(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】患者危険シールドを有する自動止血帯装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/135 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
A61B17/135
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554002
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 IB2022052390
(87)【国際公開番号】W WO2022195509
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505295226
【氏名又は名称】ウエスタン クリニカル エンジニアリング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】マキューエン、 ジェイムズ アレン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームソン、 マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ライ、 トム ユー チア
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD46
(57)【要約】
自動止血帯装置が、止血帯カフと、圧力変換器と、ユーザーインターフェースと、患者危険シールドと、圧力調整器とを備える。圧力変換器はカフ圧信号を生成する。ユーザーインターフェースは基準圧力信号を生成する。患者危険シールドは、カフ圧信号及び基準圧力信号に応答し、1つの実施では、止血帯カフ内の現在の圧力レベルが基準圧力レベルよりも少なくとも所定の過大圧力限界だけ高い場合に患者危険信号を生成するように調整期間中に動作可能である。圧力調整器は、患者危険信号に応答し、カフ内の圧力を上昇させるための加圧要素と、カフ内の圧力を低下させるための減圧要素とを有する。加圧要素は、患者危険信号が生成された場合は応答しないように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動止血帯装置であって、
止血帯カフと、
前記止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、
使用者が所望する前記止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、
前記カフ圧信号と前記基準圧力信号に応答する患者危険シールドであって、前記止血帯カフ内の現在の圧力レベルが前記基準圧力レベルよりも少なくとも所定の過大圧力限界だけ高い場合に患者危険信号を生成するように調整期間中に動作可能な患者危険シールドと、
前記患者危険信号に応答する圧力調整器であって、前記止血帯カフ内の圧力を上昇させるための加圧信号に応答する加圧要素を有し、さらに前記止血帯カフ内の圧力を低下させるための減圧信号に応答する減圧要素を有する圧力調整器と
を備え、
前記圧力調整器は、前記加圧信号と前記減圧信号を選択的に生成することによって、前記カフ内の圧力を所望の基準圧力レベル付近に調整するために前記調整期間中に動作可能であり、
前記加圧要素は、前記患者危険信号が生成された場合は前記加圧信号に応答しないように構成される、自動止血帯装置。
【請求項2】
前記加圧要素はさらに、所定の危険期間の終了時に前記患者危険信号が検出された場合は前記所定の危険期間後に前記加圧信号に応答しないように構成され、前記減圧要素は、前記所定の危険期間の終了時に前記患者危険信号が検出された場合は前記減圧信号に応答しないように適合される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項3】
前記所定の過大圧力限界は、前記圧力調整器の機能不良を示すことができるレベルに設定される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項4】
前記所定の過大圧力限界は50mmHgに設定される、請求項3に記載の自動止血帯装置。
【請求項5】
前記ユーザーインターフェースはさらに、使用者が前記所定の過大圧力限界を複数の過大圧力限界から選択できるように適合される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項6】
前記所定の危険期間は、前記圧力調整器の所定の応答時間の関数である、請求項2に記載の自動止血帯装置。
【請求項7】
前記所定の危険期間は200ミリ秒である、請求項6に記載の自動止血帯装置。
【請求項8】
前記患者危険信号が生成されたという表示が、前記患者危険シールドの不揮発性メモリに記憶され、前記ユーザーインターフェースは、前記記憶された表示が前記不揮発性メモリに存在する場合は調整期間の開始を防ぐように適合される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項9】
