(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-07
(54)【発明の名称】車両のアンダーカット領域に設置されるトランク
(51)【国際特許分類】
B60R 5/04 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B60R5/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564242
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 US2022072157
(87)【国際公開番号】W WO2022246366
(87)【国際公開日】2022-11-24
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イエ、カン
(72)【発明者】
【氏名】アレン、デレク
(72)【発明者】
【氏名】タン、サム
(72)【発明者】
【氏名】バッハ、エリック マグヌス
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022BB01
3D022BC10
(57)【要約】
車両トランクは、前記車両トランクの少なくとも第1の壁を形成する、熱可塑性エラストマー材料を含む第1のトランク部品、ここで、前記第1のトランク部品は、前記車両トランクを車両のアンダーカット領域内に設置することを容易にするように、少なくとも部分的に折り畳み可能である;及び前記車両トランクの少なくとも第2の壁を形成する第2のトランク部品、ここで、前記第1及び第2のトランク部品は、前記車両トランクの内部を画定し、前記第2のトランク部品は、繊維強化ポリマ材料を含む、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両トランクであって、
前記車両トランクの少なくとも第1の壁を形成する、熱可塑性エラストマー材料を含む第1のトランク部品、ここで、前記第1のトランク部品は、前記車両トランクを車両のアンダーカット領域内に設置することを容易にするように、少なくとも部分的に折り畳み可能である;及び
前記車両トランクの少なくとも第2の壁を形成する第2のトランク部品、ここで、前記第1のトランク部品及び前記第2のトランク部品は、前記車両トランクの内部を画定し、前記第2のトランク部品は、繊維強化ポリマ材料を含む、
を備える、車両トランク。
【請求項2】
前記第2のトランク部品は、前記内部への主開放部を画定する閉ループを形成する、請求項1に記載の車両トランク。
【請求項3】
前記車両トランクの前記第1の壁は、前記車両トランクの後壁又は前記車両トランクの前壁のうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の車両トランク。
【請求項4】
前記第1の壁は、前記設置後、前記車両の構造剪断壁、又は前記車両のバンパービームのうちの一方に当接するように構成されている、請求項3に記載の車両トランク。
【請求項5】
前記第1のトランク部品におけるグロメットをさらに備え、前記グロメットは、前記熱可塑性エラストマー材料によって形成され、前記内部から離れるように延在し、前記グロメットは、前記第1のトランク部品を前記構造剪断壁又は前記バンパービームに取り付けるように構成されている、請求項4に記載の車両トランク。
【請求項6】
前記車両トランクの前記第1の壁は、2つの壁を含み、前記2つの壁は、互いに面し、前記内部の対向する側に位置決めされる、請求項1に記載の車両トランク。
【請求項7】
前記2つの壁は、それぞれ、前記車両トランクの後壁及び前記車両トランクの前壁である、請求項6に記載の車両トランク。
【請求項8】
前記第1のトランク部品は、前記第2のトランク部品よりも先に存在し、前記第2のトランク部品は、前記繊維強化ポリマ材料を前記第1のトランク部品の前記熱可塑性エラストマー材料の一部の上にオーバーモールド成形することによって形成される、請求項1に記載の車両トランク。
【請求項9】
前記熱可塑性エラストマー材料は、前記第1のトランク部品の前記一部内の開放部を有し、前記オーバーモールド成形は、前記開放部におけるリベット接合部を形成する、請求項8に記載の車両トランク。
【請求項10】
前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記第1のトランク部品の縁部を有し、前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記縁部に対して実質的に垂直な方向に先細り部を有する、請求項9に記載の車両トランク。
【請求項11】
前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記第1のトランク部品の前記縁部に隣接する支柱をさらに備え、前記支柱は、実質的に前記先細り部の前記方向に延在し、前記支柱の頂部は、前記繊維強化ポリマ材料から離れるように延在する、請求項10に記載の車両トランク。
【請求項12】
