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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】含窒素複素環式化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240424BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240424BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240424BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240424BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20240424BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240424BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P35/02
C07D487/04 140
C07D487/04 CSP
A61K31/5377
A61K31/444
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568670
(86)(22)【出願日】2022-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 CN2022092182
(87)【国際公開番号】W WO2022237830
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】202110511570.7
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111114252.3
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210086937.X
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】319007376
【氏名又は名称】エボポイント、バイオサイエンシズ、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EVOPOINT BIOSCIENCES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ユーチュアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シャオ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ヨンファ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シー
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】フー,ヨンハン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF05
4C050GG01
4C050HH04
4C065AA04
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH05
4C065JJ02
4C065KK02
4C065KK03
4C065KK04
4C065KK08
4C065LL01
4C065LL02
4C065PP04
4C065PP07
4C065PP10
4C065PP12
4C065PP16
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、含窒素複素環式化合物に関する。特に、本発明は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される形態、それを含む医薬組成物、及びHPK1関連疾患の予防及び/又は治療のためのその医薬用途に関する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であって、
【化1】

ここで、
及びAは、N又はCR1-1からそれぞれ独立して選ばれ、R1-1は、H、ハロゲン、CN又はC1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
は、N又はCR2-1から選ばれ、R2-1は、H、OH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル基、C1-6アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-6アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のR3-1で任意選択的に置換され、各R3-1は、オキソ基、ハロゲン、OH、CN、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニル基又はNR3-1-13-1-2から独立して選ばれ、R3-1-1及びR3-1-2は、H又はC1-6アルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、
は、N又はCR4-1から選ばれ、R4-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
は、N又はCR5-1から選ばれ、R5-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
は、N又はCR6-1から選ばれ、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基、-OR6-2、-SR6-2、-S(=O)R6-2、-S(=O)6-2、NH、-NHR6-2、-NR6-26-3、-C(=O)R6-2、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NHR6-2、-C(=O)NR6-26-3、-NR6-2C(=O)R6-2又は-NR6-2C(=O)NR6-26-3から選ばれ、ここで、R6-2及びR6-3は、H、C1-8アルキル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基、C6-10アリール基又はC1-6アルコキシ基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、C1-4アルキル基、-C1-4アルキル基-C1-4アルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基からそれぞれ独立して選ばれ、
は、H、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基又は
【化2】

から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基は、CN、OH、ハロゲン、CF、-NR6e6f又は-C(=O)NR6g6hから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
1a及びR1bは、H、C1- 8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基、C6-10アリール基、-OR1c、-NR1c1d、-S(=O)1c、-S(=O)NR1c1d、-C(=O)R1c、-C(=O)NR1c1d、-NR1cC(=O)R1d又は-NR1cS(=O)1dからそれぞれ独立して選ばれ、
1c及びR1dは、H、C1-8アルキル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1- 8アルキル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、C1-4アルキル基、-C1-4アルキレン基-C1-4アルコキシ基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基からそれぞれ独立して選ばれ、
或いは、R1a及びR1bは、それらに連結している原子と一緒になって、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つのヘテロ原子を含む5~8員環を形成し、
6e、R6f、R6g及びR6hは、H、-S(=O)、C3-6シクロアルキル基又はC1-6アルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C3-6シクロアルキル基は、-OR、Het又はHetから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、前記C1-6アルキル基は、-OR、-NR9aC(=O)R9b、Het又はHetから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、前記C1-6アルキル基の同じ炭素原子における2つの置換基は、一緒になってC3-6シクロアルキル基又はN、O若しくはSから選ばれる1つ又は2つのヘテロ原子を含む3~6員ヘテロシクリル基を任意選択的に形成し、
或いは、R6e及びR6f、R6g及びR6hは、それらに連結しているN原子と一緒になって、5~8員ヘテロシクリル基を形成し、
各Hetは、独立して、1つのN原子、及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含む5~12員ヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、Het又はC1-4アルキル基から選ばれる置換基で任意選択的に置換され、前記C1-4アルキル基は、Hetで任意選択的に置換され、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記ヘテロシクリル基は、オキソ基、Het又はC1-4アルキル基から選ばれる置換基で任意選択的に置換され、前記C1-4アルキル基は、Hetで任意選択的に置換され、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記ヘテロシクリル基は、C1-4アルキル基で任意選択的に置換され、
9aは、H又はC1-4アルキル基から選ばれ、
9bは、H又はC1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は、1つ、2つ又は3つのハロゲン原子で任意選択的に置換され、
2aはHであり、
2bは、H又はメチル基から選ばれ、
4aは、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
4bは、H、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又はN、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基から選ばれ、
或いは、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、5~12員ヘテロアリール基又は4~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基のそれぞれは、1つのN原子、及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、任意に選ばれる別のN原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
2bに向かう点結合は、R2b及びR4bが一緒になって環を形成する場合に任意選択的に存在する結合であり、
2b及びR4bが一緒になって環を形成する場合、R4aがHであり、R2bへの点結合が結合である場合、R2aは存在せず、或いは
4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になって、5~12員ヘテロアリール基又は4~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基のそれぞれは、1つのN原子及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、N原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
4a及びR4bが一緒になって環を形成する場合、R2aがHであり、且つR2bがHであり、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、
は、CN、ハロゲン、-C(=O)NR8a8b、-CHNR8c8d、Het、Het、-CH-Het、-CH-Het、-CH(R7-1)-Het、-CH(R7-1)-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、-S(=O)(=NR)-C1-4アルキル基、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、CN又は-O-C1-4アルキル基から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
8a、R8c及びR8dは、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、OH又は-O-C1-4アルキル基で任意選択的に置換され、
8bは、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、OH又は-O-C1-4アルキル基で任意選択的に置換され、
或いは、R8a及びR8b又はR8c及びR8dは、それらに連結しているN原子と一緒になって4~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロシクリル基は、1つのN原子、及び任意選択的に、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、N原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、N原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
各Rは、H又はC1-4アルキル基から独立して選ばれ、
各Rは、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、-O-C1-4アルキル基又はCNから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
6a、R6b、R6c及びR6dは、H、C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルキル基は、-ORで任意選択的に置換され、前記C1-4アルキル基の同じ炭素原子における2つの置換基は、任意選択的に一緒になってC3-6シクロアルキル基を形成し、
各Rは、H又はC1-4アルキル基から独立して選ばれ、
各R7-1は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
Het
【化3】

であり、XはN又はCHから選ばれ、R10及びR11は、H、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基又はC3-8シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、
前記薬学的に許容される形態は、薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識体、代謝産物、及びプロドラッグから選ばれる、
式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項2】
は、H、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つAがCHである場合、A、A、A及びAは同時にCHではなく、且つAはNではない、
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
及びAは、N又はCR1-1からそれぞれ独立して選ばれ、R1-1は、H、ハロゲン、CN、メチル基、エチル基又はイソプロピル基から選ばれ、前記メチル基、エチル基又はイソプロピル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
好ましくは、R1-1は、H、ハロゲン、CN又はメチル基から選ばれ、より好ましくは、R1-1は、H、F、Cl、CN又はメチル基から選ばれる、
請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
は、N又はCR2-1から選ばれ、R2-1は、H、OH、ハロゲン、CN、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、オキソ基、ハロゲン、OH、CN、NH又はメチル基から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
好ましくは、R2-1は、H、OH、ハロゲン、CN、CF、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から選ばれ、より好ましくは、R2-1は、H、OH、F、Cl、CN、CF、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から選ばれる、
請求項2又は3に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項5】
は、N又はCR4-1から選ばれ、R4-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
好ましくは、R4-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、メチル基又はメトキシ基から選ばれ、より好ましくは、R4-1は、H、F、Cl、CN、OH、NH、メチル基又はメトキシ基から選ばれる、
請求項2~4の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項6】
は、N又はCR5-1から選ばれ、R5-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
好ましくは、R5-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、メチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれ、より好ましくは、R5-1は、H、F、Cl、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、メチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれる、
請求項2~5の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項7】
は、N又はCR6-1から選ばれ、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-8アルキル基、C3-8シクロアルキル基、-OR6-2、-SR6-2、-S(=O)R6-2、-S(=O)6-2、NH、-NHR6-2、-NR6-26-3、-C(=O)R6-2、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NHR6-2、-C(=O)NR6-26-3、-NR6-2C(=O)R6-2又は-NR6-2C(=O)NR6-26-3から選ばれ、ここで、R6-2及びR6-3は、H、C1-8アルキル基又はC3-8シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-8アルキル基又はC3-8シクロアルキル基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、メチル基又はエチル基からそれぞれ独立して選ばれ、
好ましくは、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、-OR6-2、-SR6-2、-S(=O)R6-2、-S(=O)6-2、NH、-NHR6-2、-NR6-26-3、-C(=O)R6-2、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NHR6-2、-C(=O)NR6-26-3、-NR6-2C(=O)R6-2又は-NR6-2C(=O)NR6-26-3から選ばれ、ここで、R6-2及びR6-3は、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、メチル基又はエチル基からそれぞれ独立して選ばれ、
より好ましくは、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルコキシ基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルコキシ基は、H、ハロゲン、CN又はオキソ基から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
より好ましくは、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、メチル基、エチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれ、更に好ましくは、R6-1は、H、F、Cl、OH、CN、NO、メチル基、エチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれる、
請求項2~6の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項8】
は、H、ハロゲン、CN、-C(=O)OR6-2、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基又は
【化4】

から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基は、CN、OH、ハロゲン又はCFから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
1a及びR1bは、H、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基からそれぞれ独立して選ばれ、R6-2はH、C1-8アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、
好ましくは、Rは、H、ハロゲン、CN、-C(=O)OR6-2、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は
【化5】

から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、CN、OH、ハロゲン又はCFから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
1a及びR1bは、H、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~6員ヘテロシクリル基からそれぞれ独立して選ばれ、R6-2は、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
より好ましくは、Rは、H、ハロゲン、CN、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、-CHOH、-C(=O)OCH、CF
【化6】

から選ばれ、R1a及びR1bは、H、メチル基又はエチル基からそれぞれ独立して選ばれ、
更に好ましくは、Rは、H、F、Cl、CN、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、-CHOH、-C(=O)OCH、CF
【化7】

から選ばれる、
請求項2~7の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項9】
2aはHであり、
4aはHであり、
2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、単環式5員ヘテロアリール基、単環式4員、5員、6員又は7員ヘテロシクリル基、二環式6員~12員ヘテロアリール基又は二環式6員~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基のそれぞれは、1つのN原子、及び任意選択的に、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、任意に選ばれるN原子で、R、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、-O-C1-4アルキル基又はCNから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
好ましくは、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、1つのN原子及び任意選択的に、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含む単環式4員、5員、6員又は7員ヘテロシクリル基を形成し、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、任意に選ばれる別のN原子で、R、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
は、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から独立して選ばれ、
より好ましくは、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、1つのN原子及び任意選択的に、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含む単環式6員ヘテロシクリル基を形成し、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、任意に選ばれる別のN原子で、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
特に好ましくは、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、モルホリニル基、ピペリジニル基又はピペラジニル基を形成し、
或いは、R2aがHであり、R2bがHであり、R4aがH、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、R4bがH、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは、R4aがメチル基であり、R4bがメチル基であり、
或いは、R2aがHであり、R2bがHであり、R4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になって、1つのN原子及び任意選択的に、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基を形成し、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、好ましくは、R4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になって、ピロリジニルを形成し、前記ピロリジニルは、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、より好ましくは、R4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になって、
【化8】

を形成する、
請求項2~8の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項10】
は、CN、ハロゲン、Het、Het、-CH-Het、-CH-Het、-CH(R7-1)-Het、-CH(R7-1)-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、CN又は-O-C1-4アルキル基から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む単環式4員、5員、6員又は7員ヘテロシクリル基或いは二環式6~12員ヘテロシクリル基から選ばれ、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、メチル基又はエチル基から独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、
Het
【化9】

であり、XはN又はCHから選ばれ、R10及びR11は、H、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基又はC3-8シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、
7-1は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
好ましくは、Rは、CN、ハロゲン、Het、-CH-Het、-CH(R7-1)-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、CN又は-O-C1-4アルキル基から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む単環6員ヘテロシクリル基から選ばれ、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、メチル基又はエチル基から独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、
7-1は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
より好ましくは、Rは、CN、ハロゲン、Het、-CH-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む単環式6員ヘテロシクリル基から選ばれ、
特に好ましくは、Rは、CN、ハロゲン、
【化10】

から選ばれ、更に好ましくは、Rは、CN、F、Cl、
【化11】

から選ばれる、
請求項2~9の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項11】
式I-1又は式I-2の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化12】

であり、
ここで、A、A、A、A、R、R4-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、請求項1~10で定義される通りであり、
条件としては、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、A、A、A及びAは同時にCHではなく、且つAはNではない、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項12】
式I-3又は式I-4の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化13】

であり、
ここで、A、A、A、R、R2-1、R4-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、請求項1~10で定義される通りであり、
条件としては、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、A、A及びAは同時にCHではなく、或いはR2-1はHではない、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項13】
式I-5~式I-7の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化14】

であり、
ここで、A、A、R、R2-1、R4-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、請求項1~10で定義される通りであり、
条件としては、式I-7において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、A及びAは同時にCHではなく、或いはR2-1はHではない、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項14】
式I-8~式I-10の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化15】

であり、
ここで、A、R、R2-1、R4-1、R5-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、請求項1~10で定義される通りであり、
条件としては、式I-10において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、AはCHではなく、或いはR2-1はHではなく、或いはR5-1はHではない、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項15】
式I-11~式I-13の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化16】

