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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】コンベヤローラ
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/00 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
B65G39/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568676
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2022062408
(87)【国際公開番号】W WO2022238289
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】102021112177.9
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521268576
【氏名又は名称】インターロール ホールディング アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Interroll Holding AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ランゲンシッペン,ドミニク
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033GA06
3F033GB08
3F033GC02
(57)【要約】
回転軸(A)を中心に回転可能に取り付けられ、外周面に被搬送物および/またはコンベヤベルトに対する接触面(21a)を提供する金属管(21)と、
コンベヤローラ(2)は、無線通信、特にNFC装置またはRFID装置に適合した通信装置(4)とを備え、
通信装置(4)は、特に、近傍に位置する読み取り装置(5)に無線で情報を提供するように適合されている、コンベヤローラ(2)が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤローラ(2)であって、
回転軸(A)を中心に回転可能に取り付けられ、外周面に被搬送物および/またはコンベヤベルトに対する接触面(21a)を提供する金属管(21)を備え、
前記コンベヤローラ(2)は、無線通信、特にNFC装置またはRFID装置に適合した通信装置(4)を備え、
前記通信装置(4)は、特に、近傍に位置する読み取り装置(5)に無線で情報を提供するように適合されている、コンベヤローラ(2)。
【請求項2】
前記通信装置(4)は、前記コンベヤローラの軸方向端部に取り付けられ、特に前記通信装置(4)は、前記金属管(21)を少なくとも部分的に閉じるエンドキャップ(22)に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤローラ(2)。
【請求項3】
前記通信装置(4)は、前記金属管(21)の軸方向に隣接して配置され、特に、前記金属管(21)は、前記通信装置(4)を半径方向に覆わないように配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のコンベヤローラ(2)。
【請求項4】
側面図において、前記通信装置(4)は、前記接触面(21a)の外径(D)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンベヤローラ(2)。
【請求項5】
前記通信装置(4)の主放射方向(V)、特に前記通信装置(4)のアンテナの前記主放射方向は、前記回転軸(A)に対して放射状に整列される、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンベヤローラ(2)。
【請求項6】
搬送方向(F)に沿って被搬送物を搬送するためのコンベヤ装置(1)であって、
フレーム(3)と、
請求項1~5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンベヤローラ(2)と、
を備え、
前記フレーム(2)は、前記搬送方向(F)に対して平行に整列された少なくとも1つの長手梁(31)を有し、前記コンベヤローラ(2)は、前記搬送方向(F)に対して横方向に前記長手梁(31)に固定されている、コンベヤ装置(1)。
【請求項7】
前記金属管(21)と前記長手部材(31)との間に軸方向に間隙が形成され、
前記通信装置(4)は、前記通信装置(4)の主放射方向(V)が間隙(33)の間に配置され、特に前記回転軸(A)に対して放射状に整列するように前記コンベヤ装置(1)上に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のコンベヤ装置(1)。
【請求項8】
側面から見ると、前記コンベヤローラ(2)は、少なくとも60%、特に少なくとも80%、特に少なくとも90%、特に100%の程度まで前記長手部材(31)によって遮蔽されていることを特徴とする、請求項6または7に記載のコンベヤ装置(1)。
【請求項9】
