(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】臨終信号を用いた機能不全報告の管理
(51)【国際特許分類】
H04L 41/06 20220101AFI20240424BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240424BHJP
H04W 76/18 20180101ALI20240424BHJP
H04W 40/28 20090101ALI20240424BHJP
【FI】
H04L41/06
H04W84/18 110
H04W76/18
H04W40/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564594
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 US2022025023
(87)【国際公開番号】W WO2022225813
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523325484
【氏名又は名称】ランディス・ギア・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ジェイムズ ランドール
(72)【発明者】
【氏名】カルドソ,ルーベン イー サラサール
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ,アニシュ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
メッシュネットワークを介してルートノードと通信している、マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNにおける第1のノードによって、機能不全を検出する。機能不全持続期間が満了することを待機した後に、第1のノードは、第2のレイヤのトポロジーに基づいてレイヤ固有の時間区間にわたって待機する。第1のノードは、マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第2のノードから臨終信号を受信する。臨終信号は、第2のノードのための識別子と、レイヤN+1の表示とを含む。レイヤ固有の時間区間が満了した後、第1のノードは、第1のノードのための識別子と、レイヤNの表示と、第2のノードのための識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、統合された臨終信号を送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチレイヤメッシュネットワークにおいて機能不全情報を報告するための方法であって、上記方法は、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNにおける第1のノードによって、機能不全状態を検出することと、
上記機能不全状態を検出した後に、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機することと、
上記予め決められた機能不全持続期間が満了した後に、レイヤNのトポロジーに基づくレイヤ固有の時間区間にわたって待機し続けることと、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第2のノードから、上記第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、臨終信号を受信することと、
上記レイヤ固有の時間区間が満了した後に、上記第1のノードのための第1の識別子と、レイヤNの表示と、上記第2のノードのための第2の識別子と、上記レイヤN+1の表示とを含む、統合された臨終信号を送信することとを含む、
方法。
【請求項2】
電力供給を受けるノードによって、上記統合された臨終信号を受信することと、
上記電力供給を受けるノードによって、上記統合された臨終信号に関連付けられた機能不全情報を含む統合された機能不全メッセージをヘッドエンドに送信することとをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
上記電力供給を受けるノードは、第1のレイヤにおける、コレクタを備えるルートノードであり、
上記方法は、上記レイヤ固有の時間区間が終了した後に、上記統合された機能不全メッセージを、別個の通信ネットワークを介して上記ヘッドエンドに送信することをさらに含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN-1における第3のノードによって、上記統合された臨終信号を受信することをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
上記臨終信号は、上記機能不全状態の時間に対応するタイムスタンプを含む臨終信号パケットを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
上記機能不全状態は第1の機能不全状態であり、
上記統合された臨終信号は第1の統合された臨終信号であり、
上記方法は、
上記第1のノードによって、上記第2のノードからの臨終信号が、第3のノードのための第3の識別子と、レイヤN+2の表示とを含む、第2の統合された臨終信号であることを決定することと、
上記第1のノードによって、上記第2の統合された臨終信号に基づいて、上記第3のノードの第2の機能不全状態を決定することと、
上記第1のノードによって、上記第1の統合された臨終信号を生成することとをさらに含み、
上記第1の統合された臨終信号は、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+2の表示とを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
上記臨終信号は第1の臨終信号であり、
上記方法は、
上記第1のノードによって、上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+2における第3のノードから、上記第3のノードのための第3の識別子と、レイヤN+2の表示とを含む、第2の臨終信号を受信することと、
上記第1のノードによって、上記統合された臨終信号を生成することとをさらに含み、
上記統合された臨終信号は、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+2の表示とを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項8】
上記第1のノードによって、上記第3のノードからの上記第2の臨終信号が重複メッセージを含むことを決定することと、
上記第1の統合された臨終信号を生成する前に、上記第1のノードによって、上記重複メッセージのコピーを除去することで上記第2の臨終信号の重複を解消することとをさらに含む、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
上記第1のノードによって、上記第3のノードからの上記第2の臨終信号が重複メッセージを含むことを決定することと、
上記第1のノードによって、上記重複メッセージのコピーを除去することによって上記第1の統合された臨終信号の重複を解消することとをさらに含む、
請求項7記載の方法。
【請求項10】
上記第1のノードによって、上記第1の臨終信号及び上記第2の臨終信号を連結することで、上記第1の統合された臨終信号を生成することをさらに含む、
請求項7記載の方法。
【請求項11】
マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNにおける第1のノードを備えるシステムであって、
上記第1のノードは、
機能不全状態を検出し、
上記機能不全状態を検出した後に、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機し、
上記予め決められた機能不全持続期間が満了した後に、上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNのトポロジーに基づくレイヤ固有の時間区間にわたって待機し続け、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第2のノードから、上記第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、臨終信号を受信し、
上記レイヤ固有の時間区間が満了した後に、上記第1のノードのための第1の識別子と、レイヤNの表示と、上記第2のノードのための第2の識別子と、上記レイヤN+1の表示とを含む、統合された臨終信号を送信するように構成される、
システム。
【請求項12】
上記システムは、上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN-1における第3のノードをさらに備え、
上記第3のノードは、
上記統合された臨終信号を受信し、
上記統合された臨終信号に関連付けられた機能不全情報を含む統合された機能不全メッセージをヘッドエンドに送信するように構成される、
請求項11記載のシステム。
【請求項13】
上記機能不全状態は第1の機能不全状態であり、
上記統合された臨終信号は第1の統合された臨終信号であり、
上記第1のノードは、
上記第2のノードからの臨終信号が、第3のノードのための第3の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、第2の統合された臨終信号であることを決定し、
