(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】測定デバイス及び測定方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/107 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
A61B5/107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571713
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022029660
(87)【国際公開番号】W WO2022245847
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523434786
【氏名又は名称】ムスタファ ジハード アリ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ ジハード アリ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB01
4C038VC07
(57)【要約】
【課題】血管及び/又は血管の病変部を含む、複数の身体部分を測定する測定デバイス及び測定方法を提供する。
【解決手段】様々な身体部分の血管、病変部、及び/又は血管の内腔を含む、様々な身体部分の正確な配置、並びに、正確な測定を可能にする測定デバイス及び測定方法。測定デバイスは、(i)血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定用テープを備える。
【選択図】
図11A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上を測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定用テープを備える測定デバイス。
【請求項2】
前記複数の測定マークのうちの各測定マークは、前記複数の測定マークの隣接する測定マークから同じ距離に位置決めされる、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項3】
前記複数の測定マークのうちの各測定マークは、前記複数の測定マークの隣接する測定マークから5センチメートルに位置決めされる、請求項2に記載の測定デバイス。
【請求項4】
前記複数の測定マークのうちの各測定マークは、前記複数の測定マークの隣接する測定マークから1センチメートルに位置決めされる、請求項2に記載の測定デバイス。
【請求項5】
前記複数の測定マークのうちの各測定マークは、数字を備える、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項6】
前記複数の測定マークのうちの各測定マークの間に位置決めされる複数の副マーカーをさらに備える、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項7】
前記複数の副マーカーのうちの各副マーカーは、前記複数の副マーカーの隣接する副マーカーから同じ距離に位置決めされる、請求項6に記載の測定デバイス。
【請求項8】
前記複数の副マーカーのうちの各副マーカーは、前記複数の副マーカーの隣接する副マーカーから1センチメートルに位置決めされる、請求項7に記載の測定デバイス。
【請求項9】
前記測定デバイスは、互いの鏡像をなす少なくとも2つの測定用テープを備える、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項10】
前記測定デバイスは、互いに平行に位置決めされた少なくとも2つの測定用テープを備える、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項11】
前記測定デバイスは、1又は2以上のストラップを介して結合される少なくとも2つの測定用テープを備える、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項12】
前記1又は2以上のストラップは、複数の測定マークをさらに含む、請求項11に記載の測定デバイス。
【請求項13】
前記内腔の直径を測定するための複数の円形指標は、互いに異なる大きさである、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項14】
前記複数の円形指標は、(i)直径2mmの円、(ii)直径2.5mmの円、(iii)直径3mmの円、(iv)直径3.5mmの円、(v)直径4mmの円、(vi)直径5mmの円、(vii)直径5.5mmの円、(viii)直径6mmの円、(ix)直径6.5mmの円、(x)直径7mmの円、及び(xi)直径8mmの円のうちの2又は3以上を含む、異なる大きさを備える、請求項13に記載の測定デバイス。
【請求項15】
前記内腔の直径を測定するための複数の円形指標は、X線不透過性マーカーを含む、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項16】
前記測定デバイスは、Y字形の形態の少なくとも2つの測定用テープを備え、(i)前記少なくとも2つの測定用テープは、第1の長さに沿って互いに平行に位置決めされ、(ii)前記少なくとも2つの測定用テープは、Y字形を形成するために第2の長さに沿って互いに対して所定に角度で分岐する、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項17】
前記測定デバイスは、(i)真っ直ぐな第1の部分と、(ii)前記第1の部分に対して所定の角度の第2の部分と、を有する少なくとも1つの測定用テープを備える、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項18】
前記測定デバイスは、前記測定デバイスの角度形成を容易にするように構成されている指標部分をさらに含む、請求項17に記載の測定デバイス。
【請求項19】
前記測定デバイスは、長さが70cmである少なくとも1つの測定用テープを備える、請求項1に記載の測定デバイス。
【請求項20】
(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上、及び、(ii)血管の内腔の直径のうちの少なくとも1つを測定する方法であって、
(a)(i)前記血管の距離及び長さのうちの1又は2以上を測定するための複数の測定マークと、(ii)前記血管の前記内腔の前記直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定用テープを備える測定デバイスを準備するステップと、
(b)前記測定デバイスを患者の身体部分上に位置決めするステップと、
(c)(i)前記血管の距離及び長さのうちの1又は2以上、及び、(ii)前記血管の内腔の直径のうちの少なくとも1つを測定するステップと、
を含む方法。
【請求項21】
前記測定デバイスは、少なくとも1つの測定用テープを備え、前記方法は、前記少なくとも1つの測定用テープを患者の大腿部に沿って位置決めして、前記患者の前記大腿部内の血管を測定するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記測定デバイスは、少なくとも2つの測定用テープを備え、前記方法は、(i)前記少なくとも2つの測定用テープのうちの第1の測定用テープを患者のふくらはぎに沿って位置決めし、さらに、(ii)前記少なくとも2つの測定用テープのうちの第2の測定用テープを患者のすねに沿って位置決めするステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、(i)前記少なくとも2つの測定用テープのうちの前記第1の測定用テープの一部を前記患者の足元の底部又は足底部に沿って位置決めし、さらに、(ii)前記少なくとも2つの測定用テープのうちの前記第2の測定用テープの一部を前記患者の前記足元の頂部又は背側部に沿って位置決めするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上を測定するための複数の測定マークと、(ii)各々が前記血管の内腔の直径を測定するための測定用球体を収容する複数の円筒形要素と、を有する少なくとも1つの測定用テープを備える測定デバイス。
【請求項25】
前記測定用球体の各々は、充填材を介して前記複数の円筒形要素のそれぞれの円筒形要素の中に埋め込まれる、請求項24に記載の測定デバイス。
【請求項26】
前記複数の円筒形要素のそれぞれの円筒形要素の中に収容された前記測定用球体の各々は、前記測定デバイスの遠位端から近位端に向かって大きさが減少する、請求項24に記載の測定デバイス。
【請求項27】
前記測定デバイスは、前記測定デバイスの折り畳みを可能にする前記少なくとも1つの測定用テープに沿って配置された1又は2以上のくぼみをさらに備える、請求項24に記載の測定デバイス。
【請求項28】
前記複数の円筒形要素のうちの各円筒形要素は、前記複数の円筒形要素のうちの別の円筒形要素から所定に距離に位置決めされる、請求項24に記載の測定デバイス。
【請求項29】
前記複数の円筒形要素のうちの各円筒形要素は、前記複数の円筒形要素のうちの別の円筒形要素から、50mmから100mmの距離に位置決めされる、請求項28に記載の測定デバイス。
【請求項30】
前記複数の円筒形要素のうちの各円筒形要素は、前記複数の円筒形要素のうちの別の円筒形要素から、50mmから75mmの距離に位置決めされる、請求項28に記載の測定デバイス。
【請求項31】
前記測定デバイスは、前記測定デバイスを出荷中及び保管中のうちの少なくとも一方で折り畳むことを可能にする1又は2以上のヒンジ部材をさらに備える、請求項24に記載の測定デバイス。
【請求項32】
少なくとも1つの測定用球体を有する少なくとも1つの測定用テープを備える測定デバイスであって、前記少なくとも1つの測定用球体は、X線下で何らかの角度で前記少なくとも1つの測定用球体を可視化することを可能にするX線不透過性材料を含む、測定デバイス。
【請求項33】
前記少なくとも1つの測定用球体は、(i)血管、(ii)内腔、(iii)腫瘤、(iv)挿入されたバルーン、又は(v)(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するように構成される、請求項32に記載の測定デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血管及び/又は血管の病変部を含む、複数の身体部分を測定する測定デバイス及び測定方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年5月17日出願の米国仮出願第63/189,558号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は、全ての目的のために引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
様々な外科処置のために、例えば、血管及び/又は血管の病変部を含む、複数の身体部分を測定する現在のデバイス及び方法は、2つの基準点間の単一の距離のみを測定することを可能にする。これらの測定デバイス及び方法は、一般に、様々な外科的処置に必要な場合がある特定の身体部分の前面像プラス後面像及び/又は斜位像を捕捉する測定を可能にしない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態によれば、本発明は、(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上を測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標とを有する1又は2以上の測定用テープを備える測定デバイスを提供する。