読み取り装置(5)と前記通信装置(4)との間に通信リンクを確立するために、特に前記通信装置(4)を読み出すために、前記読み取り装置(5)は、前記通信装置(4)の鉛直方向上方に配置される、請求項6~8のいずれか一項に記載のコンベヤ装置(1)の使用。
【請求項10】
読み出すために、前記読み取り装置(5)は、前記通信装置(4)から1~10cmの距離に保持される、請求項9に記載のコンベヤ装置(1)の使用。
【請求項11】
前記コンベヤローラ(2)は、読み出し中に前記回転軸(A)の周りで回転運動を行う、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンベヤ装置(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤローラに関するものであり、特にモータ駆動のコンベヤローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
WO2018/109165A1は、モータ駆動のコンベヤローラを開示している。コンベヤローラは、管を備えており、通常は金属製である。管は、回転軸の周りを回転できるようにフレームに取り付けられている。コンベヤローラの金属部品またはコンベヤローラの近傍の金属部品は、電磁遮蔽を構成する。
【0003】
メンテナンスの目的で、コンベヤローラを識別すると役立つ場合がある。例えば、構造の種類または使用年数、インストールされているソフトウェアまたはハードウェアのバージョン、コンベヤローラの操作マニュアルを判断することができ、そこから特定のメンテナンス対策を導き出すことができる。
【0004】
本発明の目的は、コンベヤローラを識別するための使いやすい可能性を提供することである。コンベヤローラの識別は、信頼性が高い必要があり、ローラの機能に悪影響を及ぼしてはならない。好ましくは、コンベヤローラがコンベヤ装置に設置されるとき、識別が可能であるべきである。この識別は、コンベヤローラの制御または上位レベルのコンベヤ装置の制御の一部ではない読み取り装置によって可能になるものとする。
【0005】
本発明の目的は、独立請求項に記載のコンベヤローラ、コンベヤ装置、および使用によって解決され、実施形態は、従属請求項および説明の主題である。
【0006】
本発明は、コンベヤローラに通信装置を設けることを提案する。通信装置は、コンベヤローラの近傍の読み取り装置に情報を提供することができる。提供される情報には特に、
・固有の識別情報、特にシリアル番号、
・インストールされているソフトウェア(ファームウェアを含む)に関する情報、
・インストールされているハードウェアに関する情報、
が含まれ得る。
【0007】
一実施形態では、通信装置は、受動装置である。この場合、通信装置は、それ自体の電源を必要としない。通信に必要なエネルギーは、使用中に読み取り装置によって誘導的に供給され得る。
【0008】
通信装置は、特に、NFC装置またはRFID装置である。したがって、一実施形態では、通信装置は、特にRFIDバッジまたはNFCバッジを備える。
【0009】
特に、通信装置は、RFID規格またはNFC規格に従って通信するように適合されている。特に、周波数14443のHF ISO 14443 1~10cm規格が使用される。
【0010】
バッジは、特に一般用語で「タグ」とも呼ばれているものを意味すると理解される。
【0011】
特に、バッジは、データ処理機能を備えた通信チップと、通信チップによって提供されるデータの無線送信用のアンテナとを備える。
【0012】
特に、本発明は、最大直径60mmのコンベヤローラに適用でき、この場合、長手部材による横方向のカバレージが比較的大きいからである。読み取り装置をコンベヤ溝に軸方向に近づけての読み取りは、防止される。
【0013】
ドラムモータは、コンベヤローラとみなすこともできるが、通常は直径が少なくとも80mmである。大径のドラムモータの場合、側部部材による横方向の遮蔽は、比較的小さくなり、あるいはまた、RFIDチップを比較的大きな軸スタブに組み込むこともできる。この場合、読み取り装置による読み取りは、側部/軸方向からも行うことができる。
【0014】
本発明の文脈において、軸方向および半径方向などの方向の表示は、コンベヤローラの回転軸を指す。
【0015】
本発明は、意図したとおりに使用される場合、コンベヤローラ内またはコンベヤローラの近傍にある遮蔽構成要素にもかかわらず、コンベヤローラからの情報を読み出すことを可能にする。読み出しは、コンベヤローラが設置されているとき、特にコンベヤローラが動作しているときに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。ここでは以下を示す。
【0017】
図1図1は、本発明に係るコンベヤ装置の概略図である。
図2図2は、図1に係るコンベヤ装置の断面図である。
図3図3は、いくつかのコンベヤローラを備えた、図1に係るコンベヤ装置の一部の平面図である。
図4図4は、図1に係るコンベヤ装置のコンベヤローラの側面図である。
図5図5は、遮蔽の程度を示す図4に係る概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明に係るコンベヤローラ2を備えたコンベヤ装置1を示す。コンベヤローラは、フレーム3に取り付けられている。フレームは、いくつかの脚部31と、互いに平行に延びる2本の長手梁32を有する。長手梁31は、搬送方向Fと平行に配置されている。
