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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】圧迫圧力を感知する感知装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 7/00 20060101AFI20240424BHJP
   A61F 13/02 20240101ALI20240424BHJP
   G01L 1/24 20060101ALI20240424BHJP
   G01L 11/02 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
G01L7/00 C
A61F13/02 D
G01L1/24 A
G01L11/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561391
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 GB2022050863
(87)【国際公開番号】W WO2022214808
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】2105031.5
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522140574
【氏名又は名称】オックスフォード ヘルステック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハク、サイド エジャズール
(72)【発明者】
【氏名】アル アイオウビ、モハマド ヤーシル
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA05
2F055CC14
2F055EE31
(57)【要約】
圧迫包帯または圧迫衣によって印加される圧迫圧力を感知するための感知装置であり、圧迫包帯または圧迫衣の下に装着するための可撓性基材を含み、該可撓性基材に取り付けられた圧迫センサを備え、該圧迫センサは、入力と出力と、該入力と出力との間の信号経路とを有し、前記入力と出力は、前記出力によって受信されるセンサ信号が、前記入力と出力および/または前記入力と出力の間の信号経路の相対的な構成に応じて変化するように構成される。また、前記入力と出力は、前記入力と出力の相対的な構成が、前記圧迫センサに加えられる圧迫圧力に応じて変化するように構成され、前記圧迫圧力は、前記可撓性基材に垂直な成分を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫包帯または圧迫衣によって加えられる圧迫圧力を感知するための感知装置であって、該感知装置は、
前記圧迫包帯または圧迫衣の下に着用するための可撓性基材と、
前記可撓性基材に取り付けられた圧迫センサと、を含み、
該圧迫センサは、
入力および出力、ならびに該入力と該出力の間の信号経路を含み、
該入力と該出力は、該出力によって受信されるセンサ信号が、該入力と該出力、および/または該入力と該出力の間の信号経路の相対的構成の変化に応じて変化するように配置され、
前記入力と前記出力は、前記圧迫センサに加えられる前記圧迫圧力に応じて相対的構成が変化するように配置され、前記圧迫圧力は前記可撓性基材に垂直な成分を有すること
を特徴とする感知装置。
【請求項2】
前記入力と前記出力は、前記センサ信号が前記入力と前記出力のアライメントに応じて変化するように配置され、
前記アライメントは、前記圧迫センサに加えられる前記圧迫圧力に応じて変化すること
を特徴とする請求項1に記載の感知装置。
【請求項3】
前記入力と前記出力は、前記圧迫圧力に応答して、前記入力と前記出力の少なくとも一方が前記可撓性基材に垂直な方向の変位を受けるように構成され、前記可撓性基材に垂直な方向の前記変位は、前記入力と前記出力のアライメントを変化させること
を特徴とする請求項2に記載の感知装置。
【請求項4】
前記入力および前記出力は、前記圧迫圧力に応答して、前記入力および前記出力の少なくとも一方が構造的変形を受け、該構造的変形は、前記入力と前記出力の前記相対的構成を変化させること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項5】
前記入力および前記出力は、前記圧迫圧力に応答して、前記入力および前記出力の少なくとも一方が前記可撓性基材に平行な方向に変位を受けるように構成され、かつ、
前記可撓性基材に平行な方向の前記変位は、前記入力および前記出力の前記相対的構成を変化させること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項6】
前記圧迫センサは、前記入力及び前記出力の移動を前記可撓性基材に平行な特定の方向に制限するように配置された1つ又は複数のガイド部材を更に有すること
を特徴とする請求項4又は5に記載の感知装置。
【請求項7】
前記圧迫センサが、前記入力と前記出力との間の前記信号経路に配置された信号反射器をさらに備え、前記入力と前記出力は、前記圧迫圧力に応答して、前記入力と前記出力の少なくとも一方が前記信号経路を変化させるように前記信号反射器に対して変位を受けるように構成されること
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項8】
前記圧迫センサが、前記可撓性基材と前記入力および前記出力の一方との間に圧縮性部材をさらに有し、前記圧縮性部材は、前記圧迫センサに加えられる前記圧迫圧力に応答して圧縮するように構成され、かつ、前記入力と前記出力および/または前記入力と前記出力の間の前記信号経路の前記相対的構成が、前記圧縮性部材の圧縮に応じて変化すること
を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項9】
プロセッサをさらに備え、該プロセッサは、前記センサ信号に基づいて、前記感知装置に印加された前記圧迫圧力の推定値を決定するように構成されていること
を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項10】
前記感知装置に加えられた前記圧迫圧力の前記推定値を表示するように構成されたデジタルディスプレイ、または
前記感知装置に印加された前記圧迫圧力の前記推定値が所定の範囲外である場合に可聴警報を出力するように構成された音声インジケータ、
のうちの少なくとも1つをさらに含むこと
を特徴とする請求項9に記載の感知装置。
【請求項11】
信号エミッタと信号感知器とをさらに備えること
を特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項12】
前記信号エミッタが光源であり、前記信号感知器が光感知器であり
前記感知装置がさらに
前記光源と前記圧迫センサの前記入力の間に延在する入力光ファイバーと、
前記圧迫センサの前記出力と前記光感知器の間に延在する出力光ファイバーと、
を有すること
を特徴とする請求項11に記載の感知装置。
【請求項13】
前記入力が信号エミッタであり、前記出力が信号感知器であり、
前記信号エミッタと前記信号感知器は重なり合い、
前記センサ信号が前記信号エミッタと前記信号感知器の重なりの大きさに応じて変化し、前記重なりの大きさが前記圧迫圧力に応じて変化すること
を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項14】
前記信号エミッタが電気信号発生器であり、前記信号感知器が電気信号感知器であり、
前記感知装置は、さらに、
前記電気信号発生器と前記圧迫センサの前記入力との間に延在する第1導電線、および
前記圧迫センサの前記出力と前記電気信号感知器の間に延びる第2導電線、を含むこと
を特徴とする請求項11に記載の感知装置。
【請求項15】
前記圧迫センサは、前記入力と前記出力との間に電気的に接続された可変抵抗器をさらに備えること
を特徴とする請求項14に記載の感知装置。
【請求項16】
前記圧迫センサは、前記入力と前記出力との間に電気的に接続された可変コンデンサをさらに備えること
を特徴とする請求項14に記載の感知装置。
【請求項17】
前記圧迫センサが複数の圧迫センサのうちの1つであり、該複数の圧迫センサは、前記可撓性基材に取り付けられ、互いに間隔をあけて配置され、それぞれの入力とそれぞれの出力とを有すること
を特徴とする請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項18】
前記複数の圧迫センサの各々について、前記それぞれの出力は、それぞれのセンサ信号をそれぞれの信号感知器に送信するように配置されること
を特徴とする請求項17に記載の感知装置。
【請求項19】
前記複数の圧迫センサの各々について、前記それぞれの入力が、それぞれの信号エミッタによって送出されたそれぞれの信号を受信するように配置されること
を特徴とする請求項17または18に記載の感知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧迫包帯または圧迫衣によって加えられる圧迫圧力を感知するための感知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧迫包帯(または弾性圧迫衣)の着用による圧迫療法は、血液循環障害の治療と管理に広く用いられている。これには、静脈性下腿潰瘍や深部静脈血栓症の原因となる静脈欠損症が含まれる。圧迫療法はまた、体内のリンパ系に滞留した体液の移動と除去を補助し、リンパ浮腫の軽減や予防に役立つ。圧迫包帯のその他の用途としては、手首や足首の捻挫、筋肉の挫傷、手足の腫れ、打撲や挫傷の治療がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
圧迫包帯が最適に機能するためには、着用者の関連する身体部位に所定の量の圧迫(圧力)を加える必要がある。圧迫の不適切な適用は、不均一で不十分な圧迫や、危険なレベルの過剰な圧迫につながる可能性がある。特に、動脈疾患のある手足への圧迫の不適切な使用は、重度の皮膚や組織の壊死(場合によっては切断を必要とする)を引き起こすことが報告されている。
【0004】
圧迫包帯が適用され得る様々な身体部分の形状および大きさが異なるため、使用中の圧迫包帯によって着用者に加えられる実際の圧迫圧力、例えば実際の段階的な圧迫圧力を感知するための感知装置を有することが望ましい。本発明は、従来技術のものに比べて様々な利点を提供する上述のような感知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、圧迫包帯(または圧迫衣)によって加えられる圧迫圧力(例えば段階的な圧迫圧力)を感知するための感知装置が提供される。この感知装置は、圧迫包帯(または圧迫衣)の下に装着するための可撓性基材と、この可撓性基材に取り付けられた圧迫センサとを含む。該圧迫センサは入力と出力を有する。該入力と出力の間には信号経路がある。該入力と出力は、前記出力によって受信されるセンサ信号が、前記入力と出力および/または前記信号経路の相対的な構成に応じて変化するように配置される。前記入力と出力は、その相対的な構成が圧迫センサに加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置され、前記圧迫圧力は前記基材に垂直な成分を有する。
【0006】
本感知装置の有利な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
次に、本発明の実施例を、以下に示す添付図面を参照して例示的に説明する。
図1A】着用者の脚に巻かれた圧迫包帯の下に設置された感知装置の例である。