上記第2の統合された臨終信号に基づいて、上記第3のノードの第2の機能不全状態を決定し、
上記第1の統合された臨終信号を生成するようにさらに構成され、
上記第1の統合された臨終信号は、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+1の表示とを含む、
請求項11記載のシステム。
【請求項14】
上記臨終信号は第1の臨終信号であり、
上記システムは、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第3のノードから、上記第3のノードのための第3の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、第2の臨終信号を受信することと、
上記統合された臨終信号を生成することとをさらに含み、
上記統合された臨終信号は、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+1の表示とを含む、
請求項11記載のシステム。
【請求項15】
上記第3のノードからの上記第2の臨終信号が重複メッセージを含むことと決定することと、
上記第1の統合された臨終信号を生成する前に、上記重複メッセージのコピーを除去することで上記第2の臨終信号の重複を解消することとをさらに含む、
請求項14記載のシステム。
【請求項16】
上記第1の臨終信号及び上記第2の臨終信号を連結することで、上記第1の統合された臨終信号を生成することをさらに含む、
請求項14記載のシステム。
【請求項17】
マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNにおける第1のノードであって、上記第1のノードは、
コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、
コンピュータ可読命令を備えるメモリとを備え、
上記コンピュータ可読命令は、上記プロセッサによって実行されたとき、
機能不全状態を検出することと、
上記機能不全状態を検出した後に、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機することと、
上記予め決められた機能不全持続期間が満了した後に、レイヤNのトポロジーに基づくレイヤ固有の時間区間にわたって待機し続けることと、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第2のノードから、上記第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、臨終信号を受信することと、
上記レイヤ固有の時間区間が満了した後に、上記第1のノードのための第1の識別子と、レイヤNの表示と、上記第2のノードのための第2の識別子と、上記レイヤN+1の表示とを含む、統合された臨終信号を送信することとを含む動作を上記プロセッサに実行させるように構成される、
第1のノード。
【請求項18】
上記機能不全状態は第1の機能不全状態であり、
上記統合された臨終信号は第1の統合された臨終信号であり、
上記動作は、
上記第2のノードからの臨終信号が、第3のノードのための第3の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、第2の統合された臨終信号であることを決定することと、
上記第2の統合された臨終信号に基づいて、上記第3のノードの第2の機能不全状態を決定することと、
上記第1の統合された臨終信号を生成することとをさらに含み、
上記第1の統合された臨終信号は、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+2の表示とを含む、
請求項17記載の第1のノード。
【請求項19】
上記臨終信号は第1の臨終信号であり、
上記動作は、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+2における第3のノードから、上記第3のノードのための第3の識別子と、レイヤN+2の表示とを含む、第2の臨終信号を受信することと、
上記統合された臨終信号を生成することとをさらに含み、
上記統合された臨終信号は、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+2の表示とを含む、
請求項17記載の第1のノード。
【請求項20】
上記動作は、
上記第3のノードからの上記第2の臨終信号が重複メッセージを含むことと決定することと、
上記統合された臨終信号を生成する前に、上記重複メッセージのコピーを除去することで上記第2の臨終信号の重複を解消することとをさらに含む、
請求項19記載の第1のノード。
【請求項21】
上記動作は、上記第1の臨終信号及び上記第2の臨終信号を連結することで、上記統合された臨終信号を生成することをさらに含む、
請求項19記載の第1のノード。
【請求項22】
上記機能不全状態は第1の機能不全状態であり、
上記臨終信号は第1の臨終信号であり、
上記動作は、上記レイヤ固有の時間区間の間に、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+2における第3のノードからの第2の臨終信号であって、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+2の表示とを含む、第2の臨終信号と、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+3における第4のノードからの第3の臨終信号であって、上記第4のノードのための第4の識別子と、上記レイヤN+3の表示とを含む、第3の臨終信号とを受信することと、
上記統合された臨終信号を生成することとをさらに含み、
上記統合された臨終信号は、上記第1のノードのための第1の識別子と、上記レイヤNの表示と、上記第2のノードのための第2の識別子と、上記レイヤN+1の表示と、上記第3のノードのための第3の識別子と、上記レイヤN+2の表示と、上記第4のノードのための第4の識別子と、上記レイヤN+3の表示とを含む、
請求項17記載の第1のノード。
【請求項23】
マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNにおける第1のノードであって、上記第1のノードは、
コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、
コンピュータ可読命令を備えるメモリとを備え、
上記コンピュータ可読命令は、上記プロセッサによって実行されたとき、
機能不全状態を検出することと、
上記機能不全状態を検出した後に、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機することと、
上記予め決められた機能不全持続期間が満了した後に、上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNのトポロジーに基づくレイヤ固有の時間区間にわたって待機し続けることと、
上記マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第2のノードから、上記第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、臨終信号を受信することと、
上記レイヤ固有の時間区間が満了した前に、上記第1のノードのための第1の識別子と、レイヤNの表示と、上記第2のノードのための第2の識別子と、上記レイヤN+1の表示とを含む、統合された臨終信号を送信することとを含む動作を上記プロセッサに実行させるように構成される、
第1のノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、メッシュネットワークにおける機能不全報告の管理に関する。より具体的には、ただし限定としてではなく、本開示は、機能不全情報を伝送するために、メッシュネットワークにおける1つ又は複数の臨終信号(last gasp)を用いて機能不全報告を管理することに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのリソースプロバイダは、メッシュネットワークを利用することで、様々なネットワーク化されたノードのための通信プラットフォームを提供する。例えば、公益事業会社、ホームオートメーション、産業モニタリング、または科学的アプリケーションのプロバイダなどのようなリソースプロバイダは、メッシュネットワークを介して、ネットワーク化されたノードをモニタリングしてもよい。いくつかの場合には、ネットワークの機能不全は、臨終信号を用いてそのようなイベントを報告することで、管理されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、臨終信号を用いた機能不全報告の管理を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のシステム及び方法は、メッシュネットワークにおける通信技術を提供する。構内に位置した装置はノードを含んでもよい。ノードは、多数の他のノードとともにネットワークに接続されてもよく、メッシュネットワークを介して中央システムと通信してもよい。本装置は、ネットワークにおける臨終信号を用いて、ネットワーク機能不全を検出及び報告するように構成されてもよい。さらに、装置は、メッシュネットワークにわたってネットワーク機能不全の報告を確実に中継することができ、メッシュネットワークの最も外側のエッジからでさえ、ネットワーク機能不全が報告されることを保証する。本装置は、インテリジェントな処理及びフィルタリングを用いて、また、互いに異なる複数のネットワークレイヤに関連付けられた互いに異なる複数のタイミングを用いて、臨終信号をコレクタに向けて送信する。
