(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-02
(54)【発明の名称】ロープを終端させるための装置
(51)【国際特許分類】
D07B 9/00 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
D07B9/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572109
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 GB2022051254
(87)【国際公開番号】W WO2022243681
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523438360
【氏名又は名称】シュルツ ニール
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ ニール
【テーマコード(参考)】
3B153
【Fターム(参考)】
3B153EE23
3B153EE24
3B153EE25
3B153EE27
(57)【要約】
ロープを終端させるための装置は、基部から円錐部または角錐部へと長手方向に延びているシリンダを備える。シリンダは、前記シリンダの縦軸に実質的に直交する一対のサブロープを受けるための少なくとも1つのチャネルを画定する。ロープは、合成繊維から製造することも、または多数のサブロープから構成すこともできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープを終端させるための装置であって、
基部から円錐部または角錐部へと長手方向に延びているシリンダを備え、
前記シリンダは、前記シリンダの縦軸に実質的に直交する一対のサブロープを受けるための少なくとも1つのチャネルを画定する、装置。
【請求項2】
前記シリンダは、中実シリンダまたは管状である、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シリンダは、円形の断面または楕円形もしくは多角形の断面を有する、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記円錐部または角錐部は一点に向かって先細りする、または前記円錐部または角錐部は円錐台部または角錐台部である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記シリンダは、前記シリンダの前記縦軸に実質的に直交する複数のチャネルを画定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記チャネルの各端部に開口部が画定され、前記開口部は、前記シリンダ上で直径方向の反対側に配置されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
各チャネルは前記開口部の間で湾曲し、前記湾曲は前記開口部の間で前記シリンダの前記基部に向かって延びる、
請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
各チャネルは、前記シリンダの直径に沿って配置されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
各チャネルは、実質的に円形の断面を有する壁により画定される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
各チャネルは、ベアリングポイントを画定する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ベアリングポイントは、前記チャネルの前記内側湾曲が前記シリンダの前記基部に近接する位置に配置されている、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ベアリングポイントは、各開口部から等距離にある、
請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
各チャネルは、隣接するチャネルから長手方向に間隔を空けて配置されている、
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
各チャネル間の前記長手方向の間隔は等しい、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
各チャネルは、均等な角度でオフセットしている、
請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
互いに直角に整列した2つのチャネル、互いに60度で整列した3つのチャネル、互いに45度で整列した4つのチャネル、または互いに36度で整列した5つのチャネルがある、
請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
各チャネルの端部は、前記チャネルが前記シリンダの外壁へと開口する、滑らかな丸みを帯びた曲線によって画定されている、
請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記シリンダは、サブロープごとに経路を画定する、
請求項1から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記基部は、終端接続部に隣接する、
請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、鋼鉄製または合成/ポリマー複合構造製である、
