(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】1つ又は複数の弾性バンドを有する治療用靴下
(51)【国際特許分類】
A63B 23/10 20060101AFI20240424BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20240424BHJP
A41B 11/00 20060101ALI20240424BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A63B23/10
A41D13/06
A41B11/00 D
A61F5/01 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562495
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-07
(86)【国際出願番号】 US2022024314
(87)【国際公開番号】W WO2022221220
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523383808
【氏名又は名称】スタル,ジャレッド ダニエル
【氏名又は名称原語表記】STULL, Jared Daniel
【住所又は居所原語表記】607 Dillardtown Road Sylva, NC 28779 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100167276
【氏名又は名称】渡邉 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】スタル,ジャレッド ダニエル
【テーマコード(参考)】
3B018
3B211
4C098
【Fターム(参考)】
3B018AA03
3B018AB04
3B018AB07
3B018AB08
3B018AC01
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3B211AA14
3B211AB09
3B211AC17
4C098AA02
4C098BB12
4C098BC08
4C098BC17
4C098BD20
(57)【要約】
治療用靴下(210)であって、織物本体(220)を含み、該織物本体は、頂部と、頂部に対向する底部と、頂部を底部に接続するための内側と、内側に対向し且つ頂部を底部に接続するための外側と、踵部分(228)と、足指部分(222)と、着用者がその足を挿入する開口(221)とを含む。少なくとも1つの弾性バンド(230、240)は織物本体(220)内に設けられ、且つ着用者の足の1つ又は複数の筋群を強化、ストレッチ又は支えるように位置決められる。少なくとも1つの弾性バンド(230、240)は1つ又は複数の筋群の牽引線に対向するように設けられる。いくつかの実施例において、1つ又は複数の強化バンド(260、270)は少なくとも1つの弾性バンド(230、240)とともに使用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用靴下(10、12、100、200、300、302、400、402、500、600、700)であって、
頂部と、前記頂部に対向する底部と、前記頂部を前記底部に接続するための内側と、前記内側に対向し且つ前記頂部を前記底部に接続するための外側と、踵部分(28、128、228、328、428、528、628、728)と、足指部分(22、122、222、322、422、522、622、722)と、着用者がその足を挿入する開口(21、121、221、321、421、521、621、721)とを含む織物本体(20、120、220、320、420、520、620、720)と、
前記織物本体内に位置し、且つ前記着用者の前記足の1つ又は複数の筋群を強化、ストレッチ又は支えるように位置決められる少なくとも1つの弾性バンド(30、130、230、350、450、630、730)であって、各弾性バンドが前記1つ又は複数の対象筋群の牽引線に対向するように設けられる少なくとも1つの弾性バンド(30、130、230、350、450、630、730)とを含む、治療用靴下。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弾性バンドは第1の弾性バンド(30)を含み、前記第1の弾性バンド(30)は、前記靴下(10、12)におけるの前記踵部分(28)と前記足指部分(22)との間に位置する中足部分(24)を囲んで巻き付けられる、請求項1に記載の治療用靴下(10、12)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記第1の弾性バンド(30)と、第2の弾性バンド(40)とを含み、前記第2の弾性バンド(40)は、第1のエリア(40a)と第2のエリア(40c)とを有する「8」字状に形成され、前記第1のエリアは前記靴下(10、12)の前記踵部分(28)を囲んで巻き付けられ、前記第2のエリアは前記足指部分(22)の親指部分を囲んで巻き付けられ、前記第2の弾性バンド(40)自体と前記第1の弾性バンド(30)は、前記靴下(10、12)の前記頂部において重ね合わせる、請求項2に記載の治療用靴下(10、12)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性バンド(30、40)は第1の弾性バンド(30)を含み、前記第1の弾性バンド(30)は、前記靴下(12)の前記外側に前記踵部分(28)から延びる第1のエリア(30a)と、前記靴下(12)の前記底部の上方において延びる第2のエリア(30b)と、前記踵部分(28)と前記足指部分(22)との間の中足部分(24)において前記頂部に延びる第3のエリア(30c)と、前記第1のエリア(30a)と前記第3のエリア(30c)とを組み合わせ且つ前記中足部分(24)において前記靴下(12)の前記頂部の上方に延びる第4のエリア(30d)と、前記靴下(12)の前記底部を延び且つ跨る第5の部分(30e)と、前記第5の部分(30e)から前記靴下(12)の前記頂部に延びる第6の部分(30f)と、前記靴下(12)の前記底部の上方において延び且つ前記第6の部分(30f)を第8の部分(30h)に接続するための第7の部分(30g)と、前記内側から前記外側に向かって前記頂部を延び且つ跨り、且つ前記踵部分(28)において第9のエリア(30i)になる前記第8の部分(30h)とを順に含み、
前記第8の部分(30h)は、第1の接合部(35)において前記第6の部分(30f)に重ね合わせ、且つ第2の接合部(37)において前記第4の部分(30d)に重ね合わせる、請求項1に記載の治療用靴下(12)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弾性バンドは第1の弾性バンド(630)を含み、
前記第1の弾性バンド(630)の第1のエリア(630a)は前記靴下(600)の前記内側において前記踵部分(628)から延び、前記靴下(600)の前記頂部を乗り越え、且つ前記靴下(600)の前記外側を乗り越え、前記第1の弾性バンド(630)の各対応する端部は前記踵部分(628)付近において互いに接続され、
前記第1の弾性バンド(630)の第2のエリア(630b)は前記靴下(600)の前記外側において前記頂部に沿って前記踵部分(628)から前記足指部分(622)に向かって延び、且つ前記第2のエリア(630b)と一体化された第3のエリア(630c)は前記靴下(600)の前記外側において前記靴下(600)の前記底部に沿って前記踵部分(628)から前記足指部分(622)に向かって延び、
前記第1の弾性バンド(630)の第4のエリア(630d)は第1の接合部(635)において前記第2のエリア(630b)と交差し、且つ前記靴下(600)の中足部分(624)と前記靴下(600)の前記足指部分(622)との間の前記頂部の上方に巻き付けられ、前記第1の弾性バンド(630)の前記第4のエリア(630d)は前記靴下(600)の前記底部を延び且つ跨る第5のエリア(630e)となり、前記第4のエリア(630d)と前記第5のエリア(630e)は前記靴下(600)の前記外側の第2の接合部(637)において接続される、請求項1に記載の治療用靴下(600)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弾性バンドは第1の弾性バンド(730)を含み、前記第1の弾性バンド(730)の第1のエリア(730a)は前記靴下(700)の前記外側において前記踵部分(728)から延び、前記靴下(700)の前記頂部を乗り越え、且つ前記靴下(700)の前記内側を乗り越え、前記第1の弾性バンド(730)の各対応する端部は前記踵部分(728)付近において接続され、
前記第1の弾性バンド(730)の第2のエリア(730b)は前記靴下(700)の前記内側において前記頂部に沿って前記踵部分(728)から前記足指部分(722)に向かって延び、且つ前記第2のエリア(730b)と一体化された第3のエリア(730c)は前記靴下(700)の前記内側において前記靴下(700)の前記底部に沿って前記踵部分(728)から前記足指部分(722)に向かって延び、