【0005】
一実施形態によれば、複数の測定マークのうちの各測定マークは、複数の測定マークの隣接する測定マークから同じ距離に位置決めされる。一実施形態によれば、複数の測定マークのうちの各測定マークは、複数の測定マークの隣接する測定マークから5センチメートルに位置決めされる。一実施形態によれば、複数の測定マークのうちの各測定マークは、複数の測定マークの隣接する測定マークから1センチメートルに位置決めされる。
【0006】
一実施形態によれば、複数の測定マークのうちの各測定マークは、数字を備える。
【0007】
一実施形態によれば、複数の副マーカーは、複数の測定マークのうちの各測定マークの間に位置決めされる。一実施形態によれば、複数の副マーカーのうちの各副マーカーは、複数の副マーカーの隣接する副マーカーから同じ距離に位置決めされる。一実施形態によれば、複数の副マーカーのうちの各副マーカーは、複数の副マーカーの隣接する副マーカーから1センチメートルに位置決めされる。
【0008】
1つの実施形態によれば、測定デバイスは、互いの鏡像をなす少なくとも2つの測定用テープを備える。1つの実施形態によれば、測定デバイスは、互いに平行に位置決めされる少なくとも2つの測定用テープを備える。1つの実施形態によれば、測定デバイスは、1又は2以上のストラップを介して結合される少なくとも2つの測定用テープを備える。1つの実施形態によれば、1又は2以上のストラップは、複数の測定マークをさらに備える。
【0009】
1つの実施形態によれば、測定デバイスは、Y字形の形態の少なくとも2つの測定用テープを備え(i)少なくとも2つの測定用テープは、第1の長さに沿って互いに平行に位置決めされ、(ii)少なくとも2つの測定用テープは、Y字形を形成するために第2の長さに沿って互いに対して所定の角度で分岐する。
【0010】
一実施形態によれば、測定デバイスは、(i)真っ直ぐな第1の部分と、(ii)第1の部分に対して所定の角度の第2の部分と、を有する少なくとも1つの測定用テープを備える。一実施形態によれば、測定デバイスは、測定デバイスの角度形成を容易にするように構成されている指標部分をさらに含む。
【0011】
一実施形態によれば、測定デバイスは、長さが70cmである少なくとも1つの測定用テープを備える。
【0012】
一実施形態によれば、内腔の直径を測定するための複数の円形指標は、互いに異なる大きさである。1つの実施形態によれば、複数の円形指標は、(i)直径2mmの円、(ii)直径2.5mmの円、(iii)直径3mmの円、(iv)直径3.5mmの円、(v)直径4mmの円、(vi)直径5mmの円、(vii)直径5.5mmの円、(viii)直径6mmの円、(ix)直径6.5mmの円、(x)直径7mmの円、及び(xi)直径8mmの円のうちの2又は3以上を含む、異なる大きさを備える。
【0013】
一実施形態によれば、内腔の直径を測定するための複数の円形指標は、X線不透過性マーカーを備える。
【0014】
別の実施形態によれば、本発明は、(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上、及び、(ii)血管の内腔の直径のうちの少なくとも1つを測定する方法を提供する。この方法は、(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上を測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定用テープを備える測定デバイスを準備するステップと、(b)測定デバイスを患者の身体部分上に位置決めするステップと、(c)(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上、及び、(ii)血管の内腔の直径の(i)のうちの少なくとも1つを測定するステップと、を含む。
【0015】
1つの実施形態によれば、測定デバイスは、少なくとも1つの測定用テープを備え、この方法は、少なくとも1つの測定用テープを患者の大腿部に沿って位置決めして、患者の大腿部内の血管を測定するステップを含む。
【0016】
1つの実施形態によれば、測定デバイスは、少なくとも2つの測定用テープを備え、この方法は、(i)少なくとも2つの測定用テープのうちの第1の測定用テープを患者のふくらはぎに沿って位置決めし、さらに、(ii)少なくとも2つの測定用テープのうちの第2の測定用テープを患者のすねに沿って位置決めするステップを含む。別の実施形態によれば、この方法は、(i)少なくとも2つの測定用テープのうちの第1の測定用テープの一部を患者の足元の底部又は足底部に沿って位置決めし、さらに、(ii)少なくとも2つの測定用テープのうちの第2の測定用テープの一部を患者の足元の上部又は背側部に沿って位置決めするステップをさらに含む。
【0017】
別の実施形態によれば、本発明は、(i)血管の距離及び長さのうちの1又は2以上を測定するための複数の測定マークと、(ii)各々が血管の内腔の直径を測定するための測定用球体を収容する複数の円筒形要素と、を有する少なくとも1つの測定用テープを備える測定デバイスを提供する。
【0018】
別の実施形態によれば、本発明は、少なくとも1つの測定用球体を有する少なくとも1つの測定用テープを備える測定デバイスを提供し、少なくとも1つの測定用球体は、X線下で何らかの角度で少なくとも1つの測定用球体を視覚化することを可能にするX線不透過性材料を含む。
【0019】
本発明の追加的な特徴、利点、及び実施形態は、以下の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲の考慮から示されるか又は明らかである。さらに、上述の発明の概要及び以下の詳細な説明の両方は、例示的なものであり、特許請求される発明の範囲を限定することなくさらなる説明を提示することが意図されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図2】本発明の一実施形態による複数の測定マークの図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態による患者のふくらはぎ及び足に沿って位置決めされた測定デバイスの図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図6】本発明の1つの実施形態による患者のふくらはぎ、すね、及び足に沿って位置決めされた測定デバイスの図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態による患者の大腿部に沿って位置決めされた測定デバイスの図である。
【
図8】本発明の1つの実施形態による、膨張可能なバルーンが患者の血管に挿入され、測定デバイスの2つの球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。
【
図9】本発明の1つの実施形態による、膨張可能なバルーンが患者の血管に挿入され、測定デバイスの単一の球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。
【
図10】本発明の1つの実施形態による、膨張可能なバルーンが患者の血管に挿入され、測定デバイスの複数の球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。
【
図11A】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図11B】本発明の1つの実施形態による
図11Aの測定デバイスの分解部分図である。
【
図12A】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図12B】本発明の1つの実施形態による
図12Aの測定デバイスの分解部分図である。
【
図13】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図14A】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図14B】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図15】本発明の1つの実施形態による測定デバイスの図である。
【
図16A】本発明の1つの実施形態による、2つの異なる測定デバイスの2つの球体が患者の脚の血管上に重ね合わされた、患者の血管に挿入された膨張可能なバルーンを有する患者の脚の一部のレントゲン写真である。
【
図16B】本発明の1つの実施形態による、2つの異なる測定デバイスの2つの球体が患者の脚の血管上に重ね合わされた、患者の血管に挿入された膨張可能なバルーンを有する患者の脚の一部のレントゲン写真である。
【
図17】本発明の1つの実施形態による、膨張可能なバルーンが患者の血管に挿入され、一対の測定デバイスの2つの球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。
【
図18】本発明の1つの実施形態による、膨張可能なバルーンが患者の血管に挿入され、測定デバイスの一対の球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。
【
図19A-19E】
図19A~
図19Eは、本発明の一実施形態による、少なくとも1つの測定用球体を有する測定デバイスを使用して、球体と患者の血管に挿入された膨張可能なバルーンとの間で同等の直径を達成する方法を示す写真である。
【
図20A】本発明の一実施形態による、測定マーク及び少なくとも1つの円形指標(又は球体)を有する測定デバイスと比較した、膨張可能なバルーンの写真である。
【
図20B】本発明の一実施形態による、測定マーク及び少なくとも1つの円形指標(又は球体)を有する測定デバイスと比較した、膨張可能なバルーンの写真である。
【
図21】本発明の実施形態による測定デバイスによって測定することができるヒト患者の血管の例を示す。
【
図22A-22D】
図22A~
図22Dは、本発明の実施形態による、ヒト患者の様々な身体部分上に配置することができる様々な測定デバイスを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、以下の用語は、文脈上明らかにそうでないことが指示されない限り、本明細書において明示的に関連付けられた意味を取る。本明細書で使用される「1つの実施形態において」、「一実施形態において」、及び「いくつかの実施形態において」という語句は、同じ実施形態を指す場合があるが、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、本明細書で使用される「別の実施形態において」及び「いくつかの他の実施形態において」という表現は、異なる実施形態を指す場合があるが、必ずしも異なる実施形態を指すわけではない。本開示の全ての実施形態は、本開示の範囲又は精神から逸脱することなく組み合わせ可能であることが意図される。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「に基づく」は、排他的ではなく、文脈上明らかにそうでないことが指示されない限り、記載されていない更なる要因に基づくことを可能にする。さらに、本明細書を通じて、「a」、「an」、及び「the」の意味は、複数形の照応を含む。「in」の意味は、「in」及び「on」を含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」などの用語は、特定の請求項の範囲を、請求項によって記載された材料又はステップに限定するものではない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「測定用テープ」又は「測定テープ」という用語は、物体を測定する(例えば、インチ、センチメートル、ミリメートルなどを含む)単位が記載された材料ストリップを指す。
【0025】
