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特表2024-518769埋め込み可能なデバイスを通る通路を調節するためのデバイス、システム、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】埋め込み可能なデバイスを通る通路を調節するためのデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20240424BHJP
   A61B 17/11 20060101ALN20240424BHJP
【FI】
A61B17/00
A61B17/11
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565427
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-24
(86)【国際出願番号】 US2022029792
(87)【国際公開番号】W WO2022245914
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】63/190,545
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファブロー、ジョン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ピック、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】キング、ジョセフ ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ライデッカー、ローレン スファキス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンチー、トラビス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC32
4C160MM43
4C160MM44
(57)【要約】
埋め込み可能なデバイスは、それを通る調節可能な通路を有している。通路は、それを通る物質のアクセスまたは流れを閉塞するか、またはそうでなければ調整するために調節可能であってよい。細長い要素は、閉じた構成にある場合に通路に挿入されて、通路を選択的に開くことができる。例えば、埋め込み可能なデバイスは、それを通る通路を閉じるねじれた領域を備えた管状デバイスであってよく、細長いデバイスは、そのようなねじれた領域に係合するとともに回転されて、閉じられた領域のねじれを解くように構成されていてよい。通路を備えた追加の管状デバイスを埋め込み可能なデバイスの通路に挿入して、選択された期間、通路を開いた状態に保持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み可能なデバイスを通る通路のサイズを制御するためのシステムであって、
調節可能な通路が形成された調節可能な管状デバイスと、
前記調節可能な通路のサイズを増大させるために前記調節可能な管状デバイスを通る前記調節可能な通路内に延在可能である細長い要素と
を備える、システム。
【請求項2】
前記調節可能な管状デバイスは、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の中間領域とを有しており、少なくとも前記中間領域は、前記調節可能な管状デバイスを通る前記調節可能な通路を閉じるために、ねじれて閉じた構成になっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記細長い要素は、前記調節可能な管状デバイスのねじれた前記中間領域のねじれを解くように構成された通路開放デバイスである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記通路開放デバイスは、前記調節可能な管状デバイスのねじれた前記中間領域の特徴部と係合するように構成された係合特徴部を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記係合特徴部は、前記細長い要素の遠位端から半径方向外向きに延在する複数の突起を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記通路開放デバイスは、カテーテルである、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記細長い要素は、前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路の特徴部と係合して前記調節可能な通路のサイズを増大させるように構成された係合特徴部を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路内に嵌合して前記調節可能な通路を開いた構成に保持するように構成されたルーメン制御プラグをさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
埋め込み可能なデバイスを通る通路のサイズを調節するためのシステムであって、
調節可能な管状デバイスであって、それを通るように画定された調節可能な通路を有し、前記調節可能な通路は、実質的に閉じた構成と開いた構成との間で変化可能である、調節可能な管状デバイスと、
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路内に嵌合して前記調節可能な通路を第1の開いた構成に保持するように構成された第1のルーメン制御プラグと
を備える、システム。
【請求項10】
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路内に嵌合して前記調節可能な通路を前記第1の開いた構成とは異なるサイズの第2の開いた構成に保持するように構成された第2のルーメン制御プラグをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のルーメン制御プラグは、前記第1のルーメン制御プラグ内に配置可能である、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のルーメン制御プラグは、前記調節可能な管状デバイスと嵌合して、前記調節可能な管状デバイスを通る前記調節可能な通路内での前記第1のルーメン制御プラグの移動を低減するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記調節可能な管状デバイスは、その第1の端部に沿った第1の保持部材と、その第2の端部に沿った第2の保持部材とを有しており、
前記第1のルーメン制御プラグは、前記調節可能な管状デバイスに対する前記第1のルーメン制御プラグの移動に抵抗するために、前記調節可能な管状デバイスの前記第1の保持部材と係合するように構成された第1の保持部材と、前記調節可能な管状デバイスの前記第2の保持部材と係合するように構成された第2の保持部材とを有している、請求項9~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路を開いて、その中への前記第1のルーメン制御プラグの挿入を容易にするように構成された細長い要素をさらに備える、請求項9~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のルーメン制御プラグは、前記細長い要素の上を通って前記調節可能な管状デバイスの中に導かれる、請求項9~14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療デバイスの通路を介したアクセシビリティを調節するための埋め込み可能な医療デバイス、システム、および方法の分野に関する。より詳細には、本開示は、閉塞デバイスまたは管腔並置デバイスなどの流量調節デバイス内の通路直径またはルーメンを制御および/または変更するためのデバイス、システム、および方法に関する。さらにより詳細には、本開示は、医療デバイスが、それを通る物質の通過を選択的に遮断または可能にすることができるように、埋め込み可能なデバイス内の通路の直径を制御および/または変更するためのデバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吻合を形成するため、または患者の身体内の通路もしくは管腔を閉塞するために、様々な埋め込み可能なデバイスが使用されてきた。例えば、種々の代謝治療は、有利には完全内視鏡処置でステントを利用する。このような処置の結果は、時に予測することが困難であり、患者の状態および治療に対する応答が広範囲にわたるため、効果が一貫しない場合がある。埋め込み可能なデバイスの調節は、単に治療の過程で調節することを含め、様々な理由からデバイスを調節して治療を修正するために望ましい場合がある。さらに、特定の処置は、アクセス(少なくとも一時的なアクセス)が後に必要とされ得る他の解剖学的構造へのより直接的な経路を閉鎖することにつながる。
【0003】