自動止血帯装置であって、
止血帯カフと、
自動止血帯機器であって、
前記止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、
使用者が所望する前記止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、
前記基準圧力信号に応答し、さらに前記カフ圧信号に応答する圧力調整器であって、前記止血帯カフ内の圧力を前記基準圧力レベル付近に維持するために調整期間中に動作可能な圧力調整器と
を有する自動止血帯機器と、
前記カフ圧信号及び前記基準圧力信号に応答する患者危険シールドであって、前記止血帯カフ内の圧力が前記基準圧力レベルから少なくとも所定の圧力差だけ異なる場合は患者危険警報を発するように動作可能な患者危険シールドと
を備え、
前記患者危険シールドは、前記調整期間中に前記圧力調整器から独立して動作可能である、自動止血帯装置。
【請求項10】
自動止血帯装置であって、
止血帯カフと、
前記止血帯カフ内の圧力レベルの表示を生成するように適合された圧力変換器と、
前記止血帯カフ内の圧力レベルを基準圧力レベル付近に調整するために調整期間中に動作可能な圧力調整器と、
前記止血帯カフ内の圧力レベルが少なくとも過大圧力限界に等しい場合に患者危険警報を発するために前記調整期間中に動作可能な患者危険シールドと
を備え、
前記圧力調整器の加圧要素は、前記患者危険警報が発せられると動作不能にされる、自動止血帯装置。
【請求項11】
前記過大圧力限界は、前記圧力調整器の機能不良を示すことができる圧力レベルに相当する、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【請求項12】
前記過大圧力限界は450mmHgである、請求項11に記載の自動止血帯装置。
【請求項13】
前記過大圧力限界は、前記圧力調整器の機能不良を示すことができる量だけ前記基準圧力レベルよりも高い圧力レベルに相当する、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【請求項14】
前記過大圧力限界は50mmHgである、請求項13に記載の自動止血帯装置。
【請求項15】
所定の危険期間の終了時に前記患者危険警報が検出された場合は前記所定の危険期間の終了後に前記圧力調整器を作動不能にすることをさらに特徴とする、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【請求項16】
前記所定の危険期間は、前記圧力調整器の所定の応答時間の関数である、請求項15に記載の自動止血帯装置。
【請求項17】
前記患者危険警報が発せられたという表示が、前記患者危険シールドの不揮発性メモリに記憶され、前記自動止血帯装置に接続されたユーザーインターフェースは、前記記憶された表示が前記不揮発性メモリに存在する場合は調整期間の開始を防ぐように構成される、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【請求項18】
自動止血帯機器の動作中に患者危険警報を発する方法であって、
止血帯カフを提供することと、
前記止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、使用者が所望する前記止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、前記基準圧力信号及び前記カフ圧信号に応答する圧力調整器とを有する自動止血帯装置を提供することと、
前記カフ圧信号及び前記基準圧力信号に応答する患者危険シールドを提供することと、
調整期間中に前記止血帯カフ内の圧力を前記基準圧力レベル付近に維持するように前記圧力調整器を動作させることと、
前記調整期間中に前記患者危険シールドを前記圧力調整器から独立して動作させることと
を含み、
前記患者危険シールドは、前記止血帯カフ内の圧力が前記基準圧力レベルから少なくとも所定の圧力差だけ異なる場合に患者危険警報を発する、方法。
【請求項19】
前記所定の圧力差は、所定の過大圧力限界及び所定の過小圧力限界の少なくとも一方と比較した前記止血帯カフ内の圧力を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自動止血帯(タニケット)システムは、患者の手足の一部への動脈血流を閉塞し、それにより外科手術の遂行を容易にして転帰を改善する、見やすくて乾いた手術野を作り出すために外科手術で一般に使用される。先行技術の典型的な自動止血帯システムは、患者の手足の所望の位置を包囲するための止血帯カフと、止血帯機器と、カフを機器に接続する可撓性チューブとを含む。止血帯機器は、カフ内の圧力を使用者が所望する基準圧力付近に自動的に制御するために調整期間中に動作可能な圧力調整器を含む。圧力調整器は、加圧信号に応答してカフ内の圧力レベルを上昇させる加圧要素で構成される。圧力調整器はまた、減圧信号に応答してカフ内の圧力レベルを低下させる減圧要素で構成される。このような空気圧式外科用止血帯システムの多くのタイプが、McEwenにより特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載され、McEwen及びJamesonにより特許文献4及び特許文献5に記載されるような先行技術に記載されている。