「円形」又は「球体」又は「ボール」という用語は、本明細書では測定する形状、例えば、直径に関して用いられるが、この指標の形状は、これらの形状のみに限定されるものではなく、例えば、X線下を含む多角度から見ることができる何らかの形状を包含する。
【0026】
本発明は、例えば、血管、内腔、血管の病変部、腫瘤、血管に挿入されたバルーンなどを含む、身体部分、並びに、血管系の何らかの部分、及び、動脈及び/又は静脈が設けられている身体内の何らかの場所を測定する測定デバイス及び測定方法に関する。様々な身体部分の正確な配置、並びに、より正確な測定を可能にする改良された測定デバイス及び方法が必要とされる。また、従来公知の測定デバイスの短縮を回避しながら、剛性及び可撓性の両方を有する改良された測定デバイスが必要とされる。本発明は、(i)血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の、例えば、内腔の直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定テープを備える測定デバイス及び測定方法に関する。
【0027】
本発明は、測定デバイス及び測定方法に関する。1つの実施形態によれば、測定デバイスは、(i)血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定テープを備える。血管の内腔及び/又は腫瘤の基準直径の提示とともに、(例えば、血管の病変部、内腔、及び/又は腫瘤の長さを含む)血管の長さを測定するこの特有の組み合わせは、血管の治療に役立ち、治療のためにこれらを過小化又は過大化する何らかの他の基準カテーテル又は構造体と関連しない。周方向測定手段及び長手方向測定手段を有するこの特有に組み合わされた測定ツールは、オペレータが適切な直径サイズ及び治療長ツールをも提供するために、血管及び/又は病変の長さ及び直径の迅速な評価を可能にする(例えば、バルーン血管形成術のための膨張可能バルーンなど)。
【0028】
例えば、
図1の実施形態に示すように、測定デバイス100は、互いに平行に位置決めされた第1の測定用テープ102及び第2の測定用テープ104を備える。測定用テープ102、104の各々は、例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マーク106及び複数の副マーカー108を含む。測定マーク106の各々は、隣接する測定マーク106から同じ距離に位置決めされる。一実施形態によれば、各測定マーク106は、隣接する測定マーク106から5センチメートルに位置決めされる。一実施形態によれば、各測定マーク106は、隣接する測定マーク106から1センチメートルに位置決めされる。副マーカー108の各々は、隣接する副マーカー108から同じ距離に位置決めされる。一実施形態によれば、各副マーカー108は、隣接する副マーカー108から1センチメートルに位置決めされる。例えば、
図2の実施形態に示すように、各測定マーク106は、隣接する測定マーク106から5センチメートルに位置決めされ、一方、各副マーカー108は、隣接する副マーカー108から1センチメートルに位置決めされる。一実施形態によれば、複数の測定マークのうちの各測定マークは、数字を備える(例えば、
図2を参照されたい)。
【0029】
図1にさらに示すように、測定用テープ102、104の各々は、例えば、血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標110をさらに含む。
図1の実施形態に示すように、複数の円形指標110は、互いに異なる大きさであり、円形指標110は、デバイス100の左側から右側に向かって大きさが増大する。一実施形態によれば、直径及び/又は内腔を測定するための複数の円形指標110は、X線不透過性マーカーを備える。1つの実施形態によれば、測定用テープ102、104の左側の円形指標110は、大きさが最小であり、球体形状である。複数の円形指標110は、測定デバイス100を身体に載せても影響を受けない又は衝撃を受けないX線不透過性の溶液で充填することができるので、円形指標110の球径は、常に、所期の初期の直径に維持されることになる。例えば、1つの実施形態によれば、測定用テープ102、104の各々の遠位端120(又は左側)における円形指標110の直径は、2mmとすることができ、円形指標110の各々の直径は、測定用テープ102、104の各々の遠位端120から近位端122(又は左側から右側)に向かって1mm単位で大きさが増大する。
【0030】
図1の実施形態に示すように、第1の測定用テープ102は、第2の測定用テープ104の鏡像である。1つの実施形態によれば、第1の測定用テープ102は、第2の測定用テープ104の鏡像であり、及び/又はそれに平行であり、測定デバイス100を、例えば、前方及び内側、後方及び外側などの位置、及び複数の像が必要とされ、従って、血管及び/又は血管の病変の位置の視覚化を維持する能力が特定の精度で必要とされる何らかの他の組み合わせ(例えば、
図6参照)で使用することを可能にするようになっている。
【0031】
図1にさらに示すように、第1の測定用テープ102は、1又は2以上のストラップ112を介して第2の測定用テープ104に取り付けられる。1又は2以上のストラップ112を含むことによって、第1及び第2の測定用テープ102、104間の距離(D)を維持することができ、これによって、オペレータは、斜位像が使用されるか否かに関係なく、血管及び/又は病変の長さを視覚化することができる。1つの実施形態によれば、第1の測定用テープ102は、1又は2以上のストラップ112を介して第2の測定用テープ104に緩く取り付けられるか又は結合される。1つの実施形態によれば、第2の測定用テープ104に対する第1の測定用テープ102の結合によって、1又は2以上のストラップ112を介して、第1及び第2の測定用テープ102、104間の一定の距離(D)が維持される。ストラップ112の各々は、複数の測定マーク114をさらに含む。測定マーク114をストラップ上に含むことによって、第1及び第2の測定用テープ102、104間の距離(D)を決定することができ、これは、また、必要であれば、目標身体部分(例えば、ふくらはぎ部分)の周囲長を測定するために使用することができる。
【0032】
図3は、例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マーク206及び複数の副マーカー208を有する単一の測定用テープ202からなる測定デバイス200の実施形態を示す。各測定マーク206は、隣接する測定マーク206から同じ距離に位置決めされる。1つの実施形態によれば、測定マーク206の各々は、隣接する測定マーク206から1センチメートルに位置決めされ、副マーカー208の各々は、隣接する副マーカー208から0.5センチメートルに位置決めされる。
【0033】
図3にさらに示すように、単一の測定用テープ202は、例えば、血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標210をさらに含む。
図3の実施形態に示すように、複数の円形指標210は、互いに異なる大きさであり、円形指標210は、デバイス200の左側から右側に向かって大きさが増大する。例えば、
図3の実施形態に示すように、測定用テープ202の左側に位置決めされた第1の円形指標210は、直径が2mm、第2の円形指標210は、直径が2.5mm、測定用テープ202の中点付近の第3の円形指標210は、直径が3.0mm、第4の円形指標210は、直径が3.5mm、測定用テープ202の右側に位置決めされた第5の円形指標210は、直径が4mmである。一実施形態によれば、直径及び/又は内腔を測定するための複数の円形指標210は、X線不透過性マーカーを備える。
【0034】
図4は、患者の脚400に沿って位置決めされた測定デバイス300の実施形態を示す。特に、
図4の実施形態に示すように、測定デバイス300は、(i)患者の脛及び足背部分(すなわち、足の甲)上に位置決めされる第1の測定用テープ302、及び、(ii)患者のふくらはぎ及び足底部分(すなわち、踵及び/又は足の底に隣接する部分)上に位置決めされる第2の測定用テープ304を含む。
図4の実施形態にさらに示すように、第1の測定用テープ302は、患者の膝より上方から患者の大腿部前面付近まで延び、第2の測定用テープ304は、患者のふくらはぎの上から患者の大腿部後面付近まで延びる。一実施形態によれば、第1の測定用テープ302は、1又は2以上のストラップ312を介して第2の測定用テープ304に結合することができる。また、例えば、さらに後述する
図6の実施形態を参照されたい。
【0035】
図5は、第1の部分502及び第2の部分504を有する単一の測定用テープ501を備える測定デバイス500の実施形態を示す。
図5の実施形態に示すように、第1の部分502は、真っ直ぐであり、一方、第2の部分504は、第1の部分502に対して角度付けされている。1つの実施形態によれば、測定デバイス500の第1の部分502は、長さが約55cmであり、測定デバイス500の第2の部分504は、長さが約15cmである。1つの実施形態によれば、測定デバイス500は、測定デバイス500の角度形成を容易にするように構成される指標部分515を含む。例えば、指標部分515は、患者の足元(測定デバイス500の第2の部分504を位置決めすることができる)と、患者の足首の上の領域(測定デバイス500の第1の部分502を位置決めすることができる)との間の測定デバイス500の角度形成を容易にするように構成することができる。
【0036】
図5にさらに示すように、測定デバイス500はまた、(i)例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マーク506、及び、(ii)例えば、血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標510を含む。一実施形態によれば、複数の円形指標510は、大きさが異なる。別の実施形態によれば、複数の円形指標510は、測定デバイス500の遠位端520から近位端522に向かって大きさが増大する。例えば、複数の円形指標510のうちの各円形指標510は、(i)直径2mmの円、(ii)直径3mmの円、(iii)直径4mmの円、及び(iv)直径5mmの円のうちの1又は2以上を備えることができ、各円形指標510は、直径2mmの円が遠位端520の近傍に位置決めされ、直径5mmの円が近位端522の近傍に位置決めされるように、遠位端520から近位端522に向かって大きさが増大する。1つの実施形態によれば、
図5の測定デバイス500は、大腿骨が脛骨に接する身体部分である脛骨大腿関節に沿って位置決めすることができる(例えば、測定デバイス500は、患者の足元に沿って位置決めし、患者の膝の領域まで及び/又はその上方の領域まで延びることができる)。
【0037】
別の実施形態によれば、Y字形状に分離する少なくとも1つの測定用テープを備える測定デバイスを提供し、これによって、例えば、(i)足元の足底側面/部分(すなわち、足元の底部)、(ii)足元の背側部分(すなわち、足元の甲部)、及び、(iii)患者のふくらはぎの後部、ふくらはぎの前部及び/又はすね上での、少なくとも1つの測定用テープの配置が可能である。例えば、
図6の実施形態に示すように、測定デバイス600は、Y字形の形である第1の測定用テープ602及び第2の測定用テープ604を備える。第1の測定用テープ602は、第2の測定用テープ604の第1の部分608と実質的に平行に位置決めされた第1の部分606を含む。
図6の実施形態によれば、第1の測定用テープ602の第1の部分606は、複数のストラップ(K)を介して第2の測定用テープ604の第1の部分608に結合される。第1の測定用テープ602は、第2の測定用テープ604の第2の部分612から離間される、及び/又は、第2の部分612に対して所定の角度で分岐する第2の部分610をさらに含む。例えば、
