(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】ミタピバットを滴定するための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/496 20060101AFI20240424BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A61K31/496
A61P7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566595
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2022026833
(87)【国際公開番号】W WO2022232460
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】PCT/US2022/015684
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/030312
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511223394
【氏名又は名称】アジオス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バービア, アン
(72)【発明者】
【氏名】ボウデン, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンズ, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】アイヤル, バーシャ ベンカタチャラム
(72)【発明者】
【氏名】ジュバン, マリー-ヘレン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA10
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA12
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA06
4C086ZA55
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、ミタピバット及び/又はその薬学的に許容される塩の安全で有効な投薬レジメンである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約5mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約5mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容されるによる治療を中止する方法であって、前記方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法:
1日目~7日目:約5mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
8日目:その後、ミタピバット又は前記ミタピバットの薬学的に許容される塩の前記投与を中止する。
【請求項2】
約5mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約5mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、前記方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法:
1日目~7日目:約5mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
8日目~14日目:約5mgのミタピバットを前記対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約5mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
15日目:ミタピバット又は前記その薬学的に許容される塩の前記投与を中止する。
【請求項3】
約20mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約20mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、前記方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法:
1日目~7日目:約20mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
8日目~14日目:約5mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
15日目:ミタピバット又は前記その薬学的に許容される塩の前記投与を中止する。
【請求項4】
約20mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約20mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、前記方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:
1日目~7日目:約20mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
8日目~14日目:約20mgのミタピバットを前記対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約20mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
15日目:ミタピバット又は前記その薬学的に許容される塩の前記投与を中止する。
【請求項5】
約50mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約50mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、前記方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:
1日目~7日目:約50mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約50mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
8日目~14日目:約20mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
15日目:ミタピバット又は前記その薬学的に許容される塩の前記投与を中止する。
【請求項6】
約50mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約50mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、前記方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:
1日目~7日目:約50mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約50mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
8日目~14日目:約20mgのミタピバットを前記対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
15日目~21日目:約20mgのミタピバットを前記対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約20mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を前記対象に投与する;
22日目:ミタピバット又は前記その薬学的に許容される塩の前記投与を中止する。
【請求項7】
急性溶血若しくは貧血、又はその両方について前記対象を監視することを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
c)前記対象が急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状を示す場合、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について前記対象を治療するステップを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記対象が、ピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)、サラセミア、及び鎌状赤血球症(SCD)から選択される状態について治療されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記対象が、溶血性貧血、又はピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)によって引き起こされるか、若しくはそれに関連する貧血について治療されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記対象が、鎌状赤血球症(SCD)について治療されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記対象が、サラセミアについて治療されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記サラセミアが、非輸血依存性サラセミア又は輸血依存性サラセミアである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記サラセミアが、アルファサラセミア又はベータサラセミアである、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、結晶形態である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、非結晶質である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記対象が、前記用量漸減スケジュールの前にミタピバットを投与されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記対象が、前記用量漸減スケジュールによって列挙される量のミタピバットを投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記対象が、前記用量漸減スケジュールの前にミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記対象が、前記用量漸減スケジュールによって列挙される量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与される、請求項1~16及び19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記対象が、ミタピバットのヘミ硫酸塩を投与される、請求項1~16、19、及び20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記対象が、ミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物塩を投与される、請求項1~16及び19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
約5mg、約20mg、及び約50mgのミタピバット、又は約5mgのミタピバット、約20mgのミタピバット、及び約50mgのミタピバットの剤形に等しい量のその薬学的に許容される塩から選択される1つ以上の経口剤形を含むテーパーパックを含む、キット。
【請求項24】
前記ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、急性溶血若しくは貧血、又はその両方のリスクを最小限に抑えるために、請求項1~22に記載の方法のいずれかに従って投与されるべきである、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
前記テーパーパックが、約5mg、約20mg、及び約50mgのミタピバット、又は約5mg、約20mg、及び約50mgのミタピバットから選択される用量に等しい量のその薬学的に許容される塩から選択される1~約7回の経口用量を含む、請求項23又は24に記載のキット。
【請求項26】
前記テーパーパックが、約5mgのミタピバット、又は約5mgのミタピバットに等しい量のその薬学的に許容される塩の1~約7回の経口用量を含む、請求項23~25のいずれか一項に記載のキット。
【請求項27】
前記テーパーパックが、約5mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、及び約20mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、又は約5mg及び約20mgのミタピバットに等しい量のその薬学的に許容される塩を含む、請求項23~26のいずれか一項に記載のキット。
【請求項28】
前記テーパーパックが、約20mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、及び約50mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、又は約20mg若しくは約50mgのミタピバットに等しい量のその薬学的に許容される塩を含む、請求項23~27のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年4月30日出願のPCT/US2021/030312及び2022年2月8日出願のPCT/US2022/015684の優先権の利益を主張し、その各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)は、PKLR遺伝子の劣性変異に起因するピルビン酸キナーゼR(PKR)酵素の欠損によって引き起こされる赤血球の疾患である。PKR活性化剤は、PKD、サラセミア(例えば、ベータ-サラセミア)、無ベータリポタンパク血症又はバッセン-コルンツワイグ症候群、鎌状赤血球症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、貧血(例えば、先天性貧血(例えば、酵素病)、溶血性貧血(例えば、遺伝性及び/若しくは先天性溶血性貧血、後天性溶血性貧血、リン酸グリセリン酸キナーゼ欠損症によって引き起こされる慢性溶血性貧血、慢性疾患の貧血、非球状赤血球性溶血性貧血、又は遺伝性球状赤血球症)を治療するのに有益であり得る。PKDの治療は、輸血、脾臓切除、鉄過剰に対処するためのキレート療法、及び/又は他の疾患関連罹患に対する介入を含み、支持的である。しかしながら、現在、PKDの根本的な原因、すなわち生涯にわたる溶血性貧血の病因を治療する承認された医薬品はない。
AG-348として、又は化学名N-(4-(4-(シクロプロピルメチル)ピペラジン-1-カルボニル)フェニル)キノリン-8-スルホンアミドとしても知られるミタピバットは、以下の構造式によって表される:
【化1】
ピルビン酸キナーゼ(PKR)の野生型RBC特異的形態のファーストインクラスの経口で生物学的に利用可能な、強力なアロステリック活性化剤であり、PKR変異酵素の範囲である。例えば、WO2011/002817、WO2016/201227、及びKung et al.,Blood.2017;130(11):1347-1356を参照されたい。ピルビン酸キナーゼのRBC特異的形態は、2つの別個の遺伝子、ピルビン酸キナーゼの肝臓特異的形態(PKL)、及びピルビン酸キナーゼ筋肉アイソザイム(PKM)からのヒト組織において発現される4つのピルビン酸キナーゼアイソエンザイムのうちの1つである。PKR及びPKLは両方とも、PKLR遺伝子のスプライスアイソフォームであるが、PKM1及びPKM2は両方とも、PKM遺伝子から発現される。ミタピバットは、PKR、PKL、及びPKM2アイソエンザイムのアロステリック活性化因子であり、各々に対して同様の効力を有する。
一般にミタピバット硫酸塩と呼ばれるミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物塩は、PKD、サラセミア、及び鎌状赤血球症(SCD)の治療に対して肯定的な治療結果を示している。その治療可能性を考慮すると、現在、ミタピバットの安全かつ最適化された投薬を提供するための手段が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2011/002817号