前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記第1のトランク部品の前記縁部に隣接する複数の支柱を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、実質的に前記先細り部の前記方向に延在し、前記熱可塑性エラストマー材料は、前記第1のトランク部品の前記一部内の複数の開放部を有し、前記オーバーモールド成形は、複数のリベット接合部を形成し、前記複数のリベット接合部のそれぞれは、前記複数の開放部のそれぞれに形成される、請求項11に記載の車両トランク。
【請求項13】
前記複数のリベット接合部のそれぞれは、前記複数の支柱のうちの2つの隣接する支柱間に位置決めされる、請求項12に記載の車両トランク。
【請求項14】
前記リベット接合部は、前記繊維強化ポリマ材料から形成される頭部を備え、前記頭部は、前記繊維強化ポリマ材料の残りの部分から前記開放部の対向する側に位置決めされる、請求項9に記載の車両トランク。
【請求項15】
前記第1のトランク部品は、前記熱可塑性エラストマー材料内に前記開放部に至る凹部を有し、前記頭部は、前記凹部内に位置決めされる、請求項14に記載の車両トランク。
【請求項16】
前記第2のトランク部品は、前記車両トランクを前記車両に取り付けるように構成されている、請求項1に記載の車両トランク。
【請求項17】
前記車両トランクは、前記車両のフロントトランクであるように構成されている、請求項1に記載の車両トランク。
【請求項18】
前記フロントトランクは、前記車両のフロントモータの前方に位置決めされるように構成されている、請求項17に記載の車両トランク。
【請求項19】
前記車両トランクの前記内部を内張りするカーペットをさらに備える、請求項1に記載の車両トランク。
【請求項20】
前記カーペットは、第1のカーペット片及び第2のカーペット片からなり、前記第1のカーペット片及び前記第2のカーペット片のうちの少なくとも一方は、アンダーカット部分を有する、請求項19に記載の車両トランク。
【請求項21】
前記第1のカーペット片及び前記第2のカーペット片の境界部は、接着剤及び縫合なしに形成される、請求項20に記載の車両トランク。
【請求項22】
前記第1のカーペット片は、前記境界部における隆起部を形成し、前記第2のカーペット片は、前記隆起部に対して付勢する前記第2のカーペット片の縁部によって、少なくとも部分的に適所に保持される、請求項21に記載の車両トランク。
【請求項23】
前記境界部以外の場所において、前記第2のカーペット片、及び前記第1のトランク部品及び前記第2のトランク部品のうちの少なくとも一方の間に位置決めされる接着剤をさらに備え、前記第2のカーペット片の前記縁部は、前記第2のカーペット片、及び前記第1のトランク部品及び前記第2のトランク部品のうちの少なくとも一方の間に位置決めされる前記接着剤に起因して、前記隆起部に対して付勢する、請求項22に記載の車両トランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年5月17日に出願された「TRUNK FOR INSTALLATION IN UNDERCUT REGION OF VEHICLE」と題する米国特許出願第63/201,876号の優先権を主張し、その開示は、全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本文書は、車両のアンダーカット領域に設置されるトランクに関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのタイプの車両は、荷物又は他の所持品を収納するトランクを提供する。そのようなトランクのほとんどは、固定の形状及びサイズを有する一体ユニットとして製造され、その後、このユニットは、車両の開放部を通して挿入されて組み付けられる。この手法では、トランク内で利用可能な収納空間の量が最大化されない。追加のトランク構成要素をトランクタブ内の開放部に取り付けることによってアンダーカット空間を確保する試みがなされている。しかしながら、この手法は、設置に比較的時間がかかり、追加のトランク構成要素及び開放部の間の接合部に起因して漏れが発生する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
1つの態様において、車両トランクは、前記車両トランクの少なくとも第1の壁を形成する、熱可塑性エラストマー材料を含む第1のトランク部品、ここで、前記第1のトランク部品は、前記車両トランクを車両のアンダーカット領域内に設置することを容易にするように、少なくとも部分的に折り畳み可能である;及び前記車両トランクの少なくとも第2の壁を形成する第2のトランク部品、ここで、前記第1及び第2のトランク部品は、前記車両トランクの内部を画定し、前記第2のトランク部品は、繊維強化ポリマ材料を含む、を備える。
【0005】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。
前記第2のトランク部品は、前記内部への主開放部を画定する閉ループを形成する。
前記車両トランクの前記第1の壁は、前記車両トランクの後壁又は前記車両トランクの前壁のうちの少なくとも一方である。
前記第1の壁は、前記設置後、前記車両の構造剪断壁、又は前記車両のバンパービームのうちの一方に当接するように構成されている。
