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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】隆起したフローリング構造体
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/18 20060101AFI20240424BHJP
   E04B 5/43 20060101ALI20240424BHJP
   E04B 1/70 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
E04F15/18 B
E04B5/43 A
E04B5/43 B
E04B1/70 A
E04B5/43 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568016
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 NL2022050240
(87)【国際公開番号】W WO2022235157
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】2028139
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522466452
【氏名又は名称】ゴーフロー・テクノロジー・アイピー・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】GOFLOW TECHNOLOGY IP B.V.
【住所又は居所原語表記】Wattstraat 56,2171 TR Sassenheim,NETHERLANDS
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】フルーヘ, ノルベルト ピーター
(72)【発明者】
【氏名】カペルホフ, ロジャー
【テーマコード(参考)】
2E001
2E220
【Fターム(参考)】
2E001DB02
2E001FA11
2E001ND05
2E220AA09
2E220AA35
2E220AB08
2E220AC03
2E220BA03
2E220BA15
2E220BA26
2E220BA28
2E220DA11
2E220DB03
2E220EA03
2E220GA25X
2E220GB32X
(57)【要約】
本発明は、所定の相互距離Wで横断方向Tに実質的に平行に延びる第1の横断支持梁(107)および第2の横断支持梁(108)を含む、隆起した換気床構造体(105,106)に関する。支持梁(107、108)は、接続プロファイル(109、110)を介して相互接続され、格子構造体を形成する。多数の開口を有する側壁を有するキャリアプロファイルは、それらの端部が支持梁(107、108)上に支持される。閉じた表面を有するパネルが各キャリアプロファイル上に支持され、隣接するパネルの側縁部が間隔を隔てて換気ギャップ(55)を形成する。支持梁(107、108)は、長さ方向Lにおいてキャリアプロファイルの側壁に沿って、および/または、側壁の下に、換気ギャップの下に延びる細長い収集部材を形成し、収集チャネル(70,100)を形成する。空気流路は、キャリアプロファイル(5051)の側壁間の空間から開口(42,44)を介して収集チャネル(70,100)まで、および隣接するパネル(46, 48)間の換気ギャップ(55)まで延びている。
【選択図】 図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の相互距離Wで横断方向Tに実質的に平行に延びる第1の横断方向支持梁および第2の横断方向支持梁(11,26,26,28)を備える、隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)において、
第1のフローリング部材および第2のフローリング部材と、
細長い収集部材(57,63,64,67,68,71,93,94,134)と、
空気流路と、
を備え、
各フローリング部材は、最上部支持面(36,59,60)と、前記最上部支持面(36,59,60)を横断して延びる2つの側壁(38,40、56,58,61,62,65,66)とを備えたキャリアプロファイル(22-25,50,51,86)を備え、前記側壁は、それらの長さに沿って多数の孔(42,44)と、閉じられた面を備えたパネル(9,10,47,48)とを備え、前記パネルは、前記最上部支持面(36,59,60)上に支持され、前記側壁(38,40,56,58、61,62,65,66)から間隔(c)で延びる側縁部(53,54)を有し、