であり、
ここで、R、R2-1、R4-1、R5-1、R6-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、請求項1~10で定義される通りであり、
条件としては、式I-13において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、R2-1はHではなく、或いはR5-1はHではなく、或いはR6-1はHではない、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項16】
式I-13-1の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化17】

ここで、R2-1、R4-1、R5-1、R6-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、請求項1~10で定義される通りである、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項17】
式I-14~式I-16の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化18】

であり、
ここで、R、R2-1、R4-1、R5-1、R6-1及びRは、請求項1~10で定義される通りであり、
条件としては、式I-16において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、R2-1はHではなく、或いはR5-1はHではなく、或いはR6-1はHではない、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項18】
式I-17~式I-20の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化19】

であり、
ここで、R、R2-1、R4-1、R5-1及びR6-1は、請求項1~10で定義される通りであり、
条件としては、式I-19及び式I-20において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、R2-1はHではなく、或いはR5-1はHではなく、或いはR6-1はHではない、
請求項1~10の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項19】
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

という化合物又はその薬学的に許容される形態から選ばれる、
請求項2~18の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態。
【請求項20】
請求項1~19の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態、及び1種又は複数の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項21】
少なくとも部分的にHPK1により媒介される疾患又は疾患状態の予防及び/又は治療のための薬剤の調製における、請求項1~19の何れか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される形態或いは請求項20に記載の医薬組成物の用途。
【請求項22】
前記疾患が癌である、請求項21に記載の用途。
【請求項23】
前記疾患は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、扁平上皮細胞癌、頭頸部癌、口腔癌、咽頭癌、甲状腺癌、食道癌、胃癌、消化管間質腫瘍、肝臓癌、結腸癌、直腸癌、大腸絨毛腺腫、乳癌、乳管癌、卵巣癌、腹膜癌、子宮内膜癌、子宮体癌、子宮頸癌、腎臓癌、腎盂癌、前立腺癌、膀胱癌、神経線維腫症、骨癌、脳癌、精巣癌、神経膠腫、皮膚癌、黒色腫、細胞腫及び肉腫、多発性骨髄腫、白血病、非ホジキンリンパ腫又は骨髄異形成症候群から選ばれる、請求項21に記載の用途。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物化学の分野に属し、含窒素複素環式化合物又はその薬学的に許容される形態、それを含む医薬組成物、及びHPK1関連疾患の予防及び/又は治療のためのその医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
造血前駆体キナーゼ1(HPK1、MAP4K1としても知られる)は、MAP4Kファミリーのメンバーの1つであり、セリン/スレオニンキナーゼである。主に免疫細胞に発現し、免疫細胞の機能を調節する作用を有する。
【0003】
T細胞において、T細胞受容体(TCR)シグナル伝達経路の活性化のせいで、細胞質内のHPK1が細胞膜に動員され、リンカータンパク質SLP76に結合し、且つリン酸化され、E3リガーゼ14-3-3に対するSLP76の結合を促進し、SLP76/LATシグナル伝達体の分解をもたらし、更にT細胞受容体(TCR)経路の負の調節につながり、T細胞活性化及びエフェクターT細胞機能を阻害する。HPK1ノックアウト(HPK1-/-)及びHPK1キナーゼ不活性化(HPK1KD)のT細胞は、野生型と比較し、より高い増殖能力及び高いサイトカイン発現レベルを示す。全身性エリテマトーデス患者のCD4+T細胞におけるHPK1のmRNA及びタンパク質発現レベルも顕著に減少した。
【0004】
HPK1は、T細胞依存的な様式で抗腫瘍免疫機構を制御でき、HPK1-/-及びHPK1 KDの腫瘍担持マウスにおいて、T細胞は、強力な腫瘍細胞殺傷能力を有し、一方、免疫抑制分子PGE2を発現する腫瘍細胞は、HPK1-/-及びHPK1 KDマウスにおいて野生型よりもゆっくりと増殖する。HPK1 KDマウスの腫瘍微小環境を解析した結果、抗腫瘍免疫作用に関与する主な免疫細胞バイオマーカー(例えば、CD4、CD8、IFNγ、Granzyme Bなど)が顕著に増加し、ケモカインCXCL14などを含む炎症促進性経路の関連遺伝子の発現が著しく増加する一方、Th2及びTreg関連遺伝子の発現が減少した。
【0005】
25種のヒト癌において、HPK1の発現は、T細胞除去マーカーPD-1と明らかに正相関しており、且つ多くの腫瘍において、他のT細胞除去マーカーTIGIT、CTLA-4、LAG3などに正相関している。低悪性度神経膠腫(LGG)及び腎臓明細胞癌(KIRC)において、HPK1発現の低下は、患者の生存期間の延長と関連し、一方、膵臓癌(PAAD)及び拡散性乳癌(BRAC)において、HPK1増幅は、患者の予後不良と関連する。
【0006】
そのほか、HPK1は、B細胞及び樹状細胞活性化の負の制御因子でもあり、Treg細胞機能の維持に重要な役割を果たす。以上のように、HPK1は、多岐にわたる抗腫瘍免疫促進作用を有し、腫瘍免疫治療及び自己免疫疾患の潜在的治療標的である。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、大量の研究を通じ、HPK1関連疾患の予防及び/又は治療に潜在的価値を有する含窒素複素環式化合物が発見された。
【0008】
第一の態様において、本発明は、式Iの構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態を提供し、
【化1】

ここで、
及びAは、N又はCR1-1からそれぞれ独立して選ばれ、R1-1は、H、ハロゲン、CN又はC1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
は、N又はCR2-1から選ばれ、R2-1は、H、OH、ハロゲン、CN、C1-4アルキル基、C1-6アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-6アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のR3-1で任意選択的に置換され、各R3-1は、オキソ基、ハロゲン、OH、CN、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニル基又はNR3-1-13-1-2から独立して選ばれ、R3-1-1及びR3-1-2は、H又はC1-6アルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、
は、N又はCR4-1から選ばれ、R4-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
は、N又はCR5-1から選ばれ、R5-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
は、N又はCR6-1から選ばれ、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基、C6-10アリール基、C1-6アルコキシ基、-OR6-2、-SR6-2、-S(=O)R6-2、-S(=O)6-2、NH、-NHR6-2、-NR6-26-3、-C(=O)R6-2、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NHR6-2、-C(=O)NR6-26-3、-NR6-2C(=O)R6-2又は-NR6-2C(=O)NR6-26-3から選ばれ、ここで、R6-2及びR6-3は、H、C1-8アルキル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基、C6-10アリール基又はC1-6アルコキシ基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、C1-4アルキル基、-C1-4アルキル基-C1-4アルキル基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基からぞれぞれ独立して選ばれ、
は、H、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基又は
【化2】

から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基は、CN、OH、ハロゲン、CF、-NR6e6f又は-C(=O)NR6g6hから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
1a及びR1bは、H、C1- 8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基、C6-10アリール基、-OR1c、-NR1c1d、-S(=O)1c、-S(=O)NR1c1d、-C(=O)R1c、-C(=O)NR1c1d、-NR1cC(=O)R1d又は-NR1cS(=O)1dからそれぞれ独立して選ばれ、
1c及びR1dは、H、C1-8アルキル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1- 8アルキル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、C1-4アルキル基、-C1-4アルキレン基-C1-4アルコキシ基、C2-6アルケニル基又はC2-6アルキニル基からそれぞれ独立して選ばれ、
或いは、R1a及びR1bは、それらに連結している原子と一緒になって、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つのヘテロ原子を含む5~8員環を形成し、
6e、R6f、R6g及びR6hは、H、-S(=O)、C3-6シクロアルキル基又はC1-6アルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C3-6シクロアルキル基は、-OR、Het又はHetから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、前記C1-6アルキル基は、-OR、-NR9aC(=O)R9b、Het又はHetから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、前記C1-6アルキル基の同じ炭素原子における2つの置換基は、一緒になってC3-6シクロアルキル基又はN、O若しくはSから選ばれる1つ又は2つのヘテロ原子を含む3~6員ヘテロシクリル基を任意選択的に形成し、
或いは、R6e及びR6f、R6g及びR6hは、それらに連結しているN原子と一緒になって、5~8員ヘテロシクリル基を形成し、
各Hetは、独立して、1つのN原子、及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含む5~12員ヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、Het又はC1-4アルキル基から選ばれる置換基で任意選択的に置換され、前記C1-4アルキル基は、Hetで任意選択的に置換され、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記ヘテロシクリル基は、オキソ基、Het又はC1-4アルキル基から選ばれる置換基で任意選択的に置換され、前記C1-4アルキル基は、Hetで任意選択的に置換され、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記ヘテロシクリル基は、C1-4アルキル基で任意選択的に置換され、
9aは、H又はC1-4アルキル基から選ばれ、
9bは、H又はC1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は、1つ、2つ又は3つのハロゲン原子で任意選択的に置換され、
2aはHであり、
2bは、H又はメチル基から選ばれ、
4aは、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、
4bは、H、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又はN、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基から選ばれ、
或いは、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、5~12員ヘテロアリール基又は4~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基のそれぞれは、1つのN原子、及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、任意に選ばれる別のN原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
2bに向かう点結合は、R2b及びR4bが一緒になって環を形成する場合に任意選択的に存在する結合であり、
2b及びR4bが一緒になって環を形成する場合、R4aがHであり、R2bへの点結合が結合である場合、R2aは存在せず、或いは
4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になって、5~12員ヘテロアリール基又は4~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基のそれぞれは、1つのN原子及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、N原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R、-C(=O)NR6a6b又はHetから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
4a及びR4bが一緒になって環を形成する場合、R2aがHであり、且つR2bがHであり、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、
各Hetは、独立して、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、
は、CN、ハロゲン、-C(=O)NR8a8b、-CHNR8c8d、Het、Het、-CH-Het、-CH-Het、-CH(R7-1)-Het、-CH(R7-1)-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、-S(=O)(=NR)-C1-4アルキル基、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、CN又は-O-C1-4アルキル基から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
8a、R8c及びR8dは、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、OH又は-O-C1-4アルキル基で任意選択的に置換され、
8bは、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、OH又は-O-C1-4アルキル基で任意選択的に置換され、
或いは、R8a及びR8b又はR8c及びR8dは、それらに連結しているN原子と一緒になって4~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロシクリル基は、1つのN原子、及び任意選択的に、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、N原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む4~12員ヘテロシクリル基であり、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)、-C(=O)R、-NR6c6d又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、N原子で、R、-S(=O)、-C(=O)R又は-C(=O)NR6a6bから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
各Rは、H又はC1-4アルキル基から独立して選ばれ、
各Rは、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、-O-C1-4アルキル基又はCNから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
6a、R6b、R6c及びR6dは、H、C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルキル基は、-ORで任意選択的に置換され、前記C1-4アルキル基の同じ炭素原子における2つの置換基は、任意選択的に一緒になってC3-6シクロアルキル基を形成し、
各Rは、H又はC1-4アルキル基から独立して選ばれ、
各R7-1は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換され、
Het
【化3】

であり、XはN又はCHから選ばれ、R10及びR11は、H、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基又はC3-8シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、
前記薬学的に許容される形態は、薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識体、代謝産物、及びプロドラッグから選ばれる。
【0009】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つAがCHである場合、A、A、A及びAは同時にCHではなく、且つAはNではない。
【0010】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、A及びAは、N又はCR1-1からそれぞれ独立して選ばれ、R1-1は、H、ハロゲン、CN、メチル基、エチル基又はイソプロピル基から選ばれ、前記メチル基、エチル基又はイソプロピル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換される。
【0011】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、A及びAは、N又はCR1-1からそれぞれ独立して選ばれ、R1-1は、H、ハロゲン、CN又はメチル基から選ばれ、好ましくは、R1-1は、H、F、Cl、CN又はメチル基から選ばれる。
【0012】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR2-1から選ばれ、R2-1は、H、OH、ハロゲン、CN、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、オキソ基、ハロゲン、OH、CN、NH又はメチル基から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0013】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR2-1から選ばれ、R2-1は、H、OH、ハロゲン、CN、CF、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から選ばれ、好ましくは、R2-1は、H、OH、F、Cl、CN、CF、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から選ばれる。
【0014】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR4-1から選ばれ、R4-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換される。
【0015】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR4-1から選ばれ、R4-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、メチル基又はメトキシ基から選ばれ、好ましくは、R4-1は、H、F、Cl、CN、OH、NH、メチル基又はメトキシ基から選ばれる。
【0016】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR5-1から選ばれ、R5-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換される。
【0017】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR5-1から選ばれ、R5-1は、H、ハロゲン、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、メチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれ、好ましくは、R5-1は、H、F、Cl、CN、OH、NH、-NH-CH、-N(CH、メチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれる。
【0018】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR6-1から選ばれ、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-8アルキル基、C3-8シクロアルキル基、-OR6-2、-SR6-2、-S(=O)R6-2、-S(=O)6-2、NH、-NHR6-2、-NR6-26-3、-C(=O)R6-2、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NHR6-2、-C(=O)NR6-26-3、-NR6-2C(=O)R6-2又は-NR6-2C(=O)NR6-26-3から選ばれ、ここで、R6-2及びR6-3は、H、C1-8アルキル基又はC3-8シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-8アルキル基又はC3-8シクロアルキル基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、メチル基又はエチル基からそれぞれ独立して選ばれ、
好ましくは、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、-OR6-2、-SR6-2、-S(=O)R6-2、-S(=O)6-2、NH、-NHR6-2、-NR6-26-3、-C(=O)R6-2、-C(=O)OR6-2、-C(=O)NHR6-2、-C(=O)NR6-26-3、-NR6-2C(=O)R6-2又は-NR6-2C(=O)NR6-26-3から選ばれ、ここで、R6-2及びR6-3は、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、H、ハロゲン、CN、オキソ基、-NR6-1-16-1-2、-OR6-1-1、-SR6-1-1、-S(=O)R6-1-1又は-S(=O)6-1-1から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、R6-1-1及びR6-1-2は、H、メチル基又はエチル基からそれぞれ独立して選ばれる。
【0019】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR6-1から選ばれ、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルコキシ基から選ばれ、前記C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又はC1-4アルコキシ基は、H、ハロゲン、CN又はオキソ基から独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0020】
幾つかのより好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Aは、N又はCR6-1から選ばれ、R6-1は、H、ハロゲン、OH、CN、NO、オキソ基、メチル基、エチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれ、更に好ましくは、R6-1は、H、F、Cl、OH、CN、NO、メチル基、エチル基、CF、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基又はシクロプロピル基から選ばれる。
【0021】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Rは、H、ハロゲン、CN、-C(=O)OR6-2、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基又は
【化4】

