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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】撮像装置及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240424BHJP
   A61B 6/50 20240101ALI20240424BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240424BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A61B6/03 521D
A61B6/50 500E
A61B6/00 530Z
A61B6/04 509B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571728
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 FI2022050361
(87)【国際公開番号】W WO2022248770
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】20215612
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(31)【優先権主張番号】20215613
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591261406
【氏名又は名称】プランメド オイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アスペルンド レオ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA22
4C093CA37
4C093DA06
4C093EC16
4C093EC28
4C093ED11
4C093ED21
4C093FA17
(57)【要約】
本発明は、乳房をX線撮影するための撮像装置及び方法に関し、CT撮像のための撮像装置の動作モードを変更する際に、特定の種類の乳房位置決め構造を撮像装置に接続することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立位または座位の患者の乳房をX線撮像するための撮像装置であって、
垂直に延在するフレーム(201)と、
回転軸を有する細長い回転可能なアーム(202、302)であって、前記細長い回転可能なアーム(202、302)が第1の端部と第2の端部とを有し、前記細長い回転可能なフレーム(201)に動作可能に接続されており、前記細長い回転可能なアーム(202、302)は、その前記第1の端部の近傍に配置された放射線源(203)と、その前記第2の端部の近傍にある像検出器(206、306)とを含む、前記細長い回転可能なアーム(202、302)と、
前記放射線源(203)と前記像検出器(206、306)との間で前記細長い回転可能なアーム(202、302)に任意選択的に取り外し可能に接続され、前記細長い回転可能なアーム(202、302)に沿って移動可能に配置された圧迫板(205、305)と、
制御システム(207)であって、前記細長い回転可能なアーム(202、302)は、乳房位置決め構造(110、310、410)を取り外し可能に受容するために、その前記第1の端部と前記第2の端部との間に接続構造(309、409)を備え、前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の方向に延び、その第1の端部に、前記細長い回転可能なアーム(202、302)における前記接続構造(309、409)に適合する接続手段(111)を有する細長い支持要素(112)の形態の第1の構成要素を備え、前細長い支持要素(112)は、その長さの少なくとも一部に対して管状の乳房位置決め面(101、301)を備え、前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、前記第1の方向に略垂直な第2の方向の面に本質的に延在する表面を備える板状保護カバー(103)の形態で第2の構成要素をさらに備え、前記保護カバー(103)は前記乳房位置決め面(101、301)に少なくとも部分的に接合する開口部(104)を備えることを特徴とする、前記制御システム(207)と、を備える、前記撮像装置。
【請求項2】
前記細長い支持要素(112)は、その長さの一部分については管状にされ、その他の部分については管状にされているが、その上部については開口されていることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、前記細長い回転可能なアーム(202、302)の回転方向とは反対方向で前記細長い回転可能なアーム(202、302)と同軸に回転可能であるように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記像検出器(206、306)は、前記放射線源(203)から異なる距離に位置するように、前記細長い回転可能なアーム(202、302)に対して移動可能に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御システムは、従来の2Dマンモグラフィで、他方でコンピュータ断層撮影で使用される、撮像のための異なる動作モードを備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
