(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】貯液ケースの導液構造、添加剤投入モジュール及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556534
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2022072850
(87)【国際公開番号】W WO2022193831
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110279991.1
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】盧立群
(72)【発明者】
【氏名】劉尊安
(72)【発明者】
【氏名】朱国防
(72)【発明者】
【氏名】寧虎
(72)【発明者】
【氏名】張紅偉
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AE02
3B166BA33
3B166CC10
3B166FB01
3B166FB05
(57)【要約】
貯液ケースの導液構造、添加剤投入モジュール及び洗濯機において、当該導液構造は、貯液ケース(1)の投入口に取り付けられ、通常状態では当該投入口を閉塞するケース体接続ユニット(3)と、貯液ケース(1)を取り付けるための挿接溝(51)に設けられ、貯液ケース(1)が挿接溝(51)内に取り付けられたあと、ケース体接続ユニット(3)に挿接されて嵌め合わされ、投入口を開放する導液挿接ユニット(2)と、弾性部材(41)及びシール部材(42)を有し、シール部材(42)が、弾性部材(41)の作用で前記導液挿接ユニット(2)とケース体接続ユニット(3)との嵌め合い隙間にしっかりと当接して封止する弾性シールユニット(4)、を含む。弾性部材(41)とシール部材(42)が連携することで、導液挿接ユニット(2)とケース体接続ユニット(3)との嵌め合い隙間にシール部材(42)をしっかりと当接させて封止することが可能となる。これにより、導液構造全体の密封性がより良好となり、貯液ケース(1)に添加剤の漏出が発生するとの事態が有効に回避される。且つ、弾性部材は、更に、押し出しを補助するためのプッシュ力を貯液ケース(1)に付与することで、手軽且つスムーズな抜き出しも可能とするため、使用体験がより良好となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯液ケースの投入口に取り付けられ、通常状態では当該投入口を閉塞するケース体接続ユニットと、
貯液ケースを取り付けるための挿接溝に設けられ、貯液ケースが挿接溝内に取り付けられたあと、ケース体接続ユニットに挿接されて嵌め合わされ、投入口を開放する導液挿接ユニットと、
弾性部材及びシール部材を有し、前記シール部材が、弾性部材の作用で前記導液挿接ユニットとケース体接続ユニットとの嵌め合い隙間にしっかりと当接して封止する弾性シールユニット、を含むことを特徴とする貯液ケースの導液構造。
【請求項2】
前記導液挿接ユニットは挿接部を含み、前記ケース体接続ユニット内には導流経路が備わっており、導流経路内には、挿接部の押し付け作用を受けて投入口を開放し、通常状態では投入口を閉止する弁体が設けられており、
前記シール部材は、弾性部材の作用で前記挿接部の外周壁と導流経路との嵌め合い隙間にしっかりと当接して封止することを特徴とする請求項1に記載の貯液ケースの導液構造。
【請求項3】
前記弾性部材は、導液挿接ユニットとケース体接続ユニットの外側端壁の間に圧縮して設けられ、前記挿接部は、導流経路内に伸入するとともに、前端に、弁体に押し付けられて嵌め合わされ、投入口を開放する押付端を有しており、
前記シール部材は、一端が、挿接部における押付端に近接する周壁に密封状に接続され、他端が、押付端から離隔する方向に延伸するとともに、弾性部材の作用でケース体接続ユニットの外側端壁を押圧して密封を形成することを特徴とする請求項2に記載の貯液ケースの導液構造。
【請求項4】
前記ケース体接続ユニットは、一端が貯液ケースの外側に位置して前記挿接部に嵌め合わされるとともに他端が貯液ケース内に伸入する接続スリーブを含み、前記接続スリーブ内には導流経路が備わっており、前記挿接部は、外径が接続スリーブの内径よりも小さい押出ロッドであり、
前記押出ロッドの前端の周壁にはシール溝が設けられており、前記シール部材は、シール溝内に押し込まれて位置規制される環状シール部と、弾性部材の作用で接続スリーブの外側端壁にしっかりと当接する環状押圧部と、環状シール部と環状押圧部の間に接続される環状封止部を含み、
好ましくは、前記環状シール部、環状封止部及び環状押圧部はいずれもゴム材料で製造されることを特徴とする請求項2に記載の貯液ケースの導液構造。
【請求項5】
前記環状封止部は、環状シール部と環状押圧部の間に接続されるとともに、少なくとも1回折り曲げられて形成される屈曲引張壁であり、前記屈曲引張壁は、押出ロッドの外周壁と接続スリーブとの嵌め合い隙間を封止することを特徴とする請求項4に記載の貯液ケースの導液構造。
【請求項6】