【0019】
コンベヤローラ2は、長手部材32の間に、搬送方向Fに対して横方向に配置されており、図1にはそのうちの1つのコンベヤローラ2のみが示されている。一実施形態では、いくつかのコンベヤローラ2は、ローラコンベヤセクションの一部である。一実施形態では、本発明に係るコンベヤローラは、コンベヤベルトの支持ローラおよび/または偏向ローラとして機能する。
【0020】
コンベヤローラ2は、回転軸Aの周りに回転可能に取り付けられている。回転軸Aは、搬送方向Fを横切る方向に配置されている。
【0021】
図2は、コンベヤローラと側部部材の接続領域におけるコンベヤ装置の断面を示している。
【0022】
コンベヤローラは、被搬送物またはコンベヤベルトのための接触面21aを形成する金属管21を有する。金属管21は、軸方向端部がエンドキャップ22によって閉じられている。エンドキャップ22は、ピボット軸受23を介して固定シャフト24に接続されている。シャフトは、コンベヤローラ2の軸方向全長に沿って延びていないスタブシャフトであってもよい。シャフト24は、長手部材31に取り付けられる。シャフト24は、非円形の断面を有することができ、これにより、長手部材31に対して形状に関連したピボットロックを形成することが可能になる。
【0023】
側部部材32は、金属により形成されている。
【0024】
長手梁32と金属管21の両方が、電磁信号に対する遮蔽を形成する。
【0025】
コンベヤローラ2は、通信装置4を有する。通信装置4は、読み取り装置5によって読み取ることができる。通信装置4は、コンベヤローラ2に関する情報、特に、例えば、タイプ指定、シリアル番号、製造日などを含むことができる。あるいはまた、通信装置4は、データベースエントリへの個別のリンクを含むことができ、その内容は、インターネット経由で取得できる。
【0026】
通信装置4は、設置状態の間、また動作中、すなわちコンベヤローラの回転中に読み出すことができる。
【0027】
上から見ると(図3)、通信装置4は、金属管と長手部材31との間の間隙33内に配置されている。通信装置4、特に通信装置の1つまたは複数のアンテナの主放射方向Vは、回転軸Aに対して放射状である。したがって、通信装置4は、邪魔されない間隙33を使用して、コンベヤローラ2から読み取り装置5にデータを送信する。
【0028】
通信装置またはアンテナの主放射方向Vは、特に、通信装置(特に、そのアンテナ)が他の方向よりも高い送信出力を提供する方向であると理解される。
【0029】
特に、通信装置の送信出力は、軸方向よりも半径方向の方が大きい。
【0030】
側面から見ると、通信装置4は、接触面21aの直径D内に完全に配置されている。したがって、この装置は、金属管によって被搬送物またはコンベヤベルトから保護される。
【0031】
本発明は、比較的直径が小さいコンベヤローラに特に適用可能である。図4に示すように、小さなコンベヤローラは、側面から見ると、遮蔽側部部材31によって完全にまたは大部分が覆われる可能性が非常に高い。
【0032】
図5は、横方向の遮蔽の程度が何を意味するかを示している。側面から見たときにローラを覆う長手部材31が破線で示されている。側面からはローラの10%しか見えないため、側部部材で覆われた面積は、例えば90%になる。したがって、横方向の遮蔽の程度は、90%となる。横方向遮蔽の程度が大きいほど、読み取り装置が横方向、つまり軸方向に放射されたデータを確実に受信できる確率は低くなる。このような横方向に遮蔽されたコンベヤローラにより、通信装置と通信するために読み取り装置を単にコンベヤローラの隣に軸方向横方向に保持することはできない。
【0033】
いくつかの半径方向への放射を可能にするために、様々な可能性が考えられる。
【0034】
単一の通信チップのアンテナは、放射がほぼ全方向性になるように設計できる。
【0035】
別の変形例では、通信装置は、複数の個別の通信バッジを有することができ、通信バッジの各々は、一方向、例えば、各々が図4に示される矢印Vのうちの1つの主放射方向Vを有する。この装置が、例えば、円周方向に分散して配置された8つのそのような別個の個別の通信バッジを有する場合、これらは一緒になって全周に放射状の放射を提供することができる。
【0036】
このようにして、通信装置は、コンベヤローラの現在の回転位置とは無関係に読み出すことができる。
【0037】
通信装置4は、リング形状であり、シャフトの周囲に同軸状に配置することができる。
【0038】
通信装置4は、ステッカーの形態であってもよく、エンドキャップ22に接着されてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 コンベヤ装置
2 コンベヤローラ
21 金属管
21a 接触面
22 エンドキャップ
23 ピボット軸受
24 シャフト
3 フレーム
31 スタンド脚部
32 長手部材
33 間隙空間
4 通信装置
5 読み取り装置(例えば、携帯電話)
A 回転軸
F 搬送方向
S 間隙の幅
V 主伝送方向
D 外径
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】