前記第1の弾性バンド(730)の第4のエリア(730d)は第1の接合部(735)において前記第2のエリア(730b)と交差し、且つ前記靴下(700)の中足部分(724)と前記靴下(700)の前記足指部分(722)との間の前記頂部の上方に巻き付けられ、前記第1の弾性バンド(730)の前記第4のエリア(730d)は、前記靴下(700)の前記底部を延びて跨る第5のエリア(730e)となり、前記第4のエリア(730d)と前記第5のエリア(730e)は前記靴下(700)の前記内側の第2の接合部(737)において接続される、請求項1に記載の治療用靴下(700)。
【請求項7】
前記第4のエリア(730d)の一部と前記第5の部分(730e)の一部は、前記着用者の前記足の親指に適する形状にモールドされる、請求項6に記載の治療用靴下(700)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、第1の弾性バンド(130)と、第2の弾性バンド(140)とを含み、
前記第1の弾性バンド(130)は、前記踵部分(128)から延び且つ前記靴下(100)の前記内側を跨って前記踵部分(128)と前記足指部分(122)との間に位置する中足部分(124)に到達する第1のエリア(130a)と、前記中足部分(124)から延び且つ前記靴下(100)の前記底部を跨って前記足指部分(122)の親指と第2の足指との間の位置に達する第2のエリア(130b)と、前記足指部分(122)における前記親指と前記第2の足指との間から延び且つ前記靴下(100)の前記頂部を跨る第3のエリア(130c)と、前記靴下(100)の前記踵部分(128)を囲んで延び且つ前記第1のエリア(130a)に接続される第4のエリア(130d)とを含み、
前記第2の弾性バンド(140)は前記足指部分(122)において前記靴下(100)の前記頂部の上方に延び且つ前記親指を含まず、且つ前記靴下(100)の前記底部の上方において前記足指部分(122)から、前記第2の弾性バンド(140)と前記第1の弾性バンド(130)とが交差する前記中足部分(124)に延びる、請求項1に記載の治療用靴下(100)。
【請求項9】
前記開口(221、321、421、521)付近において前記靴下(200、300、302、400、402、500)を囲む第1の強化ストリップ(260、360、460、560)をさらに含む、請求項1に記載の治療用靴下(200、300、302、400、402、500)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、第1の弾性バンド(350、352)と第2の弾性バンド(340)であり、
前記第1の弾性バンド(350、352)の第1のエリア(350a、352a)は、前記靴下(300、302)の前記頂部上の前記第1の強化ストリップ(360)に接続され、前記第1の弾性バンド(350、352)は、前記第1のエリア(350a、352a)から、前記頂部の上方において前記靴下(300、302)の前記外側に延びる第2のエリア(350b、352b)と、前記頂部の上方において前記靴下(300、302)の前記内側に延びる第3のエリア(350c、352c)とに分岐し、前記第1の弾性バンド(350)の第4のエリア(350d、352d)は前記靴下(300、302)の前記底部の上方において延び、且つ前記第2のエリア(350b、352b)と前記第3のエリア(350c、352c)とを接続し、
前記第2の弾性バンド(340)の第1のエリア(340a)は前記靴下(300、302)の前記頂部において前記第1の弾性バンド(350、352)の前記第1のエリア(350a、352a)に接続され、前記第2の弾性バンド(340)の前記第1のエリア(340a)は前記第1のエリア(340a)から、前記頂部の上方において前記靴下(300、302)の前記外側に延びる第2のエリア(340b)と、前記頂部の上方において前記靴下(300、302)の前記内側に延びる第3のエリア(340c)とに分岐し、前記第2の弾性バンド(340)の第4のエリア(340d)は前記靴下(300、302)の前記底部の上方において延び、且つ前記第2の弾性バンド(340)の前記第2のエリア(340b)と前記第3のエリア(340c)とを接続する、請求項9に記載の治療用靴下(300、302)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、第1の弾性バンド(350)と、前記第2の弾性バンド(340)と、第3の弾性バンド(330)とを含み、前記第3の弾性バンド(330)の第1のエリア(330a)は前記靴下(300)の頂部の前記第2の弾性バンド(340)の前記第1のエリア(340a)に接続され、前記第3の弾性バンド(330)の第2のエリア(330b)は前記第1のエリア(330a)から外に向かって収束して前記靴下(300)の前記頂部の前記足指部分(322)を囲み、前記第3の弾性バンド(330)の第3の部分(330c)は、前記靴下(300)の前記底部の前記足指部分(322)の上方において延びる、請求項10に記載の治療用靴下(300)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記第1の弾性バンド(350)と、前記第2の弾性バンド(340)と、複数の第3の弾性バンド(332a~332e)とを含み、前記第3の弾性バンド(332a~332e)のうちの各第3の弾性バンドは前記足指部分(322)のうちの各対応する足指に整列され、且つ前記靴下(302)の前記頂部上の前記第2の弾性バンド(340)から前記靴下(302)の前記底部上の前記第2の弾性バンド(340)の前記第4の部分(240d)に延びる、請求項11に記載の治療用靴下(302)。
【請求項13】
前記足指部分(222、422、522)付近において前記靴下(200、400、402、500)を囲むように設けられる第2の強化ストリップ(270、470、570)をさらに含む、請求項9に記載の治療用靴下(200、400、402、500)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、第1の弾性バンド(230)と、第2の弾性バンド(240)とを含み、
前記第1の弾性バンド(230)は、第1のエリア(230a)と、第2のエリア(230b)とを含み、前記第1のエリアは、前記踵部分(228)において前記第1の強化ストリップ(260)に接続され且つ前記靴下(200)の前記内側に沿って前記踵部分(228)と前記足指部分(222)との間に位置する中足部分(224)に向かって延び、前記第2のエリアは、前記靴下(200)の前記底部に沿って前記第2の強化ストリップ(270)に延び、
前記第2の弾性バンド(240)は第1のエリア(240a)を含み、前記第1のエリアは、前記踵部分(228)において前記第1の強化ストリップ(260)に接続され且つ前記靴下(200)の前記外側に沿って前記靴下(200)の前記頂部の上方において前記第2の強化ストリップ(270)に向かって延び、前記第2の弾性バンド(270)は、前記靴下(200)の前記底部に設けられ且つ前記第2の強化ストリップ(270)に接続される第2のエリア(240b)を有する、請求項13に記載の治療用靴下(200)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記靴下(500)の前記頂部の上方において前記第1の強化ストリップ(560)から前記第2の強化ストリップ(570)に延びる第1の弾性バンド(530)を含み、前記第1の弾性バンド(530)の第1のエリア(530a)は前記第1の強化ストリップ(560)に接続され、前記第1のエリア(530a)は、前記靴下(500)の前記外側に向かって延びる第2のエリア(530b)と、前記靴下(500)の前記内側に向かって延びる第3のエリア(530c)とに分岐する、請求項13に記載の治療用靴下(500)。
【請求項16】
なくとも1つの弾性バンドは、第1の弾性バンド(530)と、第2の弾性バンド(540)とを含み、
前記第2の弾性バンド(540)の第1のエリア(540a)は、前記第1の強化ストリップ(560)から前記踵部分(528)に沿って前記靴下(500)の前記底部に延び、前記第2の弾性バンド(540)の第2のエリア(540b)は前記第1のエリア(540a)から連続し且つ前記靴下(500)の前記底部に沿って延び、
前記第2の弾性バンド(540)の前記第2のエリア(540b)は、前記靴下(500)の前記外側に向かって延びる第3のエリア(540c)と、前記靴下(500)の前記内側に向かって延びる第4のエリア(540d)とに分岐し、前記第3のエリア(540c)及び前記第4のエリア(540d)は、前記靴下(500)の前記底部上の前記第2の強化ストリップ(570)に接続される、請求項15に記載の治療用靴下(500)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記靴下(500)の前記頂部から前記靴下(500)の内部において延びる第1の複数の弾性足指バンド(580a~c、582a~c、584a~c、586a~c、588a~c)を含み、前記第1の複数の弾性足指バンドのうちの各弾性足指バンドは、前記靴下(500)の前記頂部上の第2の強化ストリップ(570)に接続される第1のエリア(580a、582a、584a、586a、588a)と、前記着用者の前記足の対応する足指の周囲に貼合するように配置される第2のエリア(580b、582b、584b、586b、588b)と、上述した、対応する足指の爪を囲んでドーム状に形成される第3のエリア(580c、582c、584c、586c、588c)とを含み、