前記フローリング部材のキャリアプロファイル(22-25,50,51)は、それらの端部(30,31)が、それぞれの横断方向支持梁(11,26,26,28)上に支持され長さ方向Lに延びるように隣接して配置され、隣接するパネル(47,48)の前記側縁部(53,54)は、それらの間に換気隙間(55)を形成するように間隔を置いて配置され、
前記細長い収集部材(57,63,64,67,68,71,93,94,134)は、前記長さ方向Lの側壁に沿って、および/または、その下に延び、かつ、隣接するキャリアプロファイル(22-25,50,51)の前記側壁(56,58;62,65)の間で前記横断方向Tの幅Sに沿って延び、
前記空気流路は、キャリアプロファイル(50,51)の前記側壁(56,61;58,66)の間の空間から、前記孔(42,44)を通って、前記収集チャネル(70、100)および前記隣接するパネル(46,48)の間の前記換気隙間(55)まで延びる、隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項2】
前記収集部材は、隣接する横断方向支持梁(26,27,28,49,52,107,108)を相互接続する接続プロファイル(88,93,109,110,134)を備える、請求項1に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項3】
前記キャリアプロファイル(22-25,50,51,86)は、細長い略U字形状であり、側壁(38,40,56,58,61,62,65,66)を備え、前記側壁は、それぞれ、その下縁部に、横断方向Tに延びて前記収集チャネル(70,100)の前記幅の0.25-0.5倍の間を架橋するフランジ(63,64,67,68)を備える、請求項1に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項4】
少なくとも部分的に前記収集チャネル(70,100)内に延び、前記収集チャネル(70,100)の対向する側壁(56,58,91,92)と密閉して係合する可撓性ライナ(57,94)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項5】
前記フローリング部材の下に空気入口(5)と、前記空気入口から、それぞれ異なる間隔に位置する第1のフローリング部材および第2のフローリング部材とを備え、前記孔(42,44)は、前記第1のフローリング部材および第2のフローリング部材の側壁(38,40,56,58,61,62,65,66,91,92,99)を通る実質的に等しい空気流を提供するように適合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項6】
前記第1のフローリング部材の前記側壁(38,40,56,58,61,62,65,66,91,92,99)における前記孔(42,44)の大きさおよび/または相互間隔は、前記第2のフローリング部材の前記側壁における穴の大きさおよび/または相互間隔と異なる、請求項5に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項7】
前記側壁(38,40,56,58,61,62,65,66,91,92,99)には、前記側壁の前記孔(42,44,102)の所定の表面積を覆う為の可動カバー部材(101,104)が設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項8】
前記カバー部材は、前記孔(102)の上方で長さ方向に延びる各側壁(99)に、その軸を中心にヒンジ結合可能に接続されたロッド(104)を備え、多数の閉鎖部材(101)は、前記ロッドに接続され、前記カバーが前記側壁に対して実質的に平行に延びる閉鎖位置と、前記カバーが前記開口部から離れて延びる開放位置との間で前記孔に対してヒンジ結合可能である、請求項7に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項9】
前記横断方向支持梁(11,26,26,28)は、U字状の液体移送チャネル(122)を備え、前記液体移送チャネルは、前記収集チャネル(70,100)から液体を受けるための入口(73,74)を備えた隣接するフローリングパネル間の各収集チャネルの位置にある、請求項1~8のいずれか一項に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項10】
前記パネル(9,10,46,48)の下、好ましくは、前記収集チャネル(70,100)の近く、または、その中に、加熱要素、冷却要素または照明要素が、前記換気隙間(55)を通って冷熱の伝達または光の放出のために提供される、請求項1~9のいずれか一項に記載の隆起した換気フローリング構造体(4,97,105,106)。