【0005】
本開示は、機能不全管理システムが臨終信号を用いて報告情報をヘッドエンドに中継することを含む。臨終信号は、機能不全状態を経験するノードに関する情報を報告する。機能不全持続期間の後、報告ノードは、メッシュネットワークにおけるノードから1つ又は複数の臨終信号を受信する。また、報告ノード自体が機能不全状態を経験している場合、報告ノードは、1つ又は複数の臨終信号と、それ自体の臨終信号情報とを含む、統合された臨終信号を生成する。報告ノードは、統合された臨終信号を、ヘッドエンドに向けられたそれらの各スケジューリングされた臨終信号時間に従って送信する。したがって、本願において説明した所定の態様は、メッシュネットワークにわたる機能不全状態の報告を向上させる。
【0006】
マルチレイヤメッシュネットワークにおいて機能不全情報を報告するための1つの例示的な方法は、
マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNにおける第1のノードによって、機能不全状態を検出することと、
機能不全状態を検出した後に、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機することと、
予め決められた機能不全持続期間が満了した後に、レイヤNのトポロジーに基づくレイヤ固有の時間区間にわたって待機し続けることと、
マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第2のノードから、第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、臨終信号を受信することと、
レイヤ固有の時間区間が満了した後に、第1のノードのための第1の識別子と、レイヤNの表示と、第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、統合された臨終信号を送信することとを含む。
いくつかの例示的な方法において、他のレイヤから臨終信号の受信は、機能不全持続期間の最後において開始し、複数k個の区間にわたって、例えば、各k個の区間及びそのランダム化された期間が完了するまで継続してもよく、次いで、統合された臨終信号が送信されてもよい。
【0007】
他の例示的なシステムは、コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサと、コンピュータ可読命令を備えるメモリとを含む、マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤNにおける第1のノードを含む。
プロセッサによって実行されたとき、コンピュータ可読命令は、
機能不全状態を検出することと、
機能不全状態を検出した後に、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機することと、
予め決められた機能不全持続期間が満了した後に、レイヤNのトポロジーに基づくレイヤ固有の時間区間にわたって待機し続けることと、
マルチレイヤメッシュネットワークのレイヤN+1における第2のノードから、第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の識別子のような表示とを含む、臨終信号を受信することと、
レイヤ固有の時間区間が満了した前に、第1のノードのための第1の識別子と、レイヤNの表示と、第2のノードのための第2の識別子と、レイヤN+1の表示とを含む、統合された臨終信号を送信することとを含む動作をプロセッサに実行させるように構成される。
いくつかの例示的なシステムにおいて、他のレイヤから臨終信号の受信は、機能不全持続期間の最後において開始し、複数k個の区間にわたって、例えば、各k個の区間及びそのランダム化された期間が完了するまで継続してもよく、次いで、統合された臨終信号が送信されてもよい。
【0008】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付の図面を参照して読まれるとき、さらに理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の所定の態様に係る、メッシュネットワークにおける臨終信号を用いて機能不全を報告するための例示的なネットワーク環境を示す。
【
図2】本開示の所定の態様によ係る、メッシュネットワークにおける臨終信号を用いて機能不全を報告するための臨終信号パケット及び統合された臨終信号を示す。
【
図3】本開示の所定の態様に係る、メッシュネットワークにおける臨終信号を用いて機能不全を報告するためのネットワーク環境における例示的なネットワーク通信を示す。
【
図4】本開示の所定の態様に係る例示的なノードを示す。
【
図5】本開示の所定の態様に係る、メッシュネットワークにおける臨終信号を用いて機能不全を報告する例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様は、メッシュネットワークにおいて機能不全を報告するために臨終信号を使用する。本開示の追加の態様は、メッシュネットワークにおける1つ又は複数の臨終信号を用いて、機能不全を有効に報告できる可能性を向上させうる。本開示の所定の態様は、臨終信号を用いてネットワーク機能不全情報を報告することを含む。本開示の所定の態様を紹介するために、下記の非限定的な実施例を提供する。
【0011】
いくつかの既存の機能不全管理のソリューションは、直後に動作を停止させるような機能不全状態を経験しているエンドポイントに関する単一の臨終信号を処理する。いくつかの既存の機能不全管理のソリューションは、大規模又は全体のネットワーク機能不全の場合に制限を有する可能性がある。例えば、なお電力供給を受けてヘッドエンドに接続されている装置への直接接続をもたないノードには、それらの特定の機能不全を報告しない可能性がある。さらに、いくつかの既存の機能不全管理のソリューションは、なお電力供給を受けるノードへの接続を有するノードからネットワーク機能不全を報告することに、それらの残りの接続が期待通りに動作するのに十分であったとしても、失敗する可能性がある。したがって、既存の機能不全管理のソリューションに対して、機能不全報告イベントの実行結果を向上させる必要性がある。
【0012】
本願において説明する所定の態様は、機能不全報告イベントに関する向上した実行結果を達成することができる。本開示のいくつかの態様は、偽陽性の機能不全イベントを報告することを除去することができる。さらに、いくつかの態様は、ヘッドエンドに対する変更を最小化又は除外することができる。他の態様は、現在利用可能なハードウェアを利用する。そのように行う際に、所定の態様は、複数バージョンのRFメッシュプロトコル、複数レイヤ、及び/又は複数ファミリーのメーターに適用可能である。
【0013】
一実施例では、機能不全管理システムは、臨終信号を用いて報告情報をヘッドエンドに中継する。例えば、臨終信号は、機能不全状態(例えば電力の喪失)を経験しているすべてのエンドポイントが、機能不全持続期間を計算した後に、その臨終信号を送信することを保証することができる。機能不全持続期間は、特定のエンドポイントがメッシュネットワーク内に存在するトポロジー的なレイヤに依存する時間区間に加算される。機能不全持続期間は、メッシュネットワーク内のすべてのノードに関して実質的に同じであってもよい。さらに、すべてのノードは、ネットワークから臨終信号を受信することができ、計算された機能不全持続期間の完了直後に開始する。各ノードは、それ自体の臨終信号を送信するまで、臨終信号の受信を継続する。
【0014】
機能不全状態を経験している各ノードは 複数の臨終信号を連結及び送信し(例えば、統合された臨終信号又は複合臨終信号)、機能不全情報を中継する。統合された臨終信号又は複合臨終信号は、共通ヘッダ、機能不全ヘッダ、機能不全メッセージ、機能不全状態を経験している1つ又は複数のノードからのノードIDを含んでもよい。機能不全状態は、電力の喪失を含んでもよい。いくつかの実施例では、機能不全状態は、適切に動作し続けることができなくなろうとしていると決定することのような、他の状態を含んでもよい。さらに、受信ノードは、機能不全状態を経験している1つ又は複数のノードに関するこの機能不全情報を、1つ又は複数のノードの各々からの臨終信号パケットの形式で受信してもよい。受信ノードは、1つ又は複数の臨終信号パケット、統合された臨終信号、又は1つよりも多くの統合された臨終信号の形式で、機能不全情報を受信してもよい。
【0015】
この実施例を引き続き参照すると、機能不全状態を経験している各ノードは、それらの各スケジューリングされた臨終信号時間に従って、統合された臨終信号を送信する。機能不全状態を経験している各ノードは、予め決められた機能不全持続期間及びそのレイヤ固有の時間区間に基づいて(例えば、特定のノードがメッシュネットワーク内に存在するトポロジー的なレイヤに基づいて)、スケジューリングされた臨終信号時間に始まる、統合された臨終信号の送信を開始する。電力を有する各ノードは、統合された臨終信号を処理し、それらを、ヘッドエンド宛の機能不全メッセージに変換する。いくつかの実施例では、臨終信号は、予め決められた機能不全持続期間の長さ、レイヤ固有の時間区間の長さ、ノードに関連付けられたエネルギー貯蔵量、又はこれらの組み合わせに基づいて最適化されてもよい。本願において説明する所定の態様は、マルチレイヤメッシュネットワークにわたる様々な機能不全状態を、電力供給を受けるルートノード、又はヘッドエンドのような、1つ又は複数のコレクタに報告することを向上させる。
【0016】
例示的な動作環境
本開示は、ネットワークのノードであって、臨終信号を通信する能力を含むノード内において動作してもよい。