前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記靴下(500)の前記底部から前記靴下(500)の前記内部において延びる第2の複数の弾性足指バンド(590a~b、592a~b、594a~b、596a~b、598a~b)を含み、前記第2の複数の弾性足指バンドのうちの各弾性足指バンドは、前記靴下(500)の前記底部上の前記第2の強化ストリップ(570)に接続される第1のエリア(590a、592a、594a、596a、598a)と、前記着用者の前記足の、上述した、対応する足指の周囲に貼合するように配置される第2のエリア(590b、592b、594b、596b、598b)とを含み、
前記第2の複数の弾性足指バンド(590a~b、592a~b、594a~b、596a~b、598a~b)は、前記着用者の前記足の、上述した、対応する足指の近位側関節の周囲に貼合するように配置され、前記第1の複数の弾性足指バンド(580a~c、582a~c、584a~c、586a~c、588a~c)は、前記着用者の前記足の、上述した、対応する足指の遠位側関節の周囲に貼合するように配置される、請求項15に記載の治療用靴下(500)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの弾性バンドは、第1の弾性バンド(450)及び第2の弾性バンド(440)であり、
前記第1の弾性バンド(450)の第1のエリア(450a)は、前記靴下(400、402)の前記踵部分(428)において前記第1の強化ストリップ(460)に接続され、且つ前記靴下(400、402)の前記底部に延び、前記第1の弾性バンド(450)は、前記第1のエリア(450a)から前記底部の上方において前記靴下(400、402)の前記外側に向かって延びる第2のエリア(450b)と、前記底部の上方において前記靴下(400、402)の前記内側に向かって延びる第3のエリア(450c)とに分岐し、前記第1の弾性バンド(450)の第4のエリア(450d)は、前記靴下(400、402)の前記頂部の上方において延び、且つ前記第2のエリア(450b)と前記第3のエリア(450c)とを接続し、
前記第2の弾性バンド(440)の第1のエリア(440a)は前記靴下(400、402)の前記底部上の前記第1の弾性バンド(450)の前記第1のエリア(450a)に接続され、前記第2の弾性バンド(440)は前記第1のエリア(440a)から、前記底部の上方において前記靴下(400、402)の前記外側に向かって延びる第2のエリア(440b)と、前記底部の上方において前記靴下(400、402)の前記内側に向かって延びる第3のエリア(440c)とに分岐し、前記第2の弾性バンド(440)の第4のエリア(440d)は前記靴下(400、402)の前記頂部の上方において延び且つ前記第2の弾性バンド(440)の前記第2のエリア(440b)と前記第3のエリア(440c)とを接続する、請求項9に記載の治療用靴下(400、402)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの弾性バンドは第3の弾性バンド(430)をさらに含み、前記第3の弾性バンド(430)の第1のエリア(430a)は、前記靴下(400)の前記底部上の前記第2の弾性バンド(440)の第1のエリア(440a)に接続され、前記第3の弾性バンド(430)の第2のエリア(430b)は前記第1のエリア(430a)から外に向かって収束して前記靴下(400)の前記底部上の前記足指部分(422)を囲み、前記第3の弾性バンド(430)の第3の部分(430c)は前記靴下(400)の前記頂部上の前記足指部分(422)の上方において延びる、請求項18に記載の治療用靴下(400)。
【請求項20】
前記靴下(400)の前記頂部上の前記足指部分(422)付近に位置決められる第2の強化ストリップ(470)をさらに含み、前記少なくとも1つの弾性バンドは、前記第1の弾性バンド(450)と、前記第2の弾性バンド(440)と、複数の第3の弾性バンド(432a~432e)とを含み、前記第3の弾性バンド(432a~432e)のうちの各第3の弾性バンドは、前記足指部分(422)内の各対応する足指に整列され且つ前記靴下(500)の前記底部上の前記第2の弾性バンド(570)から前記靴下(500)の前記頂部上の前記第2の強化ストリップ(570)に延びる、請求項18に記載の治療用靴下(402)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用トレーニング機器の分野に関し、より具体的に、足の対象筋群をストレッチ、強化及び支えることが許容されるように配置される1つ又は複数の弾性バンドを含む治療用靴下に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活のある段階で、多くの人が1つ又は複数の足の疾患を経験し、これらの疾患は痛みや不快感を引き起こし、患者の身体の活動を制限する可能性がある。このような疾患は、一群の筋肉及び隣接するソフトティッシュが過度に使用され、別の群の筋肉及び隣接するソフトティッシュの使用が少ないことに起因する可能性がある。これらの活動は不均衡を生じ、足の自然な機能を永遠に損傷し、下肢の筋肉・骨格の疾患と分類される痛みの症状を引き起こす恐れがある。
【0003】
これらの疾患(例えば、アーチの垂下や無力、錘状の足指、ワシ爪状の足指又は槌状の足指、足首の外返し又は内返しの捻挫、足首の屈曲又は背屈の制限、及び脛骨の外旋又は内旋)は、筋肉、骨格、関節、周辺神経、血管系、腱及び近隣のソフトティッシュに関与する可能性がある。これらのタイプの疾患の発生率、これらのタイプの疾患の患者の経済、心理、及び精神に対する影響、これらの症状の社会の影響(例えば、生産性の喪失)、及び繰り返しの運動や不良な人間工学によるストレスを最小化又は改善するための可能な方法について、複数の医療、職業、政府及び科学の組織は既に研究している。
【0004】
改善対策は、休憩、冷罨法実施、圧縮、プレートによる固定、筋肉のパッチ、持ち上げ、物理療法、手術及びトレーニング装置の使用を含む可能性がある。トレーニング装置は修復及び/又は手術後の治療手段として使用できる。しかし、トレーニング装置は、筋肉を強化し、足首及び近隣のソフトティッシュにかかるストレスを軽減する予防の治療としても使用できる。
【0005】
残念ながら、足の筋群を特定の目的で強化して上述したような疾患の発生を低減させるための既存の携帯式装置が存在しない。市場には様々な圧縮式靴下が存在し、それらは足の血液の循環を促進するのに適しているが、このような靴下は上記の疾患を引き起こす可能性がある足の筋肉・骨格の構造を解決することができない。
【0006】
治療用靴下を提供することが有益であり、該治療用靴下は、足の筋群を強化、ストレッチ及び支えるために用いられ、且つ本明細書で説明する足の疾患を解決するように配置される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この治療用靴下は、足の対象筋群を強化、ストレッチ及び/又は支えるように配置される。治療用靴下は少なくとも1つの弾性バンドを含み、該少なくとも1つの弾性バンドは対象筋群の牽引線の対向面に位置して抵抗を提供する。弾性バンドは無力な筋肉を支え且つ着用者の使い心地を向上させるためにも用いられる。
【0008】
具体的には、治療用靴下は織物本体を含み、該織物本体は、頂部と、頂部に対向する底部と、頂部を底部に接続するための内側と、内側に対向し且つ頂部を底部に接続するための外側と、踵部分と、足指部分と、着用者がその足を挿入する開口とを含む。少なくとも1つの弾性バンドは織物本体内に設けられ、且つ着用者の足の1つ又は複数の対象筋群を強化、ストレッチ又は支えるように位置決められる。少なくとも1つの弾性バンドのうちの各弾性バンドは、1つ又は複数の対象筋群の牽引線に対向するように設けられる。いくつかの実施例において、1つ又は複数の強化バンドは少なくとも1つの弾性バンドとともに使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
明細書では当業者にとって理解できる本製品及び方法(好ましい形態を含む)の完全且つ実現可能な開示を記述しており、該明細書は図面を参照する。
【
図1】本明細書による一形態の左靴下の内側面図であり、該左靴下は着用者の左足のアーチを強化、支えるために用いられることができる。
【
図5】右靴下の内側面図であり、該右靴下は着用者の右足のアーチを強化、支えるために用いられることができる。
【
図10】本開示の別の実施例による左靴下の内側面図である、該左靴下は着用者の左足のアーチを支えるために用いられることができる。
【
図12】
図10の左靴下と同様の右靴下の上面図であり、該右靴下は着用者の右足のアーチを支えるために用いられることができる。
【
図16】本明細書の別の形態による左靴下の内側面図であり、該左靴下は着用者の左足のアーチの垂下を矯正し、及び/又は着用者の左足の足の背屈筋を強化するために用いられることができる。
【
図21】右靴下の内側面図であり、該右靴下は着用者の右足のアーチの垂下を矯正し、及び/又は着用者の右足の足の背屈筋を強化するために用いられることができる。
【
図26】本明細書による別の形態の左靴下の内側面図であり、該左靴下は、足首の外返しをトレーニングし、着用者の左足の過度の足首の内返しを矯正するために用いられることができる。
【
図31】右靴下の内側面図であり、該右靴下は足首の外返しをトレーニングし、着用者の右足の過度の足首の内返しを矯正するために用いられることができる。
【
図36】本明細書による一形態の左靴下又は右靴下の内側面図であり、該左靴下又は右靴下は着用者の足の足首の屈曲を強化するために用いられることができる。
【
