(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】再構成可能なバイオプロセスシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20240424BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
G01N1/00 101L
G01N37/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561834
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2022060891
(87)【国際公開番号】W WO2022229097
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ゲバウアー
(72)【発明者】
【氏名】ティム・フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ルンディン
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・マルクス・オーロヴソン
(72)【発明者】
【氏名】シェシュティン・エリクソン
(72)【発明者】
【氏名】トマス・ダルモ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052CA12
2G052DA09
2G052EA00
2G052GA27
2G052HC04
2G052HC09
(57)【要約】
本発明は、所定のセットのバイオプロセス動作を実施するように動作可能である再構成可能なバイオプロセスシステム(80)に関する。再構成可能なバイオプロセスシステム(80)は、複数の弁アクチュエータ(102)を備える基礎ユニット(60)を備える。複数の弁アクチュエータ(102)のうちの少なくとも1つは、ピンチ弁カセット(103、203)の少なくとも一部と解放可能に係合して、ピンチ弁カセット(103、203)を通じて流体流れを制御するように動作可能である。ピンチ弁カセット(103、203)の少なくとも一部は、基礎ユニット(60)に取り外し可能に取り付け可能であり、ピンチ弁カセット(103、203)は前記複数の弁アクチュエータ(102)に隣接して提供される。再構成可能なバイオプロセスシステム(80)は、ピンチ弁カセット(103、203)の中に弁構成を提供して、基礎ユニット(60)およびピンチ弁カセット(103、203)に所定のセットのバイオプロセス動作のうちの1つを一緒に実施させることができるように、前記複数の弁アクチュエータ(102)のそれぞれを選択的に作動させるように動作可能な制御システムも備える。再構成可能なバイオプロセスシステム(80)での使用のための流れキット(107)と、バイオプロセスシステム(80)を(例えば、自動的に)再構成するための様々な方法(1000)とがまた開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のセットのバイオプロセス動作を実施するように動作可能な再構成可能なバイオプロセスシステム(80)であって、
複数の弁アクチュエータ(102)を備える基礎ユニット(60)であって、前記複数の弁アクチュエータ(102)のうちの少なくとも1つは、ピンチ弁カセット(103a、103b、103c)の少なくとも一部と解放可能に係合するように動作可能であり、それによって前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)を通る流体流れを制御し、前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)の少なくとも一部は前記基礎ユニット(60)に取り外し可能に取り付け可能である、基礎ユニット(60)と、
前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)の中に弁構成を提供して、前記基礎ユニット(60)および前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)に前記所定のセットのバイオプロセス動作のうちの1つを一緒に実施させることができるように、前記複数の弁アクチュエータ(102)のそれぞれを選択的に作動させるように動作可能な制御システムと、
を備える再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項2】
前記複数の弁アクチュエータ(102)は、前記バイオプロセスシステムの前記基礎ユニット(60)に取り付けられるアクチュエータ板(101、201)に、パターンで提供される、請求項1に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項3】
前記パターンは、弁アクチュエータ(102)の少なくとも1つの非長方形または非正方形の配置を含む、請求項1または2に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項4】
弁アクチュエータ(102)の前記配置は、少なくとも1つの六角形、五点形、および/または三角形のアクチュエータの配置を含む、請求項3に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項5】
前記所定のセットのバイオプロセス動作は、クロマトグラフィ動作、混合動作、および/または濾過動作のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項6】
前記複数の弁アクチュエータ(102)は、前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)と併用して、ピンチ弁アクチュエータとして動作可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項7】
前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)は、導管(209)または複数の相互接続された導管(209)を備える柔軟な配管用多岐管(206)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項8】
前記柔軟な配管用多岐管(206)は、少なくとも1つのエラストマ材料を備え、および/または、任意選択で強化される、請求項7に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのエラストマ材料は、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマ(TPE)、および/または熱可塑性ゴム(TPR)のうちの1つまたは複数を含む、請求項8に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項10】
前記ピンチ弁カセット(203)は、前記基礎ユニット(60)に取り外し可能に取り付け可能である係止板(204)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項11】
前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)の少なくとも前記取り外し可能な一部が使用のために前記基礎ユニット(60)に取り付けられるとき、前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)を自動的に識別するようにさらに動作可能である、請求項1から10のいずれか一項に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項12】
前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)または前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)の前記取り外し可能な一部の前記自動的な識別に応じて、前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)と協同して、前記所定のセットのバイオプロセス動作から選択される特定のバイオプロセス動作を実施するために、前記基礎ユニット(60)を自動的に構成するようにさらに動作可能である、請求項11に記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)。
【請求項13】
ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)における使用のための少なくとも1つの柔軟な配管用多岐管(206)を備える流れキット(107)であって、請求項1から12のいずれかに記載の再構成可能なバイオプロセスシステム(80)に取り外し可能に取り付け可能である流れキット(107)。
【請求項14】
i)複数の相互接続された導管(209)を備える少なくとも1つの柔軟な配管用多岐管(206)であって、アクチュエータ板(201)および/もしくは係止板(204)によって定められる1つもしくは複数の通路(211)の中に取り外し可能に収容されるように構成される少なくとも1つの柔軟な配管用多岐管(206)、
ii)アクチュエータ板(201)、
iii)係止板(204)、
iv)中間アクチュエータ深さアダプタ、ならびに/または、
v)前記少なくとも1つの柔軟な配管用多岐管(206)を収容するための外骨格挿入体(221)、
のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項13に記載の流れキット(107)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの柔軟な配管用多岐管(206)は、複数の相互接続された導管(209)のうちの少なくとも2つの相互接続された導管(209)の間に設けられるウェッビング(207)を備え、および/または、前記少なくとも1つの柔軟な配管用多岐管(206)は、実質的に「ジャンピングジャック」、アステリスク、もしくは星の形状である、請求項13または14に記載の流れキット(107)。
【請求項16】
バイオプロセスシステム(80)を再構成するための方法(1000)であって、
前記バイオプロセスシステム(80)における第1の流れキット(107)を、前記第1の流れキット(107)と関連付けられるバイオプロセス動作とは異なるバイオプロセス動作を実施するための第2の流れキット(107)に置き換えるステップ(1010)と、
前記第2の流れキット(107)の型式/種類を識別するステップ(1020)と、
前記第2の流れキット(107)の前記型式/種類の識別情報に基づいて前記バイオプロセスシステム(80)を再構成するステップ(1030)と、