図1は、例示的なネットワーク環境100を示し、これは、メッシュネットワーク(例えば、無線周波数(radio frequency:「RF」)メッシュネットワーク、電力線通信(powerline communication:「PLC」)ネットワーク、チャネルホッピングメッシュネットワーク、時間スロットチャネルホッピング(time-slotted channel hopping:「TSCH」)メッシュネットワーク、無線スマートユビキタスネットワーク(wireless smart ubiquitous network:「Wi-SUN」)、Wi-SUNフィールドエリアネットワーク(「Wi-SUN FAN」)、非同期させられていないメッシュネットワークなど)を含む。ネットワーク環境100は、ルートノード106と、ノード110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、及び144とを含み、これらのそれぞれは、通信ネットワーク102を介してヘッドエンド104と通信していてもよい。
【0017】
ヘッドエンド104は、通信ネットワーク102を介してルートノード106及びノード110~144と通信する。通信ネットワーク102は、電話ネットワーク、無線電話ネットワーク、無線パーソナルエリアネットワーク(「WPAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、メトロエリアネットワーク(「MAN」)、他のデータネットワーク、又は他の任意の適切な通信ネットワークを含んでもよい。いくつかの実施例では、ヘッドエンド104は、通信ネットワーク102を介して、メッシュネットワークのための集中化された制御を提供しうる。
【0018】
ヘッドエンド104は、様々なタイプの通信信号を用いて、ネットワーク情報を分配してもよい。ヘッドエンド104は、RF信号、GSM(global system for mobile communications)信号、小電力無線装置(low power radio:「LPR」)信号、媒体独立の信号、消費量信号、他の適切な電気信号などを用いて、ネットワーク情報を通信してもよい。いくつかの実施例では、ヘッドエンド104は、モニタリングサービス(例えば、機能不全、使用可能時間、又は健康状態に関する)、地理情報、データ収集(例えば、メーターデータ、接続性、サービス品質などに関する)、スケジューリング情報、他の動作情報などを提供してもよい。ヘッドエンド104は、ルートノード106及びノード110~144のような様々なネットワーク構成要素にメッセージ又は通知を送信可能であってもよい。
【0019】
ネットワーク環境100はまた、ルートノード106を含む。ルートノード106は、ネットワーク環境100にわたる通信を容易にする。ルートノード106は、コレクタ108(例えば、コレクタノード、コレクタ無線装置、又は他のデータ収集装置)を含む。コレクタ108は、一体化されたアンテナを用いて、ノードからデータを受信してもよい。コレクタ108はまた、コレクタIDを含んでもよく、ヘッドエンド104と通信してもよい。ルートノード106は、ネットワーク環境100におけるメッシュネットワークの第1のレイヤ(例えばレイヤ1)に存在する。
【0020】
ルートノード106は、PANコーディネーター、境界ルータ、ゲートウェイルータ、外部のルータ、又は他の任意の適切なゲートウェイ装置であってもよい。さらに、ルートノード106は、ネットワーク環境100内のノード110~144のためのネットワーク情報を維持してもよい。ルートノード106はまた、ネットワーク情報を含む、データ記憶装置、エネルギー記憶装置、メモリ、他のデータレポジトリなどを含んでもよい。そのようなネットワーク情報は、ノードID、ネットワークID、ネットワークトポロジー(例えば、ネットワークレイヤを含む)、任意個数の接続された装置に関するネットワーク情報(例えば、ノード110~144のための非同期ユニキャストスケジュール)、ブロードキャストスケジュール、他のネットワーク特徴、これらの組み合わせ、などのリストを含んでもよいルートノード106は、電力供給を受けるノードとして、連続的に維持されてもよい。
【0021】
ネットワーク環境100はさらに、ノード110~144を含む。ノード110は、子ノード114、116に対する親ノードである。同様に、ノード110は、孫ノード120、122に対する祖父母ノードである。ノード110及び112は、メッシュネットワークのレイヤ2に存在し、これらのそれぞれは、ルートノード106の子ノードであり、ルートノード106と通信する。ノード110および112は、両方のノードがメッシュネットワーク内に同じトポロジー的なレイヤ(例えばレイヤ2)に存在するので、共通のレイヤ固有の時間区間を共有する。
【0022】
ノード114、116、及び118は、同じレイヤ固有の時間区間を有し、それは、レイヤ3のトポロジー的な特徴に基づいて計算される。レイヤ4は、同じレイヤ固有の時間区間をそれぞれ有するノード120~124を含む。同様に、レイヤN-1は、同じレイヤ固有の時間区間をそれぞれ有するノード126~134を含み、レイヤNは、同じレイヤ固有の時間区間をそれぞれ有するノード136~144を含む‥。特定のレイヤ内に存在するノードの各々は、同じレイヤ固有の時間区間を共有してもよいが、レイヤの各々が、一意のトポロジー的な特徴に基づく異なるレイヤ固有の時間区間を有してもよいことが認識されるべきである。
【0023】
各ノード110~144は、その各レイヤ(例えば、レイヤ2、3、4、N-1、又はN)に存在し、異なる臨終信号区間を有してもよい。臨終信号区間は、予め決められた機能不全持続期間(例えば、予め決められた30秒間の機能不全持続区間)に基づいて変動してもよい。いくつかの実施例では、予め決められた機能不全持続期間の後に、準ランダム時間区間(例えば、ミリ秒(「ms」)で測定される予め決められた継続時間)が続く。この準ランダム時間区間はまた、所与のノードの1つ又は複数の能力に依存して変動してもよい。これらの能力は、貯蔵されたエネルギー量、1つ又は複数のプロセッサの効率、利用可能な記憶容量などを含んでもよい。予め決められた機能不全持続期間は、ヘッドエンド104又はルートノード106によって指示されてもよい。
【0024】
ネットワーク環境100は、臨終信号を用いて報告情報をルートノード106及び/又はヘッドエンド104に中継する機能不全管理システムを含む。臨終信号は、機能不全状態を経験しているすべてのエンドポイントが、予め決められた機能不全持続期間を計算した後に、その臨終信号を送信することを保証するように実装されてもよい。機能不全持続期間は、ノードが存在するレイヤに関連付けられたトポロジー的な特徴のような、1つ又は複数の構成パラメータに依存するレイヤ固有の時間区間に加算される。臨終信号は、同じレイヤにおける複数のノードが、レイヤ固有の時間区間内における異なる時間にそれらの臨終信号を送信するように、ランダム化ファクターを使用してもよい。
【0025】
臨終信号区間の長さ又は継続時間は、リソースプロバイダの必要性に応じて、例えば、レイヤ固有の時間区間の構成パラメータのうちの1つ又は複数を変更することによって、「調節」されてもよい。構成パラメータは、予め決められた機能不全持続期間の長さ、レイヤ固有の時間区間を計算するために使用される所与のレイヤのトポロジーに関連付けられた係数の値、ノードが存在するレイヤ、臨終信号パケットの最大個数、統合された臨終信号、又は他の機能不全メッセージ、又は他の適切な構成パラメータを含んでもよい。構成パラメータは、ファームウェア更新を実施することなく更新されてもよい。例えば、構成パラメータは、無線(over-the-air:「OTA」)により、ノードに送信されてもよい。さらに、ヘッドエンド104及びルートノード106のどちらかは、構成パラメータに対するそのような変更をノード110~144に送信してもよい。
【0026】
図2は、臨終信号パケット202及び統合された(複合)臨終信号204を含む、臨終信号200の実施例を示す。臨終信号パケット202は、機能不全ヘッダ206、ノードレイヤ208、及びノードID210を含む。臨終信号パケット202は、13バイトの合計パケットサイズを有し、機能不全ヘッダ206(4バイト)、ノードレイヤ208(1バイト)、及びノードID210(8バイト)を含む臨終信号情報フィールドを含む。
【0027】
機能不全ヘッダ206は、機能不全状態に関する情報を含む。例えば、機能不全ヘッダ206は、アラーム、アラート、又は機能不全状態のタイプを示す他の通知を含んでもよい。機能不全ヘッダ206は、状態変化の表示、又は、機能不全状態に関連付けられたタイミング情報を含んでもよい。ノードレイヤ208は、機能不全状態が生じたネットワークレイヤの表示(例えばネットワークレイヤ識別子)を含む臨終信号情報フィールドである。例えば、ノードレイヤ208は、機能不全状態を経験するノードに対応するネットワークレイヤ又は他の位置情報を示してもよい。
【0028】
ノードID210は、機能不全状態を経験しているノード(例えば、死んでいるノード)の機能不全を報告するための情報を含む臨終信号情報フィールドである。機能不全ヘッダ206及びノードID210のいずれかは、機能不全状態の説明、機能不全状態を経験しているノードのID、又は機能不全状態の時間に対応するタイムスタンプ(例えば、電力供給の停止が発生した時間を示す)、などを含んでもよい。追加又は代替の実施例では、機能不全ヘッダ206及びノードID210の両方は、機能不全状態の通知の伝送を保証するために、所定量の冗長な機能不全情報を含んでもよい。
【0029】