図1B図1Aの感知装置の基材の例であり、複数の圧迫センサが配置された該基材の例を上から見た図である。
図2】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)の光学式圧迫センサの第1の例の断面図である。
図3】圧迫圧力が印加された、図2の光学式圧迫センサを示す図である。
図4】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)の光学式圧迫センサの第2の例の断面図である。
図5】圧迫圧力が印加された、図4の光学式圧迫センサを示す図である。
図6】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)の光学式圧迫センサの第3の例の断面図である。
図7】圧迫圧力が印加された、図6の光学式圧迫センサを示す図である。
図8】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)の光学式圧迫センサの第4の例の側面図である。
図9】圧迫圧力が印加された、図8の光学式圧迫センサを示す図である。
図10】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)の静電容量式圧迫センサの例を示す側面図である。
図11】圧迫圧力が印加された、図10の容量性圧迫センサのを示す図である。
図12】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)の抵抗式圧迫センサの例を示す側面図である。
図13図1Aの感知装置の基材を上から見た別の例であり、基材上に単一の光学式圧迫センサが配置された図である。
図14】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)にある、図13の光学式圧迫センサの側面図である。
図15】圧迫圧力が印加された、図13および図14の光学式圧迫センサを示す図である。
図16】非圧迫状態(圧迫圧力が加えられていない状態)の光学式圧迫センサのさらに別の例を示す側面図である。
図17】圧迫圧力が印加された、図16の光学式圧迫センサを示す図である。
図18図2図12、または図14図17のいずれか1つの圧迫センサを含む感知装置での使用に適した電源および制御装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、圧迫包帯(または圧迫衣)によって加えられる圧迫圧力(例えば段階的圧迫圧力)を感知するための感知装置に関する。この感知装置は、圧迫包帯(または圧迫衣)の下に装着するための可撓性基材と、可撓性基材に取り付けられた圧迫センサとを含む。圧迫センサは入力と出力を含む。入力と出力の間には信号経路がある。入力と出力は、出力によって受信されるセンサ信号が、入力と出力および/または信号経路の相対的な構成に応じて変化するように配置される。入力と出力は、それらの相対的な構成が圧迫センサに加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置され、圧迫圧力は基材に垂直な成分を有する。
【0009】
この感知装置は、基材と圧迫センサを、人または動物の身体に、圧縮包帯(または圧縮衣服)の下にして装着するように設計されている。一つの例を図1Aに示す。より具体的には、図1Aは、膝8、ふくらはぎ中間部10、および足首9を有する人間の脚を示している。図1Aは、また、可撓性基材7と、膝8と足首9の間の位置で人間の脚に装着された圧迫センサ3を示している。可撓性基材7と圧迫センサ3は、図1Aの圧迫包帯1の下に装着されている。可撓性基材7と圧迫センサ3は、着用者の皮膚と基材7との間に防護膜が置かれるように、非弾性の手当用品(例えばベルバンド等の包帯)の上に装着されることが好ましい。
【0010】
使用時、圧迫包帯1または圧迫衣服は、圧迫センサ3だけでなく脚にも圧力を加える。圧迫包帯を脚にきつく巻けば巻くほど、脚にかかる圧迫圧力は大きくなる。静脈性下腿潰瘍の治療では、一般に、足首付近の比較的高い圧力から膝付近の比較的低い圧力まで、段階的な圧力を脚へかけることが必要である。このように、静脈性下腿潰瘍の治療には、弾性圧迫衣よりも圧迫包帯の方が適している。代表的な段階的圧迫の特徴については後述する。
【0011】
図1Bに感知装置の例を示す。図1Bにおいて、感知装置2は3つの圧迫センサ、すなわち第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95を含む。3つの圧迫センサ35、50、95のそれぞれは、可撓性基材7の表面に取り付けられている。3つの圧迫センサ35、50、95の各々は、入力および出力をそれぞれ有し、該入力と出力の間に信号経路(図1Bでは非表示)を有する。
【0012】
可撓性基材7は、高分子材料から構成することができる。しかし、当業者であれば、紙等の他の可撓性材料も適していることがわかるであろう。基材7は細長く、長さは幅よりも長い。基材7の長さは、成人の標準的な足首から膝までの長さに匹敵する。基材7の幅は、標準的な成人のふくらはぎの周囲よりも短い。例えば、前記基材の長さは約45cm以下であり、幅は約15cmである。基材の厚さは、着用者の邪魔にならないように、1mm以下が好ましい。しかし、当業者であれば、上記以外の寸法を有する基材も適しているものがあり、異なるサイズの脚には異なるサイズの基材を充てることができることがわかるであろう。
【0013】
圧迫センサ35、50、95は互いに間隔をあけて配置されている。特に、圧迫センサ35、50、95は、基材7の長さ方向に沿って所定の距離だけ互いに離間しており、第1の圧迫センサ35は基材7の一端付近に、第2の圧迫センサ50は基材7の長さ方向のほぼ中央に、第3の圧迫センサ95は基材7の他端付近に配置されている。
【0014】
圧迫センサ30、50、95と基材7の全体の厚さは、好ましくは3mm未満である。基材7と圧迫センサ30、50、95のこの非常に薄い外形に起因して、圧迫包帯1によって加える意図した圧力以外に、身体に大きな追加の圧力を及ぼすことはない。圧迫センサ30、50、95の下に局所的な圧力が加わること(すなわち、こぶ効果)は望ましくない。また、感知装置2の外形が非常に薄いため、装着者に不快感を与えることなく、基材7および取り付けられた圧迫センサ30、50、95を身体に簡単に着脱することができる。
【0015】
感知装置2は、使用時に、第1の圧迫センサ35が着用者の足首のすぐ上に位置し、第2の圧迫センサ50が着用者のふくらはぎの中間部に位置し、第3の圧迫センサ95が着用者の膝のすぐ下に位置するように配置することができる。このような位置決めは、静脈性下腿潰瘍の治療において望ましいことがしばしばあり、圧迫センサ35、50、95間の前記所定の距離は、臨床的に有意な段階的圧力の測定性を出せるように、臨床的推奨によって決定することができる。例えば、静脈性下腿潰瘍の場合、目標とする圧力分布は、足首で40mmHg、ふくらはぎ中間部で20mmHg、膝下で15mmHgとするのがよい。当業者であれば、他の目的、例えばリンパ浮腫や深部静脈血栓症等の管理ではセンサの配置が異なる場合があることがわかるであろう。
【0016】
各圧迫センサ35、50、95について、感知装置2は、それぞれの信号エミッター4a、4b、4cと、それぞれの信号感知器6a、6b、6cと、前記それぞれの信号エミッター4a、4b、4cと圧迫センサの入力との間に延在するそれぞれの入力コネクター20、55、70と、前記圧迫センサの前記出力とそれぞれの信号感知器6a、6b、6cとの間に延在するそれぞれの出力コネクター40、80、65とをさらに備える。
【0017】
圧迫センサ35、50、95は、使用時に圧迫包帯(または衣服)の下に配置する必要がある(圧迫包帯によってかけられた圧迫圧力を受けるようにするため)が、信号エミッタ4a、4b、4cおよび信号感知器6a、6b、6cは、使用時に圧迫包帯の下に配置する必要はない。実際、装着時の快適性を考慮すると、多くの場合、圧迫包帯の下に配置しない方が好ましい。したがって、入力コネクタ20、55、70および出力コネクタ40、80、65により、前記信号エミッタおよび前記信号感知器を前記圧迫センサから離間して、使用時に圧迫包帯(または圧迫衣)の下に配置する必要がないようにすることができる。
【0018】
さらに、信号エミッタ4a、4b、4cおよび信号感知器6a、6b、6cは、前記基材に取り付ける必要はない。その代わりに、前記基材とは離間した電子制御・電源装置(ECPU: Electronic Control and Power Unit、図1Bには図示せず)に収容してもよい。この構成は、前記感知装置の構造および保守を簡素化するために望ましい場合がある。また、安全上の理由から、特に前記基材が濡れる可能性がある場合には、アクティブな電子部品を前記基材とは離間して収容することが望ましい場合もある。
【0019】
第1の圧迫センサ35は、第1の信号エミッタ4aが第1の入力コネクタ20に接続されるように配置される。第1の入力コネクタ20は、第1の信号エミッタ4aと第1の圧迫センサ35の入力との間に延在する。第1の圧迫センサ35の入力と第1の圧迫センサ35の出力は、使用時に、それらの間に信号経路ができるように構成される(例えば、信号が光信号の場合、前記信号経路は、前記入力と前記出力との間の空隙であってもよい)。第1の出力コネクタ40は、第1の圧迫センサ35の出力と第1の信号感知器6aとの間に延在する。したがって、第1の出力コネクタ40は第1の信号感知器6aに接続されている。
【0020】
第2の圧迫センサ50は、第1の圧迫センサ35と同じように配置される。第2圧迫センサ50は、第2入力コネクター55、第2出力コネクター65、第2信号エミッター4b、第2信号感知器6bと連携している。
【0021】
第3の圧迫センサ95は、第1の圧迫センサ35および第2の圧迫センサ50と同様に配置される。第3の圧迫センサ95は、第3の入力コネクター70、第3の出力コネクター80、第3の信号エミッター4c、および第3の信号感知器6cと連携している。
【0022】
当業者であれば、感知装置2が、各圧迫センサ35、50、95用にそれぞれ信号エミッタ4a、4b、4cと、各圧迫センサ35、50、95用にそれぞれの信号感知器6a、6b、6cとを含む必要はないことがわかるであろう。
【0023】
代わりに、感知装置2は、各圧迫センサ35、50、95が単一の信号エミッターを共有するが、それぞれの信号感知器6a、6b、6cを有するように構成することもできる。あるいは、感知装置は、各圧迫センサ35、50、95が単一の信号感知器を共有するが、それぞれの信号エミッター6a、6b、6cを有するように構成することもできる。
【0024】
当業者であれば、感知装置2は3つ以上の圧迫センサで構成することができ、3つ未満の圧迫センサで構成することもできることがわかるであろう。
【0025】
使用時に、第1の圧迫センサ35に関して説明すれば、第1の圧迫センサ35の入力および第1の圧迫センサ35の出力は、第1の圧迫センサ35の出力によって受信されるセンサ信号が、第1の圧迫センサ35の入力および第1の圧迫センサ35の出力および/またはその間の信号経路の相対的な構成に応じて変化するように配置される。さらに、第1の圧迫センサ35の入力および第1の圧迫センサ35の出力は、それらの相対的な構成が、第1の圧迫センサ35に加えられる圧迫圧力(基材7に垂直な成分を有する)に応じて変化するように配置される。
【0026】
より具体的には、第1の信号エミッタ4aは初期信号を発する。該初期信号は第1の入力コネクタ20に入る。第1の入力コネクタ20は、該初期信号を第1の圧迫センサ35の入力に導く。第1の圧迫センサ35の前記入力と出力との間には信号経路がある。第1の圧迫センサ35の出力はセンサ信号を受信する。第1の圧迫センサ35の前記出力が受信する前記センサ信号は、第1の圧迫センサ35の前記入力からの前記初期信号と、第1の圧迫センサ35の前記入力、第1の圧迫センサ35の前記出力、および前記入力と前記出力の間の信号経路の相対的な構成とに基づいている。