車両トランクは、前記第1のトランク部品におけるグロメットをさらに備え、前記グロメットは、前記熱可塑性エラストマー材料によって形成され、前記内部から離れるように延在し、前記グロメットは、前記第1のトランク部品を前記構造剪断壁又は前記バンパービームに取り付けるように構成されている。
前記車両トランクの前記第1の壁は、2つの壁を含み、前記2つの壁は、互いに面し、前記内部の対向する側に位置決めされる。
前記2つの壁は、それぞれ、前記車両トランクの後壁及び前記車両トランクの前壁である。
前記第1のトランク部品は、前記第2のトランク部品よりも先に存在し、前記第2のトランク部品は、前記繊維強化ポリマ材料を前記第1のトランク部品の前記熱可塑性エラストマー材料の一部の上にオーバーモールド成形することによって形成される。
前記熱可塑性エラストマー材料は、前記第1のトランク部品の前記一部内の開放部を有し、前記オーバーモールド成形は、前記開放部におけるリベット接合部を形成する。
前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記第1のトランク部品の縁部を有し、前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記縁部に対して実質的に垂直な方向に先細り部を有する。
前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記第1のトランク部品の前記縁部に隣接する支柱をさらに備え、前記支柱は、実質的に前記先細り部の前記方向に延在し、前記支柱の頂部は、前記繊維強化ポリマ材料から離れるように延在する。
前記熱可塑性エラストマー材料の前記一部は、前記第1のトランク部品の前記縁部に隣接する複数の支柱を有し、前記複数の支柱のそれぞれは、実質的に前記先細り部の前記方向に延在し、前記熱可塑性エラストマー材料は、前記第1のトランク部品の前記一部内の複数の開放部を有し、前記オーバーモールド成形は、複数のリベット接合部を形成し、前記複数のリベット接合部のそれぞれは、前記複数の開放部のそれぞれに形成される。
前記複数のリベット接合部のそれぞれは、前記複数の支柱のうちの2つの隣接する支柱間に位置決めされる。
前記リベット接合部は、前記繊維強化ポリマ材料から形成される頭部を備え、前記頭部は、前記繊維強化ポリマ材料の残りの部分から前記開放部の対向する側に位置決めされる。
前記第1のトランク部品は、前記熱可塑性エラストマー材料内に前記開放部に至る凹部を有し、前記頭部は、前記凹部内に位置決めされる。
前記第2のトランク部品は、前記車両トランクを前記車両に取り付けるように構成されている。車両トランクは、車両のフロントトランクとなるように構成されている。フロントトランクは、車両のフロントモータの前方に位置決めされるように構成されている。
車両トランクは、前記車両トランクの前記内部を内張りするカーペットをさらに備える。
前記カーペットは、第1のカーペット片及び第2のカーペット片からなり、前記第1及び第2のカーペット片のうちの少なくとも一方は、アンダーカット部分を有する。
前記第1及び第2のカーペット片の境界部は、接着剤及び縫合なしに形成される。
前記第1のカーペット片は、前記境界部における隆起部を形成し、前記第2のカーペット片は、前記隆起部に対して付勢する前記第2のカーペット片の縁部によって、少なくとも部分的に適所に保持される。
車両トランクは、前記境界部以外の場所において、前記第2のカーペット片、及び前記第1及び第2のトランク部品のうちの少なくとも一方の間に位置決めされる接着剤をさらに備え、前記第2のカーペット片の前記縁部は、前記第2のカーペット片、及び前記第1及び第2のトランク部品のうちの少なくとも一方の間に位置決めされる前記接着剤に起因して、前記隆起部に対して付勢する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【0007】
【
図2】
図1の車両トランクの別の斜視図を示す図である。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【
図7】
図6の車両フロント部の別の例示の断面図である。
【0013】
【
図8】トランク部品間のリベット接合部の一例の図である。
【0014】
【
図9】
図8のリベット接合部の例示の断面図である。
【0015】
【
図10】
図8のリベット接合部の別の例示の断面図である。
【0016】
【
図11】
図8のリベット接合部の別の例示の断面図である。
【0017】
【
図12】グロメットを有するトランク部品の例示の断面図である。
【0018】
【
図13】車両トランクのカーペットの一例の斜視図である。
【0019】
【
図14】
図13のカーペットのカーペット片の一例の斜視図である。
【0020】
【0021】
【
図16】
図13のカーペットのカーペット片の境界部の例示の断面図である。
【0022】