コンピュータ断層撮影モードは、2Dマンモグラフィモードよりも1~100mm長い範囲になるように、前記放射線源(203)から前記像検出器(206、306)までの距離を調整することを含むことを特徴とする、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記細長い回転可能なアーム(202、302)は、180度を超える角度の範囲で回転するように構成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記細長い支持要素(112)は炭素繊維から作成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記保護カバー(103)は、患者の乳房の幅及び前記放射線源の近傍まで延在するように適合された高さよりも実質的に大きい幅を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、前記板状保護カバー(103)の下端部から、前記細長い支持要素(112)と同じ方向に延びる保護部(105)を有していることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項11】
撮像装置(200、300)を用いて立位または座位の患者の乳房をX線撮像するための方法であって、前記方法は、マンモグラフィ撮像モードからコンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、
- 乳房位置決め面(101)を有する位置決め構造(110、310、410)を前記撮像装置(200、300)に接続すること、
- 任意選択的に、乳房位置決め面(101)と像検出器(206、306)との間の距離を調整して、前記乳房位置決め面(101)が像検出器(206、306)から所望の距離にくるようにすること、
- 前記乳房が前記乳房位置決め面(101)にあるように、前記患者の撮像される乳房を前記乳房位置決め面(101)に配置すること、
- 前記コンピュータ断層撮影モードにおいて前記撮像装置を動作させること、を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
前記方法が、
- 前記マンモグラフィ撮像モードから前記コンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、放射線源(203)と前記像検出器(206、306)との間の距離を調整すること、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、
- 前記マンモグラフィ撮像モードから前記コンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、マンモグラフィ装置の圧迫板(205、305)を前記撮像装置(200、300)から取り外すこと、を含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記位置決め構造(110、310、410)はさらに、開口部(104)を有する保護カバーを備えており、前記方法は、前記コンピュータ断層撮影モードにおいて撮像を開始する前に、
- 前記患者の胸部が前記撮像装置(200、300)に面するように保護カバー(103)に対して前記患者を位置決めし、前記撮像される乳房が前記開口部(104)を通るように、前記撮像される乳房を前記乳房位置決め面(101)に位置決めすることを含むことを特徴とする、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、
- 前記患者が保護カバー(103)に接触している場合に、撮像の間、前記患者の乳房が実質的に垂直な位置にあるように、前記患者の身体を調節及び誘導するよう前記保護カバー(103)を配置することを含むことを特徴とする、請求項11から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、
- コンピュータ断層撮影モードで、前記患者が立位にある場合、細長い回転可能なアーム(202、302)は、左乳房を撮影する場合には、前記細長い回転可能なアームの垂直位置から左へ約200度以上延び、右乳房を撮影する場合には、前記細長い回転可能なアームの垂直位置から右へ約200度以上延びる走査軌道で延びる走査の軌跡で回転することを含むことを特徴とする、請求項11から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、
- コンピュータ断層撮影モードでは、前記患者が座位にある場合、細長い回転可能なアームの垂直位置から左に約100度、右に約100度延在する、約200度以上の走査の軌跡で前記回転可能なアーム(202、302)を回転させることを含むことを特徴とする、請求項11から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記撮像装置が、回転可能なアーム(102)を含み、前記方法が、
- コンピュータ断層撮影の曝露の間、前記回転可能なアーム(102)の回転方向とは反対方向で同じ回転軸を中心に前記位置決め構造(110、310、410)を回転させることを含む、請求項11から17のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には撮像装置に関し、より詳細には、患者の乳房をX線撮影するための撮像装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マンモグラフィは、乳房腫瘍及び乳房組織の変化の検出に関する。マンモグラフィは、乳がんの診断において最も広く使用されている方法である。優れた診断精度、費用対効果、及び様々な人への一般的な適用性を兼ね備えている。女性集団のマススクリーニングは、可能な限り早期にがんを発見することを目的としている。早期に検出することにより、疾患のより効率的な治療が可能となる。マンモグラフィでは、典型的には、乳房の撮像のために特別に設計された低エネルギー放射線X線装置が使用される。
【0003】
1つの典型的な種類のマンモグラフィ装置は、垂直フレームと、それに接続された回転するCアームとを備える。回転するCアームは、回動軸を介して垂直フレームに接続されている。回転軸により、Cアームを異なる向きに回転させることができる。垂直フレームは、Cアームを異なる高さの患者のために位置決めすることができるように、モータによって垂直に調節可能であってもよい。
【0004】
