反時計回り方向への回転を制限する、実施形態47又は48に記載のコネクタ。
50.アクチュエータは、少なくとも1つの突出部が少なくとも1つの歯に対して径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成されている、実施形態49に記載のコネクタ。
51.少なくとも1つの突出部は、ルアーロック接続ポートの外面からアクチュエータに向かって延在する突出部側面を有し、少なくとも1つの歯は、アクチュエータ内面からルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有し、分離可能状態において、歯側面は突出部側面に係合する、実施形態49又は50に記載のコネクタ。
52.分離不能状態において、少なくとも1つの歯は、少なくとも1つの突出部から脱離する、実施形態49~51のいずれか1つに記載のコネクタ。
53.ルアーロック接続ポートは、第1の位置と第2の位置との間で長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成されている、実施形態40~52のいずれか一項に記載のコネクタ。
54.ルアーロック接続ポートは、押圧力が加えられると、第1の位置から第2の位置に変位するように構成されている、実施形態53に記載のコネクタ。
55.ルアーロック接続ポートは、長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成されている、実施形態53又は54に記載のコネクタ。
56.第3の位置は、第1の位置、又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置である、実施形態55に記載のコネクタ。
57.ルアーロック接続ポートは、引張力が加えられると、第2の位置から第3の位置に変位するように構成されている、実施形態56に記載のコネクタ。
58.分離補助機構は、ルアーロック接続ポートが第2の位置に変位すると、分離可能状態をとるように構成されている、実施形態53~57のいずれか1つに記載のコネクタ。
59.分離補助機構は、ルアーロック接続ポートが第3の位置に変位すると、分離可能状態をとるように構成されている、実施形態53~57のいずれか1つに記載のコネクタ。
60.ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備える、実施形態40~59のいずれか一項に記載のコネクタ。
61.連結補助機構は、少なくともルアーロック接続ポートと外部ポートとの連結が進行中である間、連結可能状態をとるように構成されている、実施形態60に記載のコネクタ。
62.連結補助機構は、連結可能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、実施形態60又は61に記載のコネクタ。
63.連結補助機構は、連結不能状態において、ルアーロック接続ポートが長手方向軸を中心に反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、実施形態60~62のいずれか1つに記載のコネクタ。
64.連結不能状態は、第1の位置に関連付けられ、連結可能状態は、第2の位置に関連付けられる、実施形態59に従属する場合の実施形態60~63のいずれか1つに記載のコネクタ。
65.連結補助機構は、ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備え、第2の位置において、係止部材は拘束部材と係合し、それによってルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向への回転を制限する、実施形態64に記載のコネクタ。
66.第1の位置において、係止部材は、拘束部材から脱離する、実施形態65に記載のコネクタ。
67.ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートであり、雄型ルアーロック接続ポートは、連結時にカラーが外部ポートと外側本体との間に位置決めされるように、カラーと細長い中央部材との間に外部ポートを螺合して受け入れることによって外部ポートに連結されるように構成されている、実施形態40~66のいずれか一項に記載のコネクタ。
68.カラーは、細長い中央部材に平行に延在し、カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲である、実施形態67によるコネクタ。
69.外側本体は、カラーの少なくとも大部分を覆っている、実施形態68に記載のコネクタ。
70.カラー及び細長い中央部材は、一体的に形成されている、実施形態67~69のいずれか1つに記載のコネクタ。
71.外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆っている、実施形態40~70のいずれか1つに記載のコネクタ。
72.外側本体は、ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆っている、実施形態40~71のいずれか1つに記載のコネクタ。
73.外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆っている、実施形態40~72のいずれか1つに記載のコネクタ。
74.外側本体は、ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆っている、実施形態40~73のいずれか1つに記載のコネクタ。
75.医療用流体移送デバイスで使用するために構成されたアダプタであって、実施形態40~74のいずれか1つに記載のコネクタを備える、アダプタ。
76.アダプタは、遠位端に位置付けられる隔壁を備え、隔壁を通じてシリンジの少なくとも1つのニードルを受け入れるように構成される、実施形態75によるアダプタ。
77.コネクタは、アダプタの近位部を構成する、実施形態75又は76に記載のアダプタ。
78.流体移送デバイスとの接続のためのコネクタであって、
長手方向軸を有する外側本体と、
外側本体内に位置付けられ、当該流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも外部ポートとの連結の開始前に、長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方向のうちの少なくとも一方に回転可能であり、外側本体が、ルアーロック接続ポートの大部分を半径方向に覆っている、ルアーロック接続ポートとを備える、コネクタ。
79.空気チャンバ及び液体チャンバを有するシリンジへの接続のために構成されたアダプタであって、
液体チャンバに連通するように構成された液体チャネルと、
空気チャンバに連通するように構成された空気チャネルと、
空気チャネルと流体連通し、空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、第1の弁常閉状態とを有する第1の弁とを備える、アダプタ。
80.第1の弁は、空気チャネル内の空気圧が第1の所定の閾値を超えたことに応答して、第1の弁開状態に自動的に変位するように構成されている、実施形態79に記載のアダプタ。
81.第1の弁が、第1の弁開状態において、空気チャネルと流体連通する第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、第1の弁常閉状態において、第1の弁座部材に係合し、それによって第1の弁通路を封止する第1の弁封止部材とを備える、実施形態79又は80に記載のアダプタ。
82.第1の弁開状態において、第1の弁封止部材は、第1の弁座部材から少なくとも部分的に脱離し、それによって、第1の弁通路を封止解除する、実施形態81に記載のアダプタ。
83.第1の弁通路は、空気チャネルと周囲との間に延在する第1の流路の少なくとも一部を画定し、第1の流路は、第1の弁常閉状態において第1の弁によって選択的に封止可能である、実施形態81又は82に記載のアダプタ。
84.第1の弁は、第1の弁常閉状態において、第1の流路を封止し、第1の弁開状態において、第1の流路を封止解除して、空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする、実施形態83に記載のアダプタ。
85.空気チャネルと流体連通し、
空気が周囲から空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、第2の弁常閉状態とを有する第2の弁を更に備える、実施形態79~84のいずれか1つに記載のアダプタ。
86.第2の弁は、空気チャネル内の空気圧が第1の所定の閾値よりも小さい第2の所定の閾値を下回ったことに応答して、第2の弁開状態に自動的に変位するように構成されている、実施形態85に記載のアダプタ。
87.第2の弁は、第2の弁開状態において、空気チャネルと流体連通する第2の弁通路を有する第2の弁座部材と、第2の弁常閉状態において、第2の弁座部材に係合し、それによって第2の弁通路を封止する第2の弁封止部材とを備える、実施形態85又は86に記載のアダプタ。
88.第2の弁開状態において、第2の弁封止部材は、第2の弁座部材から少なくとも部分的に係脱し、それによって、第2の弁通路を封止解除する、実施形態87に記載のアダプタ。
89.第2の弁通路は、空気チャネルと周囲との間に延在する第2の流路の少なくとも一部を画定し、第2の流路は、第2の弁常閉状態において第2の弁によって選択的に封止可能である、実施形態87又は88に記載のアダプタ。
90.第2の弁は、第2の弁常閉状態において、第2の流路を封止し、第2の弁開状態において、第2の流路を封止解除して、空気が周囲から空気チャネルに入ることを可能にする、実施形態89に記載のアダプタ。
91.第1の弁及び第2の弁は、単一の共通弁ハウジング内に位置付けられる、実施形態85~90のいずれか1つに記載のアダプタ。
92.第1の弁及び第2の弁は、単一弁装置として一体化される、実施形態85~91のいずれか1つに記載のアダプタ。
93.弁装置は、空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が周囲から空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに弁装置を変位させるように構成された単一の一体化された封止部材として構成された第1及び第2の封止部材を備える、実施形態92に記載のアダプタ。
94.弁装置は、通常、常全閉状態にあり、弁装置は、弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、第1の弁開状態に自動的に変位し、弁装置は、弁装置内の空気圧が第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、第2の弁開状態に自動的に変位する、実施形態93に記載のアダプタ。
95.第1の所定の閾値は、第2の所定の閾値より大きい、実施形態94に記載のアダプタ。
96.封止部材は、一体である、実施形態93~95のいずれか一項に記載のアダプタ。
97.弁装置は、第1の弁座部材及び第2の弁座部材を更に備え、単一の一体化された封止部材は、第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有する、実施形態93~96のいずれか一項に記載のアダプタ。
98.常全閉状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に係合して、それによって第1の弁通路を封止し、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材に係合して、それによって第2の弁通路を封止し、
第1の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第1の弁通路を封止解除し、第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材と係合し、それによって第2の弁通路を封止し、
第2の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第2の弁通路を封止解除し、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材と係合し、それによって第1の弁通路を封止する、実施形態97に記載のアダプタ。
99.第1の弁開状態において、弁装置は、空気が第1の弁通路を介して弁装置内から弁装置の外部に逃げることを可能にし、第2の弁開状態において、弁装置は、空気が第2の弁通路を介して弁装置の外部から弁装置内に入ることを可能にする、実施形態98に記載のアダプタ。
100.第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合し、
第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合する、実施形態98又は99に記載のアダプタ。
101.封止部材の第1の部分及び封止部材の第2の部分は、封止部材の対向する端部に位置付けられる、実施形態93~100のいずれか一項に記載のアダプタ。
102.アダプタは、第1の弁及び周囲と流体連通している第1の出口を更に備え、第1の出口は、アダプタを外部雌コネクタから取り外すように動作可能なレバーボタンをその中に受け入れるように構成されている、実施形態79~101のいずれか1つに記載のアダプタ。
103.第1の流路は、第1の出口を介して延在する、実施形態83に従属する場合の実施形態102に記載のアダプタ。
104.アダプタは、第2の弁及び周囲と流体連通する第2の出口を更に備え、第2の出口は、アダプタの近位端を構成するルアーロック接続ポートの外側本体の側壁に形成された開口部である、実施形態85~103のいずれか1つに記載のアダプタ。
105.第2の流路は、第2の出口を介して延在する、実施形態89に従属する場合の実施形態104に記載のアダプタ。
106.第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備え、第1の弁座部材は、弁座開口部を通って延在する中央部材を備え、封止部材は、少なくとも部分的に弁座開口部内に、かつ半径方向に弁座と中央部材との間に位置付けられる、実施形態92~101のいずれか一項に記載のアダプタ。
107.封止部材の第1の部分は、中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、空気が中央部材と封止部材との間に画定された第1の弁通路を通過することを可能にし、封止部材の第2の部分は、弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、空気が弁座と封止部材との間に画定された第2の弁通路を通過することを可能にする、実施形態106に記載のアダプタ。
108.弁座は、空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有し、封止部材の第2の部分は弁座内面に係合し、封止部材は、弁座の外面に係合するように構成され、それによって、封止部材をその位置に保持する固定部材を有する封止部材の第3の部分を更に備える、実施形態106又は107に記載のアダプタ。
109.アダプタは、アダプタが液体チャネルを通る液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、アダプタが液体チャネルを通る液体の移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間でアダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータを更に備える、実施形態79~108のいずれか一項に記載のアダプタ。
110.少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、液体チャネルを通る液体の移送を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、実施形態109に記載のアダプタ。
111.液体チャネルを通る流体の移動は、第1の弁を通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、アクチュエータは、空気の通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態にアダプタを変位させ、それによって液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、実施形態109又は110に記載のアダプタ。
112.完全動作状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1の方向及び反対の第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、少なくとも部分的な動作不能状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1及び第2の方向のうちの少なくとも1つに液体を移送するように動作可能でない、実施形態109~111のいずれか一項に記載のアダプタ。
113.液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動は、第1の弁を通るアダプタ内からの空気の排出に依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の排出を防止し、それによって、液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にする、実施形態112に記載のアダプタ。
114.液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動は、第1の弁を通るアダプタ内への空気の取り込みに依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の取り込みを防止し、それによって、液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にする、実施形態112又は113に記載のアダプタ。
115.少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、液体チャネルを通る液体の移送を直接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、実施形態114によるアダプタ。
116.アクチュエータは、アダプタの完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有する、実施形態109~115のいずれか1つに記載のアダプタ。
117.アクチュエータは、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態と第2のアクチュエータ状態との間で変位可能である、実施形態116に記載のアダプタ。
118.アクチュエータは、外力が除去されると、第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成されている、実施形態117に記載のアダプタ。
119.アクチュエータは、通常は第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に構成され、外力が加えられると、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位し、外力が除去されると、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に自動的に戻るように構成されている、実施形態117に記載のアダプタ。
120.アクチュエータは、通常は第2のアクチュエータ状態に構成され、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態に変位し、外力が除去されると、第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成されている、実施形態119に記載のアダプタ。
121.第2のアクチュエータ状態において、アクチュエータは、封止部材の第3の部分に係合し、中央部材と封止部材との間からの空気の通過を防止するように構成され、それによって、弁装置の状態にかかわらず、弁装置からの空気の排出を不能にする、実施形態101に従属する場合の実施形態116~120のいずれか一項に記載のアダプタ。
122.弁装置であって、
空気が弁装置内から周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が周囲から弁装置内に入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに弁装置を変位させるように構成された封止部材を備える、弁装置。
123.弁装置は、通常、常全閉状態にあり、封止部材は、弁装置を、弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、第1の弁開状態に自動的に変位させ、弁装置内の空気圧が第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、第2の弁開状態に自動的に変位させる、実施形態122に記載の弁装置。
124.第1の所定の閾値は、第2の所定の閾値よりも大きい、実施形態123に記載の弁装置。
125.弁装置が、第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、第2の弁通路を少なくとも部分的に画定する第2の弁座部材とを更に備え、封止部材が、第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有する、実施形態122~124のいずれか一項に記載の弁装置。
