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特表2024-518764コイルボックスおよびこのコイルボックスの作動のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】コイルボックスおよびこのコイルボックスの作動のための方法
(51)【国際特許分類】
   B21C 47/24 20060101AFI20240424BHJP
   B21C 47/08 20060101ALI20240424BHJP
   B21C 47/22 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
B21C47/24
B21C47/08
B21C47/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565400
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2022057853
(87)【国際公開番号】W WO2022228791
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】102021204375.5
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】テオバルト・フランク
(72)【発明者】
【氏名】エールス・ベルンハルト
【テーマコード(参考)】
4E026
【Fターム(参考)】
4E026AA04
4E026BA04
4E026BA09
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、コイルへの金属ストリップの巻き取りのため、および、このコイルからのこの金属ストリップの巻き出しのためのコイルボックスに関する。公知のコイルボックスを、このコイルの位置が、特にこの巻き取りステーションから巻き出しステーションへの、このコイルの受動的な輸送の間じゅう、常に周知であるという趣旨で改良するために、本発明は、このフレーム114において回転可能に支承された、少なくとも1つの付加ローラー116が設けられていることを提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルボックス(100)であって、
このコイルボックスが、
コイル(20)への金属ストリップの巻き取りのための、巻き取りステーション(110)を有し、この巻き取りステーションが、複数のローラーから形成されており、これらローラーの内の第1のローラー(111)と第2のローラー(112)とが、共通のフレーム(114)において回転可能に支承されており、
前記金属ストリップが前記コイル(20)へと巻回される巻き取り位置から、完成して巻き取られた前記コイルが通過する複数の移行位置(P1、P2、P3)を通して、巻き出しステーション(120)への前記コイルの引き渡しための引渡し位置(P4)への、
前記第1のローラー(111)の領域内における回転点(D)を中心としての回転角度αだけの、前記第1のローラーと前記第2のローラーとを有する前記フレーム(114)の旋回のための、回転駆動装置(125)を有し;
および、
少なくとも1つの第3のローラー(123)と第4のローラー(124)によって形成される、前記巻き出しステーション(120)を有し、この巻き出しステーション内において、前記金属ストリップが前記コイル(20)から巻き出し可能であり、
前記巻き出しステーション(120)が前記巻き取りステーション(110)に、材料流動方向(R)に後続して配置されており;および、
前記第2のローラー(112)が前記第1のローラー(111)に、且つ、前記第4のローラー(124)が前記第3のローラー(123)に、材料流動方向(R)に後続して配置されており、および、全ての前記ローラーの回転軸線が、互いに平行に整向されている、
上記コイルボックスにおいて、
前記フレーム(114)において回転可能に支承された、少なくとも1つの付加ローラー(116)が設けられていること;
前記付加ローラーの回転軸線が、前記第1のローラーから前記第4のローラーまでの前記回転軸線に対して平行に位置していること;および、
前記付加ローラー(116)の前記回転軸線が、
- 前記フレーム(114)の回転点(D)に対する、前記付加ローラーの前記回転軸線の半径方向の間隔xzが、前記フレームの前記回転点に対する、前記第2のローラーの回転点の半径方向の間隔x2よりも大きく、
- 前記付加ローラー(116)の前記回転軸線の前記半径方向の間隔xzにこの付加ローラー(116)の半径を加算した値が、前記フレーム(114)の前記回転点(D)に対する前記第3のローラー(123)の回転点の最小の半径方向の間隔x3から少なくとも前記第3のローラーの半径を差し引いた値よりも小さく、および、
- 前記付加ローラーの最も上側の点が、
前記第1のローラーと前記第2のローラーとの最も上側の点が水平方向のローラーテーブル平面(E1)を形成する、第1の移行位置(P1)において、予め定められた間隔wだけ、このローラーテーブル平面(E1)の下方に配置されている、
ように、前記フレーム(114)において位置決めされていること、
を特徴とするコイルボックス(100)。
【請求項2】
前記引渡し位置(P4)において、前記第2のローラー(112)は、この第2のローラーの上側の終端位置(Top2)に到達することを特徴とする請求項1に記載のコイルボックス(100)。