から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基は、CN、OH、ハロゲン又はCFから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
1a及びR1bは、H、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3~8員ヘテロシクリル基、5~10員ヘテロアリール基又はC6-10アリール基からそれぞれ独立して選ばれ、R6-2は、H、C1-8アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれる。
【0022】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Rは、H、ハロゲン、CN、-C(=O)OR6-2、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は
【化5】

から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、CN、OH、ハロゲン又はCFから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換され、
1a及びR1bは、H、C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基又は3~6員ヘテロシクリル基からそれぞれ独立して選ばれ、R6-2は、H、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれる。
【0023】
幾つかのより好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Rは、H、ハロゲン、CN、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、-CHOH、-C(=O)OCH、CF
【化6】

から選ばれ、R1a及びR1bは、H、メチル基又はエチル基からそれぞれ独立して選ばれ、
更に好ましくは、Rは、H、F、Cl、CN、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、-CHOH、-C(=O)OCH、CF
【化7】

から選ばれる。
【0024】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、
2aはHであり、
4aはHであり、
2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、単環式5員ヘテロアリール基、単環式4員、5員、6員又は7員ヘテロシクリル基、二環式6員~12員ヘテロアリール基又は二環式6員~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基のそれぞれは、1つのN原子、及び任意選択的に、N、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、任意に選ばれるN原子で、R、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、-O-C1-4アルキル基又はCNから独立して選ばれる1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0025】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって単環式4員、5員、6員又は7員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロシクリル基は、1つのN原子、及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、任意に選ばれる別のN原子で、R、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
は、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から独立して選ばれる。
【0026】
幾つかのより好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって単環式6員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロシクリル基は、1つのN原子、及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、ここで、前記ヘテロシクリル基は、任意に選ばれる別のN原子で、メチル基、エチル基又はシクロプロピル基から独立して選ばれる1又は2つの置換基で任意選択的に置換される。
【0027】
幾つかの特に好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、R2b及びR4bは、それらに連結している原子と一緒になって、モルホリニル基、ピペリジニル基又はピペラジニル基を形成する。
【0028】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、R2aはHであり、R2bはHであり、R4aはH、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、R4bはH、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、好ましくは、R4aはメチル基であり、R4bはメチル基である。
【0029】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、R2aはHであり、R2bはHであり、R4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になって4~12員ヘテロシクリル基を形成し、前記ヘテロシクリル基は、1つのN原子、及び任意選択的にN、O又はSから独立して選ばれる1つ又は2つの別のヘテロ原子を含み、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、好ましくは、R4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になってピロリジニルを形成し、前記ピロリジニルは、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、R、-OR、-S(=O)又は-C(=O)Rから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、より好ましくは、R4a及びR4bは、それらに連結しているN原子と一緒になって、
【化8】

を形成する。
【0030】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Rは、CN、ハロゲン、Het、Het、-CH-Het、-CH-Het、-CH(R7-1)-Het、-CH(R7-1)-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、CN又は-O-C1-4アルキル基から独立して選ばれる1又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む単環式4員、5員、6員又は7員ヘテロシクリル基或いは二環式6~12員ヘテロシクリル基から選ばれ、ここで、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、メチル基又はエチル基から独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、
Het
【化9】

であり、XはN又はCHから選ばれ、R10及びR11は、H、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基又はC3-8シクロアルキル基からそれぞれ独立して選ばれ、
7-1は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換される。
【0031】
幾つかの好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Rは、CN、ハロゲン、Het、-CH-Het、-CH(R7-1)-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、ハロゲン、OH、CN又は-O-C1-4アルキル基から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で任意選択的に置換され、
Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む単環6員ヘテロシクリル基から選ばれ、前記ヘテロシクリル基は、1つ又は複数のC原子で、OH、CN、ハロゲン、メチル基又はエチル基から独立して選ばれる1つ、2つ又は3つの置換基で任意選択的に置換され、
7-1は、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から独立して選ばれ、前記C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基は、1つ又は複数のハロゲンで任意選択的に置換される。
【0032】
幾つかのより好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Rは、CN、ハロゲン、Het、-CH-Het、-P(=O)-(C1-4アルキル基)、-S(=O)-C1-4アルキル基、C1-4アルキル基又はC3-6シクロアルキル基から選ばれ、Hetは、N、O又はSから独立して選ばれる1つ、2つ又は3つのヘテロ原子を含む単環式6員ヘテロシクリル基から選ばれる。
【0033】
幾つかの特に好ましい実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態では、Rは、CN、ハロゲン、
【化10】

から選ばれ、更に好ましくは、Rは、CN、F、Cl、
【化11】

から選ばれる。
【0034】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-1又は式I-2の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化12】

であり、
ここで、A、A、A、A、R、R4-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、式Iで定義される通りであり、
条件としては、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、A、A、A及びAは同時にCHではなく、且つAはNではない。
【0035】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-3又は式I-4の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化13】

であり、
ここで、A、A、A、R、R2-1、R4-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、式Iで定義される通りであり、
条件としては、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、A、A及びAは同時にCHではなく、或いはR2-1はHではない。
【0036】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-5~式I-7の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化14】

であり、
ここで、A、A、R、R2-1、R4-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、式Iで定義される通りであり、
条件としては、式I-7において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、A及びAは同時にCHではなく、或いはR2-1はHではない。
【0037】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-8~式I-10の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化15】

であり、
ここで、A、R、R2-1、R4-1、R5-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、式Iで定義される通りであり、
条件としては、式I-10において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、AはCHではなく、或いはR2-1はHではなく、或いはR5-1はHではない。
【0038】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-11~式I-13の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化16】

であり、
ここで、R、R2-1、R4-1、R5-1、R6-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、式Iで定義される通りであり、
条件としては、式I-13において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、R2-1はHではなく、或いはR5-1はHではなく、或いはR6-1はHではない。
【0039】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-13-1の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化17】

ここで、R2-1、R4-1、R5-1、R6-1、R2a、R2b、R4a、R4b及びRは、式Iで定義される通りである。
【0040】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-14~式I-16の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化18】

であり、
ここで、R、R2-1、R4-1、R5-1、R6-1及びRは、式Iで定義される通りであり、
条件としては、式I-16において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、R2-1はHではなく、或いはR5-1はHではなく、或いはR6-1はHではない。
【0041】
幾つかの実施形態において、上記の式Iの化合物又はその薬学的に許容される形態は、式I-17~式I-20の構造を有する化合物又はその薬学的に許容される形態であり、
【化19】