したがって、胃腸(GI)管を通る栄養素の流れを制御または調整するなど、埋め込み可能なデバイスを通る通路の構成を制御および/または能動的に調整するために使用することができ、医師が患者の治療(例えば、吻合または閉塞)をその特定のニーズに合わせて個別化および調節することを可能にし、および/またはそうでなければアクセシビリティが低下した解剖学的部位への選択的アクセスを可能にする、好ましくは完全に内視鏡的であり得るデバイスならびに付随するシステムおよび手順が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示のこの概要は、理解を助けるために与えられており、当業者は、本開示の様々な態様および特徴の各々が、いくつかの例において別々に、または他の例において本開示の他の態様および特徴と組み合わせて有利に使用され得ることを理解するであろう。この概要における要素、構成要素などの包含または非包含による、請求される主題の範囲に関するいかなる限定も意図されていない。
【0005】
本開示の一態様によれば、埋め込み可能なデバイスを通る通路のサイズを制御するためのシステムは、調節可能な通路が形成された調節可能な管状デバイスと、調節可能な通路のサイズを増大させるために調節可能な管状デバイスを通る調節可能な通路内に延在可能である細長い要素とを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイスは、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の中間領域とを有しており、少なくとも中間領域は、調節可能な管状デバイスを通る調節可能な通路を閉じるために、ねじれて閉じた構成になっている。いくつかの実施形態では、細長い要素は、調節可能な管状デバイスのねじれた中間領域のねじれを解くように構成された通路開放デバイスである。いくつかの実施形態では、通路開放デバイスは、調節可能な管状デバイスのねじれた中間領域の特徴部と係合するように構成された係合特徴部を含む。いくつかの実施形態では、係合特徴部は、細長い要素の遠位端から半径方向外向きに延在する複数の突起を含む。いくつかの実施形態では、通路開放デバイスは、カテーテルである。
【0007】
いくつかの実施形態では、細長い要素は、調節可能な管状デバイスの調節可能な通路の特徴部と係合して調節可能な通路のサイズを増大させるように構成された係合特徴部を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイスは、細長い要素上を通って解剖学的構造を横切って展開部位まで導かれる。
いくつかの実施形態では、システムは、調節可能な管状デバイスの調節可能な通路内に嵌合(fit)して調節可能な通路を開いた構成に保持するように構成されたルーメン制御プラグをさらに含む。
【0009】
本開示の別の態様によれば、埋め込み可能なデバイスを通る通路のサイズを調節するためのシステムは、調節可能な管状デバイスであって、それを通るように画定された調節可能な通路を有し、調節可能な通路は、実質的に閉じた構成と開いた構成との間で変化可能である、調節可能な管状デバイスと、調節可能な管状デバイスの調節可能な通路内に嵌合して調節可能な通路を第1の開いた構成に保持するように構成された第1のルーメン制御プラグとを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムは、調節可能な管状デバイスの調節可能な通路内に嵌合して調節可能な通路を第1の開いた構成とは異なるサイズの第2の開いた構成に保持するように構成された第2のルーメン制御プラグをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のルーメン制御プラグは、第1のルーメン制御プラグ内に配置可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のルーメン制御プラグは、調節可能な管状デバイスと嵌合して(mate with)、調節可能な管状デバイスを通る調節可能な通路内での第1のルーメン制御プラグの移動を低減するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイスは、その第1の端部に沿った第1の保持部材と、その第2の端部に沿った第2の保持部材とを有しており、第1のルーメン制御プラグは、調節可能な管状デバイスに対する第1のルーメン制御プラグの移動に抵抗するために、調節可能な管状デバイスの第1の保持部材と係合するように構成された第1の保持部材と、調節可能な管状デバイスの第2の保持部材と係合するように構成された第2の保持部材とを有している。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは、調節可能な管状デバイスの調節可能な通路を開いて、その中への第1のルーメン制御プラグの挿入を容易にするように構成された細長い要素をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のルーメン制御プラグは、細長い要素上を通って調節可能な管状デバイスの中に導かれる。
【0014】
本開示の別の態様によれば、それを通るように画定された調節可能な通路を有する埋め込み可能な調節可能な管状デバイスを調節する方法は、調節可能な管状デバイス内に画定された調節可能な通路に細長い要素を挿入して、調節可能な通路を開くこと、調節可能な通路にルーメン制御プラグを挿入して、調節可能な通路を開いた状態に保持することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ルーメン制御プラグを挿入することは、細長い要素上でルーメン制御プラグを導くことを含む。
いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイスは、それを通る調節可能な通路が閉じた構成になるようにねじれており、方法は、細長い要素を回転させて調節可能な管状デバイスの通路のねじれを解くことをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、ルーメン制御プラグの特徴部を調節可能な管状デバイスの特徴部と係合させて、調節可能な管状デバイスの調節可能な通路内でのルーメン制御プラグの移動を阻止することをさらに含む。
【0017】
本開示のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から容易に明らかになり、請求される発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。以下の開示は、態様または実施形態に関して提示されるが、個々の態様は、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の態様および特徴と組み合わせて請求され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明されるが、これらの図面は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図していない。添付の図面は、例示のみを目的として提供され、図面内の図に反映される寸法、位置、順序、および相対的なサイズは、異なり得る。例えば、デバイスは、細部が識別できるように拡大され得るが、例えば、送達カテーテルまたは内視鏡の作業チャネル内に収まるように縮小されることが意図されている。明確かつ簡潔にするために、すべての要素がすべての図においてラベル付けされているわけではなく、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合には、各実施形態のすべての要素が示されているわけではない。詳細な説明は、以下のように、同様の参照符号が同様の要素を表す添付の図面と併せてより良く理解されるであろう。
図1図1は、本開示の様々な態様に従って形成され、胃と小腸の一部との間の吻合を伴う胃腸環境の概略図に配置された調節可能な管状デバイスの一実施形態の斜視図である。
図2図2は、本開示の様々な態様に従って形成され、組織壁を並置して閉じた構成に保持する調節可能な管状デバイスの一実施形態を示す図である。
図3A図3Aは、図2に示すような調節可能な管状デバイスの一実施形態を示す図であるが、通路開放デバイスがその中に挿入されている。
図3B図3Bは、図3Aに示すような調節可能な管状デバイス内に挿入された通路開放デバイスのさらなる位置を示す図である。
図4A図4Aは、本開示の様々な原理による通路開放デバイスの遠位部分の実施形態の一例を示す図である。
図4B図4Bは、図4Aの線IVB-IVBに沿った断面図である。
図5A図5Aは、本開示の様々な原理による通路開放デバイスの遠位部分の実施形態の一例を示す図である。
図5B図5Bは、図5Aの線VB-VBに沿った断面図である。
図6A図6Aは、本開示の様々な原理による通路開放デバイスの遠位部分の実施形態の一例を示す図である。
図6B図6Bは、図6Aの線VIB-VIBに沿った断面図である。