乳房圧迫は、マンモグラフィ撮像に関連して使用され得る。厚い物体をX線撮影するには、物体にX線を十分に透過させるために、より高いエネルギー放射線を使用する必要がある。放射線のエネルギーが増加すると、画像の軟組織のコントラストは低下する。乳房は主に流体的であるため、圧搾により密度は変化せず、組織はより広い領域に広がる。圧迫時の乳房の増殖もまた、組織の重複による凝集を低減する。圧迫により、放射線量も減少する。また、厚い対象は、薄い対象より多く放射線を散乱させ、画像の鮮鋭性を低下させる。また、圧迫により、曝露中の動きによって引き起こされる画像のボケを低減することができる。
【0005】
圧迫は典型的には、観察方向と圧迫方向とが平行である場合に、投影特有の観察のために従来の2Dマンモグラフィに適用される。また、放射線断層撮影は、乳房X線撮影の文脈で適用されている。断層像撮像によって、単なる慣用の2Dにおいて画像が互いに上部に撮像され、したがって潜在的に少なくとも部分的に未検出のままである対象物の内部の特徴を検出することができる。
【0006】
トモシンセシスと呼ばれる方法は、従来のマンモグラフィ装置の文脈において適用されており、ここでは、乳房が同じ位置に留まる間に、乳房の複数の画像が限定的なトモグラフィ角度で撮影される。トモシンセシスでは、2D画像は、典型的には+/-10度の角度の範囲またはその次数をカバーする異なる方向から撮影される。
【0007】
従来のマンモグラフィ装置は一般に、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)のように、実際のコンピュータ断層撮影(CT)を可能にするように構成されていない。従来の乳房CT用に設計された装置には、うつ伏せの姿勢にある患者の乳房が、水平方向に延びる患者支持台の開口部を通って垂れ下がっているものが含まれる。
【発明の概要】
【0008】
本開示の目的は、従来技術で遭遇する問題を少なくとも部分的に克服する解決策を提供することであり、多用途の乳房X線撮影のための革新的な解決策を提供する。この課題は、本明細書に開示された種々の実施形態を有する撮像装置及び撮像方法によって解決される。
【0009】
本開示は、典型的な従来の2Dマンモグラフィ装置におけるコンピュータ断層撮影を可能にする。これは、従来のマンモグラフィ器械に、特に乳房コンピュータ断層撮影用に設計された乳房位置決め構造を接続可能に構成することにより達成される。特に、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)である。この解決手段により、乳房位置決め構造及び回転するCアームの相対的な回転運動が可能になる。これにより、乳房位置決め構造は、回転するC腕の回転中、立位または座位の患者に対して所定の位置にとどまることができる。
【0010】
本開示がもたらす従来のマンモグラフィ装置を上回る利点の例は、従来の種類の2Dマンモグラフィ撮像装置を使用しながら乳房のCT画像を生成する能力である。これにより、高密度の乳房組織のための比較的良好なコントラスト分離を可能にすることができる。他の利点には、コンピュータ断層撮影モードにおいて、患者が自身によって撮像装置の撮像ボリュームに乳房を配置し、乳房が圧迫されないため、撮像は痛みを伴わず、したがって検査は患者にとってより快適である。
【0011】
本開示のさらなる態様、利点、特徴、及び目的は、以下の添付の特許請求の範囲と併せて解釈される、例示的な実施形態の図面及び詳細な説明から明らかになる。
【0012】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定められる本開示の範囲から逸脱することなく、様々な構成において組み合わせることに供されることが理解されるであろう。
【0013】
説明的な実施形態の以下の詳細な説明のみならず上記概要が、添付の図面とあわせて閲読されるとき、より良好に理解され得る。本開示を例示する目的で、図面には構造の例が示されている。しかしながら、本開示は、本明細書に開示された特定の方法または構造に限定されない。さらに、当業者は、図面は原寸に比例していないことがあることを理解するであろう。同様の要素は、同じ番号で示されている場合がある。
【0014】
本開示の実施形態を、単なる例示として、添付の図面を参照しながらこれより説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本開示の実施形態による乳房位置決め構造の斜視図である。
図1B】本開示の実施形態による乳房位置決め構造の側面図である。
図2】乳房位置決め構造を除いた、本開示の実施形態による撮像装置の側面図である。
図3】乳房位置決め構造を備える、図3に示された撮像装置の側面図である。
図4】乳房位置決め構造と撮像装置とが分離された、図3に示した撮像装置の分解斜視図である。
図5A】撮像の間、患者が撮像装置に立ち、回転可能なアームが、約200度の走査角度にわたって患者の乳房の周りを回転する本開示の実施形態である。
図5B】撮像の間、患者が撮像装置に座し、回転するアームが、約200度の走査角度にわたって患者の乳房の周りを回転する本開示の実施形態である。
図5C】撮像の間、患者が撮像装置に座し、回転するアームが、約200度の走査角度にわたって患者の乳房の周りを回転する、図5Bの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面において、下線が引かれた数字は、その下線が引かれた項目またはその下線が隣接している項目を表すために使用される。下線が引かれていない数字は、下線が引かれていない数字と項目とを結ぶ線で識別される項目に関連する。番号に下線が引かれておらず、関連する矢印が伴っている場合、下線が引かれていない番号は、矢印が指している一般的な項目を識別するのに使用される。
【0017】
以下の詳細な説明は、本開示の実施形態及びそれらを実装することができる方法を示す。本開示を実施するいくつかのモードを開示したが、当業者は、本開示を実行または実施する他の形態も可能であることを理解するであろう。
【0018】