図6の実施形態に示すように、第1の測定用テープ602の第1の部分606は、実質的に真っ直ぐであり、一方、第1の測定用テープ602の第2の部分610は、第1の部分606に対して所定の角度で延びる(例えば、領域614をされたい)。同様に、第2の測定用テープ602の第1の部分608は、実質的に真っ直ぐであり、一方、第2の測定用テープ602の第2の部分608は、第1の部分606に対して所定の角度で延びる(例えば、領域614参照)。従って、
図6の実施形態に示すように、第2の測定用テープ604の第1及び第2の部分608、612に対する第1の測定用テープ602の第1及び第2の部分606、610の構成は、Y字形を生成又は形成する。さらに、
図6の実施形態に示すように、第1の測定用テープ602の第1の部分606は、患者のふくらはぎ及び/又はすねの前面に沿って配置することができ、一方、(i)第2の測定用テープ604の第1の部分608は、ふくらはぎの背面に沿って配置することができ、(ii)第1の測定用テープ602の第2の部分610は、足元の背側部分(又は上部)に沿って配置することができ、(iii)第2の測定用テープ604の第2の部分612は、足元の足底部分(又は下部)に沿って配置することができる。
【0038】
図6の実施形態にさらに示すように、測定用テープ602、604の各々は、例えば、血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標(A、B、C、D、E、F、G、H、I、J)を含む。一実施形態によれば、直径及び/又は内腔を測定するための複数の円形指標(A、B、C、D、E、F、G、H、I、J)は、X線不透過性マーカー及び/又は球体を備える。1つの実施形態によれば、複数の円形指標(A、B、C、D、E、F、G、H、I、J)は、それぞれ、第1及び第2の測定用テープ602、604の遠位端620、621から近位端622、623に向かって大きさが異なり、及び/又は、大きさが増大する。例えば、1つの実施形態によれば、第1の測定用テープ602の遠位端620の円形指標A及び第2の測定用テープ604の遠位端621の円形指標Jは、直径が2mmである。その後の円形指標(すなわち、B、C、D、E、F、G、H、I)は大きさが増大し、(i)円形指標B、Iは、直径が2.5mm、(ii)円形指標C、Hは、直径が3mm、(iii)円形指標D、Gは、直径が3.5mm、(iv)第1及び第2の測定用テープ602、604の近位端622、623にある円形指標E、Fは、それぞれ直径が4mmである。
【0039】
この構成に従って、測定デバイス及び/又は測定用テープは、患者の足元の背側部分及び足底側部分の両方上に同時に位置決めすることができ、これは、特に、複雑な処置中に役に立つ。さらに、円形指標(A、B、C、D、E、F、G、H、I、J)又含まれる球体の相関点は、両方とも、足部領域及びふくらはぎ領域に存在するが、鼠径部まですっと延びることもできる。これは、過去には提供されなかった新しい特有の機能であり、これによって、医師らは、診断及び介入処置中に使用するように選択された像にもかかわらず、血管及び/又は病変の長さと直径を測定することができる測定ツールを有することができる。さらに、Y字形の測定デバイスは、デバイス上の円形指標(又は球体)と共に、例えば、測定デバイスの測定用テープの長さの変動に起因して、測定デバイス及び/又は測定用テープのゼロ位置(例えば、一端)を配置する基準点としての足の中踝及び外側踝及び/又は足関節プラス膝関節及び股関節の基準点を可能にする。1つの実施形態によれば、
図6の実施形態の測定デバイス600は、背側テープ、前外側テープ、及び、足底側テープを備えることができるので、これによって、測定デバイス600を、一対の平行なテープ(すなわち、第1及び第2の測定用テープ602、604)で足ループ及び脛骨-足部分に沿って位置決めすることができる。
【0040】
図7は、例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マーク706を有する単一の測定用テープ701を備える測定デバイス700の実施形態を示す。測定マーク706の各々は、隣接する測定マーク706から同じ距離に位置決めされる。1つの実施形態によれば、測定マーク706の各々は、隣接する測定マーク706から1センチメートルに位置決めされる。1つの実施形態によれば、単一の測定用テープ701は、長さが70cmであり、第1の測定マーク706は、0cmで始まり、最後の測定マーク706は、70cmで終わり、複数の測定マーク706が0cmマークと70cmマークとの間にある。
【0041】
図7にさらに示すように、単一の測定用テープ701は、例えば、血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標(A/A’,B/B’,C/C’,D/D’)をさらに含む。
図7の実施形態に示すように、複数の円形指標(A/A’、B/B’、C/C’、D/D’)は、互いに異なる大きさであり、円形指標(A/A’、B/B’、C/C’、D/D’)は、デバイス700の遠位端720から近位端722に向かって大きさが増大する。一実施形態によれば、直径及び/又は内腔を測定するための複数の円形指標(A/A’、B/B’、C/C’、D/D’)は、X線不透過性のマーカー及び/又は球体を備える。例えば、1つの実施形態によれば、測定用テープ701の遠位端720の円形指標A(又はX線不透過性の球体/マーカー)は、直径が5mmであり、それ以降の円形指標(すなわち、B、C、D)は、例えば、大きさが増大し、例えば、(i)円形指標B(又はX線不透過性球体/マーカー)は、直径が6mm、(ii)円形指標C(又はX線不透過性球体/マーカー)は、直径が7mm、(iii)測定用テープ710の近位端722にある円形指標D(又はX線不透過性球体/マーカー)は、直径が8mmである。別の実施形態によれば、測定用テープ701の遠位端720にある円形指標A’(又はX線不透過性の球体/マーカー)は、直径が5mmであり、それ以降の円形指標(すなわち、B’、C’、D’)は、大きさが増大し、例えば、(i)円形指標B’(又はX線不透過性の球体/マーカー)は、直径が5.5mmであり、(ii)円形指標C’(又はX線不透過性の球体/マーカー)は、直径が6mmであり、(iii)測定用テープ710の近位端722にある円形指標D’(又はX線不透過性の球体/マーカー)は、直径が6.5mmである。
図7の実施形態に示すように、(i)複数の測定マーク706を使用して患者の大腿部内の血管の距離及び/又は長さを測定し、(ii)複数の円形指標(A/A’、B/B’、C/C’、D/D’)を使用して患者の大腿部内の血管の内腔の直径を測定するために、単一の測定用テープ701を備える測定デバイス700を患者の大腿部に沿って位置決めすることができる。
【0042】
図8は、本発明の1つの実施形態による、バルーンが患者の血管に挿入され、測定デバイスの2つの球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。この実施形態によれば、血管を治療するために(例えば、特定の血管のバルーン血管形成術のために)バルーンを膨張又は拡張させるために、バルーンは、患者の血管に挿入される。
図8の実施形態の画像において、患者の脚の血管に挿入される円筒形のバルーン810は、4ミリメートル(mm)の直径まで膨張される。また、
図8の実施形態に示すように、測定デバイスの4ミリメートル(mm)の球体800(すなわち、4mmの円周を有する球体)は、血管及び挿入及び膨張されたバルーン810の上部に沿って重ね合わされ、一方、測定デバイスの3.5ミリメートル(mm)の球体820(すなわち、3.5mmの円周を有する球体)は、血管及び挿入及び膨張されたバルーン810の下部に沿って重ね合わされる。4ミリメートル(mm)のバルーン800及び/又は3.5ミリメートル(mm)の球体820は、挿入されたバルーン810の直径を二次元(2D)像で測定するために使用される。これらの重ね合わされた球体(800、820)及び何らかの他の球体は、挿入及び/又は膨張されたバルーン、内腔又は血管、及び/又は腫瘤の円筒直径及び/又は円周直径の、例えば、何らかの角度から測定される2つの目標に向けられたX線を使用する測定の助けとなる。
図8の画像に示すように、4ミリメートル(mm)の球体800は、挿入及び膨張されたバルーン810の真上にある。従って、挿入及び膨張されたバルーン810上に重ね合わされる4ミリメートル(mm)の球体800は、直径が4ミリメートル(mm)に膨張されたバルーン810の正確な近似である。従って、4ミリメートル(mm)の球体800は、これが血管の内腔の直径又は何らかの腫瘤又は内腔の直径を確認することになるので、バルーン810の膨張された直径を確認する。対照的に、3.5ミリメートル(mm)の球体820は、同様に挿入及び膨張されたバルーン810に重ね合わされ、4ミリメートル(mm)まで膨張されたバルーン810よりも明らかに小さい。特に、3.5ミリメートル(mm)の球体820は、直径が4ミリメートル(mm)に膨張された挿入及び膨張されたバルーン810の側方に位置する。この球体820は、直径がわずか3.5ミリメートル(mm)であるので、直径が4ミリメートル(mm)まで膨張された挿入及び膨張されたバルーン810と視覚的に比較したとき、両者の大きさの差は非常に明白である。従って、本明細書で説明する測定デバイスの実施形態によれば、測定デバイスに沿って異なる間隔で配置された、異なる大きさの円形指標(又は球体)を有するというアイデアは、オペレータが、それぞれの円形指標(又は球体)と比較して挿入及び膨張された円筒形状のバルーン(又は血管内腔)との間の大きさの差を把握するのを助ける。
図8の実施形態によれば、提案される測定デバイス及び関連する円形指標(又は球体)は、オペレータが、デバイス又はツール(例えば、膨張可能なバルーン)の大きさを迅速に増加及び/又は減少させることができる決定的な測定決定を行うのを助ける。さらに、本発明の実施形態によれば、円形指標(又は球体)は、円形指標(又は球体)を視覚化するために使用される角度に関係なく、例えば、X線又は他の視覚化技術の下で、大部分の時間で正確な測定を行うのを可能にする。
【0043】
図9は、本発明の1つの実施形態による、バルーン患者の血管に挿入され、測定デバイスの単一の球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。この実施形態によれば、血管を治療するために(例えば、特定の血管のバルーン血管形成術のために)バルーンを膨張又は拡張させるために、バルーンは、患者の血管に挿入される。
図9の実施形態の画像において、直径が3ミリメートル(mm)に膨張された円筒形バルーン910は、患者の脚の血管に挿入される。また、
図9の実施形態に示すように、測定デバイスの3ミリメートル(mm)の球体900は、血管の一部及び挿入及び膨張されたバルーン910に沿って重ね合わされる。
図9の画像に示すように、挿入及び膨張されたバルーン910上に重ね合わされた3ミリメートル(mm)の球体900は、直径が3ミリメートル(mm)に膨張されたバルーン910の正確な近似である。この実施形態によれば、本発明の測定デバイスの球体は、本発明の測定方法及び測定デバイスを、迅速かつ正確に解答及び測定結果を取得する容易な方法とする簡便性及び有効性の両方をもたらす。例えば、
図9の画像に示すように、挿入及び膨張されたバルーン910上に重ね合わされた3ミリメートル(mm)の球体900は、挿入及び膨張されたバルーン910が所望の量、例えば、3ミリメートル(mm)まで膨張されたかどうかを迅速かつ正確に決定する簡単かつ効果的な方法をもたらす。
【0044】
図10は、本発明の1つの実施形態による、バルーンが患者の血管に挿入され、測定デバイスの複数の球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。この実施形態によれば、血管を治療するために(例えば、特定の血管のバルーン血管形成術のために)バルーンを膨張又は拡張させるために、バルーンは、患者の血管に挿入される。