図7図7は、図2の線VII-VIIに沿った拡大断面図である。
図8図8は、図3Bの線VIII-VIIIに沿った拡大断面図であり、図4Aおよび図4Bに示されるような通路開放デバイスの実施形態の一例を示している。
図9図9は、図3Aに示される調節可能な管状デバイスの実施形態の部分IXの詳細図である。
図10図10は、調節可能な管状デバイスの実施形態内に挿入されたルーメン制御プラグの実施形態を示す、図1の線X-Xに沿った概略断面図を示し、図を明瞭にするためにルーメン制御プラグおよび調節可能な管状デバイスの壁の詳細は示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を示す図面を参照して読まれるべきである。本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、変動し得ることを理解されたい。本明細書で説明するすべての装置およびシステムおよび方法は、本開示の1つまたは複数の原理に従って実装される装置および/またはシステムおよび/または方法の例である。実施形態の各例は、説明のために提供され、これらの原理を実施する唯一の方法ではなく、単なる例である。したがって、図面の要素または構造または特徴への言及は、本開示の実施形態の例への言及として認識されなければならず、本開示を図示された特定の要素、構造または特徴に限定するものとして理解されるべきではない。開示された原理を実装する方法の他の例は、本開示を読んだ当業者に想起されるであろう。実際、本主題の範囲または技術思想から逸脱することなく、本開示において様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、別の実施形態とともに使用されて、さらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るそのような修正および変形を包含することが意図されている。
【0020】
本開示は、本出願において様々なレベルの詳細で説明されていることが理解されるであろう。特定の例では、当業者が本開示を理解するのに必要ではない詳細、または他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている場合がある。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものとして理解されるべきである。本明細書で開示され、請求されるデバイスおよび/または方法の全ては、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに、製造および実行することが可能である。
【0021】
本明細書で使用される場合、「近位」は、デバイスを使用するとき(例えば、デバイスを患者に導入するとき、または埋め込み、配置、もしくは送達中)など、ユーザ(医療専門家または臨床医または技術者またはオペレータまたは医師など、そのような用語は、限定する意図なしに本明細書で互換的に使用され、自動コントローラシステムなどを含む)などに最も近い方向または位置を指し、「遠位」は、デバイスを使用するとき(例えば、デバイスを患者に導入するとき、または埋め込み、配置、もしくは送達中)など、ユーザから最も遠い方向または位置を指す。「長手方向」は、要素のより長い、またはより大きい寸法に沿って延在することを意味する。「中心」は、中心点を少なくとも概ね二等分することを意味し、「中心軸」は、開口部に関して、開口部の中心点を少なくとも概ね二等分する線であって、開口部が、例えば、管状要素、ストラット、チャネル、キャビティ、またはボアを備える場合、開口部の長さに沿って長手方向に延在する線を意味する。
【0022】
本開示の様々な原理によれば、埋め込み可能なデバイスは、解剖学的構造を横切って延在して、そこを通る通路のサイズを制御または調整するために使用され得る。例えば、埋め込み可能なデバイスは、身体通路または体管腔を横切って延在していてよく、そのような用語は、限定することを意図せずに本明細書において互換的に使用される。身体通路または体管腔は、限定ではないが、通路または管腔の一部、解剖学的構造間の通路または管腔(通路、管腔、空洞、器官など)、(吻合を作成するなどのために)並置された組織壁を横断して作成される通路などを含んでいてよい。デバイスは、それを通る通路またはルーメン(そのような用語は、本明細書では、限定を意図せずに互換的に使用される)を有し、それは、デバイスが配置される身体通路を閉塞し、または遮断し、または狭め、または閉じ、または収縮させ、または調整し、または制御する(そのような用語およびその活用は、本明細書では、限定を意図せずに互換的に使用され得る)ために使用され得る。デバイスは、閉塞デバイス、または管腔並置デバイス、または吻合デバイス、または流れ調整デバイス、または流れ制御デバイスと見なされ、かつ参照されてもよく、そのような用語およびそれに対する種々の他の代替物は、限定する意図なく、本明細書で互換的に使用されてもよい。本明細書で使用される場合、便宜上、限定を意図することなく、単に調節可能な管状デバイスに言及することが理解されるであろう。さらに、調節可能な管状デバイスの調節可能な部分への言及は、それを通る通路のサイズ(例えば、直径)を調節するためなど、調節され得る調節可能な管状デバイスの任意の部分への言及として理解されるべきである。
【0023】
本開示の種々の原理によれば、本開示の種々の原理に従って形成される調節可能な管状デバイスの通路のサイズまたは直径は、閉じた(完全に閉じた、または実質的に閉じているが、完全に閉じてはいない、例えば、約80%を超えて最大約100%まで閉じた状態であって、それらの間の0.5%の増分を含むと理解される)構成と開いた構成との間で選択的に調節可能である。通路は、ニュートラル/静止構成(別のデバイスによって、または通路に対して行われる任意の動作によって影響されない)にあるとき、閉じたポジションにあり、そこへの力または別の動作の能動的印加時のみ、開いたポジションに変化可能であるように構成されていてよい。開いたポジションは、通路を開くために使用されるデバイスおよび/または通路が開いたポジションに変化される様式によって、選択または制御または決定され得る。通路は、通路を通る物質の流れ(例えば、体積、速度、量など)を調節するために、様々な開きの程度(例えば、開口部のサイズが可変である)のうちのいずれかまで開かれてよい。例えば、通路は、閉じた構成から開いた構成に単純に変化させることができる。代替的または追加的に、通路は、ニュートラルの開いた構成を有していてよく、通路は、そのようなニュートラルの開いた構成を超えて伸張(例えば、拡大または拡幅)されてもよい。例えば、通路は、ねじられることによって、または別個の閉鎖要素をそれに適用することによって、ニュートラルの開いた構成から閉じた構成に収縮されてもよく、そのようなニュートラルの開いた構成を越えて伸長または拡張構成に開かれてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、本開示の種々の原理に従って形成される埋め込み可能なデバイスは、閉塞デバイスとして使用され、さもなければ閉塞される通路を通した物質の通過が所望または指示される場合、開いた構成に選択的に変化させられ得る。いくつかの実施形態では、本開示の種々の原理に従って形成される埋め込み可能なデバイスは、管腔並置デバイスまたは別のデバイス(例えば、別個の管腔並置デバイス)などによって並置される管腔または空洞または器官または他の解剖学的構造を接続し、それらの間に調節可能な通路を備えた吻合を作成するために使用される。本開示の原理は、患者に依然として埋め込まれている間に流量制限デバイスおよび/またはその一部を通過する速度を調節することが望ましい場合など、様々な治療プロトコルおよび/または様々な医療処置に適用することができる。
【0025】
本開示の種々の原理によるデバイス、システム、および方法は、肥満治療または他の胃腸状態の治療など、胃から幽門を通る胃物質の流動を制御または閉塞することを含む、種々の胃処置と共に使用されてもよい。例えば、種々のプロトコルは、幽門を通る物質の通過速度を減少および/または遅延させること、および/または胃から幽門を閉塞/排除することを含む。本開示の様々な原理に従って形成された調節可能な管状デバイスは、それを通る流れを(部分的にまたは完全に/完全に)閉塞し、その結果、幽門を通る物質の流れを閉塞するように構造化され得る。本開示の様々な原理に従って形成された調節可能な管状デバイスは、患者の満腹感を増加させることを含む肥満治療において使用されてもよく、食欲を減少させ、結果としてカロリー摂取量を減少させることを意図する。満腹感を増加させるための様々なアプローチは、食物が胃内に留まる時間を増加させること、および/または胃内容排出速度(胃から十二指腸への流体または糜粥などの物質の流れ)を減少させるかまたは遅くすることを含み、その結果、満腹感または満足感が誘発され、これは食物摂取の減少および関連する体重減少をもたらし得る。
【0026】