図1A及び図1Bを参照すると、本開示の実施形態による乳房位置決め構造110が示されている。図1Aは、乳房位置決め構造110の斜視図であり、図1Bは、乳房位置決め構造110の側面図である。乳房位置決め構造110は、第1の方向に延在し、その第1の端部に接続手段111を有する細長い支持要素112の形の第1の構成要素を備えている。乳房位置決め構造110は、さらに、細長い支持要素112の第2の端部において、それに組み込まれているように、乳房位置決め構造110の第2の構成要素を備えており、この第2の構成要素は、板状の保護カバー103である。板状保護カバー103は、細長い支持要素112が延在する第1の方向に対して実質的に直角な第2の方向の実質的に平面に延在する表面を備えている。
【0019】
図1Aに示した細長い支持要素112は、管状を含むが、その長さの一部については、開口された乳房位置決め面101を有している。板状の保護カバー103は、細長い支持要素112の乳房位置決め面101に合わさる開口部104を備えている。
【0020】
細長い支持要素112の内面に接合する板状の保護カバー103の開口部は、第1の開口部104と称することができ、その一方で、細長い管状の支持要素112に、開口セクションが存在する場合には、それは第2の開口部104’と称することができる。
【0021】
乳房位置決め構造110は、2~5mm、例えば2mmの壁の厚さを有し得る。
【0022】
保護カバー103は、細長い支持要素112に対して実質的に直角に延びるように構成された下側部分103’’と、下側部分103’’に対する角度方向の上側部分103’とを有し、この上側部分103’は、下側部分から離れる方向に延びるように構成されている。上側部分103’は、上方へテーパした形状である。下側部分103’’は、上側部分103’より広い。下側部分103’’に関連して、板状の保護カバー103から細長い支持要素112と同じ方向に延びる保護部105が存在している。
【0023】
図2は、本開示の実施形態によるX線撮影装置の側面図を示す。撮像装置200は、垂直に延在するフレーム201と、垂直に延在するフレーム201に作動的に接続された細長い回転可能なアーム202とを含み、それは第1の端部と第2の端部とを有する。回転可能なアーム202は、第1の端部の近傍に配置された放射線源203と、その第2の端部の近傍の像検出器206とを含む。撮像装置200は、放射線源203と像検出器206との間で回転可能なアーム202に接続され、モータ駆動される機構208によって回転可能なアーム202に沿って移動可能に配置される圧迫板205、及び撮像装置を動作させるための制御システム207をさらに備える。制御システム207は、さらに、例えば画像データを処理するためのアルゴリズムと、ワークステーションとを含んでいてよく、ワークステーションは、コンピュータ、ディスプレイ、テーブル、及び放射線シールド(図2には図示せず)をさらに含み得る。撮像装置200はさらに、床に自由に載せられていて固定されるか、または床にボルト留めされ得るスタンドを含むことができ、さらに、撮像装置を制御するためのペダルを有していてよい。
【0024】
図3は、乳房位置決め構造が接続されているときの、図2に示されたX線撮影装置の側面図を示す。コンピュータ断層撮影モードでの動作のために、圧迫板(及びいわゆるブッキー)を取り外すことができる。図3では、接続要素305’は、放射線源に向かって上昇している。像検出器306は、放射線源203に対して下方に一定の距離だけ移動され得る。乳房位置決め構造310は、像検出器306の上方に配置され、細長い回転可能なアーム202に配置された接続構造309に接続されている。乳房位置決め構造310は、その長さの少なくとも一部に対して、管状及び開口型の乳房位置決め面301を有している。
【0025】
図3では、乳房位置決め構造310は、第1の方向に延在し、該接続構造309に適合可能な接続手段311を第1の端部に有する、細長い要素の形態の第1の構成要素、及び組み込まれているものとして第2の端部に乳房位置決め構造310の第2の構成要素を備え、乳房位置決め構造の該細長い要素は、その長さの少なくとも一部に、管状であるが開いた乳房位置決め面301を備え、該第2の構成要素は、第1の方向に対して直角である第2の方向の平面に本質的に延在する表面を備える板状の保護カバー303であり、保護カバー303は、乳房位置決め面301にコームする開口部を含む。
【0026】
図4は、乳房位置決め構造410が分離された、図3に示されたX線撮影装置の分解斜視図である。乳房位置決め構造410は、右側に示されており、撮像装置は左側に示されている。撮像装置は、接続手段411と互換性のある接続構造409を含む。
【0027】
図5Aは、撮像の間、患者が撮像装置に立ち、回転可能なアームが、左側で、約200度の走査角度にわたって患者の乳房の周りを回転する、本開示の実施形態である。破線は走査角度を示す。
【0028】
図5Bは、撮像の間、患者が撮像装置に座位で、回転可能なアームが、約200度の走査角度にわたって患者の乳房の周りを回転する、本開示の実施形態である。破線は走査角度を示す。
【0029】
図5Cは、患者が撮像中に撮像装置に着座している図5Bの側面図である。
【0030】
上述したような構成を使用する間、患者は自身で、撮像される乳房を撮像装置に配置することができる。乳房の配置のために、乳房位置決め構造には、所定のサイズ及び形状であってもよい開口部が設けられていてもよい。乳房位置決め構造は、開口部が乳房位置決め構造に沿って延びることができるように、少なくとも部分的に上方に開口していてもよい。目的は、撮像装置の操作者などの外部の人の手を借りることなく、患者が乳房を一人で構造物に位置決めすることを容易にすることである。
【0031】
一態様では、本開示の実施形態は、立っている患者または座っている患者の乳房をX線撮影するための撮像装置が提供され、この撮像装置は、垂直に延在するフレームと、回転軸を有する細長い回転可能なアームとを含み、その回転可能なアームは、垂直に延在するフレームに作動的に接続されている。回転可能なアームは、第1の端部及び第2の端部と、第1の端部の近傍に配置された放射線源と、その第2の端部に近傍の像検出器とを有する。圧迫板は、放射線源と像検出器との間の回転可能なアームに接続されるか、または接続可能に配置され得、回転可能なアームに沿って移動可能に配置され得る。撮像装置は、制御システムを備えてもよい。
【0032】