【請求項3】
前記付加ローラー(116)の直径は、前記第1のローラー、前記第2のローラー、前記第3のローラー、または、前記第4のローラーの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のコイルボックス(100)。
【請求項4】
少なくとも1つの移動装置(130)が、前記第1のローラー(111)と前記第2のローラー(112)とによって形成される前記ローラーテーブル平面(E1)の下側への前記第3のローラー(123)及び/または前記第4のローラー(124)の選択的な個々の移動のために設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のコイルボックス(100)。
【請求項5】
前記第2のローラー(112)と前記付加ローラー(116)との間に、同様に前記フレームにおいて回転支承された別の付加ローラー(115)が設けられており、
この別の付加ローラーが、この別の付加ローラーの外側の周囲でもって、前記第2のローラー(112)の外側の周囲と前記付加ローラー(116)の外側の周囲との間の、仮想的な-前記ローラーテーブル平面(E1)の方に向けられた-接線方向の結合線(V)を越えて突き出しているように、
この別の付加ローラーが、前記フレーム(114)において位置決めされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のコイルボックス(100)。
【請求項6】
位置信号の生成のための位置検知器(140)が設けられており、この位置信号は、前記付加ローラーの位置を、
特にこの付加ローラーが、前記第1の移行位置(P1)において、前記第1のローラー(111)と前記第2のローラー(112)とによって形成される前記ローラーテーブル平面(E1)の高さに、またはそれ以上に上昇させられている場合に表すことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のコイルボックス(100)。
【請求項7】
前記コイルボックス内へと走入する新しい金属ストリップの案内のための走入ローラーと、この巻き取りステーション内において新たに巻き取られるべきコイルのための、コイルアイへのこの新しい金属ストリップの始端部の成形のための曲げローラーおよび1つの成形ローラーとを有する、
前記巻き取りステーション(110)の始端部において配置された成形領域が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のコイルボックス(100)。
【請求項8】
前記巻き取りステーション(110)内における新しいコイルへの、金属ストリップの巻き取りの際に、前記フレーム(114)は、前記回転駆動装置(125)を用いて巻き取り位置に旋回されており、
この巻き取り位置において、前記第1のローラーと前記第2のローラーとが、前記成形領域へと傾斜された、斜めの平面を形成することを特徴とする請求項7に記載のコイルボックス(100)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つによるコイルボックス(100)と、1つのコイル(20)とを有するシステムにおいて、前記付加ローラー(116)-および、存在する場合に同様に前記別の付加ローラー(115)-は、
更に、前記フレーム(114)において、
-このフレームが、前記第1の移行位置(P1)から、角度αP2だけ、前記第2の移行位置(P2)に旋回されており、この第2の移行位置において、前記付加ローラー(116)または前記別の付加ローラー(115)が、前記第2のローラー(112)と前記第3のローラー(123)とによって担持された前記コイル(20)に、最初に接触する場合-、
前記付加ローラー(116)もしくは前記別の付加ローラー(115)の前記回転軸線と、前記フレーム(114)の前記回転点との間の、水平方向に投影された間隔xzpもしくはxwzpが、前記コイル(20)の重心と前記フレーム(114)の回転点(D)との間の、水平方向に投影された間隔xcpよりも小さい、
ように回転支承されている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
-前記フレームが、前記第3の移行位置(P3)を越えて前記引渡し位置(P4)に旋回され、且つ、前記コイル(20)が、前記第3のローラー(123)および前記付加ローラー(116)だけによって支持されている場合-、
前記コイル20は、このコイルの外側の周囲における最も低い点でもって、予め与えられた許容される最大の間隔(Amax)以下だけ、前記第3のローラー(123)の上側エッジ部の下に降下されている、
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一つによるコイルボックス(100)を作動するための方法において、
この方法が、以下の方法のステップ:即ち、
前記コイルボックスの前記巻き取りステーション内における、コイル(20)への、前記金属ストリップに巻き取り;および、
前記コイルへと巻き取られた前記金属ストリップの始端部に対する引張力の付与、および、前記フレームの前記回転点(D)を中心としての旋回による、引渡し位置(P4)への、少なくとも前記巻き取りステーション(110)の前記第2のローラー(112)の上昇による、
材料流動方向(R)に後続して配置された、前記コイルボックス(100)の前記巻き出しステーション(120)内への、前記巻き取りステーション(110)の内部での複数の移行位置(P1、P2、P3)を通しての、巻き取られた前記コイル(20)の移送、