図41】本明細書による別の形態の左靴下又は右靴下の内側面図であり、該左靴下又は右靴下は着用者の足の足首の屈曲を選択的に強化するために用いられることができる。
【
図46】本明細書による一形態の左靴下又は右靴下の内側面図であり、該左靴下又は右靴下は着用者の足の足首の背屈を強化するために用いられることができる。
【
図51】左靴下の上面図であり、
図46~
図50に示す靴下の代替物として、該左靴下は着用者の足の足首の背屈を強化するために用いられることができる。
【
図53】本明細書による別の形態の左靴下の上面図であり、該左靴下は着用者の左足の足指の様々な問題を矯正し、着用者の左足の頂部及び底部の筋肉を強化するために用いられることができる。
【
図55】本明細書による各形態の右靴下の上面図であり、該右靴下は着用者の右足の足指の様々な問題を矯正し、着用者の右足の頂部及び底部の筋肉を強化するために用いられることができる。
【
図60】本明細書による別の形態の左靴下の内側面図であり、該左靴下は過度の脛骨の外旋を解決し且つ脛骨の内旋に抗するために用いられることができる。
【
図65】本明細書による各形態の右靴下の内側面図であり、該右靴下は過度の脛骨の外旋を解決し且つ脛骨の内旋に抗するために用いられることができる。
【
図70】本明細書によるの各形態の右靴下の内側面図であり、該右靴下は過度の脛骨の内旋を解決し且つ脛骨の外旋に抗するために用いられることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、治療用靴下の好ましい実施例を詳細に参照し、そのうちの1つ又は複数の例は図面に示す。各例は解釈するために提供されるものであり、保護しようとするテーマを制限することを意図しない。例えば、1つの実施例の一部として示され又は記述される特徴は異なる実施例とともに使用されることにより、もう1つの実施例を実現ことができる。本願は本開示の範囲及び精神に含まれるこれらの修正及び変更を含む。開示される技術の選択された組み合わせ又は形態は本治療用靴下の複数の異なる実施例に対応する。ある特徴は同じ又は同様な機能を実行する明確に言及されていない同様な装置又は異なる特徴と互いに置き換えることができる。
【0011】
本明細書で使用される単数形の「一」、「及び」及び「該」は、特に断りがない限り、複数形を含むものとする。
【0012】
本治療用靴下を説明するために、様々な用語を参照する必要がある。各靴下は織物本体(例えば、編地)を含み、該本体は、足指部分と、中足部分(足のアーチに対応する)と、踵部分と、足首部分(足首に近隣し又はカバーする一部)とを含む。本明細書において提供した図面にアンクレットソックス又はアンクレットソックスを示しているが、理解すべきこととして、他の長さの靴下、例えばソックス、ハイソックス又はオーバーニーレングスを代替的に使用することができる。そのため、図面に示す靴下の開口以外、靴下は余長を有してもよい。
【0013】
用語である足又は靴下の「内側」とは、足又は靴下が最も内側(大)の足指(即ち親指)を有する一側を指し、用語である「外側」とは、足又は靴下が最も外側(小)の足指を有する一側を指す。人は足を組まずに立ったり座ったりしている場合、左足の内側は右足の内側に隣接する。靴下の「底部」(又は「足底」)とは、一般的に、着用者の足の足底を覆い且つ床又は着用者の靴の内部の底面に接触する一側を指す。靴下の「頂部」とは、靴下の底部に対向する一側を指す。
【0014】
本治療用靴下は着用者の足の1つ又は複数の無力な筋群を強化及び/又はストレッチし、及び/又は筋群を正確な位置に支える。各靴下は少なくとも1つの弾性バンドを含み、該少なくとも1つの弾性バンドは靴下の本体に組み合わせられ、且つ強化対象の筋群の牽引線に当たりながら位置決め且つ支える対象の筋群の牽引線とともに位置決める必要がある。弾性バンドは靴下の本体とは別に編み込まれ又は編成され、且つ形成期間又はその後に本体に接続されることができ、又は弾性バンドは弾性糸を本体に編成又は編み込むことにより靴下の本体と一体化されることができる。着用者が足を所定の方式で動かす際に、弾性バンドは抵抗を提供することにより筋群をトレーニングすることができ、又は靴下の弾性バンドが無力な筋肉又は筋群を支える際に、弾性バンドは筋肉の張力に影響を与えることができる。いくつかの実施例において、強化ストリップは弾性バンドとともに使用される。
【0015】
本治療用靴下はあらゆる年齢の人に使用でき、そのため、そのサイズは様々な足に合わせて設定することができる。各靴下は標識、例えば内部(編まれた)又は外部(取り付けられた)ラベル、色又は他のマークを含んでもよく、これらの標識は靴下の用途及び/又は最適な効果を実現するために特定の靴下を履く足を指示する。
【0016】
第1の実施例によれば、
図1~
図9は、着用者の左足及び右足に用いられる靴下の様々な図面を示し、これらの靴下はアーチの筋肉を活性化することにより着用者の足のアーチを強化するために用いられることができ、着用者が所定の方式でその下脚、足首及び足を動かすと、アーチ筋肉はアーチを支え且つ持ち上げる。
図1~
図4はそれぞれ左靴下10Lの内側面図、外側面図、上面図及び下面図を示し、
図5~
図8は右靴下10Rの同様な図面を示す。
図9は左靴下及び右靴下双方の背面図を示す。
【0017】
図1~
図9に示すように、靴下10は織物(例えば、編地)からなり着用者の足を囲む本体20を有する。本体20は着用者がその足を挿入するための開口21(
図3及び
図7)を有する。第1の弾性バンド30は各靴下10の中足部分24を囲んで延び(
図1、
図2、
図5及び
図6に示す)。つまり、第1の弾性バンド30は靴下10の頂部から延び(
図3及び
図7に示す)、中足部分24の下方において継続に延び(
図4及び
図8に示す)、且つ靴下10の頂部に戻り、そこに該第1の弾性バンドはその自体及び/又は第2の弾性バンド40に接続される。
【0018】
第2の弾性バンド40は着用者の踵及び親指を囲んで「8」字状に形成される。具体的には、第2の弾性バンド40は第1のエリア40aを有し、該第1のエリアは靴下10の内側において靴下10の踵部分28(
図9に示す)から延び且つ靴下10の頂部(
図1及び
図5に示す)を乗り越える。第1のエリア40aに隣接する第2のエリア40bは中足部分24から足指部分22に延び、第2の弾性バンド40は親指と第2の足指との間(
図3及び
図7に示す)に位置決められる。第3のエリア40c(
図4及び
図8に示す)は靴下10の頂部から靴下10の底部又は足底を跨って親指を囲んで巻き付けられる。
【0019】
親指を囲んだ後、第2の弾性バンド40の第4のエリア40dは靴下10の内側において靴下10の頂部(
図3及び
図7に示す)に戻り、且つ第4のエリア40dが靴下10における踵部分28に近い外側を跨るにつれて(
図2及び
図6に示す)第2の部分40bと第1の弾性バンド30の上方において延びる。第5のエリア40e(
図9に示す)は踵部分28を囲んで巻き付けられ、且つ第1のエリア40aと第4のエリア40dとを接続する。第2の弾性バンド40が異なるエリア(40a~40e)を有するように記述されるが、理解すべきこととして、このような記述は第2の弾性バンド40のレイアウトを解釈するために用いられ、且つ第2の弾性バンド40は連続する単一の弾性バンドである。なお、第2の弾性バンド40は靴下10の本体20内で平坦に保たれており、第2の弾性バンド40にはいかなる歪みがない。
【0020】
第1の弾性バンド30及び第2の弾性バンド40の組み合わせは、着用者の足のアーチ、中足部分及び着用者の脚部の下脚の筋肉に抵抗及び支えを提供する。該抵抗によってアーチが強化され、このように着用者の足の痛みを低減させるとともに使い心地を向上させることができる。具体的には、第1の弾性バンド30及び第2の弾性バンド40は、足の足底の足底腱膜筋肉及び前脛骨筋、後脛骨筋、長趾屈筋、短指屈筋、長母趾屈筋、母趾外転筋、小指外転筋、長腓骨筋、短腓骨筋及び第3の腓骨筋をトレーニング又は強化することができるとともに、関連するすべての関節の靭帯にかかるストレスを軽減することができる。
【0021】
第2の実施例によれば、
図10~
図15は、着用者の左足及び右足に用いられる靴下12の様々な図面を示し、靴下12を履いた際に、踵骨を内側に回転させ且つ舟状骨、第1の楔状骨及び第1の跖骨の近位側部分を持ち上げることにより、靴下は着用者の足のアーチを選択的に支えるために用いられることができる。
図10及び
図11は左靴下12Lの内側面図及び外側面図を示し、
図12、
図13及び
図14はそれぞれ右靴下12Rの上面図、下面図及び正面図を示す。
図15図は右靴下12Rの(踵)背面図を示す。
【0022】
図1~
図9の靴下10と同様に、
図10~
図15の靴下12は、織物材料(例えば、編地)からなる本体20と第1の弾性バンド30とを有し、該本体は着用者の足が挿入する開口21を有し、該第1の弾性バンドは靴下12の本体20を囲んで巻き付けられ且つその自体は靴下12の頂部(
図12に示す)と靴下12の底部(
図13に示す)双方に重ね合わせる。
【0023】
左靴下12Lにおいて、靴下12の踵部分28(
図15に示す)から、弾性バンド30の第1のエリア30a(
図11に示す)は踵部分28から延び、且つ靴下12の内側を跨って靴下12の底部の下方に巻き付けられる。弾性バンド30の第2のエリア30bは続いて第1のエリア50aから延びて靴下12の底部を跨って、靴下12Lの外側から靴下12Lの内側(
図13に示す)に巻き付けられる。第2のエリア30bは第3のエリア30cに接続され、該第3のエリアは靴下12Lの外側において分岐して配置されるように第1のエリア30aと間隔を開ける(