【0023】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本文書は、トランクを車両のアンダーカット領域に設置するシステム及び技法の例を記載する。本主題は、アンダーカットエリアに挿入することができる耐候性の密封区画を提供することができる。いくつかの実装形態において、本明細書に記載の例は、荷室を最大化して、改善されたトランク荷物空間を提供し、設置を簡単にし、防水性及び防塵性のある一部品設計として作製された改善されたトランクを備え付けることができる。軟質材料をトランクの1つ又は複数の壁に統合することで、二状態の軟質領域を形成することができる。このエリアは、設置を可能にするために折り畳み可能であり、設置されると、許容可能な荷室あたりの収納室を最大化するように拡張可能である。本明細書に記載の例は、開放部がより小さく胴部がより大きいジャー様のトランクの設置をもたらすことができる。
【0025】
本明細書における例は、硬質材料を含む物品を参照する。本明細書において使用される場合、硬質材料は、車両トランクの別の部分(硬質材料から作製されない)が変形してもその形状を保持する車両トランクの一部として成形することができる、1つ又は複数の材料を含む。硬質材料は、硬質プラスチック材料を含むことができる。硬質材料は、限定はしないが、ポリプロピレンを含むポリマ樹脂を含むことができる。硬質材料のポリマ樹脂は、1つ又は複数のタイプの繊維によって強化することができる。限定はしないが、ガラス繊維を含む、ポリマ樹脂を強化するのに好適な任意の繊維を使用することができる。繊維強化された硬質材料は、限定はしないが、約20~60%の繊維(例えば、約40%の繊維)を含む任意の複数パーセンテージの繊維を含有することができる。
【0026】
本明細書における例は、軟質材料を含む物品を参照する。本明細書において使用される場合、軟質材料は、車両トランクの一部として成形することができ、組み付け後は車両トランクの別の部分(軟質材料から作製されない)を実質的に変形させることなく少なくとも部分的に折り畳むことができる、1つ又は複数の材料を含む。軟質材料は、軟質プラスチック材料を含むことができる。軟質材料は、加硫合成ゴム材料を含むことができる。軟質材料は、限定はしないが、スチレン系ブロックコポリマ、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性加硫物、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、若しくは熱可塑性ポリアミド、又はそれらの組み合わせを含む、熱可塑性エラストマーを含むことができる。
【0027】
本明細書における例は、少なくとも部分的に折り畳み可能な車両トランクの部品を参照する。本明細書において使用される場合、少なくとも部分的に折り畳み可能とは、非平面状のトランク部品が少なくともより平面的な形状へと一時的に変形可能であることを意味する。例えば、非平面状のトランク部品は、実質的に凸形状、実質的に凹形状、又は実質的に凸及び凹形状を有することができる。本明細書において使用される場合、少なくとも部分的に折り畳み可能であることで、車両の開放部を通した車両トランクの挿入を容易にすることができる。
【0028】
本明細書における例は、前、後、側、頂、又は底を参照する。これら及び同様の表現は、視点の明示的又は恣意的な概念に基づき、相対的に物事又は態様を識別する。つまり、これらの用語は、説明を目的として使用された単なる例示であり、唯一可能な位置、方向等を必ずしも指示していない。
【0029】
図1は、車両トランク100の一例の斜視図を示している。車両トランク100は、本明細書の他の箇所に記載した他の例とともに使用することができる。車両トランク100は、内部102を有する。いくつかの実装形態において、車両トランク100が車両内に設置されると、内部102は、荷物、車両装備、又は他の所持品を収納する空間を提供する。車両トランクは、乗員区画の外部に、又は乗員区画の内部に(例えば、グローブボックスの形態で)位置することができる。車両トランク100は、車両の任意の好適な場所に設置されるように構成することができる。車両トランク100は、2例だけ挙げると、車両の前部に(例えば、フロントトランクとして)、又は車両の後部に(例えば、リアトランクとして)設置することができる。車両は、車両トランク100等の1つ又は複数のトランクを有することができる。
【0030】
車両トランク100は、内部102をともに画定するトランク部品から作製される。ここでは、車両トランク100は、トランク部品104、106、及び108を備える。いくつかの実装形態において、トランク部品104及び106は、側部と称することができ、トランク部品108は、中央部と称することができる。より多数又はより少数の部品を使用することができる。トランク部品108は、内部102への開放部の全周に延在するリム110を有することができる。リム110は、内部102への主開放部を画定する閉ループを形成することができる。
他の手法を使用することができる。
【0031】
2つ以上のトランク部品を同じ又は異なる材料から作製することができる。いくつかの実装形態において、トランク部品104又は106のうちの少なくとも一方は、軟質材料から作製される。例えば、トランク部品104及び106は、同じ又は異なる軟質材料から作製することができる。いくつかの実装形態において、トランク部品108は、硬質材料から作製することができる。材料選択は、トランク部品104、106、又は108のうちの少なくとも1つが、車両トランクの設置を容易にするように少なくとも部分的に折り畳み可能である一方、車両トランク100の全体が、使用中に意図された形状を維持するのに十分な安定性及び強度を保持するようになされ得る。例えば、車両トランク100は、車両のアンダーカット領域内に設置することができる。