の方法のステップを有している、前記方法において、
前記引渡し位置(P4)への到達のために、
前記フレームにおいて回転支承された前記第1のローラーと前記第2のローラーと、並びに、前記付加ローラー(116)と、場合によっては前記別の付加ローラー(115)とを有する前記フレームが、
前記付加ローラー(116)または前記別の付加ローラー(115)が、前記第1の移行位置(P1)における、前記第1のローラー(111)と前記第2のローラー(112)とによって形成される水平方向の前記ローラーテーブル平面(E1)を越えて上昇される程に、
前記フレームの回転点(D)を中心として旋回されること、および、
前記引渡し位置(P4)における前記コイル(20)が、前記第3のローラー(123)および前記付加ローラー(116)だけによって支持されて、ほぼ不安定な平衡状態にあること、
を特徴とする方法。
【請求項12】
前記フレーム(114)における前記ローラーの内の1つのローラー、特に前記付加ローラー(116)が、前記第1のローラー(111)と前記第2のローラー(112)とによって、これらローラーの出発位置において形成される、水平方向の前記ローラーテーブル平面(E1)を越えて上昇され;且つ、前記引渡し位置(P4)において、前記ローラーのそれぞれの上側の終端位置(Top2)に到達した場合、
位置信号が生成されること、
この位置信号が、前記コイル(20)が前記巻き取りステーション(110)から確実に離脱したことの確認信号として使用されること、
を特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
生成された前記確認信号に対する応答において初めて、新しいコイルの成形のための、前記コイルボックス(100)の成形領域内への、新しい金属ストリップの走入が許容されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記引渡し位置(P4)から前記巻き出しステーション(120)内への前記コイルの移送のために、引張力が、前記コイル(20)へと巻き取られた前記金属ストリップの始端部に対して付与され、及び/または、前記第3のローラー(123)が、前記ローラーテーブル平面(E1)に対して降下され、
前記巻き出しステーションにおいて、前記コイルが前記第3のローラー(123)と前記第4のローラー(124)の上で安定的に支承される、
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
前記巻き出しステーション(120)に、材料流動方向に後続して配置された、前記金属ストリップの圧延のための圧延スタンドによって、前記引張力が付与されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルへの金属ストリップの巻き取りのため、および、このコイルからの前記金属ストリップの巻き出しのためのコイルボックスに関する。概念「コイル」は、特に、巻き取られた金属ストリップを意味する。本発明は、更に、本発明に従うコイルボックス、並びに、このコイルボックス内において処理されるコイルから成るシステムに関する。最後に、本発明は、コイルボックスの作動のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コイルボックスは、従来技術において、基本的に公知である。このコイルボックスは、典型的に、巻き取りステーションと、この巻き取りステーションに材料流動方向に後続して配置された巻き出しステーションとから成っている。巻き取りステーションと巻き出しステーションとは、それぞれに位置調節可能な複数のローラーから成っている。
このコイルボックスの内部で、巻き取りステーション内において完成して巻き取られたコイルは、後続して配置された巻き出しステーション内へと移動される必要がある。このコイルの移送のために、従来技術において、基本的な2つの解決策、即ち能動的なコイル移送と受動的なコイル移送とが公知である。
【0003】
能動的なコイル移送の実現のために、巻き取りステーションと巻き出しステーションとの間領域内において、典型的に、液圧的な、付加的な位置調節駆動装置が必要であり、これら位置調節駆動装置は、コストが高いだけでなく、巻き取りステーションと巻き出しステーションとの間の付加的な空間必要量もまた必要とする。更に加えて、作動開始のための著しく手間暇のかかる事態となる。何故ならば、これら位置調節駆動装置の運動が、摩擦の無いコイル移送のために、極めて精確に、前置された巻き取りステーションと後続の巻き出しステーションとのローラーに対して調和される必要があるからである。設備技術的な経費は、これに伴って、能動的なコイル移送の際に極めて高い。
能動的なコイル移送のための例示は、特許文献1および2内において見いだされる。能動的なコイル移送の利点は、コイルボックスの内部での、および、特に同様に巻き取りステーションから巻き出しステーションへの移送の際の、コイルの居所もしくは位置が、常に明確に規定されていることにある。
能動的なコイル移送の際に、それ故に、最後に巻回されたコイルの現在の位置に基づいて、このコイルが、巻き取りステーションから確実に離脱したか、もしくは、巻き出しステーションに確実に到達したことが明確である場合、既に、同様に新しい巻き取られるべきストリップも、巻き取りステーション内へと走入可能である。
【0004】