図10に示す)。第1のエリア30aは第3のエリア30cとともに靴下12Lの頂部に第4のエリア30dを形成する。
図12に示すように、弾性バンド30の第4のエリア30dは靴下の中足部分24における第1のエリア30a及び第3のエリア30cから延び、靴下12Lの外側に向かって靴下12Lの頂部を跨って巻き付けられる。
【0024】
第4のエリア30dは靴下12の外側において靴下12Lの下方に巻き付けられ、且つ続いて第5のエリア30eとして延びて靴下12Lの底部の中間部分24を跨る(
図13に示す)。第6のエリア30fは続いて第5のエリア30eから延び、且つ靴下12Lの内側から靴下12Lの外側に向かって靴下12の頂部を跨って巻き付けられる(
図12に示す)。第6のエリア30fは靴下12Lの外側の下方に巻き付けられ、第7のエリア30gとなり、該第7のエリアは靴下12Lの底部上の接合部33において第5のエリア30eに重ね合わせる(
図13に示す)。第7のエリア30gは靴下12Lの内側から靴下12Lの外側に向かって延び靴下12Lの底部上の足指部分22を跨る。
【0025】
図12に示すように、第7のエリア30gは靴下12Lの内側において足指部分22に近くように靴下12Lの頂部に延び且つ第8のエリア30hとなり、該第8のエリアは接合部35において第6の部分30fに重ね合わせる。第8のエリア30hは接合部35から延びて靴下12Lの頂部を跨り、且つ第8のエリア30hにおいて踵部分28に向かって靴下12Lの外側に向かって続いて延びる際に接合部37において第4の部分30dに重ね合わせる(
図14にも示す)。第8のエリア30hは靴下12Lの内側における開口21に近い箇所において第9のエリア30iとなり、踵部分28における第1のエリア30aの一部に接続される(
図15に示す)。
【0026】
上述したように、弾性バンド30は連続しているエリア30a~30iを含み、これらのエリアをマーキングすることは、単にこれらのエリアの弾性バンド30に沿う対応位置を説明するためのものに過ぎない。指摘すべきこととして、弾性バンド30は、弾性バンド30の異なるエリアの幅がその長さに沿って変更するにもかかわらず、靴下12の本体20内で平坦に保たれており、第2の弾性バンド30にいかなる歪みがない。
【0027】
弾性バンド30の右靴下12Rにおける位置決めは、左靴下12Lと反対する。
【0028】
第1の弾性バンド30は着用者のアーチに支えを提供する。バンド30は内側に向かって踵骨を引っ張って舟状骨、第1の楔状骨及び第1の跖骨の近位側部分を持ち上げ、アーチを持ち上げてアーチの倒れを引き起こす弱くなる筋肉にかかるストレスを軽減させる。
【0029】
図16~
図25は、着用者の左足及び右足に用いられる靴下の様々な図面を示し、これらの靴下は着用者の足のアーチの垂下を矯正し、且つ対象筋群を活性化することにより後脛骨筋、長趾伸筋和短趾伸筋を強化するするために用いられることができる。
図16~
図20はそれぞれ左靴下100Lの内側面図、外側面図、上面図、下面図及び背面図を示し、
図21~
図25はそれぞれ右靴下100Rの同様な図面を示す。
【0030】
足が足底の内側、特に踵前端の緩やかに湾曲したアーチを失うと、アーチの垂下が発生する。アーチの垂下(扁平足とも呼ばれる)の人が歩行する時に足指が外に向かう傾向があり、この疾患は横扁平足と呼ばれる。アーチの垂下の人は、しばしば両足の疲労や痛みを訴え、特に長期間に立ちっぱなしや歩行の後に顕著である。
【0031】
図16~
図25に示すように、靴下100はニット素材からなり着用者の足を囲む本体120を有する。足は開口121を介して挿入し、該開口は靴下100のエンドを限定し、該例示的な実施例において、該エンドは着用者の足首に近い。靴下100の内側において(
図16及び
図21に示す)、第1の弾性バンド130の第1のエリア130aは各靴下100の踵部分128から中足部分124の下方に延び(
図16及び
図21に示す)。第1の弾性バンド130の第2のエリア130b(
図19及び
図24に示す)は中足部分124から伸び靴下100の底部を跨って、足指部分122における親指と第2の足指との間に到達する。第1の弾性バンド130の第3のエリア130cは足指部分122における親指と第2の足指との間から踵部分128における靴下100の外側に延び靴下100の頂部(
図18及び
図23に示す)を跨る。第1の弾性バンド130の第4のエリア130dは踵部分128を囲んで巻き付けられ且つ第1のエリア130aに接続される(
図20及び
図25に示す)。図示されるように、第1の弾性バンド130の第4のエリア130dは靴下100の内側から靴下100の外側まで一定の角度をなすように位置決められる。
【0032】
エリア130a~130dは第1の弾性バンド130において連続され且つ一体化される。指摘すべきこととして、第1の弾性バンド130は靴下100の本体120内で平坦に保たれるが、親指の周囲における空間は狭くなる可能性がある。
【0033】
靴下100は第2の弾性バンド140をさらに含む。
図19及び
図23に示すように、第2の弾性バンド140は靴下100の頂側において靴下100の足指部分122の殆どを囲む。第2の弾性バンド140は親指を囲まない。
図20及び
図24に示すように、第2の弾性バンド140は足指部分122(親指を含まない)を完全に囲んで巻き付けられ、且つ第2の弾性バンドの遠端142まで幅が狭くなり、第2の弾性バンド140は中足部分124に近い箇所において靴下100の底部上の第1の弾性バンド130に接続される。
【0034】
着用者が足の親指、足の前部及び踵を床に置き、そして膝及び足首を外に回転させると、第1の弾性バンド130は着用者の足の踵部分128及び足首部分に抗する抵抗(アーチを持ち上げる)を提供し、且つ中足部分124におけるアーチに抗する抵抗を提供する。第2の弾性バンド140は、足指を床に平らに保つための身体の暗示を着用者に提供し、足及び足首の背屈を強化するために用いられることができる。局部抵抗の組み合わせにより着用者のアーチを持ち上げ且つ後脛骨筋を強化し、着用者の不快感を軽減させる。具体的には、第1の弾性バンド130はアーチの筋肉(即ち、前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋、短腓骨筋、第3の腓骨筋、長趾屈筋、短指屈筋、長母指屈筋及び母趾外転筋)をトレーニング又は強化し、且つ関連するすべての関節の靭帯にかかるストレスを減少させる。第2の弾性バンド140は足及び足指の足の背屈筋(即ち、長母指伸筋、指伸筋、短趾伸筋、背側骨間筋及び第3の腓骨筋)を強化する。
【0035】
図26~
図35は着用者の左足及び右足に用いられる靴下の様々な図面を示し、これらの靴下は足首外返しをトレーニングし、着用者の足の過度の足首内返しを矯正するために用いられることができる。
図26~
図30はそれぞれ左靴下200Lの内側面図、外側面図、上面図、下面図及び背面図を示し、
図31~
図35は右靴下200Rの同様な図面を示す。
【0036】
「足首内返し」とは足が内側に捻じれることを指し、これは足首内返しの捻挫を引き起こす可能性がある。約90%の足首捻挫は内返しの損傷であり、これらは足首関節の外側の靭帯が過度にストレッチすることによるものである。数日から数週間にわたる捻挫痛みだけでなく、捻挫を受ける人は活動の制限や不便を経験する可能性もあり、捻挫の足首を休憩、冷罨法実施、持ち上げる必要があるかもしれない。
【0037】
図26~
図35に示すように、靴下200は、織物(例えば、編地)からなり着用者の足を囲む本体220を有する。靴下200は開口221を含み、着用者は該開口を介して足を挿入し、且つ該開口は本体220のエンドとして形成される。靴下200は第1の強化ストリップ260を含み、該強化ストリップは着用者の足首を囲み又は着用者の足首よりも少し高くなるように、靴下200の上部の部分を囲む。第2の強化ストリップ270は靴下200の中足部分224と足指部分222との間に位置決められる。強化ストリップ260、270は緻密材料のバンドであってもよく、靴下200の本体220と一体化される。
【0038】
第1の弾性バンド230の第1のエリア230aは靴下200の内側において踵部分228上の第1の強化ストリップ260に接続され(
図30及び
図35)、且つ靴下の内側を跨って巻き付けられる(
図26及び
図31)。第1の弾性バンド230の第2のエリア230bは靴下200下方において踵部分228と中足部分224との間に延び(
図26及び
図31)、且つ靴下200の外側に向かって靴下200の底部上の第2の強化ストリップ270に接続される(
図29及び
図34)。エリア230a及び230bは第1の弾性バンド230において連続され且つ一体化される。指摘すべきこととして、第1の弾性バンド230は靴下200の本体220内で平坦に保たれており、第1の弾性バンド230にいかなる歪みがない。
【0039】
第2の弾性バンド240の第1のエリア240aは靴下200の外側(
図30及び
図35)において踵部分228上の第1の強化ストリップ260に接続され、且つ靴下200の外側(
図27及び
図32)から靴下200の頂部の上方に巻き付けられる(
図28及び
図33)。第2の弾性バンド240の第2のエリア240bは靴下200の底部の下方に延びて、靴下200の内側付近において第2の強化ストリップ270に接続される(
図29及び
図34)。エリア240a及び240bは第2の弾性バンド240において接続され且つ一体化される。指摘すべきこととして、第2の弾性バンド240は靴下200の本体220内で平坦に保たれており、第2の弾性バンド240にいかなる歪みがない。