請求項1から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、直径の異なる複数のシリンダを備える、
請求項1から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
ロープを複数対のサブロープへと分割するステップと、
各対の前記サブロープを、請求項1から21のいずれか1項の前記装置の前記チャネル(単数または複数)に配置するステップと、
各対を共にスプライシングするステップと、
を備える前記ロープの終端処理のための方法。
【請求項23】
外側ジャケットおよび/または取り付けられている場合はフィルタを、前記ロープの前記端部から絞り戻すステップを備える、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
一対のサブロープの各サブロープは、スプライシングの開始位置を示すために付けられたスプライシングマークを有する、
請求項22または請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記マークが揃うまで、第1の側のサブロープは前記シリンダの前記チャネルを通され、第2の側のサブロープは前記チャネルを反対方向に通される、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記サブロープは従来のスプライシング方法を使用して第2の側の前記サブロープへとスプライシングされ、
このステップは、前記第2の側の前記サブロープが前記チャネルを通され、前記第1の側の前記サブロープへとスプライシングされた状態で繰り返される、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記スプライシングの処理は、メインロープの残りのサブロープで繰り返される、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
各スプライシングは開始点を有し、
各スプライシングの前記開始点は前記装置の前記ベアリングポイントにある、
請求項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記スプライシングするステップの間、保護ジャケットまたは筒状布が前記スプライシングされたサブロープ上および前記ロープの本体の中へと個別に適用される、
請求項22から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記サブロープおよび前記装置上に保護層を適用するステップを含む、
請求項22から29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロープの終端処理での使用に適した装置に関する。特に、本発明は、ロープのスプライシングでの使用に適した装置に関する。
【0002】
加えて、本発明は、ロープの端部を終端処理させる方法に関する。ロープは、合成繊維から製造することも、または多数のサブロープから構成することもできる。
【背景技術】
【0003】
スプライシングされたアイを使用して、ロープをその端部で終端処理することは公知である。ここで、ロープの全体が曲げられてアイを形成する。ロープの終端部は、ロープの立ち上がった部分へとスプライシングされて戻っていく。スプライシングは手作業によって仕上げられるが、これは一般的にロープを終端させる最も強度効率のよい方法であるためである。
【0004】
ロープが十分な寸法を有する場合、ロープは一般的にサブロープと呼ばれる多数のより小さなロープから構成されている。これらはロープの軸に沿って位置し、それらの上部に亘って編組された外側ジャケットによってまとめられている。
【0005】
用途によっては、耐荷重性サブロープと外側ジャケットとの間にフィルタ層を設けることができる。このフィルタ層は、損傷を誘発するおそれのある粒子の進入を阻止し、海底との接触を可能にする。
【0006】
オフショア用途で使用されるが、これに限定されるわけではないより大きなロープは、典型的に鋼鉄のフィッティングに接続される。これらは、スプライシングされたアイに配置されるスプールシンブルの形態とすることができ、これらは続いてシャックルおよびチェーンに接続される。ロープ接続の他の例としては、チェーンまたは繊維ロープの他のセグメントに直接接続するための鋼鉄のHリンクが挙げられる。
【0007】
スプールシンブルおよび/またはHリンクの主要な目的は、所定の形状でアイの周囲でロープの支持を提供することである。
【0008】
従来のスプライシングでは、正しい配向でアイの周囲にサブロープを置くことが重要である。アイの周囲の形状に起因して、内側のサブロープは、アイの外側のサブロープと比較すると長さが短い。この差は、スプライシングにおいて慎重に考慮される必要があり、さもなければ、サブロープ間の長さの違いにつながり、結果として効率の悪いロープとなってしまう。
【0009】
加えて、サブロープは、通常、アイの中で多数の層となるように置かれる。鋼鉄スプールは、これを達成するためにある程度役立つが、依然としてサブロープを正しい層に維持し、それらが下の層に埋もれないようにすることが不可欠である。
【0010】
上述の課題を踏まえ、様々な提案がなされてきたが、先行技術の装置によって示された課題のうちの1以上を対処する、ロープを終端させる装置を改善する必要性は残ったままである。この点について、本発明は、好適には先行技術の装置によって示された課題のうちの1以上を対処する、代替手段を提供することを試みる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、ロープを終端させるための装置が提供される。ロープを終端させるための装置は、基部から円錐部または角錐部へと長手方向に延びているシリンダを備える。シリンダは、前記シリンダの縦軸に実質的に直交する一対のサブロープを受けるための少なくとも1つのチャネルを画定する。