他の処置は、組織壁または並置された組織壁などの生体構造の種々の部分の壁を通して選択的にアクセスすることを含む。組織壁または並置された組織壁を通して通路を形成し、そのような通路が選択的に開き、または閉じることを可能にすることが望ましい可能性がある。例えば、外科的バイパス処置は、解剖学的構造にアクセスすることを困難にすることがあるが、バイパスが行われた後、そのような構造へのアクセスが望まれる、または必要とされる場合がある。一例は、ルーワイ(Roux-en-Y)胃バイパス術を受けた患者が、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を必要とする場合であり、医師が内視鏡的に乳頭にアクセスするための直接的な経路がもはや存在しない。医師は、胃嚢から、排除された胃への一時的な通路を作成することがある。この新しい通路は、一時的(例えば、3~4週間)ではあるが、胃の物質(例えば、糜粥)がGI管のバイパスされた部分を通り抜けることを可能にすることによって、肥満治療の有効性を低下させることができる。治療対象の疾患に依存して、患者の状態を完全に処置するために複数のERCPが必要とされて、通路が必要とされる時間をさらに延長する可能性がある。
【0027】
本開示の様々な態様によれば、調節可能な管状デバイスは、調節可能な通路を有する調節可能な部分を備えて形成される。調節可能な通路は、処置中に選択的に開閉することができ、調節可能な管状デバイスを通る(物質または医療デバイスまたは器具の)一時的なアクセスまたは通過を可能にするか、またはより長い期間にわたって開いた状態に保持することができる(望ましい場合または医学的に指示された場合に閉じることが可能である)。いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイスは、通路が拡張されたときに物質がそこを通過できるように選択的に拡張可能な狭くなった調節可能な部分を有している。いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイスの一部は、ねじれが通路を狭めるかまたは閉じるように、ねじれている。調節可能な管状デバイスにおけるそのようなねじれは、そのようなねじれによって生成される通路の閉鎖または閉塞の程度を修正または調節するために、修正または調節されてよく、例えば、ねじれを解かれてもよい。いくつかの実施形態では、細長い要素が、調節可能な管状デバイスの調節可能な部分を調節するために通路を通って延在するように提供される。細長い要素は、調節可能な部分の構成との係合を容易にするために独特の構成を有していてもよく、本明細書では、特定の機能に限定することを意図することなく、便宜上、通路開放デバイスと称され得る。いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイスの調節可能な部分は、実質的に閉じた構成に狭められるか、またはねじられ、かつねじれを解くなど、少なくとも部分的に開いた構成に選択的に調節可能である。他の構成が本開示の範囲および技術思想に含まれることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、通路開放デバイスは、調節可能な管状デバイスの閉じた(例えば、ねじれた)部分の形状もしくは輪郭または他の特徴部に対応する特徴部を備えて成形もしくは構成されてもよく、または提供されてよい。本開示の原理は、以下でさらに詳細に説明される、ねじれた閉じられたデバイスおよびそのようなデバイスのねじれを解くことの例を超えて拡張されることが理解されるだろう。
【0028】
調節可能な管状デバイスは、複数のストランドまたはワイヤまたはフィラメントから形成されていてよく、これらは、編組されているか、織られているか、撚られているか、巻き付けられているか、絡み合わされているか、編まれているか、ループ状にされているか(例えば、ボビネット式)、結ばれているか、または他の方法で自己支持構造(self-supporting structure)に形成されていてよい。代替的に、調節可能な管状デバイスは、レーザ切断されたチューブまたは接合された細長い要素または別の自己支持構造から形成されてもよい。そのような構造は、代替的に、限定することを意図せずに、ステントまたはフレームワークまたはスキャフォールドと称され得る。調節可能な管状デバイスは、生体適合性金属またはポリマー材料または合金から形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、材料は、ニッケル-チタン合金(例えば、ニチノール)などの形状記憶材料または熱成形可能材料である。いくつかの実施形態では、通路開放デバイスは、調節可能な管状デバイスの狭窄部分および/またはその要素に係合する(例えば、調節可能な管状デバイスを形成するワイヤ間に係合する)ための種々の特徴部を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、追加の管状デバイスが、調節可能な管状デバイスを通る通路のサイズを調節するために提供される。例えば、調節可能な管状デバイスの調節可能な通路は、直径を増大させることができ、調節可能な管状デバイスの通路の全開範囲よりも小さい範囲まで、調節可能な管状デバイスの通路を開いた状態に保持するために、追加の管状デバイスがその中に挿入され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、デバイスの閉じた(例えば、ねじれて閉じた)領域を開くことは、デバイスの軸方向長さまたは他の寸法もしくは特性の変化など、デバイスの他の変化をもたらし得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、保持部材は、組織壁を並置して保持するために、および/または(例えば、デバイスの移動を阻止または防止するために)デバイスが展開/配置される解剖学的部位に対して所定の位置にデバイスを保持するために、デバイスの端部に設けられる。様々な例では、デバイスの閉じた領域を開くことは、保持部材のいずれかもしくは両方の位置(例えば、保持部材間の軸方向距離などの相対的な位置および/または向き)および/または保持部材のいずれかもしくは両方の構成(例えば、調節されている領域などの、デバイスの他の領域の寸法によって影響され得る、それらの直径のいずれかもしくは両方などの保持部材の寸法)に影響を及ぼし得る。保持部材に影響を及ぼす埋め込み可能なデバイスの閉じた領域の構成の調節可能性は、保持部材に接触する(例えば、保持部材によって並置して保持される)組織壁に対する保持部材の保持力に影響を及ぼすために有利である可能性がある。そのような調節は、デバイスが物質の通過を可能にするかどうかとは無関係であってよい。したがって、調節可能な管状デバイスを通る通路のサイズ以外の調節可能な管状デバイスの構成に対する調節を維持するために、本開示の様々な原理に従って形成された調節可能な管状デバイス内に追加のデバイスが挿入される(または別の方法で修正する)場合、そのような追加のデバイスは、調節可能な管状デバイスを通る物質の通過が望ましくない場合、それを通る通路を含む必要はない。
【0031】
本開示の様々な原理によれば、調節可能な管状デバイスは、経管的または経カテーテル的または内視鏡的送達のためのサイズおよび構成であってよい。したがって、本開示の一態様によれば、調節可能な管状デバイスは、(切開外科手術とは対照的に)低侵襲性処置で使用される管状送達デバイスを通り抜けるように折り畳まれるか、または他の方法で断面寸法が縮小されてもよい。調節可能な管状デバイスは、展開されると拡張することができる。例えば、調節可能な管状デバイスは、自己拡張型であるように形成されてもよく(そのような場合、有利には、送達デバイス内に保持または拘束されなくなると、デバイスを拡張させる形状記憶材料から形成される)、または拡張可能バルーンなどの別の拡張可能デバイスの補助を伴って拡張されてもよい。展開部位からの除去のオプションを可能にするために、調節可能な管状デバイスは、当技術分野において公知の、またはこれまでに公知の種々の方法のいずれかで、その拡張された展開構成から選択的に折り畳み可能であるように形成されていてよい。
【0032】