126.常全閉状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に係合して、それによって第1の弁通路を封止し、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材に係合して、それによって第2の弁通路を封止し、
第1の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第1の弁通路を封止解除し、第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材と係合し、それによって第2の弁通路を封止し、
第2の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって第2の弁通路を封止解除し、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材と係合し、それによって第1の弁通路を封止する、実施形態125に記載の弁装置。
127.第1の弁開状態において、弁装置は、空気が第1の弁通路を介して弁装置内から弁装置の外部に逃げることを可能にし、第2の弁開状態において、弁装置は、空気が第2の弁通路を介して弁装置の外部から弁装置内に入ることを可能にする、実施形態126に記載の弁装置。
128.第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分は、第2の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合し、
第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分は、第1の弁座部材に対して常全閉状態よりも更に緊密に係合する、実施形態126又は127に記載のアダプタ。
129.封止部材の第1の部分及び封止部材の第2の部分は、封止部材の対向する端部に位置付けられる、実施形態125~128のいずれか1つに記載の弁装置。
130.封止部材は、封止部材の第1の部分を構成する第1の端部と第2の端部とを有する中央部を含み、弾性スカート部は、第2の端部の周囲から延在し、スカート部は、第2の端部に近位の第1のリムと第2の端部から遠位の第2のリムとの間に画定される、実施形態122~129のいずれか一項に記載の弁装置。
131.第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備え、第1の弁座部材は、弁座開口部を通って延在する中央部材を備え、封止部材は、少なくとも部分的に弁座開口部内に、かつ半径方向に弁座と中央部材との間に位置付けられる、実施形態122~127のいずれか一項に記載の弁装置。
132.封止部材の第1の部分は、中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、空気が中央部材と封止部材との間に画定された第1の弁通路を通過することを可能にし、封止部材の第2の部分は、弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、空気が弁座と封止部材との間に画定された第2の弁通路を通過することを可能にする、実施形態131に記載の弁装置。
133.弁座は、空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有し、封止部材の第2の部分は弁座内面に係合し、封止部材は、弁座の外面に係合するように構成され、それによって封止部材をその位置に保持するフランジを有する封止部材の第3の部分を更に備える、実施形態131又は132に記載の弁装置。
134.封止部材は、一体である、実施形態122~133のいずれか1つに記載の弁装置。
135.弁装置は、弁装置を通る空気の流れを制御するように構成されたアクチュエータを更に備える、実施形態122~134のいずれか1つに記載の弁装置。
136.アクチュエータは、外力が加えられると、常全閉状態から第1の弁開状態及び第2の弁開状態のうちの少なくとも一方に弁装置を変位させるように構成されている、実施形態135に記載の弁装置。
137.アクチュエータは、弁装置の状態にかかわらず、弁装置を通る空気の流れを選択的に防止するように構成されている、実施形態135又は136に記載の弁装置。
138.アダプタであって、
液体の移動を容易にするように構成された液体チャネルと、
アダプタが液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、アダプタが液体の移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間でアダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータとを備える、アダプタ。
139.少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、液体チャネルを通る液体の移送を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、実施形態138に記載のアダプタ。
140.アダプタは、空気の通過を容易にするように構成された空気チャネルを更に備え、液体チャネルを通る流体の移動は、空気チャネルを通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、アクチュエータは、空気の通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態にアダプタを変位させ、液体チャネルを通る液体の移動を少なくとも部分的に遮断するように構成されている、実施形態138又は139に記載のアダプタ。
141.完全動作状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1の方向及び第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、少なくとも部分的な動作不能状態において、アダプタは、液体チャネルを通じて第1及び第2の方向のうちの少なくとも1つに液体を移送するように動作不能である、実施形態138~140のいずれか1つに記載のアダプタ。
142.液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動は、空気チャネルを通るアダプタ内からの空気の排出に依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の排出を防止し、それによって、液体チャネルを通る第1の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にする、請求項141に記載のアダプタ。
143.液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動は、アダプタ内への空気の取り込みに依存し、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、空気の取り込みを防止し、それによって、液体チャネルを通る第2の方向への液体の移動に対してアダプタを動作不能にする、実施形態141又は142に記載のアダプタ。
144.少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータは、液体チャネルを通る液体の移送を直接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、実施形態138によるアダプタ。
145.アクチュエータは、アダプタの完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有する、実施形態138~144のいずれか1つに記載のアダプタ。
146.アクチュエータは、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態と第2のアクチュエータ状態との間で変位可能である、実施形態145に記載のアダプタ。
147.アクチュエータは、外力が除去されると、第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成されている、実施形態146に記載のアダプタ。
148.アクチュエータは、通常は第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に構成され、外力が加えられると、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位し、外力が除去されると、第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に自動的に戻るように構成されている、実施形態146に記載のアダプタ。
149.アクチュエータは、通常は第2のアクチュエータ状態に構成され、外力が加えられると、第1のアクチュエータ状態に変位し、外力が除去されると、第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成されている、実施形態148に記載のアダプタ。
【図面の簡単な説明】
【0170】
本明細書に開示されている主題をより良く理解し、実際にそれがどのように実行され得るかを例証するために、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ、実施形態をここで説明する。
【
図1A】互いから分離された流体移送デバイスと共に、本開示の主題の第1の例に係るアダプタの正面斜視図である。
【
図1B】互いに接続された
図1Aのアダプタ及び流体移送デバイスの正面斜視図である。
【
図1C】分離不能状態にあるアダプタを示す、
図1Bの線A-Aに沿った断面図である。
【
図2A】シリンジ及びシリンジアダプタが互いに接続されているがアダプタから取り外されている状態を示す、
図1Aのアダプタの側面図である。
【
図2C】
図2Aのシリンジ及びシリンジアダプタが、互いに接続され、アダプタにも接続されている、アダプタの側面図である。
【
図3A】ルアーロック接続ポートが説明のためにアダプタの外側に引き出されている、
図1Aのアダプタの側面図である。
【
図3F】連結不能状態のアダプタを示す、
図3Eの線D-Dに沿った断面図である。
【
図3H】連結可能状態のアダプタを示す、
図3Eの線D-Dに沿った断面図である。
【
図4A】分離可能状態にあるアダプタを示す、
図1Cと同じ図である。
【
図4D】分離可能状態にあるアダプタを示す、
図1Bのアダプタ及び外部デバイスの後面斜視図である。
【
図5A】分離不能状態にある、本開示の主題の第2の例によるアダプタの側面斜視図である。
【
図5B】ルアーロック接続ポートが通常位置にあるアダプタを示す、
図5Aの線F-Fに沿った断面図である。
【
図5D】ルアーロック接続ポートが第1の位置にあるアダプタを示す
図5Cと同じ図である。
【
図7A】本開示の主題の第3の例に係るアダプタの側面斜視図である。
【
図8A】本開示の主題の第4の例に係るアダプタの上面斜視図である。
【
図10A】本開示の主題の第5の例に係るアダプタの後面斜視図である。
【
図10D】
図10Cに示された部分の、線O-Oに垂直な線に沿った断面を有する別の断面図である。
【
図11A】弁装置及び第1のアクチュエータ状態にあるアクチュエータを示す、本開示の主題の第6の例に係るアダプタの断面図である。
【
図11C】第2のアクチュエータ状態にあるアクチュエータを示す、
図11Aと同じ図である。
【
図12A】弁装置及び第2のアクチュエータ状態にあるアクチュエータを示す、本開示の主題の第7の例に係るアダプタの断面図である。
【
図12B】第1のアクチュエータ状態にあるアクチュエータを示す、
図12Aと同じ図である。
【
図13A】液体チャネルを直接遮断するように構成されたアクチュエータを示し、アクチュエータが第1のアクチュエータ状態にある、本開示の主題の第7の例に係るアダプタの側面斜視図である。
【
図13C】第2のアクチュエータ状態にあるアクチュエータを示す、
図13Aと同じ図である。
【発明を実施するための形態】
【0171】
最初に、流体移送デバイス300と接続するように構成された、本開示の主題の一例によるアダプタ1を示す図面の
図1A~
図1Cに注目する。流体移送デバイス300は、雌ルアーロック接続ポートである外部ポート310を備える、当該技術分野で公知のルアーロック接続デバイスである。外部ポート310は、別のルアーロック接続ポートの対応するねじ山に螺合されるように構成されたねじ山320を備える。アダプタ1は、ルアーロック接続ポート100及び外側本体200を有するコネクタ10を備える。アダプタは、長手方向軸Xに沿って延在するハウジング20を更に備える。図示される実施例では、外側本体200とハウジング20とが一体的に形成されており、最終的には、外側本体200がハウジング20の一部を構成している。しかしながら、いくつかの他の実施例(図示せず)では、外側本体200及びハウジング20は、別々に製造され、次いで、互いに接続され得る。いくつかの実施例では、ハウジング20は、2つより多くの部品で製造され、次いで一緒に組み立てられ得る。
【0172】
図1B及び
図1Cに示すように、コネクタ10と外部ポート310とが接続されることにより、アダプタ1と流体移送デバイス300とが接続される。コネクタ10は、対応する外部ポート310、すなわち流体移送デバイス300の雌ルアーロックコネクタを受け入れるように構成された雄ルアーロックコネクタである。コネクタ10のルアーロック接続ポート100は、外側本体200内に位置付けられ、アダプタ1の長手方向軸でもある長手方向軸Xを有する。ルアーロック接続ポート100は、
図1Aに示すように、流体移送デバイス300との連結の開始に先立って、
図1Aの矢印R1によって表される時計回り方向及び
図1Aの矢印R2によって表される反時計回り方向のいずれか又は両方に、長手方向軸Xを中心に回転可能である。ルアーロック接続ポート100は、外側本体200内に配置され、外側本体200は、
図1A~
図1Cに示すように、ルアーロック接続ポート100が外部ポート310に連結された後、操作者が指先で外側本体200を通じてルアーロック接続ポート100に直接アクセスすることができないように構成されている。ルアーロック接続ポート100は、流体移送デバイス300との連結時に時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能である。
【0173】
ルアーロック接続ポート100は外側本体200内で回転するように構成されているので、コネクタを流体移送デバイス300に連結し、流体移送デバイス300から分離するために、ルアーロック接続ポート100の回転は、連結及び分離を可能にするように制限される必要がある。コネクタ10は、コネクタ10と流体移送デバイス300との連結を可能にするようにルアーロック接続ポート100の時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、ルアーロック接続ポートの時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とをとるように構成された連結補助機構を備え、これについては
図3A~3Iを参照して以下で詳細に説明する。コネクタ10は、流体移送デバイス300からのコネクタ10の分離を可能にするために、反時計回り方向へのルアーロック接続ポート100の回転を制限する分離可能状態と、反時計回り方向へのルアーロック接続ポートの回転を可能にする分離不能状態とをとるように構成された分離補助機構を更に備え、これについては
図4A~
図4Fを参照して以下で詳細に説明する。
【0174】
本明細書では、時計回り及び反時計回りの方向は、この説明の目的のために、長手方向軸Xに沿ってコネクタ10内への流体移送デバイス300の方向から見たものとして言及されていることを理解されたい。
【0175】
次に、アダプタ1をシリンジアダプタ400及びシリンジ500と共に示す図面の
図2A~
図2Eに注目する。
図2Aは、シリンジアダプタ400とシリンジ500とが相互に接続された状態と、シリンジアダプタ400にアダプタ1が接続されていない状態とを示している。シリンジ500は、薬物混合のために使用される当該技術分野において既知のシリンジであり、1つの容器から所望の体積の薬物を引き出し、その後、薬物を第2の容器に移送するように適合される。シリンジ500は、シリンダ510と、キャップ525を有するピストンロッド520と、喉部530とを備える。ピストンロッド520は、キャップ525からピストン540まで延在し、このピストンは、シリンダ510の内壁に封止係合し、シリンダに対して変位可能である。ピストン540は、シリンダ510の内部容積を、シリンダ510内のピストン540の位置によって画定される可変容積を有する2つのチャンバ、すなわち空気チャンバ550及び液体チャンバ560に分割する。ピストンロッド520は、ピストンロッド510に形成された孔580を通って空気チャンバ550と流体連通する内部容積570を有し、それによって内部容積570を空気チャンバ550の一部にする。シリンジ500は、空気チャンバ550から喉部530を介してシリンジの外部に延在する空気ニードル590を更に備える。
【0176】
シリンジアダプタ400は、シリンジの喉部530に接続されるように構成された狭窄部420を有するシリンジアダプタ本体410を備える。図示される実施例では、喉部530は雄ルアーロックコネクタであり、狭窄部420は雌ルアーロックコネクタであり、これらは互いに熱溶着されている。シリンジアダプタ本体410は、シリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されたときにアダプタ1の対応する要素と係止されるように構成されたフランジ430を更に備える。シリンジアダプタ400は、シリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されたときにアダプタ1の対応する要素と係止されるように構成されたリーフ450を備える内部係止構造440を更に備える。内部係止構造440は、空気ダクト460及び液体ダクト470を画定し、空気ダクト460及び液体ダクト470の両方は、隔壁480内へ延在する。空気ダクト460は、
図2Bに示すように、シリンジアダプタ400がシリンジ500に接続され、アダプタ1に接続されていないときに、空気ニードル590の先端を受け入れるように構成されている。シリンジアダプタ400は、
図2Bに示すように、シリンジアダプタ400がシリンジ500に接続されているときに狭窄部420及び喉部530を介して液体チャンバ560と流体連通し、シリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されていないときに狭窄部420から液体ダクト470まで延びる液体ニードル490を更に備える。いくつかの実施例(図示せず)では、液体ニードル490は、そこから延在するシリンジ500の一部であり得る。
【0177】
アダプタ1は、シリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されたときにリーフ450を受け入れて係止するように構成されたノッチ21を外面に有するハウジング20を備える。ハウジング20は、シリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されるときにフランジ430を受け入れてそれに係止するように構成されたレバーノッチ23を有するレバー22を更に備える。ハウジング20は、第1の出口24を更に備え、レバー22は、第1の出口24内に位置付けられたレバーボタン25を備える。ハウジング20は、コネクタ10と流体連通し、シリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されたときに液体ニードル490を内部に受け入れるように構成された液体チャネル26を更に備える。ハウジング20は、シリンジ500が接続されたシリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されたときに空気ニードル590を内部に受け入れるように構成された空気チャネル27を更に備える。ハウジング20は、第2の出口28を更に備える。アダプタ1は、隔壁480と係合するように構成され、シリンジ500が接続されたシリンジアダプタ400がアダプタ1に接続されたときに空気ニードル590及び液体ニードル490によって穿刺されるように構成された隔壁30を更に備える。アダプタ1は、空気チャネル27と流体連通し、空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、第1の弁常閉状態とを有する第1の弁40を更に備え、これについては
図6A~
図6Eを参照して以下で詳細に説明する。アダプタ1は、空気チャネル27と流体連通し、空気が周囲から空気チャネル27に入ることを可能にする第2の弁開状態と、第2の弁常閉状態とを有する第2の弁50を更に備え、これについては
図6A~
図6Eを参照して以下で詳細に説明する。
【0178】
アダプタ1が、シリンジ500が接続されたシリンジアダプタ400に接続されると、
図2C~
図2Eに示すように、隔壁30が隔壁480に係合し、隔壁480及び内部係止構造440をシリンジ500に向かって押し、それによって空気ニードル590及び液体ニードル490が最初に隔壁480を穿刺し、次に隔壁30を穿刺し、その先端がそれぞれ空気チャネル27及び液体チャネル26に入る。更に、リーフ450がノッチ21に係合して係止され、フランジ430がレバーノッチ23に係合して係止される。アダプタ1がシリンジアダプタ400から取り外されるとき、レバーボタン25は、第1の出口24内に更に押し込まれ、それによってフランジ430をレバーノッチ23から解放する。