【0032】
車両トランク100は、例えば、後述するように、内部102に位置決めされる少なくとも1つの接着要素112を備えることができる。
【0033】
図2は、
図1の車両トランク100の別の斜視図を示している。車両トランク100は、内部102に底壁200を備えることができる。いくつかの実装形態において、底壁200は、トランク部品108によって形成することができる。例えば、底壁200は、硬質材料から作製することができる。いくつかの実装形態において、車両トランク100は、耐候性エンクロージャを提供する。例えば、底壁200は、接合部のない単一の一体構成要素として形成することができ、リム110は、車両の閉鎖体が係合することができる環境シールを設けることができる。
【0034】
いくつかの実装形態において、車両トランク100は、内部102に少なくとも1つの締結具202を備えることができる。例えば、締結具202は、底壁200に位置決めし、車両トランク100を車体又はシャーシに取り付けるように構成することができる。
【0035】
図3は、
図1の車両トランク100の側面図を示している。いくつかの実装形態において、トランク部品104は、車両トランク100の実際の壁とみなすことができる。例えば、トランク部品104は、車両の後方に延在する(例えば、図示のような)凸部分を有することができる。いくつかの実装形態において、トランク部品106は、車両トランク100の前壁とみなすことができる。例えば、トランク部品106は、車両の前方に延在する(例えば、図示のような)凸部分を有することができる。ここでは、トランク部品104及び106は、互いに面し、内部102の対向する側に位置決めされる(例えば、
図2)。
【0036】
車両トランク100の材料選択により、車両内に組み付ける前に車両トランク100の複数の例の少なくともいくらかの積み重ね可能性をもたらすことができる。いくつかの実装形態において、車両トランク100の1つ又は複数のトランク部品は、車両トランク100が、別の車両トランク100と積み重ねる又はその内部に少なくとも部分的に入れ子をなすことが可能であるように、少なくとも部分的に折り畳むことができる。例えば、トランク部品104及び/又は106は、少なくともいくらかの積み重ねを可能にするように、少なくとも部分的に折り畳むことができ、トランク部品108は、実質的に変形しないまま保持することができる。
【0037】
いずれのトランク部品が軟質材料を有し、いずれのトランク部品が硬質材料を有するかの他の組み合わせを使用することができる。いくつかの実装形態において、単一のトランク部品が軟質材料から作製され、車両トランク100の残りの部分を硬質材料から作製することができる。例えば、1つの側壁(例えば、前、後、底、又は側方の壁)を軟質材料から作製することができる。いくつかの実装形態において、3つ以上のトランク部品を軟質材料から作製することができ、車両トランク100の残りの部分を硬質材料から作製することができる。
【0038】
図4は、
図1の車両トランク100の例示の断面図を示している。この図は、トランク部品104及び106が底壁200とともに内部102を画定する様子を例示している。例えば、車両トランクは、トランク部品104及び106間の利用可能な最大距離として規定される寸法400を有する。車両トランク100の材料選択は、車両トランク100を車両のアンダーカット領域内に設置することを可能にすることができる。
【0039】
いくつかの実装形態において、車両トランク100は、車両構造部404A及び404B(概略的に示す)によって形成される車両開放部402を通して設置することができる。例えば、車両構造部404A及び404Bは、車両のボディの一部であり、金属から作製される。車両開放部402は、車両構造部404A及び404Bによって画定される寸法406を有する。また、車両開放部402内の領域は、アンダーカットされており、すなわち、車両開放部402内で寸法406よりも広い空間が利用可能である。ここでは、例えば、車両トランク100は、内部102の少なくともいずれかの場所において寸法400を有し、寸法400は、寸法406よりも大きくし得る。組み付け中、トランク部品104及び/又は106は、軟質材料から作製されることに起因して、少なくとも部分的に折り畳むことができ、代わりに、車両トランク100に寸法406よりも小さい寸法400'を一時的に与える。寸法400'は、組み付け中に車両トランク100が車両開放部402を通過することを可能にする。例えば、この設置は、車両トランク100を折り畳み状態で車両開放部402を通して単に落とし込み、意図された位置に入れることを伴うことができる。
【0040】
アンダーカット領域内に入ると、トランク部品104及び/又は106は、内部102が寸法400を有するように戻すことで、実質的に元の形状になるように変形を解くことができ、それにより、アンダーカット領域における利用可能な空間が効率的に使用される。車両トランク100の残りの部分が硬質材料であることで、内部102が1つ又は複数の規定寸法を有するように、車両トランク100が意図された形状に戻るのに役立つ。例えば、アンダーカット領域内の空間の効率的な使用が可能であることで、車両トランク100に、利用可能な収納容積の大幅な向上をもたらすことを可能にすることができる。