【0002】
McEwenは特許文献1に、カフ圧が15mmHgを越えて基準圧力を上回るか又は下回る場合などの潜在的な問題を使用者に警告する視聴覚アラームを作動させる自動止血帯システムを記載した。Manesは特許文献6に、装置の機能不良の際にカフに供給される最大圧を制限する手動で調整可能な過大圧力弁を有する自動止血帯装置を記載した。特許文献6の主な欠点は、過大圧力弁が、使用者が所望する様々な基準圧力に対して手動で設定しなければならず、労力を要する、間違いを起こしやすい手法であるか、又は、通常は安全な基準圧力の設定をはるかに上回る危険なほど高い一定の圧力に設定しなければならないことである。さらに、特許文献6は、装置の機能不良の際にカフ内の最小圧力を安全に制限するための過小圧力弁を提供するように変更することはできなかった。
【0003】
McEwenは特許文献7に、圧力調整のためにデジタルプロセッサを使用し、様々な動作モード(カフモード)に対して望ましくない弁作動を含む特定のタイプの機能不良を検出する安全回路を有する生理的止血帯を記載した。先行技術の安全回路の2つの主要な欠点は、臨床的に重大な機能不良から患者を保護するその能力を制限する。第一に、先行技術の安全回路は、所望の基準圧力と実際のカフ圧との間の危険な差を特定するためにカフ圧を監視しない。第二に、先行技術の安全回路は、カフの動作モード及び加圧要素及び減圧要素の状態を必要とする。したがって、先行技術の安全回路は、プロセッサ、その組込みソフトウェア、又は加圧要素及び減圧要素として使用される弁の起こり得る機能不良を検出することができない。より具体的には、特許文献7では、可能なカフモードは、「カフ膨張」、「カフ収縮」及び「カフ調整」である。特許文献7には、カフモードごとの望ましくない弁作動の所定のセットのリストがある。安全回路は、現在のカフモードに特有の望ましくない弁作動のいずれか1つを検出すると、直ちにすべての弁への電力供給を停止する。しかしながら、特許文献7では、望ましくない弁作動が発生したかどうかを判断するために、プロセッサからのカフモード出力信号が必要である。したがって、プロセッサが正常に機能しないか又はソフトウェアエラーが発生すると、誤ったカフモード信号が安全回路によって受信され、誤ったポジティブトリガ又はネガティブトリガが発生する可能性がある。先行技術の安全回路に対する別の欠点は、望ましくない弁作動が検出されると、弁への電力が直ちに遮断され、外科手術の間、止血帯装置が機能しなくなることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,469,099号明細書
【特許文献2】米国特許第4,479,494号明細書
【特許文献3】米国特許第5,439,477号明細書
【特許文献4】米国特許第5,556,415号明細書
【特許文献5】米国特許第5,855,589号明細書
【特許文献6】米国特許第4,548,198号明細書
【特許文献7】米国特許第5,931,853号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の前述の及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して進める以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
いくつかの実施では、自動止血帯装置は、止血帯カフと、止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、使用者が所望する止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、カフ圧信号及び基準圧力信号に応答する患者危険シールドであって、止血帯カフ内の現在の圧力レベルが基準圧力レベルよりも少なくとも所定の過大圧力限界だけ高い場合に患者危険信号を生成するように調整期間中に動作可能な患者危険シールドと、患者危険信号に応答する圧力調整器であって、止血帯カフ内の圧力を上昇させるための加圧信号に応答する加圧要素を有し、さらに止血帯カフ内の圧力を低下させるための減圧信号に応答する減圧要素を有する圧力調整器とを備える。圧力調整器は、加圧信号と減圧信号とを選択的に生成することによってカフ内の圧力を所望の基準圧力レベル付近に調整するために調整期間中に動作可能である。加圧要素は、患者危険信号が生成された場合は加圧信号に応答しないように構成される。
【0006】
加圧要素はさらに、所定の危険期間の終了時に患者危険信号が検出された場合は所定の危険期間後に加圧信号に応答しないように構成することができる。減圧要素は、所定の危険期間の終了時に患者危険信号が検出された場合は減圧信号に応答しないように適合させることができる。
【0007】
所定の過大圧力限界は、圧力調整器の機能不良を示すことができるレベルに設定することができる。いくつかの実施では、所定の過大圧力限界は50mmHgに設定される。
【0008】