図10の実施形態の画像において、直径が3.5ミリメートル(mm)に膨張された円筒形のバルーン1060は、患者の脚の血管に挿入される。
図10の実施形態に示すように、測定デバイスの4ミリメートル(mm)の球体1000は、血管及び挿入及び膨張されたバルーン1060の上部に沿って重ね合わされ、一方、測定デバイスの3.5ミリメートル(mm)の球体1010は、重ね合わされた4ミリメートル(mm)の球体1000と並行して重ね合わされる。また、
図10の実施形態に示すように、測定デバイスの3.5ミリメートル(mm)の球体1050は、血管及び挿入及び膨張されたバルーン1060の下部に沿って重ね合わされ、一方、測定デバイスの4ミリメートル(mm)の球体1080は、重ね合わされた3.5ミリメートル(mm)の球体1050に隣接して重ね合わされる。
図10の画像に示すように、血管の上部及び挿入及び膨張されたバルーン1060に沿って重ね合わされる、4ミリメートル(mm)の球体1000と並行して重ね合わされた3.5ミリメートル(mm)の球体1010は、2つの球体(すなわち、3.5ミリメートル(mm)の球体1010対4ミリメートル(mm)の球体1000)の円周の違いを明確に示す。2つの球体(すなわち、3.5ミリメートル(mm)の球体1010及び4ミリメートル(mm)の球体1000)の円周の違いは、非常に明確であり、これは、本出願の特有の測定デバイスの多くの利点のうちの1つである。また、
図10の画像に示すように、血管の下部及び挿入及び膨張されたバルーン1060に沿って重ね合わされる3.5ミリメートル(mm)の球体1050は、直径が3.5ミリメートル(mm)に膨張されたバルーン1060の正確な近似である。重ね合わされた3.5ミリメートル(mm)の球体1050及び挿入及び膨張されたバルーン1060のこの比較によって、何らかの医療処置において重要である均一性(すなわち、これらの要素の直径又は円周の均一性)が確認される。対照的に、重ね合わされた3.5ミリメートル(mm)の球体1050に隣接して重ね合わされた4ミリメートル(mm)の球体1080は、直径が3.5ミリメートル(mm)に膨張されたバルーン1060よりも明らかに大きい。重ね合わされた4ミリメートル(mm)の球体1080(並びに、重ね合わされた3.5ミリメートル(mm)の球体1050も同様)及び挿入及び膨張されたバルーン1060のこの比較は、挿入及び膨張されたバルーン1060が所望の量、例えば3.5ミリメートル(mm)まで膨張されたかどうかを迅速かつ正確に決定する迅速かつ効率的な方法を可能にする。
【0045】
図11Aは、(i)例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための、測定デバイス1100の第1の側面1120に沿った複数の測定マーク1140、及び、(ii)例えば、血管の内腔の直径を測定するための、測定デバイス1100の第2の側面1130に沿った複数の円形指標(又は球体)(1150、1160、1170、1180、1190)を有する、単一の測定用テープを備える測定デバイス1100の実施形態を示す。測定マーク1140の各々は、隣接する測定マーク1140から同じ距離に位置決めされる。1つの実施形態によれば、測定マーク1140の各々は、隣接する測定マーク1140から1センチメートルに位置決めされる。一実施形態によれば、複数の測定マーク1140のうちの1又は2以上の測定マーク1140は、数字を備える(例えば、数字「0」、「10」、「20」、「30」、及び「40」を参照されたい)。
図11Aの実施形態において、測定デバイス1100は、湾曲した縁部を有するように示されている(例えば、第1及び第2の側面1120及び1130を参照されたい)。測定デバイス1100のこの曲線は、測定デバイス1100が、例えば、血管、及び/又は、例えば、曲率の変化を有する膝下の脚を含む、様々な身体部分の解剖学的構造に対応することを可能にする。例えば、測定デバイス1100の曲線は、血管及び/又は特定の身体部分の解剖学的曲線に等しい。
【0046】
また、
図11Aの実施形態に示すように、測定デバイス1100は、複数の円形指標(又は球体)(1150、1160、1170、1180、1190)を含み、これらの円形指標(又は球体)は、互いに大きさが異なり、円形指標(1150、1160、1170、1180、1190)は、デバイス1100の左側から右側に向かって大きさが減少する。例えば、
図11Aの実施形態に示すように、測定デバイス1100の遠位端1110(すなわち、測定デバイス1100の左側)に位置決めされた第1の円形指標1150は、直径が4mmであり、第2の円形指標1160は、直径が3.5mmであり、測定デバイス1100の中点付近の第3の円形指標1170は、直径が3mmであり、第4の円形指標1180は、直径が2.5mmであり、測定デバイス1100の近位端1115(すなわち、右側)に位置決めされた第5の円形指標1190は、直径が2mmである。一実施形態によれば、直径及び/又は内腔を測定するための複数の円形指標(1150、1160、1170、1180、1190)は、X線不透過性マーカーを備える。
【0047】
図11Bは、
図11Aの測定デバイス1100の遠位端1110(すなわち、左側)に位置決めされた第1の円形指標(又は球体)1150の分解部分図を示す。この実施形態によれば、この第1の円形指標(又は球体)1150は、(上述した4mmの円形指標(又は球体)とは対照的に)直径が8mmである。また、測定デバイス1100の第1の側面1120に沿って位置決めされる複数の測定マーク1140の一部は、
図11Bの分解部分図に示される。
【0048】
図12Aは、(i)例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための、測定デバイス1200の第1の側面1220に沿った複数の測定マーク1240、及び、(ii)例えば、血管の内腔の直径を測定するための、測定デバイス1200の第2の側面1230に沿った複数の円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)を有する単一の測定用テープを備える測定デバイス1200の実施形態を示す。測定マーク1240の各々は、隣接する測定マーク1240から同じ距離に位置決めされる。1つの実施形態によれば、測定マーク1240の各々は、隣接する測定マーク1240から1センチメートルの距離に位置決めされる。一実施形態によれば、複数の測定マーク1240のうちの1又は2以上は、数字を備える(例えば、数字「10」、「20」、「30」、及び「40」を参照)。1つの実施形態によれば、
図12Aの測定デバイス1200は、膝より上方の脚の領域における血管及び/又は内腔を測定するために使用することができる。従って、1つの実施形態によれば、
図12Aの測定デバイス1200は、例えば、
図11の測定デバイス1100よりも長い。さらに、
図12Aの実施形態において、測定デバイス1200は、湾曲した縁部を有するように示されている(例えば、第1及び第2の側面1220及び1230を参照されたい)。測定デバイス1200のこの曲線は、測定デバイス1200が、例えば、血管、及び/又は、例えば、曲率の異なる変化を有する膝より上方の脚を含む、様々な身体部分の解剖学的構造に対応することを可能にする。例えば、測定デバイス1200の曲線は、血管及び/又は特定の身体部分の解剖学的曲線に等しい。
【0049】
また、
図12Aの実施形態に示すように、測定デバイス1200は、複数の円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)を含み、これらの各々は、例えば、血管の内腔の直径を測定するための特定の大きさの測定用球体(又はボール)を収容するように構成されている。この実施形態によれば、測定用球体(又はボール)は、球体を短い円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)内に捕捉するか又は埋め込むことによって固有のハウジングに収容され、これは、球体の上に設計されたカバーすなわち球体を取り囲む全ての空き空間を満たす充填物を有し、これは、球体を、ハウジング又は円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)内で静止させて動かないようにさせる。従って、測定用球体(又はボール)を収容するために円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)を使用することによって、測定用球体(又はボール)が常に同じ場所にあることが保証される。この特有の充填材は、測定用球体(又はボール)を短い円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)内に設けられた空間内に容易に収容して埋め込むことを可能にする。1つの実施形態によれば、充填材は、測定用球体(又はボール)が移動できないように、測定用球体(又はボール)をそれぞれの円筒形要素又は管内で安定化させることを可能にする、例えば、(例えば、ポリエチレンを含む)プラスチック材料などの、非X線透視性(又はX線透過性)材料を含む。
【0050】
図12Aの実施形態に示すように、測定デバイス1200は、互いに大きさが異なる可変の球体を収容するための複数の円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)を含み、円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)の球体は、デバイス1200の左側から右側に向かって大きさが減少する。例えば、
図12Aの実施形態に示すように、測定デバイス1200の遠位端1210(すなわち、測定デバイス1200の左側)に位置決めされる第1の円筒形要素又は管1250は、直径が8mmである埋め込み球体(又はボール)を収容し、第2の円筒形要素又は管1260は、直径が7mmである埋め込み球体(又はボール)を収容し、第3の円筒形要素又は管1270は、直径が6mmである埋め込み球体(又はボール)を収容し、測定デバイス1200の近位端1215(すなわち、右側)に位置決めされる第4の円筒形要素又は管1280は、直径が5mmである埋め込み球体(又はボール)を収容する。一実施形態によれば、直径及び/又は内腔を測定するための、複数の円筒形要素又は管(1250、1260、1270、1280)内にそれぞれ収容される球体(又はボール)は、X線不透過性マーカーを備える。
【0051】
図12Bは、
図12Aの測定デバイス1200の遠位端1210(すなわち、左側)にて位置決めされる第1の円筒形要素又は管1250の分解部分図を示す。上述したように、この第1の円筒形要素又は管1250は、直径が8mmである球体(又はボール)を収容する。また、測定デバイス1200の第1の側面1220に沿って位置決めされる複数の測定マーク1240の一部は、
図12Bの分解部分図に示される。
【0052】
上述したように、
図11A及び
図11Bの測定デバイス1100は、
図12A及び
図12Bの測定デバイス1200と並んで、測定用球体(又はボール)を測定デバイス(又はテープ)1100又は1200に固定する2つの異なる方法を提供する。測定デバイス(又はテープ)1100に測定用球体(又はボール)を固定する1つの方法である、
図11A及び
図11Bの測定デバイス1100の実施形態によれば、球体(又はボール)は、短い円筒管の中に配置され、これは、その後、球体を全ての位置で静止した状態にするためにX線透過性材料で満たされる。その後、ドームは、球体(又はボール)及び充填材を含む短い円筒管を滑らかにするために、及び、球体(又はボール)を囲むために追加される(例えば、
図11Bの円形指標1150のドームを参照されたい)。対照的に、測定デバイス(又はテープ)1200に測定用球体(又はボール)を固定する第2の方法である、