前記環状封止部は、前記押出ロッドの外周に適応する筒状をなす第1封止壁を含み、前記第1封止壁は、一端が環状シール部に固定的に接続され、他端が、押出ロッドの基部の方向に一定の長さだけ延伸したあと、逆方向に折り曲げられて延伸し、第2封止壁を形成しており、
前記環状押圧部は環状をなす押圧本体を有し、前記第2封止壁は前記押圧本体に接続され、第1封止壁の延伸長さは、接続スリーブの外側端壁と環状シール部との距離よりも大きく、
好ましくは、前記押圧本体の内側の端面は前記接続スリーブの外側端壁にしっかりと当接し、前記第2封止壁は、押圧本体の内周の壁面のうち内側の端壁面に近接する位置に接続され、前記第2封止壁は、第1封止壁の端部から外側に向かって徐々に傾斜するよう設けられ、
より好ましくは、前記第2封止壁の水平方向の長さは前記押圧本体の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項4又は5に記載の貯液ケースの導液構造。
【請求項7】
前記環状押圧部は、環状の押圧本体と、押圧本体の内側の端面に接続される1本又は複数本のシールリブを含み、前記シールリブは、弾性部材の作用で前記接続スリーブの外側端壁にしっかりと当接し、
好ましくは、前記シールリブは、基部から外側に向かって徐々に傾斜するよう設けられることを特徴とする請求項4又は5に記載の貯液ケースの導液構造。
【請求項8】
前記導液挿接ユニットは、更に、前記挿接溝に固定的に設けられる導液部を含み、前記挿接部は前記導液部の側壁に固定的に接続され、前記弾性部材は、一端が前記導液部及び/又は挿接部に固定され、他端が圧縮されて前記シール部材に当接し、
好ましくは、前記弾性部材は、導液部とシール部材の間に圧縮して設けられるバネであり、
より好ましくは、前記バネは、押出ロッドの外側に覆設されるとともに、導液部と環状押圧部の間に圧縮して設けられ、前記環状押圧部のうち前記バネ側に近接する外側の端面には環状係接溝が設けられており、前記バネは、前記環状係接溝内に位置規制されるよう取り付けられることを特徴とする請求項4又は5に記載の貯液ケースの導液構造。
【請求項9】
少なくとも1つの挿接溝を有し、前記挿接溝内には貯液ケースが取り付けられ、前記貯液ケース内には添加剤を蓄えるための密閉室が備わっている添加剤投入モジュールであって、
更に、投入ユニットを含み、前記投入ユニットと前記貯液ケースの投入口は、上記請求項1~8のいずれか1項に記載の導液構造を介して連通することを特徴とする添加剤投入モジュール。
【請求項10】
上記請求項9に記載の添加剤投入モジュールによって添加剤の自動投入を実現することを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類添加剤投入の技術分野に属し、具体的には、貯液ケースの導液構造、添加剤投入モジュール及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機、特に、パルセータ式洗濯機に常用されている添加剤投入方式には次の2種類がある。
【0003】
一つは、ユーザが添加剤を洗濯機の槽内に直接投入する方式であるが、このような投入方式は、添加剤の投入量をどの程度とするのかを制御しにくい。また、添加剤が槽内に直接投入されるため、希釈されていない添加剤が衣類と直接接触する結果、衣類の色褪せ等の問題が発生しやすい。
【0004】
もう一つは、洗濯機に貯液ケースを設ける方式である。ユーザは、事前に添加剤を貯液ケース内に投入しておき、洗濯機への給水を利用して添加剤を洗濯槽内に流し込むことで、添加剤の自動投入を実現する。上記の投入方式を用いれば、添加剤の投入量の正確な制御を実現可能となり、且つ、添加剤を供給水と十分に混合してから洗濯槽に投入できる。
【0005】
特許文献1の洗濯機は、コントロールパネルベースと、コントロールパネルベースに設けられる添加剤投入システムを含む。添加剤投入システムは少なくとも1つの投入ユニットを含む。投入ユニットは、添加剤を収容する密封容器と、添加剤を抽出して洗浄槽に投入する自動投入機構を含む。容器は外付けであり、取り外し可能にコントロールパネルベースの上方に取り付けられる。コントロールパネルベースには、容器が載置される取付部と、容器と連通して添加剤を導出する導液接続部が設けられている。導液接続部は自動投入機構に接続される。
【0006】
上記の特許文献1が開示している洗濯機の容器の吐液口には吐液構造が設けられており、吐液構造内には一方向弁が設けられている。一方向弁は、導引経路と、導引経路内に設けられるピストンを含む。導液接続部は、導引経路内に伸入してピストンを押し開き、吐液口を開放することが可能である。前記導液接続部がピストンを押し開く際に、容器内の添加剤は導引経路から吐液構造と導液接続部の間の導液室内に進入する。しかし、前記導液接続部と吐液構造の間の無効なシール構造に起因して、これらの嵌め合い隙間から導液室内の添加剤が漏出し、ユーザエクスペリエンスに影響を及ぼす。