臨終信号パケット202の機能不全ヘッダ206はまた、物理レイヤ(「PHY」)ヘッダ、媒体アクセス制御(「MAC」)レイヤヘッダ、インターネットプロトコル(「IP」)ヘッダ、(「UDP」)ヘッダ、アプリケーションヘッダなどのヘッダフィールドを含む。一実施例では、機能不全ヘッダ206は、PHYヘッダ及びMACレイヤヘッダを含む。これらのヘッダフィールドは、パケットのタイプ(例えば、パケットが臨終信号パケット202であること)を示すために使用されてもよい。さらに、受信ノードは、そのようなヘッダフィールドを利用することで、特定のフォーマット又は復号技術を用いて臨終信号パケット202を構文解析する必要性を決定してもよい。
【0030】
臨終信号パケット202が任意個数の追加情報フィールドを含んでもよいことが認識されるべきである。同様に、臨終信号パケット202は、13バイトに制限される必要はなく、任意の適切な量データを含んでもよい。臨終信号パケット202の構造は簡単化されてもよく、又は、臨終信号パケット202の全体サイズは、機能不全状態を経験しているノードが臨終信号パケット202を生成及び送信するために必要な電力及び/又はエネルギーの量を最小化するように削減されてもよい。
【0031】
統合された臨終信号204は、機能不全状態に関する情報を含む。例えば、統合された臨終信号204は、機能不全ヘッダ212、臨終信号1 214、臨終信号2 216、臨終信号3 218、及び臨終信号N 220を含む。機能不全ヘッダ212は、4バイトの長さを有し、機能不全ヘッダ206と実質的に同様の情報(例えば、ヘッダフィールド、機能不全状態の説明、機能不全状態を経験しているノードのID、及び/又は機能不全状態に関連付けられたタイムスタンプ、など)を含んでもよい。臨終信号214~220の各々は、13バイトの長さを有する。また、臨終信号214~220の各々は、上述した臨終信号パケット202と実質的に同様の情報及び/又は構造を含んでもよい。
【0032】
例えば、ノード(例えばノード116)は、臨終信号パケット202をそれ自体が表す臨終信号1 214を含む、統合された臨終信号204を送信してもよい。ノード116はまた、ノード120からの臨終信号2 216、ノード126からの臨終信号3 218、及びノード128からの臨終信号N 220を含む、統合された臨終信号204を送信してもよい。統合された臨終信号204におけるこれらの臨終信号216~220の各々は、ノード120、126、及び128のそれぞれからの連結された臨終信号パケット202を含んでもよい。
【0033】
各統合された臨終信号204は、最大個数の臨終信号(例えば、臨終信号1 214、臨終信号2 216、臨終信号3 218、臨終信号N 220など)を含んでもよい。各統合された臨終信号204はまた、最大個数のノードIDを含んでもよい。一実施例では、単一の統合された臨終信号204は、最大で12個のノードIDを含んでもよい。単一の統合された臨終信号204は、12個の臨終信号パケット202(例えば、12個の臨終信号パケット202の各々は、1つ又は複数の機能不全ヘッダ206、ノードレイヤ208、及び/又はノードID 210を含む)の内容を含んでもよい。いくつかの実施例では、ノードは、1つ又は複数の臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、又は両方を含む臨終信号を送信する。1つ又は複数の臨終信号を送信及び受信するために任意の適切な通信プロトコル又はフォーマットが使用されてもよいことが認識されるべきである。
【0034】
図3は、メッシュネットワークにおける臨終信号を用いて機能不全を報告するためのネットワーク環境300における例示的なネットワーク通信を示す。
図3に関して説明される1つ又は複数の動作は、メッシュネットワーク(例えばネットワーク環境100)において通信することを含む。ネットワーク環境300は、ネットワーク環境100のように、本願において説明する態様に係る様々なネットワーク装置(例えば、ヘッドエンド104、ルートノード106、ノード110~144、400など)の間における通信を容易にする。通信装置(例えば、ノード106、110~144、又は400)は、適切なプログラムコード(例えば、臨終信号パケット202、統合された臨終信号204などに関連するソフトウェア構成要素)を実行することによって、
図3に示す動作を実施する。例示の目的で、ネットワーク環境300について、図面に示す所定の実施例を参照して説明する。しかしながら、他の実施例も可能である。
【0035】
ネットワーク環境300は、機能不全及び持続時間302を含む、広範囲のネットワーク機能不全に関する予め決められた機能不全持続期間を示す。機能不全及び持続時間302は、
図1の予め決められた機能不全持続期間に関して、上述したものと同様の方法で決定されてもよい。
図1に示すマルチレイヤメッシュネットワークと同様に、ネットワーク環境300はいくつかのレイヤ、レイヤN、レイヤN-1、レイヤN-2、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、及びコレクタレイヤ1を含む。ネットワーク環境300はまた、マルチレイヤメッシュネットワークにおけるレイヤの各々に対応する様々なレイヤ固有の時間区間304~316を含む。レイヤ固有の時間区間304~316の各々は、マルチレイヤメッシュネットワークにおける5つのレイヤに対応する。いくつかの実施例では、臨終信号パケット202及び/又は統合された臨終信号204は、レイヤ固有の時間区間304~316の間に送信される。
【0036】
簡単化された実施例では、複数のノードが機能不全状態を経験する。レイヤNにおける1つのノード(例えばノード136)は、電力の喪失を含む機能不全状態を経験する。電力の喪失を検出したことに応答して、ノード136は、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機する。予め決められた機能不全持続期間は、ルートノード106又はヘッドエンド104によって指示されてもよい。他の実施例では、ノード136は、その利用可能なリソースに基づいて(例えば、バックアップバッテリ電源に基づいて)、予め決められた機能不全持続期間を計算する。ノード136は、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機する。それは、
図3において、機能不全及び持続時間302に満了するように示される。
【0037】
レイヤ間のラインの各々は、ネットワークにおける特定のレイヤのノードから他のノードへの臨終信号の送信を表す。機能不全及び持続時間302が経過した後、ノード136は、臨終信号パケット(例えば臨終信号パケット202)をブロードキャストし、それは、レイヤ固有の時間区間304(例えば、レイヤNのトポグラフィーに基づく)において、レイヤN-1ノード(例えばノード126)によって受信される。ノード136は、ブロードキャスト、マルチキャスト、ユニキャスト、又は他の任意の適切なタイプのメッセージを介して、臨終信号パケット202をノード126に送信してもよい。追加又は代替の実施例では、レイヤNよりレイヤ1から離れたレイヤに存在するノードは、レイヤNノードによって使用される同じレイヤ固有の時間区間304の間に、それ自体の臨終信号を送信してもよい。
【0038】
ノード126は、ノード136から、臨終信号パケット202を含む機能不全情報を受信する。ノード126もまた、機能不全状態を経験する。それに応答して、ノード126は、それ自体の機能不全情報(例えば、他の臨終信号パケット202の形式を有する)とともに、ノード136からの機能不全情報を含む、統合された臨終信号(例えば統合された臨終信号204)を生成する。ノード126は、レイヤN-1固有の時間区間306の間に、統合された臨終信号204を中継する。
【0039】
メッシュネットワークは、レイヤN-2のような、任意個数の追加のレイヤを含んでもよい。これらの追加のレイヤの各々は、それら自体の特定のレイヤ固有の時間区間を含んでもよい。例えば、ノード120は、以前のレイヤ固有の時間区間(例えば、レイヤ固有の時間区間304、306、308など)の間にノードによって転送された機能不全情報を有する、統合された臨終信号204を受信する。レイヤ4ノード(例えばノード120)は、レイヤ固有の時間区間310の間に、ノード126及び136に関する機能不全情報を含む、統合された臨終信号204を受信する。ノード120は、レイヤ固有の時間区間312の間に、統合された臨終信号204をレイヤ3ノード(例えばノード116)に中継する。同様に、ノード116は、レイヤ固有の時間区間314の間に、統合された臨終信号204をレイヤ2ノード(例えばノード110)に中継する。ノード110は、レイヤ固有の時間区間316の間に、統合された臨終信号204をコレクタレイヤ1ノード(例えばルートノード106)に送信する。
【0040】
第1のレイヤ固有の時間区間304は、レイヤNノードからレイヤN-1ノードへの臨終信号の送信をそれぞれ表す2つの実線を含む。同様に、第2のレイヤN-1固有の時間区間306の満了を待機する間、4つの実線は、レイヤN-1における4つのノードからレイヤN-2におけるノードへの送信を表し、これらのそれぞれが機能不全状態を経験している。さらに、第2のレイヤN-1固有の時間区間306は、機能不全状態を経験しているノードのうちの1つからの臨終信号であって、レイヤ4ノードによって受信される臨終信号を表す点線を含む。例えば、いくつかのメッシュネットワークにおいて、レイヤ4ノードは、レイヤN-1における所定のノードからの通信をリッスン及び取得してもよい。追加又は代替の態様では、レイヤ4ノードは、レイヤN-1から送信ノードへの物理的近接度に基づいて臨終信号を受信してもよい。第3のレイヤN-2固有の時間区間308は、任意の適切な個数のレイヤ及び対応するレイヤ固有の時間区間を使用する能力を表す。