【0179】
したがって、アダプタ1は、シリンジアダプタ400の雌コネクタと流体移送デバイス300の雌外部ポート310との間の接続を容易にすることができ、それによって、流体移送デバイス300の標準雌ルアーロックポートの、シリンジアダプタ400の雌コネクタとの安全な接続のためのドッキングポートへの変換を容易にする。
【0180】
図6A~
図6Eを参照して以下で更に詳細に説明するように、シリンジ500内に過圧が生成されると、その過圧は第1の弁40を介して大気に放出される。
図6A~
図6Eを参照して以下で更に詳細に説明するように、シリンジ500内に負圧が発生すると、第2の弁50が動作して、空気が大気から空気チャネル27に入ることが可能になる。シリンジアダプタは、レバーボタン25を第1の出口24に押し込み、それによってレバーノッチ23をフランジ430から脱離させることによって、アダプタ1から分離することができる。
【0181】
次に、コネクタ10を詳細に説明するために、
図3A~
図3I及び
図4A~
図4Fを参照する。
図3A~
図3Dは、例示目的のためにアダプタ1の長手方向軸Xに沿って外側本体200から引き出されたルアーロック接続ポート100を有するコネクタ10を備えたアダプタ1の様々な図を示す。ルアーロック接続ポート100は、長手方向軸Xに略平行に延在する細長い中央部材110を備える雄ルアーロック接続ポートである。細長い中央部材110は、前部110Aと、中間部110Bと、後部110Cとを有する。ルアーロック接続ポート100は、細長い中央部材110の中間部110Bを取り囲むカラー120を更に備える。カラー120は、ルアーロック接続ポート100の側壁を構成し、細長い中央部材110に略平行に延在する側壁121と、ルアーロック接続ポート100の後壁を構成し、細長い中央部材110から略垂直に延在する後壁122とを有する。長手方向軸Xに沿った方向におけるカラー120の長さ、すなわち、L1(
図3Aに示される)として指定されるカラー120の側壁121の長さは、5.4mm~8mmの範囲である。図示される実施例では、細長い中央部材110及びカラー120は一体的に形成されている。しかしながら、他の実施例(図示せず)では、細長い中央部材110及びカラー120は、別個に製造され、次いで、一緒に組み立てることができる。側壁121は、細長い中央部材110に面する内面121Aと、反対側の外面121Bとを有する。内面121Aは、流体移送デバイス300がルアーロック接続ポート100と連結されるときに、流体移送デバイス300の対応するねじ山320に螺合されるように構成されたねじ山123を備える。
図1Cに最も良く示すように、ねじ山123は、ねじ山320と螺合し、それによって、流体移送デバイス300をルアーロック接続ポート100と連結し、流体移送デバイス300の外部ポート310は、カラー120が外部ポート310と外側本体200との間に位置付けられるように、細長い中央部材110とカラー120との間に受け入れられる。外面121Bは、外面121Bから外向きに突出する複数の突出部124を備える。突出部124の各々は、第1の突出部側面124A及び第2の突出部側面124Bを有し、両側面の間に、側壁121の外周に平行な方向に突出部124の厚さを画定する。突出部124は、外面124Bに沿って突出部124を互いに接続する接続部材121Cを備える。他の実施例では、外面121Bは、単一の突出部124を備えることができる。
【0182】
後壁122は、流体移送デバイス300がコネクタ10に連結される方向に面する内面122A(
図3F及び
図3Gに最も良く示す)と、反対側の外面122Bとを有する。外面122Bは、そこから突出する複数の係止部材125を備える。他の実施例では、外面122Bは、1つのみの係止部材125を備えることができる。係止部材125の各々は、外面122B及び細長い中央部材110に対して略垂直に延在し、外面122Bの遠位に縁部125Bを有する係止面125Aを有する。他の実施例では、係止面125Aは、外面122B及び細長い中央部材110のいずれか又は両方に対して、垂直以外の角度で延在することができる。係止面125Aは、ルアーロック接続ポート100の時計回りの回転方向に面している。係止部材125は、ルアーロック接続ポート100の反時計回りの回転方向に縁部125Bから外面125Bまで延在する斜面122Cを更に備える。斜面125Cは、図示される実施例では、勾配斜面を有するが、他の実施例では、斜面125Cは、平坦斜面であり得る。
【0183】
外側本体200は、ルアーロック接続ポート100の側壁121に対応し、側壁121に略平行に延在する側壁210と、ルアーロック接続ポート100の後壁122に対応し、後壁122に略平行に延在する後壁220(
図3Gで最も良く分かる)とを備える。後壁220は、ルアーロック接続ポート100に面する内面220A(
図3Gで分かる)と、反対側の外面220Bとを有する。
図4Bに示すように、後壁220は、液体チャネル26と流体連通する貫通孔221を更に備える。外側本体200は、内面220Aから側壁210に概ね平行な方向に延在する中央部材230を備える。中央部材230は、細長い中央部材110が貫通孔221を介して液体チャネル26と流体連通するように、ルアーロック接続ポート100の細長い中央部材110の後部110Cを内部に受け入れる。中央部材230は、ルアーロック接続ポート100の後壁122に略面するリム231(
図3C及び3Dで分かる)を有する。
図3Dに示すように、リム231は、ルアーロック接続ポート100の後壁122の外面122Bに平行に延在するリム面231Aを備え、そこから突出する複数の拘束部材232を有する。他の実施例では、リム231は、1つのみの拘束部材232を備えることができる。拘束部材232の各々は、係止面231Aに略平行に延在し、リム面125Aの遠位に縁部232Bを有する拘束面232Aを有する。拘束面232Aは、ルアーロック接続ポート100の反時計回りの回転方向に面している。拘束部材232は、ルアーロック接続ポート100の時計回りの回転方向に縁部232Bからリム面232Cまで延在する傾斜部231Aを更に備える。図示される実施例では、拘束部材232は、ブリッジ232Dを介して外側本体200の側壁210の内面210Aに接続されている。他の実施例では、アダプタ1は、ブリッジ232Dを備えなくてもよい。
【0184】
傾斜部232Cは、図示される例では勾配斜面を有するが、他の実施例では、傾斜部232Cは平坦斜面を有することができる。係止部材125及び拘束部材232は、本開示の主題の図示される例による連結補助機構を構成する。連結補助機構は、ルアーロック接続ポート100の少なくとも時計回り方向R1への回転を制限する連結可能状態と、ルアーロック接続ポートの少なくとも時計回り方向R1への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成されている。
図1Aに示すように、連結補助機構が連結不能状態にあるとき、操作者がルアーロック接続ポート100に押圧力を加える作動時に、連結補助機構が連結可能状態をとるように構成される。
【0185】
外側本体200の側壁210は、中央部材230に面する内面210Aと、反対側の外面210Bとを有する。側壁210は、内面210Aと外面210Bとの間に延在する開口部211を更に備える。開口部211は、ルアーロック接続ポート100に面し、内面210Aと一致する内面212Aと、外面210Bと一致する反対側の外面212Bとを有するリム212(
図4Bに示す)を有する。コネクタ10は、開口部211内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータ240を更に備える。図示される実施例では、アクチュエータ240は、ハウジング20と共に形成されるものとして示されている。しかしながら、他の実施例では、アクチュエータ240は、例えば、側壁210、後壁220、又は開口部211のリムにおいて、外側本体200と一緒に形成される、又はそれに接続することができる。アクチュエータ240は、ルアーロック接続ポート100に面し、それに平行に延在する内面240Aと、反対側の外面240Bとを有する。アクチュエータ240は、2つの部分、すなわち、ハウジング20から延びる第1の部分241と、第1の部分241から延びる第2の部分242とで形成される。第1の部分241及び第2の部分242は、第1の部分241とハウジング20との間、又は第1の部分241と第2の部分242との間のいずれかの接続部に沿って開口部211の内外に枢動するように構成されたレバーを構成する。内面240Aは、ルアーロック接続ポート100から延在し(図示される実施例では、必ずしも垂直ではない)、突出部124の第1及び第2の突出部側面124A及び124Bに平行な第1の歯側面243Aと、反対側の第2の側面(図示せず)とを有する歯243を備える。アクチュエータ240及び突出部124は、本開示の主題の図示される例に係る分離補助機構を構成する。分離補助機構は、ルアーロック接続ポート100の長手方向軸Xを中心とした少なくとも反時計回り方向R2への回転を可能にする分離不能状態と、ルアーロック接続ポート100の少なくとも反時計回り方向R2への回転を制限して外部ポートのルアーロック接続ポートからの分離を可能にする分離可能状態とを選択的に取るように構成される。分離補助機構は、
図4Cに示すように、分離不能状態に構成され、操作者による作動時に、
図4Bに示すように、分離が行われるときに分離可能状態をとる。従って、分離補助機構は、分離が進行中である間だけ分離可能状態に維持される必要がある。
【0186】
図示される実施例では、アダプタ1は、ルアーロック接続ポート100の細長い中央部材110の後部110Cと中央部材230との間に位置付けられた0リング250を更に備え、細長い中央部材110の後部110Cの中央部材230内への効率的な嵌合を容易にする。他の実施例では、アダプタ1は、Oリング250を備えなくてもよい。
【0187】
ここで、流体移送デバイス300へのコネクタ10の連結を説明するために、
図3A~
図3Iを再び参照する。
図3F及び
図3Gに最も良く示すように、ルアーロック接続ポート100は外側本体200内に位置するため、係止部材125は拘束部材232と係合せず、連結補助機構は連結不能状態にある。この状態において、ルアーロック接続ポート100は、外側本体200内で長手方向軸Xに沿った第1の(通常の)位置にあり、長手方向軸を中心に時計回り及び反時計回りの両方向に自由に回転することができる。ルアーロック接続ポート100の第1の通常位置では、近位端100Aは、
図3Fに最も良く示すように、外側本体200の近位端200Aから外側本体200内の第1の範囲E1である。ルアーロック接続ポート100はこの位置で自由に回転することができるので、ルアーロック接続ポート100の回転が少なくとも螺合方向(図示される例では時計回り)に制限されない限り、外部要素をルアーロック接続ポート100のねじ山123に螺合することはできない。流体移送デバイス300がコネクタ10に連結されるとき、連結補助機構は、連結可能状態に変位させる必要がある。ルアーロック接続ポート100は、
図3H及び
図3Iに最も良く示すように、例えば、操作者がコネクタ10と連結するために流体移送デバイス300を連結中に長手方向軸Xに沿って押すときに、流体移送デバイス300によって加えられる力によって、長手方向軸Xに沿って外側本体200の内側に更に押される。
図3H及び
図3Iに示すように、ルアーロック接続ポート100は、外側本体200内で長手方向軸Xに沿って第2の押込位置にあり、係止部材125は、ルアーロック接続ポートの回転が時計回り方向に制限されるように拘束部材232と係合し、したがって、連結補助機構は、連結可能状態にあり、それによって、例えば、コネクタ10と流体移送デバイス300との連結を可能にする。ルアーロック接続ポート100の第2の押込位置では、近位端100Aは、
図3Hに最も良く示すように、外側本体200の近位端200Aから外側本体200内で第1の範囲E1よりも大きい第2の範囲E2である。この状態において、ルアーロック接続ポート100は時計回り方向に回転することができないので、外部ポートのねじ山、例えば、流体移送デバイス300のねじ山をルアーロック接続ポートのねじ山123に螺合することができ、それによってルアーロック接続ポートをコネクタ10に連結することができる。
図3Iに示すように、連結可能状態において、係止面125Aは拘束面232Aと係合し、それによってルアーロック接続ポート100の時計回り方向への回転を制限する。斜面125Cは、傾斜部232Cと係合し、斜面125C及び傾斜部232Cの傾斜は、ルアーロック接続ポート100の反時計回り方向への回転を可能にする。他の実施例では、連結補助機構は、少なくとも螺合方向における外側本体200に対するルアーロック接続ポート100の回転を制限する同様の目的を達成し得る任意の他の構造を有することができる。
【0188】
ここで、流体移送デバイス300からのコネクタ10の分離を説明するために、
図1C及び
図4A~
図4Fを再び参照する。
図1C及び
図4Cに示すように、流体移送デバイス300はコネクタ10に連結されており、アクチュエータ240は押圧されておらず、したがって、分離補助機構は分離不能状態にある。分離補助機構の分離不能状態において、ルアーロック接続ポート100は、少なくとも螺合方向(図示される例では反時計回り)に自由に回転することができる。流体移送デバイス300がコネクタ10に連結されている間に反時計回り方向に回転されると、ルアーロック接続ポート100は共に回転し、それによってコネクタ10からの流体移送デバイス300の分離を防止する。分離を行うために、ルアーロック接続ポート100の回転は、反時計回り方向に制限される必要がある。しかしながら、
図1A~1C及び4A~4Fに示すように、アクチュエータ240の周囲の開口部211には、操作者(又は子供であっても)の平均(又は平均よりも小さい)サイズの指先を挿入するのに十分な空間がなく、したがって、外側本体200は、操作者がルアーロック接続ポート100に指先で直接アクセスすることを防止するため、操作者は、開口部211と併せてアクチュエータ240によって容易にされるルアーロック接続ポート100に間接的にアクセスする必要がある。したがって、流体移送デバイス300がコネクタ10から分離されるとき、アクチュエータ240は開口部211に押し込まれる。
図4A及び
図4D~
図4Fに最も良く示すように、アクチュエータ240が(操作者によって)押圧力で押圧されると、歯243が突出部124と係合し、それによって分離補助機構を分離可能状態にシフトさせる。
図4Fに示すように、歯243の第1の歯側面243Aは、突出部124の第2の歯側面124Bと係合し、それによって、ルアーロック接続ポート100の反時計回り方向への回転を制限する。
図4Fから明らかなように、歯243の第1の歯側面243Aが突出部124の第2の側面124Bと係合するために、アクチュエータ240は、歯243のどの部分も突出部124の真上にないときにのみ押圧されなければならず、押圧することができる。言い換えれば、分離を行うためには、ルアーロック接続ポート100は、歯243及び突出部124が半径方向に位置合わせされないように回転させられる必要があり、次いで、アクチュエータ240を押圧することができる。実際、歯243が突出部124の真上にある場合、突出部は、アクチュエータが効果的に押圧されることを防止し、それによって、分離補助機構がルアーロック接続ポート100の回転を効果的に制限することを可能にしない。2つ以上の突出部が存在する実施例(
図3Bに示される一実施例)では、歯は、2つのそのような突出部の間に整合されなければならず、次いで、アクチュエータは、分離補助機構を分離可能状態に変位させるように押圧されなければならない。分離補助機構のこの状態において、流体移送デバイス300が反時計回りに回転されるとき、ルアーロック接続ポート100は一緒に回転せず、それによって、操作者による反時計回り方向への流体移送デバイス300の回転による、コネクタ10からの流体移送デバイス300の分離を可能にする。アクチュエータ240は、操作者による押圧力が除去されると、元の非押圧状態に戻る。他の実施例では、分離補助機構は、少なくとも螺合解除方向における外側本体200に対するルアーロック接続ポート100の回転を制限する同様の目的を達成し得る任意の他の構造を有することができる。
【0189】
図4A及び
図4Bに示すように、分離可能状態において、アクチュエータ240は、アクチュエータ240の外面240Bと長手方向軸Xとの間の最小距離D1が開口部211のリム212の外面212Bと長手方向軸Xとの間の最小距離D2よりも小さくなるように、開口部211内に沈められる。言い換えれば、分離可能状態において、アクチュエータ240の外面240Bは、開口部211の上に延在し、リム212の外面212Bによって画定され、及び/又はそれを含む仮想平面の下にある。
【0190】
図4Cに示すように、分離不能状態において、すなわち、アクチュエータ240が押圧されていないとき、アクチュエータ240の外面240B又は少なくともその大部分は、外側本体200に平行であり、長手方向軸から最も遠い外面210Bの部分、例えば、
図4Cに示されるような部分210BBを含む仮想平面の下にある。換言すれば、外面210Bと長手方向軸Xとの間の最大距離D3は、外面240Bと長手方向軸Xとの間の最大距離D4よりも大きい。外側本体200を有するアクチュエータのそのような構成は、操作者がアクチュエータ240をコネクタ10からの流体移送デバイス300の分離を容易にするために装備された要素であると想定しない限り、アクチュエータを隠しボタンとして提供する。
【0191】
図面は、2つの開口部211及び2つの対応するアクチュエータ240を示しているが、理解を容易にするために、1つの開口部211及び1つのアクチュエータ240のみが本明細書で説明されており、他のものは、本明細書で説明されるものと同じように動作することを、本明細書で理解されたい。実際、ルアーロック接続ポート100の回転をより効果的に制限することによって分離補助機構の効率を改善するために、コネクタ10の両側から両方のアクチュエータ240を一緒に使用することができる。
【0192】
更に、
図1A~1C、2A~2E、3A~3I、及び4A~4Fに示すように、外側本体200は、ルアーロック接続ポート100の大部分、又は少なくとも側壁121を半径方向に覆っている。操作者は、流体移送デバイス300へのコネクタ10の連結又は流体移送デバイス300からのコネクタ10の分離を容易にするために、ルアーロック接続ポート100の任意の方向への回転を制限するように、分離補助機構を使用せずに、又は指先で直接、ルアーロック接続ポート100にアクセスすることができない。他の実施例では、外側本体200は、ルアーロック接続ポート100又は少なくとも側壁210の少なくとも90パーセント、又は少なくとも80パーセント、又は少なくとも70パーセント、又は少なくとも60パーセント、又は少なくとも50パーセントを半径方向に覆うように、側壁121上に複数の開口部又は貫通孔を有することができる。しかしながら、そのような開口部の各々は、子供の指先の平均直径よりも小さい少なくとも1つの寸法を有する。例えば、約3~10歳の子供の指先の平均直径は、約10~12mmである。したがって、いくつかの実施例では、全ての開口部は、10mmより小さい少なくとも1つの寸法を有する。ルアーロック接続ポート100を有する外側本体200のそのような構成は、コネクタ10をいたずら防止接続部にする、すなわち、少なくともコネクタ10が流体移送デバイス300に連結された後に、外側本体200を通じたルアーロック接続ポート100への指先の直接アクセスが防止される。
【0193】
ここで、本開示の主題の別の例に係るアダプタ1’を示す図面の
図5A~
図5Dに注目する。アダプタ1’は、上述したアダプタ1の要素に対応する少なくともいくつかの要素を有し、理解を容易にするために対応する参照番号によって示されている。加えて、アダプタ1’は、アクチュエータ240’の外面240B’上に形成された隆起部240Cを備える。隆起部240Cは、アクチュエータ240’に、上述したアクチュエータ240のボタンのような隠れたボタンとは異なり、実際のボタンの外観及び感触を与える。いくつかの実施例(図示せず)では、隆起部の代わりに、アクチュエータが所望の外観及び感触を有するための任意の他の形状や構造などがあり得る。更に、
図5Cに示すように、歯243’は、ルアーロック接続ポート100’が長手方向軸X’に沿った第2の位置にあるとき(例えば、連結中に達成され、その後その位置に残され得る)、歯243’が接続部材124C’の上に垂直に位置合わせされるように、アクチュエータ240’の内面240A’上に形成され、位置付けられる。ルアーロック接続ポート100’のこの位置において、接続部材124C’は、アクチュエータ240’が押圧されることを防止し、それによって、分離補助機構が分離可能状態を達成することを防止する。分離補助機構を変位させて分離可能状態を達成するために、すなわち、アクチュエータ240’を押圧するために、
図5Dに示すように、ルアーロック接続ポート100’を長手方向軸X’に沿って第3の位置(図示される例では第1の位置である)に引き込む必要がある。いくつかの実施例では、第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間の任意の位置とすることができる。いくつかの実施例では、第3の位置は、第1の位置が第3の位置と第2の位置との間に位置し得るようなものであり得る。ルアーロック接続ポート100’のこの位置において、接続部材124C’は歯243’の下から変位し、したがって、アクチュエータ240’は、分離補助機構が分離可能状態を達成するように押圧され得る。ルアーロック接続ポート100’は、アダプタ1’に連結されたときに、操作者が流体移送デバイス300を引っ張ることによって加えられる引張力によって、長手方向軸X’に沿って第3の位置に引っ張ることができる。