であり、
ここで、R、R2-1、R4-1、R5-1及びR6-1は、式Iで定義される通りであり、
条件としては、式I-19及び式I-20において、RがH、ハロゲン、CN、-NR6e6f、-C(=O)NR6g6h、C1-4アルキル基又はC3-8シクロアルキル基から選ばれ、且つR4-1がHである場合、R2-1はHではなく、或いはR5-1はHではなく、或いはR6-1はHではない。
【0042】
当業者は、本発明が様々な実施形態の任意の組み合わせによって得られる化合物を包含することを理解すべきである。一実施形態の技術的特徴又は好ましい技術的特徴を、別の実施形態の技術的特徴又は好ましい技術的特徴と組み合わせることにより得られる実施形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0043】
第二の態様において、本発明は更に、以下の化合物又はその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、互変異性体、溶媒和物、窒素酸化物、同位体標識体、代謝産物又はプロドラッグを提供する:
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】
【0044】
第三の態様において、本発明は、少なくとも1種の上記式I、式I-1~式I-20の化合物又はその薬学的に許容される形態、及び1種又は多種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0045】
第四の態様において、本発明は、少なくとも部分的にHPK1により媒介される疾患又は疾患状態の予防及び/又は治療に使用するための、上記式I、式I-1~式I-20の化合物又はその薬学的に許容される形態或いは医薬組成物を提供する。
【0046】
第五の態様において、本発明は、少なくとも部分的にHPK1により媒介される疾患又は疾患状態の予防及び/又は治療に使用するための薬剤の調製における、上記式I、式I-1~式I-20の化合物又はその薬学的に許容されるその形態或いは医薬組成物の用途を提供する。
【0047】
第六の態様において、本発明は、少なくとも部分的にHPK1により媒介される疾患又は疾患状態を予防及び/又は治療する方法を提供し、それは、予防及び/又は治療有効量の上記式I、式I-1~式I-20の化合物又はその薬学的に許容される形態或いは上記医薬組成物をそれを必要とする個体に投与するステップを含む。
【0048】
本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を限定するのではなく、説明のためのものに過ぎないことを更に理解されるべきである。
【0049】
用語の定義
特に断りのない限り、本発明において以下の用語は以下の意味を有する。
用語「含む」、「備える」、「有する」又は「含有する」又はそれらの任意の他の変形形態は、非排他的又は開放的な包含を包含することを意図している。例えば、一連の要素を含む組成物、方法又は装置は、必ずしも明確に列挙された要素に限定されるものではなく、一方、明確に列挙されていない他の要素又は上記組成物、方法又は装置に固有の要素を更に含む可能性がある。
【0050】
数値範囲の下限及び上限が開示される場合、その範囲内にある数値又は任意のサブスコープは、具体的に開示されることを意味する。特に、本明細書に開示されるパラメータの各数値範囲(例えば、「約aからb」、同等の「大体aからb」、又は同等の「約a~b」の形態)は、それらの各数値及びサブスコープを包含すると理解されるべきである。例えば、「C1-4」は、その中の任意のサブスコープ及びC2-4、C3-4、C1-2、C1-3、C1-4など、及びC、C、C、Cなどの各点値を包含すると理解されるべきである。
【0051】
用語「医薬組成物」とは、薬剤として使用できる組成物を指し、医薬活性成分(又は治療剤)及び任意選択的に1つ又は複数の薬学的に許容される担体を含む。用語「薬学的に許容される担体」とは、治療薬とともに投与され、合理的な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応又は合理的な利益/リスク比に対応する他の問題又は合併症を伴わずに、ヒト及び/又は他の動物の組織と接触するのに適した補助剤を指す。本発明に使用可能な薬学的に許容される担体は、a)希釈剤、b)潤滑剤、c)結合剤、d)崩壊剤、e)吸収剤、着色剤、香味剤及び/又は甘味料、f)乳化剤又は分散剤、及び/又はg)化合物の吸収を高める物質などを含むが、それらに限定されない。
【0052】
上記医薬組成物は、全身的に及び/又は局所的に作用できる。この目的のために、それらは、適切な経路により、例えば、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、筋肉内経路により又は吸入剤として投与することができる。
【0053】
上記投与経路は、適切な剤形により達成できる。本発明に使用可能な剤形は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、ハードキャンディ剤、散剤、スプレー剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ゲル剤、ペースト剤、ローション剤、水性懸濁剤、注射液剤、エリキシル剤、シロップ剤などを含むが、それらに限定されない。
【0054】
経口投与の場合、上記医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、水溶液剤、水性懸濁剤などを含むが、それらに限定されない任意の経口的に許容される製剤形態にすることができる。
【0055】
上記医薬組成物は、無菌注射水又は油懸濁剤、或いは無菌注射水又は油溶液剤を含む滅菌注射剤の形態で投与することもできる。ここで、使用可能な担体は、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液を含むが、それには限定されない。その他、滅菌された不揮発性油、例えばグリセリド又はジグリセリドは、溶媒又は懸濁媒体としても使用できる。
【0056】
上記薬学的組成物は、0.01mg~1000mgの少なくとも1種の上記式I、式I-1~式I-20の化合物又はその薬学的に許容される形態を含んでもよい。
【0057】
用語「少なくとも部分的にHPK1により媒介される疾患又は疾患状態」とは、病因においてHPK1に関連する因子の少なくとも一部を含む疾患を指し、例えば非小細胞肺癌、小細胞肺癌、扁平上皮細胞癌、頭頸部癌、口腔癌、咽頭癌、甲状腺癌、食道癌、胃癌、消化管間質腫瘍、肝臓癌、結腸癌、直腸癌、大腸絨毛腺腫、乳癌、腺管癌、卵巣癌、腹膜癌、子宮内膜癌、子宮体癌、子宮頸癌、腎臓癌、腎盂癌、前立腺癌、膀胱癌、神経線維腫症、骨癌、脳癌、精巣癌、神経膠腫、皮膚癌、黒色腫、細胞腫及び肉腫、多発性骨髄腫、白血病、非ホジキンリンパ腫又は骨髄異形成症候群である。
【0058】
用語「有効量」とは、細胞、組織、器官又は生体(例えば、個体)が生物学的又は医学的応答を生じることを誘導でき、且つ所望の予防及び/又は治療効果を達成するのに十分な用量を指す。
【0059】
投与レジメンは、最適な所望の応答を提供するように調節できる。例えば、単回投与、経時的な分割投与又は実際の状況に応じて用量を比例的に減少又は増加させた後に投与することができる。いかなる特定の個体についても、特定の投与レジメンは、必要性、及び組成物を投与する人の又は組成物の投与を監督する人の専門的な判断に従って調整されることが理解されるであろう。
【0060】
用語「それを必要とする」とは、医師又は他の介護者が、その専門領域における医師又は他の介護者の様々な要因に基づき、個体にとって必要であるか、又は予防及び/又は治療の過程から利益を得られるかの判断を指す。
【0061】
用語「個体」(又は被検体ともいう)とは、ヒト又は非ヒト動物を指す。本発明の個体は、疾患及び/又は疾患状態を有する個体(患者)及び正常な個体を含む。本発明の非ヒト動物は、全ての脊椎動物を含み、例えば、鳥類、両生類、爬虫類などの非哺乳動物、及び例えば、非ヒト霊長類、家畜及び/又は家畜動物(ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタなど)の哺乳動物を含む。
【0062】
用語「治療」とは、それが対象とする疾患又は疾患状態を緩和又は排除することを指す。被検体が、治療量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される形態或いは本発明の医薬組成物を受けた後、その少なくとも1つの指標及び症状が、観察可能及び/又は検出可能な寛解及び/又は改善を示す場合、被検体が首尾よく「治療されている」ことを示す。治療は、完全な治療だけでなく、完全な治療に至らないが、生物学的又は医学的に関連する結果を達成した治療も含むことが理解される。具体的には、「治療」とは、本発明の化合物又はその薬学的に許容される形態或いは本発明の医薬組成物が、例えば、(1)疾患素因を有する可能性があるが、まだ病理学的又は症候学的症状を経験していない又は示していない動物における疾患の発生の防止、(2)病理学的又は症候学的症状を経験している又は示している動物における疾患の阻害(即ち、病理学的及び/又は症候学的さらなる進行の阻止)、(3)病理学的又は症候学的症状を経験している又は示している動物における疾患の改善(即ち、病理学的及び/又は症候学的症状の逆転)のうちの少なくとも1つの効果を達成できることを意味する。
【0063】
用語「薬学的に許容される塩」とは、生体に実質的に非毒性である本発明の化合物の塩を指す。薬学的に許容される塩には、一般的に、本発明の化合物と薬学的に許容される無機/有機酸又は無機/有機塩基との反応により形成される塩を含むが、それらに限定されず、このような塩は、酸付加塩又は塩基付加塩としても知られる。適切な塩の総説は、例えば、Jusiak,Soczewinski,et al.,Remington’s Pharmaceutical Sciences [M]、Mack Publishing Company,2005及びStahl,Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use [M],Wiley-VCH,2002に記載されている。本発明の化合物の薬学的に許容される塩を調製するための方法は、当業者に公知である。
【0064】
用語「薬学的に許容されるエステル」とは、生体に実質的に非毒性であり、生体内で加水分解されて本発明の化合物またはその塩となるエステルを指す。薬学的に許容されるエステルは、一般的に、本発明の化合物と薬学的に許容されるカルボン酸又はスルホン酸によるエステル(カルボン酸エステル又はスルホン酸エステルとしても知られている)を含むが、それらに限定されない。
【0065】
用語「異性体」とは、同じ原子数及び原子型を有するため、同じ分子量を有するが、原子の空間配置又は立体配置が異なる化合物を指す。
【0066】
用語「立体異性体」(又は「光学異性体」)とは、少なくとも1つのキラル因子(キラル中心、キラル軸、キラル面などを含む)の存在により、垂直非対称平面を有し、それにより平面偏光を回転させることができる安定な異性体を指す。本発明の化合物には立体異性を生じさせる不斉中心および他の化学構造が存在するため、本発明はこれらの立体異性体およびそれらの混合物も含む。本発明の化合物の全ての立体異性体形態は、別段の指示がない限り、本発明の範囲内にある。
【0067】
用語「互変異性体」(又は「互変異性形態」と呼ばれる)とは、低エネルギー障壁により相互変換可能な、異なるエネルギーを有する構造異性体を指す。互変異性が可能な場合(例えば、溶液中)、互変異性体の化学平衡を達成することができる。例えば、プロトン互変異性体(又はプロトン移動互変異性体と呼ばれる)とは、ケト-エノール異性化、イミン-エナミン異性化、アミド-イミンアルコール異性化などのプロトン移動による相互変換を含むが、それらに限定されない。本発明の化合物の全ての互変異性体形態は、別段の指示がない限り、本発明の範囲内である。
【0068】
用語「溶媒和物」とは、非共有結合性の分子間力によって、少なくとも1つの溶媒分子と本発明の化合物(又はその薬学的に許容される塩)の結合により形成される物質を指す。例えば、溶媒和物は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物などを含む水和物、エタノラート、アセトラートなどを含むが、それらに限定されない。
【0069】
用語「酸窒化物」とは、第三級アミン又は含窒素(芳香族)複素環式化合物の構造における窒素原子が酸化された化合物を指す。例えば、式Iの化合物の母核中の窒素原子は、対応する窒素酸化物を形成できる。
【0070】
用語「同位体標識体」とは、本発明の化合物における特定の原子をその同位体原子で置き換えて形成される誘導体化合物を指す。本発明の化合物は、別段の指示がない限り、H、C、N、O、F、P、S、Clの様々な同位体、例えば、H(D)、H(T)、13C、14C、15N、1O、18O、18F、31P、32P、35S、36S及び37Clを含むが、それらには限定されない。
【0071】
用語「代謝産物」とは、本発明の化合物が代謝した後に形成される誘導体化合物を指す。代謝の詳細については、Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics(9th ed.)[M]、McGraw-Hill International Editions、1996を参照されたい。本発明は、本発明の化合物の全ての可能な代謝産物形態、即ち、本発明の化合物が投与される個体において形成される物質を包含する。化合物の代謝産物は、当技術分野で公知の技法により同定することができ、その活性はアッセイによって特性決定することができる。
【0072】
用語「プロドラッグ」とは、個体への投与後に、直接的又は間接的に本発明の化合物を提供することができる誘導体化合物を指す。特に好ましい誘導体化合物又はプロドラッグは、個体に投与された場合、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを向上させる(例えば、血液のより容易な取り込み)か、又は親化合物の作用部位(例えば、リンパ系)への送達を促進する化合物である。別段の指示がない限り、本発明の化合物のプロドラッグ形態はすべて本発明の範囲内にあり、且つ様々なプロドラッグ形態が当技術分野で既知であり、例えば、T.Higuchi,V.Stella,Pro-drugs as Novel Drug Delivery Systems [ J ]、American Chemical Society,Vol.14,1975を参照されたい。また、本発明は、保護基を含有する本発明の化合物も包含する。本発明の化合物の調製のいかなる過程において、任意の関連分子における感応基又は反応性基を保護することが必要であり、及び/又は望ましく、それにより本発明の化合物の化学的に保護された形態を形成する。これは、通常の保護基、例えば、T.W.Greene,P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis [M],John Wiley & Sons,2006に記載されている保護基により達成することができる。これらの保護基は、当技術分野で既知の方法を使用して適切な後の段階で除去できる。
【0073】
用語「それぞれ独立して」とは、構造内に存在する同一又は類似の範囲の値をとる少なくとも2つの基(又は環系)は、特定の場合に同一又は異なる意味を有することができることを意味する。例えば、置換基X及び置換基Yは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、水酸基、シアノ基、アルキル基又はアリール基であるならば、置換基Xが水素である場合、置換基Yは、水素であってもよく、ハロゲン、水酸基、シアノ基、アルキル基又はアリール基であってもよく、同様に、置換基Yが水素である場合、置換基Xは水素であってもよく、ハロゲン、水酸基、シアノ基、アルキル基又はアリール基であってもよい。
【0074】
用語「置換」とは、指定された基が現在の状況で結合要件を満たし、且つ置換後に安定な化合物を形成できるという条件で、指定された基における1つ又は複数(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)の原子(例えば、水素原子)又は原子団(例えば、トリフレート)が、他の原子又は原子団で置き換えられていることを意味する。置換基及び/又は変数の組み合わせは、その組み合わせが安定な化合物を形成することができる場合にのみ許容される。置換基が「…で任意選択的に置換される」と記載されている場合、その置換基は、置換されないか、又は置換されてもよい。第一の置換基が、第二の置換基のリストのうちの1つ又は複数で任意選択的に置換されるものとして記載されている場合、第一の置換基における1つ又は複数の水素原子は、単独で又はそれぞれ独立して、第二の置換基のリストのうちの1つ又は複数で置換されてもよく又は置換されなくてもよい。
【0075】
用語「ハロゲン」とは、単独で又は他の基と組み合わせて本明細書で使用される場合、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を指す。
【0076】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキル基」とは、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基を指す。例えば、本発明で使用される用語「C1-4アルキル基」とは、1つ~4つの炭素原子を有するアルキル基を指す。例えば、アルキル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基又はtert-ブチル基などを含むが、それらに限定されない。アルキル基は、任意選択的に置換されても置換されなくてもよい。
【0077】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキレン基」とは、直鎖又は分岐鎖の二価脂肪族炭化水素基を指し、それが連結している2つの基(又は断片)は、同じ炭素原子に連結しても、異なる炭素原子に連結してもよい。例えば、本明細書において、「C1-4アルキレン基」とは、1~4の炭素原子を有するアルキレン基(メチレン基、1,1-エチレン基、1,2-プロピレン基、1,3-ブチレン基など)を指す。アルキレン基は、任意選択的に置換されても置換されなくてもよい。
【0078】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルコキシ基」とは、酸素原子を介して分子の残部に結合しているアルキル基を指す。例えば、本明細書で使用される用語「C1-6アルコキシ基」とは、1つ~6つの炭素原子を有するアルコキシ基を指す。例えば、アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基などを含むが、それらに限定されない。アルコキシ基は、任意選択的に置換されても置換されなくてもよい。
【0079】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「シクロアルキル基」とは、飽和又は部分飽和の、単環式又は多環式(二環式など)非芳香族炭化水素基を指す。例えば、本発明で使用される用語「C3-8シクロアルキル基」とは、3つ~8つの炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。一般的なシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基などの単環式シクロアルキル基、又は例えば、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[5.2.0]ノニル基、デカリン基などの縮合環、架橋環、スピロ環を含むビシクロシクロアルキル基などを含むが、それらに限定されない。本発明におけるシクロアルキル基は、本明細書に記載されている置換基のうちの1つ又は複数で任意選択的に置換される。
【0080】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ヘテロシクリル基」とは、炭素原子とN、O及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子からなる環原子を有する、飽和又は部分飽和単環式又は多環式(例えば、並列環、架橋環又はスピロ環の二環式)非芳香族基を指し、ここで、S原子は、S(=O)、S(=O)又はS(=O)(=NR)を形成するように任意選択的に置換され、Rは、H又はC1-4アルキル基から独立して選ばれる。結合要件を満たす場合、ヘテロシクリル基は、任意の環原子を介して分子の残部に結合することができる。例えば、本発明で使用される用語「3~8員の複素環基」とは、3つ~8つの環原子を有するヘテロシクリル基を意味する。一般的なヘテロシクリル基は、オキシラニル基、アジリジニル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基、ジオキソリル基、ピロリジニル基、ピロリドニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ジチアニル基又はトリチアニル基を含むが、それらに限定されない。本発明におけるヘテロシクリル基は、本明細書に記載の1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0081】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アリール基」とは、共役π電子系を有する単環又は縮合多環の芳香族炭化水素基を指す。例えば、本発明で使用される用語「C6-10アリール基」とは、6つ~10つの炭素原子を有するアリール基を意味する。一般的なアリール基は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アセナフテニル基、アズレニル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基などを含むがが、それらに限定されない。本発明におけるアリール基は、本明細書に記載の1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0082】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「ヘテロアリール基」とは、炭素原子とN、O及びSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子とから環原子が構成される共役π電子系を有する単環又は縮合多環芳香族基を指す。結合要件を満たす場合、ヘテロアリール基は、任意の環原子を介して分子の残部に結合することができる。例えば、本発明で使用される用語「5~10員ヘテロアリール基」とは、5つ~10つの環原子を有するヘテロアリール基を意味する。一般的なヘテロアリール基は、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基及びそのベンゾ誘導体、ピロロピリジニル基、ピロロピラジン基、ピラゾロピリジニル基、イミダゾピリジル基、ピロロピリミジニル基、ピラゾロピリミジニル基、プリニルなどを含むが、それらに限定されない。本発明におけるヘテロアリール基は、ハロゲン、C1-6アルキル基などのような本明細書に記載の1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0083】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルケニル基」とは、少なくとも1つのC=C二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基を指す。例えば、本発明で使用される用語「C2-6アルケニル基」は、2つ~6つの炭素原子を有するアルケニル基を指す。一般的なアルケニル基は、エテニル基、プロペニル基、n-ブテニル基、3-メチル基ブト-2-エニル基、n-ペンテニル基、n-オクテニル基、n-デセニル基などを含むが、それらに限定されない。本発明におけるアルケニル基は、本明細書に記載の1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0084】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「アルキニル基」とは、少なくとも1つのC≡C三重結合を有する直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基を指す。例えば、本発明で使用される用語「C2-6アルキニル基」とは、2つ~6つの炭素原子を有するアルキニル基を意味する。一般的なアルキニル基は、エチニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、1,3-ブタニル基などを含むが、それらには限定されない。本発明におけるアルキニル基は、本明細書に記載の1つ又は複数の置換基で任意選択的に置換される。