本開示の実施形態では、回転可能なアームは、乳房位置決め構造を取外し可能に受容するための第1の端部と第2の端部との間の接続構造を備え、乳房位置決め構造は、第1の方向に延び、第1の端部に、回転可能なアームにおける該接続構造に適合する接続手段を有する細長い要素の形態の第1の構成要素、及び一体のものとして、その第2の端部に、第1の方向に垂直な第2の方向に全体的に延在する乳房位置決め構造の第2の構成要素を備える。乳房位置決め構造の細長い要素は、その長さの少なくとも一部について、管状であるが開口の乳房位置決め面を備える。該第2の構成要素は、板状の保護カバーであってもよく、この保護カバーは、第1の方向に対して実質的に直角である第2の方向において実質的に平面に延びる面を備え、保護カバーは、乳房位置決め面に対してコーミングする開口部を有する。
【0033】
本開示に記載されている撮像装置は、マンモグラフィ装置とコンピュータ断層撮像装置とを同じ撮像装置に組み込んで設ける。したがって撮像装置を、異なる動作モードで使用することができ、従来の2Dマンモグラフィとコンピュータ断層撮影の双方に対して選択的に使用されるように構成することができる。回転可能なアームの第1の端部が上端部である状態で垂直に延在する位置における撮像装置を考慮すると、マンモグラフィモードからコンピュータ断層撮影モードへの移行は、回転可能なアームから、マンモグラフィモードにおいて使用される可能性がある圧迫板を取り外し、回転可能なアームに乳房位置決め構造を保護カバーと接続することによって行われ得る。回転可能なアームは、像検出器の上方に乳房位置決め構造用のコネクタ構造を備え得る。移行部に関連して、像検出器は、放射線源から見て下方に向かって、例えば1mm~100mm、例えば50mm、80mm、または100mmの範囲で下方に向かって間隔を置いて移動され得る。
【0034】
本開示の文脈における撮像装置の撮像ボリュームは、200mmの直径を有するように設計されてもよく、190mmの最大乳房直径及び135mmの定められた最大の乳房の長さに基づいて寸法決めされ得る。患者の乳房が乳房位置決め面で支持される場合、その形状は重力により変化する。変形は乳房を広げ、その一方で広がりの大きさは乳房組織の密度に依存する。したがって、位置決め構造の内面は、乳房が幅方向に拡がり、撮像ボリュームの外側に拡がるのを防止するように、凹部状または管状に形成されている。位置決め構造は、その最低点が20mm、例えば、撮像ボリュームの最低点を上回るように、撮像装置に位置決めされる。
【0035】
一態様では、本開示の実施形態は、保護カバーを備える乳房位置決め構造を提供し、それは、「最も下方の端部に、回転可能なアームに接続する細長い要素に実質的に平行に延びるように構成された部分と、最も上方の部分とを有し、この上方の部分は、撮像装置から離れる角度の方向に延びるように構成されている。
【0036】
乳房位置決め構造における保護カバーの役割は、立位または座位にある患者を、可動の回転アームとの衝突から適切に保護することであり、また、撮像動作の間、乳房から離れた患者の解剖学的構造は、放射に曝されない。保護カバーは、第1の開口部の縁部から患者の身体に沿って患者の胸部及び頭部を超えて延在するように適合されており、これにより、患者の身体の形状に有利に適合してそれを保護するように適合されている。保護カバーは、患者の乳房の幅よりも実質的に大きい幅を有してもよい。保護カバーの高さは、放射線源の近くに延びるように適応させられていてもよい。保護カバーは、位置決め構造の別個の部分または一体部分であってよく、剛性かつ放射線透過性の材料、例えば炭素繊維から形成されている。保護カバーは、例えば、マルチパートであってもよい。保護カバーの上側部分は透明であってもよく、例えばポリカーボネートから形成され得、下側部分は不透明であってもよい。保護カバーは、保護カバーの下側部分に対して所定の角度位置に成形されていてよく、例えば、所望するように、上側部分は、患者の顔に対して所定の角度で、患者の頭部及び身体部材のガイド位置に突出している。座位では、コンピュータ断層撮影のために、保護カバーはさらに、床から十分な距離を有するように構成されている。この距離は、例えば750mmであってよく、この値は、患者が座位にある場合の平均の患者サイズに関する統計に基づく。保護カバーの縁部から、座っている患者の大腿部までの間隔は、可能な限り小さく、例えば約160mmであり、これにより、像検出器は、患者の座位において、撮影対象を中心として回転することができる。マンモグラフィモードでは、最小のサイズはより大きい。
【0037】
使用中に、患者は自身で撮像される乳房を撮像装置に配置することができる。乳房の配置のために、位置決め構造には、異なるサイズ及び形状を有してもよい第2の開口部が設けられていてもよい。位置決め構造は、開口部が位置決め構造に沿って延びることができるように、少なくとも部分的に上方に開口していてもよい。目的は、撮像装置の操作者などの外部の人の手を借りることなく、患者が乳房を一人で位置決め構造に位置決めすることを容易にすること、一方で、圧迫や平坦化をせずに乳房の位置決めを可能にすることである。第2の開口部が患者の乳房の大きさに合わせて適切に寸法設定されている場合、患者が乳房位置決め面の適所に設置することは容易である。
【0038】
像検出器を撮像装置において移動させるための機構は、接続構造、例えばロック手段またはクイックロック手段を有しており、また、例えば軸受を備えており、位置決め構造の第2の端部は、互いに解除可能に係合するように設計されて、回転中に位置決め構造が患者に対して定位置を維持するように、アーム及び像検出器に対して反対方向への位置決め構造の回転移動を可能にするよう構成される接続手段を有する。位置決め構造の接続は、例えば、位置決め構造が、撮像装置のアームと同じ軸を中心とした回転を可能にする独立した回転機構に係合するように、同軸的に実装することができる。さらに、位置決め構造の乳房位置決め面は、像検出器の例えば5mm、10mm、20mm、50mmまたは80mm上方において、像検出器から離間しており、ユーザの乳房が乳房位置決め面にある間、放射線源及び像検出器が位置決め構造を中心に反対方向に自由に回転することができるように配置されている。
【0039】