【0041】
図5は、
図1の車両トランク100の背面斜視図を示している。この図は、トランク部品104の1つの利用可能な形状を例示している。いくつかの実装形態において、トランク部品104は、実質的に平坦な表面500を有する。いくつかの実装形態において、表面500は、トランク部品104によって画定される凸形状の頂部を形成する。例えば、トランク部品104が軟質材料から作製される場合、凸形状は、トランク部品104が少なくとも部分的に折り畳まれることを容易にし、アンダーカット領域内への設置を容易にすることができる。いくつかの実装形態において、表面500は、車両トランク100が設置時に車両の平坦な壁又は他の構成要素に当接し得ることを容易にすることができる。
【0042】
図6は、車両フロント部600の例示の断面図を示している。車両フロント部600又はその構成要素は、本明細書の他の箇所に記載した他の例とともに使用することができる。ここでは、車両トランク100は、車両フロント部600に設置される。例えば、車両トランク100は、フロントトランクであるように構成することができる。また、車両フロント部600は、比較的小さい開放部内にアンダーカット領域を有する。例えば、開放部は、車体のビーム602によって少なくとも部分的に画定することができる。車両トランク100は、公称上、開放部のサイズを超える1つ又は複数の寸法を有するにもかかわらず、設置中に1つ又は複数のトランク部品が少なくとも部分的に折り畳まれることに起因して、そのようなアンダーカット領域に設置することができる。
【0043】
車両フロント部600は、車体の一部である構造剪断壁604を有する。例えば、構造剪断壁604は、車両の剛性に役立つ。構造剪断壁604の後方には、ダッシュパネル606がある。区画608は、構造剪断壁604及びダッシュパネル606の間に形成される。いくつかの実装形態において、区画608は、車両のモータを収容することができる。例えば、区画608内のモータは、車両のフロントモータとすることができる。車両トランク100は、区画608内のモータの前方に位置決めされるように構成することができる。いくつかの実装形態において、トランク部品104は、構造剪断壁604に当接するように構成することができる。例えば、トランク部品104は、表面500(
図5)を有することができる。
【0044】
図7は、
図6の車両フロント部600の別の例示の断面図を示している。ここでは、車両トランク100は、車両フロント部600に設置される。車両フロント部600は、車体の一部であるか又は車体に取り付けられる車両フロントエンド700を有する。例えば、車両フロントエンド700は、ヘッドライト及びフェイシア等の車両構成要素を取り付けるのに使用され、閉鎖位置において閉鎖体(例えば、ボンネット)に掛止するように使用することができる。車両フロントエンド700は、バンパービーム702(概略的に示す)の後方に位置決めすることができる。いくつかの実装形態において、車両フロントエンド700は、バンパービーム702に取り付けることができる。
【0045】
車両トランク100は、車両フロントエンド700の後方に位置決めされるように構成することができる。いくつかの実装形態において、トランク部品106は、実質的に平坦な表面704を有する。いくつかの実装形態において、表面704は、トランク部品106によって画定される凸形状の頂部を形成する。例えば、トランク部品106が軟質材料から作製される場合、凸形状は、トランク部品106が少なくとも部分的に折り畳まれることを容易にし、アンダーカット領域内への設置を容易にすることができる。いくつかの実装形態において、表面704は、車両トランク100が設置時に車両の平坦な壁又は他の構成要素に当接し得ることを容易にすることができる。例えば、トランク部品106は、バンパービーム702に当接するように構成することができる。
【0046】
図8は、トランク部品間のリベット接合部800の一例を示している。リベット接合部800は、本明細書の他の箇所に記載した他の例とともに使用することができる。リベット接合部800は、車両トランク(例えば、
図1の車両トランク100)の製造時に形成することができる。いくつかの実装形態において、リベット接合部800は、硬質材料のトランク部品を軟質材料のトランク部品の上にオーバーモールド成形する一環として形成することができる。例えば、トランク部品104は、軟質材料から作製することができ、トランク部品108よりも先に存在することができる。トランク部品108は、硬質材料をトランク部品104の軟質材料の一部の上にオーバーモールド成形することによって形成することができる。いくつかの実装形態において、リベット接合部800は、トランク部品108の頭部802及びトランク部品104の領域804の間の係合に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、リベット接合部800は、トランク部品104及びトランク部品108の間の接合部が化学的接着であるだけでなく、物理的、機械的接合部が形成されることを確実にすることができる。