【請求項11】
最上部支持面(59,60)と、前記最上部支持表(59,60)を横切って延びる2つの側壁(38,40,56,58,61,62,65,66)とを備えたキャリアプロファイル(22-25,50,51,86)を備える、フローリング部材であって、前記側壁(38,40,56,58,61,62,65,66)は、それらの長さWに沿って多数の孔(42,44,102)を備え、
前記パネル(47,48)は、閉じられ面を備え、前記パネルは、前記最上部支持面(59,60)に付けられ、前記側壁(56,58,61,66)から間隔cで延びる側縁部(53,54)を有する、フローリング部材。
【請求項12】
隆起した換気フローリング構造体を構築する方法であって、
所定の相互間隔Wで横断方向Tに実質的に平行に延びる第1の横断支持梁および第2の横断支持梁(26,27,28,49,52)を設置するステップと、
長さ方向Lに延びる接続プロファイル(88,93,109,110,134)を介して前記横断方向支持梁(26,27,28,49,52)を相互接続するステップと、
端部がそれぞれの横断方向支持梁(26,27,28,49,52)上に支持され、収集チャネル(70,100)を形成するために、それぞれの接続プロファイル(88,93,109,110,134)上方に置かれた側壁を備えたキャリアプロファイル(5051)を有するフローリング部材を提供するステップであって、前記フローリング部材は、前記キャリアプロファイルの側壁が相互間隔Sを隔てて横断方向に隣接して位置し、前記パネル(46,48)は、それぞれ閉じられた面を有し、側縁部(53,54)を備えた前記最上部支持面上に支持され、前記側縁部(53,54)は、前記側壁(56,58,61,66)から間隔Cで延び、)隣接するパネル(46,48)の前記側淵部(53,54)は、それらの間に換気隙間(55)を形成するように間隔を隔てて配置される、ステップと、
前記フローリング部材の側壁間の空間から前記孔を通って前記収集チャネル(70,100)および隣接するパネル間の前記換気隙間(55)まで延びる流路を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の隆起した換気フローリング構造体を備える部屋を換気する方法であって、
空気入口点で前記パネル(46,48)の下方に空気を吹き付けるステップと、
前記キャリアプロファイル(22-25,50,51)の前記長さ方向Lに空気を移送するステップと、
前記孔を通る流れ抵抗を変化させて、前記空気入口点からの可変間隔に位置するフローリング部材の為の前記側壁の開口部を通る実質的に一定の空気抵抗を与えるように、前記フローリング部材の前記側壁(38,40,56,58,61,62,65,66)の孔を提供するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横断方向Tにおいて所定の相互間隔Wで実質的に平行に延びる第1および第2の横断支持梁と、第1および第2のフローリング部材とを備え、各フローリング部材は、最上部支持面および最上面に対して横断方向に延びる2つの側壁を有するキャリアプロファイルを備え、側壁は、それらの長さに沿って多数の孔を備える、隆起した換気フローリング構造体に関する。
【0002】
本発明はまた、フローリング部材、隆起した換気フローリング構造体を設置する方法、および部屋を換気する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータサーバ室用の隆起した換気フローリングシステムが知られており、このシステムでは、キャリアが格子構造体の形でコンクリート床の上に所定の間隔だけ支持されている。キャリアは、鋼のU字状プロファイルと、パネルの下の空間に位置するHVACシステムからの空気の移送を可能にするために穿孔された支持金属パネルまたはサンドイッチパネルとから形成されてもよい。このようにして、冷却空気を床で支持されているコンピュータに移送ことができ、電力ケーブルおよびデータケーブルをパネルの下に収容されたケーブルトレイに設置することができる。
【0004】
既知の換気フローリングシステムは、汚れおよび水が比較的容易に開放パネルを通過することができ、床の下の空間に入る可能性があるという欠点を有する。また、床の開口部は、床を横切って空気抵抗を変化させて床から上方に上昇する空気の流れが乱されるようにすることができる汚れによってブロックされる場合がある。さらに、開いたパネルを通る空気の流れの調整は提供されない。オープン格子パネルを有する既知の換気フローリングシステムは、ハイヒールを着用するときにアクセスすることができず、社会的環境にあまり適していない工業的外観を有する。
【0005】