【特許文献2】国際公開第2016/201227号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Kung et al.,Blood.2017;130(11):1347-1356
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
臨床試験は、ミタピバットがヘモグロビンレベルを増加させるのに有効であることを示している。しかしながら、ミタピバットがそのヘモグロビン変化の影響を引き起こす程度は、対象によって異なる場合がある。すなわち、対象のヘモグロビンレベルを所望の目標範囲内にするために必要なミタピバットの量は、ある対象の方が低い場合があり、別の対象の方が高い場合があり、又は逆もまた同様であり得る。ヘモグロビンが正常レベルを下回ると、貧血を引き起こす可能性があるが、正常レベルを上回ると、脳卒中、心臓発作、及び血栓を引き起こす可能性がある。したがって、最適なヘモグロビンレベルが達成されるように、すなわち、高すぎず、低すぎないように、最適な用量のミタピバットを提供することが重要である。
【0006】
そのため、本明細書で提供されるのは、ミタピバットによる治療から利益を得ることができる対象、特に、例えば、PKD、サラセミア、及びSCDを含む、ピルビン酸キナーゼに関連する状態を有する対象におけるヘモグロビンレベルを増加させるための安全かつ効果的な方法である。一態様では、開示される方法は、a)治療が必要な患者に、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の初期量を投与することと、b)対象のヘモグロビンレベルが目標レベル内にあるかどうかを評価することと、c)対象のヘモグロビンレベルが目標レベルにあるか、又は目標レベル内にあるかどうかに応じて、例えば、対象のヘモグロビンレベルが目標レベル内になるまで、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の量を調整することと、を含む。ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の量を評価及び調整するこのプロセス(すなわち、ステップb及びc)は、治療過程で複数回発生し得る。しかしながら、いくつかの事例では、対象のミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の用量は、ミタピバット、若しくはその薬学的に許容される塩の初期量、又はミタピバット、若しくはその薬学的に許容される塩の調整量が、過剰レベルのヘモグロビン、若しくは対象のヘモグロビンレベルの急激な増加をもたらすか、又は対象が有害事象を経験する場合、下方調整され得る。
【0007】
一態様では、本明細書に記載の方法は、PKD、サラセミア、又は鎌状赤血球症から選択される状態を治療することが必要な対象においてそれを治療する方法を含み、この方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量を対象に一定期間にわたって投与することであって、初期量が、対象のヘモグロビンレベルを増加させる、投与することと、b)一定期間後に対象のヘモグロビンレベルを評価して、対象が目標ヘモグロビンレベル内にあるかどうかを判定することと、c)対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の初期量を投与し続けること、又は対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にない場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の第1の調整量を投与することと、を含む。
【0008】
いくつかの態様では、開示される方法は、対象のヘモグロビンレベルを評価し続け、次いで対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内になるまで、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の量を再調整すること、すなわち、ステップb及びcを更に含む。
【0009】
いくつかの態様では、治療される状態は、サラセミア及び鎌状赤血球症から選択される。
【0010】
いくつかの態様では、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の初期量及び/又は調整量を対象に投与することと、対象のヘモグロビンレベルを評価することとの間の期間は、約1週間~約15週間の範囲である。
【0011】
いくつかの態様では、初期量又は調整量として対象に投与されるミタピバットの量は、約1mg~約125mgの範囲であり、1日1回(QD)、1日2回(BID)、又は1日3回(TID)である。いくつかの態様では、初期量又は調整量として対象に投与されるミタピバットの薬学的に許容される塩は、約1mgのミタピバット~約125mgのミタピバットに等しい量の範囲であり、1日1回(QD)、1日2回(BID)、又は1日3回(TID)である。
【0012】
いくつかの態様では、目標ヘモグロビンレベルは、約16歳以上の男性対象若しくは女性対象又はそれらの組み合わせに対するヘモグロビンの正常レベルとして特徴付けられる。いくつかの態様では、目標ヘモグロビンレベルは、対象のベースラインヘモグロビンレベルの増加が、一定期間にわたって約1.0g/dL~約2.5g/dL以上であることとして特徴付けられる。
【0013】
臨床試験はまた、その後の貧血を伴う急性溶血が、ミタピバットの突然の中断又は中止の後に生じる可能性があることを示している。しかしながら、この結果はまた、対象によって異なる可能性があり、対象がそのような反応を有するかどうかを予測するための信頼できる手段はない。例えば、300mgのミタピバットを1日2回投与した第2相試験では、対象の3.8%が、ミタピバットの突然の中止時に溶血を経験し、これは急性溶血の重篤な有害事象を含む。対照的に、治療コースの後半にミタピバットの数回の投与のみを逃した患者は、急性溶血を示す事象を経験しなかった。誰かを急性溶血にかかりやすくする正確な危険因子を決定することはできないが、ヘモグロビンの急速な損失が、これらの症例の問題であると考えられる。誰が急性溶血(又はその後の貧血)の兆候又は症状を経験する可能性があるかについての不確実性を考慮すると、そのような事象を軽減するための手段を開発することが重要である。
【0014】
したがって、本明細書では、ミタピバット、若しくはその薬学的に許容される塩の投与を中止するための方法、又はミタピバット、若しくはその薬学的に許容される塩の確立された1日量を低減させるための方法も提供され、これらの方法は、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の量を漸減することと、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩が投与されなくなるまで、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の指標について対象を監視することと、を含む。いくつかの態様では、治療を中止する前に、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量からの投与量の1回の減少のみが必要とされ得る。他の態様では、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の投与される量の複数回の低減が、例えば、急性溶血及び/若しくは貧血の兆候及び症状が存在する場合、又は対象が急性溶血及び/若しくは貧血に過度にかかりやすいことが判明した場合に企図される。ある特定の例では、例えば、臨床的に重大な有害反応を経験している対象の場合、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の治療の即時中止及びその後の監視が必要とされ得る。
【0015】
一態様では、本明細書に記載の方法は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量を投与されている対象のための、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法、並びにミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の用量を低減させるための方法を含み、これらの方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の調整量を対象に一定期間にわたって投与することであって、第1の調整量が、確立された1日量より少ない、投与することと、b)その期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む。
【0016】
別の態様では、本明細書に記載の方法は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量を投与されている対象において、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の用量を低減させるための方法を含み、この方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の調整量を対象に一定期間にわたって投与することであって、調整量が、確立された1日量より少ない、投与することと、b)その期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む。
【0017】
いくつかの態様では、開示される方法は、対象の急性溶血若しくは貧血、又はその両方、並びに対象のヘモグロビンレベルを監視し続け、次いで、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の投与が停止するまで、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の量を再調整することを更に含む。いくつかの態様では、開示される方法は、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の投与が中止された後に、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視し続けることを更に含む。
【0018】
いくつかの態様では、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の初期量及び/又は調整量を対象に投与することと、急性溶血及び/又は貧血について対象を監視することとの間の期間は、約1日~約20日の範囲である。
【0019】
いくつかの態様では、調整量として対象に投与されるミタピバット又はその薬学的に許容される塩の量は、確立された1日量の約30%~約90%、又は複数の調整量の場合には、直前の調整量の約30%~約90%の範囲である。
【0020】
いくつかの態様では、確立された1日量又は調整量として対象に投与されるミタピバット又はその薬学的に許容される塩の量は、約1mg~約125mgの範囲であり、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)、又は1日おき(QOD)である。
【0021】
いくつかの態様では、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する対象は、PKD、サラセミア、及び鎌状赤血球症から選択される状態について治療されていた。
【0022】
いくつかの態様では、ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩の投与は、直ちに中止され(例えば、対象が臨床的に重大な有害反応を患っている場合)、対象は、一定期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について監視される。
【発明を実施するための形態】
【0023】
用量漸増
第1の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、PKD、サラセミア、又は鎌状赤血球症から選択される状態を治療することが必要な対象においてそれを治療する方法であって、その方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量を対象に第1の期間にわたって投与することであって、その量が、対象のヘモグロビンレベルを増加させる、投与することと、b)第1の期間後に対象のヘモグロビンレベルを評価して、対象が目標ヘモグロビンレベル内にあるかどうかを判定することと、c)対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の初期量を投与し続けること、又は対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にない場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の第1の調整量を投与することと、を含む。代替的に、第1の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、サラセミア、又は鎌状赤血球症から選択される状態を治療することが必要な対象においてそれを治療する方法であって、この方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量を対象に第1の期間にわたって投与することであって、その量が、対象のヘモグロビンレベルを増加させる、投与することと、b)第1の期間後に対象のヘモグロビンレベルを評価して、対象が目標ヘモグロビンレベル内にあるかどうかを判定することと、c)対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の初期量を投与し続けること、又は対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にない場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の第1の調整量を投与することと、を含む。
【0024】
第2の実施形態の一部として、開示される方法(第1の実施形態におけるものなど)は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量を第2の期間にわたって投与することと、第2の期間後に対象のヘモグロビンレベルを評価して、対象が目標ヘモグロビンレベル内にあるかどうかを判定することと、対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、第1の調整量を投与し続けること、又は対象のヘモグロビンレベルが第2の期間後に目標ヘモグロビンレベル内にない場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の第2の調整量を投与することと、を更に含む。
【0025】
第3の実施形態の一部として、開示される方法(第1及び第2の実施形態におけるものなど)は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第3の調整量を第3の期間にわたって投与すること、又は対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、第2の調整量を投与し続けることを更に含む。
【0026】
第4の実施形態の一部として、開示される方法(第1~第3の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、対象のヘモグロビンレベルを評価し続け、対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内になるまで、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の量を再調整すること、又は更なる調整なしにミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩を対象に投与し続けることを更に含む。
【0027】