【0027】
例えば、入力と出力が空隙によって隔てられている光センサでは、前記初期信号は前記入力から前記空隙に放射された光の量であり、前記センサ信号は前記出力が前記空隙から受光した光の量である。例えば、入力と出力の相対的な配置によって、光が入力から放射される角度と、入力から放射された光のうち出力に入射する光の割合が決まる。信号経路の長さも、入力と出力の相対的な構成によって変化する。このように、センサ信号は初期信号の一部分であり、入力と出力の相対的な構成に応じて変化する。
【0028】
第1の圧迫センサ35の出力が受信するセンサ信号は、第1の信号エミッタ4aが放出する初期信号と同じでも、同じでなくてもよい。第1の出力コネクタ40は、第1の圧迫センサ35の出力が受信したセンサ信号を第1の信号感知器6aに導く。第1信号感知器6aは前記センサ信号を感知する。前記センサ信号は、圧迫圧力に比例して(または圧迫圧力に反比例して)変化することが好ましい。
【0029】
第1の圧迫センサ35に圧迫圧力が加えられていない場合、第1の圧迫センサ35の入力と出力およびその間の信号経路は、初期構成に配置される。圧迫圧力(すなわち、基材7に垂直な成分を有する圧力)が第1の圧迫センサ35に加えられると、第1の圧迫センサ35の入力と出力および/またはその間の信号経路の構成が変化する。第1の圧迫センサ35の出力によって受信されるセンサ信号は、第1の圧迫センサ35の入力と出力および/またはその間の信号経路の相対的な構成に応じて変化する。より具体的には、初期構成と比較した第1の圧迫センサ35の入力と出力の相対的構成の変化、及び/又は初期構成と比較した信号経路の変化は、第1の圧迫センサ35に加えられる圧迫圧力の量に依存する。第1の圧迫センサ35の入力と出力の相対的な構成および/またはその間の信号経路の初期構成からの変化は、第1の圧迫センサ35の出力によって受信されるセンサ信号を変化させ、したがって第1の信号感知器6aによって感知されるセンサ信号を変化させる。
【0030】
第2の圧迫センサ50と第3の圧迫センサ95の前述の構成要素は、第1の圧迫センサ35と似たような働きをする。
【0031】
圧迫センサ35、50、95は、光信号の変化を測定する光学式圧迫センサであってもよい。また、圧迫センサ35、50、95は、電気抵抗や電気容量等の電気信号の変化を測定する電気的圧迫センサであってもよい。当業者であれば、磁界感知圧迫センサのような他の形態の圧迫センサも可能であることがわかるであろう。
<光学式圧迫センサの例1>
【0032】
図2は、基材2676上の光学式圧迫センサ103の例を示す。図2に示す光学式圧迫センサ103は、上述の図1Bで説明した第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95の少なくとも1つとして機能することができる。基材2676は、図1Bの基材7の一部を形成する。
【0033】
図2に示す圧迫センサ103のような光学式圧迫センサの場合、信号エミッターは光源であり、信号感知器は光感知器である。信号エミッタは、信号エミッタ4a、4b、4cのうちの1つとすることができ、以下では、「光源4a、4b、4c」と称する。信号感知器は、信号感知器6a、6b、6cのいずれかとすることができ、以下では「光感知器6a、6b、6c」と称する。光源は、好ましくは発光ダイオード(LED)、例えば有機LEDであり、光感知器は、好ましくは光検出器またはフォトトランジスタである。
【0034】
図2において、圧迫センサ103は、空隙2354によって分離された入力部103aと出力部103bとから形成されている。入力部103aは、基材2676の第1部分に配置された(または取り付けられた)入力光ファイバ2249を含む。圧迫センサ103の入力部103aは、さらに、ラミネート構造を形成するように入力光ファイバ2249と基材2676の第1部分とを封止する上部ラミネートフィルム2243および下部ラミネートフィルム2565の第1部分を含む。入力部103aは、さらに、第1の剛性スタッド2606を含む。出力部103bは、基材2676の第2部分に配置された(または取り付けられた)出力光ファイバ2255を含む。圧迫センサ103の出力部分103bは、同様のラミネート構造を形成するように、出力光ファイバ2255および基材2676の第2部分を封止する上部ラミネートフィルム2243および下部ラミネートフィルム2565の第2部分をさらに含む。出力部103bはさらに、第2のスタッド2687および第3のスタッド2349を含む。第3のスタッド2349は、圧縮性発泡体2374の一部と結合する。
【0035】
図2に示す圧迫センサ103において、入力光ファイバ2249は、光源4a、4b、4cと圧迫センサ103の入力との間に延在する前述の入力コネクタとして機能する。出力光ファイバ2255は、圧迫センサ103の出力と光感知器6a、6b、6cとの間に延びる前述の出力コネクタとして機能する。周知のように、入力光ファイバおよび出力光ファイバはそれぞれ、クラッド(図2では未図示)によって囲まれたコアを有する。入力光ファイバ2249は、第1端部と第2端部とを有する。出力光ファイバ2255は、第1端部と第2端部とを有する。入力光ファイバ2249の第1端部は、光源4a、4b、4cに接続される。入力光ファイバの第2端部は、圧迫センサ103の入力である。したがって、入力光ファイバ2249は、光源4a、4b、4cと圧迫センサ103の入力との間に延在する。出力光ファイバ2255の第1端部は、圧迫センサ103の出力である。前記出力光ファイバの第2端部は、光感知器6a、6b、6cに接続されている。このように、出力光ファイバ2255は、圧迫センサ103の出力と光感知器6a、6b、6cとの間に延在する。
【0036】
図2は、圧迫圧力が加えられていない状態の圧迫センサ103を概略的に示している。この圧迫されていない構成では、入力光ファイバ2249の前記第2端部と出力光ファイバ2255の第1端部はほぼ同軸になっている。圧迫センサ103の入力と出力の間の信号経路は、入力光ファイバ2249の第2端部から空隙2354を通って出力光ファイバ2255の第1端部に至る信号経路である。
【0037】
3つの剛性スタッド2606、2349、2687は、プラスチックから形成することができる。上述したように、第1のスタッド2606は、圧迫センサ103の入力部103a上に位置する。特に、第1のスタッド2606は、空隙2354に隣接し、基材2676が第1のスタッド2606と入力光ファイバ2249との間に挟まれるように基材2676の下に配置される。上述したように、第2のスタッド2687は圧迫センサ103の出力部103bに位置する。特に、第2のスタッド2687は、基材2676が第2のスタッド2687と出力光ファイバ2255との間に挟まれるように、空隙2354から少し離れた位置で、基材2676の下に配置されている。上述したように、第3のスタッド2349も圧迫センサ103の出力部103bに位置する。特に、第3のスタッド2349は、空隙2354に隣接し、出力光ファイバ2255が第3のスタッド2349と基材2676との間に挟まれるように出力光ファイバ2255の上方に位置する。発泡体2374は、第3のスタッド2349と出力光ファイバ2255との間に挟まれている。第2のスタッド2687と空隙2354との間の距離は、第3のスタッド2349の遠位端が第2のスタッド2687の近位端のほぼ真上に位置するように、第3のスタッド2349の長さと同等である。好ましくは、第2のスタッド2687と第3のスタッド2349との間には重なりがないほうがよい。
【0038】
スタッド2606、2687、2349は、前記ラミネート構造体から外側に出ていることがわかるが、ラミネート構造体からのスタッド2606、2687、2349の突出長は、好ましくは0.5mm以下の高さである。
【0039】
圧迫センサ103は、単一の光ファイバを基材2676に取り付け、前記単一の光ファイバと基材2676とを上部ラミネートフィルム2243と下部ラミネートフィルム2565との間に封入することによって形成することができる。次に、熱または超音波を印加してラミネート構造を形成することができる。その後、ラミネート構造を局所的に切断して、圧迫センサ103の入力部103aと出力部103bとの間に空隙2354を形成することができる。この切断は、ナイフのような鋭利な器具を用いて行うことができる。前記切断は、基材7全体を2つの別個の部分に分離しないことに留意されたい。反対に、前記切断は、基材7が単一部分として残るように、(基材7の一部を形成する)基材2676に局所的なスリットを形成する。作成中、入力光ファイバ2249を封止する下部ラミネーションフィルム2565の一部を第1のスタッド2606と置き換え、出力光ファイバ2255を封止する下部ラミネーションフィルム2565の一部を第2のスタッド2687と置き換え、出力光ファイバ2255を封止する上部ラミネーションフィルム2243の一部を第3のスタッド2349および圧縮性発泡体2374と置き換えることができる。
【0040】
使用時、光源4a、4b、4cは初期光信号を発する。初期光信号は、前記第1端部で入力光ファイバ2249に入射する。入力光ファイバ2249は、入力光ファイバ2249の前記第1端部から入力光ファイバ2249の前記第2端部まで初期光信号を導く。前記初期光信号は、入力光ファイバ2249の前記第2端部から空隙2354に放出される。入力光ファイバ2249の前記第2端部と出力光ファイバ2255の前記第1端部との間には信号経路がある。前記信号経路は空隙2354を含む。典型的には、入力光ファイバ2249および出力光ファイバ2255が(図2のように)概略同軸になるように配置される場合、前記信号経路に沿った伝送において、空隙2354による初期信号の小さな損失(20%の程度)が存在する。出力光ファイバ2255の前記第1端部はセンサ信号を受信する。該センサ信号は、前記初期光信号の少なくとも一部を含む光信号である。出力光ファイバ2255は、出力光ファイバ2255の前記第1端部によって受信された前記センサ信号を出力光ファイバ2255の前記第2端部に導く。出力光ファイバ2255の前記第2端部は、光感知器6a、6b、6cに接続される。光感知器6a、6b、6c前記はセンサ信号を感知する。
【0041】
図3は、図2の光学式圧迫センサ103に圧迫圧力を印加した時の使用状態を示す。使用時、圧迫圧力は、図1Aを参照して上述したように、圧縮包帯(または圧縮衣服)と人間の脚との間に圧迫センサ103および基材2676を配置することによって印加することができる。光学式圧迫センサ103に印加される圧迫圧力は、図3ではFというラベルがつけられた矢印で示される。特に、圧迫圧力は、基材2676に垂直な方向を向いている(または、少なくとも基材2676に垂直な方向の成分を含む)。圧迫センサ103の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ2249の第2端部および出力光ファイバ2255の第1端部)は、両者の相対的な構成が、圧迫センサ103に加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置される。一般に、圧迫センサ103の入力および出力の相対的な構成の変化は、入力および出力のアライメントの変化、および/または入力および出力の相対的な位置の変化、および/または入力または出力の構造的な変形を含むことができる。入力と出力の相対的な位置の変化は、基材2676に垂直な方向への相対変位、および/または、入力と出力が互いに向かって、および/または、互いに離れていく方向に(すなわち、基材2676に平行に)相対移動することを含む。
【0042】