を含む方法(1000)。
【請求項17】
ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)が前記バイオプロセスシステム(80)のために提供されるとき、前記ピンチ弁カセット(103a、103b、103c、203)の少なくとも一部を自動的に識別することにより、前記第2の流れキット(107)の型式/種類を識別するステップ(1020)を含む、請求項16に記載の方法(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してバイオプロセスシステムに関する。より詳細には、本発明は、様々な異なるバイオプロセス動作を実施するように、および/または、プロセスパラメータの異なるセットを使用するように動作可能である再構成可能なバイオプロセスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なバイオプロセスシステムが様々なバイオプロセス動作を実施するために知られている。例えば、液体クロマトグラフィ分離バイオプロセス動作が、バイオリアクタ内で作り出された所望のタンパク質、ワクチンなどの成分を他の成分から分離するために実施され得る。Cytiva(商標)Lifesciencesから入手可能なAKTA(商標)Ready Liquid Chromatography Systemなどの市販の製品は、このような目的のために使用され得る。バイオプロセスシステムのさらなる例は、例えばWO2019/081684A1およびEP2415856A1においても検討されている。
【0003】
バイオプロセス動作は、過去十年ほどにわたって、その中で使用される任意の再使用可能な構成要素を洗浄および/または殺菌する必要性を低減または排除するために、様々な一回の使用の(SU:Single Use)構成要素を益々使用し始めた。例えば、血液成分を分離するときの使用のための一回の使用のカセットが知られている。例えば、WO02/056992A1およびWO2007/136821A1を参照されたい。
【0004】
特定の一回の使用の構成要素は、使い捨ての流路および/または流路要素が設けられた使い捨ての流れキットの一部としても提供され得る。例えば、内部での流体流れを制御するためのピンチ弁を提供するように圧縮することができる柔軟な配管用多岐管を組み込む使い捨ての流れキットが提供され得る。例えば、米国特許出願第10,738,900(B2)号および米国特許出願第8,235,067(B2)号はこのような一回の使用のピンチ弁を説明している。
【0005】
しかしながら、使い捨ての流れキットが提供されているバイオプロセスシステムは、技術的にも能力および容易性を増加させたが、概して、1つの専用の種類のバイオプロセス動作(例えば、クロマトグラフィ、血液処理、濾過、または混合など)を提供することにのみなおも限られており、使用に向けて準備するために、比較的特殊化された技術的に訓練された作業者を必要とする可能性もある。
【0006】
したがって、添付の請求項によって定められているような本発明が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2019/081684A1
【特許文献2】EP2415856A1
【特許文献3】WO02/056992A1
【特許文献4】WO2007/136821A1
【特許文献5】米国特許出願第10,738,900(B2)号
【特許文献6】米国特許出願第8,235,067(B2)号
【特許文献7】WO2018/210403A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の様々な態様および実施形態が、添付の請求項によって定められている。
【0009】
第1の態様によれば、本発明は、所定のセットのバイオプロセス動作を実施するように動作可能な再構成可能なバイオプロセスシステムを提供する。所定のセットのバイオプロセス動作は、クロマトグラフィ動作、混合動作、および/または濾過動作など、2つ以上の異なる種類のバイオプロセス動作を好ましくは含む。
【0010】
再構成可能なバイオプロセスシステムは、複数の弁アクチュエータを備える基礎ユニットと、前記複数の弁アクチュエータのそれぞれを選択的に作動させるように動作可能な制御システムとを含む。複数の弁アクチュエータのうちの少なくとも1つは、ピンチ弁カセットの少なくとも一部と、ピンチ弁カセットを通る流体流れを制御するために、解放可能に係合するように動作可能であり、ピンチ弁カセットの少なくとも一部は基礎ユニットに取り外し可能に取り付け可能である。動作の間、ピンチ弁カセットは前記複数の弁アクチュエータに隣接して位置決めされる。
【0011】
ピンチ弁カセットを備える1つまたは複数の構成要素は、1つの特定のバイオプロセス動作を実施するために、バイオプロセスシステムの中で使用される一回の使用の流れキットの一部として好ましくは提供される。様々な実施形態において、流れキットは、任意選択で、このようなピンチ弁カセットの中で機能的に実現される少なくとも1つのセンサ機能を提供するようにさらに適応させられ得る。
【0012】
そのため制御システムは、ピンチ弁カセットの中に弁構成を提供して、基礎ユニットおよびピンチ弁カセットに所定のセットのバイオプロセス動作のうちの1つを一緒に実施させることができるように、前記複数の弁アクチュエータのそれぞれを選択的に作動させるように動作可能である。
【0013】
このような再構成可能なバイオプロセスシステムを提供することによって、単一の基礎ユニットが複数の異なる種類のバイオプロセス動作を提供するために使用され得るだけでなく、このようなバイオプロセスシステムは、以下に提供されている説明から明らかになるように、操作する使用者/作業者の技術に従来必要とされているほど熟達を要しなくともよい。
【0014】
本発明の態様および実施形態のさらなる便益および利点も、本明細書に提供されている開示を読むとき、当業者には明らかになる。
【0015】
本発明の様々な態様および実施形態は、添付の図面を参照して以下においてより詳細に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の様々な実施形態による使用のための再構成可能なバイオプロセスシステムの基礎ユニットの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステムを提供するために、使い捨ての流れキットに接続された
図1の基礎ユニットの図である。
【
図3】
図1の基礎ユニットにおける使用のためにアクチュエータ板に設けられた複数の弁アクチュエータを備える弁モジュール配置ユニットの図である。
【
図4】本発明の実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステムの基礎ユニットにおける使用のために、ピンチ弁カセットと、アクチュエータ板に設けられた複数の弁アクチュエータとを備える弁モジュール配置の図である。
【
図5】本発明の様々な実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステムの基礎ユニットにおける使用のための弁モジュール配置の図である。
【
図6】
図5の弁モジュール配置内に設けられ、
図4の弁モジュール配置と共に使用するためにも設けられ得る柔軟な配管用多岐管の図である。
【
図7】本発明の実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステムの基礎ユニットと共に使用するための、ピンチ弁カセットを備えるさらなる弁モジュール配置の図である。
【
図8A】バイオプロセスシステム基礎ユニットに取り付けられたアクチュエータ板に設けられ、第1のバイオプロセス動作における使用のために構成されている弁アクチュエータの第1のパターンの図である。
【
図8B】バイオプロセスシステム基礎ユニットに取り付けられたアクチュエータ板に設けられ、第2のバイオプロセス動作における使用のために構成されている弁アクチュエータの第1のパターンの図である。
【
図9】バイオプロセスシステム基礎ユニットに取り付けられたアクチュエータ板に設けられ、少なくとも1つのバイオプロセス動作における使用のためにそれぞれが構成されている弁アクチュエータの第2のパターンの図である。
【
図10】本発明の実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステムの基礎ユニットにおける使用のために、ピンチ弁カセットと、アクチュエータ板に設けられた複数の弁アクチュエータとを備える弁モジュール配置の図である。
【
図11】
図10のピンチ弁カセットと共に使用するための外骨格挿入体の図である。
【
図12】
図11の外骨格挿入体のための接続配置をより詳細に示す図である。
【
図14】開状態での
図10の弁モジュール配置の再構成版の図である。
【
図15】本発明の様々な実施形態による使用のための再構成可能なバイオプロセスシステムのさらなる基礎ユニットの概略図である。
【
図17】本発明の様々な実施形態によるバイオプロセスシステムを再構成するための方法の図である。
【
図18A】本発明の再構成可能なバイオプロセスシステムにおける使用のための柔軟な配管用多岐管の実施形態の図である。
【
図18B】本発明の再構成可能なバイオプロセスシステムにおける使用のための柔軟な配管用多岐管の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の様々な実施形態による使用のための再構成可能なバイオプロセスシステム80の基礎ユニット60を概略的に示している。再構成可能なバイオプロセスシステム80は、複数の弁アクチュエータ102が設けられている前面61において筐体62を有する基礎ユニット60を備える。複数のアクチュエータ102の主本体は筐体62の中に収容され、アクチュエータ102は、弁作動ユニット100のそれぞれのアクチュエータ板101を通じて、前面61を貫いて外方へ延びる部分を追加的に有する(さらなる詳細については、例えば
図3を参照されたい)。3つの異なる弁作動ユニット100が
図1の実施形態では示されているが、より少ない弁作動ユニット100を使用するか、または、筐体62の前面61(もしくは異なる面)において弁アクチュエータ102を提供するための代替の配置を使用する様々な実施形態が、提供され得る。
【0018】
筐体62は、前面61に隣接する角に設けられている細長い凹所64を含む。取り外し可能なクロマトグラフィカラム70が、筐体62に連結された基礎部分68、または、筐体62の一部として形成されている基礎部分68において、凹所64に設けられているものとして示されており、クロマトグラフィを伴うバイオプロセス動作、または、プロセスパラメータの異なるセットの使用を必要とするその変形を実施するために使用され得る。したがって、クロマトグラフィカラム70は、筐体62の据え付け面積内に設けられ、任意選択で必要とされる場合、1つまたは複数の種類のバイオプロセス動作のために使用され得る。