本開示では、位置決め構造が撮像装置に接続される場合、撮像装置に対して2つの特定の動作モードがある。コンピュータ断層撮影モードでは、患者が立位にある場合、放射線源及び像検出器を有する回転可能なアームが、走査の軌跡において回転させられるように構成されており、これは、左乳房を撮影する場合には、患者の頭部の上方から左へ180度以上または200度以上、右乳房を撮影する場合には患者の頭部の上方から右へ180度以上または200度以上延在する。さらに、患者が座位にある場合、放射線源及び像検出器を有する回転可能なアームが、200度以上走査の軌跡において回転させられるように適合されており、患者の頭部の上から左へ100度以上、または100度または右へ延在する。上記モードにより、撮像装置は、患者が着座している間に1つの乳房、患者が立っている間に1つの乳房を撮像することができる。
【0040】
以下、本開示による撮像装置の使用について説明する。
【0041】
撮像装置がマンモグラフィモードであり、コンピュータ断層撮影モードに移行するとき、コンピュータ断層撮影モードの撮影を妨げないように上部圧着板とブッキーを撮像装置から取り外して移行する。その後、圧迫機構及び像検出器によって形成された、画像撮像装置におけるアセンブリは、制御システムによって電動式に、例えば80mm下方に放射線源から移動させられる。上側の圧迫板を取り外す際にも、圧迫板用の接続機構を同様に上方に移動させ得る。その後、上述した位置決め構造が、接続構造を介して撮像装置に接続される。位置決め構造は、保護カバーが患者に面し、位置決め構造の接続手段が撮像装置に面するように接続される。
【0042】
コンピュータ断層撮影モードでは、患者の乳房がトラフ状の乳房位置決め面の第1の開口部を通って位置決めされるように、位置決め構造に対して撮像される患者が立位で位置決めされる。患者は、圧迫を使用しないので、撮像される乳房を自身で表面に配置することができる。撮影中、アーム及び対応する放射線源及び像検出器は、撮像される乳房を中心に回転し、たとえば350個の像を、患者の頭部の上方から左または右へ180度または200度の走査角度でさらす。位置決め構造は、アームの動きとは反対方向に回転し、これにより、患者に対して相対的に静止したままである。撮像軌跡は、対称または非対称として規定することができる。患者が座位にある場合、撮像装置の垂直フレームは、座位のときに保護カバーの下縁が患者の大腿の約160mm上方になるように調整される。
【0043】
したがって、本開示の実施形態は、立位または座位の患者の乳房をX線撮影するための撮像装置であって、垂直に延在するフレーム(201)、回転軸を有する細長い回転可能なアーム(202、302)であって、細長い回転可能なアーム(202、302)が第1の端部と第2の端部とを有し、細長い回転可能なフレーム(201)に動作可能に接続されており、細長い回転可能なアーム(202、302)は、その第1の端部の近傍に配置された放射線源(203)と、その第2の端部の近傍にある像検出器(206、306)とを含む、細長い回転可能なアーム(202、302)、放射線源(203)と像検出器(206、306)との間で細長い回転可能なアーム(202、302)に任意選択的に取り外し可能に接続され、細長い回転可能なアーム(202、302)に沿って移動可能に配置された圧迫板(205、305)、及び制御システム(207)を備える撮像装置を含む。細長い回転可能なアーム(202、302)は、乳房位置決め構造(110、310、410)を取り外し可能に受容するために、その第1の端部と第2の端部との間に接続構造(309、409)を備え、乳房位置決め構造(110、310、410)は、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の方向に延び、その第1の端部に、該細長い回転可能なアーム(202、302)における該接続構造(309、409)に適合する接続手段(111)を有する細長い支持要素(112)の形態の第1の構成要素を備え、該細長い支持要素(112)は、その長さの少なくとも一部に対して管状の乳房位置決め面(101、301)を備え、該乳房位置決め構造(110、310、410)は、第1の方向に略垂直な第2の方向の面に本質的に延在する表面を備える板状保護カバー(103)の形態で第2の構成要素をさらに備え、保護カバー(103)は乳房位置決め面(101、301)に少なくとも部分的に接合する開口部(104)を備える。
【0044】
細長い支持要素(112)は、その長さの一部が管状であってよく、別の一部が管状であってよいが、その上側部分と同様に開口され得る。
【0045】
乳房位置決め構造(110、310、410)は、細長い回転可能なアーム(202、302)の回転方向とは反対方向で細長い回転可能なアーム(202、302)と同軸的に回転可能であるように構成され得る。
【0046】
像検出器(206、306)は、放射線源(203)から異なる距離に位置するように、細長い回転可能なアーム(202、302)に対して移動可能に配置され得る
【0047】
制御システムは、従来の2Dマンモグラフィで、他方でコンピュータ断層撮影で使用される、撮像のための異なる動作モードを備え得る。
【0048】
コンピュータ断層撮影モードは、2Dマンモグラフィモードよりも1~100mm長い範囲になるように、放射線源(203)から像検出器(206、306)までの距離を調整することを含むことがっできる。
【0049】
細長い回転可能なアーム(202、302)は、180度を超える角度の範囲にわたって回転するように構成され得る。
【0050】
細長い支持要素(112)は、炭素繊維から形成され得る。
【0051】
保護カバー(103)は、患者の乳房の幅及び放射線源の近くに延びるように適合された高さよりも実質的に大きい幅を有することができる。
【0052】
乳房位置決め構造(110、310、410)は、板状保護カバー(103)の下端部から、細長い支持要素(112)と同じ方向に延びる保護部(105)を有していてよい。
【0053】
方法はさらに、マンモグラフィ撮像モードからコンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、放射線源(203)と像検出器(206、306)との間の距離を調整すること、を含むことができる。
【0054】