同様に、従来技術において公知の、いわゆる受動的なコイル移送は、この利点を提供しない。この受動的なコイル移送は、それに対して、極めて遥かにより安いコストで実現され得る。何故ならば、この受動的なコイル移送が如何なる付加的な設備技術も必要としないからである。
受動的なコイル移送において、金属ストリップを曲げて開く(aufzubiegen)ために、このコイルの重力が、巻き出しローラーの回転トルクをこのコイルへと伝達するためにもはや十分ではない程に軽量にされている場合、このコイルは、コイルボックスに後続して配置された仕上げ圧延ラインの引張力によって、巻き取りステーションから巻き出しステーション内へと牽引される。コイルの回転運動が停止する場合、コイルの巻き出しは終了される。
受動的なコイル移送は、金属ストリップの材料、温度、および、幾何学的形状に依存して、常に先ず第一に、計算可能なリング重量(Ringgewicht)から開始される。しかしながら、コイルが、完全に巻き出しステーションに牽引されず、むしろ、時間的に制限されて、巻き取りステーションのローラーと巻き出しステーションのローラーとの間に位置した状態で留まることは生じる。このことは、柔軟な材料において、即ち金属ストリップの高い温度、および、薄い厚さにおいていっそう多く生じる。
コイルの位置は、受動的なコイル移送の際に、それ故に、常に精確に決定可能ではなく;且つ、特に、このコイルが未だに両方のステーションの間に位置するのか、または、既に巻き出しステーション内において位置するのかどうかが不明確に留まる。新しく巻き取られるべき金属ストリップは、しかしながら、ただ、コイルボックスの巻き取りステーションが、完全に空にされていることが保障されている場合にだけ、コイルボックスの巻き取りステーション内へと解放され得る。
受動的なコイル移送の際に、しかしながら、コイルの位置が、特に巻き取りステーションから巻き出しステーション内へのこのコイルの移送の間じゅう不明確であり、且つ、このコイルの位置が、先ず第一に、一義的にこの巻き出しステーション内において決定可能であるので、この受動的なコイル移送に関して、何時、このコイルが巻き取りステーションから最終的に離脱したかの、確認に関する時間の損失が結果として生じる。
このことに伴って、設備の低減された生産性が現れる。何故ならば、後続の巻き取られるべき金属ストリップが、それ以前に巻き取られたコイルが巻き取りステーションから最終的に離脱した場合に初めて、コイルボックスの巻き取りステーション内への走入のために解放され得るからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第2 257 395B1号明細書
【特許文献2】欧州特許第2 616 196B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底をなす課題は、公知のコイルボックス、このコイルボックスとコイルから成るシステム、並びに、このコイルボックスの作動のための方法を、
このコイルの位置が、特に巻き取りステーションから巻き出しステーションへのこのコイルの受動的な移送の間じゅう、常に周知されており、且つ、それ故に、何時、このコイルがこのコイルボックス内における巻き取りステーションから離脱するかの時点も、最終的に決定され得る、
という趣旨で改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、コイルボックスに関して、請求項1の対象によって解決される。
この対象は、
前記フレームにおいて回転可能に支承された、少なくとも1つの付加ローラーが設けられていること;
前記付加ローラーの回転軸線が、前記第1のローラーから前記第4のローラーまでの回転軸線に対して平行に位置していること;および、
前記付加ローラーの回転軸線が、
- 前記フレームの回転点に対する、前記付加ローラーの前記回転軸線の半径方向の間隔xzが、前記フレームの前記回転点に対する、前記第2のローラーの回転点の半径方向の間隔x2よりも大きく、
前記付加ローラーの前記回転軸線の前記半径方向の間隔xzにこの付加ローラーの半径を加算した値が、前記フレームの前記回転点に対する前記第3のローラーの回転点の最小の半径方向の間隔x3から前記第3のローラーの半径を差し引いた値よりも小さく、
および、
前記付加ローラーの最も上側の点が、前記第1のローラーと前記第2のローラーの最も上側の点が水平方向のローラーテーブル平面を形成する第1の移行位置において、予め定められた間隔wだけ、このローラーテーブル平面の下方に配置されている、
ように、前記フレームにおいて位置決めされていること、
によって特徴付けられている。
このことによって、付加ローラーは、および、場合によっては同様に別の付加ローラーも、少なくとも幾分、通常は未だに熱いコイルから放出される熱放射から、保護される。このことは、有意義であり、場合によってはそのうえ更に必要である。何故ならば、この局面において、圧延材料から付加的な熱を取り去る、同様に如何なる付加的なストリップ接触も存在しないからである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従う付加ローラーは、巻き取りステーションから巻き出しステーション内へのこのコイルの移送の間じゅうのコイルの位置と、何時、このコイルがこの巻き取りステーションから離脱するかの時点とが、より良好に、もしくは、より精確に決定可能であることの利点を提供する。