【0041】
レイヤ4ノードは、レイヤ固有の時間区間310の間に4つの臨終信号を受信する。レイヤ3ノードは、レイヤ固有の時間区間312の間に4つの臨終信号を受信する。レイヤ固有の時間区間312の間に、レイヤ2ノードはまた、レイヤ4ノードから、点線によって表される2つの臨終信号を受信する。続いて、レイヤ固有の時間区間314の間に、レイヤ2ノードは、1つ又は複数のレイヤ3ノードから、実線によって表される4つの臨終信号を受信する。
【0042】
レイヤ2ノードは、以前に(例えば、レイヤ固有の時間区間312の間に)、レイヤ4ノードから臨終信号のうちの2つを受信したので、1つ又は複数のレイヤ3ノードからレイヤ固有の時間区間314の間に受信された4つの臨終信号は、いくつかの重複した臨終信号を含んでもよい。4つの臨終信号は、少なくとも2つの重複した臨終信号を含む。少なくとも2つの重複した臨終信号は、重複した臨終信号が統合された臨終信号204を含む場合、2つよりも多くの重複した臨終信号を含んでもよい。レイヤ2ノードは、レイヤ固有の時間区間312の間に2つの臨終信号を取得し、レイヤ固有の時間区間314の間に4つの臨終信号を取得するが、レイヤ2ノードは、その固有の臨終信号区間の満了まで(例えば、機能不全及び持続時間302+レイヤ固有の時間区間314以前におけるレイヤ固有の時間区間のすべての和、すなわち、機能不全及び持続時間302+レイヤ固有の時間区間304~314)、統合された臨終信号204の送信を待機する。
【0043】
レイヤ固有の時間区間314の間に、コレクタレイヤ1ノード(例えばルートノード106)は、1つ又は複数のレイヤ3のノードから2つの臨終信号を受信する。最後に、レイヤ固有の時間区間316の間に、ルートノード106は、1つ又は複数のレイヤ2ノードから5つの臨終信号を受信する。それらはまた、レイヤ固有の時間区間314の間に受信された重複した臨終信号(例えば、上述した少なくとも2つの重複した臨終信号)を含んでもよい。より詳しくは以下に説明するように、
図5に関して、複数のレイヤにわたる重複した臨終信号を受信するノードの各々は、統合された臨終信号204を生成する前、中、又は後に、これらの臨終信号の重複を解消してもよい。
【0044】
例示的なノード
図4は、例示的なノード400を示す。例示的なノード400の構成要素の一部又はすべては、
図1のノード(例えば、ノード106及び110~144)のうちの1つ又は複数に属してもよい。ノード400は、通信モジュール402、計測モジュール404、及び電源406を含み、これらのそれぞれは、ローカル又はシリアル接続を介して接続される。通信モジュール402、計測モジュール404、及び電源406は、バスを介して通信可能に接続されてもよい。
【0045】
ノード400は、通信モジュール402を含む。通信モジュール402は、ネットワーク環境100における他のノードに対して様々なメッセージを送信及び受信するための機能を提供する。例えば、通信モジュール402は、臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、他の機能不全メッセージ、またはネットワーク通信メッセージなどのようなメッセージを送信及び受信する。通信モジュール402は、通信装置408、プロセッサ412、及びメモリ416を含む。
【0046】
通信装置408は、アンテナ、無線装置、又は適切な無線又は有線通信を提供する他の任意の装置を含んでもよい。一実施例では、通信装置402は、ネットワーク環境100における他のノードからのRF通信を送信及び受信できる、RF送受信機のような送受信装置を含む。送受信機は、アンテナを含むか、通信可能に接続されるか、又は、物理的に接続されてもよく、送受信機は、ネットワーク上の通信(例えば、ユニキャストメッセージ又はブロードキャストされたメッセージのような、他のノードとの通信)を送信及び受信するために使用されてもよい。
【0047】
プロセッサ412は、本願において説明する1つ又は複数の動作を含む、通信モジュール402によって実行される関数を制御する。プロセッサ412は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit:「ASIC」)、状態機械、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:「FPGA」)、又は他の適切な計算装置を含んでもよい。プロセッサ412は、任意個数の計算装置を含んでもよく、メモリ416のようなコンピュータ可読媒体に通信可能に接続されてもよい。プロセッサは、本願において説明する動作を実行するために、コンピュータ実行可能なプログラム命令を実行するか、又は、メモリに格納された情報にアクセスすることができる。命令は、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードからコンパイラ及び/又はインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含んでもよい。命令が実行される場合、それらは、本願において説明する動作のいずれかを実行するようにノード400を構成してもよい。
【0048】
メモリ416は、プロセッサ412によってさまざまな機能を実行するために使用されるデータを格納するために利用されてもよい。メモリ416は、ノード400における特定のメーター、レイヤ、又は機能不全情報に関する情報を格納してもよい。他の情報及び設定内容がメモリに格納されてもよい。メモリは、コンピュータ可読媒体であってもよく、情報及び設定内容を格納することに加えて、実行されたときに本願において説明する動作を実行するように通信モジュールを構成しうるコンピュータ実行可能な命令を格納してもよい。
【0049】
ノード400はまた、計測モジュール404を含む。計測モジュール404は、測定装置410、プロセッサ414、及びメモリ418を含む。計測モジュール404は、ノード400がリソースを管理するために必要な機能を提供する。計測モジュール404は、リソースへのアクセスを提供してもよく、消費されているリソースの量を測定するために使用されてもよい。例えば、測定装置410はメーターを含む。測定装置410は、メーターを用いて、構内におけるガス、電気、又は水のようなリソースの消費量を測定してもよい。メーターはノード400に含まれてもよく、ノード400は、消費量情報を中央システム又はヘッドエンドシステムに伝送する。
【0050】
計測モジュール404はまた、計測構成要素のような、追加の構成要素を含んでもよい。計測構成要素は、1つ又は複数の測定装置410、計測アプリケーション又は計測ソフトウェア構成要素、計測スクリプト、センサ、測定回路などを含んでもよい。さらに、中央システム(例えばヘッドエンド104)は、消費量情報を分析することで、構内におけるリソースを管理し、また、システムの他の態様を管理してもよい。
【0051】
計測モジュール404におけるプロセッサ414は、本願において説明する動作を実行するために、コンピュータ実行可能プログラム命令を実行するか、又は、メモリに格納された情報にアクセスすることで、計測モジュール404の機能を制御する。メモリ418は、これらの動作を実行するためにプロセッサ414によって必要とされるデータを格納する。プロセッサ414及びメモリ418は、プロセッサ412及びメモリ416に関して、上述した能力のすべてを含んでもよい。
【0052】
ノード400はまた、電源406を含む。電源406は、ノード400の構成要素に電力を供給する。電源406は、A/C電源、又は、バッテリのような低エネルギーソースを含んでもよい。電源406は、通信モジュール402及び計測モジュール404に接続され、また、それらに連続的に電力を供給するように構成される。通信モジュール402、計測モジュール404、及び電源406は、ローカル接続を介して状態情報を伝送するように構成されてもよい。例えば、通信状態情報は、ノード400の電力状態データのような、共有される実行データを含んでもよい。
【0053】
電源406は、エネルギーを貯蔵できてもよい。電力供給停止の場合(例えば、電源406が故障を経験したとき)、電源406は、本願において説明する動作の実行を可能にするために、所定量の貯蔵されたエネルギー(例えば、電源406のキャパシタに貯蔵されたエネルギー)を通信モジュール402及び/又は計測モジュール404に供給してもよい。電源406はまた、機能不全状態の間にノード400に電力を供給するために十分な量の貯蔵されたエネルギーを供給することで、ノード400の適正なシャットダウンを保証するように構成され、それによって、ノード400が、臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、または他の機能不全メッセージなどを生成及び送信することを可能にする。
【0054】
他の構成要素、構成要素間の接続、及び
図4に示したものとは異なる構成要素の配置もまた可能である。
図4では、通信モジュール402、計測モジュール404、電源406、通信装置408、測定装置410、プロセッサ412、414、及びメモリ416、418は、互いに通信する別個の構成要素として図示しているが、他の実装も可能である。プロセッサ412及びメモリ416は、マイクロコントローラのような単一の構成要素に含まれてもよい。ここに議論されたシステム及び構成要素は、任意の特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。
【0055】
例示的な動作方法
図5は、ノードによって実行される例示的な方法500を示す。
図5は、メッシュネットワークにおける臨終信号を用いてネットワーク機能不全を報告する実施例を表す。