【0007】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許出願公開第201710684754.7号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、ケース体接続ユニットと導液挿接ユニットの間に設けられる弾性シールユニットによって導液構造全体の密封性をより良好とし、貯液ケースの投入過程で添加剤が漏出するとの事態を有効に回避可能な貯液ケースの導液構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0011】
貯液ケースの導液構造は、貯液ケースの投入口に取り付けられ、通常状態では当該投入口を閉塞するケース体接続ユニットと、貯液ケースを取り付けるための挿接溝に設けられ、貯液ケースが挿接溝内に取り付けられたあと、ケース体接続ユニットに挿接されて嵌め合わされ、投入口を開放する導液挿接ユニットと、弾性部材及びシール部材を有し、前記シール部材が、弾性部材の作用で前記導液挿接ユニットとケース体接続ユニットとの嵌め合い隙間にしっかりと当接して封止する弾性シールユニット、を含む。
【0012】
更に、前記導液挿接ユニットは挿接部を含む。前記ケース体接続ユニット内には導流経路が備わっており、導流経路内には、挿接部の押し付け作用を受けて投入口を開放し、通常状態では投入口を閉止する弁体が設けられている。
【0013】
前記シール部材は、弾性部材の作用で前記挿接部の外周壁と導流経路との嵌め合い隙間にしっかりと当接して封止する。
【0014】
更に、前記弾性部材は、導液挿接ユニットとケース体接続ユニットの外側端壁の間に圧縮して設けられる。前記挿接部は、導流経路内に伸入するとともに、前端に、弁体に押し付けられて嵌め合わされ、投入口を開放する押付端を有している。
【0015】
前記シール部材は、一端が、挿接部における押付端に近接する周壁に密封状に接続され、他端が、押付端から離隔する方向に延伸するとともに、弾性部材の作用でケース体接続ユニットの外側端壁を押圧して密封を形成する。
【0016】
更に、前記ケース体接続ユニットは、一端が貯液ケースの外側に位置して前記挿接部に嵌め合わされるとともに他端が貯液ケース内に伸入する接続スリーブを含む。前記接続スリーブ内には導流経路が備わっている。前記挿接部は、外径が接続スリーブの内径よりも小さい押出ロッドである。
【0017】
前記押出ロッドの前端の周壁にはシール溝が設けられている。前記シール部材は、シール溝内に押し込まれて位置規制される環状シール部と、弾性部材の作用で接続スリーブの外側端壁にしっかりと当接する環状押圧部と、環状シール部と環状押圧部の間に接続される環状封止部を含む。
【0018】
好ましくは、前記環状シール部、環状封止部及び環状押圧部はいずれもゴム材料で製造される。
【0019】
更に、前記環状封止部は、環状シール部と環状押圧部の間に接続されるとともに、少なくとも1回折り曲げられて形成される屈曲引張壁である。前記屈曲引張壁は、押出ロッドの外周壁と接続スリーブとの嵌め合い隙間を封止する。
【0020】
更に、前記環状封止部は、前記押出ロッドの外周に適応する筒状をなす第1封止壁を含む。前記第1封止壁は、一端が環状シール部に固定的に接続され、他端が、押出ロッドの基部の方向に一定の長さだけ延伸したあと、逆方向に折り曲げられて延伸し、第2封止壁を形成している。
【0021】
前記環状押圧部は環状をなす押圧本体を有する。前記第2封止壁は前記押圧本体に接続される。第1封止壁の延伸長さは、接続スリーブの外側端壁と環状シール部との距離よりも大きい。
【0022】
好ましくは、前記押圧本体の内側の端面は前記接続スリーブの外側端壁にしっかりと当接する。前記第2封止壁は、押圧本体の内周の壁面のうち内側の端壁面に近接する位置に接続される。前記第2封止壁は、第1封止壁の端部から外側に向かって徐々に傾斜するよう設けられる。
【0023】
より好ましくは、前記第2封止壁の水平方向の長さは前記押圧本体の厚さよりも大きい。
【0024】
更に、前記環状押圧部は、環状の押圧本体と、押圧本体の内側の端面に接続される1本又は複数本のシールリブを含む。前記シールリブは、弾性部材の作用で前記接続スリーブの外側端壁にしっかりと当接する。
【0025】
好ましくは、前記シールリブは、基部から外側に向かって徐々に傾斜するよう設けられる。
【0026】
更に、前記導液挿接ユニットは、前記挿接溝に固定的に設けられる導液部も含む。前記挿接部は前記導液部の側壁に固定的に接続される。前記弾性部材は、一端が前記導液部及び/又は挿接部に固定され、他端が圧縮されて前記シール部材に当接する。
【0027】
好ましくは、前記弾性部材は、導液部とシール部材の間に圧縮して設けられるバネである。
【0028】
より好ましくは、前記バネは、押出ロッドの外側に覆設されるとともに、導液部と環状押圧部の間に圧縮して設けられる。前記環状押圧部のうち前記バネ側に近接する外側の端面には環状係接溝が設けられている。前記バネは、前記環状係接溝内に位置規制されるよう取り付けられる。
【0029】
本発明の別の目的は、更に、添加剤投入モジュールを提供することである。当該添加剤投入モジュールは、少なくとも1つの挿接溝を有する。前記挿接溝内には貯液ケースが取り付けられ、前記貯液ケース内には添加剤を蓄えるための密閉室が備わっている。
【0030】
前記添加剤投入モジュールは投入ユニットを更に含む。前記投入ユニットと前記貯液ケースの投入口は、上記の導液構造を介して連通する。
【0031】