このことから、生産率が、旧来的で受動的な移送に比して向上され得ることの利点が結果として生じる。何故ならば、後続のストリップの巻回開始が、より早期に開始可能であるからである。このためのより詳細な説明は、実施例の説明において行われる。
【0009】
巻き取りステーションから巻き出しステーションへのコイルの移送は、1つの実施例に従い、有利には、
少なくとも1つの移動装置が、前記第1のローラーと前記第2のローラーとによって第1の移行位置内において形成される前記ローラーテーブル平面E1の下側への、巻き出しステーションを形成する前記第3のローラー及び/または前記第4のローラーの選択的な、および、個々の移動のために、設けられている、
ことによって容易化される。
【0010】
更に別の実施例に従い、前記第2のローラーと前記付加ローラーとの間に、前記フレームにおいて、別の付加ローラーが回転支承されている。
別の付加ローラーは、
この別の付加ローラーが、この別の付加ローラーの外側の周囲でもって、前記第2のローラーの外側の周囲と前記付加ローラーの外側の周囲との間の、仮想的な-前記ローラーテーブル平面E1の方に向けられた-接線方向の結合線を越えて突き出しているように、
前記フレームにおいて位置決めされている。
この別の付加ローラーの配置によって、コイルの位置、および、巻き取りステーションの離脱の時点は、更により良好に決定可能になる。
それに加えて、別の付加ローラーは、第1の移行位置から第2の移行位置を通して第3の移行位置へのコイルの移送が、運動学的により平滑に経過することの利点を提供する。何故ならば、付加ローラーがこのコイルをグリップする未だに以前に、この別の付加ローラーがこのコイルを予位置決めするからである。
【0011】
有利には、本発明に従うコイルボックスは、更に、位置指示の生成のための位置検知器を備えており、この位置指示が、付加ローラーの位置を、特に、この付加ローラーが、第1のローラーと第2のローラーとによって第1の移行位置内において形成されるローラーテーブル平面の高さに、または、それ以上に上昇されている場合に表す。
有利には、付加ローラーの位置は、それ自体で、他方また、コイル移送の間じゅうのコイルの位置も表す。
【0012】
本発明の上述された課題は、更に、請求項9に従うシステムによって解決され、このシステムが、本発明に従うコイルボックスと、このコイルボックス内に巻き取られるコイルを備えている。要するに、この課題は、更に、請求項11に従う方法によって解決される。
これら両方の解決策の利点は、請求されたコイルボックスに関して述べられた利点に相応する。コイルボックス、システム、並びに、請求された方向の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0013】
本明細書には、総じて8つの図が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の移行位置における、巻き取りステーションと巻き出しステーションとから成る、本発明に従うコイルボックスの図である。
図2】第2の移行位置における巻き取りステーションを有する、本発明に従うコイルボックスの図である。
図3】第3の移行位置における巻き取りステーションを有する、コイルボックスの図である。
図4】引渡し位置における巻き取りステーションを有する、本発明に従うコイルボックスの図である。
図5】ここで、別の付加ローラーが、巻き取りステーションの第2のローラーと付加ローラーとの間で、回転可能に配置されていることの唯一の相違を有する、図1に相応する図である。
図6】ここで、別の付加ローラーが、巻き取りステーションの第2のローラーと付加ローラーとの間で、回転可能に配置されていることの唯一の相違を有する、図2に相応する図である。
図7】ここで、別の付加ローラーが、巻き取りステーションの第2のローラーと付加ローラーとの間で、回転可能に配置されていることの唯一の相違を有する、図3に相応する図である。
図8】ここで、別の付加ローラーが、巻き取りステーションの第2のローラーと付加ローラーとの間で、回転可能に配置されていることの唯一の相違を有する、図4に相応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を、以下で、実施例の様式における上述された図の関連のもとで、詳細に説明する。全ての図内において、同じ技術的な要素は、同じ参照符号でもって示されている。
【0016】
図1は、本発明に従うコイルボックス100を示している。このコイルボックスは、1つのコイルへの金属ストリップの巻き取りのための巻き取りステーション110と、巻き出しステーション120とから成っている。
巻き取りステーション110と巻き出しステーション120とは、それらの側でそれぞれに、輸送方向Rにおける金属ストリップの輸送のための複数のローラーから成っている。巻き取りステーション内において、第1のローラー111と、第2のローラー112と、並びに、本発明に従う特徴として、付加ローラー116が設けられており、これら全てのローラーが、共通のフレーム114に、回転可能に支承されている。
上述されたローラーを有するフレーム114は、回転角度αだけ、回転点Dを中心として、旋回可能に支承されている。フレーム114の旋回のために、回転駆動装置125が設けられている。概念「回転駆動装置」は、同様に、並進的に作用する往復動シリンダーも含んでおり、この往復動シリンダーによって、同様に、回転もしくは旋回移動が実現され得る。
【0017】