本発明の目的は、フローリングパネル下の空間への水や汚れの侵入を防止した換気フローリング構造体を提供することにある。また、本発明の目的は、パネルを通る空気の流れをフローリング構造体の面全体にわたって正確に制御することができるフローリング構造体を提供することである。また、本発明の目的は、換気されたフローリング構造体を設置するための迅速かつ効率的な方法を提供することであり、この方法は、室内の居住者に対して高い快適性を維持しながら、高い空気置換率およびその結果としての空気清浄度をもたらす室内の換気方法を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
ここで、本発明による隆起された換気フローリング構造体は、閉じられた面を有するパネルを備え、各パネルは、最上部支持面上に支持され、側壁から距離を置いて延びる側縁部を有し、フローリング部材のキャリアプロファイルは、隣接して置かれ、それらの端部がそれぞれの横断方向支持梁上に支持されて長さ方向Lに延び、パネルの側縁部は、それらの間に隙間を形成するように間隔を隔てられ、長さ方向Lの側壁の下におよび/または側壁に沿って延び、隣接するフローリング部材の側壁間の横断方向の幅Sに沿って延びて収集チャネルを形成する細長い収集部材と、第1のキャリアプロファイルの側壁間の空間から、収集チャネルへの開口部を通って隣接するパネル間の換気隙間へと延びる流路とを形成する。
【0007】
本発明による閉じられたパネルおよび隣接するパネル間の換気隙間の下方の収集チャネルによって、良好な換気特性とフローリングパネルを液体洗浄物質で洗浄する可能性とを組み合わせたフローリング構造体が得られる。隣接するフローリングパネル間の換気隙間を形成して出る上向きの空気流は、例えば20m-80m/m/時の大容量の空気を置換する層流の空気を生じさせ、混合または乱流なしに床から上方に部屋のシーリングの出口へと流れる。これは、特にCOVID-19ウイルスのない清潔な環境をもたらし、「シックハウス症候群」とも呼ばれる汚染された空気による問題に対処するのに役立つ。
【0008】
パネル間の換気隙間に入るダストおよび他の粒子は、チャネル内に集められ、隆起したフローリングが支持されている床面に到達することができない。キャリアプロファイルの側部の孔は、収集チャネルの底部よりも高いレベルに位置しているので、チャネル内のダストおよび粒子は底部に蓄積され、一方、空気は、ダストおよび粒子を室内に進入させることなく、開口部から汚れの頭上の換気隙間まで自由に流れることができる。これにより、非常に高いレベルの空気清浄度が、ISO 14644-2に従ったISOクラスの順序で得られる。
【0009】
収集チャネル内に蓄積する粒子は、粒子を洗浄し、洗浄流体とともに粒子をチャネルを通して除去位置に移送することによって洗浄することができ、または隣接するパネル間の換気隙間に導入される狭いノズルを有する真空掃除機を介して除去することができる。重力に誘導された適切な水流のために、隆起された床は、水が燭炭を通って除去位置まで流れることができるように、僅かに傾斜して置かれてもよい。
【0010】
本発明に係るフローリングは、横断方向支持梁を床に置き、パネルを固定した状態でキャリアプロファイルを支持梁上に支持することにより、特別な工具を必要とせずに、強固で相互接続された格子構造体を形成することによって、容易に設置することができる。
【0011】
収集チャネルは、キャリアプロファイルの側壁に接続され得るか、または側壁の下方に、その間隔で置かれる。
【0012】
本発明による隆起した換気フローリング構造体の一実施形態において、収集部材は、隣接する横断方向支持梁を相互接続する接続プロファイルを備える。接続プロファイルは、収集チャネル上に横たわる換気隙間を通って進入するダストおよび汚れを収集および除去するための収集チャネルを形成するのに役立つ。相互接続された横断方向支持梁は、特別なツールを使用することなくフローリングパネルを置くことができる強力な格子を形成する。
【0013】
本発明による隆起した換気フローリング構造体の別の実施形態において、キャリアプロファイル(22-25,50,51,86)は、細長い略U字状形態であり、側壁はそれぞれ、その下側に、横断方向に延び、チャネルの幅sの0.25-0.5の間を架橋するフランジを備える。フランジは、収集チャネルの底部を画定し、互いに当接してもよく、または小さい相互間隔で離間されてもよい。
【0014】
U字状の可撓性プラスチックを部分的または全体的に収集チャネルに導入して、対向する側壁と密封係合させて、チャネルの水密シールを得ることができる。
【0015】