ユーザーインターフェースは、使用者が所定の過大圧力限界を複数の過大圧力限界から選択できるように適合させることができる。
【0009】
所定の危険期間は、圧力調整器の所定の応答時間の関数であることができる。いくつかの実施では、所定の危険期間は200ミリ秒である。
【0010】
いくつかの実施では、患者危険信号が生成されたという表示が、患者危険シールドの不揮発性メモリに記憶され、ユーザーインターフェースは、記憶された表示が不揮発性メモリに存在する場合は調整期間の開始を防ぐように適合される。
【0011】
いくつかの実施では、自動止血帯装置は、止血帯カフと、自動止血帯機器であって、止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、使用者が所望する止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、基準圧力信号に応答し、さらにカフ圧信号に応答する圧力調整器であって、止血帯カフ内の圧力を基準圧力レベル付近に維持するために調整期間中に動作可能な圧力調整器とを有する自動止血帯機器と、カフ圧信号及び基準圧力信号に応答する患者危険シールドとを備える。患者危険シールドは、止血帯カフ内の圧力が基準圧力レベルから少なくとも所定の圧力差だけ異なる場合は患者危険警報を発するように動作可能であり、調整期間中に圧力調整器から独立して動作可能である。
【0012】
いくつかの実施では、自動止血帯装置は、止血帯カフと、止血帯カフ内の圧力レベルの表示を生成するように適合された圧力変換器と、止血帯カフ内の圧力レベルを基準圧力レベル付近に調整するために調整期間中に動作可能な圧力調整器と、止血帯カフ内の圧力レベルが少なくとも過大圧力限界に等しい場合に患者危険警報を発するために調整期間中に動作可能な患者危険シールドとを備える。圧力調整器の加圧要素は、患者危険警報が発せられると動作不能にされる。
【0013】
過大圧力限界は、圧力調整器の機能不良を示すことができる圧力レベルに相当するように設定することができる。いくつかの実施では、過大圧力限界は450mmHgである。
【0014】
過大圧力限界は、圧力調整器の機能不良を示すことができる量だけ基準圧力レベルよりも高い圧力レベルに相当するように設定することができる。いくつかの実施では、過大圧力限界は50mmHgである。
【0015】
いくつかの実施では、所定の危険期間の終了時に患者危険警報が検出された場合は所定の危険期間の終了後に圧力調整器を動作不能にすることができる。
【0016】
いくつかの実施では、所定の危険期間は、圧力調整器の所定の応答時間の関数である。
【0017】
いくつかの実施では、患者危険警報が発せられたという表示が、患者危険シールドの不揮発性メモリに記憶され、自動止血帯装置に接続されたユーザーインターフェースは、記憶された表示が不揮発性メモリに存在する場合は調整期間の開始を防ぐように構成される。
【0018】
方法の実施によれば、自動止血帯装置において患者危険警報を発する方法は、止血帯カフを提供することと、止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、使用者が所望する止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、基準圧力信号及びカフ圧信号に応答する圧力調整器とを有する自動止血帯装置を提供することと、カフ圧信号及び基準圧力信号に応答する患者危険シールドを提供することと、調整期間中に止血帯カフ内の圧力を基準圧力レベル付近に維持するように圧力調整器を動作させることと、調整期間中に患者危険シールドを圧力調整器から独立して動作させることとを含み、患者危険シールドは、止血帯カフ内の圧力が基準圧力レベルから少なくとも所定の圧力差だけ異なる場合に患者危険警報を発する。
【0019】
所定の圧力差は、所定の過大圧力限界と所定の過小圧力限界の少なくとも一方と比較した止血帯カフ内の圧力から決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】自動止血帯装置と共に動作するように構成された患者危険シールドのブロック図である。
【0021】
【
図2】
図1の患者危険シールドのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、患者危険シールド4を有する自動止血帯装置2の好ましい実施形態のブロック図を示す。膨張可能な空気袋を有する止血帯カフ6が示され、自動止血帯装置2に空気圧で接続され、患者の手足の適所にある。自動止血帯装置2は、プロセッサ10と、圧力変換器20と、ユーザーインターフェース30と、圧力調整器40と、カフモード安全回路50とを備える。
【0023】
患者危険シールド4は、自動止血帯装置2と共に使用されるが、以下でさらに詳細に説明するように、自動止血帯装置2とは独立して動作する。患者危険シールド4は、圧力調整器40、ユーザーインターフェース30及び圧力変換器20に接続される。
【0024】
プロセッサ10は、圧力変換器20、ユーザーインターフェース30、圧力調整器40及びカフモード安全回路50と通信して、自動止血帯装置2の動作を制御する。
【0025】