第5の実施形態の一部として、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量及び/又は調整量を対象に投与することと、対象のヘモグロビンレベルを評価することとの間の、開示される方法(第1~第4の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)における期間は、約1~約12週間及び最大で約1~約12週間の範囲である。例えば、第5の実施形態の一部として、本明細書に記載の第1、第2、及び第3の期間(第1~第4の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、各々独立して、約1~約12週、1~約12週、約1~約11週、約1~約10週、約1~約9週、約1~約8週、約1~約7週、約1~約6週、約1~約5週、約1~約4週、約1~約3週、約1~約2週、約2~約12週、約2~約11週、約2~約10週、約2~約9週、約2~約8週、約2~約7週、約2~約6週、約2~約5週、約2~約4週、約2~約3週、約3~約12週、約3~約11週、約3~約10週、約3~約9週、約3~約8週、約3~約7週、約3~約6週、約3~約5週、約3~約4週、約4~約12週、約4~約11週、約4~約10週、約4~約9週、約4~約8週、約4~約7週、約4~約6週、約4~約5週、約5~約12週、約5~約11週、約5~約10週、約5~約9週、約5~約8週、約5~約7週、約5~約6週、約6~約12週、約6~約11週、約6~約10週、約6~約9週、約6~約8週、及び約6~約7週から選択される。代替的に、第5の実施形態の一部として、本明細書に記載の第1、第2、及び第3の期間(第1~第4の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、各々独立して、少なくとも約1週、少なくとも約2週、少なくとも約3(3)週、少なくとも約4週、少なくとも約5週、少なくとも約6週、少なくとも約7週、少なくとも約8週、少なくとも約9週、少なくとも約10週、少なくとも約11週、及び少なくとも約12週から選択される。別の代替案では、第5の実施形態の一部として、本明細書に記載の第1、第2、及び第3の期間(第1~第4の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、各々独立して、最大で約1週、最大で約2週、最大で約3週、最大で約4週、最大で約5週、最大で約6週、最大で約7週、最大で約8週、最大で約9週、最大で約10週、最大で約11週、及び最大で約12週から選択される。別の代替案では、第5の実施形態の一部として、本明細書に記載の第1、第2、及び第3の期間(第1~第4の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、各々独立して、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約9週、約10週、約11週、及び約12週から選択される。
【0028】
第6の実施形態の一部として、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量及び/又は調整量を対象に投与することと、対象のヘモグロビンレベルを評価することとの間の、開示される方法(第1~第5の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)におけるある特定の期間又は全ての期間は、同じ期間である。例えば、第6の実施形態の一部として、本明細書に記載の第1及び第2の期間(第1~第5の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、同じ期間であり、本明細書に記載の第1及び第3の期間(第1~第5の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、同じ期間であり、本明細書に記載の第2及び第3の期間(第1~第5の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、同じ期間であり、又は本明細書に記載の第1、第2、及び第3の期間(第1~第5の実施形態におけるもののうちのいずれか1つなど)は、全て同じ期間である。
【0029】
開示される方法で使用されるミタピバット又はその薬学的に許容される塩の量は、本明細書に更に記載され、方法の性質(例えば、投与量又は用量漸増対投与量又は用量漸減)に応じて変化し得る。ここで、第7の実施形態の一部として、例えば、第1~第6の実施形態のうちのいずれか1つを参照して、ミタピバットの初期量、ミタピバットの第1の調整量、ミタピバットの第2の調整量、及びミタピバットの第3の調整量は、各々独立して、約5mg、約20mg、約50mg、及び約100mgから選択され、ミタピバットの量の薬学的に許容される塩の初期量、ミタピバットの薬学的に許容される量の第1の調整量、ミタピバットの薬学的に許容される量の第2の調整量、及びミタピバットの薬学的に許容される量の第3の調整量は、各々独立して、約5mgのミタピバット、約20mgのミタピバット、約50mgのミタピバット、及び約100mgのミタピバットに等しい量から選択される。第8の実施形態の一部として、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量、第1の調整量、第2の調整量、及び第3の調整量は、各々、1日1回(QD)、1日2回(BID)、又は1日3回(TID)投与される。
【0030】
本明細書で使用される場合、「目標ヘモグロビンレベル」という用語は、年齢及び性別に基づくヒトの正常ヘモグロビンレベル、又は対象のヘモグロビンレベルを一定期間にわたって正常範囲にするのに十分であろうヘモグロビン値の増加率を指す。一態様では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおける)目標ヘモグロビンレベルは、第1の期間、第2の期間、又は第3の期間のうちのいずれかにわたって、個別に又は集合的に、約1.0g/dL~約2.0g/dLの対象のベースラインヘモグロビンレベルの増加として特徴付けられる。代替的に、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、第1の期間、第2の期間、又は第3の期間のいずれかにわたって、個別に又は集合的に、約1.0g/dL、約1.5g/dL、又は約2.0g/dLの対象のベースラインヘモグロビンレベルの増加として特徴付けられる。別の代替案では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、約12.0g/dL~約17.5g/dLである。別の代替案では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、対象の年齢が16歳以上の場合、約12.0g/dL~約17.5g/dLである。別の代替案では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、成人男性(18歳以上)で約13.5g/dL~約17.5g/dL、及び成人(18歳以上)女性で約12.0g/dL~約15.5g/dLである。別の代替案では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、16歳以上の男性で約13.5g/dL~約17.5g/dL、16歳以上の女性で約12.0g/dL~約15.5g/dLである。別の代替案では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、11~18歳の女性対象で約11.9g/dL~約15.0g/dLである。別の代替案では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、11~18歳の男性対象で約12.7g/dL~約17.7g/dLである。別の代替案では、第9の実施形態の一部として、開示される方法における(例えば、第1~第8の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)目標ヘモグロビンレベルは、18歳未満の対象(すなわち、非成人対象)で約10.7g/dL~約19.9g/dLである。
【0031】
本明細書で使用される場合、「対象のベースラインヘモグロビンレベル」とは、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩を投与する前、例えば、前述の実施形態におけるミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量を投与する前の対象のヘモグロビンレベルを指す。いくつかの態様では、対象のベースラインヘモグロビンレベルは、約14.0g/dL未満であり、例えば、成人男性で約13.5g/dL未満、及び成人女性で約12.0g/dL未満である。他の態様では、対象のベースラインヘモグロビンレベルは、約5.5g/dL~約10.5g/dLである。
【0032】
用量漸減
第10の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、その方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量を対象に第1の期間にわたって投与することであって、第1の調整量が、確立された1日量より少ない、投与することと、b)第1の期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む。代替的に、第10の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、対象に投与されているミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量を低減させるための方法であって、その方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量を対象に第1の期間にわたって投与することであって、第1の調整量が、確立された1日量より少ない、投与することと、b)第1の期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む。
【0033】
本明細書で使用される場合、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の「確立された1日量」及びミタピバット又はその薬学的に許容される塩の「確立された1日投与量」は、同義語であり、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量を対象に投与する前に、対象に投与されているミタピバット又は薬学的に許容されるそれの量を指す。本明細書に更に記載されるように、確立された1日量は、約1mg~約300mgのミタピバット、又は約1mg~約300mgのミタピバットに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、確立された1日量は、約1mg~約200mgのミタピバット、又は約1mg~約200mgのミタピバットに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩の範囲であり得る。
【0034】
第11の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10の実施形態におけるような)は、c)対象が急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状を示す場合、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を治療するステップを更に含む。
【0035】
第12の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第11の実施形態におけるような)は、第2の調整量を第2の期間にわたって使用してステップa)及びステップb)を繰り返すことと、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状について対象を監視し続けることと、を含み、第2の調整量が、第1の調整量より少ない。
【0036】
第13の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第11及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)は、対象が急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状を示す場合、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を治療するステップを更に含む。
【0037】
第14の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第13の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における第1の調整量の投与は、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状が改善するまで続けられる。
【0038】
第15の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第12~14の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における第2の調整量の投与は、第1の期間の完了直後に開始される。
【0039】
第16の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第12~第15の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)は、第3の調整量を第3の期間にわたって使用してステップa)及びステップb)を繰り返すことと、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状について対象を監視し続けることと、を更に含み、第3の調整量が、前のステップa)で投与された調整量より少ない。代替的に、第16の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第12~第15の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)は、第3の調整量を第3の期間にわたって使用してステップa)及びステップb)を繰り返すことと、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状について対象を監視し続けることと、を更に含み、第3の調整量が、前のステップa)で投与された調整量より少なく、かつ第3の調整量の投与が、第2の期間の完了直後に開始される。
【0040】
第17の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第16の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるステップa)及びb)は、対象がもうミタピバット又はその薬学的に許容される塩を投与されなくなるまで繰り返される。
【0041】
第18の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第17及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)は、対象が急性溶血及び/又は貧血の症状を示す場合、急性溶血及び/又は貧血について対象を治療するステップを更に含む。代替的に、第18の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第17及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)は、対象が急性溶血及び/又は貧血の症状を示す場合、急性溶血及び/又は貧血について対象を治療するステップと、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状が改善するまで、対象を治療し続けるステップと、を更に含む。
【0042】
第19の実施形態の一部として、第1の調整量の前に、対象に、開示される方法(例えば、第10~18の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)で投与されているミタピバットの確立された1日量は、1日当たり約10mg、1日当たり約40mg、1日当たり約100mg、及び1日当たり約200mgから選択され、薬学的に許容される塩の確立された1日量は、1日当たり約10mgのミタピバット、1日当たり約40mgのミタピバット、1日当たり約100mgのミタピバット、及び1日当たり約200mgの1日当たりのミタピバットに等しい量から選択される。代替的に、第19の実施形態の一部として、第1の調整量の前に、開示される方法(例えば、第10~18の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)で対象に投与されているミタピバットの確立された1日量は、約5mg BID、約20mg BID、約50mg BID、又は約100mg BIDから選択され、第1の調整量の前に対象に投与されている薬学的に許容される塩の確立された1日量は、約5mg BIDのミタピバット、約20mg BIDのミタピバット、約50mg BIDのミタピバット、又は約100mg BIDのミタピバットに等しい。
【0043】