【0019】
筐体62の前面61に設けられた3つの異なる弁作動ユニット100に加えて、ポンプモジュールユニット105も基礎ユニット60の中に設けられている。このポンプモジュールユニット105は、
図2と関連して以下説明されている種類の流れキット107に接続され得る高圧流体ポンプおよび低圧流体ポンプを好ましくは備える。使用中、これらのポンプは、バイオプロセス動作を実施させることができるように、流れキット107を通じて流体流れを駆動するように作用することができる。
【0020】
弁作動ユニット100は、前面61から実質的に垂直に延びる複数の突出した弾性的に移動可能な突起106を備える(
図3は、これらをより詳細に示している)。各々の弁作動ユニット100は、
図2の流れキット107の一部として示されている種類のピンチ弁カセット103a、103b、103cを複数の弁アクチュエータ102に隣接して位置決めするために、少なくとも1つのピンチ弁カセット103a、103b、103cが基礎ユニット60に取り外し可能に取り付け可能となるように、突起106を使用してピンチ弁カセット103a、103b、103cにそれぞれ解放可能に連結できる。
【0021】
したがって、基礎ユニット60の前面61を通じて外方へ延びる弁アクチュエータ102の一部分は、ピンチ弁カセット103a、103b、103cに設けられた柔軟な配管用多岐管と解放可能に係合するために、ピンチ弁カセット103a、103b、103cが設置されると、ピンチ弁カセット103a、103b、103cへと突出することができる。制御システムによる弁アクチュエータ102の作動または作動停止は、これらの外方へ延びる一部分に、柔軟な配管用多岐管への圧力を適用または解放させて、ピンチ弁の作動/作動停止を提供し、したがって、これはさらに、ピンチ弁カセット103a、103b、103cを通じた流体流れを制御するために使用できる。
【0022】
したがって、制御システムは、ピンチ弁カセット103a、103b、103cの中に弁構成を提供して、基礎ユニット60およびピンチ弁カセット103a、103b、103cに所定のセットのバイオプロセス動作のうちの1つを一緒に実施させることができるように、前記複数の弁アクチュエータ102のそれぞれを選択的に作動させるように動作可能である。
【0023】
様々な実施形態において、このような所定のセットのバイオプロセス動作は、クロマトグラフィ動作、混合動作、および/または濾過動作などのうちの1つまたは複数など、異なる種類のバイオプロセス動作を含み得る。所定のセットは、同じ種類のバイオプロセス動作を使用するが、異なる直径の流路の導管および/または配管などを収容し、それによって、必要とされ得る異なる動作流量、処理量、および/またはシステム持続量に適応する動作を、追加または代替で含み得る。所定のセットは、1つの種類の単位動作内に、より複雑な流路、またはより複雑でない流路の動作を含むことができる。
【0024】
しかしながら、バイオプロセス動作のこのようなセットが、その動作パラメータが変更される1つまたは複数の異なる種類のバイオプロセス動作を追加または代替で含み得ることは理解されよう。例えば、クロマトグラフィ動作が選択されてもよく、1つまたは複数の異なる種類のこのようなクロマトグラフィ動作および/または動作パラメータのセットが(例えば、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、逆相クロマトグラフィ(RPC)、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、および/または擬似移動床法(SMB)クロマトグラフィなどのために)選択されてもよい。
【0025】
他の例では、濾過、流体条件付け(例えば、混合ステップおよび/または反応ステップなどを含む)など、クロマトグラフィ以外の単位動作が選択され得る。濾過動作の場合、ノーマルフロー濾過、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)、ウイルス濾過、保持液再循環を伴うクロスフロー濾過(マルチパス濾過)、および/または、シングルパス濾過構成でのクロスフロー濾過など、異なる種類の濾過が選択され得る。
【0026】
図2は、本発明の実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステム80を提供するために基礎ユニット60に取り付けられる使い捨ての流れキット107に接続されるときの、
図1の基礎ユニット60の前面61の図を示している。
【0027】
選択される流れキット107は、望まれるバイオプロセス動作に依存する。この例では、流れキット107は、クロマトグラフィ動作を含むバイオプロセス動作のために提供される。流れキット107は、例えば、予め殺菌された形態で包装されて提供され得る。
【0028】
この実施形態では、流れキット107はいくつかのピンチ弁カセット103a、103b、103cを備える。しかしながら、提供されているこのようなピンチ弁カセットの数は、限定の因子ではない。ピンチ弁カセット103a、103b、103cのそれぞれは、基礎カセット板および外側カセット板を有する「サンドイッチ」式構造として形成されてもよい。基礎カセット板と外側カセット板とが一緒に連結され、それらの板の間に少なくとも1つの通路を一緒に提供する。
【0029】
基礎カセット板は、ピンチ弁カセット103a、103b、103cが本来の位置にあるときに弁アクチュエータ102のそれぞれと並ぶ複数のビア/孔を組み込み得る。したがって、このようなビアは、それぞれのアクチュエータ板101の表面に対して実質的に垂直に延び得る。基礎ユニット60の前面61を通じて外方へ延びる弁アクチュエータ102の一部分は、それぞれのビアを通過し、基礎カセット板と外側カセット板との間に形成されるそれぞれの通路の中で移動可能である。
【0030】
特定の実施形態では、弁アクチュエータ102またはその一部は、柔軟な配管用多岐管のそれぞれにおいて直接的に作用することができる。弁アクチュエータ102は、それらの間に位置決めされるアクチュエータヘッド(図示されていない)を駆動するために使用されてもよい。任意のこのようなアクチュエータヘッドが、流れキット107の消耗品として提供され得る。
【0031】
基礎カセット板および外側カセット板のうちの1つまたは複数の少なくとも一部は、比較的硬いポリマに基づく材料を含み得る。例えば、このような材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、熱可塑性プラスチック、ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルイミド(PEI)、ULTEM樹脂、脂肪族ポリアミド、ナイロン、ポリフェニルスルホン、RADEL、フッ素ポリマ、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート、ポリスルホン(PSU)などのうちの1つまたは複数を含み得る。金属材料(例えば、ステンレス鋼)などの様々な他の材料が、代替または追加で使用されてもよい。
【0032】
流れキット107は、基礎カセット板と外側カセット板との間に形成される1つまたは複数の通路の中に提供される柔軟な配管用多岐管をさらに備える。柔軟な配管用多岐管は、必ずではないが好ましくは、基礎カセット板と外側カセット板との間に固定される。このような柔軟な配管用多岐管は、例えば、配管の単一の真っ直ぐな区域を備え得るが、そのほとんどの実施形態は複数の相互接続された導管を備えることになる。これらは、任意の具体的なバイオプロセス動作のために必要とされるような配管の実質的に真っ直ぐな区域および/または湾曲した区域から形成され得る。
【0033】
柔軟な配管用多岐管は少なくとも1つのエラストマ材料を好ましくは含む。柔軟な配管用多岐管は、柔軟な配管用多岐管自体および/またはその外部における配管の中で、その少なくとも一部分が強化されてもよい。様々な実施形態において、少なくとも1つのエラストマ材料は、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマ(TPE)、および/または熱可塑性ゴム(TPR)のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0034】
本発明の様々な実施形態は、一回の使用の技術を使用することができる。したがって、このような実施形態は、予め殺菌され得る無菌コネクタなどの1つまたは複数の構成要素を含み得る。例えば、ガンマ線滅菌が使用でき、適合性のある様々な材料が提供され得る。
【0035】
基礎カセット板と外側カセット板とによって形成されるようなピンチ弁カセット103a、103b、103cの本体は、弁作動ユニット100に設けられた6個の突出する弾性的に移動可能な突起106によって、それぞれのアクチュエータ板101に隣接する位置で保持される。突起106は、ピンチ弁カセット103a、103b、103cの本体がアクチュエータ板101に隣接する動作位置へと押されるとき、摩擦によって、および/または、外側カセット板にわたって締め付くフック状部分を使用することによって、ピンチ弁カセットの本体を所定位置で保持することができる。ピンチ弁カセット103a、103b、103cを解放可能に取り付けるための他の機構も考えられ、様々なこのような例が、
図4、
図5、
図7、および
図10と関連して後で説明されている。したがって、ピンチ弁カセット103a、103b、103cは、バイオプロセスシステム80へと取り外し可能に取り付け可能である。
【0036】
様々な表面起伏案内特徴部または他の案内特徴部(図示されていない)もまた、基礎カセット板と外側カセット板とによって形成されるピンチ弁カセット103a、103b、103cの本体がアクチュエータ板101に対して容易および正確に位置付けられ得ることを確保するために、提供されてもよい。
【0037】
ピンチ弁カセット103a、103b、103cの通路内の弁アクチュエータ102の移動は、通路内のピンチ弁動作を提供する。例えば、弁アクチュエータ102を作動させることによって、弁アクチュエータ102の外方に延びる一部分を、ピンチ弁カセット103a、103b、103cの通路内の柔軟な配管用多岐管の一部と係合させて、外側カセット板に向けて付勢させることで、柔軟な配管用多岐管を閉じさせ、それを通る流体流れを防止することになる。続いて、弁アクチュエータ102を作動停止させることによって、柔軟な配管用多岐管を、その初期の開状態に向けて弾性的に戻させることで柔軟な配管用多岐管を開けさせて、それを通る流体流れを可能にする。
【0038】