図12A及び
図12Bの測定デバイス1200の実施形態によれば、この方法又は概念では、球体(又はボール)は、短い円筒管の中に落とされ、その後、球体(又はボール)を常に所定の位置で取り囲む(又は埋め込む)ためにX線透過性材料が追加される。
図12A及び
図12Bの測定デバイス1200のこの実施形態によれば、追加のドームは、短い円筒管には追加されない(例えば、
図12Bの円筒要素又は管1250を参照されたい)。
【0053】
図13は、(i)例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための、測定デバイス1300の第1の側面1320に沿った複数の測定マーク1340、及び、(ii)例えば、血管の内腔の直径を測定するための、測定デバイス1300の第2の側面1330に沿った複数の円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)を有する単一の測定用テープを備える測定デバイス1300の実施形態を示す。測定マーク1340の各々は、隣接する測定マーク1340から同じ距離に位置決めされる。1つの実施形態によれば、測定マーク1340の各々は、隣接する測定マーク1340から1センチメートルに位置決めされる。一実施形態によれば、複数の測定マーク1340のうちの1又は2以上の測定マーク1340は、数字を備える(例えば、数字「10」、「20」、「30」、及び「40」を参照)。
【0054】
また、
図13の実施形態に示すように、測定デバイス1300は、複数の円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)を含み、これらの各々は、例えば、血管の内腔の直径を測定するための特定の大きさの測定用球体(又はボール)を収容するように構成されている。この実施形態によれば、測定用球体(又はボール)は、球体を短い円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)内に捕捉するか又は埋め込むことによって固有のハウジングに収容され、これは、球体の上に設計されたカバーすなわち球体を取り囲む全ての空き空間を満たす充填物を有し、これは、球体を、ハウジング又は円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)内で静止させて移動させないようにさせる。従って、測定用球体(又はボール)を収容するために円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)を使用することによって、測定用球(又はボール)が常に同じ場所にあることが保証される。この特有の充填材は、測定用球体(又はボール)を短い円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)内に設けられた空間内に容易に収容して埋め込むことを可能にする。
【0055】
図13の実施形態によれば、複数の円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)は、互いに大きさが異なる球体を収容し、円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)の球体は、装置1300の左側から右側に向かって大きさが減少する。例えば、
図13の実施形態に示すように、測定デバイス1300の遠位端1310(すなわち、測定デバイス1300の左側)に位置決めされる第1の円筒形要素又は管1350は、直径が8mmである埋め込み球体(又はボール)を収容し、第2の円筒形要素又は管1360は、直径が7mmである埋め込み球体(又はボール)を収容し、第3の円筒形要素又は管1370は、直径が6mmである埋め込み球体(又はボール)を収容し、測定デバイス1300の近位端1315(すなわち、右側)に位置決めされる第4の円筒形要素又は管1380は、直径が5mmである埋め込み球体(又はボール)を収容する。一実施形態によれば、直径及び/又は内腔を測定するための、複数の円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)内にそれぞれ収容される球体(又はボール)は、X線不透過性マーカーを備える。
【0056】
図13の実施形態の測定デバイス1300において、それぞれの埋め込み球体(又はボール)を収容する複数の円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)の各々は、互いから特定の距離又は間隔(D)で位置決めされる。例えば、1つの実施形態によれば、距離又は間隔(D)は、50mmから100mmの範囲にあり、これは、例えば、それぞれの球体を収容する円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)の間の間隔が100mm程度であることが合理的である膝より上方の患者の脚の領域に対応するように、それぞれの球体を収容する円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)の間の距離又は間隔(D)の調整を可能にする。別の実施形態によれば、測定デバイス1300が膝より下方で使用される場合にそれぞれの球体を収容する円筒形要素又は管(1350、1360、1370、1380)の間の間隔は、脛骨動脈及び足動脈のより急な先細りに対応するために、少なくとも50mmから75mmの範囲内であることがより好ましい。
【0057】
また、
図13の実施形態に示すように、測定デバイス1300は、複数のくぼみ又は溝(1390、1392、1395)を含む。これらのくぼみ又は溝(1390、1392、1395)は、包装中に測定デバイス1300(測定デバイス1300の長いバージョン又は短いバージョンのいずれか(すなわち、
図11の短い測定デバイス1100に対する
図12A及び
図13の測定デバイス1200又は1300))を、それ自体の上に折り畳むことを可能にするために設けられ、これによって、保管及び/又は輸送の長期化に必要な空間が低減される。包装上の利点に加えて、これらのくぼみ又は溝(1390、1392、1395)は、特定の身体部分の正確な測定(例えば、長さ及び/又は距離)を可能にしながら、身体の可変の角度、曲がり、及び/又は屈曲度(複数可)に対応するのに重要な役割を果たす。例えば、足首の関節の90度の角度は、身体の可変の角度、曲がり、及び/又は屈曲度の一例であり、これは、測定デバイス1300を位置決め及び使用することができる身体の表面領域に沿った複数のより小さな角度の変動と共に、測定デバイス1300のくぼみ又は溝(1390、1392、1395)によって対応することができる。
【0058】
図14A及び
図14Bは、測定デバイスの2つの実施形態を示す。
図14Aの実施形態において、組み込まれた円形指標(又は球体)を有する膝より下方の測定用テープに使用することができる測定デバイス1400Aが提示される。
図14Aの実施形態によれば、測定デバイス1400Aは、30cmから50cmの長さを有する。長さ30cmの測定デバイス又はテープ1400Aは、膝より下方からくるぶしまでの測定を可能にし、一方、長さ50cmの測定デバイス又はテープ1400Aは、くるぶしより下方の高さまでの測定を可能にする。
【0059】
図14Bの実施形態において、組み込まれた円形指標(又は球体)を有する膝より上方の測定用テープに使用することができる測定デバイス1400Bが提示される。
図14Bの実施形態によれば、測定デバイス1400Bは、50cmから70cmの長さを有する。長さ50cmの測定デバイス又はテープ1400Bは、膝関節の高さまで測定することを可能にし、一方、長さ70cmの測定デバイス又はテープ1400Bは、膝より下方の高さまでの測定を可能にし、これは、近位脛骨動脈を含み、膝より下方の膝窩動脈も含むことができる。
【0060】
図15は、(i)例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための、測定デバイス1500の第1の側面1520に沿った複数の測定マーク1540、及び、(ii)例えば、血管の内腔の直径を測定するための、測定デバイス1500の第2の側面1530に沿った一対の円形指標(1550、1555)を有する単一の測定用テープを備える測定デバイス1500の実施形態を示す。この実施形態によれば、測定デバイス1500は、さらに、(i)測定デバイス1500の遠位端1510(又は左側)に設けられた第1のヒンジ部材1560、及び、(ii)測定デバイス1500の近位端1515(又は右側)に設けられた第2のヒンジ部材1570を含む。第1及び第2のヒンジ部材(1560、1570)は、測定デバイス又はテープ1500を出荷時及び/又は保管中に折り畳むことを可能にする。さらに、第1及び第2のヒンジ部材(1560、1570)は、測定デバイス又はテープ1500が、様々な身体血管及び/又は内腔の測定中に90度の角度に対応することを可能にする。
【0061】
図16A及び
図16Bは、本発明の実施形態による、膨張可能なバルーンが患者の血管に挿入され、2つの異なる測定デバイスの2つの球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。患者の脚の部分の非拡大画像である
図16Aに示すように、膨張されたバルーン1600上に重ね合わされた第1の測定デバイスの6ミリメートル(mm)の球体1610は、第2の測定デバイスの6ミリメートル(mm)の球体1620に隣接して位置決めされる。
図16Aの画像に示すように、6ミリメートル(mm)の球体(1610、1620)の各々は、その画像が取得されるX線の何らかの角度にもかかわらず、大きさが正確である。
【0062】
X線装置による倍率及び角度形成の両方を有するX線画像である
図16Bに示すように、球体(1610、1620)によって測定される対象(例えば、膨張されたバルーン1600)と比較して、6ミリメートル(mm)の球体(1610、1620)の実際の大きさに与える影響はない(影響なし)。従って、画像を取得する間、両方の対象物(例えば、球体(1610、1620)及び/又は膨張されたバルーン1600)が同じX線フィールド及び同じ角度形成フィールドにある限り、6ミリメートル(mm)の球体(1610、1620)の実際の大きさに与える影響はない(影響なし)。
【0063】
図17は、本発明の1つの実施形態による、一対の測定デバイスの2つの球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。
図17に示すように、対象1700(例えば、患者の脚)は、第1の測定用球体1710及び第2の測定用球体1720と共に提示される。第1の測定デバイス(又はテープ又は定規)上にて配置された6ミリメートル(mm)の球体である第1の測定用球体1710は、第2の測定デバイス(又はテープ又は定規)上に配置された同様に6ミリメートル(mm)の球体である第2の測定用球体1720の近くではあるがそこから離れて位置決めされる。従って、第1の測定デバイス(又はテープ)の第1の測定用球体1710と第2の測定デバイス(又はテープ)の第2の測定用球体1720は、同じ球体の大きさを有する。第1の測定用球体1710及び第2の測定用球体1720は、調査対象(例えば、膨張されたバルーンなど)を導入する前に、比較のために横並びに配置される。第1の測定用球体1710は、第2の測定用球体1720と大きさが等しいので、第1の測定用球体1710及び第2の測定用球体1720の両方は、調査対象(例えば、
図16A及び
図16Bのような6ミリメートル(mm)に膨張されたバルーンなど)を測定するための実行可能な選択肢である。
【0064】
図18は、本発明の1つの実施形態による、膨張可能なバルーンを患者の血管に挿入され、測定デバイスの一対の球体が患者の脚の血管上に重ね合わされている、患者の脚の一部のレントゲン写真である。