図5に関して説明する1つ又は複数の動作は、メッシュネットワーク(例えばネットワーク環境100又は300)において通信することを含む。ネットワーク環境100は、本願において説明する態様に係る様々なネットワーク装置(例えば、ヘッドエンド104、ルートノード106、ノード110~144、400など)の間における通信を容易にする。通信装置(例えば、ノード400)は、適切なプログラムコード(例えば、臨終信号パケット202、統合された臨終信号204などに関連するソフトウェア構成要素)を実行することによって、
図5に示す動作を実施する。例示の目的で、方法500について、図面に示す所定の実施例を参照して説明する。しかしながら、他の実施例も可能である。
【0056】
本方法はブロック502において開始し、ここで、ノード(例えばノード110)は、他のノードからの信号をリッスンする。ノード110は、1つ又は複数の他のノード(例えばノード116)と通信している。
図1に関して前述したように、ノード110は、他のノードの中でも、これら他のノードによって送信された臨終信号をリッスンする。ノード110は、子ノード、孫ノード、などからの臨終信号をリッスンしてもよい。ノード110は、本願において説明する技術のうちのいずれかに従って、臨終信号、臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、又は他の機能不全メッセージをリッスンする。
【0057】
ブロック504において、ノード110は機能不全状態を検出する。例えば、ノード110は、モジュール(例えば、通信モジュール402、計測モジュール404、又は電源406)から状態又は他の通知情報を受信した後に、電力供給停止を検出してもよい。ノード110は、機能不全状態を検出し、臨終信号パケット202を生成してもよい。ノード110は、機能不全状態に関する情報を含む臨終信号パケット202を生成してもよい。さらに、ノード110は、本願において説明した技術のうちのいずれかに従って、臨終信号パケット202を生成してもよい。
【0058】
本方法はブロック504からブロック506に進み、ここで、ノード110は、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機する。ノード110は、機能不全状態自体を経験した後で、予め決められた機能不全持続期間にわたって待機する。予め決められた機能不全持続期間は、ノード110によって機能不全状態が検出されたときに開始する。前述したように、複数のノードが、それら自体の機能不全状態を経験してもよい。
【0059】
これらのノードの各々によって、厳密に同じ瞬間に、大規模の、広範囲の、又は全体のネットワーク機能不全が経験されない可能性がある。例えば、ノード110は、1つ又は複数のノード112~144の前、中、又は後に、機能不全状態を経験することがある。典型的には、予め決められた機能不全持続期間が経過した後、機能不全が報告される。しかし、いくつかの実施例では、予め決められた機能不全持続期間は、第1のノードが機能不全状態を経験したとき、又は、それらの機能不全状態を報告するときに開始してもよい。
【0060】
代替の実施例では、予め決められた機能不全持続期間は、所与のレイヤ内の第1のノードが機能不全状態を経験したとき、又は、それらの機能不全状態を報告するときに開始してもよい。さらに、ノード110~144の各々に関する予め決められた機能不全持続期間は変動してもよい。例えば、予め決められた機能不全持続期間は、ネットワークトラフィックの量、ネットワーク遅延、利用可能な帯域幅、ノードの個数、第1のノードへの近接度、所与のレイヤ内の相対位置、処理遅延、伝送遅延などのような、1つ又は複数の潜在的な条件に基づいて変動してもよい。
【0061】
ノード110は、ヘッドエンド104によって定義される予め決められた機能不全持続期間にわたって待機してもよい。いくつかの実施例では、ルートノード106は、予め決められた機能不全持続期間を割り当ててもよい。他の実施例では、予め決められた機能不全持続期間は、ノード110の1つ又は複数の能力によって指示されてもよい。例えば、予め決められた機能不全持続期間は、ノード110が全体故障の前に臨終信号を送信できる時間長の推定値に基づいて決定されてもよい。予め決められた機能不全持続期間は、バックアップバッテリ又はキャパシタが消耗する(例えば、電源406の貯蔵されたエネルギーが引き出される)前の残りの時間長に基づいてもよい。予め決められた機能不全持続期間は、ノード110に貯蔵された残りエネルギーが、臨終信号、臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、他の機能不全メッセージなどを生成及び送信するのに十分だったことを保証するような方法で、電源406の合計放電量からオフセットされてもよい。
【0062】
臨終信号は、構成パラメータを用いて実装されてもよい。臨終信号は、例えば、1つ又は複数の構成パラメータを変更することで、リソースプロバイダの必要性に合わせて調節されてもよい。構成パラメータの変更は、メッシュネットワークのトポロジーに基づいて臨終信号を選択的にフィルタリングするために使用されてもよい。優位点として、メッシュネットワークのトポロジーに基づいていくつかの臨終信号をフィルタリングすることによって、リソースプロバイダは、重複した臨終信号の個数を削減してもよい。さらに、リソースプロバイダは、フィルタリングによって誤って機能不全の報告を失敗させないことを保証するために、フィルタリングされる臨終信号の個数を最小化するように構成パラメータを調節してもよい。
【0063】
一実施例では、臨終信号は、ノード110における既存のファームウェアを変更又は更新することなく、実装されてもよい。臨終信号は、上述した予め決められた機能不全持続期間を使用してもよい。予め決められた機能不全持続期間の満了は、ノード110が機能不全状態を検証した時間、及び/又は、イベントを報告した時間を表してもよい。予め決められた機能不全持続期間は、30秒間であってもよい。
【0064】
ブロック508において、予め決められた機能不全持続期間が満了した後、ノード110は、レイヤ固有の時間区間にわたって待機し続ける。レイヤ固有の時間区間は、ノード110が存在するレイヤ(例えばレイヤ2)のトポロジーに基づいて計算される。例えば、レイヤ固有の時間区間は、次式を用いて計算されてもよい。
【0065】
レイヤ固有の時間区間=(k・(N-M))+random(k)
【0066】
ここで、kは、ネットワークレイヤのトポロジーに従って調整可能である係数の値を表し、Nは、ノードによって考慮されるべき「キャップ」ルーティングレイヤ(例えば、ネットワークトポロジーにおけるレイヤ1から除去された、最も離れたルーティングレイヤ)を表し、Mは、この計算を実行するノード(例えばノード110)のルーティングレイヤを表し、random(k)は、ランダムに選択されるタイミングオフセット量を表す。random(k)の値は、0及びkミリ秒の間におけるタイミングオフセット量を含んでもよい。追加又は代替の態様では、random(k)の値は、0ミリ秒及び上限のkミリ秒の間における偽似乱数整数であってもよい。
【0067】
臨終信号は、追加の構成パラメータを含んでもよい。例えば、臨終信号は、指定されたタイミング値kを用いて実装されてもよい。前述したように、
図3に示すレイヤ固有の時間区間304~316に関して、レイヤ固有の時間区間304~316の各々の継続時間は変動してもよい。したがって、係数kの値は、レイヤ固有の時間区間(例えば、レイヤ固有の時間区間304~316)を変更するように調整されてもよい。ネットワークレイヤのトポロジーに従って調整可能なことに加えて、kの値は、レイヤ固有の時間区間に関する最小継続時間を保証するように選択されてもよい。kの値は、ノードが臨終信号(例えば少なくとも2.5秒間の最小レイヤ固有の時間区間)を処理及び送信するために十分な時間長がレイヤ固有の時間区間に割り当てられることを保証するように最適化されてもよい。kの値はまた、高い衝突回数のリスクを最小化するために、レイヤ固有の時間区間を十分に短い時間長にするように最適化されてもよい。
【0068】
臨終信号はまた、Nの値に関する構成パラメータを含んでもよい。いくつかの実施例では、Nの値は、メッシュネットワークのために使用される最も高いレイヤの上限を設定する値を提供してもよい。一実施例では、Nの値は、予め決められてもよい(例えば、最大値5)。最大値N=5は、メッシュネットワークのレイヤ5内(又はそれより下方)に存在するノードの大部分に基づいて、(例えば、ヘッドエンド104又はルートノード106によって)割り当てられてもよい。Nの最大値を設定することは、広範囲又は全体のネットワーク機能不全が正確に報告されることを保証しうる。
【0069】
優位点として、Nの上限を5(又はより小さい地)にする最大値を設定することは、臨終信号区間の全長を最小化でき、このことは、次いで、第1の機能不全状態の発生と、ルートノード106及び/又はヘッドエンド104による機能不全報告の受信との間の時間長を削減する可能性がある。さらに、臨終信号区間の全長を最小化することはまた、ノード(例えばノード110~144)によって必要とされる貯蔵されるエネルギーの量を低減することで、ネットワークコストを削減しうる。このように、臨終信号を送信するために必要とされる、貯蔵されるエネルギー量を低減することは、より安価な電源(例えば電源406)の使用を可能にしうる。したがって、サービスプロバイダは、より低コストのバッテリ、キャパシタなどを用いる電源406を使用してもよい。従って、本願において説明する所定の態様は、ネットワークコストを低減しながら、機能不全報告の全体的な信頼性を向上させることができる。
【0070】