【0040】
具体的には、第1の弾性バンド230及び第2の弾性バンド240と第1の強化ストリップ260及び第2の強化ストリップ270との組み合わせは、外返し筋肉(即ち、長腓骨筋、短腓骨筋、第3の腓骨筋、指伸筋)をトレーニングし又は強化する。
【0041】
有益なこととして、靴下200Lが右足に履かれた場合、靴下200Lは着用者の右足を安定化させ、足首外返しを防止するために用いられることができ、これは、第2の弾性バンド240はこのような運動に抗する抵抗を提供し且つ該足を支えるためである。同様に、靴下200Rは同様の目的で左足に履かれてもよい。このような場合、靴下(反転する時に)は内返し筋肉(例えば、前脛骨筋及び後脛骨筋)を強化するために用いられる。
【0042】
図36~
図40は左靴下及び右靴下の第1の実施例を示し、該左靴下及び右靴下は、着用者の足の足首の屈曲に必要な筋肉を強化するために用いられることができる。
図36は、第1の実施例による左靴下又は右靴下の内側面図を示す。
図37及び
図38はそれぞれ左靴下300Lの上面図及び下面図を示し、
図39及び
図40は右靴下300Rの同様な図面を提供する。
【0043】
足の上表面(又は足の甲)が下に向かう時(例えば自動車のアクセルを踏む時)に足首の屈曲又は底屈が発生し、足の甲が脚部に応じて延びる。運動の範囲は一般的に約0度~50度である。
図36~
図45における靴下300、302は、足首の屈曲運動に使用される筋肉を強化するために用いられることができ、それによって、すべての範囲の運動を維持し且つ引き裂き又はけがのリスクを低減させる。
【0044】
図36に示すように、靴下300はニット素材の本体320を含み、該本体は着用者がその足を挿入する開口321を含む。強化ストリップ360は着用者の足首を囲み又は着用者の足首よりも少し高くなるように、靴下300の上部の部分を囲む。第1の弾性バンド330は頂部の表面(
図37及び
図39に示す)及び底部の表面(
図38及び
図40に示す)双方において靴下300の足指部分322を囲む。頂部の表面において、第1の弾性バンド330は、互いに一体化される中央エリア330a及び足指エリア330bを含む。足指エリア330bは靴下300の内側及び靴下300の外側から開口321に向かって徐々に縮小し、且つ中央エリア330aにおいて狭くなる。靴下300の底部又は足底において、足指部分330bと一体化された足指エリア330cは靴下300の本体320の足指部分322の上方において延びる。
【0045】
第2の弾性バンド340は靴下300の頂部上の第1の弾性バンド330に接続される。靴下300の頂部において、第2の弾性バンド340は中央エリア340aを含み、該中央エリアは、足指部分322に向かって延びる「弓」字状エリア340b、340cに分岐する。靴下300の底部において、単一の「弓」字状エリア340dは、底部の表面を跨って「弓」字状エリア340b、340cに接続するように設置される。中央エリア340a、「弓」字状エリア340b、340c及び「弓」字状エリア340dは互いに一体化される。
【0046】
第3の弾性バンド350は第2の弾性バンド340の中央エリア340a及び強化ストリップ360に接続される。靴下300の頂部において、第3の弾性バンド350は中央エリア350aを含み、該中央エリアは第1の弾性バンド330の中央エリア330aと第2の弾性バンド340の中央エリア340aに整列される。第3の弾性バンド350の中央エリア350aは靴下300の頂部上の強化ストリップ360に接続される。「弓」字状エリア350b、350cは中央部分350aから足指部分322に向かって延びる。靴下300の底部において、単一の「弓」字状エリア350dは底部の表面を跨って「弓」字状エリア350b、350cに接続するように設置される。中央エリア350a、「弓」字状エリア350b、350c及び「弓」字状エリア350dは互いに一体化される。
【0047】
図41~
図45は左靴下及び右靴下の第2の実施例を示し、該左靴下及び右靴下は着用者の足の足首の屈曲に必要となる筋肉を選択的に強化するために用いられることができる。
図41は第2の実施例による左靴下又は右靴下の内側面図を示す。
図42及び
図43はそれぞれ左靴下302Lの上面図及び下面図を示し、
図44及び
図45は右靴下302Rの同様な図面を提供する。
【0048】
図41に示すように、靴下302はニット素材の本体320を含み、該本体は着用者がその足を挿入する開口321を含む。強化ストリップ360は着用者の足首を囲み又は着用者の足首よりも少し高くなるように、靴下300の上部の部分を囲む。
図36~
図40の靴下300は第1の弾性バンド330を含むが、靴下302の頂部の表面及び底部の表面双方は複数の弾性ストリップ332a~332eを含み、複数の弾性ストリップのうちの各弾性ストリップは、着用者の足の対応する1つの足指に整列される。
【0049】
靴下300と同様に、靴下302は第1の弾性バンド342と第2の弾性バンド352とを含む。靴下300の頂部(
図42及び
図44に示す)において、第1の弾性バンド342は中央エリア342aを含み、該中央エリアは足指部分322に向かって延びる「弓」字状エリア342b、342cに分岐する。弾性ストリップ332a~332eのうちの各弾性ストリップは靴下302頂部上の第1の弾性バンド342に接続される。従って、弾性ストリップ332a~332eのうちの各弾性バンドは異なる長さを有して、第1の弾性バンド342の「弓」字状エリア342b、342cとの接続に適する。靴下302の底部において(
図43及び
図45に示す)、単一の「弓」字状エリア342dは底部の表面を跨って「弓」字状エリア342b、342cに接続するように設置される。弾性ストリップ332a~332eは続いて靴下302の頂部から靴下302の底部上の「弓」字状エリア342dに延びる。
【0050】
第2の弾性バンド352は第1の弾性バンド342の中央エリア342a及び強化ストリップ360に接続される。靴下300の頂部において、第2の弾性バンド352は、第2の弾性バンド342の中央エリア342aに整列される中央エリア352aを含む。第2の弾性バンド352の中央エリア352aは靴下300の頂部上の強化ストリップ360を含む。「弓」字状エリア352b、352cは中央部分352aから足指部分322に向かって延びる。靴下300の底部において、単一の「弓」字状エリア352dは底部の表面を跨って「弓」字状エリア352b、352cに接続するように設置される。
【0051】
図36~
図45の実施例における弾性バンドと強化ストリップとの間の協力関係は、足を下方向に伸ばすための上面の筋肉の強化し又はトレーニングすることに寄与し、下脚、中足及び足指の屈筋を強化し、けが又は引き裂きの可能性を低減させる。具体的には、第1の弾性バンド330又は332、第2の弾性バンド340又は342及び第3の弾性バンド350は、屈筋をトレーニングし又は強化して背屈に抵抗する。より具体的には、弾性バンド330又は332、340又は342及び350は、足底、腓腹筋、跖筋、長母指屈筋、短趾屈筋、長趾屈筋、短趾屈筋、後脛骨筋、長腓骨筋、短腓骨筋、母趾外転筋、小指外転筋、虫様筋、背側骨間筋及び跖方筋をトレーニングし又は強化する。
【0052】
図46~
図50は左靴下及び右靴下の第1の実施例を示し、該左靴下及び右靴下は着用者の足の足首の背屈に必要となる筋肉を強化し又はトレーニングするために用いられることができる。
図46は第1の実施例による左靴下又は右靴下の内側面図を提供する。
図47及び
図48はそれぞれ左靴下400Lの上面図及び下面図を示し、
図49及び
図50は右靴下400Rの同様な図面を提供する。
図51及び
図52は左靴下402(即ち、402L)の第2の実施例を示し、該左靴下は、着用者の足の足首の背屈に必要となる筋肉を選択的に強化し又はトレーニングするために用いられることができる。具体的には、第1の弾性バンド430、第2の弾性バンド440及び第3の弾性バンド450は足の背屈筋をトレーニングし又は強化して屈曲に抗する。
【0053】
足の上表面(又は足の甲)が上に向かう時に足首の背屈が発生し、足の甲は脚部に応じて短縮する。運動の範囲は一般的に約0度~20度である。
図46~
図52の靴下400、402は足首の背屈運動において使用される筋肉を強化するために用いられることができ、すべての範囲の運動を維持し、引き裂き又はけがのリスクを低減させる。靴下400、402は、靴下400、402の底部又は足底に設けられ分岐される第1の弾性バンド及び第2の弾性バンドを含む。弾性バンドのこのような配置は、
図36~
図45に関連して説明される、足首の屈曲に用いられる筋肉を強化することに反対し、足首の背屈は足首の屈曲と反対する運動であるため、これは適切である。
【0054】
図46に示すように、靴下400はニット素材の本体420を含み、該本体は着用者がその足を挿入する開口421を含む。強化ストリップ460は着用者の足首を囲んで又は着用者の足首よりも少し高くなるように、靴下400の上部の部分を囲む。第1の弾性バンド430は頂部の表面(
図46及び
図47に示す)及び底部の表面(
図48に示す)双方において靴下400の足指部分422を囲む。底部の表面において、第1の弾性バンド430は、互いに一体化された中央エリア430a及び足指エリア430bを含む。足指エリア430bは靴下400の内側及び靴下400の外側から開口421に向かって徐々に縮小し、中央エリア430aにおいて狭くなる。靴下400の頂部において、足指エリア430bと一体化された足指エリア430cは靴下400の本体420の足指部分422の上方において延びる。