パネルの下方の空気流入位置から異なる距離にあるフローリング部材を通る空気の一定の流れを得るために、孔の大きさおよび/または相互間隔は、長さ方向に沿った異なる位置に位置するフローリング部材に対して変化されてもよい。部屋全体にわたって大容量の空気の一定の上方層流置換を生成するこのようなフローリング要素は、GoFLow B.V.の名称で2020年5月29日に出願されたオランダ特許出願番号NL 2 025 707に詳細に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
換気フローリング構造体の別の実施形態において、側壁には、側壁の孔の所定の表面積を覆うための可動カバー部材が設けられている。
【0017】
可動カバー部材は、例えば、孔に沿って手動でスライドして、フローリングの設置時に孔の所定の領域をブロックすることができるスライドストリップを備えることができる。
【0018】
好ましい実施形態において、カバー部材は、空気圧に基づいてその位置を調整し、各側壁に接続され、その軸を中心にヒンジ結合可能なように開口部の上方に長さ方向に延びるロッドを備え、多数の閉鎖部材がロッドに接続され、カバーが側壁に対して実質的に平行に延びる閉鎖位置と、カバーが開口部の平面に対して一定角度で延びる開放位置との間で開口部に対してヒンジ結合可能である。
【0019】
空気圧が増加すると、閉鎖部材は持ち上げられて、開放されたより大きな開口部を残し、その結果、空気速度が減少し、一定の体積の空気が開口部を通って流れる。
【0020】
簡単な手動調整可能性のために、各閉鎖部材は、回転装着点において接続部材によってロッドに接続されて、ロッドに対して横断する調整軸を中心に回転可能であり、閉鎖部材は、回転装着点から離れた位置に調整ウェイトを備える。
【0021】
閉鎖部材の偏心した重量分布は、閉鎖部材の手動回転によって、ロッドに対して閉鎖部材によって加えられるモーメントを変化させることを可能にする。このようにして、閉鎖部材を開口部から持ち上げるのに必要な力が調整される。
【0022】
横断方向支持梁は、U字状の液体移送チャネルを備えてもよく、液体移送チャネルは、収集チャネルから液体を受けるための入口を備えた隣接するフローリングパネル間の各収集チャネルの位置にある。
【0023】
本発明による隆起した換気フローリングの更なる実施形態において、加熱、冷却または照明要素が、パネルの下方、好ましくは収集チャネルの近く、または、中に、換気隙間を通って部屋に熱または冷熱を伝達するために、または光を放出するために、提供されてもよい。フローリングパネルは、列車またはバスの駅、空港、オフィスビル、学校、博物館、病院などで利用されて、床要素内の経路表示と組み合わされた換気領域を提供することができる。
【0024】
本発明による設置方法は、収集チャネルの一部を形成する相互接続プロファイルを有する格子構造体を形成するために、支持梁を置き、相互接続するステップを含む。フローリング部材は、特別な工具を用いることなく格子上に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明による隆起した換気フローリングの実施形態は、非限定的な実施例として、添付の図面を参照して詳細に説明される。
図1図1は、本発明による隆起した換気フローリングを備える部屋を示す。
図2図2は、パネルを除去した本発明による4つのキャリアプロファイルの斜視図を示す。
図3図3は、本発明による2つのフローリング部材の斜視図を示す。
図4図4は、図3のフローリング部材の側面図を示す。
図5図5は、本発明によるフローリング部材の収集チャネルの代替実施形態を示す。
図6図6は、本発明によるフローリング部材の横列の斜視図を示す。
図7図7は、図6の拡大された詳細を示す。
図8図8は、図6のフローリング部材の横断面図を示す。
図9図9は、図6のフローリング部材の長手方向側面図を示す。
図10図10は、本発明による隆起された換気フローリング構造体の斜視図を示す。
図11図11は、図10の構造体の横断面図を示す。
図12図12は、図10の構造体の拡大尺度で詳細を示す。
図13図13は、本発明による隆起された換気フローリング構造体の別の実施形態の斜視図を示す。
図14図14は、図12の構造体の縦断面図を示す。
図15図15は、図12の構造体の横断面図を示す。
【0026】
【実施形態の詳細な説明】
【0027】
図1は、側壁2,3および隆起した換気フローリング4を備えた部屋1を示す。フローリング4は、パネル9,10を備えているが、これらのパネル9,10は、長さ方向Lに延びるキャリアプロファイルに付けられ、横断方向Tに延びる横断方向支持梁11に支持されている。横断方向支持梁11は、建物の床13に載置された調整可能な脚12に装着されている。床13は、コンクリートで形成されてもよい。隣り合うパネル9,10の間には、長さ方向Lに延びる換気隙間14,15が位置している。
【0028】