図3において、突出したスタッド2606、2687、2359は圧迫圧力を圧迫センサ103に伝達する。特に、第3のスタッド2349は、有利には、圧迫圧力が出力光ファイバ2255および基材2676に伝達することができる剛性面を提供し、第1のスタッド2606および第2のスタッド2687は、有利には、該スタッド上に圧縮を実現する剛性表面を提供する。スタッド2606、2687、2359の前記ラミネート構造からの突出は、スタッド2606、2687、2359の圧迫圧力を伝達性能を向上させる。スタッド2606、2687、2359は、圧迫センサ103の入力および出力が圧迫圧力によって異なる影響を受けるように、圧迫センサ103の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ2249の第2端部および出力光ファイバ2255の第1端部)に不均一な形態で圧迫圧力を伝達するように配置される。したがって、圧迫センサ103への圧迫圧力の印加は、入力光ファイバ2249の第2端部と出力光ファイバ2255の第1端部の相対的な構成を変化させる。特に、図3において、出力光ファイバ2255の第1端部は、基材2676に対して垂直な方向に変位(すなわち移動)しており、圧迫圧力の印加によってさらに変形している(すなわち、押しつぶされる/圧縮される)。従って、第1光ファイバ2249および出力光ファイバ2255は、圧迫圧力の印加によって移動して同軸アライメントから外れている。図2図3の間の構成の変化の少なくとも一部は、出力光ファイバ2255の第1端部が圧迫圧力によって圧縮されるような可撓性の出力光ファイバ2255を使用していることに起因する。使用中、圧迫圧力が圧迫センサ103に加えられると、発泡体2374が圧縮される。さらに、発泡体2374は、復元力を提供し、ヒステリシスを低減する有利性がある。
【0043】
図3は、圧迫圧力に応答した出力光ファイバ2255の第1端部の構成の変化を示しているが、この代わりに、圧迫圧力に応答した入力光ファイバ2249の第2端部の構成の変化を起こすようにスタッドの代替構成を用いることができることがわかるだろう。重要な要素は、圧迫センサ103の入力と出力の相対的構成(すなわち、入力光ファイバ2249の第2端部と出力光ファイバ2255の第1端部の相対的構成)が、圧迫センサ103に加えられる圧迫圧力に応じて変化することである。
【0044】
圧迫センサ103の感度は、基材2676、入力光ファイバ2249、出力光ファイバ2255、および軟質の圧縮性発泡体2374の材料特性に依存する。圧迫センサ103の感度は、また、スタッド2606、2687、2359の相対位置にも依存する。
【0045】
使用時、圧迫センサ103の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ2249の第2端部および出力光ファイバ2255の第1端部)は、圧迫センサ103の出力(すなわち、出力光ファイバ2255の第1端部)によって受信されるセンサ信号が、圧迫センサ103の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ2249の第2端部および出力光ファイバ2255の第1端部)および/またはその間の信号経路の相対的な構成に応じて変化するように配置される。
【0046】
図3では、入力光ファイバ2249の第2端部と出力光ファイバ2255の第1端部は、センサ信号が入力光ファイバ2249の第2端部と出力光ファイバ2255の第1端部のアライメントに応じて変化するように配置されている。前記アライメントは、圧迫センサ103に加えられる圧迫圧力に応じて変化する。言い換えれば、上述した構成の変化は、アライメントの変化を含んでいる。
【0047】
図3の圧迫圧力に対する応答では、入力光ファイバ2249の第2端部および出力光ファイバ2255の第1端部は、基材2676に垂直な方向に相対変位を受ける。基材2676に垂直な方向における相対変位は、入力光ファイバ2249の第2端部および出力光ファイバ2255の第1端部のアライメントを変化させる。換言すれば、上述した構成の変化は相対的変位を含む。さらに、圧迫圧力に応答して、出力光ファイバ2255の第1端部は構造的変形を受ける。この構造的変形は、前記入力と前記出力の相対的構成(および相対的アライメント)も変化させる。言い換えれば、上述した構成の変化には構造変形が含まれる。
【0048】
入力光ファイバ2249の第2端部と出力光ファイバ2255の第1端部とがずれている(すなわち、もはや同軸でなく、もはや非変形でない)ので、入力光ファイバ2249の第2端部から放出されて出力光ファイバ2255の第1端部に入射する初期光信号の量は、入力光ファイバの第2端部と出力光ファイバの第1端部とがほぼ同軸であり、非変形状態である図2の非圧迫状態に比べて小さくなる。したがって、図2の非圧縮構成では、図3の圧縮時の構成と比較して、より大きなセンサ信号が光感知器6a、6b、6cによって感知される。さらに、圧縮量が大きいと、センサ信号はさらに小さくなる。このように、感知されるセンサ信号は、圧迫センサ103に加えられる圧縮量に応じて変化する。
<光学式圧迫センサの例2>
【0049】
図4は、基材125上の光学式圧迫センサ203の一例を示す。図4に示す光学式圧迫センサ203は、上述の図1Bに記載した第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95の少なくとも1つとして機能する。基材125は、図1Bの基材7の一部を形成する。
【0050】
図4において、圧迫センサ203は、入力部203aと出力部203bとから形成されている。入力部203aは、入力光ファイバ285、第1剛性スペーサ326および圧縮性スペーサ375を含む。第1剛性スペーサ326および圧縮性スペーサ375は、互いに隣接して配置され、入力光ファイバ285と基材125との間に挟まれている。圧迫センサ203の入力部203aは、オプションの上部ラミネートフィルム225の第1部分をさらに含み、この上部ラミネートフィルム225は、基材125の第1部分とともに、ラミネート構造を形成するように、入力光ファイバ285およびスペーサ326、375を封入する。出力部203bは、出力光ファイバ430と第2剛性スペーサ327を含む。第2剛性スペーサ327は、出力光ファイバ430と基材125との間に挟まれている。圧迫センサ203の出力部203bは、同様のラミネート構造を、基材125の第2部分と共に形成するように出力光ファイバ430を封止する上部ラミネートフィルム225の第2部分をさらに含む。入力光ファイバ285と出力光ファイバ430との間には空隙410がある。空隙410は、上部ラミネートフィルム225の第1部分と第2部分の間、および圧縮性スペーサ375と第2剛性スペーサ327の間にも延在する。しかしながら、基材125は連続しており(空隙がなく)、圧迫センサ203の入力部203aと出力部203bの両方を支持する。
【0051】
図4に示す圧迫センサ203では、入力光ファイバ285が前述の入力コネクタとして機能する。入力光ファイバ285は、コアと、コアを取り囲むクラッド256とを有する。出力光ファイバ430は、圧迫センサ203の出力と光感知器6a、6b、6cとの間に延在する前述の出力コネクタとして機能する。出力光ファイバ430は、コアと、コアを取り囲むクラッドとを有する。入力光ファイバ285は、第1端部と第2端部とを有する。出力光ファイバ430は、第1端部と第2端部とを有する。入力光ファイバ285の第1端部は、光源4a、4b、4cに接続されている。入力光ファイバ285の第2端部は、圧迫センサ203の入力である。したがって、入力光ファイバ285は、光源4a、4b、4cと圧迫センサ203の入力との間に延在する。出力光ファイバ430の第1端部は、圧迫センサ203の出力である。
【0052】
出力光ファイバ430の第2端部は光感知器6a、6b、6cに接続されている。このように、出力光ファイバー430は、圧迫センサ203の出力と光感知器6a、6b、6cの間に延在する。
【0053】
図4は、圧迫圧力が加えられていない状態の圧迫センサ203を概略的に示している。この圧迫されていない構成では、入力光ファイバ285の第2端部と出力光ファイバ430の第1端部は概略同軸である。圧迫センサ203の入力と出力の間の信号経路は、入力光ファイバ285の第2端部から空隙410を通って出力光ファイバ430の第1端部までの信号経路である。
【0054】
第2剛性スペーサ327は空隙410に隣接して配置されている。圧縮性スペーサ375は、空隙410に隣接し、第2剛性スペーサ327と対向して配置されている。第1剛性スペーサ326は、圧縮性スペーサ375に隣接して配置されている。このように、圧迫センサ203は、基材125と圧迫センサ203の入力との間(すなわち、基材と入力光ファイバ285の第2端部との間)に圧縮可能な部材(圧縮可能なスペーサ375の形態)を含んで構成される。代替構成(図示せず)では、圧縮性スペーサ375は、入力部203aではなく出力部203bに含むことができる。この代替構成では、圧迫センサは、基材125と出力部との間(すなわち、基材と出力光ファイバ430の第1端部との間)に圧縮可能な部材(圧縮可能なスペーサの形態)を含んで構成される。
【0055】
圧迫センサ203は、基材125上に配置された(または基材125に取り付けられた)スペーサ326、375、327に単一の光ファイバを取り付け、単一の光ファイバおよびスペーサ326、375、327を上部ラミネートフィルム225と基材125との間に封入することによって形成することができる。その後、熱または超音波を印加して、基材125が下部ラミネートフィルムとして機能するラミネート構造を作成することができる。その後、ラミネート構造を局所的に切断して、圧迫センサ203の入力部203aと出力部203bの間に空隙410を形成することができる。基材125を貫通するカットは行われないので、入力部203aおよび出力部203bの部分は共通の基材125によって連結される(基材125の第1部分および第2部分は、それぞれ入力光ファイバ285および出力光ファイバ430の下に位置する共通の基材125の領域である)。切断は、ナイフのような鋭利な器具を用いて行うことができる。
【0056】
使用時、光源4a、4b、4cは初期光信号を発する。光源4a、4b、4cによって放射された初期光信号は、第1端部で入力光ファイバ285に入射する。入力光ファイバ285は、入力光ファイバ285の第1端部から入力光ファイバ285の第2端部まで初期光信号を導く。初期光信号は、入力光ファイバ285の第2端部から空隙410に照射される。入力光ファイバ285の第2端部と出力光ファイバ430の第1端部との間には信号経路がある。信号経路は空隙410を通過する。通常、入力光ファイバ285と出力光ファイバ430が実質的に同軸になるように配置されている場合、空隙410による信号経路を伝送する際の初期信号のわずかな損失(20%の範囲)がある。出力光ファイバー430の第1端部はセンサ信号を受信する。センサ信号は、初期光信号の少なくとも一部を含む光信号である。出力光ファイバ430は、出力光ファイバ430の第1端部によって受信されたセンサ信号を出力光ファイバ430の第2端部に導く。出力光ファイバ430の第2端部は、光感知器6a、6b、6cに接続されている。光感知器はセンサ信号を感知する。
【0057】
図5は、図4の光学式圧迫センサ203の使用時に圧迫圧力を印加したときを示す。
【0058】
使用時において、圧迫圧力は、図1Aを参照して上述したように、圧縮包帯(または圧縮衣服)と人間の脚との間に圧迫センサ203および基材125を配置することによって印加することができる。図3の前述の例と同様に、圧迫圧力は、基材125に垂直な方向を向く(または、少なくとも基材125に垂直な方向の成分を含む)。圧迫センサ203の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ285の第2端部および出力光ファイバ430の第1端部)は、それらの相対的な構成が、圧迫センサ203に加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置される。好ましくは、入力と出力の相対的な構成は、圧迫センサ203に加えられる圧迫圧力に比例して(または逆比例して)変化する。