ここで図面を参照すると、本開示の様々な原理に従って形成された調節可能な管状デバイス100が、本開示の原理をルーワイ胃バイパス術または他のタイプのバイパス術が行われた胃Sに適用することができる環境の一例に配置されたものとして図1に示されている。理解されるように、胃Sは、胃嚢(gastric pouch)GPとして参照することができる胃Sの機能的部分と、一般に消化管に沿った食物の通過から除外または閉鎖される胃のバイパスされた部分BPとに区分されている。より具体的には、胃のバイパスされた部分BPは、通常、食物物質(例えば、糜粥、部分的に消化された食物物質など)を十二指腸Dに通過させる胃Sの下側部分である。胃嚢GPは、空腸Jに直接接続されている。したがって、幽門Pを通って、十二指腸Dならびに膵臓および膵管および胆管などの腸の近位領域への典型的なアクセスが遮断される。このような解剖学的構造へのより容易なアクセスが所望される場合、胃のバイパスされた部分BPへの吻合Aが、本開示の原理に従って形成され図1に示されるような調節可能な管状デバイス100を用いて作成され得る。本開示の原理に従って形成された調節可能な管状デバイス100は、胃空腸吻合術などの他のタイプの胃バイパス処置と併せて使用されてもよい(図示されていないが、2018年3月26日に出願され、2018年9月27日に公開された米国出願公開第2018/08271530号を参照するなどして、当業者には容易に理解され、公開された出願は、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる)。そのような処置において、概して、胃空腸吻合を形成するデバイスは、開いたままであることが望ましいが(したがって、概して、本開示の原理に従って形成される調節可能な管状デバイス100の典型的部位ではない)、概して、空腸Jへのバイパスを促進するために、幽門Pを通した十二指腸Dへのアクセスを閉鎖または少なくとも制限することが依然として望ましい。本開示の種々の原理に従って形成される調節可能な管状デバイス100は、調節可能な管状デバイス100の閉鎖の程度の選択的調節を可能にしながら、幽門Pの所望の程度の閉鎖をもたらすように、幽門Pを横切って配置されていてよい。本開示の様々な原理に従って形成された調節可能な管状デバイス100を配置して、幽門Pを通る流れを調節して胃内容排出を調節することは、本開示の様々な原理に従って形成された調節可能な管状デバイス100のさらに別の潜在的な使用である。
【0033】
図2を参照してより容易に理解され得るように、本開示の原理に従って形成された調節可能な管状デバイス100の一例は、第1の端部101と、第2の端部103と、それらの間に延在するルーメン105とを有している。第1の端部101は、第1の保持部材102を形成するように広がっていてよく、第2の端部103は、第2の保持部材104を形成するように広がっていてよい。保持部材102,104(代替的に、限定する意図なくフランジとして参照されてもよい)は、好ましくは、当該技術分野において既知のまたはこれまでに既知の種々の組織並置デバイスまたはステントなどに従って、調節可能な管状デバイス100を定位置に保持するために、十分に広く、かつ十分な保持強度を有するように形成されている。保持部材102,104は、凹形状、凸形状、ディスク形状、円筒形状(例えば、図示されるよりも長い長手方向範囲を有する)などの種々の形状、または他の構成のうちの任意のものであってよく、特定の形状および構成は、本開示によって限定されない。ルーメン内径は、ニュートラルの構成にあるときに、完全に閉じられる(すなわち、0mmの内径を有する)必要はないことが理解されるだろう。概して、閉じられている場合のルーメン105の内径は、5mm未満である。ルーメン105は、そこを通る医療デバイスまたは器具の通過を可能にするサイズまで、またはそこを通る物質(例えば、身体物質または摂取された物質)の所望の体積または流量のために開かれていてよい。いくつかの実施形態では、ルーメン105の最大内径は、約20mmであってよい。いくつかの実施形態では、保持部材102,104の直径は、少なくとも約30mmおよび最大で約40mmであってよい。そのような特徴の詳細は、本開示にとって重要ではなく、したがって、調節可能な管状デバイス100が使用されるべき所与の環境に対して決定することは、当業者に委ねられる。
【0034】
図2に示されるように、第1の端部101と第2の端部103との間の調節可能な管状デバイス100の中間領域106(本明細書では、限定することを意図せずにサドル領域106と代替的に称され得る)は、ルーメン105の断面サイズ(例えば、直径)を低減して、そこを通る流れに影響を及ぼす(例えば、低減または調節する)ように収縮されていてよい。図示の例では、調節可能な管状デバイス100の中間領域106は、中間領域106を閉じるようにねじれている。しかしながら、中間領域106を覆う弾性バンドまたはスリーブを使用して、それを通って延在するルーメン105の部分を収縮させるなどの他の収縮が、本開示の範囲および技術思想に含まれることを理解されたい(そのような弾性バンドまたはスリーブは、以下でさらに詳細に説明される本開示の種々の原理に従って、ルーメン105のサイズを調節するように拡張可能である)。
【0035】
図3Aおよび図3Bに示されるように、本開示の態様によれば、細長い要素200が、調節可能な管状デバイス100の中間領域106を拡張するために、調節可能な管状デバイス100の一端および調節可能な管状デバイス100のルーメン105に挿入され得る。細長い要素200は、概して、より容易にアクセス可能である、調節可能な管状デバイス100の端部101,103内に挿入されることが理解されるであろう。したがって、細長い要素200は、第2の端部103に挿入されるものとして図3Aに示されているが、細長い要素200は、代わりに第1の端部101に挿入されてもよい。細長い要素200の遠位端201は、細長い要素200の中に挿入され、近位端203は、細長い要素200の前進および操作を制御するために医療専門家がアクセスできるように配置される。細長い要素200は、その近位端203が患者の外側にあるように近位に延在していてよく、制御ハンドルなどに連結されていてよい。例えば、自然開口部経管内視鏡手術(NOTES)は、本開示の様々な原理に従って調節可能な管状デバイス100を調整するために使用されてよく、細長い要素200は、患者の食道を通って近位に延在して患者の口の外に延在し得る。経管的または血管などの治療部位への入口およびアクセスの代替的なポイントは、本開示の範囲および技術思想に含まれる。例えば、胃腸系で使用される調節可能な管状デバイス100への直腸アクセス、または血管系で使用される調節可能な管状デバイス100への血管アクセスは、本開示の範囲および技術思想に含まれる。ガイドワイヤ(細長い要素200を通るルーメンを通して挿入されるような)が、細長い要素200を調節可能な管状デバイス100に導くことを補助するために使用されてもよい。細長い要素200の遠位端201は、好ましくは、長手方向に十分に強く(例えば、十分な圧縮抵抗を有する)、調節可能な管状デバイス100の中間領域106の収縮した調節可能な部分の中に前進させられ、それを通るルーメン105のサイズを調節し、結果として、調節可能な管状デバイス100のルーメン105を物質が通り抜ける能力を調節する。例えば、細長い要素200の遠位端201は、圧縮抵抗を高めるために、編組コイルまたは他の構造(例えば、複合構造)で補強されていてよい。
【0036】
中間領域106がねじれている、図2に示すような調節可能な管状デバイス100の実施形態の一例では、図3Aおよび図3Bに示す細長い要素200の遠位端201は、好ましくは、調節可能な管状デバイス100を通るルーメン105が開かれる量または程度を調節するために、中間領域106のねじれた調節可能な部分のねじれを解くのに十分なねじり強度を有している。上述したような様々な補強材は、細長い要素200のねじれ抵抗を高めることができる。図2に示される調節可能な管状デバイス100の例のルーメン105を調節するように構成された細長い要素200は、図3Aに示されるように、中間領域106の調節可能な部分の中に(例えば、その長手方向軸Lに沿って)前進させられ、図3Bに示されるように、中間領域106の調節可能な部分のねじれを解くために(例えば、その長手方向軸Lの周りに)回転させられる。本開示の様々な原理に従って形成された調節可能な管状デバイスの調節可能な部分の他の構成に対応する細長い要素の他の構成は、本開示の範囲および技術思想に含まれることが理解されるであろう。
【0037】
調節可能な管状デバイス100のねじれた中間領域106のねじれを解くように構成された細長い要素200の遠位端201には、調節可能な管状デバイス100の中間領域106のねじれた構成と係合してそのような構成のねじれを解くように構造化および構成された1つまたは複数の係合特徴部が設けられていてよい。例えば、係合特徴部は、ねじれた中間領域106のねじれと係合するか、またはねじれの間に係合する突起またはリッジまたは溝であってよい。本開示の原理に従って形成された調節可能な管状デバイス100のねじれた中間領域106と係合するように構造化および構成された細長い要素200上に提供され得る係合特徴部の例の様々な実施形態が、図4A図4B図5A図5B図6A図6B図7A図7Bに示されている。
【0038】
図4Aおよび図4Bに示される実施形態では、細長い要素200’’の一例の遠位端201’は、細長い要素200’の遠位端201’に沿った長手方向突起の形態の係合特徴部206’を有している。図4Aを参照して理解され得るように、係合特徴部206’は、細長い要素200’が使用される調節可能な管状デバイス100におけるねじれに対応するように、細長い要素200’の長手方向軸Lの周りでねじれている(例えば、螺旋状または非直線状である)。図4Bを参照して理解され得るように、係合特徴部206’は、細長い要素200’から半径方向外向きに延在し、任意選択で、少なくともその一部に沿って半径方向に(例えば、細長い要素200’の長手方向軸Lを中心として円周方向に)湾曲している。換言すれば、図4Bに示される係合特徴部206’の実施形態の例は、細長い要素200’の遠位端201’から半径方向外向きに延在し、少なくともその自由端において(細長い要素200’の遠位端201’から最も遠く、そこに取り付けられていない係合特徴部206’の端部またはエッジに沿って)湾曲している。