【0085】
本明細書において、単独で又は他の基と組み合わせて使用される場合、用語「オキソ基」とは、=Oを指す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
以下、本発明の目的及び技術的解決手段をより明確にするために、実施例を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、当業者は、以下の実施例が単に本発明を説明するために使用され、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことを理解するであろう。
【0087】
実施例で使用される試薬や機器は、何れも市販品で入手可能な通常なものである。具体的な条件を明示しないものは、何れも通常の条件やメーカーの推奨する条件に従う。本発明で使用される用語「室温」とは、20℃±5℃を指す。ある数値又は数値範囲を修飾するために使用される場合、本明細書で使用される用語「約」とは、当該数値又は数値範囲、及びその数値又は数値範囲について当業者に許容される誤差範囲、例えば±10%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、±0.5%などの誤差を含むことを指す。
【0088】
以下の実施例に記載の化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)及び/又は質量分析(MS)により特定される。
【0089】
核磁気共鳴(NMR)の測定機器はBruker 400 MHz核磁気共鳴装置を使用し、測定溶媒が重水素化メタノール(CDOD)、重水素化クロロホルム(CDCl)、ヘキサ重水素ジメチルスルホキシド(DMSO-d)であり、内部標準物質がテトラメチルシラン(TMS)である。
【0090】
以下の実施例における核磁気共鳴(NMR)データの略号で表される意味は、以下の通りである。
s:一重ピーク、d:二重ピーク、t:三重ピーク、q:四重ピーク、dd:双二重ピーク、qd:四二重ピーク、ddd:双二重二重ピーク、ddt:双二重三重ピーク、dddd:双二重二重二重ピーク、m:多重ピーク、br:ブロードピーク、J:カップリング定数、Hz:ヘルツ、δ:ケミカルシフト。
【0091】
全てのケミカルシフト(δ)値は、1/百万分(ppm)の単位で与えられる。
【0092】
質量分析(MS)の測定機器は、Agilent 6120B質量分析計を使用し、イオン源はエレクトロスプレーイオン源(ESI)である。
【0093】
化合物の合成
実施例1 化合物A-1及び化合物A-2の合成
【化24】
【0094】
化合物SM(10 g、47.975mmol、1.00 equiv)、化合物(トリメチルシリル基)アセチレン(5.18 g、52.773mmol、1.1 equiv)、ヨウ化銅(0.91 g、4.798mmol、0.1 equiv)、PdCl(PPh(3.37 g、4.798mmol、0.1 equiv)及びトリエチルアミン(12.14 g、119.938mmol、2.5 equiv)をトルエン(125mL)に溶解し、室温で窒素保護下で3時間反応させた。反応終了後、室温で水(75mL)を加えてクエンチし、反応系を濾過し、濾液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮して褐色固体の粗製品化合物1(14 g)を得た。m/z (ES+), [M+H] =226。
【0095】
化合物1(14 g、62.016mmol、1.00 equiv)、カリウムtert-ブトキシド(10.44 g、93.024mmol、1.5 equiv)及びジジメチルアニリン(1.50 g、12.403mmol、0.2 equiv)をDMF(150mL)に溶解し、120℃で窒素保護下で2時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却した。室温で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチし、反応系を濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル(3×50mL)で洗浄し、濾液を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、無水硫酸ナトリウムを濾別し、濾液を濃縮し、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、橙色油状物質の化合物2(1.5 g、収率15.75%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =154。
【0096】
化合物2(1.5 g、9.768mmol、1.00 equiv)、化合物N-ヨードスクシンイミド(2.31 g、10.256mmol、1.05 equiv)をDMF(15mL)に溶解し、30℃で窒素保護下で2時間反応させた。反応終了後、系を室温まで冷却し、水を加えてクエンチ反応した。混合物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、無水硫酸ナトリウムを濾別し、濾液を濃縮し、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体の化合物3(2 g、収率73.27%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =280。
【0097】
化合物3(2 g、7.156mmol、1.00 equiv)をDMF(20mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60%、0.86 g)を0℃で加えた。反応系を窒素保護下で、室温で30分間撹拌した。そして、4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(2.05 g、10.734mmol、1.5 equiv)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてクエンチし、混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、無水硫酸ナトリウムを濾別し、濾液を濃縮し、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体の化合物4(2.9 g、収率93.45%)を得た。m/z (ES+), [M+H]+ =434。
【0098】
化合物4(500mg、1.153mmol、1.00 equiv)及びメチル基ボロン酸(103.53mg、1.730mmol、1.5 equiv)を1,4-ジオキサン/水(5mL:1mL)に溶解し、そして、Pd(PPh)Cl(80.93mg、0.115mmol、0.1 equiv)及び炭酸ナトリウム(366.62mg、3.459mmol、3 equiv)を加え、反応系を100℃で窒素保護下で5時間反応させた。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、濃縮し、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色油状物の化合物5(60mg、収率16.17%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =322。
【0099】
化合物5(60mg、0.186mmol、1.00 equiv)及び中間体I(69.61mg、0.186mmol、1 equiv)を1,4-ジオキサン/HO(1mL:0.2mL)に溶解し、そして、Pd(dppf)Cl.CHCl(15.19mg、0.019mmol、0.1 equiv)及び炭酸カリウム(77.31mg、0.558mmol、3 equiv)を反応系に加え、90℃で窒素保護下で一晩反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより黄色油状物の化合物6(36mg、収率36.25%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =533。
【0100】
化合物6(30mg、0.028mmol、1.00 equiv)及び水酸化ナトリウム溶液(2 M、0.5mL)をメタノール(1mL)に溶解し、反応系を窒素保護下で65℃で2時間反応させた。反応終了後、系を室温まで冷却した。反応系を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(3×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、無水硫酸ナトリウムを濾別し、濾液を濃縮し、得られた粗製品を高速液相により精製(カラム:Xselect CSH C18 OBD カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:10minで3%B~14%B、14%B、波長:254、220nm、RT1(min):8.83、9.15(min))し、ほぼ白色固体の化合物A-1及び白色固体の化合物A-2を得た。
化合物A-1(0.8mg、収率3.55%)。m/z (ES+), [M+H] =379.H NMR (400 MHz, CDOD-d): δ (ppm) 8.33 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.10 (d, J = 8.6Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.6Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 4.23 - 4.05 (m, 5H), 4.02 - 3.92 (m, 3H), 3.74 (t, J = 11.6Hz, 3H), 3.62 - 3.44 (m, 3H), 2.43 (s, 3H), 2.08 - 1.84 (m, 4H)。
化合物A-2(4.2mg、収率19.6%)。m/z (ES+), [M+H] = 365.H NMR (400 MHz, CDOD-d): δ (ppm) 8.51 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.04 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.68 (d, J = 8.3Hz, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.44-3.82 (m, 6H), 3.74 (t, J = 12.0Hz, 2H), 3.60-3.49 (m, 2H), 3.25 (t, J = 12.2Hz, 1H), 1.97 - 2.00 (m, 3H), 1.73 (d, J = 13.5Hz, 1H)。
【0101】
実施例2 化合物A-3の合成
【化25】
【0102】
250mLの反応フラスコに、化合物1(5 g、26.178mmol、1.00 equiv)及びN-ヨードスクシンイミド(6.18 g、27.487mmol、1.05 equiv)を酢酸(60mL)に溶解し、窒素雰囲気下で、室温でトリフルオロ酢酸(1mL、13.463mmol、0.51 equiv)を加え、室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応液を氷水に注いでクエンチした。混合物をアンモニア水で中和し、pHを8~9に調整した。析出した固体を吸引濾過し、水でフィルターケーキを洗浄した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、淡桃色固体の化合物2(2.95 g、収率35.4%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 317。
【0103】
100mLの反応フラスコに、化合物2(2.75 g、8.675mmol、1.00 equiv)、トリメチルシリルプロピン(4.87 g、43.375mmol、5 equiv)をDMF(10mL)に溶解し、酢酸カリウム(2.55 g、26.025mmol、3 equiv)、酢酸パラジウム(0.19 g、0.868mmol、0.1 equiv)及び塩化リチウム(0.37 g、8.675mmol、1 equiv)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下で100℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応液を逆相カラムクロマトグラフィーにより精製し、褐色油状物の化合物3(515mg、収率19.7%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 302。
【0104】
40mLの封管において、化合物3(500mg、1 equiv)、テトラヒドロフラン(6mL)及び塩酸(2mol、6mL)を加え、反応系を70℃で一晩撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を減圧濃縮し、得られた粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体の化合物4(160mg、収率42.2%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 230。
【0105】
8mLの封管において、化合物4(68mg、0.297mmol、1.00 equiv)、ボロン酸エステル中間体I(132.99mg、0.356mmol、1.2 equiv)、炭酸カリウム(123.99mg、0.891mmol、3 equiv)、Pd(dppf)Cl(21.72mg、0.030mmol、0.1 equiv)、1,4-ジオキサン/水(3mL、10/1)の混合溶液を加え、反応混合物を窒素雰囲気下で80℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、得られた混合物を薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=12:1)により精製して粗製品を得て、粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:YMC-Actus Triart C18 ExRS、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで25%B~55%B、55%B、波長:254/220nm、RT1(min):7.82)し、白色固体の化合物A-3(8mg、収率7.7%)を得た。 M/z(ES+)、[M+H]=396。
H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 1.57 (d, J=13.0Hz, 1H), 1.62 - 1.85 (m, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.97 (d, J=12.0Hz, 1H), 3.02 - 3.20 (m, 2H), 3.35 (t, J=10.8Hz, 1H), 3.54-3.60 (m, 3H), 3.77-3.78 (m, 1H), 3.82 (d, J=11.5Hz, 1H), 3.95 (d, J=10.7Hz, 2H), 4.29 (dd, J=10.4, 3.1Hz, 1H), 7.04 - 7.33 (m, 1H), 7.41 (d, J=8.1Hz, 1H), 7.44 - 7.53 (m, 1H), 7.76 (s, 1H), 8.22 - 8.24 (m, 2H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d): δ (ppm) -122.51。
【0106】
実施例3 化合物A-4の合成
化合物1の合成は、実施例2の中間体化合物4の方法と類似している。
【化26】
【0107】
8mLの封管において、化合物1(100mg、0.444mmol、1.00 equiv)及び中間体I(497.54mg、1.332mmol、3 equiv)、炭酸カリウム(184.20mg、1.332mmol、3 equiv)、Pd(dppf)ClCHCl(36.19mg、0.044mmol、0.1 equiv)を1,4-ジオキサン/水溶液(5mL/0.5mL)に溶解し、反応系を窒素保護下で80℃で一晩撹拌した。反応終了後、系を濃縮し、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=12:1)により精製し、生成物の粗製品を得て、粗製品を高圧液相調製により更に精製(カラム:YMC-Actus Triart C18 ExRS、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで33%B~45%B、45%B、波長:254/220nm、RT1(min):7.62)し、白色固体の化合物A-4(7mg、収率4%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 392.H NMR (400 MHz, DMSO-d) : δ (ppm) 11.22 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 4.16 (d, J = 9.8Hz, 1H), 3.86 - 4.06 (m, 2H), 3.72-3.76 (m, 2H), 3.50-3.55 (m, 3H), 3.22-3.24 (m, 2H), 2.68 -3.02 (m, 3H), 2.57 (s, 3H), 2.46 (s, 3H), 1.53 - 1.91 (m, 4H)。
【0108】
実施例4 化合物A-5の合成
【化27】
【0109】
100mLの反応フラスコに、化合物1(4.5 g、18.436mmol、1.00 equiv)を塩酸溶液(3mol/L、50mL)に溶解し、亜硝酸ナトリウム(1.65 g、23.967mmol、1.3 equiv)を0℃で反応フラスコにゆっくりと加え、窒素を置換し、更に0℃で2時間撹拌した。上記反応液をヨウ化カリウム(3.67 g、22.123mmol、1.2 equiv)の水溶液(10mL)に60℃で滴下し、60℃で1.5時間反応させた。反応終了後、反応液を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を減圧濃縮し、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、オレンジ色油状物の化合物2(5.84 g、収率89.2%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =355。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 2.44 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 7.56 (s, 1H), 7.73 (s, 1H)。
【0110】
40mLの封管において、化合物2(2.3 g、6.479mmol、1.00 equiv)、Pd(dppf)Cl(0.24 g、0.324mmol、0.05 equiv)、ヨウ化銅(0.12g、0.648mmol、0.1 equiv)をN,N-ジメチル基アセトアミド(15mL)に溶解し、窒素雰囲気下で、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ヨウ化亜鉛(DMAにおいて、19.41mL、19.41mmol、3.00 equiv)を加え、更に80℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応系を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を減圧濃縮し、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体の化合物3(408mg、収率20.1%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =314。
【0111】
40mLの封管において、化合物3(408mg、1.303mmol、1.00 equiv)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解し、水素化アルミニウムリチウム(49.44mg、1.303mmol、1 equiv)を0℃でゆっくりと加え、窒素雰囲気下で0℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、氷水で反応系をクエンチし、酢酸エチルで抽出し(80mL×2回)、合わせた有機相を減圧濃縮し、褐色油状物の化合物4(370mg、収率99.6%)を得た。
