(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】冷却システムを備えるバッテリ貯蔵発電所
(51)【国際特許分類】
H01M 8/18 20060101AFI20240424BHJP
H01M 8/0432 20160101ALI20240424BHJP
H01M 8/04007 20160101ALI20240424BHJP
H01M 8/0438 20160101ALI20240424BHJP
【FI】
H01M8/18
H01M8/0432
H01M8/04007
H01M8/0438
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023564636
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2022055968
(87)【国際公開番号】W WO2022223197
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】102021110200.6
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506408818
【氏名又は名称】フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D-89522 Heidenheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス リュート
(72)【発明者】
【氏名】ローレンツ レンハート
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126AA10
5H126AA11
5H126BB10
5H127AA10
5H127AB11
5H127AC03
5H127DB74
5H127DC76
(57)【要約】
レドックスフロータイプの多数のバッテリモジュール(1)を含んでいるバッテリ貯蔵発電所であって、バッテリモジュールは、並列接続された複数のバッテリライン(7)に配置されており、1つのバッテリラインはそれぞれ複数のバッテリモジュールを含み、複数のバッテリモジュールは直列接続されており、バッテリ貯蔵発電所は、バッテリモジュールの熱交換器(5)に冷却流体を供給する冷却システムを含み、全てのバッテリモジュールは、冷却回路が、全てのバッテリモジュールの並列接続を形成するように、冷却回路の送り路および戻し路に接続されており、冷却システムは、各バッテリモジュールに対して少なくとも1つの弁(6)を含み、弁(6)は、属するバッテリモジュールの熱交換器を通流する冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されており、冷却システムは、制御設備(11)を含み、制御設備(11)は、温度センサ(4,12)によって検出された測定値を処理し、バッテリ貯蔵発電所の効率を改善するために、弁および3方向制御弁(8)の位置を制御することができるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レドックスフロータイプの多数のバッテリモジュール(1)を含んでいるバッテリ貯蔵発電所であって、
前記バッテリモジュール(1)は、並列接続された複数のバッテリライン(7)に配置されており、
1つのバッテリライン(7)はそれぞれ複数のバッテリモジュール(1)を含み、前記複数のバッテリモジュール(1)は直列接続されており、
各バッテリモジュール(1)は、電解質を貯蔵するタンク設備(3)と、少なくとも1つの温度センサ(4)と、少なくとも1つの熱交換器(5)とを含み、
前記温度センサ(4)は、電解質温度を検出することができるように配置されており、
前記熱交換器(5)は、電解質と熱を交換することができるように配置されており、かつ構成されており、
前記バッテリ貯蔵発電所は、前記バッテリモジュール(1)の前記熱交換器(5)に冷却流体を供給する冷却システムを含み、
前記冷却システムは、送り路および戻し路を含む冷却回路と、少なくとも1つの冷却設備(9)と、前記冷却回路内で前記冷却流体を循環させる少なくとも1つの循環ポンプ(10)とを含み、
前記冷却設備(9)は、前記送り路と前記戻し路との間の温度差に影響を与えることができるように構成されており、
前記冷却システムは、送り路および戻し路の温度を検出する少なくとも2つのさらなる温度センサ(12)を含む、バッテリ貯蔵発電所において、
全てのバッテリモジュール(1)は、前記冷却回路が、全てのバッテリモジュール(1)の並列接続を形成するように、前記冷却回路の前記送り路および前記戻し路に接続されており、
前記冷却システムは、少なくとも1つの3方向制御弁(8)を含み、前記3方向制御弁(8)は、前記冷却設備(9)を通流する前記冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されており、