第1のピンチ弁カセット103aが、入口82とポンプモジュールユニット105のポンプとの間の流体連通を提供し、入口多岐管として作用する。ポンプはシステム80内の流体の流れを駆動する。第1のピンチ弁カセット103aは、異なる数の入口82がポンプの各々に提供され得るように構成され得る。第1のピンチ弁カセット103aを通る流れの構成は、第1のピンチ弁カセット103aが取り付けられる弁作動ユニット100における複数の弁アクチュエータ102の選択的な作動によって提供される弁構成によって決定される。
【0039】
ポンプはT字区域86にも流体接続され、T字区域86は、異なる流体の混合を可能とする(ここでは、例えば、異なる流体が各々のポンプに提供される)、または、増加した流体圧力を可能とする(ここでは、例えば、同じ流体が各々のポンプに提供される)。T字区域86からの出口は第2のピンチ弁カセット103bに流体接続される。
【0040】
第2のピンチ弁カセット103bは、分離ユニット(ここでは、クロマトグラフィカラム70)を介して流体流れを向かわせるように作用するシステム弁カセットまたは主処理ユニットの形態で動作する。これは、(i)空気トラップ、(ii)ポートの第1の対92に接続されたフィルタ、および(iii)ポートの第2の対94に接続されるクロマトグラフィカラム70を通じて流体を制御可能に経路決定させるために、柔軟な配管用多岐管のそれぞれの相互接続された導管を介して、切り替え可能な流体接続を提供する。これらの構成要素を通じての流体の経路決定は、第2のピンチ弁カセット103bが取り付けられる弁作動ユニット100における複数の弁アクチュエータ102の選択的な作動によって提供される弁構成によって決定される。例えば、クロマトグラフィカラム70を通過する流体は、ポートの第2の対94のうちの1つを介して第2のピンチ弁カセット103bに戻すことができる。
【0041】
様々な他の感知デバイス(例えば、処理制御および監視のための)が、柔軟な配管用多岐管の導管を通じて、第2のピンチ弁カセット103bに任意選択または代替で接続されてもよい。例えば、圧力感知デバイス、塩レベル/濃度検出デバイス、伝導性感知デバイス、UVプロテイン検出器/フローセル、および/または、空気レベル/存在検出デバイスなどが提供されてもよい。
【0042】
流出コネクタ96が、第2のピンチ弁カセット103bを第3のピンチ弁カセット103cに流体接続する。したがって、クロマトグラフィカラム70を通過する流体は、第2のピンチ弁カセット103bから流出コネクタ96を通じて第3のピンチ弁カセット103cへと導くことができる。様々な実施形態において、UVフローセルが、クロマトグラフィで分離された成分(例えば、タンパク質など)の存在を検出させることができるように、流出コネクタ96の中に(または、望まれる場合にはバイオプロセスシステム80における他のどこかに)提供されてもよい。
【0043】
クロマトグラフィで分離された成分の存在(および/または、その成分の無いこと、タイミング、他/代替のセンサ入力など)に基づいて、第3のピンチ弁カセット103cは、様々な生物製品、廃棄製品などを、複数のこのような出口88から選択される適切な出口88へ向かわせるように動作させられ得る。次に、これらの成分は、所望のバイオプロセス動作に依存して、最終製品を形成するためのさらなる処理、廃棄、再循環、混合、希釈、濾過などがされ得る。
【0044】
ピンチ弁カセット103の様々な実施形態が考えられる。例えば、(例えば、1つまたは複数のピアノキーの種類の配置と類似の)1つまたは複数のレバー機構を含むピンチ弁カセット103が、提供され得る。このようなレバー機構は、弁アクチュエータ102と柔軟な配管用多岐管との間の中間構成要素として提供されてもよい。したがって、レバー機構は、アクチュエータ領域の外側からのピンチ弁の作動、および/または、ピンチ弁作動力を高めるために提供される機械的利点を可能にする。
【0045】
図3は、
図1の基礎ユニット60における使用のためにアクチュエータ板101に設けられた複数の弁アクチュエータ102を備える弁作動ユニット100を示している。様々な実施形態において、例えば、Carten(登録商標)Controls Inc.、604 West Johnson Avenue、Cheshire、Connecticut、CT 06410、USAから入手可能で、WO2018/210403A1においてさらに記載されているCarten(登録商標)BPVシリーズの衛生ピンチ弁(および、その副構成要素/変更構成要素)が、使用できる。Emerson Electric Co.、8000 West Florissant Avenue、P.O. Box 4100、St. Louis、MO 63136、USAから入手可能なASCO(商標)Series 273のピンチ弁(および、その副構成要素/変更構成要素)も、使用できる。
【0046】
複数の弁アクチュエータ102は、この例では4×3の長方形の格子パターン(4本の鉛直の縦列と3本の水平の横列)に対応するパターンで提供されている。縦列の間隔(x)および横列の間隔(y)は、それらの間ではそれぞれ等しいが、この例では長方形の配置を提供するように横列と縦列との間で異なっており、つまり、(x=yである正方形のパターンに反して)x≠yである。しかしながら、複数の弁アクチュエータ102についての他のパターン変形は考えられており、そのうちのいくつかは後でさらに詳述される。
【0047】
弁作動ユニット100は、弁アクチュエータ板101から実質的に垂直に延びる複数の突出した弾性的に移動可能な突起106を備える。
図3に示されている例では、6つの突起がある。3つの突起106の第1のグループ108は、弁アクチュエータ102のパターンの第1の側に配置されている。3つの突起106の第2のグループ110は、弁アクチュエータ102のパターンの第2の側に配置されており、第2の側は第1の側の反対にある。
【0048】
各々の突起106は、ピンチ弁カセット103a、103b、103cと解放可能に係合するように構成される遠位端において突出部112を備え得る。この構成において、ピンチ弁カセット103a、103b、103cが取り付けられるとき、ピンチ弁カセット103a、103b、103cの一部分が、突出部112によって、アクチュエータ板101に接して、突起の相対するグループ108、110の間で保持される状態で、突起の相対するグループ108、110の間のスナップ留め取り付けが提供される。突出部112は、突起の相対するグループ108、110の間にピンチ弁カセット103a、103b、103cを挿入するときに助けるためのそれぞれの斜め面114も各々が備え得る。
【0049】
この実施形態の代替の変形において、突起106は、任意の使用されているピンチ弁カセット103a、103b、103cの取り外しの容易性を可能とするために、例えばグループまたは個別のいずれかで、枢動可能および/または係止可能であり得る。さらに、様々な追加または代替の案内/係止/位置付けの特徴は、本明細書で開示されている実施形態のいずれかと併用しての使用のために、ピンチ弁カセット103a、103b、103c、またはその本体の一部として提供されてもよい。
【0050】
弁アクチュエータ102は、基礎ユニット60に提供されている制御システムによって個別に動作可能である。この例では、制御システムは、基礎ユニット60内において、モジュール式の形態で弁作動ユニット100自体に提供されているが、本発明のすべての実施形態について必ずしもそのようになっておらず、基礎ユニットにおけるどこか他に、または、遠隔に提供されてもよい。様々な実施形態において、制御システムは、Emerson Electric Co.、8000 West Florissant Avenue、P.O. Box 4100、St. Louis、MO 63136、USAから商業的に入手可能な、様々なASCO(商標)制御装置なども使用できることを含み得る。
【0051】
図4は、本発明の様々な実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステム80の基礎ユニット60における使用のために、ピンチ弁カセット203と、アクチュエータ板201に設けられた複数の弁アクチュエータとを備える弁モジュール配置200を示している。
【0052】
ピンチ弁カセット203は、ネジ係止部210を使用して少なくとも角部分において基礎ユニット60に取り外し可能に取り付け可能である係止板204を備える。ネジ係止部210は、アクチュエータ板201に取り付けられ、アクチュエータ板201に対して枢動され得る。係止板204は、ヒンジ208を介してアクチュエータ板201にさらにヒンジで取り付けられる。係止板204および/またはアクチュエータ板201に設けられる表面特徴部は、柔軟な配管用多岐管206が挿入される通路211を定める。柔軟な配管用多岐管206自体は、(例えば、流体の流入/流出のために設けられている2つのポートを伴う)1つの導管、または、(例えば、流体の流入/流出のために設けられている3つ以上のポートを有する)複数の相互接続された導管を備え得る。
【0053】
様々な代替の実施形態において、基礎ユニット60のシャーシ壁の一部は、アクチュエータ板201と等価の機能を提供することができる。しかしながら、分離可能なアクチュエータ板201を提供することによって、再構成可能性のさらなる度合いが、例えばピンチ弁カセット203およびそれらの構成の交換/変更のためだけでなく、バイオプロセスシステム80の点検および保守の助けとなるためにも提供される。
【0054】
ヒンジ208は係止板204をアクチュエータ板201に永久的に取り付けることができる一方、様々な好ましい実施形態においては、ヒンジ208は解放可能に取り付け可能な機構を備える。これは、通路の変更可能なセットを提供して様々な柔軟な配管用多岐管206を収容するために、様々な係止板204をアクチュエータ板201に取り付けることを可能にする。様々な係止板204は、流れキット107の一部が設けられ得る、または、流れキット107の一部として設けられ得る。したがって、バイオプロセスシステム80はさらに再構成可能に作られる。
【0055】
流れキット107が、まだ存在していない場合、このような流れキット107がまだ設置されていない基礎ユニット60に設けられるピンチ弁カセット203へと、アクチュエータ板201に取り付けられるヒンジ208に係止板204を接続することにより、設置され得る。代替で、例えば、異なる種類のバイオプロセス動作が以前に行われたものに対して実施される場合、交換用係止板204が設置され得る。そのため、流れキット107の柔軟な配管用多岐管206が、ピンチ弁カセット203において通路を形成するアクチュエータ板201の表面特徴部と並べられ得る。任意選択で、クリップなど(図示されていない)が、アクチュエータ板201における表面特徴部が通路の一部を形成するために提供されているかどうかに拘わらず、柔軟な配管用多岐管206をアクチュエータ板201に対して所定位置で保持するために使用されてもよい。
【0056】