【0112】
40mLの封管において、化合物4(370mg、1.297mmol、1.00 equiv)、二酸化マンガン(902.35mg、10.376mmol、8 equiv)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、窒素雰囲気下で30℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応系を減圧濃縮し、得られた粗製品を薄層クロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製し、黄色固体の化合物5(309mg、収率84.11%)を得た。m/z (ES+), [M] =283。
【0113】
40mLの封管において、化合物5(309mg、1.091mmol、1.00 equiv)、4Aモレキュラーシーブ(100mg)、化合物SM1(397.39mg、1.091mmol、1 equiv)をジクロロメタン(8mL)に溶解し、窒素雰囲気下で30℃で6時間撹拌した。反応終了後、濾液を回転乾燥させ、得られた生成物をヘキサフルオロイソプロパノール(1mL)に溶解し、化合物SM2(78.93mg、0.218mmol、0.2 equiv)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(72.99mg、0.218mmol、0.2 equiv)のヘキサフルオロイソプロパノール(2mL)混合物に滴下し、窒素雰囲気下で室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応系を減圧濃縮し、粗製品を薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、黄色固体の化合物6(100mg、収率26.9%)を得た。m/z (ES+), [M] =340。
【0114】
8mLの封管において、化合物6(100mg、0.294mmol、1.00 equiv)、化合物SM3(75.86mg、0.294mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl(23.94mg、0.029mmol、0.1 equiv)、炭酸カリウム(62.30mg、0.588mmol、2 equiv)を水(1mL)及び1,4-ジオキサン(4mL)に加え、窒素雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を濃縮し、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、生成物の粗製品を得て、粗製品を更に高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで25% B~50%B、50%B、波長:220nm、RT1(min):7.30)し、白色固体の化合物A-5(14.6mg、収率12.7%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 392. H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 1.55-1.65 (m, 2H), 2.09-2.13 (m, 2H), 2.30 (d, J=1.0Hz, 3H), 2.43 (s, 2H), 2.54 (s, 1H), 2.77 (s, 1H), 2.92 (s, 2H), 3.45-3.48 (m, 3H), 3.55 (s, 1H), 3.66 (s, 1H), 3.77 (dd, J=10.4, 2.8Hz, 1H), 4.01 (dd, J=10.0, 4.9Hz, 2H), 4.14-4.35 (m, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 11.36 (s, 1H)。
【0115】
実施例5 化合物A-6の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化28】
【0116】
8mLの封管において、化合物1(60mg、0.166mmol、1.00 equiv)、化合物SM1(42.94mg、0.166mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl(13.55mg、0.017mmol、0.1 equiv)、炭酸カリウム(68.97mg、0.498mmol、3 equiv)を水(0.4mL)及び1,4-ジオキサン(4mL)に加え、窒素雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を減圧濃縮し、得られた粗製品をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して生成物の粗製品を得て、粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで30%B~50%B)し、白色固体の化合物A-6(6.2mg、収率9.0%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =412。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 1.28 - 1.77 (m, 2H), 2.09-2.10 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.65 (s, 1H), 2.80 - 3.06 (m, 3H), 3.23 (s, 1H), 3.40 - 3.63 (m, 4H), 3.73-3.76 (m, 2H), 4.00 (s, 2H), 4.11 - 4.48 (m, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 11.40 (s, 1H)。
【0117】
実施例6 化合物A-7の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化29】
【0118】
8mLの封管において、化合物1(30mg、0.092mmol、1.00 equiv)、化合物SM1(50.63mg、0.184mmol、2 equiv)、Pd(dppf)Cl(7.47mg、0.009mmol、0.1 equiv)、炭酸ナトリウム(29.15mg、0.276mmol、3 equiv)を、1,4-ジオキサン/水(4mL/1mL)溶液に加え、窒素保護下で80℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応系を濃縮し、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10:1)により精製し、粗製品を得て、粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで25%B~45%B、45%B、波長:254nm、RT1(min):6.93)し、白色固体の化合物A-7(1.1mg、収率2.89%)を得た[M+H] = 397。H NMR (400 MHz, CDOD-d): δ (ppm) 8.81 (d, J = 9.6Hz, 1H), 7.85 (d, J=8.3Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.3Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 4.48 (dd, J = 10.3Hz, 3.3Hz, 1H), 4.11-4.19 (m, 2H), 3.97 (dd, J = 11.7Hz, 3.3Hz, 1H), 3.85 - 3.94 (m, 1H), 3.58 - 3.72 (m, 3H), 3.55 (d, J = 11.0Hz, 1H), 3.09 -3.22 (m, 3H), 2.49 (s, 3H), 1.95-1.99 (m, 1H), 1.84-1.88 (m, 2H), 1.71-1.74 (m, 1H)。
19F NMR (376 MHz, CDOD-d): δ (ppm) -120.61。
【0119】
実施例7 化合物A-8の合成
【化30】
【0120】
8mLの封管において、化合物1(60mg、0.166mmol、1.00 equiv)、SM1(42.94mg、0.166mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl(13.55mg、0.017mmol、0.1 equiv)、炭酸ナトリウム(52.89mg、0.498mmol、3 equiv)を、1,4-ジオキサン/水(4mL/1mL)溶液に加え、窒素雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応系を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10:1)により粗製品を得て、粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで30%B~50%B、50%B、波長:254nm、RT1(min):7.07)し、白色固体の化合物A-8(3.1mg、収率4.5%)を得た。[M+H] =412。H NMR (CDOD-d, 400 MHz): δ (ppm) 1.69 (d, J=13.1Hz, 1H), 1.76 - 1.99 (m, 3H), 2.02 (s, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.96-3.01 (m, 1H), 3.05 - 3.16 (m, 1H), 3.22-3.24 (m, 1H), 3.36 - 3.50 (m, 1H), 3.62-3.64 (m, 3H), 3.75 - 3.88 (m, 2H), 4.08 (d, J = 11.2Hz, 2H), 4.24 (dd, J = 10.0, 3.0Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 8.20 (s, 1H)。
【0121】
実施例8 化合物A-9及びA-39の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化31】
【0122】
8mLの封管において、化合物1(50mg、0.140mmol、1.00 equiv)、化合物SM1(36.23mg、0.140mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl.CHCl(20.54mg、0.028mmol、0.2 equiv)、炭酸カリウム(58.19mg、0.420mmol、3 equiv)を1,4-ジオキサン/水(4mL/1mL)の溶液に加え、反応系を窒素雰囲気下で80℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応系を濃縮し、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して粗製品を得て、粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO+0.1% NH.HO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで25%B~50%B、50%B、波長:220nm、RT1(min):7.43)し、白色固体の化合物A-9(1.9mg、収率3.3%)及び化合物A-39(0.5mg、収率0.86%)を得た。
【0123】
化合物A-9:m/z(ES+)、[M+H]=408。H NMR(DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 11.35 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 4.18 (d, J = 9.7Hz, 1H), 3.95-3.97 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.77 (d, J = 10.7Hz, 1H), 3.67 (d, J = 10.8Hz, 1H), 3.45-3.49 (m, 3H), 3.22-3.24 (m, 2H), 2.92-2.97 (m, 3H), 2.36-2.40 (m, 1H), 2.32 (s, 3H), 1.24-1.44 (m, 3H)。
化合物A-39:m/z(ES+)、[M+H]=394.15。
【0124】
実施例9 化合物A-10の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化32】
【0125】
40mLの封管において、化合物1(100mg、0.291mmol、1.00 equiv)、化合物SM1(74.99mg、0.291mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl(23.67mg、0.029mmol、0.1 equiv)、炭酸カリウム(120.45mg、0.873mmol、3 equiv)を1,4-ジオキサン/水(5mL/0.5mL)溶液に加え、窒素雰囲気下で80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を回転乾燥させ、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=15:1)により精製して粗製品を得て、粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで20%B~45%B)し、白色固体の化合物A-10(11.7mg)を得た。m/z (ES+), [M+H] =396。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 11.41 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.45 (t, J = 8.1Hz, 1H), 7.24 - 7.29 (m, 2H), 4.38 (d, J = 9.9Hz, 1H), 3.97-4.00 (m, 2H), 3.71-3.78 (m, 3H), 3.67 (dd, J = 10.8, 3.4Hz, 1H), 3.44-3.58 (m, 3H), 2.90 (d, J = 6.1Hz, 2H), 2.75 (s, 1H), 2.29 (s, 3H), 1.62-1.86 (m, 4H)。
19F NMR (DMSO-d, 376 MHz): δ (ppm) -118.68.
【0126】
実施例10 化合物A-11の合成
【化33】
【0127】
8mLの封管において、化合物1(70.01mg、0.204mmol、1.05 equiv)を1,4-ジオキサン/水(5mL:1mL)溶液に溶解し、SM1(50mg、0.194mmol、1.00 equiv)、Pd(dppf)Cl(14.17mg、0.019mmol、0.1 equiv)、炭酸カリウム(80.90mg、0.582mmol、3 equiv)を加え、反応系を窒素保護下で80℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させ、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=15:1)により精製して粗製品を得て、更に高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:7minで35%B~40%B、40%B、波長:220nm、RT1(min):6.32)し、白色固体の化合物A-11(24.8mg、収率30.8%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =396。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 11.44 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.6Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.24 (d, J = 8.6Hz, 1H), 4.12 (dd, J = 10.0, 3.0Hz, 1H), 3.98 (dt, J = 13.7, 4.4Hz, 2H), 3.84 - 3.60 (m, 2H), 3.49-3.55 (m, 3H), 3.27-3.35 (m, 2H), 2.82-2.97 (m, 3H), 2.30 (s, 3H), 1.49-1.95 (m, 4H)。
19F NMR (DMSO-d, 376 MHz): δ -120.44.
【0128】
実施例11 化合物A-12の合成
【化34】
【0129】
50mLの反応フラスコにおいて、化合物1(3 g、8.451mmol、1.00 equiv)、ボロン酸エステル(1.95 g、9.296mmol、1.1 equiv)、酢酸パラジウム(0.19 g、0.845mmol、0.1 equiv)、リン酸カリウム(3.59 g、16.902mmol、2 equiv)、トリフェニルホスフィン(0.22 g、0.845mmol、0.1 equiv)をアセトニトリル/水(40mL/10mL)溶液に溶解し、窒素雰囲気下で65℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応系を濃縮し、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体の化合物2(1.953 g、収率73.1%)を得た。m /z (ES+), [M+H] = 313。
【0130】
50mLの反応フラスコにおいて、化合物2(1.11 g、3.567mmol、1.00 equiv)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、0℃でリチウムアルミニウムオキシド(0.14 g、3.567mmol、1 equiv)をゆっくりと加え、反応系を窒素雰囲気下で0℃で2時間撹拌した。反応終了後、氷水でクエンチ反応し、混合物を酢酸エチル(80mL×2)で抽出し、合わせた有機相を減圧濃縮して、淡黄色油状物の化合物3(944mg、収率93.5%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 284。
40mLの封管において、化合物3(940mg、3.320mmol、1.00 equiv)、二酸化マンガン(2308.76mg、26.560mmol、8 equiv)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、反応系を窒素雰囲気下で30℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応系を濃縮し、混合物を薄層クロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により黄色固体の化合物4(858mg、収率91.9%)を得た。m/z (ES+), [M] =281。
【0131】
40mLの封管において、化合物4(450mg、1.601mmol、1.00 equiv)、4Aモレキュラーシーブ(800mg)をジクロロメタン(15mL)に溶解した。窒素雰囲気下で、化合物SM1(582.87mg、1.601mmol、1 equiv)を加え、反応系を30℃で6時間反応させた。反応終了後、濾過し、濾液を濃縮して得られた粗製品をヘキサフルオロイソプロパノール(10mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸銅(107.05mg、0.320mmol、0.2 equiv)及び化合物SM2(115.78mg、0.320mmol、0. 2 equiv)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下で室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応系を濃縮し、粗製品を薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=12:1)により黄色固体の化合物5(300mg、収率55.4%)を得た。m/z (ES+), [M+2H] =340。
【0132】
8mLの封管において、化合物5(340mg、1.005mmol、1.00 equiv)を1,4-ジオキサン/水(10mL/1mL)溶液に溶解し、化合物SM3(259.47mg、1.005mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl(73.55mg、0.100mmol、0.1 equiv)、炭酸カリウム(419.81mg、3.015mmol、3 equiv)を加え、反応系を窒素雰囲気下で80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応系を濃縮し、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=12:1)により精製して粗製品を得て、更に粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで25%B~50%B、50%B、波長:220nm、RT1(min):7.40)し、白色固体の化合物A-12(7.8mg、収率1.9%)を得た。m/z (ES+), [M+H] =390。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 11.36 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 5.62 (d, J = 14.8Hz, 1H), 4.12 - 4.38 (m, 2H), 3.66 - 4.10 (m, 4H), 3.38-3.69 (m, 3H), 3.23 (t, J=10.3Hz, 1H), 2.87 (d, J=8.5Hz, 3H), 2.38 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.21-2.25 (m, 2H)。
【0133】
実施例12 化合物A-13の合成
化合物1の合成は、実施例11の中間体化合物5の方法と類似している。
【化35】
【0134】