本開示の複数の実施形態はまた、撮像装置(200、300)を用いて立位または座位の患者の乳房をX線撮影するための方法であって、マンモグラフィ撮像モードからコンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、乳房位置決め面(101)を有する位置決め構造(110、310、410)を撮像装置(200、300)に接続すること、任意選択的に、乳房位置決め面(101)と像検出器(206、306)との間の距離を調整して、乳房位置決め面(101)が像検出器(206、306)から所望の距離にくるようにすること、乳房が乳房位置決め面(101)にあるように、患者の撮像される乳房を乳房位置決め面(101)に配置すること、コンピュータ断層撮影モードにおいて撮像装置を動作させること、を含む。
【0055】
方法は、マンモグラフィ撮像モードからコンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、放射線源(203)と像検出器(206、306)との間の距離を調整すること、を含むことができる。
【0056】
マンモグラフィ撮像モードからコンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、マンモグラフィ装置の圧迫板(205、305)を撮像装置(200、300)から取り外す。
【0057】
位置決め構造(110、310、410)が、開口部(104)を有する保護カバーを備える場合、方法は、コンピュータ断層撮影モードにおける撮像を開始する前に、患者の胸部が撮像装置(200、300)に面するように保護カバー(103)に対して患者を位置決めし、撮像される乳房が開口部(104)を通るように、撮像される乳房を乳房位置決め面(101)に位置決めすることを含み得る。
【0058】
保護カバー(103)は、患者が保護カバー(103)に接触している場合に、撮像の間、患者の乳房が実質的に垂直な位置にあるように患者の身体を調節及び誘導することができる。
【0059】
コンピュータ断層撮影モードでは、患者が立位にある場合、回転可能なアーム(202、302)は、左乳房を撮影する場合には、細長い回転可能なアームの垂直位置から左へ約200度以上延び、右乳房を撮影する場合には、細長い回転可能なアームの垂直位置から右へ約200度以上延びる走査軌道で回転可能である。
【0060】
コンピュータ断層撮影モードでは、さらに患者が座位にある場合、細長い回転可能なアームの垂直位置から左に約100度、右に約100度延在する、約200度以上の走査の軌跡で回転可能なアーム(202、302)を回転させることができる。
【0061】
コンピュータ断層撮影の曝露の間、位置決め構造は、回転可能なアーム(102)の回転方向とは反対方向で同じ回転軸を中心に回転され得る(110、310、410)。
【0062】
添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲から逸脱することなく、前述した本開示の実施形態に対する修正が可能である。本開示を説明及び特許請求するために使用される「含む(including)」、「含む(comprising)」、「組み込む(incorporated)」、「有する(have)」、「ある(is)」などの表現は、非排他的な方法で解釈されることが意図され、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素または要素も存在することを可能にすることが意図される。単数形への言及はまた、複数形に関すると解釈されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
保護カバー(103)は、患者が保護カバー(103)に接触している場合に、撮像の間、患者の胸部が実質的に垂直な位置にあるように患者の身体を調節及び誘導することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立位または座位の患者の乳房をX線撮像するための撮像装置であって、
垂直に延在するフレーム(201)と、
回転軸を有する細長い回転可能なアーム(202、302)であって、前記細長い回転可能なアーム(202、302)が第1の端部と第2の端部とを有し、前記垂直に延在するフレーム(201)に動作可能に接続されており、前記細長い回転可能なアーム(202、302)は、その前記第1の端部の近傍に配置された放射線源(203)と、その前記第2の端部の近傍にある像検出器(206、306)とを含む、前記細長い回転可能なアーム(202、302)と、
前記放射線源(203)と前記像検出器(206、306)との間で前記細長い回転可能なアーム(202、302)に任意選択的に取り外し可能に接続され、前記細長い回転可能なアーム(202、302)に沿って移動可能に配置された圧迫板(205、305)と、
制御システム(207)であって、前記細長い回転可能なアーム(202、302)は、乳房位置決め構造(110、310、410)を取り外し可能に受容するために、その前記第1の端部と前記第2の端部との間に接続構造(309、409)を備え、前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の方向に延び、その第1の端部に、前記細長い回転可能なアーム(202、302)における前記接続構造(309、409)に適合する接続手段(111)を有する細長い支持要素(112)の形態の第1の構成要素を備え、前細長い支持要素(112)は、その長さの少なくとも一部に対して管状の乳房位置決め面(101、301)を備え、前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、前記第1の方向に略垂直な第2の方向の面に本質的に延在する表面を備える板状保護カバー(103)の形態で第2の構成要素をさらに備え、前記保護カバー(103)は前記乳房位置決め面(101、301)に少なくとも部分的に接合する開口部(104)を備えることを特徴とする、前記制御システム(207)と、を備える、前記撮像装置。
【請求項2】