後壁3に沿った垂直空気供給ダクト5は、クリーンで調節された空気を、コンクリート床13と閉鎖面パネル9、10との間の空気供給空間6に向けて下方に移送する。パネル9、10の下の換気空間において、空気は、矢印17、18によって示されるように、長さ方向Lに移動し、パネル間の換気隙間14、15を上方に通過する。上方に移動する空気1718は、シーリング8を通過し、空気除去ダクト(図示せず)によって除去され、周囲に換気されるか、または濾過され、除湿され、加熱または冷却され、空気供給ダクト5に戻される。
【0029】
本発明は、ダクト5の底部の空気入口点からの換気隙間の間隔が増加するにつれて、空気供給空間から換気隙間14,15を通って上方に通過する空気17、18の空気抵抗を減少させる。このようにして、フローリング4からシーリング8に向かって直立して流れる空気の層流が得られ、粒子またはウイルスが部屋を横方向に拡散することなく、少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20倍のような大量の空気をリフレッシュすることができる。容積が150mで床面が50mの部屋の場合、換気率は、例えば、風速0.6cm/sで1200m/時とすることができる。換気隙間の面が部屋の表面積の1%、2%、3%から最大5%まで変化するとき、換気隙間における空気速度は60cm/sから12cm/sまでの範囲である。
【0030】
空気速度は比較的低いままとすることができるので、部屋の居住者が不快感を経験することはなく、それでもなお高い空気置換率を達成する。
【0031】
図2は、フローリングパネルの2つの隣接する長手方向の列20、21の一部である2対の隣接するキャリアプロファイル22,24,23,25を示しており、これらのパネルは、明瞭性の理由から、この図には示されていない。各キャリアプロファイル22-25は、その端部30,31で、横断方向Tに延び、例えば、60cmの長さ方向Lに間隔wで離間された横断方向支持梁26,27,28上に支持されている。各支持梁26-28は、2.5mmのステンレス鋼板で作られ、高さ調整可能な脚34,35上に支持される。
【0032】
各キャリアプロファイル22-25は、その底部が開口し、最上面36と2つの側壁38,40を有し、2.5mmの厚さを有する単一の鋼板から折り曲げることができるように、一般的にU字形状である。各側壁38,40には、一連の穴42、44が設けられている。
【0033】
図3は、パネル47、48を有する2つの隣接するフローリング部材45、46を示し、これらのパネルは、例えば、接着剤によって各キャリアプロファイル50、51の最上面に付けられ、それらの長手方向縁部53,54と所定の距離を隔てて配置され、それらの間に、例えば、1mmから10mmの幅を有することができる換気隙間55を形成する。パネル47,48は、空気または水がパネルを通過できないように、閉じられた面を有する。
【0034】
キャリア50,51は、支持梁49,52に支持されている。可撓性のプラスチックまたはゴム材料からなる防水防塵ライナ57が、隣接するキャリアプロファイル50,51の側壁56,58の間に挿入されて、換気隙間55を通って侵入した水または粒子がプロファイル50,51を吹き飛ばす空間に到達することを防止し、5mmから50mmの範囲であり得る幅sの収集チャネルを規定する。
【0035】
図4は、パネル47、48およびキャリアプロファイル50,51の側面図を示す。パネル47、48は、最上面59、60に接着されるか、さもなければ接続される。側壁56、58、61、66は、各換気隙間55の下に位置された収集チャネル70の底部を形成する横断フランジ63,64,67,68と共に、それらの下縁部に提供される。ライナ57は、収集チャネル70内に置かれ、孔の下の対向する側壁56、58と接触して、矢印によって概略的に示されるように、側壁を通る空気流が乱されないようにする。
【0036】
図5は、収集部材71が側壁62,65の下に置かれて収集チャネルを形成する代替実施形態を示す。収集部材71は、プラスチック材料で作ることができ、側壁62,65の下部の周りにクランプするキャップを形成する。あるいは、収集部材71は、鋼板から作られ、横断方向支持梁49,52に接続されて、高い構造安定性の格子構造体を提供する。
【0037】
図6は、脚部69上に置かれた支持梁49、52上に支持されたフローリング部材45,46の横断方向の列を示す。支持梁49,52はU字状であり、換気隙間55を通過し、続いて収集チャネル70に収集される液体を移送し、支持梁49、52を通して汚れおよびダストを洗い流すことができる。収集チャネル70を通る液体の移送を促進するために、梁52を支持する脚部69の高さは、脚部支持梁49より低くてもよく、その結果、液体は重力の影響を受けて収集チャネル70を通って流れる。
【0038】