巻き出しステーション120は、少なくとも1つの第3のローラー123と第4のローラー124とから成っており、これらローラーが、少なくとも、垂直方向において、即ちこれらローラーの高さにおいて、個々に移動可能であることは可能である。
この垂直方向の移動もしくは高さの相違は、移動装置130によって常に可変に行われ得るか、または、いわゆる中間プレートによって一度だけ確実に調節され得、次いでこの位置において不変の状態に留まることが可能か、または、構造的に不動に調節されていることが可能である。中間プレートを用いての実施態様は、より少しの位置調節機能が必要であることの利点を提供する。
第1のローラー111、第2のローラー112、第3のローラー123、および、第4のローラー124の水平方向の整列の際に、全てのこれら4つのローラーは、これらローラーの基本位置または出発位置において、水平方向のローラーテーブル平面E1を形成する。これらローラーは、輸送方向Rにおいて、それぞれに相前後して配置されている。付加ローラー116を含めての全てのローラーの回転軸線は、互いに平行に配置されている。
本発明に従い設けられた付加ローラー116は、フレーム114において、フレーム114の回転点Dに対する、この付加ローラーの半径方向の間隔xzが、このフレーム114の回転点Dに対する、第2のローラー112の回転点の半径方向の間隔x2よりも大きいように配置されている。
更に、付加ローラー116の半径方向の間隔xzにこの付加ローラーの半径を加算した値は、フレーム114の回転点Dに対する第3のローラー123の回転点の最小の半径方向の間隔x3から少なくとも第3のローラー123の半径を差し引いた値よりも小さい。特に、ローラー3との衝突は、構造的に排除される/排除されている必要がある。
要するに、付加ローラー116の最も上側の点は、フレーム114とこのフレームに配置されたローラーとの、図1内において示された、第1のローラーと第2のローラーとの最も上側の点が上述された水平方向のローラーテーブル平面E1を形成する、第1の移行位置P1において、予め与えられた間隔wにおいて、このローラーテーブル平面E1の下方に配置されている。
第2のローラー112と付加ローラー116との間に、別の付加ローラー115が、同様にフレーム114において支承されていることは可能である。
別の付加ローラー115は、その場合に、この別の付加ローラーが、この別の付加ローラーの外側の周囲でもって、第2のローラー112の外側の周囲と付加ローラー116の外側の周囲との間の、仮想的な-ローラーテーブル平面の方に向けられた-接線方向の結合線Vを越えて突き出しているように、フレーム114において位置決めされている。
【0018】
付加ローラー116と付加ローラー115との直径は、第1のローラーから第4のローラーまでの直径よりも小さく、例えば2/3または1/2の大きさである。
【0019】
更に、本発明に従うコイルボックスが、位置信号の生成のための位置検知器140を有することは可能であり、この位置信号は、付加ローラーの位置を、
特にこの付加ローラー116が、第1の移行位置P1において、第1のローラー111と第2のローラー112とによって形成される水平方向のローラーテーブル平面E1の高さに、またはそれ以上に、上昇させられている場合に、表す。
位置検知器140が、同様に、フレーム114の位置を検出することのために形成されていることも可能であり、その際、付加ローラーの位置が、その場合に、運動学的な関係によって決定可能である。この実施例において、フレームの検出された位置は、付加ローラーの位置を表すものである。
【0020】
巻き取りステーション110の始端部において、典型的に、コイルボックス内へと走入する新しい金属ストリップの案内のための走入ローラーと、この巻き取りステーション内において新たに巻き取られるべきコイルのための、コイルアイへのこの新しい金属ストリップの始端部の成形のための曲げローラーおよび1つの成形ローラーとを有する、成形領域が設けられている。巻き取りステーション110のこの成形領域は、しかしながら、本発明の対象ではなく、且つ、それ故に、同様に図内において図示されていない。
巻き取りステーションの成形領域内において、走入する金属ストリップは、コイル20へと巻き取られ、且つ、先ず第一に、巻き取りステーション110の第1のローラー111と第2のローラー112との上で載置され、その際、第1のローラーと第2のローラーとが、水平方向に整列されており、且つ、水平方向のローラーテーブル平面E1を形成する。本発明の範囲内において、この位置は、これら両方のローラーのための出発位置と称される。
例えば、時計方向におけるフレーム114の一時的な旋回によって、コイルは、最初の両方のローラー111とローラー112との上でのこのコイルの載置位置から、図1内において示された第1の移行位置P1へとスライドすることを誘起される。この第1の移行位置P1において、コイル20は、専ら巻き取りステーション110の第2のローラー112および巻き出しステーション120の第3のローラー123だけによって担持される。コイル20がこの第1の移行位置P1に到達するやいなや、次いで、図1内において示しているように、フレーム114は、再びこのフレームの出発位置に旋回される。
時計方向における、および、時計方向とは逆方向の、フレーム114の一時的な旋回に対して選択的または付加的に、コイルが、同様に、コイルへと巻き取られる金属ストリップの自由な端部に対する引張力の付与によっても、第1の移行位置P1へと牽引され得る。