第20の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第19の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量は、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の確立された1日量よりも約40%~約80%、約40%~約60%、約45%~約55%、及び約49%~約51%少ない量から選択される。代替的に、第20の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第19の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量は、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の確立された1日量よりも約50%少ない。別の代替案では、第20の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第19の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量は、約5mg、約20mg、約50mg、及び約100mgから選択され、薬学的に許容される塩の第1の調整量は、約5mgのミタピバット、約20mgのミタピバット、約50mgのミタピバット、及び約100mgのミタピバットに等しい。別の代替案では、第20の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第19の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量は、約5mg QD、約20mg QD、約50mg QD、及び約100mg QDから選択され、薬学的に許容される塩の第1の調整量は、約5mg QDのミタピバット、約20mg QDのミタピバット、約50mg QDのミタピバット、及び約100mg QDのミタピバットに等しい。
【0044】
第21の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第20の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量は、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の確立された1日量よりも約60%~約80%、約70%~約80%、約45%~約85%、約55%~約65%少ない量から選択される量で、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量を低減させる。代替的に、第21の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第20の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確定された1日量よりも約60%又は約75%少ない。別の代替案では、第21の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第20の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量は、約50mg、約20mg、又は約5mgであり、ミタピバットの薬学的に許容される塩の第2の調整量は、約50mgのミタピバット、約20mgのミタピバット、又は約5mgのミタピバットに等しい。
【0045】
第22の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第21の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第2の調整量は、1日おき(QOD)に投与されるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量に等しい。代替的に、第22の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第21の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第2の調整量は、約5mg QOD、約20mg QOD、約20mg QD、又は約50mg QDであり、薬学的に許容される塩の第2の調整量は、約5mg QODのミタピバット、約20mg QODのミタピバット、約20mg QODのミタピバット、又は約50mg QODのミタピバットに等しい。
【0046】
第23の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、16~21の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第3の調整量は、1日おき(QOD)に投与されるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量の量と等しい。代替的に、第23の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第16~第21の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)におけるミタピバットの第3の調整量は、約20mg QOD又は約50mg QODであり、薬学的に許容される塩の第3の調整量は、約20mg QODのミタピバット又は約50mg QODのミタピバットに等しい。
【0047】
第24の実施形態の一部として、投与と監視との間の期間(第10~第23の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)は、各々独立して、約1日~約16日から選択される。代替的に、例えば、第24の実施形態の一部として、開示される方法(第10~第23の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第1及び第2の期間は、各々独立して、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、及び約6日~約8日から選択される。別の代替では、第24の実施形態の一部として、開示される方法(第10~23の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第1及び第2の期間は、各々独立して、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約8日、及び約6日~約8日から選択される。別の代替案では、第24の実施形態の一部として、開示される方法(第10~第23の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第1及び第2の期間は、各々独立して、約3日及び約7日から選択される。
【0048】
第25の実施形態の一部として、開示される方法(第10~第24の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第1及び第2の期間は、両方とも同じである。
【0049】
第26の実施形態の一部として、開示される方法(第16~第25の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第3の期間は、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、約6日~約8日から選択される。代替的に、第26の実施形態の一部として、開示される方法(第16~第25の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第3の期間は、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約8日、及び約6日~約8日から選択される。別の代替案では、第26の実施形態の一部として、開示される方法(第16~第25の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第3の期間は、約7日である。
【0050】
第27の実施形態の一部として、開示される方法(第10~第26の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)における第1、第2、及び第3の期間は、各々、同じ期間である。
【0051】
第28の実施形態の一部として、開示される方法(第10~27及び第34及び第36の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止した後、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することを更に含む。代替的に、28の実施形態の一部として、開示される方法(第10~27及び第34及び第36の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止した後、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することであって、監視が、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を検査することを含む、監視することを更に含む。
【0052】
第29の実施形態の一部として、提供されるのは、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量の投与が必要な対象へのそれの投与を中止するための方法であって、その方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の全ての投与を直ちに中止することと、b)一定期間(例えば、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、約6日~約8日、約14日以下、又は約7日以下)中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む。
【0053】
第30の実施形態の一部として、提供されるのは、有害事象に罹患している対象への、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日用量の投与を中止するための方法であって、その方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の全ての投与を直ちに中止することと、b)一定期間(例えば、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、約6日~約8日、約14日以下、又は約7日以下)中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む。代替的に、第30の実施形態の一部として、提供されるのは、臨床的に重大な有害事象に罹患している対象への、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日用量の投与を中止するための方法であって、その方法は、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の全ての投与を直ちに中止することと、b)一定期間(例えば、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、約6日~約8日、約14日以下、又は約7日以下)中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む。
【0054】
本明細書で更に提供されるのは、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩を対象に投与するための方法であって、それによって、急性溶血のリスクを最小限に抑えるために、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の突然の中止が回避される。
【0055】
本明細書で使用される場合、「急性溶血」は、溶血性貧血を引き起こし得る赤血球の破裂を指す。対象が急性溶血を経験しているかどうかを判定するための方法は、当該技術分野で既知であり、身体的症状及び視覚的症状の両方を含む。一態様では、例えば、第31の実施形態の一部として、本方法(第10~第30及び第36の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)に開示されるような急性溶血は、約0.1g/dL/日超~約0.2g/dL/日のヘモグロビンの急速な損失を特徴とする。代替的に、第31の実施形態の一部として、本方法(第10~第30及び第36の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)に開示されるような急性溶血は、約1.7g/dL/日~約2.5g/dL/日のヘモグロビンの損失を特徴とする。別の代替案では、第31の実施形態の一部として、本方法(第10~第30及び第36の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)に開示されるような急性溶血は、対象が黄疸、硬膜黄疸、及び暗色尿のうちの1つ以上を有することを特徴とする。別の代替案では、第31の実施形態の一部として、本方法(第10~第30及び第36の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)に開示されるような急性溶血は、対象が、尿の黒ずみ、皮膚若しくは目の黄変、めまい、混乱、疲労感、立ちくらみ、又は息切れのうちの1つ以上を有することを特徴とする。別の代替案では、第31の実施形態の一部として、本方法(第10~第30及び第36の実施形態におけるもののうちのいずれかなど)に開示されるような急性溶血は、対象が黄疸、硬膜黄疸、暗色尿、めまい、混乱、疲労、又は息切れのうちの1つ以上を有することを特徴とする。
【0056】
第32の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~31及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における対象は、ピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)、サラセミア、及び鎌状赤血球症(SCD)から選択される状態について治療されている。代替的に、第32の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~31及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における対象は、PKDについて治療されている。別の代替案では、第32の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~31及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における対象は、溶血性貧血、又はピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)によって引き起こされるか、若しくはそれに関連する貧血について治療されている。別の代替案では、第32の実施形態の一部として、開示される方法(例えば、第10~第31及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における対象は、SCDについて治療されている。更に別の代替案では、開示される方法(例えば、第10~第31及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における対象は、サラセミアについて治療されている。更なる代替では、開示される方法(例えば、第10~31及び第34及び第36の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)における対象は、アルファサラセミア又はベータサラセミアのいずれかについて治療されている。
【0057】
第33の実施形態の一部として、対象が有害事象又は臨床的に重大な有害反応を患っている場合、本明細書に開示されるような(例えば、第10~第32の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与は、期間又は確立された1日用量にかかわらず、直ちに中止される。
【0058】
一態様では、開示される方法(例えば、第1~第33の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)のサラセミアは、非輸血依存性サラセミア又は輸血依存性サラセミアである。
【0059】
一態様では、開示される方法(例えば、第1~第33の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)サラセミアは、アルファサラセミア又はベータサラセミアである。
【0060】