【0047】
図9は、
図8のリベット接合部800の例示の断面図を示している。領域804は、トランク部品104の縁部900を有することができる。トランク部品104を先に存在する構成要素として製造する際、縁部900に向かって先細り部902を形成することができる。先細り部902は、縁部900に対して実質的に垂直な方向に向くことができる。例えば、先細り部902は、トランク部品104及び108間の接合部の表面積を増大させることができる。
【0048】
先に存在するトランク部品、ここでは、トランク部品104は、開放部904を有することができる。いくつかの実装形態において、溶融硬質材料が、リベット接合部800を形成するオーバーモールド成形プロセス中、開放部904を通って流れることができる。トランク部品108の材料は、オーバーモールド成形プロセスにおいて硬質材料の頭部802を形成することができる。頭部802は、トランク部品108の硬質材料の残りの部分から開放部904の対向する側に位置決めすることができる。例えば、頭部802は、開放部904に至る凹部906において形成することができる。
【0049】
図10は、
図8のリベット接合部800の別の例示の断面図を示している。先に存在するトランク部品、ここでは、トランク部品104は、軟質材料から形成された支柱1000を有することができる。支柱1000は、縁部900(
図9)に隣接して位置決めすることができる。支柱1000は、実質的に先細り部902(
図9)の方向に延在することができる。支柱1000の頂部1002は、トランク部品108の硬質材料から離れるように延在することができる。例えば、支柱1000のほとんどは、トランク部品108の硬質材料内に位置するが、頂部1002は、硬質材料によって覆われない。例えば、支柱1000は、硬質材料及び軟質材料が互いに接触する表面積を増大させることができる。別の例として、オーバーモールド成形プロセス中、支柱1000のうちの隣接するものは、溶融硬質材料の流れを有利にガイドすることができる。
【0050】
図11は、
図8のリベット接合部800の別の例示の断面図を示している。いくつかの実装形態において、先に存在するトランク部品、ここでは、トランク部品104は、縁部900(
図9)に隣接する支柱1000の複数の例を含むことができる。複数の支柱1000のそれぞれは、実質的に先細り部902(
図9)の方向に延在することができる。トランク部品104の軟質材料は、領域804(
図8)内の開放部904の複数の例を含むことができる。オーバーモールド成形プロセスは、リベット接合部800の複数の例を形成することができる。リベット接合部800のそれぞれは、開放部904の複数の例のそれぞれにおいて形成することができる。リベット接合部800の複数の例のそれぞれは、支柱1000の複数の例のうちの隣接した2つの間に位置決めすることができる。例えば、支柱1000のうちの隣接したものは、溶融硬質材料が開放部904の複数の例に流入するのをガイドし、頭部802のそれぞれの例を形成するのに役立つことができる。
【0051】
図12は、グロメット1200を有するトランク部品の例示の断面図を示している。グロメット1200は、本明細書の他の箇所に記載した他の例とともに使用することができる。トランク部品は、2例だけ挙げると、トランク部品104及び/又は106とすることができる。グロメット1200は、軟質材料によって形成することができ、内部102(例えば、
図1)から離れるように延在することができる。いくつかの実装形態において、グロメット1200は、トランク部品を、車両のボディ又は他の構造体等の構成要素1202に取り付けるように構成されている。例えば、グロメット1200は、トランク部品104を構造剪断壁604(
図6)に取り付けるように使用することができる。別の例として、グロメット1200は、トランク部品108をバンパービーム702(
図7)に取り付けるように使用することができる。グロメット1200は、限定はしないが、数例だけ挙げると、後壁、前壁、側壁、底壁、又は頂壁を含む車両トランクの複数の場所のうちの任意の場所に位置決めすることができる。
【0052】
図13は、車両トランク用のカーペット1300の一例の斜視図を示している。カーペット1300は、本明細書の他の箇所に記載した他の例とともに使用することができる。カーペット1300は、合成及び/又は繊維材料から形成することができる。カーペット1300は、車両トランクの内部を内張りするのに使用することができる。例えば、カーペット1300は、車両トランク100の内部102(例えば、
図1)のために構成することができる。カーペット1300は、1つ又は複数のカーペット片を含むことができる。ここで、カーペット1300は、カーペット片1302及びカーペット片1304を含む。いくつかの実装形態において、カーペット1300は、カーペット片1302及び1304のみからなる。
【0053】
図14は、
図13のカーペット1300のカーペット片1302の一例の斜視図を示している。この図は、ここでは前出の図とは反対方向からのものである。
図15は、
図14のカーペット片1302の部分斜視図を示している。