図18に示すように、患者の血管内に挿入されるバルーン1800は、公称圧力で6ミリメートル(mm)まで膨張される。第1の測定用球体1810は、膨張されたバルーン1800上に重ね合わされ、一方、第2の測定用球体1820は、膨張されたバルーン1800及び重ね合わされた第1の測定用球体1810に隣接して配置される。両方とも大きさが6ミリメートル(mm)である第1の測定用球体1810及び第2の測定用球体1820は、バルーン1800が所望の直径(すなわち、6ミリメートル(mm))まで膨張されたかどうかを正確に決定することを可能にする。
【0065】
図19A-19Eは、本発明の1つの実施形態による、球体と患者の血管内に挿入された膨張可能なバルーンとの間の同等の直径を実現するために、少なくとも1つの測定用球体を有する測定デバイス(又はテープ)を使用する方法を示す写真である。
図19Aに示すように、(i)例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マーク1940、及び、(ii)例えば、血管の内腔の直径を測定するための少なくとも1つの円形指標(又は球体)1950を含む測定デバイス1900が提供される。
図19Aの実施形態において、円形指標(又は球体)1950は、5ミリメートル(mm)の直径を有する。
図19Bにおいて、5ミリメートル(mm)に膨張されることになるバルーン1960は、患者の血管内に挿入されて部分的に膨張されている。バルーン1960の一部は、5ミリメートル(mm)まで完全に膨張され、適合直径に達しており、このことは、バルーン1960のこの完全に膨張された部分上に重ね合わされた5ミリメートル(mm)の直径を有する、測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950によって明らかである。第2の測定デバイスの第2の円形指標(又は球体)1955は、このバルーン1960の完全に膨張された部分上に重ね合わされた測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950に隣接して位置決めされる。しかしながら、
図19Bの画像に示すように、バルーン1960の一部(I)は、完全に膨張されはいない。
図19Cにおいて、別の測定デバイスの別の円形指標(又は球体)1970は、完全に膨張されてはいないバルーン1960の部分(I)上に重ね合わされる。この円形指標(又は球体)1970は、3ミリメートル(mm)の直径を有する。従って、
図19Cの画像で明らかであるように、完全に膨張されてはいないバルーン1960の部分(I)は、3ミリメートル(mm)の直径を有し、完全に膨張されてはいないバルーン1960のこの部分(I)上に重ね合わされた円形の指標(又は球体)1970と大きさが同等であると仮定すると、単に3ミリメートル(mm)の直径を有する。従って、バルーンの直径の差は、5ミリメートル(mm)の直径を有する測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950及び3ミリメートル(mm)の直径を有する円形指標(又は球体)1970の両方を、部分的に膨張されたバルーン1960の様々な部分と比較することによって決定される。従って、追加の圧力は、バルーン1960の完全に膨張されてはいないこの部分(I)を3ミリメートル(mm)から所望の5ミリメートル(mm)に変更するために必要となる。
【0066】
図19Dにおいて、ほぼ完全に膨張されたバルーン1960は、測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950及び第2の円形指標(又は球体)1955を、以前は部分的にのみ膨張されたバルーン1960のこの部分(I)に再び位置決めすることによって示される。この
図19Dの画像において、第2の円形指標(又は球体)1955は、以前は部分的にのみ膨張されたバルーン1960の部分(I)に上に重ね合わされる。
図19Dに示すように、バルーン1960のこの部分(I)は、バルーン1960のこの部分(I)上に重ね合わされる第2の円形指標(又は球体)1955と大きさがほぼ同等である。第2の円形指標(又は球体)1955は、5ミリメートル(mm)の球体であるので、以前は部分的にのみ膨張されたバルーン1960のこの部分(I)が、ほぼ完全に、すなわち、直径が5ミリメートル(mm)まで膨張されていることが明らかである。
【0067】
図19Eにおいて、完全に膨張されたバルーン1960は、測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950及び第2の円形指標(又は球体)1955を、以前は部分的にのみ膨張されたバルーン1960のこの部分(I)に再び位置決めすることによって示される。この
図19Eの画像において、測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950は、以前は部分的にのみ膨張されたバルーン1960の部分(I)に上に重ね合わされる。
図19Eに示すように、バルーン1960のこの部分(I)は、バルーン1960のこの部分(I)上に重ね合わされる測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950と大きさがほぼ同等である。測定デバイス1900の円形指標(又は球体)1950は、5ミリメートル(mm)の球体であるので、以前は部分的にのみ膨張されたバルーン1960のこの部分(I)が、ほぼ完全に、すなわち、直径が5ミリメートル(mm)まで膨張されていることが明らかである。従って、
図19Eに示すように、バルーン1960をその適合直径である5ミリメートル(mm)まで完全に膨張させるという最終結果が達成されている。この最終結果は、各々が5ミリメートル(mm)の直径を有し、バルーン1960と比較される円形指標(又は球体)(1950、1955)の助けによって容易に視覚化され、現時点でバルーンはこれらの円形指標(又は球体)(1950、1955)と同等の直径を有する。従って、
図19A-19Eの実施形態によれば、本発明の測定デバイスの適切な使用は、測定デバイス(又はテープ)1900及び1又は2以上の円形指標(又は球体)(1950、1955)を使用して示されており、それによって5ミリメートル(mm)の円形指標(又は球体)(1950、1955)と膨張したバルーン1960との間の同等の直径がもたらされる。
【0068】
図20A及び20Bは、本発明の実施形態による測定マーク及び少なくとも1つの円形指標(又は球体)を有する測定デバイスと比較した膨張可能なバルーンの写真である。
図20A及び20Bに示すように、(i)例えば、血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マーク2040、及び、(ii)例えば、血管の内腔の直径を測定するための少なくとも1つの円形指標(又は球体)2050を含む測定デバイス2000が提供される。また、
図20A及び20Bは、造影剤で膨張され、X線透視下で可視化された膨張バルーン2060を示す。従って、
図20A(及び
図20Aの拡大版である
図20B)に示すように、X線不透過性である円形指標(又は球体)2050は、X線透視下で可視化することができ、X線透視で見ると造影剤色と同じ外観を与える。従って、造影剤を含む造影剤充填バルーン2060は、造影剤を含まない円形指標(又は球体)2050と同一又は非常に類似した外観を有し、これは、非常に適合性が高い及び/又は簡単に視覚化された、造影剤充填バルーン2060と円形指標(又は球体)2050との間の比較を可能にする。
【0069】
図21は、本発明の実施形態による測定デバイスによって測定可能な人体患者の血管の例を示す。例えば、
図21に示すように、人体の前面部が示されており、この人体の前面部の様々な血管及びそれらの関連する身体部分(すなわち、前上腸骨棘(ASIS)、鼠径靭帯(IL)、内転筋裂孔(AH)、大内転筋(AM)、及び内側広筋(VM))も示されている。
図21に示すこの人体の前面部分の様々な血管は、本明細書に説明する本発明の測定デバイスを様々な位置に位置決めすることによって測定することができる(例えば、
図22B及び22D参)。従って、本明細書に説明する本発明の測定デバイスは、ヒト患者の多数の異なる血管をより効率的かつ正確な方法で測定することを可能にする。
【0070】
図22Aから
図22Dは、本発明の実施形態による、ヒト患者の様々な身体部分に配置することができる様々な測定デバイスを示す写真である。例えば、
図22Aに示すように、ヒト患者の前上腿、前下腿(又はすね)、足元(foot)、及び後下腿(又はふくらはぎ)に沿って位置決めすることができる複数の測定デバイス(2200、2210、2220、2230)を示す。
図22Aの実施形態において、後下腿(又はふくらはぎ)に沿って位置決めされた測定デバイス2220は、測定デバイス2220を、ヒト患者の足首及び/又は足元部分に沿って角度を付けることを可能にするくぼみ又は溝を含むことができる。
【0071】
図22Bの実施形態において、ヒト患者の乳房領域の周囲に螺旋状に位置決めすることができる第1の測定デバイス2300が示され、一方、ヒト患者の腕に沿って位置決めすることができる第2の測定デバイス2310が示され、また、ヒト患者の前面部に沿って位置決めすることができるY字形状の第3の測定デバイス2320が示されている(例えば、
図21も参照)。
図22Bの実施形態において、ヒト患者の乳房領域の周囲に螺旋状にて位置決めすることができる第1の測定デバイス2300は、例えば、乳房領域内の血管、内腔、病変部、及び/又は腫瘤の測定を可能にする1又は2以上の円形指標(又は球体)2305を含むことができる。
【0072】
図22Cの実施形態において、ヒト患者の様々な身体部分に位置決めすることができる複数の測定デバイス(2400、2410、2420、2430、2440、2450、2460)が示される。例えば、ヒト患者の前面領域又は腹部領域に沿って位置決めされる第1の測定デバイス2400が示されている。人間の患者の腕に沿って位置決めされる第2の測定デバイス2410が示されている。ヒト患者の前部上脚部分(又は大腿部)に沿って位置決めされる第3の測定デバイス2420が示されている。人間の患者の前下腿部分(又はふくらはぎと膝)に沿って位置決めされる第4の測定デバイス2430が示されている。人間の患者の足元部分に沿って位置決めされる第5の測定デバイス2440が示される。人間の患者の膝までの下側の脚部分(又はふくらはぎ)に沿って位置決めされる第6の測定デバイス2450が示されている。人間の患者の膝及び上側の脚部分(又は大腿部)に沿って位置決めされる第7の測定デバイス2460が示されている。
図22Dの実施形態において、第1の測定デバイス2500は、ヒト患者の腕に沿って位置決めされ、一方、上側ループ部分を有するY字形の測定デバイス2510である第2の測定デバイス2510は、ヒト患者の胸部及び腹部領域に沿って位置決めされ、第3の測定デバイス2520は、ヒト患者の前側上脚部分(又は大腿部)に沿って位置決めされる。従って、
図22Aから22Dに示すように、本明細書で説明する本発明の複数の測定デバイスは、例えば、特定の医療処置に必要である特定の血管、内腔、病変、及び/又は腫瘤を測定するために、ヒト患者の多数の部位及び/又は領域上に様々な配置で位置決めすることができる。
【0073】
上述した実施形態は、患者の様々な脚部及び/又は足元部上の測定デバイスの位置決めを開示して示すが、測定デバイスは、全ての四肢(例えば、腕及び脚)、及び、(i)例えば、血管を拡張するためのバルーンを用いることを含めて、血管が治療されることになる、及び/又は、(ii)動脈及び/又は静脈に施され、血管/病変/内腔/腫瘤の長さの測定が必要とされる、及び/又は、血管/内腔/腫瘤の直径の測定が必要とされる、身体の何らかの領域上に位置決めすることができる。例えば、測定デバイスは、頸部(例えば、頸動脈)及び/又は胴体(例えば、腎動脈、腸間膜動脈、大動脈、腸骨動脈、及び静脈系全体)上に位置決めすることができる。