【0194】
次に、
図2A~
図2Eに関連して説明したように、シリンジアダプタ400を介してシリンジ500に接続するように構成された、
図1A~
図1C、
図2A~
図2E、
図3A~
図3I、及び
図4A~
図4Fに関連して簡単に説明したアダプタ1を示す図面の
図6A~
図6Eに注目する。アダプタ1は、シリンジ500内で生じ得るシリンジ500内の過圧及び負圧の問題を解決するように構成される。アダプタ1は、ハウジング20内に位置付けられ、第1の出口24と流体連通する第1の弁40を備える。第1の弁40は、第1の弁座部材41を備え、第1の弁座部材41は、図示される例では、その中に形成された第1の弁通路42を画定する弁座である。第1の弁座部材41は、第1の出口24に面する第1の表面41Aと、反対側の第2の表面41Bとを有し、第1の弁通路42は、第1の表面41Aと第2の表面41Bとの間に延在する。アダプタ1は、空気チャネル27と第1の出口24との間に延在する第1の流体経路を備える。第1の流路は、第1の弁通路42を通過し、第1の弁通路42において第1の弁40によって選択的に封止可能である。第1の弁40は、中央部44と、そこから半径方向外向きに延在するスカート部45とを有する第1の弁封止部材43を更に備える。第1の弁封止部材43は、第1の出口24に面する第1の表面43Aと、第1の弁座部材41に面する反対側の第2の表面43Bとを有する。中央部44に対応する第2の表面43Bの部分は、フランジ46を備える。第1の弁40は、第1の弁通路42内に位置付けられ、第1の端部47A及び第2の端部47Bを有する剛性中央部材47を更に備える。中央部44に対応する第1の弁封止部材43の第2の表面43Bの部分は、フランジ46を介して剛性中央部材47の第1の端部47Aに取り付けられる。剛性中央部材47は、剛性中央部材47を第1の弁座部材41に接続するブリッジ47C(
図6Eに示す)を備える。
【0195】
アダプタ1は、ハウジング20内に位置付けられ、第2の出口28と流体連通する第2の弁50を更に備える。第2の出口28は、外側本体200の側壁210に形成された開口部211によって画定される。第2の弁50は、図示される例では、第2の弁通路52を画定する弁座である第2の弁座部材51を備える。第2の弁座部材51は、第1の弁座部材41に面する第1の表面51Aと、反対側の第2の表面51Bとを有し、第2の弁通路52は、第1の表面51Aと第2の表面51Bとの間に延在する。図示の実施形態では、第2の弁座部材51の第2の表面51Bは、液体チャネル26の内面26Aの一部を形成する。アダプタ1は、空気チャネル27と第2の出口28との間に延在する第2の流路を備える。第1の流路は、第2の弁通路52を通過し、第2の弁通路52において第2の弁50によって選択的に封止可能である。第2の弁50は、中央部54と、そこから半径方向外向きに延在するスカート部55とを有する第2の弁封止部材53を更に備える。第2の弁封止部材53は、第1の弁座部材41に面する第1の表面53Aと、第2の弁座部材51に面する第2の表面53Bとを有する。剛性中央部材47の第2の端部47Bは、第2の弁封止部材53の中央部54上に載置される。
【0196】
第1及び第2の弁は、
図6A~
図6Eに示されるような構造を有し、例示の目的のみのために本明細書で説明されるように、上記で説明されており、弁は、同じ目的を果たす別の構造を有することができ、その例(特に、第1の弁)は、
図5A~
図5Dに示されることを本明細書で理解されたい。言い換えれば、本明細書では、
図5A~
図5Dに示す弁(特に第1の弁)を、
図6A~
図6Eに示す例で使用することができることを理解されたい。
【0197】
図6B及び
図6Cに示すように、第1の弁40は、通常、第1の弁常閉状態にあり、スカート部45のリム45Aは、第1の弁座部材41の第1の表面41A上に載置され、それによって、第1の弁通路42を封止し、すなわち、空気チャネル27と第1の出口24との間の空気流を可能にしない。
図2A~
図2Eを参照して上述したように、空気チャネル27内に過圧が生成されると、空気チャネル27内の空気圧は、第1の弁通路42を介して第1の弁封止部材43の第2の表面43Bに力を加える。空気チャネル27内の空気圧が第1の所定の閾値(例えば、0.5バールの値を有する)を超えると、それによって第2の表面43Bに加えられた力が、スカート部45のリム45Aを第1の弁座部材41の第1の表面41Aから自動的に持ち上げ、それによって第1の弁40を第1の弁開状態に変位させ、第1の弁通路42を封止解除する。第1の弁40のこの第1の弁開状態において、空気は、空気チャネル27から第1の弁通路42を通って流れ、第1の出口24を介して周囲に逃げ、それによって、空気チャネル27から過圧を解放する。空気チャネル27から解放される空気圧が第1の所定の閾値未満に低下すると、リム45Aは再び元の位置に戻り、それによって第1の弁40を第1の弁常閉状態に自動的に変位させる。本明細書では、第1の所定の閾値は、空気が空気チャネル27から周囲に流れるための周囲圧力よりも大きいことを理解されたい。更に、第1の弁封止部材43のスカート部45は弾性部材であり、その弾性は、幾何学的形状及びそれを取り囲む部分と共に、第1の所定の閾値に基づいて選択され、第1の所定の閾値は更に、大気に解放される前に空気チャネル27内に構築され得る最大圧力であることが意図される圧力の大きさに依存する。
【0198】
図6C及び6Eに更に示すように、第2の弁50は、通常、第2の弁常閉状態にあり、スカート部55のリム55Aは、第2の弁座部材51の第1の表面51A上に載置され、それによって、第2の弁通路52を封止し、すなわち、空気チャネル27と第2の出口28との間の空気流を可能にしない。空気チャネル27内の空気圧は、第2の出口28、空気フィルタ56、及び第2の弁通路52を介して第2の弁封止部材53の第2の表面53B上の周囲圧力によって加えられる力に対抗して、第2の弁封止部材53の第1の表面53A上に力を及ぼし、それによって、リム55Aを第2の弁座部材51の第1の表面51Aと係合させたままにする。空気チャネル27内に負圧が生成され、空気チャネル27内の空気圧が第2の所定の閾値(例えば、0.2バールの値を有する)を下回ると、周囲圧力によって第2の弁封止部材53の第2の表面53Bに加えられた力が第2の弁50を作動させ、それによってスカート部55のリム55Aを第2の弁座部材51の第1の表面51Aから自動的に持ち上げ、それによって第2の弁50を第2の弁開状態に変位させ、第2の弁通路52を封止解除する。第2の弁50の第2の弁開状態において、空気は、周囲から第2の出口28、フィルタ56、及び第2の弁通路52を通って空気チャネル27内に流れ、それによって、空気チャネル27内に生成された負圧を平衡させる。空気チャネル27内の空気圧が第2の所定の閾値を超えて上昇すると、リム55Aは元の位置に戻り、それによって第2の弁50を第2の弁の通常閉状態に自動的に変位させる。本明細書では、第2の所定の閾値は、空気が周囲から空気チャネル27内に流れるための周囲圧力よりも低いことを理解されたい。更に、第2の弁封止部材53のスカート部55は弾性部材であり、その弾性は、幾何学的形状及びそれを取り囲む部品と共に、第2の所定の閾値に基づいて選択され、第2の所定の閾値は更に、周囲からバランスをとる前に空気チャネル27内で許容され得る最小圧力であることが意図される圧力の大きさに依存する。
【0199】
本明細書では、空気チャネル27内の圧力が第1の所定の閾値圧力と第2の閾値圧力との間にあるとき、第1の弁40及び第2の弁50の両方がそれぞれの閉状態にあることを理解されたい。特に、空気チャネル27内の圧力が周囲圧力に等しいとき、第1の弁40及び第2の弁50は両方ともそれぞれの閉状態にある。
【0200】
第1の弁開状態において、第2の弁50は、第2の弁常閉状態のままであり、第2の弁開状態において、第1の弁40は、第1の弁常閉状態のままであることが、本明細書において更に理解されるべきである。
【0201】
次に、シリンジアダプタ400を介してシリンジ500に接続するように構成された、本開示の主題の別の例に係るアダプタ1’’を示す図面の
図7A~
図7Eに注目する。アダプタ1’’は、上述したアダプタ1の要素に対応する少なくともいくつかの要素を有し、理解を容易にするために対応する参照番号によって示されている。アダプタ1の第1の弁40及び第2の弁50の代わりに、アダプタ1’’は、第1の出口24’’並びに第2の出口28’’を介して周囲と流体連通する弁装置60を備える。弁装置60は、第1の弁40及び第2の弁50の両方の機能を実行するように構成された二重機能弁である。例えば、アダプタ1’’は、弁装置60が、過圧の場合に弁装置60内から周囲へ空気が逃げることを容易にし、負圧の場合に周囲から弁装置60内へ空気が流入することを容易にするように構成されるという点で、シリンジ500内で生じ得るシリンジ500内の過圧及び負圧の問題を解決するように構成される。
【0202】
弁装置60は、図示される例では、第1の弁通路62を画定する弁座である第1の弁座部材61を備える。第1の弁座部材61は、出口24’’に面する第1の表面61Aと、反対側の第2の表面61Bとを有し、第1の弁通路62は、第1の表面61Aと第2の表面61Bとの間に延在する。弁装置は、図示される実施例では、第2の弁通路72を画定する弁座である第2の弁座部材71を更に備える。第2の弁座部材71は、第1の弁座部材61に対向する第1の表面71Aと、反対側の第2の表面71Bとを有し、第2の弁通路72は、第1の表面71Aと第2の表面71Bとの間に延在する。弁装置60は、第1の弁座部材61と第2の弁座部材71との間に延在する中央部材64を含む封止部材63を更に備える。中央部材64は、第1の弁座部材61に向かって位置付けられ、第1の弁座部材61の第2の表面61Bに面する面65Aを有する第1の端部65を有し、封止部材の第1の部分を構成する。中央部材64は、第2の弁座部材71に向かって位置付けられ、第2の弁の第1の表面71Aに面する面66Aを有する反対側の第2の端部66を有する。封止部材63は、第2の端部66の周囲から第2の弁座部材71の第1の表面71Aに向かって広がる弾性スカート部67を備える。スカート部67は、中央部材64の第2の端部66に接続された第1のリム68と、封止部材の第2の部分を構成する第2のリム69との間に延在する。スカート部67は、第1の弁座部材61に面する第1の表面67Aと、第2の弁座部材71に面する第2の表面67Bとを有する。第2の弁座部材71の第1の表面71Aは、中央部材64の第2の端部66の面66Aに形成された溝66Bに対応する突出部73を備える。封止部材63は、溝66Bがその中に突出部73を確実に受け入れて、第1及び第2の弁座部材61及び71に平行な平面内での封止部材63の移動を防止するように、弁装置60内に位置付けられる。弁装置60は、第1の弁座部材61から第2の弁座部材71まで延在する側壁70を更に備える。弁装置60は、圧力が側壁70を介してある範囲内に維持される必要がある流体移送システム、例えば図示される実施例では、空気チャネル27’’と流体連通することができる。しかしながら、他の実施例では、弁装置60は、医療システムに関連しない流体移送システムと共に同様の目的を果たすために使用することができる。
【0203】
図7C及び
図7Dに示すように、弁装置60は、通常、常全閉状態にある。封止部材の第1の部分65Aは、第1の弁座部材61の第2の表面61Bと係合することにより、第1の弁通路62を封止する。また、封止部材の第2の部分69が第2の弁座の第1の表面71Aに係合することにより、第2の弁通路72が封止される。この状態において、面66Aと第2の弁座部材71の第1の表面71Aとの間に間隙Gがある。また、この常全閉状態においては、第1の弁座部材61の第2の表面61Bと、封止部材63と、第2の弁座部材71の第1の表面71Aと、側壁70との間に形成される容積Vが、弁装置60内の容積となる。
【0204】
容積V内に過圧が生成されると、弁装置内の空気圧が封止部材63のスカート63のスカート部67の第1の表面67Aに力を加える。弁装置60内の空気圧が第1の所定の閾値を超えると、それによって第1の表面67Aに加えられた力によって、スカート部67の第1のリム68が第2の弁座部材71に向かって撓み、その結果、中央部材64の第2の端部66の面66Aが、第2の弁座部材71の第1の表面71Aに向かって間隙G内に撓む。これにより、封止部材の第1の部分65Aが、第1の弁座部材61の第2の表面61Bから脱離し、それによって、第1の弁通路62が封止解除され、弁装置60が第1の弁開状態に自動的に変位する。第1の弁開状態において、空気は、容積Vから第1の弁通路62を通って流れ、第1の出口24’’を介して周囲に逃げ、それによって弁装置60から過圧を解放する。弁装置60から解放される空気圧が第1の所定の閾値未満に低下すると、スカート部67の第1のリム68は、通常位置に戻るように屈曲し、それによって、弁装置60を常全閉状態に自動的に変位させる。本明細書では、第1の所定の閾値は、空気が弁装置60から周囲に流れるための周囲圧力よりも大きく、周囲に解放される前に弁装置60内で構築され得る最大圧力となるように意図される圧力の大きさに基づいて選択されることを理解されたい。
【0205】
弁装置60の常全閉状態において、弁装置60内の空気圧は、第2の出口28’’、空気フィルタ56’’、及び第2の弁通路72を介してスカート部67の第2の表面67Bに周囲圧力によって加えられる力に抗してスカート部67の第1の表面67Aに力を加え、それによって封止部材の第2の部分69を第2の弁座部材71の第1の表面71Aと係合した状態に保つ。
【0206】
容積V内に負圧が生成されると、弁装置60内の空気圧によってスカート部67の第1の表面67Aに加えられる力が減少する。弁装置60内の空気圧が第2の所定の閾値を下回ると、封止部材の第2の部分69は、第2の弁座部材71の第1の表面71Aから自動的に持ち上がり、それによって、弁装置60を第2の弁開状態に変位させ、第2の弁通路72を封止解除する。第2の弁開状態において、空気は周囲から第2の出口28’’を介して容積V内に入り、それによって、弁装置60内に生成された負圧を平衡させる。弁装置60内の空気圧が第2の所定の閾値を超えて上昇すると、封止部材の第2の部分59は元の位置に戻り、それによって弁装置60を常全閉状態に自動的に変位させる。本明細書では、第2の所定の閾値は、空気が周囲から弁装置60内に流れるための周囲圧力よりも小さく、周囲からバランスをとる前に弁装置60内で許容され得る最小圧力となるように意図される圧力の大きさに基づいて選択されることを理解されたい。
【0207】
本明細書では、弁装置60内の圧力が第1の所定の閾値と第2の閾値圧力との間にあるとき、弁装置60は完全閉鎖状態にあることを理解されたい。特に、弁装置60内の圧力が周囲圧力に等しいとき、弁装置60は完全閉鎖状態にある。
【0208】
更に、スカート部67の弾性は、第1の所定の閾値及び第2の所定の閾値に基づいて選択されることを理解されたい。本明細書では、弁装置60の第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分69が第2の弁通路72を封止し、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分65Aが第1の弁通路62を封止することを更に理解されたい。
【0209】
上述したような弁装置60は、空気圧をある範囲内に維持する必要がある任意の流体移送デバイスと共に使用することができる。また、上述した弁装置60は、
図6A~
図6Dを参照して上述したアダプタ1と共に使用することができ、第1の弁40及び第2の弁50は、弁装置60として実現することができ、封止部材43及び53は、封止部材63などの単一の共通封止部材として構成される。
【0210】
本明細書では、2つの別個の封止部材の代わりに単一の封止部材を製造し組み立てる必要があるという点で、二重機能弁60の適用は、2つの弁40及び50の適用よりも有利であることを理解されたい。更に、単一の弁装置は、アダプタのハウジング内の2つの別個の弁よりも占有する空間が小さい。
【0211】
次に、アダプタ600を示す図面の
図8A~
図8Eに注目すると、アダプタ600は、この非限定的な例では、少なくとも2つの他の装置の間に接続されるように構成されたスパイクアダプタであり、アダプタ600が中間装置であるときに、少なくとも2つの他の装置の間に流体接続を確立する。スパイクアダプタ及びそれらの基本的な機能性は、当技術分野において一般に公知であり、明確さ及び完全性のために本明細書において簡潔に記載されることに留意されたい。
【0212】
図示するように、アダプタ600は、各々が少なくとも1つの流体入口及び/又は出口で終端する3つの本体部610、620、及び630を有する本体601を含む。本体部610は、その中に医療用スパイクを受け入れ、医療用スパイクとアダプタ600との間の流体連通を確立するように構成されたスパイクポート611を含む。したがって、本体部610は、スパイク受入部と呼ばれる。医療用スパイクは、基本的に、薬物を患者の身体に移送するために患者の身体に接続されるように構成された注入セットなどの医療用デバイスへの入口及び/又は出口を形成する。
【0213】
本体部620は、少なくとも1つの流体入口/出口622で終端する第2の医療用スパイク621として構成される。したがって、本体部620は、スパイク端子部と呼ばれる。医療用スパイク621は、医療用デバイスとアダプタ600との間に流体連通が確立されるように、医療用デバイスのスパイクポートに接続され、少なくとも1つの流体入口/出口622を介してスパイクポートとの流体連通を確立するように構成される。例えば、医療装置は、スパイク621を受け入れるスパイクポートを有するIVバッグであってもよく、アダプタ600を介して、スパイク621に接続されたIVバッグと、スパイクポート611に受け入れられたスパイクに接続された患者との間に流体連通が確立される。
【0214】
本体部630は、汚染のない流体移送を利用する流体移送デバイス631として構成される。アダプタ600の薬物注入部と呼ばれる汚染のない流体移送デバイス631は流体入口632を終端とし、流体入口は、シリンジなどの外部流体移送デバイスに接続され、そこから流体を受け入れ、専用の内部ダクト/流路を介して、アダプタ600を通じて、スパイク621に接続されたIVバッグなどの別の外部デバイスに輸送するように構成される。流体移送デバイス631によって制御されるこの流体移送は、場合によっては別の薬物又は塩水を含有するIVバッグの中に薬物を移送するために、また、IVバッグからシリンジに液体を移送するために使用することができる。
【0215】
シリンジは、上述したシリンジ500と同様であってよく、シリンジ500の特徴の少なくともいくつか、特に空気ニードル、液体ニードル、空気チャンバ、及び液体チャンバを含むことができる。上記のように、シリンジは、シリンジから液体を送達するため、並びにシリンジ内に液体を抽出するために使用することができる。シリンジが、例えば、上述のシリンジアダプタ400と同様のシリンジアダプタを介してアダプタ600に接続されると、シリンジの空気チャンバと流体移送デバイス631の空気チャネル633との間に空気ニードルを介して流体連通が確立され、シリンジの液体チャンバと流体移送デバイス631の液体チャネル634との間に液体ニードルを介して流体連通が確立される。アダプタ600は、流体移送デバイス631内へのニードルの導入を容易にするように構成された隔壁630Aを含む。
【0216】
いくつかの医療処置では、シリンジを使用して、IVバッグからある体積の塩水を抽出し、次いで、抽出された体積の塩水をシリンジ(一般に、別のシリンジ)からの薬物と置換することが要求される。単一のスパイクアダプタをシリンジ(複数可)とIVバッグとの間の両方の動作に使用できるようにするために、スパイクアダプタは、特に、使用されるシリンジがシリンジ500と同様である場合、すなわち、空気チャンバからシリンジの外部に延在する空気ニードルを介する以外の周囲との流体連通から封止される空気チャンバを有する場合、シリンジの空気チャンバと周囲との間の両方向の空気の流れ、すなわち、空気チャンバからの空気の排出と空気チャンバへの空気の吸入とを促進するように構成される必要がある。
【0217】
アダプタ600を通るシリンジとIVバッグとの間の液体(薬物及び塩水)の流れは、両側矢印AR1によって示され、空気チャネル633とアダプタ600に関連付けられた弁装置(以下で更に詳述する)との間の空気の流れは、矢印AR2によって示される。シリンジがアダプタ600を通じて液体を送達するために使用されるとき、シリンジの空気チャンバ内の空気圧は減少し、シリンジが反対方向に操作される、すなわち、アダプタ600を通じて液体を抽出するために操作されるとき、シリンジの空気チャンバ内の空気圧は増加する。圧力は、制御されない場合、シリンジを少なくとも部分的に動作不能にする可能性がある。例えば、空気チャンバ内の低下した空気圧が補償されない場合、シリンジ及びアダプタ600は、アダプタ600を通じてシリンジから液体を送達するために使用可能ではなく、空気チャンバ内の増加した圧力が解放されない場合、シリンジ及びアダプタ600は、アダプタ600を通じてシリンジ内に液体を抽出するために使用可能ではなく、それによって、アダプタの使用/動作可能性を制限する。したがって、アダプタ600は、以下で説明するように、アダプタ600の空気チャネル内の圧力、したがってシリンジの空気チャンバ内の圧力を調整するための弁640及び650を含む。