【0012】
使用時に、装置は円錐部または角錐部が、ロープに当接するように、またはロープに隣接して位置付けられるようにロープと同軸上に設置される。一対のサブロープからの1つのサブロープはチャネルの第1端部からチャネル内へと延び、一対のサブロープからの第2サブロープはチャネルの第2端部からチャネル内へと延びる。第1サブロープは第2サブロープへとスプライシングされ、第2サブロープは第1サブロープへとスプライシングされる。
【0013】
好ましくは、前記シリンダは中実シリンダである。代替的に、前記シリンダは管状である。
【0014】
好適には、シリンダは円形の断面を有する。代替的に、楕円形または多角形の断面を有する。シリンダが多角形の断面を有する実施形態では、シリンダは角錐部へと延び、角錐部は多角形の多数の側面に対応する多数の面を有する。
【0015】
好ましくは、前記円錐部または角錐部は一点に向かって先細りする。代替的に、前記円錐部または角錐部は円錐台部または角錐台部である。
【0016】
好ましくは、前記シリンダは、前記シリンダの前記縦軸に実質的に直交する複数のチャネルを画定する。
【0017】
好ましくは、前記チャネルの各端部に開口部が画定され、前記開口部は、前記シリンダ上で直径方向の反対側に配置されている。
【0018】
好ましくは、各チャネルは前記開口部の間で湾曲し、前記湾曲は前記開口部の間で前記シリンダの前記基部に向かって延びる。代替的に、各チャネルは、前記シリンダの直径に沿って配置されている。
【0019】
好ましくは、各チャネルは、実質的に円形の断面を有する壁により画定される。
【0020】
好ましくは、各チャネルは、ベアリングポイントを画定する。一実施形態では、前記ベアリングポイントは、前記チャネルの前記内側湾曲が前記シリンダの前記基部に近接する位置に配置されている。
【0021】
好ましくは、前記ベアリングポイントは、各開口部から等距離にある。
【0022】
好ましくは、各チャネルは、隣接するチャネルから長手方向に間隔を空けて配置されている。
【0023】
好ましくは、各チャネルは、均等な角度でオフセットしている。これに関して、例えば、一実施形態では、互いに直角に整列した2つのチャネルがある。別の実施形態では、互いに60度で整列した3つのチャネルがある。別の実施形態では、互いに45度で整列した4つのチャネルがある。別の実施形態では、互いに36度で整列した5つのチャネルがある。
【0024】
好ましくは、各チャネルの端部は、前記チャネルが前記シリンダの外壁へと開口する、滑らかな丸みを帯びた曲線によって画定されている。有利には、これにより各サブロープが鋭い縁部に接触することを回避する。
【0025】
好ましくは、前記シリンダは、サブロープごとに経路を画定する。好適には、各経路はチャネル内へと滑らかに延びる。
【0026】
好ましくは、前記基部は、終端接続部に隣接する。好適には、終端接続部は任意のエンドフィッティングに合うように変化することが可能である。これは、シャックル、チェーンエンドリンク、または他の繊維ロープの終端に合うパッドアイまたはクレビス等であることができる。
【0027】
好ましくは、前記装置は、鋼鉄製または合成/ポリマー複合構造製である。より好適には、鋼鉄のものである。好適には、鋼鉄はオフショアグレードの鋼鉄のものである。有利には、これはオフショア機器で使用されるチェーンおよびシャックルに一致し、各アイテムの腐食の問題がなくなることを可能にする。
【0028】
好ましくは、一実施形態では、前記装置は、直径の異なる複数のシリンダを備える。有利には、サブロープの数またはそれらの直径が、それらが全て単一のシリンダの外壁の周囲に収まるには大きすぎる場合、分離または接合されることができる複数の段付きシリンダが設けられる。
【0029】
好適には、複数のシリンダは、内側サブロープに対して異なる直径と外側サブロープに対してより大きな直径を有するシリンダを含む。本発明は、段または異なる直径の数に限定はなく、これは多数であり得る。サブロープのスプライシングおよび仕上げは、シリンダの数にかかわらず同じである。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、ロープの終端処理のための方法が提供される。本方法は、ロープを複数対のサブロープへと分割するステップと、各対の前記サブロープを、本発明の前記装置の前記チャネル(単数または複数)に配置するステップと、各対を共にスプライシングするステップとを備える。
【0031】
好ましくは、外側ジャケットおよび/または取り付けられている場合はフィルタを、前記アイの前記端部から絞り戻すステップを備える。これにより、内側のサブロープをむき出しにして、サブロープの第1対が終端の各側に置かれることを可能にするという利点を奏する。
【0032】
好ましくは、一対のサブロープの各サブロープは、スプライシングの開始位置を示すために付けられたスプライシングマークを有する。
【0033】
好適には、第1の側のサブロープはAAマークが揃うまでシリンダのチャネルを通されている。好適には、サブロープは続いて、従来のスプライシング方法を使用して第2の側のサブロープへとスプライシングされる。好適には、この処理は、第2側のサブロープがチャネルを通され、第1の側のサブロープへとスプライシングされた状態で再度繰り返される。