アクチュエータ板201に対して実質的に垂直でない配向にまだなっていない場合、ネジ係止部210はこのような配向へと枢動させられる。そのため、係止板204は、アクチュエータ板201と実質的に平行になるように、ヒンジ208の周りで枢動させられる。それによって、係止板204および/またはアクチュエータ板201の表面特徴部は、柔軟な配管用多岐管206が中で位置決めされる通路を定める。柔軟な配管用多岐管206をこの位置で保持するために、ネジ係止部210は、アクチュエータ板201に対して実質的に垂直である配向へと枢動させられ、それによってネジ係止部210の一部分が切り込み213に位置する。ネジ係止部210のネジ山の締め付けは、ネジ係止部210を係止板204の表面に圧し掛からせ、再構成可能なバイオプロセスシステム80の動作の間、ネジ係止部210を所定位置に保持する。
【0057】
流れキット107を取り外すために、例えば、バイオプロセス動作が完了すると、ネジ係止部210が解放され、非垂直な配向に向けて枢動させることができ、それによって、ネジ係止部210のあらゆる部分が切り込み213からなくなる。そのため、係止板204は、柔軟な配管用多岐管206が露出されるように、ヒンジ208の周りで枢動させられる。その後、柔軟な配管用多岐管206が取り外され得る。
【0058】
図5は、本発明の様々な実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステム80の基礎ユニット60における使用のための弁モジュール配置200の図である。
図5の弁モジュール配置200は、開状態での
図4の変形を示している。係止板204は複数(この場合、6個)の孔219を備える。弁モジュール配置200は、閉位置に設定されるときに係止板204のそれぞれの孔219へと入る(6個の)ピン217を備える。ピンは、柔軟な配管用多岐管206を弁アクチュエータ102に対して正確な位置へと位置決め/案内するのを助ける。さらに、ピン217のこのような配置は柔軟な配管用多岐管206を所定位置に保持させる一方で、柔軟な配管用多岐管206は、重力の影響の下で下方へ落ちたり滑ったりすることなく実質的に鉛直に配向される。したがって、バイオプロセスシステムの作業者は、一方の手で柔軟な配管用多岐管206を所定の位置に保持しつつ、同時に他方の手で弁モジュール配置200を閉じておく必要がない。
【0059】
図6は、
図5の弁モジュール配置200の中に設けられた柔軟な配管用多岐管206を示している。柔軟な配管用多岐管206は、
図4の弁モジュール配置200において使用されてもよい。
【0060】
柔軟な配管用多岐管206は、ある数(M)のそれぞれの導管209a、209b、209c、209d、209eから形成され、その数は、この場合には5個である(つまり、M=5)。実質的に鉛直の配向で示されている中心導管209aが、反対方向で対置された横方向に延びる導管209b、209c、209d、209eの2つの対に接続される。反対方向で対置された横方向に延びる導管の第1の対209b、209dは、中心導管209aの中心軸に沿って、反対方向で対置された横方向に延びる導管の第2の対209c、209eに対して離間されている。反対方向で対置された横方向に延びる導管の第1の対209b、209dと、反対方向で対置された横方向に延びる導管の第2の対209c、209eとは、互いに対して実質的に平行でもある。
【0061】
4個の最も下のピン217は柔軟な配管用多岐管206を支持する。ピン217の第1の最も下の対は、反対方向で対置された横方向に延びる導管の第1の対209b、209dを支持する。ピン217の第2の中間に位置決めされた対は、反対方向で対置された横方向に延びる導管の第2の対209c、209eを支持する。したがって、このような配置は、柔軟な配管用多岐管206が重力の影響の下で下方へ滑るのを防止し、それによって流れキットの設置を容易にするのを助ける。
【0062】
図7は、本発明の様々な実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステム80の基礎ユニット60と共に使用するための、それぞれのピンチ弁カセットを備えるさらなる弁モジュール配置500a、500bの図である。これらの弁モジュール配置500a、500bは、
図4~
図6の弁モジュール配置と同様である。第1の弁モジュール配置500aは、柔軟な配管用多岐管206が設けられた閉状態で示されている。また第2の弁モジュール配置500bは、開状態にあり、それによって柔軟な配管用多岐管206が露出されている弁モジュール配置を示して描写されている。
【0063】
柔軟な配管用多岐管206は、弁モジュール配置500a、500bと共にこれも使用することができる代わりの柔軟な配管用多岐管206'に隣接する第1の弁モジュール配置500aの下にさらに描写されている。柔軟な配管用多岐管206、206'の各々は、ある数(M)のそれぞれの導管209a、209b、209c、209d、209eから形成され、その数は、この場合には5個である(つまり、M=5)。弁モジュール配置500bにおいて実質的に鉛直の配向で示されている中心導管209aが、反対方向で対置された横方向に延びる導管の2つの対209b、209d、209c、209eに接続される。反対方向で対置された横方向に延びる導管の第1の対209b、209dは、中心導管209aの中心軸に沿って、反対方向で対置された横方向に延びる導管の第2の対209c、209eに対して離間されている。反対方向で対置された横方向に延びる導管の第1の対209b、209dと、反対方向で対置された横方向に延びる導管の第2の対209c、209eとは、互いに対して実質的に平行でもある。
【0064】
代わりの柔軟な配管用多岐管206'は、導管209a、209b、209c、209d、209eのそれぞれの間に設けられた6つのウェッビング部分207のセットをさらに備える。これらは、i)中心導管209aと第1の横方向に延びる導管209bとの間と、ii)中心導管209aと第2の横方向に延びる導管209dとの間と、iii)中心導管209aと第1の横方向に延びる導管209bと第3の横方向に延びる導管209cとの間と、iv)中心導管209aと第2の横方向に延びる導管209dと第4の横方向に延びる導管209eとの間と、v)中心導管209aと第3の横方向に延びる導管209cとの間と、vi)中心導管209aと第4の横方向に延びる導管209eとの間とに設けられる。
【0065】
導管209a、209b、209c、209d、209eは、その相互係止するV字形の部分によって結合され得る。これらは、溶接、接着、型成形などがされてよく、好ましくは、このような結合から離れると導管209a、209b、209c、209d、209eに対して比較的柔軟である結合領域を提供する。したがって、このような結合領域は、ピンチ弁の一部として動作するときに作動/変形の領域として有用であり、任意選択では強化された材料を使用して形成されてもよい。
【0066】
柔軟な配管用多岐管206、206'は少なくとも1つのエラストマ材料を好ましくは含む。例えば、少なくとも1つのエラストマ材料は、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマ(TPE)、および/または熱可塑性ゴム(TPR)のうちの1つまたは複数を含み得る。柔軟な配管用多岐管206、206'は、柔軟な配管用多岐管206、206'自体および/またはその外部における配管の中で、その少なくとも一部分が強化されてもよい。ウェッビング207などが設けられるが、これは任意選択では、柔軟な配管用多岐管206'の材料と異なる材料を使用して形成され得る。このようなウェッビング207は、望まれる場合にはそれ自体で強化されてもよい(例えば、繊維の材料が内部に提供される)。
【0067】
様々な実施形態において、ウェッビング207の1つまたは複数の部分には、1つまたは複数の孔が設けられ得、これを通して1つまたは複数の対応するピン217が配置され得る。したがって、このような配置は、ピンチ弁カセット内に柔軟な配管用多岐管206'の固定を提供することができる。このような配置は、配管の正しく正確な位置決めをさらに容易にするだけでなく、設置中の使用の容易性を増加させる。
【0068】
弁モジュール配置500a、500bは、それぞれのヒンジ留め係止板204を備える限り、
図4~
図6に示されているものと同様である。任意選択で、ヒンジ留め係止板204は、アクチュエータ板201から完全に取り外し可能/分離可能であり得る。これらは、(例えば、流れキット107の一部として)消耗品に予め取り付けられて提供されてもよい。次に、適合または取り付けの特徴が、消耗品(例えば、流れキットブロック)をアクチュエータ板201に(例えば、好ましくはそのアクチュエータ側に)、外れ止めするために設けられてもよい。これらの実施形態では、係止板204およびアクチュエータ板201は、ステンレス鋼、アルミニウムなどのうちの1つまたは複数など、金属材料を使用して形成されるが、代替の材料が使用されてもよい。
【0069】
係止板204は、その内部に形成された複数の通路を備える。係止板204に形成された切り込み213は、移動可能なネジ係止部210と係合するように構成され、ネジ係止部210は、係止板204をアクチュエータ板201に固定するための蝶ナットを備える。
【0070】
柔軟な配管用多岐管206、206'は、アクチュエータ板201に隣接して設けられる。移動可能なネジ係止部210が切り込み213において保持された状態で、係止板204が閉位置にあるとき、柔軟な配管用多岐管206、206'の複数の導管209a、209b、209c、209d、209eは、係止板204のそれぞれの相補的な通路の中で保持される。したがって、ピンチ弁カセット203は、アクチュエータ板201、係止板204、および/または柔軟な配管用多岐管206、206'の少なくとも一部のうちの1つまたは複数を備えて提供されてもよい。このような構成要素201、204、206、206'のうちの1つまたは複数はさらに、使い捨てであってもよい、および/または、流れキット107の一部として提供されてもよい。
【0071】
図8Aおよび
図8Bは、バイオプロセスシステム基礎ユニット60に取り付けられたアクチュエータ板101、201に設けられ、各々のそれぞれの図の上方部分において、第1および第2のバイオプロセス動作における使用のためにそれぞれ構成されている弁アクチュエータ102の第1のパターン111の図である。ある数Nの弁アクチュエータ102が提供される。この例では、5個の弁アクチュエータ102が第1のパターン111に応じて提供されている(つまり、N=5)。第1のパターン111は五点形である。
【0072】