本発明の別の目的は、更に、洗濯機を提供することである。前記洗濯機は、上記の添加剤投入モジュールによって添加剤の自動投入を実現する。
【発明の効果】
【0032】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0033】
1.本発明では、弾性部材とシール部材が連携することで、導液挿接ユニットとケース体接続ユニットとの嵌め合い隙間にシール部材をしっかりと当接させて封止することが可能である。これにより、導液構造全体の密封性がより良好となり、貯液ケースの投入過程で添加剤が漏出するとの事態が有効に回避される。
【0034】
2.本発明のシール部材は、環状シール部、環状押圧部及び環状封止部という3つの部分で構成される。環状シール部は、挿接部のシール溝内に押し込まれて位置規制されることで、シール部材と挿接部との密封を実現する。環状押圧部は、弾性部材の作用でケース体接続ユニットの端面を押圧して密封を実現する。環状封止部は、挿接部と導流経路との隙間を封止する。本発明のシール部材は、上記の構造を採用することで、導液挿接ユニットと弾性シールユニットとの嵌め合い隙間を全方位的に密封可能とするため、密封効果がより良好となる。
【0035】
3.本発明における前記環状封止部には、1回又は複数回折り曲げられて形成される屈曲引張壁構造を採用する。これにより、前記環状封止部は良好な引張り性能及び伸張空間を有するため、挿接部の外周壁とケース体接続ユニットの間の異なる隙間や距離に適応可能となり、自己適応性が高くなる。且つ、前記環状封止部に屈曲引張壁構造を採用することで、ケース体接続ユニットの前後の移動にも適応可能となる。これにより、貯液ケースの挿し込み、抜き出しもしくは押し引きのいずれにおいても、導液挿接ユニットとの間に良好な密封が形成されるよう保証可能となる。
【0036】
4.本発明の挿接部と導流経路は締り嵌めとはなっておらず、これらの間に隙間が存在する。これにより、制動力が存在しなくなるため、貯液ケースを挿入したり抜き出したりする際にいっそう手軽且つスムーズとなる。また、貯液ケースを交換する際に、弾性部材は、押し出しを補助するためのプッシュ力を貯液ケースに付与することも可能である。よって、プッシュロック解除時に、ユーザは、小さな初期押力を付与するだけで、手軽且つスムーズに貯液ケースを抜き出すことができ、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0037】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0038】
図面は、本発明の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、本発明の実施例における添加剤投入モジュールの構造原理図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例における添加剤投入モジュールの部分断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例におけるシール部材の構造原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0041】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0042】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0043】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「取り付ける」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0044】
以下に、実施例を組み合わせて、本発明につき更に詳細に説明する。
【0045】
図1~
図5に示すように、本発明の実施例は貯液ケースの導液構造を提供する。前記導液構造は、貯液ケース1の投入口に取り付けられ、通常状態では当該投入口を閉塞するケース体接続ユニット3と、貯液ケース1を取り付けるための挿接溝51に設けられる導液挿接ユニット2を含む。前記貯液ケース1が挿接溝51内に取り付けられたあと、当該導液挿接ユニット2はケース体接続ユニット3に挿接されて嵌め合わされ、投入口を開放して投入を行う。
【0046】
上記の方案において、前記導液挿接ユニット2は前記挿接溝51に統合的に設けてもよい。例えば、前記導液挿接ユニット2を前記挿接溝51に一体的に射出成型して設けてもよい。或いは、前記導液挿接ユニット2は、接続構造によって前記挿接溝51に固定的に取り付けられてもよく、例えば、ネジ、フック、接着等の方式で前記導液挿接ユニット2を挿接溝51内に固定的に取り付けてもよい。
【0047】
更に、本実施例で記載する貯液ケースの導液構造は、弾性部材41及びシール部材42を有する弾性シールユニット4も含む。前記シール部材42は、弾性部材41の作用で、前記導液挿接ユニット2とケース体接続ユニット3との嵌め合い隙間にしっかりと当接して封止する。
【0048】