【0039】
係合特徴部206は、細長い要素200の遠位端201の周りに螺旋などの湾曲した方向に延在する代わりに、図5Aおよび図5Bに示す細長い要素200’’の実施形態の例のように、細長い要素200の長手方向軸Lに沿って実質的に長手方向に延在していてもよい。特に、細長い要素200’’の係合特徴部206’’は、細長い要素200’’の長手方向軸Lに沿って実質的に長手方向に延在するものとして図5Aに示されている。追加的または代替的に、係合特徴部206’’は、図4Bに示される実施形態のように湾曲することなく、概して直線方向に、細長い要素200’’の遠位端201’’から半径方向に延在していてよい。
【0040】
図6Aおよび図6Bに示す実施形態では、細長い要素200’’’の一例の遠位端201’’’は、細長い要素200’’’の遠位端201’’’に沿って離隔された複数の個々の突起の形態の係合特徴部206’’’を有している。図6Aおよび図6Bを参照して理解され得るように、係合特徴部206’’’は、細長い要素200’’’の遠位端201’’’から半径方向外向きに延在している。図6Aを参照して理解され得るように、係合特徴部206’’’は、細長い要素200’’’の長手方向軸Lに沿って長手方向に互いから離隔されていてよい。図6Aを参照してさらに理解され得るように、隣接する係合特徴部206’’’は、互いに直線的および/または半径方向に整列されていてよい。
【0041】
係合特徴部206は、成形、接着、押出、機械加工、スタンピング、または切断などの当技術分野における既知のまたはこれまでに既知の任意の方法で形成され得ることが理解されるであろう。図5Aおよび図5Bの実施形態は、特に図5Bにおいて、切断またはクイリング(quilling)によって形成された係合特徴部206の例を示し、細長い要素200’’の遠位端201’’の面に(概して非半径方向に)切り込みが形成され、切り込みを広げて、細長い要素200’’を形成する突起(例えば、クイル(quill)またはフィン)となるようにセクションを引き離す。任意の数の係合特徴部206が、調節可能な管状デバイス100のねじれた部分に係合するために提供され得ることがさらに理解されるであろう。係合特徴部206’,206’’,206’’’の形状または構成または数は、本明細書に図示および説明されるものに限定されない。
【0042】
いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイス100は、図2の線VII-VIIに沿った図7の概略断面図から理解され得るように、複数のワイヤ108によって形成される。1つまたは複数の係合特徴部206は、図3Aの線VIII-VIIIに沿った概略断面図を示す図8に示されるように、1対1対応で、または隣接するワイヤ108のグループ間でなど、ワイヤ108と係合するように構成されていてよい。細長い要素200がルーメン105内に嵌合すると、ワイヤ108(ねじれており、調節可能な管状デバイス100の長手方向軸Lに概して平行ではない)が離れるように動かされ(かつ調節可能な管状デバイス100の長手方向軸Lとより密接に整列するようになり)、細長い要素200をねじることにより、ワイヤ108がさらに離れるように動かされ、ルーメン105を開く。
【0043】
調節可能な管状デバイス100の調節可能な部分がねじれている/ねじれていない、いくつかの実施形態では、調節可能な管状デバイス100が配置される組織または身体通路に対して調節可能な管状デバイス100の遠位部分を保持することが望ましい場合がある。調節可能な管状デバイス100を組織または身体通路に対して係合および/または固定するために、調節可能な管状デバイス100上に様々な保持特徴部110が設けられおよび/または形成されてもよい。例えば、組織係合突起(例えば、バーブ、アンカーなど)、組織内方成長特徴部、マイクロパターン、ねじ山、および/または他の機械的もしくは組織ベースの係止特徴部が、調節可能な管状デバイス100の表面上に設けられて、調節可能な管状デバイス100が展開される組織と係合することができる。図3Aおよび図3Bに示す調節可能な管状デバイス100の実施形態では、組織壁T(図1のように調節可能な管状デバイス100が胃壁と空腸の壁との間に配置されている場合には、それらの壁など)を並置して保持する調節可能な管状デバイス100が示されている。図9に示される図3Aの詳細Xを参照して理解され得るように、少なくとも1つの保持特徴部110(バーブなどの組織係合突起の形態などの)は、組織壁に当接するかまたは係合する保持部材102の表面上にある。組織壁は、調節可能な管状デバイス100が配置される組織を包囲するか、またはそれに隣接し得る。図示の例の構成では、保持特徴部110は、中間領域106に面する保持部材102の部分(例えば、調節可能な管状デバイス100によって並置状態で保持された組織のうちの1つに当接するかまたは接触する内向きの部分)に設けられている。しかしながら、保持特徴部110の他の位置は、調節可能な管状デバイス100が使用される環境または処置に基づいて選択され得るなど、本開示の範囲および技術思想に含まれることが理解されるであろう。例えば、調節可能な管状デバイス100が、幽門Pなどの身体通路または管腔を横切って配置される場合、保持特徴部110は、調節可能な管状デバイス100が配置される身体通路または横切って配置される身体通路の内壁に係合するようになど、調節可能な管状デバイス100の横方向外側に位置する部分に設けられていてよい。概して、少なくとも1つの保持特徴部110は、遠位保持部材102上などの調節可能な管状デバイス100の遠位部分上に設けられ、これにより、調節可能な管状デバイス100の遠位部分が身体(例えば、組織壁T)に対して定位置に保持されている間に、調節可能な管状デバイス100の近位部分(一般に、医療専門家によってより容易にアクセス可能である)を回転させることができる。
【0044】
本開示の別個の独立した態様によれば、図10に概略的に示されるように(図を簡略化するために壁の詳細などの特定の特徴が省略されている)、調節可能な管状デバイス100のルーメン105が(上述のように細長い要素200などによって)開かれると、調節可能な管状デバイス100のルーメン105を通る所望の開口を維持するために、追加の管状要素300が、調節可能な管状デバイス100内に配置されてもよい。便宜上、調節可能な管状デバイス100と区別するために、追加の管状要素は、本明細書では、ルーメン直径制御プラグまたはルーメン制御プラグ300と呼ばれる。いくつかの例では、ルーメン制御プラグ300は、調節可能な管状デバイス100を展開および/または配置するために使用されるのと同じまたは異なるデバイス、および/または調節可能な管状デバイス100を開く(例えば、ねじれを解く)ために使用されるのと同じまたは異なるデバイスから展開され得る。例えば、ルーメン制御プラグ300は、調節可能な管状デバイス100のルーメン105を開くために使用される細長い要素200を使用して展開されてもよく、それにより、調節可能な管状デバイス100を開くことおよびルーメン制御プラグ300によって調節可能な管状デバイス100を支えまたは差し込んで開くことを、ルーメン105内から細長い部材200を事前に取り外すことなく、単一のステップで実行することができる。「差し込む(plug)」という用語は、ルーメン105に差し込むため、より具体的には、ルーメン105に差し込んで開くために、ルーメン制御プラグ300が配置されたルーメン105内に配置されていること(例えば、ルーメン105に差し込むこと、より具体的には、ルーメン105に差し込んで開くこと)に関して使用されることが理解されるであろう。
【0045】
図10に示されるルーメン制御プラグ300の例は、調節可能な管状デバイス100のルーメン105を通って延在し、遠位端201が調節可能な管状デバイス100の遠位端101に隣接し、そこから内側に(中間領域106の方へ)いくらか離隔され、近位端103が調節可能な管状デバイス100の近位端103に隣接し、そこから内側に(中間領域106の方へ)いくらか離隔されて示されている。しかしながら、所望であれば、ルーメン制御プラグ300の長さは、対応する遠位端101,301、および近位端103,303が、図10に示すよりも互いに近くなる(例えば、実質的に位置合わせされる)ように、調節可能な管状デバイス100の長さにより厳密に一致してもよい。図10に示す実施形態の例では、ルーメン制御プラグ300は、調節可能な管状デバイス100内でのルーメン制御プラグ300の移動(例えば、軸方向および/または半径方向の相対移動)を低減するように、調節可能な管状デバイス100の形状および/または構成と嵌合または適合または対応するように成形および/または構成されている。例えば、図10に示すルーメン制御プラグ300の実施形態は、調節可能な管状デバイス100の第1の保持部材102と接続される(例えば、係合する、形状が対応する、嵌合するなど)ように構成された第1の保持部材302と、調節可能な管状デバイス100の第1の保持部材104と接続される(例えば、係合する、形状が対応する、嵌合するなど)ように構成された第2の保持部材304とを有している。図示された例では、ルーメン制御プラグ300の保持部材302,304は、調節可能な管状デバイス100の保持部材102,104の離隔された壁内に嵌合するが、他の構成も本発明の範囲および技術思想の範囲内である。例えば、調節可能な管状デバイス100の保持部材102,104は二重壁として示されているが、ルーメン制御プラグ300の保持部材302,304は単一壁で形成されていてもよいことに留意されたい。内側ステントを外側ステント内に保持する様々な方法を使用することができ、そのような特徴は、本開示の基本原理にとって重要ではない。