図8Aの下方部において、ピンチ弁カセット203に設けられている第1の柔軟な配管用多岐管206"が、アクチュエータ板101、201に接する位置で概略的に示されている。係止板204は明確性の理由のために示されていない。第1の柔軟な配管用多岐管206"は、9つのそれぞれの導管209a'、209b'、209c'、209d'、209e'、209f'、209g'、209h'、209i'を備える。4つの径方向で最も外側の導管209a'、209b'、209c'、209d'は、それぞれの流体流入/流出ポートに接続される。4つの最も内側の導管209e'、209f'、209g'、209h'は、台形の形態で、4つの径方向で最も外側の導管209a'、209b'、209c'、209d'のそれぞれに隣接して接続する。最後の第5の最も内側の導管209i'は、第1の位置における2つの最も内側の導管209e'、209g'の共通の端と、第2の位置における他の2つの最も内側の導管209f'、209h'の共通の端とに接続する。
【0073】
最も内側の導管209e'、209f'、209g'、209h'、209i'のそれぞれの中心部分は、それぞれの弁アクチュエータ102に隣接して位置決めされる。第5の内側の導管209i'は、第1のパターン111の五点形の中心において、弁アクチュエータ102に隣接して中心に位置決めされる。残りの4つの最も内側の導管209e'、209f'、209g'、209h'は、第1のパターン111の五点形の周辺において、残りの弁アクチュエータ102のそれぞれに隣接して位置決めされる。このような第1の柔軟な配管用多岐管206"は、例えば、クロマトグラフィの種類のバイオプロセス動作を実施するために使用できる。
【0074】
図8Bの下方部において、ピンチ弁カセット203に設けられている第2の柔軟な配管用多岐管206'''が、アクチュエータ板101、201に接する位置で概略的に示されている。ここでも、係止板204は明確性の理由のために示されていない。第2の柔軟な配管用多岐管206'''は、(M=3となるように)3つのそれぞれの導管209a"、209b"、209c"を備える。導管209a"、209b"、209c"は、それぞれの流体流入/流出ポートに接続されており、T字形で互いに接続されている。しかしながら、この実施形態が3つの導管209a"、209b"、209c"を有するとして記載されているが、共線上の第1の導管209a"および第2の導管209b"が単一の共通の配管部分から形成され得ることは、当業者によって理解される。
【0075】
導管209a"、209b"、209c"のそれらが接続する場所に近接するそれぞれの最も内側の部分は、それぞれの弁アクチュエータ102に隣接して位置決めされる。第3の導管209c"の最も内側の部分は、第1のパターン111の五点形の中心において、弁アクチュエータ102に隣接して位置決めされる。第1の導管209a"および第2の導管209b"の最も内側の部分は、第1のパターン111の五点形の2つの最も上方の弁アクチュエータ102に隣接して位置決めされる。したがって、この構成では、(N=5)の弁アクチュエータ102のうちの2つが使用されない。このような第2の柔軟な配管用多岐管206'''および構成は、例えば、混合の種類のバイオプロセス動作を実施するために使用できる。
【0076】
様々な実施形態において、様々な流体導管配向を提供させるアクチュエータのレイアウトパターンおよび/または柔軟な配管用多岐管206"、206'''が提供され得る。これは、さらにより多くの再構成可能な選択肢を可能とさせる。例えば、
図8Aは、中心の実質的に水平に配向された導管に対して実質的に45度で配向されている4つの導管を示しているが、このような配置は限定ではない。したがって、水平に対して様々な角度(例えば、10度超、20度超、45度超、90度、約5度から約45度または約40度まで、約10度から約45度または約40度まで、約20度から約45度または約40度まで、約30度から約45度または約40度まで、約5度から約30度まで、約10度から約30度まで、約20度から約30度までなど)で配向された少なくとも1つの導管を有する様々な実施形態が提供され得る。様々な実施形態が複数のこのような導管を備え得る。
【0077】
その場合例えば、アクチュエータは、複数流路の構成のうちの1つの水平構成で配向される導管と相互作用するために使用できるが、バイオプロセスシステムの(例えば、他のバイオプロセス動作のための)他の第2の構成では、アクチュエータが、45度の配向で提供されている導管と相互作用することができる。
【0078】
図9は、バイオプロセスシステム基礎ユニット60に取り付けられたアクチュエータ板101、201に設けられ、この図の上方部分において、少なくとも1つのバイオプロセス動作における使用のためにそれぞれ構成されている弁アクチュエータ1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027の第2のパターン113の図である。第2のパターン113は、中心に位置決めされた五点形1022、1023、1024、1025、1026と、五点形の中心弁アクチュエータ位置1024に対して実質的に共線上に位置決めされる2つの追加の外方に離間された弁アクチュエータ位置1021、1027とを含む。したがって、この実施形態ではN=7である。また、少なくとも1つの五点形レイアウトのパターンを含むさらなるパターンも使用されてもよい。
【0079】
図8Aの第1の柔軟な配管用多岐管206"は、
図9の下方部分におけるピンチ弁カセット203において概略的に、想像線によって示されている。また、描写されているのは第3の柔軟な配管用多岐管206''''である。第3の柔軟な配管用多岐管206''''は、
図6および
図7において描写されているものと形態が同様であるが、7つの導管2091、2092、2093、2094、2095、2096、2097(M=7)から形成されている。7つのうちの6つの導管2091、2092、2093、2094、2095、2096は、外方に位置決めされ、それぞれの流体流入/流出ポートに接続される。中心導管2097は、3つの最も上の導管2091、2092、2093の第1のグループおよび3つの最も下の導管2094、2095、2096の第2のグループのそれぞれの端を接続する。
【0080】
弁アクチュエータ1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027のうちの最も中心の弁アクチュエータ1024は、中心導管2097の中心位置に隣接して位置決めされる。各々の外方に位置決めされた導管2091、2092、2093、2094、2095、2096のそれぞれの最も内側の部分は、第2のパターン113で提供された最も外側の弁アクチュエータ1021、1022、1023、1025、1026、1027のそれぞれに隣接して設けられる。
【0081】
第3の柔軟な配管用多岐管206''''(および
図8Aの柔軟な配管用多岐管206")は、クロマトグラフィカラム70への流体流れを制御するために使用され得る。この実施形態では、流体流れは、同じ単一のピンチ弁カセット203の使用によって、このようなクロマトグラフィカラム70に対して、順流れおよび逆流れの方向、または代替で、上向きもしくは下向きの方向(つまり、重力に対して鉛直に)のいずれかで方向付けられ得る。このようなピンチ弁カセット203は、例えば、空気完全性試験モジュールへの流体流入、および/または、濾過システムにおける流体出口もしくは排出ポートを提供するために使用されてもよい。
【0082】
先の
図8Aおよび
図8Bと同様に、様々な実施形態において、様々な流体導管配向を提供させるアクチュエータのレイアウトパターンおよび/または柔軟な配管用多岐管206"、206'''などが提供され得る。
【0083】
図10は、本発明の実施形態による再構成可能なバイオプロセスシステム80の基礎ユニット60における使用のために、ピンチ弁カセット203と、アクチュエータ板201に設けられた複数の弁アクチュエータとを備える弁モジュール配置200を示している。ピンチ弁カセット203は、角部分において基礎ユニット60にヒンジで取り付けられる係止板204を備える。
図10の閉位置において、係止板204とアクチュエータ板201とは、それらの間に複数の通路211を定める。アクチュエータ板201および係止板204は、
図4に示されているものと同様であり得る。
【0084】
係止板204は切り込み部分213を備える。切り込み相互係止部分215は係止板204の角部分に設けられる。切り込み部分213は切り込み相互係止部分215の凹所の中に位置決め可能である。切り込み部分213と切り込み相互係止部分215との両方において相補的なビアが並び、ピン、ケーブルタイなどの係止デバイスを収容するために使用できる。
【0085】
弁モジュール配置200は、通路211に設けられ、後で
図13との関連でさらに記載されている柔軟な配管用多岐管206aも組み込んでいる。
【0086】
図11は、
図10のピンチ弁カセット203と共に使用するための外骨格挿入体221を示している。
図11の上方の図示は、一緒に外骨格挿入体221を形成する基礎部225およびカバー部223を示している。これらの部品は、剛性材料(例えば、ポリマに基づかれる)から形成でき、
図12においてより詳細に示されている手法で一体にクリップ留めされ得る。基礎部225は、基礎ユニット60の弁アクチュエータの孔に対応する位置に設けられた孔227のセットを備える。
【0087】
図11の真ん中の図示は、基礎部225とカバー部223との間に定められる通路の中に提供された柔軟な配管用多岐管206aを示している。柔軟な配管用多岐管206aは
図13との関連でより詳細に示されている。実際には、柔軟な配管用多岐管206aおよび/または外骨格挿入体221は、好ましくは外骨格挿入体221が柔軟な配管用多岐管206aに予め搭載された状態で、使い捨ての流れキット107の一部として提供され得る。他の実施形態では、外骨格挿入体221は、柔軟な配管用多岐管206aをピンチ弁カセット203に設置する前にピンチ弁カセット203(またはその一部)、アクチュエータ板201、および/または係止板204に搭載される相互に置き換え可能および構成可能な部品として提供され得る。
【0088】
図11の下方の図示は、
図10のアクチュエータ板201に接して位置決めされている外骨格挿入体221を示している。使用中、外骨格挿入体221は、柔軟な配管用多岐管206aのための追加的な構造の支持を提供する。したがって、外骨格挿入体221の使用は、高い圧力(HP)の動作を可能にすることができる、および/または、様々な通常は適していない配管材料を使用させることができる。
【0089】
外骨格挿入体の様々な実施形態も提供され得る。例えば、これらは、様々な異なる直径の配管を使用させることができるように提供されてもよい(例えば、1/4インチ(6.4mm)および3/8インチ(9.5mm)の直径の配管)。したがって、このような外骨格挿入体は、特定のバイオプロセスシステム80に(例えば、その通路211において)適合するように、通路内径が異なる一方で、実質的に同じ外形寸法を有してもよい。
【0090】