【0074】
本発明の原理に従って、1又は2以上の測定用テープを有する特有の測定デバイスが提供され、測定デバイスは、通常、前方循環及び後方循環、並びに、足底循環及び背側循環と呼ばれる、例えば、脛骨足動脈を含む、様々な動脈の複数の循環分布を同時に評価するために使用することができる、さらに、本発明の態様によれば、1又は2以上の測定用テープを有する測定デバイスが提供され、測定デバイスは、例えば、足ループ(pedal loop)を含む、様々な病変の位置及び/又は直径を測定して診断するのを助ける。
【0075】
本発明の原理に従って、特有の測定デバイスが提供され、測定デバイスは、(i)例えば、血管を含む、様々な身体部分の距離及び/又は長さの実質的に直線的かつ非常に正確な測定を可能にする剛性及び強度、及び、(ii)身体の様々な曲がり及び変動に対応するためにデバイスの曲がり及び/又は湾曲を可能にする可撓性の両方を可能にする。さらに、一実施形態によれば、この特有の測定デバイスは、剛性、強度、及び可撓性を含み、一方、当該技術分野で知られている従来の測定用テープ又はデバイスの短縮を排除する。
【0076】
本開示のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
【0077】
(条項1)
(i)血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定用テープを備える測定デバイス。
【0078】
(条項2)
複数の測定マークのうちの各測定マークは、複数の測定マークの隣接する測定マークから同じ距離に位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0079】
(条項3)
複数の測定マークのうちの各測定マークは、複数の測定マークの隣接する測定マークから5センチメートルに位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0080】
(条項4)
複数の測定マークのうちの各測定マークは、複数の測定マークの隣接する測定マークから1センチメートルに位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0081】
(条項5)
複数の測定マークのうちの各測定マークは、数字を備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0082】
(条項6)
複数の副マーカーは、複数の測定マークのうちの各測定マークの間に位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0083】
(条項7)
複数の副マーカーのうちの各副マーカーは、複数の副マーカーの隣接する副マーカーから同じ距離に位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0084】
(条項8)
複数の副マーカーのうちの各副マーカーは、複数の副マーカーの隣接する副マーカーから1センチメートルに位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0085】
(条項9)
測定デバイスは、互いの鏡像をなす少なくとも2つの測定用テープを備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0086】
(条項10)
測定デバイスは、互いに平行に位置決めされる少なくとも2つの測定用テープを備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0087】
(条項11)
測定デバイスは、1又は2以上のストラップを介して結合される少なくとも2つの測定用テープを備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0088】
(条項12)
1又は2以上のストラップは、複数の測定マークをさらに備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0089】
(条項13)
測定デバイスは、Y字形の形態の少なくとも2つの測定用テープを備え、(i)少なくとも2つの測定用テープは、第1の長さに沿って互いに平行に位置決めされ、(ii)少なくとも2つの測定用テープは、Y字形を形成するために第2の長さに沿って互いに対して所定の角度で分岐する、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0090】
(条項14)
測定デバイスは、(i)真っ直ぐな第1の部分と、(ii)第1の部分に対して所定の角度の第2の部分と、を有する少なくとも1つの測定用テープを備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0091】
(条項15)
測定デバイスは、測定デバイスの角度形成を容易にするように構成されている指標部分をさらに含む、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0092】
(条項16)
測定デバイスは、長さが70cmである少なくとも1つの測定用テープを備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0093】
(条項17)
内腔の直径を測定するための複数の円形指標は、互いに異なる大きさである、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0094】
(条項18)
複数の円形指標は、(i)直径2mmの円、(ii)直径2.5mmの円、(iii)直径3mmの円、(iv)直径3.5mmの円、(v)直径4mmの円、(vi)直径5mmの円、(vii)直径5.5mmの円、(viii)直径6mmの円、(ix)直径6.5mmの円、(x)直径7mmの円、及び(xi)直径8mmの円のうちの2又は3以上を含む、異なる大きさを備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0095】
(条項19)
内腔の直径を測定するための複数の円形指標は、X線不透過性マーカーを備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0096】
(条項20)
(i)血管の距離及び/又は長さ、及び、(ii)血管の内腔の直径の少なくとも一方を測定する方法であって、(a)(i)血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マークと、(ii)血管の内腔の直径を測定するための複数の円形指標と、を有する1又は2以上の測定用テープを備える測定デバイスを準備するステップと、(b)測定デバイスを患者の身体部分上に位置決めするステップと、(c)(i)血管の距離及び/又は長さ、及び、(ii)血管の内腔の直径のうちの少なくとも1つを測定するステップと、を含む方法。
【0097】
(条項21)
測定デバイスは、少なくとも1つの測定テープを備え、この方法は、少なくとも1つの測定テープを患者の大腿部に沿って位置決めして、患者の大腿部内の血管を測定するステップを含む、上記条項のいずれかに記載の方法。
【0098】
(条項22)
測定デバイスは、少なくとも2つの測定テープを備え、この方法は、(i)少なくとも2つの測定テープのうちの第1の測定テープを患者のふくらはぎに沿って位置決めし、さらに、(ii)少なくとも2つの測定テープのうちの第2の測定テープを患者のすねに沿って位置決めするステップを含む、上記条項のいずれかに記載の方法。
【0099】
(条項23)
この方法は、(i)少なくとも2つの測定用テープのうちの第1の測定用テープの一部を患者の足元の底部又は足底部に沿って位置決めし、さらに、(ii)少なくとも2つの測定用テープのうちの第2の測定用テープの一部を患者の足元の頂部又は背側部に沿って位置決めするステップとさらに含む、上記条項のいずれかに記載の方法。
【0100】
(条項24)
(i)血管の距離及び/又は長さを測定するための複数の測定マークと、(ii)各々が血管の内腔の直径を測定するための測定用球体を収容する複数の円筒形要素と、を有する少なくとも1つの測定用テープを備える測定デバイス。
【0101】
(条項25)
各測定用球体は、充填材を介して複数の円筒形要素のそれぞれの円筒形要素の中に埋め込まれる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0102】
(条項26)
複数の円筒形要素のそれぞれの円筒形要素の中に収容された各測定用球体は、測定デバイスの遠位端から近位端に向かって大きさが減少する、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0103】
(条項27)
測定デバイスは、測定デバイスの折り畳みを可能にする少なくとも1つの測定用テープに沿って配置された1又は2以上のくぼみをさらに備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0104】
(条項28)
複数の円筒形要素のうちの各円筒形要素は、複数の円筒形要素のうちの別の円筒形要素から所定の距離に位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0105】
(条項29)
複数の円筒形要素のうちの各円筒形要素は、複数の円筒形要素のうちの別の円筒形要素から、50mmから100mmの距離に位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0106】
(条項30)
複数の円筒形要素のうちの各円筒形要素は、複数の円筒形要素のうちの別の円筒形要素から、50mmから75mmの距離に位置決めされる、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0107】
(条項31)
測定デバイスは、測定デバイスを出荷中及び/又は保管中に折り畳むことを可能にする1又は2以上のヒンジ部材をさらに備える、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0108】
(条項32)
少なくとも1つの測定用球体を有する少なくとも1つの測定用テープを備える測定デバイスであって、少なくとも1つの測定用球体は、X線下で何らかの角度で少なくとも1つの測定用球体を可視化することを可能にするX線不透過性材料を含む、測定デバイス。
【0109】
少なくとも1つの測定用球体は、(i)血管、(ii)内腔、(iii)腫瘤、(iv)挿入されたバルーン、又は(v)(i)、(ii)、(iii)、又は(iv)の組み合わせのうちの少なくとも1つを測定するように構成される、上記条項のいずれかに記載の測定デバイス。
【0110】
本開示では、本発明の単に例示的な実施形態であるが、その汎用性の一部の例が示されて説明される。本発明は、様々な他の組み合わせ及び環境で使用が可能であり、本明細書で示される発明概念の範囲内での変更又は修正が可能であることを理解されたい。
【0111】
上述の説明は、本発明の好ましい実施形態に関するが、他の変形及び修正は、当業者には明らかであり、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく行うことができることに留意されたい。さらに、本発明の1つの実施形態に関連して説明する特徴は、上記で明示されていないとしても他の実施形態と組み合わせて使用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1100 測定デバイス
1110 遠位端
1115 近位端
1120 第1の側面
1130 第2の側面
1140 測定マーク
1150 円形指標
1160 円形指標
1170 円形指標
1180 円形指標
1190 円形指標
【国際調査報告】