【0055】
第2の弾性バンド440は靴下400の底部上の第1の弾性バンド430に接続される。靴下400の底部において、第2の弾性バンド440は中央エリア440aを含み、該中央エリアは、足指部分422に向かって延びる「弓」字状エリア440b、440cに分岐される。靴下400の頂部において、単一の「弓」字状エリア440dは底部の表面を跨って「弓」字状エリア440b、440cに接続するように配置される。中央エリア440a、「弓」字状エリア440b、440c及び「弓」字状エリア440dは互いに一体化される。
【0056】
第3の弾性バンド450は第2の弾性バンド440の中央エリア440aに接続され、踵部分428において強化ストリップ460に接続される。靴下400の頂部において、第3の弾性バンド450は中央エリア450aを含み、該中央エリアは第1の弾性バンド430の中央エリア430aに整列され、第2の弾性バンド440の中央エリア440aに整列され且つ接続される。第3の弾性バンド450の中央エリア450aは靴下400の底部から踵部分428に沿って強化ストリップ460に接続される。「弓」字状エリア450b、450cは中央部分450aから足指部分422に向かって延びる。靴下400の頂部において、単一の「弓」字状エリア450dは頂部の表面を跨って「弓」字状エリア450b、450cに接続するように設置される。中央エリア450a、「弓」字状エリア450b、450c及び「弓」字状エリア450dは互いに一体化される。
【0057】
図51及び
図52は左靴下の第2の実施例を示し、該左靴下は着用者の足の足首の背屈に必要となる筋肉を選択的に強化するために用いられることができる。
図51及び
図52はそれぞれ左靴下402Lの上面図及び下面図を示す。右靴下(図示せず)は同様に構成される。
【0058】
図51に示すように、靴下402はニット素材の本体420を含み、該本体は着用者がその足を挿入する開口421を有する。強化ストリップ460は着用者の足首を囲んで又は着用者の足首よりも少し高くなるように靴下400の上部の部分を囲む。
図46~
図50の靴下400は第1の弾性バンド430を含むが、靴下402の頂部の表面及び底部の表面双方は複数の弾性ストリップ432a~432eを含み、複数の弾性ストリップのうちの各弾性ストリップは着用者の足の対応する1つの足指に整列される。
【0059】
靴下400と同様に、靴下402は第1の弾性バンド442と第2の弾性バンド452とを含み。靴下400と異なり、靴下402は足指部分422付近に位置する第2の強化ストリップ470を含む。
【0060】
靴下400の底部(
図52に示す)において、第1の弾性バンド442は中央エリア442aを含み、該中央エリアは足指部分422に向かって延びる「弓」字状エリア442b、442cに分岐される。弾性ストリップ432a~432eのうちの各个弾性バンドは靴下402の底部上の第1の弾性バンド442及び靴下402の頂部上の第2の強化ストリップ470に接続される(
図51に示す)。従って、弾性ストリップ432a~432eのうちの各弾性バンドは異なる長さを有して、第1の弾性バンド442の「弓」字状エリア442b、442cとの接続に適する。
【0061】
靴下402の頂部において(
図51に示す)、単一の「弓」字状エリア442dは頂部の表面を跨って「弓」字状エリア442b、442cに接続するように設置される。弾性ストリップ432a~432eは続いて靴下402の底部から靴下402の頂部上の第2の強化ストリップ470に延びる。
【0062】
第2の弾性バンド452は第1の弾性バンド442の中央エリア442aに接続され、踵部分428において強化ストリップ460に接続される。靴下402の底部において、第2の弾性バンド452は第1の弾性バンド442の中央エリア442aに整列される中央エリア452aを含む。第2の弾性バンド452の中央エリア452aは靴下402の踵部分428上の強化ストリップ460に接続される。「弓」字状エリア452b、452cは中央部分452aから足指部分422に向かって延びる。靴下402の頂部において、単一の「弓」字状エリア452dは頂部の表面を跨って「弓」字状エリア452b、452cに接続するように設置される。
【0063】
図46~
図52の実施例において、弾性バンドと強化ストリップとの間の協力関係は、足を上方向に(背屈)動かすための上面の筋肉を強化し又はトレーニングすることに寄与し、けが又は引き裂きのリスクを低減させる。具体的には、弾性ストリップ432a~432e、第1の弾性バンド442及び第2の弾性バンド452は前脛骨筋、脛骨第3筋、長母指伸筋、短母指伸筋、長趾伸筋及び短趾伸筋をトレーニングし又は強化する。
【0064】
図53~
図59は本明細書による別の形態の左靴下及び右靴下を示し、該左靴下及び右靴下は着用者の足の足指の様々な問題を矯正するために用いられることができ、それによって、足指の足底の屈曲及び背屈を強化し、且つ着用者の足の頂部及び底部の筋肉を強化する。
図53及び
図54はそれぞれ左靴下500Lの上面図及び下面図を示し、
図55及び
図56は右靴下500Rの同様な図面を示す。
図57は
図55の右靴下500Rの正面図を示す。
図58は左靴下500L及び右靴下500R双方の背面図を示す。
図59は左靴下502Lの正面図であり、該左靴下は
図53及び
図54の左靴下500Lの選択可能な形態である。
【0065】
図53~
図59の靴下500、502は適切な筋肉をストレッチ、強化すること、及び足指を適切な位置に改めて位置決めることにより着用者の足の足指の様々な問題、例えば、錘状の足指、ワシ爪状の足指及び槌状の足指を解決する。「錘状の足指」とは、足指の中間関節が床に向かって異常に曲がる足の疾患を指す。一般的に、錘状の足指は第2の足指(親指に近い)に影響を与え、患部の足指は痛みや動きにくさが生じ、親指の嚢胞(のうほう)、魚の目又は老化した角質に発展する可能性がある。爪先の幅が狭い靴やハイヒールを履くことが錘状の足指を引き起こす可能性がある。「槌状の足指」とは、足指のエンドの関節が曲がる足の疾患を指す。爪先付近の皮膚が痛みのある魚の目に発展する可能性があり、最終的には潰瘍を引き起こすことがある。足指は赤く腫れ、非常に痛い。第2の足指は一般的に最も長いため、槌状の足指になりやすい。「ワシ爪状の足指」とは、一般的に、4つの小さい足指を同時に病気にかかることを指す。足指は足指と足との接合関節において上に曲がる。それらは中間関節及び足指先に近い関節において下に曲がる。これにより、足指は床に向かって下に曲がり、親指の嚢胞、魚の目又は老化した角質に発展する可能性があり、快適な靴を見つけるのが難しい可能性がある。
【0066】
靴下500は織物(例えば、ニット素材)である本体520を含み、該本体は着用者が足を挿入する開口521を含む。第1の強化ストリップ560は着用者の足首を囲んで又は着用者の足首よりも少し高くなるように、靴下500の上部の部分を囲む。第2の強化ストリップ570は靴下500の足指部分522のやや前方に位置決められる。
図53~
図58の実施例において、靴下500は足指を露出させるものであってもよく、例えば、足指部分522における破線に示す(つまり、足指部分522は以下に記載される弾性足指バンドのみを有し、靴下500の織物本体520の延伸部分を有しなくてもよい)。
【0067】
図53及び
図55に示すように、第1の弾性バンド530は靴下500の頂部に設けられ、第1の強化ストリップ560から第2の強化ストリップ570に延びる。第1の弾性バンド530は中足部分524において中央エリア530aから第1の分岐530bと第2の分岐530cとに分岐し、「Y」字状の弾性バンドとして形成される。
【0068】
第2の弾性バンド540は、靴下500の底部又は足底、靴下500の踵部分528に設けられる。第2の弾性バンド540の第1のエリア540aは踵部分528において第1の強化ストリップ560から伸び(
図58に示す)、靴下500の底部に巻き付けられる。
図54及び
図56に示すように、第2の弾性バンド540の第2の(中央)エリア540bは踵部分528から中足部分524に向かって延び、第2の弾性バンド540は第1の分岐540cと第2の分岐540dとに分岐する。第1の分岐540c及び第2の分岐540dは第2の強化ストリップ570に接続される。
【0069】
再び
図53及び
図55を参照し、靴下500の足指部分522は第1の複数の弾性足指バンド580~588を含み、それらは靴下500の頂部から靴下500の内部において延び、着用者の足の各足指を囲んで貼合するように配置される。各弾性足指バンド580、582、584、586及び588は、「a」と表記する第1のエリア、「b」と表記する第2のエリア及び「c」と表記する第3のエリアを含む。例えば、弾性足指バンド580は、第2の強化ストリップ570に接続される第1のエリア580aと、着用者の足の親指を位置決める第2のエリア580bと、親指の爪を囲んでドーム又はカップ形状(
図57にも示す)に形成される第3のエリア580cとを含む。具体的には、第2のエリア580b及び第3のエリア580cは足指の遠位側部分(即ち、それぞれは中間足指関節及び足指爪である)を囲む。他の弾性足指バンド582~588は同様に配置される。弾性足指バンド580~588の「a」~「c」部分は足指にわずかな上方向の力を提供して、着用者の足が経験する錘状の足指、ワシ爪状の足指又は槌状の足指の問題を軽減及び/又は矯正又は完全に防止する。
【0070】
図54及び