他の実施形態では、外骨格挿入体221は、アクチュエータ板201における通路および/または係止板204における通路によって形成され得る。そのため、柔軟な配管用多岐管206aの搭載およびピンチ弁カセット203の閉止は、柔軟な配管用多岐管206aの配管の周りに外骨格を提供し、高い圧力(例えば、200bar超、250から300barなど)での動作を可能にする一方で、ピンチ弁カセット203における柔軟な配管用多岐管206aの安全で再現可能な固定を確保する。
【0091】
図12は、
図11の外骨格挿入体221のための接続配置をより詳細に示す。基礎部225は、カバー部223に提供される対応するそれぞれのスロット231と係合するように構成される複数の弾性的に移動可能なクリップ229を備える。したがって、柔軟な配管用多岐管206aは基礎部225に隣接して保持され得る一方で、カバー部223は技術的に知られている手法で取り付けられる。
【0092】
さらに、当業者は、基礎部225をカバー部223に結合/取り付けするための様々な代替の方法が望まれるように使用され得ることも認識するであろう。例えば、返し付きのコネクタ、ケーブル/ジップタイなどが使用されてもよい。
【0093】
図13は、
図10の弁モジュール配置200を開状態で示している。アクチュエータ板201および係止板204の相補的な表面特徴部が、通路211を定めるために使用される。しかしながら、このような通路211は、アクチュエータ板201または係止板204だけに提供される表面特徴部によって提供されてもよい。
【0094】
柔軟な配管用多岐管206aは、複数の相互接続された導管209j、209k、209l、209m、209n、209o、209pを備える。流体ポートに接続される導管209j、209pは、第1および第2の実質的に水平に配向された導管209k、209oのそれぞれに接続する。第1の実質的に鉛直に配向された導管209mが、第1の実質的に水平に配向された導管209kの中点と、第2の実質的に水平に配向された導管209oの端点とに接続されている。第2の実質的に鉛直に配向された導管209nが、第2の実質的に水平に配向された導管209oの中点に接続されている。さらなる第3の実質的に鉛直に配向された導管209lが、第2の実質的に水平に配向された導管209oの同じ中点に接続され、第1の流体ポートに接続される導管209jと反対の端において第1の実質的に水平に配向された導管209kの端に接続されている。したがって、実質的に正方形の流路が、弁モジュール配置200の中心領域内で導管209j、209k、209l、209m、209n、209o、209pによって提供される。
【0095】
このような柔軟な配管用多岐管206aは、カラム(例えば、クロマトグラフィカラム)が導管209lおよび209mに接続されている状態で、カラム弁に上向流および下向流を提供することができる。したがって、導管209nは、この構成で必ずしも使用されない可能性があり、関連する弁アクチュエータ102によって閉状態で維持され得る。
【0096】
図14は、開状態での
図10および
図13の弁モジュール配置200の再構成版を示している。代替の柔軟な配管用多岐管206が提供される。この例では、柔軟な配管用多岐管206は、
図7に関連して先に記載されているものと同じである。したがって、異なる柔軟な配管用多岐管206、206aの使用は、例えば、異なる種類、下位の種類、種類の変形を提供するように、および/または、プロセスパラメータの異なるセットを使用するようになど、バイオプロセスシステム80を再構成させることができる。
【0097】
この配置では、第1(左)の経路は導管209b、209cによって提供でき、第2(右)の経路は導管209d、209eによって提供でき、第3(上方真っ直ぐ)の経路は導管209b、209dによって提供でき、第4(下方真っ直ぐ)の経路は導管209c、209eによって提供できる。これらは、フィルタ、空気トラップ、センサなどの様々な要素に接続され得る。
【0098】
図15は、本発明の様々な実施形態による使用のための再構成可能なバイオプロセスシステムのさらなる基礎ユニット260を概略的に示している。基礎ユニットは、
図4および
図5との関連で先に記載されているような種類のものであり得る複数の弁モジュール配置200を備える。
【0099】
例えば、弁モジュール配置200aは入口弁モジュールとして供することができ、弁モジュール配置200bは出口弁モジュールとして供することができ、弁モジュール配置200cはカラム弁モジュールとして供することができる。ポンプモジュールユニット205の対も提供される。インライン/バイパス空気トラップモジュール220と、インライン/バイパスフィルタ222モジュールとが、関連する弁モジュール配置の詳細を示してはいないが、概略的に示されてもいる。モジュール224が、未使用モジュールの位置にわたって設けられたカバー板を示しており、カバー板は管保持機能を提供するだけである。
【0100】
基礎ユニット260は、センサモジュールなどの
図15に示されていないさらなるモジュールを適切に備える。センサモジュールは、pH、UV、伝導性、流れ、空気などを感知するためのセンサなど、1つまたは複数のセンサを備え得る。基礎ユニット260の前面に示されているモジュールは、任意選択で提供されてもよく、それらの位置および構成は、動作および流れキット107の構成の必要性に応じて変更されてもよい。
【0101】
他の実施形態では、1つまたは複数の機能モジュールが、基礎ユニット260のシャーシとの永久的な一体化のために構成されてもよい。例えば、第1のポンプならびに/または第1の入口および/もしくは出口弁モジュールが、基礎ユニット260との固定した設置に設けられてもよいが、他のモジュールが、望まれる特定の器具および流れキットの構成に応じて設置され得る任意選択のモジュールとして提供されてもよい。
【0102】
図16は、
図15の基礎ユニット260の正面図を示している。制御システムが、基礎ユニット260自体の中に設けられてもよい、または、その1つもしくは複数(もしくは全部)の構成要素が遠隔に設けられてもよい。使用中、弁モジュール配置200は容易にアクセス可能および使用可能である。このような弁モジュール配置200は、専門ではない使用者によっても、バイオプロセスシステム80の素早く容易な再構成をさらに行わせることができる。
【0103】
図17は、本発明の様々な実施形態によるバイオプロセスシステムを再構成するための方法1000を示している。このような方法1000は、本発明の様々な実施形態の制御システムによって実施されてもよい。
【0104】
方法1000は、バイオプロセスシステム80における第1の流れキット107を、該第1の流れキット107と関連付けられるバイオプロセス動作とは異なるバイオプロセス動作を実施するための第2の流れキット107に置き換える、第1のステップ1010を含む。例えば、第1の流れキット107は、その後にクロマトグラフィ分離プロセスにおいて使用されるように意図されている様々な流体成分の混合動作を提供するために使用されてもよい。その後、第2の流れキット107が、混合した流体成分を使用してクロマトグラフィ動作を実施するために使用されてもよい。方法1000および第1のステップ1010は、例えば、流れキットなどを用いて予め設置されて設けられていない弁係止、弁板、外骨格を変更または置き換えすることによる、弁モジュールの再構成を含み得る。さらに、方法1000および第1のステップ1010は、基礎ユニット260の中に、弁モジュールを含め、モジュールの構成または配向における変更を含み得る。
【0105】
方法1000は、第2の流れキット107の型式および/または種類を識別する第2のステップ1020を含む。このステップ1020は、基礎ユニット60、260の画面にグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供することを含み得る。このような画面は、タッチセンサ式とでき、使用者に第2の流れキット107の種類および/または型式を識別させることができる。このような識別によって、第2の流れキット107内に適切な流体流れ制御を提供して所望のバイオプロセス動作を達成するために、基礎ユニット60、260に制御システムをプログラムさせて、特に弁アクチュエータ102を制御させることができる。
【0106】
手動の識別が可能であるが、本発明の好ましい実施形態では、ピンチ弁カセット103a、103b、103c、203またはその一部の自動識別が提供される。このようなピンチ弁カセット103a、103b、103c、203は、バイオプロセスシステム80における使用のために提供されるとき、自動的に識別され得る。したがって、ピンチ弁カセット103a、103b、103c、203、その一部、または流れキット107の任意の他の一部には、例えば一意識別子(UID)を符号化する無線周波数識別(RFID)タグ、2Dバーコード、近距離無線通信タグ、光学的に読み取り可能なタグなどが提供され得る。したがって、(例えば、弁作動ユニット100、その弁モジュール配置200の各々における)基礎ユニット60、260は、例えば、ピンチ弁カセット103a、103b、103c、203、またはその一部が使用のために設置されるとき、そこからUIDを読み取るように構成され得る。
【0107】
基礎ユニット60、260は通信ネットワークに接続され得る。例えば、基礎ユニット60、260を、遠隔でホストされた中央データベースに接続する安全なインターネットリンクが提供されてもよい。したがって、中央データベースにおける記録が、販売/提供される各々の基礎ユニット60、260および/または各々の流れキットについて作り出されてもよい。これらの記録は、具体的な基礎ユニット60、260に提供された具体的な流れキット107が、基礎ユニット60、260と適合するかどうか、純正部品であるかどうか、既に使用されているかどうか(延いては、偽造されている可能性がないか)、正しく殺菌されたかどうか、製品リコールの対象であるかどうか、使用期限切れであるかどうか、などを識別するために使用できる。したがって、基礎ユニット60、260での特定の流れキット107の使用は、例えば、汚染された生物製品が製造されるのを防止するように、それによって適宜禁止されてもよい。
【0108】
様々な実施形態において、基礎ユニット60、260はまた、基礎ユニット60、260自体、および/または基礎ユニット60、260と共に使用される任意の流れキットについて、データ分析を行わせて診断などを提供することができるように、処理データおよび/または制御システムデータを中央データベースに提供してもよい。基礎ユニット60、260での失陥が報告される可能性もあり、例えば、それによって保守人員に警告することができる。
【0109】
方法1000は、第2の流れキット107の型式/種類の識別情報に基づいてバイオプロセスシステム80を再構成する第3のステップ1030も含む。例えば、制御ユニットを構成するために提供されるソフトウェア構成要素が、例えば、流れキット動作パラメータを、第1の流れキットと関連付けられるパラメータから、第2の流れキットと関連付けられるパラメータへと、UIDに応じて自動的に変更するようにプログラムされてもよい。このようなパラメータは、1つまたは複数の弁作動ユニット100または弁モジュール配置200、500に設けられた複数の弁アクチュエータ102の各々を動作させるためのタイミング順序を含み得る。このようなパラメータは、特定の種類のバイオプロセス動作(例えば、液体クロマトグラフィ動作)のためのプロセスパラメータを任意選択で定め得るが、第1の流れキットと第2の流れキットとの間で変化可能である。