前記冷却システムは、各バッテリモジュール(1)に対して少なくとも1つの弁(6)を含み、前記弁(6)は、属する前記バッテリモジュール(1)の前記熱交換器(5)を通流する前記冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されており、
前記冷却システムは、制御設備(11)を含み、前記制御設備(11)は、前記温度センサ(4,12)によって検出された測定値を処理し、前記バッテリ貯蔵発電所の効率を改善するために、前記弁(6)および前記3方向制御弁(8)の位置を制御することができるように構成されている、
ことを特徴とするバッテリ貯蔵発電所。
【請求項2】
複数のバッテリモジュール(1)が1つの冷却ラインを形成し、
前記冷却ラインは、並行して延在する2つの管路を含み、
前記冷却ラインに属する各バッテリモジュールは、前記2つの管路に、前記2つの管路が並列接続を形成するように、接続されており、
前記冷却ラインに対して1つの3方向制御弁(8)が設けられており、前記3方向制御弁(8)は、該当する前記冷却ラインを通流する前記冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されており、
前記制御設備(11)は、前記冷却ラインに属する前記3方向制御弁(8)の位置を制御することができるように構成されている、請求項1記載のバッテリ貯蔵発電所。
【請求項3】
バッテリ貯蔵発電所の動作のための方法であって、
前記バッテリ貯蔵発電所は、レドックスフロータイプの多数のバッテリモジュール(1)を含み、
前記バッテリモジュール(1)は、並列接続された複数のバッテリライン(7)に配置されており、
1つのバッテリライン(7)はそれぞれ複数のバッテリモジュール(1)を含み、前記複数のバッテリモジュール(1)は直列接続されており、
各バッテリモジュール(1)は、電解質を貯蔵するタンク設備(3)と、少なくとも1つの温度センサ(4)と、少なくとも1つの熱交換器(5)とを含み、
前記温度センサ(4)は、電解質温度を検出することができるように配置されており、
前記熱交換器(5)は、電解質と熱を交換することができるように配置されており、かつ構成されており、
前記バッテリ貯蔵発電所は、前記バッテリモジュール(1)の前記熱交換器(5)に冷却流体を供給する冷却システムを含み、
前記冷却システムは、送り路および戻し路を含む冷却回路と、少なくとも1つの冷却設備(9)と、前記冷却回路内で前記冷却流体を循環させる少なくとも1つの循環ポンプ(10)とを含み、
前記冷却設備(9)は、前記送り路と前記戻し路との間の温度差に影響を与えることができるように構成されており、
前記冷却システムは、送り路および戻し路の温度を検出する少なくとも2つのさらなる温度センサ(12)を含み、
全てのバッテリモジュール(1)は、前記冷却回路が、全てのバッテリモジュールの並列接続を形成するように、前記冷却回路の前記送り路および前記戻し路に接続されており、
前記冷却システムは、少なくとも1つの3方向制御弁(8)を含み、前記3方向制御弁(8)は、前記冷却設備(9)を通流する前記冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されており、
前記冷却システムは、各バッテリモジュール(1)に対して少なくとも1つの弁(6)を含み、前記弁(6)は、属する前記バッテリモジュール(1)の前記熱交換器(5)を通流する前記冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されており、
前記冷却システムは、制御設備(11)を含み、前記制御設備(11)は、前記温度センサ(4,12)によって検出された測定値を処理し、前記弁(6)および前記3方向制御弁(8)の位置を制御することができるように構成されており、
前記方法は、少なくとも1つの動作状態を含み、前記動作状態では、少なくとも1つのバッテリモジュール(1)が、別のバッテリモジュール(1)から前記冷却流体に放出された、前記冷却回路内で循環する前記冷却流体を通して熱を吸収するように、前記弁(6)と前記3方向制御弁(8)とを制御する、
方法。
【請求項4】
複数のバッテリモジュール(1)が1つの冷却ラインを形成し、
前記冷却ラインは、並行して延在する2つの管路を含み、
前記冷却ラインに属する各バッテリモジュールは、前記2つの管路に、前記2つの管路が並列接続を形成するように、接続されており、
前記冷却ラインに対して1つの3方向制御弁(8)が設けられており、前記3方向制御弁(8)は、該当する前記冷却ラインを通流する前記冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されており、