図7は、その側壁56、61の端部に、支持梁52の対応するノッチ73、74に嵌合する垂直スリット72を有するフローリング部材45の拡大された詳細を示す。このようにして、フローリング部材46は、追加のツールを使用することなく、迅速かつ確実に所定の位置で支持梁52に接続することができる。
【0039】
図8は、図7のフローリング部材の横断面図を示し、図9は、支持梁52の上方位置にあるフローリング部材45’と、支持梁49、52のノッチ73に接続される位置にあるフローリング部材45とを示す。
【0040】
図10は、本発明による換気フローリング79を示しており、長方形のフローリング部材80,81が、脚部84,85上の床の上方に隆起された支持梁82、83上に支持されている。キャリアプロファイル86は、その横断方向側部に沿って、横断方向Tに延びる有孔側壁87を備えている。収集チャネルは、長さ方向Lに延びるu字状接続プロファイル88を備え、これらの接続プロファイル88は、支持梁82,83を相互接続し、フローリング部材80,81が支持される格子構造体を形成する。
【0041】
図11は、拡大された尺度でフローリング部材80,81を示し、間隔sだけ離れている横断壁89、90および側壁91、92を示す。パネル96,97は、側壁91、92を越えて突出し、換気隙間98によって分離されている。弁構造体95は、各フローリング部材8081の下の空気圧に応じて側壁91,92の孔を選択的に閉鎖するために設けられている。側壁91,92の下側には、側壁91、92と密閉的に係合する可撓性チャネル部材94が設けられている。可撓性チャネル部材94は、U字状接続プロファイル93の上方かつ部分的に内部に延び、収集チャネル組立体100を形成する。
【0042】
図12は、キャリアプロファイル86が、孔102を覆うことができる多数の閉鎖部材101を担持するヒンジ可能なロッド104を備えた、その側壁99に沿っていることを示す。プロファイル86より下の空気圧に応じて、閉鎖部材101は側壁99の面から離れてヒンジ結合され、より大きな表面積を露出し、その結果、部屋の表面積を横切る全てのフローリング部材80,81に対して、一定容積の空気が孔102および換気隙間を通って上方に流れる。
【0043】
図12に見られるように、可撓性チャネル部材103は、側壁99に固定されて、それがフローリング部材との組立を形成し、フローリングの設置時にフローリング部材と共に、支持梁82,83上および接続プロファイル93内の所定の位置に降下され得る。
【0044】
図13は、支持格子106およびフローリング面105の分解図を示す。設置時に、支持格子106は、支持梁107、108を脚部111、112上の必要な高さに位置決めし、接続プロファイル109、110を介して支持梁を相互接続することによって形成される。次に、個々のフローリング部材113は、支持格子106上の適切な位置に下げられる。
【0045】
図14は、2つの隣接するフローリング部材120、121を支持する横断方向支持梁122を支持する支持脚部123を示す。横断方向支持梁122は、上部横断方向フランジ125、126を有し、それぞれが、穴を介して、フローリング部材120,121の周囲でピン124、127と接続している。
【0046】
図15は、脚部132によって支持される1つの支持梁133上に支持された2つの隣接するフローリング部材130、131を示す。U字状接続プロファイル134は、フランジ137を通って支持梁133に接続される。フローリング部材130、131の側壁135、136には、接続プロファイル134によって支持される横断フランジが設けられている。
【0047】
本発明による換気フローリングは温室の成長テーブルとしても使用することができ、ここで作物はパネル上に支持され、追加された二酸化炭素を含み得る空気の層流が作物に沿って上方に移送される。
【0048】
パネルの下方に、加熱または冷却要素などの能動要素を置いて、加熱または冷却された空気が換気隙間を通して上方に吹き上げられるようにしてもよい。
【0049】
照明要素は、パネルの下に含まれて、パネル上を歩く人に移動方向を示す視覚的な表示を提供することができる。
【0050】
換気フローリングは、パネルの下にスピーカ要素を含むことができ、スピーカ要素は、ノイズ除去または火災警報などのセキュリティ目的のために、換気隙間を通して音楽または音波を移送するために使用することができる。
【0051】
さらに、例えば、映画または作業空間領域において空気のリフレッシュを提供するために、香りなどの添加剤を、換気隙間を通して上方に吹き上げる空気に追加してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
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【国際調査報告】