いくつかの実装形態において、カーペット片1302は、車両トランクの内部に適合するように成形される。例えば、カーペット片1302は、少なくとも1つのアンダーカット部分1400を有するように成形することができる。いくつかの実装形態において、アンダーカット部分1400は、トランク部品の対応する部分内に適合するように構成することができる。例えば、アンダーカット部分1400は、トランク部品104(例えば、
図1)のために構成することができる。
【0054】
図16は、
図13のカーペット1300のカーペット片1302及び1304の境界部1600の例示の断面図を示している。境界部1600は、本明細書の他の箇所に記載した他の例とともに使用することができる。境界部1600は、接着剤及び縫合なしに2つの片(例えば、カーペット片1302及び1304)の間に形成することができるため、有利である。カーペット片のうちの1つ、ここでは、カーペット片1302は、境界部1600が形成される隆起部1602を形成することができる。別のカーペット片、ここでは、カーペット片1304は、境界部1600が形成される縁部1604を有することができる。縁部1604は、隆起部1602に対して付勢することができ、隆起部1602は、縁部1604が付勢方向へと前方に移動することを防止することができる。カーペット片1304は、カーペット片1304の残りの部分が適所に保持される方法に起因して、隆起部1602に向かう方向に縁部1604を付勢することができる。いくつかの実装形態において、接着要素112(
図1)は、縁部1604が隆起部1602に向かって付勢される位置にカーペット片1304を保持することができる。接着要素112は、限定はしないが、面ファスナを含む、カーペット片1304をトランク部品104に取り付ける複数の方法のうちの任意のものを含むことができる。
【0055】
図17は、
図13のカーペット1300及び
図1の車両トランク100の一部の例示の断面図を示している。いくつかの実装形態において、カーペット1300のカーペット片1304(
図13)は、ここでは、車両トランク100のトランク部品108(例えば、
図1)に取り付けることができる。例えば、カーペット1300の上側リム又は縁部が適所に維持され、移動しないことを確実にするように、構造体を車両トランク100のリム110に取り付けることができる。
【0056】
本明細書の全体を通して使用される用語「実質的に」及び「約」は、処理時のばらつきに起因するもの等の小さい変動を説明及び報告するために使用される。例えば、それらは、±5%未満又はそれに等しい、例えば±2%未満又はそれに等しい、例えば±1%未満又はそれに等しい、例えば±0.5%未満又はそれに等しい、例えば±0.2%未満又はそれに等しい、例えば±0.1%未満又はそれに等しい、例えば±0.05%未満又はそれに等しいことを指すことができる。また、本明細書において使用されるとき、「a」又は「an」等の不定冠詞は「少なくとも1つ」を意味する。
【0057】
上記のコンセプト、及び以下でより詳細に論述される追加のコンセプトの全ての組み合わせ(そのようなコンセプトが相互に矛盾しない限り)が、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図されていることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせが、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると企図されている。
【0058】
複数の実装形態が説明された。しかしながら、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が加えられ得ることを理解されたい。
【0059】
さらに、図に示されている論理の流れは、望ましい結果を実現するために、示されている特定の順序、又は連続した順序を必要とするものではない。さらに、他のプロセスが提供されてもよく、又は説明された流れからプロセスが排除されてもよく、説明されたシステムに他の構成要素が追加されても、又は説明されたシステムから他の構成要素が削除されてもよい。したがって、他の実装形態が以下の特許請求の範囲に記載の範囲内に属する。
【0060】
説明された実装形態の特定の特徴が本明細書に記載の通り示されてきたが、今や多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者に想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、実装形態の範囲に含まれる全てのそのような修正及び変更を包含することを意図していることが理解されるべきである。それらは限定ではなく単なる例として提示されており、形態及び詳細に様々な変更が加えられてもよいことを理解されたい。相互に排他的な組み合わせを除いて、本明細書に記載の装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせで組み合わされてもよい。本明細書に記載の実装形態は、説明された異なる実装形態の機能、構成要素、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は副次的組み合わせを含むことができる。
【国際調査報告】