前記制御設備(11)は、前記冷却ラインに属する前記3方向制御弁(8)の位置を制御することができるように構成されている、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記バッテリ貯蔵発電所は、前記少なくとも1つの動作状態において部分負荷で動作し、
前記冷却回路内で循環する前記冷却流体を通して熱を吸収する前記少なくとも1つのバッテリモジュール(1)は、スタンバイ状態にある、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
前記バッテリ貯蔵発電所は、前記少なくとも1つの動作状態において部分負荷で動作し、
前記冷却回路内で循環する前記冷却流体を通して熱を吸収する前記少なくとも1つのバッテリモジュール(1)は、充電されている、請求項3または4記載の方法。
【請求項7】
請求項3から6までのいずれか1項記載の方法を自動的に実施するように構成されている、請求項1または2記載のバッテリ貯蔵発電所。
【請求項8】
コンピュータプログラムであって、
請求項7記載のバッテリ貯蔵発電所に請求項3から6までのいずれか1項記載の方法を実施させる命令を含む、
コンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータ可読媒体であって、
請求項8記載のコンピュータプログラムが格納されている、
コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却システムを備えるバッテリ貯蔵発電所に関し、バッテリ貯蔵発電所は、電気エネルギを吸収または放出するために互いに電気的に接続されている多数の別個のバッテリエネルギ蓄積器を含む。本発明はさらに、レドックスフロー電池として構成されているバッテリエネルギ蓄積器を備えるバッテリ貯蔵発電所に関する。
【0002】
バッテリモジュールとも称される多数の別個のバッテリエネルギ蓄積器を備えたこのようなバッテリ貯蔵発電所は、従来技術から公知である。たとえば、国際公開第2014/170373号には、並列接続されている複数のバッテリラインを備えたバッテリ貯蔵発電所が開示されており、ここでこれらのバッテリラインはそれぞれ、直列接続されている複数の直流電流バッテリモジュールを含む。
【0003】
さらに、従来技術から、個々のレドックスフローバッテリモジュールが冷却設備を有することができることが知られている。このために、このようなバッテリモジュールは、バッテリモジュールの電解質を冷却することができる1つまたは複数の熱交換器を含む。ここで、熱交換器は、バッテリモジュールの種々の箇所に配置されていてよく、たとえば複数の電解質タンク内にもしくは複数の電解質タンクに配置されていてよい、またはこれらのタンクのうちの1つのタンク内にもしくはこれらのタンクのうちの1つのタンクに配置されていてよい、またはバッテリモジュールのセル内に配置されていてよい、または電解質を循環させる配管システムに配置されていてよい。これについては、文献である国際公開第2019/126381号、米国特許第9774044号明細書および国際公開第2019/139566号に記載されている。
【0004】
本発明の課題は、レドックスフロータイプのバッテリエネルギ蓄積器と、バッテリ貯蔵発電所の効率を改善するのに適した冷却システムとを備えるバッテリ貯蔵発電所を提供することである。
【0005】
上述の課題は、本発明に相応に、独立請求項に相応する構成によって解決される。上述の課題はさらに、独立した、方法の請求項に記載の動作方法によって解決される。本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
以降では、本発明を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】レドックスフロータイプのバッテリモジュールを示す図である。
【
図2】本発明のバッテリ貯蔵発電所を示す図である。
【
図3】バッテリ貯蔵発電所の電気的な構造を示す図である。
【0008】
図1の左側に、レドックスフロータイプのバッテリモジュールが概略図で示されている。バッテリモジュールには、参照番号1が付けられている。バッテリモジュールは、参照番号2が付けられているセル装置と、参照番号3が付けられているタンク設備とを含む。セル装置2は、任意に配置されていてよい多数のレドックスフローセルから成る装置である。たとえば、これは、個々のセルスタック(すなわち、複数のレドックスフローセルの直列接続)、複数のスタックの直列接続、複数のスタックの並列接続または複数のスタックの直列接続と並列接続との組み合わせであってよい。タンク設備3は、電解質を貯蔵するとともに、セル装置2に電解質を供給するのに用いられる。このために、タンク設備3は、少ない例外を除いて、少なくとも2つのタンクと、これらのタンクをセル装置2に接続する配管システムと、電解質を圧送するポンプとを含む。