圧力変換器20は、止血帯カフ6の内部の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成し、プロセッサ10及び患者危険シールド4に伝達する。
【0026】
ユーザーインターフェース30は、プロセッサ10及び患者危険シールド4と通信する。ユーザーインターフェース30は、以下の情報、すなわち、止血帯カフ6内の圧力レベル(カフ圧)、止血帯カフ6が膨張したときに止血帯カフ6内で維持されるべき圧力レベル(基準圧力)、止血帯カフ6が膨張している時間の長さ(調整期間)、膨張時間警報限界、検出された警報イベントを説明する警報メッセージ、及び自動止血帯装置2の動作に関する他の情報のいずれかを選択的に表示することができる。ユーザーインターフェース30は、使用者が基準圧力又は膨張時間警報限界を調整するための制御装置、使用者が止血帯カフ6を膨張又は収縮させてそれぞれ調整期間を開始又は終了するための制御装置、及び自動止血帯装置2の動作に関連する他の制御装置を含む。調整期間は、使用者がユーザーインターフェース30を通して止血帯カフ6の膨張を開始したときに開始する。調整期間は、止血帯カフ6内の圧力レベルが0mmHg付近の圧力まで減圧されたときに終了する。ユーザーインターフェース30は、調整期間が膨張警報制限時間を超える場合などの様々な警報状態中に使用者に視聴覚警報を発する音声変換器及び視覚インジケータを含むことができる。好ましい実施形態では、ユーザーインターフェース30は、一体化されたタッチスクリーン、LEDインジケータ及び音声変換器を備えたLCDグラフィカルディスプレイであるが、ユーザー入力を受信し、情報を通信することができる他のタイプのユーザーインターフェースを使用することができることが理解されるであろう。
【0027】
圧力調整器40は、止血帯カフ6に空気圧で接続され、プロセッサ10と通信して調整期間中に圧力止血帯カフ6の内部の圧力を基準圧力付近に調整する。圧力調整器40は、加圧要素42及び減圧要素44を含む。加圧要素42は、加圧信号に応答して止血帯カフ6内の圧力レベルを上昇させる。減圧要素44は、減圧信号に応答して止血帯カフ6内の圧力レベルを低下させる。好ましい実施形態では、圧力調整器40は、カフ圧信号と、止血帯カフ6内の所望の圧力レベルを示す基準圧力信号とに基づいて、加圧信号及び減圧信号を生成する。しかしながら、圧力調整器40がカフ圧信号を生成するための圧力変換器を含むことができることは当業者には明らかであろう。また、プロセッサ10が加圧信号及び減圧信号を生成して圧力調整器40に伝達することができることも当業者には明らかであろう。
【0028】
カフモード安全回路50は、プロセッサ10及び圧力調整器40と通信して、加圧要素42及び減圧要素44の作動とカフモードとの望ましくない組み合わせを監視及び検出する。カフモード安全回路50は、参照により本明細書に組み込まれている特許文献7に記載されている。
【0029】
患者危険シールド4は、圧力変換器20、ユーザーインターフェース30、及び圧力調整器40と通信してカフ圧を監視し、基準圧力と実際のカフ圧との間の危険な差を特定する。患者危険シールド4は、プロセッサ10及び圧力調整器40による止血帯カフ6の内部の圧力レベルの調整とは無関係である。患者危険シールド4は、機能するためにプロセッサ10又は圧力調整器40からのいかなる情報も必要とせず、患者危険シールド4が、止血帯カフ6で囲まれた患者を、基準圧力と実際のカフ圧との間に危険な差を生じさせたプロセッサ10及び/又は圧力調整器40の機能不良から保護することを可能にする。
【0030】
いくつかの実施では、患者危険シールド4の少なくとも一部は、プロセッサ10、圧力調整器40、カフモード安全回路50及び圧力変換器20から独立して動作可能な電気回路である。いくつかの実施では、患者危険シールド4は、プロセッサ10、圧力調整器40、カフモード安全回路50及び圧力変換器20とは別の回路部品として実装される。他の実施では、患者危険シールド4は、プロセッサ10、圧力調整器40、カフモード安全回路50及び圧力変換器20と同じ回路部品の1つ以上の別個の領域に実装され得る。
【0031】
図2は、患者危険シールド4のブロック図を示す。患者危険シールド4は、不揮発性メモリ402と、比較器404と、患者危険回路素子406と、クロック408とを備える。
【0032】
不揮発性メモリ402は、ユーザーインターフェース30から受信した基準圧力信号に基づいて過大圧力限界信号を生成する。過大圧力限界信号は、カフ圧がそれを上回ると望ましくない、危険である、及び/又は圧力調整器40の機能不良を示すとみなされる圧力レベルである、過大圧力限界を示す。過大圧力限界は、基準圧力よりも50mmHg高い値など、基準圧力よりも高い所定の圧力値であり得る。代わりに、過大圧力限界は、450mmHgから基準圧力を引いた値など、所定の圧力値から基準圧力を引いた値であり得る(すなわち、過大圧力限界は450mmHgである)。代わりに、過大圧力限界は、ユーザーインターフェース30を介して複数の過大圧力限界から使用者によって選択され得る。過大圧力限界が基準圧力に応じて変わり得ることは当業者には明らかであろう。例えば、基準圧力が400mmHgより低い場合、過大圧力限界は450mmHgであり、基準圧力が400mmHgより高い場合、過大圧力限界は650mmHgである。