40mLの封管において、化合物1(250mg、0.697mmol、1.00 equiv)、ビス-ピナコールボロン酸エステル(194.71mg、0.767mmol、1.1 equiv)、Pd(dppf)Cl(113.56mg、0.139mmol、0.2 equiv)、酢酸カリウム(136.82mg、1.394mmol、2 equiv)を1,4-ジオキサン(5mL)に加え、反応を窒素雰囲気下で80℃で一晩撹拌した。反応終了後、反応系を回転乾燥させ、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、黄色固体の化合物2(200mg、収率70.72%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 406。
【0135】
40mLの封管において、化合物2(50mg、0.237mmol、1.00 equiv)、化合物SM1(96.12mg、0.237mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl(19.30mg、0.024mmol、0.1 equiv)、炭酸カリウム(98.22mg、0.711mmol、3 equiv)を、1,4-ジオキサン/水(5mL/0.5mL)溶液に加え、反応系を窒素雰囲気下で80℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させ、混合物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して粗製品を得て、粗製品を高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで30%~50%B)し、白色固体の化合物A-13(3.9mg、収率3.99%)を得た。m/z (ES+), [M+H]= 410。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 11.43 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.92 (d, J =8.0Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 5.72 (d, J = 17.0Hz, 1H), 4.14-4.37 (m, 2H), 3.83-3.89 (m, 3H), 3.65-3.79 (m, 2H), 3.46-3.64 (m, 2H), 3.42 (d, J=10.5Hz, 1H), 3.26 (d, J = 10.2Hz, 1H), 2.79-2.88 (m, 2H), 2.33-2.49 (m, 4H), 2.26 (s, 1H)。
【0136】
実施例13 化合物A-14の合成
【化36】
【0137】
40mLの封管において、化合物1(2 g、28.552mmol、1.00 equiv)、ジメチル基アミン(2.33 g、28.552mmol、1 equiv)、HATU(16.28 g、42.828mmol、1.5 equiv)、DIEA(14.76 g、114.208mmol、4 equiv)をDMF(20mL、273.617mmol、9.58 equiv)に溶解し、窒素の条件下で、室温で3時間反応させ、反応終了後、水及び酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を回転乾燥させて濃縮した後、分取薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により黄色固体の化合物2(2.2 g、収率79.34%)を得た。MS (ESI): [M+H] = 98。
【0138】
40mLの封管において、化合物2(2.2 g、22.653mmol、5.40 equiv)、3(2 g、4.192mmol、1.00 equiv)、ヨウ化銅(0.08 g、0.419mmol、0.1 equiv)、Pd(PPhCl(0.48 g、0.419mmol、0.1 equiv)をトリエチルアミン(20mL)に溶解し、窒素下で、60℃で一晩反応させ、反応終了後、溶媒を濾過して回転乾燥させ、分取薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により、黄色固体の化合物4(740mg、収率40%)を得た。MS (ESI): [M+H] = 446.0。
【0139】
40mLの封管において、化合物4(740mg、1.658mmol、1.00 equiv)、5(618.93mg、1.658mmol、1 equiv)、Pd(dppf)Cl(135.06mg、0.166mmol、0.1 equiv)、炭酸カリウム(687.44mg、4.974mmol、3 equiv)を1,4-ジオキサン(8mL)及び水(0.8mL)に溶解し、窒素の条件下で、80℃で3時間反応させ、反応終了後、溶媒を濾過して回転乾燥させ、分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10:1)により、黄色固体の化合物6(640mg、収率63%)を得た。MS (ESI): [M+H] = 613.4。
【0140】
40mLの封管において、化合物6(640mg、1.044mmol、1.00 equiv)、NaOH(2mL、50.004mmol、47.87 equiv、2M)をメタノール(7mL)に加え、窒素の条件下で、65℃で1時間反応させた。反応終了後、反応液を回転乾燥させ、ジクロロメタン/メタノール(7:1)のカラムクロマトグラフィーにより生成物の粗製品を得て、粗製品は高圧分取(カラム:CHIRALPAK IG、2×25 cm、5μm、移動相A:Hex(0.5% 2M NH3-MeOH)--HPLC、移動相B:EtOH:DCM =1:1--HPLC、流速:20mL/min、勾配:15.5minで40%B~40%B、波長:220/254nm、RT1(min):9.20、RT2(min):12.70、試料溶媒:EtOH:DCM =1:1--HPLC、注入体積:0.85mL)により、白色固体の化合物A-14(100mg、収率20.3%)を得た。MS (ESI): [M+H] = 459.2。H NMR(DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 12.56 (s, 1H), 8.62 (d, J = 2.0Hz, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.13 (d, J = 2.0Hz, 1H), 7.95 (d, J = 2.0Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.0, 2.0Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.0Hz, 1H), 4.18-4.16 (m, 1H), 4.02-3.98 (m, 2H), 3.79-3.76 (m, 1H), 3.72-3.68 (m, 1H), 3.57-3.52 (m, 3H), 3.35-3.15 (m, 5H), 3.02-2.88 (m, 6H), 1.86-1.56 (m, 4H)。
【0141】
実施例14 化合物A-15の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化37】
【0142】
化合物1(80mg、0.132mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで24%B~49%B、49%B、波長:254nm、RT1(min):7.28)し、白色固体の化合物A-15(32.6mg、収率60.31%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 405. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.45 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.3Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.29 (d, J = 9.6Hz, 1H), 3.98 (d, J = 10.9Hz, 2H), 3.88 (d, J = 11.0Hz, 1H), 3.77 (d, J = 10.2Hz, 1H), 3.42-3.59 (m, 4H), 3.12-3.19 (m, 1H), 2.97 (s, 2H), 2.65 (s, 1H), 2.00-2.11 (m, 1H), 1.63-1.85 (m, 4H), 0.87-0.93 (m, 2H), 0.67-0.71 (m, 2H).
【0143】
実施例15 化合物A-16の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化38】
【0144】
化合物1(80mg、0.132mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで24%B~49%B、49%B、波長:254nm、RT1(min):7.30)し、白色固体の化合物A-16(30.7mg、収率56.80%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 405. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.45 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.3Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.29 (d, J = 8.4Hz, 1H), 3.98 (d, J = 11.1Hz, 2H), 3.88 (dd, J = 11.2, 3.1Hz, 1H), 3.77 (d, J = 11.1Hz, 1H), 3.45-3.59 (m, 4H), 3.13-3.20 (m, 1H), 2.98 (s, 2H), 2.68 (s, 1H), 2.02-2.10 (m, 1H), 1.61-1.82 (m, 4H), 0.84-0.92 (m, 2H), 0.65-0.73 (m, 2H).
【0145】
実施例16 化合物A-17の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化39】
【0146】
化合物1(50mg、0.079mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで20%B~50%B、50%B、波長:220nm、RT1(min):7.58)し、白色固体の化合物A-17(4.5mg、収率12.3%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 433. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 9.17 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.3Hz, 1H), 4.30 (d, J = 9.9Hz, 1H), 3.99 (dd, J = 10.9, 3.4Hz, 2H), 3.89 (d, J = 11.1Hz, 1H), 3.78 (d, J = 10.4Hz, 1H), 3.45-3.63 (m, 4H), 3.17-3.22 (m, 1H), 2.98 (s, 2H), 1.63-1.86 (m, 4H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d): -55.10.
【0147】
実施例17 化合物A-18の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化40】
【0148】
化合物1(100mg、0.158mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで20%B~50%B、50%B、波長:220nm、RT1(min):7.58)し、白色固体の化合物A-18(22.1mg、収率31.98%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 433. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 12.69 (s,1H), 9.18 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.3Hz, 1H), 4.30 (d, J = 9.9Hz, 1H), 3.99 (dd, J = 10.9, 3.4Hz, 2H), 3.89 (dd, J = 11.1, 3.1Hz, 1H), 3.78 (d, J = 10.4Hz, 1H), 3.45-3.63 (m, 4H), 3.16-3.22 (m, 1H), 2.98-3.00 (m, 2H), 1.75-1.81 (m, 3H), 1.63 (d, J = 12.8Hz, 1H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d): -55.12.
【0149】
実施例18 化合物A-19、A-20の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化41】
【0150】
化合物1を、キラル高圧分取液相により精製(カラム:CHIRALPAK IG、2×25 cm、5μm、移動相A:Hex(0.2% DEA)--HPLC、移動相B:EtOH:DCM=1:1--HPLC、流速:20mL/min、勾配:20minで90%B~90%B、波長:220/254nm、RT1(min):5.45、RT2(min):15.32、移動相溶媒:EtOH:DCM=1:1--HPLC、試料注入体積:2mL、実行回数:1)し、白色固体の化合物A-19(8.5mg)及びA-20(8.3mg)を得た。
A-19:
MS (ESI):m/z [M+H] = 399. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.96 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 4.30 (d, J = 9.9Hz, 1H), 3.98 (d, J = 11.0Hz, 2H), 3.60-3.89 (m, 2H), 3.46-3.57 (m, 5H), 3.16-3.21 (m, 1H), 2.97 (s, 2H), 1.61-1.79 (m, 4H).
A-20:
MS (ESI):m/z [M+H] = 399. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 12.17 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.3Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.3Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 4.30 (dd, J= 10.2Hz, 3.2Hz, 1H), 3.98 (dd, J = 10.1, 2.9Hz, 2H), 3.88 (dd, J = 11.1, 3.1Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 10.6, 2.5Hz, 1H), 3.47-3.61 (m, 5H), 3.15-3.19 (m, 1H), 2.99 (s, 2H), 1.56-1.80 (m, 4H).
【0151】
実施例19 化合物A-21の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化42】
【0152】
化合物1(20mg、0.034mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで10%B~31%B、31%B、波長:254nm、RT1(min):7.45/9.37)し、白色固体の化合物A-21(1.5mg、収率9.74%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 395. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.58 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.89 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.3Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 4.94 (t, J = 5.5Hz, 1H), 4.70 (d, J = 5.5Hz, 2H), 4.30 (d, J = 9.9Hz, 1H), 3.98 (d, J = 11.0Hz, 2H), 3.88 (d, J = 11.3Hz, 1H), 3.78 (d, J = 11.3Hz, 1H), 3.45-3.61 (m, 4H), 3.17-3.21 (m, 1H), 2.98 (s, 2H), 1.63-1.78 (m, 4H).
【0153】
実施例20 化合物A-22の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化43】
【0154】
化合物1(80mg、0.159mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで23%B~48%B、48%B、波長:254nm、RT1(min):7.50)し、白色固体の化合物A-22(28.8mg、収率44.77%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 403. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.42 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 3.99 (d, J = 10.8Hz, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.41-3.52 (m, 2H), 3.20-3.23 (m, 1H), 2.51-2.55 (m, 4H), 1.98-2.05 (m, 1H), 1.65-1.82 (m, 8H), 0.89 (t, J = 9.9Hz, 2H), 0.65 (t, J = 9.9Hz, 2H).
【0155】
実施例21 化合物A-23の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化44】
【0156】
化合物1(50mg、0.094mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:7minで23%B~50%B、50%B、波長:220nm、RT1(min):6.23)し、白色固体の化合物A-23(10.1mg、収率:24.47%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 431. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 12.64 (s, 1H), 9.09 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.1Hz, 1H), 3.81-4.05- (m, 5H), 3.36-3.62 (m, 4H), 1.64-1.92 (m, 9H), 1.24 (s, 1H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d): -55.18.
【0157】
実施例22 化合物A-24の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化45】
【0158】
化合物1(60mg、0.116mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO+0.1% NH・HO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで35%B~60%B、9minで60%B~70%B、70%B、波長:254nm、RT1(min):8.43)し、白色固体の化合物A-24(25mg、収率:51.89%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 417. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.42 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.38 (d, J = 11.9Hz, 1H), 4.00 (dd, J = 11.1, 3.6Hz, 2H), 3.34-3.53 (m, 4H), 2.67-2.69 (m, 1H), 2.26-2.31 (m, 1H), 1.87-2.03 (m, 2H), 1.60-1.77 (m, 4H), 1.48-1.64 (m, 2H), 1.26-1.41 (m, 1H), 1.19 (d, J = 5.9Hz, 3H), 0.80-0.95 (m, 2H), 0.60-0.73 (m, 2H).
【0159】
実施例23 化合物A-25の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化46】
【0160】
化合物1(60mg、0.077mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO+0.1% NH・HO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで35%B~60%B、9minで60%B~70%B、70%B、波長:254nm、RT1(min):8.32)し、白色固体の化合物A-25(23.3mg、収率:48.17%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 417. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.42 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.38 (d, J = 12.0Hz, 1H), 4.00 (dd, J = 11.1, 3.6Hz, 2H), 3.34-3.57 (m, 4H), 2.69 (t, J = 7.7Hz, 1H), 2.26-2.41 (m, 1H), 1.90-2.07 (m, 2H), 1.43-1.83 (m, 6H), 1.20-1.34 (m, 1H), 1.19 (d, J = 5.9Hz, 3H), 0.87-0.92 (m, 2H), 0.65-0.69 (m, 2H).
【0161】