前記細長い支持要素(112)は、その長さの一部分については管状にされ、その他の部分については管状にされているが、その上部については開口されていることを特徴とする、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、前記細長い回転可能なアーム(202、302)の回転方向とは反対方向で前記細長い回転可能なアーム(202、302)と同軸に回転可能であるように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記像検出器(206、306)は、前記放射線源(203)から異なる距離に位置するように、前記細長い回転可能なアーム(202、302)に対して移動可能に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御システムは、従来の2Dマンモグラフィで、他方でコンピュータ断層撮影で使用される、撮像のための異なる動作モードを備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
コンピュータ断層撮影モードは、2Dマンモグラフィモードよりも1~100mm長い範囲になるように、前記放射線源(203)から前記像検出器(206、306)までの距離を調整することを含むことを特徴とする、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記細長い回転可能なアーム(202、302)は、180度を超える角度の範囲で回転するように構成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記細長い支持要素(112)は炭素繊維から作成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記保護カバー(103)は、患者の乳房の幅及び前記放射線源の近傍まで延在するように適合された高さよりも実質的に大きい幅を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記乳房位置決め構造(110、310、410)は、前記板状保護カバー(103)の下端部から、前記細長い支持要素(112)と同じ方向に延びる保護部(105)を有していることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項11】
撮像装置(200、300)を用いて立位または座位の患者の乳房をX線撮像するための方法であって、前記方法は、マンモグラフィ撮像モードからコンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、
- 乳房位置決め面(101)を有する位置決め構造(110、310、410)を前記撮像装置(200、300)に接続すること、
- 任意選択的に、乳房位置決め面(101)と像検出器(206、306)との間の距離を調整して、前記乳房位置決め面(101)が像検出器(206、306)から所望の距離にくるようにすること、
- 前記乳房が前記乳房位置決め面(101)にあるように、前記患者の撮像される乳房を前記乳房位置決め面(101)に配置すること、
- 前記コンピュータ断層撮影モードにおいて前記撮像装置を動作させること、を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
前記方法が、
- 前記マンモグラフィ撮像モードから前記コンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、放射線源(203)と前記像検出器(206、306)との間の距離を調整すること、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、
- 前記マンモグラフィ撮像モードから前記コンピュータ断層撮影モードへ切り替える際に、マンモグラフィ装置の圧迫板(205、305)を前記撮像装置(200、300)から取り外すこと、を含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記位置決め構造(110、310、410)はさらに、開口部(104)を有する保護カバーを備えており、前記方法は、前記コンピュータ断層撮影モードにおいて撮像を開始する前に、
- 前記患者の胸部が前記撮像装置(200、300)に面するように保護カバー(103)に対して前記患者を位置決めし、前記撮像される乳房が前記開口部(104)を通るように、前記撮像される乳房を前記乳房位置決め面(101)に位置決めすることを含むことを特徴とする、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、
- 前記患者が保護カバー(103)に接触している場合に、撮像の間、前記患者の胸部が実質的に垂直な位置にあるように、前記患者の身体を調節及び誘導するよう前記保護カバー(103)を配置することを含むことを特徴とする、請求項11から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、
- コンピュータ断層撮影モードで、前記患者が立位にある場合、細長い回転可能なアーム(202、302)は、左乳房を撮影する場合には、前記細長い回転可能なアームの垂直位置から左へ約200度以上延び、右乳房を撮影する場合には、前記細長い回転可能なアームの垂直位置から右へ約200度以上延びる走査軌道で延びる走査の軌跡で回転することを含むことを特徴とする、請求項11から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、
- コンピュータ断層撮影モードでは、前記患者が座位にある場合、細長い回転可能なアームの垂直位置から左に約100度、右に約100度延在する、約200度以上の走査の軌跡で前記回転可能なアーム(202、302)を回転させることを含むことを特徴とする、請求項11から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記撮像装置が、回転可能なアーム(102)を含み、前記方法が、
- コンピュータ断層撮影の曝露の間、前記回転可能なアーム(102)の回転方向とは反対方向で同じ回転軸を中心に前記位置決め構造(110、310、410)を回転させることを含む、請求項11から17のいずれかに記載の方法。
【国際調査報告】