ブロック510において、ノード110は、レイヤ固有の時間区間にわたって待機しながら、ノード116から臨終信号を受信する。ノード116からの臨終信号は、ノード116の識別子(「ID」)と、ノード116に関するレイヤ固有の情報とを含む。ノード110は、1つ又は複数の追加のノードからの機能不全情報を含む、統合された臨終信号204を生成する。機能不全情報は、異なるレイヤ、同じレイヤ、又はこれらの組み合わせに存在する、1つ又は複数の他のノードから発信されてもよい。
【0071】
機能不全状態を経験しているノード116は、ノード114内のモジュールからの(例えば、通信モジュール402、計測モジュール404、又は電源406からの)通知を受信した後に、それ自体の内部における電力供給停止を検出する。電力供給停止を検出すると、機能不全状態を経験しているノード116は、様々な構成要素をオフし、関連データを記憶装置に保存すること、などのような、適正なシャットダウン処理を開始する。検出された電力供給停止に応答して、ノード116はまた、臨終信号パケット202を送信する。ノード110は、レイヤ2に関連付けられた(例えば、ブロック508に関して上述した計算に基づく)レイヤ固有の時間区間の間に、ノード116から臨終信号パケット202を受信する。ノード110は、任意個数のノード(例えば、ノード114、116、120、122、126、128、130、136、138、140など)から、臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、又は他の機能不全情報を受信してもよい。
【0072】
本方法はブロック510からブロック512に進み、ここで、ノード110は、レイヤ固有の時間区間が満了した後、統合された臨終信号を送信する。例えば、ノード110は、機能不全状態を経験しているノード(例えばノード116)からの臨終信号パケット202を含む、統合された臨終信号204を生成する。ノード110は、ノード116からの臨終信号パケット202を含む、統合された臨終信号204を(例えばメモリ416から)検索してもよい。
【0073】
次いで、ノード110は、統合された臨終信号204をルートノード106に送信してもよい。各ノード(例えばノード110~144)は、臨終信号を送信するために、それ自体のレイヤ固有の時間区間内のランダム時間を選択してもよい。さらに、ノード110は、ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト、又は他の任意の適切なタイプのメッセージを介して、統合された臨終信号204をルートノード106に送信してもよい。
【0074】
ノード110は、機能不全情報をヘッドエンド104に中継する命令とともに、統合された臨終信号204をルートノード106に送信する。ノード110が電力供給を受けるノードである場合、ノード110は、統合された臨終信号204又は他の機能不全メッセージを、(例えばルートノード106を介して)ヘッドエンド104に中継してもよい。そのような電力供給を受けるノード110は、プロキシとして動作してもよく、ルートノード106への臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、又は他の機能不全メッセージの送信をランダム化してもよい。電力供給を受けるノード110は、レイヤ固有の区間処理に従わなくてもよく、ただし、電力供給を受けるノード110は、臨終信号を受信した後でもなお、リレーメッセージ(例えば、統合された機能不全メッセージ)を送信して機能不全を報告してもよい。
【0075】
ノード110は、2つよりも多くのノード(例えば、ノード110及び116)からの機能不全情報を含む、統合された臨終信号204を送信する。例えば、ノード110は、任意の適切な個数の臨終信号を含む、統合された臨終信号204を送信してもよい。ノード110は、多数の異なるレイヤにおける複数のノードからの臨終信号パケット202、統合された臨終信号204、又は他の機能不全情報を用いて、統合された臨終信号204を生成する。ノード110は、それ自体のレイヤ内のノードから(例えば、同じレイヤ2におけるノード112から)受信された臨終信号を処理又は無視するように構成されてもよい。ノード110は、複数の臨終信号を連結することで、統合された臨終信号204を生成してもよい。
【0076】
例えば、レイヤ2に存在するノード110は、レイヤ3のノード114からの統合された臨終信号204と、前述したレイヤ3のノード116からの臨終信号パケット202と、レイヤ4のノード120からの統合された臨終信号204と、レイヤN-1のノード126からの臨終信号パケット202とを連結する、統合された臨終信号204を生成してもよい。ノード110は、ノード114、116、120、及び126の各々からの機能不全情報を含む、統合された臨終信号204を生成する。ノード110は、114、116、120、及び126の各々の識別子(例えばノードID210)と、それらの各レイヤ(例えばノードレイヤ208)の表示とを含むように、統合された臨終信号204を生成してもよい。
【0077】
ノード110は、本願において説明する技術のうちのいずれかに従って、統合された臨終信号204を生成してもよい。ノード110は、最大個数の統合された臨終信号204(例えば、最大で5個の統合された臨終信号204)を送信してもよい。例えば、ノード110は、レイヤ2に関するレイヤ固有の時間区間の間に、5個の統合された臨終信号204を送信してもよい。単一の統合された臨終信号204は最大で12個のノードIDを含んでもよいので、5個の統合された臨終信号204を送信することで、ノード110は、最大で60個のノードに関する機能不全情報を報告する。
【0078】
いくつかの実施例では、ノード110は、送信の前に、1つ又は複数の統合された臨終信号204の重複を解消する。例えば、ノード110は、ノード114、116、120、及び126の各々からの機能不全情報(例えばノードID210)を含む、統合された臨終信号204の重複を解消する必要性を決定してもよい。ノード110は、レイヤ4のノード120からの臨終信号(例えば統合された臨終信号204)が、重複した臨終信号(例えば、レイヤN-1のノード126からの臨終信号パケット202)を含むと決定してもよい。それに応答して、ノード110は、重複したメッセージのコピーを除去及び/又は廃棄することで、統合された臨終信号204を生成する前に、重複した臨終信号の重複を解消する。追加か代替態様では、ノード110は、統合された臨終信号204を生成した後に(例えば、ただし送信の前に)、重複したメッセージの重複を解消してもよい。さらに、ノード110は、統合された臨終信号204に存在する任意のノードIDを保持又は除去してもよい。
【0079】
全体考察
特許請求の範囲に記載された主題についての詳細な理解を提供するために、本明細書において多数の特定の詳細事項を述べている。当業者は、特許請求の範囲に記載された主題がこれらの特定の詳細事項なしで実施されてもよいことを理解するであろう。他の例では、特許請求の範囲に記載された主題を不明瞭にしないように、通常の技術を有する者によって知られるであろう方法、装置、又はシステムについては詳述していない。
【0080】
本願において説明した特徴は、任意の特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。計算装置は、1つ又は複数の入力を条件とした結果を提供する構成要素からなる任意の適切な装置を含んでもよい。適切な計算装置は、格納されたソフトウェア(例えば、コンピュータシステムのメモリ上に格納されたコンピュータ可読命令)にアクセスする多目的のマイクロプロセッサに基づくコンピュータシステムを含み、このソフトウェアは、汎用の計算装置から本開示の1つ又は複数の態様を実装する特別な計算装置になるように計算システムをプログラミング又は構成する。計算装置のプログラミング又は構成に使用されるソフトウェアにおいて、本願に含まれる開示内容を実装するために、任意の適切なプログラミング、スクリプティング、他のタイプの言語、又は言語の組み合わせが使用されてもよい。
【0081】
本願において開示した方法の態様は、そのような計算装置の動作において実行されてもよい。上述の実施例において提示したブロックの順序は変更されてもよく、例えば、ブロックが並べかえられてもよく、組み合わされてもよく、及び/又はサブブロックに分割されてもよい。所定の複数のブロック又は複数の処理を並列に実行してもよい。
【0082】
本願における「~ように適応化される」又は「~ように構成される」の使用は、追加のタスク又はステップを実行するように適応化又は構成された装置を除外しない、オープンかつ包括的な用語を意図している。さらに、「~に基づく」の使用は、記載された1つ又は複数の条件又は値「に基づく」処理、ステップ、計算、又は他の動作が、実際に、記載したものを越える追加の条件又は値に基づいてもよいという点で、オープンかつ包括的であることを意図している。本願に含まれた見出し、リスト、及び番号は、説明の簡単化のみを目的とし、限定を意図していない。
【0083】
上述の説明は、本開示の態様を例示、記述、及び説明する目的で提供され、網羅的であること、又は、本開示を開示した正確な形態に限定することを意図していない。これらの態様のさらなる変更及び適応化が当業者に明らかになり、本開示の範囲及び精神から離れることなく実施されてもよい。上述した構成要素の異なる構成も可能であり、また、図示及び説明していない構成要素及びステップも可能である。同様に、いくつかの特徴及びサブコンビネーションが有用であり、他の特徴及びサブコンビネーションに関係なく使用されてもよい。本開示の態様が、限定としてではなく、例示として説明され、本特許の読者には代替の態様が明らかになるであろう。
【国際調査報告】