【0059】
圧迫圧力(すなわち、基材に垂直な成分を有する圧力)が圧迫センサ203に加えられると、圧縮性スペーサは圧縮される。その結果、入力光ファイバ285の第2端部(圧縮性スペーサ375に取り付けられている)は、基材に向かって下方に変位する。対照的に、出力光ファイバ430の第1端部は、(圧縮されない)第2剛性スペーサ327に取り付けられているため、圧迫圧力によって下方に変位することはない。
【0060】
図示していないが、入力光ファイバ285の第2端部および/または出力光ファイバ430の第1端部は、付加的または代替的に、圧迫下で形状が変形するようにすることができる。
【0061】
図5に示すように、入力285と出力430の光ファイバーは、圧迫圧力の印加によって同軸のアライメントから外れる。
【0062】
図5は、圧迫圧力に応答した入力光ファイバ285の第2端部の構成の変化を示しているが、代替的に、圧迫圧力に応答した出力光ファイバ430の第1端部の構成変化を起こすために、スペーサの代替の構成を利用できることがわかるであろう。キーとなる要件は、圧迫センサ203の入力と出力の相対的な構成(すなわち、入力光ファイバ285の第2端部と出力光ファイバ430の第1端部の相対的な構成)が、圧迫センサ203に加えられる圧迫圧力に応じて変化することである。
【0063】
当業者であれば、第1剛性スペーサ326は任意であり、取り外すことも可能であることがわかるであろう。しかしながら、第1剛性スペーサ326は、第1剛性スペーサ326の上方に位置する入力光ファイバ285の領域における入力光ファイバ285の変位を抑制するので有効である。結果として、圧迫センサ203に圧迫圧力が加えられると、(圧縮性スペーサ375に取り付けられた)入力光ファイバ285の第2端部の基材125に垂直な方向への変位は、第1剛性スペーサ326が存在しない場合よりも大きくなる。したがって、第1剛性スペーサ326は、圧迫センサ203の感度を増加させる。
【0064】
当業者であれば、第2剛性スペーサ327は、入力と出力の相対的な構成に前述の変化を生じさせるように、異なる材料特性を有し、圧縮性スペーサ375とは異なる圧縮性を有する第2の圧縮性スペーサと置換できることがわかるであろう。しかしながら、第2剛性スペーサ327は、圧迫センサ203の感度を高めるために剛性を持つことが好ましい。圧迫センサ203の感度は、圧縮性スペーサ375の材料特性に依存する。
<光学式圧迫センサの例3>
【0065】
図6は、基材3777上の光学式圧迫センサ303の例を示す。図6に示す光学式圧迫センサ303は、上述の図1Bで説明した第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95の少なくとも1つとして機能し得る。基材3777は、図1Bの基材7の一部を形成する。
【0066】
図6において、圧迫センサ303は、入力部303aと出力部303bとから形成されている。入力部303aは、入力光ファイバ3439と、第1硬質層3450と、可撓性層3543とを含む。第1硬質層3450は、入力光ファイバ3439と可撓性層3543との間に挟まれている。可撓性層3543は、第1硬質層3450と基材3777の第1部分との間に挟まれている。圧迫センサ303の入力部303aは、オプションの上部ラミネートフィルム3230の第1部分をさらに含み、この上部ラミネートフィルム3230は、基材3777の第1部分とともに、ラミネート構造を形成するように、入力光ファイバ3439、第1硬質層3450、および可撓性層3543を封止する。出力部303bは、出力光ファイバ3449、圧縮性層3850、および第2硬質層3620を含む。圧縮性層3850は、出力光ファイバ3449と第2硬質層3620との間に挟まれている。第2硬質層3620は、圧縮性層3850と基材3777の第2部分との間に挟まれている。圧迫センサ303の出力部303bは、上部ラミネートフィルム3250の第2部分をさらに含み、この上部ラミネートフィルム3250は、基材3777の第2部分とともに、。入力部303aと同様のラミネート構造を形成するように、出力光ファイバ3449、圧縮性層3850および第2硬質層3620を封止する。入力光ファイバ3439と出力光ファイバ3449との間には空隙3111がある。空隙3111は、上部ラミネートフィルムの第1部分3230と第2部分3250の間、圧縮性層3850と第1剛性層3450の間、および可撓性層3543と第2剛性層3620の間にも延在する。しかしながら、基材3777は連続しており(空隙がなく)、圧迫センサ303の入力部303aおよび出力部303bの両方を支持する。
【0067】
図6に示す圧迫センサ303では、入力光ファイバ3439が先に説明した入力コネクタとして機能する。入力光ファイバ3439は、コアと、コアを取り囲むクラッド3434とを有する。出力光ファイバ3449は、圧迫センサ303の出力と光感知器6a、6b、6cとの間に延在する前述の出力コネクタとして機能する。出力光ファイバ3449は、コアと、コアを取り囲むクラッドとを有する。入力光ファイバ3439は、第1端部と第2端部とを有する。出力光ファイバ3449は、第1端部と第2端部とを有する。入力光ファイバ3439の第1端部は、光源4a、4b、4cに接続されている。入力光ファイバ3439の第2端部は、圧迫センサ303の入力である。したがって、入力光ファイバ3439は、光源4a、4b、4cと圧迫センサ303の入力との間に延在する。出力光ファイバ3449の第1端部は、圧迫センサ303の出力である。出力光ファイバ3449の第2端部は、光感知器6a、6b、6cに接続されている。このように、出力光ファイバ3449は、圧迫センサ303の出力と光感知器6a、6b、6cとの間に延在する。
【0068】
図6は、圧迫圧力が加えられていない状態の圧迫センサ303を概略的に示している。この圧迫されていない構成では、入力光ファイバ3439の第2端部と出力光ファイバ3449の第1端部は実質的に同軸である。圧迫センサ303の入力と出力の間の信号経路は、入力光ファイバ3439の第2端部から空隙3111を通って出力光ファイバ3449の第1端部へ至る信号経路である。
【0069】
上述したように、圧迫センサ303は、出力光ファイバ3449と第2剛性層3620(第2剛性層3620は基材3777に取り付けられ、基材の上方に配置される)との間に挟まれた圧縮性層3850を含む。このように、圧迫センサ303は、基材3777(間接的に、第2剛性層3620)と圧迫センサ303の出力(すなわち、出力光ファイバ3449の第1端部)との間に圧縮可能な部材(圧縮性層3850の形態)を含んで構成される。代替構成(図示せず)では、圧縮性層3850は、出力部303bではなく、入力部303aに含むことができる。この代替構成では、圧迫センサ303は、基材3777と入力部(すなわち、入力光ファイバ3449の第2端部)との間に圧縮可能な部材(圧縮性層の形態)を含んで構成される。
【0070】
圧迫センサ303は、単一の光ファイバを第1剛性層3450および圧縮性層3850に取り付けることによって形成することができる。次に、第1剛性層3450及び圧縮性層3850は、a)第1剛性層3450が入力光ファイバ3439と可撓性層3543との間に挟まれ、b)圧縮性層3850が出力光ファイバ3449と第2剛性層3620との間に挟まれるように、可撓性層3543及び第2剛性層3620上に配置される(又は取り付けられる)。可撓性層3543と第2剛性層3620は、次に基材3777に取り付けられる(または基材上に配置される)。光ファイバー3439、3449、および圧縮性層3850、可撓性層3543および剛性層3450、3620は、上部ラミネーションフィルム3230、3250と基材3777との間に封入される。その後、熱または超音波を印加して、基材3777が下部ラミネートフィルムとして機能するラミネート構造を作成することができる。その後、ラミネート構造を局所的に切断して、圧迫センサ303の入力部303aと出力部303bの間に空隙3111を形成することができる。基材3777を貫通するカットは行われないので、入力303a部分と出力303b部分は共通の基材3777によって連結される(基材3777の第1部分と第2部分は、それぞれ入力光ファイバ3439と出力光ファイバ3449の下に位置する共通の基材3777の一領域である)。切断は、ナイフのような鋭利な器具を用いて行うことができる。
【0071】
使用時、光源4a、4b、4cは初期光信号を発する。光源4a、4b、4cによって放射された初期光信号は、第1端部で入力光ファイバ3439に入射する。入力光ファイバ3439は、入力光ファイバ3439の第1端部から入力光ファイバ3439の第2端部まで初期光信号を導く。初期光信号は、入力光ファイバ3439の第2端部から空隙3111に照射される。入力光ファイバ3439の第2端部と出力光ファイバ3449の第1端部との間には信号経路がある。信号経路は空隙3111を通っている。通常、入力光ファイバ3439と出力光ファイバ3449が実質的に同軸になるように配置されている場合、空隙3111による信号経路を伝送する際の初期信号の小さな損失(20%の範囲)がある。出力光ファイバ3449の第1端部はセンサ信号を受信する。センサ信号は、初期光信号の少なくとも一部を含む光信号である。出力光ファイバ3449は、出力光ファイバ3449の第1端部によって受信されたセンサ信号を出力光ファイバ3449の第2端部に導く。出力光ファイバ3449の第2端部は、光感知器6a、6b、6cに接続される。光感知器6a、6b、6cはセンサ信号を感知する。
【0072】
図7は、図6の光学式圧迫センサ303の使用時に圧迫圧力を印加した時を示す。
【0073】
使用時、圧迫圧力は、図1Aを参照して上述したように、圧縮包帯(または圧縮衣服)と人間の脚との間に圧迫センサ303および基材3777を配置することによって印加することができる。圧迫センサ303の圧迫圧力は、図7においてFとラベル付けされた矢印によって示されている。図5および図3の前の例と同様に、圧迫圧力は、基材3777に垂直な方向である(または、少なくとも基材3777に垂直な方向の成分を含む)。圧迫センサ303の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ3449の第2端部および出力光ファイバ3439の第1端部)は、それらの相対的な構成が、圧迫センサ303に加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置される。好ましくは、入力と出力の相対的な配置は、圧迫センサ303に加えられる圧迫圧力に比例して(または逆比例して)変化する。
【0074】
圧迫圧力(すなわち、基材に垂直な成分を有する圧力)が圧迫センサ303に加えられると、圧縮性層3850は圧縮される。その結果、(圧縮性層3850に取り付けられている)出力光ファイバ3449の第1端部は、基材に向かって下方に変位する。対照的に、入力光ファイバ3439の第2端部は、出力光ファイバ3439の第1端部が(圧縮しない)第1剛性層3450に取り付けられているため、圧迫圧力がかかても下方に変位しない。
【0075】
図示されていないが、入力光ファイバ3439の第2端部および/または出力光ファイバ3449の第1端部は、付加的または代替的に、圧迫下で形状が変形することがある。
【0076】
図7に示すように、入力3439と出力3449の光ファイバーは、圧迫圧力の印加によって同軸のアライメントから外れる。