図1はここで、2つの別個のポンプを示している。同様に良好に、電解質はダブルヘッドポンプによって、すなわち1つの共通のモータを介して駆動される2つのポンプによって圧送され得る。ここで、タンク設備3は、セル装置2の全てのセルに電解質を供給することができるように構成されている。すなわち、ポンプが電解質を圧送すると、電解質は、セル装置2の全てのセルを通流する。
【0009】
バッテリモジュール1は、電解質温度を検出することができるように配置されている少なくとも1つの温度センサを含む。
図1には、2つのこのようなセンサが示されており、そのうちの一方に参照番号4が付けられている。これらの温度センサ4は、
図1の実施形態では、タンク設備3内に配置されている。しかし、これらの温度センサ4が、電解質温度を検出することができる、バッテリモジュール1内の任意の他の適切な箇所に同様に良好に配置されていてよい。
【0010】
バッテリモジュール1は、少なくとも1つの熱交換器をさらに含み、この熱交換器は、この熱交換器がバッテリモジュール1の電解質と熱を交換することができるように、すなわち熱を電解質から取り出すことができるように、または熱を電解質に供給することができるように配置されており、かつ構成されている。
図1には、2つのこのような熱交換器が示されており、そのうちの一方に参照番号5が付けられている。これらの熱交換器5は、
図1の実施形態では、タンク設備3内に配置されている。しかし、これらの熱交換器が、電解質との熱交換を生じさせることができる、バッテリモジュール1内の任意の他の適切な箇所に同様に良好に配置されていてよい。熱交換器5が自身の機能を果たすことができるようにするためには、バッテリモジュール1の外部から熱交換器5に供給された冷却流体が熱交換器5を通流しなければならない。このためには、適切な供給管路が設けられているべきである。
図1では、これらの供給管路は、図示した2つの熱交換器5が直列接続されるように、すなわち、冷却流体がまず一方の熱交換器5を通流し、その後に他方の熱交換器5を通流するように構成されている。同様に良好に、これらの熱交換器5は並列接続されてもよい、もしくはこれらの熱交換器5にはそれぞれ互いに別個に冷却流体が供給されてもよい。
【0011】
バナジウムをベースとするレドックスフローバッテリモジュールの場合には、2つの電解質(正の電解質および負の電解質)が異なる熱挙動を示す。したがって、これらの熱交換器を直列接続する場合、冷却流体がまず、正の電解質と接触している熱交換器を通流し、その後に初めて負の電解質と接触している熱交換器を通流するように、冷却流体の流れ方向を選択する。
【0012】
熱交換器5に冷却流体を供給するための供給管路には、少なくとも1つの弁が配置されており、この弁によって、該当する熱交換器5を通る冷却流体の通流をコントロールすることができる。
図1には、2つのこのような弁が示されており、そのうちの一方に参照番号6が付けられている。
図1に図示した実施形態の機能性を保証するためには、これら2つの弁6のうちの一方の弁で足りるだろう。2つの弁6が設けられている場合には、これによって、本発明のバッテリ貯蔵発電所へのバッテリモジュール1の組み込みもしくはバッテリモジュール1の交換が容易になる。なぜなら、該当するバッテリモジュールを冷却回路から完全に切り離すことができるからである。
図1には、バッテリモジュール1の外部に弁6が示されている。同様に良好に、これらの弁6が、バッテリモジュール1の一部であってよく、すなわち破線の枠内に配置されていてよい。
【0013】
図1の右側には、バッテリモジュール1のシンボリックな描写が示されている。ここではバッテリモジュール1の図示された「内部構造」は、少なくとも1つの温度センサ4と少なくとも1つの熱交換器5とに減らされている。
【0014】
図2は、本発明のバッテリ貯蔵発電所を示している。このバッテリ貯蔵発電所は多数の別個のバッテリモジュール1を含み、これらのバッテリモジュール1は並列接続された複数のバッテリラインに配置されており、1つのバッテリラインは、直列接続されている、それぞれ複数のバッテリモジュール1を含む。
図2には、2つのそのようなバッテリラインが図示されており、それぞれ破線の枠によって示されている。ここで、図示したバッテリラインのうちの1つに参照番号7が付けられている。
【0015】
本発明のバッテリ貯蔵発電所は、バッテリモジュール1の熱交換器5に冷却流体を供給する冷却システムを含む。冷却システムは、送り路と戻し路とを含む。この場合、バッテリ貯蔵発電所の全てのバッテリモジュール1は送り路および戻し路に接続されており、すなわち冷却システムの冷却回路は、バッテリ貯蔵発電所の全てのバッテリモジュール1の並列接続を形成する。ここで、各バッテリモジュール1に対して、少なくとも1つの弁6が設けられており、この弁6によって、該当するバッテリモジュール1の1つまたは複数の熱交換器5を通る冷却流体の体積流量をコントロールすることができる。