本実施例では、弾性部材41とシール部材42が連携することで、導液挿接ユニット2とケース体接続ユニット3との嵌め合い隙間にシール部材42をしっかりと当接させて封止することが可能である。これにより、導液構造全体の密封性がより良好となり、貯液ケース1に添加剤の漏出が発生するとの事態が有効に回避される。
【0049】
更に、前記ケース体接続ユニット3の外周は前記投入口内に密封状に取り付けられる。前記ケース体接続ユニット3の内部には、貯液ケース1の内部と連通する第1導流経路が備わっている。また、前記導液挿接ユニット2は挿接部21を含む。前記ケース体接続ユニット3内には第1導流経路が備わっており、第1導流経路内には、挿接部21の押し付け作用を受けて投入口を開放し、通常状態では投入口を閉止する弁体32が設けられている。
【0050】
具体的には、
図2及び
図4に示すように、前記第1導流経路は2つの部分に分けられ、互いに連通する第1経路及び第2経路を含む。前記第2経路の内径は第1経路よりも小さく、前記挿接部21は第1経路に挿接されて嵌め合わされる。前記第2経路の内部には、前記弁体32を取り付けるための弁室が形成されている。前記弁体32は、第2経路内に設けられて、通常状態では第2経路を閉塞する。前記第2経路は貯液ケース1の内部空間と連通している。前記第2経路の内周壁のうち前記第1経路に近接する側には、環状シールボスが設けられている。
【0051】
前記弁体32は、バルブプラグ及び第2バネ33を含む。前記第2バネ33は、第2経路内に圧縮して設けられる。前記第2バネ33は、一端が前記バルブプラグに当接し、他端が圧縮されて前記第2経路内の位置規制ボスに当接する。通常状態において、前記バルブプラグは、第2バネ33の作用で前記環状シールボスにしっかりと当接可能であり、密封を形成することで、貯液ケース1内の添加剤が前記第1導流経路から溢れ出すのを防止する。
【0052】
好ましくは、前記バルブプラグと前記環状シールボスとの嵌め合い位置に第2シールリング34が設けられている。設置した第2シールリング34により前記第2経路内部の弁室の密封性を更に保証することで、通常状態においてバルブプラグの外周壁と前記シールボスとの隙間から第2経路内の添加剤が溢れ出すとの事態が回避される。これにより、貯液ケース1全体に閉塞された密封室が形成される。
【0053】
投入状態では、
図1及び
図3に示すように、前記貯液ケース1が挿接溝51内に挿入されたあと、前記挿接部21が第1経路内に伸入し、前記挿接部21の前端における当止端が前記弁体32を押し開ける。これにより、前記弁体32と環状シールボスの間に、第2経路内の添加剤を第1経路に流入可能とする隙間が形成される。前記挿接部21の内部には、第1経路と連通する第2導流経路が備わっている。投入ユニットの吸引作用によって、第1経路内に流入した添加剤は、挿接部21の第2導流経路を通じて導出されて投入される。
【0054】
第1経路と挿接部21の間には一定の隙間が備わっており、第1経路内に進入した添加剤はこれらの隙間から極めて容易に漏出する。そのため、本実例で提供する導液構造には、弾性部材41の作用で前記挿接部21の外周壁と第1導流経路との嵌め合い隙間にしっかりと当接して封止するシール部材42が設けられている。
【0055】
本実施例において、前記貯液ケース1の側壁には前記投入口が開設されており、前記投入口の外周には取付接続口構造が一体的に射出成型されている。前記ケース体接続ユニット3は、一端が前記取付接続口構造に密封状に接続され、他端が貯液ケース1の内部に伸入する。
【0056】
本実施例において、前記ケース体接続ユニット3は、前記取付接続口構造にネジで接続されてもよいし、係接により接続されてもよい。
【0057】
好ましくは、
図1~
図4に示すように、本実施例において、前記ケース体接続ユニット3と前記取付接続口構造は係接方式により接続及び固定される。前記取付接続口構造は、前記投入口の周方向の辺縁から水平に外側へ延伸して形成される。
【0058】
前記ケース体接続ユニット3は筒状の本体を有する。ケース体接続ユニット3のうち前記取付接続口構造に近接する側の外側端壁3aは、外周方向に一定の距離だけ延伸したあと逆方向に折り曲げられて折り返し係接壁を形成している。前記折り返し係接壁と前記ケース体接続ユニット3の周壁の間には、前記取付接続口構造に係接される位置規制溝が形成されている。前記取付接続口構造は前記位置規制溝内に係接され、これらの係接及び嵌め合いにより前記ケース体接続ユニット3の垂直方向の変位を規制することで、これらの嵌め合いの安定性を向上させる。
【0059】
好ましくは、前記折り返し係接壁の内周壁面には1本又は複数本の係接突出リブが設けられており、これに係接及び嵌め合わされる嵌合突出リブが、前記取付接続口構造の外周壁に対応するよう設けられている。前記係接突出リブと嵌合突出リブとの係接及び嵌め合いによって、ケース体接続ユニット3と前記取付接続口構造との嵌め合いの安定性が更に保証されるとともに、前記ケース体接続ユニット3の軸方向の変位が規制され、更に、一定の密封作用を奏することも可能となる。
【0060】