コイルへと巻き取られた金属ストリップのこの自由な端部が、圧延スタンドの圧延ロール間隙内へと挟み込まれる場合に、輸送方向Rにおける金属ストリップのこの自由な端部に対する張力は、例えば、コイルボックスに後接続された圧延スタンドによって付与され得る。この圧延スタンドは、添付された図内において示されていない。
【0021】
コイルボックスの作動のための本発明に従う方法は、コイルボックス100の内側で巻き取られたコイル20を、巻き取りステーション110から、複数の移行位置P1、P2およびP3、および、引渡し位置P4を通して、輸送方向Rに、巻き出しステーション120内へと移送することを目的として有している。
【0022】
図1内において示された第1の移行位置において、コイル20は、専ら第2のローラー112および第3のローラー123だけによって担持される。巻き出しステーション120内へのコイル20の移送のために、第1の方法のステップにおいて、フレーム114は、時計方向とは逆方向に、角度αP2だけ、付加ローラー116がコイル20の外側の周囲に当接するにすぎない程度に旋回される。
【0023】
このことを、図2内において示されているように、第2の移行位置P2が示している。
この状況において、付加ローラー116の回転軸線とフレーム114の回転点との間の、水平方向に投影された間隔xzpが、コイル20の重心とフレーム114の回転軸線Dとの間の、水平方向に投影された間隔xcpよりも小さいことは重要である。
間隔xcpとxzpとの間の上述された関係は、コイル20が、時計方向とは逆方向の、フレーム114の後続の引き続いての旋回もしくは回転において上昇されるだけでなく、輸送方向Rにおいて、図3内において示されている第3の移行位置P3に引き続いて移送されることも保障する。
【0024】
この第3の移行位置において、コイルは、付加ローラー116および第3のローラー123だけによって担持される。付加ローラー116の回転軸線は、しかしながら未だに、フレーム114の点Dと、コイル20の中心軸線との間の仮想的な結合線の下方に位置している。
フレーム114が、更に一区間、引き続いて時計方向とは逆方向に旋回された場合に初めて、従って、付加ローラー116の回転軸線がフレーム114の回転軸線Dとコイルアイの中心点との間の結合線の上に位置して初めて、コイル20は、図4内において示された引渡し位置P4に到達する。コイル20は、今や、ほぼ安定的な平衡状態にある。何故ならば、このコイルの重心が、精確に、第3のローラー123の回転軸線の中心点の上方に位置するからである。
その目標位置においてコイル20が安定的に巻き出しステーション120の第3のローラー123と第4のローラー124との上で位置する、図4内において破線で示唆された、該目標位置へのコイル20の引き続いての輸送は、ここで、もはやフレーム114の引き続いての旋回によって達成され得ない。上記の代わりに、コイルは、不安定な平衡状態からローラー123と124との上の安定的な支承部内へと、輸送方向Rにおける金属ストリップへと巻き取られたコイルの自由な端部に対するストリップ張力の付与により、移動される。
引渡し位置P4において、コイル20は、このコイルの外側の周囲における最も低い点でもって、予め与えられた許容される最大の間隔Amax以下だけ、第3のローラー123の上側エッジ部の下に降下されているべきである。このことは、図4内において破線で図示されているような安定的な平衡位置への、コイル20の上述された牽引が、専らストリップ張力だけによって実現され得ることのための前提条件である。
引渡し位置P4から、第3のローラー123と第4のローラー124との上での安定的な載置部内へのコイル20の引渡しを容易化するために、図4内において示されているように、この第4のローラー124が、水平方向のローラーテーブル平面E1に対して降下されていることは可能である。
【0025】
図5から8までは、本発明に従う第2の実施例を示されており、その際、付加ローラー116に対して付加的に、なお更に、別の付加ローラー115が、フレーム114において、回転可能に支承されている。フレームにおけるこの別の付加ローラー115の精確な位置決めは、上記で既に説明されている。
図5から8までは、図1から4までに類似して、それぞれに、そのコイルが、図8内において第2の実施例のために図示されている引渡し位置P4に到達する前に、該コイル20が通過する必要のある、異なる移行位置P1、P2、および、P3が示されている。移行位置P1、P2およびP3、並びに、引渡し位置P4は、特に、フレーム114が、益々、引き続いて時計方向とは逆方向に旋回されることによって達成される。
引渡し位置P4において、第2のローラー112は、しかしながら同様に別の付加ローラー115および付加ローラー116も、これらローラーのそれぞれの上側の終端点に到達する。第2のローラー112に関して、この上側の終端点は、Top2でもって記号を付けられている。このことは、別の付加ローラー無しの第1の実施例に関してと同様に、別の付加ローラーを有する第2の実施例に関しても言えることである。
【0026】
図5に従う第1の移行位置P1において、コイル20が、先ず第一に、専ら第2のローラー112および第3のローラー123だけによって担持されることは認識され得る。別の付加ローラー115と同様に、付加ローラー116も、未だに、コイルと接触すること無しに、コイル20の下方に配設されている。
時計方向とは逆方向の、このフレームに配置されているローラーを有するフレーム114の旋回による、図6に従う第1の移行位置P1から第2の移行位置P2への移行の際に初めて、第2のローラーと第3のローラーとに対して付加的に、同様に別の付加ローラー115も、コイル20の外側の周囲との当接の状態になる。