【0077】
図7は、圧迫圧力に応答した出力光ファイバ3449の第1端部の構成の変化を示しているが、圧縮性層3850、剛性層3450、3620および可撓性層3543の代替的な構成が、代わりに、圧迫圧力に応答した入力光ファイバ3439の第2端部の構成の変化を引き起こすように使用できることが理解されよう。重要な要素は、圧迫センサ303の入力と出力の相対的な構成(すなわち、入力光ファイバ3439の第2端部と出力光ファイバ3449の第1端部の相対的な構成)が、圧迫センサ303に加えられる圧迫圧力に応じて変化することである。
【0078】
圧迫センサ303の感度は、圧縮性層3850の材料特性に依存する。
当業者であれば、第1硬質層3450を、圧縮性層3850とは異なる材料特性、異なる圧縮性を有する第2の圧縮性層で置き換えるか、完全に除去することができることがわかるであろう。しかしながら、第1硬質層3450は、入力光ファイバ3439の変位を抑制するので有利である。結果として、圧迫センサ303に圧迫圧力が加えられると、入力光ファイバ3439の第2端部に対する出力光ファイバ3449の第1端部の変位は、第1剛性層3450が存在しないか又は剛性でない場合よりも大きくなる。したがって、第1剛性層3450は、圧迫センサ303の感度を増加させる。
【0079】
当業者であれば、第2剛性層3620は任意であるが、圧縮性層3850が圧縮され得る剛性表面を形成することによって圧縮性層3850の圧縮を実現するのを助け、したがって圧迫センサ303の感度を増加させることがわかるであろう。
【0080】
さらに、当業者であれば、可撓性層3543はオプションであることがわかるであろう。可撓性層は、非圧迫状態において入力光ファイバ3439と出力光ファイバ3449とが実質的に同軸となるように圧迫センサ303を水平にする補償層として機能するので有利である。代替例(図示せず)では、組み合わされた第1硬質層3450と可撓性層3543は、より厚い第1硬質層3450で置き換えることができる。
<光学式圧迫センサの例4>
【0081】
図8は、光学式圧迫センサ403の一例を示す。図8に示す光学式圧迫センサ403は、上述の図1Bに記載した第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95のうちの少なくとも1つとして機能し得る。
【0082】
図8において、圧迫センサ403は、入力光ファイバ120と出力光ファイバ210とから構成されている。圧迫センサ403は、第1のマイクロチューブ135、第2のマイクロチューブ140および第3のマイクロチューブ150の形態のガイド部材をさらに備える。入力光ファイバ120は、第1端部と第2端部とを有する。出力光ファイバ210は、第1端部と第2端部とを有する。入力光ファイバ120は、第1のマイクロチューブ135および第2のマイクロチューブ140を通過して第3のマイクロチューブ150に入り、入力光ファイバ120の第2端部が第3のマイクロチューブ150内に封入される。出力光ファイバ210の第1端部も、入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部およびその間の信号経路が第3のマイクロチューブ150内に位置するように、第3のマイクロチューブ150内に封入される。入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部との間には空隙がある。信号経路は空隙を通過する。圧迫センサ403は、第1のスペーサ180と第2のスペーサ195とをさらに備える。
【0083】
第1のスペーサ180は、第1のマイクロチューブ135を基材110に接続する。第2のスペーサ195は、第3のマイクロチューブ150を基材110に連結する。第2のマイクロチューブ140は、基材110の上方に浮いており、基材110には連結されていない。
【0084】
図8に示す圧迫センサ403では、入力光ファイバ120が先に説明した入力コネクタとして機能する。入力光ファイバ120は、コアと、コアを取り囲むクラッド(図示せず)とを有する。出力光ファイバ210は、圧迫センサ403の出力と光感知器6a、6b、6cとの間に延在する前述の出力コネクタとして機能する。出力光ファイバ210は、コアと、コアを取り囲むクラッド(図示せず)とを有する。入力光ファイバ120の第1端部は、光源4a、4b、4cに接続されている。入力光ファイバ120の第2端部は、圧迫センサ403の入力である。したがって、入力光ファイバ120は、光源4a、4b、4cと圧迫センサ403の入力との間に延在する。出力光ファイバ210の第1端部は、圧迫センサ403の出力である。出力光ファイバ210の第2端部は、光感知器6a、6b、6cに接続されている。このように、出力光ファイバ210は、圧迫センサ403の出力と光感知器6a、6b、6cとの間に延在する。
【0085】
図8は、圧迫圧力が加えられていない状態の圧迫センサ403を概略的に示している。この圧迫されていない構成では、入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部は実質的に同軸であり、空隙の形で初期距離だけ離れている。圧迫センサ403の入力と出力の間の信号経路は、入力光ファイバ120の第2端部から空隙を通り、出力光ファイバ210の第1端部に至るまでの信号経路である。
【0086】
マイクロチューブ135、140、150は、マイクロチューブ135、140、150内で同軸になるように入力光ファイバ120および出力光ファイバ210の動きを抑制するように、入力光ファイバ120および出力光ファイバ210の外径よりも極くわずか大きい内径を有することが好ましい。
【0087】
マイクロチューブ135、140、150は、金属、プラスチック、セラミック、または他の適切な材料から作ることができる。好ましくは、第2のマイクロチューブ140は2cmまでの長さを有し、第1のマイクロチューブ135および第3のマイクロチューブ150は5cmまでの長さを有する。
【0088】
第1のスペーサ180と第2のスペーサ195は、圧迫センサをコンパクトにするため、好ましくは厚さ1mm以下がよく、そうすることで着用者にとって快適になる。
【0089】
出力光ファイバ210の第1端部は、第3のマイクロチューブ150に対して相対的に移動できないように、第3のマイクロチューブ150の一端の近傍の所定の位置に固定されることが好ましい。入力光ファイバー120の第2端部は固定されていないので、第3のマイクロチューブ150内で同軸上で自由に動く。
【0090】
使用時、光源4a、4b、4cは初期光信号を発する。光源4a、4b、4cによって放射された初期光信号は、第1端部で入力光ファイバ120に入射する。入力光ファイバ120は、入力光ファイバ120の第1端部から入力光ファイバ120の第2端部まで初期光信号を導く。初期光信号は、入力光ファイバ120の第2端部から空隙へ放出される。入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部との間には信号経路がある。信号経路は空隙を通過する。典型的には、圧迫センサ403が図8の非圧迫状態にあるとき、空隙には初期距離があるために、信号経路に沿った伝送において初期信号のわずかな損失(20%の範囲)がある。出力光ファイバ210の第1端部はセンサ信号を受信する。センサ信号は、初期光信号の少なくとも一部を含む光信号である。出力光ファイバ210は、出力光ファイバ210の第1端部によって受信されたセンサ信号を出力光ファイバ210の第2端部に導く。出力光ファイバ210の第2端部は、光感知器6a、6b、6cに接続される。光感知器6a、6b、6cはセンサ信号を感知する。
【0091】
図9は、図8の光学式圧迫センサ403の使用時において圧迫圧力を印加した時を示す。
使用時には、圧迫圧力は、図1Aを参照して上述したように、圧縮包帯(または圧縮衣服)と人間の脚との間に圧迫センサ403および基材110を配置することによって印加される。図7図5、および図3の前述の例と同様に、圧迫圧力は基材110に垂直な方向である(または少なくとも基材110に垂直な方向の成分を含む)。圧迫センサ403の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ120の第2端部および出力光ファイバ210の第1端部)は、それらの相対的な構成が圧迫センサ403に加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置される。好ましくは、入力と出力の相対的な配置は、圧迫センサ403に加えられる圧迫圧力を変化させる。
【0092】
圧迫圧力(すなわち、基材に垂直な成分を有する圧力)が圧迫センサ403に加えられると、第2のマイクロチューブ140は基材110に向かって下方に変位する。その結果、第2のマイクロチューブ140に通された入力光ファイバ120の一部は、(第2のマイクロチューブ140と共に)基材110に向かって変位を受ける。入力光ファイバ120は弾性がないので、第2のマイクロチューブ140に通された入力光ファイバ120の部分が下方に変位すると、入力光ファイバ120を部分的に第3のマイクロチューブ150から引き抜く。特に、入力光ファイバ120の第2端部は、出力光ファイバ210の固定された第1端部から第3マイクロチューブ150に沿って軸方向に変位する。軸方向の変位(これは基材110に平行な方向である)は、入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部の相対的な構成を変化させる(すなわち、圧迫センサ403の入力と出力の相対的な構成を変化させる)。言い換えれば、上述の構成の変化は、基材110に平行な方向における圧迫センサの入力および出力の変位を含む。
【0093】
例えば、入力光ファイバ120の第2端部が出力光ファイバ210の第1端部から軸方向に離れて変位する場合、入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部との間の空隙、及び信号経路は、図9に示すように、図8の第1の距離から第2の距離まで増加する。その結果、入力光ファイバ120の第2端部から放出され、出力光ファイバ210の第1端部に入射する初期光信号の量は、入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部とがより近くに位置する図8の非圧迫状態よりも低くなる。
【0094】
センサ信号は圧迫圧力に反比例して変化することが好ましい。
【0095】
上述したように、出力光ファイバ210の第1端部は、圧迫圧力によって変位しないように定位置に固定される。しかしながら、当業者であれば、出力光ファイバ210の第1端部を固定する代わりに、入力光ファイバ120の第2端部を所定の位置に固定することができることがわかるであろう。この代替例では、出力光ファイバ210の第1端部は軸方向に自由に移動できる。重要な要素は、圧迫センサ403の入力と出力の相対的構成(すなわち、入力光ファイバ120の第2端部と出力光ファイバ210の第1端部の相対的構成)が、圧迫センサ403に加えられる圧迫圧力に応じて変化することである。
【0096】
当業者であれば、スペーサ180、195は任意であるが、第2のマイクロチューブ140の変位可能な範囲を増大させ、したがって圧迫センサ403の感度を増大させるので有効であることがわかるであろう。当業者であれば、第1のマイクロチューブ135と第2のマイクロチューブ140は任意であることを同様に理解するであろう。
<静電容量式圧迫センサの例>
【0097】
図10は、基材110上の容量性圧迫センサの一例を示す。図10に示す容量性圧迫センサは、上述の図1Bに記載した第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95の少なくとも1つとして機能し得る。基材110は、図1Bの基材7の一部を形成する。