実施例24 化合物A-26の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化47】
【0162】
化合物1(100mg、0.210mmol、1 equiv)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:11minで14%B~38%B、38%B、波長:254nm、RT1(min):10.30)し、白色固体の化合物A-26(44mg、収率55.59%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 377. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.40 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 3.85-4.03 (m, 5H), 3.43-3.56 (m, 4H), 3.21-3.29 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.59-1.77 (m, 8H).
【0163】
実施例25 化合物A-27の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化48】
【0164】
化合物1(38mg、0.07mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで22%B~52%B、52%B、波長:220nm、RT1(min):7.37)し、白色固体の化合物A-27(1.9mg、収率5.72%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 447. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 9.14 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 4.63 (s, 1H), 4.54 (dd, J = 10.1, 3.2Hz, 1H), 4.15 (dd, J = 11.6, 4.3Hz, 2H), 3.87-4.05 (m, 2H), 3.55-3.73 (m, 4H), 3.37-3.48 (m, 1H), 3.12-3.18 (m, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.28-2.41 (m, 2H), 1.75 (d, J = 13.2Hz, 1H), 1.66 (d, J = 13.6Hz, 1H).
19F NMR (376 MHz, CDOD-d): -58.47.
【0165】
実施例26 化合物A-28の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化49】
【0166】
化合物1(60mg、0.119mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで26%B~51%B、51%B、波長:254nm、RT1(min):7.55)し、白色固体の化合物A-28(6mg、収率:9.9%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 405. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 12.65 (s, 1H), 9.09 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.2Hz, 1H), 3.99 (dd, J = 10.6, 3.8Hz, 2H), 3.69 (s, 2H), 3.47 (dd, J = 11.5, 2.6Hz, 2H), 3.29-3.31 (m, 1H), 2.23 (s, 6H), 1.67-1.83 (m, 4H).
19F NMR (376 MHz, DMSO-d6): -55.55.
【0167】
実施例27 化合物A-29の合成
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【化50】
【0168】
化合物1(20mg、0.032mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、反応系を窒素雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで17%B~42%B、42%B、波長:254nm、RT1(min):7.32)し、白色固体の化合物A-29(5.2mg、収率:38.25%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 423. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 12.65 (s ,1H), 9.10 (s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.93 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.3Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 10.4, 3.1Hz, 1H), 3.95-4.03 (m, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.85-3.86 (m, 1H), 3.39-3.53 (m, 4H), 3.15-3.21 (m, 1H), 2.87-2.98 (m, 2H), 1.97-2.01 (m, 1H), 1.62-1.79 (m, 4H).
【0169】
実施例28 化合物A-30の合成
【化51】
【0170】
化合物1(200mg、0.345mmol、1 equiv)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取液相により精製(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:8minで28%B~53%B、53%B、波長:254nm、RT1(min):7.32)し、白色固体の化合物A-30(29.1mg、収率:17.6%)を得た。MS (ESI):m/z [M+H] = 473. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 11.93 (s, 1H), 9.03 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.2Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.3Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 4.29 (d, J = 9.6Hz, 1H), 3.99 (d, J = 10.6Hz, 2H), 3.89 (dd, J = 11.1, 3.2Hz, 1H), 3.78 (d, J = 10.5Hz, 1H), 3.52-3.59 (m, 3H), 3.33-3.47 (m, 1H), 3.22-3.33 (m, 1H), 2.89-3.00 (m, 2H), 1.62 -1.80 (m, 4H), 1.38-1.41 (m, 2H), 1.17 (s, 2H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) -68.46.
【0171】
実施例29 化合物A-32及びA-33の合成
【化52】
【0172】
化合物1の合成は、実施例4の中間体化合物6の方法と類似している。
【0173】
封管において、化合物1(80mg、0.235mmol、1.0 equiv)、炭酸カリウム(97.48mg、0.705mmol、3.0 equiv)、Pd(dppf)Cl.CHCl(19.15mg、0.024mmol、0.1 equiv)及び化合物SM1(106.61mg、0.259mmol、1.1 equiv)を1,4-ジオキサン:水/5:1(2.5mL)に溶解し、窒素の条件下で80℃で2時間反応させた。反応終了後、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール/5:1)により精製し、黄色固体の化合物2(60mg、収率37.65%)を得た。m/z(ES+),[M+H]+=546。
【0174】
化合物2をキラル分割(カラム:CHIRALPAK IG、2×25 cm、5μm、移動相A:Hex(0.2% DEA)--HPLC、移動相B:EtOH:DCM=1:1--HPLC、流速:20mL/min、勾配:10minで30%B~30%B、波長:220/254nm、RT1(min):5.18、RT2(min):7.74、試料溶媒:EtOH:DCM=1:1--HPLC、注入体積:0.7mL、ラン数:4)し、化合物3A(25mg)及び3B(30mg)を得た。
【0175】
化合物3A(25mg、0.045mmol、1 equiv)をジクロロメタン(2.5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:7minで30%~60%B、60%B、波長:220nm、RT1(min):7.07)し、白色固体の化合物A-32(4.1mg、収率:20%)を得た。m/z (ES+), [M+H] = 446.H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ (ppm): 12.60 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 4.07-4.2 (m, 1H), 4.01-4.04 (m, 2H), 3.77-3.80 (m, 1H), 3.68 (s, 1H), 3.51-3.57 (m, 4H), 2.94 (s, 3H), 2.08-2.33 (m, 4H), 1.54-1.77 (m, 2H).19F NMR (376 MHz, DMSO-d): δ (ppm): -55.07.
【0176】
化合物3B(30mg、0.073mmol、1 equiv)をジクロロメタン(2.5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取により調製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:7minで35~43%B、43%B、波長:220nm、RT1(min):7.58)し、白色固体の化合物A-33(3.3mg、収率:10.09%)を得た。m/z (ES+), [M+H]+ = 446.H NMR (400 MHz, DMSO-d δ (ppm): 12.60 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 4.07-4.2 (m, 1H), 4.01-4.04 (m, 2H), 3.77-3.80 (m, 1H), 3.68 (s, 1H), 3.51-3.57 (m, 4H), 2.94 (s, 3H), 2.08-2.33 (m, 4H), 1.54-1.77 (m, 2H).19F NMR (376 MHz, DMSO-d): δ (ppm): -55.07.
【0177】
実施例30 化合物A-34及びA-35の合成
【化53】
【0178】
化合物1の合成方法は、実施例30の中間体2を参考にした。
【0179】
化合物1をキラル分割(カラム:CHIRALPAK IG、2×25 cm、5μm、移動相A:Hex(0.5% 2M NH-MeOH)--HPLC、移動相B:EtOH:DCM=1:1--HPLC、流速:20mL/min、勾配:9minで30%B~30%B、波長:220/254nm、RT1(min):4.58、RT2(min):6.17、試料溶媒:EtOH:DCM=1:1--HPLC、注入体積:0.45mL)し、化合物1A(18mg)及び1B(20mg)を得た。
【0180】
化合物1A(18mg、0.032mmol、1.0 equiv)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、室温で0.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:7minで25%B~60%B、60%B、波長:220nm、RT1(min):7.40)し、白色固体の化合物A-34(6.7mg、収率44.48%)を得た。MS (ESI):m/z = 462. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 12.62(s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 4.22 (s, 1H), 3.93-4.00 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.79 (d, J = 10.8Hz, 1H), 3.68 (d, J = 10.9Hz, 1H), 3.33-3.50 (m, 4H), 3.10 (s, 2H), 2.99 (s, 2H), 2.43 (d, J = 12.7Hz, 1H), 1.35 (d, J = 12.9Hz, 2H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d): δ (ppm) -55.02.
【0181】
化合物1B(20mg、0.034mmol、 1 equiv)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応フラスコ内に窒素で置換し、室温で0.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を回転乾燥させた。得られた粗製品を、高圧分取により精製(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm、移動相A:水(10mmol/L NHHCO)、移動相B:ACN、流速:60mL/min、勾配:7minで30%B~55%B、55%B、波長:220nm、RT1(min):7.37)し、白色固体の化合物A-35(7.9mg、収率52.61%)を得た。MS (ESI):m/z =462. H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ (ppm) 12.62(s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 4.22 (s, 1H), 3.93-4.00 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.79 (d, J = 10.8Hz, 1H), 3.68 (d, J = 10.9Hz, 1H), 3.33-3.50 (m, 4H), 3.10 (s, 2H), 2.99 (s, 2H), 2.43 (d, J = 12.7Hz, 1H), 1.35 (d, J = 12.9Hz, 2H). 19F NMR (376 MHz, DMSO-d): δ (ppm) -55.03.
【0182】
実施例31 化合物A-36の合成
【化54】
【0183】
10mg A-5は、カラム: CHIRALPAK IG、2×25 cm、5μm、移動相A:Hex(0.5% 2M NH3-MeOH)--HPLC、移動相B:EtOH:DCM=1:1--HPLC、流速:20mL/min、勾配:10minで70%B~70%B、波長220/254nm、RT1(min):6.31、RT2(min):8.58、試料溶媒EtOH:DCM=1:1--HPLC、注入体積:1.55mL)をキラル分割し、化合物A-36(3mg、収率30%)を得た。 H NMR(DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 1.55-1.65 (m, 2H), 2.09-2.13 (m, 2H), 2.30 (d, J=1.0Hz, 3H), 2.43 (s, 2H), 2.54 (s, 1H), 2.77 (s, 1H), 2.92 (s, 2H), 3.45-3.48 (m, 3H), 3.55 (s, 1H), 3.66 (s, 1H), 3.77 (dd, J=10.4, 2.8Hz, 1H), 4.01 (dd, J=10.0, 4.9Hz, 2H), 4.14-4.35 (m, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 11.36 (s, 1H).
【0184】
実施例32 化合物A-38の合成
【化55】
【0185】
10mgの化合物1は、キラル分割(クロマトグラフィーカラム:CHIRALPAK IG、5×15 cm、10μm、移動相A:CO2、移動相B:メタノール:ジクロロメタン= 1:1(0.1% 2Mアンモニア水-メタノール)、流速:200mL/min、勾配変化曲線:一定溶媒成分50%B、温度(℃):35、圧力(バール):100、波長:220nm、RT1(min):6.13、RT2(min):9.48、試料溶媒:メタノール:ジクロロメタン= 1:1(0.1% 2Mアンモニア水-メタノール)、試料体積:19mL)し、化合物A-38(4mg、収率40%)を得た。MS(ESI):[M+H]+ =408.2。H NMR (DMSO-d, 400 MHz): δ (ppm) 1.46-1.73 (m, 2H), 2.09 (s, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.35-2.41 (m, 1H), 2.81-3.02 (m, 2H), 3.23-3.25 (m, 2H), 3.41-3.50 (m, 3H), 3.65-3.88 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.91-3.99 (m, 2H), 4.17-4.19 (m, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 11.35 (s, 1H).
【0186】
効果実施例:生物学的実験方法
試験化合物を100%のDMSOに溶解し、母液濃度が10mMであった。試験開始濃度が10μMであり、3倍勾配で希釈し、10データポイントで、ポイントごとに2回繰り返した。
HPK1キナーゼ活性に対する化合物の阻害実験は、ADP-GloTMプラットフォームを使用した。反応を384ウェルプレートで行い、ウェルごとに0.3nM HPK1、5μM ATP、0.05mg/mL MBP、0-10μM化合物、1% DMSOを含んだ。反応緩衝液は、50mM HEPES、10mMmgCl2、1mM EGTA、1mM DTT、0.01% Brij 35、pH=7.5であった。化合物をキナーゼと共に25℃で15分間インキュベートし、基質及びATPを加えて反応を開始した。25℃で1時間反応後、ADP-GloTM試薬を加え、反応を停止させ、25℃で1時間インキュベートした。キナーゼ検出試薬を加え、25℃で1時間インキュベートした後、化学発光シグナルを検出した。阻害率は、読み取り値から計算し、4パラメータを使用して化合物のIC50をフィッティング計算した。結果を表1に示した。
【0187】
【表1】
【0188】
ここで、Aは0.01nM≦IC50<5nMを表し、Bは5nM≦IC50<10nMを表し、Cは10nM≦IC50<100nMを表す。
【0189】
マウス動力学的(PK)実験
雄CD1マウス(5~8週齢)を、1mg/kgの用量レベルで尾静脈ボーラスにより静脈内(IV)で投与し、又は胃管栄養法により、5mg/kg、30mg/kg及び100mg/kgの用量レベルで胃内(PO)で投与する。IV及び5mg/kg PO投与群について、化合物を2% DMSO+98%(10% HP-β-CD生理食塩水を含む)の溶媒で調製した。30mg/kg及び100mg/kgのPO投与量群について、化合物を0.5% MC+0.1% Tween80水溶液の溶媒で調製した。実験中、全ての動物に自由に飲食させた。投与後の0.033、0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12及び24時間(IV)又は0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12及び24時間(PO)に、中足背静脈を介して血液サンプルを採取し、各時点で約0.03mL(n=3マウス)の血液を採取してEDTA-K2を抗凝固剤とするチューブに入れた。4000×gを5分間遠心分離した後、得られた血漿試料をLC-MS/MS法により分析し、PKパラメータをWinNonlinソフトウェア(PhoenixTM、バージョン8.3)を使用して非コンパートメントモデル分析法により計算した。
【0190】
本発明の幾つかの化合物は、1mg/kgの投与量レベルで静脈内投与した後に30mL/min/kg以下のクリアランス(CL)を示し、幾つかの化合物は、10mL/min/kg以下のクリアランス(CL)も示すことさえあった。
【0191】
本発明の幾つかの化合物は、1mg/kgの投与量レベルで静脈内投与した後に500ng×h/mL以上の薬物時間曲線下面積(AUC-last)を示し、幾つかの化合物は、1000ng ×h/mL以上の薬物時間曲線下面積(AUC-last)を示すことさえあった。
【0192】
本発明の幾つかの化合物は、5mg/kgの用量レベルで経口投与した後に70%以上のバイオアベイラビリティ(F)を示し、幾つかの化合物は、100%以上のバイオアベイラビリティ(F)を示すことさえあった。
【0193】
ヒトhERGカリウムチャネルに対する化合物の阻害作用
ヒトhERGカリウムチャネルに対する化合物の潜在的な阻害作用を、自動パッチクランプシステムにより評価した。hERG遺伝子を安定に発現するCHO細胞系を実験材料として使用し、陽性対照としてシサプリド(cisapride)を使用した。細胞を、F12(HAM)、10%FBS、100 U/mLペニシリン-ストレプトマイシン、100μg/mLのハイグロマイシン、100μg/mLのG418を含有する培地で培養した。膜を+30mVに4.8秒間脱分極した後、失活を除去するために-50mVに5.2秒間戻すことにより、hERG電流を生成し、失活テール電流を測定した。サンプリング間隔が15秒であり、テール電流の最大量は、hERG電流の大きさを決定するために使用される。Graphpad Prism 8.0を使用し、hERG阻害パーセント及び化合物濃度のデータを用量反応曲線にフィットさせ、IC50値を得た。
【0194】
ヒトhERGカリウムチャネルに対する本発明の幾つかの化合物の阻害作用のIC50値が6μM以上であり、ヒトhERGカリウムチャネルに対する幾つかの化合物の阻害作用のIC50値が15μM以上でさえあった。
【国際調査報告】