図56に示すように、第2の複数の弾性足指バンド590~598は靴下500の底部上の第2の強化ストリップ570から靴下500の内部に延びる。各弾性足指バンド590~598は着用者の各足指を囲んで貼合するように配置される。各弾性足指バンド590、592、594、596及び598は、「a」と表記する第1のエリアと、「b」と表記する第2のエリアとを含む。例えば、弾性足指バンド590は、第2の強化ストリップ570に接続される第1のエリア590aと、着用者の足の親指を位置決める第2のエリア590bとを含む。具体的には、「b」エリアは足付近(即ち、第2の強化ストリップ570付近)の足指関節を囲む。他の弾性足指バンド592~598は同様に配置される。弾性足指バンド590~598のエリア「a」及び「b」は足指の近位側の関節に僅かの下向きの力を提供し、それによって、弾性足指バンド580~588とともに動作し、足指の遠位側の関節に上向きの力を提供して、着用者が経験する錘状の足指、ワシ爪状の足指又は槌状の足指という問題を軽減し及び/又は矯正する。
【0071】
図59は左靴下502、502Lの正面図を提供し、該左靴下は
図53、
図55及び
図57に示す左靴下と同様である。靴下502Lにおいて、第2の強化ストリップ570に接続される弾性足指バンド580~588以外、分離板581、583、585及び587も第2の強化ストリップ570から伸び、各分離板は対応する一対の隣接する足指の間に設けられる。分離板581~587は靴下本体520の内表面に位置決められ、且つ足指がそれぞれの弾性足指バンド580~588において互いに分離すること、及びそれぞれの弾性足指バンド590~598において互いに分離することを保持することに寄与する。
【0072】
弾性バンド530、540、強化ストリップ560、570、第1の複数の弾性足指バンド580~588(a~c)及び第2の複数の弾性足指バンド590~590(a~b)の組み合わせは足指の近位側関節及び遠位側関節に抗に対する抵抗を提供し、それによって、例えば錘状の足指、ワシ爪状の足指又は槌状の足指という様々な足指の問題を矯正する。具体的には、弾性バンド530、540、580~588及び590~598は、足底、腓腹筋、跖筋、後脛骨筋、前脛骨筋、長母指屈筋、短趾屈筋、長趾屈筋、短指屈筋、長腓骨筋、短腓骨筋、第3の腓骨筋、長母指伸筋、短母指伸筋、長趾伸筋、短趾伸筋、母趾外転筋、小指外転筋、虫様筋、背側骨間筋及び跖方筋をトレーニングし又は強化する。
【0073】
図60~
図69は左靴下及び右靴下の様々な図面を示し、該左靴下及び右靴下は過度の脛骨の外旋を解決し且つ脛骨の内旋に抗するために用いられることができる。第1の実施例によれば、
図60~
図64はそれぞれ左靴下600Lの内側面図、外側面図、上面図、下面図及び背面図を示し、
図65~
図69はそれぞれ右靴下600Rの同様な図面を示す。
【0074】
過度の脛骨の外旋は、下脚骨(脛骨)が大腿骨(股骨)に対して過度に外向きに回転する疾患である。例えば、時間の経過とともに、人の右足はこのような回転を起こし、右足は車のアクセルを踏むために外向きに回転する。従って、足指が外向きに回転し、且つ脛骨外旋の人は横扁平足の歩行様式を持つ。男性と女性の罹患率は同じである。脛骨外旋は、膝の問題、症状性の扁平足及び足根骨(ふ骨;足指)の問題を引き起こす可能性があり、これらの問題はトレーニング中にけがのリスクを回避することが難しくなる可能性がある。
【0075】
靴下600は織物(例えば、編地)からなり着用者の足を囲む本体620を有する。本体620は着用者がその足を挿入する開口621を有する。弾性バンド630と靴下600の本体620は一体化され、且つ足前を囲んで中足部分と足指部分との間に巻き付けられる。弾性バンド630は踵部分628からの第1のエリア630a(例えば
図64及び
図69に示す)を含む。弾性バンド630の第1のエリア630aは靴下の内側を跨って(
図60及び
図65に示す)、靴下600の頂部の上方に巻き付けられ(
図62及び
図67に示す)、且つ靴下の外側を跨って巻き付けられ(
図61及び
図66に示す)、第1のエリア630a及び第2のエリア630bは第3のエリア630cと交差する。
【0076】
図61及び
図66に示すように、弾性バンド630の第2のエリア630bは踵部分628において第1のエリア630aから延びる。第2のエリア630bは靴下600の外側に沿って足指部分622に向かって延びる。第2のエリア630bが靴下600の頂部の表面に設けられる時(
図61及び
図66に示す)、第3のエリア630cは靴下600の底部に設けられ(
図63及び
図68に示す)、第2のエリア630bと同じな長さに沿って踵部分628から足指部分622に向かって延びる。
【0077】
中足部分624と足指部分622との間の位置において、弾性バンド630の第2のエリア630bは靴下600の外側上の接合部635において弾性バンド630の第4のエリア630dに接続される(
図61及び
図66に示す)。弾性バンド630の第4のエリア630dは靴下600の頂部を跨って、靴下600の内側を囲んで巻き付けられ(
図62及び
図67に示す)、且つ靴下600の底部を延びて跨る第5のエリア630eとなる(
図63及び
図68に示す)。第4のエリア630dは靴下600の外側上の接合部637において第5のエリア630eに接続される。
【0078】
図60~
図69の弾性バンド630の位置決めは、足を内向きに回転させる筋肉を強化し又はトレーニングすることに協力することにより、脛骨の外旋に抗する抵抗を提供する。具体的には、靴下600は膝窩筋、薄筋、半膜様筋、半腱様筋及び縫工筋をトレーニングし又は強化し、膝を90度曲げたり股骨を固定した位置にある場合に脛骨を内側に回転させる。従って、脛骨と足を適切に整列し、膝又は足のけが又は引き裂きの可能性を低減させる。
【0079】
図70~
図74はそれぞれ右靴下の内側面図、外側面図、上面図、下面図及び背面図を示し、該右靴下は脛骨の内旋を解決し及び/又は親指の嚢胞を矯正するために用いられることもできる。
【0080】
脛骨の内旋とは、下脚骨(脛骨)が大腿骨(股骨)に対して過度に内向きに回転する疾患である。このような疾患は脛骨の外旋ほど一般的ではないが、このような疾患は同様のタイプの痛みや潜在的な損傷を引き起こす可能性がある。
【0081】
靴下700は織物(例えば、編地)からなり着用者の足を囲む本体720を有する。本体720は着用者がその足を挿入する開口721を有する。弾性バンド730と靴下700の本体720は一体化され、足前を囲み且つ中足部分と足指部分との間に巻き付けられる。弾性バンド730は踵部分728からの第1のエリア730a(
図74に示す)を含む。弾性バンド730の第1のエリア730aは靴下700の外側を跨って巻き付けられ(
図71に示す)、靴下700の頂部の上方(
図72に示す)に巻き付けられ、且つ靴下の内側を跨って巻き付けられ(
図70に示す)、第1のエリア730a及び第2のエリア730bは第3のエリア730cと交差する。
【0082】
図70に示すように、弾性バンド730の第2のエリア730bは踵部分728において第1のエリア730aから延びる。第2のエリア730bは靴下700の内側に沿って足指部分722に向かって延びる。第2のエリア730bが靴下700の頂部の表面に設けられる時に(
図70に示す)、第3のエリア730cは靴下700の底部に設けられ(
図73に示す)、且つ第2のエリア730bと同じな長さに沿って踵部分728から足指部分722に向かって延びる。
【0083】
中足部分724と足指部分722との間の位置において、弾性バンド730の第2のエリア730bは靴下700の内側上の接合部735において弾性バンド730の第4のエリア730dに接続される(
図70に示す)。弾性バンド730の第4のエリア730dは親指の周囲に成形され、且つ第5のエリア730eに延び、該第5のエリアは靴下700の頂部を跨って(
図72に示す)且つ靴下700の外側を囲んで巻き付けられる。第6のエリア730fは靴下700の底部を延びて跨って(
図73に示す)、且つ周囲の親指の底部に成形された第7のエリア730gと一体化される。第7のエリア730gは靴下700の内側上の接合部737において第4のエリア730dに接続される(
図70に示す)。第4のエリア730d及び第7のエリア730gの一部の環状物は親指の嚢胞を矯正し又は防止して、そうでなければ、親指の嚢胞は親指が小足指に向かって曲がることを引き起こす可能性がある。
【0084】
図70~
図74の弾性バンド730のエリア間の協力関係及び位置決めは、足を内向きに回転させる筋肉を強化し又はトレーニングすることに寄与し、脛骨の内旋に抗する抵抗を提供する。具体的には、靴下700は大腿筋膜張筋、大腿二頭筋、外側広筋、腓腹筋外側頭をトレーニングし又は強化する。従って、脛骨及び足を適切に整列させ、膝又は足のけが又は引き裂きの可能性を低減させる。また、母趾外転筋をストレッチすることにより、親指の嚢胞を形成することを低減させることができる。
【0085】
本明細書において、治療用靴下の本実施例によって、様々な筋群を支え又は強化する参照のすべてを列挙したものではない。いくつかの場合、提供した靴下の構造は言及されていなかった他の筋群に寄与できる可能性がある。
【0086】
本多機能治療用靴下の好ましい実施例を示し説明したが、本開示の精神及び範囲を逸脱しない限り、修正及び変更を行うことができる。従って、理解すべきこととして、各実施例のすべて又は一部を互いに置き換えることができる。なお、当業者が理解できるように、上述した説明は例示的なものに過ぎず、本発明に対する制限ではなく、本発明を特許請求の範囲においてさらに説明する。
【国際調査報告】