【0033】
不揮発性メモリ402からの過大圧力限界信号と圧力変換器20からのカフ圧信号とが比較器404によって比較され、その結果が患者危険回路素子406に伝達される。患者危険回路素子406は、カフ圧信号が過大圧力限界信号より大きい(すなわち、カフ圧が過大圧力限界より大きい)場合に、患者危険警報を示す患者危険信号を生成し、圧力危険信号を圧力調整器40に伝達する。患者危険信号に応答して、加圧要素42は加圧信号に対して非応答(応答しない)状態であるように適合され、それにより、圧力調整器40が不用意にカフ圧をさらに上昇させるのを防ぎ、圧力調整器40が減圧要素44の作動によって止血帯カフ6内の圧力レベルを過大圧力限界より低く低下させようとすることのみを可能にする。
【0034】
カフ圧信号が過大圧力限界信号より大きい場合、患者危険回路素子406はまた、クロック408を用いて危険期間のタイマーを開始することができる。危険期間の終了時に患者危険信号が存在する場合、潜在的な問題が確認され、加圧要素42及び減圧要素44はそれぞれ加圧信号及び減圧信号に応答しないように適合され、その結果、圧力調整器40は動作不能になり、それによって止血帯カフ6の内部の圧力レベルが安定に保たれる。危険期間は、圧力調整器40が通常の動作の下で、潜在的な問題を解決し、減圧要素44を用いてカフ圧を過大圧力限界より低くなるように調整するために十分に長い所定の期間である。好ましい実施形態では、所定の期間は、200ms(ミリ秒)であるか又は圧力調整器40の応答時間に基づく。圧力調整器40の応答時間は、圧力調整器40が止血帯カフ6の内部の圧力レベルを第1の基準圧力から第2の基準圧力まで調整するための所定の測定可能な継続時間である。好ましい実施形態では、応答時間は、圧力調整器40がカフ圧を300mmHgの第1の基準圧力から250mmHgの第2の基準圧力まで調整するのに必要な時間を測定することによって決定される。応答時間を代替的な第1の基準圧力及び代替的な第2の基準圧力から測定することができることは当業者には明らかであろう。
【0035】
患者危険信号が危険期間後も存在し続ける場合、患者危険回路素子406は、危険が発生したという表示を不揮発性メモリ402に記憶することができる。患者危険シールド4は、危険が発生したという表示をユーザーインターフェース30に伝達する。これに応答して、ユーザーインターフェース30は、使用者が調整期間を開始するのを防ぐように適合され得る。整備中に、記憶された表示は不揮発性メモリ402から消去される。
【0036】
いくつかの実施では、患者危険シールドは、
図2に関連して上述したように、第1の入力装置、第2の入力装置、メモリ、比較器及び出力装置を有するように構成されたCCLD(複合プログラマブル論理デバイス)を備える。FPGAなどの他のデバイスも使用することができる。
【0037】
好ましい実施形態の実施の一例を以下に説明する。
【0038】
a.)止血帯カフ6が、使用者による外科手術のために患者に取り付けられる。使用者は、ユーザーインターフェース30と対話して止血帯カフ6内に所望される基準圧力を300mmHgに設定し、それによって止血帯カフ6を膨張させ、調整期間を開始する。
【0039】
b.)圧力調整器40が、加圧要素42への加圧信号を生成し、止血帯カフ6内の圧力レベルを基準圧力まで上昇させる。圧力調整器は、外科手術の間、加圧要素42及び減圧要素44を用いて止血帯カフ6内の圧力レベルを基準圧力付近に調整し続ける。
【0040】
c.)外科手術中、カフ圧は、通常手術中に経験する手足の操作により、基準圧力+50mmHgの過大圧力限界を超える。患者危険シールド4は、患者危険信号を生成し、200ミリ秒の危険期間のタイマーを開始し、圧力調整器40に通信して加圧要素42を加圧信号に応答しないようにし、それにより、圧力調整器40がカフ6内の圧力レベルを不用意にさらに上昇させるのを防ぐ。この例では、圧力調整器40は、潜在的な問題を解決し、減圧要素44を用いてカフ圧を過大圧力限界より低くなるように調整することができる。このため、患者危険信号はもはや患者危険シールド4によって生成されなくなり、自動止血帯装置2は機能したままである。
【0041】
d.)外科手術中の別の時点では、自動止血帯装置2の内部の電気故障により、加圧要素42が不必要に作動する。その結果、止血帯カフ6の内部の圧力レベルは、この場合も先と同様に350mmHg(基準圧力+50mmHg)の過大圧力限界を超えるレベルまで徐々に増加する。患者危険シールド4は、患者危険信号を生成し、200ミリ秒の危険期間のタイマーを開始し、圧力調整器40に通信して加圧要素42を加圧信号に応答しないようにする。加圧要素はハードウェアの機能不良を有するので、圧力調整器40は、200ミリ秒の危険期間内に止血帯カフ6の圧力レベルを過大圧力限界よりも低く下げることができない。その結果、患者危険シールド4は、危険な過大圧力状態を確認し、機能不良が発生したことを特定するので、圧力調整器40に通信して加圧要素42及び減圧要素44をそれぞれ加圧信号及び減圧信号に応答しないようにし、その結果、圧力調整器40が動作不能になり、それによって止血帯カフ6の内部の圧力レベルが安定に保たれる。患者危険シールド4は、特許文献7に記載されるように調整カフモード中に加圧要素42の作動が許可されるので、特許文献7に記載される先行技術のカフモード安全回路50が特定できなかった機能不良を首尾よく特定する。