【0046】
ルーメン制御プラグ300のルーメン305の直径、例えばルーメン制御プラグ300の中間領域306の直径は、調節可能な管状デバイス100およびルーメン制御プラグ300が提供/使用される治療の意図されたコースに応じて、ある範囲の直径から選択され得る。ルーメン制御プラグ300は、好ましくは、並置された組織からのあらゆる収縮力と共に、静止位置で閉じられるように構成された調節可能な管状デバイス100からのあらゆる収縮力に耐えるのに十分な半径方向またはフープ強度を有しており、その結果、ルーメン制御プラグ300は、調節可能な管状デバイス100のそうでなければ閉じた調節可能な部分を開いた状態に保持することができる。いくつかの実施形態では、ルーメン制御プラグ300は、対応する調節可能な管状デバイス100よりも高い半径方向またはフープ強度を有していてよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のルーメン制御プラグ300を伴うキットまたはシステムが提供され、調節可能な管状デバイス100のルーメン105内に異なるサイズのルーメン制御プラグ300を挿入することによって、治療過程中の種々の段階で調節可能な管状デバイス100のルーメン105のサイズの調節を可能にする。例えば、本開示の原理に従って形成された調節可能な管状デバイス100が、それを通る物質の流量を減少させるように配置される(例えば、胃内容排出の速度を減少させるための肥満治療において幽門Pを横切って配置される)場合、調節可能な管状デバイス100のルーメン105の直径を調節して、患者の進行状況または治療に対する応答性に応じて物質の流量を調節することが望ましい場合がある。第1の直径のルーメン制御プラグ300は、第2の異なる直径のルーメン制御プラグ300と交換されてもよい。追加的または代替的に、第1の直径を有するルーメン305を備えた第1のルーメン制御プラグ300が、最初に挿入されてよく、第1の直径より小さい第2の直径を有するルーメン305を備えた第2のルーメン制御プラグ300が、第1のルーメン制御プラグ300の中に挿入され、第1のルーメン制御プラグ300によって作成される通路を狭めてもよい。異なる直径を有するルーメン制御プラグ300のそのようなセットは、最初に、調節可能な管状デバイス100内に一緒に配置されていてもよく、第2のルーメン制御プラグ300は、所望される場合に除去される。あるいは、第1のルーメン制御プラグ300は、調節可能な管状デバイス100内に配置されていてよく、第2のルーメン制御プラグ300は、後の時間(例えば、処置の過程に依存して数時間後、数日後、数週間後など)に第1のルーメン制御プラグ300内に配置されてもよい。追加的または代替的に、調節可能な管状デバイス100は、閉じた構成で患者の体内に残されていてよく、ルーメン制御プラグ300は、限られた期間の処置の間のみ、調節可能な管状デバイス100のルーメン105の中に挿入され、そのような処置が完了すると、除去され、調節可能な管状デバイス100は、もう一度閉じた構成で定位置に残されてよい。調節可能な管状デバイス100を通り抜けさせることができる器具のサイズは、処置に応じて(例えば、調節可能な管状デバイス100を通り抜けさせる器具に基づいて)変化し得るので、所与の調節可能な管状デバイス100と共に使用するために異なるサイズのルーメン制御プラグ300が提供されて、調節可能な管状デバイス100によって閉じられることが意図された体内の通路を選択的に開くことができる。
【0047】
ルーメン制御プラグ300を調節可能な管状デバイス100に送達するために、ルーメン制御プラグ300は、ルーメン制御プラグ300が細長い要素200を覆うように取り付けられて細長い要素200によって送達されるように、細長い要素200上を通過してもよい(例えば、細長い要素200は、ルーメン制御プラグ300のルーメン305を通り抜けさせられてよい)。代替的に、ルーメン制御プラグ300は、当技術分野で知られているか、またはこれまで知られている別の送達デバイスまたは機構を介して送達されてもよい。
【0048】
ルーメン制御プラグ300は、編組ステント、レーザ切断管状ステント、またはそのコンパクトな送達構成を可能にする任意の他の構成の形態であってよいが、上述のように、調節可能な管状デバイス100内で展開されると、調節可能な管状デバイス100のルーメン105を開いた状態に保持するのに十分な安定性を備えて拡張する。当技術分野で知られているか、またはこれまでに知られているような、縫合糸または把持ループまたは締め付けコードなどの収縮特徴部307を使用して、除去性を高めることができる。そのような収縮特徴部の構成は、本開示の基本原理の理解にとって重要ではなく、したがって、細長い要素200は、細長い要素200の治療部位への誘導を容易にするガイドワイヤなどのために、それを通る通路を有していてもよい。いくつかの実施形態では、細長い要素200は、カテーテルである。
【0049】
上述したように、本明細書に記載され、図に示される実施形態の様々な構造および特徴は、いくつかの別個の独立した固有の利点を有している。したがって、本明細書で説明される様々な構造および特徴は、本明細書で説明される所望の特性および/または利益の少なくともいくつかを達成するために、すべてが存在する必要はない。さらに、本明細書に記載される様々な特徴は、単独で、または任意の組み合わせで使用されてもよい。1つの実施形態に関して説明された様々な特徴は、明示的に示されているか否かにかかわらず、別の実施形態に適用され得ることが理解されよう。したがって、1つの実施形態を参照して説明される特徴のうちの1つまたは複数を、本明細書に説明される他の実施形態のいずれかの特徴のうちの1つまたは複数と組み合わせることができることを理解されたい。すなわち、本明細書で説明される特徴のうちの任意のものは、混合および調和されてハイブリッド設計を作成することができ、そのようなハイブリッド設計は、本開示の範囲内である。したがって、本発明は、本明細書に具体的に記載された実施形態のみに限定されない。上記の説明は、実施形態の説明のための例にすぎず、本開示のより広い態様を限定するものとして意図されていない。
【0050】
前述の議論は、広範な用途を有し、例示および説明の目的で提示されており、本開示を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図していない。本開示の概念、技術思想、および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に対して様々な追加、修正、および置換が行われ得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、技術思想、もしくは範囲、または特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、ならびに他の要素、材料、および構成要素を用いて具現化され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つまたは複数の態様、実施形態、または構成に、一緒にグループ化される。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成において組み合わされ得ることを理解されたい。本開示は、実施形態に関して提示されるが、本主題の様々な別個の特徴は、本主題またはそのような個々の特徴の所望の特性および/または利点のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はないことを理解されたい。本開示は、本開示の原理または技術思想または範囲から逸脱することなく、多くの修正、または特定の環境および動作要件に特に適合される、本開示の実施において使用される構造、配置、比率、材料、構成要素などの修正とともに使用され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、または複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の動作は、逆にされてもよく、または変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法は、変更されてもよい。同様に、動作またはアクションまたは手順が特定の順序で説明されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような特定の順序を必要とすると理解されるべきではなく、あるいはすべての動作またはアクションまたは手順が実行されるべきであると理解されるべきではない。加えて、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。いくつかの場合には、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行することができ、それでも望ましい結果を達成することができる。したがって、現在開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明、または本明細書で説明もしくは図示されている特定の実施形態もしくは構成に限定されない。上記を考慮して、任意の実施形態の個々の特徴が使用されてもよく、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて請求されてもよく、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されない。