第34の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、約5mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約5mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)による治療を中止する方法であり、その方法は、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与することを含む:1日目~7日目:約5mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;8日目:その後、ミタピバット又はミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)の投与を中止する。代替的に、第34の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、約5mgのミタピバットを1日2回(BID)又は約5mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)による治療を中止する方法であり、この方法は、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与することを含む:1日目~7日目:約5mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;8日目~14日目:約5mgのミタピバットを対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約5mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)の投与を中止する。別の代替案では、第34の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、約20mgのミタピバットを1日2回(BID)又は約20mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)による治療を中止する方法であり、その方法は、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与することを含む:1日目~7日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;8日目~14日目:約5mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)の投与を中止する。別の代替案では、第34の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、約20mgのミタピバットを1日2回(BID)又は約20mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)による治療を中止する方法であり、その方法は、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与することを含む:1日目~7日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;8日目~14日目:約20mgのミタピバットを対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約20mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)の投与を中止する。別の代替案では、第34の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、約50mgのミタピバットを1日2回(BID)又は約50mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)による治療を中止する方法であり、その方法は、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与することを含む:1日目~7日目:約50mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約50mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;8日目~14日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)の投与を中止する。別の代替案では、第34の実施形態の一部として、本明細書で提供されるのは、約50mgのミタピバットを1日2回(BID)又は約50mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)による治療を中止する方法であり、その方法は、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容される(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を投与することを含む:1日目~7日目:約50mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約50mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;8日目~14日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;15日目~21日目:約20mgのミタピバットを対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約20mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)を対象に投与する;22日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、若しくはヘミ硫酸セスキ水和物塩)の投与を中止する。
【0061】
第35の実施形態では、第34の実施形態に記載の方法は、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することを更に含む。
【0062】
第36の実施形態では、上記の投与量漸減に記載のミタピバット又はその薬学的に許容される塩は、結晶質又は非結晶質であってもよい。
【0063】
本出願を通して、括弧は、本発明のある特定の態様を更に説明するために使用され、限定として解釈されるべきではない。例えば、塩を参照して、「硫酸塩」、「ヘミ硫酸塩」、及び「ヘミ硫酸セスキ水和物塩」という用語は、「又はミタピバットの薬学的に許容される塩(例えば、硫酸塩、ヘミ硫酸塩、又はヘミ硫酸セスキ水和物塩)」に言及されるように、代替の例示的な実施形態として提供され、より広い用語「塩」の限定的な説明として解釈されるべきではない。
【0064】
「治療」、「治療する」、及び「治療すること」という用語は、本明細書に記載されるように、疾患又は障害の発生の可能性を逆転させること、軽減すること、低減させること、又はそれらの進行、若しくはそれらの1つ以上の影響若しくは症状を抑制することを指す。いくつかの実施形態では、治療は、1つ以上の症状が発生した後に行われてもよい(すなわち、治療的治療)。他の実施形態では、治療は、症状が存在しない状態で行われてもよい。例えば、治療は、症状の発症前に(例えば、症状の既往に照らして、及び/又は遺伝的若しくは他の感受性因子に照らして)、感受性のある個体に行われてもよい(すなわち、予防的治療)。症状が解消した後、例えば、その再発の可能性を低減させるか、又は遅らせるために、治療を継続することもできる。
【0065】
本明細書で使用される場合、「対象」及び「患者」という用語は互換的に使用されてもよく、治療が必要な、又は治療を受ける哺乳動物を意味する。典型的には、対象は、治療を必要とするヒトである。いくつかの態様では、開示される方法における対象は、成人のヒト対象(すなわち、18歳以上の男性又は女性のヒト)である。他の態様では、開示される方法における対象は、非成人のヒト対象(すなわち、17歳以下の男性又は女性のヒト)である。他の態様では、開示される方法における対象は、16歳以上の男性又は女性のヒトである。
【0066】
「用量」及び「投与量」という用語は、互換的に使用される。
【0067】
本明細書で使用される場合、「有害反応」という用語は、薬物の薬理学的作用の一部として発生し得るか、又はその発生が予測不可能であり得る薬物の使用に合理的に関連する、望ましくない効果を意味する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「臨床的に重大な有害反応」という用語は、死亡、生命を脅かす有害事象、性急な入院若しくは既存の入院の延長、持続的若しくは著しい障害若しくは無能力、又は先天性異常若しくは先天性欠損の結果のうちのいずれかをもたらす任意の用量で生じる患者又は対象における任意の反応を意味する。死亡を引き起こさないか、又は生命を脅かし得るか、又は入院を必要とし得る他の医学的事象は、適切な医学的判断に基づいて、そのような事象が患者又は対象を危険にさらす可能性があり、前の文に記載される結果のうちのいずれか1つを予防するために医学的又は外科的介入を必要とする可能性があるとき、有害反応とみなされる場合がある。
【0069】
本明細書で使用される場合、「有害事象」という用語は、医学的事象が薬物関連であるとみなされるかどうかにかかわらず、ヒトにおける薬物の使用に関連する任意の厄介な医学的事象を意味する。
【0070】
いくつかの態様では、本方法(例えば、第1~第34の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)に開示されるミタピバット又はその薬学的に許容される塩は、結晶質又は非結晶質であり得る。
【0071】
ミタピバットの薬学的に許容される塩を言及するとき、「薬学的に許容される塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な利益/リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容される塩は周知であり、例えば、Bergeらは、薬学的に許容される塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において詳細に記載している。ミタピバットの薬学的に許容される塩としては、好適な無機及び有機酸に由来するものが挙げられる。薬学的に許容される酸付加塩の例は、アミノ基の塩であり、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸と形成されるか、又は有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸と形成されるか、又はイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成される。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ゲンチシン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルピオロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
【0072】
いくつかの態様では、本方法(例えば、第1~第34の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)に記載されるようなミタピバットの薬学的に許容される塩は、硫酸塩である。いくつかの態様では、本方法(例えば、第1~第34の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)に記載されるミタピバットの薬学的に許容される塩は、ヘミ硫酸塩である。いくつかの態様では、本方法(例えば、第1~第34の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)に記載されるミタピバットの薬学的に許容される塩は、水和したヘミ硫酸塩である。いくつかの態様では、本方法(例えば、第1~第34の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)に記載されるミタピバットの薬学的に許容される塩は、ヘミ硫酸セスキ水和物塩であり、ミタピバット硫酸塩、又は以下の式Aを有する1-(シクロプロピルメチル)-4-(4-(キノリン-8-スルホンアミド)ベンゾイル)ピペラジン-1-イウムヘミ硫酸セスキ水和物としても知られている:
【化2】
代替的に、いくつかの態様では、本方法(例えば、第1~第34の実施形態のうちのいずれか1つにおけるような)に記載されるミタピバットの薬学的に許容される塩は、硫酸塩三水和物であり、ミタピバット三水和物又は式Bを有する1-(シクロプロピルメチル)-4-(4-(キノリン-8-スルホンアミド)ベンゾイル)ピペラジン-1-イウム硫酸塩三水和物とも称される:
【化3】
【0073】
ミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物塩(すなわち、ミタピバット硫酸塩)は、結晶性、例えば、米国公開第2020/0277279号に開示されている形態Aであり得る。形態Aは、Cu Kα放射を使用する、2θ角度(±0.2°)での以下のX線粉末回折パターンのうちの1つ以上を特徴とする:9.9°、15.8°、及び22.6°;15.0°、17.1°、21.3°、及び21.9°;9.9°、15.0°、15.8°、17.1°、21.3°、21.9°、及び22.6°;9.9°、11.4°、15.0°、15.3°、15.8°、17.1°、17.7°、21.3°、21.9°、22.6°、及び23.5°;又は4.9°、9.9°、11.0°、11.4°、11.7°、12.3°、12.8°、13.6°、13.9°、14.2°、15.0°、15.3°、15.8°、17.1°、17.4°、17.7°、18.8°、19.1°、19.8°、21.3°、21.9°、22.6°、23.0°、23.2°、23.5°、23.8°、24.1°、24.5°、25.3°、25.6°、26.1°、27.1°、28.1°、及び29.8°。いくつかの実施形態では、形態Aは、2θ角度(±0.2°)9.9°、15.8°、及び22.6°でのX線粉末回折ピークを特徴とする。ある特定の実施形態では、形態Aは、2θ角度(±0.2°)9.9°、15.8°、及び22.6°でのX線粉末回折ピーク、並びに15.0°、17.1°、21.3°、及び21.9°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの追加のX線粉末回折ピークを特徴とする。ある特定の実施形態では、形態Aは、2θ角度(±0.2°)9.9°、15.8°、及び22.6°でのX線粉末回折ピーク、並びに15.0°、17.1°、21.3°、及び21.9°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも2つの追加のX線粉末回折ピークを特徴とする。更に別の代替案では、形態Aは、2θ角度(±0.2°)9.9°、15.8°、及び22.6°でのX線粉末回折ピーク、並びに15.0°、17.1°、21.3°、及び21.9°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも3つの追加のX線粉末回折ピークを特徴とする。ある特定の実施形態では、形態Aは、2θ角度(±0.2°)9.9°、15.0°、15.8°、17.1°、21.3°、21.9°、及び22.6°でのX線粉末回折ピークを特徴とする。ある特定の実施形態では、形態Aは、2θ角度(±0.2°)9.9°、11.4°、15.0°、15.3°、15.8°、17.1°、17.7°、21.3°、21.9°、22.6°、及び23.5°でのX線粉末回折ピークを特徴とする。ある特定の実施形態では、形態Aは、2θ角度(±0.2°)4.9°、9.9°、11.0°、11.4°、11.7°、12.3°、12.8°、13.6°、13.9°、14.2°、15.0°、15.3°、15.8°、17.1°、17.4°、17.7°、18.8°、19.1°、19.8°、21.3°、21.9°、22.6°、23.0°、23.2°、23.5°、23.8°、24.1°、24.5°、25.3°、25.6°、26.1°、27.1°、28.1°、及び29.8°でのX線粉末回折ピークを特徴とする。更に別の代替案では、形態Aは、約159℃±5℃及び199℃±5℃での吸熱ピークを含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフを特徴とする。更に別の代替案では、結晶形態Aは、約4.5±0.5%、最大180℃±2℃の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、ミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物塩は、1-(シクロプロピルメチル)-4-(4-(キノリン-8-スルホンアミド)ベンゾイル)ピペラジン-1-イウムヘミ硫酸セスキ水和物形態Aである。
【0074】