【0098】
図10に示す容量性圧迫センサは、電気的圧迫センサの一例である。図10に示す静電容量式圧迫センサのような電気式圧迫センサでは、信号エミッタはコイル等の電気信号エミッタ/ジェネレータであり、信号検出器はコイルやMEMSセンサ等の電気信号検出器である。信号エミッタは、信号エミッタ4a、4b、4cのいずれかであってもよく、以下、「電気信号発生器4a、4b、4c」と称する。信号感知器は、信号感知器6a、6b、6cのいずれかであってもよく、以下「電気信号感知器6a、6b、6c」と呼ぶ。図10に示す静電容量式圧迫センサの場合、電気信号発生器は交流電気信号発生器であり、電気信号感知器は交流電気信号感知器である。
【0099】
図10に示す圧迫センサの構造配置は、基材110およびマイクロチューブ135、140、150の点で、図8に示す光学式圧迫センサの構造配置に類似している。同様に、図10のスペーサ580、595は、図8のスペーサ180、195と同等である。しかしながら、図10図8と異なる点は、入力導電線520が図8の入力光ファイバ120に取って代わり、出力導電線200が図8の出力光ファイバ210に取って代わる点である。図10の圧迫センサは、入力導電線520の第2端部の第1プレート167と出力導電線200の第1端部の第2プレート175との間に形成された可変コンデンサをさらに有する。信号経路はコンデンサ・プレート167、175の間を通る。キャパシタンスは、コンデンサ・プレート167、175間の距離を変化させることによって可変にできる。
【0100】
図10に示す圧迫センサにおいて、入力導電線520は、電気信号発生器4a、4b、4cと圧迫センサの入力との間に延在する、前述の入力コネクタとして機能する。より具体的には、入力導電線520の第1端部は電気信号発生器4a、4b、4cに接続され、入力導電線の第2端部は第1のコンデンサ・プレート167に接続される。圧迫センサの入力は第1のコンデンサ・プレート167である。出力導電線200は、前述の出力コネクタとして機能し、圧迫センサの出力と電気信号感知器6a、6b、6cとの間に延在する。より具体的には、出力導電線200の第1端部は第2コンデンサ・プレート175に接続され、出力導電線の第2端部は電気信号感知器6a、6b、6cに接続される。圧迫センサの出力は第2のコンデンサ・プレート175である。
【0101】
図10は、圧迫圧力が加えられていない状態の圧迫センサを概略的に示している。この圧迫されていない構成では、圧迫センサの入力と出力の間の信号経路は、第1のコンデンサ・プレート167から空隙280を通って第2のコンデンサ・プレート175に至る信号経路である。従って、空隙280は可変コンデンサのプレート167、175間の距離に相当する。
【0102】
第2のコンデンサ・プレート175は、好ましくは、第3のマイクロチューブ150に対して相対的に移動できないように所定の位置に固定される。第1のコンデンサ・プレート167は固定されておらず、第3のマイクロチューブ150内で基材110と平行な方向である軸方向に自由に移動できる。
【0103】
代替例では、空隙280を有する単純な2枚のプレート167、175のデバイスではなく、可変コンデンサはより高度なMEMS型コンデンサにできる。すなわち、コンデンサ・プレートは薄膜MEMS型微細加工コンデンサ・プレートにすることもできる。コンデンサ・プレートは、インターリーブされた複数の突起(インターディジテッド・フィンガーなど)で構成されていてもよい。この場合、キャパシタンスは突起のインターリーブ(例えばフィンガーのインターディジテーション)の程度に応じて変化する。このインターリーブの例では、コンデンサ・プレートは共通の平面に配置されることがある。特に、コンデンサ・プレートは、共通の平面に位置するように配置されたインターディジテーションされたフィンガーを有していてもよい。このようなインターディジテッド・フィンガーの配置は、圧迫センサを薄く保ち、感知装置の装着者の邪魔にならないようにするのに役立つ。
【0104】
使用時には、電気信号発生器4a、4b、4cは、可変コンデンサのプレート167、175間に電圧を印加し、電気信号感知器6a、6b、6cは、プレート167、175間の静電容量を感知する。電圧は出力された電気信号とみなすことができ、静電容量は感知された電気信号とみなすことができる。可変コンデンサの静電容量は、プレート167、175間の距離に応じて変化する。図10の非圧迫状態では、プレート167、175間には第1の距離があるとする。
【0105】
図11は、図10の静電容量式圧迫センサの使用時に圧迫圧力を印加した時を示す。
使用時において、圧迫圧力は、図1Aを参照して上述したように、圧縮包帯(または圧縮衣服)と人間の脚との間に圧迫センサおよび基材110を配置することによって印加される。図9図7図5および図3の前述の例と同様に、圧迫圧力は基材110に垂直な方向である(または少なくとも基材110に垂直な方向の成分を含む)。圧迫センサの入力および出力(すなわち、可変コンデンサのプレート167、175)は、それらの相対的な構成が、圧迫センサに加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置される。好ましくは、プレート167、175間の距離280は、圧迫センサに加えられる圧迫圧力に比例して変化する。
【0106】
図9の光学例と同様に、図11の圧迫センサに圧迫圧力が加えられると、第2のマイクロチューブ140は基材110に向かって下方に変位する。その結果、入力導電線520は、第1のコンデンサ・プレート167が第2のコンデンサ・プレート175からさらに離れるように(すなわち、第1のコンデンサ・プレート167が基材110と平行な方向に(第3のマイクロチューブ150に対して)軸方向に変位するように)、第3のマイクロチューブ150から部分的に引き出される。言い換えれば、プレート167、175間の距離280が増加する。第1のコンデンサ・プレート167の変位は、可変コンデンサの入力と出力の相対的な構成を変化させる。言い換えれば、上述の構成の変化は、基材110に平行な方向への変位を含む。可変コンデンサの入力と出力の構成の変化は、静電容量の変化をもたらす。電気信号感知器6a、6b、6cによって受信されるセンサ信号は、可変コンデンサの静電容量に応じて変化する。
【0107】
上述したように、出力導電線200の第1端部は、圧迫圧力によって変位しないように、所定の位置に固定されている。しかしながら、当業者であれば、出力導電線200の第1端部を固定する代わりに、入力連結ワイヤ520の第2端部を所定の位置に固定することができることがわかるであろう。この代替例では、出力導電線200の第1端部は、軸方向に自由に動くことができる。重要な要素は、圧迫センサの入力と出力の相対的な構成(すなわち、コンデンサ・プレート167、175の相対的な構成)が、圧迫センサに加えられる圧迫圧力に応じて変化することである。
【0108】
当業者であれば、スペーサ580、595は任意であるが、第2のマイクロチューブ140の可能な変位範囲を増大させ、したがって圧迫センサ403の感度を増大させるのでつけた方が有利であることがわかるであろう。当業者であれば同様に、第1のマイクロチューブ135と第2のマイクロチューブ140は任意であることがわかるであろう。
<抵抗式圧迫センサの例>
【0109】
図12は、抵抗式圧迫センサの一例を示す。図12に示す抵抗式圧迫センサは、前述の図1Bに記載した第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95の少なくとも1つとして機能し得る。
【0110】
抵抗圧迫センサは、可変コンデンサが、入力導電線520の第2端部と出力導電線200の第1端部との間に接続された可変抵抗器157によって置き換えられていることを除いて、図10および図11に関して上述した容量圧迫センサに類似している。可変抵抗器157の抵抗値は、可変抵抗器の入力と出力との間の距離(すなわち、入力導電線520の第2端部と出力導電線200の第1端部との間の距離)に応じて変化する。
【0111】
可変抵抗器157は、ひずみゲージ、導電性高分子、ピエゾ抵抗素子等の変位感知抵抗器である。
【0112】
当業者であれば、図12の可変抵抗器の例は、磁界センサを組み込むように容易に変形させることができることがわかるであろう。このような例では、電気信号発生器4a、4b、4cを磁界エミッタに置き換え、信号感知器6a、6b、6cを磁界感知器(例えば、ホール効果センサまたはローレンツ効果センサ、MEMSセンサであってもよい)に置き換え、可変抵抗器を磁石に置き換えることができる。
<光学式圧迫センサの例5>
【0113】
図13は、図8および図9に関して説明したものと同様の光学式圧迫センサ465を示す。図8および図9に示す例と同様に、図13の例は、基材400、入力光ファイバ425および出力光ファイバ450を含む。入力光ファイバ425は、光源495と圧迫センサ465の入力との間に延在する。出力光ファイバ450は、圧迫センサ465の出力と光感知器510との間に延在する。図13に示す例は、入力光ファイバ425と出力光ファイバ450とが同軸ではないため、図8および図9に示す例とは異なる。その代わりに、入力光ファイバ425と出力光ファイバ450は平行であり、互いに隣接している。入力光ファイバ425の第2端部は、出力光ファイバ450の第1端部に隣接している。
【0114】
図14は、図13の光学式圧迫センサ465の基材に垂直な面における断面を示す。圧迫センサ465の構造配置は、基材400およびマイクロチューブ135、140、150の点で、図8に示した光学式圧迫センサの構造配置に類似している。同様に、図14のスペーサ180、195は、図8のスペーサ180、195と同等である。さらに、図8と同様に、圧迫センサ465の入力は入力光ファイバ425の第2端部であり、圧迫センサ465の出力は出力光ファイバ450の第1端部である。
【0115】
図14では、入力光ファイバー425は第1のマイクロチューブ135を通って第3のマイクロチューブ150内に延在する。入力光ファイバ425は第2のマイクロチューブ140を通って延在していない。その代わりに、入力光ファイバ425は、第2のマイクロチューブ140に平行に、かつ隣接して延在する(破線で示す)。一方、出力光ファイバー450は、3本のマイクロチューブ135、140、150のすべてを通って延在する。入力光ファイバ425の第2端部も、出力光ファイバ450の第1端部も、第3のマイクロチューブ150内の一つの位置に固定されていない。代わりに、入力光ファイバ425の第2端部も出力光ファイバ450の第1端部も、第3のマイクロチューブ150内で軸方向に(すなわち、基材400に平行な方向に)自由に移動する。
【0116】
図14の圧迫センサは、入力光ファイバ425の第2端部(すなわち、圧迫センサ465の入力)と出力光ファイバ450の第1端部(すなわち、圧迫センサ465の出力)との間の信号経路に配置された信号反射器185(すなわち、光反射器)をさらに備える。したがって、信号経路は以下を含む。
(a)入力光ファイバ425の第2端部と信号反射鏡との間にを設けられた空隙、
(b)信号反射鏡185自体、および
(c)信号反射鏡と出力光ファイバ450の第1端部との間の空隙。
信号反射器185は、マイクロミラーのようなミラーである。入力光ファイバ425の第2端部と出力光ファイバ450の第1端部の両方は、図14の非圧迫状態では、ミラー185から短い初期距離だけ離れている。
【0117】