より好ましくは、前記取付接続口構造の内周壁と前記ケース体接続ユニット3の間には第1シールリング23が設けられている。具体的に、ケース体接続ユニット3の周壁には、前記第1シールリング23を取り付けるための環状取付溝が設けられている。前記第1シールリング23は、前記環状取付溝と前記取付接続口構造の内周壁の間に押圧されて設けられる。第1シールリング23を設けて前記ケース体接続ユニット3と前記投入口の間の密封性を保証することで、貯液ケース1内の添加剤がこれらの隙間から漏出するとの事態が回避される。
【0061】
本実施例において、前記弾性部材41は、導液挿接ユニット2とケース体接続ユニット3の外側端壁3aの間に圧縮して設けられる。前記挿接部21は、第1導流経路内に伸入するとともに、前端に、弁体32に押し付けられて嵌め合わされ、投入口を開放する押付端を有している。前記シール部材42はリング形状をなしている。前記シール部材42は、一端が、挿接部21における押付端に近接する周壁に密封状に接続され、他端が、押付端から離隔する方向に延伸するとともに、弾性部材41の作用でケース体接続ユニット3の外側端壁3aを押圧して密封を形成する。
【0062】
前記挿接部21は、前記第1導流経路に挿接されて嵌め合わされるため、これらの間には、貯液ケース1を抜き出して貯液ケース1を交換したり、添加剤を添加したりしやすいよう、一定の可動隙間を持たせる必要がある。前記シール部材42は一定の弾性を有しており、一端が前記挿接部21の前側の周壁に密封状に接続され、他端が弾性部材41の作用で前記ケース体接続ユニット3の外側端壁3aを押圧して密封する。この場合、前記第1導流経路と前記挿接部21の間にシールリングを直接設けて押圧し、密封するものと比較して、両者の間に制動力が存在しないため、貯液ケース1を挿入したり抜き出したりする際にいっそう手軽且つスムーズとなる。
【0063】
更に、前記ケース体接続ユニット3は、一端が貯液ケース1の外側に位置して前記挿接部21に嵌め合わされるとともに他端が貯液ケース1内に伸入する接続スリーブ31を含む。前記接続スリーブ31内には第1導流経路が備わっている。前記接続スリーブ31は、第1接続管と、内径が縮小された第2接続管を含む。前記第1接続管内には第1経路が形成され、前記第2接続管内には第2経路が形成される。
【0064】
図3及び
図4に示すように、前記挿接部21は、外径が接続スリーブ31の内径よりも小さい押出ロッドである。前記押出ロッド内には、前記第1経路と連通する第2導流経路が備わっている。前記押出ロッドの前側の端部には押付突端部が設けられている。前記押付突端部は、前記バルブプラグに押し付けられて嵌め合わされることで前記バルブプラグを押し開き、前記第1導流経路を開放する。これにより、前記投入口の開放を実現して投入を行う。
【0065】
具体的に、前記押出ロッドの延伸方向は前記第1導流経路の延伸方向と同じである。前記押出ロッドは、横向きに設けられる柱状ロッドである。前記押出ロッドは水平境界面を有している。前記水平境界面は、前記押出ロッドの中心軸線が存在する水平面の上方に位置する。前記水平境界面は、前記押出ロッドを上半部と下半部に分割する。前記第2導流経路は、押出ロッドの長さ方向に沿って押出ロッドの上半部内に開設されている。前記押付突端部は、押出ロッドの下半部のうち前記弁体32に近接する側の端部に固定的に設けられている。前記押付突端部は、押出ロッドの端部から突出するボスである。前記ボスは、前記弁体32に押し付けられて嵌め合わされ、前記弁体32を押し開けて投入を実現する。
【0066】
本実施例において、
図2、
図4、
図5に示すように、前記押出ロッドの前端の周壁にはシール溝211が設けられている。また、前記シール部材42は、シール溝211内に押し込まれて位置規制される環状シール部421と、弾性部材41の作用で接続スリーブ31の外側端壁3aにしっかりと当接する環状押圧部423と、環状シール部421と環状押圧部423の間に接続される環状封止部422を含む。
【0067】
本発明の実施例におけるシール部材42は、環状シール部421、環状押圧部423及び環状封止部422という3つの部分で構成される。上記の構造を採用することで、導液挿接ユニット2と弾性シールユニット4との嵌め合い隙間を全方位的に密封可能となるため、密封効果がより良好となる。
【0068】
好ましくは、前記環状シール部421、環状封止部422及び環状押圧部423はいずれもゴム材料で製造される。ゴム材料で製造されるシール部材42は、密封性に優れるだけでなく、コストも低くなる。前記環状シール部421、環状封止部422及び環状押圧部423は一体的に成型されて設けられる。
【0069】
一実施形態において、前記環状封止部422は、環状シール部421と環状押圧部423の間に接続されるとともに、少なくとも1回折り曲げられて形成される屈曲引張壁である。前記屈曲引張壁は、押出ロッドの外周壁と接続スリーブ31との嵌め合い隙間を封止する。本実施形態において、前記環状封止部422には、1回又は複数回折り曲げられて形成される屈曲引張壁を採用する。これにより、前記環状封止部422は良好な引張り性能を持ち、広い伸張空間を有するため、押出ロッドの外周壁と接続スリーブ31の間の異なる隙間や距離に適応し得る。よって、これらの隙間が大きかったとしても、封止して密封効果を保証することが可能であり、且つ、高い自己適応性も有する。
【0070】