【0016】
冷却システムの総管長を可能な限り短く保つために、好適には、複数のバッテリモジュールの熱交換器が、いわゆる冷却ラインを形成するように、冷却システムが形成されるべきである。冷却ラインは並行して延在する2つの管路を含み、冷却ラインに属する各バッテリモジュール1は、これら2つの管路に接続されている。たとえば、1つのバッテリラインに属する全てのバッテリモジュールが1つの冷却ラインを形成することが考えられ得る。バッテリラインにおけるバッテリモジュールの電気的な接続とは異なり、バッテリモジュールの属する熱交換器5は、これらが並列接続を形成するように、冷却ラインに接続されている。冷却ラインは、複数のバッテリラインのバッテリモジュールを互いに接続することもできる。
図2は、2つのバッテリラインを例示的に示しており、ここでは各バッテリラインのこれらのバッテリモジュールは、1つの属する冷却ラインによって接続されている。この場合、冷却ラインの、並行して延在する2つの管路は、それぞれ、
図2において右側に配置されており、以降で主冷却ラインと称される冷却ラインに通じている。これらの冷却ラインと主冷却ラインとが、1つの冷却回路を形成している。
【0017】
冷却システムは、冷却回路内で冷却流体を循環させることができる少なくとも1つの循環ポンプをさらに含む。冷却システムが循環ポンプを1つだけ含む場合、循環ポンプは、好適には主冷却ラインに配置されている。
図2では、図示された循環ポンプに参照番号10が付けられている。したがって、冷却システムは送り路および戻し路を含み、ここで、個々のバッテリモジュールの熱交換器は、
図2に図示されているように、それぞれ送り路および戻し路に接続されている。
【0018】
冷却システムは、少なくとも1つの冷却設備をさらに含み、この冷却設備には参照番号9が付けられており、冷却設備は冷却回路の送り路および戻し路に接続されている。冷却設備9は、送り路と戻し路との間の温度差に影響を与えることができるように構成されている。このような冷却設備9は、たとえば熱交換器とファンとを含むことができ、この場合、熱交換器は液体/気体熱交換器として構成されている。ファンによって、低温の外気が熱交換器の傍らを通って流れ、これによって、熱交換器を通流する冷却流体が冷却される。
【0019】
冷却システムは、少なくとも1つの3方向制御弁を含む。
図2には、全部で3つの3方向制御弁が図示されており、そのうちの1つに参照番号8が付けられている。この場合、これらの3方向制御弁8のうちの1つは、冷却設備9を通流する冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されている。この3方向制御弁8を用いることによって、主冷却ラインにおける送り路と戻し路との間の温度差、ひいては冷却システムの冷却能力に影響を与えことができる。冷却設備9を通流する体積流量が増加すると、主冷却ラインにおける送り路と戻し路との間の温度差が増大する。複数の冷却設備9が設けられている場合、設けられている各冷却設備9に対して、1つの属する3方向制御弁8が設けられるべきである。任意選択的に、各冷却ラインに対して1つの3方向制御弁8が設けられていてもよく、この3方向制御弁8はそれぞれ、該当する冷却ラインを通流する、すなわち冷却ラインの、並行して延在する2つの管路を通流する冷却流体の体積流量をコントロールすることができるように配置されている。したがって、これらの付加的な3方向制御弁8によって、該当する冷却ラインの送り路と戻し路との間の温度差に影響を与えることができる。
図2では、図示されている各冷却ラインに、このような3方向制御弁8が配置されている。場合によっては、各冷却ライン内にはそれぞれ1つのさらなるポンプが配置されていてよく、これによって、属する3方向制御弁の各位置においてさらに、各冷却ライン内の冷却流体の十分な循環が保証される。
【0020】
個々のバッテリモジュール1内の温度センサ4の他に、冷却システムは、バッテリモジュール1の外部に設けられた、さらなる温度センサを含む。これらの温度センサは、
図2において、2つのセンサシンボルによって概略的に示されており、そのうちの一方に参照番号12が付けられている。ここでこれは少なくとも、冷却回路の送り路および戻し路における温度を検出するためのセンサ12である。さらなるセンサ12は、任意選択的に、個々の冷却ラインの送り路および戻し路における温度も検出することができる。さらに、これらの箇所の温度を検出するために、任意選択的に、バッテリ貯蔵発電所の種々異なる箇所に温度センサ12が配置されていてよい。
【0021】
冷却システムは制御設備をさらに含み、制御設備には、
図2において参照番号11が付けられている。制御設備11は、センサ4およびセンサ12によって検出された測定値を処理する。制御設備11は、バッテリ貯蔵発電所の効率が改善され得るように、弁6および弁8の位置を制御する。言及した効率は、たとえば、冷却システムの廃熱に関するエネルギ効率であってよい。しかしこの効率は、以降の記載から明らかになるように、バッテリ貯蔵発電所の電気効率であってもよい。