【0051】
前述の説明および以下の特許請求の範囲において、以下が理解されるであろう。本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、および「および/または」という語句は、動作において接続的および選言的の両方であるオープンエンド表現である。「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの用語は、複数を除外しない。例えば、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」エンティティは、本明細書で使用される場合、そのエンティティの1つまたは複数を指す。したがって、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」は、本明細書において互換的に使用することができる。全ての方向に関する言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、反時計回りなど)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、および/または関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き、または使用に関して関連する要素を限定するものではない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、接続される、および接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合の間の中間部材および要素間の相対移動を含み得る。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも示唆するものではない。識別に関する参照(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性または優先度を含意することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。
【0052】
以下の特許請求の範囲は、参照によりこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲において、「備える/備えている」という用語は、他の要素またはステップの存在を除外しない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、有利に組み合わせられる可能性があり、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でないおよび/または有利でないことを意味するものではない。加えて、単数の参照は、複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確にする例として提供されており、特許請求の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み可能なデバイスを通る通路のサイズを制御するためのシステムであって、
調節可能な通路が形成された調節可能な管状デバイスと、
前記調節可能な通路のサイズを増大させるために前記調節可能な管状デバイスを通る前記調節可能な通路内に延在可能である細長い要素と
を備える、システム。
【請求項2】
前記調節可能な管状デバイスは、第1の端部と、第2の端部と、それらの間の中間領域とを有しており、少なくとも前記中間領域は、前記調節可能な管状デバイスを通る前記調節可能な通路を閉じるために、ねじれて閉じた構成になっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記細長い要素は、前記調節可能な管状デバイスのねじれた前記中間領域のねじれを解くように構成された通路開放デバイスである、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記通路開放デバイスは、前記調節可能な管状デバイスのねじれた前記中間領域の特徴部と係合するように構成された係合特徴部を備える、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記係合特徴部は、前記細長い要素の遠位端から半径方向外向きに延在する複数の突起を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記通路開放デバイスは、カテーテルである、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記細長い要素は、前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路の特徴部と係合して前記調節可能な通路のサイズを増大させるように構成された係合特徴部を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路内に嵌合して前記調節可能な通路を開いた構成に保持するように構成されたルーメン制御プラグをさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
埋め込み可能なデバイスを通る通路のサイズを調節するためのシステムであって、
調節可能な管状デバイスであって、それを通るように画定された調節可能な通路を有し、前記調節可能な通路は、実質的に閉じた構成と開いた構成との間で変化可能である、調節可能な管状デバイスと、
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路内に嵌合して前記調節可能な通路を第1の開いた構成に保持するように構成された第1のルーメン制御プラグと
を備える、システム。
【請求項10】
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路内に嵌合して前記調節可能な通路を前記第1の開いた構成とは異なるサイズの第2の開いた構成に保持するように構成された第2のルーメン制御プラグをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2のルーメン制御プラグは、前記第1のルーメン制御プラグ内に配置可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のルーメン制御プラグは、前記調節可能な管状デバイスと嵌合して、前記調節可能な管状デバイスを通る前記調節可能な通路内での前記第1のルーメン制御プラグの移動を低減するように構成されている、請求項~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記調節可能な管状デバイスは、その第1の端部に沿った第1の保持部材と、その第2の端部に沿った第2の保持部材とを有しており、
前記第1のルーメン制御プラグは、前記調節可能な管状デバイスに対する前記第1のルーメン制御プラグの移動に抵抗するために、前記調節可能な管状デバイスの前記第1の保持部材と係合するように構成された第1の保持部材と、前記調節可能な管状デバイスの前記第2の保持部材と係合するように構成された第2の保持部材とを有している、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記調節可能な管状デバイスの前記調節可能な通路を開いて、その中への前記第1のルーメン制御プラグの挿入を容易にするように構成された細長い要素をさらに備える、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のルーメン制御プラグは、前記細長い要素の上を通って前記調節可能な管状デバイスの中に導かれる、請求項14に記載のシステム。
【国際調査報告】