使用時には、光源は初期光信号495を発する。光源495によって放射された初期光信号は、第1端部で入力光ファイバ425に入射する。入力光ファイバ425は、入力光ファイバ425の第1端部から入力光ファイバ425の第2端部まで初期光信号を導く。初期光信号は、入力光ファイバ425の第2端部から空隙に向けて出射される。入力光ファイバ425の第2端部と出力光ファイバ450の第1端部との間には信号経路がある。該信号経路は空隙を通過し、ミラー185からの反射を伴う。出力光ファイバー450の第1端部はセンサ信号を受信する。センサ信号は、初期光信号の少なくとも一部を含む光信号である。出力光ファイバ450は、出力光ファイバ450の第1端部によって受信されたセンサ信号を出力光ファイバ450の第2端部に導く。出力光ファイバ450の第2端部は光感知器に接続されている。光感知器はセンサ信号を感知する。
【0118】
図15は、図14の光学式圧迫センサ465の使用時における圧迫圧力の印加時を示す。使用時、圧迫圧力は、図1Aを参照して上述したように、圧縮包帯(または圧縮衣服)と人間の脚との間に圧迫センサ465および基材400を配置することによって印加される。
【0119】
図11図9図7図5および図3の前の例と同様に、圧迫圧力は基材400に垂直な方向である(または少なくとも基材400に垂直な方向の成分を含む)。圧迫センサ465の入力および出力(すなわち、入力光ファイバ425の第2端部および出力光ファイバ450の第1端部)は、それらの相対的な配置が圧迫センサ465に加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置される。
【0120】
圧迫センサ465に圧迫圧力が加えられると、第2のマイクロチューブ140は基材400に向かって下方に変位する。その結果、第2のマイクロチューブ140を通って延びる出力光ファイバ450の部分は、(第2のマイクロチューブ140と共に)基材400に向かって変位を受ける。出力光ファイバ450は弾性がないので、第2のマイクロチューブ140を通って延びる出力光ファイバ450の部分が下方に変位すると、出力光ファイバ450を部分的に第3のマイクロチューブ150から引き抜く。特に、出力光ファイバ450の第1端部は、固定ミラー185から離れるように第3のマイクロチューブ150に沿って軸方向変位を受ける。軸方向の変位(これは基材400に平行な方向である)は、入力光ファイバ425の第2端部と出力光ファイバ450の第1端部との相対的な構成、およびその間の信号経路を変化させる。特に、入力光ファイバ425の第2端部と出力光ファイバ450の第1端部との間の信号経路の長さは、出力光ファイバ450の第1端部とミラー185との間の距離が増加したために増加する)。換言すれば、上述の構成の変化は、圧迫センサ465の出力の基材400に平行な方向への変位を含む。軸方向の変位(基材400に平行な方向である)は、出力光ファイバ450の第1端部とミラー185との相対的な構成も変化させる。したがって、入力光ファイバ425の第2端部および出力光ファイバ450の第1端部は、圧迫圧力に応答して、入力光ファイバ425の第2端部および出力光ファイバ450の第1端部の少なくとも一方が、信号経路を変化させるように信号反射鏡185に対して相対的な変位を受けるように構成される。信号経路の長さが変化するため、入力光ファイバ425の第2端部から放出され、出力光ファイバ450の第1端部に入射する初期光信号の量は、(図15のように)圧迫下では、図14の非圧迫状態よりも低くなる。
【0121】
注目すべきことに、入力光ファイバ425(第2のマイクロチューブ140を通って延在していない)も、圧迫圧力の影響を多少受ける可能性がある。特に、入力光ファイバ425は、入力光ファイバ425の第2端部がミラー185からさらに引き離されるように、基材400に向かって下方に変位することもあり、それによって信号経路がさらに増加する。しかし、出力光ファイバ450の下方への変位は、マイクロチューブ140の存在によって増強されるため、入力光ファイバ425の下方への変位は、出力光ファイバ450の下方への変位よりも小さくなる。代替的な配置では、両方の光ファイバー425、450が第2のマイクロチューブ140を通って延び、圧迫センサ465の感度をより大きくすることができる。当業者であれば、出力光ファイバ450が第2のマイクロチューブ140を通って延びる代わりに、入力光ファイバ425が第2のマイクロチューブ140を通って延びるようにできることもわかるであろう。さらに別の選択肢では、第2のマイクロチューブ140を通って延在していない光ファイバの端部は、ミラー185に対して第3のマイクロチューブ150の所定の位置に固定することもできる。
<光学式圧迫センサの例6>
【0122】
図16は、光学式圧迫センサの一つの例を示す。図16に示す光学式圧迫センサ103は、光源を圧迫センサの入力に接続する入力コネクタが存在せず、圧迫センサの出力を光感知器に接続する出力コネクタも存在しないため、前述の図1Bに記載した第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95の少なくとも1つとしてそのまま作用するには適さない。その代わりに、図16に示す圧迫センサでは、圧迫センサの入力は光源616であり、圧迫センサの出力は光感知器625である。したがって、光源616および光感知器625は、図16では、図1Bに示すよう基材外への配置ではなく、基材690に結合されている。
【0123】
光源616は基材690に直接取り付けられておらず、光感知器625も基材690に直接取り付けられていない。その代わりに、光源616の一端は第1剛性スペーサ675によって基材690から分離され、光感知器625の一端は圧縮性スペーサ630によって基材690から分離される。光源616と光感知器630の他端は重なるように配置されている。
【0124】
この圧迫センサは、基材690と光感知器625との間に圧縮可能な部材(すなわち、圧縮可能なスペーサ630の形態)を含んでいる。別の構成では、圧縮性スペーサ630と剛性スペーサ675を入れ替えて、圧迫センサが基材690と光源616の間に圧縮性部材を含むようにすることもできる。
【0125】
感知装置はさらに、入力接点645と出力接点660を含む。接点645、660は、光学式圧迫センサを電子制御・電源装置に接続する。好ましくは、接点645、660は導電線である。
【0126】
使用時、光源616は初期光信号を発する。光源616によって放射された初期光信号の一部は、センサ信号として光感知器625によって直接感知される。このように、光源616と光感知器625との間には信号経路が存在する。
【0127】
光源616及び光感知器625は、光感知器625によって受信されるセンサ信号が光源616及び光感知器625の相対的な配置に応じて変化するように配置される。特に、センサ信号は、光源616と光感知器630との間の重なりの程度に応じて変化する。光源616と光感知器625は、それらの相対的な配置(すなわちそれらの重なり)が圧迫センサに加えられる圧迫圧力に応じて変化するように配置される。
【0128】
圧迫センサに圧迫圧力が加えられていない場合(すなわち、図16に示すように)、光源616と光感知器625およびその間の信号経路は、初期状態の圧迫されていない構成に配置される。
【0129】
図17は、圧迫圧力(すなわち、基材に垂直な成分を有する圧力)が加えられたときの圧迫センサを示している。圧迫圧力は圧縮性スペーサ630を基材に垂直な方向に圧縮する。その結果、信号感知器625は信号エミッタ675に対して相対的に変位する。
【0130】
光源616及び光感知器625は、付加的又は代替的に、圧迫圧力に応答して形状を変形させることができる。
【0131】
前述の変位又は変形は、光源616及び光感知器625の相対的な構成を変化させる。特に、光源616と光感知器625の重なりの程度が変化する。重なりが大きいほど、光感知器625によって受信されるセンサ信号は大きくなる。重なりが小さいほど、光感知器625によって受信されるセンサ信号は小さくなる。
【0132】
圧迫センサの感度は、圧縮性スペーサ630の材料特性に依存する。
【0133】
当業者であれば、剛性スペーサ675を、圧縮性スペーサ630とは異なる材料特性、異なる圧縮性を有する第2の圧縮性スペーサと置き換えることができることがわかるであろう。しかしながら、圧迫センサの感度を高めるために、剛性スペーサ675は剛性を持つことが好ましい。
【0134】
当業者であれば、図16および図17に示す圧迫センサが、図1Bの第1の圧迫センサ35、第2の圧迫センサ50、および第3の圧迫センサ95のうちの少なくとも1つとして機能するのに適しているように、図1Bに示す配置を適合させることができることがわかるであろう。例えば、入力コネクタを第1の接点645に置き換え、出力コネクタを第2の接点660に置き換えることができる。さらに、図16に図示したように、図1Bの信号エミッタおよび信号感知器は、圧迫センサの一部を形成するように移動させることができる。
<電力および制御装置>
【0135】
図18は、上述した感知装置の任意の実施例と共に使用できる電子制御・電源装置1520を概略的に示している。電子制御・電源装置1520は、信号増幅器、アナログ/デジタル変換器、マイクロコントローラまたは他のプロセッサ、メモリ、データロガー、無線伝送システム(例えばBluetooth(TM))、ディスクリート部品または集積電子部品、FPGA、DSP、ASIC等で構成することができる。マイクロコントローラーまたは他のプロセッサーは、センサ信号に基づいて感知装置に加えられた圧力の推定値を決定するように構成することができる。電子制御・電源装置は、感知装置に加えられる圧力の推定値の瞬間的な読み取り値を表示するように構成されたデジタルディスプレイ1530を備えてもよい。電子制御・電源装置1520は、例えば、圧迫包帯(又は衣服)が着用者にきつく又は緩く適用され過ぎている場合など、感知装置に加えられる圧力の推定値が目標範囲を外れている場合に警報を発するための音声インジケータ1500を含むこともできる。電子制御・電源装置1520の全体はハウジング内に収容することができる。
【0136】
感知装置によって決定された測定値は、マイクロプロセッサーで処理される前に、間隔をおいて捕捉され、データロガーに保存することができる。測定値は、所望の頻度、例えば1分ごと、1時間ごとなど、頻繁に取得し、データロガーに記録することができる。データロガーまたはマイクロプロセッサーからのデータは、送信システムによって遠隔の装置またはサーバーに送信される。これは、スマートフォン、ラップトップ、ポケットベル、または他のデバイスにすることができる。遠隔装置は、感知装置に加えられた、臨床評価に使用することができる圧力の推定値の記録を保持することができる。このデータ記録は、臨床医が感知装置を装着した患者の臨床モニタリングに使用することができる。
【0137】
電子制御・電源装置1520は、さらに、感知装置及び電子制御・電源装置1520の電気部品に電力を供給するための充電可能なコイン型電池を含んでもよい。電子制御・電源装置1520は、5V以下の電圧を供給する。電子制御・電源装置1520は、USBポート1500をさらに備え、このUSBポート1500によってデータロガーからデータを取り出すことができる。
【0138】
電子制御・電源装置1520は、粘着パッド、面ファスナー接続機構、または同様のものを介して圧迫包帯(または衣服)に取り付けられてもよいし、感知装置のハウジングまたはケーシングに一体化されてもよい。あるいは、電子制御・電源装置1520は、感知装置に通信可能に結合してもよい。例えば、電子制御・電源装置1520は、ケーブル、または他の適切な有線もしくは無線の電力および通信リンクによって接続され、感知装置から離れた場所(例えば、着用者が着用する衣服のポケット内、またはベッドサイドの台車上)に配置されてもよい。電子制御・電源装1520は、2mmHgから100mmHgの範囲の圧力を推定するように構成することができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】