ケース体接続ユニット3は、挿接される過程で挿接部21に対し前後に移動するため、本発明の実施例では、前記環状封止部422に屈曲引張壁構造を採用することで、ケース体接続ユニット3の前後の移動に適応可能とする。これにより、貯液ケース1の挿し込み、抜き出しもしくは押し引きのいずれにおいても、導液挿接ユニット2との間に良好な密封が形成されるよう保証可能となる。
【0071】
更に、
図4、
図5に示すように、前記環状封止部422は、前記押出ロッドの外周に適応する筒状をなす第1封止壁4221を含む。前記第1封止壁4221は、一端が環状シール部421に固定的に接続され、他端が、押出ロッドの基部の方向に一定の長さだけ延伸したあと、逆方向に折り曲げられて延伸し、第2封止壁4222を形成している。前記第1封止壁4221及び第2封止壁4222は、共同で前記屈曲引張壁を形成する。
【0072】
本実施例において、前記環状シール部421は、前記第1封止壁4221における弁体32に近接する側の内周壁に突設される密封突出リングである。前記密封突出リングは、押出ロッドの前端の周壁に設けられるシール溝211内に押し込まれて位置規制され、前記押出ロッドとの間に密封状の接続を形成する。
【0073】
本実施例において、前記環状押圧部423は環状の押圧本体を有し、前記第2封止壁4222の端部は前記押圧本体に固定的に接続される。第1封止壁4221の延伸長さは、接続スリーブ31の外側端壁3aと環状シール部421との距離よりも大きい。これにより、前記環状封止部422が大きな伸張空間を有するよう保証されるため、貯液ケース1の移動の影響を受けることなく、押出ロッドと第1経路との嵌め合い隙間を封止可能となる。
【0074】
好ましくは、前記押圧本体の内側の端面は前記接続スリーブ31の外側端壁3aにしっかりと当接する。前記第2封止壁4222は、押圧本体の内周の壁面のうち内側の端壁面に近接する位置に接続される。また、前記第2封止壁4222は、第1封止壁4221の端部から外側に向かって徐々に傾斜するよう設けられる。前記第2封止壁4222は略円錐台状をなしている。
【0075】
より好ましくは、前記第2封止壁4222の水平方向の長さは前記押圧本体の厚さよりも大きい。こうすることで、第2封止壁4221と第2封止壁4222との重なり部分がより長くなり、伸張空間がいっそう大きくなるため、自己適応による密封能力が一段と高くなる。
【0076】
別の比較的好ましい実施形態では、
図2、
図4に示すように、前記環状押圧部423は、環状をなす押圧本体と、押圧本体の内側の端面に接続される1本又は複数本のシールリブ4231を含む。前記シールリブ4231は、弾性部材41の作用で前記接続スリーブ31の外側端壁3aにしっかりと当接する。
【0077】
押圧本体の内側の端面にシールリブ4231を設けることで、前記シールリブ4231が前記接続スリーブ31の外側端壁3aを押圧するため、環状押圧部423と前記接続スリーブ31の外側端壁3aの間の密封性を更に向上させられる。
【0078】
好ましくは、前記シールリブ4231は、基部から外側に向かって徐々に傾斜するよう設けられる。上記のように設けることで、外力の作用を受けたとき、前記シールリブ4231の下壁面はいっそう容易に前記接続スリーブ31の外側端壁3aの外壁面にしっかりと密着可能となるため、より良好な密封効果が形成される。
【0079】
図1、
図3に示すように、本実施例において、前記導液挿接ユニット2は、更に、前記挿接溝51に固定的に設けられる導液部22を含む。前記挿接部21の一端は、導液部22のうち貯液ケース1に面する側の側壁に固定的に接続される。前記導液部22と前記挿接部21の内部は互いに連通している。前記導液部22は縦向きに設けられ、前記挿接部21は横向きに設けられる。且つ、前記挿接部21の延伸方向は第1導流経路の延伸方向と同じである。
【0080】
具体的に、添加剤投入モジュールには、貯液ケース1が引き出されたり取り付けられたりする挿接溝51が設けられている。前記導液部22は、挿接溝51に固定的に設けられる吸液管路である。吸液管路は、一端の出口が添加剤投入モジュールの投入ユニットの入口に連なっており、他端の入口が、挿接部21、ケース体接続ユニット3を通じて貯液ケース1の内部と連通している。これにより、前記投入ユニットは、貯液ケース1の内部の添加剤について、洗浄槽内への自動投入を実現可能となる。
【0081】
一実施形態において、前記吸液管路は、前記挿接溝51内に固定的に設けられる垂直の管路である。前記吸液管路の入口は、前記吸液管路のうち前記貯液ケース1に近接する側の側壁に開設されている。
【0082】
別の実施形態において、前記導液部22は、更に、前記吸液管路に設けられる制御弁を含む。前記制御弁は、前記導液挿接ユニット2と投入ユニットとの連通を制御する。本実施形態において、前記投入ユニットは吸引ポンプ又はベンチュリ管である。
【0083】
本実施例において、前記導液部22は、挿接溝51の底壁又は側壁に取り外し可能な接続方式で固定してもよいし、前記挿接溝51の底壁又は側壁に統合的に設置してもよい。また、前記導液部22と前記挿接部21は一体的に射出成型することで設置してもよい。或いは、前記導液部22と前記挿接部21は、組立構造を介して一体的に固定するよう接続してもよい。
【0084】