【0022】
制御設備は、上述の制御の際に、有利には、さらに別の要因も考慮することができる。このような付加的な要因は、たとえば、天候もしくは天気予報、またはバッテリ貯蔵発電所の履歴負荷プロファイルおよび予測された負荷プロファイルである。
【0023】
制御設備は、当然、バッテリモジュールの熱特性も制御において考慮する。概して、レドックスフロータイプのバッテリモジュールは、温度が高くなるほど、電気効率がより高くなる。なぜなら、これによって、電気的な内部抵抗が小さくなるからである。ただし、バッテリモジュールの温度を過度に高くしてはならない。なぜなら、クリチカルな温度を上回ると、いずれにせよ回避されるべき破壊プロセスが始まってしまうからである。すなわち、制御設備による制御は概して、バッテリモジュールを熱的に破壊することなく、バッテリモジュールが可能な限り高い温度に保たれるように設計されるべきである。
【0024】
バナジウムをベースとするレドックスフロータイプのバッテリモジュールでは、吸熱反応において充電が行われ、発熱反応において放電が行われる。すなわち、外部の熱供給もしくは熱放出がない場合、このようなバッテリは充電時に冷却され、放電時に加熱される。
【0025】
制御設備11は、中央に形成されていてよい。しかし制御設備11が、分散して配置されている複数のサブ制御ユニットを含んでいてもよい。したがってたとえば、各バッテリモジュール1が1つのサブ制御ユニットを含んでいてよく、このサブ制御ユニットは、該当するバッテリモジュールに配置されている温度センサ4によって検出された測定値を処理し、該当するバッテリモジュールに属する弁6を駆動制御する。この場合、サブ制御ユニットは、少なくとも部分的に自律的に行動することができる。この場合、場合によって存在するサブ制御ユニット、センサ4およびセンサ12ならびに弁6および弁8と制御設備11との間の接続がワイヤレスで構成されていてもよい。
【0026】
発明者らは、本発明のバッテリ貯蔵発電所が、従来のバッテリ貯蔵発電所と比較して、発電所のエネルギ効率を改善できることを見出した。ここで、エネルギ効率のこの改善は、バッテリ貯蔵発電所の廃熱を低減することによって達成される。発明者らは、可能な限り迅速に最適な動作領域に到達するため、すなわち、内部抵抗を低減し、その際に電気効率を高めるために、レドックスフロータイプのバッテリモジュールを備えるバッテリ貯蔵発電所の動作時に、1つまたは複数のバッテリモジュールを冷却する必要がない状況、むしろ1つまたは複数のバッテリモジュールを加熱する必要がある状況が繰り返し発生することを見出した。
【0027】
たとえば、動作休止状態(スタンバイ状態)にあるバッテリモジュール、または充電されているバッテリモジュールは冷却を必要としない。なぜなら、これらのバッテリモジュールは、これらの状態ではいずれにせよ自然に冷却されるからである。また発電所に新たに組み込まれるバッテリモジュールまたはメンテナンスされたバッテリモジュールも、最適な動作温度を達成するために熱を必要とする。これに対して、放電されているバッテリモジュールは、この際に熱を発生させるので、冷却されなければならない。本発明のバッテリ貯蔵発電所では、この知見を、バッテリ貯蔵発電所の廃熱を減少させるために利用することができる。ここで、本発明のバッテリ貯蔵発電所の動作方法は少なくとも1つの動作状態を含み、この動作状態では、少なくとも1つのバッテリモジュールが、別のバッテリモジュールから冷却流体に放出された、冷却回路内で循環する冷却流体を通して熱を吸収するように、弁6と3方向制御弁8とを制御する。換言すれば、熱を吸収するバッテリモジュールは、熱を放出するバッテリモジュールに対する冷却器として機能する。
【0028】
このことは様々な様式で実現可能である。説明のために、簡潔にするために、第1のバッテリモジュールB1は冷却を必要とせず、B1における電解質温度がT1にあるものと想定する。さらに、第2の電池モジュールB2は冷却を必要とし、B2における電解質温度がT2にあるものと想定する。ここでは、T1<T2とする。B2からB1への所望の熱流を得るために、冷却設備に属する3方向制御弁を、送り路温度TVが、T1<TV<T2であるように調節されるように駆動制御することができる。ここで冷却設備が(一時的に)冷却回路から切り離されると、必然的にB2からB1への所望の熱流が生じる。別の可能性では、一定時間、B2だけが冷却回路に接続され、他方でB1は切り離されており、この場合にはB2は冷却流体に熱を放出する。次いで、一定時間、B1だけが冷却回路に接続され、他方でB2は切り離されており、この場合にはB1は冷却流体から熱を吸収する。冷却回路への接続および冷却回路からの切り離しのために、バッテリモジュールに属する弁6が使用される。この第2の可能性でも、冷却設備は、所望の熱流の時間の間、(属する3方向制御弁8を用いて)冷却回路から切り離されている。