本明細書で使用する場合、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物)の用量は、ミタピバットの遊離塩基形態との等価性に基づく。例えば、約2.0mgのミタピバットに等しい量の、開示される方法におけるミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物塩は、約2.0mgの遊離塩基性ミタピバット、又は約2.33mgの、構造式Aを有するヘミ硫酸セスキ水和物塩を意味する。
【0075】
ミタピバット、又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、医薬組成物として製剤化及び投与され得る。ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)の医薬組成物は、薬理学の分野で知られている任意の方法によって調製することができる。一般に、そのような調製方法は、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)を担体及び/又は1つ以上の他の補助成分と会合させるステップと、次いで、必要に応じて及び/又は望ましい場合、生成物を所望の単回投与単位又は複数回投与単位に形成及び/又は包装するステップと、を含む。一態様では、医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、エマルション、並びに水性懸濁液、分散液、及び溶液を含むが、これらに限定されない経口的に許容される剤形で経口投与される。一態様では、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、国際特許出願第2019/104134号の開示に従って、薬学的に許容される担体とともに錠剤組成物として製剤化されている。
【0076】
いくつかの態様では、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、テーパーパックの形態で製剤化されている。いくつかの態様では、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、約5mg、約20mg、約50mg、又は約100mgのテーパーパックとして製剤化されている。いくつかの態様では、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、カートンに包装された約5mg、約20mg、約50mg、又は約100mgのテーパーパックとして製剤化されている。他の態様では、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、少なくとも1枚のブリスターカード(又はウォレット)を含むカートンに包装された約5mg、約20mg、約50mg、又は約100mgのテーパーパックとして製剤化されている。他の態様では、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、約5mg、約20mg、約50mg、又は約100mgのミタピバットの約5~約10個の剤形を含む少なくとも1枚のブリスターカード(又はウォレット)を含むカートンに包装されたテーパーパックとして製剤化されている。他の態様では、約5mgの剤形は、片側に「M5」が印刷された、丸くて青い、フィルムコーティングされた錠剤である。他の態様では、約20mgの剤形は、片側に「M20」が印刷された、丸くて青い、フィルムコーティングされた錠剤である。他の態様では、約50mgの剤形は、片側に「M50」が印刷された、長方形で青い、フィルムコーティングされた錠剤である。他の態様では、約100mgの剤形は、片側に「M100」が印刷又はエンボス加工された、フィルムコーティングされた錠剤である。いくつかの態様では、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩(例えば、ミタピバット硫酸塩)は、以下のように製剤化される:
●片側に「M5」が印刷された、7つの丸くて青い、フィルムコーティングされた錠剤を有する、1枚のブリスターカード(又はウォレット)を含むカートンに包装された約5mgのテーパーパック。
●片側に「M5」が印刷された、7つの丸くて青い、フィルムコーティングされた錠剤を有する、2枚のブリスターカード(又はウォレット)を含むカートンに包装された約5mgのテーパーパック。
●片側に「M20」が印刷された、7つの丸くて青い、フィルムコーティングされた錠剤を有する、2枚のブリスターカード(又はウォレット)を含むカートンに包装された約20mgのテーパーパック。
●片側に「M50」が印刷された、7つの長方形で青い、フィルムコーティングされた錠剤を有する、2枚のブリスターカード(又はウォレット)を含むカートンに包装された約50mgのテーパーパック。
●片側に「M100」が印刷又はエンボス加工された、7つのフィルムコーティングされた錠剤を有する、2枚のブリスターカード(又はウォレット)を含むカートンに包装された約100mgのテーパーパック。
【0077】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、当技術分野での典型的な許容範囲内を意味するために本明細書で使用される。一実施形態では、「約」とは、平均値から2標準偏差以内を意味する。一実施形態では、「約」とは、±10%を意味する。一実施形態では、「約」とは、±5%を意味する。別の実施形態では、「約」とは、±2日を意味する。「約」が一連の数値範囲の数の前に存在する場合、この用語は、一連に列挙された数及び範囲のいずれか及び各々に適用されることが理解される。
【0078】
例示
実施例1:ピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)を有する対象に対する投与量漸増及び漸減
ヘモグロビン(Hb)レベルを徐々に増加させ、治療効果を最大化するために、ミタピバットは、4週間ごとに次の用量レベルに用量を増加させながら、5mg、20mg、及び50mgの連続用量により1日2回滴定されるべきである(表1を参照されたい)。一部の患者は、5mg又は20mg、1日2回で正常なHbレベルに達する場合があるため、Hbレベルは、次の用量レベルに増加する前に評価されるべきである。最大推奨用量は、50mg、1日2回である。
【表1】
【0079】
急性溶血のリスクを最小限に抑えるために、ミタピバットの突然の中断又は中止は避けるべきである。代わりに、ミタピバットの投与量は、例えば、表2又は表2Aのスケジュールに従って漸減されるべきである。患者はまた、漸減期間中の黄疸、硬膜黄疸、暗色尿、めまい、混乱、疲労、及び/又は息切れを含む貧血を伴う急性溶血の兆候について監視されるべきである。
【表2】
【表2A】
【0080】
実施例2-非輸血依存性アルファ-又はベータ-サラセミアを有する成人対象におけるミタピバットの有効性及び安全性を評価する第3相、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、多施設試験(ENERGIZE)
本試験の主要目的は、貧血(すなわち、Hb応答)に対するミタピバット対プラセボの効果を比較することであり、対象がどのように感じ、機能するかを評価する患者報告アウトカム(FACIT-疲労)及びパフォーマンスアウトカム(6MWT)尺度、並びに溶血性及び赤血球産生パラメータ、並びに鉄代謝によって支持される。他の二次目的には、薬物動態及び薬力学的パラメータ、並びに安全性の評価が含まれる。安全性は、AE(有害事象)の発生率、重症度、及びタイプによって、並びにバイタルサイン、身体検査所見、臨床検査結果、及び骨ミネラル密度スキャンの評価によって評価されることになる。輸血及び他の支持療法(鉄キレート療法を含む)は、症状を管理し、二次的な合併症を予防するために、臨床的に必要であれば許可される。用量変更は、ある特定の条件下で、例えば、過剰なHb応答が生じた場合に許可される。
【0081】
対象の包含基準には、例えば、以下が含まれる:
●インフォームドコンセントを提供した時点で18歳以上である。
●Hb電気泳動、Hb高速液体クロマトグラフィー、及び/又は対象の医療記録からのDNA分析に基づく、サラセミア(α-グロビン遺伝子変異を伴う、若しくは伴わないβ-サラセミア、HbE/β-サラセミア、又はα-サラセミア/HbH疾患)の文書化された診断。この情報が対象の医療記録から入手できない場合、検査は、スクリーニング期間中に地元の検査室で実施することができる。地元の検査室が検査を行うことができない場合は、試験センター検査室によって実施された包括的なα-及びβ-グロビンジェノタイピングの結果を使用することができる。
●Hb濃度≦10.0g/dL、スクリーニング期間中に収集された少なくとも2つのHb濃度測定値(7日以上離れる)の平均に基づく。
●非輸血依存性、無作為化前の24週間の間に5以下の赤血球(RBC)単位として定義され、かつインフォームドコンセントを提供する8週間以上前又はスクリーニング期間中にRBC輸血がない。
●ヒドロキシ尿素を摂取する場合、ヒドロキシ尿素の用量は、無作為化前の16週間以上安定していなければならない。
【0082】
本試験の主要評価項目は、ベースラインと比較した12~24週目の平均Hb濃度の1.0g/dL以上の増加として定義されるヘモグロビン(Hb)応答である。
【0083】
対象は、経口投与のために100mgのBIDミタピバット又は一致したプラセボを受けることになる。本試験を中止する対象は、用量漸減を受けることになり、急性溶血の兆候及び症状、並びに貧血の悪化について監視されることになる。ミタピバットの様々な開始投与量に基づく、例示的な用量漸減プロトコルを以下に記載する。
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表6A】
【0084】
例えば、実施例1に記載されるような投与量漸増は、本試験では任意選択である。
【0085】
実施例3-輸血依存性アルファ-又はベータ-サラセミアを有する成人対象におけるミタピバットの有効性及び安全性を評価する第3相、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、多施設試験(ENERGIZE-T)
研究の主要目的は、α-又はβ-輸血依存性サラセミア(TDT)を有する対象における輸血負荷に対するミタピバット対プラセボの効果を比較することである。他の二次目的には、鉄過負荷のマーカー、薬物動態及び薬力学的パラメータ、並びに安全性の評価が含まれる。安全性は、AEの発生率、重症度、及びタイプによって、並びにバイタルサイン、身体検査所見、臨床検査結果、及び骨ミネラル密度スキャンの評価によって評価されることになる。対象は、臨床的に必要であれば、適用可能なガイドラインに従って、症状を管理し、二次的な合併症を予防するための適切な支持療法を受け続けることになる。過度のヘモグロビン応答、試験薬関連のAE、及び特に注目すべきトランスアミナーゼ増加の有害事象に対して、用量変更が許可される。
【0086】
対象の包含基準には、例えば、以下が含まれる:
●インフォームドコンセントを提供した時点で18歳以上である。
●Hb電気泳動、Hb高速液体クロマトグラフィー、及び/又は対象の医療記録からのDNA分析に基づく、サラセミア(α-グロビン遺伝子変異を伴う、若しくは伴わないβ-サラセミア、HbE/β-サラセミア、又はα-サラセミア/HbH疾患)の文書化された診断。この情報が対象の医療記録から入手できない場合、検査をスクリーニング期間中に地元の検査室で実施することができる。地元の検査室が検査を行うことができない場合は、試験センター検査室によって実施された包括的なα-及びβ-グロビンジェノタイピングの結果を使用することができる。
●輸血依存性、輸血された6~20のRBC単位、及び無作為化前の24週間の間に6週間以下の無輸血期間として定義される。
●ヒドロキシ尿素を摂取する場合、ヒドロキシ尿素の用量は、無作為化前の16週間以上安定していなければならない。
【0087】
本試験の主要評価項目は、ベースラインと比較して、48週目までの任意の連続した12週間の間に、輸血された赤血球(RBC)単位が50%以上低下し、輸血されたRBCが2単位以上低下すると定義される輸血低減応答(TRR)である。
【0088】
対象は、経口投与のために100mgのBIDミタピバット又は一致したプラセボを受けることになる。本試験を中止する対象は、用量漸減を受けることになり、急性溶血の兆候及び症状、並びに貧血の悪化について監視されることになる。ミタピバットの様々な開始投与量に基づく例示的な用量漸減プロトコルは、表3~6で上述されている。例えば、実施例1に記載されるような投与量漸増は、本試験では任意選択である。
【0089】
番号付きの実施形態
実施形態1.サラセミア又は鎌状赤血球症を治療することが必要な対象においてそれを治療する方法であって、その方法が、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量を対象に第1の期間にわたって投与することであって、その量が、対象のヘモグロビンレベルを増加させる、投与することと、第1の期間後に対象のヘモグロビンレベルを評価して、対象が目標ヘモグロビンレベル内にあるかどうかを判定することと、対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の初期量を投与し続けること、又は対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にない場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の第1の調整量を投与することと、を含む、方法。
【0090】
実施形態2.その方法が、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量を第2の期間にわたって投与することと、第2の期間後に対象のヘモグロビンレベルを評価して、対象が目標ヘモグロビンレベル内にあるかどうかを判定することと、対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、第1の調整量を投与し続けること、又は対象のヘモグロビンレベルが第2の期間後の目標ヘモグロビンレベル内にない場合は、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の第2の調整量を投与することと、を更に含む、実施形態1に記載の方法。
【0091】
実施形態3.その方法が、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第3の調整量を第3の期間にわたって投与すること、又は対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内にある場合は、第2の調整量を投与し続けることを更に含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0092】
実施形態4.その方法が、対象のヘモグロビンレベルを評価し続け、対象のヘモグロビンレベルが目標ヘモグロビンレベル内になるまで、ミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩の量を再調整すること、又は更なる調整なしにミタピバット若しくはその薬学的に許容される塩を対象に投与し続けることを更に含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
実施形態5.第1、第2、及び第3の期間が、各々独立して、約1~約12週、約1~約11週、約1~約10週、約1~約9週、約1~約8週、約1~約7週、約1~約6週、約1~約5週、約1~約4週、約1~約3週、約1~約2週、約2~約12週、約2~約11週、約2~約10週、約2~約9週、約2~約8週、約2~約7週、約2~約6週、約2~約5週、約2~約4週、約2~約3週、約3~約12週、約3~約11週、約3~約10週、約3~約9週、約3~約8週、約3~約7週、約3~約6週、約3~約5週、約3~約4週、約4~約12週、約4~約11週、約4~約10週、約4~約9週、約4~約8週、約4~約7週、約4~約6週、約4~約5週、約5~約12週、約5~約11週、約5~約10週、約5~約9週、約5~約8週、約5~約7週、約5~約6週、約6~約12週、約6~約11週、約6~約10週、約6~約9週、約6~約8週、及び約6~約7週から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
実施形態6.第1、第2、及び第3の期間が、各々独立して、少なくとも約1週、少なくとも約2週、少なくとも約3(3)週、少なくとも約4週、少なくとも約5週、少なくとも約6週、少なくとも約7週、少なくとも約8週、少なくとも約9週、少なくとも約10週、少なくとも約11週、及び少なくとも約12週から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
実施形態7.第1、第2、及び第3の期間が、各々独立して、最大で約1週、最大で約2週、最大で約3週、最大で約4週、最大で約5週、最大で約6週、最大で約7週、最大で約8週、最大で約9週、最大で約10週、最大で約11週、及び最大で約12週から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