【0218】
次に、アダプタ600、したがってシリンジ内の空気圧の制御を説明するために、アダプタ600、より具体的には、弁640及び650を示す図面の
図9A~
図9Cに注目する。第1の弁640及び第2の弁650は、図示される実施形態では、本体601内に位置付けられ、アダプタ600の本体601の第4の本体部を構成する共通弁ハウジング602の一部を構成する。いくつかの実施例では、弁は、本体601に動作可能に連接され得る別個の弁ハウジング内に位置付けられることができる。図示される実施形態では、弁ハウジング602、したがって弁は、経路635(
図8Bで分かる)及び空気フィルタ606を通じて、空気チャネル633と流体連通している。
【0219】
第1の弁640は、第1の弁座部材641を備え、これは、図示される例では、その中に形成された第1の弁通路642を画定する弁座である。第1の弁座部材641は、第1の表面641A及び反対側の第2の表面641Bを有し、第1の弁通路642は、第1の表面641Aと第2の表面641Bとの間に延在する。アダプタ600は、第1の弁通路642を通って空気チャネル633と周囲との間に延在する、矢印AR3によって示される第1の流路を備え、第1の弁通路642において第1の弁640によって選択的に封止可能である。第1の弁640は、中央部644と、そこから半径方向外向きに延在するスカート部645とを有する第1の弁封止部材643を更に備える。第1の弁封止部材643は、第1の表面643Aと、第1の弁座部材641に面する反対側の第2の表面643Bとを有する。第1の弁640は、中央部644から第1の弁通路642を通って延在し、中央部644に向かう第1の端部647Aと反対側の第2の端部647Bとを有する中央部材647を更に備える。中央部材647は、第1の弁座部材641の第2の表面641Bに係合するように構成された第2の端部647Bから延在するフランジ646を有し、それによって第1の弁封止部材643を適所にしっかりと保持する。
【0220】
第1の弁640は、特に、アダプタ600を通じてIVバッグから塩水を引き出すために使用されるシリンジと関連して動作する。いくつかの医療処置では、危険な薬物を取り扱うために既に使用されているシリンジは、周囲に放出されることが防止されるべき有害な危険な煙霧を空気チャンバ内にいくらか有する可能性があるため、新しい/未使用のシリンジのみがIVバッグから塩水を引き出すために使用されることがプロトコルである。したがって、第1の弁640の動作は、IVバッグから塩水を引き出すために使用されるシリンジの動作に関連付けられているので、第1の弁650の動作を制御することによって、シリンジの動作は、本明細書で後述するように制御することができる。
【0221】
アダプタ600は、ハウジング602内に位置付けられた第2の弁650を更に備える。第2の弁650は、図示される例では、第2の弁通路652を画定する弁座である第2の弁座部材651を備える。第2の弁座部材651は、第1の表面651Aと、反対側の第2の表面651Bとを有し、第2の弁通路652は、第1の表面651Aと第2の表面651Bとの間に延在する。アダプタ600は、第2の弁通路652を通って空気チャネル633と周囲との間に延在する、矢印AR4によって示される第2の流路を備え、第2の弁通路652において第2の弁650によって選択的に封止可能である。第2の弁650は、中央部654と、そこから半径方向外向きに延在するスカート部655とを有する、第2の弁封止部材653を更に備える。第2の弁封止部材653は、第1の表面653Aと、第2の弁座部材651に面する反対側の第2の表面653Bとを有する。中央部654は、剛性中央部材656によって第2の弁座部材651に接続され、それによって、第2の弁封止部材653を適所に保持する。
【0222】
図9Cに示すように、第1の弁640は、通常、第1の弁常閉状態にあり、スカート部645のリム645Aは、第1の弁座部材641の第1の表面641A上に載置され、それによって、第1の弁通路642を封止し、すなわち、空気チャネル633と周囲との間の空気流を可能にしない。例えば、アダプタ600を通じてシリンジ内に液体を抽出するためにシリンジが使用される場合など、空気チャネル633内に過圧が生成されると、空気チャネル633内の空気圧が、第1の弁通路642を介して第1の弁封止部材643の第2の表面643Bに力を加える。空気チャネル633内の空気圧が第1の所定の閾値(例えば、0.3バールの値を有する)を超えると、それによって第2の表面643Bに加えられた力が、スカート部645のリム645Aを第1の弁座部材641の第1の表面641Aから自動的に持ち上げ、それによって第1の弁640を第1の弁開状態に変位させ、第1の弁通路642を封止解除する。第1の弁640の第1の弁開状態において、空気は、空気チャネル633から第1の弁通路642を通って流れ、矢印AR3によって示されるように周囲に逃げ、それによって、空気チャネル633から過圧を解放する。空気チャネル633から解放される空気圧が第1の所定の閾値を下回ると、リム645Aは再び元の位置に戻り、それによって第1の弁640を第1の弁常閉状態に自動的に変位させる。本明細書では、第1の所定の閾値は一般に、空気が空気チャネル627から周囲に流れるための周囲圧力よりも大きいことを理解されたい。更に、第1の弁封止部材643のスカート部645は弾性部材であり、その弾性は、幾何学的形状及びそれを取り囲む部分と共に、第1の所定の閾値に基づいて選択され、第1の所定の閾値は更に、大気に解放される前に空気チャネル633内に構築され得る最大圧力であることが意図される圧力の大きさに依存する。
【0223】
図9Cに更に示すように、第2の弁650は、通常は第2の弁常閉状態にあり、スカート部655のリム655Aは、第2の弁座部材651の第1の表面651A上に載置され、それによって、第2の弁通路652を封止し、すなわち、空気チャネル633と周囲との間の空気流を可能にしない。空気チャネル633内の空気圧は、第2の弁通路652を通じて第2の弁封止部材653の第2の表面653B上の周囲圧力によって印加される力に対して、第2の弁封止部材653の第1の表面653A上に力を及ぼし、それによって、リム655Aを第2の弁座部材651の第1の表面651Aと係合させたままにする。空気チャネル633内に負圧が生成されたとき、例えば、シリンジがシリンジからアダプタ600を通じて薬物を送達するために使用され、空気チャネル633内の空気圧が第2の所定の閾値(例えば、0.03バールの値を有する)を下回ったとき、周囲圧力によって第2の弁封止部材653の第2の表面653Bに加えられた力が第2の弁650を作動させ、それによってスカート部655のリム655Aを第2の弁座部材651の第1の表面651Aから自動的に持ち上げ、それによって第2の弁650を第2の弁開状態に変位させ、第2の弁通路652を封止解除する。第2の弁650の第2の弁開状態において、空気は、大気から第2の弁通路652を通って空気チャネル633内に流れ、それによって、空気チャネル633内に生成された負圧を平衡させる。空気チャネル633内の空気圧が第2の所定の閾値を超えて上昇すると、リム655Aは元の位置に戻り、それによって、第2の弁650を第2の弁常閉状態に自動的に変位させる。
【0224】
第2の弁は、特に、アダプタを通じて薬物をIVバッグに送達するために使用されるシリンジと関連して動作する。
【0225】
本明細書では、第2の所定の閾値は一般に、空気が周囲から空気チャネル633内に流れるための周囲圧力よりも低いことを理解されたい。更に、第2の弁封止部材653のスカート部655は弾性部材であり、その弾性は、幾何学的形状及びそれを取り囲む部品と共に、第2の所定の閾値に基づいて選択され、第2の所定の閾値は更に、周囲からバランスをとる前に空気チャネル633内で許容され得る最小圧力であることが意図される圧力の大きさに依存する。
【0226】
本明細書では、空気チャネル633内の圧力が第1の所定の閾値圧力と第2の閾値圧力との間にあるとき、第1の弁640及び第2の弁650の両方がそれぞれの閉状態にあることを理解されたい。特に、空気チャネル633内の圧力が周囲圧力に等しいとき、第1の弁640及び第2の弁650は両方ともそれぞれの閉状態にある。
【0227】
本明細書では、第1の弁開状態において、第2の弁650は、第2の弁常閉状態のままであり、第2の弁開状態において、第1の弁640は、第1の弁常閉状態のままであることを更に理解されたい。
【0228】
次に、シリンジ500に接続するように構成された、本開示の主題の別の例に係るアダプタ600’を示す図面の
図10A~
図10Dに注目する。アダプタ600’は、上述したアダプタ600の要素に対応する要素の少なくともいくつかを有し、理解を容易にするために対応する参照番号によって示されている。アダプタ600の第1の弁640及び第2の弁650の代わりに、アダプタ600’は、周囲と流体連通する弁装置660を備える。弁装置660は、第1の弁640及び第2の弁650の両方の機能を実行するように構成された二重機能弁である。例えば、アダプタ600’は、シリンジ500内の過圧及び負圧の問題を解決するように構成され、弁装置660は、過圧の場合にアダプタ600’内から周囲への空気の流出を容易にし、負圧の場合に周囲からアダプタ600’への空気の流入を容易にするように構成される。
【0229】
弁装置660は、図示される実施例では中央部材661である第1の弁座部材661と、図示される実施例では弁座開口部672を有する弁座671である第2の弁座部材671とを備える。中央部材661は、シート開口部672を通って延在する。図示される実施例では、中央部材661は、弁ハウジング602’の底部604’から延在する。いくつかの実施例では、中央部材661は、流体移送デバイス631’の底部631A’から空気フィルタ606’を通って延在することができる。弁装置660は、第1の端部664Aと反対側の第2の端部664Bとを有する長手方向部材664を含む封止部材663を更に備える。封止部材663は、長手方向部材664の第1の端部664Aから中央部材661に向かって半径方向に延在し、中央部材661と選択的に係合及び脱離するように構成された封止部材の第1の部分665を更に備える。封止部材の第1の部分665及び中央部材661は、それらの間に第1の弁通路662を画定する。封止部材663は、長手方向部材664の第1の端部664Aから弁座671に向かって半径方向に延在し、弁座671に選択的に係合及び脱離するように構成された封止部材の第2の部分666を更に備える。封止部材の第2の部分666及び弁座671は、それらの間に第2の弁通路672を画定する。
【0230】
弁座671は、空気チャネル633に面する弁座内面671Aと、反対側の弁座外面671Bとを有する。封止部材の第2の部分666は、弁座内面671Aと係合し、選択的に脱離する。封止部材663は、封止部材の第3の部分667を更に備え、封止部材の第3の部分は、図示される実施例では、長手方向部材664の第2の端部664Bから弁座671に向かって半径方向に延在する固定部材667として構成され、第2の弁通路672を遮断することなく弁座671の外面671Bと係合し、それによって封止部材663をその位置に保持するように構成される。封止部材の第2の部分666及び固定部材667は、封止部材663を弁座671に対する位置に保持する。例えば、封止部材の第2の部分666が弁座671から脱離すると、弁座外面671Bに係合する固定部材667は、封止部材663の軸方向変位を防止する。
【0231】
弁装置660では、中央部材661と封止部材の第1の部分665との協働が第1の弁として機能し、弁座671と封止部材の第2の部分666との協働が第2の弁として機能する。
【0232】
図10C及び
図10Dに示すように、弁装置660は、通常、常全閉状態にある。封止部材の第1の部分665は、中央部材661と係合し、それによって第1の弁通路662を封止する。また、封止部材の第2の部分666が弁座671の第1の表面671Aに係合することにより、第2の弁通路672が封止される。この常全閉状態において、封止部材663と、封止部材の第2の部分によって覆われていない弁座671の部分671’と、流体移送デバイス631’の底部631’Aと、側壁670との間に画定される容積Vは、弁装置660内の容積を画定する。
【0233】
過圧が空気チャネル633’内、したがって容積V内に生成されると、弁装置内の空気圧が封止部材の第1の部分665に力を加える。弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値を超えると、それによって封止部材の第1の部分665に加えられた力が、封止部材の第1の部分665を中央部材661から離れるように屈曲させ、それによって封止部材の第1の部分665を中央部材661から脱離させ、それによって第1の弁通路662を封止解除し、弁装置660を第1の弁開状態に自動的に変位させる。第1の弁開状態において、空気は、空気チャネル633/容積Vから第1の弁通路662を通って流れ、
図10Dの矢印AR5によって示される流れのように周囲に逃げる。これにより、弁装置660から過圧が解放される。弁装置660から解放される空気圧が第1の所定の閾値を下回ると、封止部材の第1の部分665は、通常位置に戻るように屈曲し、それによって、弁装置660を常全閉状態に自動的に変位させる。本明細書では、第1の所定の閾値は、一般に、空気が弁装置660から周囲に流れるための周囲圧力よりも大きく、周囲に解放される前に弁装置660内で構築され得る最大圧力となるように意図される圧力の大きさに基づいて選択されることを理解されたい。
【0234】
弁装置660の常全閉状態において、弁装置660又は空気チャネル633の容積V内の空気圧は、周囲圧力によって第2の弁通路672を介して封止部材の第2の部分666に加えられる力に抗して封止部材の第2の部分666に力を加え、それによって封止部材の第2の部分666を弁座671の第1の表面671Aと係合させたままにする。
【0235】
空気チャネル633’内、したがって容積V内に負圧が生成されると、弁装置660内の空気圧によって封止部材の第2の部分666に加えられる力が減少する。弁装置660内の空気圧が第2の所定の閾値を下回ると、封止部材の第2の部分666は、第2の弁座部材671の第1の表面671Aから自動的に持ち上がり、それによって、弁装置60を第2の弁開状態に変位させ、第2の弁通路672を封止解除する。第2の弁開状態では、空気が周囲から
図10Cの矢印AR6によって示されるように、空気が周囲から第2の弁通路672を介して容積Vに流れ込み、それによって、弁装置660内に生成された負圧を平衡させる。弁装置660内の空気圧が第2の所定の閾値を超えて上昇すると、封止部材の第2の部分666は元の位置に戻り、それによって弁装置660を常全閉状態に自動的に変位させる。本明細書では、第2の所定の閾値は、空気が周囲から弁装置660内に流れるための周囲圧力よりも小さく、周囲からバランスをとる前に弁装置660内で許容され得る最小圧力となるように意図される圧力の大きさに基づいて選択されることを理解されたい。
【0236】
本明細書では、弁装置660内の圧力が第1の所定の閾値と第2の閾値圧力との間にあるとき、弁装置660は完全閉鎖状態にあることを理解されたい。特に、弁装置660内の圧力が周囲圧力に等しいとき、弁装置660は完全閉鎖状態にある。
【0237】
更に、封止部材の第1及び第2の部分の弾性は、第1の所定の閾値及び第2の所定の閾値に基づいて選択されることを理解されたい。本明細書では、弁装置660の第1の弁開状態において、封止部材の第2の部分666が第2の弁通路772を封止し、第2の弁開状態において、封止部材の第1の部分665が第1の弁通路662を封止することを更に理解されたい。
【0238】
上述したような弁装置660は、空気圧をある範囲内に維持する必要がある任意の流体移送デバイスと共に使用することができる。また、上述の弁装置660は、
図8A~
図9Cを参照して上述したアダプタ600と共に使用することができ、第1の弁640及び第2の弁650は、弁装置660として実現することができ、封止部材643及び653は、封止部材663などの単一の共通封止部材として構成される。
【0239】
本明細書では、2つの別個の封止部材の代わりに単一の封止部材を製造し組み立てる必要があるという点で、二重機能弁660の適用は、2つの弁640及び650の適用よりも有利であることを理解されたい。更に、単一の弁装置は、アダプタのハウジング内の2つの別個の弁よりも占有する空間が小さい。
【0240】
ここで、完全動作状態及び少なくとも部分的な動作不能状態におけるアダプタ700の選択的使用を説明する目的で、本開示の主題の別の例によるアダプタ700の一部の断面図を示す図面の
図11A~
図11Dに注目する。アダプタ700は、上述したアダプタ600’と構造及び動作が類似しており、アダプタ600の対応する参照番号によって示されているアダプタ700’の特徴の少なくともいくつかを組み込む。
【0241】
アダプタ700は、上述の弁装置660と構造及び動作が類似する弁装置760を有するが、1つの違いは、中央部材761が流体移送デバイス731の底部731Aから延在することである。アダプタ600の特徴に加えて、アダプタ700は、アクチュエータ780を含み、
図11B及び11Dは、アクチュエータ780の正面図である。アクチュエータ780は、アダプタ700を完全動作状態と少なくとも部分的な動作不能状態との間で切り替えるように構成される。
【0242】
また上述したように、図示される実施例ではスパイクアダプタであるアダプタは、液体チャネル734を介してIVバッグとシリンジとの間で2つの方向に液体を移送することを容易にするように構成される。スパイクアダプタを使用して、シリンジ内からIVバッグに液体を注入し、液体チャネル734を通じてIVバッグからシリンジに液体を引き出すことができる。液体の移送中、シリンジの空気チャンバ内の、したがってアダプタ700の空気チャネル733内の空気圧は、シリンジのプランジャが引っ張られるか押されるかに基づいて変化する。スパイクアダプタは、弁装置760を介して、空気チャネルからの、及び空気チャネルへの、したがって空気チャンバへの空気の放出及び吸入を容易にするように構成される。本出願では、完全動作状態という用語は、スパイクアダプタが両方向に、すなわち、液体チャネル734を通じてIVバッグからシリンジへ、及びその逆に、液体の移送を容易にするように構成されている状態を指し、少なくとも部分的な動作不能状態という用語は、スパイクアダプタが2つの方向のうちの少なくとも1つの方向への液体の移送を遮断するように構成されている状態を指し、この2つの方向のうちの少なくとも1つは、図示される例では、シリンジからIVバッグへであり、反対方向への、すなわち、液体チャネル734を通じてIVバッグからシリンジへの液体の移送を防止する。
【0243】
上記で説明されるように、プロトコルは、アダプタ700を通じてIVバッグから塩水を引き出すために、医療従事者が新しい/未使用のシリンジを使用することを要求することができる。アダプタは、IVバッグから塩水を引き出すために新しいシリンジを使用する必要があることを施術者に気付かせるように、選択的に少なくとも部分的な動作状態に構成される。例えば、アダプタ700は、通常、IVバッグからシリンジへの方向にアダプタを通過する液体の流れが遮断される少なくとも部分的な動作不能状態に構成される。したがって、施術者がIVバッグからシリンジ内に塩水を抜き取る目的でアダプタを使用したい場合、アダプタは、施術者がアクチュエータを使用することによって完全動作状態に手動で切り替えられる必要があり、それによって、施術者がその目的のために既に使用されたシリンジを偶発的かつ不注意に使用することを防止し、アダプタが完全動作状態に切り替えられると、新しいシリンジが使用されるべきであることを施術者に気付かせる。
【0244】
図示される実施例では、少なくとも部分的な動作不能状態において、アクチュエータ780は、周囲と空気チャネル734との間の空気の通過を制御することによって間接的に、液体チャネル733を通る、すなわち一方向への液体の移動を部分的に遮断するように構成される。上述したように、液体の流れは、空気チャネル733を介したシリンジの空気チャンバからの空気の排出及び空気チャンバへの空気の吸入に依存する。例えば、圧力がシリンジの空気チャンバから解放されない場合、シリンジは、アダプタ700を通じてシリンジ内に液体を抽出するように動作させることができず、シリンジの空気チャンバ内の空気圧は、空気チャンバに向かうシリンジのプランジャの移動を防止し、それによって、空気圧が放出されないときにシリンジ内に液体を抽出するようにシリンジを動作不能にする。したがって、空気チャネルを通る空気の通過を制御することによって、液体の移送を間接的に制御することができる。
【0245】
図示される実施例では、アクチュエータ780は、
図11Aに示す第1のアクチュエータ状態と
図11Bに示す第2のアクチュエータ状態との間で変位するように構成されたスイッチ780として構成されている。スイッチ780は、図示される実施例では、第1のアクチュエータ状態と第2のアクチュエータ状態との間で変位するようにスイッチを回転させるためにユーザによって保持されるように構成されたノブ781を有する。いくつかの実施例(図示せず)では、アクチュエータは、回転以外の任意の動きによって、例えば、押す/引くことによって、2つのアクチュエータ状態の間で変位させることができる。スイッチ780は、
図11Bに示すように、アクチュエータの第2の状態において、封止部材763の封止部材の第3の部分767に係合するように構成されたアクチュエータ内面782を有する。
【0246】
図11Aでは、アクチュエータがアクチュエータの第1の状態にあるとき、弁装置760は、
図10A~