前記弾性部材41は、一端が前記導液部22及び/又は挿接部21に固定され、他端が圧縮されて前記シール部材42に当接する。一方案において、前記挿接部21のうち前記導液部22の基部に近接する位置には位置規制ボスが設けられており、前記弾性部材41は、前記位置規制ボスと前記シール部材42の間に圧縮して設けられる。
【0085】
或いは、別の方案において、前記弾性部材41は、前記導液部22と前記シール部材42の間に圧縮して設けられる。好ましくは、前記弾性部材41は、導液部22とシール部材42の間に圧縮して設けられる第1バネである。
【0086】
更に、前記第1バネは、押出ロッドの外側に覆設されるとともに、導液部22と環状押圧部423の間に圧縮して設けられる。前記環状押圧部423のうち前記バネ側に近接する外側の端面には環状係接溝4232が設けられている。前記第1バネの一端は、前記環状係接溝4232内に位置規制されるよう取り付けられる。本実施例では、前記第1バネのうち前記シール部材42に近接する側の端部を前記環状係接溝4232内に位置規制することで、前記弾性部材41とシール部材42との嵌め合いの安定性を強化している。
【0087】
本発明の実施例では、更に、少なくとも1つの挿接溝51を有する添加剤投入モジュール5を提供する。前記挿接溝51内には貯液ケース1が取り付けられる。また、前記貯液ケース1内には添加剤を蓄えるための密閉室が備わっている。前記添加剤投入モジュール5は投入ユニットを更に含む。前記投入ユニットと前記貯液ケース1の投入口は、上記の導液構造を介して連通する。
【0088】
上記の方案において、前記投入ユニットは吸引ポンプ又はベンチュリ管を含む。前記吸引ポンプ又はベンチュリ管は、前記導液挿接ユニット2の導液部22に接続されており、前記導液構造を通じて貯液ケース1内の添加剤を給水水路へと吸い込んで投入を行う。
【0089】
本発明の実施例では、更に、洗濯機を提供する。前記洗濯機は、上記の添加剤投入モジュールによって添加剤の自動投入を実現する。
【0090】
一方案において、本実施例では、前記添加剤投入モジュール5が洗濯機のコントロールパネルベース内に取り付けられてもよい。前記添加剤投入モジュール5の本体の底壁の内部には給水水路が統合的に設けられており、添加剤投入モジュール5の本体内に設けられる投入ユニットが添加剤を給水水路に投入する。給水水路を投入モジュールの底壁に統合的に設けることで、投入ユニットの下方に水路を設ければ、投入水路は、添加剤投入モジュール5の下方から直接流出させて洗濯槽内に投入することが可能となる。これにより、投入モジュールを合理的にレイアウトして、投入モジュールの吐水水圧を向上させるとの顕著な技術的進歩が実現される。
【0091】
或いは、別の方案において、本実施例では、前記添加剤投入モジュール5が洗濯機の給水弁と水道の継手との間の給水水路に取り付けられてもよい。投入ユニットは、貯液ケース1内の添加剤を上記の導液構造を通じて給水水路へと吸い込み、洗濯機の供給水とともに洗濯槽内に投入する。前記添加剤投入モジュール5は洗濯機の外部に設けられる。洗濯機と投入モジュールは互いに独立した2つのモジュールであり、互いに干渉したり影響したりしない。且つ、添加剤投入モジュール5には外付けの設置方式が採用されるため、洗濯機の内部空間を占有することもなく、洗濯機内部の空間利用率が向上する。
【0092】
本実施例において、前記添加剤投入モジュール5には、更に、ロックユニット及びプッシュロック解除構造が設けられている。前記貯液ケース1が挿接溝51内に取り付けられたあとは、前記ロックユニットにより前記貯液ケース1を挿接溝51内にロックする。また、ユーザが貯液ケース1を交換又は洗浄したい場合には、前記プッシュロック解除ユニットによりロックを解除して貯液ケース1を抜き出す。
【0093】
本発明の実施例における貯液ケース1は、上記の導液構造を採用することで、ユーザが貯液ケース1を交換する際に、弾性部材41が、押し出しを補助するためのプッシュ力を貯液ケース1に付与することも可能である。よって、プッシュロック解除時に、ユーザは、小さな初期押力を付与するだけで、手軽且つスムーズに貯液ケース1を抜き出すことができ、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0094】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは改変は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び改変は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0095】
1 貯液ケース
2 導液挿接ユニット
21 挿接部
211 シール溝
22 導液部
23 第1シールリング
3 ケース体接続ユニット
3a 外側端壁
31 接続スリーブ
32 弁体
33 第2バネ
34 第2シールリング
4 弾性シールユニット
41 弾性部材
42 シール部材
421 環状シール部
422 環状封止部
4221 第1封止壁
4222 第2封止壁
423 環状押圧部
4231 シールリブ
4232 環状係接溝
5 添加剤投入モジュール
51 挿接溝
【国際調査報告】