実施形態8.第1、第2、及び第3の期間が、各々独立して、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約9週、約10週、約11週、及び約12週から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
実施形態9.第1の期間及び第2の期間が、同じ期間であり、第1の期間及び第3の期間が、同じ期間であり、第2の期間及び第3の期間が、同じ期間であり、又は第1の期間、第2の期間、及び第3の期間が、全て同じ期間である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
実施形態10.ミタピバットの初期量、ミタピバットの第1の調整量、ミタピバットの第2の調整量、及びミタピバットの第3の調整量が、各々独立して、約5mg、約20mg、約50mg、及び約100mgから選択され、ミタピバットの量の薬学的に許容される塩の初期量、ミタピバットの薬学的に許容される量の第1の調整量、ミタピバットの薬学的に許容される量の第2の調整量、及びミタピバットの薬学的に許容される量の第3の調整量が、各々独立して、約5mgのミタピバット、約20のミタピバット、約50mgのミタピバット、及び約100mgのミタピバットに等しい量から選択される、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
実施形態11.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の初期量、第1の調整量、第2の調整量、及び第3の調整量が、各々、1日1回(QD)、1日2回(BID)、又は1日3回(TID)投与される、実施形態1~10のいずれか1つの方法。
【0100】
実施形態12.目標ヘモグロビンレベルが、第1の期間、第2の期間、又は第3の期間のうちのいずれかにわたって、個別に又は集合的に、約1.0g/dL~約2.0g/dLの対象のベースラインヘモグロビンレベルの増加として特徴付けられる、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態13.目標ヘモグロビンレベルが、第1の期間、第2の期間、又は第3の期間のいずれかにわたって、個別に又は集合的に、約1.0g/dL、約1.5g/dL、又は約2.0g/dLの対象のベースラインヘモグロビンレベルの増加として特徴付けられる、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施形態14.目標ヘモグロビンレベルが、約12.0g/dL~約17.5g/dLである、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
【0103】
実施形態15.目標ヘモグロビンレベルが、16歳以上の男性で約13.5g/dL~約17.5g/dL、16歳以上の女性で約12.0g/dL~約15.5g/dLである、実施形態1~11及び14のいずれか1つの方法。
【0104】
実施形態16.サラセミアが、非輸血依存性サラセミア又は輸血依存性サラセミアである、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
【0105】
実施形態17.サラセミアが、非輸血依存性アルファサラセミア、非輸血依存性ベータサラセミア、輸血依存性アルファサラセミア、又は輸血依存性ベータサラセミアから選択される、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
【0106】
実施形態18.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、その方法が、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量を対象に第1の期間にわたって投与することであって、第1の調整量が、確立された1日量より少ない、投与することと、b)第1の期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む、方法。
【0107】
実施形態19.対象に投与されている、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量を低減させるための方法であって、その方法が、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量を対象に第1の期間にわたって投与することであって、第1の調整量が、確立された1日量より少ない、投与することと、b)第1の期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む、方法。
【0108】
実施形態20.c)対象が急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状を示す場合、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を治療するステップを更に含む、実施形態18又は19に記載の方法。
【0109】
実施形態21.第2の調整量を第2の期間にわたって使用してステップa)及びステップb)を繰り返すことと、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状について対象を監視し続けることと、を含み、第2の調整量が、第1の調整量より少ない、実施形態20に記載の方法。
【0110】
実施形態22.対象が急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状を示す場合、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を治療するステップを更に含む、実施形態21に記載の方法。
【0111】
実施形態23.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第1の調整量の投与が、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状が改善するまで続けられる、実施形態20~22のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態24.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第2の調整量の投与が、第1の期間の完了直後に開始される、実施形態21~23のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
実施形態25.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第3の調整量を第3の期間にわたって使用してステップa)及びステップb)を繰り返すことと、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状について対象を監視し続けることと、を更に含み、第3の調整量が、以前のステップa)で投与された調整量より少ない、実施形態21~24のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
実施形態26.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の第3の調整量の投与が、第2の期間の完了直後に開始される、実施形態25に記載の方法。
【0115】
実施形態27.ステップa)及びb)が、対象がもうミタピバット又はその薬学的に許容される塩を投与されなくなるまで繰り返される、実施形態18~26のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
実施形態28.対象が急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状を示す場合、対象を急性溶血若しくは貧血、又はその両方について治療するステップを更に含む、実施形態18~27のいずれか1つの方法。
【0117】
実施形態29.治療が、急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状が改善するまで続けられる、実施形態28に記載の方法。
【0118】
実施形態30.ミタピバットの確立された1日量が、1日当たり約10mg、1日当たり約40mg、1日当たり約100mg、及び1日当たり約200mgから選択され、薬学的に許容される塩の確立された1日量が、1日当たり約10mgのミタピバット、1日当たり約40mgのミタピバット、1日当たり約100mgのミタピバット、及び1日当たり約200mgのミタピバットに等しい量から選択される、実施形態18~29のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
実施形態31.第1の調整量の前に対象に投与されているミタピバットの確立された1日量が、約5mg BID、約20mg BID、約50mg BID、又は約100mg BIDから選択され、第1の調整量の前に対象に投与されている薬学的に許容される塩の確立された1日量が、約5mg BIDのミタピバット、約20mg BIDのミタピバット、約50mg BIDのミタピバット、又は約100mg BIDのミタピバットに等しい、実施形態18~30のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
実施形態32.ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量が、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の確立された1日量よりも約40%~約80%、約40%~約60%、約45%~約55%、及び約49%~約51%少ない量から選択される、実施形態18~31のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
実施形態33.ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量が、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の確立された1日量よりも約50%少ない、実施形態18~32のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
実施形態34.ミタピバットの第1の調整量が、約5mg、約20mg、約50mg、及び約100mgから選択され、薬学的に許容される塩の第1の調整量が、約5mgのミタピバット、約20mgのミタピバット、約50mgのミタピバット、及び約100mgのミタピバットに等しい、実施形態18~33のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
実施形態35.ミタピバットの第1の調整量が、約5mg QD、約20mg QD、約50mg QD、及び約100mg QDから選択され、薬学的に許容される塩の第1の調整量が、約5mg QDのミタピバット、約20mg QDのミタピバット、約50mg QDのミタピバット、及び約100mg QDのミタピバットに等しい、実施形態18~34のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
実施形態36.ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量が、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の確立された1日量よりも約60%~約80%、約70%~約80%、約45%~約85%、及び約55%~約65%少ない量から選択される量で、ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量を低減させる、実施形態21~35のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
実施形態37.ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量が、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量よりも約60%又は約75%少ない、実施形態19~36のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
実施形態38.ミタピバットの第2の調整量が、約50mg、約20mg、又は約5mgであり、ミタピバットの薬学的に許容される塩の第2の調整量が、約50mgのミタピバット、約20mgのミタピバット、又は約5mgのミタピバットに等しい、実施形態19~37のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
実施形態39.ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量が、1日1回(QD)投与されるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第1の調整量の量に等しい、実施形態19~38のいずれか1つに記載の方法。
【0128】
実施形態40.ミタピバットの第2の調整量の量が、約5mg QOD、約20mg QOD、約20mg QD、又は約50mg QDであり、薬学的に許容される塩の第2の調整量が、約5mg QODのミタピバット、約20mg QODのミタピバット、約20mg QODのミタピバット、又は約50mg QDのミタピバットに等しい、実施形態39に記載の方法。
【0129】
実施形態41.ミタピバット又は薬学的に許容される塩の第3の調整量が、1日おき(QOD)に投与されるミタピバット又は薬学的に許容される塩の第2の調整量の量と等しい、実施形態25~40のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
実施形態42.ミタピバットの第3の調整量が、約20mg QOD又は約50mg QODであり、薬学的に許容される塩の第3の調整量が、約20mg QOD又は約50mg QODのミタピバットに等しい、実施形態23~41のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
実施形態43.第1及び第2の期間が、各々独立して、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、及び約6日~約8日から選択される、実施形態16~42のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
実施形態44.第1及び第2の期間が、各々独立して、約2日~約5日間、約2日~約4日、約5日~約8日間、及び約6日~約8日から選択される、実施形態18~43のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
実施形態45.第1及び第2の期間が、各々独立して、約3日及び約7日から選択される、実施形態18~44のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
実施形態46.第1及び第2の期間が、両方とも同じ期間である、実施形態18~45のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
実施形態47.第3の期間が、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、及び約6日~約8日から選択される、実施形態25~46のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
実施形態48.第3の期間が、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約8日、及び約6日~約8日から選択される、実施形態25~47のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態49.第3の期間が、約7日である、実施形態25~48のいずれか1つの方法。
【0138】
実施形態50.第1、第2、及び第3の期間が、互いに同じ期間である、実施形態25~49のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
実施形態51.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止した後、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することを更に含む、実施形態18~50のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