【0110】
図18Aおよび
図18Bは、本発明の再構成可能なバイオプロセスシステムにおける使用のための柔軟な配管用多岐管の実施形態を示している。
【0111】
図18Aは、最適化された「ジャンピングジャック」、アステリスク、または星の形状を有する柔軟な配管用多岐管を示している。この実施形態では、実質的に直線的な中心導管が提供されている。その一方の近位端において、2つのさらなる導管が中心導管に結合されている。これらは、中心導管の遠位端の方を向く方向において、中心導管の中心軸に対して実質的に45°の角度で取り付けられている。したがって、これらの2つの導管は、近位端において中心軸に集束するそれぞれの流体流れ経路を提供する。2つの追加の導管も、中心導管の近位から遠位端へと、中心導管に結合されている。2つの追加の導管は、中心導管の遠位端から離れる方を向く方向において、中心導管の中心軸に対して実質的に45°の角度で取り付けられている。したがって、2つの追加の導管は、遠位端において中心導管から離れるように発散するそれぞれの流体流れ経路を提供する。
【0112】
図18Bは、代替の形を有する柔軟な配管用多岐管を示している。この実施形態では、実質的に直線的な中心導管が提供されている。その一方の近位端において、2つのさらなる導管が中心導管に結合されている。これらは、中心導管の遠位端の方を向く方向において、中心導管の中心軸に対して実質的に45°の角度で取り付けられている。したがって、これらの2つの導管は、近位端において中心軸に集束するそれぞれの流体流れ経路を提供する。2つの追加の導管も、中心導管の近位から遠位端へと、中心導管に結合されている。2つの追加の導管はまた、中心導管の中心軸に対して実質的に45°の角度で取り付けられており、2つのさらなる導管のそれぞれと実質的に平行である。
【0113】
様々な実施形態において、
図18Aおよび/または
図18Bの柔軟な配管用多岐管は、デッドレグが最小限または実質的に排除され得るように最適化され得る。好ましくは、デッドレグがまったく存在しないこのような配置が提供され得る。このような柔軟な配管用多岐管のための合致する外骨格がさらに提供されてもよい。
【0114】
本発明の様々な実施形態において、ピンチ弁カセットにも、そのレイアウトにおいて完全には実質的に同一線上ではない柔軟な配管用多岐管が提供され得る。例えば、様々な三次元の種類の柔軟な配管用多岐管が本発明者によって考えられている。このような柔軟な配管用多岐管が、例えば、1つまたは複数の層において提供されてもよい。
【0115】
この点において、再構成可能なバイオプロセスシステムには異なる長さの弁アクチュエータが提供されてもよく、例えば、追加(または代替)で、1つまたは複数の中間アクチュエータ深さアダプタが、ピンチ弁カセットと共に使用(または、ピンチ弁カセットの一部として使用)するために提供されてもよい。
【0116】
このような中間アクチュエータ深さアダプタは、アクチュエータが柔軟な配管用多岐管を挟み付けるピンチ弁カセットの中の効果的な深さを変えるために使用できる外骨格配置の一部として提供されてもよい。このような配置であれば、再構成可能なバイオプロセスシステムには標準的なアクチュエータ配列が設けられ得るが、異なる消費可能なピンチ弁カセットが顧客の要求に応じて使用されてもよい。
【0117】
様々な実施形態において、アクチュエータまたはその部品が様々なパターンに応じて提供されてもよい。このようなパターンは、長方形/正方形でない配列の形(例えば、五点形、千鳥状、六角形、三角形など)を含む場合、設計/レイアウトを比較的コンパクトに作ることができる。
【0118】
(例えば、弁モジュール配置、ピンチ弁カセットなどの中に)追加の構成要素および/または機能の一体化が提供され得る本発明の様々な実施形態が提供され得る。例えば、流体および/もしくは非流体パラメータの感知、搭載された消耗品部品の識別、ならびに/または指示器/表示特徴部などが提供され得る。例えば、LED、LCD、および/または電子インク表示装置が、弁モジュール配置、ピンチ弁カセットなどに組み込まれてもよく、状態、柔軟な配管用多岐管に関する情報、弁位置、システムパラメータ、流体流れ、および/または感知特徴部などを示す/表示するために使用され得る。このような追加の構成要素および/または機能性は、例えば、蓋、係止板などがその場で流れキットの一部を保持するために閉じられるときなど、自動的に動作せられ得る。
【0119】
感知する能力/機能が提供される場合、これは消費可能な部品の任意の特定の適用を必要としない可能性がある。例えば、様々なセンサが、そのままの配管壁材料で機能することができ得る。他のセンサのために、特定のセンサ窓またはプローブ区域が配管用多岐管へと組み込まれてもよい。光学センサ(例えば、空気検出のためのもの)、近接センサ(例えば、消耗部品が設置されたかどうかを検出するためのもの)、超音波センサ(例えば、空気検出および/または流体流れのために使用される「クランプオン式」)、圧力センサ(例えば、配管に隣接するロードセルのためのもの)がある。電気的接触点、光学的接触点、および/または他の接触点を伴うセンサが組み込まれてもよく、蓋、係止板などを閉じることは、それらの搭載、取り付け、および接続性を同時に固定する。UV感知は、蓋、係止板などがそれ自体で迷光からの保護を提供することができるため備えられ得る。伝導性プローブも、消耗部品に付着するときに接触され得る。
【0120】
したがって、本発明の様々な態様および実施形態は、柔軟であるだけでなく、使用および構成するのが容易である再構成可能なバイオプロセスシステムを提供する。したがって、このような再構成可能なバイオプロセスシステムは、熟練した/専門の/特殊化した作業者への必要性を低減することができるだけでなく、より素早くより確実に使用および再構成することができる。したがって、有利な再構成能力が、例えば異なるピンチ弁カセットを提供することによって提供でき、ここで、これらのうちの少なくとも一部(または全部)は再構成可能なバイオプロセスシステムの基礎ユニットに設けられるアクチュエータ(数N)より少ないピンチ弁(例えば、数P)を有する(つまり、N>Pであり、ここで、Pは任意選択で導管の数(M)と同じであってもよい)。
【0121】
様々な異なる実施形態によるピンチ弁カセットが本明細書において記載されている。このようなピンチ弁カセットの全体またはいずれかの部品が、再構成可能なバイオプロセスシステムへと取り外し可能に結合可能であり得る。例えば、ピンチ弁カセットは、基層(例えば、アクチュエータ板、基礎板、基礎カセット板など)とカバー層(例えば、係止板、外側カセット板、カバー板など)とを有し、それらの層の間に中間層が「サンドイッチ」式の配置で提供されている状態で、提供されてもよい。
【0122】
様々な実施形態において、「サンドイッチ」式の配置全体が再構成可能なバイオプロセスシステムの基礎ユニットから取り外し可能であり得る。他の実施形態では、基層およびカバー層のうちの1つまたは複数が、基礎ユニットの一部として提供されてもよい、または、基礎ユニットに接続されてもよい。このような基層および/またはカバー層は、基礎ユニットに対して移動可能および/または取り外し可能であり得る。柔軟な配管用多岐管などを備える中間層が提供されてもよい。このような中間層は、例えば、基層およびカバー層のうちの1つまたは複数と別体または一体のいずれかで、ピンチ弁カセットに解放可能に取り付け可能であり得る。
【0123】
本発明の様々な態様および実施形態が本明細書に記載されている。しかしながら、本発明は、先に記載されている実施形態によって限定されると理解されるものではなく、当業者には容易に明らかとなるように、添付の請求項の範囲内で変化させることができる。さらに、可能である限り、本明細書で認められている参照文献(例えば、特許出願、製品/第三者の製品など)のすべてが、最大限許容可能な範囲まで、本明細書で参照により組み込まれている。
【符号の説明】
【0124】
60 基礎ユニット
61 前面
62 筐体
64 凹所
68 基礎部分
70 クロマトグラフィカラム
80 再構成可能なバイオプロセスシステム
86 T字区域
88 出口
92 ポートの第1の対
94 ポートの第2の対
96 流出コネクタ
100 弁作動ユニット
101 アクチュエータ板
102 アクチュエータ
1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027 弁アクチュエータ
103a 第1のピンチ弁カセット
103b 第2のピンチ弁カセット
103c 第3のピンチ弁カセット
105 ポンプモジュールユニット
106 突起
107 流れキット
111 第1のパターン
112 突出部
113 第2のパターン
114 斜め面
200 弁モジュール配置
200a 弁モジュール配置、入口弁モジュール
200b 弁モジュール配置、出口弁モジュール
200c 弁モジュール配置、カラム弁モジュール
201 アクチュエータ板
203 ピンチ弁カセット
204 係止板
205 ポンプモジュールユニット
206、206' 柔軟な配管用多岐管
206" 第1の柔軟な配管用多岐管
206''' 第2の柔軟な配管用多岐管
206'''' 第3の柔軟な配管用多岐管
206a 柔軟な配管用多岐管
207 ウェッビング部分
209a 中心導管
209b 第1の横方向に延びる導管
209c 第3の横方向に延びる導管
209d 第2の横方向に延びる導管
209e 第4の横方向に延びる導管
209j、209p 流体ポートに接続される導管
209k 第1の実質的に水平に配向された導管
209l 第3の実質的に鉛直に配向された導管
209m 第1の実質的に鉛直に配向された導管
209n 第2の実質的に鉛直に配向された導管
209o 第2の実質的に水平に配向された導管
209a'、209b'、209c'、209d'、209e'、209f'、209g'、209h'、209i' 導管
209a"、209b"、209c" 導管
2091、2092、2093 最も上の導管
2094、2095、2096 最も下の導管
2097 中心導管
210 ネジ係止部
211 通路
213 切り込み部分
215 切り込み相互係止部分
217 ピン
219 孔
220 インライン/バイパス空気トラップモジュール
221 外骨格挿入体
222 インライン/バイパスフィルタ
223 カバー部
224 モジュール、カバー板
225 基礎部
227 孔
229 クリップ
231 スロット
260 基礎ユニット
500a 第1の弁モジュール配置
500b 第2の弁モジュール配置
【国際調査報告】