【0042】
e.)患者危険シールド4は、患者危険信号が危険時間よりも長い時間生成されたという表示を不揮発性メモリに伝達して記憶する。記憶された表示は、使用者による今後の調整期間の開始を防ぐためにユーザーインターフェース30に伝達され、それにより、機能不良が検出されている間に自動止血帯装置2が使用されるのを防ぐ。この例では、ユーザーインターフェース30は、止血帯カフの次の膨張を試みるときに使用者にアラートを発する。アラートは、過去に機能不良が検出されたこと、及び自動止血帯装置4を修理する必要があることを使用者に通知することができる。
【0043】
f.)訓練を受けた者による修理の後、使用者がユーザーインターフェース30を用いて調整期間を開始することを可能にするために、記憶された表示は不揮発性メモリ402から消去される。
【0044】
上記のような危険な過大圧力状態を監視してこれに対処する代わりに、患者危険シールド4が危険な過小圧力状態を監視することができることが理解されるであろう。このため、不揮発性メモリ402は、ユーザーインターフェース30からの基準圧力信号に基づいて、過小圧力限界信号を生成する。過小圧力限界信号は、カフ圧がそれを下回ると望ましくない、危険である、圧力調整器40の機能不良を示すとみなされる圧力レベルである、過小圧力限界を示す。過小圧力限界は、基準圧力よりも50mmHg低い値など、基準圧力よりも低い所定の圧力値であり得る。代わりに、過小圧力限界は、ユーザーインターフェース30を介して複数の過小圧力限界から使用者によって選択され得る。過小圧力限界が基準圧力に応じて変わり得ることは当業者には明らかであろう。
【0045】
不揮発性メモリ402からの過小圧力限界信号と圧力変換器20からのカフ圧信号とが比較器404によって比較され、その結果が患者危険回路素子406に伝達される。患者危険回路素子406は、カフ圧信号が過小圧力限界信号より小さい(すなわち、カフ圧が過小圧力限界より小さい)場合に、患者危険警報を示す患者危険信号を生成し、圧力調整器40に伝達する。患者危険信号に応答して、減圧要素44は減圧信号に応答しないように適合され、それにより、圧力調整器40が不用意にカフ圧をさらに低下させるのを防ぎ、圧力調整器40が加圧要素42の作動によって止血帯カフ6内の圧力レベルを過小圧力限界より高く上昇させようとすることのみを可能にする。
【0046】
カフ圧信号が過小圧力限界信号より小さい場合、患者危険回路素子406はまた、クロック408を用いて危険期間のタイマーを開始することができる。危険期間の終了時に患者危険信号が存在する場合、潜在的な問題が確認され、加圧要素42及び減圧要素44はそれぞれ加圧信号及び減圧信号に応答しないように適合され、その結果、圧力調整器40は動作不能になり、それによって止血帯カフ6の内部の圧力レベルが安定に保たれる。危険期間は、圧力調整器40が通常の動作の下で、潜在的な問題を解決し、加圧要素42を用いてカフ圧を過小圧力限界より高くなるように調整するために十分に長い所定の期間である。所定の期間は、200ミリ秒であるか又は圧力調整器40の応答時間に基づくことができる。圧力調整器40の応答時間は、圧力調整器40が止血帯カフ6の内部の圧力レベルを第1の基準圧力から第2の基準圧力まで調整するための所定の測定可能な継続時間である。好ましい実施形態では、応答時間は、圧力調整器40がカフ圧を250mmHgの第1の基準圧力から300mmHgの第2の基準圧力まで調整するのに必要な時間を測定することによって決定される。応答時間を代替的な第1の基準圧力及び代替的な第2の基準圧力から測定することができることは当業者には明らかであろう。
【0047】
患者危険シールド4がカフ圧を過大圧力限界及び過小圧力限界の両方と比較して患者危険信号を生成することができることは当業者には明らかであろう。
【0048】
開示された発明の原理を適用することができる多くの可能な実施形態を考慮して、図示された実施形態は本発明の好ましい例にすぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識すべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、我々は、これらの特許請求の範囲及び主旨に含まれるすべてのものを我々の発明として主張する。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動止血帯装置であって、
止血帯カフと、
前記止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、
使用者が所望する前記止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、
前記カフ圧信号と前記基準圧力信号に応答する患者危険シールドであって、前記止血帯カフ内の現在の圧力レベルが前記基準圧力レベルよりも少なくとも所定の過大圧力限界だけ高い場合に患者危険信号を生成するように調整期間中に動作可能な患者危険シールドと、