【0029】
冷却を必要としない多くのバッテリモジュールと冷却を必要とする多くのバッテリモジュールとを備える一般的なケースでは、送り路温度TVがバッテリモジュールの平均電解質温度付近にあるように、冷却設備の3方向制御弁8が駆動制御されることが行われ得る。付加的に、バッテリモジュールの弁6は、属するバッテリモジュールが周期的に冷却回路内に入れられる、もしくは冷却回路から外されるように制御され、この際に半周期の長さは、該当するモジュールの冷却需要もしくは加熱需要に関連している。
【0030】
個々の冷却ラインに対する任意選択の3方向制御弁8は、本発明のバッテリ貯蔵発電所の動作のためのさらなる自由度を可能にする。なぜなら、これによって、個々の冷却ラインの送り路温度を個別に調節することができるからである。さらに、3方向制御弁8によって、個々の冷却ラインを完全に冷却回路内に入れる、または冷却回路から外すことができる。このことは、1つまたは複数の冷却ラインが全体として、他の冷却ラインとは異なる冷却需要を有している場合に有利である。これが当てはまるのは、たとえば、1つまたは複数の冷却ラインのバッテリモジュールが、異なる周囲温度が存在する発電所に配置されている場合であり得る。これはたとえば、複数のバッテリモジュールが発電所において互いに積層されて配置されている場合に該当する。上に配置されたバッテリモジュールは、より高い空気温度に曝されている。なぜなら、上側の空気層は、その下にあるバッテリモジュールの廃熱によって加熱されるからである。この場合には、好適には、異なる垂直平面のバッテリモジュールがそれぞれ冷却ラインにまとめられる。冷却ラインに属する3方向制御弁を用いて、これらの冷却ライン内の送り路温度を、上方に配置されている冷却ラインの送り路温度が、下方に配置されている冷却ラインの送り路温度よりも低くなるように調節することができる。
【0031】
発明者らは、このようなバッテリ貯蔵発電所が、部分負荷動作で頻繁に動作しなければならないことを考慮した場合に、本発明のバッテリ貯蔵発電所のための別の有利な動作モードが提示され得ることを見出した。部分負荷動作は様々な様式で実現可能である。ほぼ全ての可能な実現様式に対して、このようなバッテリ貯蔵発電所の効率を本発明に相応に上げることができる動作モードが提示され得る。これらの動作モードを説明するために、以降ではこのようなバッテリ貯蔵発電所の電気的な構造について詳しく説明する。
【0032】
図3は、バッテリ貯蔵発電所の電気的な構造を著しく簡略化した描写で示している。左側には、複数のバッテリモジュールの直列接続を備えるバッテリラインが示されている。バッテリラインはそれぞれ、1つの破線の方形によって包囲されている。各バッテリモジュールを、スイッチ対を用いて、バッテリライン内に入れる、またはバッテリラインから外すことができる。各バッテリラインは、DC-DCコントローラに接続されている。ここで、これらのDC-DCコントローラのうちの1つに参照番号13が付けられている。複数のバッテリラインはそれぞれ1つの直流電流レールを介して互いに接続されており、したがってそれぞれ1つのバッテリライングループを形成する。ここで、DC-DCコントローラはそれぞれ、属する直流電流レールとバッテリラインとの間に配置されている。各バッテリライングループは、DC-ACコンバータを介して、バッテリ貯蔵発電所の交流電流レールに接続されている。DC-ACコンバータのうちの1に参照番号15が付けられている。
図3ではそれぞれ3つのバッテリラインが、1つのバッテリライングループを形成している。しかしバッテリライングループ毎のバッテリラインの数は任意であってよく、使用されるDC-ACコンバータの性能およびバッテリラインの定格出力にのみ関連する。交流電流レールは、トランスによって伝送網に接続されている。
【0033】
図3の右側には、バッテリ貯蔵発電所に属する制御構造が示されている。各バッテリラインは固有の制御部を有し、そのうちの1つに参照番号14が付けられている。各バッテリライングループは、同様に、固有の制御部を有しており、そのうちの1つに参照番号16が付けられている。バッテリ貯蔵発電所に属する中央制御部には参照番号17が付けられている。下位の制御部14および16は別個に構成されていてよい、または中央制御部に属する制御設備に統合されていてよい。同じことが、冷却システムに属する制御設備11に当てはまる。
【0034】
バッテリ貯蔵発電所の部分負荷動作を実現するために、複数の可能性が存在する:
A:全てのバッテリモジュールが部分負荷で動作する
B:複数のバッテリラインにおいて、1つまたは複数のバッテリモジュールが、該当するバッテリラインから切り離され、スタンバイ状態に移行する
C:1つまたは複数のバッテリラインが部分負荷で動作する、またはスタンバイ状態に移行する