【0034】
好ましくは、前記スプライシングの処理は、メインロープの残りのサブロープで繰り返される。例えば、ロープが6つのサブロープを有する場合、それらは3つの対へとスプライシングされる。これらの対は、互いに60度回転されたシリンダの3つのチャネルに配置される。
【0035】
好ましくは、各スプライシングは開始点を有し、各スプライシングの前記開始点は、本発明の前記装置の前記ベアリングポイントにある。この点について、スプライシングされたサブロープを2つ1組で使用することが公知であるが、公知のスプライシングはアイから離れたロープのさらに下で開始する。各スプライシングをベアリングポイントで開始することによって、より強度があり、より信頼できるスプライシングの利点を奏する。
【0036】
有利には、方法は、本発明の装置の縦軸の周囲で均等に回転されている任意の数のサブロープ対に合うように適用されることができる。
【0037】
有利には、方法は、3ストランド、4ストランド、8ストランド、12ストランド等の任意のサブロープ構造で使用することができる。加えて、ポリエステル、ナイロン、アラミド、高弾性ポリエチレン等の任意の合繊糸タイプから製造されるサブロープで使用することができる。
【0038】
好ましくは、前記スプライシングするステップの間、保護ジャケットまたは筒状布が前記スプライシングされたサブロープ上および前記ロープの本体の中へと個別に適用される。
【0039】
好適には、方法は、ポリウレタンまたは同様のポリマーを使用して、サブロープおよび終端装置上に保護層を適用して仕上げるステップを含む。
【0040】
有利には、本発明の方法は、単一体に構成され、多数のサブロープから構成されていないロープの終端に使用することができる。これらのロープ構造は、通常、構造内に多数のストランドを備える編み込みまたはより編み設計のものである。これらの設計は、6、8、12、または16ストランド含むことができるが、これらに限定されるものではない。ロープは、標準のアイスプライス方法を使用してスプライシングされるが、ストランドは本発明の装置の穴に通される。終端は、ポリウレタンまたは同様のポリマーの保護層で上述されたのと同じ方法で仕上げられる。
【0041】
本発明は、ここより添付の図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】アイスプライスがスプールシンブルの周囲に形成されている、公知のロープ終端を示す。スプールシンブルは、チェーンに接続されることができるシャックルに接続されることができる。
【
図2】本発明の一実施形態による装置の詳細を示し、ロープは3対のサブロープを有している。
【
図3】本発明のさらなる実施形態による装置の詳細を示し、2つのシリンダが含まれている。
【
図4】編み込まれたロープと使用される本発明の一実施形態による装置の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の態様、実施形態、および好適な特性は、本仕様が明瞭かつ簡潔に書かれることを可能にする方法で本明細書中に説明されていることが理解されるであろう。しかしながら、状況がそうでないと明確に指示しない限り、態様、実施形態、および好適な特性は、本発明に従って様々に組み合わされることも、分離されることもできる。このように、好適には、本発明は、本明細書中に説明されている態様の2以上、3以上、または4以上の組み合わせの特性を有する装置を提供する。好適な実施形態では、本発明による装置は本発明の全ての態様を備える。
【0044】
本明細書の内容において、「約(about)」という単語は、プラスマイナス20%、より好適にはプラスマイナス10%、さらに好適にはプラスマイナス5%、最も好適にはプラスマイナス2%を意味する。
【0045】
本明細書の内容において、「実質的に(substantially)」という単語は、好適には少なくとも90%、より好適には95%、さらに好適には98%、最も好適には99%を意味する。
【0046】
本明細書の内容において、「を備える(comprises)」という単語は、「をとりわけ含む(includes, among other things)」という意味であり、「のみで構成される(consists of only)」という意味で解釈されるべきではない。
【0047】
本発明は、ロープ(2)を終端させるための装置(1)およびロープ(2)を終端させるための方法を提供する。
【0048】
過去においては、例えば、オフショア用途で使用されるより大きなロープ(2)は、典型的に鋼鉄のフィッティング(3)に接続されている。これらは、スプライシングされたアイ(5)に配置されるスプールシンブル(4)の形態を有することができ、続いてシャックル(6)およびチェーン(7)に接続される。
図1にこれが示されている。
【0049】
図2に示されるように、本発明の一実施形態は、基部(9)から円錐部(10)まで長手方向に延びているシリンダ(8)を備えるロープ(2)の終端のための鋼鉄の装置(1)を備え、シリンダ(8)は、シリンダ(8)の縦軸に実質的に直交するサブロープ(12)の対を受けるための少なくとも1つのチャネル(11)を画定する。
【0050】
装置(1)は、円錐部(10)がロープ(2)に隣接して位置付けられるように、ロープ(2)と同軸上に配置される。
図2に示されるロープ(2)は、6つのサブロープ(12)を有する。これらは、3つの対向する対(13)へと分離されている。サブロープ(12)の対(13)からの1つのサブロープ(12)はチャネル(11)の第1端部(14)からチャネル(11)内へと延び、サブロープ(12)の対(13)からの第2サブロープ(12)はチャネル(11)の第2端部(15)からチャネル(11)内へと延びる。第1サブロープ(12)は第2サブロープ(12)へとスプライシングされ、第2サブロープ(12)は第1サブロープ(12)へとスプライシングされる。