図2の説明に類似して、同様にここでも、コイル20の中心点とフレーム114の回転軸線Dとの間の、水平方向に投影された間隔xcpが、当接状態にされた別の付加ローラーの回転軸線とフレーム114の回転点Dとの間の、水平方向に投影された間隔xwzpよりも大きいことは重要である。この間隔基準の理由は、図2に対する説明内において説明されている理由と同じであり、即ち、フレーム114の引き続いての旋回の際に、コイル20が上昇される必要があるだけでなく、輸送方向Rにおける力成分も被るべきである。
【0027】
時計方向とは逆方向の、フレーム114の引き続いての旋回による、第3の移行位置P3への、第2の移行位置P2からの移行の際に、第2のローラー112からのコイル20の取り外しの状態となり、且つ、その代わりに、このコイル20との、付加ローラー116の更に別の当接の状態となる。
コイル20は、いまや、別の付加ローラー115と、付加ローラー116と、並びに、第3のローラー123とによって支持される;図7参照。
【0028】
回転軸線Dを中心とする、時計方向とは逆方向の、フレーム114の更に引き続いての旋回により、コイル20は、更に引き続いて輸送方向Rに押圧もしくは移動され、従って、引渡し位置P4に到達する;図8参照。
この引渡し位置P4において、コイル20は、別の付加ローラー115から解離し、且つ、いまや、付加ローラー116と第3のローラー123との上だけで載置している。この引渡し位置P4において、コイル20は、不安定な平衡状況にある。
フレーム114における全てのローラーは、それぞれに、これらローラーの上側の終端位置に到達し;且つ、この終端位置が、第2のローラー112に関して、同様にここでも、参照符号Top2でもって記号を付けられている。
引渡し位置P4において、付加ローラー116は、この付加ローラーの中心点でもって、このフレーム114の回転点Dと、コイル20の中心との間の仮想的な結合線の上に位置している。理想的な場合において、このことが位置Top2を許容する場合、場合によっては、上側の終端位置によって制限される。
コイル20は、同様にこの実施例においても、輸送方向Rにおける自由なストリップ端部の牽引によって、及び/または、ローラーテーブル平面E1の下方への、第3のローラー123の降下によって、不安定な平衡状態から安定的な平衡状態へと移行され得、その際、このコイル20が、次いで、巻き出しステーション120の第3のローラー123と第4のローラー124との上で載置する。
特に垂直方向における、第3のローラー123および第4のローラー124の移動は、図1の説明の範囲内において上記で説明されているように、これらローラーに作用する移動装置130によって、または、他の方法で実現され得る。場合によっては、同様に不変の分量だけの第4のローラー124の降下は、一方では、巻き出しステーション120内におけるコイル20の載置を、および、他方では、後続の処理装置、例えば圧延スタンド内への巻き出しされた金属ストリップの転送を、容易化する。
【0029】
両方の実施例に関して、位置信号の生成のための位置検知器が設けられ得ることは有効であり、この位置信号が、フレーム114において回転支承されたローラー111、112、115、116の内の少なくとも1つのローラーが、引渡し位置P4、および、これに伴って、これらローラーのそれぞれの上側の終端位置Top2に到達したことを信号で知らせる。
本発明に従い、この位置信号は、コイルが巻き取りステーションから確実に離脱したことの確認信号として使用される。本発明に従い、そのように生成された確認信号に対する応答において初めて、新しいコイルの成形のための、コイルボックス100の成形領域内への、新しい金属ストリップの走入は許容される。
付加ローラー116の、および、場合によっては別の付加ローラー115の、本発明に従う配置により、そのコイル輸送が本発明の基礎である、基本的に受動的な該コイル輸送は、
純粋に受動的なコイル移動でもってのコイルボックスの生産性を、能動的なアクチュエータ無しに向上することの目的で、いまや、付加ローラーの本発明に従う配置によって、特に付加ローラー116及び/または別の付加ローラー115の位置の検知によって、コイルの位置が、巻き取りステーション110と巻き出しステーション120との間の移行の際に、常に高い信頼性で検知され得る、
という趣旨で強化される。
【符号の説明】
【0030】
100 コイルボックス
110 巻き取りステーション
111 第1のローラー
112 第2のローラー
114 フレーム
115 別の付加ローラー
116 付加ローラー
120 巻き出しステーション
123 第3のローラー
124 第4のローラー
125 回転駆動装置
130 移動装置
140 位置検知器
20 コイル
α フレームの回転角度
αP2 第2の移行位置における、フレームの回転角度
Amax 最大の間隔
D 回転点
E1 水平方向のローラーテーブル平面
P1 第1の移行位置
P2 第2の移行位置
P3 第3の移行位置
P4 引渡し位置
R 材料流動方向=コイルの輸送方向
Top2 第2のローラーの最も高い位置
V 仮想的な結合線
w 予め定められた間隔
r2 ローラー116の半径
r3 ローラー123の半径
xcp 投影された間隔
xzp 投影された間隔
x2 半径方向の間隔
x3 半径方向の間隔
xz 半径方向の間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】