図10Dを参照して上述したように、空気チャネル733と周囲との間の弁装置760を通る空気の排出及び吸入を容易にする。したがって、アクチュエータの第1の状態は、アダプタ700の完全動作状態に関連付けられる。
【0247】
図11Bでは、アクチュエータがアクチュエータの第2の状態にあるとき、弁装置760は、第2の弁通路772を通る空気の吸入を容易にするように構成されるが、
図11Bに示すように、アクチュエータ内面782は、第1の弁通路762を通る空気の排出を封止するように、封止部材の第3の部分767に係合する。このアクチュエータの第2の状態において、空気チャネル733からの、したがってシリンジの空気チャンバからの空気の放出が防止され、したがって、シリンジ、ひいてはアダプタは、上述したように、IVバッグからシリンジ内への方向、すなわちスパイク末端部分から流体移送デバイスに向かう方向への液体の移送について動作不能である。したがって、アクチュエータの第2の状態は、アダプタ700の少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられる。
【0248】
アクチュエータ780は、アクチュエータの第2の状態において、封止部材の第3の部分767に係合し、封止部材の第3の部分は、スイッチ780と弁座771の第2の表面771Bとの間に緊密に係合する。弁装置760は、依然として第1の弁開状態に変位することができるが、封止部材の第3の部分とアクチュエータ780との間の緊密な係合によって空気が逃げることが防止されるため、空気チャネルから空気を排出しない。したがって、アクチュエータ780は、第2のアクチュエータ状態において、弁装置760の状態にかかわらず空気の排出を防止するように構成される。
【0249】
アクチュエータ/スイッチ780は、通常は、
図11Aに示されるアクチュエータの第1の状態に構成され、図示される実施例では、スイッチ780を回転させるために、ユーザによって力が印加されると、アクチュエータの第2の状態に変位するように構成される。スイッチ780は、力が除去されると、アクチュエータの第2の状態に留まるように構成される。次いで、スイッチ780は、逆方向に回転させることによって、第1のアクチュエータ状態に変位させることができる。
【0250】
ここで、完全動作状態及び少なくとも部分的な動作不能状態におけるアダプタ800の選択的使用を説明する目的で、本開示の主題の別の例に係るアダプタ800の一部の断面図を示す図面の
図12A及び
図12Bに注目する。アダプタ800は、上述のアダプタ600’及び/又は700と構造及び動作が類似しており、アダプタ600についての対応する参照番号によって指定されているアダプタ800’及び/又は700の特徴のうちの少なくともいくつかを組み込む。アダプタ800とアダプタ600’との主な違いは、弁装置の構造にあり、アダプタ800とアダプタ700との主な違いは、弁装置及びアクチュエータの構造にある。これらとは別に、アダプタ800は、アダプタ600’及び700と同様に、特に液体及び空気の移送に関連して動作する。
【0251】
アダプタ800は、周囲とアダプタ800の空気チャネル833との間を通る空気の流れ(及び排出)を可能にするように構成された弁通路862を画定する弁座部材861を有する弁装置860を有する。弁装置860は、弁通路862を通って延在し、第1の端部864A及び反対側の第2の端部864Bを有する中央部864を含む封止部材863を更に備える。封止部材863は、中央部材864の第1の端部864Aから半径方向外向きに延在し、弁座部材761に選択的に係合し、それによって弁通路862を封止するように構成されたスカート部865を有する。
【0252】
弁装置860は、スカート部865が弁座部材861に係合して、弁通路862を封止する常閉状態に構成される。空気チャネル833内に負圧が生成され、空気チャネル内の圧力が所定の閾値未満に低下すると、空気チャネル内の空気圧によってスカート部865に及ぼされる力が、周囲圧力によって弁通路862を介してスカート部865に及ぼされる力よりも小さくなり、それによってスカート部865が持ち上げられて弁座部材861から脱離され、それによって弁通路862が封止解除され、弁装置が開状態に変位する。したがって、周囲からの空気は、矢印AR7によって示されるように、弁通路862を通って空気チャネル833に流入し、その後、シリンジの空気チャンバに流入することができる。しかしながら、過圧が空気チャネル833内に生成されると、空気圧はスカート部865を弁座部材861から脱離しないので、空気圧は弁通路862を通って放出されない。
【0253】
アダプタ800は、
図12Bに示すような第1のアクチュエータ状態と、
図12Aに示すような第2のアクチュエータ状態との間で変位するように構成されたアクチュエータ880を更に備える。図示される実施例では、アクチュエータ880は、通常の第2のアクチュエータ状態(
図12A)から第1のアクチュエータ状態(
図12B)に変位させるために押圧されるように構成されたボタンである。
図12Aに示すように、アクチュエータが第2のアクチュエータ状態にあるとき、アダプタ内への空気の吸入が可能になる一方で、空気の排出が防止され、それによって、アダプタ800を参照して上述したように、IVバッグからシリンジへの方向への液体の移送についてシリンジ及びアダプタ700を動作不能にする。したがって、アクチュエータの第2のアクチュエータ状態は、アクチュエータの少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられる。
【0254】
図12Bに示すように、アクチュエータ880が第1のアクチュエータ状態にあるとき、アクチュエータ880は、封止部材863の中央部材864の第2の端部864Bに係合し、中央部材864を持ち上げ、その結果、着座部材861からスカート部865を持ち上げ、それによって弁通路862を封止解除する。アクチュエータのこの状態において、空気は、矢印AR8によって示されるように、弁通路862を介してアダプタ800に流入及び/又は流出することができ、それによって、アダプタ700を参照して上述したように、アダプタを、液体チャネルを通じて両方向に液体を移送するために使用可能にする。したがって、第1のアクチュエータ状態は、アダプタ800の完全動作状態に関連付けられる。
【0255】
弁装置860では、空気が弁通路862を通って排出されるとき、弁装置は第1の弁として作用し、空気が周囲からアダプタ内に入るとき、弁装置は第2の弁として作用する。
【0256】
図示される例では、アクチュエータは、アクチュエータが通常の第2のアクチュエータ状態から第1のアクチュエータ状態に変位することを防止するように構成された破断可能タブ883を備える。アクチュエータを第1のアクチュエータ状態に変位させる必要があるとき、ユーザは、ボタン880に押圧力を加え、それによって破断タブ883を破断し、ボタン880を第1のアクチュエータ状態に押し込むことができる。
図12Bに示すように、アクチュエータは、第1のアクチュエータ状態と第2のアクチュエータ状態との間で変位されるようにボタン880の枢動を容易にするように構成されたヒンジ884を更に備える。図示される実施例では、ボタンは、押圧力が除去されると、第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成される。したがって、アダプタの完全動作状態が意図されるとき、ユーザは、所望の完全動作状態が意図されるまでボタン880を押し、次いで、アダプタの少なくとも部分的な動作不能状態が意図されるとき、ボタンを解除しなければならない。
【0257】
本明細書に示される実施例では、アクチュエータは、アダプタ700及び800の一部を構成するものとして説明されているが、いくつかの実施例(図示せず)では、アクチュエータは、弁装置の一部を構成することができ、弁ハウジング内に配置されるか、又はその一部を構成することができることを、本明細書では理解されたい。
【0258】
次に、アダプタの液体チャネルを直接遮断することによってアダプタを通る液体の流れを直接遮断するように構成されているアクチュエータを説明する目的で、本開示の主題の別の例に係るアダプタ900を示す図面の
図13A~
図13Dに注目する。
【0259】
アダプタ900は、図示される実施例では、液体チャネル926を通じてシリンジと外部容器との間の液体の移送を容易にするように構成されたルアーロックアダプタである。シリンジ(図示せず)は、アダプタ900の隔壁930を通ってシリンジの液体ニードルを挿入しながら、アダプタ900に接続することができる。外部容器(図示せず)は、アダプタ900のルアーロックコネクタ910に接続することができる。ルアーロックコネクタ910は、上述したルアーロックコネクタ10の構造及び動作と同様である。アダプタ900は、周囲とアダプタ900の内部との間の空気の流れを促進するように構成された弁装置920を有する。
【0260】
アダプタ90は、液体の通過を選択的に遮断するように液体チャネル926内に部分的に位置付けられたアクチュエータ980を更に含む。アクチュエータ980は、
図13A及び13Bに示されるような第1のアクチュエータ状態と、
図13C及び13Dに示されるような第2のアクチュエータ状態との間でアクチュエータ980を変位させるためにユーザによって保持されるように構成されるノブ981を有する。
【0261】
図13B及び13Dに示すように、アクチュエータは流路82を備え、流路82は、
図13Bに示される第1のアクチュエータ状態において、液体チャネル926と位置合わせされて、両方向に、すなわち、隔壁930からコネクタ910へ、及びその逆に、そこを通る液体の流れを可能にし、したがって、このアクチュエータ状態において、アダプタ900は完全動作状態にある。
図13Dでは、アクチュエータは、第2のアクチュエータ状態にあり、流路982は、液体チャネル926と位置合わせされておらず、それによって、両方向にそこを通る液体の流れを遮断し、したがって、このアクチュエータ状態において、アダプタ900は、少なくとも部分的な動作不能状態にある。図示される実施例では、少なくとも部分的な動作不能状態において、アダプタは、アダプタを通る液体の流れを容易にするように完全に動作不能である。
【0262】
アクチュエータ980は、図示される例では回転力である力がユーザによって加えられると、第1のアクチュエータ状態と第2のアクチュエータ状態との間で変位可能であるように構成される。いくつかの実施例では、アクチュエータは、プッシュ/プル、又はプッシュ/プルと回転との組み合わせによって、その状態間で変位可能であり得る。いくつかの実施例では、アクチュエータは、通常は第1及び第2の状態の一方にあり、力が加えられると他方の状態に変位し、力が除去されると通常状態に自動的に戻るように構成することができる。いくつかの実施例では、アクチュエータは、力が加えられていない場合に両方の状態を独立して保持するように構成することができる。
【0263】
図示の実施形態では、アダプタ900は上述のものとは異なり、例えば、上述のルアーロックアダプタ1とは異なり空気チャネルを含まず、アダプタ900は、上述のシリンジ500とは異なり液体ニードルのみを有するシリンジと共に使用することができる。しかしながら、いくつかの実施例では、アクチュエータ980は、前述のアダプタ(ルアーロックアダプタ並びにスパイクアダプタ)のうちのいずれかと共に使用することができる一方、それらのアダプタの付加的機能に影響を及ぼすことなく、それらのアダプタの対応する液体チャネル内に位置付けられる。
【0264】
いくつかの実施例(図示せず)では、第2のアクチュエータ状態において、アダプタの液体チャネルを通る液体の流れが一方向では遮断され、反対方向では許容されるように、逆止弁又は一方向弁をアクチュエータの流路内に位置付けることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、
長手方向軸を有する外側本体と、
前記外側本体内に位置付けられ、前記流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも前記外部ポートとの連結の開始前に、前記長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方
向に回転可能であ
り、前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートが前記外部ポートと連結された後に、操作者が前記外側本体を通じて前記ルアーロック接続ポートの外部に指先で直接アクセスすることを防止するように構造化され、前記ルアーロック接続ポートは、前記外側本体内に位置付けられる、
ルアーロック接続ポートと、
前記ルアーロック接続ポートの前記長手方向軸を中心とした少なくとも前記反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、前記ルアーロック接続ポートからの前記外部ポートの分離を可能にするように前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構と、
を備える、コネクタ。
【請求項2】
前記ルアーロック接続ポートは、前記外部ポートとの連結時に、前記長手方向軸を中心に前記時計回り方向及び前記反時計回り方向の両方に回転可能である、請求項
1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備える、請求項1
又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記連結補助機構は、少なくとも前記ルアーロック接続ポートと前記外部ポートとの連結が進行中である間、前記連結可能状態をとるように構成されている、請求項
3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記連結補助機構は、前記連結可能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に前記反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項
3又は
4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記連結補助機構は、前記連結不能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に前記反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項
3~
5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ルアーロック接続ポートは、前記連結不能状態に関連付けられた第1の位置と前記連結可能状態に関連付けられた第2の位置との間で前記長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成されている、請求項
3~
6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ルアーロック接続ポートは、前記連結中に前記外部ポートによって押圧力
又は引張力が加えられると、前記第1の位置から前記第2の位置に自由に変位するように構成されている、請求項
7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記連結補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、前記外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備え、前記第2の位置において、前記係止部材は前記拘束部材と係合し、それによって前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を制限する、請求項
7又は
8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第1の位置において、前記係止部材は、前記拘束部材から脱離する、請求項
9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、前記側壁は、少なくとも前記分離可能状態において、前記ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するように前記分離補助機構と共に使用されるように構成されている、請求項
1に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記分離補助機構は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、前記分離補助機構は、前記アクチュエータに押圧力が加えられると、前記分離可能状態をとり、前記押圧力が除去されると、前記分離不能状態をとるように構成されている、請求項
11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記分離可能状態において、前記長手方向軸と前記アクチュエータ外面との間の最小距離は、前記長手方向軸と前記開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さい、請求項
12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記分離可能状態において、前記アクチュエータ外面の少なくとも大部分が、前記開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けられる、請求項
12又は
13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記アクチュエータは、前記外側本体から延在する第1の部分と、前記第1の部分から延在する第2の部分とを有し、前記第1の部分は、前記外側本体の一部を形成する、請求項
12~
14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、レバーを構成する、請求項
15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、前記アクチュエータの内面の一部を構成する第2の係合部とを備え、前記分離可能状態において、前記第1の係合部が前記第2の係合部に係合することにより、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記反時計回り方向への回転が制限される、請求項
12~
16のいずれか
一項に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記分離不能状態において、前記第1の係合部は、前記第2の係合部から脱離する、請求項
17に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記第1の係合部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面上に形成された少なくとも1つの突出部を備え、前記第2の係合部は、前記アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備え、前記分離可能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも
前記反時計回り方向への回転を制限する、請求項
17又は
18に記載のコネクタ。
【請求項20】
前記アクチュエータは、前記少なくとも1つの突出部が前記少なくとも1つの歯に対して半径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成されている、請求項
19に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの突出部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面から前記アクチュエータに向かって延在する突出部側面を有し、前記少なくとも1つの歯は、前記アクチュエータ内面から前記ルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有し、前記分離可能状態において、前記歯側面は前記突出部側面に係合する、請求項
19又は
20に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記分離不能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部から脱離する、請求項
19~
21のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項23】
前記ルアーロック接続ポートは、前記長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成されている、請求項
7に記載の、又は請求項
7に従属する場合の請求項
8~
22のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項24】
前記第3の位置は、前記第1の位置、
若しくは前記第1の位置と前記第2の位置との間の
任意の位置であ
り、又は、前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第3の位置との間の任意の位置であり、又は、前記第1の位置は、前記第2の位置と前記第3の位置との間の任意の位置である、請求項
23に記載のコネクタ。
【請求項25】
前記ルアーロック接続ポートは、前記外部ポートを前記ルアーロック接続ポートから分離する間に
押圧力又は引張力が加えられると、前記
第1又は第2の位置から前記第3の位置に自由に変位するように構成されている、請求項
23又は