D:1つまたは複数のバッテリライングループが部分負荷で動作する、またはスタンバイ状態に移行する
【0035】
部分負荷動作モードAでは、全てのバッテリモジュールが均一に動作し、ひいてはバッテリモジュールの不均一な充電状態を実質的に回避することができるので、これによってバッテリ貯蔵発電所が均一な状態を維持できるという利点が得られる。しかし、まさにこの均一性ゆえに、この動作モードには、バッテリ貯蔵発電所の効率向上に関して、見込みがない、またはわずかな見込みしかない。
【0036】
部分負荷動作モードB~Dでは、少なくとも一時的に、バッテリモジュールの充電状態が不均一になる。なぜなら、少なくとも幾つかのバッテリモジュールが、残りのバッテリモジュールと比較してあまり高速に充放電されない、もしくは全く充放電されないからである。しかし、該当するバッテリモジュールを周期的に切り換えることによって、これによって発生する不均衡を小さく維持することができ、むしろ長期的に回避することができる。これに対して部分負荷動作モードB~Dでは、バッテリ貯蔵発電所の効率向上に関して幾つかの利点が得られる。つまり当然、動作モードCおよびDにおいて、属するDC-DCコントローラもしくはDC-ACコンバータもスタンバイ状態に移行可能であり、これによってエネルギを節約することができる。さらに、上述したように、スタンバイ状態にあるバッテリモジュールは熱を吸収することができ、それによって、残りのバッテリモジュールに対する冷却器として機能することができる。このことは、該当する部分負荷動作モードが放電過程である場合には、放電時に熱が発生し、したがって冷却が必要とされるので、有利に作用する。このような動作モードにおいて、冷却システムの制御設備11が、バッテリモジュールのその都度の目下存在する電気的な状態(スタンバイ状態、放電、充填)に関する情報を、弁6および3方向制御弁8の制御のために使用することが明らかである。
【0037】
上述のプラスの効果は、部分負荷動作モードCおよびDにおいて、該当するバッテリラインもしくはバッテリライングループがスタンバイ状態に移されるのではなく、充電に切り換えられる場合に、放電時にさらに強くなり得る。すなわち、バッテリモジュールの大部分が放電されている間に、残りのバッテリモジュールが充電される。ここでは、バッテリ貯蔵発電所の出力が、2つのバッテリモジュールグループの出力差から得られる。レドックスフロー電池の充電は吸熱性を伴って進行するため、充電に切り換えられたバッテリモジュールの冷却作用は、スタンバイ状態と比べて相応に大きい。ここで、スタンバイ状態を使用する動作モードと比較して効率向上が得られるか否かは、多くの要因に関連しているので、個々のケースにおいて考慮されなければならない。スタンバイ状態にあるバッテリモジュールの冷却能力が十分ではなくなった場合には、時として、一時的に冷却設備9をアクティブ化することがより好都合である。
【0038】
バッテリ貯蔵発電所が、上述の方法を自動的に実施するように構成されているようにするために、バッテリ貯蔵発電所にはコンピュータシステムが含まれている。コンピュータシステムという用語は、上述の方法ステップを自動的に実施するのに適した全ての設備を指し、特に、そのために開発されたICまたはマイクロコントローラならびにASIC(ASIC:application specific integrated circuit)も指す。この場合、制御設備11もしくは制御部14,16自体が適切なコンピュータシステムを含んでいてよい。択一的に、コンピュータシステムは別個の設備であってもよい、または別個の設備の一部であってもよい。本出願は、バッテリ貯蔵発電所に上述の方法を実施させる命令を含むコンピュータプログラムにも関する。さらに、本出願は、そのようなコンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体に関する。
【0039】
最後に述べておくと、大きなバッテリ貯蔵発電所は複数の建物を含んでいてもよく、この場合には各建物内に、並列接続された複数のバッテリラインが配置されている。この場合、各建物に対して、別個の冷却システムが設けられていてよい、または1つの冷却システム全体が全ての建物のために共通に設けられていてよい。1つ目のケースでは、各建物自体がすでに、本発明が意図するバッテリ貯蔵発電所とみなされてよい。2つ目のケースでは、建物全体が、本発明が意図するバッテリ貯蔵発電所とみなされてよい。
【符号の説明】
【0040】
1 バッテリモジュール
2 セル装置
3 タンク設備
4 温度センサ
5 熱交換器
6 弁
7 バッテリライン
8 3方向制御弁
9 冷却設備
10 循環ポンプ
11 冷却システムの制御設備
12 温度センサ
13 DC-DCコントローラ
14 バッテリラインの制御部
15 DC-ACコンバータ
16 バッテリライングループの制御部
17 バッテリ貯蔵発電所の中央制御部
【国際調査報告】