前記患者危険信号に応答する圧力調整器であって、前記止血帯カフ内の圧力を上昇させるための加圧信号に応答する加圧要素を有し、さらに前記止血帯カフ内の圧力を低下させるための減圧信号に応答する減圧要素を有する圧力調整器と
を備え、
前記圧力調整器は、前記加圧信号と前記減圧信号を選択的に生成することによって、前記カフ内の圧力を所望の基準圧力レベル付近に調整するために前記調整期間中に動作可能であり、
前記加圧要素は、前記患者危険信号が生成された場合は前記加圧信号に応答しないように構成される、自動止血帯装置。
【請求項2】
前記加圧要素はさらに、所定の危険期間の終了時に前記患者危険信号が検出された場合は前記所定の危険期間後に前記加圧信号に応答しないように構成され、前記減圧要素は、前記所定の危険期間の終了時に前記患者危険信号が検出された場合は前記減圧信号に応答しないように適合される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項3】
前記所定の過大圧力限界は、前記圧力調整器の機能不良を示すことができるレベルに設定される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項4】
前記所定の過大圧力限界は50mmHgに設定される、請求項3に記載の自動止血帯装置。
【請求項5】
前記ユーザーインターフェースはさらに、使用者が前記所定の過大圧力限界を複数の過大圧力限界から選択できるように適合される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項6】
前記所定の危険期間は、前記圧力調整器の所定の応答時間の関数である、請求項2に記載の自動止血帯装置。
【請求項7】
前記所定の危険期間は200ミリ秒である、請求項6に記載の自動止血帯装置。
【請求項8】
前記患者危険信号が生成されたという表示が、前記患者危険シールドの不揮発性メモリに記憶され、前記ユーザーインターフェースは、前記記憶された表示が前記不揮発性メモリに存在する場合は調整期間の開始を防ぐように適合される、請求項1に記載の自動止血帯装置。
【請求項9】
自動止血帯装置であって、
止血帯カフと、
自動止血帯機器であって、
前記止血帯カフ内の圧力レベルを示すカフ圧信号を生成するように適合された圧力変換器と、
使用者が所望する前記止血帯カフ内の基準圧力レベルを示す基準圧力信号を生成するように適合されたユーザーインターフェースと、
前記基準圧力信号に応答し、さらに前記カフ圧信号に応答する圧力調整器であって、前記止血帯カフ内の圧力を前記基準圧力レベル付近に維持するために調整期間中に動作可能な圧力調整器と
を有する自動止血帯機器と、
前記カフ圧信号及び前記基準圧力信号に応答する患者危険シールドであって、前記止血帯カフ内の圧力が前記基準圧力レベルから少なくとも所定の圧力差だけ異なる場合は患者危険警報を発するように動作可能な患者危険シールドと
を備え、
前記患者危険シールドは、前記調整期間中に前記圧力調整器から独立して動作可能である、自動止血帯装置。
【請求項10】
自動止血帯装置であって、
止血帯カフと、
前記止血帯カフ内の圧力レベルの表示を生成するように適合された圧力変換器と、
前記止血帯カフ内の圧力レベルを基準圧力レベル付近に調整するために調整期間中に動作可能な圧力調整器と、
前記止血帯カフ内の圧力レベルが少なくとも過大圧力限界に等しい場合に患者危険警報を発するために前記調整期間中に動作可能な患者危険シールドと
を備え、
前記圧力調整器の加圧要素は、前記患者危険警報が発せられると動作不能にされる、自動止血帯装置。
【請求項11】
前記過大圧力限界は、前記圧力調整器の機能不良を示すことができる圧力レベルに相当する、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【請求項12】
前記過大圧力限界は450mmHgである、請求項11に記載の自動止血帯装置。
【請求項13】
前記過大圧力限界は、前記圧力調整器の機能不良を示すことができる量だけ前記基準圧力レベルよりも高い圧力レベルに相当する、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【請求項14】
前記過大圧力限界は50mmHgである、請求項13に記載の自動止血帯装置。
【請求項15】
所定の危険期間の終了時に前記患者危険警報が検出された場合は前記所定の危険期間の終了後に前記圧力調整器を作動不能にすることをさらに特徴とする、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【請求項16】
前記所定の危険期間は、前記圧力調整器の所定の応答時間の関数である、請求項15に記載の自動止血帯装置。
【請求項17】
前記患者危険警報が発せられたという表示が、前記患者危険シールドの不揮発性メモリに記憶され、前記自動止血帯装置に接続されたユーザーインターフェースは、前記記憶された表示が前記不揮発性メモリに存在する場合は調整期間の開始を防ぐように構成される、請求項10に記載の自動止血帯装置。
【国際調査報告】