24に記載のコネクタ。
【請求項26】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートが前記
第2又は第3の位置に変位すると、前記分離可能状態をとるように構成されている、請求項
23~
25のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項27】
前記ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、前記細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートであり、前記雄型ルアーロック接続ポートは、連結時に前記カラーが前記外部ポートと前記外側本体との間に位置決めされるように、前記カラーと前記細長い中央部材との間に前記外部ポートを螺合して受け入れることによって前記外部ポートに連結されるように構成されている、請求項1~
26のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項28】
前記カラーは、前記細長い中央部材に平行に延在し、前記カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲である、請求項
27に記載のコネクタ。
【請求項29】
前記外側本体は、前記カラーの少なくとも大部分を覆っている、請求項
28に記載のコネクタ。
【請求項30】
前記カラー及び前記細長い中央部材は、一体的に形成されている、請求項
27~
29のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項31】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項1~
30のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項32】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項1~
31のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項33】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項1~
32のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項34】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項1~
33のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項35】
医療用流体移送デバイスで使用するために構成されたアダプタであって、前記アダプタは、請求項1~
34のいずれか一項に記載のコネクタを備える、アダプタ。
【請求項36】
前記アダプタは、前記アダプタの遠位端に位置付けられた隔壁を備え、前記隔壁を通じてシリンジの少なくとも1つのニードルを受け入れるように構成されている、請求項
35に記載のアダプタ。
【請求項37】
前記コネクタは、前記アダプタの近位部を構成する、請求項
35又は
36に記載のアダプタ。
【請求項38】
流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、
前記流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートと、
前記ルアーロック接続ポートの少なくとも一部を覆う外側本体
であって、前記ルアーロック接続ポートが、第1の位置と第2の位置との間で長手方向軸に沿って軸方向に変位するように構成されている、外側本体と、
前記ルアーロック接続ポートの
前記長手方向軸を中心とした少なくとも反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、前記ルアーロック接続ポートからの前記外部ポートの分離を可能にするように前記ルアーロック接続ポートの少なくとも
前記反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構
であって、前記ルアーロック接続ポートが、前記第1の位置と前記第2の位置のうちの一方に変位したときに前記分離可能状態をとるように構成されている、分離補助機構と
、
を備える、コネクタ。
【請求項39】
前記外側本体は、少なくとも1つの開口部が形成された側壁を備え、前記側壁は、少なくとも前記分離可能状態において、前記ルアーロック接続ポートの外面へのアクセスを提供するように前記分離補助機構と共に使用されるように構成されている、請求項
38に記載のコネクタ。
【請求項40】
前記分離補助機構は、前記開口部内に少なくとも部分的に位置付けられたアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、前記ルアーロック接続ポートに面するアクチュエータ内面と、反対側のアクチュエータ外面とを有し、前記分離補助機構は、前記アクチュエータに押圧力が加えられると、前記分離可能状態をとり、前記押圧力が除去されると、前記分離不能状態をとるように構成されている、請求項
39に記載のコネクタ。
【請求項41】
前記分離可能状態において、前記長手方向軸と前記アクチュエータ外面との間の最小距離は、前記長手方向軸と前記開口部のリムの外面との間の最小距離よりも小さい、請求項
40に記載のコネクタ。
【請求項42】
前記分離可能状態において、前記アクチュエータ外面の少なくとも大部分が、前記開口部のリムによって画定される仮想面の下方に位置付けられる、請求項
40又は
41に記載のコネクタ。
【請求項43】
前記アクチュエータは、前記外側本体から延在する第1の部分と、前記第1の部分から延在する第2の部分とを有し、前記第1の部分は、前記外側本体の一部を形成する、請求項
40~
42のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項44】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、レバーを構成する、請求項
40に記載のコネクタ。
【請求項45】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面の一部を構成する第1の係合部と、前記アクチュエータの内面の一部を構成する第2の係合部とを備え、前記分離可能状態において、前記第1の係合部が前記第2の係合部に係合することにより、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記反時計回り方向への回転が制限される、請求項
40~
44のいずれか
一項に記載のコネクタ。
【請求項46】
前記分離不能状態において、前記第1の係合部は、前記第2の係合部から離脱する、請求項
45に記載のコネクタ。
【請求項47】
前記第1の係合部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面に形成された少なくとも1つの突出部を備え、前記第2の係合部は、前記アクチュエータ内面から突出する少なくとも1つの歯を備え、前記分離可能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部と係合し、それによって、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも
前記反時計回り方向への回転を制限する、請求項
45又は
46に記載のコネクタ。
【請求項48】
前記アクチュエータは、前記少なくとも1つの突出部が前記少なくとも1つの歯に対して半径方向に変位したときにのみ押圧されるように構成されている、請求項
47に記載のコネクタ。
【請求項49】
前記少なくとも1つの突出部は、前記ルアーロック接続ポートの前記外面から前記アクチュエータに向かって延在する突出部側面を有し、前記少なくとも1つの歯は、前記アクチュエータ内面から前記ルアーロック接続ポートに向かって延在する歯側面を有し、前記分離可能状態において、前記歯側面は前記突出部側面に係合する、請求項
47又は
48に記載のコネクタ。
【請求項50】
前記分離不能状態において、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの突出部から脱離する、請求項
47~
49のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項51】
前記第1の位置において、前記ルアーロック接続ポートは、
前記外側本体内の第1の範囲にあり、前記第2の位置において、前記ルアーロック接続ポートは、前記外側本体内の、前記第1の範囲とは異なる第2の範囲にある、請求項
38~
50のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項52】
前記ルアーロック接続ポートは、
引張力又は押圧力が加えられると、前記第1の位置から前記第2の位置に変位するように構成されている、請求項
51に記載のコネクタ。
【請求項53】
前記ルアーロック接続ポートは、前記長手方向軸に沿って第3の位置に軸方向に変位するように構成されている、請求項
51又は
52に記載のコネクタ。
【請求項54】
前記第3の位置は、前記第1の位置、
若しくは前記第1の位置と前記第2の位置との間の任意の位置であ
り、又は、前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第3の位置との間の任意の位置であり、又は、前記第1の位置は、前記第2の位置と前記第3の位置との間の任意の位置である、請求項
53に記載のコネクタ。
【請求項55】
前記ルアーロック接続ポートは、引張力
又は押圧力が加えられると、前記
第1又は第2の位置から前記第3の位置に変位するように構成されている、請求項
54に記載のコネクタ。
【請求項56】
前記分離補助機構は、前記ルアーロック接続ポートが前記第3の位置に変位すると、前記分離可能状態をとるように構成されている、請求項53~
55のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項57】
前記ルアーロック接続ポートの少なくと
も時計回り方向への回転を制限する連結可能状態と、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記時計回り方向への回転を可能にする連結不能状態とを選択的に取るように構成された連結補助機構を更に備える、請求項
38~
56のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項58】
前記連結補助機構は、少なくとも前記ルアーロック接続ポートと前記外部ポートとの連結が進行中である間、前記連結可能状態をとるように構成されている、請求項
57に記載のコネクタ。
【請求項59】
前記連結補助機構は、
前記連結可能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に前記反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項
57又は
58に記載のコネクタ。
【請求項60】
前記連結補助機構は、
前記連結不能状態において、前記ルアーロック接続ポートが前記長手方向軸を中心に
前記反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されている、請求項
57~
59のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項61】
前記連結不能状態は、
前記第1の位置に関連付けられ、前記連結可能状態は、前記第2
又は第3の位置に関連付けられる、請求項
53に従属する場合の請求項
57~
60のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項62】
前記連結補助機構は、前記ルアーロック接続ポートの外面に取り付けられた少なくとも1つの係止部材と、前記外側本体の内面に取り付けられた少なくとも1つの拘束部材とを備え、前記第2
又は第3の位置において、前記係止部材は前記拘束部材と係合し、それによって前記ルアーロック接続ポートの少なくとも
前記時計回り方向の回転を制限する、請求項
61に記載のコネクタ。
【請求項63】
前記第1の位置において、前記係止部材は、前記拘束部材から脱離する、請求項
62に記載のコネクタ。
【請求項64】
前記ルアーロック接続ポートは、細長い中央部材と、前記細長い中央部材を取り囲むカラーとを備える雄型ルアーロック接続ポートであり、前記雄型ルアーロック接続ポートは、連結時に前記カラーが前記外部ポートと前記外側本体との間に位置決めされるように、前記カラーと前記細長い中央部材との間に前記外部ポートを螺合して受け入れることによって前記外部ポートに連結されるように構成されている、請求項
38~
63のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項65】
前記カラーは、前記細長い中央部材に平行に延在し、前記カラーの長さは、5.4mm~8mmの範囲である、請求項
64に記載のコネクタ。
【請求項66】
前記外側本体は、前記カラーの少なくとも大部分を覆っている、請求項
65に記載のコネクタ。
【請求項67】
前記カラー及び前記細長い中央部材は、一体的に形成されている、請求項
64~
66のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項68】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項
38~
67のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項69】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項
38~
68のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項70】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも大部分を半径方向に覆っている、請求項
38~
69のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項71】
前記外側本体は、前記ルアーロック接続ポートの側壁の少なくとも90%を半径方向に覆っている、請求項
38~
70のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項72】
医療用流体移送デバイスで使用するために構成されたアダプタであって、請求項
38~
71のいずれか一項に記載のコネクタを備える、アダプタ。
【請求項73】
前記アダプタは、前記アダプタの遠位端に位置付けられた隔壁を備え、前記隔壁を通じてシリンジの少なくとも1つのニードルを受け入れるように構成されている、請求項
72に記載のアダプタ。
【請求項74】
前記コネクタは、前記アダプタの近位部を構成する、請求項
72又は
73に記載のアダプタ。
【請求項75】
流体移送デバイスと接続するためのコネクタであって、
長手方向軸を有する外側本体と、
前記外側本体内に位置付けられ、前記流体移送デバイスの外部ポートと連結されるように構成されたルアーロック接続ポートであって、少なくとも前記外部ポートとの連結の開始前に、前記長手方向軸を中心に時計回り方向及び反時計回り方
向に回転可能であり、前記外側本体が、前記ルアーロック接続ポートの大部分を半径方向に覆っている、ルアーロック接続ポートと
、
前記ルアーロック接続ポートの前記長手方向軸を中心とした少なくとも前記反時計回り方向への回転を可能にする分離不能状態と、前記ルアーロック接続ポートからの前記外部ポートの分離を可能にするように前記ルアーロック接続ポートの少なくとも前記反時計回り方向への回転を制限する分離可能状態とを選択的に取るように構成された分離補助機構と、
を備える、コネクタ。
【請求項76】
空気チャンバ及び液体チャンバを有するシリンジへの接続のために構成されたアダプタであって、
前記液体チャンバに連通するように構成された液体チャネルと、
前記空気チャンバに連通するように構成された空気チャネルと、
前記空気チャネルと流体連通し、前記空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、第1の弁常閉状態とを有する第1の弁と
、
を備える、アダプタ。
【請求項77】
前記第1の弁は、前記空気チャネル内の空気圧が第1の所定の閾値を超えたことに応答して、前記第1の弁開状態に自動的に変位するように構成されている、請求項
76に記載のアダプタ。
【請求項78】
前記第1の弁が、前記第1の弁開状態において、前記空気チャネルと流体連通する第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、前記第1の弁常閉状態において、前記第1の弁座部材に係合し、それによって前記第1の弁通路を封止する第1の弁封止部材とを備える、請求項
76又は
77に記載のアダプタ。
【請求項79】
前記第1の弁開状態において、前記第1の弁封止部材は、前記第1の弁座部材から少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第1の弁通路を封止解除する、請求項
78に記載のアダプタ。
【請求項80】
前記第1の弁通路は、前記空気チャネルと前記周囲との間に延在する第1の流路の少なくとも一部を画定し、前記第1の流路は、前記第1の弁常閉状態において前記第1の弁によって選択的に封止可能である、請求項
78又は
79に記載のアダプタ。
【請求項81】
前記第1の弁は、前記第1の弁常閉状態において、前記第1の流路を封止し、前記第1の弁開状態において、前記第1の流路を封止解除して、前記空気チャネル内の空気が前記周囲に逃げることを可能にする、請求項
80に記載のアダプタ。
【請求項82】
前記空気チャネルと流体連通し、空気が周囲から前記空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、第2の弁常閉状態とを有する第2の弁を更に備える、請求項
76~
81のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項83】
前記第2の弁は、前記空気チャネル内の空気圧が前記第1の所定の閾値よりも小さい第2の所定の閾値を下回ったことに応答して、前記第2の弁開状態に自動的に変位するように構成されている、請求項
82に記載のアダプタ。
【請求項84】
前記第2の弁は、前記第2の弁開状態において、前記空気チャネルと流体連通する第2の弁通路を有する第2の弁座部材と、前記第2の弁常閉状態において、前記第2の弁座部材に係合し、それによって前記第2の弁通路を封止する第2の弁封止部材とを備える、請求項
82又は
83に記載のアダプタ。
【請求項85】
前記第2の弁開状態において、前記第2の弁封止部材は、前記第2の弁座部材から少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第2の弁通路を封止解除する、請求項
84に記載のアダプタ。
【請求項86】
前記第2の弁通路は、前記空気チャネルと前記周囲との間に延在する第2の流路の少なくとも一部を画定し、前記第2の流路は、前記第2の弁常閉状態において前記第2の弁によって選択的に封止可能である、請求項
84又は
85に記載のアダプタ。
【請求項87】
前記第2の弁は、前記第2の弁常閉状態において、前記第2の流路を封止し、前記第2の弁開状態において、前記第2の流路を封止解除して、空気が周囲から前記空気チャネルに入ることを可能にする、請求項
86に記載のアダプタ。
【請求項88】
前記第1の弁及び前記第2の弁は、単一の共通弁ハウジング内に位置付けられる、請求項
82~
87のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項89】
前記第1の弁及び前記第2の弁は、単一の弁装置として一体化される、請求項
82~
88のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項90】
前記弁装置は、前記空気チャネル内の空気が周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が周囲から前記空気チャネルに入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに前記弁装置を変位させるように構成された単一の一体化された封止部材として構成された前記第1及び第2の封止部材を備える、請求項
89に記載のアダプタ。
【請求項91】
前記弁装置は、通常、前記常全閉状態にあり、前記弁装置は、前記弁装置内の空気圧が前記第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、前記第1の弁開状態に自動的に変位し、前記弁装置は、前記弁装置内の空気圧が前記第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、前記第2の弁開状態に自動的に変位する、請求項
90に記載のアダプタ。
【請求項92】
前記第1の所定の閾値は、前記第2の所定の閾値よりも大きい、請求項
91に記載のアダプタ。
【請求項93】
前記封止部材は、一体である、請求項
90~
92のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項94】