実施形態52.監視が、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を検査することを含む、実施形態18~51のいずれか1つの方法。
【0141】
実施形態53.急性溶血が、ヘモグロビンの急速な損失を特徴とする、実施形態18~52のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
実施形態54.急性溶血が、約0.1g/dL/日超~約0.2g/dL/日のヘモグロビンの損失を特徴とする、実施形態18~53のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
実施形態55.急性溶血が、約1.7g/dL/日~約2.5g/dL/日のヘモグロビンの損失を特徴とする、実施形態18~54のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
実施形態56.急性溶血若しくは貧血、又はその両方が、黄疸、硬膜黄疸、暗色尿、めまい、混乱、疲労、又は息切れのうちの1つ以上を有する対象として特徴付けられる、実施形態18~52のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
実施形態57.対象が有害事象に罹患している場合、期間又は確立された1日用量にかかわらず、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与が、直ちに中止される、実施形態18~56のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態58.対象が、ピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)、サラセミア、及び鎌状赤血球症(SCD)から選択される状態について治療されている、実施形態18~57に記載の方法。
【0147】
実施形態59.対象が、溶血性貧血、又はピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)によって引き起こされるか、若しくはそれに関連する貧血について治療されている、実施形態18~57に記載の方法。
【0148】
実施形態60.対象が、鎌状赤血球症(SCD)について治療されている、実施形態16~58に記載の方法。
【0149】
実施形態61.サラセミアが、非輸血依存性サラセミア又は輸血依存性サラセミアである、実施形態58に記載の方法。
【0150】
実施形態62.サラセミアが、アルファサラセミア又はベータサラセミアである、実施形態58又は61の方法。
【0151】
実施形態63.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の確立された1日量の投与が必要な対象へのそれの投与を中止するための方法であって、その方法が、a)ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の全ての投与を直ちに中止することと、b)一定期間中、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することと、を含む、方法。
【0152】
実施形態64.対象が、臨床的に重大な有害反応に罹患している、実施形態63に記載の方法。
【0153】
実施形態65.対象が、約1日~約14日、約1日~約12日、約1日~約10日、約2日~約14日、約2日~約12日、約2日~約10日、約2日~約9日、約2日~約5日、約2日~約4日、約5日~約9日、約5日~約8日、約6日~約8日の期間、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について監視される、実施形態63又は64に記載の方法。
【0154】
実施形態66.対象が、約14日間以下監視される、実施形態63又は64に記載の方法。
【0155】
実施形態67.対象が、約7日間以下監視される、実施形態63又は64に記載の方法。
【0156】
実施形態68.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、結晶形態である、実施形態1~67のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
実施形態69.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、非結晶質である、実施形態1~68のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
実施形態70.対象が、ミタピバットを投与される、実施形態1~69のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
実施形態71.対象が、ミタピバットの薬学的に許容される塩を投与される、実施形態1~69のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
実施形態72.対象が、ミタピバットのヘミ硫酸塩を投与される、実施形態1~69及び71のいずれか1つの方法。
【0161】
実施形態73.対象が、ミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物塩を投与される、実施形態1~69、71、及び72のいずれか1つの方法。
【0162】
実施形態74.約5mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約5mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容されるによる治療を中止する方法であって、その方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:1日目~7日目:約5mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;8日目:その後、ミタピバット又はミタピバットの薬学的に許容される塩の投与を中止する。
【0163】
実施形態75.約5mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約5mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容されるによる治療を中止する方法であって、その方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:1日目~7日目:約5mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;8日目~14日目:約5mgのミタピバットを対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約5mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止する。
【0164】
実施形態76.約20mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約20mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、その方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:1日目~7日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;8日目~14日目:約5mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)に投与するか、又は約5mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止する。
【0165】
実施形態77.約20mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約20mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、その方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:1日目~7日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;8日目~14日目:約20mgのミタピバットを対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約20mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止する。
【0166】
実施形態78.約50mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約50mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、その方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:1日目~7日目:約50mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約50mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;8日目~14日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;15日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止する。
【0167】
実施形態79.約50mgのミタピバットを1日2回(BID)、又は約50mgのミタピバットBIDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている対象のための、ミタピバット又はその薬学的に許容される塩による治療を中止する方法であって、その方法が、以下の用量漸減スケジュールに従って、ミタピバット又はその薬学的に許容されるを投与することを含む、方法:1日目~7日目:約50mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約50mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;8日目~14日目:約20mgのミタピバットを対象に1日1回(QD)投与するか、又は約20mgのミタピバットQDに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;15日目~21日目:約20mgのミタピバットを対象に1日おき(QOD)に投与するか、又は約20mgのミタピバットQODに等しい量のミタピバットの薬学的に許容される塩を対象に投与する;22日目:ミタピバット又はその薬学的に許容される塩の投与を中止する。
【0168】
実施形態80.急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を監視することを更に含む、実施形態74~79のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
実施形態81.c)対象が急性溶血若しくは貧血、又はその両方の症状を示す場合、急性溶血若しくは貧血、又はその両方について対象を治療するステップを更に含む、実施形態74~80のいずれか1つの方法。
【0170】
実施形態82.対象が、ピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)、サラセミア、及び鎌状赤血球症(SCD)から選択される状態について治療されている、実施形態74~81のいずれか1つに記載の方法。
【0171】
実施形態83.対象が、溶血性貧血、又はピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)によって引き起こされるか、若しくはそれに関連する貧血について治療されている、実施形態74~82のいずれか1つに記載の方法。
【0172】
実施形態84.対象が、鎌状赤血球症(SCD)について治療されている、実施形態74~82のいずれか1つに記載の方法。
【0173】
実施形態85.サラセミアが、非輸血依存性サラセミア又は輸血依存性サラセミアである、実施形態82に記載の方法。
【0174】
実施形態86.サラセミアが、アルファサラセミア又はベータサラセミアである、実施形態82又は85に記載の方法。
【0175】
実施形態87.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、結晶形態である、実施形態74~86のいずれか1つに記載の方法。
【0176】
実施形態88.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、非結晶質である、実施形態74~86のいずれか1つに記載の方法。
【0177】
実施形態89.対象が、用量漸減スケジュールの前にミタピバットを投与されている、実施形態74~88のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
実施形態90.対象が、用量漸減スケジュールによって列挙される量のミタピバットを投与される、実施形態74~89のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
実施形態91.対象が、用量漸減スケジュールの前にミタピバットの薬学的に許容される塩を投与されている、実施形態74~88のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
実施形態92.対象が、用量漸減スケジュールによって列挙される量のミタピバットの薬学的に許容される塩を投与される、実施形態74~88及び91のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
実施形態93.対象が、ミタピバットのヘミ硫酸塩を投与される、実施形態74~88、91、及び92のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
実施形態94.対象が、ミタピバットのヘミ硫酸セスキ水和物塩を投与される、実施形態74~88及び91~93のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
実施形態95.約5mg、約20mg、及び約50mgのミタピバット、又は約5mgのミタピバット、約20mgのミタピバット、及び約50mgのミタピバットの剤形に等しい量のその薬学的に許容される塩から選択される1つ以上の経口剤形を含むテーパーパックを含む、キット。
【0184】
実施形態96.ミタピバット又はその薬学的に許容される塩が、急性溶血若しくは貧血、又はその両方のリスクを最小限に抑えるために、実施形態1~94に記載の方法のいずれかに従って投与される、実施形態95に記載のキット。
【0185】
実施形態97.テーパーパックが、約5mg、約20mg、及び約50mgのミタピバット、又は約5mg、約20mg、及び約50mgのミタピバットから選択される用量に等しい量のその薬学的に許容される塩から選択される1~約7回の経口用量を含む、実施形態95又は96に記載のキット。
【0186】
実施形態98.テーパーパックが、約5mgのミタピバット、又は約5mgのミタピバットに等しい量のその薬学的に許容される塩の1~約7回の経口用量を含む、実施形態95~97のいずれか1つに記載のキット。
【0187】
実施形態99.テーパーパックが、約5mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、及び約20mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、又は約5mg及び約20mgのミタピバットに等しい量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態95~97のいずれか1つに記載のキット。
【0188】
実施形態100.テーパーパックが、約20mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、及び約50mgのミタピバットの1~約7回の経口用量、又は約20mg若しくは約50mgのミタピバットに等しい量のその薬学的に許容される塩を含む、実施形態95~97のいずれか1つに記載のキット。
【0189】
いくつかの実施形態が記載されたが、本開示の範囲は、例によって表された特定の実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。本願全体にわたって引用される、全ての参考文献(文献の参照、発行された特許、公開特許出願、及び同時係属特許出願を含む)は、参照によりそれらの全ての内容が明示的に本明細書に組み込まれる。別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、当業者に一般的に知られる意味と一致する。
【国際調査報告】