【0051】
シリンダ(8)は、円形の断面を有する中実シリンダである。
【0052】
円錐部(10)は、一点に向かって先細りしている。
【0053】
シリンダ(8)は、シリンダ(8)の縦軸に実質的に直交する複数のチャネル(11)を画定する。
【0054】
各チャネル(11)は、シリンダ(8)の直径に沿って配置されている。
【0055】
各チャネル(11)は、隣接するチャネル(11)から長手方向に間隔を空けており、各チャネル(11)間の長手方向の間隔は等しい。
【0056】
各チャネル(11)は、均等な角度でオフセットしている。この点に関しては、3つのチャネル(11)が互いから60度で並んでいる。
【0057】
各チャネル(11)の端部(14、15)は、滑らかな丸みを帯びた曲線によって画定されており、そこでチャネル(11)はシリンダ(8)の外壁へと開口する。有利には、これによって各サブロープ(12)が鋭い縁部に接触することを回避する。
【0058】
基部(9)は終端接続部(16)に隣接する。終端接続部(16)は、任意のエンドフィッティングに適合するように変更可能である。図面では、エンドフィッティングは、シャックル、チェーンエンドリンク、または他の繊維ロープの終端に合うパッドアイまたはクレビスである。
【0059】
図3に示されるように、装置(1)の一実施形態は、異なる直径の2つのシリンダ(8)を備える。サブロープ(12)のスプライシングおよび仕上げはシリンダ(8)の数にかかわらず同じである。
【0060】
装置(1)はロープ(2)を終端させるための方法において使用され、これはロープ(2)をサブロープ(12)の対(13)へと分割するステップと、各対のサブロープを装置(1)のチャネル(単数または複数)(11)に設置するステップと、各対(13)をスプライシングしてまとめるステップとを備える。
【0061】
方法は、外側ジャケット(17)および/または取り付けられている場合はフィルタをアイの端部から絞って戻すステップを備える。これにより、
図2の略
図1に示されるように、内側のサブロープ(12)をむき出しにして、サブロープ(12)の第1対(13)が終端(1)の各側に置かれることを可能にするという利点を奏する。
【0062】
一対のサブロープの各サブロープ(12)は、位置Aに付けられたスプライシングマーク(18)を有して、スプライシングの開始位置を示している。
【0063】
第1の側のサブロープ(12)は、AAマークが揃うまでシリンダ(8)のチャネル(11)を通される。第1サブロープ(12)は続いて、従来のスプライシング方法を使用して第2の側のサブロープ(12)へとスプライシングされる。この工程は、第2の側のサブロープ(12)がチャネル(11)を通され、第1の側のサブロープ(12)へとスプライシングされた状態で再度繰り返される。有利には、これにより、
図2の略
図2に示されるようなスプライシングされた対(13)を形成する。
【0064】
スプライシング工程は、メインロープ(2)の残りのサブロープ(12)に対して繰り返される。
図2の図形3は、3つの対(13)へとスプライシングされている6つのサブロープ(12)を示す。これらの対は、互いに60度回転されたシリンダ(8)の3つのチャネル(11)に配置されている。
【0065】
方法は、本発明の装置(1)の縦軸の周囲に均等に回転される任意の数のサブロープ対に適合するように適用することができる。
【0066】
方法は、3ストランド、4ストランド、8ストランド、12ストランド等の任意のサブロープ(12)構造で使用できる。加えて、ポリエステル、ナイロン、アラミド、高弾性ポリエチレン等の任意の合繊糸タイプから製造されるサブロープ(12)で使用することができる。
【0067】
スプライシングステップでは、保護ジャケットまたは筒状布がスプライシングされたサブロープ(12)上からロープ(2)の本体へと個別に適用される。
【0068】
方法は、ポリウレタンまたは同様のポリマーを使用して、保護層(19)をサブロープ(12)および終端装置(1)上に適用して仕上げるステップを含む。
【0069】
有利には、本発明の方法は、単一体に構成されたロープ(2)の終端処理のために使用することができる。これらのロープ構造は、通常、構造内に多数のストランドを編み込んだまたは撚り合わせた設計のものである。これらの設計は、6、8、12、または16本のストランドを含むことができるが、これらに限定されるものではない。ロープ(2)は、標準のアイスプライス方法を使用してスプライシングされるが、ストランドは本発明の装置(1)の穴(11)に通される。終端は、ポリウレタンまたは同様のポリマーの保護層(19)で上述したのと同じ方法で仕上げられる。
図4にスプライシング方法の詳細を示す。
【0070】
本発明によるロープ終端の利点として下記が含まれるが、これらに限定されるものではない。
1.サブロープの長さの差をより高度に制御できるので、強度のばらつきがより少なく、より効率的な終端が実現できる。
2.サブロープのスプライシングがエンドフィッティングから開始されるので、終端がより短い。
3.アイを再び一緒に再構築する必要がないので、終端の全体により早くスプライシングできる。
4.ロープを他のコンポーネントに完全に接続した際の鋼鉄の総重量が減少する。
【0071】
上述の実施形態は、ほんの一例として提供されており、熟練した読者は本発明の範囲から逸脱することなく多くの変形態様が作られ得ることを必然的に理解するであろう。
【国際調査報告】