前記弁装置は、前記第1の弁座部材及び前記第2の弁座部材を更に備え、前記単一の一体化された封止部材は、前記第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、前記第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有する、請求項
90~
93のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項95】
前記常全閉状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に係合して、それによって前記第1の弁通路を封止し、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に係合して、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第1の弁通路を封止解除し、前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材と係合し、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第2の弁通路を封止解除し、前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材と係合し、それによって前記第1の弁通路を封止する、請求項
94に記載のアダプタ。
【請求項96】
前記第1の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第1の弁通路を介して前記弁装置内から前記弁装置の外部に逃げることを可能にし、前記第2の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第2の弁通路を介して前記弁装置の外部から前記弁装置内に入ることを可能にする、請求項
95に記載のアダプタ。
【請求項97】
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合する、請求項
95又は
96に記載のアダプタ。
【請求項98】
前記封止部材の第1の部分及び前記封止部材の第2の部分は、前記封止部材の対向する端部に位置付けられる、請求項
90~
97のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項99】
前記アダプタは、前記第1の弁及び前記周囲と流体連通する第1の出口を更に備え、前記第1の出口は、外部雌コネクタから前記アダプタを取り外すように動作するレバーボタンをその中に受け入れるように構成されている、請求項
76~
98のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項100】
前記第1の流路は、前記第1の出口を介して延在する、請求項
80に従属する場合の請求項
99に記載のアダプタ。
【請求項101】
前記アダプタは、前記第2の弁及び前記周囲と流体連通する第2の出口を更に備え、前記第2の出口は、前記アダプタの近位端を構成するルアーロック接続ポートの外側本体の側壁に形成された開口部である、請求項
82~
100のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項102】
前記第2の流路は、前記第2の出口を介して延在する、請求項
86に従属する場合の請求項
101に記載のアダプタ。
【請求項103】
前記第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備え、前記第1の弁座部材は、前記弁座開口部を通って延在する中央部材を備え、前記封止部材は、少なくとも部分的に前記弁座開口部内に、かつ半径方向に前記弁座と前記中央部材との間に位置付けられる、請求項
89~
98のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項104】
前記封止部材の第1の部分は、前記中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記中央部材と前記封止部材との間に画定された前記第1の弁通路を通過することを可能にし、前記封止部材の第2の部分は、前記弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記弁座と前記封止部材との間に画定された前記第2の弁通路を通過することを可能にする、請求項
103に記載のアダプタ。
【請求項105】
前記弁座は、前記空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有し、前記封止部材の第2の部分は前記弁座内面に係合し、前記封止部材は、前記弁座の前記外面に係合するように構成され、それによって、前記封止部材をその位置に保持する固定部材を有する封止部材の第3の部分を更に備える、請求項
103又は
104に記載のアダプタ。
【請求項106】
前記アダプタは、前記アダプタが前記液体チャネルを通る液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、前記アダプタが前記液体チャネルを通る液体の前記移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間で前記アダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータを更に備える、請求項
76~
105のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項107】
前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項
106に記載のアダプタ。
【請求項108】
前記液体チャネルを通る流体の移動は、前記第1の弁を通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、前記アクチュエータは、前記空気の通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態に前記アダプタを変位させ、それによって前記液体チャネルを通る液体の移動を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項
106又は
107に記載のアダプタ。
【請求項109】
前記完全動作状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1の方向及び反対の第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1及び第2の方向のうちの少なくとも1つに液体を移送するように動作可能でない、請求項
106~
108のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項110】
前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動は、前記第1の弁を通る前記アダプタ内からの空気の排出に依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の排出を防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項
109に記載のアダプタ。
【請求項111】
前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動は、前記第1の弁を通る前記アダプタ内への空気の取り込みに依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の取り込みを防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項
109又は
110に記載のアダプタ。
【請求項112】
前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記液体チャネルを通る液体の移動を直接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項
111に記載のアダプタ。
【請求項113】
前記アクチュエータは、前記アダプタの前記完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、前記アダプタの前記少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有する、請求項
106~
112のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項114】
前記アクチュエータは、外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態と前記第2のアクチュエータ状態との間で変位可能である、請求項
113に記載のアダプタ。
【請求項115】
前記アクチュエータは、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成されている、請求項
114に記載のアダプタ。
【請求項116】
前記アクチュエータは、通常は前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に構成され、前記外力が加えられると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位し、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの前記一方に自動的に戻るように構成されている、請求項
114に記載のアダプタ。
【請求項117】
前記アクチュエータは、通常は前記第2のアクチュエータ状態に構成され、前記外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態に変位し、前記外力が除去されると、前記第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成されている、請求項
116に記載のアダプタ。
【請求項118】
前記第2のアクチュエータ状態において、前記アクチュエータは、前記封止部材の第3の部分に係合し、前記中央部材と前記封止部材との間からの空気の通過を防止するように構成され、それによって、前記弁装置の状態にかかわらず、前記弁装置からの空気の排出を不能にする、請求項101に従属する場合の請求項
113~
117のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項119】
弁装置であって、
空気が前記弁装置内から周囲に逃げることを可能にする第1の弁開状態と、空気が前記周囲から前記弁装置内に入ることを可能にする第2の弁開状態と、常全閉状態とに前記弁装置を変位させるように構成された封止部材を備える、弁装置。
【請求項120】
前記弁装置は、通常、前記常全閉状態にあり、前記封止部材は、前記弁装置を、前記弁装置内の空気圧が第1の所定の閾値を超えて上昇したことに応答して、前記第1の弁開状態に自動的に変位させ、前記弁装置内の空気圧が第2の所定の閾値を下回って低下したことに応答して、前記第2の弁開状態に自動的に変位させる、請求項
119に記載の弁装置。
【請求項121】
前記第1の所定の閾値は、前記第2の所定の閾値よりも大きい、請求項
120に記載の弁装置。
【請求項122】
前記弁装置が、第1の弁通路を少なくとも部分的に画定する第1の弁座部材と、第2の弁通路を少なくとも部分的に画定する第2の弁座部材とを更に備え、前記封止部材が、前記第1の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第1の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第1の部分と、前記第2の弁座部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離し、それによって前記第2の弁通路を選択的に封止及び封止解除するように構成された封止部材の第2の部分とを有する、請求項
119~
121のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項123】
前記常全閉状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に係合して、それによって前記第1の弁通路を封止し、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に係合して、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第1の弁通路を封止解除し、前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材と係合し、それによって前記第2の弁通路を封止し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材から少なくとも部分的に離脱し、それによって前記第2の弁通路を封止解除し、前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材と係合し、それによって前記第1の弁通路を封止する、請求項
122に記載の弁装置。
【請求項124】
前記第1の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第1の弁通路を介して前記弁装置内から前記弁装置の外部に逃げることを可能にし、前記第2の弁開状態において、前記弁装置は、前記空気が前記第2の弁通路を介して前記弁装置の外部から前記弁装置内に入ることを可能にする、請求項
123に記載の弁装置。
【請求項125】
前記第1の弁開状態において、前記封止部材の第2の部分は、前記第2の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合し、
前記第2の弁開状態において、前記封止部材の第1の部分は、前記第1の弁座部材に対して前記常全閉状態よりも更に緊密に係合する、請求項
123又は
124に記載のアダプタ。
【請求項126】
前記封止部材の第1の部分及び前記封止部材の第2の部分は、前記封止部材の対向する端部に位置付けられる、請求項
122~
125のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項127】
前記封止部材は、前記封止部材の第1の部分を構成する第1の端部と第2の端部とを有する中央部を含み、弾性
のスカート部
が、前記第2の端部の周囲から延在し、前記スカート部は、前記第2の端部に近位の第1のリムと前記第2の端部から遠位の第2のリムとの間に画定される、請求項
119~
126のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項128】
前記第2の弁座部材は、弁座開口部を有する弁座を備え、前記第1の弁座部材は、前記弁座開口部を通って延在する中央部材を備え、前記封止部材は、少なくとも部分的に前記弁座開口部内に、かつ半径方向に前記弁座と前記中央部材との間に位置付けられる、請求項
119~
124のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項129】
前記封止部材の第1の部分は、前記中央部材に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第1の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記中央部材と前記封止部材との間に画定された前記第1の弁通路を通過することを可能にし、前記封止部材の第2の部分は、前記弁座に選択的に係合し、及び少なくとも部分的に脱離するように構成され、それによって、前記弁装置を第2の弁開状態に選択的に変位させて、前記空気が前記弁座と前記封止部材との間に画定された前記第2の弁通路を通過することを可能にする、請求項
128に記載の弁装置。
【請求項130】
前記弁座は、前記空気チャネルに面する弁座内面と、反対側の弁座外面とを有し、前記封止部材の第2の部分は前記弁座内面に係合し、前記封止部材は、前記弁座の前記外面に係合するように構成され、それによって前記封止部材をその位置に保持するフランジを有する封止部材の第3の部分を更に備える、請求項
128又は
129に記載の弁装置。
【請求項131】
前記封止部材は、一体である、請求項
119~
130のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項132】
前記弁装置は、前記弁装置を通る前記空気の流れを制御するように構成されたアクチュエータを更に備える、請求項
119~
131のいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項133】
前記アクチュエータは、外力が加えられると、前記常全閉状態から前記第1の弁開状態及び前記第2の弁開状態のうちの少なくとも一方に前記弁装置を変位させるように構成されている、請求項
132に記載の弁装置。
【請求項134】
前記アクチュエータは、前記弁装置の状態にかかわらず、前記弁装置を通る空気の流れを選択的に防止するように構成されている、請求項
132又は
133に記載の弁装置。
【請求項135】
アダプタであって、
液体の移動を容易にするように構成された液体チャネルと、
前記アダプタが前記液体の移送について完全に動作可能である完全動作状態と、前記アダプタが前記液体の移送について少なくとも部分的に動作不能である少なくとも部分的な動作不能状態との間で前記アダプタを選択的に切り替えるように構成されたアクチュエータ
であって、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記液体チャネルを通る液体の移送を間接的に少なくとも部分的に遮断するように構成されている、アクチュエータと
、
を備える、アダプタ。
【請求項136】
前記アダプタは、空気の通過を容易にするように構成された空気チャネルを更に備え、前記液体チャネルを通る流体の移動は、前記空気チャネルを通る空気の通過に少なくとも部分的に依存し、前記アクチュエータは、空気の前記通過を選択的に防止し、それによって少なくとも部分的な動作不能状態に前記アダプタを変位させ、液体チャネルを通る液体の移動を少なくとも部分的に遮断するように構成されている、請求項
135に記載のアダプタ。
【請求項137】
前記完全動作状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1の方向及び第2の方向に液体を移送するように動作可能であり、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アダプタは、前記液体チャネルを通じて第1及び第2の方向のうちの少なくとも1つに液体を移送するように動作可能でない、請求項
135又は136に記載のアダプタ。
【請求項138】
前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動は、前記空気チャネルを通る前記アダプタ内からの空気の排出に依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の排出を防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第1の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項
137に記載のアダプタ。
【請求項139】
前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動は、前記アダプタ内への空気の取り込みに依存し、前記少なくとも部分的な動作不能状態において、前記アクチュエータは、前記空気の取り込みを防止し、それによって、前記液体チャネルを通る前記第2の方向への液体の移動に対して前記アダプタを動作不能にする、請求項
137又は
138に記載のアダプタ。
【請求項140】
前記アクチュエータは、前記アダプタの前記完全動作状態に関連付けられた第1のアクチュエータ状態と、前記アダプタの前記少なくとも部分的な動作不能状態に関連付けられた第2のアクチュエータ状態とを有する、請求項
135~
139のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項141】
前記アクチュエータは、外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態と前記第2のアクチュエータ状態との間で変位可能である、請求項
140に記載のアダプタ。
【請求項142】
前記アクチュエータは、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態の各々に留まるように構成されている、請求項
141に記載のアダプタ。
【請求項143】
前記アクチュエータは、通常は前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの一方に構成され、前記外力が加えられると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの他方に変位し、前記外力が除去されると、前記第1及び第2のアクチュエータ状態のうちの前記一方に自動的に戻るように構成されている、請求項
141に記載のアダプタ。
【請求項144】
前記アクチュエータは、通常は前記第2のアクチュエータ状態に構成され、前記外力が加えられると、前記第1のアクチュエータ状態に変位し、前記外力が除去されると、前記第2のアクチュエータ状態に自動的に戻るように構成されている、請求項
143に記載のアダプタ。
【国際調査報告】